JP2016220651A - イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー - Google Patents

イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー Download PDF

Info

Publication number
JP2016220651A
JP2016220651A JP2015112561A JP2015112561A JP2016220651A JP 2016220651 A JP2016220651 A JP 2016220651A JP 2015112561 A JP2015112561 A JP 2015112561A JP 2015112561 A JP2015112561 A JP 2015112561A JP 2016220651 A JP2016220651 A JP 2016220651A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
primer pair
strawberry
oligonucleotide shown
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015112561A
Other languages
English (en)
Inventor
征弥 佐藤
Masaya Sato
征弥 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokushima NUC
Original Assignee
University of Tokushima NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokushima NUC filed Critical University of Tokushima NUC
Priority to JP2015112561A priority Critical patent/JP2016220651A/ja
Publication of JP2016220651A publication Critical patent/JP2016220651A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】簡易な操作で短時間にイチゴうどんこ病菌の検出する方法及び他のイチゴ重要病害の病原菌と同時に検出する方法の提供。
【解決手段】イチゴ植物体から得たDNAを試料とし、特定の配列を有するプライマーペアを用いてDNA増幅を行うことにより、イチゴうどんこ病菌を検出する方法、及び上記プライマーペアとイチゴ病原菌検出用プライマーペアを組み合わせて使用し、イチゴうどんこ病菌と、炭疽病菌、萎黄病菌及び疫病菌から選択される1種以上の菌と、を一度に検出する方法の提供。
【選択図】図3

Description

本願は、イチゴうどんこ病菌(Sphaerotheca aphanis)の検出方法および該方法に用いるプライマーに関する。
うどんこ病は、炭疽病および萎黄病と共にイチゴの3大重要病害に数えられる。イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)は寄主特異性が高く、イチゴからイチゴにしか感染しない。イチゴうどんこ病は、発病すると葉、茎、果実等に白い粉状の胞子が形成され、空気感染によって急激に感染が広がる難防除病害である。果実にうどんこ病が発生すると、果実の肥大が悪くなり、果色や味が低下するため、商品価値が失われ、生産者にとって大きな被害をもたらし得る。
イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)は比較的低温性の糸状菌である。イチゴの秋定植作型の場合、育苗期である夏期は高温のため、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)に感染していても菌の活動が抑制されて無病徴となるが、育苗が終わり定植した後の低温期において潜在感染株が一気に発病して被害が生じるケースがある。定植前にうどんこ病感染の有無を早期に診断して感染株を排除することが重要であるが、発病していない潜在感染株を目視で検出することは実質的に不可能である。また、従来の植物病害診断法は原因菌の分離や培養等に多くの時間と手技の熟練を必要とする。特に、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)は絶対寄生菌であり人工培養が不可能なため、従来法によるうどんこ病の診断は非常に困難である。
非特許文献1は、イチゴおよびキク病原菌の核rDNA−ITS領域の塩基配列と属特異的プライマーの設計について開示している。しかし、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を特異的に検出するプライマーは作成されていない。
かかる背景から、簡便な操作で短時間のうちにイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出する方法が望まれている。
奈良県農業技術センター研究報告 第32号、9-18頁(2001年)
本願の目的の一つは、簡易な操作で短時間にイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出する方法を提供することである。また、本願の別の目的は、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を他のイチゴ重要病害の病原菌と同時に検出する方法を提供することである。
本願は、イチゴ植物体から得たDNAを試料とし、特定の配列を有するプライマーを用いてDNA増幅を行うことにより、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出する方法を提供する。具体的には、本願は以下に記載する態様を提供する:
(態様1)以下の工程を含む、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出方法:
1)イチゴ植物体から得られたDNAと、配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程、および
2)得られたDNA増幅産物を検出する工程。
また、本願は以下に記載する態様を提供する:
(態様2)配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペアを含む、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出用キット。
また、本願は、本願発明の発明者らが開発したイチゴ病原菌検出用プライマー(特許第5522820号に記載)と上記特定の配列を有するプライマーを組み合わせて使用し、イチゴのうどんこ病菌(S. aphanis)、炭疽病菌(Glomerella cingulata)、萎黄病菌(Fusarium oxysporum)および疫病菌(Phytophthora nicotianaeおよびPhytophthora cactorum)を一度に検出する方法を提供する。具体的には、本願は以下に記載する態様を提供する:
