JPWO2019244837A1 - 卓球ラケット - Google Patents
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Abstract
Description
ペンホルダーラケットでは、上記のようにグリップを握るため、使用者の腕とラケットとの関係は、ラケットの先端(以下、「ラケットヘッド」ともいう)とグリップの終端(以下、「グリップエンド」ともいう)とを結んだ仮想線(以下、中心軸線という)が、使用者の前腕の軸線に対して、第一面ラバーの表ラケットブレードを上にした時に、ラケットヘッドが下側となる所定の角度で交差している(例えば、特許文献2の図5参照)。つまり、ブレードの板面は使用者の前腕の軸線に対して所定の角度(例えば、グリップの厚さに比例しておよそ30度の角度である。以下、交差角という。)で交差している。
このような状況の下、ペンホルダーラケットの卓球台上での操作性の利点とシェークハンドラケットの攻撃性とを兼ね備えたラケットの開発が望まれている。
本発明の卓球ラケットは、使用時に、前記示指接触面に接触してこれを押圧する示指と、前記中指接触面に接触してこれを押圧する少なくとも中指と、前記掌当接面に当接してこれを押圧する掌とにより前記グリップを掴むように把持されて使用され、前記ブレードの先端部と基端部とを結んだ中心軸線が、使用者の前腕の軸線が延びる方向に沿って延びる形状を有する。
さらに、第2面で打つフォアハンドスイングという全く新しいスイング形式が可能になった。このスイングで得られる打球は強烈なドライブ(前方回転)球であり、これまでどの打ち方でもなし得なかった新しい球種を生み出した。シェークハンドスイングでは、フォアハンドは第1面でバックハンドは第2面で打つ以外の方法はないが、イーグルグリップでは、フォアハンドもバックハンドも第1面と第2面でスイングが出来、いずれの第2面のスイングもボールに極端な回転(ドライブ)を与えることのできる新しいスイング形式で強力な技術となる。
以下、本発明に係る卓球ラケットの、先ずは基本形態といえる第1実施形態を、図面を参照して説明し、以って本発明の技術的思想の概略を説明する。
尚、卓球ラケットの握り方は、利き手によって左右形状が異なることもあり得ることは容易に想像することができるが、右利き、左利きの何れか一方を説明すれば、他方は容易に推測することが出来るので、本明細書において特に記載がない限り、便宜上右手で把持する卓球ラケットについて説明し、左手で把持するラケットについては説明を省略する。
第1ラバー14及び第2ラバー18は、特に限定されず、任意の種類、材質のラバーを採用することができ、プレーヤの好みに応じたラバーを別途購入してブレードに貼着させることが多い。
ラバーは貼ればラケットの重量が増すので、重量増加を考慮して、第1面には重くなるが攻撃的な打法に適したラバーが、第2面では球に回転を掛ける事が多いので第1面よりは軽量なラバーでドライブに有利なラバーを選択するのがよい。
更に、ラケットに貼るラバーは、上述したスピードのある攻撃的な打法に適したラバーや球に回転を掛けるのに適したラバーを、表面及び裏面のいずれの面に貼ることも任意であり、更にまた、後述するように、試合中にラケットのグリップを回転させて表面を裏面に、裏面を表面に切り替えることも自由にできる。従って、どちらの面を「表面」と称し、他の面を「裏面」と称するかは、特に第1実施形態では、意味を持たない。
本第1実施形態において、グリップ10は、ブレード4の基端部8から外側へ突出するように延びているグリップ芯体20と、グリップ芯体20におけるブレード4の第1面12側に配設された第1突出部材としての第1突出ブロック22と、グリップ芯体20におけるブレード4の第2面16側に配設された第2突出部材としての第2突出ブロック24とを備えている。
尚、掌当接面28の形成部位は、第1実施形態においては、グリップ芯体20の終端面21、第1突出ブロック22の終端面23、及び第2突出ブロック24の終端面25が一体となって掌当接面28を形成させたが、必ずしも三者が協働して掌当接面28を形成させる必要もなく、これらの三者の少なくとも一つに形成させるようにしてもよい。
