添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態にかかる移動体通信システム1のシステム構成を示す図である。図1に示されているとおり、この移動体通信システム1は、NextGenのアーキテクチャに従った移動体通信システムであり、MM(モビリティ管理機能部)、SM(セッション管理機能部)、及びUP(ユーザデータ伝送機能部)を含むコアネットワークを含んで構成される。移動体通信システム1は、物理サーバ上に実現される仮想マシンにおいて動作する仮想サーバによってユーザの端末に対して通信機能を提供する。この移動体通信システム1において、MMはユーザの移動体通信端末であるUEのモビリティ(移動状態)を管理するノード(機能部)であり、SMはUEの通信セッションを管理するノードであり、UPはUEとコアネットワークとの間でサービスに利用されるユーザデータを送受信するノードである。なお、SMおよびUPは1つの移動体通信システム1内で複数備えられうる。図1に示す例では、SMとしてSM30a,30bの2つのノードが備えられ、UPとしてUP40a,40bの2つのノードが備えられている。SMとUPとの任意の複数の組み合わせのそれぞれに対して予め複数の仮想ネットワークである複数のスライスが割り当てられ、それぞれの1以上のスライス単位でUE10に対して異なる種別のサービスが提供される。ここでいう「スライス」とは、ネットワーク装置のリンクとノードの資源を仮想的に切り分けて、切り分けた資源を結合し、ネットワークインフラ上に論理的に生成される仮想ネットワーク又はサービス網であり、スライスどうしは資源を分離しており互いに干渉しない。「サービス」とは、通信サービス(専用線サービス等)、アプリケーションサービス(動画配信、エンベデッド装置等のセンサ装置を利用したサービス)等のネットワーク資源を用いたサービスをいう。例えば、図1に示す例では、SM30aおよびUP40aに対してスライスSLaが割り当てられ、SM30bおよびUP40bに対してスライスSLbが割り当てられている。UE10に対してサービスが提供される際には、UE10とスライスとの間で通信経路(ベアラー)が接続確立され、このベアラーを経由して、UE10と通信先ノードであるDNNとの間の通信が接続される。
以下では、MM20、SM30a,30b、及びUP40a,40bのそれぞれの構成について説明する。なお、SM30aとSM30bとは、同一の機能を有し、SM30と称して説明する場合もある。また、UP40aとUP40bとは、同一の機能を有し、UP40と称して説明する場合もある。MM20、SM30、及びUP40は、以下で説明する機能以外にも、「3GPP TR 23.799」、又は移動体通信システムに関する一般的な文献等に開示されている各要素が備える一般的な機能も有するものとする。また、MM20、SM30、及びUP40は、以下で説明する機能以外にも、後述の図6〜7、及び図11〜12のシーケンス図を用いて説明する機能も有するものとする。
図2には、MM20のハードウェア構成を示し、図3には、MM20の機能構成を示す。図3に示すように、MM20は、機能的な構成要素として、モビリティ管理機能部21、リクエスト受信部22、輻輳状態特定部23、情報保持部(ネットワーク情報保持部、スライス割当情報保持部)24、及びリクエスト返信部(再送要求送信部)25を含んで構成されている。
図3に示すブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるMM20は、本実施形態のMM20の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図2には、本実施形態に係るMM20のハードウェア構成の一例を示している。MM20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、本明細書における説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。MM20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