(態様3)以下の工程を含む、イチゴ病害の病原菌の検出方法:
1)イチゴ植物体から得られたDNA、a)配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および以下のb)〜e)からなる群より選択される1種以上のプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程:
b)配列番号3もしくは9に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
c)配列番号4に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
d)配列番号5に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号6に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および
e)配列番号7に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号8に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア; ならびに
2)得られたDNA増幅産物を検出する工程。
また、本願は以下に記載する態様を提供する:
(態様4)イチゴ病害の病原菌の検出用キットであって、a)配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、ならびに以下のb)〜e)からなる群より選択される1種以上のプライマーペアを含むキット:
b)配列番号3もしくは9に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
c)配列番号4に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
d)配列番号5に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号6に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および
e)配列番号7に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号8に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア。
本願に係るイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出方法により、手技の熟練等を必要とせず、簡易な操作で短時間にイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を特異的に検出することが可能になる。また、病徴が表れる前(潜在感染)のイチゴ植物体からイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出することができ、防除や感染株の除去などの対策を早期に行うことが可能になる。さらに、本願に係るイチゴ病害の病原菌の検出方法により、イチゴ重要病害の病原菌である炭疽病菌、萎黄病菌および疫病菌をイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)と同時に検出することができ、イチゴ栽培における病害対策を効率化することが可能となる。
図1は、イチゴうどんこ病発病株の写真である。 図2は、イチゴうどんこ病発病株の葉から得たDNAとS. aphanis検出用プライマーペアを用いるPCRにより得られたDNA増幅産物を示す。 図3は、5種類の糸状菌DNAと各糸状菌に特異的なプライマーペアを用いてPCRを行った結果を示す。「菌5種類」はS. aphanis、F. oxysporum、G. cingulata、P. nicotianaeおよびP. cactorumのDNAの混合物を指し、「プライマー8種類」はPapF4、FGC-R、FoxyF6、Gcin1、PnicF2、PnicR1、Pcac1およびPcacR1を指す。 図4は、5種類の糸状菌DNAと各糸状菌に特異的なプライマーペアを用いてPCRを行った結果を示す。「菌5種類」はS. aphanis、F. oxysporum、G. cingulata、P. nicotianaeおよびP. cactorumのDNAの混合物を指し、「プライマー8種類」はPapF4、FGC-R、FoxyF6、Gcin1、PnicF2、PnicR1、Pcac1およびPcacR1を指す。 図5は、イチゴうどんこ病潜在感染株の葉から抽出したDNAを用い、nested PCRを行ってS. aphanisを検出した実験結果を示す。 図6は、イチゴうどんこ病潜在感染株の親苗、子苗および孫苗における様々な部位から抽出したDNAを用い、nested PCRを行ってS. aphanisを検出した実験結果を示す。
(態様1)イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出方法
本願が提供する態様1は、イチゴ植物体から得られたDNAを試料とし、PCR等のDNA増幅法においてイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)に特異的なDNA増幅産物をもたらすプライマーペア(以下、「Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペア」とも称する)を用いてDNAを増幅し、得られたDNA増幅産物を検出することにより、イチゴ植物体におけるうどんこ病菌(S. aphanis)の存在を検出する方法である。
イチゴ植物体からのDNA取得方法
増幅反応に供するDNAは、公知のDNA抽出方法(例えばフェノール・クロロホルム法、CTAB法等)を用いて、イチゴ植物体の組織から抽出することができる。これにより、イチゴのDNAと共に、該組織の表面または内部に存在する菌(例えばイチゴうどんこ病菌(S. aphanis))のDNAが抽出される。また、市販のDNA抽出キット(例えば、illustra DNA Extraction Kit PHYTOPURE (GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いてDNA抽出を行ってもよい。
DNA抽出に供する組織は特に限定されず、地上部であっても地下部であってもよい。例えば、葉、茎、果実、ランナー、根、クラウン等からDNAを抽出することができる。また、DNA抽出に用いるサンプル量や抽出条件は、抽出の方法や抽出に供する組織に応じて適宜決定できる。
DNA増幅方法
本願において用いるDNA増幅方法は、特定のプライマーペアを用いて、試料中に存在するDNA分子に含まれる特定の領域(塩基配列)を増幅する方法であれば特に限定されない。典型的には、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法、Science, 230:1350-1354,1985)によりDNAを増幅することができる。
