添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の通信システムのシステム構成を示す図である。図1に示されるとおり、通信システムは、AMF(Access and Mobility management Function)、100、SMF(Session Management Function)200、RAN(Radio Access Network)スライス300、E2Eスライス選択/制御装置400およびNSSF(Network Slice Selection Function)450を含んで構成されている。この通信システムは、ユーザ端末500とサービスサーバ600とをスライスネットワークを介して通信接続させる。
AMF100は、ユーザ端末500の位置管理及び通信経路の設定処理を行う機能を有するNF(Network Function)である。SMF200は、セッションを管理する機能を有するNFである。
RANスライス300は、複数のRAN310a〜310dから構成されるネットワークインフラ上に構成されている仮想的なネットワーク(スライスネットワーク)である。
通信システムでは、仮想化ネットワークであるRANスライス300に対してサービスを割り当てることにより、ユーザ端末50に対してネットワークサービスを提供する。ここでのRANスライス300とは、RAN資源を仮想的に切り分けて、切り分けられたRAN資源を結合し、結合されたRAN資源上に論理的に生成される仮想化ネットワーク又はサービス網であり、RANスライス300同士は、資源が分離されているため、互いに干渉しない。
本実施形態において、RAN310a〜310dは、上記のRAN資源であって、いわゆるユーザ端末500と無線による通信を行うことで、コアネットワークと通信接続するための基地局である。RANスライス300は、複数の物理的に構成されたノードであるRAN310を組み合わせることで、一の仮想的なアクセスネットワークを構築している。なお、RAN310として、移動体通信網を想定したが、それに限るものではなく、Wi−Fiなどの、非移動体通信網のアクセスポイントとしてもよい。
本実施形態においては、複数のRANスライス300aおよび300bが形成されている。RANスライス300aは、RAN310a〜310cから構成されており、RANスライス300bは、RAN310a、310b、および310dから構成されている。RAN310a〜310dは、そのリソース(無線リソースブロック、CPUの占有率、メモリの占有率、通信帯域など)を切り分けて、複数のRANスライスを構築している。サービス内容に応じて、適切なRANスライスが選択される。
E2Eスライス選択/制御装置400は、ユーザ端末500からのサービス要求に応じたCNスライスおよびRANスライス300を含むE2Eスライスを選択する。ここでは、E2Eスライスは、ユーザ端末からサービスサーバまでを一貫したEnd−to−Endでのネットワークにおけるスライスを示す。
本実施形態ではE2Eスライス選択/制御装置400は、E2Eスライスのうち、CNスライスおよびRANスライスをそれぞれ選択可能に構成されている。
そして、E2Eスライス選択/制御装置400は、RANスライス300内における各RAN310(RANスライス310a〜310d)の輻輳状況に応じて、一のRAN310(例えばRAN310a)を選択することで、ユーザ端末500とRANスライス300とを通信接続させる。
サービスサーバ600は、ユーザ端末500に対してデータ配信などのサービス提供を行うサーバである。
つぎに、通信制御装置であるAMF100の機能構成について説明する。図2は、AMF100の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるとおり、AMF100は、受信部101(輻輳情報受信部、識別情報受信部)、通知処理部102(輻輳情報通知部)、送信部103、および接続処理部104(選択要求部、通信処理部)を含んで構成されている。
受信部101は、ユーザ端末500およびRAN310からN2インタフェースを介して、通知情報(Notification、輻輳情報含む)または接続要求信号(PDU Session Establish Request)を受信する部分である。
通知処理部102は、受信部101が通知情報を受信すると、E2Eスライス選択/制御装置400に対して輻輳情報を、一蓮の通信手順を示す通信フローを示すフローIDおよび輻輳対象であるRAN310のIDと紐付けて通知する部分である。輻輳情報は、RAN310におけるリソース利用率および接続セッション数である。
接続処理部104は、受信部101が接続要求信号を受信すると、E2Eスライス選択/制御装置400に対して、E2EスライスおよびRANスライスにおけるRAN310のスライス選択要求を行う部分である。
送信部103は、通知処理部102の通知処理、および接続処理部104の選択要求のそれぞれを示す信号をE2E選択/制御装置400に送信する部分である。
つぎに、スライスの選択装置であるE2Eスライス選択/制御装置400について説明する。図3は、E2Eスライス選択/制御装置400の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるとおり、E2Eスライス選択/制御装置400は、受信部401(取得部)、輻輳管理部402、輻輳状態記憶部403(記憶部)、スライス選択部404、送信部405(装置情報通知部)、およびスライス割当制御部406を含んで構成されている。
