JPWO2020008853A1 - 磁気トンネル接合素子及び半導体装置 - Google Patents

磁気トンネル接合素子及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

磁化の向きが固定された磁化固定層(120)と、前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層(130)と、前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層(140)と、前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層(150)と、前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層(163)を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層(160)と、を備える、磁気トンネル接合素子(1)。

Description

本開示は、磁気トンネル接合素子及び半導体装置に関する。
近年、半導体装置では、CMOS(Complementary MOS)を用いたロジック回路に大容量の不揮発メモリを混載させることが一般的になっている。
例えば、ロジック回路にSRAM(Static Random Access Memory)等を混載させることが行われている。一方で、半導体装置のコスト及び消費電力を低減するために、SRAMを磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive Random Access Memory:MRAM)で置換することが検討されている。
磁気抵抗メモリ(MRAM)は、絶縁性薄膜を一対の強磁性層で挟持した磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)素子を利用したメモリ素子である。MTJ素子では、一対の強磁性層の相対的な磁化の向きによってトンネル抵抗の大きさが変化する。これにより、MTJ素子は、一対の強磁性層の磁化の向きを平行又は反平行のいずれかに制御することで、情報を記憶することができる。
例えば、下記の特許文献1には、MTJ素子を用いた界面垂直磁化型のSTT−MRAM(Spin Transfer Torque−MRAM)が開示されている。特許文献1には、配線形成プロセスにおける熱負荷に耐え得る程度にMTJ素子の熱耐性を向上させることで、STT−MRAMと、選択トランジスタ等を含む周辺回路とを同時に作り込むことが開示されている。
特開2013−187305号公報
しかし、半導体装置の構造及び製造工程の複雑化に伴い、ロジック回路等と混載され得るMTJ素子には、さらなる熱耐性が求められるようになっている。そのため、特許文献1に開示された技術では、十分な熱耐性を有するMTJ素子を実現することが困難となっていた。
そこで、本開示では、より高い熱耐性を有する磁気トンネル接合素子、及び該磁気トンネル接合素子を搭載した半導体装置を提案する。
本開示によれば、磁化の向きが固定された磁化固定層と、前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、を備える、磁気トンネル接合素子が提供される。
また、本開示によれば、磁気トンネル接合素子を備え、前記磁気トンネル接合素子は、磁化の向きが固定された磁化固定層と、前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、を備える、半導体装置が提供される。
本開示によれば、高温及び長時間の熱処理にて生じる上部電極からの金属原子の拡散、及び磁化自由層からの原子の拡散を抑制することで、磁化自由層の垂直磁気異方性の低下を抑制することができる。
以上説明したように本開示によれば、より高い熱耐性を有する磁気トンネル接合素子、及び該磁気トンネル接合素子を搭載した半導体装置を提供することができる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る磁気トンネル接合素子の主たる積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子に熱処理を行った際の原子の拡散の様子を模式的に示す縦断面図である。 比較例に係る磁気トンネル接合素子に熱処理を行った際の原子の拡散の様子を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態に係る磁気トンネル接合素子の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態係る磁気トンネル接合素子の変形例を模式的に示す縦断面図である。 実施例1に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 実施例2に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 比較例1に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 比較例2に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 実施例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 比較例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。 実施例3に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 実施例4に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。 隣接層の膜厚に対する磁気トンネル接合素子のTMR比の変化を相対値で示すグラフ図である。 バリア層の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力ばらつきの変化を相対値で示すグラフ図である。 中間層の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力ばらつきの変化を相対値で示すグラフ図である。 磁性層の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力の変化を相対値で示すグラフ図である。 調整層における磁性層の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の書き込み電圧の変化を相対値で示すグラフ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、以下の説明にて参照する各図面では、説明の便宜上、一部の構成部材の大きさを誇張して表現している場合がある。したがって、各図面において図示される構成部材同士の相対的な大きさは、必ずしも実際の構成部材同士の大小関係を正確に表現するものではない。また、以下の説明では、基板及び層の積層方向を上下方向と表現し、基板が存在する方向を下方向と表現し、該下方向と対向する方向を上方向と表現する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.主構成例
2.他の構成例
3.変形例
<1.主構成例>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る磁気トンネル接合素子の主構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1の主たる積層構造を模式的に示す縦断面図である。
図1に示すように、磁気トンネル接合素子1は、基板100と、下部電極110と、磁化固定層120と、第1絶縁層130と、磁化自由層140と、隣接層150と、多層構造にて構成されるキャップ層160と、上部電極170と、を備える。
本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1は、電子のスピンによるトルクを用いて、磁化自由層140の磁化の向きを制御するSTT−MRAMである。STT−MRAMでは、磁化自由層140及び磁化固定層120の磁化容易軸の方向を膜面に対して垂直方向とすることで、スピン注入による磁化反転の効率を向上させることができる。そのため、磁気トンネル接合素子1では、磁化固定層120及び磁化自由層140と、第1絶縁層130との界面に誘起される界面垂直磁気異方性によって、磁化自由層140及び磁化固定層120に垂直磁気異方性を付与している。磁気トンネル接合素子1のようなSTT−MRAMは、界面垂直磁化型STT−MRAMとも称される。
