JPWO2019208155A1 - 画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置 - Google Patents

画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置 Download PDF

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Abstract

被写体に当たっている光の明るさに応じて明暗差が調整されたHDR画像を取得することができる画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置を提供する。画像処理装置は、アンダー露出によって撮像された第1非発光画像と、オーバー露出によって撮像された第2非発光画像と、第1非発光画像と同じ露出条件の発光画像とを取得する画像取得部221と、被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する距離分布情報取得部220Aと、発光画像、第1、第2非発光画像、及び距離分布情報に基づいて被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する光強度分布情報算出部220Bと、光強度分布情報に基づいて第1、第2非発光画像の合成比率を決定する合成比率決定部220Cと、合成比率にしたがって第1、第2非発光画像を合成する画像合成部220Dと、を備える。

Description


本発明は画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置に係り、特に露出の異なる複数枚の画像を合成してダイナミックレンジを広げるハイダイナミックレンジ合成(HDR(High-dynamic-range)合成)を行う技術に関する。

デジタルカメラなどでダイナミックレンジの広い被写体を撮像すると、ハイライト部の領域ではイメージセンサの出力が飽和し、いわゆる「白飛び」が発生し、シャドウ部の領域ではイメージセンサの出力の階調が失われ、いわゆる「黒つぶれ」が発生することがある。

被写体の持つダイナミックレンジをより広く画像で表現する方法の1つとして、HDR処理を行うことが知られている。HDR処理では、例えば、適正露光に対して露光量を落として撮像した画像(アンダー露光画像)と露光量を上げて撮像した画像(オーバー露光画像)を取得し、暗い被写体が撮像されている画素はオーバー露光画像の画素を、明るい被写体が撮像されている画素はアンダー露光画像の画素を用いることで(実際はどちらかだけでなく混合することもある)、白飛び及び黒つぶれの少ないHDR画像を作成する。

従来、異なる露光で撮像した複数の画像から1枚のHDR画像を生成する装置として、特許文献1、2に記載のものがある。

特許文献1に記載の撮像システムは、同一の被写体に対して異なる露光条件で撮像した複数の画像(長時間露光画像と短時間露光画像)から、長時間露光画像に係る輝度信号のうちの露光オーバーとなる領域(非適正露光域)以外の領域(適正露光域)の輝度信号を取得し、短時間露光画像に係る輝度信号の場合には、長時間露光画像における非適正露光域に対応する輝度信号を取得する。そして、各画像の適正露光域を合成することにより、広ダイナミックレンジ画像を生成している。

また、特許文献1に記載の撮像システムは、長時間露光画像及び短時間露光画像から主要被写体領域を推定し、推定した主要被写体領域に重点的に階調幅が配分されるように階調補正を行い、階調補正後の各画像の適正露光域を合成することで、適正露光域内の主要被写体に対する階調を豊かにしている。

一方、特許文献2に記載の撮像装置は、長時間露光する画素群と短時間露光する画素群とを有する1つの撮像素子を備え、撮像素子から読み出した第1画素群の画像データと第2画素群の画像データとを合成し、HDR画像を生成している。

また、特許文献2には、長時間露光データであるフラッシュ画像データと、短時間露光データであるノンフラッシュ画像データとの混合比率を、被写体までの距離の推定値に応じて調整しながら加算し、1枚の合成画像を得る記載がある。これにより、背景画像の雰囲気を残したまま主要被写体の高SN比(Signal to Noise Ratio)の画像を得るようにしている。

特開2002−232777号公報 特開2009−206925号公報

特許文献1には、HDR画像を生成する際の長時間露光画像と短時間露光画像との混合比率に関する明確な記載がないが、長時間露光画像の非適正露光域に対応する輝度信号については、短時間露光画像に係る輝度信号を使用するため、輝度信号の大きさにより長時間露光画像と短時間露光画像との混合比率を決めている、一般的なHDR合成であると考えられる。したがって、後述するように主要被写体の一部に影があると、影の領域が暗いままになるという問題がある。

一方、特許文献2に記載の発明は、長時間露光データであるフラッシュ画像データと、短時間露光データであるノンフラッシュ画像データとの混合比率を、被写体までの距離の推定値に応じて調整しながら加算し、1枚の合成画像を生成している。また、特許文献2に記載の発明は、フラッシュ画像データとノンフラッシュ画像データとを合成するものであり、露出条件が異なる非発光画像(ノンフラッシュ画像)を合成するものではない。

このように特許文献1、2には、いずれも同一の被写体に対して異なる露光条件で撮像した複数の画像を合成し、HDR画像を生成する際に、被写体に照射されている光の強度に応じて複数の画像の合成比率を調整する記載がない。

とろこで、一般的なHDR処理のように、オーバー画像の画素値を使うかアンダー画像の画素値を使うかを、イメージセンサから得られる輝度値によって決める場合、被写体に当たっている光の強さによらず、同じHDR処理が実施され、以下のような問題が発生する。

例えば、図21に示すように、人物の顔の左半分に日光が当たる日向領域Aとなり、右半分が日陰領域Bとなる場合を想定する。この場合、「強い光が当たっている黒い髪(1)」と、「影になっている肌(2)」とが同じ輝度値、又は略同じ輝度値になる場合、HDR合成に同じようにオーバー画像が使われてしまい、影になっている肌(2)が明るくなるだけでなく、黒い髪(1)も明るい色になってしまうという問題が発生する。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、被写体に当たっている光の明るさに応じて明暗差が調整された、階調特性に優れたHDR画像を取得することができる画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る画像処理装置は、同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像と、フラッシュ光の発光下において複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像とを取得する画像取得部と、被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する距離分布情報取得部と、発光画像、発光画像と同じ露出条件により撮像された非発光画像、及び距離分布情報に基づいて、被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する光強度分布情報算出部と、光強度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定する合成比率決定部と、合成比率にしたがって複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成する画像合成部と、を備える。

本発明の一の態様によれば、発光画像、発光画像と同じ露出条件により撮像された非発光画像、及び距離分布情報に基づいて、被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する。そして、算出した光強度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定し、決定した合成比率にしたがって複数の非発光画像を合成することによって、ダイナミックレンジが拡大された合成画像(HDR画像)を生成する。このようにして生成されたHDR画像は、被写体のもつ明暗が損なわれずに、被写体に当たっている光の明るさに応じて明暗差が調整された、階調特性に優れたHDR画像となる。

本発明の他の態様に係る画像処理装置において、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定し、画像合成部は、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に決定した合成比率を適用して複数の非発光画像を合成することが好ましい。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、複数の非発光画像に対応する複数の露出条件は、適正露出の露出条件よりもアンダー露出の露出条件とオーバー露出の露出条件とを含むことが好ましい。これにより、白飛び及び黒つぶれの少ないHDR画像を作成することができる。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では第2非発光画像の混合率を第1非発光画像の混合率よりも大きくすることが好ましい。

即ち、光強度が大きい画素(強い光が当たっている被写体に対応する画素)又は領域では、第1非発光画像の混合率を、第2非発光画像の混合率よりも大きくすることで、白飛びの少ないHDR画像を生成し、光強度が小さい画素(弱い光が当たっている被写体に対応する画素)又は領域では、第2非発光画像の混合率を、第1非発光画像の混合率よりも大きくすることで、黒つぶれの少ないHDR画像を生成する。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、合成比率決定部は、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報に基づいて光強度分布情報のうちの最小光強度と最大光強度との間において、光強度が増加した場合、第2非発光画像の混合率を単調減少させることが好ましい。光強度分布情報のうちの最小光強度と最大光強度との間において、光強度が増加した場合、第2非発光画像の混合率を単調減少させる(第1非発光画像の混合率を単調増加させる)ことによって、光強度の増減に応じて連続的に混合率を変化させたHDR合成を行うことができる。尚、最小光強度は、光強度分布情報の中の最小値に限らず、例えば、最小値から一定値だけオフセットした値の光強度でもよく、同様に最大光強度は、光強度分布情報の中の最大値に限らず、例えば、最大値から一定値だけオフセットした値の光強度でもよい。単調減少は、リニアに減少する場合も含むことは言うまでもない。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、光強度分布情報に基づいて光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報を作成する分布情報作成部を備え、合成比率決定部は、作成された分布情報に基づいて度数又は頻度の高い第1頂点に対応する第1光強度と、度数又は頻度の高い第2頂点に対応する第2光強度であって、第1光強度よりも大きい第2光強度とを求め、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、第1光強度以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最大値にし、第2光強度以上の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最小値にし、第1光強度よりも大きく第2光強度よりも小さい光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最大値と最小値との間において単調減少させることが好ましい。

例えば、晴れた日の日中屋外では、日光が当たっていない暗い被写体(日陰の被写体)から日光が当たっている明るい被写体(日向の被写体)まで、ダイナミックレンジの広い被写体が撮像対象になり、この場合の撮像対象は、日陰の被写体と、日向の被写体とに大別することができる。このようなシーンの光強度分布情報に基づいて光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報を作成すると、その分布情報には、2つ山(2つの頂点となる第1頂点と第2頂点)が存在する。第1頂点は、日陰の被写体に対応する被写体領域の光強度分布情報の度数又は頻度に対応する頂点であり、第2頂点は、日向の被写体に対応する被写体領域の光強度分布情報の度数又は頻度に対応する頂点である。