受信部401は、AMF100から送信される輻輳情報、輻輳したRAN310を示す識別情報(RAN310a〜310dのいずれかを示す)およびフローIDを受信する部分である。
輻輳管理部402は、受信した輻輳情報、そのRANスライス300におけるRAN310a〜310dのいずれかを示す識別情報、およびフローIDを、輻輳状態記憶部403に記憶する部分である。
輻輳状態記憶部403は、RAN310を示す識別情報と輻輳情報とフローIDとを記憶する部分である。
図4は、輻輳状態記憶部403が記憶する輻輳情報の具体例を示す図である。図に示されるとおり、輻輳状態記憶部403は、RANID、フローID、リソース利用率、接続セッション数、保証できる最大帯域、最大接続端末数などを対応付けて記憶している。輻輳管理部402は、RAN310から輻輳情報としてリソース利用率および接続セッション数を受信し、輻輳状態記憶部403に記憶する。輻輳管理部402は、輻輳情報を受信する度に輻輳状態記憶部403を更新する。
RANIDとは、RAN310を特定するための識別情報である。フローIDとは、通信フローを特定するための識別情報である。なお、通信フローとは、一蓮の通信処理の単位を示したものである。本実施形態においては、通信フローごとに輻輳状態を管理している。
リソース利用率とは、輻輳情報の一つであり、RAN310において、RANスライスとして割当てられてリソースのうち、通信フローにおいて利用されている割合を示す。ここでリソースとは、無線リソースブロック、CPU、メモリ、無線通信の使用帯域などを示し、リソース利用率は、その割当てられた無線リソースブロックの使用率、CPUの使用率、メモリの使用率、または帯域の使用率を示す。
接続セッション数とは、ユーザ端末500がRAN310において割当てられているRANスライスに対して通信接続しているセッション数を示す。通常、一のユーザ端末500は一または複数のセッションを確立している。
保証できる最大帯域および最大接続端末数は、事前に定められた設定値であり、それぞれ通信帯域または端末数を示す。
なお、図4においては、輻輳状態記憶部403は、輻輳情報として、リソース利用率および接続セッション数を記憶しているが、これに限るものではなく、輻輳状態を示す他の情報を含んでいて もよい。 スライス選択部404は、スライス選択Requestを受信すると、そこに含まれているサービス要求条件に基づいて一のRANスライス300および当該スライスに設定されている一のRAN310を選択する部分である。なお、システムの構成によっては、必ずしも一のスライスおよび一のRANを選択することなく、複数のスライス、複数のRANを選択してもよい。なお、スライス選択部404は、サービス要求条件とRANスライス300との対応付けをした管理テーブル(図示せず)を有しており、それに基づいたRANスライス300およびRAN310の選択を行う。
送信部405は、選択したRANスライス300およびRAN310を特定するための識別情報をAMF100に送信する。
スライス割当制御部406は、スライス選択部404においてリソースに余裕のある一のRAN310が存在せず、選択できない場合、選択したRANスライス300に、新たなRAN310を追加するための制御を行う。具体的には、スライス割当制御部406は、リソースに余裕のあるRAN310を他のRANスライスから選択して、当該RAN310に対して、確保するリソースと、フローIDを設定する。また、スライス割当制御部406は、スライス選択部404に対して、RANスライス300に対して新たなRAN310を追加したことを設定する。
なお、新たに設定されたRAN310は、設定された通信フローが終了すると、追加で設定されたリソースを開放するように動作する。
つぎに、AMF100およびE2Eスライス選択/制御装置400を含んだ通信システムにおける処理シーケンスについて説明する。図5は、本実施形態における通信システムの処理シーケンスを示す図である。この図においては、RAN310aが輻輳状態であることを前提に説明する。
ユーザ端末500aは、無線通信制御に従ってRAN310aを選択して、当該RAN310aに対してユーザデータを送信する。RAN310aは、ユーザデータを受信すると(S101)、RAN310aが輻輳状態であるか否かを検知する(S102)。例えば、RAN310aは、リソース利用率が所定値以上であるか否かなどを判断する。なお、接続要求時においては、最大セッション数を超えたアクセスであるか否かを判断することにより輻輳状態であるか否かを判断してもよい。
RAN310aは、ユーザ端末500aから送信されたユーザデータ(データフロー)に基づいて、所定のリソースを超えた処理が必要となって輻輳状態であることを検知すると、Notification信号および輻輳状態を示す輻輳情報を、当該RAN310aの識別情報およびフローIDとともに、AMF100に送信する(S103)。 AMF100において、受信部101がNotification信号および輻輳情報を受信すると、通知処理部102は、送信部103を用いて、E2Eスライス選択/制御装置400に、RAN310aの識別情報、フローIDおよび輻輳情報を送信する(S104)。E2Eスライス選択/制御装置400は、受信部401が識別情報、フローIDおよび輻輳情報を受信し、輻輳管理部402は、輻輳状態記憶部403に、識別情報ごとにフローIDおよび輻輳情報を記憶する。