基板100は、磁気トンネル接合素子1の各層を支持する部材である。基板100は、半導体、石英、ガラス又は有機樹脂のいずれで形成されてもよい。例えば、基板100は、シリコン(Si)若しくはゲルマニウム(Ge)等の半導体、又はガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)若しくはシリコンカーバイド(SiC)等の化合物半導体で形成されてもよい。または、基板100は、シリコン基板の中にSiO等の絶縁膜を挟み込んだSOI(Silicon On Insulator)基板であってもよい。
下部電極110は、基板100の上に設けられる。下部電極110は、各種金属材料又は合金材料にて形成されることで、磁気トンネル接合素子1と各種配線との接続点として機能する。下部電極110は、公知の材料及び積層構造で形成されてもよく、例えば、単層膜で形成されてもよく、複数の膜の積層膜で形成されてもよい。また、下部電極110は、下部電極110の上に設けられる磁化固定層120の結晶配向を制御する下地膜として機能してもよい。このような場合、下部電極110は、磁化固定層120と結晶構造又は磁気異方性が略同じ金属材料で形成されてもよい。
磁化固定層120は、下部電極110の上に設けられる。磁化固定層120は、膜面に対して垂直方向に磁化容易軸を有し、磁化の向きが固定された磁性層である。磁化固定層120は、公知の材料及び積層構造で形成され得る。磁化固定層120は、例えば、強磁性層と、非磁性層と、強磁性層とを交互に積層した積層フェリ構造にて形成されてもよい。また、磁化固定層120は、磁化の向きを固定するため、垂直磁気異方性を持たせるため、又は結晶構造を制御するために、種々の金属層の積層膜として形成されてもよい。
第1絶縁層130は、磁化固定層120の上に設けられる。第1絶縁層130は、絶縁材料で形成されることで、MTJ素子のトンネル絶縁膜として機能する。第1絶縁層130は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)又は酸化アルミニウム(Al)などの無機酸化物にて、膜厚1nm程度の薄膜層として形成されてもよい。より詳細には、第1絶縁層130は、酸化マグネシウム(MgO)にて膜厚1nm程度で形成されてもよい。第1絶縁層130が酸化マグネシウム(MgO)で形成される場合、第1絶縁層130は、より低温で結晶性が良好な層となるため、磁化固定層120及び磁化自由層140の間のトンネル磁気抵抗効果(Tunnel Magneto Resistance Effect:TMR効果)をより高めることができる。
磁化自由層140は、第1絶縁層130の上に設けられる。磁化自由層140は、第1絶縁層130との界面に生じる界面垂直磁気異方性によって膜面に対して垂直方向に磁化容易軸を有し、磁化の向きが制御可能な磁性層である。具体的には、磁化自由層140は、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成されてもよく、CoFeBにて膜厚1nm〜2nm程度で形成されてもよい。このような場合、磁化自由層140は、ホウ素(B)の含有量を15原子%以上とすることで、垂直磁気異方性をより強めることができる。
本実施形態では、強磁性体である磁化固定層120及び磁化自由層140によって第1絶縁層130が挟持されることで、磁気トンネル接合素子(MTJ素子)が構成される。磁気トンネル接合素子1では、磁化固定層120及び磁化自由層140と、第1絶縁層130との接合面に対して垂直に電圧が印加されることで、トンネル効果によって電流が流れる。このときのトンネル効果の大きさは、磁化固定層120及び磁化自由層140の磁化の向きが平行又は反平行のいずれであるのかによって変化する。したがって、磁気トンネル接合素子1は、磁化自由層140の磁化の向きを制御することで、下部電極110及び上部電極170の間に流れる電流の大きさを制御することができる。
隣接層150は、非磁性遷移金属にて形成され、磁化自由層140の上に隣接して設けられる。隣接層150は、熱処理等によって、磁化自由層140に含まれるホウ素(B)が磁化自由層140からキャップ層160側に拡散することを抑制する。
具体的には、磁気トンネル接合素子1では、高温及び長時間の熱処理によって、磁化自由層140に含まれるホウ素(B)が周囲の層に拡散することが生じ得る。このような場合、磁化自由層140のホウ素(B)の含有量が低下するため、磁化自由層140は、垂直磁気異方性を保持することが困難となってしまう。特に、磁気トンネル接合素子1が柱体形状又は錐体形状に素子加工されている場合、磁化自由層140の体積が限定されているため、磁化自由層140のホウ素(B)の含有量は、拡散によって減少しやすくなる。隣接層150は、磁化自由層140から拡散するホウ素(B)をトラップすることで、ホウ素(B)を磁化自由層140の周囲に滞留させることができる。これによれば、隣接層150は、熱処理によるホウ素(B)の拡散を抑制することで、ホウ素(B)の含有量の低下に起因する磁化自由層140の垂直磁気異方性の低下を抑制することができる。
隣接層150は、密度及び熱伝導率が高い非磁性遷移金属にて形成することができる。例えば、隣接層150は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、Ir(イリジウム)又はTi(チタン)のいずれかで形成されてもよい。隣接層150は、密度及び熱伝導率がより高いモリブデン(Mo)、タングステン(W)又はニオブ(Nb)のいずれかで形成されることで、ホウ素(B)の拡散をより効果的に抑制することができる。より詳細には、隣接層150は、モリブデン(Mo)にて形成されてもよい。
隣接層150は、0.25nm以上1.0nm以下の膜厚で形成されてもよい。隣接層150は、磁化自由層140が垂直磁気異方性を保持することができる程度にホウ素(B)の拡散を抑制すればよいため、他の特性に対して影響を与えない程度の薄膜で形成されてもよい。後述する実施例で示すように、隣接層150が膜厚0.25nm以上1.0nm以下で形成される場合、磁気トンネル接合素子1は、TMR効果(すなわち、TMR比)をより大きくすることができる。
キャップ層160は、隣接層150の上に形成される。キャップ層160は、磁化自由層140及び隣接層150の保護、又は磁化自由層140の特性向上等を目的として、複数の層を積層させた多層構造にて設けられる。具体的には、キャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、中間層162及びバリア層163を順に積層させた多層構造にて設けられてもよい。なお、キャップ層160は、図1で図示する構造以外の多層構造を備えていてもよい。キャップ層160の多層構造のバリエーションについては、図3〜図18を参照して後述する。
第2絶縁層161は、絶縁材料で形成される。第2絶縁層161は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)又は酸化アルミニウム(Al)などの無機酸化物にて膜厚1nm程度の薄膜層として形成されてもよい。より詳細には、第2絶縁層161は、酸化マグネシウム(MgO)にて膜厚1nm程度で形成されてもよい。第2絶縁層161は、界面垂直磁気異方性によって、磁化自由層140の磁化容易軸を膜面に垂直な方向に制御することができるため、磁化自由層140の垂直磁気異方性をより高めることができる。
中間層162は、非磁性材料で形成される。中間層162は、中間層162に隣接する層間の結晶配向等の差を緩和する。例えば、中間層162は、Ru、Pt、Pd、TiN又はTaNなどの非磁性材料にて膜厚1nm以上10nm以下で形成されてもよい。より詳細には、中間層162は、ルテニウム(Ru)にて膜厚1nmで形成されてもよい。
バリア層163は、非磁性遷移金属にて形成される。バリア層163は、熱処理等によって、上部電極170に含まれる金属がキャップ層160の下層の磁化自由層140又は第1絶縁層130に拡散することを防止する。具体的には、磁気トンネル接合素子1では、高温及び長時間の熱処理によって、上部電極170に含まれるタンタル(Ta)等の金属原子が磁化自由層140又は第1絶縁層130に拡散することが生じ得る。このような場合、拡散したタンタル(Ta)等によって磁化自由層140及び第1絶縁層130の界面が乱されるため、磁化自由層140の界面垂直磁気異方性が低下してしまう。バリア層163は、上部電極170から拡散するタンタル(Ta)等をトラップすることで、タンタル(Ta)等によって磁化自由層140及び第1絶縁層130の界面が乱されることを防止する。これによれば、バリア層163は、熱処理による原子の拡散によって磁化自由層140の垂直磁気異方性が低下することを防止することができる。
