JPWO2019211908A1 - 導波管スロットアレーアンテナ - Google Patents

導波管スロットアレーアンテナ Download PDF

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Abstract

第一の導波管部材1と第二の導波管部材4との間に誘電体基板7を設ける。第二の導波管部材4は水平偏波を放射するための複数のスロット6を備える。誘電体基板7には、管軸方向に対して斜めに配置した複数の線状導体8と、導波管壁面としての管壁導体10a,10bと、管軸方向に対して平行な垂直偏波放射スロットとして機能する導体除去部9を設ける。管壁導体10a,10bをビア11によって接続する。

Description

この発明は、水平偏波を放射すると共に垂直偏波を放射する直交偏波共用の導波管スロットアレーアンテナに関するものである。
近年、無線通信の通信可能領域の拡大及びレーダの探知距離の拡大の要求に加えて、周波数有効利用に対する要求が高まっており、その要求に応えるため、無線通信またはレーダに適用されるアンテナ装置として、低損失で高効率な直交偏波共用のアレーアンテナが求められている。
このような低損失で高効率化なアンテナ方式として、導波管スロットアレーアンテナがある。以下の特許文献1では、導波管の管軸方向に垂直な偏波(以下、垂直偏波と呼ぶ)を放射するスロットアレーと導波管の管軸方向に平行な偏波(以下、水平偏波と呼ぶ)を放射するスロットアレーを隣接して配列することで、直交偏波共用の導波管スロットアレーアンテナを構成する構造が開示されている。
特開2008−167246号公報
アレーアンテナの放射パターンは各素子アンテナの励振振幅分布に依存することが知られている。導波管スロットアレーアンテナでは、目的となる放射パターンを実現するよう、配列される各スロットからの放射電力量が所定の励振振幅分布となるように設計パラメータを調整する。上記従来の直交偏波導波管スロットアレーアンテナでは、垂直偏波を放射するスロットについては、スロット形状(長さ管軸中心からの距離)などをスロット毎に調整し、水平偏波を放射するスロットについては、主にアイリスの形状などを調整することで、放射電力量を調整することとなる。
通常、導波管スロットアレーアンテナの開発では、電磁界解析等を用いた設計、試作、放射パターン等の性能評価、この性能評価結果をもとにした構造修正(各スロットの形状修正による放射電力量の調整)による再試作と再評価といったアンテナ開発プロセスを経て、最終的に目的とする性能を実現する製品を作り上げる。特に、性能評価結果をもとにした構造修正による再試作と再評価のプロセスについては、目的とする性能を実現するまで数回繰り返し行われることが多い。
しかしながら、上記従来の導波管スロットアレーアンテナでは、特に、垂直偏波を放射するスロットに関してはスロット形状(長さと管軸中心からの距離)でしか放射電力量が調整できないため、再試作のたびに、スロット形状に修正を行った導波管を切削加工等で製造する必要があり、開発コストが高くなるといった課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、再試作の際に導波管の再製造の必要のない導波管スロットアレーアンテナを提供することを目的とする。
この発明に係る導波管スロットアレーアンテナは、第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有する第一の導波管部材と、第二の溝と同一幅で、第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、第三の溝と第二の溝とが対向して配置されると共に、第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられた第二の導波管部材と、第一の導波管部材と第二の導波管部材との間に設けられ、第一の溝と第二の溝を覆う誘電体基板と、誘電体基板の両面の、第一の導波管部材と第二の導波管部材に接する部分と第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、誘電体基板上の複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、管壁導体の第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、誘電体基板を介して両面の管壁導体を接続する複数のビアとを備えたものである。
この発明の導波管スロットアレーアンテナは、第一の導波管部材と第二の導波管部材との間に設けた誘電体基板に、管軸方向に対して斜めに配置された複数の線状導体と、導波管壁面としての管壁導体と、管軸方向に対して平行なスロットとして機能する導体除去部と、誘電体基板両面の管壁導体を接続するビアを設けたものである。これにより、誘電体基板上の導体パターンの修正のみで放射電力量の調整ができるため、アンテナ開発プロセスにおける再試作の際に、導波管の再製造が不要となる。
この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図である。 図3Aは、この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの誘電体基板の平面図、図3Bは図3AのA−A線断面図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの導波管断面形状を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの給電端子から高周波信号を入力した場合の管壁導体上の電流分布を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの給電端子から高周波信号を入力した場合の第三の溝の底面における電流分布を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの線状導体を設けた場合における給電端子から高周波信号を入力した場合の第三の溝の底面における電流分布を示す説明図である。 図8A〜図8Cは、それぞれ誘電体基板の線状導体部分の変形例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの変形例の斜視図である。 この発明の実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナの変形例の分解斜視図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図である。 図11のA−A線を通り導波管軸に平行な面での断面図である。 図11のB−B線を通り導波管軸に平行な面での断面図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの第一の給電導波管と第二の給電導波管とをz軸方向から見た説明図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの第一の給電導波管と第二の給電導波管の変形例をz軸方向から見た説明図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの変形例の断面図である。 この発明の実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの変形例の分解斜視図である。 この発明の実施の形態3による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。 この発明の実施の形態3による導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図である。 図19のA−A線を通り導波管軸に平行な面での断面図である。 図19のB−B線を通り導波管軸に平行な面での断面図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。また、図2に導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図を示す。