AMF100は、Notification信号および輻輳情報を受信する度に、E2Eスライス選択/制御装置400に、Notification信号および輻輳情報を送信する。E2Eスライス選択/制御装置400は、輻輳情報に基づいて、各RAN310a〜310dの輻輳状態を管理する。
その後、ユーザ端末500bが、無線通信制御に従って、RANスライスを構成する基地局の一つであるRAN310aを選択し、そのRAN310aに対して、接続要求であるPDU Session Establish Requestを送信する。RAN310aは、AMF100に対して通信接続処理のため、PDU Session Establish Requestを送信する(S105)。PDU Session Establish Requestには、ユーザ端末500から提供を受けようとするサービス(動画配信など)を示す情報および通信フローを示すフローIDが含まれる。
AMF100において、接続処理部104は、E2Eスライス選択/制御装置400にE2Eスライス選択要求(サービス要求条件およびフローIDを含む)を行う(S106)。サービス要求条件は、ユーザ端末500が要求しているサービスを特定するための情報であって、サービスを実現するための条件、例えば、通信遅延の許容度、使用帯域、最大セッション数、ユーザ密度などとしてもよい。また、これらサービス要求条件を特定するためにサービス名などを含めてもよい。
E2Eスライス選択/制御装置400において、受信部401がE2Eスライス選択要求を受信し、スライス選択部404は、E2EスライスおよびRANスライスを選択するとともに、輻輳状態記憶部403に記憶されている輻輳情報に基づいて、RANスライス300における一のRAN310bを選択する(S107)。送信部405は、選択したRANスライスおよび一のRAN310bの識別情報をAMF100に送信する(S108)。
AMF100において、接続処理部104は、ユーザ端末500bがRAN310aからRAN310bに、その接続先を変えるように、ハンドオーバ処理を行う(S109)。
その後、ユーザ端末500bは、RANスライス300aにおけるRAN310bに対して通信接続処理を行い、GBRの通信フローによるデータの送受信を行う(S110)。
この処理によって、RAN310aが輻輳状態であってGBRによる通信フローを実現できない場合においても、RAN310bに切り替えることでGBRによる通信フローを実現する。
上述の例では、RAN310aが輻輳状態であってもRAN310bに切り替えることにより、輻輳状態の生じない通信を可能にした。しかしながら、RAN310bを含めて同じRANスライ内のRAN310が輻輳状態であることがあり得る。
そのような場合には、E2Eスライス選択/制御装置400は、他のRANスライス300からリソースを切り出すことが可能である。以下、その処理について説明する。
AMF100からE2Eスライス選択要求(サービス要求条件およびフローIDを含む)が送信され、RANスライス300aにおけるいずれのRAN310が輻輳状態である場合には、E2Eスライス選択/制御装置400において、スライス選択部404は、輻輳状態記憶部403を参照して、リソースに余裕のあるRAN310(例えば、リソースの空きが所定値以上であるなど)を含んだ他のRANスライス300cを選択する。なお、スライス選択部404は、サービス要求条件を満たしたRANスライスに限ることなく、他のサービス要求条件を満たしたRANスライス300cを選択する。
スライス割当制御部406は、選択されたRANスライス300から、E2Eスライス選択要求に含まれているフローIDおよびサービス要求条件に基づいて、当該サービス要求条件を満たすリソースを切り出す処理を行い、リソースを確保する。具体的には、スライス割当制御部406は、サービス要求条件(通信遅延の遅延許容度、使用帯域、最大セッション数、ユーザ密度)に基づいて、割り当てメモリ容量(使用可能メモリ範囲)、使用する無線通信帯域、CPU占有率などで規定されたリソースを、フローIDを対応付けて、選択したRAN310に設定することで、その通信フローに対するリソースを確保する。サービス要求条件に応じて確保する必要があるリソースは、事前にスライス割当制御部406が保持していてもよいし、他のスライスを管理するノードから取得してもよい。
なお、スライス選択部404が、選択したRAN310を、RANスライス300の一部として選択可能にするよう、必要な設定がなされている。
選択されたRAN310は、フローIDと、リソース使用率とを記憶し、当該通信フローが発生したら、指定されたリソースを利用した通信を可能にする。
この処理により、RANスライス300を跨いで別のRANスライス300のRAN310を利用した通信を可能にする。
つぎに、他の実施形態における通信システムについて説明する。図6は、他の実施形態における通信システムのシステム構成を示すブロック図である。図に示される通り、通信システムでは、仮想化ネットワークであるRANスライス300に対してサービスを割り当てることにより、ユーザ端末500に対してネットワークサービスを提供する。ここでのRANスライス300とは、RAN資源を仮想的に切り分けて、切り分けられたRAN資源を結合し、結合されたRAN資源上に論理的に生成される仮想化ネットワーク又はサービス網であり、RANスライス300同士は、資源が分離されているため、互いに干渉しない。