バリア層163は、隣接層150と同様に、密度及び熱伝導率が高い非磁性遷移金属にて形成することができる。例えば、バリア層163は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、Ir(イリジウム)又はTi(チタン)のいずれかで形成されてもよい。なお、バリア層163は、隣接層150と同じ非磁性遷移金属で形成されてもよく、異なる非磁性遷移金属で形成されてもよい。より詳細には、バリア層163は、モリブデン(Mo)にて形成されてもよい。
例えば、バリア層163は、上部電極170に含まれる金属の密度及び熱伝導率の積よりも、密度及び熱伝導率の積が大きい金属で形成されてもよい。ここで、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、Ir(イリジウム)及びTi(チタン)の融点、密度及び熱伝導率は、以下の表1に示すとおりである。したがって、上部電極170に含まれる金属がタンタル(Ta)である場合、バリア層163は、タンタル(Ta)の密度及び熱伝導率の積よりも密度及び熱伝導率の積が大きいモリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、又はタングステン(W)で形成されてもよい。このような場合、バリア層163は、上部電極170からの金属原子の拡散をより効果的に抑制することができる。
Figure 2020008853
バリア層163は、膜厚1.0nm以上10nm以下で形成されてもよい。すなわち、バリア層163は、同様の材料で形成される隣接層150よりも厚い膜厚で形成され得る。これによれば、バリア層163は、上部電極170から磁化自由層140又は第1絶縁層130へのタンタル(Ta)の拡散をより確実に防止することができる。後述する実施例で示すように、バリア層163が膜厚1.0nm以上で形成される場合、上部電極170からの金属の拡散を十分に防止することができるため、磁気トンネル接合素子1のHcばらつきを小さくすることができる。一方、バリア層163が膜厚10nm以下で形成される場合、磁気トンネル接合素子1の加工性が良好となるため、加工精度等に起因する二次的な特性ばらつきを小さくすることができる。
上部電極170は、キャップ層160の上に設けられる。上部電極170は、各種金属材料又は合金材料にて形成されることで、磁気トンネル接合素子1と各種配線との接続点として機能する。上部電極170は、公知の材料及び積層構造で形成されてもよく、例えば、単層膜で形成されてもよく、複数の膜の積層膜で形成されてもよい。また、上部電極170は、磁気トンネル接合素子1をエッチング等によって素子加工する際のハードマスクとして機能してもよい。このような場合、上部電極170は、タンタル(Ta)又は窒化タンタル(TaN)を含んで形成されてもよい。より詳細には、上部電極170は、キャップ層160側から膜厚1nmのRu膜、膜厚1nmのTa膜、膜厚5nmのRu膜、及び膜厚77nmのTa膜を順に積層した多層構造にて形成されてもよい。または、上部電極170は、キャップ層160側から膜厚1nmのRu膜、膜厚1nmのTa膜、膜厚5nmのRu膜、及び膜厚77nmのTaN膜を順に積層した多層構造、膜厚1nmのRu膜、膜厚1nmのTaN膜、膜厚5nmのRu膜、及び膜厚77nmのTa膜を順に積層した多層構造、又は膜厚1nmのRu膜、膜厚1nmのTaN膜、膜厚5nmのRu膜、及び膜厚77nmのTaN膜を順に積層した多層構造にて形成されてもよい。
上述したように、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1では、非磁性遷移金属で形成された隣接層150が磁化自由層140に隣接して設けられ、かつ同様に非磁性遷移金属で形成されたバリア層163がキャップ層160内に設けられる。これにより、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1は、熱耐性を向上させることができる。
かかる効果について、図2A及び図2Bを参照して、より具体的に説明する。図2Aは、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1に熱処理を行った際の原子の拡散の様子を模式的に示す縦断面図である。図2Bは、比較例に係る磁気トンネル接合素子90に熱処理を行った際の原子の拡散の様子を模式的に示す縦断面図である。
図2Bに示すように、比較例に係る磁気トンネル接合素子90では、磁気トンネル接合素子1と比較して、隣接層150及びバリア層163が設けられていない。したがって、比較例に係る磁気トンネル接合素子90では、高温及び長時間での熱処理が行われた場合、上部電極170に含まれるタンタル(Ta)等の金属原子は、キャップ層160側に拡散してしまう。熱処理によって拡散したタンタル(Ta)は、磁化自由層140及び第1絶縁層130の界面を乱し、界面垂直磁気異方性を低下させることで、磁化自由層140の垂直磁気異方性が低下させてしまう。また、磁化自由層140では、磁化自由層140に含まれるホウ素(B)がキャップ層160側へ拡散するため、ホウ素(B)の含有量が低下し、垂直磁気異方性を維持することが困難になってしまう。
したがって、比較例に係る磁気トンネル接合素子90では、高温及び長時間の熱処理によって、磁化自由層140の垂直磁気異方性が低下してしまう。このような場合、磁気トンネル接合素子90は、磁化自由層140の磁化容易軸を膜面に垂直方向に制御することが困難になるため、所望の磁気特性を実現することが困難になってしまう。よって、比較例に係る磁気トンネル接合素子90は、熱耐性が低いため、高温及び長時間の熱処理を行うことが困難であった。
一方、図2Aに示すように、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1では、高温及び長時間での熱処理が行われた場合、上部電極170に含まれるタンタル(Ta)等の金属原子は、バリア層163によってキャップ層160側への拡散が防止される。これにより、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1では、磁化自由層140及び第1絶縁層130との界面がタンタル(Ta)等によって乱されないため、磁化自由層140は、垂直磁気異方性を維持することができる。また、磁化自由層140に含まれるホウ素(B)は、隣接層150によってキャップ層160側への拡散が抑制される。よって、磁化自由層140は、垂直磁気異方性を維持するために十分な量のホウ素(B)を保持することができる。
したがって、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1では、高温及び長時間の熱処理にて生じる原子の拡散を抑制することで、磁化自由層140の垂直磁気異方性の低下を抑制することができる。これによれば、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1は、高負荷の熱処理が行われた場合でも、所望の磁気特性を維持することが可能である。よって、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1は、ロジック回路、メモリ回路又は画素回路等の様々な回路が混載され、様々な熱処理プロセスが行われる半導体装置に対して、製造プロセスを制約することなく混載されることができる。
<2.他の構成例>
続いて、図3〜図18を参照して、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1の他の構成例について説明する。図3〜図18は、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子2〜17の他の積層構造を模式的に示す縦断面図である。
図3〜図18に示す磁気トンネル接合素子2〜17の他の積層構造は、図1で示した磁気トンネル接合素子1の積層構造に対して、キャップ層160の内部の積層構造のみが異なる。したがって、以下では、図1、図3〜図18に示す磁気トンネル接合素子1〜17の各々のキャップ層160の差異についてのみ説明し、共通する基板100〜隣接層150及び上部電極170の各層についての説明は省略する。
図3に示すように、磁気トンネル接合素子2は、図1に示す磁気トンネル接合素子1に対して、中間層162及びバリア層163の積層順が入れ替わっている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子2のキャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、バリア層163、及び中間層162を積層した構造を備える。すなわち、バリア層163は、上部電極170に隣接して設けられていなくともよく、キャップ層160のいずれかの位置に設けられていればよい。バリア層163は、上部電極170から磁化自由層140及び第1絶縁層130の間の界面への金属の拡散を防止する層であるため、上部電極170と隣接層150との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
