JPWO2019216443A1 - ガラス繊維強化樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

高い機械的強度を備え、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される、ガラス繊維強化樹脂成形品を提供する。ガラス繊維強化樹脂成形品は、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維が、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、前記ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2,L及びCが下記式(1)を満たす。1200.0 ≦ C×L2/(D1×D22)≦ 2550.0 ・・・(1)

Description

本発明は、ガラス繊維強化樹脂成形品に関する。
従来、ガラス繊維は、樹脂成形品の性能を向上させるために種々の用途で広く用いられている。ここで、ガラス繊維により向上する主な性能の一つとして、ガラス繊維強化樹脂成形品の引張強度や曲げ強度といった機械的強度が挙げられる。これまで、ガラス繊維の繊維径(通常、ガラス繊維は複数本のガラスフィラメントが集束されて構成されており、このガラスフィラメントの平均直径をガラス繊維の繊維径という。)、ガラス繊維強化樹脂成形品中のガラス繊維の長さ、ガラス繊維強化樹脂成形品中のガラス含有量、ガラスフィラメントの断面形状といった、ガラス繊維の諸特徴がガラス繊維強化樹脂成形品の機械的強度に与える影響が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
また、下記特許文献2には、ガラス繊維強化樹脂成形品であって、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の繊維径D(μm)が3.0〜12.0μmの範囲にあり、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が160〜350μmの範囲にあり、ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維体積含有率V(%)が3.0〜50.0%の範囲にあり、前記D、L及びVが下記式(6)を満たすことを特徴とするガラス繊維強化樹脂成形品が記載されている。
300.0 ≦ D×L/V ≦ 1000.0 ・・・(6)
特開2008−095066号公報 WO2018/159861
近年、金属代替材料として、自動車分野におけるガラス繊維強化樹脂成形品の使用が拡大している。自動車分野においては、運転者の安全性や部品の耐久性を確保するために、ガラス繊維強化樹脂成形品に高い機械的強度(例えば、引張強度及び曲げ強度)が求められる。
従来、ガラス繊維強化樹脂成形品の機械的強度を高めるために、ガラス繊維強化樹脂成形品中に存在するガラス繊維の繊維長を長くすることが検討されている。例えば、特許文献1では、連続繊維である、ガラス繊維ロービングに、樹脂溶融物を含浸させて得られる、長繊維強化樹脂ペレットを用いて、ガラス繊維強化樹脂成形品中に存在するガラス繊維の重量平均繊維長を1mm以上としている。
しかしながら、長繊維強化樹脂ペレットを用いた場合、ガラス繊維強化樹脂成形品中で、一部のガラス繊維(なお、ガラス繊維は、通常、複数本のガラスフィラメントが束ねられて形成されている)が、ガラスフィラメントの状態にまで分散せず、ガラスストランド(ガラスフィラメントが複数本束ねられた形態)の状態で残存する、未分散と呼ばれる状態が発生し易くなる。未分散が発生した場合には、ガラス繊維強化樹脂成形品中で部位によって強度のムラが生じるおそれがある、特に自動車の外装部品等大型のガラス繊維強化樹脂成形品中では、強度のムラが応力集中を招き、ガラス繊維強化樹脂成形品全体の安全性及び耐久性を低下させるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機械的強度が高く、ガラス繊維の未分散の発生が抑制された、ガラス繊維強化樹脂成形品を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のガラス繊維強化樹脂成形品は、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維が、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(1)を満たすことを特徴とする。
1200.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2550.0 ・・・(1)
本発明のガラス繊維強化樹脂成形品によれば、前記D1、D2、L及びCが上述した範囲にあり、上記式(1)の条件を満たすことで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される。ここで、高い機械的強度を備えるとは、ガラス繊維強化樹脂成形品の引張強度が250MPa超であり、かつ、曲げ強度が400MPa超であることを意味する。
また、本発明のガラス繊維強化樹脂成形品は、前記D1が3.5μm以上6.4μm以下の範囲にあり、前記D2が14.0μm以上26.0μm以下の範囲にあり、前記Lが200μm以上350μm以下の範囲にあり、前記Cが52.0wt%以上75.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(2)を満たすことが好ましい。
1700.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2300.0 ・・・(2)
本発明のガラス繊維強化樹脂成形品によれば、前記D1、D2、L及びCが上述した範囲にあり、かつ、上記式(2)の条件を満たすことで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、より高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される。ここで、より高い機械的強度を備えるとは、ガラス繊維強化樹脂成形品の引張強度が260MPa以上であり、かつ、曲げ強度が400MPa超であることを意味する。
また、本発明のガラス繊維強化樹脂成形品は、前記D1が4.0μm以上6.0μm以下の範囲にあり、前記D2が16.0μm以上24.0μm以下の範囲にあり、前記Lが205μm以上300μm以下の範囲にあり、前記Cが53.0wt%以上70.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(3)を満たすことが好ましい。
1980.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2180.0 ・・・(3)