反応系におけるプライマーの濃度は、目的のDNA配列を増幅し得る条件であれば特に制限されない。例えば、プライマーは0.1〜2μMの濃度で使用することができる。
PCRの方法および条件
PCR法において、温度サイクル、DNAポリメラーゼおよび反応液の組成(dNTPや緩衝液)等の条件は、目的とする配列が増幅される限り、特に限定されない。例えば、次のサイクル条件でPCR反応を行うことができる: [94℃で5分]を1回、次いで[94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒]のサイクルを35回反復し、[72℃で7分]を1回行った後、4℃に冷却して終了。
PCR反応は、当該分野において公知のサーマルサイクラー、例えばTaKaRa PCR Thermal Cycler Dice(登録商標) TP600 Gradientを用いて行うことができる。
使用し得るDNAポリメラーゼとしては、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、KODポリメラーゼ等が挙げられるが、これらに限定されない。
DNA増幅産物の検出方法
DNA増幅工程によって得られたDNA増幅産物の検出方法は、特に限定されないが、例えば電気泳動法を用いることができる。電気泳動法としては、アガロースゲル電気泳動法の他、キャピラリー電気泳動法等が挙げられる。
一つの好ましい態様において、PCR後の反応液をアガロースゲルにアプライして電気泳動を行い、DNA染色試薬を用いて該ゲルを染色することにより、目的のDNA増幅産物を検出することができる。DNA染色試薬としては、エチジウムブロマイド、SYBR(登録商標)Green等が挙げられるが、これらに限定されない。一方、キャピラリー電気泳動を用いる場合は、通常、染色試薬ではなくUV−VIS検出器にてDNA増幅産物を検出できる。
態様1において用い得るプライマーの特徴を以下に記載する。
Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペアとしては、a1)配列番号1に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号1において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、a2)配列番号2に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号2において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せが挙げられる。一つの好ましい態様において、Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペアは、配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。
Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペアは、真菌のrRNA遺伝子(rDNA)およびその内部転写スペーサー(ITS)領域、より具体的には18S rDNA、ITS I、5.8S rDNA、ITS IIおよび26S rDNAからなる領域(以下、「rDNA-ITS領域」とも称する)に含まれる塩基配列を増幅するよう設計されている。
イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)のDNAを試料とし、上記Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペア(例えば配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチド)を用いてDNA増幅を行うと、通常、166bpの増幅産物が得られる。イチゴ植物体から得たサンプルにおいて検出されたDNA増幅産物が当該サイズ(塩基配列長)を有していれば、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)が存在すると結論付けることができる。但し、同一種内におけるstrain間の変異等により増幅産物のサイズは変動し得るため、166bpには限定されない。目的とする領域(イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)のrDNA-ITS領域)内の配列が増幅されたかどうかは、DNA増幅産物の配列を解読することにより確認できる。
(態様2)イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出用キット
本願が提供する態様2は、上記態様1と同じSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアを用いてイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出するためのキットである。具体的使用方法としては、キットに含まれるSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアを、試料DNA(例えばイチゴ植物体から得られたもの)と共にDNA増幅反応に供して、得られたDNA増幅産物を検出することにより、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出することができる。
該キットは、DNAポリメラーゼ、dNTPおよび緩衝液等のPCR反応液を通常構成する各種成分をさらに含むものであってもよい。あるいは、該キットは、上記態様1に用いるSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアのみからなるものであってもよい。
(態様3)イチゴ病害の病原菌の検出方法
本願が提供する態様3は、イチゴ植物体から得られたDNAを試料とし、2種以上の病原菌検出用プライマーペアを用いてDNAを増幅し、得られたDNA増幅産物を検出することにより、イチゴ植物体における2種以上の病原菌の存在を検出する方法である。
より具体的には、PCR等のDNA増幅法において萎黄病菌(Fusarium oxysporum)に特異的なDNA増幅産物をもたらすプライマーペア(以下、「Fusarium oxysporum検出用プライマーペア」とも称する)、炭疽病菌(Glomerella cingulata)に特異的なDNA増幅産物をもたらすプライマーペア(以下、「Glomerella cingulata検出用プライマーペア」とも称する)、疫病菌(Phytophthora nicotianae)に特異的なDNA増幅産物をもたらすプライマーペア(以下、「Phytophthora nicotianae検出用プライマーペア」とも称する)、および別の疫病菌(Phytophthora cactorum)に特異的なDNA増幅産物をもたらすプライマーペア(以下、「Phytophthora cactorum検出用プライマーペア」とも称する)から選択される1種以上のプライマーペアを、上記Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペアと組み合わせて用いることにより、上記萎黄病菌(F. oxysporum)、炭疽病菌(G. cingulata)および疫病菌(P. nicotianae、P. cactorum)のうち1種以上と、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)とを同時に検出することができる。