ただし、キャップ層160が第2絶縁層161を含む場合、界面垂直磁気異方性によって磁化自由層140の垂直磁気異方性を高めるために、第2絶縁層161は、隣接層150に隣接して設けられる。このような場合、バリア層163は、上部電極170と第2絶縁層161との間のいずれかの位置に設けられることになる。
図4に示すように、磁気トンネル接合素子3は、図1に示す磁気トンネル接合素子1に対して、複数のバリア層163A、163Bが設けられている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子3のキャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、第1のバリア層163A、中間層162、及び第2のバリア層163Bを積層した構造を備える。
第1のバリア層163A及び第2のバリア層163Bは、図1に示す磁気トンネル接合素子1のバリア層163と同様の材料及び膜厚で形成され、上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散を防止する。図4に示す磁気トンネル接合素子3では、バリア層163A、163Bが複数設けられているため、熱処理の際の上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散をより確実に防止することで、磁化自由層140の垂直磁気異方性の低下をより確実に防止することができる。
図5に示すように、磁気トンネル接合素子4は、図1に示す磁気トンネル接合素子1に対して、第2絶縁層161及び中間層162の間に磁性層164が挿入されている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子4のキャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、磁性層164、中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。
磁性層164は、磁化自由層140と同様に、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成され、磁気トンネル接合素子4の磁気特性を向上させる。具体的には、磁性層164は、第2絶縁層161に隣接して積層されることで、熱処理後の第2絶縁層161の結晶性を向上させる。これにより、磁性層164は、隣接層150を介して磁化自由層140の垂直磁気異方性を向上させることができる。
例えば、磁性層164は、CoFeBにて膜厚0.9nm以下で形成されてもよい。磁性層164は、ホウ素(B)の含有量を15原子%以上とすることで、垂直磁気異方性をより強めることができる。後述する実施例にて示すように、第2絶縁層161の上に設けられた磁性層164が膜厚0.9nm以下で形成されることにより、磁気トンネル接合素子4は、高い垂直磁気異方性及び保磁力を有することができる。なお、磁性層164の膜厚の下限は、特に限定されないが、0.1nmとしてもよい。図5に示す磁気トンネル接合素子4では、磁化自由層140に加えて、磁性層164が設けられるため、磁気トンネル接合素子4の全体での磁気特性を向上させることができる。
図6に示すように、磁気トンネル接合素子5は、図5に示す磁気トンネル接合素子4に対して、中間層162及びバリア層163の積層順が入れ替わっている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子5のキャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、磁性層164、バリア層163、及び中間層162を積層した構造を備える。すなわち、バリア層163は、上部電極170に隣接して設けられていなくともよく、キャップ層160のいずれかの位置に設けられていればよい。バリア層163は、上部電極170からの金属の拡散を防止する層であるため、上部電極170と磁性層164との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
図7に示すように、磁気トンネル接合素子6は、図4に示す磁気トンネル接合素子3に対して、複数のバリア層163A、163Bが設けられている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子6のキャップ層160は、隣接層150側から第2絶縁層161、磁性層164、第1のバリア層163A、中間層162、及び第2のバリア層163Bを積層した構造を備える。
第1のバリア層163A及び第2のバリア層163Bは、図1に示す磁気トンネル接合素子1のバリア層163と同様の材料及び膜厚で形成され、上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散を防止する。また、第1のバリア層163Aは、磁性層164からのホウ素(B)の拡散を抑制することができる。図7に示す磁気トンネル接合素子6では、バリア層163A、163Bが複数設けられているため、熱処理の際の上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散をより確実に防止し、磁化自由層140及び磁性層164の垂直磁気異方性の低下をより確実に防止することができる。
図8に示すように、磁気トンネル接合素子7は、図1に示す磁気トンネル接合素子1に対して、第2絶縁層161が設けられず、キャップ層160の各層が導電材料で形成される点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子7のキャップ層160は、隣接層150側から中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。第2絶縁層161は、界面垂直磁気異方性によって、磁化自由層140の垂直磁気異方性を高める層であるため、磁化自由層140の垂直磁気異方性の程度によっては設けられなくともよい。図8に示す磁気トンネル接合素子7では、キャップ層160の積層構造を簡略化することによって、製造コストを削減することができる。
図9に示すように、磁気トンネル接合素子8は、図1に示す磁気トンネル接合素子1に対して、第2絶縁層161及び中間層162の間に、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成される磁性層と、非磁性遷移金属で形成される非磁性層とを積層した調整層165が挿入されている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子8のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。
調整層165の磁性層は、磁化自由層140と同様に、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成され、例えば、CoFeBにて膜厚0.7nm以下で形成されてもよい。調整層165の磁性層は、ホウ素(B)の含有量を15原子%以上とすることで、垂直磁気異方性をより強めることができる。後述する実施例にて示すように、調整層165の磁性層は、膜厚0.7nm以下で形成されることにより、書き込み電圧が過度に高くなることを防止することができる。なお、調整層165の磁性層の膜厚の下限は、特に限定されないが、0.1nmとしてもよい。
調整層165の非磁性層は、隣接層150と同様に、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、Ir(イリジウム)又はTi(チタン)などの非磁性遷移金属で形成され、例えば、モリブデン(Mo)にて膜厚0.25nm以上1.0nm以下で形成されてもよい。調整層165の非磁性層は、下層の磁性層に含まれるホウ素(B)が熱処理によって拡散することを抑制することができる。
図9に示す磁気トンネル接合素子8では、キャップ層160に磁化自由層140及び隣接層150と同様の積層構造の調整層165を含むことによって、熱処理後の磁化自由層140の近傍のホウ素(B)の濃度をより高い精度で制御することが可能となる。これによれば、磁気トンネル接合素子8は、熱処理による磁化自由層140の垂直異方性の低下をより確実に防止することができる。