これら図1及び図2に示す導波管スロットアレーアンテナは、第一の導波管部材1、第二の導波管部材4、誘電体基板7を備える。第一の導波管部材1は、第一の溝2と第二の溝3を持つ管軸方向に対してE字状断面を有し、その一端が短絡壁で封止された長尺部材で、表面が導体で形成されている。第一の溝2と第二の溝3はそれぞれ第一の導波管下部と第二の導波管下部を構成している。第二の導波管部材4は、第三の溝5を持つ管軸方向に対してコ字状断面を有し、その一端が短絡壁で封止された長尺部材で、表面が導体で形成されている。また、第三の溝5の幅は第二の溝3の幅と同一に形成され、これら第三の溝5と第二の溝3が対向するよう配置されている。また、第二の導波管部材4における第三の溝5の底面から側面の一部まで、水平偏波放射のためのスロット6が複数設けられている。このスロット6は、その長手方向が第二の導波管部材4の管軸方向に対して垂直となるように設けられており、所定の間隔で複数配置されている。
図3Aは、誘電体基板7の平面図であり、図3Bは図3AのA−A線断面図である。誘電体基板7は、樹脂材料で成形された平板であり、第二の導波管部材4が配置される面には線状導体8が設けられ、表裏両面に、導体除去部9及び管壁導体10a,10bが形成され、さらにその内部にはビア11が形成されている。
線状導体8は、その長手方向が第二の導波管部材4の管軸方向に対して設定された角度だけ傾斜するよう形成され、かつ、スロット6の配置間隔に対応して複数配置されている。また、隣り合う線状導体8の傾斜角度は互いに逆方向になるように形成されている。
導体除去部9は、管壁導体10a,10bの導体パターンの一部を長辺と短辺からなる矩形状に複数除去して形成されており、それぞれの長手方向が第一の導波管部材1の管軸方向に対して平行になるように形成されている。また、隣り合う導体除去部9は、第一の溝2の管軸中心線に対して、互いに反対の位置となるよう、互い違いに配置される。
ビア11は、誘電体基板7の内部に形成され、管壁導体10aと管壁導体10bを導通するように、導体除去部9の周囲と、第一の導波管部材1と第二の導波管部材4とを接続する位置に所定の間隔で複数形成される。また、ビア11は隣接するビア間からの電磁界の漏れが無いように十分狭い間隔で設けられている。
管壁導体10a,10bは、第一の溝2を覆う部分と、第一の導波管部材1と第二の導波管部材4とが接する部分に形成される。
次に、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナの動作について説明する。
図4は、実施の形態1における導波管スロットアレーアンテナの導波管断面形状を示している。
図4において、第一の溝2の開放端と管壁導体10bは、接触面において電気的に接続されており、これにより第一の導波管12を形成している。管壁導体10bと第一の溝2の底面はそれぞれ第一の導波管12の幅の広い壁面を構成し、第一の溝2の側面はそれぞれ第一の導波管12の幅の狭い壁面を構成している。このとき、第一の導波管12は電界ベクトルがz軸方向を向く成分を基本モードとして有している。
一方、第二の溝3の開放端と第二の導波管部材4は、管壁導体10a,10b及びビア11により、接触面において電気的に接続されており、これにより第二の導波管13を形成している。このとき、第二の溝3の開放端と第三の溝5の開放端と管壁導体10a,10bとの接触面に対応する位置に配置されたビア11は第二の導波管13の内部を伝搬する高周波信号が外部に漏れ出さないように密に複数配置される。第二の溝3と第三の溝5のそれぞれの側面及び管壁導体10a,10bとビア11は第二の導波管13の幅の広い壁面を構成しており、第二の溝3の底面及び第三の溝5の底面は、それぞれ第二の導波管13の幅の狭い壁面を構成している。このとき、第二の導波管13は電界ベクトルがx軸方向を向く成分を基本モードとして有している。
第一の導波管12及び第二の導波管13を、短絡壁で封止されている箇所とは反対側に設けられた図示しない各給電端子から、それぞれ基本モードが導波管内部を伝搬するように高周波信号を入力する場合を考える。このとき、第一の導波管12及び第二の導波管13の一端は短絡壁となっているため、両導波管内部には、いわゆる定在波が励起されることとなる。
まず、第一の導波管12における動作を説明する。図5は、給電端子から高周波信号を入力した場合の、第一の導波管12の短絡壁付近における第一の導波管12の幅の広い壁面、すなわち管壁導体10b上における電流分布を示している。ただし、図5では導体除去部9を設けない場合の電流分布である。図5に示すように、短絡壁からλg/4の位置において、x軸方向に流れる電流強度は強くなり、λg/2周期で電流強度が強くなる部分が現れる(λgは入力した高周波信号の中心周波数での管内波長を示す)。ただし、電流の向きはλg/2毎に逆方向となる。
導体除去部9は、x軸方向に大きな電流が流れる位置に、その流れを遮るように配置される。すなわち、第一の導波管12の短絡壁からλg/4の位置に、第一の導波管12の管軸に対してその長手方向が平行になるように、かつ第一の導波管12の管軸中心線から所定の距離だけオフセットさせた位置に配置される。このような位置に配置された導体除去部9により、導体除去部9部分の電流が遮られ、結果として、導体除去部9上にx軸に平行な電界が励起される。最終的に、外部の空間には第一の導波管12の管軸に対して垂直な偏波、すなわち垂直偏波の電波が放射され、導体除去部9が垂直偏波放射スロットとして動作する。
このとき、隣り合う導体除去部9を第一の導波管12の管軸中心線に対して、互いに反対の位置となるよう、互い違いに配置することで、各導体除去部9から放射される電波の位相を同位相とすることができる。
また、各導体除去部9からの放射電力量は、第一の導波管12の管軸中心線からのオフセット量と各導体除去部9の大きさ(幅と長さ)で決まるため、所定の励振振幅分布となるように、各導体除去部9の位置と大きさが決定される。
導体除去部9の周囲に設けられた複数のビア11は、各導体除去部9に励起された電界が誘電体基板7の内部へ漏れ出すことを防止している。
次に、第二の導波管13における動作を説明する。図6は、給電端子から高周波信号を入力した場合の、第二の導波管13の短絡壁付近における第二の導波管13の幅の狭い壁面、すなわち第三の溝5の底面における電流分布を示している。ただし、図6では、スロット6及び線状導体8を設けない場合の電流分布である。図6に示すように、短絡壁からλg/4の位置において、x軸方向に流れる電流強度は強くなり、λg/2周期で電流強度が強くなる部分が現れる。ただし、電流の向きはλg/2毎に逆方向となる。
スロット6は、効率よく電波が外部に放射されるよう、x軸方向に大きな電流が流れる位置、すなわち、第二の導波管13の短絡壁からλg/4の位置に配置されるが、第二の導波管13の管軸方向に対して、その長手方向が垂直となるように配置されるため、このままではスロット6部分の電流を効率よく遮断することができない。
そこで、スロット6の直下に位置する誘電体基板7上に線状導体8を形成することで、第二の導波管13の内部の電磁界分布に擾乱を与える。図7は、線状導体8を設けた場合における、給電端子から高周波信号を入力した場合の、第二の導波管13の短絡壁付近における第二の導波管13の幅の狭い壁面、すなわち第三の溝5の底面における電流分布を示している。ただし、図7では、スロット6を設けない場合の電流分布である。線状導体8は、第二の導波管13の管軸方向に対して設定角度だけ傾斜して形成されているため、線状導体8上に励起される電流によって内部の電磁界分布が乱され、結果として、第二の導波管13の幅の狭い壁面上には、図7に示すように、第二の導波管13の管軸方向に対して斜め方向に流れる電流が生じる。スロット6により、この斜め方向に流れる電流は遮られ、結果として、スロット6上にy軸に平行な電界が励起され、最終的に外部の空間には第二の導波管13の管軸に対して平行な偏波、すなわち水平偏波の電波が放射される。
このとき、隣り合う線状導体8の傾斜角度を互いに逆方向になるように形成することで、スロット6上から放射される電波の位相を同位相とすることができる。
また、スロット6からの放射電力量は、スロット6の幅と長さ、線状導体8の幅と長さ、傾斜角度などで決まるため、所定の励振振幅分布となるように、スロット6及び線状導体8の形状が決定される。
