JPWO2019239756A1 - 対象物数推定システム、対象物数推定方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定すること。【解決手段】人数推定システム100は、無線端末の移動経路を推定する端末経路推定部20と、複数の定点のそれぞれに位置する実人数をカウントする実人数カウント部30と、複数の定点のそれぞれについて、無線端末数と実人数との関係を表す検知端末率を算出する検知端末率算出部40と、複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する実人数を逐次推定する実人数推定部50と、を備える。

Description

本発明は、例えば実人数や物の個数などの対象物数の推定を行う対象物数推定システム、対象物数推定方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
従来、カメラやレーダー、電波センサ、音響センサなどの各種のセンサを用いて、対象物体(人も含む)や無線端末を検知及び識別し、当該物体や端末の位置を推定したり追跡したりするシステムが提案されている。
具体的に、電波センサや携帯基地局を用いて取得した無線端末の個数や位置情報から、その無線端末を保有する人の人数や人の流れを解析するシステムが提案されている。ここで、実際にそのエリアにいる人やモノの全てが当該無線端末(電波センサや基地局などで取得する無線方式に合致する端末であり、且つ、通信状態などの取得可能状態にある端末)を保有している訳ではない。このため、実際の人数やモノの個数を何らかの手法を用いて推定する必要があった。
例えば、無線方式の例としては、2G(GSM(登録商標),PDC)、3G(W−CDMA)、4G(LTE,LTE−Advanced)、5Gなどの携帯電話網を用いた無線方式や、無線LAN(Wi−Fi)やBluetooth(登録商標)、Wi−SUN、Zigbee、LPWAなどの公衆無線網を用いた無線方式などが想定される。
また、実際の人数やモノの個数を推定する方法として、複数の従来技術が提案されている。
例えば、非特許文献1には、任意の時間やエリアにおける契約端末の数を検知して、総人口に対する契約者数や普及率などの比率などから、当該時間やエリアにおける実人数を推計するシステムが開示されている。このようなシステムによれば、収容および取得できる契約端末を検知するだけで実人数を推定できるという利点がある。
また、特許文献1には、検知した位置登録の発生件数に対して、発生件数に対応する発生時間帯を基準にした前後の時間における確率分布値を掛け合わせることにより、該発生時間帯に発生した位置登録に対応する人数分布を推計するシステムが開示されている。このようなシステムによれば、位置登録の周期よりも短い時間でユーザの移動が発生した場合でも、その移動傾向を反映したユーザ数の時間変化を得ることができるという利点がある。
さらに、特許文献2には、撮像手段により撮像された画像データに基づいて計数された監視対象の数と、端末計数部により端末通信部を介して交信することで計数された携帯端末の数とを比較することで、侵入者が存在するか否かを警報するシステムが開示されている。これにより、入場適格者と侵入者とを区別でき、有人時においても警備ができるという利点がある。
さらにまた、特許文献3には、個体識別が容易な識別有オブジェクトの移動数と、エリア毎の識別有オブジェクトと識別無オブジェクトとの比率とに基づいて、第1のエリアから第2のエリアへ移動した識別有オブジェクトと第2の識別無オブジェクトとの合計数を推定することが開示されている。
特開2012−029227号公報 特開2005−292942号公報 国際公開2017/183547号公報
「モバイル空間統計」、NTTドコモ、[平成30年5月24日検索]、インターネット〈URL: https://www.nttdocomo.co.jp/biz/service/spatial_statistics/function/>
しかし、エリアに存在する対象物数に対する無線端末数の比を表す比率は、全ての場所や時間帯で一定であるとは限らない。このため、例えば、保有率や普及率等を用いて一定の倍率で対象物数(例えば人数)を推定すると、大幅に推定精度が劣化するという問題がある。
また、例えば特許文献3に開示された技術では、識別有オブジェクトを識別することができないエリアがある場合、エリア間を移動する人の流量を推定する処理の中で「注目データ」を選択する(S142等)際に、その選択順(処理順)によって推定結果が変わってしまい、処理順によっては推定性能が大幅に劣化する、(もしくは、人数(移動総数)の辻褄が合わなくなる)という問題が発生する。
本発明の目的は、対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定することが可能な対象物数推定システム、対象物数推定方法、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
本発明の一態様によれば、対象物数推定システムは、無線端末の移動経路に関する情報を推定する端末経路推定部と、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントする対象物数カウント部と、前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出する検知端末率算出部と、前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定する対象物数推定部と、を備える。
本発明の一態様によれば、対象物数推定方法は、無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、を含む。
本発明の一態様によれば、プログラムは、無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、をプロセッサに実行させるプログラムである。
本発明の一態様によれば、記録媒体は、無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、をプロセッサに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体である。
本発明によれば、対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定することが可能になる。なお、本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
図1は、第1の実施形態である人数推定システム100の全体構成を示す図である。 図2は、第1の実施形態における実人数推定部50の構成例を示す図である。 図3は、第1の実施形態である人数推定システム100を人流解析向けに適用した場合の例を示す図である。 図4は、実人数推定部50の処理フローの例を示す図である。 図5は、人数推定システム100(実人数推定部50)の具体的な処理イメージを示す図である。 図6は、人数推定システム100(実人数推定部50)の具体的な処理イメージを示す図である。 図7は、図5および図6に示した処理イメージの例における正解値の例と推定誤差の例を示す図である。 図8は、第2の実施形態における人数推定システム101の全体構成を示す図である。 図9は、第2の実施形態における実人数推定部51の構成を示す図である。 図10は、実人数推定部51の処理フローの例を示す図である。 図11は、人数推定システム101(実人数推定部51)の具体的な処理イメージを示す図である。 図12は、人数推定システム101(実人数推定部51)の具体的な処理イメージを示す図である。 図13は、第3の実施形態に係る対象物数推定システム102の概略的な構成の例を示すブロック図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