MM20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、モビリティ管理機能部21、リクエスト受信部22、輻輳状態特定部23、及びリクエスト返信部25などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、モビリティ管理機能部21は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る移動体通信の各種処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。例えば、情報保持部24などは、ストレージ1003で実現されてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、リクエスト受信部22、及びリクエスト返信部25などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイスであり、出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイスである。入力装置1005及び出力装置1006は、両者が一体となったタッチパネルディスプレイで実現されてもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、MM20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
次に、MM20の各機能部の機能について述べる。
モビリティ管理機能部21は、移動体通信システム1に在圏するUE10の位置管理、認証制御、及びUP40とUE10との間の制御データ又はユーザデータの通信経路の設定処理を行う部分である。
リクエスト受信部22は、UE10から、制御データの通信経路の接続確立を要求するアタッチ要求(Attach Request)を受信する。このとき、リクエスト受信部22は、アタッチ要求に、スライスを識別するためのサービスタイプ情報(スライス特定情報)又はスライスタイプ情報(スライス特定情報)、及び接続先のノードのアドレスを示すDNNを含んで受信する。リクエスト受信部22によるアタッチ要求の受信に応じて、モビリティ管理機能部21によって、UE10とMM20との間の制御データのセッションの設定処理がなされる。また、リクエスト受信部22は、UE10から、アタッチ要求に引き続いて、ユーザデータの通信経路の接続確立を要求するセッション要求(PDU Session Request)を受信する。このとき、リクエスト受信部22は、セッション要求に、スライスを識別するためのサービスタイプ情報(スライス特定情報)又はスライスタイプ情報(スライス特定情報)、及び接続先のノードのアドレスを示すDNNを含んで受信する。リクエスト受信部22によるセッション要求の受信に応じて、モビリティ管理機能部21によって、UE10とUP40との間のユーザデータのセッションを識別するためのセッション識別情報(PDU−ID)が割り振られた後に、該当するスライスを経由したセッションの設定処理がなされる。
輻輳状態特定部23は、リクエスト受信部22によってアタッチ要求が受信された際に、アタッチ要求に含まれるサービスタイプ情報又はスライスタイプ情報に対応するスライスを識別し、そのスライスの接続先のネットワークの輻輳状態を特定する。この際、輻輳状態特定部23は、情報保持部24に保持されたネットワーク管理情報を参照することによりスライスの接続先のネットワークを特定し、特定したネットワークの輻輳状態を特定する。
図4において、(a)部及び(b)部には、それぞれ、情報保持部24に保持されたネットワーク管理情報のデータ構成の一例を示している。図4の(a)部に示すネットワーク管理情報の例においては、接続先のネットワークを特定するDNN“DNN1”、“DNN2”ごとに、当該ネットワークに接続されるスライスを特定するためのスライスタイプ情報“Slice#1”、“Slice#2”が対応付けられており、図4の(b)部に示すネットワーク管理情報の例においては、接続先のネットワークを特定するDNN“DNN2”、“DNN2”に対して、当該ネットワークに接続されるスライスを特定するためのスライスタイプ情報“Slice#1”、“Slice#2”が対応付けられている。このように、同一のDNNに対して複数のスライスが接続されうる。輻輳状態特定部23は、スライスタイプ情報“Slice#1”を含むアタッチ要求が受信された際には、図4の(a)部に示すネットワーク管理情報を参照し、スライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”を特定し、そのDNN“DNN1”の輻輳状態を特定する。
この際、輻輳状態特定部23は、輻輳状態を、MM20とDNNとの間の通信遅延時間を測定することによって判断してもよいし、DNN、SM30、又はUP40等から輻輳状態を通知されてもよい。また、輻輳状態特定部23は、輻輳状態の特定を、アタッチ要求の受信の都度行ってもよいし、あらかじめ(定期的等の任意のタイミングで)行っていてもよい。また、輻輳状態特定部23は、アタッチ要求に含まれるDNNを基にスライスの接続先のDNNを特定し、特定したDNNの輻輳状態を特定するようにしてもよい。