このように、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナでは、第一の導波管部材1と、スロット6を設けた第二の導波管部材4とで、導体パターンを形成した誘電体基板7を挟んで構成され、誘電体基板7に設けた導体除去部9が垂直偏波放射スロットとして動作し、その位置と形状により垂直偏波の放射電力量を調整することができ、さらに線状導体8の形状により水平偏波の放射電力量を調整することができる。
すなわち、誘電体基板7上の導体パターン形状の修正のみで、放射電力量の調整ができるため、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナでは、アンテナ開発プロセスにおける再試作の際に、導波管の再製造が不要となり、結果として開発コストを低減することができる。
なお、図3Aに示す例では、それぞれの線状導体8を直線状の1本の導体パターンとし、これらをスロット6の直下に配置した。しかし、第二の導波管13の幅の狭い壁面上に管軸方向に対して斜め方向に流れる電流を発生することができれば、線状導体8の形状と導体パターンの本数は任意でよい。例えば、図8Aに示すように、複数の平行な直線状の導体パターンで構成してもよい。なお、ここで、線状導体8としての機能を有するものであれば、複数の導体パターンが完全に平行で無くても良い。また、図8Bに示すように直線状導体パターンの端部を屈曲させる構成、あるいは、図8Cに示すように、1本の直線状導体パターンの両側に、他端を管壁導体10aに接続するように2本の直線状の伸長導体を配置する構成であってもよい。図8Cに示す構成の場合、伸長導体は管軸方向に直交する方向に同一直線上となるよう設けられている。
図8Aの構成の場合、直線状導体パターンが1本だけの場合に比べて、放射電力量の調整の自由度を高めることができる。また、図8Bに示す構成の場合、直線状導体パターンの管軸方向の長さを短縮することができ、隣り合う線状導体8間の相互結合の影響を低減することができる。さらに、図8Cに示す構成の場合、線状導体8によって生じる寄生リアクタンス成分を両側に配置した伸長導体によってキャンセルさせることができることから、アンテナ設計を容易にすることができるといった効果がある。
また、図3Bに示すように、上記例では、線状導体8を誘電体基板7の管壁導体10aが位置する面のみに配置しているが、他方の面(管壁導体10bが位置する面)にも同様に配置し、両者をビア11によって接続するような構成としてもよい。
また、図1〜図3に示す例では、スロット6と導体除去部9を同数配置しているが、スロット6と導体除去部9との設置個数が異なってもよい。
また、図1〜図4に示した導波管スロットアレーアンテナでは、第一の導波管12は、その断面形状が長辺と短辺からなる、いわゆる矩形導波管であるが、図9及び図10に変形例として示すように、第一の溝2の管軸中心線上に設定突出長の障壁である第一のリッジ導体14を設け、第一の導波管12が、いわゆるリッジ導波管であるような構成としてもよい。なお、図9は変形例の斜視図、図10は変形例の分解斜視図である。
以上説明したように、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有する第一の導波管部材と、第二の溝と同一幅で、第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、第三の溝と第二の溝とが対向して配置されると共に、第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられた第二の導波管部材と、第一の導波管部材と第二の導波管部材との間に設けられ、第一の溝と第二の溝を覆う誘電体基板と、誘電体基板の両面の、第一の導波管部材と第二の導波管部材に接する部分と第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、誘電体基板上の複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、管壁導体の第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、誘電体基板を介して両面の管壁導体を接続する複数のビアとを備えたので、誘電体基板上の導体パターンの修正のみで放射電力量の調整ができるため、アンテナ開発プロセスにおける再試作の際に、導波管の再製造が不要となり、結果として開発コストを抑えることができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、複数の線状導体は、それぞれ複数の平行な直線状導体パターンからなるようにしたので、放射電力量の調整の自由度を高めることができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、複数の線状導体におけるそれぞれの線状導体の管軸方向に直交する方向の両側に、一端を管壁導体に接続し他端を線状導体方向に延伸した伸長導体を誘電体基板上に備えるようにしたので、線状導体によって生じる寄生リアクタンス成分を伸長導体によってキャンセルさせることができるため、アンテナ設計を容易にすることができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、線状導体両側の伸長導体は、それぞれ同一線上に設けられているようにしたので、さらに、アンテナ設計を容易にすることができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の溝の管軸方向に直交する方向の中央部に、管軸方向と平行なリッジ導体を備えたので、第一の導波管をリッジ導波管として構成することができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の導波管部材及び第二の導波管部材の管軸方向両端のうち、一端を短絡壁として他端を給電端子とし、複数の線状導体は、隣り合う線状導体の傾斜方向が管軸方向に対して互いに異なり、かつ、複数の導体除去部は、隣り合う導体除去部の位置が第一の溝の管軸方向中心線に対して互いに反対側になる配置としたので、複数のスロット上から放射される電波の位相を同位相とすることができ、かつ、複数の導体除去部から放射される電波の位相を同位相とすることができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、隣り合う導体除去部の中心間距離は、第一の溝と管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、隣り合うスロットの中心間距離は、第二の溝及び第三の溝と管壁導体とビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、短絡壁と短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、短絡壁と短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、第一の導波管及び第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であるようにしたので、垂直偏波の電波と水平偏波の電波を効率よく外部に放射することができる。
また、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナによれば、導波管スロットアレーアンテナをサブアレーとして、管軸方向と直交する方向に複数配列するようにしたので、管軸方向と直交する方向に密に配列したアンテナを得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、導波管中央部に導波管T分岐構造を設け、分岐する導波管を給電端子とする例である。図11は、実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。また、図12に導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図を示す。さらに、図13は図11のA−A線を通り導波管軸に平行な面での断面図を、図14は図11のB−B線を通り導波管軸に平行な面での断面図を示している。また、図15は、第一の給電導波管21と第二の給電導波管22とをz軸方向から見た説明図である。