説明は、以下の順序で行われる。
1.本発明の実施形態の概要
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.実施形態の効果
6.他の形態
<<1.本発明の実施形態の概要>>
まず、本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)技術的課題
従来、カメラやレーダー、電波センサ、音響センサなどの各種のセンサを用いて、対象物体(人も含む)や無線端末を検知及び識別し、当該物体や端末の位置を推定したり追跡したりするシステムが提案されている。
具体的に、電波センサや携帯基地局を用いて取得した無線端末の個数や位置情報から、その無線端末を保有する人の人数や人の流れを解析するシステムが提案されている。ここで、実際にそのエリアにいる人やモノの全てが当該無線端末(電波センサや基地局などで取得する無線方式に合致する端末であり、且つ、通信状態などの取得可能状態にある端末)を保有している訳ではない。このため、実際の人数やモノの個数を何らかの手法を用いて推定する必要があった。
例えば、無線方式の例としては、2G(GSM(登録商標),PDC)、3G(W−CDMA)、4G(LTE,LTE−Advanced)、5Gなどの携帯電話網を用いた無線方式や、無線LAN(Wi−Fi)やBluetooth(登録商標)、Wi−SUN、Zigbee、LPWAなどの公衆無線網を用いた無線方式などが想定される。
また、実際の人数やモノの個数を推定する方法として、複数の従来技術が提案されている。
例えば、非特許文献1には、任意の時間やエリアにおける契約端末の数を検知して、総人口に対する契約者数や普及率などの比率などから、当該時間やエリアにおける実人数を推計するシステムが開示されている。このようなシステムによれば、収容および取得できる契約端末を検知するだけで実人数を推定できるという利点がある。
また、特許文献1には、検知した位置登録の発生件数に対して、発生件数に対応する発生時間帯を基準にした前後の時間における確率分布値を掛け合わせることにより、該発生時間帯に発生した位置登録に対応する人数分布を推計するシステムが開示されている。このようなシステムによれば、位置登録の周期よりも短い時間でユーザの移動が発生した場合でも、その移動傾向を反映したユーザ数の時間変化を得ることができるという利点がある。
さらに、特許文献2には、撮像手段により撮像された画像データに基づいて計数された監視対象の数と、端末計数部により端末通信部を介して交信することで計数された携帯端末の数とを比較することで、侵入者が存在するか否かを警報するシステムが開示されている。これにより、入場適格者と侵入者とを区別でき、有人時においても警備ができるという利点がある。
さらにまた、特許文献3には、個体識別が容易な識別有オブジェクトの移動数と、エリア毎の識別有オブジェクトと識別無オブジェクトとの比率とに基づいて、第1のエリアから第2のエリアへ移動した識別有オブジェクトと第2の識別無オブジェクトとの合計数を推定することが開示されている。
しかし、エリアに存在する対象物数に対する無線端末数の比を表す比率(検知端末率)は、全ての場所や時間帯で一定であるとは限らない。このため、例えば、保有率や普及率等を用いて一定の倍率で対象物数(例えば人数)を推定すると、大幅に推定精度が劣化するという問題がある。
検知端末率が場所や時間帯で異なる例としては、例えば、空港等において、国内線側では自国民が自国キャリアであるLTEを使用している比率が高く、国際線側では外国人が空港専用Wi−Fiを使用している比率が高いなどである。この場合、検知端末率の取得のための無線方式としてLTEを検知していれば、検知端末率は国内線側で高くなり、国際線側では低くなる。一方で、検知端末率の取得のための取得する無線方式としてWi−Fiを検知していれば、検知端末率は、国内線側に比べて国際線側で高くなる。
また、検知端末率が場所や時間帯で異なる他の例としては、スタジアムやコンサートホール等のイベント会場等において、ホーム側や会員限定の入退場ゲートでは会員限定アプリの稼働などに伴って検知端末率(入退場時における無線端末使用率)が高まり、アウェイ側や一般の入退場ゲートでは相対的に検知端末率が低くなる可能性がある。
上述したように、非特許文献1には、総人口に対する契約者数や普及率などの比率から、当該時間及びエリアにおける実人数を推計するシステムが開示されている。しかしながら、上述したような検知端末率が場所や時間帯で異なる場合には、全ての場所で同一の契約者数や普及率を用いて実人数を推計すると、大幅に人数推定の精度が劣化するという問題がある。例えば、上述した空港の例では、国内線側は60%の人がWi−Fiを利用している一方で、国際線側は90%の人がWi−Fiを利用している可能性がある。このとき、Wi−Fiセンサを用いて一定数のWi−Fi端末を検知した場合に、検知端末率を一様に60%として実人数を推定すると、国際線側の人数を実際に比べて1.5倍多く推定してしまうという問題がある。
また、上述したように、特許文献1には、発生件数に対応する発生時間帯を基準にした前後の時間における確率分布値を掛け合わせることにより、該発生時間帯に発生した位置登録に対応する人数分布を推計するシステムが開示されている。このシステムは、端末を保有している人の人数分布を推計することができるが、端末を保有していない人も含めた全体の実人数の分布を推計できない。このため、場所ごとに異なる検知端末率になるような状況への対応も困難である。
また、上述したように、特許文献2には、画像データに基づいて計数された監視対象の数と、端末計数部により計数された携帯端末の数とを比較するシステムが開示されている。このシステムは、画像データにより実人数を計測できる利点があるものの、検知端末率が場所や時間で異なる場合には、全ての場所に撮像手段を設置する必要がある。撮像手段を全ての場所に設置できない場合に、検知端末率が異なる場所や時間帯の実人数を高精度に推定できないという問題がある。
また、上述したように、特許文献3に開示された技術では、識別有オブジェクトを識別することができないエリアがある場合、エリア間を移動する人の流量を推定する処理の中で「注目データ」を選択する(S142等)際に、その選択順(処理順)によって推定結果が変わってしまい、処理順によっては推定性能が大幅に劣化する、(もしくは、人数(移動総数)の辻褄が合わなくなる)という問題が発生する。
本実施形態の目的は、対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定することである。
(2)技術的特徴
本実施形態では、例えば、無線端末の移動経路に関する情報を推定し、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントし、上記複数の定点のそれぞれについて、上記無線端末の移動経路に関する上記情報に基づいた無線端末数と上記対象物数との関係を表す検知端末率を算出し、上記複数の定点のうちの1以上の定点を含む経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い経路から、上記検知端末率に基づいて、当該経路を移動する対象物数を逐次推定する。
これにより、例えば、対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定することが可能になる。
なお、上述した技術的特徴は本発明の実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
以下では、図1から図13を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。第1の実施形態では、対象物推定システムの例として、実人数推定方法を実現する端末経路推定部、実人数カウント部、検知端末率算出部、実人数推定部の基本構成と特徴、動作について詳説する。
