JPWO2020013191A1 - 高純度カルコゲナイド材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、従来は困難であった、周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1の高純度なカルコゲナイド化合物として、一般式(1):M1M2x(1)[式中、M1は周期表第14族元素を示す。M2は周期表第16族元素を示す。xは0.9〜1.1を示す。]で表されるカルコゲナイド化合物を含有し、X線回折測定において、前記カルコゲナイド化合物の存在量が90モル%以上である、高純度カルコゲナイド材料を提供することができる。

Description

本発明は、高純度カルコゲナイド材料及びその製造方法に関する。
安価で安全な元素で構成されるp型半導体である硫化スズSnSは、1.3eV程度のバンドギャップを有しており、光吸収係数が可視光領域で105cm-1程度であることから、高効率の太陽電池材料や電子デバイスの二次元材料等として期待されており、太陽電池材料として使用した場合は理論変換効率が30%以上であると想定される。SnS太陽電池は、現在のところ、4.36%の最高変換効率が報告されている。また、他の周期表第14族元素と第16族元素の1: 1のカルコゲナイド化合物についても同様に、高効率の太陽電池材料として期待される。
このようなデバイス化や基礎研究においては、単相結晶を用いることが肝要であるが、単相結晶を得ることは容易とは言えない。例えば、市販のSnS結晶を例に取ると、高純度グレード(純度99.9%)のSnSであっても、表記されている純度はSn及びS以外の不純物濃度が0.1%であることを示しているに過ぎず、Sn又はSを含む不純物は考慮に入れられていない。この市販のSnS試料中には、SnSのみならず、Sn2S3やSnO2等の不純物も混在していることから、純度99.9%であることは、SnS、Sn2S3、SnO2等を合計で99.9%含んでいることを意味しており、正味のSnSの純度は50%程度に過ぎない。また、SnS単相結晶を直接製造しようとしても、図1に示されるS-Sn二元系状態図からも理解できるように、SnS単相の安定領域は極めて狭く、SnS単相結晶を直接製造することは困難を極める。また、この場合、Sn-S2系化学ポテンシャル図からは、硫黄の蒸気圧を著しく低く制御して(具体的には、pS2< 10-8.8気圧)化学ポテンシャルを著しく低くする必要があり、この観点からも容易に作製することはできない。また、原料として使用される純硫黄を原料として使用する場合には、純硫黄の蒸気圧が著しく高く、熱処理中に反応容器を破壊する虞もある。上記のような課題は、SnSのみならず、他の周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1のカルコゲナイド化合物についても同様である。
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、従来は困難であった、周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1の高純度なカルコゲナイド化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、周期表第14族分子及び周期表第16族分子から、直接カルコゲナイド化合物を製造しようとするのではなく、目的のカルコゲナイド化合物と周期表第14族分子の二相共存材料を一旦作製した後に、蒸気圧差を利用して目的のカルコゲナイド化合物を単離することにより、周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1の高純度なカルコゲナイド化合物を得ることができることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明者等は、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記態様を包含するものである。
項1.一般式(1):
M1M2 x (1)
[式中、M1は周期表第14族元素を示す。M2は周期表第16族元素を示す。xは0.9〜1.1を示す。]
で表されるカルコゲナイド化合物を含有し、
X線回折測定において、前記カルコゲナイド化合物の存在量が90モル%以上である、高純度カルコゲナイド材料。
項2.バルク状又は薄膜状である、項1に記載の高純度カルコゲナイド材料。
項3.項1又は2に記載の高純度カルコゲナイド材料の製造方法であって、
(1)周期表第14族分子と、周期表第16族分子とを含む原料を加熱し、前記一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物及び周期表第14族分子の二相共存材料を作製する工程、