加えて、輻輳状態特定部23は、リクエスト受信部22によってセッション要求が受信された際に、セッション要求に含まれるサービスタイプ情報又はスライスタイプ情報に対応するスライスを識別し、そのスライスの輻輳状態を特定する。この際、輻輳状態特定部23は、情報保持部24に保持されたスライス管理情報を参照することによりスライスを特定し、特定したスライスの輻輳状態を特定する。
図5には、情報保持部24に保持されたスライス管理情報のデータ構成の一例を示している。図5に示すスライス管理情報の例においては、スライスを特定するスライスタイプ情報“Slice#1”、“Slice#2”ごとに、当該スライスに割り当てられたSM30及びUP40の組み合わせを特定するためのSM識別情報及びUP識別情報“SM1, UP1”、“SM2, UP2”が対応付けられている。このように、複数のSM30及びUP40の組み合わせのそれぞれに対してスライスが割り当てられる。輻輳状態特定部23は、スライスタイプ情報“Slice#1”を含むセッション要求が受信された際には、図5に示すスライス管理情報を参照し、スライス“Slice#1”に割り当てられたSM30“SM1”及びUP40“UP1”を特定し、それらのSM30“SM1”及びUP40“UP1”の輻輳状態を特定する。
この際、輻輳状態特定部23は、輻輳状態を、MM20とSM30又はUP40との間の通信遅延時間を測定することによって判断してもよいし、SM30又はUP40等から輻輳状態を通知されてもよい。また、輻輳状態特定部23は、輻輳状態の特定を、セッション要求の受信の都度行ってもよいし、あらかじめ(定期的等の任意のタイミングで)行っていてもよい。
リクエスト返信部25は、UE10からのアタッチ要求又はセッション要求に対してUE10に向けて応答を返信する。すなわち、リクエスト返信部25は、アタッチ要求に対しては、スライスの接続先のネットワークの輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合には、バックオフタイマを含むアタッチ拒絶(Attach Reject)を返信する。このアタッチ拒絶は、アタッチ要求の再送を要求するための信号であり、アタッチ拒絶に含まれるバックオフタイマは、アタッチ要求の再送のタイミングを指示するためのタイマである。一方、アタッチ要求に対して、スライスの接続先のネットワークの輻輳状態が「輻輳なし」と特定された場合には、モビリティ管理機能部21による制御データの通信経路の設定後に、アタッチ完了通知(Attach Accept)を返信する。加えて、リクエスト返信部25は、セッション要求に対しては、スライスの輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合には、バックオフタイマを含むセッション拒絶(PDU Session Reject)を返信する。このセッション拒絶は、セッション要求の再送を要求するための信号であり、セッション拒絶に含まれるバックオフタイマは、セッション要求の再送のタイミングを指示するためのタイマである。一方、セッション要求に対して、スライスの輻輳状態が「輻輳なし」と特定された場合には、モビリティ管理機能部21によるユーザデータの通信経路の設定後に、セッション完了通知(PDU Session Accept)を返信する。
次に、上述した移動体通信システム1の通信経路の設定処理について説明するとともに、本実施形態にかかる輻輳制御方法について詳述する。図6は、移動体通信システム1による制御データの通信経路の設定処理の手順を示すシーケンス図であり、図7は、移動体通信システム1によるユーザデータの通信経路の設定処理の手順を示すシーケンス図である。
まず、図6を参照して、制御データの通信経路の設定処理について説明する。最初に、予めMM20の輻輳状態特定部23によって、スライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が「輻輳あり」と検出されている(ステップS101)と想定する。この状態で、MM20のリクエスト受信部22により、UE10から、スライスタイプ情報“Slice#1”とDNN“DNN1”とを含むアタッチ要求が受信されると(ステップS102)、MM20の輻輳状態特定部23によってスライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が特定される(ステップS103)。その結果、接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、MM20のリクエスト返信部25からUE10に向けて、バックオフタイマ(back-off timer)を含むアタッチ拒絶が返信される(ステップS104)。なお、ステップS101においてMM20自体の輻輳状態が検知され、ステップS103においてMM20自体の輻輳状態が特定され、ステップS104においてMM20自体の輻輳状態に基づいてアタッチ拒絶が返信されてもよい。