また、第2の実施形態では、実人数推定部において、一意に決定できる経路を優先して人数推定する方法を用いる場合の例について説明する。
さらに、第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に対して、より一般化された実施形態である。
まず、第1の実施形態および第2の実施形態は、ともに、無線端末を保有する人と保有しない人を含む人の人数を推定する人数推定システムを例にして説明する。また、後述する第3の実施形態のように、無線端末を搭載した対象物と無線端末を搭載していない対象物を含む対象物数を推定する対象物数推定システムとして適用可能であることはもちろんである。
<<2.第1の実施形態>>
(1)構成
図1は、第1の実施形態である人数推定システム100の全体構成を示す図である。人数推定システム100は、無線端末の電波探知によってエリア全体における端末位置と経路を推定し、カメラを用いた映像解析によってエリアの定点における人数をカウントし、それらの両方の情報を用いて、カメラの無い場所や経路における人数を推定するため、次のような構成を有する。
すなわち、人数推定システム100は、端末経路推定部20、実人数カウント部30、検知端末率算出部40、及び実人数推定部50を備える。また、人数推定システム100にて端末の移動経路や実人数を推定するためのデータ入力手段として、電波センサ200やカメラ300などを外部に備えてもよい。
端末経路推定部20は、無線端末の移動経路に関する情報を推定する。具体的には、端末経路推定部20は、1つまたは複数の電波センサ200や基地局等から端末の電波探知情報を入力し、対象エリア全体における検知対象の無線端末の個数や位置、移動経路を推定する。
実人数カウント部30は、複数の定点のそれぞれに位置する実人数(対象物数)をカウントする。具体的に、実人数カウント部30は、カメラ300にて取得した画像または映像を用いて、画像解析または映像解析により、定点ごとに位置する人の実人数をカウントする。
検知端末率算出部40は、複数の定点のそれぞれについて、上記無線端末の移動経路に関する上記情報に基づいた無線端末数と実人数(対象物数)との関係を表す検知端末率を算出する。すなわち、検知端末率算出部40は、実人数カウント部30によって計測された定点における実人数と、端末経路推定部20によって推定された当該定点における端末の個数情報とを用いて、当該定点における検知端末率を算出する。
実人数推定部50は、端末経路推定部20によって推定された対象エリア全体における移動経路ごとの端末の個数と、検知端末率算出部40によって算出されたカメラ300で撮像した定点ごとの検知端末率の情報を用いて、対象エリア全体における実人数を推定する。具体的には、実人数推定部50は、1以上の定点を含む経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い経路から、検知端末率に基づいて、当該経路を移動する対象物数を逐次推定する。
図2は、第1の実施形態における実人数推定部50の構成例を示す図である。実人数推定部50は、例えば、定点毎の検知端末率をソートする検知端末率ソート部61、ソートされた検知端末率を基に優先的に人数推定する経路を選択する経路選択部62、経路毎に人数を推定する人数算出部63、人数を推定済みの経路の情報(検知端末数、実人数)を対象エリア内の各定点から削除する推定済み経路情報削除部64、更新された定点の情報を基に検知端末率を再計算する検知端末率再算出部65、等を含む。
また、図3は、第1の実施形態である人数推定システム100を人流解析向けに適用した場合の例を示す図である。
例えば図3の実線の矢印部分に示すように、対象エリア全体に電波センサ200を分散配置することで、端末経路推定部20により、対象エリア内の移動経路ごとの端末数を検知できる。また、図3の点線の丸印部分に示すように、対象エリア内のいくつかの定点にカメラ300を設置することで、実人数カウント部30により、その定点毎の実人数をカウントすることができる。これにより、実人数推定部50は、カメラ300の設置された定点、および、カメラの設置されていない定点や移動経路を含めて、対象エリア全体における各地点の人数を推定することが可能になる。
(2)動作
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
まず、図1に示したように、端末経路推定部20は、1つまたは複数の電波センサ200や基地局により、端末の電波情報を探知する。ここで、探知する無線方式の例としては、2G(GSM(登録商標),PDC)、3G(W−CDMA)、4G(LTE, LTE−Advanced)、5Gなどの携帯電話網を用いた無線方式や、無線LAN(Wi−Fi)やBluetooth(登録商標)、Wi−SUN、Zigbee、LPWAなどの公衆無線網を用いた無線方式などが想定される。
そして、端末経路推定部20は、各々の電波センサ200にて探知した電波情報を入力し、対象エリア全体における検知端末の個数や位置、移動経路を推定する。
例えば、端末経路推定部20は、複数の電波センサ200で受信した端末信号の受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indication)の情報を用いて、端末の位置や経路を推定する。または、複数の電波センサ200における受信信号の到来時間差(TDoA: Time Difference of Arrival)の情報や、到来角(AoA: Angle of Arrival)の情報を用いて当該端末の位置や経路を推定してもよい。また、端末側に移動経路推定機能を備えてもよい。また、電波センサ200や端末経路推定部20が基地局機能も含んでもよい。この場合、位置情報を含む受信信号をデコードすることで当該端末の位置情報を取得してもよい。
端末経路推定部20は、これらの処理により、任意の期間に対象エリア内の任意の地点を通過した検知端末の個数を出力できる。また、任意の端末が、どの時間帯にどの地点を通過したのかという端末の移動経路情報も出力できる。
次に、対象エリア内の定点ごとに設置されたカメラ300により、定点ごとの人の流れやモノの流れを撮像する。カメラ300により撮像された映像は、人数推定システム100に対して、連続的な画像データ、または、映像データの形で入力される。
そして、実人数カウント部30は、画像データまたは映像データを用いて、人物検知や顔検知、群衆解析や物体検知などの映像解析処理により、撮像された映像データや画像データ内の人物の人数やモノの個数をカウントする。ここで、対象エリア内の複数の定点にカメラを設置する場合、実人数カウント部30は、各々の定点ごとに、実人数やモノの個数をカウントする。
その後、検知端末率算出部40は、実人数カウント部30によって計測された各々の定点における実人数や対象物の個数と、端末経路推定部20によって推定された当該定点における端末の個数情報とを用いて、当該定点における検知端末率を算出する。
例えば、ある定点カメラの撮像エリアp0において、時間t0内にカウントされた人の数をC{p0, t0}、検知端末の数をM{p0, t0}とした場合、1つの方法として、実人数に対する検知端末の割合である「{検知端末の数}÷{人の数}×100」、すなわち、「M{p0, t0}÷C{p0, t0}×100」を検知端末率とする。また、別の方法として、端末を保有していない人の数を負の数で示した「{検知端末の数}−{人の数}」、すなわち、「M{p0, t0}−C{p0, t0}」を検知端末率としてもよい。この場合は、未検知端末数の意味合いが強くなる。
そして、実人数推定部50は、対象エリア内の種々の箇所における実人数を推定する。
図4は、実人数推定部50の処理フローの例を示す図である。実人数推定部50の基本的な動作について、図2および図4を用いて説明する。