Fusarium oxysporum検出用プライマーペアとしては、b1)配列番号3もしくは9に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号3もしくは9において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、b2)配列番号2に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号2において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せが挙げられる。一つの好ましい態様において、Fusarium oxysporum検出用プライマーペアは、配列番号3に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。別の好ましい態様において、Fusarium oxysporum検出用プライマーペアは、配列番号9に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。
Glomerella cingulata検出用プライマーペアとしては、c1)配列番号4に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号4において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、c2)配列番号2に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号2において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せが挙げられる。一つの好ましい態様において、Glomerella cingulata検出用プライマーペアは、配列番号4に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。
Phytophthora nicotianae検出用プライマーペアとしては、d1)配列番号5に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号5において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、d2)配列番号6に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号6において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せが挙げられる。一つの好ましい態様において、Phytophthora nicotianae検出用プライマーペアは、配列番号5に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号6に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。
Phytophthora cactorum検出用プライマーペアとしては、e1)配列番号7に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号7において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、e2)配列番号8に示すオリゴヌクレオチド、または配列番号8において1個、2個もしくは3個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入もしくは付加された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せが挙げられる。一つの好ましい態様において、Phytophthora cactorum検出用プライマーペアは、配列番号7に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号8に示すオリゴヌクレオチドからなるものである。
態様3におけるイチゴ植物体からのDNA取得方法、DNA増幅方法(PCRの方法および条件を含む)、およびDNA増幅産物の検出方法は態様1と同様である。温度サイクル条件中のアニーリング温度は、DNA増幅反応に用いる複数のプライマーペアの全てについて目的のDNA増幅産物が得られるよう設定する。当該技術分野における通常の知識に基づけば、用いる各プライマーのTm値を考慮して適切なアニーリング温度を決定することができる。
態様3において用い得る各プライマーペアは、rDNA-ITS領域を増幅のターゲットとし、Sphaerotheca aphanis、Fusarium oxysporum、Glomerella cingulata、Phytophthora nicotianaeおよびPhytophthora cactorumの各々に特異的なDNA増幅産物をもたらすよう設計されている。該プライマーペアを用いて得られるDNA増幅産物のサイズ(塩基配列長)が、これら病原菌の種類に対応する。検出対象の病原菌、好適なプライマーペア、および典型的な増幅産物のサイズの対応関係を表1に示す。また、好適なプライマーの配列を表2に例示する。
Figure 2016220651
Figure 2016220651
表1に示す通り、本願において用いる病原菌検出用プライマーペアは、DNA増幅産物を通常の条件で電気泳動した場合に検出されるバンドのサイズが重ならないよう設計されているため、表1に示す5種類の病原菌を一度に検出することができる。
なお、増幅産物のサイズは同一種内におけるstrain間の変異等により変動し得るため、表1に示すサイズには限定されないが、他の種の病原菌に由来する増幅産物と区別できるサイズである限り、病原菌の検出には影響しない。目的とする領域(対象病原菌のrDNA-ITS領域)内の配列が増幅されたかどうかは、DNA増幅産物の配列を解読することにより確認できる。
(態様4)イチゴ病害の病原菌の検出用キット
本願が提供する態様4は、上記態様3と同じ病原菌検出用プライマーペアを用いて、萎黄病菌(F. oxysporum)、炭疽病菌(G. cingulata)および疫病菌(P. nicotianae、P. cactorum)のうち1種以上と、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)とを同時に検出するためのキットである。具体的使用方法としては、キットに含まれる病原菌検出用プライマーペアを、試料DNA(例えばイチゴ植物体から得られたもの)と共にDNA増幅反応に供して、得られたDNA増幅産物を検出することにより、上記イチゴ病害の病原菌を検出することができる。