そして、第1頂点に対応する光強度(第1光強度)と、第2頂点に対応する光強度(第2光強度)とを求め、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、第1光強度以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最大値にし、第2光強度以上の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最小値にする。第1光強度以下の光強度の領域は、日陰の領域と考えられ、第2光強度以上の領域は、日向の領域と考えられるからである。また、第1光強度と第2光強度の間の光強度の場合は、第2非発光画像の混合率を最大値と最小値との間において単調減少させ、光強度の増減に応じて連続的に混合率を変化させる。尚、晴れた日の日中屋外のシーンに限らず、日光が屋内の一部に差し込むシーン、人工光源により照明されている領域と影になっている領域とが存在するシーンなどの場合も上記のように光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布曲線は、2つの頂点が存在し得る。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、光強度分布情報に基づいて光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報を作成する分布情報作成部を備え、合成比率決定部は、作成された分布情報に基づいて度数又は頻度の低い底点に対応する光強度を求め、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、底点に対応する光強度を閾値にして、閾値以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最大値にし、閾値を超える光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最小値にすることが好ましい。

上記と同様に、晴れた日の日中屋外のシーンの場合、光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報には、2つの山の間の谷(底点)が存在する。そこで、光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報から底点を求め、この底点に対応する光強度を閾値にして、閾値以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最大値(第1非発光画像の混合率を最小値)にし、閾値を超える光強度の場合には第2非発光画像の混合率を最小値(第2非発光画像の混合率を最大値)にすることが好ましい。尚、閾値前後の一定範囲の光強度に対しは、光強度の大きさに応じて、第2非発光画像の混合率を最大値と最小値との間において連続的に混合率を変化させる場合も含む。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、複数の非発光画像のうちの少なくとも1つの非発光画像の画像内の輝度の分布を示す輝度分布情報を算出する輝度分布情報算出部を備え、合成比率決定部は、光強度分布情報及び輝度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定することが好ましい。

これにより、光強度分布情報のみならず、従来の輝度分布情報を加味して複数の非発光画像の合成比率を決定することができる。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、発光画像におけるフラッシュ光が到達していない画素又は領域を検出する検出部を備え、合成比率決定部は、フラッシュ光が到達していない画素又は領域に対する合成比率を決定する際に、輝度分布情報のみに基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定することが好ましい。

フラッシュ光が到達していない画素又は領域は、その画素又は領域に対応する光強度が不明になる。したがって、この場合には従来と同様に輝度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定することが好ましい。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、合成比率決定部は、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、画素又は領域の位置を示すパラメータをi、複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率をαi、輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率であって、輝度が高いほど小さい値となる混合率をβiとすると、光強度分布情報及び輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率γiを、次式、

γi=αi×βiにより算出することが好ましい。

本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、発光画像の露出条件は、複数の非発光画像に対応する複数の露出条件のうちの最も露出値が小さい露出条件であることが好ましい。これにより、発光画像を撮像する場合のフラッシュ光の発光量を大きくすることができ、フラッシュ光未到達画素を最小限にすることができる。

本発明の更に他の態様に係る撮像装置は、被写体を異なる露出条件により撮像可能な撮像部と、フラッシュ光を発光するフラッシュ発光部と、フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光を制御するフラッシュ制御部と、上述した画像処理装置と、を備え、画像取得部は、フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の非発光下において、撮像部によりそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像と、フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の発光下において、撮像部により複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像とを取得する。

本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、フラッシュ制御部は、フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、調光発光下において撮像部が撮像した調光画像と調光発光せずに撮像部が撮像した画像とに基づいて調光発光したフラッシュ光が到達していない領域が検出された場合、調光発光したフラッシュ光が到達している領域が飽和しない最大の発光量を算出し、発光画像を取得する際に算出した最大の発光量においてフラッシュ発光部からフラッシュ光を本発光させることが好ましい。このようにして本発光時の発光量を決定することによって、フラッシュ光未到達画素を最小限にすることができる。

本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、フラッシュ制御部は、被写体の平均反射率と距離分布情報取得部が取得した距離分布情報とに基づいて最大の発光量を算出することが好ましい。これにより、フラッシュ光が到達する領域が白飛びしない、最大の発光量を算出することができる。

本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、フラッシュ制御部は、フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、調光発光下において撮像部が撮像した調光画像と調光発光せずに撮像部が撮像した画像とに基づいて調光画像の全領域にフラッシュ光が到達していることが検出された場合、画像取得部は、調光画像を発光画像として取得することが好ましい。

調光画像の全領域にフラッシュ光が到達している場合、全領域の光強度分布情報を算出することができ、改めて本発光する必要がないからである。

本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、フラッシュ制御部は、フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、調光発光下において撮像部が撮像した調光画像と調光発光せずに撮像部が撮像した画像とに基づいて調光画像にフラッシュ光が到達していない領域が検出され、かつ距離分布情報に基づいてフラッシュ光が到達していない領域の距離が、フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の最大発光量の到達距離よりも遠い場合、画像取得部は、調光画像を発光画像として取得することが好ましい。

調光発光のフラッシュ光が到達していない領域の距離が、フラッシュ光の最大発光量の到達距離よりも遠い場合、本発光してもフラッシュ光未到達画素にフラッシュ光を到達させることができず、改めた本発光する必要がないからである。

本発明の更に他の態様に係る画像処理方法は、同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像を取得するステップと、フラッシュ光の発光下において複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像を取得するステップと、被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得するステップと、発光画像、発光画像と同じ露出条件により撮像された非発光画像、及び距離分布情報に基づいて、被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出するステップと、光強度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定するステップと、合成比率にしたがって複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成するステップと、を含む。

本発明の更に他の態様に係る画像処理方法において、合成比率を決定するステップは、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では第2非発光画像の混合率を第1非発光画像の混合率よりも大きくすることが好ましい。

本発明の更に他の態様に係る画像処理プログラムは、同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像を取得する機能と、フラッシュ光の発光下において複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像を取得する機能と、被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する機能と、発光画像、発光画像と同じ露出条件により撮像された非発光画像、及び距離分布情報に基づいて、被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する機能と、光強度分布情報に基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定する機能と、合成比率にしたがって複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成する機能と、をコンピュータに実現させる。

本発明の更に他の態様に係る画像処理プログラムにおいて、合成比率を決定する機能は、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では第2非発光画像の混合率を第1非発光画像の混合率よりも大きくすることが好ましい。

本発明によれば、被写体に当たっている光の明るさ(光強度)に応じて、複数の非発光画像の合成比率を決定してHDR合成するようにしたため、被写体のもつ明暗が損なわれずに、被写体に当たっている光の明るさに応じて明暗差が調整された、階調特性に優れたHDR画像を取得することができる

図1は本発明に係る撮像装置を斜め前方から見た斜視図である。 図2は撮像装置の背面図である。 図3は撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図である。 図4はイメージセンサの構成例を示す正面図である。 図5は本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第1実施形態を示す機能ブロック図である。 図6は光強度分布情報Sと第2非発光画像の混合率αiとの関係を示すグラフである。 図7は光強度分布情報Siと第2非発光画像の混合率αiとの他の関係を示すグラフである。 図8は光強度分布情報Siと第2非発光画像の混合率αiとの更に他の関係を示すグラフである。 図9は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第2実施形態を示す機能ブロック図である。 図10は光強度の度数分布の一例を示す度数分布図である。 図11は光強度分布情報Siと第2非発光画像の混合率αiとの更に他の関係を示すグラフである。 図12は図10に示した光強度の度数分布と同様の度数分布図である。光強度の度数分布の一例を示す度数分布図である。 図13は光強度分布情報Siと第2非発光画像の混合率αiとの更に他の関係を示すグラフである。 図14は発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第3実施形態を示す機能ブロック図である。 図15は発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第4実施形態を示す機能ブロック図である。 図16は発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第5実施形態を示す機能ブロック図である。 図17は本発明に係る画像処理方法の実施形態を示すフローチャートである。 図18は図17のステップS12における詳細な動作を示すフローチャートである。 図19は本発明に係る撮像装置の一実施形態であるスマートフォンの外観図である。 図20はスマートフォンの構成を示すブロック図である。 図21は従来のHDR合成の課題を説明するために用いた図である。

以下、添付図面にしたがって本発明に係る画像処理装置、方法、及びプログラム並びに撮像装置の好ましい実施形態について説明する。

<撮像装置の外観>

図1は、本発明に係る撮像装置を斜め前方から見た斜視図であり、図2は撮像装置の背面図である。

図1に示すように撮像装置10は、交換レンズ100と、交換レンズ100が着脱可能なカメラ本体200とから構成されたミラーレスのデジタル一眼カメラである。

図1において、カメラ本体200の前面には、交換レンズ100が装着される本体マウント260と、光学ファインダのファインダ窓20等が設けられ、カメラ本体200の上面には、主としてシャッタレリーズスイッチ22、シャッタスピードダイヤル23、露出補正ダイヤル24、電源レバー25、及び内蔵フラッシュ30が設けられている。

また、図2に示すようにカメラ本体200の背面には、主として液晶モニタ216、光学ファインダの接眼部26、MENU/OKキー27、十字キー28、再生ボタン29等が設けられている。

液晶モニタ216は、撮影モード時にライブビュー画像を表示したり、再生モード時に撮像した画像を再生表示する他、各種のメニュー画面を表示する表示部として機能し、またユーザに対して各種の情報を通知する通知部として機能する。MENU/OKキー27は、液晶モニタ216の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キー28は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするマルチファンクションキーとして機能する。また、十字キー28の上キー及び下キーは撮像時のズームスイッチあるいは再生モード時の再生ズームスイッチとして機能し、左キー及び右キーは再生モード時のコマ送り(順方向及び逆方向送り)ボタンとして機能する。また、液晶モニタ216に表示された複数の被写体から焦点調節を行う任意の被写体を指定する操作部としても機能する。

また、MENU/OKキー27、十字キー28、及び液晶モニタ216に表示されるメニュー画面を使用することで、1枚の静止画を撮像する静止画撮像モードの他に、静止画を連続撮影する連写モード、連写モードの一種であり、ダイナミックレンジを広げるHDR合成に使用する複数枚の画像を撮像するHDR撮像モード、動画を撮像する動画撮像モードを含む各種の撮像モードの設定を行うことができる。

