JPWO2020044978A1 - 測定装置、及び、評価方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施形態に係る測定装置は、固体電解質と、少なくとも2つの電極とを有し、固体電解質と電極とが接触するよう配置されたバイオセンサの、電極の間に電圧を印加するための電圧印加部と、電圧が印加された際に、電極の間に流れる電流値を測定するための検出部と、電流値と、予め記憶された電流値と生物粒子の存否、微生物の増殖状態、及び、微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、微生物に起因する情報を提供するための演算部と、を有する。

Description

本発明は、測定装置、及び、評価方法に関する。
自然界において、植物を宿主とし、病気を引き起こす微生物、及び、ヒトを含む動物を宿主とし、感染症を引き起こす微生物(病原微生物とも呼ばれる。)が知られている。
例えば、微生物を病原とする植物の病害が知られている。上記病害が発生した場合、防除の方法としては、例えば、薬剤等を散布する、及び/又は、病害が発生した範囲の植物を滅却する方法等があるが、一般に、病害の原因となる微生物を早期に特定すること、及び、病害の発生している範囲を早期に特定することは、上記病害の被害を最小限に抑制するための方法として有用と考えられている。
このような方法として、特許文献1には、「以下の工程を含む、イチゴうどんこ病菌(Sphaerotheca aphanis)の検出方法:1)イチゴ植物体から得られたDNAと、配列番号1に示すオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程;及び2)得られたDNA増幅産物を検出する工程。」が記載されている。
また、微生物を病原とするヒトの感染症の予防への関心が高まっている。とりわけ、医療施設で使用される医療機器を介した感染予防のために、使用後の医療機器の洗浄及び消毒に関する様々な指針、ガイドラインが示されている。中でも、内視鏡は、生体の体腔内の検査や治療に使用される医療機器であり、使用後に徹底した洗浄及び消毒を行うことが義務付けられている。
そのため、例えば、特許文献2には、内視鏡の洗浄レベルを確実に確保し、十分な消毒効果を得ることを可能にすることを目的とする、内視鏡洗浄管理システム及び内視鏡洗浄管理方法が提案されている。
特開2016−220651号公報 特開2012−71028号公報
特許文献1に記載の方法によれば、イチゴに発生したうどんこ病を検出できるものの、イチゴから得たDNAを試料として特定のプライマーを用いて増幅する等、専門知識を有する操作を必要とし、かつ、オンサイトで上記病害を検出することは難しかった。
内視鏡等の医療機器に関しては、洗浄効果の確認方法として、従来、培養法、ATP(アデノシン三リン酸)測定法等が知られているが、培養法の場合、結果を得るまでに多くの時間と手間を要する。また、特許文献2において好ましいとされるATP測定法では、有機物(生物学的物質)全般が検出対象であるため、病原微生物の存在を評価することは困難であった。さらに、内視鏡等の医療機器の洗浄効果を高めるために、依然として、洗浄装置、洗浄治具、洗浄用ブラシ等について、様々な改良の試みがなされている(例えば、特開2015−150224号公報、特開2015−177914号公報、特開2018−130473号公報、特開2017−202128号公報等参照)が、これらの技術を適用した洗浄処理の効果の確認方法として、病原微生物の存在を評価することができる手法の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、オペレータが専門知識を有していなくとも、植物における病害の発生リスクを評価するための情報をオンサイトでも簡易に提供できる、測定装置を提供することを課題とする。また、本発明は、微生物を原因とする植物における病害の発生リスクの評価方法を提供することも課題とする。
また、本発明は、医療機器等、ヒトを含む動物の感染症を引き起こす微生物が存在する可能性のある対象物における病原微生物の存在を簡便に検知することができる測定装置を提供することを課題とする。また、本発明は、医療機器の清浄度の評価方法を提供することも課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 検査対象物と接触させ、上記検査対象物が有する微生物、及び、上記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を捕捉するための固体電解質と、少なくとも2つの電極とを有し、上記固体電解質と上記電極とが接触するよう配置されたバイオセンサの、上記電極の間に電圧を印加するための電圧印加部と、上記電圧が印加された際に、上記電極の間に流れる電流値を測定するための検出部と、上記電流値と、予め記憶された電流値と上記生物粒子の存否、上記微生物の増殖状態、及び、上記微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、上記微生物に起因する情報を提供するための演算部と、を有する測定装置。
[2] 上記バイオセンサは、第1基板と、上記第1基板上に配置された上記固体電解質とを有する固体電極付き基板、及び、第2基板と、上記第2基板上に配置された少なくとも2つの上記電極と、を有する電極付き基板を、上記固体電解質と上記電極とが接触するよう積層された積層体である、[1]に記載の測定装置。
[3] 上記固体電解質がヒドロゲルである、[1]又は[2]に記載の測定装置。
[4] 上記電極の間の最短距離が、50nm〜10μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の測定装置。
[5] 上記電極の少なくとも1つが、くし歯形状を有するくし型電極である、[1]〜[4]のいずれかに記載の測定装置。
[6] 上記微生物に起因する情報が、上記微生物を原因とする植物における病害の発生リスクを評価するための情報である、[1]〜[5]のいずれかに記載の測定装置。
[7] 上記生物粒子が、フィトフトラ属菌、ボトリチス属菌、プラスモパラ属菌、スファエロテカ属菌、アルテルナリア属菌、ウロミセス属菌、ウスチラゴ属菌、ファコプソラ属菌、バークホルデリア属菌、キサントモナス属菌、キシレラ属菌、シュードモナス属菌、エルウィニア属菌、ストレプトマイセス属菌、柑橘類におけるカンジダツス・リベリバクテル属菌、及び、イチゴにおけるカンジダツス・フロモバクター属菌からなる群より選択される少なくとも1種の微生物に由来する、[1]〜[6]のいずれかに記載の測定装置。
[8] 上記植物における病害が、うどんこ病、さび病、斑点病、萎凋病、根及び茎の病害、穂の病害、果実の腐敗、苗立ち枯れ性の病害、こぶ病、天狗巣病、及び、縮葉病からなる群より選択される少なくとも1種である、[6]又は[7]に記載の測定装置。
[9] 上記記微生物に起因する情報が、医療機器の清浄度を評価するための情報である、[1]〜[5]のいずれかに記載の測定装置。
[10] 上記医療機器が内視鏡である、[9]に記載の測定装置。
[11] 固体電解質を検査対象物と接触させ、上記検査対象物が有する微生物、及び、上記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を上記固体電解質に捕捉する工程と、基板と、基板上に配置されたすくなくとも2つの電極とを有する電極付き基板を準備し、接触後の上記固体電解質を上記電極のいずれとも接触するように、上記電極付き基板上に配置し、バイオセンサを形成する工程と、上記電極の間に電圧を印加し、得られる電流値を測定する工程と、
上記電流値と、予め記憶された電流値と上記生物粒子の存否、上記微生物の増殖状態、及び、上記微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、上記微生物に起因する情報を得る工程と、を有する評価方法。