上記実施形態との違いは、E2Eスライス選択/制御装置400に代えて、選択装置としてRANスライス選択/制御装置410が、RANスライス300およびRAN310を選択する点にある。このRANスライス選択/制御装置410は、各RANスライス300に対して直接、通信制御を行うように配置されている。また、RANスライス選択/制御装置410は、コアネットワーク側のスライスを選択するためのNSSF450からの指示に基づいて、RANスライス300を選択し、そのRANスライス300からRAN310の選択を行うように配置されている。なお、NSSF450からの指示は一例であって、様々な形態が考えられる。すなわち、RANスライス選択/制御装置410は、AMF100、SMF200、などから選択要求を受けてもよいし、また、上記実施形態に記載したE2Eスライス選択/制御装置から選択要求を受け付けてもよい。
RANスライス選択/制御装置410は、RANスライス300を構成するRAN310a〜310cのいずれかから、RAN310のそれぞれの輻輳情報に基づいて、一のRAN310を選択する。ユーザ端末500は、選択されたRAN310に対してアクセス可能に制御される。
RANスライス選択/制御装置410の機能構成は、図3に示される通り、上記E2Eスライス選択/制御装置と同じ機能構成をとる。これを前提に、その処理シーケンスについて説明する。
図7は、他の実施形態における通信システムの処理シーケンスを示す図である。図に示される通り、RAN310は、ユーザ端末500からデータ通信(データフロー:S101)に基づいて輻輳を検知すると(S102)、NSSF450に対して、Notification信号および輻輳情報を送信するとともに、RAN選択/制御装置400に対して、輻輳情報を送信する。なお、NSSF450に対しては、輻輳情報は必ずしも送信する必要はない。そして、RANスライス選択/制御装置410は、RAN310およびフローIDごとの輻輳情報を記憶する。上記実施形態では、NSSF450に輻輳情報等を送信するように構成しているが、これに限るものではなく、AMF100、SMF200等に送信してもよい。
その後、他のユーザ端末500から接続要求が送信されると、NSSF450は、RANスライス選択/制御装置410にRANスライス選択Request(サービス要求条件およびフローIDを含む)を送信する(106a)。
RANスライス選択/制御装置410は、RANスライス選択Requestを受信すると、輻輳情報に基づいてRAN310a〜310cのいずれかを選択する(S107a)。選択基準は上記S107と同じである。RANスライス選択/制御装置410は、選択したRAN310を示す識別情報を含んだRANスライス選択ResponseをNSSF450に送信する(S108a)。
NSSF450は、AMF100に通知し、AMF100は、選択されたRAN310にハンドオーバするようにユーザ端末500に、切替先となるRAN310の情報を通知し、ハンドオーバ処理を行う(S109)。図では、RAN310aからRAN310bに切り替えられる。
そして、ユーザ端末500は、RAN310bに対してアクセスして、ユーザデータを送信する。
このように他の実施形態においても、RANスライス選択/制御装置410が、NSSF450などからのRANスライス選択要求に基づいて、RANスライス300の選択およびRAN310の選択を行うことができる。
なお、他の実施形態においても、上記本実施形態に記載の通り、リソースに余裕のあるRAN310を選択できない場合には、他のRANスライス300のRAN310を選択して、そのリソースを切り出す制御を行うこともできる。
つぎに、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の通信制御装置であるAMF100(または、SMF200)は、ユーザ端末500をコアネットワークに通信接続するためのネットワークインフラである複数の通信接続装置であるRAN310を用いて仮想的なネットワークを構成したRANスライス300(スライスネットワーク)に対して、通信制御を行う通信制御装置である。
このAMF100は、複数の通信接続装置であるRAN310のそれぞれにおける輻輳情報を受信する受信部101と、RAN310群(RAN310a〜310c)から一のRAN310を選択するための選択/制御装置であるE2Eスライス選択/制御装置400に、輻輳情報を通知して、RAN310のそれぞれにおける輻輳情報を記憶させる通知処理部102と、RAN310から接続要求であるPDU Session Establish Requestを受信すると、E2Eスライス選択/制御装置400にスライス選択要求を送信する接続処理部104と、スライス選択要求に対する応答として、選択されたRANスライス300の識別情報、および輻輳情報に基づいて選択されたRAN310を示す識別情報(RANID)を受信する識別情報受信部と、識別情報で示されたRANスライス300におけるRAN310を用いた通信接続処理を行う通信処理部と、を備える。