再生ボタン29は、記録した静止画又は動画を液晶モニタ216に表示させる再生モードに切り替えるためのボタンである。

<撮像装置の内部構成>

[交換レンズ]

図3は、撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。

撮像装置10を構成する撮像光学系として機能する交換レンズ100は、カメラ本体200の通信規格に沿って製造されたものであり、後述するようにカメラ本体200との間で通信を行うことができる交換レンズである。この交換レンズ100は、撮像光学系102、フォーカスレンズ制御部116、絞り制御部118、レンズ側CPU(Central Processing Unit)120、フラッシュROM(Read Only Memory)126、レンズ側通信部150、及びレンズマウント160を備える。

交換レンズ100の撮像光学系102は、フォーカスレンズを含むレンズ群104及び絞り108を含む。

フォーカスレンズ制御部116は、レンズ側CPU120からの指令にしたがってフォーカスレンズを移動させ、フォーカスレンズの位置(合焦位置)を制御する。絞り制御部118は、レンズ側CPU120からの指令にしたがって絞り108を制御する。

レンズ側CPU120は、交換レンズ100を統括制御するもので、ROM124及びRAM(Random Access Memory)122を内蔵している。

フラッシュROM126は、カメラ本体200からダウンロードされたプログラム等を格納する不揮発性のメモリである。

レンズ側CPU120は、ROM124又はフラッシュROM126に格納された制御プログラムに従い、RAM122を作業領域として、交換レンズ100の各部を統括制御する。

レンズ側通信部150は、レンズマウント160がカメラ本体200の本体マウント260に装着されている状態で、レンズマウント160に設けられた複数の信号端子(レンズ側信号端子)を介してカメラ本体200との通信を行う。即ち、レンズ側通信部150は、レンズ側CPU120の指令にしたがって、レンズマウント160及び本体マウント260を介して接続されたカメラ本体200の本体側通信部250との間で、リクエスト信号、回答信号の送受信(双方向通信)を行い、撮像光学系102の各光学部材のレンズ情報(フォーカスレンズの位置情報、焦点距離情報及び絞り情報等)を、カメラ本体200に通知する。

また、交換レンズ100は、フォーカスレンズの位置情報、及び絞り情報を検出する検出部(図示せず)を備えている。ここで、絞り情報とは、絞り108の絞り値(F値)、絞り108の開口径等を示す情報である。

レンズ側CPU120は、カメラ本体200からのレンズ情報のリクエストに応えるために、検出されたフォーカスレンズの位置情報及び絞り情報を含む各種のレンズ情報をRAM122に保持することが好ましい。また、レンズ情報は、カメラ本体200からのレンズ情報の要求があると検出され、又は光学部材が駆動されるときに検出され、又は一定の周期(動画のフレーム周期よりも十分に短い周期)で検出され、検出結果を保持することができる。

[カメラ本体]

図3に示す撮像装置10を構成するカメラ本体200は、イメージセンサ201、イメージセンサ制御部202、アナログ信号処理部203、A/D(Analog/Digital)変換器204、画像入力コントローラ205、デジタル信号処理部206、RAM207、圧縮伸張処理部208、メディア制御部210、メモリカード212、表示制御部214、液晶モニタ216、本体側CPU220、操作部222、時計部224、フラッシュROM226、ROM228、AF(Autofocus)制御部230、AE(Auto Exposure)制御部232、ホワイトバランス補正部234、無線通信部236、GPS(Global Positioning System)受信部238、電源制御部240、バッテリ242、本体側通信部250、本体マウント260、内蔵フラッシュ30(図1)を構成するフラッシュ発光部270、フラッシュ制御部272、フォーカルプレーンシャッタ(FPS:focal-plane shutter)280、及びFPS制御部296を備える。

<イメージセンサの構成>

イメージセンサ201は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型のカラーイメージセンサにより構成されている。尚、イメージセンサ201は、CMOS型に限らず、XYアドレス型、又はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサでもよい。

図4はイメージセンサ201の構成を示す正面図である。

図4に示すようにイメージセンサ201は、水平方向(x方向)及び垂直方向(y方向)に2次元状に配列された光電変換素子(受光セル)により構成された複数の画素を有するイメージセンサであって、交換レンズ100を介して入射する光束を、以下に示す瞳分割手段により瞳分割して選択的に受光する第1画素SA、第2画素Sを含んで構成されている。

図4に示すようにイメージセンサ201は、瞳分割手段として瞳結像レンズ(マイクロレンズ)201Aによる瞳像分離方式が適用されている。

瞳像分離方式は、1つのマイクロレンズ201Aに対して複数(本例では2つ)の画素(第1画素S,第2画素S)が割り当てられており、1つのマイクロレンズ201Aに入射する瞳像は、マイクロレンズ201Aにより瞳分割され、2つ(一対)の第1画素S,第2画素Sにより受光される。従って、マイクロレンズ201Aへの光の入射角度に応じて瞳像が分離され、それぞれ対応する一対の第1画素S,第2画素Sにより受光される。

一対の第1画素S,第2画素Sは、位相差AFに使用可能な一対の位相差画素に相当する。また、一対の第1画素S,第2画素Sの各画素から得られる画素値を加算した画素値は、瞳分割されていない通常画素の画素値と同等になるため、一対の第1画素S,第2画素Sは、通常画素(1画素)として扱うことができる。

図4に示すようにイメージセンサ201の一対の第1画素SA、第2画素Sには、赤

(R)、緑(G)、青(B)の3原色のカラーフィルタ(Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ)のうちのいずれか1色のカラーフィルタが、所定のカラーフィルタ配列にしたがって配置されている。図4に示すカラーフィルタ配列は、一般的なベイヤー配列であるが、カラーフィルタ配列はこれに限定されるものではなく、例えば、Trans(登録商標)配列等の他のカラーフィルタ配列でもよい。

図3に戻って、交換レンズ100の撮像光学系102によってイメージセンサ201の受光面に結像された被写体の光学像は、イメージセンサ201によって電気信号に変換される。イメージセンサ201の各画素(図4に示した第1画素SA、第2画素S)には、入射する光量に応じた電荷が蓄積され、イメージセンサ201からは各画素に蓄積された電荷量(信号電荷)に応じた電気信号が画像信号として読み出される。即ち、第1画素SA、第2画素Sに蓄積された電荷量に対応する信号(第1画素S,第2画素Sの各画素値)は、独立して読み出し可能である。

イメージセンサ制御部202は、本体側CPU220の指令にしたがってイメージセンサ201から画像信号の読み出し制御を行う。また、イメージセンサ制御部202は、静止画の撮像が行われる場合には、FPS280の開閉により露光時間が制御された後、FPS280が閉じた状態でイメージセンサ201の全ラインを読み出す。また、本例のイメージセンサ201及びイメージセンサ制御部202は、少なくとも1つ以上のライン毎や画素毎に順次露光動作を行う(即ち、ライン毎や画素毎に順次リセットを行い、電荷の蓄積を開始し、蓄積した電荷を読み出す方式である)、いわゆるローリングシャッタ方式にて駆動することができ、特にFPS280を開放した状態でローリングシャッタ方式にて動画の撮像、又はライブビュー画像の撮像を行う機能を有する。

アナログ信号処理部203は、イメージセンサ201で被写体を撮像して得られたアナログの画像信号に対して、各種のアナログ信号処理を施す。アナログ信号処理部203は、サンプリングホールド回路、色分離回路、AGC(Automatic Gain Control)回路等を含んで構成されている。AGC回路は、撮像時の感度(ISO感度(ISO:International Organization for Standardization))を調整する感度調整部として機能し、入力する画像信号を増幅する増幅器のゲインを調整し、画像信号の信号レベルが適切な範囲に入るようにする。A/D変換器204は、アナログ信号処理部203から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。

静止画又は動画の撮像時にイメージセンサ201、アナログ信号処理部203、及びA/D変換器204を介して出力されるRGBの画素毎の画像データ(モザイク画像データ)は、画像入力コントローラ205からRAM207に入力され、一時的に記憶される。

尚、イメージセンサ201がCMOS型イメージセンサである場合、アナログ信号処理部203及びA/D変換器204は、イメージセンサ201内に内蔵されていることが多い。

デジタル信号処理部206は、RAM207に格納されている画像データに対して、各種のデジタル信号処理を施す。デジタル信号処理部206は、RAM207に記憶されている画像データを適宜読み出し、読み出した画像データに対してオフセット処理、感度補正を含むゲイン・コントロール処理、ガンマ補正処理、デモザイク処理(デモザイキング処理、同時化処理とも言う)、RGB/YCrCb変換処理等のデジタル信号処理を行い、デジタル信号処理後の画像データを再びRAM207に記憶させる。尚、デモザイク処理とは、例えば、RGB3色のカラーフィルタからなるイメージセンサの場合、RGBからなるモザイク画像から画素毎にRGB全ての色情報を算出する処理であり、モザイクデータ(点順次のRGBデータ)から同時化されたRGB3面の画像データを生成する。

RGB/YCrCb変換処理は、同時化されたRGBデータを輝度データ(Y)及び色差データ(Cr、Cb)に変換する処理である。

圧縮伸張処理部208は、静止画又は動画の記録時に、一旦RAM207に格納された非圧縮の輝度データY及び色差データCb,Crに対して圧縮処理を施す。静止画の場合には、例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)形式で圧縮し、動画の場合には、例えばH.264形式で圧縮する。圧縮伸張処理部208により圧縮された画像データは、メディア制御部210を介してメモリカード212に記録される。また、圧縮伸張処理部208は、再生モード時にメディア制御部210を介してメモリカード212から得た圧縮された画像データに対して伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。