これらの図に示すように、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナは、第一の導波管部材1a、第二の導波管部材4、誘電体基板7、線状導体8、導体除去部9、管壁導体10a,10b、ビア11、第一の給電導波管21、第二の給電導波管22を備えている。第一の導波管部材1aは、実施の形態1と同様に第一の溝2と第二の溝3とが形成され、かつ、その管軸方向両端が短絡壁で封止されている。また、第一の溝2と第二の溝3の底面の管軸方向中央部にそれぞれ矩形開口が形成され、それぞれの矩形開口に第一の給電導波管21と第二の給電導波管22が接続されている。第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22は、図15に示すように、断面形状が長辺と短辺からなる矩形の導波管であり、その管軸方向がz軸と平行となるように接続されている。また、第一の給電導波管21は、その幅の広い壁面がx軸に平行となるように設けられており、一方、第二の給電導波管22は、その幅の広い壁面がy軸に平行となるように設けられている。
線状導体8は、実施の形態1と同様に、その長手方向が第二の導波管部材4の管軸方向に対して所定の傾斜角度だけ傾いて形成され、スロット6の配置間隔に対応して複数配置されている。ただし、第二の給電導波管22に隣接する二つの線状導体パターンの傾斜角度は互いに同一方向になるように形成されており、その他の隣り合う二つの線状導体パターンの傾斜角度は互いに逆方向になるように形成されている。
これ以外の構成は実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナと同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナの動作について説明する。
実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナは、実施の形態1の導波管スロットアレーアンテナと同様に、第一の溝2と管壁導体10bは第一の導波管12を形成しており、第一の導波管12は電界ベクトルがz軸方向を向く成分を基本モードとして有している。また、第二の溝3と第二の導波管部材4は、実施の形態1の構成と同様に、管壁導体10a,10b及びビア11により、接触面において電気的に接続されており、これにより第二の導波管13を形成している。第二の導波管13は電界ベクトルがx軸方向を向く成分を基本モードとして有している。
ここで、第一の導波管12は、第一の給電導波管21における第一の導波管12への接続部とは反対側の開放端を、また、第二の導波管13は、第二の給電導波管22における第二の導波管13への接続部とは反対側の開放端を、それぞれ給電端子として、第一の給電導波管21あるいは第二の給電導波管22の基本モードが効率よく伝搬するように、高周波信号をそれぞれ入力する場合を考える。
まず、第一の導波管12における動作を説明する。第一の給電導波管21は電界ベクトルがy軸方向を向く成分を基本モードとして有し、第一の給電導波管21と第一の導波管12の接続部は、いわゆる導波管のE面T分岐構造をなしており、結果として、第一の給電導波管21から見て第一の導波管12の一方の短絡壁側と他方の短絡壁側には第一の導波管12の基本モードがそれぞれ逆位相で入力されることとなる。さらに、第一の導波管12の両端は短絡壁となっているため、その内部には、いわゆる定在波が励起される。
実施の形態1における動作と同様に、導体除去部9からは、外部の空間に、第一の導波管12の管軸に対して垂直な偏波、すなわち垂直偏波の電波が放射され、導体除去部9は垂直偏波放射スロットとして動作する。このとき、上述したように、第一の給電導波管21から見て第一の導波管12の両側には第一の導波管12の基本モードがそれぞれ逆位相で入力されるので、第一の給電導波管21に隣接する二つの導体除去部9は、これら導体除去部9から放射される電波の位相を同位相とするため、第一の導波管12の管軸中心線に対して、互いに反対の位置にくるように配置されている。さらに、実施の形態1と同様に、隣り合う導体除去部9を第一の導波管12の管軸中心線に対して、互いに反対の位置となるよう、互い違いに配置することで、各導体除去部9から放射される電波の位相を同位相としている。
次に、上記第二の導波管13における動作を説明する。第二の給電導波管22は電界ベクトルがx軸方向を向く成分を基本モードとして有し、第二の給電導波管22と第二の導波管13の接続部は、いわゆる導波管のH面T分岐構造をなしており、結果として、第二の給電導波管22から見て第二の導波管13の両側には第二の導波管13の基本モードがそれぞれ同位相で入力されることとなる。さらに、第二の導波管13の両端は短絡壁となっているため、その内部には、いわゆる定在波が励起される。
実施の形態1の場合と同様に、誘電体基板7上に設けられた線状導体8により導波管内部の電磁界分布が乱さることで、第二の導波管13の幅の狭い壁面上に管軸方向に対して斜め方向に流れる電流が生じ、スロット6がこれを遮ることで、最終的に、外部の空間に、第二の導波管13の管軸に対して平行な偏波、すなわち水平偏波の電波が放射される。
このとき、上述したように、第二の給電導波管22から見て第二の導波管13の両側には第二の導波管13の基本モードがそれぞれ同位相で入力されるので、第二の給電導波管22に隣接する二つのスロット6から放射される電波の位相を同位相とするため、これらスロットに対応する二つの線状導体8の線状導体パターンの傾斜角度は互いに同一方向となるように形成されている。一方、その他の線状導体パターンにおいては、隣り合う線状導体パターンの傾斜角度を互いに逆方向になるように形成することで、実施の形態1の場合と同様に、スロット6上から放射される電波の位相を同位相としている。
このように、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナでは、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22が接続された第一の導波管部材1aと、スロット6を設けた第二の導波管部材4とで、導体パターンを形成した誘電体基板7を挟んで構成され、誘電体基板7に設けた導体除去部9が垂直偏波放射スロットとして動作し、その位置と形状により垂直偏波の放射電力量を調整することができ、さらに、線状導体8の形状により水平偏波の放射電力量を調整することができる。すなわち、実施の形態2では、誘電体基板7の導体パターン形状のみで、垂直偏波あるいは水平偏波を放射する各スロットの放射電力量を調整することができるため、実施の形態1と同様に、開発コストを低減することができる。
さらに、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナでは、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22は、電波が放射される面とは反対側の面に接続されているため、サブアレーを2次元的に密に配列することが可能となる。すなわち、導波管スロットアレーアンテナでは、その給電端子には、分配合成回路または送受信機といったものが接続されるが一般的である。ここで、図11に示すような導波管スロットアレーアンテナをサブアレーとしてy軸方向に複数設置することを考えた場合、給電端子となる第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22は、電波が放射される面とは反対側に位置することから、分配合成回路または送受信機の構成がy軸方向への配列には影響しないことになる。従って、サブアレーをx軸方向だけでなく、y軸方向にも密に配列することが可能となる。
なお、図11〜図14に示す例では、第一の導波管12の中央部に第一の給電導波管21を接続しているが、配列された複数の導体除去部9のうち、任意の隣り合う二つの導体除去部9の中間部に対応する位置において、第一の給電導波管21を第一の導波管12に接続してもよい。同様に、図11〜図14では、第二の導波管13の中央部に第二の給電導波管22を接続しているが、配列された複数のスロット6のうち、任意の隣り合う二つのスロット6の中間部に対応する位置において、第二の給電導波管22を第二の導波管13に接続してもよい。これにより、給電端子の位置に自由度をもつことができ、結果として、背面に接続される送受信機の配置または分配合成回路の構成に多くの選択肢を持たせることができ、導波管スロットアレーアンテナの設計自由度を向上させることができる。