ステップS1において、検知端末率ソート部61は、定点ごとの検知端末率をソートする。
ステップS3において、経路選択部62は、ソートされた定点ごとの検知端末率を用いて、最も検知端末率の高い定点を通過する移動経路を選択する。そして、人数算出部63は、当該経路における検知端末数と検知端末率の情報から、当該経路の実人数を推定する。
ステップS4において、推定済み経路情報削除部64は、まだ対象エリア内の全ての経路の人数が推定されていない場合は、既に人数を推定済みの経路の情報(検知端末数、実人数の情報)を対象エリア内の各定点から削除する。
ステップS5において、検知端末率再算出部65は、更新された定点ごとの情報(検知端末数、実人数の情報)に基づいて、定点ごとの検知端末率を再計算する。
ステップS6において、実人数推定部50は、まだ対象エリア内の全ての経路の人数が推定されていない場合(S6:Yes)は、再計算された定点ごとの検知端末率を基に、定点ごとの検知端末率をソートする処理(ステップS1)に戻って処理を繰り返す。繰り返し処理により、全ての経路の人数が推定された場合(S6:No)は、当該時間帯における人数推定処理を完了する。
図5および図6は、人数推定システム100(実人数推定部50)の具体的な処理イメージを示す図である。ここで、図中の「下線付き数値」は実人数を示し、「下線無し数値」は検知端末数を示し、「括弧付き数値」は検知端末率を示す。
まず、図5(a)において、電波センサ200により端末の電波が探知され、端末経路推定部20の経路推定処理により、ある時間帯における対象エリア内の移動経路ごとの検知端末数を取得する。例えば、図5では、定点Aで80端末数、定点Bで30端末数、定点Cで10端末数を検知し、A→D→Fの経路で80端末数が移動したときを想定している。このとき、D→Fの経路は、B→Dの20端末数との和となるため計100端末数となり、定点Fでは同様に計120端末数が検知された場合の例である。
また、定点Aと定点Fにはカメラ300を設置し、実人数カウント部30による映像解析等により、同時間帯における定点ごとの実人数をカウントする。図5に示す例では、定点Aで100人、定点Fで240人がカウントされたものとする。この場合、検知端末率算出部40が定点ごとの検知端末率を割合で算出すると、定点Aでは80÷100=80%となり、定点Fでは120÷240=50%となる。
そして、上記のような経路ごとの検知端末数と、定点ごとの検知端末率を入力として、実人数推定部50が人数推定処理を開始する。図5(a)では、検知端末率ソート部61により、定点ごとの検知端末率がソートされる(ステップS1)。本例の場合、定点Aの検知端末率80%の方が、定点Fの検知端末率が50%より大きいため、優先順位が高くなる。
次に、図5(b)において、実人数推定部50により、優先順位に従って逐次的に人数を推定する処理が行われる。ここで、ソートされた検知端末率から最も優先順位が高い定点はAである。そのため、経路選択部62にて、定点Aを通る経路A→D→Fが選択され、人数算出部63により当該経路の実人数が推定される(ステップS3)。本例の場合、定点Aの検知端末率80%から定点Aの80端末数、100人が経路A→D→Fを移動したものとして算出され、経路A→D→Fの実人数が100人となる。
次に、図5(c)において、人数を推定済みの経路A→D→Fの情報が、推定済み経路情報削除部64により削除される(ステップS4)。具体的に、経路A→D→Fの検知端末数80、実人数100人が削除されるため、経路D→Fは検知端末数20となり、定点Fは検知端末数が40で実人数が140となる。そして、更新された定点の情報に基づいて、検知端末率再算出部65が、推定済み経路に含まれない各々の定点について、検知端末率を再算出する(ステップS5)。本例の場合、定点Fの検知端末率は、40÷140=28.6%に更新される。
ここで、まだ全ての定点や経路における実人数を推定できていないため、処理が繰り返される。すなわち、図6(a)において、更新された定点ごとの検知端末率の情報がソートし直される(ステップS1)。本例の場合、残った定点はFのみであり、検知端末率は28.6%である。
そして、図6(b)において、残った定点であるFを通る経路B→D→F、B→E→F、C→E→Fの全てについて実人数が算出される(ステップS3)。本例の場合、定点Fの検知端末率28.6%から、経路B→D→Fは、20端末数の端末が移動し70人が移動したと算出される。また、経路B→E→Fは、10端末数の端末が移動し35人が移動したと算出される。また、経路C→E→Fは、10端末の端末が移動し35人が移動したと算出される。また、定点Bでは実人数105人が推定され、定点Cでは実人数35人が推定される。以上により、全ての定点と経路の実人数が推定されたため、本時間帯における人数推定処理が完了する。
このように、第1の実施形態においては、場所や時間によって検知端末率が異なるようなケースでも、電波センサを用いて探知した移動経路ごとの検知端末数の情報と、カメラを用いて定点ごとの実人数をカウントした情報とを組み合わせることで、逐次的に対象エリア内の実人数を推定することができる。つまり、対象エリア内のカメラの無い場所も含めて高精度に実人数を推定することができる。
また、実人数推定部50により、実人数を逐次的に検知端末率の高い定点を通る経路から優先的に推定する利点について説明する。
これは、検知端末率の高い定点の情報から優先的に使用することで、確度の高い情報(すなわち、実人数に対して、実人数としてはカウントされているが保有端末は検知されず移動経路が不確定な人の割合が少ない情報)を優先的に用いることになるためである。これにより、人数推定の確度も相対的に高くなるためである。
例えば、図5に示した定点Aでは、検知端末率が80%であり、不確定な人は20%の20人のみである。これに対して、定点Fは検知端末率が50%であり、不確定な人は50%の120人が存在する。この場合、定点Aの情報を積極的に用いた方が確度の高い情報が得られる可能性が高いという利点がある。また、検知端末率の高い定点を通る経路から優先的に推定することで、各点における人数を推定していく処理の途中で、推定値が実測値(カウント値)を超えるなどの破綻が生じないという利点もある。
図7は、図5および図6に示した処理イメージの例における正解値の例と推定誤差の例を示す図である。図7(a)に示すように、実際には全体の検知端末率(端末保有率)は50%であり、定点Fや定点Cの検知端末率は50%である。その一方で、ホーム側の入退場ゲートである定点Aは専用アプリの稼働により検知端末率が高い80%、逆にアウェイ側の入退場ゲートである定点Bは検知端末率が低い25%となるような例を想定する。このとき、図5および図6に示した例では、定点Fに加えて定点Aにもカメラを用いた実人数カウントを実施することで、実人数の推定精度を高めている。図7(b)に示すように、結果として定点A=100人、定点B=105人、定点C=35人と推定されたが、正解値である定点A=100人、定点B=120人、定点C=20人と比較すると、これら3つの定点における推定誤差は、(0+15+15)÷240=12.5%と計算できる。
また、第1の実施形態では、上記の推定方法に限らず、種々の変形が可能である。例えば、他の人数推定の方法として、定点Fの検知端末率であり、全体の検知端末率(端末保有率)でもある120端末数÷240人=50%だけを用いて、全ての定点や経路における人数を推定してもよい。
これは、定点Fのみカメラを設置して実人数をカウントした場合に相当する。この場合、各点の実人数は、定点A=80÷0.5=160人、定点B=30÷0.5=60人、定点C=10÷0.5=20人と推定されるため、これら3つの定点における人数推定誤差は、(60+60+0)÷240=50%と計算することができる。