次に、図7を参照して、ユーザデータの通信経路の設定処理について説明する。最初に、スライス“Slice#1”に割り当てられたSM30“SM1”から輻輳状態にあることが通知され(ステップS201)、この通知を基に、予めMM20の輻輳状態特定部23によって、スライス“Slice#1”の輻輳状態が「輻輳あり」と検出されている(ステップS202)と想定する。この状態で、MM20のリクエスト受信部22により、UE10から、スライスタイプ情報“Slice#1”とDNN“DNN1”とを含むセッション要求が受信されると(ステップS203)、MM20の輻輳状態特定部23によってスライス“Slice#1”の輻輳状態が特定される(ステップS204)。その結果、スライス“Slice#1”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、MM20のリクエスト返信部25からUE10に向けて、バックオフタイマ(back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS205)。一方、MM20のリクエスト受信部22により、UE10から、スライスタイプ情報“Slice#2”とDNN“DNN3”とを含むセッション要求が受信されると(ステップS206)、MM20の輻輳状態特定部23によってスライス“Slice#2”の輻輳状態が「輻輳なし」と特定され、MM20のモビリティ管理機能部21によってPDU−IDが割り振られた後に、PDU−IDとスライスタイプ情報“Slice#2”とDNN“DNN3”とを含むセッション要求が、該当のスライス“Slice#2”に割り当てられたSM30“SM2”に送信される(ステップS207)。その後、UE10とSM30“SM2”との間の通信経路の設定処理が実行された後に、SM30“SM2”からMM20を経由してUE10に向けてセッション完了通知が返信される(ステップS208,S209)。
次に、本実施形態の移動体通信システム1および輻輳制御方法の作用効果について説明する。上述した移動体通信システム1によれば、UE10からアタッチ要求あるいはセッション要求が受信された際に、スライス単位で、当該スライスの輻輳状態又は当該スライスの接続先のネットワークの輻輳状態を基にバックオフタイマを含む再送要求がUE10に返信される。これにより、通信の混雑の傾向が表れやすいスライスの単位での輻輳制御を実現することにより、効率的な通信が可能となる。
また、上記実施形態では、接続先のDNNごとに当該DNNに接続されるスライスを特定する管理情報が保持され、その管理情報を基にスライスの接続先のDNNが特定され、当該DNNの輻輳状態が特定される。こうすることにより、スライスの接続先のネットワークの輻輳状態が適切に特定される。その結果、スライス単位での輻輳制御が適切に実現される。
さらに上記実施形態では、複数のSM及び複数のUPに割り当てられたスライスを特定する管理情報が保持され、その管理情報を基にスライスに割り当てられたSM或いはUPが特定され、当該SM或いは当該UPの輻輳状態がスライスの輻輳状態として特定される。こうすることにより、スライスの輻輳状態が適切に特定される。その結果、スライス単位での輻輳制御が適切に実現される。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
例えば、上記実施形態においては、SMあるいはUPが、輻輳状態を特定し、輻輳状態を基にセッション要求に対するUE10への返信を制御するように構成されてもよい。以下では、SMが、輻輳状態の特定機能、およびセッション要求に対する返信の制御機能を有する場合の構成について説明する。図8は、上述した実施形態のSM30の変形例にかかるSM30Aのハードウェア構成を示すブロック図であり、図9は、SM30Aの機能構成を示すブロック図である。
図9に示すように、SM30Aは、機能的な構成要素として、セッション管理機能部31、リクエスト受信部32、輻輳状態特定部33、情報保持部(ネットワーク情報保持部)34、及びリクエスト返信部(再送要求送信部)35を含んで構成されている。
図9に示すブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本変形例におけるSM30Aは、本変形例のSM30Aの処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8には、本変形例に係るSM30Aのハードウェア構成の一例を示している。このハードウェア構成は、図2の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。図9に示すセッション管理機能部31、リクエスト受信部32、輻輳状態特定部33、及びリクエスト返信部35などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。セッション管理機能部31は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。情報保持部34などは、ストレージ1003で実現されてもよい。リクエスト受信部32、及びリクエスト返信部35などは、通信装置1004で実現されてもよい。
