JPWO2019244240A1 - 回転子および回転電機 - Google Patents

回転子および回転電機 Download PDF

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佳樹 岡田
佳樹 岡田
米谷 晴之
晴之 米谷
盛幸 枦山
盛幸 枦山
貴裕 水田
貴裕 水田
仁明 大熊
仁明 大熊
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Abstract

回転子は、回転子導体(23)が収められる回転子スロット(22)が形成された回転子鉄心(21)を有する。回転子スロット(22)は、第1のスロットである内スロット(26)と、第1のスロットよりも回転子鉄心(21)の外周面(25)の側に位置して第1のスロットと繋がれた第2のスロットである外スロット(27)と、を有する。回転子の回転中心である中心軸に垂直な断面における第2のスロットの外形には、外形を構成する稜線が曲げられている位置である頂点が複数含まれている。複数の頂点は、複数の頂点の中で最も外周面に近い位置にある第1の頂点である頂点(27a)と、第1の頂点に次いで外周面(25)に近い位置にある第2の頂点である頂点(27b)と、を含む。回転子導体(23)を流れる電流のうち回転子の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の表皮深さよりも、第2の頂点と外周面(25)との間隔が大きい。

Description

本発明は、二重かご形回転子である回転子および回転子を有する回転電機に関する。
誘導式の回転電機には、回転電機が始動の際に発生させる始動トルクの増大を図るために、二重かご形回転子が広く用いられている。かご形回転子は、回転子鉄心の回転子スロットに収められた導体である回転子導体と、回転子導体に接続された2つの短絡環とを有する。二重かご形回転子が有する回転子スロットには、回転子鉄心の中心側に位置する内スロットと回転子鉄心の外周面側に位置する外スロットとが設けられている。二重かご形回転子では、始動の際に回転子に流れる電流を外スロットに集中させて、回転子に流れる電流の抵抗を増大させることによって、始動トルクが増大される。
回転電機における電気エネルギーの損失には、固定子に設けられた巻線の抵抗成分によって生じる損失である一次銅損と、回転子導体の抵抗成分によって生じる損失である二次銅損と、固定子鉄心と回転子鉄心とに磁束が鎖交することによって生じる損失である鉄損とがある。この他、固定子スロットに起因する高調波磁束が回転子導体に鎖交することによって生じる損失である、いわゆる高調波二次銅損も、回転電機における電気エネルギーの損失の1つとされる。高調波磁束は、回転子の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の電流が回転子鉄心を流れることによって生じる。高周波成分は、回転子の駆動に寄与しない成分である。
特許文献1には、二重かご形回転子における高調波二次銅損を低減させるために、回転子鉄心のうち回転軸に垂直な断面における外スロットの外形に、回転子鉄心の中心の側へ凸とされた円弧状の曲線部を含めることが開示されている。曲線部は、回転子鉄心の外周面側に位置する頂点と、外スロットの幅方向に張り出した部分である肩部との間に設けられる。特許文献1の技術によると、曲線部が設けられたことによって、回転子導体に流れる高調波成分の電流によるインダクタンスを増加させ、高調波二次銅損の原因となる高周波電流を選択的に低減可能とする。
国際公開第2015/001601号
しかしながら、上記の特許文献1の技術によると、外スロットの外形に曲線部が設けられたことにより、当該曲線部に替えて直線が設けられる場合よりも外スロットの面積が減少する。外スロットの面積が減少すると、回転子導体の抵抗が増加するため、回転子導体の抵抗成分による二次銅損が増加する。また、曲線部が設けられたことによって、外スロットでは、高調波磁束についての磁気抵抗が減少するのみならず、回転周波数と同じ周波数の成分による基本波磁束についての磁気抵抗も減少する。外スロットにおける磁気抵抗が減少することによって基本波成分の電流が外スロットに集中する一方、内スロットへ流れる基本波成分の電流が減少することによって、トルクの発生に寄与する磁束量が減少する。そのため、上記の特許文献1の技術では、二次銅損の増加と、トルクの発生に寄与する磁束量の減少とによって、回転電機の駆動効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転電機の駆動効率を向上可能とする回転子を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる回転子は、導体が収められる回転子スロットが形成された回転子鉄心を有する。回転子スロットは、第1のスロットと、第1のスロットよりも回転子鉄心の外周面の側に位置して第1のスロットと繋がれた第2のスロットと、を有する。回転子の回転中心である中心軸に垂直な断面における第2のスロットの外形には、外形を構成する稜線が曲げられている位置である頂点が複数含まれている。複数の頂点は、複数の頂点の中で最も外周面に近い位置にある頂点である第1の頂点と、第1の頂点に次いで外周面に近い位置にある頂点である第2の頂点と、を含む。導体を流れる電流のうち回転子の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の表皮深さよりも、第2の頂点と外周面との間隔が大きい。