[12] 上記微生物に起因する情報が、上記微生物を原因とする植物における病害の発生リスクを評価するための情報である、[11]に記載の評価方法。
[13] 上記微生物に起因する情報が、医療機器の清浄度を評価するための情報である、[11]に記載の評価方法。
[14] 上記医療機器が内視鏡である、[13]に記載の評価方法。
[15] 複数の区画に区分けされた農作地において、上記区画ごとに配置された、[1]〜[8]のいずれかに記載の測定装置と、上記測定装置との遠隔通信接続により、微生物を原因とする検査対象物における病害の発生リスクを評価するための情報を上記測定装置から取得する端末と、を有する農作地管理システムであって、上記区画ごとの上記情報を、上記端末に表示可能に構成してなる、農作地管理システム。
本発明の一側面によれば、オペレータが専門知識を有していなくとも、植物における病害の発生リスクを判断するための情報をオンサイトでも簡易に提供できる、測定装置が提供できる。また、微生物を原因とする植物における病害の発生リスクの評価方法、及び、農作地管理システムも提供できる。
また、本発明の別の側面によれば、医療機器等、ヒトを含む動物の感染症を引き起こす微生物が存在する可能性のある対象物における病原微生物の存在を簡便に検知することができる測定装置が提供できる。また、医療機器の清浄度の評価方法も提供できる。
本発明の実施形態に係る測定装置において使用することができるバイオセンサの分解斜視図である。 第1電極及び第2電極における、固体電解質と接触する部分の正面図である。 第1基板と、第1基板上に配置された固体電解質とを有する固体電解質付き基板を表す斜視図である。 固体電解質を植物の器官と接触させる様子を表す模式図である。 固体電解質付き基板と、電極付き基板とを、スペーサを介して接合して形成されたバイオセンサの斜視図である。 本発明の実施形態に係る測定装置が有する本体の一例を示す正面図である。 本体にバイオセンサを挿入した状態のセンサ挿入口周辺の部分拡大図である。 図7におけるA−A′断面図である。 測定装置の筐体内に収容された主な電子部品の構成である。 電極間に所定の電圧を印加した場合(定電位測定)における、試料D1と、試料D2のそれぞれから得られる電流値と、電圧印加時間(測定時間)との関係を表した模式的なグラフである。 電極間に掃引電圧を印加した場合の、試料D3と、試料D4の電極間の電位差に対する電流値の大きさを表した模式的なグラフである。 制御コンピュータによる測定処理のフローである。 本発明の第2実施形態に係る測定装置において使用することができるバイオセンサが有する電極付き基板の斜視図を表す。 本発明の実施形態に係る農作物管理システムの構成図である。 (A)、(B)内視鏡の構成部材であるチューブ(管)の構造の一例を示す模式図である。 試験例における、MR−1の濃度(OD600値)と、電流値が立ち上がったときの「時間−電流値」の曲線の傾きの関係を示すグラフである。 試験例において、リボフラビン含有LB寒天培地に、濃度の異なるMR−1培養液を塗抹して得られた電流値の測定結果を示すグラフである。 図17に示した結果の、MR−1の濃度(OD600値の対数)と、電流値の最大値に至るまでの時間との関係を示すグラフである。 試験例で得られた結果の、微分パルスボルタンメトリー(DPV)による分析結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。特に、検査対象物が植物(より具体的には、植物の器官)である態様についての説明は、検査対象物が医療機器(より具体的には、内視鏡)である態様についても同様に当てはまり、その逆もまた然りである。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[測定装置]
本発明の実施形態に係る測定装置は、検査対象物と接触させ、上記検査対象物が有する微生物、及び、上記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を捕捉するための固体電解質と、少なくとも2つの電極とを有し、上記固体電解質と上記電極とが接触するよう配置されたバイオセンサの、上記電極の間に電圧を印加するための電圧印加部と、上記電圧が印加された際に、上記電極の間に流れる電流値を測定するための検出部と、予め記憶された電流値と前記生物粒子の存否、前記微生物の増殖状態、及び、前記微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、上記電流値とを比較することにより、上記微生物に起因する情報を提供するための演算部と、を有する測定装置である。以下では、本発明の実施形態に係る測定装置の一例の構成を、図を用いて説明する。
〔バイオセンサ〕
図1は、本発明の実施形態に係る測定装置において使用することができるバイオセンサの分解斜視図である。図1に示すように、バイオセンサ100は、第1基板101と、第1基板上に配置され後述する電極に接触するように配置された固体電解質102(図1においては、第1基板101の裏側主面に配置されている)と、を有する固体電解質付き基板103;スペーサ104;第2基板105と、第2基板105上に配置された第1電極106と、第2電極107と、を有する電極付き基板108;とを有している。
バイオセンサ100において、固体電解質102は、スペーサ104を介して、その表面が第1電極106及び第2電極107と接触するよう配置されているが、本発明の実施形態に係る測定装置に適用可能なバイオセンサとしては、上記に制限されず、スペーサを介さず、固体電解質が第1電極及び第2電極に接触する形態であってもよい。
さらに、後述するように、固体電解質102が、電子源となる物質、及び/又は、電子伝達物質等を含有する態様では、固体電解質は、電極付き基板の第2基板上に配置された第1電極及び第2電極に接触するように配置されてもよい。すなわち、この形態では、バイオセンサは、スペーサ及び第1基板を有しない構成であり、そのようなバイオセンサであっても、本発明の実施形態に係る測定装置に適用可能である。
バイオセンサ100において、第1基板101、スペーサ104、及び、第2基板105の材料としては特に制限されないが、一般に絶縁性を有する物質(絶縁体)が好ましく、例えば、有機材料、及び、無機材料等を用いることができる。
なお、本明細書において、絶縁体としては、電気抵抗率が10(Ω・m)以上である物質が好ましい。
有機材料としては特に制限されないが、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、及び、セルロース系重合体及びキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、又は、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
無機材料としては特に制限されないが、ガラス等が挙げられる。
バイオセンサ100は、二電極式のセンサであり、第2基板105上に、2つの電極、すなわち、第1電極106及び第2電極107が配置されている。
第1電極106及び第2電極107は、固体電解質上に捕捉された生物粒子を電気化学的に検知するための電極であり、公知の電極材料を使用でき、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、及び、パラジウム(Pd)等の金属材料等であればよい。
図2は、上記第1電極106及び第2電極107における、固体電解質102と接触する部分の正面図である。第1電極106及び第2電極107は、それぞれくし(櫛)状の構造を有するくし形電極であり、第1電極106のくし歯と、第2電極107のそれぞれのくし歯が交互に配置された構造となっている。