本発明のガラス繊維強化樹脂成形品によれば、前記D1、D2、L及びCが上述した範囲にあり、かつ、上記式(3)の条件を満たすことで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、より高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制され、さらに、優れた流動性を備える。
本発明のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれる樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリアリールケトン樹脂及び液晶ポリマー(LCP)からなる群から選択される射出成形用熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリアミド樹脂であることがより好ましい。
上記射出成形用熱可塑性樹脂を用いることにより、大型のガラス繊維強化樹脂成形品の製造を効率的に行うことができる。特に、ポリアミド樹脂は、強度、耐熱性のバランスに優れることから、自動車車体の金属代替材料に適しており、本発明のガラス繊維強化樹脂成形品を用いることによる、製造効率の向上効果が大きい。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維が、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(1)を満たすことを特徴とする。
1200.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2550.0 ・・・(1)
本発明のガラス繊維強化樹脂成形品によれば、前記D1、D2、L及びCが上述した範囲にあることで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される。ここで、高い機械的強度を備えるとは、ガラス繊維強化樹脂成形品の引張強度が250MPa超であり、かつ、曲げ強度が400MPa超であることを意味する。
なお、本発明において、引張強度、及び、曲げ強度は、それぞれ下記の方法で測定できる。なお、測定に使用する装置に関しては、下記に記載した装置と同等の性能があるものであれば特に限定されない。
[引張強度]
JIS K 7165:2008に準じたA型ダンベル試験片(厚さ4mm)について、試験温度23℃の条件で、精密万能試験機((株)島津製作所製、商品名:オートグラフAG−5000B)を用いて、JIS K 7165:2008に準拠した静的引張試験を行い、引張強度を測定する。
[曲げ強度]
前記試験片について、試験温度23℃の条件で、精密万能試験機((株)島津製作所製、商品名:オートグラフAG−5000B)を用いて、JIS K 7171:2016に準拠した静的引張試験を行い、曲げ強度を測定する。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の短径D1が、3.0μm未満であると、ガラス繊維及びガラス繊維強化樹脂成形品の製造工程において製造者の健康に悪影響を与えることが懸念される。一方、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の短径D1が、10.5μm超であると、高い機械的強度を備えるガラス繊維強化樹脂成形品を得ることができない。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の長径D2が、11.0μm未満であり、かつ、扁平な断面形状を備えるガラス繊維を製造することは困難である。一方、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の長径D2が、29.0μm超であると、高い機械的強度を備えるガラス繊維強化樹脂成形品を得ることができない。
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維強化樹脂成形品の表面平滑性が向上することから、ガラス繊維の短径D1は、3.5μm以上6.4μm以下であることが好ましく、4.0μm以上6.0μm以下であることがより好ましく、4.5μm以上5.5μm以下であることがさらに好ましい。ガラス繊維の長径D2は、ガラス繊維強化樹脂成形品の表面平滑性が向上することから、14.0μm以上26.0μm以下であることが好ましく、16.0μm以上24.0μm以下であることがより好ましく、18.0μm以上22.0μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維の短径及び長径は、例えば、まず、ガラス繊維強化樹脂成形品の断面を研磨し、次いで、電子顕微鏡を用いて、ガラスフィラメント100本以上につき、ガラスフィラメント断面の略中心を通る最長の辺を長径とし、該長径とガラスフィラメント断面の略中心で直交する辺を短径として、それぞれの長さを測定し、これらの平均値を求めることで算出することができる。
なお、ガラス繊維は、通常、複数本のガラスフィラメントが集束されて形成されているが、ガラス繊維強化樹脂成形品においては、成形加工を経ることにより前記集束が解かれ、ガラスフィラメントの状態で、ガラス繊維強化樹脂成形品中に分散して存在している。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の短径D1に対する長径D2の比(D2/D1)は、例えば、1.2以上10.0以下の範囲にあり、1.8以上8.0以下の範囲にあることが好ましく、2.0以上6.0以下の範囲にあることがより好ましく、2.5以上5.5以下の範囲にあることがさらに好ましく、3.0以上5.0以下の範囲にあることが特に好ましく、3.3以上4.5以下の範囲にあることが最も好ましい。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維が備える扁平な断面形状としては、例えば、長円形(長方形の短辺部分を、当該短辺を直径とする半円にそれぞれ置換した形状)、楕円形、及び、長方形を挙げることができ、ガラス繊維強化樹脂成形品の流動性向上に寄与することから、長円形が好ましい。なお、ここで、ガラス繊維の断面とは、ガラス繊維の繊維長方向に垂直な横断面を意味する。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の数平均繊維長Lは、1μm以上10000μm以下の範囲をとりうるが、ガラス繊維の数平均繊維長Lが195μm未満であると、高い機械的強度を備えるガラス繊維強化樹脂成形品を得にくくなる。一方、ガラス繊維の数平均繊維長Lが400μm以上であると、ガラス繊維強化樹脂成形品中にガラス繊維の未分散が発生するおそれがある。
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維の数平均繊維長Lは、200μm以上350μm以下であることが好ましく、205μm以上300μm以下であることがより好ましく、210μm以上290μm以下であることがさらに好ましく、215μm以上285μm以下であることが特に好ましく、220μm以上280μm以下であることがとりわけ好ましく、225μm以上275μm以下であることが極めて好ましく、230μm以上270μm以下であることが最も好ましい。