該キットは、DNAポリメラーゼ、dNTPおよび緩衝液等のPCR反応液を通常構成する各種成分をさらに含むものであってもよい。あるいは、該キットは、上記態様3に用いる2種以上の病原菌検出用プライマーペアのみからなるものであってもよい。
本願の態様1および3の方法は、病原菌特異的プライマーペアを用いるDNA増幅工程の前に、真菌のrDNA-ITS領域の全部または一部を増幅するプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程をさらに含むものであってもよい。
例えば、病徴を示していない潜在感染株から取得したサンプル等、病原菌由来のDNA量が十分でない場合に、nested PCRを行って検出感度を増大させることができる。より具体的には、真菌のrDNA-ITS領域の全部または一部を増幅するユニバーサルプライマー、例えばITS5: 5'-GGAAGTAAAAGTCGTAACAAGG-3'(配列番号10)およびITS4: 5'-TCCTCCGCTTATTGATATGC-3'(配列番号11)を用いて第一段階目のPCRを行った後、得られた増幅産物をテンプレートとして病原菌特異的プライマーペアによる第二段階目のPCRを行うことにより、少量のサンプルから病原菌特異的なDNA増幅産物を得ることができる。
例えば、本願の態様1および3の方法は、1)イチゴ植物体から得られたDNAと真菌のrDNA-ITS領域の全部または一部を増幅するプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程、2)工程1)で得られたDNA増幅産物と病原菌特異的プライマーペアを用いてDNAを増幅する工程、および3)工程2)で得られたDNA増幅産物を検出する工程を含むものであり得る。
真菌のrDNA-ITS領域の全部または一部を増幅するプライマーペアとしては、例えばITS5(配列番号10)とITS4(配列番号11)の組合せ、およびITS1: 5'-TCCGTAGGTGAACCTGCGG-3'(配列番号12)とITS4(配列番号11)の組合せが挙げられる。
病原菌特異的プライマーペアとしては、上記Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペア、または、Fusarium oxysporum検出用プライマーペア、Glomerella cingulata検出用プライマーペア、Phytophthora nicotianae検出用プライマーペアおよびPhytophthora cactorum検出用プライマーペアから選択される1種以上のプライマーペアとSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアとの組合せが挙げられ、これらは例えば表1に示されるプライマーペアから選択し得る。
以下、実施例により、本願が提供する態様を説明する。
1.供試試料
イチゴうどんこ病発病株および潜在感染株(感染していても外見上は発病が認められない株)は、徳島県立農林水産総合技術支援センターから入手した。図1は発病株の写真を示す。
2.イチゴうどんこ病発病株からのDNA抽出
イチゴうどんこ病を発病したイチゴ苗の葉0.2gからDNAの抽出を行った。抽出は、植物DNA抽出キット illustra DNA Extraction Kit PHYTOPURE (GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いて以下のような手順で行った。葉の一部をはさみで切り取り、それをさらに細かく切り、乳鉢に入れた。1,500μLのreagent 1を加え、乳鉢ですり潰した後、700μLを採って1.5mL用マイクロチューブに移した。1.5mL用マイクロチューブ中の細胞破砕液に200μLのreagent 2を加え、上下をよく反転し混合後、65℃に設定したアルミバス中で20分間インキュベートし、2〜3分ごとによく振って攪拌した。その後、氷中で20分間静置し、−20℃の冷クロロホルム500μLとPhytoPuRe resinを100μL加え、室温で10分間上下を反転させながら混合した。5,000rpmで遠心し、上層(DNA層)を滅菌済の新しい1.5mL用マイクロチューブに移した。冷イソプロパノールを600μL加え、攪拌してDNAを析出させた。DNAのペレットを得るため、12,000rpmで10分間遠心し、上清を捨てた。70%エタノールを300μL加え、再び12,000 rpmで5分間遠心し、上清を捨てた。真空ポンプで2分間真空状態においてDNAの沈殿を乾燥させた。DNAの沈殿は50μLの0.1×TE bufferを加えてピペッティングにより溶解した後、−20℃で保存した。
3.プライマーの設計
プライマーの設計は、データベースに登録されているイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)のrDNAおよびそのITS領域の配列を基に行なった。既存のイチゴ病原菌検出用プライマー(特許第5522820号に記載)と同程度のTm値を有すること、ならびに、該イチゴ病原菌検出用プライマーと併用した場合に非特異的な増幅産物が生じず、且つ、S. aphanisのDNAから生じる増幅産物の長さがF. oxysporum、G. cingulata、P. nicotianaeおよびP. cactorumのDNAから生じる増幅産物と明確に区別できる長さであることを条件として種々のプライマー配列を検討した。その結果、これらの条件を満たすものとして以下の塩基配列からなるプライマーを見出し、Sphaerotheca aphanis検出用プライマーペアとして以後の実験に用いた。実験に用いたPCRプライマーは日本遺伝子研究所(仙台市)に合成を依頼したものであり、品質はゲルろ過精製品である。

フォワード側
PapF4: 5’-AGAACATCCTCTCAAGCCTGA-3’(配列番号1)
リバース側
FGC-R: 5’-TTCCTACCTGATCCGAGGTCA-3’(配列番号2)
4.DNAの増幅および検出
(1)PCRによるDNA増幅
PCRキット PuReTaq Ready-To-Go PCR Beads(GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いて酵素やヌクレオチドを含むPCR反応液を調製した。具体的には、1反応分の試薬を含むビーズが入ったチューブにDNA抽出液を0.5μL、2.5pmol/μL(2.5μM)のプライマーを各2.5μLずつ(最終濃度0.25μM)加え、滅菌水を19.5μL加えて合計で25μLになるように混合した。サーマルサイクラーを用いて次の条件でPCRを行った:[変性過程:94℃で5分]を1回、次に[変性過程:94℃で30秒、アニーリング:55℃で30秒、伸長反応:72℃で30秒]のサイクルを35回繰り返し、その後、[伸長反応:72℃で7分]を1回行った後、4℃に冷却して終了させた。サーマルサイクラーは、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice(登録商標) TP600 GradientまたはTP650 Standard(タカラバイオ、大津市)を用いた。