尚、第1突出ブロック22及び第2突出ブロック24のブレード面からの高さTは、高さ調整部材によって、使用者の手や指のサイズ、好みにより任意に設定できる。
図4に示す卓球ラケット52は、グリップ10が、グリップ芯体20と第1突出ブロック22との間に配設された第1高さ調整部材54と、グリップ芯体20と第2突出ブロック24との間に配設された第2高さ調整部材56とで構成されている。
例えば、掌当接面28に使用者の掌99を当接させた場合に(図6、図7A、図7B参照)、示指接触面32には、使用者の示指92のどの関節を曲げた状態で示指92を掛けるかによって、第1突出ブロック22の長さL1の適宜値が決定され、第2突出ブロック22の長さL2についても同様である。
右手でラケットを把持する場合、図6に示す各指は、右から順に母指91、示指(人差し指)92、中指93、薬指94、及び小指95であり、掌99の母指91の、付け根近傍の膨らみ部位を母指球96、その他の4本の指の付け根近傍の膨らみ部位を指尖球97と呼ばれている。
掌99には、手の動きに合わせて、人それぞれに特長的な皺が現れ、それらは掌線と呼ばれている。掌線は、骨格や筋肉、手の使い方によってその位置はおおよそ一定した位置に現れる。指尖球97の裾野付近には、小指95から示指92に向かって掌線99aが水平に走り、掌線99aは、手相術の分野では感情線と呼ばれている。この感情線99aに向かって図中下方から感情線99aと合流するように斜め上方に知能線99bが走り、更に知能線99bの下方から、略母指球96の裾野に沿って斜め上方に生命線99cが走っている。
そして、示指92は、尖端から末節骨92a(指の先の爪の付いた部分の骨)の部位、中節骨部位92b(指の真中部分の骨)の部位、及び基節骨92c(指の根元の骨)の部位を備えており、これらの内、示指接触面32には、示指92の関節を曲げた状態で、末節骨92aの部位、中節骨部位92bの部位を接触させることができ、基節骨92cを接触させることは難しい。中指93は、尖端から末節骨93aの部位、中節骨部位93bの部位、基節骨93cの部位を備え、これらの内、中指接触面36には、中指93の関節を曲げた状態で、末節骨93aの部位、中節骨部位93bの部位、更には基節骨93cの部位を接触させることができる。
すなわち、掌当接面28の側縁28a(図1参照)を、掌99の知能線99bに宛がうように掌当接面28を掌グリップ受容部位98に押し当て、示指92を、第1突出ブロック22の側部に密着して沿うように宛がい、掌当接面28から示指92の先端関節位置92d(図6、図7B参照)までの距離を求め、これを第1突出ブロック22の適宜長さL1に設定すればよい。
第2突出ブロック25の適宜長さL2は、上述のように求めた第1突出ブロック22の適宜長さL1から、示指92と中指93の先端関節位置差を加算して容易に設定することができる。
第1突出ブロック122及び第2突出ブロック124は、使用者の示指92及び中指93がそれぞれ接触する示指接触面32、中指接触面36を有し、第1突出ブロック122及び第2突出ブロック124の各終端面123、125及びグリップ芯体120の終端面121が面一となり、これらが協働してグリップ110の終端面、すなわち、グリップが使用者に握られた際に、使用者の掌と当接する掌当接面28を形成している。
本発明に係る卓球ラケットは、グリップの第1及び第2ブロックを鷲掴みにすること(イーグルグリップ)を技術的思想としているので、示指92と中指93の指長さ等の相違に応じて、第1突出ブロック122の長さL1及び第2突出ブロック125の長さL2を適宜長に設定することにより、より安定してグリップ110を把持することができる。
第1突出ブロックと第2突出ブロックとが同じ突出高さであると、表裏で対称の形となるので、手に馴染みやすく操作性が向上する。この場合、第1面を掌側、第2面を手の甲側となるように握っていた卓球ラケットを、第1面を手の甲側、第2面を掌側となるように握りを変更すること(以下、「面の切り替え」という)が、試合中でも楽に行え、攻撃のバリエーションを増やすこともできる。