なお、図2においては、第1電極106が4本のくし歯を有し、第2電極107が3本のくし歯を有しているが、上記に制限されず、くし歯の本数は適宜選択可能である。
図2のくし形電極において、各くし歯は、距離W1の等間隔で配置されており、第1電極106のくし歯の先端と第2電極107との距離、及び、第2電極107のくし歯の先端と第2電極107との距離(図示していない)はそれぞれ距離W2である。
このとき、距離W1、及び、距離W2としては特に制限されず、検査対象物が有する(可能性のある)微生物、及び/又は、上記微生物に由来する粒子(以下、「検出対象の生物粒子」ともいう。)のサイズに応じて適宜選択可能である。
上記2つの電極によれば、第1電極106と第2電極107との最短の距離に応じたサイズの生物粒子が検出可能である。具体的には、図2の形態においては、W1とW2のより小さい方の距離以上のサイズを有する生物粒子が検出可能である。
なお、両電極間の最短の距離としては特に制限されないが、一般に50nm〜10μmが好ましい。
すなわち、両電極間の距離は、検出対象の生物粒子のサイズ以下であることが好ましい。
検出対象の生物粒子としては、特に制限されないが、検査対象物が植物である場合、フィトフトラ属菌、ボトリチス属菌、プラスモパラ属菌、スファエロテカ属菌、アルテルナリア属菌、ウロミセス属菌、ウスチラゴ属菌、ファコプソラ属菌、バークホルデリア属菌、キサントモナス属菌、キシレラ属菌、シュードモナス属菌、エルウィニア属菌、ストレプトマイセス属菌、柑橘類におけるカンジダツス・リベリバクテル属菌、及び、イチゴにおけるカンジダツス・フロモバクター属菌からなる群より選択される少なくとも1種の微生物、及び/又は、これらの微生物に由来する粒子が好ましい。
例えば、トマトの茎等に生ずる、茎えそ細菌病等の原因細菌として知られるシュードモナス属菌を固体電解質上に捕捉した場合、(更に電極上に捕捉してもよい)シュードモナス属菌により生成された電流値を測定することにより、上記細菌の存在を検知できる。
上記のように、本発明の実施形態に係る測定装置においては、バイオセンサ100を後述する本体と電気的に接続し、第1電極106と第2電極107との間に電圧を印加して両電極間に電位差を生じさせて、固体電解質上に捕捉された検出対象の生物粒子を検出する。
このとき、第1電極106と第2電極107との最短の距離が上記範囲内であると、電位差のある両電極間を、電子伝達機能を有する生物粒子がブリッジすることにより、両電極間に電流が流れる。つまり、上記電流値を測定することにより、即時にそれらの生物粒子を検出することができる。
具体的には、50mVの電位差のある電極間を、上記の生物粒子の1個がブリッジすることで、100pA程度の電流値が測定できると推測される。
例えば、検出対象の生物粒子がフィトフトラ(Phytophthora)属菌の遊走子である場合、そのサイズは5〜10μm程度であることが知られている。この時、電極間の最短距離を上記範囲内、例えば、8μmとした場合、固体電解質上に存在する遊走子が電極間をブリッジし、電流値が計測できるため、固体電解質の表面には、上記遊走子が捕捉されていた、すなわち、植物の器官の表面に上記遊走子が存在し、植物の器官の表面が、上記菌の増殖に適した状態となっている可能性があると推測される。
一方で、このとき固体電解質上に一般的な細菌が存在していたとしても、細菌のサイズは一般に上記電極間の距離より十分に小さく、結果として細菌は電極間をブリッジできないため、シグナルとしては検出されない。電極間の最短距離を検出対象の生物粒子のサイズに合わせて調整することにより、検出対象の生物粒子を特異的に検出することが可能である。
なお、バイオセンサ100においては、第1電極106及び第2電極107の両方がくし形電極であるが、本発明の測定装置において使用される二電極式のバイオセンサとしては上記に制限されず、固体電解質と両電極が接触するように配置されていれば、電極の形状としては特に制限されない。このとき、2つの電極間の最短距離としては、すでにくし形電極の場合の形態として説明したのと同様である。
なお、本発明の実施形態に係る測定装置において使用される二電極式のバイオセンサとしては、第1電極、及び、第2電極からなる群より選択される少なくとも1つがくし形電極であることが好ましい。2つの電極の少なくとも1つがくし形電極であると、より大きな電流値が得られやすく、結果として、より迅速に、及び/又は、より正確に測定が可能である。
図3は、第1基板101と、第1基板101上に配置された固体電解質102とを有する固体電解質付き基板103を表す斜視図である。
上記第1基板101は、固体電解質102を支持する機能を有する部材であり、図3においてはシート状であるが、その形状としては、固体電解質102を支持できれば特に制限されない。
第1基板101の材料としては特に制限されないが、絶縁体が好ましく、第1基板の材質としては、例えば、有機材料、及び、無機材料等が挙げられる。有機材料としては、紙、及び、高分子等が挙げられる。無機材料としては、ガラス等が挙げられる。
なお、第1基板の厚みとしては特に制限されず、適宜選択可能であるが、取り扱いが容易である観点から、典型的には0.1μm〜10mmが好ましい。
固体電解質102は、検査対象物と接触させ、検査対象物が有する微生物、及び、上記微生物に由来する粒子(例えば、胞子)からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を捕捉するための部材である。
検査対象物としては特に制限されず、例えば、植物における病害の防除において必要な媒体、及び、ヒトを含む動物における微生物による感染症の予防において必要な媒体等を検査対象物とすることができる。
検査対象物としては、例えば、植物の器官(例えば、葉、茎、花弁、及び、根等)、植物の生育環境中の土壌、空気(例えば、露地圃場、及び/又は、ハウス圃場の大気)、及び、水(散水用の水、及び、エアロゾル等)等が挙げられる。
また、検査対象物としては、例えば、医療機器が挙げられ、より具体的には、医療機器の構成部材であって、使用中に被検体の生体粘膜等に触れるもの等が挙げられる。例えば、内視鏡の場合、被検体内に挿入される挿入部(先端部、湾曲部、受動湾曲部、可撓管部等)、上記挿入部に接続された操作部(アングルノブ、送気/送水用シリンダ、送気/送水ボタン等)、上記操作部から延びるユニバーサルコードの先端に接続された内視鏡コネクタ(送水管、副送水口金等)、並びに、これらの部材の洗浄用ブラシ、及び、洗浄/消毒廃液等が挙げられる。なお、内視鏡の構成部材及び構造等については公知であるが、必要であれば、特開2018−130473号公報等を参照されたい。
固体電解質102を検査対象物と接触させる方法としては特に制限されず、検査対象物の形態に応じて適宜選択すればよい。
固体電解質102は後述する電気化学測定用の媒体となる部材でもあり、その材料としては、公知の固体電解質を使用可能である。なかでも、取り扱い性に優れる点で、固体電解質としてはヒドロゲルが好ましい。ヒドロゲルとしては、例えば、寒天ゲル、及び、ゼラチンゲル等が挙げられる。
なお、固体電解質としては、高いイオン電導性を有するものが好ましく、より具体的には、その内部をイオン(例えば、水素イオン、及び、硫酸イオン等)が移動できるものが好ましい。
上記ヒドロゲルは、より優れたイオン電導性を有する点で、硫酸塩等を含有していてもよい。
また、固体電解質は、検出対象の生物粒子が有する電子伝達機能を補助又は促進する目的で、電子源となる物質、及び/又は、電子伝達物質等を含有してもよい。電子源となる物質としては、有機化合物が好ましく、例えば、グルコース、酢酸、及び、乳酸等が挙げられる。電子伝達物質としては、例えば、リボフラビン等が挙げられる。
なお、固体電解質102上には、図示しない保護シートが更に配置されていてもよい。固体電解質上に保護シートを配置した場合、使用時に保護シートを剥離したうえで使用することにより、使用時まで固体電解質を清浄な状態に維持することができ、より正確な測定結果が得られやすい。