次に、本変形例のSM30Aの各機能部の機能について述べる。
セッション管理機能部31は、移動体通信システム1に在圏するUE10とUP40との間の通信経路(ベアラー)のセッションを管理する機能部である。具体的には、MM20からのセッション要求に応じてベアラーの設定処理を実行する。
リクエスト受信部32は、UE10からMM20を経由して、ユーザデータの通信経路の接続確立を要求するセッション要求(PDU Session Request)を受信する。このとき、リクエスト受信部32は、セッション要求に、MM20によって割り振られたセッション識別情報(PDU−ID)と、スライスを識別するためのサービスタイプ情報(スライス特定情報)又はスライスタイプ情報(スライス特定情報)と、接続先のノードのアドレスを示すDNNと、を含んで受信する。リクエスト受信部32によるセッション要求の受信に応じて、セッション管理機能部31によって、該当するスライスを経由したUE10とUP40との間のユーザデータ用のセッションの設定処理がなされる。
輻輳状態特定部33は、リクエスト受信部32によってセッション要求が受信された際に、セッション要求に含まれるサービスタイプ情報又はスライスタイプ情報に対応するスライスを識別し、そのスライスの接続先のネットワークの輻輳状態を特定する。この際、輻輳状態特定部33は、情報保持部34に保持されたネットワーク管理情報を参照することによりスライスの接続先のネットワークを特定し、特定したネットワークの輻輳状態を特定する。
図10において、(a)部及び(b)部には、それぞれ、情報保持部34に保持されたネットワーク管理情報のデータ構成の一例を示している。図10の(a)部に示すネットワーク管理情報の例においては、接続先のネットワークを特定するDNN“DNN1”、“DNN2”ごとに、当該ネットワークに接続されるスライスを特定するためのスライスタイプ情報“Slice#1”、“Slice#2”と、スライスを通じて設定されるセッションを識別するセッション識別情報(PDU−ID)“PDU session #1”、“PDU session #2”とが対応付けられており、図10の(b)部に示すネットワーク管理情報の例においては、接続先のネットワークを特定するDNN“DNN2”、“DNN2”に対して、当該ネットワークに接続されるスライスを特定するためのスライスタイプ情報“Slice#1”、“Slice#2” と、スライスを通じて設定されるセッションを識別するセッション識別情報(PDU−ID)“PDU session #1”、“PDU session #2”とが対応付けられている。このように、同一のDNNに対して複数のスライスが接続されうる。また、同一のDNNに対してスライスに対応した複数のセッションが設定されうる。輻輳状態特定部33は、スライスタイプ情報“Slice#1”を含むアタッチ要求が受信された際には、図10の(a)部に示すネットワーク管理情報を参照し、スライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”を特定し、そのDNN“DNN1”の輻輳状態を特定する。
この際、輻輳状態特定部33は、輻輳状態を、SM30AとDNNとの間の通信遅延時間を測定することによって判断してもよいし、DNN又はUP40等から輻輳状態を通知されてもよい。また、輻輳状態特定部33は、輻輳状態の特定を、セッション要求の受信の都度行ってもよいし、あらかじめ(定期的等の任意のタイミングで)行っていてもよい。また、輻輳状態特定部33は、セッション要求に含まれるDNNを基にスライスの接続先のDNNを特定し、特定したDNNの輻輳状態を特定するようにしてもよい。
加えて、輻輳状態特定部33は、リクエスト受信部32によってセッション要求が受信された際に、セッション要求に含まれるサービスタイプ情報又はスライスタイプ情報に対応するスライスを識別し、そのスライス自体の輻輳状態をも特定する。このとき、輻輳状態特定部33は、識別したスライスに割り当てられた自身のSM30AあるいはUP40の輻輳状態を特定する。
なお、輻輳状態特定部33は、輻輳状態を、自身のSM30Aの輻輳状態によって判断してもよいし、判断対象のスライスに割り当てられたUP40等からUP40等の輻輳状態を通知されてもよい。例えば、輻輳状態の判断は、スライスに割り当てられた通信の帯域が混雑しているか否かを判断することにより行われる。また、輻輳状態特定部33は、輻輳状態の特定を、セッション要求の受信の都度行ってもよいし、あらかじめ(定期的等の任意のタイミングで)行っていてもよい。