図10に示す磁気トンネル接合素子9は、図9に示す磁気トンネル接合素子8に対して、中間層162及びバリア層163の積層順が入れ替わっている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子9のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、バリア層163、及び中間層162を積層した構造を備える。すなわち、バリア層163は、上部電極170に隣接して設けられていなくともよく、キャップ層160のいずれかの位置に設けられていればよい。バリア層163は、上部電極170から磁化自由層140及び第1絶縁層130の間の界面への金属の拡散を防止する層であるため、上部電極170と第2絶縁層161との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
図11に示すように、磁気トンネル接合素子10は、図9に示す磁気トンネル接合素子8に対して、複数のバリア層163A、163Bが設けられている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子10のキャップ層160は、磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、第1のバリア層163A、中間層162、及び第2のバリア層163Bを積層した構造を備える。
第1のバリア層163A及び第2のバリア層163Bは、図1に示す磁気トンネル接合素子1のバリア層163と同様の材料及び膜厚で形成され、上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散を防止する。図11に示す磁気トンネル接合素子10では、バリア層163A、163Bが複数設けられているため、熱処理の際の上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散をより確実に防止し、磁化自由層140の垂直磁気異方性の低下をより確実に防止することができる。
図12に示すように、磁気トンネル接合素子11は、図9に示す磁気トンネル接合素子8に対して、第2絶縁層161及び中間層162の間に磁性層164が挿入されている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子11のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、磁性層164、中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。
磁性層164は、磁化自由層140と同様に、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成され、磁気トンネル接合素子11の磁気特性を向上させる。具体的には、磁性層164は、第2絶縁層161に隣接して積層されることで、熱処理後の第2絶縁層161の結晶性を向上させる。これにより、磁性層164は、隣接層150を介して磁化自由層140の垂直磁気異方性を向上させることができる。
例えば、磁性層164は、CoFeBにて膜厚0.9nm以下で形成されてもよい。磁性層164は、ホウ素(B)の含有量を15原子%以上とすることで、垂直磁気異方性をより強めることができる。後述する実施例にて示すように、第2絶縁層161の上に設けられた磁性層164が膜厚0.9nm以下で形成されることにより、磁気トンネル接合素子11は、高い垂直磁気異方性及び保磁力を有することができる。なお、磁性層164の膜厚の下限は、特に限定されないが、0.1nmとしてもよい。図12に示す磁気トンネル接合素子11では、磁化自由層140に加えて、磁性層164が設けられるため、磁気トンネル接合素子11の全体での磁気特性を向上させることができる。
図13に示すように、磁気トンネル接合素子12は、図12に示す磁気トンネル接合素子11に対して、中間層162及びバリア層163の積層順が入れ替わっている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子12のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、磁性層164、バリア層163、及び中間層162を積層した構造を備える。すなわち、バリア層163は、上部電極170に隣接して設けられていなくともよく、キャップ層160のいずれかの位置に設けられていればよい。バリア層163は、上部電極170からの金属の拡散を防止する層であるため、上部電極170と磁性層164との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
図14に示すように、磁気トンネル接合素子13は、図12に示す磁気トンネル接合素子11に対して、複数のバリア層163A、163Bが設けられている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子13のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、第2絶縁層161、磁性層164、第1のバリア層163A、中間層162、及び第2のバリア層163Bを積層した構造を備える。
第1のバリア層163A及び第2のバリア層163Bは、図1に示す磁気トンネル接合素子1のバリア層163と同様の材料及び膜厚で形成され、上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散を防止する。また、第1のバリア層163Aは、磁性層164からのホウ素(B)の拡散を抑制することができる。図14に示す磁気トンネル接合素子13では、バリア層163A、163Bが複数設けられているため、熱処理の際の上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散をより確実に防止し、磁化自由層140及び磁性層164の垂直磁気異方性の低下をより確実に防止することができる。
図15に示すように、磁気トンネル接合素子14は、図9に示す磁気トンネル接合素子8に対して、第2絶縁層161が設けられず、キャップ層160の各層が導電材料で形成される点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子14のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。第2絶縁層161は、界面垂直磁気異方性によって、磁化自由層140の垂直磁気異方性を高める層であるため、磁化自由層140の垂直磁気異方性の程度によっては、設けられなくともよい。図15に示す磁気トンネル接合素子14では、キャップ層160の積層構造を簡略化することによって、製造コストを削減することができる。
図16に示すように、磁気トンネル接合素子15は、図15に示す磁気トンネル接合素子14に対して、調整層165及び中間層162の間に磁性層164が挿入されている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子15のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、磁性層164、中間層162、及びバリア層163を積層した構造を備える。
例えば、磁性層164は、3d遷移金属及びホウ素(B)を含む磁性材料にて形成されてもよく、CoFeBにて膜厚0.9nm以下で形成されてもよい。磁性層164は、ホウ素(B)の含有量を15原子%以上とすることで、垂直磁気異方性をより強めることができる。後述する実施例にて示すように、磁性層164が膜厚0.9nm以下で形成されることにより、磁気トンネル接合素子15は、高い垂直磁気異方性及び保磁力を有することができる。なお、磁性層164の膜厚の下限は、特に限定されないが、0.1nmとしてもよい。図16に示す磁気トンネル接合素子15では、磁化自由層140に加えて、磁性層164が設けられるため、磁気トンネル接合素子15の全体での磁気特性を向上させることができる。
図17に示すように、磁気トンネル接合素子16は、図16に示す磁気トンネル接合素子15に対して、中間層162及びバリア層163の積層順が入れ替わっている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子16のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、磁性層164、バリア層163、及び中間層162を積層した構造を備える。すなわち、バリア層163は、上部電極170に隣接して設けられていなくともよく、キャップ層160のいずれかの位置に設けられていればよい。バリア層163は、上部電極170からの金属の拡散を防止する層であるため、上部電極170と磁性層164との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