また、更に他の人数推定の方法として、カメラを設置した定点である定点Aと定点Fにおける検知端末率の平均値を用いて、カメラのない定点Bや定点Cの実人数を推定してもよい。この場合、定点Aの検知端末率である80%と定点Fの検知端末率である50%の平均から検知端末率(80+50)÷2=65%を用いて、各点の実人数は、定点B=30÷0.65=46人、定点C=15人と推定されるため、定点Aも含めた3点の推定誤差は、(0+74+5)÷240=33%と計算できる。または、検知端末率の平均値を(80+120)÷(100+240)=58.8%として各点の実人数を推定すると、定点B=30÷0.588=51人、定点C=10÷0.588=17人と推定される。この場合の3点の推定誤差は、(0+69+3)÷240=30%と計算することができる。
<<3.第2の実施形態>>
(1)構成
図8は、第2の実施形態における人数推定システム101の全体構成を示す図である。第2の実施形態における人数推定システム101は、実人数を推定する際に、一意に決定できる経路を優先して人数推定する。また、第2の実施形態における人数推定システム101は、実人数推定部51に、経路ごとの検知端末数と定点ごとの検知端末率に加え、定点ごとの実人数カウント値も合わせて入力する。
具体的に、人数推定システム101は、端末経路推定部20、実人数カウント部30、検知端末率算出部41、実人数推定部51を備える。また、第1の実施形態と同様に、人数推定システム101が端末の移動経路や実人数を推定するためのデータ入力手段として、電波センサ200や、カメラ300等を外部に備えてもよい。
ここで、第2の実施形態に特有の構成として、実人数推定部51への入力として、端末経路推定部20で推定した経路ごとの検知端末数と、検知端末率算出部41で算出した定点ごとの検知端末率に加え、実人数カウント部30でカウントした定点ごとの実人数カウント値も合わせて入力する例を示している。
なお、このような構成の場合、検知端末率算出部41を、実人数推定部51の内部に備えてもよい。
また、第2の実施形態における検知端末率算出部41は、検知端末率として、実人数カウント値と検知端末数に関する単純な割合や比率を用いる代わりに次のような値を算出する。すなわち、検知端末率算出部41は、実人数カウント値から検知端末数を引いた差である端末未検出人数(移動経路が不確定な人の数)を負の数で表現したものを検知端末率として算出する。
図9は、第2の実施形態における実人数推定部51の構成を示す図である。図9に示すように、実人数推定部51は、定点毎の検知端末率をソートする検知端末率ソート部71、優先的に人数推定する経路を選択する経路選択部72、経路毎に人数を推定する人数算出部73、人数を推定済みの経路の情報(検知端末数、実人数)を対象エリア内の各定点から削除する推定済み経路情報削除部74、更新された定点の情報を基に検知端末率を再計算する検知端末率再算出部75、等を含む。
ここで、第2の実施形態に特有の構成として、経路選択部72は、優先的に人数推定する経路を選択する際に、第1の実施の形態で示した検知端末率の情報だけでなく、一意に人数推定できる経路か否かの情報も用いて経路選択を行う。また、検知端末率算出部41を、実人数推定部51の内部に備える構成とした場合、検知端末率再算出部75が、検知端末率算出部41と機能を兼ねる構成としてもよい。もしくは、検知端末率算出部41が、検知端末率再算出部75の機能を兼ねる構成としてもよい。
(2)動作
次に、第2の実施形態の動作を説明する。
まず、図8に示したように、1つまたは複数の電波センサ200や基地局により、端末の電波情報を探知する。そして、端末経路推定部20は、各々の電波センサ200にて探知した電波情報を入力し、対象エリア全体における検知端末の個数や位置、移動経路を推定する。
また、対象エリア内の定点ごとに設置されたカメラ300により、定点ごとの人の流れやモノの流れを撮像する。そして、実人数カウント部30は、カメラ300から入力された画像データまたは映像データを用いて、人物検知や顔検知、群衆解析や物体検知などの映像解析処理により、撮像された映像データや画像データ内の人物の人数やモノの個数をカウントする。ここで、実人数カウント部30は、カメラが設定された各々の定点ごとに、実人数やモノの個数をカウントする。
そして、検知端末率算出部41では、実人数カウント部30によって計測された各々の定点における実人数や対象物数と、端末経路推定部20によって推定された当該定点における端末の個数情報とを用いて、当該定点における検知端末率を算出する。例えば、第1の実施の形態では、1つの方法として、実人数に対する検知端末の割合である「{検知端末の数}÷{人の数(またはモノの個数)}×100」、すなわち、「M{p0, t0}÷C{p0, t0}×100」を検知端末率とした。ここで、第2の実施形態では、別の方法である、端末を保有していない人の数を負の数で示した「{検知端末の数}−{人の数(またはモノの個数)}」、すなわち、端末未検出人数(移動経路が不確定な人の数)を示す「M{p0, t0}−C{p0, t0}」を検知端末率として算出するものとする。
そして、実人数推定部51は、対象エリア内の種々の箇所における実人数を推定する。
図10は、実人数推定部51の処理フローの例を示す図である。実人数推定部51の基本的な動作について、図9および図10を用いて説明する。
ステップS11において、検知端末率ソート部71は、定点ごとの検知端末率をソートする。
ステップS12において、経路選択部72は、優先的に実人数を推定する移動経路を選択する。ここで、第2の実施形態に特有の動作として、一意に実人数を決定できる経路がある場合(S2:Yes)には、ステップS12aに進む。そして、人数算出部73が、その経路を優先して、当該経路における検知端末数と検知端末率の情報から、選択された経路の実人数を推定する。その後、ステップS14に進む。
一方で、一意に実人数を決定できる経路がない場合(S12:NO)にはステップS13に進んで、第1の実施形態と同様、人数算出部73が、ソートされた定点ごとの検知端末率を用いて、最も検知端末率の高い定点を通る経路から優先的に推定する。すなわち、人数算出部73が、該経路における検知端末数と検知端末率の情報から、選択された経路の実人数を推定する。その後、ステップS14に進む。
次に、ステップS14において、推定済み経路情報削除部74は、まだ対象エリア内の全ての経路の人数が推定されていない場合は、既に人数を推定済みの経路の情報(検知端末数、実人数の情報)を対象エリア内の各定点から削除する。
ステップS15において、検知端末率再算出部75は、更新された定点ごとの情報(検知端末数、実人数の情報)を基に、定点ごとの検知端末率を再計算する。
ステップS16において、実人数推定部51は、まだ対象エリア内の全ての経路の人数が推定されていない場合(S16:YES)は、計算された定点ごとの検知端末率を基に、定点ごとの検知端末率をソートする処理(ステップS11)に戻って処理を繰り返す。繰り返し処理により、全ての経路の人数が推定された場合(S16:NO)は、当該時間帯における人数推定処理を完了する。
図11および図12は、人数推定システム101(実人数推定部51)の具体的な処理イメージを示す図である。ここで、図中の「下線付き数値」は実人数を示し、「下線無し数値」は検知端末数を示し、「括弧付き数値」は検知端末率を示す。
なお、図11および図12に示す例において、第1の実施形態の例として示した図5や図6の例と異なる点は、主に、追加経路として経路A→Gが追加されている点、カメラによる定点観測点として定点Cが追加になっている点である。また、各定点や経路における人数カウント数や検知端末数等も第1の実施形態の例と異なる。
まず、図11(a)において、電波センサ200により端末の電波を探知し、端末経路推定部20により、ある時間帯における対象エリア内の移動経路ごとの検知端末数を取得する。例えば、図11では、定点Aで120端末数、定点Bで30端末数、定点Cで40端末数を検知し、A→D→Fの経路で80端末数が、A→Gの経路で40端末数が移動したときを想定している。また、C→E→Fの経路で40端末数が移動したときも想定している。このとき、D→Fの経路は、B→Dの20端末数との和となるため計100端末数となる。また、定点Fでは同様に計150端末数が検知された場合の例である。