本発明にかかる回転子は、回転電機の駆動効率を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる回転電機の断面図 図1に示す回転電機の側面図 図1に示す回転電機が有する回転子鉄心のうち1つの回転子スロットが設けられている部分を示す図 図1に示す回転子スロットが有する外スロットの第1の変形例を示す図 図1に示す回転子スロットが有する外スロットの第2の変形例を示す図 図1に示す回転電機における固定子鉄心から回転子鉄心への磁束の流れについて説明する図 本発明の実施の形態2にかかる回転電機の要部を示す図 本発明の実施の形態3にかかる回転電機の要部を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる回転子および回転電機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる回転電機100の断面図である。回転電機100は、二重かご形回転子を有する三相誘導電動機である。回転電機100は、円筒状の固定子10と、固定子10に囲われて回転駆動する回転子20と、回転子20の中心に設けられたシャフト30とを備える。回転子20は、二重かご形回転子である。図1には、回転子20の回転中心である中心軸AXに直交する断面を示している。図1では、断面を示すハッチングは省略している。なお、中心軸AXが延びる方向を軸方向、中心軸AXを中心とする円に沿う方向を円周方向と称することがある。
固定子10は、巻線が収められる複数の固定子スロット12が形成された固定子鉄心11を有する。固定子鉄心11は、磁性体である複数のケイ素鋼板が軸方向へ積層されて構成されている。固定子鉄心11は、バックヨーク15と、バックヨーク15から回転子20側へ突出された複数の固定子歯14とを有する。各固定子歯14は、円周方向において互いに間隔をおいて配置されている。固定子スロット12は、各固定子歯14の間に設けられている。固定子スロット12は、回転子20側が開放された空間である。固定子スロット12内には、巻線が巻き付けられることによって構成された固定子コイル13が配置されている。固定子コイル13には、50Hzまたは60Hzの系統電源が直結される。
回転子20は、回転子導体23が収められる複数の回転子スロット22が形成された回転子鉄心21を有する。回転子鉄心21は、磁性体である複数のケイ素鋼板が軸方向へ積層されて構成されている。外周面25と固定子10との間には、間隙が設けられている。外周面25は、回転子鉄心21のうち中心軸AXから離れる方向の側の面である。回転子鉄心21のうち外周面25側の部分には、複数の回転子歯24が設けられている。各回転子歯24は、円周方向において互いに間隔をおいて配置されている。回転子スロット22は、各回転子歯24の間に設けられている。回転子スロット22は、図1に示す平面において閉鎖された空間である。回転子導体23は、各回転子スロット22内に配置されている導体である。回転子導体23の材料には、アルミニウムまたはアルミニウム合金といった非磁性の金属材料が用いられる。
図2は、図1に示す回転電機100の側面図である。回転電機100は、円周方向に沿って設けられた2つの短絡環40を備える。1つの短絡環40は、回転子鉄心21のうち軸方向における一方の端にて回転子導体23に接続されている。もう1つの短絡環40は、回転子鉄心21のうち軸方向における他方の端にて回転子導体23に接続されている。
図3は、図1に示す回転電機100が有する回転子鉄心21のうち1つの回転子スロット22が設けられている部分を示す図である。回転子スロット22は、第1のスロットである内スロット26と、第1のスロットと繋がれた第2のスロットである外スロット27と、内スロット26と外スロット27とを繋ぐスリット28とを有する。
内スロット26は、回転子スロット22のうち中心軸AX側に位置する部分である。内スロット26の外形は、頂角が円弧状になるように変形された二等辺三角形をなしている。円周方向における内スロット26の幅は、中心軸AX側へ向かうにしたがい狭められている。内スロット26の外形は、図3に示す変形された三角形に限られず、多角形、または角に丸みを持たせるように変形された多角形であっても良い。