(検査対象物の具体的態様1)
以下では、検査対象物が植物の器官である場合を例に、固体電解質との接触方法について説明する。
図4は、固体電解質を植物の器官と接触させる様子を表す模式図である。植物400の葉401に、固体電解質102を接触させる。固体電解質102を葉401に接触させる方法としては特に制限されず、葉401の表面の少なくとも1か所に固体電解質102を接触させればよい。上記の様にすることで、固体電解質102上には、葉401上に存在する生物粒子の少なくとも一部が捕捉される。
なお、図4においては、植物400の葉401に固体電解質102を接触させているが、上記固体電解質は所望の器官と接触させればよく、例えば、茎、葉、根、及び、花弁等の任意の器官と接触させればよい。
本発明の実施形態に係る測定装置における検査対象物とする植物は特に制限されず、例えば、野菜、穀物、果物、及び、藻類等が挙げられる。
野菜としては、例えば、シソ、イチゴ、スイカ、メロン、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、アスパラガス、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、食用菊、ショウガ、及び、ウコン等が挙げられる。
穀物としては、例えば、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、ダイズ、アズキ、リョクトウ、インゲンマメ、ラッカセイ、エンドウ、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソバ、及び、ダッタンソバ等が挙げられる。
果物としては、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、シークヮーサー、レモン、ライム、シトロン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、ジャバラ、スウィーティー、イヨカン、マンダリンオレンジ、ウンシュウミカン、ポンカン、紀州ミカン、キンカン、カリン、チュウゴクナシ、ナシ、セイヨウカリン、リンゴ、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、サクランボ、スモモ、モモ、アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカン、アケビ、イチジク、カキ、カシス、キイチゴ、キウイ、グミ、クワ、クランベリー、コケモモ、ザクロ、スグリ、ナツメ、ハスカップ、ビルベリー、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、オリーブ、ビワ、及び、ヤマモモ等が挙げられる。
藻類としては、例えば、緑藻、紅藻、及び、アオサ藻等の海藻類;藍藻(シアノバクテリア)、及び、ユーグレナ等などが挙げられる。
植物の器官と接触させた後、固体電解質付き基板は、図1に示したとおり、スペーサを介して電極付き基板と向い合せに接合される。このとき、固体電解質と、2つの電極とが接触するように各基板の位置が調整される。
なお、図5は、固体電解質付き基板103と、電極付き基板108とを、スペーサ104を介して接合して形成されたバイオセンサ100の斜視図を示している。バイオセンサ100においては、電極付き基板108の2つの電極と、固体電解質付き基板103の固体電解質とが接触している。
言い換えれば、バイオセンサは、第1基板と、第1基板上に配置された固体電解質とを有する固体電極付き基板、及び、第2基板と、第2基板上に配置された2つの電極と、を有する電極付き基板を、固体電解質と2つ以上の電極とが接触するよう積層された積層体である。
上記の様な構成を有するバイオセンサを使用して、植物における病害の発生リスクを評価するための情報、又は、後述するように医療機器の清浄度を評価するための情報を得るというアプローチは、同様の検査対象物に対する従来の生化学的アプローチとは全く異なり、電気化学測定をベースとした物理化学的手法を駆使するものであり、同種のバイオセンサの用途の点からも、微生物が有する電子伝達機能を利用した全く新しいアプローチであると言える。
図6は、本発明の実施形態に係る測定装置が有する本体600の一例を示す平面図である。本体600は、筐体601と、筐体601上に配置されたディスプレイ602と、操作ボタン603と、センサ挿入口604とを有し、センサ挿入口604に、バイオセンサ100を挿入して使用される。
本体600は、本発明の実施形態に係る測定装置の所定の動作(例えば、電圧の印加、及び、外部との通信等)に必要なCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の電子部品が搭載された回路基板を有している。
なお、図6において、本体600は可搬型であるが、本発明の実施形態に係る本体としては上記に制限されず、据え置き型であってもよい。
ディスプレイ602は、測定結果を表示するとともに、設定手順、操作手順、及び、操作状況等を表示する。ディスプレイ602は、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、及び、エレクトロルミネッセンスパネル等の表示装置である。
複数の操作ボタン603は、各種の設定(測定条件の設定、及び、試料のID入力等)、測定の開始、測定の終了等の動作を行うために使用される。複数の操作ボタン603は、接触式のタッチパネルであってもよい。その場合、ディスプレイ602と、操作ボタン603とが一体化されていてもよい。
図7は、本体600にバイオセンサ100を挿入した状態のセンサ挿入口周辺の部分拡大図である。また、図8は、図7におけるA−A′断面図を表す。
図7及び図8に示すように、バイオセンサ100がセンサ挿入口604に挿入されると、バイオセンサの電極とコネクタ801とが電気的に接続される。
また、挿入されたバイオセンサ100は、プレート802と、プレート802に接続された伸縮ロッド803と、シリンダ804とからなる電動シリンダ(アクチュエータ)によって押圧されて、固体電解質102と電極とが密着する。本発明の実施形態に係る測定装置は、内部に上記電動シリンダを有し、バイオセンサにおける固体電解質と電極とが所定の圧力で押圧され密着するため、測定条件をバイオセンサ毎に均一にしやすく、結果として測定結果のばらつきがより少なくなりやすい。
なお、本発明の実施形態に係る測定装置は、電動シリンダを有していなくてもよい。その場合、バイオセンサは、装置外のアクチュエータを用いて2枚の基板を密着接合させたものであってもよく、アクチュエータによらず、例えば、オペレータが手作業にて2枚の基板を密着接合させる形態であってもよい。
次に、本発明の実施形態に係る測定装置の機能について説明する。図9には、測定装置900の筐体内に収容された主な電子部品の構成を示した。制御コンピュータ918、ポテンショスタット919(電圧印加部に該当する)、電力供給装置911が、本体内に収容された基板901上に配置されている。
制御コンピュータ918は、ハードウェア的には、CPU(中央演算処理装置)のようなプロセッサと、メモリ(RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory))等の記録媒体と、通信ユニットを含んでおり、プロセッサが記録媒体に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することによって、出力部910、制御部912、演算部913及び検出部914を備えた装置として機能する。なお、制御コンピュータ918は、更に半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)、及び、ハードディスク等のような、補助記憶装置を有していてもよい。