(2)DNA増幅産物の検出(電気泳動)
電気泳動装置Mupid−2(コスモ・バイオ、東京)を用い、PCR産物を2.0%のアガロースゲルにアプライし、1×TAE buffer中を100Vで30分泳動することにより、DNA断片を展開した。このアガロースゲルの作成には Agarose for 150-1500 bp fragment(ナカイラテスク株式会社、京都)を使用した。泳動終了後、100mLの蒸留水に5mg/mLのエチジウムブロマイドを12μL加えた染色液にゲルを移し、20分静置して染色した。染色後、紫外線を照射し、DNA断片の蛍光をデジタルカメラで撮影した。
5.イチゴうどんこ病発病株からの病原菌検出
上記の方法に従い、イチゴうどんこ病発病株から得たDNA抽出液とプライマーPapF4(配列番号1)およびFGC-R(配列番号2)を用いてPCRを行い、得られたDNA増幅産物を電気泳動してアガロースゲル上で検出した。その結果、単一のバンド(DNA増幅産物)が検出された(図2)。このDNA増幅産物をシーケンスしたところ、rDNA-ITS領域に含まれる長さ166bpの配列であった。
一方、GenBankに登録されているS. aphanisのrDNA-ITS領域の配列(配列番号13、GenBank Accession No. GU942442、18S rDNAと26S rDNAは部分配列)に基づくと、プライマーPapF4およびFGC-Rにより生じる増幅産物の長さは165bpであると予測される。そこで、本実施例で用いたイチゴうどんこ病発病株から得たDNAのrDNA-ITS領域(18S rDNAと26S rDNAは部分配列)とGenBank GU942442の塩基配列を比較した。その結果、両者の配列が99.3%(533塩基中529塩基)一致したことから、本実施例で検出された病原菌がS. aphanisであることを確認できた。
6.マルチプライマーPCRによる病原菌検出
本実験では、本願のSphaerotheca aphanis検出用プライマーと特許第5522820号に記載のイチゴ病原菌検出用プライマーを併用して、炭疽病菌(G. cingulata)、萎黄病菌(F. oxysporum)および疫病菌2種(P. nicotianaeおよびP. cactorum)の4種を、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)と同時に検出できるかどうかを検証した。
上記病原菌(S. aphanisを除く)をPDA培地で培養した後、illustra DNA Extraction Kit PHYTOPURE (GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いてDNAを抽出した。各菌株のDNAを10ng/μLに調整し、PCRの反応液に0.5μLを加えた。また、S. aphanisのDNA試料として、上記イチゴうどんこ病発病株から得たDNA抽出液をPCR反応液に0.5μL加えた。使用したプライマーは、Sphaerotheca aphanis検出用プライマーPapF4(配列番号1)およびFGC-R(配列番号2)、Fusarium oxysporum検出用プライマーFoxyF6(配列番号3)、Glomerella cingulata検出用プライマーGcin1(配列番号4)、Phytophthora nicotianae検出用プライマーPnicF2(配列番号5)およびPnicR1(配列番号6)、ならびにPhytophthora cactorum検出用プライマーPcac1(配列番号7)およびPcacR1(配列番号8)であり、各々最終濃度が0.25μMとなるように反応液に加えた。PCRおよび電気泳動の条件は上記「4.DNAの増幅および検出」に記載したものと同様とした。なお、FGC-RはSphaerotheca aphanis検出用プライマーペア、Fusarium oxysporum検出用プライマーペアおよびGlomerella cingulata検出用プライマーペアに共通である。
図3および4に結果を示す。図3のレーン1〜5は、反応液に上記5種類の糸状菌DNAを混合した状態で、各糸状菌に特異的な1種類のプライマーペアのみを反応液に加えて各々PCRを行った結果である。図4のレーン1〜5は、各々1種類ずつの糸状菌DNAを含む反応液に、上記5種類の糸状菌を検出する上記プライマーの全てを混合してPCRを行った結果である。図3および4におけるレーン6は、上記5種類の糸状菌DNAと全てのプライマーを混合して行ったPCRの結果である。図3および4いずれの場合でも、各菌に特異的な増幅産物が得られ、かつ、非特異的な増幅産物はみられなかったことから、本願のイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)検出用プライマーペアPapF4およびFGC-Rは、マルチプライマーPCRによって他のイチゴ病原菌と同時にS. aphanisを検出できることが示された。
7.潜在感染株からのイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出
うどんこ病潜在感染状態のイチゴでは、発病株とは異なり、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)のDNAがわずかな量しか得られない。そこで、検出感度を上げるためにnested PCRを行なった。
具体的には、PCR反応を以下の手順で行った。真菌のrDNA-ITS領域の一部を増幅するユニバーサルプライマーITS5およびITS4(White et al. 1990)を用いて1回目のPCRを行った。かかるプライマーの配列は次の通りである。

ITS5: 5'-GGAAGTAAAAGTCGTAACAAGG-3'(配列番号10)
ITS4: 5'-TCCTCCGCTTATTGATATGC-3'(配列番号11)

反応終了後、反応液を10倍希釈したものを2回目のPCRに用いた。2回目のPCRは、Sphaerotheca aphanis検出用プライマー(PapF4とFGC-Rの組み合わせ)を用い、上記「4.DNAの増幅および検出」に記載した方法で行なった。
図5は、潜在感染が疑われるイチゴ苗4株から葉を採取し、DNAを抽出して上述のnested PCRを行った結果を示す。4株ともS. aphanis由来の増幅産物(166bp)が得られた事から、本願のSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアを用いたPCRにより潜在感染株からのイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出が可能であることが証明された。
8.垂直感染の検証実験
イチゴうどんこ病潜在感染株を親苗とし、該親苗のランナーから子苗を、さらに該子苗から孫苗を作り、かかる子苗および孫苗に移動したイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を本願のSphaerotheca aphanis検出用プライマーペアを用いたPCRにより検出できるかどうかを検証した。また、これらの苗ではそれぞれ葉、クラウン、根およびランナー(孫苗を除く)を試料としてDNAの抽出を行った。抽出を行った組織の湿重量は次の通りである。