(2)前記工程(1)で得られた二相共存材料を加熱する工程
を備える、製造方法。
項4.前記工程(2)における加熱温度が300〜900℃である、項3に記載の製造方法。
項5.前記工程(2)において、加熱を行う際の圧力が10-6〜10Paである、項3又は4に記載の製造方法。
本発明によれば、周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1の高純度なカルコゲナイド化合物を得ることができる。
S-Sn二元系状態図を示す。 Sn、SnS及びS2の蒸気圧曲線を示す。 製造例1の熱処理プロファイルを示す。 製造例1で得られたSn-SnS二相試料の表面のSEM像を示す。 製造例1で得られたSn-SnS二相試料のX線回折プロファイルを示す。下段には、参考のためSnSの文献値を示す。 実施例1において、昇温完了後のブリッジマン炉内部の温度プロファイルを示す。 実施例1で得られたSnS単相バルク結晶の粉末X線回折プロファイルを示す。下段には、参考のためSnSの文献値を示す。 実施例1で得られたSnS単相バルク結晶の劈開後の写真を示す。 実施例1で得られたSnS単相バルク結晶の劈開面のSEM像を示す。 実施例1で得られたSnS単相バルク結晶の劈開面のX線回折プロファイルを示す。上から1段目は表面、2段目は裏面の結果である。また、3段目はSnSの文献値である。 実施例2で得られたSnS単相薄膜のX線回折プロファイルを示す。下段には、参考のためSnSの文献値を示す。 実施例2で得られたSnS単相薄膜(基板温度室温、上段)及びSnS単相薄膜(基板温度300℃、下段)の実体写真及び表面SEM像を示す。 比較例1のX線回折プロファイルを示す。上から1段目は粉末試薬、2段目は粒状試薬の結果である。また、3段目はSnSの文献値、4段目はSn2S3の文献値、5段目はSnO2の文献値である。 比較例2で得られた薄膜(基板温度室温)の実体写真及び表面SEM像を示す。 Ge-S二元系状態図を示す。 Ge及びGeSの蒸気圧曲線を示す。 実施例3で得られたGeS単相バルク結晶(上端)及びGe-GeS二相試料(下端)のX線回折プロファイルを示す。3段目にはGeSの文献値、4段目にはGeの文献値も示す。
本明細書において、数値範囲を「A〜B」で表示する場合、A以上B以下を意味する。また、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する。
1.高純度カルコゲナイド材料
本発明の高純度カルコゲナイド材料は、一般式(1):
M1M2 x (1)
[式中、M1は周期表第14族元素を示す。M2は周期表第16族元素を示す。xは0.9〜1.1を示す。]
で表されるカルコゲナイド化合物を含有し、
X線回折測定において、前記カルコゲナイド化合物の存在量が90モル%以上である。
一般式(1)において、M1は周期表第14族元素を示し、Sn、Si、Ge、Pb等が挙げられ、高純度カルコゲナイド材料が得やすい観点から、Sn、Ge等が好ましく、Snがより好ましい。
一般式(1)において、M2は周期表第16族元素を示し、S、Se、Te等が挙げられ、高純度カルコゲナイド材料が得やすい観点から、S、Se等が好ましく、Sがより好ましい。
一般式(1)において、xは0.9〜1.1を示し、周期表第14族元素と第16族元素の約1: 1の高純度なカルコゲナイド材料を得やすい観点から、0.95〜1.05が好ましく、0.98〜1.02がより好ましい。
本発明の高純度カルコゲナイド材料においては、上記のような一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物の存在量が、X線回折測定において90モル%以上であり、より高純度なカルコゲナイド材料とする観点から、95モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましい。なお、上記のような一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物の存在量は、100モル%であることが最も好ましい。より詳細には、X線回折測定を行った場合に、明確に観測されるX線回折ピークのうち、一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物相に由来すると判断されるピーク強度の割合から見積もられる前記カルコゲナイド化合物相の存在量が上記範囲内であることが好ましい。