制御部912は、バイオセンサ917への電圧印加のタイミング、印加電圧値、及び、電動シリンダの駆動等を制御する。電力供給装置911は、バッテリ916を有しており、制御コンピュータ918及びポテンショスタット919に動作用の電力を供給する。なお、電力供給装置911は、筐体の外部に置くこともできる。
ポテンショスタット919は、2つの電極間の電位を一定にしたり、印加する電圧を掃引したりすることができ、制御部912によって制御され、端子CR、Wを用いてバイオセンサ917の典型的には2つの電極の間に所定の電圧を印加し、応答電流を測定し、応答電流の測定結果を検出部914に送る。
演算部913は基板上に配置された記憶装置に予め記憶された基準値と、得られた電流値とを比較することにより、植物における病害の発生リスクを評価するための情報を算出し、提供する。
この基準値は、生物粒子の存否、微生物の増殖状態、及び、微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因と電流値とを定義したものである。
演算部における上記比較の方法を図10を用いて説明する。図10は、電極間に所定の電圧を印加した場合(定電位測定)における、試料D1と、試料D2のそれぞれから得られる電流値と、電圧印加時間(測定時間)との関係を表した模式的なグラフである。
図10における基準値は、所定の測定時間における電流値の大きさであり、固体電解質上における検出対象の生物粒子(検出対象は、2つの電極間の距離によって選択される)の存在の有無、及び、病原性の発現状況との関連で機械学習等により予め定められた基準値ICとして記憶されている。
ここで、試料D1について測定したところ、時間tにおいて検出された電流値がIであった場合、演算部は、この値を基準値ICと比較し、検査対象物である植物において、所定の病害が発生している可能性がある旨の出力を行う。
なお、出力内容としては、例えば、IとICの差の値そのものであってもよいし、差の値、及び、植物における病害の発生の可能性に関する情報の両方であってもよい。また、I及び/又はIとICとの差の値は、植物における病害の発生リスク評価マーカとして利用可能である。
一方、試料D2について測定したところ、時間tにおいて検出された電流値がIであった場合、演算部は、この値を基準値ICと比較し、検査対象物である植物において所定の病害が発生している可能性はない旨の出力を行う。この場合の出力内容についても上記と同様である。
なお、図10における基準値は、所定の測定時間における電流値の大きさであるが、本発明の実施形態に係る測定装置における基準値としては上記に制限されず、例えば、電流値の絶対値、電流値の変化率(dI/dt、一階微分値)、二階微分値(dI/dt)、dI/dtの変曲点(電流値の立ち上がりまでの時間)、電流値の最大値、及び、電流値の最大値に至るまでの時間等であってもよい。
また、他の形態として、図11には、電極間に掃引電圧を印加した場合の、試料D3と、試料D4の電極間の電位差に対する電流値の大きさを表した模式的なグラフである。
ここで、試料D3について測定したところ、掃引電圧に対して検出された電流値の最大値Iであった場合、演算部は、この値を基準値ICと比較し、検査対象物である植物において所定の病害が発生している可能性がある旨の出力を行う。
なお、出力内容としては、例えば、IとICの差の値そのものであってもよいし、差の値、及び、植物における病害の発生の可能性に関する情報の両方であってもよい。I及び/又はIとICとの差の値は、植物における病害の発生リスク評価マーカとして利用可能である。
一方、試料D4について測定したところ、掃引電圧に対して検出された電流値の最大値がIであった場合、演算部は、この値を基準値ICと比較し、検査対象物である植物において所定の病害が発生している可能性はない旨の出力を行う。この場合の出力内容についても上記と同様である。
なお、図11における基準値は、掃引電圧に対して得られる電流の最大値であるが、本発明の実施形態に係る測定装置における基準値としては上記に制限されず、例えば、ピークの数、及び/又は、ピークの幅等であってもよい。
演算部913は得られた演算結果を記憶する。出力部910は、表示部915との間でデータ通信を行い、演算部913による検査対象物の病害の発生リスクの演算結果を表示部915に送信する。表示部915は、例えば、出力部910から受信された検査対象物である植物において発生している可能性のある病害の種類、及び、その進行状況等の演算結果を所定のフォーマットで表示画面に表示することができる。
図12には、制御コンピュータ918による測定処理のフローを示した。
制御コンピュータ918のCPU(制御部912)は、測定の開始指示を受け付けると、ポテンショスタット919を制御して、2電極間に所定の電圧を印加し、又は、掃引電圧を印加し、応答電流の測定を開始する(ステップS01)。なお、測定装置へのバイオセンサ917の装着の検知を、測定開始指示としてもよい。なお、制御部は、測定開始前に電動シリンダを制御して固体電解質と電極とを接触させてもよい。
次に、ポテンショスタット919は、電圧印加によって得られる応答電流を測定し、検出部914へ送る(ステップS02)。
演算部913は、電流値に基づいて演算処理を行い、バイオセンサ917が有する固体電解質(図示せず)における検出対象の生物粒子の含有量を算出する(ステップS03)。例えば、制御コンピュータ918の演算部913は、すでに説明した方法により基準値と比較して、植物における病害の発生リスクを算出する。
出力部910は、検出対象の生物粒子の含有量の算出結果を、表示部915との間に形成された通信リンクを通じて表示部ユニット915へ送信する(ステップS04)。その後、制御部912は、検出対象の生物粒子の含有量を表示部に表示し、測定を終了する。
上記の測定装置を使用して、典型的には植物における、微生物を原因とする病害の発生リスクを評価する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
固体電解質と検査対象物(典型的には植物の器官)とを接触させ、上記検査対象物が有する微生物、及び、上記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を上記固体電解質に捕捉する工程(工程A)と、
基板と、基板上に配置された少なくとも2つの電極とを有する電極付き基板を準備し、接触後の固体電解質を電極のいずれとも接触するように、電極付き基板上に配置し、バイオセンサを形成する工程(工程B)と、
電極の間に電圧を印加し、得られる電流値を測定する工程(工程C)と、
電流値と、予め記憶された電流値と生物粒子の存否、微生物の増殖状態、及び、微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、微生物を原因とする病害の発生リスクを評価するための情報を得る工程(工程D)と、を有する評価方法である。
上記方法によれば、オペレータが専門知識を有していなくとも、植物における病害リスクを評価するための情報をオンサイトでも簡易に得ることができる。
工程Aは、例えば、植物が生育している環境にすでに説明した固体電解質付き基板を持ち込み、実施することができる。
更に、工程Bにおいて使用する電極付き基板における電極間の最短距離を調整することで、目的の生物粒子を検出できる。電極付き基板は使い捨てとすることができ、電極間の最短距離を変えて測定すれば、複数種類(複数の微生物に由来する)生物粒子を検出可能である。
また、工程C及び工程Dは、形成したバイオセンサをすでに説明した本体に挿入し、ディスプレイに表示される指示に従って操作ボタンを操作することによって実施されるため、本体を持ち込めば、工程Aを実施した場所においてそのまま実施することもでき、また、特殊な前処理、機器操作を必要としないため、専門知識がないオペレータであっても簡単に病害の発生リスクを評価するための情報を得ることができる。