メディア制御部210は、圧縮伸張処理部208で圧縮された画像データを、メモリカード212に記録する制御を行う。また、メディア制御部210は、メモリカード212から、圧縮された画像データを読み出す制御を行う。

表示制御部214は、RAM207に格納されている非圧縮の画像データを、液晶モニタ216に表示させる制御を行う。液晶モニタ216は、液晶表示デバイスにより構成されているが、液晶モニタ216の代わりに有機エレクトロルミネッセンスなどの表示デバイスによって構成してもよい。

液晶モニタ216にライブビュー画像を表示させる場合には、デジタル信号処理部206で連続的に生成されたデジタルの画像信号が、RAM207に一時的に記憶される。表示制御部214は、このRAM207に一時記憶されたデジタルの画像信号を表示用の信号形式に変換して、液晶モニタ216に順次出力する。これにより、液晶モニタ216に撮像画像がリアルタイムに表示され、液晶モニタ216を電子ビューファインダとして使用することができる。

シャッタレリーズスイッチ22は、静止画や動画の撮像指示を入力するための撮像指示部であり、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。

静止画撮像モードの場合、シャッタレリーズスイッチ22が半押しされることによってS1オンの信号、半押しから更に押し込む全押しがされることによってS2オンの信号が出力され、S1オン信号が出力されると、本体側CPU220は、AF制御(自動焦点調節)及びAE制御(自動露出制御)などの撮影準備処理を実行し、S2オン信号が出力されると、静止画の撮像処理及び記録処理を実行する。

尚、AF制御及びAE制御は、それぞれ操作部222によりオートモードが設定されている場合に自動的に行われ、マニュアルモードが設定されている場合には、AF制御及びAE制御が行われないことは言うまでもない。

また、動画撮像モードの場合、シャッタレリーズスイッチ22が全押しされることによってS2オンの信号が出力されると、カメラ本体200は、動画の記録を開始する動画記録モードになり、動画の画像処理及び記録処理を実行し、その後、シャッタレリーズスイッチ22が再び全押しされることによってS2オンの信号が出力されると、カメラ本体200は、スタンバイ状態になり、動画の記録処理を一時停止する。

尚、シャッタレリーズスイッチ22は半押しと全押しとからなる2段ストローク式のスイッチの形態に限られず、1回の操作でS1オンの信号、S2オンの信号を出力しても良く、それぞれ個別のスイッチを設けてS1オンの信号、S2オンの信号を出力しても良い。

また、タッチ式パネル等により操作指示を行う形態では、これら操作手段としてタッチ式パネルの画面に表示される操作指示に対応する領域をタッチすることで操作指示を出力するようにしても良く、撮影準備処理や撮像処理を指示するものであれば操作手段の形態はこれらに限られない。

撮像により取得された静止画又は動画は、圧縮伸張処理部208により圧縮され、圧縮された画像データは、撮像日時、GPS情報、撮像条件(F値、シャッタスピード、ISO感度等)の所要の付属情報が、ヘッダに付加された画像ファイルとされた後、メディア制御部210を介してメモリカード212に格納される。

本体側CPU220は、カメラ本体200全体の動作及び交換レンズ100の光学部材の駆動等を統括制御するもので、シャッタレリーズスイッチ22を含む操作部222等からの入力に基づき、カメラ本体200の各部及び交換レンズ100を制御する。

時計部224は、タイマとして、本体側CPU220からの指令に基づいて時間を計測する。また、時計部224は、カレンダとして、現在の年月日及び時刻を計測する。

フラッシュROM226は、読み取り及び書き込みが可能な不揮発性メモリであり、設定情報を記憶する。

ROM228には、本体側CPU220が実行するカメラ制御プログラム、本発明に係る合成用画像撮像モードでの撮像を実行させる画像位置合わせ補助プログラム、イメージセンサ201の欠陥情報、画像処理等に使用する各種のパラメータやテーブルが記憶されている。本体側CPU220は、ROM228に格納されたカメラ制御プログラム、あるいは画像位置合わせ補助プログラムにしたがい、RAM207を作業領域としながらカメラ本体200の各部、及び交換レンズ100を制御する。

自動焦点調節部として機能するAF制御部230は、位相差AFの制御に必要なデフォーカス量を算出し、算出したデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズが移動すべき位置(合焦位置)指令を、本体側CPU220及び本体側通信部250を介して交換レンズ100に通知する。

ここで、AF制御部230は、位相差検出部とデフォーカス量算出部とを含む。位相差検出部は、イメージセンサ201のAF領域(ユーザが指定した主要被写体が存在する領域、顔検出等により自動的に検出される主要被写体の領域、又はデフォルトで設定された領域等)内の、同色のカラーフィルタが配設された第1画素Sからなる第1画素群と、第1画素Sからなる第2画素群からそれぞれ画素データ(第1画素値及び第2画素値)を取得し、これらの第1画素値及び第2画素値に基づいて位相差を検出する。この位相差は、第1画素群の複数の第1画素値と第2画素群の複数の第2画素値の相関が最大になるとき(複数の第1画素値と複数の第2画素値の差分絶対値の積算値が最小になるとき)の第1画素値と第2画素値との間の瞳分割方向のシフト量から算出することができる。

デフォーカス量算出部は、位相差検出部により検出された位相差と、交換レンズ100の現在のF値(光線角度)に対応する係数とを乗算することによりデフォーカス量を算出する。

AF制御部230により算出されたデフォーカス量に対応するフォーカスレンズの位置指令は、交換レンズ100に通知され、フォーカスレンズの位置指令を受け付けた交換レンズ100のレンズ側CPU120は、フォーカスレンズ制御部116を介してフォーカスレンズを移動させ、フォーカスレンズの位置(合焦位置)を制御する。

AE制御部232は、被写体の明るさ(被写体輝度)を検出する部分であり、被写体輝度に対応するAE制御及びAWB(Auto White Balance)制御に必要な数値(露出値(EV値(exposure value)))を算出する。AE制御部232は、イメージセンサ201を介して取得した画像の輝度、画像の輝度の取得時のシャッタスピード及びF値によりEV値を算出する。

本体側CPU220は、AE制御部232から得たEV値に基づいて所定のプログラム線図からF値、シャッタスピード及びISO感度を決定し、AE制御を行うことができる。

ホワイトバランス補正部234は、RGBデータ(Rデータ、Gデータ及びBデータ)の色データ毎のホワイトバランスゲイン(WB(White Balance)ゲイン)Gr,Gg,Gbを算出し、Rデータ、Gデータ及びBデータに、それぞれ算出したWBゲインGr,Gg,Gbを乗算することによりホワイトバランス補正を行う。ここで、WBゲインGr,Gg,Gbの算出方法としては、被写体の明るさ(EV値)によるシーン認識(屋外、屋内の判定等)及び周囲光の色温度等に基づいて被写体を照明している光源種を特定し、予め光源種毎に適切なWBゲインが記憶されている記憶部から特定した光源種に対応するWBゲインを読み出す方法が考えられるが、少なくともEV値を使用してWBゲインGr,Gg,Gbを求める他の公知の方法が考えられる。

無線通信部236は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の規格の近距離無線通信を行う部分であり、周辺のデジタル機器(スマートフォン、等の携帯端末)との間で必要な情報の送受信を行う。

GPS受信部238は、本体側CPU220の指示にしたがって、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、カメラ本体200の緯度、経度、及び高度からなるGPS情報を取得する。取得されたGPS情報は、撮像された画像の撮像位置を示す付属情報として画像ファイルのヘッダに記録することができる。

電源制御部240は、本体側CPU220の指令にしたがって、バッテリ242から供給される電源電圧をカメラ本体200の各部に与える。また、電源制御部240は、本体側CPU220の指令にしたがって、本体マウント260及びレンズマウント160を介して、バッテリ242から供給される電源電圧を交換レンズ100の各部に与える。

レンズ電源スイッチ244は、本体側CPU220の指令にしたがって、本体マウント260及びレンズマウント160を介して交換レンズ100に与える電源電圧のオン及びオフの切り替えとレベルの切り替えを行う。

本体側通信部250は、本体側CPU220の指令にしたがって、本体マウント260及びレンズマウント160を介して接続された交換レンズ100のレンズ側通信部150との間で、リクエスト信号、回答信号の送受信(双方向通信)を行う。尚、本体マウント260には、図1に示すように複数の端子260Aが設けられており、交換レンズ100がカメラ本体200に装着(レンズマウント160と本体マウント260とが接続)されると、本体マウント260に設けられた複数の端子260A(図1)と、レンズマウント160に設けられた複数の端子(図示せず)とが電気的に接続され、本体側通信部250とレンズ側通信部150との間で双方向通信が可能になる。

内蔵フラッシュ30(図1)は、例えば、TTL(Through The Lens)自動調光方式のフラッシュであり、フラッシュ発光部270と、フラッシュ制御部272とから構成されている。

フラッシュ制御部272は、フラッシュ発光部270から発光するフラッシュ光の発光量(ガイドナンバー)を調整する機能を有する。即ち、フラッシュ制御部272は、本体側CPU220からのフラッシュ撮像指示に同期してフラッシュ発光部270から、発光量の小さいフラッシュ光をプリ発光(調光発光)させ、交換レンズ100の撮像光学系102を介して入射する反射光(周囲光を含む)に基づいて本発光するフラッシュ光の発光量を決定し、決定した発光量のフラッシュ光を、フラッシュ発光部270から発光(本発光)させる。尚、HDR撮像モードが選択されている場合、フラッシュ制御部272は、通常のフラッシュ発光画像の撮像とは異なる発光制御を行うが、その詳細については後述する。