外スロット27は、内スロット26よりも外周面25の側に位置している。外スロット27の外形には、当該外形を構成する稜線が曲げられている位置である頂点が複数含まれている。図3に示す外スロット27の外形は、5つの頂点27a,27b,27c,27d,27eを有する五角形をなしている。頂点27aの位置は、外スロット27の中で外周面25から最も近い位置である。第1の頂点である頂点27aは、5つの頂点27a,27b,27c,27d,27eの中で最も外周面25に近い位置にある頂点である。
第2の頂点である頂点27bは、頂点27aに次いで外周面25に近い位置にある頂点である。3つの頂点27c,27d,27eは、頂点27bよりも中心軸AX側の位置にある頂点である。
スリット28は、外スロット27の外形である五角形のうち中心軸AX側の1辺と、内スロット26の外形である変形された二等辺三角形の底辺との間に設けられている。円周方向におけるスリット28の幅は、円周方向における内スロット26の幅よりも狭く、かつ円周方向における外スロット27の幅よりも狭い。
スリット28において幅が狭められていることで、スリット28では、磁気抵抗が小さくなる。スリット28にて磁気抵抗が小さくなることによって、内スロット26におけるインダクタンスが大きくなる。回転電機100の始動の際に、回転子20に流れる電流は外スロット27に集中することにより、回転子20に流れる電気の抵抗が増大する。これにより、回転電機100は、始動トルクを増大させる。
回転子鉄心21には、回転子20の駆動周波数と同じ周波数の成分である基本波成分の電流のほかに、回転子20の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の電流が流れる。高周波成分は、回転子20の駆動に寄与しない成分である。高周波成分は、固定子鉄心11に形成されている固定子スロット12の数と固定子コイル13とに起因して発生する。高調波成分の電流が流れることにより生じる高調波磁束が回転子導体23に鎖交することによって、高調波二次銅損が生じる。
固定子スロット12の数をN、回転子20を駆動させる交流電流の角周波数をω、回転子導体23の抵抗率をρ、回転子導体23の透磁率をμ、回転電機100の極対数をPとして、回転子導体23を流れる電流のうちの高調波成分の表皮深さであるdsは、次の式(1)によって表される。
Figure 2019244240
頂点27bと外周面25との間隔であるHsは、高調波成分の表皮深さであるdsよりも大きい。すなわち、ds<Hsの関係が成り立つ。なお、表皮深さは、導電性物質を電流が流れる場合に、電流密度が、導電性物質の表面における電流密度の1/eである位置と表面との間の距離とする。「e」は、自然対数の底である。表皮深さは、周波数が上がるにつれて導電性物質の表面に電流が寄せられる表皮効果の指標とされる。
外スロット27の外形は、図3に示すものに限られず、適宜変形しても良い。図4は、図1に示す回転子スロット22が有する外スロット27の第1の変形例を示す図である。第1の変形例では、外周面25と頂点27bとの間隔と、外周面25と頂点27cとの間隔とが同じである。頂点27bと頂点27cは、頂点27aに次いで外周面25に近い位置にある第2の頂点である。
図5は、図1に示す回転子スロット22が有する外スロット27の第2の変形例を示す図である。第2の変形例では、外スロット27の外形は、3つの角がそれぞれ丸く変形された三角形をなしている。第1の頂点である頂点27aは、3つの頂点27a,27b,27cの中で最も外周面25に近い位置にある頂点である。第2の頂点である頂点27b,27cは、頂点27aに次いで外周面25に近い位置にある頂点である。このように、頂点27a,27b,27cは、丸みを持たせた部分であっても良い。外スロット27の外形は、多角形、または角に丸みを持たせるように変形された多角形であれば良い。
図6は、図1に示す回転電機100における固定子鉄心11から回転子鉄心21への磁束の流れについて説明する図である。図6に示す磁束29は、固定子スロット12に起因する高調波磁束とする。固定子10から回転子20へ流れる磁束29は、固定子歯14から固定子10および回転子20の間の間隙を通って、回転子鉄心21へ流れる。回転子鉄心21において、磁束29は、外周面25から上記の表皮深さだけ進行した位置の付近からは円周方向へ向かうように流れて、回転子歯24に到達する。
仮に、第2の頂点と外周面25との間隔であるHsが表皮深さであるdsよりも小さい場合、固定子歯14から回転子歯24へ流れる磁束29は、第1の頂点と第2の頂点との間から外スロット27へ一旦入り込んだ後に、回転子歯24へ進行する。このように、固定子歯14から回転子歯24へ流れる磁束29が外スロット27を跨いで流れることによって、磁束29が回転子導体23に鎖交する。回転子導体23には、外スロット27へ入り込んだ磁束29を打ち消す渦電流が生じる。回転子導体23に渦電流が生じることによって、高調波二次銅損が生じる。高調波二次銅損が多いほど、回転電機100の駆動効率は低下する。
実施の形態1では、第2の頂点と外周面25との間隔であるHsが表皮深さであるdsよりも大きいため、固定子歯14から外スロット27を跨いで回転子歯24へ流れる磁束29の流れが低減される。回転電機100は、回転子導体23における渦電流の発生による高調波二次銅損を低減できる。