(測定装置の第2実施形態)
検査対象物が植物の器官である形態に関し、本発明の第2実施形態に係る測定装置は、植物の器官と接触させ、上記器官の少なくとも表面上の生物粒子を捕捉するための固体電解質と、2つの電極と、更に上記2つの電極とは異なる第3電極と、を有し、固体電解質と、上記2つの電極及び上記第3電極とが接触するよう配置されたバイオセンサの、上記2つの電極の間に電圧を印加するための電圧印加部と、
上記電圧が印加された際に、上記2つの電極の間に流れる電流値を測定するための検出部と、
上記電流値と、予め記憶された電流値と病害の発生リスクとを定義した基準値と、を比較することにより、上記植物における病害の発生リスクを判断するための情報を提供するための演算部と、を有する測定装置である。
以下、本発明の第2実施形態に係る測定装置について説明するが、以下に説明のない事項は図1に示す実施形態に係る測定装置と同様である。
本実施形態に係る測定装置においては、使用するバイオセンサが、2つの電極と、上記電極とは異なる第3電極とを有する電極付き基板を有する。すなわち、上記バイオセンサは、三電極式のセンサである。
図13は、上記バイオセンサが有する電極付き基板の斜視図を表す。電極付き基板1300は、第2基板105上に形成された第1電極106と第2電極107を有する。これらの形態はすでに説明したバイオセンサと同様である。
更に、電極付き基板1300は、第2基板105上に2つの第3電極1301を有する。なお、電極付き基板1300は2つの第3電極1301を有しているが、本実施形態に係る測定装置が有するバイオセンサとしては上記に制限されず、1つの第3電極を有していてもよいし、3つ以上の第3電極を有していてもよい。
上記第3電極は、バイオセンサが測定装置と電気的に接続されると、参照電極として機能する。参照電極を有するバイオセンサを有する測定装置は、電極電位を測定することが可能となり、より優れた本発明の効果を有する。なお、第3電極としては、電気化学測定セル用として公知の参照電極を使用でき、例えば、銀/塩化銀電極等が使用可能である。
バイオセンサは、上記電極付き基板1300と固体電解質とを接触させて形成されるが、その際には、図13においてAで示した領域、すなわち、第1電極、第2電極、及び、第3電極のすべてに固体電解質が接触するように配置される。このように固体電解質を配置することで、より正確な測定が可能になる。
また、上記のように構成することにより、インピーダンス測定を行うこともでき、固体電解質上の微生物の総数に係る情報を得ることもできる。
[農作物管理システム]
本発明の実施形態に係る農作地管理システムは、複数の区画に区分けされた農作地において、上記区画ごとに配置された上記測定装置と、上記測定装置との遠隔通信接続により、微生物を原因とする検査対象物における病害の発生リスクを評価するための情報を前記測定装置から取得する端末と、を有する農作地管理システムであって、上記区画ごとの上記情報を、上記端末に表示可能に構成してなる、農作地管理システムである。
本発明の実施形態に係る農作地管理システムには、所定の区画ごとに配置された上記測定装置から得られる情報と、上記測定装置が設置された上記区画との対応から、区画ごとの上記情報が、遠隔操作端末に表示可能に構成されている。
上記農作地管理システムによれば、各区画の検査対象物における病害の発生リスクを評価するための情報が得られる。これにより、オペレータは区画ごとに農薬散布計画の作成、及び、区画ごとの農作物の滅却の判断等を行うことができる。
以下、本発明の実施形態に係る農作地管理システムを図面を参照しつつ説明する。
図14は本発明の実施形態に係る農作地管理システムの構成図である。本発明の実施形態に係る農作地管理システム1400は、複数の区画1402に区切られた農作地1401に設置された、測定装置1403と、上記各測定装置1403と遠隔通信接続(例えば、近距離無線通信)可能な端末1404とを有する。
上記農作地管理システム1400において、各測定装置1403は、すでに説明した方法により、設置された区画の検査対象物(典型的には、各区画における空気中)おける微生物を原因とする病害の発生リスクを評価するための情報を取得する。
この際、測定装置におけるバイオセンサは、測定の都度オペレータが交換してもよいし、装置外のアクチュエータ機構により、連続的、又は、断続的に固体電解質と電極とを着脱させ、連続的、又は、断続的に検査対象物を固体電解質、及び/又は、電極上に取得して自動測定するように構成してもよい。
各測定装置1403において得られた情報は、遠隔通信接続により端末1404に集約され、各測定装置が配置されている区画と、上記情報との対応から、区画ごとの情報として、端末1404に表示される。
本発明の実施形態に係る農作地管理システム1400において、端末1404は、入出力用のタッチパネルディスプレーを備える通信機能付きの携帯型情報端末であるが、上記に制限されない。
オペレータは、上記情報に基づき、区画ごとの微生物を原因とする検査対象物における病害の発生リスクを評価し、区画ごとの農薬散布計画(例えば、農薬の散布時期、及び、種類等)を判断できる。また、区画ごとのリスクの高さに応じて、リスクの高い区画には、自動で農薬を散布するよう構成してもよい。
(検査対象物の具体的態様2)
以下では、検査対象物が医療機器である場合について説明する。なお、以下に説明のない事項は、上記の実施形態、及び、検査対象物が植物の器官である態様について説明した事項と同様である。
図15(A)は、医療機器の構成部材として、内視鏡における、被検体内に挿入される挿入部の、可撓管部を構成するチューブ(管)の構造の一例を示す模式図である。図15(A)に示すチューブ1500は、チューブ本体1501、及び、継手部1502を有している。チューブ本体1501の材質は、例えば、フッ素樹脂、及び、シリコンゴム等である。継手部1502の材質は、例えば、ステンレス鋼等の金属、及び、樹脂等である。
チューブ1500は、内視鏡の使用後、洗浄液によって洗浄される。洗浄後、チューブ本体1501、及び/又は、継手部1502の外面に、固体電解質を接触させる。また、チューブ本体1501、及び/又は、継手部1502の内面を、ブラシ等を用いて洗浄した場合には、上記ブラシ等に、固体電解質を接触させてもよい。あるいは、洗浄後の廃液に、固体電解質を接触させてもよく、この場合、必要に応じて、上記廃液を、予め濃縮等の処理を行ってもよい。
固体電解質を上記の媒体に接触させる方法としては特に制限されず、媒体の表面(液体の場合には液面)の少なくとも1か所に固体電解質を接触させればよい。上記の様にすることで、固体電解質上には、上記の媒体に存在する生物粒子の少なくとも一部が捕捉される。
図15(B)は、内視鏡の構成部材であるチューブ(管)の構造の別の例を示す模式図である。図15(B)に示すチューブ1510は、チューブ本体1511、及び、口金部1512を有している。チューブ本体1511の材質は、例えば、フッ素樹脂、及び、シリコンゴム等である。継手部1512の材質は、例えば、ステンレス鋼等の金属、及び、樹脂等である。
このようなチューブ1510についても、図15(A)に示すチューブ1500と同様にして、任意の媒体に固体電解質を接触させることによって、固体電解質上に、上記媒体に存在する生物粒子の少なくとも一部を捕捉することができる。
[試験例]
本発明の実施形態に係る測定装置において使用されるバイオセンサを用いて、以下の手順に従って電気化学測定を行った。
検出対象の生物粒子として、シュワネラ・オネイデンシス(S. oneidensis MR-1)(以下、単に「MR−1」とも表記する。)を用いた。