FPS280は、撮像装置10のメカシャッタを構成し、イメージセンサ201の直前に配置される。FPS制御部296は、本体側CPU220からの入力情報(S2オン信号、シャッタスピード等)に基づいてFPS280の先幕、後幕の開閉を制御し、イメージセンサ201における露光時間(シャッタスピード)を制御する。

次に、HDR撮像モードによりダイナミックレンジを広げるHDR合成に使用する露出の異なる複数の画像を撮像し、撮像した複数の画像のHDR合成を行う撮像装置10の制御について説明する。

[HDR処理の第1実施形態]

図5は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第1実施形態を示す機能ブロック図であり、主としてHDR撮像モードにより撮像されたHDR合成用の複数の画像に基づいてHDR合成用の画像処理(HDR処理)を実行する場合の機能ブロック図である。

HDR撮像モードによる撮像を行う場合、主として本体側CPU220が、HDR撮像モードによる撮像用の制御を統括制御するとともに、図5に示すように距離分布情報取得部220A,光強度分布情報算出部220B,合成比率決定部220C及び画像合成部220Dとして機能する。

即ち、HDR撮像モードによる撮像を行う場合、本体側CPU220は、フラッシュ光の非発光下でそれぞれ異なる露出条件による複数(本例では2つ)の非発光画像の撮像と、フラッシュ光の発光下で複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件による発光画像の撮像とを実行する。

ここで、複数の非発光画像に対応する複数の露出条件は、適正露出の露出条件よりもアンダー露出の露出条件とオーバー露出の露出条件とを含む。本例では、本体側CPU220は、AE制御部232により算出されたEV値に応じて定まる適正露出に対して、アンダー露出、及びオーバー露出の2つの露出条件にて2つの非発光画像の撮像を行わせる。尚、適正露出に対するアンダー露出、オーバー露出となる露出補正値(例えば、±3EV)は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよいし、被写界の明るさ(EV値)に応じて自動的に設定できるようにしてもよい。

また、本体側CPU220は、フラッシュ光の発光下で複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件(本例では、アンダー露出の露出条件)にて発光画像の撮像を実行する。

尚、2つの非発光画像と1つの発光画像は、それぞれ同一の被写体に対して撮像された画像であり、可能な限り撮像間隔を短くして連続して撮像された連写画像であることが好ましい。

図5において、画像取得部221は、フラッシュ光の非発光下で撮像部(交換レンズ100、イメージセンサ201)により、それぞれアンダー露出で撮像された非発光画像(第1非発光画像)と、オーバー露出で撮像された非発光画像(第2非発光画像)と、フラッシュ発光部270から発光されるフラッシュ光の発光下で、第1非発光画像の露出条件と同じ露出条件で撮像部により撮像された発光画像とを取得する部分である。

画像取得部221は、例えば画像入力コントローラ205を介して一時的にRAM207に保持された第1非発光画像、第2非発光画像及び発光画像を、RAM207から取得してもよいし、撮像部により撮像された第1非発光画像、第2非発光画像及び発光画像を画像入力コントローラ205を介して直接取得してもよい。

また、本例の画像入力コントローラ205は、図4に示したイメージセンサ201の一対の第1画素S,第2画素Sの画素値を加算して、1つのマイクロレンズ201A当り1画素の画素値とした、第1非発光画像、第2非発光画像、及び発光画像の他に、第1非発光画像、第2非発光画像、及び発光画像のうちのいずれかの画像の、第1画素Sのみの画素群からなる第1画像と第2画素Sのみの画素群からなる第2画像とを取得する。尚、第1画像と第2画像とは、被写体距離に応じて位相差をもつ位相差画像である。

距離分布情報取得部220Aは、画像取得部221から互いに位相差をもつ位相差画像である第1画像と第2画像とを取得し、これらの第1画像及び第2画像に基づいて画像内の被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する。

即ち、距離分布情報取得部220Aは、第1画像内の特徴となる特徴点と、各特徴点に対応する第2画像内の特徴点とのずれ量(位相差)を算出し、算出した位相差と現在の絞り108のF値に基づいて各特徴点のデフォーカス量を算出し、更に算出した各特徴点のデフォーカス量と現在の交換レンズ100(撮像光学系102のフォーカスレンズ)のレンズ位置とから各特徴点(被写体)の距離を算出する。例えば、デフォーカス量がゼロの特徴点は、現在のフォーカスレンズのレンズ位置にて合焦する合焦距離にあり、各特徴点のデフォーカス量が、前ピン側又は後ビン側にずれるにしたがって、各特徴点の距離は、合焦距離よりも遠側又は近側に移動した距離となる。

光強度分布情報算出部220Bは、画像取得部221から同じ露出条件により撮像された発光画像及び第1非発光画像を取得し、距離分布情報取得部220Aから画像内の被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する。そして、取得した発光画像、第1非発光画像及び距離分布情報に基づいて、被写体に照射されている光(フラッシュ光ではなく、環境光)の強度を示す指標の分布情報である光強度分布情報を算出する。

以下、光強度分布情報算出部220Bによる光強度分布情報の算出方法について詳述する。

第1非発光画像の各画素の座標を示すパラメータをiとし、画素iの輝度値をY、発光画像の同じ座標の画素iの輝度値をYLi、その座標の距離情報d(=撮像装置10からそこに写っている被写体との距離)としたとき、光強度分布情報Sを、次式、

[数1]

=Y/{(YLi−Y)×(d )}

により定義する。パラメータiは、画素の座標を示すパラメータに限らず、画像を複数の領域に分割した各領域の位置を示すパラメータでも良い。この場合、輝度値Y、YLi、距離情報d、及び光強度分布情報Sも、領域i毎の輝度値(代表輝度値)、距離情報、及び光強度分布情報である。

以下、[数1]式を説明する。

第1非発光画像のYiは、そこにある被写体に当たっている光の強さをB、被写体の反射率をR、イメージセンサ201による光電変換係数をKとすると、第1非発光画像のYiは、次式により表わされる。

[数2]

=B×R×K

発光画像のYLiは、被写体に当たっているフラッシュ光の強さをFとすると、次式により表わされる。

[数3]

Li=(B+F)×R×K

は、フラッシュ発光部270から単位距離は離れた場所でのフラッシュ光の強さをFsとすると、光の減衰に関する逆2乗の法則より、次式により表わされる。

[数4]

=Fs/(d

光強度分布情報の[数1]式は、[数2]式〜[数4]式により、[数5]式のように変形できる。

[数5]

=Y/{(YLi−Y)×(d )} =(B×R×K)/[{(B+F)×R×K−(B×R×K)}×(d )]=(B/{F×(d )}=B/Fs

画素iによらず、Fsは一定なので、光強度分布情報Sは、画素i(=1〜N(N:画素数)ごとの被写体に当たっている光強度Bを相対的に比較できる指数といえる。

合成比率決定部220Cは、光強度分布情報に基づいて複数の非発光画像(第1非発光画像と第2非発光画像)の合成比率を決定する。光強度分布情報Sの値が大きい箇所は強く光が当たっているので、アンダー画像である第1非発光画像を使うことが好ましく、光強度分布情報Sの値が小さい箇所は光があまり当たっていないので、オーバー画像である第2非発光画像を使うことが好ましい。

次に、合成比率決定部220Cによる合成比率の決定方法について説明する。

<合成比率の第1決定方法>

合成比率決定部220Cは、複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報Sに基づいて光強度が大きい画素では複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件で撮像された第1非発光画像の混合率を、複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件で撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素では第2非発光画像の混合率を第1非発光画像の混合率よりも大きくする。尚、画像を複数の領域に分割した領域毎に合成比率を決定してもよい。

図6から図7は、それぞれ光強度分布情報Sと第2非発光画像の混合率αiとの関係を示すグラフである。

図6に示すように合成比率決定部220Cは、第2非発光画像の混合率をαiとし、図6に示すように光強度分布情報Sの最小値をSmin.、最大値をSmax.とすると、最も簡単には、最小値Smin.〜最大値Smax.の光強度分布情報Sにより、混合率αi(=0〜1)を線形補間することで、第1非発光画像と第2非発光画像との合成比率を決定する。この場合、第1非発光画像の混合率は、(1−αi)となり、第1非発光画像と第2非発光画像との合成比率は、(1−αi):αiとなる。

また、合成比率決定部220Cは、図7に示すように混合率αiに最小値αmin.(>0)と最大値αmax.(<1)を設け、最小値Smin.〜最大値Smax.の光強度分布情報Sにより、混合率αiを最小値αmin.〜最大値αmax.の範囲で線形補間することで、第1非発光画像と第2非発光画像との合成比率を決定することができる。

更に、合成比率決定部220Cは、図8に示すように混合率αiに最小値αmin.(>0)と最大値αmax.(<1)を設け、最小値Smin.〜最大値Smax.の光強度分布情報Sにより、混合率αiを最小値αmin.〜最大値αmax.の範囲で非線形補間(混合率αiが単調減少するように非線形補間)することで、第1非発光画像と第2非発光画像との合成比率を決定することができる。

図5に戻って、画像合成部220Dは、合成比率決定部220Cにより決定された合成比率にしたがって、アンダー露出の第1非発光画像とオーバー露出の第2非発光画像とを合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像(HDR画像)を生成する。即ち、画像合成部220Dは、第1非発光画像と第2非発光画像のそれぞれ対応する画素毎に決定した合成比率を適用して、第1非発光画像と第2発光画像とを合成する。尚、画像を複数に分割した領域毎に合成比率が決定される場合には、第1非発光画像と第2非発光画像のそれぞれ対応する領域毎に決定した合成比率を適用して、第1非発光画像と第2発光画像とを合成し、HDR画像を生成する。

このようにして生成されたHDR画像は、被写体のもつ明暗が損なわれずに、被写体に当たっている光の明るさに応じて明暗差が調整された、階調特性に優れたHDR画像となる。