このような本発明の高純度カルコゲナイド材料は、バルク状として得ることもできるし、薄膜状として得ることもできる。バルク状として得る場合は、例えば、平均径が5〜10mm程度の高純度カルコゲナイド材料を得ることができるし、薄膜状として得る場合は、例えば、平均厚みが1〜10μm程度の高純度カルコゲナイド材料を得ることができる。なお、バルク状として得る場合のサイズは、使用する石英管等の大きさ等によって適宜調整することができ、薄膜として得る場合は、平均厚みは、例えば後述の製造方法により得る場合は温度や時間によって適宜調整することができる。
2.高純度カルコゲナイド材料の製造方法
本発明の高純度カルコゲナイド材料の製造方法は、
(1)周期表第14族分子と、周期表第16族分子とを含む原料を加熱し、前記一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物及び周期表第14族分子の二相共存材料を作製する工程、
(2)前記工程(1)で得られた二相共存材料を加熱する工程
を備える。
(2−1)工程(1):二相共存材料作製
工程(1)では、周期表第14族分子と、周期表第16族分子とを含む原料を加熱し、前記一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物及び周期表第14族分子の二相共存材料を作製する。
工程(1)において、原料としては、周期表第14族分子と、周期表第16族分子とを含む原料を使用する。具体的には、周期表第14族分子としてはスズ、シリコン、ゲルマニウム、鉛等が挙げられ、高純度カルコゲナイド材料が得やすい観点から、スズ、ゲルマニウム等が好ましく、スズがより好ましい。また、周期表第16族分子としては硫黄、セレン、テルル等が挙げられ、高純度カルコゲナイド材料が得やすい観点から、硫黄、セレン等が好ましく、硫黄がより好ましい。
原料中の周期表第14族分子と周期表第16族分子との組成比については、一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物及び周期表第14族分子の二相共存材料を作製できる限り特に制限されない。図1に示されるS-Sn二元系状態図からも理解できるように、Snの含有量が100モル%の場合又はそのごく近傍ではSnの安定領域であり、Snの含有量が50モル%の場合又はそのごく近傍ではSnSの安定領域である。この例は、S-Sn二元系状態図の場合の一例であるが、他の周期表第14族元素−周期表第16族元素の二元系状態図においても同様の傾向が見られる。このような観点から、周期表第14族分子の含有量が51〜99モル%程度の場合において、所定の温度において周期表第14族分子と目的のカルコゲナイド化合物との二相共存材料が作製し得る。ただし、目的とするカルコゲナイド化合物は、周期表第14族元素と周期表第16族元素とがモル比で1: 1の材料であることから、原料中の周期表第14族分子と周期表第16族分子との組成比も、モル比で極力1: 1に近づけることが好ましい。ただし、原料中の周期表第14族分子と周期表第16族分子との組成比をモル比で完全に1: 1とすると二相共存材料を作製することはできないため、原料中の周期表第14族分子の含有量は51〜99モル%(特に52〜90モル%、さらに53〜80モル%)が好ましく、原料中の周期表第16族分子の含有量は1〜49モル%(特に10〜48モル%、さらに20〜47モル%)が好ましい。
これら原料は、市販品(好ましくは高純度品)をそのまま使用することもできるが、市販品に酸化皮膜が形成されている場合は常法で酸化皮膜を除去することが好ましい。
加熱する際の雰囲気は特に制限されるわけではないが、酸化物等の不純物を特に混入させにくい観点からは減圧下(例えば10-6〜10Pa)又は不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等)が好ましい。
加熱温度(加熱時の最高到達温度)は、二相共存材料を作製することができれば特に制限はなく、例えば、500〜1000℃が好ましく、600〜900℃がより好ましい。なお、加熱温度を高温とした場合(Sn-S系の例では860℃以上)にはその温度領域では液相となるが、その後冷却することで周期表第14族分子と目的のカルコゲナイド化合物との二相共存材料を作製することが可能である。また、一度に最高到達温度まで加熱することもできるが、原料の蒸気圧による容器の破壊を防ぐために段階的に昇温することも可能である。
加熱時間は二相共存材料を作製することができれば特に制限はなく、例えば、最高到達温度での維持時間は1〜48時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。
このようにして、周期表第14族分子と目的のカルコゲナイド化合物との二相共存材料を作製することができる。
(2−2)工程(2):カルコゲナイド材料作製
工程(2)では、工程(1)で得られた二相共存材料を加熱する。工程(1)で得られた二相共存材料は、周期表第14族分子と目的のカルコゲナイド化合物とが混在しているが、これら二成分は平衡蒸気圧が大きく異なるため、この蒸気圧差を利用して、目的のカルコゲナイド化合物のみを単離することができる。