シュワネラ・オネイデンシス(S. oneidensis)等のシュワネラ属細菌に代表される鉄還元菌は、自然界に存在する細菌(environmental bacteria)であり、細胞外電子移動(EET:Extracellular Electron Transport)によってNAD+の再生を行うことが知られている。これらの細菌は、菌体内での電子供与体(有機物)の分解(代謝)によって発生した電子を、細胞外膜に発現した電子伝達酵素(シトクロムc)を介して、菌体外の電子受容体(金属等)に伝達する能力を有することから、「電流発生菌」とも呼ばれている。
また、近年、シュワネラ属細菌等の電流発生菌として知られている細菌だけでなく、病原微生物にも電子伝達機能が存在することが明らかになってきている。
従って、電流発生菌であるMR−1を用いた試験によって、検出対象の生物粒子が捕捉された固体電解質を用いた電気化学測定の有効性に関する実証データの取得及び考察が可能である。
固体電解質として、1.5%(w/v)LB寒天培地を用い、一方の表面に、MR−1を含む培養液を30μL塗抹した。
なお、この培養液には、10mMの乳酸を含む合成培地が含まれており、MR−1は、嫌気条件下で乳酸やLB寒天培地に含まれる有機物を代謝することによって電子伝達機能を発揮し、電流が発生する。
バイオセンサとしては、三電極式の電極構成(作用極:金(直径4mm)、対極:金、参照極:銀)を採用し、本試験例では、市販のスクリーンプリント金電極(DropSens社製、型番220AT)を用いた。
なお、本試験例で用いた三電極式のバイオセンサの電極は、くし歯形状を有するくし型電極ではない点に留意されたい。
表面にMR−1の培養液を塗抹したLB寒天培地を、バイオセンサの作用極および対極に接触するように配置し、嫌気条件下で0.2Vの電圧を印加して、電気化学測定を行った。
(濃度の異なるMR−1の培養液を用いた測定)
LB寒天培地に塗抹する培養液として、波長600nmにおける吸光度(OD600)が、0(MR−1を含まないコントロール)、0.01(7.5×10細胞)、0.05(3.75×10細胞)、0.1(7.5×10細胞)、0.4(3×10細胞)、0.8(6×10細胞)のものを用いて、測定開始(バイオセンサの電極に電圧を印加した時点)から24時間の電流値(μA)を測定した(結果は図示せず)。
なお、MR−1の培養液に関し、これまでに報告された文献(PLoS ONE 2015, 10(6):e0131249)では、OD600値が0.1のとき、培養液1mLあたり、約5×10細胞とされており本試験例で用いたMR−1の培養液と同程度であった。
図16は、MR−1の濃度(OD600値)と、電流値が立ち上がったときの「時間−電流値」の曲線の傾きの関係を示すグラフである。
図16から、MR−1の濃度を表すOD600値と、上記曲線の傾きとが、線形関係にあることが示された。
(電子伝達物質を含有する固体電解質を用いた測定)
次に、LB寒天培地にリボフラビンを0.004g/mLの濃度で添加したものを用いて、同様の試験を行った。
図17は、リボフラビン含有LB寒天培地に塗抹する培養液として、OD600値が、(a)0.8(6×10細胞)、(b)0.4(3×10細胞)、(c)0.1(7.5×10細胞)、(d)0.01(7.5×10細胞)、(e)0.001(7.5×10細胞)、(f)0.0001(7.5×10細胞)、(g)0.00001(750細胞)のものを用いて、測定開始から24時間の電流値(μA)を測定した結果を示すグラフである。
図17より、MR−1の濃度が高いほど、測定開始から電流値の立ち上がりまでの時間が短いことが分かった。
また、MR−1の濃度が同じ場合(OD600=0.1)、リボフラビンを含有するLB寒天培地とリボフラビンを含有しないLB寒天培地とでは、リボフラビン含有LB寒天培地の方が、測定開始から電流値の立ち上がりまでの時間が短いことが分かった。
このことは、固体電解質に、検出対象の生物粒子(微生物)の電子伝達機能を促進する物質を含めることによって、バイオセンサの応答性が向上し、本発明の実施形態に係る測定装置による電流値の測定をより迅速に行うことができることを示唆している。
図18は、図17に示した結果(リボフラビン含有LB寒天培地を用いた場合)の、MR−1の濃度(OD600値の対数)と、電流値の最大値に至るまでの時間との関係を示すグラフである。
図18に示すグラフが線形関係にあることから、本発明の実施形態に係る測定装置によって測定される電流値は、検出対象の生物粒子の増加(微生物の増殖挙動)とも相関関係にあることが示唆された。
(濃度の異なる電子伝達物質を含有する固体電解質を用いた測定)
次に、LB寒天培地に添加するリボフラビンの濃度を、0.014g/mL、0.004g/mL、0.001g/mLの三通りとして、同様の試験を行った。MR−1の培養液は、OD600値が、0.8(6×10細胞)のものを用いた。
その結果、リボフラビンの濃度にかかわらず測定開始直後に、電流値の鋭い立ち上がりが見られ、リボフラビン濃度が高いことによる、電流値の最大値の違い等の変化は特に認められなかった。本試験例で試した濃度範囲では、いずれの場合においても十分な効果が確認された。
(微分パルスボルタンメトリー(DPV))
図19は、図17の(a)で示した、MR−1の培養液としてOD600値が0.8(6×10細胞)のものを用いた場合の、測定開始から2時間、3.5時間、及び、4.5時間の時点における、電位(標準水素電極(SHE)に対する電圧値)と、測定電流(ΔI、単位:μA)との関係を示すグラフである。
図19に示すように、上記3つの時点について得られた曲線は類似性が高く、目立った違いは見られなかった。
図19において、(X)、(Y)及び(Z)の符号で示したピークは、それぞれ、固体電解質に捕捉されたMR−1から、バイオセンサの電極に対して、以下の三通りの態様で電子が伝達されていることを示すと考えられる:
(X)MR−1から電極への電子伝達が、固体電解質に含まれるリボフラビンによって媒介される態様、
(Y)MR−1の表面の膜タンパク質に、固体電解質に含まれるリボフラビンが吸着することによって、MR−1から電極への電子伝達が促進される態様、
(Z)固体電解質に含まれるリボフラビンを介さずに、MR−1から電極へ電子が伝達される態様。
以上の試験例の結果から、本発明は、電子伝達機能を有する微生物を検出対象とすることができ、上述した植物及び医療機器をはじめ、様々な用途に適用されることが期待される。
100 :バイオセンサ
101 :第1基板
101 :第1基板上
102 :固体電解質
103 :固体電解質付き基板
104 :スペーサ
105 :第2基板
106 :第1電極
107 :第2電極
108 :電極付き基板
213 :演算部
400 :植物
401 :葉
600 :本体
601 :筐体
602 :ディスプレイ
603 :操作ボタン
604 :センサ挿入口
801 :コネクタ
802 :プレート
803 :伸縮ロッド
804 :シリンダ
900 :測定装置
901 :基板
910 :出力部
911 :電力供給装置
912 :制御部
913 :演算部
914 :検出部
915 :表示部ユニット
915 :表示部
916 :バッテリ
917 :バイオセンサ
918 :制御コンピュータ
919 :ポテンショスタット(電圧印加部)
1300 :電極付き基板
1301 :第3電極
1400 :農作地管理システム
1401 :農作地
1402 :区画
1403 :測定装置
1404 :端末
1500、1510 :チューブ
1501、1511 :チューブ本体
1502 :継手部
1512 :口金部