なお、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品における、ガラス繊維の数平均繊維長は、以下の方法により算出することができる。まず、ガラス繊維強化樹脂成形品を、650℃のマッフル炉で0.5〜24時間加熱して有機物を分解する。次いで、残存するガラス繊維をガラスシャーレに移し、アセトンを用いてガラス繊維をシャーレの表面に分散させる。次いで、シャーレ表面に分散したガラス繊維1000本以上について、実体顕微鏡を用いて繊維長を測定し、平均をとることで、ガラス繊維の数平均繊維長を算出する。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維含有率Cが50.0wt%以下であると、高い機械的強度を備えるガラス繊維強化樹脂成形品を得ることができない。一方、本発明のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維含有率Cが80.0wt%超であると、ガラス繊維強化樹脂成形品中にガラス繊維の未分散が発生するおそれがある。
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維含有率Cは、52.0wt%以上75.0wt%以下であることが好ましく、53.0wt%以上70.0wt%以下であることがより好ましく、55.0wt%以上65.0wt%以下であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率は、JIS K 7052:1999に準拠して算出することができる。
ガラス繊維の短径D1(μm)、ガラス繊維の長径D2(μm)ガラス繊維の繊維長L(μm)、及び、ガラス繊維含有率C(wt%)が、前記式(1)を満たさない場合、すなわち、C×L/(D1×D2)が1200未満であるか、2550超である場合には、高い機械的強度を備えるガラス繊維強化樹脂成形品を得ることができないか、ガラス繊維強化樹脂成形品中にガラス繊維の未分散が発生するおそれがある。
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、前記D1、D2、L及びCは、下記式(4)を満たすことが好ましい。
1600.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2350.0 ・・・(4)
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、前記D1、D2、L及びCは、下記式(2)を満たすことがより好ましい。C×L/(D1×D2)が下記式(2)を満たすことで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、より高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される。
1700.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2300.0 ・・・(2)
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、前記D1、D2、L及びCは、下記式(5)を満たすことがさらに好ましい。
1850.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2250.0 ・・・(5)
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、前記D1、D2、L及びCは、下記式(3)を満たすことが特に好ましい。C×L/(D1×D2)が下記式(3)を満たすことで、ガラス繊維強化樹脂成形品は、より高い機械的強度を備え、かつ、ガラス繊維の未分散の発生が抑制される。
1980.0≦C×L/(D1×D2)≦ 2180.0 ・・・(3)
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維を形成するガラスのガラス組成は特に限定されない。本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維がとりうるガラス組成としては、最も汎用的であるEガラス組成(ガラス繊維の全量に対し、酸化物換算で、52.0〜56.0wt%の範囲のSiOと、12.0〜16.0wt%の範囲のAlと、合計で20.0〜25.0wt%の範囲のMgO及びCaOと、5.0〜10.0wt%の範囲とBとを含む組成)、高強度高弾性率ガラス組成(ガラス繊維の全量に対し64.0〜66.0wt%の範囲のSiOと、24.0〜26.0wt%の範囲のAlと、9.0〜11.0wt%の範囲のMgOとを含む組成)、高弾性率易製造性ガラス組成(ガラス繊維の全量に対し、57.0〜60.0wt%の範囲のSiOと、17.5〜20.0wt%の範囲のAlと、8.5〜12.0wt%の範囲のMgOと、10.0〜13.0wt%の範囲のCaOと、0.5〜1.5wt%の範囲のBとを含み、かつ、SiO、Al、MgO及びCaOの合計量が98.0wt%以上である組成)、及び、低誘電率低誘電正接ガラス組成(ガラス繊維全量に対し、48.0〜62.0wt%の範囲のSiOと、Bを17.0〜26.0wt%の範囲のBと、9.0〜18.0wt%の範囲のAlと、0.1〜9.0wt%の範囲のCaOと、0〜6.0wt%の範囲のMgOと、合計0.05〜0.5wt%の範囲のNaO・KO・LiOと、0〜5.0wt%の範囲のTiOと、0〜6.0wt%の範囲のSrOと、合計0〜3.0wt%の範囲のF・Clと、0〜6.0wt%の範囲のPとを含む組成)を挙げることができる。ガラス繊維強化樹脂成形品の機械的強度を向上させるという観点からは、ガラス繊維のガラス組成は、前記高強度高弾性率ガラス組成、又は、高弾性率易製造性ガラス組成であることが好ましい。
なお、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維において、前述した各成分の含有量の測定は、軽元素であるLiについてはICP発光分光分析装置を用いて、その他の元素は波長分散型蛍光X線分析装置を用いて行うことができる。
測定方法としては、初めにガラスバッチ(ガラス原料を混合して調合したもの)、又は、ガラス繊維(ガラス繊維表面に有機物が付着している場合、又は、ガラス繊維が有機物(樹脂)中に主に強化材として含まれている場合には、例えば、300〜600℃のマッフル炉で2〜24時間程度加熱する等して、有機物を除去してから用いる)を白金ルツボに入れ、電気炉中で1550℃の温度に6時間保持して撹拌を加えながら溶融させることにより、均質な溶融ガラスを得る。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出してガラスカレットを作製した後、粉砕し粉末化する。軽元素であるLiについてはガラス粉末を酸で加熱分解した後、ICP発光分光分析装置を用いて定量分析する。その他の元素はガラス粉末をプレス機で円盤状に成形した後、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて定量分析する。これらの定量分析結果を酸化物換算して各成分の含有量及び全量を計算し、これらの数値から前述した各成分の含有量(質量%)を求めることができる。