例を挙げると、回転子導体23がアルミニウムである場合、上記の式(1)において、ρ=2.82×10−8Ωmかつμ=1.26×10−6H/mである。N=36、ω=50Hzであるとした場合、上記の式(1)により、dsは1.99mmと算出される。この場合、Hsが1.99mm以上とされることによって、回転電機100は、高調波二次銅損を低減できる。
図3に示す外スロット27において、頂点27aは、外周面25から表皮深さまでの範囲に含まれている。この場合、外周面25と第1の頂点との間隔は表皮深さよりも小さいがこの限りではないものとする。ただし、外周面25と第1の頂点との間隔が表皮深さよりも大きい場合、回転子20の駆動のための基本波磁束が回転子鉄心21のうち外周面25の近くを流れることによってトルクの減少を招くことがある。このため、外周面25と第1の頂点との間隔は表皮深さよりも小さいことが望ましい。
実施の形態1によると、外周面25と頂点27bとの間隔が、固定子スロット12に基づく高調波成分の表皮深さよりも大きいことで、回転電機100は、高調波二次銅損を低減できる。回転電機100は、高調波二次銅損の低減によって駆動効率を向上できる。これにより、回転子20は、回転電機100の駆動効率を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2にかかる回転電機100の要部を示す図である。実施の形態2では、内スロット26には、回転子導体23と回転子導体50とが収納されている。図7は、回転電機100が有する回転子鉄心21のうち1つの回転子スロット22が設けられている部分を示す。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
第1の導体である回転子導体23の材料には、アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。第2の導体である回転子導体50は、回転子導体23よりも導電率が高い導体である。回転子導体50の材料には、銅または銅系合金が用いられる。図7において、回転子導体50は、回転子導体23によって囲われている。回転子導体50は、内スロット26の中で中心軸AX側の部分に配置されている。図7において、回転子導体50の外形は長方形をなしている。図7に示す断面における回転子導体50の外形は、長方形以外であっても良い。
回転子導体23よりも導電率が高い回転子導体50が内スロット26内に設けられたことで、内スロット26に収納される導体が回転子導体23のみである場合に比べて、回転子スロット22内を流れる電流の抵抗が減少する。これにより、回転子導体23,50の抵抗成分によって生じる二次銅損が低減される。
実施の形態2によると、回転子20は、実施の形態1と同様に回転電機100の駆動効率を向上させることができ、かつ回転子導体50の配置によって二次銅損を低減できる。回転子20は、二次銅損の低減によって、回転電機100の駆動効率をさらに向上させることができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3にかかる回転電機100の要部を示す図である。実施の形態3では、第2の導体である回転子導体50と外周面25との間隔が、回転子20を駆動させる交流電流である基本波成分の表皮深さよりも大きい。図8は、回転電機100が有する回転子鉄心21のうち1つの回転子スロット22が設けられている部分を示す。上記の実施の形態1および2と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1および2とは異なる構成について主に説明する。
回転子20を駆動させる交流電流の角周波数をω、回転子導体23の抵抗率をρ、回転子導体23の透磁率をμとして、基本波成分の表皮深さであるdfは、次の式(2)によって表される。
Figure 2019244240
図8に示す回転子導体50では、長方形のうち外周面25側の短辺上の位置が、外周面25からの距離が最短であるものとする。短辺上の位置50aと外周面25との間隔であるHcは、基本波成分の表皮深さであるdfよりも大きい。すなわち、df<Hcの関係が成り立つ。
回転電機100を停止状態から始動する際に、回転子20の駆動周波数と同じ周波数の電流が回転子鉄心21を流れる。仮に、位置50aと外周面25との間隔であるHcが表皮深さであるdfよりも小さい場合、始動時における電流が回転子導体50に流れる。回転子導体23よりも導電率が高い回転子導体50に電流が流れることによって、回転子導体23のみに電流が流れる場合よりも、回転子スロット22に流れる電流の抵抗が小さくなる。回転子スロット22に流れる電流の抵抗が大きいほど始動トルクは大きくなるため、この場合、回転子導体50に電流が流れることで始動トルクは小さくなる。