本発明の実施形態に係る測定装置において使用することができるバイオセンサの分解斜視図である。 第1電極及び第2電極における、固体電解質と接触する部分の正面図である。 第1基板と、第1基板上に配置された固体電解質とを有する固体電解質付き基板を表す斜視図である。 固体電解質を植物の器官と接触させる様子を表す模式図である。 固体電解質付き基板と、電極付き基板とを、スペーサを介して接合して形成されたバイオセンサの斜視図である。 本発明の実施形態に係る測定装置が有する本体の一例を示す正面図である。 本体にバイオセンサを挿入した状態のセンサ挿入口周辺の部分拡大図である。 図7におけるA−A′断面図である。 測定装置の筐体内に収容された主な電子部品の構成である。 電極間に所定の電圧を印加した場合(定電位測定)における、試料D1と、試料D2のそれぞれから得られる電流値と、電圧印加時間(測定時間)との関係を表した模式的なグラフである。 電極間に掃引電圧を印加した場合の、試料D3と、試料D4の電極間の電位差に対する電流値の大きさを表した模式的なグラフである。 制御コンピュータによる測定処理のフローである。 本発明の第2実施形態に係る測定装置において使用することができるバイオセンサが有する電極付き基板の斜視図を表す。 本発明の実施形態に係る農作管理システムの構成図である。 (A)、(B)内視鏡の構成部材であるチューブ(管)の構造の一例を示す模式図である。 試験例における、MR−1の濃度(OD600値)と、電流値が立ち上がったときの「時間−電流値」の曲線の傾きの関係を示すグラフである。 試験例において、リボフラビン含有LB寒天培地に、濃度の異なるMR−1培養液を塗抹して得られた電流値の測定結果を示すグラフである。 図17に示した結果の、MR−1の濃度(OD600値の対数)と、電流値の最大値に至るまでの時間との関係を示すグラフである。 試験例で得られた結果の、微分パルスボルタンメトリー(DPV)による分析結果を示すグラフである。
[農作管理システム]
本発明の実施形態に係る農作地管理システムは、複数の区画に区分けされた農作地において、上記区画ごとに配置された上記測定装置と、上記測定装置との遠隔通信接続により、微生物を原因とする検査対象物における病害の発生リスクを評価するための情報を前記測定装置から取得する端末と、を有する農作地管理システムであって、上記区画ごとの上記情報を、上記端末に表示可能に構成してなる、農作地管理システムである。
図15(B)は、内視鏡の構成部材であるチューブ(管)の構造の別の例を示す模式図である。図15(B)に示すチューブ1510は、チューブ本体1511、及び、口金部1512を有している。チューブ本体1511の材質は、例えば、フッ素樹脂、及び、シリコンゴム等である。口金部1512の材質は、例えば、ステンレス鋼等の金属、及び、樹脂等である。
このようなチューブ1510についても、図15(A)に示すチューブ1500と同様にして、任意の媒体に固体電解質を接触させることによって、固体電解質上に、上記媒体に存在する生物粒子の少なくとも一部を捕捉することができる。

Claims (15)

  1. 検査対象物と接触させ、前記検査対象物が有する微生物、及び、前記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を捕捉するための固体電解質と、少なくとも2つの電極とを有し、前記固体電解質と前記電極とが接触するよう配置されたバイオセンサの、前記電極の間に電圧を印加するための電圧印加部と、
    前記電圧が印加された際に、前記電極の間に流れる電流値を測定するための検出部と、
    前記電流値と、予め記憶された電流値と前記生物粒子の存否、前記微生物の増殖状態、及び、前記微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、前記微生物に起因する情報を提供するための演算部と、を有する測定装置。
  2. 前記バイオセンサは、
    第1基板と、前記第1基板上に配置された前記固体電解質とを有する固体電極付き基板、及び、
    第2基板と、前記第2基板上に配置された少なくとも2つの前記電極と、を有する電極付き基板を、前記固体電解質と前記電極とが接触するよう積層された積層体である、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記固体電解質がヒドロゲルである、請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 前記電極の間の最短距離が、50nm〜10μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の測定装置。
  5. 前記電極の少なくとも1つが、くし歯形状を有するくし型電極である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記微生物に起因する情報が、前記微生物を原因とする植物における病害の発生リスクを評価するための情報である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の測定装置。
  7. 前記生物粒子が、フィトフトラ属菌、ボトリチス属菌、プラスモパラ属菌、スファエロテカ属菌、アルテルナリア属菌、ウロミセス属菌、ウスチラゴ属菌、ファコプソラ属菌、バークホルデリア属菌、キサントモナス属菌、キシレラ属菌、シュードモナス属菌、エルウィニア属菌、ストレプトマイセス属菌、柑橘類におけるカンジダツス・リベリバクテル属菌、及び、イチゴにおけるカンジダツス・フロモバクター属菌からなる群より選択される少なくとも1種の微生物に由来する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の測定装置。
  8. 前記植物における病害が、うどんこ病、さび病、斑点病、萎凋病、根及び茎の病害、穂の病害、果実の腐敗、苗立ち枯れ性の病害、こぶ病、天狗巣病、及び、縮葉病からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6又は7に記載の測定装置。
  9. 前記微生物に起因する情報が、医療機器の清浄度を評価するための情報である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の測定装置。
  10. 前記医療機器が内視鏡である、請求項9に記載の測定装置。
  11. 固体電解質を検査対象物と接触させ、前記検査対象物が有する微生物、及び、前記微生物に由来する粒子からなる群より選択される少なくとも1種の生物粒子を前記固体電解質に捕捉する工程と、
    基板と、基板上に配置された少なくとも2つの電極とを有する電極付き基板を準備し、接触後の前記固体電解質を前記電極のいずれとも接触するように、前記電極付き基板上に配置し、バイオセンサを形成する工程と、
    前記電極の間に電圧を印加し、得られる電流値を測定する工程と、
    前記電流値と、予め記憶された電流値と前記生物粒子の存否、前記微生物の増殖状態、及び、前記微生物の病原性の発現の有無からなる群より選択される少なくとも1種の要因とを定義した基準値と、を比較することにより、前記微生物に起因する情報を得る工程と、を有する評価方法。
  12. 前記微生物に起因する情報が、前記微生物を原因とする植物における病害の発生リスクを評価するための情報である、請求項11に記載の評価方法。
  13. 前記微生物に起因する情報が、医療機器の清浄度を評価するための情報である、請求項11に記載の評価方法。
  14. 前記医療機器が内視鏡である、請求項13に記載の評価方法。
  15. 複数の区画に区分けされた農作地において、前記区画ごとに配置された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の測定装置と、
    前記測定装置との遠隔通信接続により、微生物を原因とする検査対象物における病害の発生リスクを評価するための情報を前記測定装置から取得する端末と、
    を有する農作地管理システムであって、
    前記区画ごとの前記情報を、前記端末に表示可能に構成してなる、農作地管理システム。
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