前述のガラス組成を備えるガラス繊維は、以下のように製造される。初めに、ガラス原料となる鉱石に含まれる成分と各成分の含有率、及び、溶融過程における各成分の揮発量に基づき、前述の組成となるように調合されたガラス原料(ガラスバッチ)を溶融炉に供給し、例えば、1450〜1550℃の範囲の温度で溶融する。次に、溶融されたガラスバッチ(溶融ガラス)を所定の温度に制御された、ブッシングの1〜20000個のノズルチップから引き出して、急冷することで、ガラスフィラメントを形成する。次に、形成されたガラスフィラメントに、塗布装置であるアプリケーターを用いて集束剤又はバインダーを塗布し、集束シューを用いて、ガラスフィラメント1〜20000本を集束させながら、巻取り機を用いて、チューブに高速で巻取ることで、ガラス繊維が得られる。ここで、前記ノズルチップを、非円形形状を有し、溶融ガラスを急冷する突起部や切欠部を有するものとし、温度条件を制御することで、扁平な断面形状を有するガラスフィラメントが得られる。また、ノズルチップの径や、巻取り速度、及び、温度条件等を調整することで、ガラス繊維の短径D1(μm)及び長径D2(μm)を調整することができる。例えば、巻取り速度を速くすることで、短径D1及び長径D2を小さくすることができ、巻取り速度を遅くすることで、短径D1及び長径D2を大きくすることができる。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維は、ガラス繊維と樹脂との接着性の向上、ガラス繊維と樹脂又は無機材料中との混合物中におけるガラス繊維の均一分散性の向上等を目的として、その表面を有機物で被覆されてもよい。このような有機物としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、変性ポリプロピレン(特にカルボン酸変性ポリプロピレン)、(ポリ)カルボン酸(特にマレイン酸)と不飽和単量体との共重合体等を挙げることができる。
また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維は、これらの樹脂に加えて、シランカップリング剤、潤滑剤、界面活性剤等を含む樹脂組成物で被覆されていてもよい。このような樹脂組成物は、樹脂組成物に被覆されていない状態における、ガラス繊維の質量を基準として、0.1〜2.0wt%の割合で、ガラス繊維を被覆する。なお、有機物によるガラス繊維の被覆は、例えば、ガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、前記樹脂溶液又は前記樹脂組成物溶液を含む前記集束剤又はバインダーをガラス繊維に塗布し、その後、樹脂溶液又は樹脂組成物溶液の塗布されたガラス繊維を乾燥させることで行うことができる。
ここで、シランカップリング剤としては、アミノシラン(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等)、クロルシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシシラン(β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、メルカプトシラン(γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のγ−メルカプトトリメトキシシラン等)、ビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、アクリルシラン(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、カチオニックシラン(N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等)が挙げられる。前記シランカップリング剤は、これらの化合物を単独で使用することもでき、又は、2種類以上を併用することもできる。
潤滑剤としては、変性シリコーンオイル、動物油(牛脂等)及びこの水素添加物、植物油(大豆油、ヤシ油、ナタネ油、パーム油、ひまし油等)及びこの水素添加物、動物性ワックス(蜜蝋、ラノリン等)、植物性ワックス(キャンデリラワックス・カルナバワックス等)、鉱物系ワックス(パラフィンワックス、モンタンワックス等)、高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールとの縮合物(ラウリルステアレート等のステアリン酸エステル等)、ポリエチレンイミン、ポリアルキルポリアミンアルキルアマイド誘導体、脂肪酸アミド(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリエチレンポリアミンと、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸との脱水縮合物等)、第4級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩等)が挙げられる。前記潤滑剤は、これらを単独で使用することもでき、又は、2種類以上を併用することもできる。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤は、これらを単独で使用することもでき、又は、2種類以上を併用することもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、アルキルポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンキャスターオイルエーテル、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、高級アルキルアミン塩(酢酸塩や塩酸塩等)、高級アルキルアミンへのエチレンオキサイド付加物、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとの縮合物、高級脂肪酸とアルカノールアミンとのエステルの塩、高級脂肪酸アミドの塩、イミダゾリン型カチオン性界面活性剤、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸ハライドとN−メチルタウリンとの反応生成物、スルホコハク酸ジアルキルエステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノプロピオン酸アルカリ金属塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルベタイン等のベタイン型、イミダゾリン型両性界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、前述のガラス繊維に加えて、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、及び、ガラス繊維以外の添加剤を含む。本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の含有率は、例えば、20.0質量%以上50.0wt%未満である。また、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品において、ガラス繊維以外の添加剤の含有率は、例えば、0〜25.0wt%である。