この構成によれば、輻輳状態にあるRAN310(例えば上記のRAN310a)を選択することなく、リソースに空きのあるRAN310(例えば上記のRAN310b)を選択することができる。したがって、サービス要求条件を満たした通信を可能にする。
本実施形態のE2Eスライス選択/制御装置400は、仮想的なネットワークであるRANスライス300を構成する、ユーザ端末500をコアネットワークに通信接続するためのネットワークインフラである複数のRAN310ごとの、輻輳情報を受信する受信部401と、複数のRAN310ごとの輻輳情報を記憶する輻輳状態記憶部403と、ネットワーク管理を行うAMF100(またはSMF200)から選択要求を受信すると、輻輳状態記憶部403を参照して、RAN310を選択するスライス選択部404と、RAN310のIdをAMF100に通知する送信部405と、を備え、AMF100は、選択されたRAN310(例えば上記のRAN310b)を用いた通信制御を行う。
したがって、輻輳状態にあるRAN310(例えば上記のRAN310a)を選択することなく、リソースに空きのあるRAN310(例えば上記のRAN310b)を選択することができる。
また、本実施形態のE2Eスライス選択/制御装置400におけるスライス選択部404は、AMF100からスライス選択要求を受信すると、ユーザ端末500が通信するためのサービス要求条件を満たすRANスライス300を選択するとともに、当該RANスライス300を構成する一または複数のRAN310から、輻輳情報に応じたRAN310を選択する。
よって、スライス選択要求を利用してRAN310の選択を可能にし、その通信制御を簡易なものにする。
また、本実施形態のE2Eスライス選択/制御装置400において、複数のRAN310それぞれは、複数のRANスライス300ごとにリソースが割当てられており、輻輳状態記憶部403を参照して、指定されたRANスライス300におけるRAN310を選択することができない場合には、他のRANスライス300(例えばRANスライス300b)におけるRAN310からリソースの切り出しを行うスライス割当制御部406を、備える。
この構成によれば、RANスライス300におけるRAN310a〜310cにおいて、いずれも輻輳状態であってリソース不足である場合には、他のRAN310からリソースに余裕のあるRAN310から当該RANスライス300用にリソースを切り出すことができる。したがって、輻輳状態の生じえない通信を可能にする。
また、本実施形態のE2Eスライス選択/制御装置400において、スライス割当制御部406は、通信フロー単位に、RAN310からリソースの切り出しを行い、RAN310は、割り当てられた通信フローの通信が終了すると、当該通信フローに割り当てられたリソースを開放する。
これにより、いつまでも他のRANスライス300のためにリソースを維持することがなく、効率的なシステムを構築する。
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるAMF100、E2Eスライス選択/制御装置400,RAN選択/制御装置410などは、本実施形態の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本実施形態に係るAMF100、E2Eスライス選択/制御装置400,RAN選択/制御装置410のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のAMF100、E2Eスライス選択/制御装置400,RAN選択/制御装置410は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。AMF100、E2Eスライス選択/制御装置400,RAN選択/制御装置410のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
AMF100、E2Eスライス選択/制御装置400,RAN選択/制御装置410における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、AMF100の通知処理部102、E2Eスライス選択/制御装置400の輻輳管理部402などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、AMF100の通知処理部102、E2Eスライス選択/制御装置400の輻輳管理部402は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。上述の輻輳状態記憶部403はストレージ1003により実現されてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のAMF100における受信部101、送信部103、E2Eスライス選択/制御装置400における受信部401,送信部405は、などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、AMF100、E2Eスライス選択/制御装置400は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
ユーザ端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。