まず、示指92と中指93との間にブレード4を挟むと共に(図8参照)、グリップ10の掌当接面28を上述した掌グリップ受容部位98(図6における斜線領域)に当接させる。この状態で示指92及び中指93を曲げて示指92を示指接触面32に接触させると共に、中指93を中指接触面36に接触させる。このとき、示指92は、第1突出ブロック22の側部に密着して沿うように配置し、母指91は、第1突出ブロック22の反対側の側部に密着するように沿わせて配置するのが好ましい。また、薬指94は中指93に沿うように、小指95は薬指94に沿うようにそれぞれ曲げる。
そして、示指92と母指91とにより第1突出ブロック22を両側から挟み込み、グリップ10の掌当接面28を掌99のグリップ受容部位98に当接させて第1突出ブロック22を支持するので、第1突出ブロック22に添わせる示指92及び母指91の支持点がグリップ受容部位98、従って掌当接面28から遠ざかる程、すなわち第1突出ブロック22の長さL1が長い程、グリップ10を安定的に把持することができる。
このとき、ボールを下方から上方に、ボールの上半部を擦るように持ち上げてスイングすると、上回転のドライブ打法が可能であり、腕を真っ直ぐに伸ばして強打すると、スピードとスピンが掛った強烈なドライブ打法が可能である。
第1面でバックハンドストロークを行う場合にも、ペンホルダーでは交差角の影響で右手利きの場合は打った球が左側に逸れる、といった問題があるが、本発明のイーグルグリップでは、このような問題が無く、手の動く方向に威力のある返球をする事が出来る。シェークハンド打法では第1面でバックを打つ事がないので、イーグルグリップによる第1面の打球は効果的な相手への打撃となる。しかし、この打法でも十分なドライブ(前方回転)をボールに与えることには限界があるので、相手がカット(後方回転)を加えて来たボールに対しては、後述する、効果的なドライブが作れる第2面でのバックハンドストロークが望ましい。
これに対し、本発明に係る卓球ラケット2は、上記のように、フォアハンドストロークでは第1面12の側の第1ラバー14での打球及び第2面16の側の第2ラバー18での打球が簡単に選択でき、バックハンドストロークでも、第1面12の側の第1ラバー14での打球及び第2面16の側の第2ラバー18での打球が簡単に選択できる。つまり、本発明に係る卓球ラケット2は、従来の卓球ラケットに比べ、多彩な球種のボールを容易に打つことができる優れた卓球ラケットであるといえる。これも、グリップ10を上記のように鷲掴み状態で握ることができるグリップ(イーグルグリップ)の形状によりもたらされるものである。
尤も、掌当接面を周縁がなだらかな曲面で形成することもでき、この場合には、別途、第3実施形態で後述する、グリップが掌グリップ受容部位98の所望の位置に安定的に受容されるための手段が備えられることが好ましい。
図10A及び図10Bは、本発明に係る第2実施形態の卓球ラケット2Aを示し、このラケット2Aは、第1実施形態のラケットのイーグルグリップの基本機能を保持したまま、グリップ端面にテーパ部(或いは切欠き部)を設け、伝統的なペンホルダーラケットの「ショート」の守備あるいは攻撃を容易にするグリップ機能を付加したもので、台上でのペンホルダー特有の打法が付加的に実現できるグリップ形状を備えている。
尚、第2実施形態のグリップ形状を説明するに当たり、既に説明した第1実施形態に係る卓球ラケット2と実質的に同じ、又は類推可能に類似する構成及び機能を有するものについては、第1実施形態に係る卓球ラケット2と同じ参照符号を付してその詳細な説明を省略する(後述する他の実施形態、変形例の説明においても同様)。
図10Aに示す卓球ラケット2Aのグリップ10Aは、グリップ芯体20を挟んで第1突出部材としての第1突出ブロック22と第2突出部材としての第2突出ブロック24Aで構成され、第2突出ブロック24Aの終端面を切り欠くようにして形成させたテーパ面29Aが形成されている。このテーパ面29Aは、ブレード第2面16と30〜60度の傾斜角度α、図10Aでの例示では約45度の傾斜角度をなして形成されており、その上端縁がグリップ芯体20の終端面21に接してグリップ芯体20に貼着されている。
尚、テーパ面29Aの形成方法には特に限定するものではなく、図10A乃至図10Cで示すように、テーパ面を直交する方向から見て平坦面であってもよいし、図11Aで後述するように、曲面であってもよい。
一方、第1突出ブロック22は、ブレードの第1面12側のグリップ芯体終端面21に接し、グリップ芯体20に直角に配置されている。