図18に示すように、磁気トンネル接合素子17は、図16に示す磁気トンネル接合素子15に対して、複数のバリア層163A、163Bが設けられている点が異なる。具体的には、磁気トンネル接合素子17のキャップ層160は、隣接層150側から磁性層及び非磁性層からなる調整層165、磁性層164、第1のバリア層163A、中間層162、及び第2のバリア層163Bを積層した構造を備える。
第1のバリア層163A及び第2のバリア層163Bは、図1に示す磁気トンネル接合素子1のバリア層163と同様の材料及び膜厚で形成され、上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散を防止する。また、第1のバリア層163Aは、磁性層164からのホウ素(B)の拡散を抑制することができる。図18に示す磁気トンネル接合素子17では、バリア層163A、163Bが複数設けられているため、熱処理の際の上部電極170からのタンタル(Ta)等の拡散をより確実に防止し、磁化自由層140及び磁性層164の垂直磁気異方性の低下をより確実に防止することができる。
以上にて、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1〜17の構成例について説明した。本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1〜17を構成する各層は、いずれもスパッタリング法によって成膜することができる。スパッタリング法の成膜条件等は、特に限定されず、適宜最適な条件を選択することができる。
<3.変形例>
次に、図19を参照して、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子1の変形例について説明する。図19は、本変形例に係る磁気トンネル接合素子1を模式的に示す縦断面図である。
図19に示すように、本変形例に係る磁気トンネル接合素子1は、エッチング等によって素子加工されており、素子加工後に露出した面が保護膜180によって覆われている。なお、保護膜180は、磁気トンネル接合素子1の少なくとも側面を覆っていればよく、磁気トンネル接合素子1の上面は必ずしも覆っていなくともよい。
保護膜180は、SiN又はSiO等の絶縁膜であり、PVD(Physical Vapor Deposition)等の物理的な成膜方法によって成膜されることができる。例えば、保護膜180は、プラズマPVDによって成膜されたSiN膜であってもよい。
エッチング等による素子加工後の磁気トンネル接合素子1は、磁化自由層140及び磁化固定層120等の端面が露出している。そのため、これらの端面がCVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学的な成膜方法で用いられる原料ガス(例えば、SiH又はNH等)に曝露された場合、化学反応によって磁化自由層140及び磁化固定層120の磁気特性が低下する可能性がある。したがって、保護膜180は、物理的な成膜方法によって成膜されることによって、素子加工後の磁気トンネル接合素子1の磁気特性の低下を防止することができる。
保護膜180の膜厚は、特に限定されないが、例えば、5nm以上30nm以下としてもよい。保護膜180は、例えば、純度5N超のシリコン(Si)ターゲットを用いて、Ar及びNガス雰囲気下で反応性スパッタを行うことで形成することができる。Arガス及びNガスの流量は、例えば、それぞれ20sccmとしてもよい。
このような物理的な成膜方法で形成された保護膜180で側面を保護された磁気トンネル接合素子1は、書き込み電圧をより低電圧化することができる。高温及び長時間の熱処理が行われた磁気トンネル接合素子1は、熱負荷によって書き込み電圧が上昇しやすいため、上述した保護膜180を用いて書き込み電圧の低電圧化を図っておくことがより好ましい。
以下では、実施例及び比較例を参照しながら、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子が下記の例に限定されるものではない。
<本実施形態に係る磁気トンネル接合素子の効果の検証>
まず、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子の効果を検証するために、図20〜図23にて積層構造を示す磁気トンネル接合素子を製造した。図20は、実施例1に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。図21は、実施例2に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。図22は、比較例1に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。図23は、比較例2に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。なお、図20〜図23において、括弧書き内の数値は、ナノメートル単位の各層の膜厚を表す。
図20に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、Mo(0.8nm)の隣接層と、MgO(1.0nm)、Ru(7nm)及びMo(7nm)からなるキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、実施例1に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
また、図21に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、Mo(0.8nm)の隣接層と、CoFeB(0.5nm)、Mo(0.8nm)、MgO(1.0nm)及びMo(7nm)からなるキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、実施例2に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
また、図22に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、MgO(1.0nm)、及びCoFeB(0.5nm)からなるキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、比較例1に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
さらに、図23に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、MgO(1.0nm)、CoFeB(0.5nm)、Ru(7nm)及びMo(7nm)からなるキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、比較例2に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
続いて、Si基板上に成膜した状態、成膜した状態から直径60nm程度の円柱形状に素子加工した状態、及び素子加工後にさらに高温及び長時間の熱処理を行った状態の各々において、実施例1、2又は比較例1、2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性を評価した。具体的には、M−Hループの測定は、振動試料型磁力計(Vibrating Sample Magnetometer:VSM)にて行い、R−Hループの測定は、オートプローバにて行った。その結果を図24A〜図27Cに示す。
図24A〜図24Cは、実施例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。また、図25A〜図25Cは、実施例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。さらに、図26A〜図26Cは、比較例1に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。図27A〜図27Cは、比較例2に係る磁気トンネル接合素子の磁気−抵抗特性の評価結果を示すグラフ図である。
図24A〜図24Cを参照すると、実施例1に係る磁気トンネル接合素子では、Si基板上に成膜した状態(図24A)、素子加工した状態(図24B)、及び熱処理を行った状態(図24C)のいずれでも角形のヒステリシス曲線が形成されていることがわかる。したがって、実施例1では、素子加工及び熱処理後も磁気トンネル接合素子は、MTJ素子として機能しており、磁化自由層は、垂直磁気異方性を保持していることがわかる。