リクエスト返信部35は、MM20からのセッション要求に対してMM20を経由してUE10に向けて応答を返信する。すなわち、リクエスト返信部35は、セッション要求に対して、スライスの接続先のネットワークの輻輳状態又はスライス自体の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合には、バックオフタイマを含むセッション拒絶(PDU session Reject)を返信する。このセッション拒絶は、セッション要求の再送を要求するための信号であり、セッション拒絶に含まれるバックオフタイマは、セッション要求の再送のタイミングを指示するためのタイマである。一方、セッション要求に対して、スライスの接続先のネットワークの輻輳状態及びスライス自体の輻輳状態が「輻輳なし」と特定された場合には、セッション管理機能部31によるユーザデータの通信経路の設定後に、セッション完了通知(PDU session Accept)を返信する。
次に、上述した変形例における移動体通信システム1の通信経路の設定処理について説明するとともに、変形例にかかる輻輳制御方法について詳述する。図11及び図12は、本変形例にかかる移動体通信システム1によるユーザデータの通信経路の設定処理の手順を示すシーケンス図である。
まず、図11を参照して、DNNの輻輳状態に基づいたユーザデータの通信経路の設定処理について説明する。
最初に、UE10からMM20に向けてスライスタイプ情報“Slice#1”とDNN“DNN1”とを含むセッション要求が送信される(ステップS301)。そうすると、MM20によって、セッション要求に含まれるスライスタイプ情報で特定されるスライスに割り振られたSM30Aが判別されるとともに、UE10とUP40との間のセッションに対してPDU−IDが割り振られる(ステップS302)。次に、SM30Aのリクエスト受信部32により、MM20から、PDU−IDと、スライスタイプ情報“Slice#1”と、DNN“DNN1”とを含むセッション要求が受信されると(ステップS303)、SM30Aの輻輳状態特定部33によってスライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が特定される(ステップS304)。その結果、接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、SM30Aのリクエスト返信部35からMM20に向けて、バックオフタイマ(back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS305)。これに対して、MM20においては、UE10からのDNN“DNN1”に対するセッション要求に対しては全てセッション拒絶を返すように設定が変更されるとともに、ステップS302で割り振ったPDU−IDが削除される(ステップS306)。そして、MM20からUE10に向けて、新たに設定されたバックオフタイマ(back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS307)。
一方、UE10からMM20に向けて、スライスタイプ情報“Slice#1”及びDNN“DNN1”と、スライスタイプ情報“Slice#2”及びDNN“DNN2”とを含み、2つのセッションの設定を同時に要求するセッション要求が送信された場合(ステップS308)を想定する。この場合、MM20によって、セッション要求に含まれるスライスタイプ情報で特定される2つのスライスに割り振られた2つのSM30A“SM1”、“SM2”が判別されるとともに、UE10とUP40との間に設定する2つのセッションのそれぞれに対してPDU−IDが割り振られる。次に、判別された一方のSM30Aのリクエスト受信部32により、MM20から、PDU−IDと、スライスタイプ情報“Slice#1”と、DNN“DNN1”とを含むセッション要求が受信される(ステップS309)。その一方で、判別された他方のSM30Aのリクエスト受信部32により、MM20から、PDU−IDと、スライスタイプ情報“Slice#2”と、DNN“DNN2”とを含むセッション要求が受信される(ステップS310)。この際、予め2つのSM30Aのそれぞれにおいて、DNN“DNN1”とDNN“DNN2”のそれぞれの輻輳状態が検知される(ステップS311,S312)。