[HDR処理の第2実施形態]

図9は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第2実施形態を示す機能ブロック図である。尚、図9において、図5に示した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

図9に示す第2実施形態の本体側CPU220は、分布情報作成部220Eの機能が追加されている点で、図5に示した第1実施形態と相違する。

分布情報作成部220Eは、光強度分布情報算出部220Bにより算出された光強度分布情報Sに基づいて光強度の度数分布を示す分布情報(例えば、度数分布図や度数分布表)を算出する。

図10は、光強度の度数分布の一例を示す度数分布図である。

例えば、晴れた日の日中屋外では、日光が当たっていない暗い被写体(日陰の被写体)

から日光が当たっている明るい被写体(日向の被写体)まで、ダイナミックレンジの広い被写体が撮像対象になり、この場合の撮像対象は、日陰の被写体と、日向の被写体とに大別することができる。このようなシーンの光強度分布情報に基づいて生成した光強度の度数分布図には、図10に示すように2つの山(2つの頂点となる第1頂点P1と第2頂点P2)が存在する。第1頂点P1は、日陰の被写体に対応する被写体領域の光強度分布情報の度数に対応する頂点であり、第2頂点P2は、日向の被写体に対応する被写体領域の光強度分布情報の度数に対応する頂点である。

また、晴れた日の日中屋外のシーンに限らず、日光が屋内の一部に差し込むシーン、人工光源により照明されている領域と影になっている領域とが存在するシーンなどの場合も上記のように光強度の度数分布図には、2つの頂点が存在し得る。

尚、本例では、光強度の度数分布を示す分布情報を作成するが、光強度の頻度分布を示す分布情報を作成してもよいし、度数分布又は頻度分布を曲線近似した分布情報を作成してもよい。

図9に示す合成比率決定部220Cは、分布情報作成部220Eが作成した分布情報に基づいて、図10に示すように光強度の度数の高い第1頂点P1に対応する第1光強度(Sdark)と、光強度の度数の高い第2頂点P2に対応する第2光強度(Sblight)とを求める。

そして、合成比率決定部220Cは、第1非発光画像及び第2非発光画像のそれぞれ対応する画素毎に合成比率を決定する際に、図11に示すように第1光強度(Sdark)以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率αiを最大値αmax.にし、第2光強度(Sblight)以上の光強度の場合には第2非発光画像の混合率αiを最小値αmin.にし、第1光強度(Sdark)よりも大きく第2光強度(Sblight)よりも小さい光強度の場合には第2非発光画像の混合率αiを最大値αmax.と最小値αmin.との間で線形に減少(単調減少)させる。

第1光強度(Sdark)以下の光強度を有する画素又は領域は、日陰の領域と考えられ、オーバー露出の第2非発光画像の混合率αiを最大値αmax.にすることが好ましく、一方、第2光強度(Sblight)以上の光強度を有する画素又は領域は、日向の領域と考えられ、オーバー露出の第2非発光画像の混合率αiを最小値αmin.(アンダー露出の第1非発光画像の混合率を最大値)にすることが好ましい。これにより、ハイライト部やシャドウ部の階調を豊かにすることができる。

図12は、図10に示した光強度の度数分布と同様の度数分布図である。

図12に示す度数分布図には、度数が高くなる2つの山が存在するため、2つの山の間で度数が低くなる谷(底点V)が存在する。

図9に示す合成比率決定部220Cの他の実施形態では、分布情報作成部220Eが作成した分布情報に基づいて、図12に示すように光強度の度数の低い底点Vに対応する光強度(St)を求める。

そして、合成比率決定部220Cは、第1非発光画像及び第2非発光画像のそれぞれ対応する画素毎に合成比率を決定する際に、図13に示すように光強度(St)を閾値にして、閾値以下の光強度の場合には第2非発光画像の混合率αiを最大値αmax.にし、閾値を超える光強度の場合には第2非発光画像の混合率αiを最小値αmin.(アンダー露出の第1非発光画像の混合率を最大値)にする。

尚、閾値となる光強度(St)の前後の一定範囲ΔSの光強度に対しては、光強度の大きさに応じて、第2非発光画像の混合率を最大値αmax.と最小値αmin.との間で連続的に混合率を変化させる場合も含む。

[HDR処理の第3実施形態]

図14は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第3実施形態を示す機能ブロック図である。尚、図14において、図5に示した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

図14に示す第3実施形態の本体側CPU220は、輝度分布情報算出部220Fの機能が追加されている点で、図5に示した第1実施形態と相違する。

輝度分布情報算出部220Fは、複数の非発光画像(第1非発光画像、第2非発光画像)のうちの少なくとも1つの非発光画像の画像内の輝度の分布を示す輝度分布情報を算出する部分である。輝度分布情報は、例えば、第1非発光画像の輝度信号からなる画像として作成し、又は画像を分割した領域毎の輝度(代表輝度)を示す情報として作成することができる。

図14に示す合成比率決定部220Cは、光強度分布情報算出部220Bが算出した光強度分布情報及び輝度分布情報算出部220Fが算出した輝度分布情報に基づいて複数の非発光画像(第1非発光画像、第2非発光画像)の合成比率を決定する。

具体的には、合成比率決定部220Cは、第1非発光画像及び第2非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、画素又は領域の位置を示すパラメータをi、光強度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率をαi、輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率であって、輝度が高いほど小さい値となる混合率をβiとすると、光強度分布情報及び輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率γiを、次式、

[数6]

γi=αi×βiにより算出する。この場合、第1非発光画像の混合率は、(1−γi)となり、第1非発光画像と第2非発光画像との合成比率は、(1−γi):γiとなる。

[HDR処理の第4実施形態]

図15は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第4実施形態を示す機能ブロック図である。尚、図15において、図14に示した第3実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

図15に示す第4実施形態の本体側CPU220は、フラッシュ光未到達画素検出部220Gの機能が追加されている点で、図14に示した第3実施形態と相違する。

フラッシュ光未到達画素検出部220Gは、第1非発光画像の画素iの輝度値Yと発光画像の同じ座標の画素iの輝度値をYLiとの差分(YLi−Y)を算出し、差分(YLi−Y)が0になる画素iを、フラッシュ光未到達画素として検出する。

図15に示す合成比率決定部220Cは、光強度分布情報算出部220Bが算出した光強度分布情報及び輝度分布情報算出部220Fが算出した輝度分布情報に基づいて複数の非発光画像(第1非発光画像、第2非発光画像)の合成比率を決定するが、フラッシュ光未到達画素検出部220Gによりフラッシュ光未到達画素が検出されると、そのフラッシュ光未到達画素に対する合成比率を決定する際に、輝度分布情報のみに基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定する。

被写体の背景などが遠くにあると、フラッシュ光が届かず、(YLi−Y)が0になり、[数1]式に示した光強度分布情報Sを算出することできなくなり、その結果、光強度分布情報Sに基づく第2非発光画像の混合率αiも求めることができなくなるからである。

したがって、この場合には、輝度分布情報のみに基づいて複数の非発光画像の合成比率を決定することで、フラッシュ光が届かない被写体に対しても妥当な合成比率を決めることができる。

具体的には、合成比率決定部220Cは、[数6]式により光強度分布情報及び輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率γiを算出しているが、フラッシュ光が届かない画素(フラッシュ光未到達画素)が、フラッシュ光未到達画素検出部220Gにより検出されると、フラッシュ光未到達画素の第2非発光画像の混合率αiを1とすることで、輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率βiのみで第2非発光画像の混合率γiを求める。

尚、フラッシュ光未到達画素検出部220Gは、フラッシュ光未到達画素を検出する場合に限らず、画像を複数の領域に分割した場合、フラッシュ光未到達領域を検出する検出部として機能させてもよい。

また、フラッシュ光未到達画素検出部220Gは、フラッシュ制御部272が、フラッシュ発光部270から発光させるフラッシュ光の発光量の制御にも使用されるが、フラッシュ制御部272による発光量制御の詳細については後述する。

[HDR処理の第5実施形態]

図16は、本発明に係る画像処理装置として機能する本体側CPU220の第5実施形態を示す機能ブロック図である。尚、図16において、図5に示した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

図16に示す第4実施形態の本体側CPU220は、第1実施形態に示した距離分布情報取得部220Aを有しておらず、外部の距離分布情報取得部223から距離分布情報を取得している。

距離分布情報取得部223は、例えば、複数の受光素子が2次元状に配列された距離画像センサにより構成することができる。距離画像センサとしては、TOF(Time Of Flight)方式により距離画像を取得するものが考えられる。TOF方式は、被写体に光を照射し、その反射光をセンサで受光するまでの時間を測定することにより被写体までの距離を求める方式であり、パルス光を被写体に照射し、その反射光を複数の画素を有する距離画像センサにより受光し、距離画像センサの画素毎の受光量(受光強度)から被写体の距離画像を取得する方式と、高周波で変調した光を被写体に照射し、照射時点から反射光を受光するまでの位相ずれを検出することにより距離画像を取得する方式とが知られている。

また、距離分布情報取得部223としては、3次元レーザ計測器、ステレオカメラ等を適用することができる。尚、距離分布情報取得部223を使用する場合、イメージセンサ201は、本例のようなイメージセンサに限らず、距離計測が不能なイメージセンサでもよい。

[画像処理方法]

図17は、本発明に係る画像処理方法の実施形態を示すフローチャートである。以下、主として図5等に示した各部の機能を有する本体側CPU220によるHDR処理の動作について説明する。

図17において、本体側CPU220の距離分布情報取得部220Aは、画像内の被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する(ステップS10)。本例では、距離分布情報取得部220Aは、画像取得部221から互いに位相差をもつ位相差画像である第1画像と第2画像とを取得し、これらの第1画像及び第2画像に基づいて画像内の被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する。