また、定点A、定点C、及び定点Fにはカメラ300を設置し、実人数カウント部30による映像解析等により、同時間帯における定点ごとの実人数をカウントする。図11に示す例では、定点Aで150人、定点Cで80人、定点Fで300人がカウントされたものとする。この場合、検知端末率算出部41が、定点ごとの検知端末率を{検知端末数−カウントした実人数}で算出すると、定点Aでは120−150=”−30人”(割合:80%)となり、定点Cでは40−80=”−40人”(50%)、定点Fでは150−300=”−150人”(50%)となる。
そして、上記のような経路ごとの検知端末数と、定点ごとの検知端末率を入力として、実人数推定部51が人数推定処理を開始する。図11(a)は、検知端末率ソート部71にて定点ごとの検知端末率をソートする(ステップS11)。本例の場合、優先順位の高い順に、定点Aの検知端末率が−30人、定点Cの検知端末率が−40人、定点Fの検知端末率が−150人となる。
次に、図11(b)において、実人数推定部51により、優先順位に従って逐次的に人数を推定する処理を行う。第2の実施形態における経路選択部72は、まず、一意に実人数を決定できる経路の有無を判定する(ステップS12)。経路A→D→F、A→G、B→D→F、B→E→F、C→E→Fのうち、一意に決定できる経路は、経路C→E→Fであり、本経路が選択される。そして、人数算出部73により、当該経路を移動した端末数と実人数が、それぞれ40端末と80人と算出される。
次に、図11(c)において、人数を推定済みの経路C→E→Fの情報が、推定済み経路情報削除部74により削除される(ステップS14)。経路C→E→Fの検知端末数40、実人数80人が削除されるため、経路E→Fは検知端末数10となり、定点Fは検知端末数110、実人数220となる。そして、更新された定点の情報に基づいて、検知端末率再算出部75が、定点ごとに検知端末率を再算出する(ステップS15)。本例の場合、定点Fの検知端末率は、110−220=”−110人”(50%)と更新される。
ここで、まだ全ての定点や経路における実人数を推定できていないため、処理が繰り返される。すなわち、図12(a)において、更新された定点ごとの検知端末率の情報がソートし直される(ステップS11)。本例の場合、残った定点は定点Aと定点Fであり、優先順位の高い順に、定点Aの検知端末率−30人、定点Fの検知端末率−110人となる。そして、経路選択部72が、一意に実人数を決定できる経路の有無を判定する(ステップS12)。図12(a)に示す例では、一意に実人数を決定できる経路が存在しない。このため、ソートされた検知端末率から最も優先順位が高い定点Aを通る経路A→D→Fと経路A→Gが選択される。そして、人数算出部73が当該経路の実人数を推定する(ステップS13)。本例の場合、定点Aの検知端末率が−30人(80%)であるから、経路A→D→Fを移動した端末数と実人数は80端末と100人と算出され、経路A→Gを移動した端末数と実人数は、それぞれ40端末と50人と算出される。
そして、図12(e)において、人数を推定済みの経路A→D→Fと経路A→Gの情報を、推定済み経路情報削除部74により削除される(ステップS14)。具体的には、経路A→D→Fの検知端末数80、実人数100人が削除されるため、経路D→Fは検知端末数20となり、定点Fは検知端末数30、実人数120となる。そして、更新された定点の情報を基に、検知端末率再算出部75が、推定済み経路に含まれない各々の定点について、検知端末率を再算出する(ステップS15)。本例の場合、定点Fの検知端末率は、30−120=”−90人”(25%)と更新される。
ここで、まだ全ての定点や経路における実人数を推定できていないため、処理が繰り返される。すなわち、図12(c)において、更新された定点ごとの検知端末率の情報がソートし直される(ステップS11)。本例の場合、残った定点は定点Fのみであり、検知端末率は−90である。そして、残った定点であるFを通る経路B→D→F、B→E→Fについて実人数を算出する(ステップS13)。本例の場合、定点Fの検知端末率”−90”(25%)から、経路B→D→Fは、20端末で80人が移動したと算出される。また、経路B→E→Fは、10端末で40人が移動したと算出される。また、定点Bの実人数は120人として推定される。以上により、全ての定点と経路の実人数が推定されたため、本時間帯における人数推定処理を完了する。
このように、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様、場所や時間によって検知端末率が異なるようなケースでも、電波センサを用いて探知した移動経路ごとの検知端末数の情報と、カメラを用いて定点ごとの実人数をカウントした情報とを組み合わせることで、逐次的に対象エリア内の実人数を推定することができる。つまり、対象エリア内のカメラの無い場所も含めて高精度に実人数を推定することができる。
ここで、第2の実施形態に特有の処理である検知端末率の算出方法を用いた利点について説明する。すなわち、実人数に対する検知端末の割合である「{検知端末の数}÷{人の数}×100」の代わりに、端末を保有していない人の数を負の数で示した「{検知端末の数}−{人の数}」を、検知端末率として用いた利点について説明する。
まず、検知端末率を端末未検知者数とすることで、移動経路が不確定な人の絶対数が負の数で表現され、不確定な人が多ければ負の数で絶対値が大きくなり、不確定な人が少ない場合に比べて値が小さくなる。そして、実人数推定部51において、実人数を逐次的に、検知端末率の高い定点の情報から優先的に使用することで、確度の高い情報(すなわち、実人数としてはカウントされているが保有端末は検知されず移動経路が不確定な人の絶対数が少ない情報)を優先的に用いることになる。これにより、人数推定の確度も相対的に高くなる。
例えば、図11に示した定点Aの検知端末率が”−30人”であるのに対して、定点Fの検知端末率は”−150人”である。この場合、定点Aの情報を積極的に用いた方が、不確定要素数が少なくなるために、確度の高い推定結果を得られる可能性が高くなるという利点がある。また、検知端末率の高い定点を通る経路から優先的に推定することで、各点における人数を推定していく処理の途中で、推定値が実測値(カウント値)を超えるなどの破綻が生じないという利点もある。
また、第2の実施形態の特有の処理の利点、すなわち、実人数推定部51により一意に実人数を決定できる経路から優先的に実人数を推定する(ステップS12)利点について説明する。
まず、一意に実人数を決定できる経路から優先的に実人数を推定することによって、不確定要素が少なく、確度のより高い情報(移動経路が限定されることで、ある経路を通って移動した端末数と実人数の組合せが一意に決定できる情報)から積極的に用いることができる。結果として、確度の高い情報から順番に用いて実人数が推定され、確度の低い情報を用いて推定するときには推定範囲が限定されることになる。このため、より確度の高い人数推定結果を得られる可能性が高くなるという利点がある。
なお、図10に示す例では、各定点の検知端末率をソートする処理(ステップS11)の後に、実人数を一意に決定できる経路があるかの判定処理(ステップS12)を行うフローとなっているが、この2つの処理の順番に依存関係はない。このため、実人数を一意に決定できる経路があるかの判定と実人数算出処理(ステップS12)を行った後に、実人数を一意に決定できる経路が無かった場合に、各定点の検知端末率をソートする処理(S11)を行う処理フローとしてもよい。とりわけ、このような処理フローに変更することにより、実人数を一意に決定できる経路が存在する場合に、各定点の検知端末率をソートする処理を省略でき、高速化が期待できるという利点がある。