また、図15に示したように、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22は矩形導波管であるが、図16に示すように、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22の幅の広い壁面において、管軸中心線上に所定の突出長を有した障壁となる第二のリッジ導体23を設け、いわゆるダブルリッジ導波管であるような構成としてもよい。これにより、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22の幅の広い壁面の幅を小型化することができ、結果として、第一の給電導波管21及び第二の給電導波管22と、それらに隣接する導体除去部9あるいはスロット6との間の相互作用を低減することが可能となる。なお、これらの相互作用は、放射特性の劣化の原因となる。
さらに、図11〜図16で示した導波管スロットアレーアンテナでは、第二の導波管13と第二の給電導波管22との接続部に対向する第三の溝5の溝の底面及び誘電体基板7上には付加構造を備えていないが、図17に示すように、第二の導波管13と第二の給電導波管22との接続部に対向する第三の溝5の溝の底面に、導波管の管軸方向に対して直交して第二の導波管13の管路の一部を遮るための誘導性障壁24を設けても良い。
また、図18に示すように、誘電体基板7上の第二の導波管13と第二の給電導波管22との接続部に、管壁導体10aと電気的に接続されるよう、導波管の管軸方向に対して直交する線状の短絡導体25を形成してもよい。これにより、第二の給電導波管22から見た第二の導波管13との接続部における反射特性を良好とすることができる。
以上説明したように、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有し、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第一の導波管部材と、第二の溝と同一幅で、第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、第三の溝と第二の溝とが対向して配置されると共に、第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられ、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第二の導波管部材と、第一の導波管部材と第二の導波管部材との間に設けられ、第一の溝と第二の溝を覆う誘電体基板と、誘電体基板の両面の、第一の導波管部材と第二の導波管部材に接する部分と第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、誘電体基板上の複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、管壁導体の第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、誘電体基板を介して両面の管壁導体を接続する複数のビアと、第一の溝の底面に、隣り合う二つの導体除去部の間に位置するよう設けられた給電端子となる断面矩形の第一の給電導波管と、第二の溝の底面に、隣り合う二つのスロットの間に位置するよう設けられた給電端子となる断面矩形の第二の給電導波管とを備え、複数の線状導体のうち、第二の給電導波管の設置位置に隣接する二つの線状導体の傾斜方向が同一方向で、その他の隣り合う線状導体は互いに反対方向であるようにしたので、誘電体基板上の導体パターンの修正のみで放射電力量の調整ができるため、アンテナ開発プロセスにおける再試作の際に、導波管の再製造が不要となり、結果として開発コストを抑えることができる。
また、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、複数の導体除去部は、隣り合う導体除去部の位置が第一の溝の管軸方向中心線に対して互いに反対側になる配置であり、かつ、隣り合う導体除去部の中心間距離は、第一の溝と管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、隣り合うスロットの中心間距離は、第二の溝及び第三の溝と管壁導体とビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、短絡壁と短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、短絡壁と短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、第一の導波管及び第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であるようにしたので、垂直偏波の電波と水平偏波の電波を効率よく外部に放射することができる。
また、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、第三の溝の底面の第二の給電導波管に対応する位置に、管軸方向に直交し第二の導波管の管路の一部を遮るための誘導性障壁を設けたので、第二の給電導波管から見た第二の導波管との接続部における反射特性を良好とすることができる。
また、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、誘電体基板の第二の給電導波管に対応する位置に、両端を管壁導体に接続し、かつ、管軸方向に直交する短絡導体を設けたので、第二の給電導波管から見た第二の導波管との接続部における反射特性を良好とすることができる。
また、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の給電導波管及び第二の給電導波管のうち少なくとも一方の幅の広い管壁面に、第一の給電導波管及び第二の給電導波管の管軸方向と平行な第二のリッジ導体を設けたので、放射特性の劣化を低減することができる。
また、実施の形態2の導波管スロットアレーアンテナによれば、導波管スロットアレーアンテナをサブアレーとして、管軸方向及び管軸方向と直交する方向のうち少なくとも一方の方向に複数配列したので、2次元的に密に配列したアンテナを得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、導波管中央部に給電プローブ構造を設け、その根元の給電端子を入力端子とする例である。図19は、実施の形態3による導波管スロットアレーアンテナの斜視図である。また、図20に導波管スロットアレーアンテナの分解斜視図を示す。さらに、図21は図19のA−A線を通り導波管軸に平行な面での断面図を、図22は図19のB−B線を通り導波管軸に平行な面での断面図を示している。
これらの図に示すように、実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナは、第一の導波管部材1b、第二の導波管部材4、誘電体基板7、線状導体8、導体除去部9、管壁導体10a,10b、ビア11、第一の給電線路31、第二の給電線路32、第一の給電プローブ33、第二の給電プローブ34を備えている。第一の導波管部材1bは、実施の形態1と同様に第一の溝2と第二の溝3とが形成され、かつ、その管軸方向両端が短絡壁で封止されている。また、第一の溝2と第二の溝3の底面の管軸方向中央部にそれぞれ円形開口が形成され、それぞれの円形開口に第一の給電線路31と第二の給電線路32が接続されている。第一の給電線路31及び第二の給電線路32は、同軸線路からなるものであり、第一の給電線路31の内導体には第一の給電プローブ33が接続され、第二の給電線路32の内導体には第二の給電プローブ34が接続されている。