図11Aに示す卓球ラケット2Bのグリップ10Bは、グリップ芯体20を挟んで第1突出部材としての第1突出ブロック22Bと第2突出部材としての第2突出ブロック24Bで構成されるが、ブレードの第1面12側に配置される第1突出ブロック22Bは、グリップ芯体20の終端面21から長手方向外方に突出して取付けられており、突出端23Bに掌当接面28Bが形成される。一方、第2突出ブロック24Bは、グリップ芯体の終端面21に接してブレードの先端部側に配置されている。
この場合、第1突出ブロック22Bの終端面23Bのみが掌当接面28Bを構成することになり、図中、第1突出ブロック22Bの端面30は、示指接触面32Bであり、第2突出ブロック24Bの端面34は、中指接触面36Bである。
図11Aに示したグリップ10Bは、第2突出ブロック24Bから断面長楕円4分割形状の柱状体をなす、図中斜線で示す部分25b(図11B参照)を切り欠くようにして形成させた終端面29Bが備えられており、図10A〜図10Cを参照して行った説明から容易に類推されるように、終端面29Bが第2掌当接面となり、第2掌当接面29Bに掌グリップ受容部位98(図6参照)を宛がうと、ペンホルダータイプの握りを違和感なく実現でき、この場合にもペンホルダーラケットの特長である、台上での「ショート」打法が可能となる。
第2突出ブロック24Cは、図10Aに示した第2実施形態の第2突出ブロック24Aと類似した形状を有しており、その終端面の一部を切り欠いたようにして形成されているテーパ面29Cが、図10Aの第2実施形態に形成されているテーパ面25Aより大きな角度(約60°)をなしている点で異なっている。
この場合、第1突出ブロック22Cの傾斜する終端面23Cと、グリップ芯体20の円筒面をなして外側に突出する終端面21Cとが掌当接面28Cを構成することになり、図中、第1突出ブロック22Cの端面30は、示指接触面32Cであり、第2突出ブロック24Cの端面34は、中指接触面36Cである。
本発明に係る卓球ラケットの第3実施形態について、図13を参照して説明する。
第3実施形態の卓球ラケット2Dは、図1乃至図3に示す第1実施形態の卓球ラケット2や、第1実施形態に関連して例示した変形例の卓球ラケットに対し、又、図10A乃至図10Cに示す第2実施形態の卓球ラケット2Aや第2実施形態に関連して例示した変形例の卓球ラケットに対し、グリップ滑り防止機能や、鷲掴みにしてグリップを握ったとき、グリップの終端面を掌の所望位置に位置決めするための手段を更に付加したものである。
尚、掌当接面の端面形状により付与したグリップの滑り防止機能については、第1実施形態及び第2実施形態の説明においてすでにその一部を例示している。
掌当接面28Dは、使用者がグリップ10Dを握った際に掌99のグリップ受容部位98(図6参照)に受容される。尚、掌99側に位置する掌グリップ受容部位98の近傍であって、手の甲100側の部位100a(図7A参照)は甲合谷と呼ばれている。
第1突出ブロック22Dは、その上面に配設されたサポートプレート64を更に備えて構成されている。そしてサポートプレート64は、第1突出ブロック22Dを把持する示指92及び母指91、並びに、上述した甲合谷部分100a(図7A参照)の少なくとも一つと接触するサポート面66cを備えている。
また、サポートプレートの形状は、図14Bに示すように、第1突出ブロック22Dの示指接触面32Dから掌当接面28Dに向かって、プレート側縁66aが第1突出ブロック22Dの両側の側壁縁を取り巻くように徐々に外方に膨出し、テール部66の下面66cを鍔状に形成させることもできる。この場合、グリップ10Dを握った使用者の母指91、示指92及び甲合谷部分100a(図7A参照)がサポートプレートの下面66cに密着する、又は当接することより、グリップ位置の移動が制限され、グリップ安定性を増すことができる。
更に又、図13において斜線で示す部分25bを、図11Aで説明したと同様に削りとって、切欠き部25bを設けることにより第2掌当接面29Dを形成し、ペンホルダーの「ショート」への移行を円滑、容易にすることもできる。
尚、「ショート」への移行を円滑、容易にするためには、示指92や母指91の指使いの妨げにならないように、サポートプレートのテール部66は、図14Aや図14Cに示す形状のものが好ましい。