<<4.第3の実施形態>>
続いて、図13を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態及び第2の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第3の実施形態は、より一般化された実施形態である。
図13を参照して、第3の実施形態に係る対象物数推定システム102の構成の例を説明する。図13は、第3の実施形態に係る対象物数推定システム102の概略的な構成の例を示すブロック図である。図13を参照すると、対象物数推定システム102は、端末経路推定部320、対象物数カウント部330、検知端末率算出部340、及び対象物数推定部350を備える。
以上のような構成からなる対象物数推定システム102によれば、端末経路推定部320は、無線端末の移動経路に関する情報を推定する。対象物数カウント部330は、複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントする。検知端末率算出部340は、上記複数の定点のそれぞれについて、上記無線端末の移動経路に関する上記情報に基づいた無線端末数と上記対象物数との関係を表す検知端末率を算出する。対象物数推定部350は、上記複数の定点のうちの1以上の定点を含む経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い経路から、上記検知端末率に基づいて、当該経路を移動する対象物数を逐次推定する。
例えば、端末経路推定部320は、上述した第1の実施形態又は第2の実施形態に係る端末経路推定部20の動作を行ってもよい。また、対象物数カウント部330は、上述した第1の実施形態又は第2の実施形態に係る実人数カウント部の動作を行ってもよい。また、検知端末率算出部340は、上述した第1の実施形態に係る検知端末率算出部40又は第2の実施形態に係る検知端末率算出部41の動作を行ってもよい。また、対象物数推定部350は、上述した第1の実施形態に係る実人数推定部50又は第2の実施形態に係る実人数推定部51の動作を行ってもよい。
<<5.実施形態の効果>>
以上のような実施形態によれば、以下のような効果が期待できる。
第1の効果は、場所や時間によって検知端末率が異なるようなケースでも、各々の場所や時間における実人数を推定できることである。その理由は、電波センサを用いて探知した移動経路ごとの検知端末数の情報と、カメラを用いて定点ごとの実人数をカウントした情報の両方を用いて、逐次的に対象エリア内の各々の場所(定点や経路)の実人数を推定していくことにより、対象エリア内のカメラの無い場所も含めて実人数を推定することができるためである。
ここで、上述した実施形態では、カメラによる定点ごとの実人数カウントと、電波探知による検知端末の移動経路情報とを組み合わせることをまず特徴とする。定点ごとのカメラを用いた映像解析等により、定点における実人数をカウントできる。また、電波センサを用いた端末の電波探知と移動経路推定により、全員分ではないものの、一定の割合(検知端末率)の移動経路や滞在時間等の情報を把握することができる。そして、これらの情報を組み合わせることで、端末を保有していない人も含めて、また、カメラの無い場所も含めて、対象エリア内の各定点や経路における実人数を推定できるという利点がある。
第2の効果は、場所や時間によって検知端末率が異なるようなケースでも、各々の場所や時間における実人数を「高精度に」推定できることである。その理由は、上述した実施形態の特徴として、実人数推定部において実人数を推定する際に、逐次的に、検知端末率の高い定点を通る経路から優先的に推定していくためである。すなわち、検知端末率(カウントした実人数に対する検知端末数の割合)の高い定点の情報から優先的に使用することで、確度の高い情報(すなわち、実人数に対して、実人数としてはカウントされているが保有端末は検知されず移動経路が不確定な人の割合が少ない情報)を優先的に用いることになるため、人数推定の確度も相対的に高くなるという利点がある。
なお、上述した第2の実施形態で説明したように、検知端末率として、カウントした実人数と検知端末数との差分を用いる場合も、上記同様に、確度の高い情報(すなわち、実人数としてはカウントされているが保有端末は検知されず移動経路が不確定な人の絶対数が少ない情報)を優先的に用いることになるため、人数推定の確度が相対的に高くなるという利点もある。
また、第2の実施形態で説明したように、実人数推定部において実人数を推定する際に、一意に実人数を決定できる経路から優先的に実人数を推定することによって、不確定要素が少なく、確度のより高い情報(移動経路を限定でき、ある経路を通って移動した端末数と実人数の組合せが一意に決定できる情報)を積極的に用いることができる。結果として、確度の高い情報から順に用いて実人数が推定され、確度の低い情報を用いて推定するときには推定範囲が限定されることになるため、より確度の高い人数推定結果を得られる可能性が高くなるという利点もある。
第3の効果は、場所や時間によって検知端末率が異なるようなケースでも、カメラ等を用いて定点ごとにカウントした実人数の実測値に対して、上述した実施形態における人数推定方法による推定値が超過するなどの矛盾が生じにくいことである。その理由は、検知端末率の高い(すなわち、移動経路が不確定な人数またはその割合の少ない)情報から優先的に推定し、更にその推定結果を全体から削除する、という処理を逐次的に繰り返す処理方法であるためである。すなわち、確度の高い情報(誤差の小さい情報)から順に決定でき、確度の低い情報(誤差の大きい可能性がある情報)を推定するときには推定範囲が限定されていく処理フローのため(誤差が相対的に小さくなっていくため)、矛盾が生じにくいためである。
<<6.他の形態>>
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
無線端末の移動経路に関する情報を推定する端末経路推定部と、
複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントする対象物数カウント部と、
前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出する検知端末率算出部と、
前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定する対象物数推定部と、
を備える、対象物数推定システム。
(付記2)
前記対象物数推定部は、前記検知端末率の高い定点を含む経路から、対象物数を推定する、付記1記載の対象物数推定システム。
(付記3)
前記対象物数推定部は、一意に対象物数を決定可能な移動経路から、対象物数を推定する、付記1又は2記載の対象物数推定システム。
(付記4)
前記対象物数推定部は、対象物数の推定済み移動経路に関する情報を削除して、逐次的に対象物数を推定する処理を繰り返す、付記1乃至3のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記5)
前記対象物数推定部は、前記推定済み移動経路に関する情報に含まれない1以上の定点ごとに、検知端末率を再算出することにより、逐次的に検知端末率を算出する処理を繰り返す検知端末率再算出部を有する、付記4記載の対象物数推定システム。
(付記6)
前記検知端末率算出部は、前記対象物数カウント部でカウントした対象物数に対する、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数の割合を、前記検知端末率として算出する、付記1乃至5のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記7)