そして、一方のSM30Aの輻輳状態特定部33によってスライス“Slice#1”の接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が特定される(ステップS313)。その結果、接続先のDNN“DNN1”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、一方のSM30Aのリクエスト返信部35からMM20に向けて、バックオフタイマ(SM1 back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS314)。また、他方のSM30Aの輻輳状態特定部33によってスライス“Slice#2”の接続先のDNN“DNN2”の輻輳状態が特定される(ステップS315)。その結果、接続先のDNN“DNN2”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、他方のSM30Aのリクエスト返信部35からMM20に向けて、バックオフタイマ(SM2 back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS316)。
これに対して、MM20においては、UE10からのDNN“DNN1”及びDNN“DNN2”に対するセッション要求に対しては全てセッション拒絶を返すように設定が変更されるとともに、既に割り振った2つのPDU−IDが削除される(ステップS317)。そして、MM20からUE10に向けて、新たに設定された2つのバックオフタイマ(SM1 back-off timer、SM2 back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS318)。
次に、図12を参照して、スライスの輻輳状態に基づいたユーザデータの通信経路の設定処理について説明する。
ここで、スライス“Slice#1”に割り当てられたSM30A“SM1”においてスライス“Slice#1”が輻輳状態にあることが予め検出されている(ステップS401)と想定する。この状態で、UE10からMM20に向けてスライスタイプ情報“Slice#1”とDNN“DNN1”とを含むセッション要求が送信される(ステップS402)。そうすると、MM20によって、セッション要求に含まれるスライスタイプ情報で特定されるスライスに割り振られたSM30Aが判別されるとともに、UE10とUP40との間のセッションに対してPDU−IDが割り振られる(ステップS403)。次に、SM30Aのリクエスト受信部32により、MM20から、PDU−IDと、スライスタイプ情報“Slice#1”と、DNN“DNN1”とを含むセッション要求が受信されると(ステップS404)、SM30Aの輻輳状態特定部33によってスライス“Slice#1”の輻輳状態が特定される(ステップS405)。その結果、スライス“Slice#1”の輻輳状態が「輻輳あり」と特定された場合に、SM30Aのリクエスト返信部35からMM20に向けて、バックオフタイマ(back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS406)。これに対して、MM20においては、UE10からのスライス“Slice#1”に対するセッション要求に対しては全てセッション拒絶を返すように設定が変更されるとともに、ステップS403で割り振ったPDU−IDが削除される(ステップS407)。そして、MM20からUE10に向けて、新たに設定されたバックオフタイマ(back-off timer)を含むセッション拒絶が返信される(ステップS408)。
その一方で、UE10からMM20に向けてスライスタイプ情報“Slice#2”とDNN“DNN3”とを含むセッション要求が送信されたとする(ステップS409)。そうすると、MM20によって、セッション要求に含まれるスライスタイプ情報で特定されるスライスに割り振られたSM30Aが判別されるとともに、UE10とUP40との間のセッションに対してPDU−IDが割り振られる(ステップS410)。次に、SM30Aのリクエスト受信部32により、MM20から、PDU−IDと、スライスタイプ情報“Slice#2”と、DNN“DNN3”とを含むセッション要求が受信されると(ステップS411)、SM30Aの輻輳状態特定部33によってスライス“Slice#2”の輻輳状態が特定される(ステップS412)。その結果、スライス“Slice#2”の輻輳状態が「輻輳なし」と特定された場合に、SM30Aのリクエスト返信部35からMM20に向けて、セッション完了通知が返信される(ステップS413)。そして、MM20からUE10に向けて、セッション完了通知が転送される(ステップS414)。
上述した変形例によっても、UE10からセッション要求が受信された際に、スライス単位で、当該スライスの輻輳状態又は当該スライスの接続先のネットワークの輻輳状態を基に再送要求がUE10に返信される。これにより、通信の混雑の傾向が表れやすいスライスの単位での輻輳制御を実現することにより、効率的な通信が可能となる。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。