ここで、前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン/無水マレイン酸樹脂、スチレン/マレイミド樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、塩素化ポリエチレン/アクリロニトリル/スチレン(ACS)樹脂、アクリロニトリル/エチレン/スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸メチル(ASA)樹脂、スチレン/アクリロニトリル(SAN)樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリカーボネート、ポリアリーレンサルファイド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリールケトン、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミノビスマレイミド(PABM)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、アイオノマー(IO)樹脂、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン樹脂、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、オレフィン/ビニルアルコール樹脂、環状オレフィン樹脂、セルロース樹脂、ポリ乳酸等を挙げることができる。
具体的に、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。
ポリプロピレンとしては、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリスチレンとしては、アタクチック構造を有するアタクチックポリスチレンである汎用ポリスチレン(GPPS)、GPPSにゴム成分を加えた耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、シンジオタクチック構造を有するシンジオタクチックポリスチレン等が挙げられる。
メタクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、脂肪酸ビニルエステルのうち一種を単独重合した重合体、又は二種以上を共重合した重合体等が挙げられる。
ポリ塩化ビニルとしては、従来公知の乳化重合法、懸濁重合法、マイクロ懸濁重合法、塊状重合法等の方法により重合される塩化ビニル単独重合体、または、塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体、または、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト重合したグラフト共重合体等が挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリキシレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ナイロンPXD6)、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ナイロン4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロン5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)、ポリテトラメチレンイソフタルアミド(ナイロン4I)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテレフタルアミド(ナイロンPACMT)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド(ナイロンPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ナイロンPACM14)等の成分のうち1種、もしくは2種以上の複数成分を組み合わせた共重合体やこれらの混合物等を挙げることができる。
ポリアセタールとしては、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とする単独重合体、および、主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を含有する共重合体等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸またはその誘導体と、エチレングリコールを重縮合することにより得られる重合体等が挙げられる。
ポリブチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸またはその誘導体と、1,4−ブタンジオールを重縮合することにより得られる重合体等が挙げられる。
ポリトリメチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸またはその誘導体と、1,3−プロパンジオールを重縮合することにより得られる重合体等が挙げられる。
ポリカーボネートとしては、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを溶融状態で反応させるエステル交換法により得られる重合体、又は、ジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとを反応するホスゲン法により得られる重合体が挙げられる。
ポリアリーレンサルファイドとしては、直鎖型ポリフェニレンサルファイド、重合の後に硬化反応を行うことで高分子量化した架橋型ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドサルフォン、ポリフェニレンサルファイドエーテル、ポリフェニレンサルファイドケトン等が挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとポリスチレンとのポリマーアロイ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン/ブタジエン共重合体とのポリマーアロイ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン/無水マレイン酸共重合体とのポリマーアロイ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとポリアミドとのポリマーアロイ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体とのポリマーアロイ等が挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEE・BR>JK)等が挙げられる。