図15に示す卓球ラケット2Eは、ブレード4の第1面(表面)12に対する角度αが鋭角となるように傾斜している掌当接面28Eを備えている。このように掌当接面28Eが傾斜していると、サポートプレート64と傾斜した掌当接面28Eとが協働して、使用者がグリップ10Eを握った際に、掌当接面28Eが掌99の最適受容位置、すなわち掌グリップ受容部位98に位置ずれなく適合し、ラケットの滑りを防止してグリップ安定性や使用者の安定感を増す効果を奏する。
変形例の卓球ラケット2Eにおいても、テール部66の下面66cの形状を、図14A乃至図14Cに例示した種々の形状に形成することもできる。この場合、グリップ10Eを握った使用者の甲合谷部分100a及び指をサポートプレートの下面66cにより確りと保持することができ、グリップの安定性を増すことができる。
図16は、本発明に係る第4実施形態の卓球ラケット2Fを示す。このラケット2Fのグリップ10Fは、ブレード4の一部をなすグリップ芯体20と、この芯体20を挟んで第1突出部材としての第1突出ブロック22Fと、第2突出部材としての第2突出ブロック24Fとで構成され、グリップ幅及び長さは、第1実施形態のグリップ10と同様に、グリップ10Fを握ったとき、掌及び指にフィット感を備える適宜長さに設定される。
第1突出ブロック22Fは、ブレード4の第1面(表面)12側に配設され、全体がほぼ台形形状をなしている。このブロック22Fの、ブレード先端部6側の端面30は、グリップ芯体20に対して垂直に形成され、グリップ10Fが使用者に握られた際に、使用者の示指92(図6参照)と接触する示指接触面32Fとなる。端面30の高さは、使用者の示指92の太さにも依るが、示指の太さに応じた適宜高さに設定される。
更に、この端面30と直角に連なり、グリップ芯体20と平行する、矩形状の水平面22a、及びこの水平面22aと上述の終端面21Fの曲面とに滑らかに連なる傾斜面22bを備えている。
ブロック24Fも、端面34と直角に連なり、グリップ芯体20と平行する矩形の水平面24a、及びこの水平面24aと上述の終端面21Fの曲面とが滑らかに連なる傾斜面24bを備えている。
第4実施形態においては、曲面をなす終端面21F及びそれに連なり、終端面21F近傍の傾斜面22bの一部が掌当接面28Fとなる。
本発明に係る卓球ラケットの握り方については、既に第1実施形態等において詳細に説明したとおり、示指接触面に当接させる示指92、中指接触面に当接させる中指93、及びブレード4の第1面(表面)12側の、示指接触面近傍の基端部領域8a(図7B参照)を押圧する母指91の三本の指使いが極めて重要であり、主としてこれら三本の指使いによって、ブレード4の打球方向を自在にコントロールしている。
また、第2突出ブロック24Fは、示指92と中指93の指長の差の関係から、中指接触面36Fがブレード第2面(裏面)16側のブレード基端部8に位置付けられる(図16参照)。
位置決めピン50を用いると、示指接触面32Fと中指接触面36Fの正確な位置決めができると共に、グリップ10Fへの過度なグリップ力に耐え、貼付け強度を高めることができる。
また、例えば、示指接触面32Fに接触する示指92がフィットするように、端面30に窪み22eを形成させてもよい。
なお、使用者の指長に合わせて端面30、34を削り、グリップ長Lf1、Lf2の長さを調整して示指接触面32Fや中指接触面36Fを形成させる。第1突出ブロック22F及び第2突出ブロック24Fの水平面22a、24aは、削り代として適宜長さに設定されている。
図17A及び図17Bは、本発明に係る第5実施形態として、卓球ラケット2Gを示す。このラケット2Gのグリップ10Gは、ブレードの一部をなすグリップ芯体20と、この芯体20の両面に貼り付けて固定される突出ブロック体40とから成り、突出ブロック体40が、グリップ芯体20の第1面(表面)12側に貼着される第1突出ブロック部42と、第2面(裏面)16側に貼着される第2突出ブロック部44とが一体に成形されて構成される点で他の実施形態のグリップ形状と異なる。