また、画像取得部221により、同一の被写体をそれぞれ異なる撮像条件で撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下でそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像(第1非発光画像と第2非発光画像)、及びフラッシュ光の発光下で複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像(本例では、アンダー露出の第1非発光画像の露出条件)と同じ露出条件により撮像された発光画像を取得する(ステップS12)。

次に、ステップS12における詳細な動作について、図18に示すフローチャートにより説明する。

図18において、フラッシュ制御部272は、ステップS10で取得された距離分布情報に基づいてフラッシュ発光部270から発光させる調光画像用の調光発光量を決定する

(ステップS100)。調光発光量は、画角内の被写体の平均反射率が18%と仮定して、距離分布から白飛びしない最大の発光量として計算する。

次に、フラッシュ制御部272は、フラッシュ発光部270から、算出した調光発光量のフラッシュ光を発光させ、本体側CPU220は、調光発光下で第1非発光画像と同じ露出条件(アンダー露出)で撮像された調光画像を取得する(ステップS102)。

続いて、本体側CPU220は、フラッシュ光未到達画素検出部220G(図15)の検出出力によりフラッシュ光が到達していない画素又は領域があるかを判別する(ステップS104)。尚、フラッシュ光未到達画素検出部220Gは、調光画像と同じ露出条件で撮像されているライブビュー画像の1フレームの画像(非発光画像)を取得し、調光画像と非発光画像とを比較してフラッシュ光未到達画素又は領域を検出する。

ステップS104によりフラッシュ光が全領域に到達していると判別されると(「No」

の場合)、本体側CPU220は、調光画像に白飛びしている領域があるか否かを判別する(ステップS106)。調光画像内に最大画素値(8ビットで画素値が表されている場合は、255)の領域がある場合、その領域は白飛びしている領域として判別することができる。

ステップS106により調光画像内に白飛びしている領域がないと判別されると(「No」の場合)、調光画像を発光画像として取得する(ステップS108)。この場合改めて発光画像を撮像する必要がなく、撮像枚数を減らすことができる。

ステップS106により調光画像内に白飛びしている領域があると判別されると(「Yes」の場合)、フラッシュ制御部272は、白飛びしている領域が白飛びしない最大発光量を算出し、算出した最大発光量を、発光画像を取得するときの本発光量とする(ステップS110)。

一方、ステップS104によりフラッシュ光が到達していない領域があると判別されると(「Yes」の場合)、本体側CPU220は、フラッシュ光が到達していない領域は、フラッシュ光の最大到達距離よりも近いか否かを判別する(ステップS112)。尚、フラッシュ光が到達していない領域の距離は、距離分布情報から取得することができ、フラッシュ光の最大到達距離は、フラッシュ発光部270のガイドナンバーとF値とにより求めることができる。

ステップS112によりフラッシュ光が到達していない領域が、フラッシュ光の最大到達距離よりも遠いと判別されると(「No」の場合)、図15に示した合成比率決定部220Cは、フラッシュ光が到達していない領域の混合率αi([数6]式に示した第2非発光画像の混合率αi)を1にする(ステップS114)。これにより、フラッシュ光が到達していない領域の第2非発光画像の混合率γiは、輝度分布情報に基づく第2非発光画像の混合率βiのみで決定されることになる。

一方、ステップS112によりフラッシュ光が到達していない領域が、フラッシュ光の最大到達距離よりも近いと判別されると(「Yes」の場合)、フラッシュ制御部272は、フラッシュ光が到達した領域が白飛びしない最大発光量を算出し、算出した最大発光量を、発光画像を取得するときの本発光量とする(ステップS116)。

フラッシュ制御部272は、ステップS110又はステップS116により本発光量を算出すると、算出した本発光量でフラッシュ発光部270からフラッシュ光を本発光させ、画像取得部221は、本発光下で第1非発光画像の露出条件と同じ露出条件で撮像部(交換レンズ100及びイメージセンサ201)により撮像された発光画像を取得する(ステップS118)。

上記のようにして発光画像を取得すると、続いて発光画像と同じ露出条件(アンダー露出)で撮像される非発光画像(第1非発光画像)と、オーバー露出で撮像される第2非発光画像とを取得する。

図17に戻って、光強度分布情報算出部220Bは、非発光画像(アンダー露出の第1非発光画像)と発光画像と距離分布情報取得部220Aにより取得した距離分布情報に基づいて、[数1]式により光強度分布情報Sを算出する(ステップS14)。

合成比率決定部220Cは、ステップS14で算出された光強度分布情報Sに基づいて複数の非発光画像(第1非発光画像、第2非発光画像)をHDR合成するための合成比率を決定する(ステップS16)。例えば、合成比率決定部220Cは、複数の非発光画像(第1非発光画像と第2非発光画像)のそれぞれ対応する画素又は領域毎に合成比率を決定する際に、光強度分布情報Sに基づいて光強度が大きい画素又は領域では、アンダー露出の第1非発光画像の混合率を、オーバー露出の第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では第2非発光画像の混合率を第1非発光画像の混合率よりも大きくする。

画像合成部220Dは、ステップS16で決定された合成比率に基づいて第1非発光画像と第2非発光画像とのHDR合成を行い、HDR画像を生成する(ステップS18)。

本実施形態の撮像装置10は、ミラーレスのデジタル一眼カメラであるが、これに限らず、一眼レフカメラ、レンズ一体型の撮像装置、デジタルビデオカメラ等でもよく、また、撮像機能に加えて撮像以外の他の機能(通話機能、通信機能、その他のコンピュータ機能)を備えるモバイル機器に対しても適用可能である。本発明を適用可能な他の態様としては、例えば、カメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、本発明を適用可能なスマートフォンの一例について説明する。

<スマートフォンの構成>

図19は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン500の外観を示すものである。図19に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、係る筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532、操作部540と、カメラ部541とを備えている。尚、筐体502の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。

図20は、図19に示すスマートフォン500の構成を示すブロック図である。図20に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、基地局と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信部510と、表示入力部520と、通話部530と、操作部540と、カメラ部541と、記録部550と、外部入出力部560と、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501とを備える。

無線通信部510は、主制御部501の指示にしたがって、移動通信網に収容された基地局に対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信、Webデータ及びストリーミングデータなどの受信を行う。

表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画像及び動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。

表示パネル521は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。かかるデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。

図19に示すように、本発明の撮像装置の一実施形態として例示しているスマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。かかる配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。

尚、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。さらに、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。また、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。

通話部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備え、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力したり、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力するものである。また、図19に示すように、例えば、スピーカ531、マイクロホン532を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載することができる。

操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図19に示すように、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。

記録部550は、主制御部501の制御プログラム、制御データ、アプリケーションソフトウェア(本発明に係る画像処理プログラムを含む)、通信相手の名称及び電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記録部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部562により構成される。尚、記録部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、Micro SD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記録媒体を用いて実現される。

外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、及びIEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。

スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)、SIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、又はオーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオビデオ機器、無線接続される外部オーディオビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、及びイヤホンなどがある。外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達し、又はスマートフォン500の内部のデータを外部機器に伝送することが可能である。

GPS受信部570は、主制御部501の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン500の緯度、経度、及び高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。

モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサ及びジャイロセンサなどを備え、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。

電源部590は、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。

主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記録部550が記憶する制御プログラム及び制御データにしたがって動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能及びアプリケーション処理機能を備える。

アプリケーション処理機能は、記録部550が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能、本発明に係るHDR合成を行う画像処理機能などがある。

また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、係る復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。

更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。

表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコン及びスクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、或いは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。

また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じてアイコンに対する操作、及びウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付け、或いはスクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。

更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル522の感応領域及びソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。

また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、或いはこれらを組合せて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。

カメラ部541は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)などの撮像素子を用いて電子撮影するデジタルカメラであり、図1に示した撮像装置10に相当する。また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、記録部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。図19に示すようにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、或いは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部541が搭載されている場合、撮影に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮影したり、或いは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮影することもできる。

また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。さらには、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサ(ジャイロセンサ)と併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。

その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部570により取得した位置情報、マイクロホン532により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部580により取得した姿勢情報等などを付加して記録部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することもできる。

[その他]

本実施形態では、HDR合成を行う画像処理装置(本体側CPU220)は、撮像装置に内蔵されたものであるが、本発明に係る画像処理装置は、例えば、本発明に係る画像処理プログラムを実行する撮像装置とは別体のパーソナルコンピュータ、携帯端末等であってもよい。この場合、複数の非発光画像、発光画像及び距離分布情報等を、HDR合成用の情報として入力する必要がある。

また、複数の非発光画像は、アンダー露出の第1非発光画像、オーバー露出の第2非発光画像の2つの非発光画像に限らず、同一の被写体をそれぞれ異なる撮像条件で撮像した3以上の非発光画像でもよい。この場合、合成比率決定部は、3以上の非発光画像の合成比率を決定することになる。

また、本実施形態において、例えば、本体側CPU220等の各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。

1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。

更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。

更にまた、本発明は、撮像装置又はコンピュータにインストールされることにより、本発明に係る撮像装置又は画像処理装置として機能させる画像処理プログラム、及びこの画像処理プログラムが記録された記録媒体を含む。