第二の給電線路32の接続位置に対応した誘電体基板7上の位置には、プローブ導体35が形成されている。プローブ導体35の一端は管壁導体10aに接続され、他端は、第二の給電プローブ34と接続されている。第二の給電プローブ34の先端は誘電体基板7に形成された給電プローブ挿入のための開口部を介して誘電体基板7の管壁導体10a側に引き出され、半田付け等の方法によってプローブ導体35と電気的に接続されている。これにより、第二の給電プローブ34及びプローブ導体35からなるL字状プローブを構成している。なお、第一の給電線路31及び第二の給電線路32の外側導体は、導波管の壁面に接続されている。
複数の線状導体8は、実施の形態1と同様に、その長手方向が第二の導波管部材4の管軸方向に対して所定の傾斜角度だけ傾斜して形成され、複数のスロット6の配置間隔に対応して複数配置されている。ただし、第二の給電線路32の接続位置を中心として隣接する二つの線状導体8の傾斜角度は互いに同一方向になるように形成されており、その他の隣り合う二つの線状導体8の傾斜角度は互いに逆方向になるように形成されている。
導体除去部9は、実施の形態1と同様に、管壁導体10a,10bの導体パターンの一部を長辺と短辺からなる矩形状に除去して形成され、その長手方向が第一の導波管部材1bの管軸方向に対して平行になるように形成されている。また、隣り合う導体除去部9は、第一の溝2の管軸中心線に対して、互いに反対の位置となるよう、互い違いに配置されるが、第一の給電線路31の接続位置に対応した位置を中心として隣接する二つの導体除去部9については、共に第一の溝2の管軸中心線に対して同一の側に位置するように形成されている。その他の構成については実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態3における導波管スロットアレーアンテナの動作について説明する。
実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナは、実施の形態1と同様に、第一の溝2と管壁導体10bは第一の導波管12を形成しており、第一の導波管12は電界ベクトルがz軸方向を向く成分を基本モードとして有している。また、第二の溝3と第二の導波管部材4は、管壁導体10a、管壁導体10b及びビア11とで電気的に接続されており、これにより第二の導波管13を形成している。第二の導波管13は電界ベクトルがx軸方向を向く成分を基本モードとして有している。
ここで、第一の導波管12は第一の給電線路31を、また、第二の導波管13は第二の給電線路32をそれぞれ給電端子として、高周波信号を入力する場合を考える。
まず、上記第一の導波管12における動作を説明する。第一の給電線路31に入力された高周波信号によって、第一の給電線路31の内導体に接続された第一の給電プローブ33上には電流が流れる。この電流によって、第一の給電線路31から見て第一の導波管12の両側には第一の導波管12の基本モードがそれぞれ同位相で励起されることとなる。さらに、第一の導波管12の両端は短絡壁となっているため、その内部には、いわゆる定在波が励起される。
実施の形態1における動作と同様に、導体除去部9からは、外部の空間に、第一の導波管12の管軸方向に対して直交する偏波、すなわち垂直偏波の電波が放射され、導体除去部9は垂直偏波放射スロットとして動作する。
このとき、上述したように、第一の給電線路31から見て第一の導波管12の両側には第一の導波管12の基本モードが同位相で入力されるので、第一の給電プローブ33に隣接する二つの導体除去部9から放射される電波の位相を同位相とするため、これらの導体除去部9は、第一の導波管12の管軸中心線に対して、同一の側に位置するように配置されている。その他の隣り合う導体除去部9については、実施の形態1の場合と同様に、第一の導波管12の管軸中心線に対して、互いに反対の位置にくるように、互い違いに配置することで、各導体除去部9から放射される電波の位相を同位相としている。
次に、上記第二の導波管13における動作を説明する。第二の給電線路32に入力された高周波信号によって、第二の給電線路32の内導体に接続された第二の給電プローブ34及びプローブ導体35上には電流が流れる。このうち、プローブ導体35上を流れる電流によって、第二の給電線路32から見て第二の導波管13の両側には第二の導波管13の基本モードがそれぞれ同位相で励起されることとなる。さらに、第二の導波管13の両端は短絡壁となっているため、その内部には、いわゆる定在波が励起される。
実施の形態1における動作と同様に、誘電体基板7上に設けられた線状導体8により導波管内部の電磁界分布が乱さることで、第二の導波管13の幅の狭い壁面上に管軸方向に対して斜め方向に流れる電流が生じ、スロット6がこれを遮ることで、最終的に、外部の空間に、第二の導波管13の管軸に対して平行な偏波、すなわち水平偏波の電波が放射される。
このとき、上述したように、第二の給電線路32から見て第二の導波管13の両側には第二の導波管13の基本モードがそれぞれ同位相で励起されるので、第二の給電プローブ34に隣接する二つのスロット6から放射される電波の位相を同位相とするため、その二つのスロット6に対応する二つの線状導体8の傾斜角度は互いに同一方向となるように形成されている。一方、その他の線状導体8においては、隣り合う線状導体8の傾斜角度を互いに逆方向になるように形成することで、実施の形態1と同様に、スロット6上から放射される電波の位相を同位相としている。
このように、実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナでは、第一の給電線路31及び第二の給電線路32が接続された第一の導波管部材1bと、スロット6を設けた第二の導波管部材4とで、導体パターンを形成した誘電体基板7を挟んで構成され、誘電体基板7に設けた導体除去部9が垂直偏波放射スロットとして動作し、その位置と形状により垂直偏波の放射電力量を調整することができ、さらに、線状導体8の形状により水平偏波の放射電力量を調整することができる。
すなわち、実施の形態3では、誘電体基板7の導体パターン形状のみで、垂直偏波あるいは水平偏波を放射する各スロットの放射電力量を調整することができるため、実施の形態1と同様に、開発コストを低減することができる。
さらに、実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナでは、第一の給電線路31及び第二の給電線路32は、電波が放射される面とは反対側の面に接続されているため、サブアレーを2次元的に密に配列することが可能となると共に、同軸コネクタをインタフェースとする送受信機等の他のコンポーネントとの接続が容易となる。
なお、図19〜図22に示す例では、第一の導波管12の中央部に第一の給電線路31が接続されるよう構成したが、配列された複数の導体除去部9のうち、任意の隣り合う二つの導体除去部9の中間部に対応する位置で、第一の給電線路31を第一の導波管12に接続してもよい。同様に、上記例では、第二の導波管13の中央部に第二の給電線路32が接続されているが、配列された複数のスロット6のうち、任意の隣り合う二つのスロット6の中間部に対応する位置で、第二の給電線路32を第二の導波管13に接続してもよい。これにより、給電端子の位置に自由度を持たせることができることから、背面に接続される送受信機等の配置位置に選択肢を持たせることができ、その結果、アレーアンテナの設計自由度を向上させることができる。
また、上記例では、第二の給電プローブ34とプローブ導体35によりL字状のプローブを構成したが、誘電体基板7上にプローブ導体35を設けず、直接第二の給電プローブ34をL字状に屈折させ、その先端を導波管壁面に接続するように構成してもよい。