同様に、第2突出ブロック部44も、略直角三角形状の側面を有し、グリップ芯体20に直交する中指接触面36G、中指接触面36Gに連なり、グリップ芯体20に平行な水平面44a、更にグリップエンド46の終端面46aに連なる矩形状の傾斜面44bを備えており、第4実施形態の第2突出ブロック24Fと類似の形状を有している。
グリップ10Gの第2突出ブロック部44についても、側面視で三角形状をなし、傾斜面44bを備えるが、この傾斜面44bは、第2実施形態で説明した、第2突出ブロック24Aの終端面29Aに形成させた傾斜面(テーパ部)と同様の作用効果を有し、傾斜面44bに掌グリップ受容部位98(図6参照)を宛がうとペンホルダータイプの握りに違和感なく移行させることがでる。従って、「傾斜面44b」によって、伝統的なペンホルダーラケットの「ショート」の守備あるいは攻撃を容易にするグリップ機能が付加されている。
4 ブレード
10、10A〜10F グリップ
14 第1のラバー
18 第2のラバー
20 グリップ芯体
22、22A〜22F 第1突出ブロック(第1突出部材)
24、24B〜24F 第2突出ブロック(第2突出部材)
28、28B〜28F 掌当接面
29A〜29F 第2掌当接面
32、32B〜32F 示指接触面
36、36B〜36F 中指接触面
40 突出ブロック体40
42 第1突出部材
44 第2突出部材
98 掌グリップ受容部位
100 手の甲
100a 甲合谷
Claims (7)
- 第1面及び第2面を有する、平板状のブレードと、当該ブレードの先端部とは反対の基端部に設けられているグリップとを備え、前記ブレードの第1面に、好ましくは第1面及び第2面の両面にラバーを貼着して使用される卓球ラケットであって、
前記グリップは、
前記ブレードの第1面側に位置付けられてブレードの先端部側を向いており、使用者の示指が接触して押圧される示指接触面と、
前記ブレードの第2面側に位置付けられてブレードの先端部側を向いており、使用者の少なくとも中指が接触して押圧される中指接触面と、
前記ブレードの先端部とは反対側の終端に位置付けられ、使用者の掌が当接して押圧される掌当接面と、を含み、
使用時に、前記示指接触面に接触してこれを押圧する示指と、前記中指接触面に接触する少なくとも中指と、前記掌当接面に当接してこれを押圧する掌とにより前記グリップを掴むように把持されて使用される、卓球ラケット。 - 前記グリップは、前記ブレードの外周縁から延出したグリップ芯体と、前記グリップ芯体における第1面の側に配設された第1突出部材と、前記グリップ芯体における第2面の側に配設された第2突出部材とを含み、
前記示指接触面は、第1突出部材における前記ブレード先端部側に位置する一方端に設けられており、
前記中指接触面は、第2突出部材における前記ブレード先端部側に位置する一方端に設けられており、
前記掌当接面は、前記第1突出部材における前記ブレード先端部とは反対の側に位置する他方端、前記第2突出部材における前記ブレード先端部とは反対の側に位置する他方端、及び前記グリップ芯体における前記ブレード先端部とは反対の側に位置する終端の内、少なくとも一つに形成されている、請求項1に記載の卓球ラケット。 - 前記第1突出部材は、前記グリップ芯体の第1面を上向きの水平基準にしたとき、前記掌当接面から前記示指接触面に向かって上り勾配の傾斜面を備え、使用時に、グリップを掴む掌は、前記掌当接面と共に前記傾斜面に当接してこれらを押圧する、請求項2に記載の卓球ラケット。
- 前記第1突出部材と前記第2突出部材とが一体に成形された突出ブロック体を備え、
当該突出ブロック体は、第1突出部材と第2突出部材との間に前記グリップ芯体を接合するための嵌合溝を有する、請求項2に記載の卓球ラケット。 - 第2突出部材に形成させた中指接触面は、第1突出部材に形成させた示指接触面より、前記ブレード先端部側に位置している、請求項2に記載の卓球ラケット。
- 前記第2突出部材の他方端の一部を切欠いて形成された第2掌当接面を備える、請求項2に記載の卓球ラケット。
- 前記第2突出部材は、前記グリップ芯体の第2面を上向きの水平基準にしたとき、前記第2突出部材の他方端から前記中指接触面に向かって上り勾配の傾斜面を備える、請求項2に記載の卓球ラケット。
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