加熱する際の雰囲気は特に制限されるわけではないが、酸化物等の不純物を特に混入させにくい観点からは減圧下(例えば10-6〜10Pa)又は不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等)が好ましい。
加熱温度(加熱時の最高到達温度)は、目的のカルコゲナイド化合物を単離することができれば特に制限はなく、例えば、300〜900℃が好ましく、550〜850℃がより好ましい。
工程(2)において、加熱時の圧力と加熱温度とは密接な関連があり、周期表第14族分子及び目的のカルコゲナイド化合物の平衡蒸気圧の対数値は温度の逆数の変化にしたがってほぼ線形的に変化する(温度が増加すると平衡蒸気圧の対数値も増加する)。このことは、図2に示されるSn、SnS及びS2の蒸気圧曲線からも理解できる。なお、この蒸気圧曲線はSnSを得ようとする場合のものであるが、他のカルコゲナイド化合物を得ようとする場合も同様の挙動を示す。以上から、カルコゲナイド化合物が蒸発し、周期表第14族分子が蒸発しない範囲において、圧力及び温度を適宜調整することが好ましい。
加熱時間は目的のカルコゲナイド化合物を単離することができれば特に制限はなく、例えば、最高到達温度での維持時間は1〜48時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。
このようにして、目的のカルコゲナイド化合物のみを単離することができるが、この際、カルコゲナイド化合物は気体として得られるため、この後、例えば室温〜800℃に冷却することで本発明のカルコゲナイド材料(特にカルコゲナイド化合物の単相結晶)を得ることができる。
なお、工程(2)における加熱と上記冷却を別容器にて行うこともできるが、ブリッジマン炉を用いた場合には、上部と下部で温度を変化させることが可能である。このため、上記二相共存材料をブリッジマン炉の下部に充填し、下部を加熱することでカルコゲナイド化合物のみを単離させるとともに、ブリッジマン炉の上部にてカルコゲナイド化合物を冷却して結晶化して本発明のカルコゲナイド材料(特にカルコゲナイド化合物の単相結晶)を得ることも可能であり、この場合、バルク状の本発明のカルコゲナイド材料(特にカルコゲナイド化合物の単相結晶)が得やすい。一方、ブリッジマン炉を採用せずに、加熱炉中で、加熱部の上部に基板としてソーダライムガラス(SLG)、シリコン等を配置し、必要に応じて基板を100〜500℃に加熱しながら下部の二相共存材料を加熱する真空蒸着法により、上部の基板上に薄膜状の本発明のカルコゲナイド材料(特にカルコゲナイド化合物の単相結晶)を得ることも可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
製造例1: Sn-SnS二相試料作製
原料試薬には純スズ((株)高純度化学研究所製、粒状、4N)及び純硫黄((株)高純度化学研究所製、粉末状、4N)を用いた。純スズはHCl(ナカライテスク(株)製、35質量%)を超純水で10倍に希釈したものに30秒間浸漬することにより表面の酸化皮膜をエッチングし、超純水中で5分間超音波洗浄後、2-プロパノール中で5分間超音波洗浄してから窒素ガスで乾燥させた。
原料試薬はモル比Sn: S= 60: 40の組成で、全量約5.0gになるよう秤量を行った。試料は、外径φ9mm、内径φ7mmの石英管に真空封入した。真空引きは油拡散ポンプにより行い、10-2Pa程度の真空度に達したところで石英管をバーナーで熱し、溶接することで封入を行った。その後、横型管状電気炉を用いて、図3に示すプロファイルで熱処理を行った。未反応の硫黄蒸気圧によるアンプルの破裂を防ぐため、段階的に昇温を行った。
得られた試料の一部分をダイヤモンドホイールソーで切断して取り出した。取り出した試料について、試料走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)製、JCM-6000 Plus)を用いて観察し、エネルギー分散型X線分析装置(EDX、日本電子(株)製、JED-2300 Series)を用いた定量分析を行った。定量分析では、加速電圧を15kVとし、5箇所での点分析を行った。誤差は標準偏差の2倍とした。結果を図4に示す。この結果、SnSをマトリックスとして、Snが分布していることが理解できる。
また、試料の一部を瑪瑙乳鉢、瑪瑙乳棒を用いて粉末化し、X線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて相同定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は10°-70°の間で行った。結果を図5に示す。この結果、SnS及びSnのみが検出され、Sn2S3やSnO2は全く検出されていないことが理解できる。