図25A〜図25Cを参照すると、実施例2に係る磁気トンネル接合素子では、Si基板上に成膜した状態(図25A)、素子加工した状態(図25B)、及び熱処理を行った状態(図25C)のいずれでも角形のヒステリシス曲線が形成されていることがわかる。したがって、実施例2では、素子加工及び熱処理後も磁気トンネル接合素子は、MTJ素子として機能しており、磁化自由層は、垂直磁気異方性を保持していることがわかる。
一方、図26A〜図26Cを参照すると、比較例1に係る磁気トンネル接合素子では、Si基板上に成膜した状態(図26A)では、角形のヒステリシス曲線が形成されているものの、素子加工した状態(図26B)及び熱処理を行った状態(図26C)では、ヒステリシス曲線が形成されていないことがわかる。したがって、比較例1では、磁化自由層は、Si基板上に成膜した状態では垂直磁気異方性を備えているものの、素子加工によって垂直磁気異方性を失うため、素子加工後の磁気トンネル接合素子は、MTJ素子として機能しなくなることがわかる。
また、図27A〜図27Cを参照すると、比較例2に係る磁気トンネル接合素子では、Si基板上に成膜した状態(図27A)及び素子加工した状態(図27B)では、角形のヒステリシス曲線が形成されているものの、熱処理を行った状態(図27C)では、ヒステリシス曲線が形成されていないことがわかる。したがって、比較例2では、磁化自由層は、Si基板上に成膜した状態及び素子加工した状態では垂直磁気異方性を備えているものの、熱処理によって垂直磁気異方性を失うため、熱処理後の磁気トンネル接合素子は、MTJ素子として機能しなくなることがわかる。
したがって、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子は、非磁性遷移金属で形成された隣接層が磁化自由層に隣接して設けられ、かつ同様に非磁性遷移金属で形成されたバリア層がキャップ層の内部に設けられることで、素子加工及び熱処理後もMTJ素子として機能することがわかる。すなわち、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子は、熱処理に対する耐性が向上していることがわかる。
<磁気トンネル接合素子の各層の膜厚の検討>
次に、本実施形態に係る磁気トンネル接合素子の各層の膜厚を変化させて、磁気特性を測定した。具体的には、M−Hループの測定は、振動試料型磁力計(Vibrating Sample Magnetometer:VSM)にて行い、R−Hループの測定は、オートプローバにて行った。MR特性の測定は、CIPT(Current−In−Plane Tunneling)測定器にて行った。その結果を図30〜図34に示す。
(隣接層)
まず、実施例1に係る磁気トンネル接合素子の隣接層の膜厚を0.15nmから1.15nmまで変化させた際の磁気トンネル接合素子のTMR比の変化を図30に示す。図30は、隣接層(Mo)の膜厚に対する磁気トンネル接合素子のTMR比の変化を相対値で示すグラフ図である。図30を参照すると、隣接層(Mo)の膜厚が0.1nm以上1nm以下の場合、磁気トンネル接合素子のTMR比がより向上することがわかる。
(バリア層)
次に、実施例1に係る磁気トンネル接合素子のバリア層の膜厚を0.5nmから11nmまで変化させた際の磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきの変化を図31に示す。図31は、バリア層(Mo)の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきの変化を相対値で示すグラフ図である。図31を参照すると、バリア層(Mo)の膜厚が1nm以上の場合、磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきがより小さくなることがわかる。一方、バリア層の膜厚が10nm以下の場合、磁気トンネル接合素子の加工が容易になるため、磁気トンネル接合素子の加工精度を向上させることができる。
(中間層)
続いて、実施例1に係る磁気トンネル接合素子の中間層の膜厚を0.5nmから11nmまで変化させた際の磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきの変化を図32に示す。図32は、中間層(Ru)の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきの変化を相対値で示すグラフ図である。図32を参照すると、中間層の膜厚が1nm以上の場合、磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)ばらつきが小さくなることがわかる。一方、中間層の膜厚が10nm以下の場合、磁気トンネル接合素子の加工が容易になるため、磁気トンネル接合素子の加工精度を向上させることができる。
(磁性層)
次に、磁性層の膜厚を検討するために、図28にて積層構造を示す磁気トンネル接合素子を製造した。図28は、実施例3に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。
図28に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、Mo(0.8nm)の隣接層と、MgO(1.0nm)の第2絶縁層、CoFeB(0nm〜3.5nm)の磁性層、Ru(7nm)の中間層、及びMo(7nm)のバリア層を含むキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、実施例3に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
ここで、実施例3に係る磁気トンネル接合素子の磁性層の膜厚を0nmから3.5nmまで変化させた際の磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)の変化を図33に示す。図33は、磁性層(CoFeB)の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)の変化を相対値で示すグラフ図である。図33を参照すると、磁性層(CoFeB)の膜厚が0.9nm以下の場合、磁気トンネル接合素子の保磁力(Hc)がより大きくなることがわかる。
(調整層)
続いて、調整層の磁性層の膜厚を検討するために、図29にて積層構造を示す磁気トンネル接合素子を製造した。図29は、実施例4に係る磁気トンネル接合素子の積層構造を示す説明図である。
図29に示すように、Si基板上に、Ta(5nm)、Pt(5nm)及びRu(3nm)からなる下部電極と、Pt(0.3nm)、Co(0.5nm)及びPt(0.3nm)の6回積層構造、Co(0.5nm)、Ir(0.5nm)、Co(0.6nm)、Mo(0.4nm)、CoFeB(0.9nm)からなる磁化固定層と、MgO(1.0nm)の第1絶縁層と、CoFeB(1.5nm)の磁化自由層と、Mo(0.8nm)の隣接層と、CoFeB(0nm〜1nm)及びMo(0.8nm)の調整層、MgO(1.0nm)の第2絶縁層、CoFeB(0.5nm)の磁性層、Ru(7nm)の中間層、及びMo(7nm)のバリア層を含むキャップ層と、Ru(1nm)、Ta(1nm)、Ru(5nm)及びTa(77nm)からなる上部電極と、を積層することで、実施例4に係る磁気トンネル接合素子を製造した。
ここで、実施例4に係る磁気トンネル接合素子の調整層における磁性層の膜厚を0nmから1nmまで変化させた際の磁気トンネル接合素子の書き込み電圧(Vc)の変化を図34に示す。図34は、調整層における磁性層(CoFeB)の膜厚に対する磁気トンネル接合素子の書き込み電圧(Vc)の変化を相対値で示すグラフ図である。図34を参照すると、調整層における磁性層(CoFeB)の膜厚が0.7nm以下の場合、磁気トンネル接合素子の書き込み電圧をより低くすることができることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態に係る磁気トンネル接合素子1〜17は、多様な半導体装置にトランジスタ等と共に混載され得る。例えば、磁気トンネル接合素子1〜17は、固体撮像装置、演算処理装置、通信装置又は記憶装置等の半導体装置に混載されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
磁化の向きが固定された磁化固定層と、
前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、
前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、
前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、
を備える、磁気トンネル接合素子。
(2)