実施の形態3では、位置50aと外周面25との間隔であるHcが表皮深さであるdfよりも大きいことで、回転子スロット22では、表皮効果によって、dfよりも外周面25側の部分である回転子導体23にのみ電流が流れる。始動時における電流が回転子スロット22のうち回転子導体23にのみ流れることで、回転子導体50に電流が流れる場合と比べて、回転子スロット22に流れる電流の抵抗は大きくなる。これにより、回転電機100は、始動トルクの減少を抑制することができる。
実施の形態3によると、回転子20は、実施の形態2と同様に回転電機100の駆動効率を向上させることができ、かつ始動トルクの減少を抑制させる。回転子20は、始動トルクの減少を抑制させることによって、回転電機100の駆動効率をさらに向上させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 固定子、11 固定子鉄心、12 固定子スロット、13 固定子コイル、14 固定子歯、15 バックヨーク、20 回転子、21 回転子鉄心、22 回転子スロット、23,50 回転子導体、24 回転子歯、25 外周面、26 内スロット、27 外スロット、27a,27b,27c,27d,27e 頂点、28 スリット、29 磁束、30 シャフト、40 短絡環、50a 位置、100 回転電機。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる回転子は、導体が収められる回転子スロットが形成された回転子鉄心を有する。回転子スロットは、第1のスロットと、第1のスロットよりも回転子鉄心の外周面の側に位置して第1のスロットと繋がれた第2のスロットと、を有する。回転子の回転中心である中心軸に垂直な断面における第2のスロットの外形には、外形を構成する稜線が曲げられている位置である頂点が複数含まれている。複数の頂点は、複数の頂点の中で最も外周面に近い位置にある頂点である第1の頂点と、第1の頂点に次いで外周面に近い位置にある頂点である第2の頂点と、を含む。導体を流れる電流のうち回転子の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の表皮深さよりも、第2の頂点と外周面との間隔が大きい。外形のうち、第1の頂点と第2の頂点との間の辺と、第1の頂点を挟んで当該辺と隣り合う辺とは、いずれも直線である。

Claims (5)

  1. 導体が収められる回転子スロットが形成された回転子鉄心を有する回転子であって、
    前記回転子スロットは、第1のスロットと、前記第1のスロットよりも前記回転子鉄心の外周面の側に位置して前記第1のスロットと繋がれた第2のスロットと、を有し、
    前記回転子の回転中心である中心軸に垂直な断面における前記第2のスロットの外形には、前記外形を構成する稜線が曲げられている位置である頂点が複数含まれており、複数の前記頂点は、複数の前記頂点の中で最も前記外周面に近い位置にある前記頂点である第1の頂点と、前記第1の頂点に次いで前記外周面に近い位置にある前記頂点である第2の頂点と、を含み、
    前記導体を流れる電流のうち前記回転子の駆動周波数よりも高い周波数の成分である高調波成分の表皮深さよりも、前記第2の頂点と前記外周面との間隔が大きいことを特徴とする回転子。
  2. 前記第1のスロットには、前記導体である第1の導体と、前記第1の導体よりも導電率が高い前記導体である第2の導体とが収められていることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
  3. 前記回転子を駆動させる交流電流の角周波数をω、前記導体の抵抗率をρ、前記導体の透磁率をμとして、前記導体を流れる電流のうち前記駆動周波数と同じ周波数の成分である基本波成分の表皮深さを、以下の式(1)で表されるdfとした場合に、
    前記第2の導体と前記外周面との間隔が前記基本波成分の表皮深さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の回転子。
    Figure 2019244240
  4. 巻線が収められる固定子スロットが形成された固定子鉄心を有する固定子と、
    前記固定子に囲われて回転駆動する請求項1から3のいずれか1つに記載の回転子と、
    を備えることを特徴とする回転電機。
  5. 前記固定子スロットの数をN、前記回転子を駆動させる交流電流の角周波数をω、前記導体の抵抗率をρ、前記導体の透磁率をμ、前記回転電機の極対数をPとして、前記高調波成分の表皮深さであるdsは、以下の式(2)により表されることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。
    Figure 2019244240
JP2020525116A 2018-06-19 2018-06-19 回転子および回転電機 Pending JPWO2019244240A1 (ja)

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