[親苗] 葉:0.06 g、クラウン:0.07 g、根:0.12 g、ランナー:0.13 g
[子苗] 葉:0.06 g、クラウン:0.07 g、根:0.07 g、ランナー:0.07 g
[孫苗] 葉:0.07 g、クラウン:0.05 g、根:0.03 g
DNAの抽出は上記「2.イチゴうどんこ病発病株からのDNA抽出」で述べた方法により行った。このDNA抽出液を用いて、上記「7.潜在感染株からのイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出」で述べたnested PCRによりS. aphanis感染の有無を調べた。
実験の結果、図6に示すように子苗や孫苗でも葉においてS. aphanis特異的DNA増幅産物(166bp)が検出されたことから、S. aphanisは潜在感染株からランナーを介して垂直感染することが示された。また、葉以外の組織からもS. aphanisが検出された。
本願に係るイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出方法により、手技の熟練等を必要とせず、簡易な操作で短時間にイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を特異的に検出することが可能になる。また、発病前(潜在感染株)の段階でイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)を検出することができ、防除や感染株の除去などの対策を早期に行うことが可能になる。さらに、本願に係るイチゴ病害の病原菌の検出方法により、イチゴ重要病害の病原菌である炭疽病菌(G. cingulata)、萎黄病菌(F. oxysporum)および疫病菌(P. nicotianae、P. cactorum)をイチゴうどんこ病菌(S. aphanis)と同時に検出することができ、イチゴ栽培における病害対策を効率化することが可能となる。
参考文献
White TJ, Bruns T, Lee SB, Taylor J (1990) Amplification and direct sequencing of fungal ribosomal RNA genes for phylogenetics. In: Gelfand M, Sninsky D, White T (eds) PCR protocols: a guide to methods and applications. Academic Press, San Diego, pp 315-322.

Claims (6)

  1. 以下の工程を含む、イチゴうどんこ病菌(Sphaerotheca aphanis)の検出方法:
    1)イチゴ植物体から得られたDNAと、配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程; および
    2)得られたDNA増幅産物を検出する工程。
  2. 配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペアを含む、イチゴうどんこ病菌(S. aphanis)の検出用キット。
  3. 以下の工程を含む、イチゴ病害の病原菌の検出方法:
    1)イチゴ植物体から得られたDNA、a)配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および以下のb)〜e)からなる群より選択される1種以上のプライマーペアを用いてDNAを増幅する工程:
    b)配列番号3もしくは9に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
    c)配列番号4に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
    d)配列番号5に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号6に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および
    e)配列番号7に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号8に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア; ならびに
    2)得られたDNA増幅産物を検出する工程。
  4. イチゴ病害の病原菌の検出用キットであって、a)配列番号1に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、ならびに以下のb)〜e)からなる群より選択される1種以上のプライマーペアを含むキット:
    b)配列番号3もしくは9に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
    c)配列番号4に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号2に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
    d)配列番号5に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号6に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、および
    e)配列番号7に示すオリゴヌクレオチドおよび配列番号8に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア。
  5. イチゴ病害の病原菌が、Fusarium oxysporum、Glomerella cingulata、Phytophthora nicotianaeおよびPhytophthora cactorumからなる群より選択される1種以上の菌とSphaerotheca aphanisとを含む、請求項3に記載の方法。
  6. イチゴ病害の病原菌が、Fusarium oxysporum、Glomerella cingulata、Phytophthora nicotianaeおよびPhytophthora cactorumからなる群より選択される1種以上の菌とSphaerotheca aphanisとを含む、請求項4に記載のキット。
JP2015112561A 2015-06-02 2015-06-02 イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー Pending JP2016220651A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015112561A JP2016220651A (ja) 2015-06-02 2015-06-02 イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015112561A JP2016220651A (ja) 2015-06-02 2015-06-02 イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016220651A true JP2016220651A (ja) 2016-12-28