前記キャップ層の上に設けられた上部電極をさらに備え、
前記非磁性遷移金属の密度及び熱伝導率の積は、前記上部電極に含まれる金属材料の密度及び熱伝導率の積よりも高い、前記(1)に記載の磁気トンネル接合素子。
(3)
前記上部電極は、Ta又はTaNを含み、
前記上部電極に含まれる金属材料は、Taである、前記(2)に記載の磁気トンネル接合素子。
(4)
前記非磁性遷移金属は、Mo、W、Nb、Ir、Hf又はTiのいずれかである、前記(1)に記載の磁気トンネル接合素子。
(5)
前記キャップ層は、3d遷移金属及びBを含む磁性材料で形成された磁性層の上に前記非磁性遷移金属で形成された層を積層させた積層構造をさらに含み、
前記積層構造は、前記磁性層が前記隣接層に隣接するように設けられる、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(6)
前記積層構造の前記磁性層の膜厚は、0.7nm以下である、前記(5)に記載の磁気トンネル接合素子。
(7)
前記3d遷移金属及びBを含む磁性材料は、Bを15原子%以上含む、前記(5)又は(6)に記載の磁気トンネル接合素子。
(8)
前記キャップ層は、絶縁材料で形成された第2絶縁層をさらに含む、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(9)
前記第2絶縁層は、前記隣接層の上に設けられる、前記(8)に記載の磁気トンネル接合素子。
(10)
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を形成する絶縁材料は、無機酸化物である、前記(9)に記載の磁気トンネル接合素子。
(11)
前記キャップ層は、3d遷移金属及びBを含む磁性材料で形成され、前記第2絶縁層の上に設けられる磁性層をさらに含む、前記(8)〜(10)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(12)
前記第2絶縁層の上に設けられる前記磁性層の膜厚は、0.9nm以下である、前記(11)に記載の磁気トンネル接合素子。
(13)
前記3d遷移金属及びBを含む磁性材料は、Bを15原子%以上含む、前記(11)又は(12)に記載の磁気トンネル接合素子。
(14)
前記キャップ層の各層は、導電材料で形成される、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(15)
前記隣接層の膜厚は、0.25nm以上1nm以下である、前記(1)〜(14)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(16)
前記バリア層の膜厚は、1nm以上10nm以下である、前記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(17)
前記キャップ層は、非磁性材料で形成される中間層をさらに含み、
前記中間層の膜厚は、1nm以上10nm以下である、前記(1)〜(16)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(18)
前記磁気トンネル接合素子は、柱体形状又は錐体形状である、前記(1)〜(17)のいずれか一項に記載の磁気トンネル接合素子。
(19)
磁気トンネル接合素子を備え、
前記磁気トンネル接合素子は、
磁化の向きが固定された磁化固定層と、
前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、
前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、
前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、
を備える、半導体装置。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17 磁気トンネル接合素子
100 基板
110 下部電極
120 磁化固定層
130 第1絶縁層
140 磁化自由層
150 隣接層
160 キャップ層
161 第2絶縁層
162 中間層
163 バリア層
164 磁性層
165 調整層
170 上部電極
180 保護膜

Claims (19)

  1. 磁化の向きが固定された磁化固定層と、
    前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、
    前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、
    前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、
    を備える、磁気トンネル接合素子。
  2. 前記キャップ層の上に設けられた上部電極をさらに備え、
    前記非磁性遷移金属の密度及び熱伝導率の積は、前記上部電極に含まれる金属材料の密度及び熱伝導率の積よりも高い、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  3. 前記上部電極は、Ta又はTaNを含み、
    前記上部電極に含まれる金属材料は、Taである、請求項2に記載の磁気トンネル接合素子。
  4. 前記非磁性遷移金属は、Mo、W、Nb、Ir、Hf又はTiのいずれかである、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  5. 前記キャップ層は、3d遷移金属及びBを含む磁性材料で形成された磁性層の上に前記非磁性遷移金属で形成された層を積層させた積層構造をさらに含み、
    前記積層構造は、前記磁性層が前記隣接層に隣接するように設けられる、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  6. 前記積層構造の前記磁性層の膜厚は、0.7nm以下である、請求項5に記載の磁気トンネル接合素子。
  7. 前記3d遷移金属及びBを含む磁性材料は、Bを15原子%以上含む、請求項5に記載の磁気トンネル接合素子。
  8. 前記キャップ層は、絶縁材料で形成された第2絶縁層をさらに含む、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  9. 前記第2絶縁層は、前記隣接層の上に設けられる、請求項8に記載の磁気トンネル接合素子。
  10. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を形成する絶縁材料は、無機酸化物である、請求項9に記載の磁気トンネル接合素子。
  11. 前記キャップ層は、3d遷移金属及びBを含む磁性材料で形成され、前記第2絶縁層の上に設けられる磁性層をさらに含む、請求項8に記載の磁気トンネル接合素子。
  12. 前記第2絶縁層の上に設けられる前記磁性層の膜厚は、0.9nm以下である、請求項11に記載の磁気トンネル接合素子。
  13. 前記3d遷移金属及びBを含む磁性材料は、Bを15原子%以上含む、請求項11に記載の磁気トンネル接合素子。
  14. 前記キャップ層の各層は、導電材料で形成される、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  15. 前記隣接層の膜厚は、0.25nm以上1nm以下である、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  16. 前記バリア層の膜厚は、1nm以上10nm以下である、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  17. 前記キャップ層は、非磁性材料で形成される中間層をさらに含み、
    前記中間層の膜厚は、1nm以上10nm以下である、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  18. 前記磁気トンネル接合素子は、柱体形状又は錐体形状である、請求項1に記載の磁気トンネル接合素子。
  19. 磁気トンネル接合素子を備え、
    前記磁気トンネル接合素子は、
    磁化の向きが固定された磁化固定層と、
    前記磁化固定層の上に設けられ、絶縁材料で形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の上に設けられた磁化自由層と、
    前記磁化自由層の上に隣接して設けられ、非磁性遷移金属で形成された隣接層と、
    前記非磁性遷移金属で形成されたバリア層を少なくとも1つ以上含む多層構造で形成され、前記隣接層の上に設けられたキャップ層と、
    を備える、半導体装置。
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