前記検知端末率算出部は、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と、前記対象物数カウント部でカウントした対象物数との差を、前記検知端末率として算出する、付記1乃至5のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記8)
前記端末経路推定部は、複数の電波センサにて取得した受信信号強度を用いることにより、前記無線端末の移動経路に関する前記情報を推定する、付記1乃至7のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記9)
前記対象物数カウント部は、カメラにて取得した画像または映像を用いて、画像解析または映像解析により、対象物数をカウントする、付記1乃至8のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記10)
前記対象物数は実人数である、付記1乃至9のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
(付記11)
無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
を含む、対象物数推定方法。
(付記12)
無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
をプロセッサに実行させるプログラム。
(付記13)
無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
をプロセッサに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
この出願は、2018年6月13日に出願された日本出願特願2018−112965を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
対象物数のカウント数が少ないようなエリアがあっても、高精度で対象物数を推定することができる。
100、101 人数推定システム
102 対象物数推定システム
20、320 端末経路推定部
30 実人数カウント部
40、41、340 検知端末率算出部
50、51 実人数推定部
330 対象物数カウント部
350 対象物数推定部

そして、図12()において、人数を推定済みの経路A→D→Fと経路A→Gの情報を、推定済み経路情報削除部74により削除される(ステップS14)。具体的には、経路A→D→Fの検知端末数80、実人数100人が削除されるため、経路D→Fは検知端末数20となり、定点Fは検知端末数30、実人数120となる。そして、更新された定点の情報を基に、検知端末率再算出部75が、推定済み経路に含まれない各々の定点について、検知端末率を再算出する(ステップS15)。本例の場合、定点Fの検知端末率は、30−120=”−90人”(25%)と更新される。

Claims (13)

  1. 無線端末の移動経路に関する情報を推定する端末経路推定部と、
    複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントする対象物数カウント部と、
    前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出する検知端末率算出部と、
    前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定する対象物数推定部と、
    を備える、対象物数推定システム。
  2. 前記対象物数推定部は、前記検知端末率の高い定点を含む経路から、対象物数を推定する、請求項1記載の対象物数推定システム。
  3. 前記対象物数推定部は、一意に対象物数を決定可能な移動経路から、対象物数を推定する、請求項1又は2記載の対象物数推定システム。
  4. 前記対象物数推定部は、対象物数の推定済み移動経路に関する情報を削除して、逐次的に対象物数を推定する処理を繰り返す、請求項1乃至3のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  5. 前記対象物数推定部は、前記推定済み移動経路に関する情報に含まれない1以上の定点ごとに、検知端末率を再算出することにより、逐次的に検知端末率を算出する処理を繰り返す検知端末率再算出部を有する、請求項4記載の対象物数推定システム。
  6. 前記検知端末率算出部は、前記対象物数カウント部でカウントした対象物数に対する、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数の割合を、前記検知端末率として算出する、請求項1乃至5のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  7. 前記検知端末率算出部は、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と、前記対象物数カウント部でカウントした対象物数との差を、前記検知端末率として算出する、請求項1乃至5のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  8. 前記端末経路推定部は、複数の電波センサにて取得した受信信号強度を用いることにより、前記無線端末の移動経路に関する前記情報を推定する、請求項1乃至7のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  9. 前記対象物数カウント部は、カメラにて取得した画像または映像を用いて、画像解析または映像解析により、対象物数をカウントする、請求項1乃至8のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  10. 前記対象物数は実人数である、請求項1乃至9のうち何れか1項記載の対象物数推定システム。
  11. 無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
    複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
    前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
    前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
    を含む、対象物数推定方法。
  12. 無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
    複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
    前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
    前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
    をプロセッサに実行させるプログラム。
  13. 無線端末の移動経路に関する情報を推定することと、
    複数の定点のそれぞれに位置する対象物数をカウントすることと、
    前記複数の定点のそれぞれについて、前記無線端末の移動経路に関する前記情報に基づいた無線端末数と前記対象物数との関係を表す検知端末率を算出することと、
    前記複数の定点のうちの1以上の定点を通過する移動経路ごとに優先順位を決定し、優先順位の高い移動経路から、前記検知端末率に基づいて、当該移動経路を移動する対象物数を逐次推定することと、
    をプロセッサに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。

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