Family

ID=57746234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015112561A Pending JP2016220651A (ja) 2015-06-02 2015-06-02 イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016220651A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020044978A1 (ja) 2018-08-29 2020-03-05 国立研究開発法人物質・材料研究機構 測定装置、及び、評価方法
CN114395617A (zh) * 2022-01-12 2022-04-26 天津市农业科学院 一种草莓白粉病菌lamp可视化快速检测方法及应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020044978A1 (ja) 2018-08-29 2020-03-05 国立研究開発法人物質・材料研究機構 測定装置、及び、評価方法
CN114395617A (zh) * 2022-01-12 2022-04-26 天津市农业科学院 一种草莓白粉病菌lamp可视化快速检测方法及应用
CN114395617B (zh) * 2022-01-12 2023-11-07 天津市农业科学院 一种草莓白粉病菌lamp可视化快速检测方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9523131B2 (en) PCR diagnostics of dermatophytes and other pathogenic fungi
Zhang et al. Strain-typing of Lentinula edodes in China with inter simple sequence repeat markers
US20230069872A1 (en) Development of simple sequence repeat (ssr) core primer group based on whole genome sequence of pomegranate and application thereof
CN107541509B (zh) 用于检测奶牛乳房炎6种传染性病原体的lamp引物组合及其应用
Chen et al. Simultaneous detection of three wheat pathogenic fungal species by multiplex PCR
JP5522820B2 (ja) イチゴ重要病害の病原菌検出方法および検出用プライマー
Durai et al. Genetic diversity analysis and development of SCAR marker for detection of Indian populations of Fusarium oxysporum f. sp. ciceris causing chickpea wilt
Cheng et al. Development of novel SCAR markers for genetic characterization of Lonicera japonica from high GC-RAMP-PCR and DNA cloning
Keriö et al. Safe DNA-extraction protocol suitable for studying tree-fungus interactions
JP2016220651A (ja) イチゴうどんこ病菌の検出方法および検出用プライマー
Hannou et al. Characterization of Erwinia amylovora strains from Middle Atlas Mountains in Morocco by PCR based on tandem repeat sequences
Yuan et al. Development of a PCR-based diagnostic tool specific to wheat dwarf bunt, caused by Tilletia controversa
KR101695059B1 (ko) 케피어 발효유 내 미생물 그룹별 정량적인 실시간 중합효소 연쇄반응 분석용 조성물 및 그 분석방법
Shirao et al. Development of DNA markers for identifying chrysanthemum cultivars generated by ion-beam irradiation
KR101509071B1 (ko) 마이크로시스티스속 균주의 유전자 증폭용 프라이머 및 이를 이용한 마이크로시스티스속 균주의 탐지방법
CN113186327B (zh) 一种金针菇fc89菌种的微卫星dna标记指纹图谱的鉴定方法及其构建方法与应用
Contaldo et al. Q-bank phytoplasma: A DNA barcoding tool for phytoplasma identification
JP4648023B2 (ja) ジャガイモそうか病原因菌種の16SrRNA遺伝子若しくは16SrRNA遺伝子からITS領域間を増幅するための新規プライマー対、及びそれらを用いたジャガイモそうか病原因菌種の検出・識別方法
KR20160075943A (ko) 장수풍뎅이 병원성 바이러스 AdV(Allomyrina dichotoma Virus)의 감염 진단용 프라이머 세트 및 그 진단방법
Asif Raheem et al. Molecular Markers as a Diagnostic Tool
JP2017163861A (ja) ユリ類病害の病原菌検出用プライマーセットおよび検出方法
Billones-Baaijens et al. Molecular detection and identification of Diatrypaceous airborne spores in Australian vineyards revealed high species diversity between regions
CN113151548B (zh) 一种金针菇fv1923菌种的微卫星dna标记指纹图谱的鉴定方法及其构建方法与应用
RU2552611C2 (ru) Способ подвидовой дифференциации штаммов возбудителя чумы методом полимеразной цепной реакции
CN112980994B (zh) 一种金针菇菌种的ssr标记指纹图谱的鉴定方法及其构建方法与应用