液晶ポリマー(LCP)としては、サーモトロピック液晶ポリエステルである芳香族ヒドロキシカルボニル単位、芳香族ジヒドロキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、脂肪族ジヒドロキシ単位、脂肪族ジカルボニル単位等から選ばれる1種以上の構造単位からなる(共)重合体等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、フッ化エチレンテトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、ポリビニルフロライド(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)等が挙げられる。
アイオノマー(IO)樹脂としては、オレフィンまたはスチレンと不飽和カルボン酸との共重合体であって、カルボキシル基の一部を金属イオンで中和してなる重合体等が挙げられる。
オレフィン/ビニルアルコール樹脂としては、エチレン/ビニルアルコール共重合体、プロピレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物、プロピレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物等が挙げられる。
環状オレフィン樹脂としては、シクロヘキセン等の単環体、テトラシクロペンタジエン等の多環体、環状オレフィンモノマーの重合体等が挙げられる。
ポリ乳酸としては、L体の単独重合体であるポリL−乳酸、D体の単独重合体であるポリD−乳酸、またはその混合物であるステレオコンプレックス型ポリ乳酸等が挙げられる。
セルロース樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等を挙げることができる。
また、前記熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ(EP)樹脂、メラミン(MF)樹脂、フェノール樹脂(PF)、ウレタン樹脂(PU)、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、ポリイミド(PI)、ユリア(UF)樹脂、シリコン(SI)樹脂、フラン(FR)樹脂、ベンゾグアナミン(BR)樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ジアリルフタレート樹脂(PDAP)等を挙げることができる。
具体的に、不飽和ポリエステルとしては、脂肪族不飽和ジカルボン酸と脂肪族ジオールをエステル化反応させることで得られる樹脂が挙げられる。
ビニルエステル樹脂としては、ビス系ビニルエステル樹脂、ノボラック系ビニルエステル樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシリデンビスフェノール型エポキシ樹脂)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタンノボラック型エポキシ樹脂,縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂やフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
メラミン樹脂としては、メラミン(2,4,6‐トリアミノ‐1,3,5‐トリアジン)とホルムアルデヒドとの重縮合からなる重合体が挙げられる。
フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、メチロール型レゾール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、または、アリールアルキレン型フェノール樹脂等が挙げられ、この中の一種、もしくは、二種以上を組み合わせたものが挙げられる。
ユリア樹脂としては、尿素とホルムアルデヒドとの縮合によって得られる樹脂が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂又は前記熱硬化性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
大型のガラス繊維強化樹脂成形品の製造を効率的に行うことが可能となることから、本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品で用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、射出成形用熱可塑性樹脂であることがより好ましく、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリアリールケトン樹脂及び液晶ポリマー(LCP)からなる群から選択される樹脂であることがさらに好ましく、ポリアミド樹脂であることが特に好ましい。
前記ガラス繊維以外の添加剤としては、ガラス繊維以外の強化繊維(例えば、炭素繊維、金属繊維等)、ガラス繊維以外の充填剤(例えば、ガラスパウダー、タルク、マイカ等)、難燃剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、流動性改良剤、アンチブロッキング剤、潤滑剤、核剤、抗菌剤、顔料等を挙げることができる。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、前述のガラス繊維、前述の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、及び、前述のガラス繊維以外の添加剤からなる混合物を、射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、中空成形法、発泡成形法(超臨界流体発泡成形法含む)、インサート成形法、インモールドコーティング成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法、スタンピング成形法、インフュージョン法、ハンドレイアップ法、スプレイアップ法、レジントランスファーモールディング法、シートモールディングコンパウンド法、バルクモールディングコンパウンド法、プルトルージョン法、フィラメントワインディング法等の公知の成形法から、樹脂及び添加剤の特性やガラス繊維強化樹脂成形品の用途に合わせて適宜選択される成形法によって成形することで得ることができる。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、射出成形法により得られた、ガラス繊維強化樹脂射出成形品であることが好ましい。射出成形法は、他の成形法に比べ成形サイクルに優れているため、大型のガラス繊維強化樹脂成形品の効率的な製造に適している。