実施例1: SnS単相バルク結晶作製
製造例1で作製したSn-SnS二相試料を原料とした。原料を約10gとなるよう秤量し、外径φ9mm、内径φ7mmの石英管に真空封入した。真空引きは油拡散ポンプにより行い、10-2Pa程度の真空度に達したところで石英管をバーナーで熱し、溶接することで封入を行った。上端部での結晶析出を促すため、アンプル先端を窄ませた。
アンプルは、ブリッジマン炉の底部から上端が18cmの距離にあるように固定した。そして、ブリッジマン炉を構成する3つのヒーターの最終温度を上部725℃、中部870℃、下部870℃にそれぞれ設定し、室温から目標温度まで2時間かけて昇温を行った。昇温完了後のブリッジマン炉内部の温度プロファイルを図6に示す。昇温完了後、8時間等温保持したのち、モーターを用いてヒーターを7mm day-1の移動速度で約160mm下降させ、その後10時間かけて炉冷を行った。
アンプル上端部にできた試料の一部分を瑪瑙乳鉢及び瑪瑙乳棒を用いて粉末化し、X線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて相同定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は10°-70°の間で行った。結果を図7に示す。この結果、SnSのみが検出されており、SnS100%の単相バルク結晶が得られたことが理解できる。
試料をカッターナイフの刃を当てて軽くたたくことで劈開させた。劈開後の試料写真を図8に示す。劈開面を走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)製、JCM-6000 Plus)を用いて観察し、エネルギー分散型X線分析装置(EDX、日本電子(株)製、JED-2300 Series)を用いた組成の定量分析を行った。定量分析では、加速電圧を15kVとし、10箇所での点分析を行った。誤差は標準偏差の2倍とした。得られた表面SEM像を図9に示す。また、劈開面をX線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて、X線回析測定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は10°-90°の間で行った。結果を図10に示す。また、EDXによる組成の定量分析の結果、Snは50.2±0.5モル%、Sは49.8±0.5モル%であった。これより、単結晶のSnSが得られていることがわかる。
さらに、比抵抗/ホール測定システム((株)東陽テクニカ製、Resitest 8300)を用いて電気的特性の評価を行った。この結果、伝導型はp型、比抵抗は8.7×10-2Ωcm、キャリア密度は6.7×1017cm-3、キャリア移動度は107cm2 V-1s-1であった。
実施例2: SnS単相薄膜作製
薄膜の基板にはソーダライムガラス(SLG)を用いた。SLGはダイヤモンドペンを用いて10mm×10mm×0.5mmに切り出し、中性洗剤で洗浄した後、アセトン、2-プロパノール及び超純水の順にそれぞれ5分間超音波洗浄を行った。洗浄後のSLGは窒素ガスを用いて乾燥を行った。なお、SLGの基板温度は室温又は300℃とした。蒸発源には製造例1で作製したSn-SnS二相試料を用いた。試料はダイヤモンドホイールソーを用いて約3mm幅になるように切断した。切断した試料をタングステンボート上に設置してボートを抵抗加熱することで蒸発させた。蒸着時の真空度は4×10-2Paとし、電流値は約16Aとして2.5分間蒸着を行った。これにより、試料の加熱温度は900〜1000℃程度であった。
試料はX線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて相同定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は10°-70°の間で行った。結果を図11に示す。この結果、SnSのみが検出されており、SnS100%の単相薄膜が得られたことが理解できる。
さらに、試料走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)製、JCM-6000 Plus)を用いてサンプル表面及び断面を観察し、エネルギー分散型X線分析装置(EDX、日本電子(株)製、JED-2300 Series)を用いた組成の定量分析を行った。組織観察では加速電圧を10kVとした。定量分析では加速電圧を15kVとし、5箇所での分析を行った。誤差は標準偏差の2倍とした。得られた薄膜(基板温度室温)の実体写真と表面SEM像を図12上段に、得られた薄膜(基板温度300℃)の実体写真と表面SEM像を図12下段に、それぞれ示す。また、EDXによる組成の定量分析の結果、Snは50.1±0.3モル%、Sは49.9±0.3モル%であった。これより、得られた薄膜の組成がSnSであることがわかる。