以上説明したように、実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナによれば、第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有し、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第一の導波管部材と、第二の溝と同一幅で、第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、第三の溝と第二の溝とが対向して配置されると共に、第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられ、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第二の導波管部材と、第一の導波管部材と第二の導波管部材との間に設けられ、第一の溝と第二の溝を覆う誘電体基板と、誘電体基板の両面の、第一の導波管部材と第二の導波管部材に接する部分と第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、誘電体基板上の複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、管壁導体の第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、誘電体基板を介して両面の管壁導体を接続する複数のビアと、第一の溝の底面に、隣り合う二つの導体除去部の間に位置するよう設けられた給電端子となる第一の給電線路と、第二の溝の底面に、隣り合う二つのスロットの間に位置するよう設けられた給電端子となる第二の給電線路と、第一の給電線路に接続され、第一の導波管内に位置する第一の給電プローブと、第二の給電線路に一端が接続されると共に、他端が管壁導体に接続され、かつ第二の導波管内に位置する第二の給電プローブとを備え、複数の線状導体のうち、第二の給電プローブの設置位置に隣接する二つの線状導体の傾斜方向が同一方向で、その他の隣り合う線状導体は互いに反対方向であり、かつ、第一の給電プローブに隣接する二つの導体除去部が、第一の導波管の管軸中心線に対して互いに同一側の位置で、その他の隣り合う二つの導体除去部が、第一の導波管の管軸中心線に対して互いに反対側の位置となるように配置されるようにしたので、誘電体基板上の導体パターンの修正のみで放射電力量の調整ができるため、アンテナ開発プロセスにおける再試作の際に、導波管の再製造が不要となり、結果として開発コストを抑えることができる。
また、実施の形態3の導波管スロットアレーアンテナによれば、隣り合う導体除去部の中心間距離は、第一の溝と前記管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、隣り合うスロットの中心間距離は、第二の溝及び第三の溝と管壁導体とビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、短絡壁と短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、短絡壁と短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、第一の導波管及び第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であるようにしたので、垂直偏波の電波と水平偏波の電波を効率よく外部に放射することができる。
本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意な構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意な構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る導波管スロットアレーアンテナは、水平偏波を放射すると共に垂直偏波を放射する直交偏波共用の構成に関するものであり、無線通信におけるアンテナまたはレーダのアンテナに用いるのに適している。
1,1a,1b 第一の導波管部材、2 第一の溝、3 第二の溝、4 第二の導波管部材、5 第三の溝、6 スロット、7 誘電体基板、8 線状導体、9 導体除去部、10a,10b 管壁導体、11 ビア、12 第一の導波管、13 第二の導波管、14 第一のリッジ導体、21 第一の給電導波管、22 第二の給電導波管、23 第二のリッジ導体、24 誘導性障壁、25 短絡導体、31 第一の給電線路、32 第二の給電線路、33 第一の給電プローブ、34 第二の給電プローブ、35 プローブ導体。

Claims (16)

  1. 第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有する第一の導波管部材と、
    前記第二の溝と同一幅で、前記第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、当該第三の溝と前記第二の溝とが対向して配置されると共に、前記第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられた第二の導波管部材と、
    前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材との間に設けられ、前記第一の溝と前記第二の溝を覆う誘電体基板と、
    前記誘電体基板の両面の、前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材に接する部分と前記第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、
    前記誘電体基板上の前記複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、
    前記管壁導体の前記第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、
    前記誘電体基板を介して前記両面の管壁導体を接続する複数のビアとを備えたことを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ。
  2. 前記複数の線状導体は、それぞれ複数の平行な直線状導体パターンからなることを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  3. 前記複数の線状導体におけるそれぞれの線状導体の管軸方向に直交する方向の両側に、一端を前記管壁導体に接続し他端を前記線状導体方向に延伸した伸長導体を前記誘電体基板上に備えたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  4. 前記線状導体両側の伸長導体は、それぞれ同一線上に設けられていることを特徴とする請求項3記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  5. 前記第一の溝の管軸方向に直交する方向の中央部に、管軸方向と平行な第一のリッジ導体を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  6. 前記第一の導波管部材及び前記第二の導波管部材の管軸方向両端のうち、一端を短絡壁として他端を給電端子とし、
    前記複数の線状導体は、隣り合う線状導体の傾斜方向が管軸方向に対して互いに異なり、かつ、前記複数の導体除去部は、隣り合う導体除去部の位置が前記第一の溝の管軸方向中心線に対して互いに反対側になる配置であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  7. 隣り合う前記導体除去部の中心間距離は、前記第一の溝と前記管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    隣り合う前記スロットの中心間距離は、前記第二の溝及び前記第三の溝と前記管壁導体と前記ビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    前記短絡壁と当該短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、前記短絡壁と当該短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、前記第一の導波管及び前記第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であることを特徴とする請求項6記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  8. 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の導波管スロットアレーアンテナをサブアレーとして、管軸方向と直交する方向に複数配列したことを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ。