この中でも、ガラス繊維を含有する熱可塑性樹脂ペレットを用いた射出成形法が好ましく採用される。この場合、熱可塑性樹脂ペレットに含有させるガラス繊維としては、ガラス繊維を構成するガラスフィラメントの本数(集束本数)が好ましくは1〜20000本、より好ましくは50〜10000本、さらに好ましくは1000〜8000本のガラス繊維(ガラス繊維束又はガラスストランドともいう)を、長さが好ましくは1.0〜30,0mm、より好ましくは2.0〜15.0mm、さらに好ましくは2.3〜7.8mmに切断したチョップドストランドが好ましく採用される。なお、ガラス繊維の形態としては、チョップドストランド以外に、例えば、ガラス繊維を構成するガラスフィラメントの本数が10〜30000本で、切断を行わない、ロービングや、ガラス繊維を構成するガラスフィラメントの本数が1〜20000本で、ボールミル又はヘンシルミキサー等の公知の方法により長さ0.001〜0.900mmになるように粉砕した、カットファイバーが挙げられる。
熱可塑性樹脂ペレットの製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記のようなチョップドストランドと、熱可塑性樹脂とを、使用される熱可塑性樹脂にあわせた公知の混練条件で、二軸混練機等を用いて、溶融混練し、押出成形することによって製造することができる。そして、この熱可塑性樹脂ペレットを用いて、使用される熱可塑性樹脂にあわせた公知の射出成形条件で、射出成型機により射出成形することによって、ガラス繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)は、熱可塑性樹脂ペレットに含有させるチョップドストランドの長さや、ペレット作成から射出成形に至るまでの混練条件や、射出成形条件によって調整することができる。例えば、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)は、熱可塑性樹脂ペレット製造工程において、10〜1000rpmの範囲で、二軸混練時のスクリュ回転数を低くすることによって長くすることができ、二軸混練時のスクリュ回転数を高くすることによって短くすることができる。
本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品の用途としては、自動車の金属代替材料を挙げられるが、それに限定されない。本実施形態のガラス繊維強化樹脂成形品は、例えば、車両外装部材(バンパー、フェンダー、ボンネット、エアダム、ホイールカバー等)、車両内装部材(ドアトリム、天井材、コンビネーションスイッチ等)、車両エンジン周り部材(シリンダーヘッドカバー、オイルパン、エンジンカバー、インテークマニホールド、インテークエアーダクト、エアーパイプ、冷却ファン、チェーンガイド、テンショナー、エンジンマウント用オリフィス、インペラー、エアーフローメーター、イグニッションコイルカバー、アクチュエーターケース、クイックコネクター、エキゾーストマニホールド等)、車両電装部品、車両機構部品(ペダルモジュール、シフトレバーベース、プーリー、シールリング、ギア、軸受)、車両マフラー部品(消音部材等)、電子機器筐体、その他の電子部品(コネクタ、ソケット、LED、封止成形品)、及び、高圧タンク等に用いることができる。
次に本発明の実施例及び比較例を示す。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
まず、ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維の、ガラス繊維の断面形状、ガラス繊維の数平均繊維長及びガラス繊維含有率が、表1に示される実施例1〜2及び比較例1〜3となるように、ガラス繊維の短径・長径、ガラス繊維の断面形状、切断長(通常、1〜5mm程度)及び配合量(ガラス繊維の組成・短径・長径・断面形状・集束本数、及び、ガラス繊維の切断長さ・本数により、ガラス繊維強化樹脂成形品中のガラス繊維の重量は決定される)を調整したEガラス組成のガラスチョップドストランドと、ポリアミド樹脂PA6(宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン1015B)とを、スクリュ回転数を調整して、二軸混練機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−26SS)にて混練し、樹脂ペレットを作製した。次に、得られた樹脂ペレットを用い、射出成形機(日清樹脂工業(株)製、商品名:NEX80)により射出成形を行い、JIS K 7165:2008に準じたA型ダンベル試験片(厚さ4mm)を作成し、引張強度及び曲げ強度測定用試験片とした。
[比較例4〜6]
ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維の、ガラス繊維の断面形状、ガラス繊維の数平均繊維長及びガラス繊維含有率が、表1に示される比較例4〜6となるように、ガラス繊維の短径・長径、ガラス繊維の断面形状及び配合量を調整したEガラス組成のガラスロービングと、ポリアミド樹脂PA6(宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン1010X)とを、LFT製造装置(神戸製鋼(株)製)にてペレット化し、樹脂ペレットを作製した。次に、得られた樹脂ペレットを用い、射出成形機(日清樹脂工業(株)製、商品名:NEX80)により射出成形を行い、JIS K 7165:2008に準じたA型ダンベル試験片(厚さ4mm)を作成し、引張強度及び曲げ強度測定用試験片とした。
得られた試験片について、前述した方法で、成形品中に含まれるガラス繊維の数平均繊維長、成形品の引張強度及び曲げ強度をそれぞれ測定した。また、下記の方法で未分散の有無を評価した。さらに、実施例1〜3については、下記の方法で流動性の評価を行った。
なお、表1中、比較例2〜4においては、ガラス繊維の断面形状が円形であって、短径と長径とを区別できないが、便宜上、繊維径を短径D1及び長径D2として記入し、C×L/(D1×D2)を計算している。
[未分散の有無]
軟X線写真撮影装置(ソフテックス(株)製 TYPE M−60)で、前記A型ダンベル試験片の軟X線写真を撮影した。ガラスフィラメントの状態にまで分散せずに、ガラスストランドの状態で残存している塊状のガラス繊維が写真上で観察できた場合に「有」、そうでない場合に「無」として評価した。
[流動性]
ガラス繊維強化樹脂成形品を得るために調製されたガラス繊維含有樹脂ペレットを、小型電動射出成型機(住友重機械工業(株)製SE18−DUZ)でスパイラル巾5mm、スパイラル厚み3mmの寸法の金型に速度50mm/sの条件で射出し、圧力が150MPaとなる際のスパイラル長を測定した。スパイラル長が、30mm以上の場合に「A」、30mm未満の場合を「B」として評価した。