また、分光光度計((株)島津製作所製、UV-2600)を用いた拡散反射率測定を行った。許容かつ直接遷移(n= 2)についてKubelka-Munk関数を用いた変換を行い、Tauc plotを作成してバンドギャップの評価を行った。
このようにして得られたSnS単相薄膜は、太陽電池や各種デバイス化等に応用することが可能である。
比較例1: 市販のSnS試薬
市販のSnS試薬(3Nグレード、粉末試料及び粒状試料)を比較例1のSnS試薬として採用した。実施例1及び2と同様に、X線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて相同定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は20°-40°の間で行った。結果を図13に示す。この結果、実施例1及び2とは異なり、粉末試料及び粒状試料のいずれにおいても、SnS以外にもSn2S3及びSnO2が混在しており、SnSの存在量は50モル%程度に過ぎないことが理解できる。
比較例2: 市販のSnS試薬による真空蒸着
製造例1で作製したSn-SnS二相試料の代わりに市販のSnS試薬(3Nグレード、粉末試料及び粒状試料)を用いたこと以外は実施例2と同様に真空蒸着を行った。
実施例2と同様に、走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)製、JCM-6000 Plus)を用いてサンプル表面及び断面を観察した。組織観察では加速電圧を10kVとした。得られた薄膜(基板温度室温)の実体写真と表面SEM像を図14に示す。
実施例3: GeS単相バルク結晶作製
図15に示されるGe-S系状態図からも理解できるように、Sn-SnS二相試料と同様にGe-GeS二相試料を作製することができ、また、図16に示される蒸気圧曲線からも理解できるようにこのGe-GeS二相試料を原料として使用した場合にはGeS単相結晶を作製することが可能である。
原料試薬には純ゲルマニウム(フルウチ化学(株)製、粒状、5Nグレード)及び純硫黄((株)高純度化学研究所製、粉末状、4N)を用いた。この他は製造例1と同様にしてGe-GeS二相試料を得た。さらに、このGe-GeS二相試料を原料として、ブリッジマン炉を構成する3つのヒーターの最終温度を上部600℃、中部700℃、下部700℃にそれぞれ設定したこと以外は実施例1と同様にして、GeS単相バルク結晶を得た。
アンプル上端部にできた試料の一部分を瑪瑙乳鉢及び瑪瑙乳棒を用いて粉末化し、X線回析装置(PANalytical製、X’pert PRO Alpha-1)を用いて相同定を行った。入射X線には単色化したCu Kα1線(λ= 1.5406Å)を用い、管電圧45kV、管電流40mAに設定した。ゴニオメータの走査法はθ-2θ法を利用し、ステップ角は0.00836°step-1、積算時間は59.7s step-1とし走査角度は10°-70°の間で行った。結果を図17に示す。この結果、アンプルの上端からはGeSのみが検出されており、GeS100%の単相バルク結晶が得られたことが理解できる。

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    M1M2 x (1)
    [式中、M1は周期表第14族元素を示す。M2は周期表第16族元素を示す。xは0.9〜1.1を示す。]
    で表されるカルコゲナイド化合物を含有し、
    X線回折測定において、前記カルコゲナイド化合物の存在量が90モル%以上である、高純度カルコゲナイド材料。
  2. バルク状又は薄膜状である、請求項1に記載の高純度カルコゲナイド材料。
  3. 請求項1又は2に記載の高純度カルコゲナイド材料の製造方法であって、
    (1)周期表第14族分子と、周期表第16族分子とを含む原料を加熱し、前記一般式(1)で表されるカルコゲナイド化合物及び周期表第14族分子の二相共存材料を作製する工程、
    (2)前記工程(1)で得られた二相共存材料を加熱する工程
    を備える、製造方法。
  4. 前記工程(2)における加熱温度が300〜900℃である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記工程(2)において、加熱を行う際の圧力が10-6〜10Paである、請求項3又は4に記載の製造方法。
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