また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。

10 撮像装置

20 ファインダ窓

22 シャッタレリーズスイッチ

23 シャッタスピードダイヤル

24 露出補正ダイヤル

25 電源レバー

26 接眼部

27 MENU/OKキー

28 十字キー

29 再生ボタン

30 内蔵フラッシュ

100 交換レンズ

102 撮像光学系

104 レンズ群

108 絞り

116 フォーカスレンズ制御部

118 絞り制御部

120 レンズ側CPU

122、207 RAM

124、228 ROM

126 フラッシュROM

150 レンズ側通信部

160 レンズマウント

200 カメラ本体

201 イメージセンサ

201A マイクロレンズ

202 イメージセンサ制御部

203 アナログ信号処理部

204 A/D変換器

205 画像入力コントローラ

206 デジタル信号処理部

208 圧縮伸張処理部

210 メディア制御部

212 メモリカード

214 表示制御部

216 液晶モニタ

220 本体側CPU

220A 距離分布情報取得部

220B 光強度分布情報算出部

220C 合成比率決定部

220D 画像合成部

220E 分布情報作成部

220F 輝度分布情報算出部

220G フラッシュ光未到達画素検出部

221 画像取得部

222 操作部

223 距離分布情報取得部

224 時計部

226 フラッシュROM

230 AF制御部

232 AE制御部

234 ホワイトバランス補正部

236 無線通信部

238 GPS受信部

240 電源制御部

242 バッテリ

244 レンズ電源スイッチ

250 本体側通信部

260 本体マウント

260A 端子

270 フラッシュ発光部

272 フラッシュ制御部

296 FPS制御部

500 スマートフォン

501 主制御部

502 筐体

510 無線通信部

520 表示入力部

521 表示パネル

522 操作パネル

530 通話部

531 スピーカ

532 マイクロホン

540 操作部

541 カメラ部

550 記録部

551 内部記憶部

552 外部記憶部

560 外部入出力部

562 外部記憶部

570 受信部

570 GPS受信部

580 モーションセンサ部

590 電源部

S10〜S18、S100〜S118 ステップ

光強度分布情報

Li 輝度値

輝度値

距離情報

αi、βi、γi 混合率

Claims (20)


  1. 同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像と、フラッシュ光の発光下において前記複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像とを取得する画像取得部と、

    前記被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する距離分布情報取得部と、

    前記発光画像、前記発光画像と同じ露出条件により撮像された前記非発光画像、及び前記距離分布情報に基づいて、前記被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する光強度分布情報算出部と、

    前記光強度分布情報に基づいて前記複数の非発光画像の合成比率を決定する合成比率決定部と、

    前記合成比率にしたがって前記複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成する画像合成部と、

    を備えた画像処理装置。

  2. 前記合成比率決定部は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定し、

    前記画像合成部は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記決定した合成比率を適用して前記複数の非発光画像を合成する、請求項1に記載の画像処理装置。

  3. 前記複数の非発光画像に対応する複数の露出条件は、適正露出の露出条件よりもアンダー露出の露出条件とオーバー露出の露出条件とを含む請求項1又は2に記載の画像処理装置。

  4. 前記合成比率決定部は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では前記第2非発光画像の混合率を前記第1非発光画像の混合率よりも大きくする、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

  5. 前記合成比率決定部は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記光強度分布情報に基づいて前記光強度分布情報のうちの最小光強度と最大光強度との間において、前記光強度が増加した場合、前記第2非発光画像の混合率を単調減少させる、請求項4に記載の画像処理装置。

  6. 前記光強度分布情報に基づいて前記光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報を作成する分布情報作成部を備え、

    前記合成比率決定部は、前記作成された分布情報に基づいて度数又は頻度の高い第1頂点に対応する第1光強度と、度数又は頻度の高い第2頂点に対応する第2光強度であって、前記第1光強度よりも大きい第2光強度とを求め、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記第1光強度以下の光強度の場合には前記第2非発光画像の混合率を最大値にし、前記第2光強度以上の光強度の場合には前記第2非発光画像の混合率を最小値にし、前記第1光強度よりも大きく前記第2光強度よりも小さい光強度の場合には前記第2非発光画像の混合率を前記最大値と前記最小値との間において単調減少させる、請求項4に記載の画像処理装置。

  7. 前記光強度分布情報に基づいて前記光強度の度数分布又は頻度分布を示す分布情報を作成する分布情報作成部を備え、

    前記合成比率決定部は、前記作成された分布情報に基づいて度数又は頻度の低い底点に対応する光強度を求め、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記底点に対応する光強度を閾値にして、前記閾値以下の光強度の場合には前記第2非発光画像の混合率を最大値にし、前記閾値を超える光強度の場合には前記第2非発光画像の混合率を最小値にする、請求項5に記載の画像処理装置。

  8. 前記複数の非発光画像のうちの少なくとも1つの非発光画像の画像内の輝度の分布を示す輝度分布情報を算出する輝度分布情報算出部を備え、

    前記合成比率決定部は、前記光強度分布情報及び前記輝度分布情報に基づいて前記複数の非発光画像の合成比率を決定する、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。

  9. 前記発光画像における前記フラッシュ光が到達していない画素又は領域を検出する検出部を備え、

    前記合成比率決定部は、前記フラッシュ光が到達していない画素又は領域に対する前記合成比率を決定する際に、前記輝度分布情報のみに基づいて前記複数の非発光画像の合成比率を決定する、請求項8に記載の画像処理装置。

  10. 前記合成比率決定部は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、画素又は領域の位置を示すパラメータをi、前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率をαi、前記輝度分布情報に基づく前記第2非発光画像の混合率であって、輝度が高いほど小さい値となる混合率をβiとすると、前記光強度分布情報及び前記輝度分布情報に基づく前記第2非発光画像の混合率γiを、次式、

    γi=αi×βiにより算出する、請求項8又は9に記載の画像処理装置。

  11. 前記発光画像の露出条件は、前記複数の非発光画像に対応する複数の露出条件のうちの最も露出値が小さい露出条件である、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。

  12. 被写体を異なる露出条件により撮像可能な撮像部と、

    フラッシュ光を発光するフラッシュ発光部と、

    前記フラッシュ発光部から発光される前記フラッシュ光を制御するフラッシュ制御部と、

    請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を備え、

    前記画像取得部は、前記フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の非発光下において、前記撮像部によりそれぞれ異なる露出条件により撮像された前記複数の非発光画像と、前記フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の発光下において、前記撮像部により前記複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された前記発光画像とを取得する、撮像装置。

  13. 前記フラッシュ制御部は、前記フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、前記調光発光下において前記撮像部が撮像した調光画像と前記調光発光せずに前記撮像部が撮像した画像とに基づいて前記調光発光したフラッシュ光が到達していない領域が検出された場合、前記調光発光したフラッシュ光が到達している領域が飽和しない最大の発光量を算出し、前記発光画像を取得する際に前記算出した最大の発光量によって前記フラッシュ発光部からフラッシュ光を本発光させる、請求項12に記載の撮像装置。

  14. 前記フラッシュ制御部は、被写体の平均反射率と前記距離分布情報取得部が取得した前記距離分布情報とに基づいて前記最大の発光量を算出する、請求項13に記載の撮像装置。

  15. 前記フラッシュ制御部は、前記フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、前記調光発光下において前記撮像部が撮像した調光画像と前記調光発光せずに前記撮像部が撮像した画像とに基づいて前記調光画像の全領域にフラッシュ光が到達していることが検出された場合、前記画像取得部は、前記調光画像を前記発光画像として取得する、請求項12に記載の撮像装置。

  16. 前記フラッシュ制御部は、前記フラッシュ発光部からフラッシュ光を調光発光させ、前記調光発光下において前記撮像部が撮像した調光画像と前記調光発光せずに前記撮像部が撮像した画像とに基づいて前記調光画像にフラッシュ光が到達していない領域が検出され、かつ前記距離分布情報に基づいて前記フラッシュ光が到達していない領域の距離が、前記フラッシュ発光部から発光されるフラッシュ光の最大発光量の到達距離よりも遠い場合、前記画像取得部は、前記調光画像を前記発光画像として取得する、請求項12に記載の撮像装置。

  17. 同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像を取得するステップと、

    フラッシュ光の発光下において前記複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像を取得するステップと、

    前記被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得するステップと、

    前記発光画像、前記発光画像と同じ露出条件により撮像された前記非発光画像、及び前記距離分布情報に基づいて、前記被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出するステップと、

    前記光強度分布情報に基づいて前記複数の非発光画像の合成比率を決定するステップと、

    前記合成比率にしたがって前記複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成するステップと、

    を含む画像処理方法。

  18. 前記合成比率を決定するステップは、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では前記第2非発光画像の混合率を前記第1非発光画像の混合率よりも大きくする、請求項17に記載の画像処理方法。

  19. 同一の被写体を撮像した画像であって、フラッシュ光の非発光下においてそれぞれ異なる露出条件により撮像された複数の非発光画像を取得する機能と、

    フラッシュ光の発光下において前記複数の非発光画像のうちのいずれかの非発光画像の露出条件と同じ露出条件により撮像された発光画像を取得する機能と、

    前記被写体の距離の分布を示す距離分布情報を取得する機能と、

    前記発光画像、前記発光画像と同じ露出条件により撮像された前記非発光画像、及び前記距離分布情報に基づいて、前記被写体に照射されている光の光強度分布情報を算出する機能と、

    前記光強度分布情報に基づいて前記複数の非発光画像の合成比率を決定する機能と、

    前記合成比率にしたがって前記複数の非発光画像を合成し、ダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成する機能と、

    をコンピュータに実現させる画像処理プログラム。

  20. 前記合成比率を決定する機能は、前記複数の非発光画像のそれぞれ対応する画素又は領域毎に前記合成比率を決定する際に、前記光強度分布情報に基づいて光強度が大きい画素又は領域では前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が小さい露出条件によって撮像された第1非発光画像の混合率を、前記複数の非発光画像のうちの最も露出値が大きい露出条件によって撮像された第2非発光画像の混合率よりも大きくし、光強度が小さい画素又は領域では前記第2非発光画像の混合率を前記第1非発光画像の混合率よりも大きくする、請求項19に記載の画像処理プログラム。
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