表1に示されるように、実施例1〜3に表される、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維は、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、前記ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(1)を満たしている。そして、上記実施例1〜3に表されるガラス繊維強化樹脂成形品は、引張強度が250MPa超であり、かつ、曲げ強度が400MPa超の高い機械的強度を備え、ガラス繊維の未分散の発生が抑制されているといえる。
1200.0 ≦ C×L/(D1×D2)≦ 2550.0 ・・・(1)
一方、比較例1〜6のガラス繊維強化樹脂成形品においては、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維が、上述の要件を満たさないため、高い機械的強度を実現されていないか、ガラス繊維の未分散が発生してしまっているといえる。
[実施例1、2、参考例、比較例1〜3]
まず、ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維の、ガラス繊維の断面形状、ガラス繊維の数平均繊維長及びガラス繊維含有率が、表1に示される実施例1、2、参考例及び比較例1〜3となるように、ガラス繊維の短径・長径、ガラス繊維の断面形状、切断長(通常、1〜5mm程度)及び配合量(ガラス繊維の組成・短径・長径・断面形状・集束本数、及び、ガラス繊維の切断長さ・本数により、ガラス繊維強化樹脂成形品中のガラス繊維の重量は決定される)を調整したEガラス組成のガラスチョップドストランドと、ポリアミド樹脂PA6(宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン1015B)とを、スクリュ回転数を調整して、二軸混練機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−26SS)にて混練し、樹脂ペレットを作製した。次に、得られた樹脂ペレットを用い、射出成形機(日清樹脂工業(株)製、商品名:NEX80)により射出成形を行い、JIS K 7165:2008に準じたA型ダンベル試験片(厚さ4mm)を作成し、引張強度及び曲げ強度測定用試験片とした。
得られた試験片について、前述した方法で、成形品中に含まれるガラス繊維の数平均繊維長、成形品の引張強度及び曲げ強度をそれぞれ測定した。また、下記の方法で未分散の有無を評価した。さらに、実施例1、2、参考例については、下記の方法で流動性の評価を行った。
表1に示されるように、実施例1、2、参考例に表される、ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維は、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、前記ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(1)を満たしている。そして、上記実施例1、2、参考例に表されるガラス繊維強化樹脂成形品は、引張強度が250MPa超であり、かつ、曲げ強度が400MPa超の高い機械的強度を備え、ガラス繊維の未分散の発生が抑制されているといえる。
1200.0 ≦ C×L/(D1×D2)≦ 2550.0 ・・・(1)
また、前記D1、D2、L及びCが下記式(2)を満たす上記実施例1,2は、更に高い引張強度を有している。
1700.0 ≦ C×L /(D1×D2 )≦ 2300.0 ・・・(2)

Claims (11)

  1. ガラス繊維強化樹脂成形品であって、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維は、短径D1が3.0μm以上10.5μm以下の範囲にあり、長径D2が11.0μm以上29.0μm以下の範囲にある扁平な断面形状を備え、前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれるガラス繊維の数平均繊維長L(μm)が195μm以上400μm未満の範囲にあり、前記ガラス繊維強化樹脂成形品におけるガラス繊維含有率C(wt%)が50.0wt%超80.0wt%以下の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(1)を満たすことを特徴とするガラス繊維強化樹脂成形品。
    1200.0 ≦ C×L/(D1×D2)≦ 2550.0 ・・・(1)
  2. 前記D1が3.5μm以上6.4μm以下の範囲にあり、前記D2が14.0μm以上26.0μm以下の範囲にあり、前記Lが200μm以上350μm以下の範囲にあり、前記Cが52.0〜75.0wt%の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維強化樹脂成形品。
    1700.0 ≦ C×L/(D1×D2)≦ 2300.0 ・・・(2)
  3. 前記D1が4.0μm以上6.0μm以下の範囲にあり、前記D2が16.0μm以上24.0μm以下の範囲にあり、前記Lが205μm以上300μm以下の範囲にあり、前記Cが53.0〜70.0wt%の範囲にあり、前記D1、D2、L及びCが下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項2に記載のガラス繊維強化樹脂成形品。
    1980.0 ≦ C×L/(D1×D2)≦ 2180.0 ・・・(3)
  4. 前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれる樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリアリールケトン樹脂及び液晶ポリマー(LCP)からなる群から選択される射出成形用熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品。
  5. 前記ガラス繊維強化樹脂成形品に含まれる樹脂は、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項4に記載のガラス繊維強化樹脂成形品。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む車両外装部材。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む車両内装部材。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む車両エンジン周り部材。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む車両機構部品。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む車両マフラー部品。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス繊維強化樹脂成形品を含む電子機器筐体。
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