  9. 第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有し、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第一の導波管部材と、
    前記第二の溝と同一幅で、前記第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、当該第三の溝と前記第二の溝とが対向して配置されると共に、前記第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられ、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第二の導波管部材と、
    前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材との間に設けられ、前記第一の溝と前記第二の溝を覆う誘電体基板と、
    前記誘電体基板の両面の、前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材に接する部分と前記第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、
    前記誘電体基板上の前記複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、
    前記管壁導体の前記第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、
    前記誘電体基板を介して前記両面の管壁導体を接続する複数のビアと、
    前記第一の溝の底面に、隣り合う二つの導体除去部の間に位置するよう設けられた給電端子となる断面矩形の第一の給電導波管と、
    前記第二の溝の底面に、隣り合う二つのスロットの間に位置するよう設けられた給電端子となる断面矩形の第二の給電導波管とを備え、
    前記複数の線状導体のうち、前記第二の給電導波管の設置位置に隣接する二つの線状導体の傾斜方向が同一方向で、その他の隣り合う線状導体は互いに反対方向であることを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ。
  10. 前記複数の導体除去部は、隣り合う導体除去部の位置が前記第一の溝の管軸方向中心線に対して互いに反対側になる配置であり、かつ、隣り合う前記導体除去部の中心間距離は、前記第一の溝と前記管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    隣り合う前記スロットの中心間距離は、前記第二の溝及び第三の溝と前記管壁導体と前記ビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    前記短絡壁と当該短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、前記短絡壁と当該短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、前記第一の導波管及び前記第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であることを特徴とする請求項9記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  11. 前記第三の溝の底面の前記第二の給電導波管に対応する位置に、管軸方向に直交し前記第二の導波管の管路の一部を遮るための誘導性障壁を設けたことを特徴とする請求項9または請求項10記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  12. 前記誘電体基板の前記第二の給電導波管に対応する位置に、両端を前記管壁導体に接続し、かつ、管軸方向に直交する短絡導体を設けたことを特徴とする請求項9または請求項10記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  13. 前記第一の給電導波管及び前記第二の給電導波管のうち少なくとも一方の幅の広い管壁面に、前記第一の給電導波管及び前記第二の給電導波管の管軸方向と平行な第二のリッジ導体を設けたことを特徴とする請求項9または請求項10記載の導波管スロットアレーアンテナ。
  14. 請求項9または請求項10に記載の導波管スロットアレーアンテナをサブアレーとして、管軸方向及び管軸方向と直交する方向のうち少なくとも一方の方向に複数配列したことを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ。
  15. 第一の導波管を構成するための第一の溝と、第二の導波管の一方を構成するための第二の溝を有し、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第一の導波管部材と、
    前記第二の溝と同一幅で、前記第二の導波管の他方を構成するための第三の溝を有し、当該第三の溝と前記第二の溝とが対向して配置されると共に、前記第三の溝の底面に管軸方向に対して直交する複数のスロットが設けられ、かつ、管軸方向両端に短絡壁を有する第二の導波管部材と、
    前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材との間に設けられ、前記第一の溝と前記第二の溝を覆う誘電体基板と、
    前記誘電体基板の両面の、前記第一の導波管部材と前記第二の導波管部材に接する部分と前記第一の溝を覆う部分とに設けられた管壁導体と、
    前記誘電体基板上の前記複数のスロットに対応した位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ斜めに設けられた複数の線状導体と、
    前記管壁導体の前記第一の溝の位置に設けられ、管軸方向に対してそれぞれ平行でかつ矩形の複数の導体除去部と、
    前記誘電体基板を介して前記両面の管壁導体を接続する複数のビアと、
    前記第一の溝の底面に、隣り合う二つの導体除去部の間に位置するよう設けられた給電端子となる第一の給電線路と、
    前記第二の溝の底面に、隣り合う二つのスロットの間に位置するよう設けられた給電端子となる第二の給電線路と、
    前記第一の給電線路に接続され、前記第一の導波管内に位置する第一の給電プローブと、
    前記第二の給電線路に一端が接続されると共に、他端が前記管壁導体に接続され、かつ前記第二の導波管内に位置する第二の給電プローブとを備え、
    前記複数の線状導体のうち、前記第二の給電プローブの設置位置に隣接する二つの線状導体の傾斜方向が同一方向で、その他の隣り合う線状導体は互いに反対方向であり、かつ、前記第一の給電プローブに隣接する二つの導体除去部が、前記第一の導波管の管軸中心線に対して互いに同一側の位置で、その他の隣り合う二つの導体除去部が、前記第一の導波管の管軸中心線に対して互いに反対側の位置となるように配置されることを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ。
  16. 隣り合う前記導体除去部の中心間距離は、前記第一の溝と前記管壁導体で構成される第一の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    隣り合う前記スロットの中心間距離は、前記第二の溝及び第三の溝と前記管壁導体と前記ビアで構成される第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の2分の1であり、
    前記短絡壁と当該短絡壁に隣接する導体除去部の中心との管軸方向の距離と、前記短絡壁と当該短絡壁に隣接するスロットの中心との管軸方向の距離は、前記第一の導波管及び前記第二の導波管の設計中心周波数における管内波長の4分の1であることを特徴とする請求項15記載の導波管スロットアレーアンテナ。
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