JPWO2019189335A1 - 通液装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、核酸含有試料液等の液体の液透過性担体による処理を安定した条件で行うための装置及び方法を提供する。本発明の、液体Lを液透過性担体13に透過させるための通液装置1は、収容空間11と、収容空間11に収容された液体Lを排出するための排出口12とが形成されており、排出口12を通じて排出される液体Lが透過するように配置された液透過性担体13、及び、収容空間11の体積が減少可能に変形する変形部分14を備える液体収容部10、及び、液体収容部10を収容空間11の体積が減少するように変形させたときに、変形部分14の変形状態を保持するロック部20を備えることを特徴とする。

Description

本発明は、液体を液透過性担体に透過させるための通液装置に関する。
本発明はまた、核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法に関する。
遺伝子検査は核酸を解析することにより高感度かつ短時間での結果判定が可能であり、農畜水産、品質検査など多様な領域において応用される産業上重要な検査法である。遺伝子検査のためには、核酸を含む検体から、核酸を分離する必要がある。
核酸を含む検体から核酸を分離する方法としては、核酸を含む検体から調製された、核酸を含む液体を、核酸が吸着する液透過性担体に通過させた後、該担体に吸着された核酸を回収する方法や、核酸を含む液体を、核酸が透過する液透過性担体に通過させて該担体に不純物を吸着し、該担体を透過した、核酸を含む液体を回収する方法が知られている。
特許文献1では、核酸処理試薬を収容し、圧縮変形により体積が減少可能に構成された処理試薬収容容器と、核酸を含む検体を収容するための収容空間を有し、核酸吸着担体を備えた核酸採取部材とを用意し、前記核酸採取部材に核酸を含む検体を収容した後、前記核酸採取部材に前記処理試薬収容容器を接続して一体化し、一体化された容器内で前記核酸処理試薬と前記検体との混合液を生成した後、前記処理試薬収容容器を圧縮変形させて体積を減少させ、前記混合液を前記核酸吸着担体に透過させて排出する方法が記載されている。前記処理試薬収容容器の、圧縮変形により体積が減少可能な構造として蛇腹構造が開示されている。
特許文献2では、生体物質等の各種物質が結合されまたは結合可能な担体を封入し、担体による処理を容易化した担体封入変形容器が開示されている。前記担体封入変形容器は、壁面で囲まれた内部に液体および気体を収容可能であって、その壁面の全内表面積を実質的に変えることなく所定の変形が可能な変形壁面を前記壁面の一部に有する収容部と、該収容部と連通し該変形壁面の変形による前記内部の膨張および収縮によって吸引吐出される液体が流入流出可能な口部と、前記収容部内に略静止状態で封入された所定の物質が結合しまたは結合可能な担体とを有する。特許文献2では、前記変形壁面として蛇腹構造の壁面が開示されている。
特許文献3では、懸濁液をろ過しつつ、ろ液を滴下容器に滴下し、滴下量が過剰なときには過剰分を吸引可能として、一定量のろ液を前記滴下容器に注入するための、懸濁液をろ過するフィルタを備えたフィルタ付き注出部材と、容器本体と、副容器とを備えた容器が開示されている。前記容器本体は、筒状に備えた胴部を有しており、この胴部の下端側に前記フィルタ付き注出部材が装着されている。前記容器本体の胴部内に、核酸を含む懸濁液を収容し、前記胴部を圧搾することで、前記懸濁液が圧送され前記フィルタを通過して不要物が除去され、核酸を含む液体がろ液として吐出される。
国際公開WO2017/043649 特開2012−150118号公報 国際公開WO2017/078043
核酸を含む試料液等の液体を液透過性担体に通過させる処理を行うための容器として、液体を収容し、液透過性担体を通じて前記液体を排出できるように構成された容器が特許文献1〜3には開示されている。そして特許文献1、2では、容器の壁面に蛇腹部を設け、蛇腹部を圧縮変形させることで液体を圧送することが開示されている。特許文献3では、容器本体の腹部を圧搾により変形させて液体を圧送することが開示されている。
特許文献1〜3に記載されている容器は、容器の変形と形状回復を複数回繰り返すことにより、液透過性担体を通じて液体を圧送するという使用に適したものである。しかし、特許文献1〜3に記載されている容器を用いて、容器の変形と形状回復を複数回繰り返して、液透過性担体を通じて液体を圧送する場合、液体の圧力の変化が大きく不規則であり、且つ、前記担体を液体が通過する方向が不規則となるため、前記担体に吸着されるべき成分が前記担体を通過することや、前記担体を通過すべき成分が前記担体に吸着されることが生じやすいという課題があった。
本発明者らは、核酸含有試料液等の液体の液透過性担体による処理を安定した条件で行うための装置及び方法を提供すべく鋭意検討し以下の本発明を完成するに至った。
(1)液体を液透過性担体に透過させるための通液装置であって、
液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える、液体収容部、及び、
前記液体収容部を前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記変形部分の変形状態を保持するロック部
を備える通液装置。
(2)前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、前記蛇腹部の最大圧縮状態での前記軸の方向の長さをL2とし、前記蛇腹部の、前記ロック部により前記変形状態が保持されたときの前記軸の方向の長さをL3としたとき、
(L1−L3)≧0.9×(L1−L2)
の関係を満たす、(1)に記載の通液装置。
(3)前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記ロック部が、前記蛇腹部を初期状態から前記軸に沿って圧縮変形して前記変形状態としたときの、前記蛇腹部の前記初期状態への回復を阻止するロック部である、(1)又は(2)に記載の通液装置。
(4)前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記ロック部が、前記蛇腹部の、前記軸の方向に沿った少なくとも一部分を覆うように配置され、前記蛇腹部の、前記軸に垂直な方向への変形を制限する案内部を備える、(1)〜(3)のいずれかに記載の通液装置。
(5)前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、
前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の前記軸の方向の長さをL4としたとき、
L4≦0.3×L1
の関係を満たす、(4)に記載の通液装置。
(6)前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の段数が5段以下である、(4)又は(5)に記載の通液装置。
(7)前記変形部分の一方側の前記液体収容部の外表面に、第1係止部が形成されており、
前記変形部分の他方側の前記液体収容部の外表面に、前記ロック部の一部が連結されており、
前記ロック部には第2係止部が形成されており、
前記ロック部の前記第2係止部は、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記液体収容部の前記第1係止部に係止することにより前記変形部分の変形状態を保持する、(1)〜(6)のいずれかに記載の通液装置。
(8)前記液体収容部として、収容容器と、前記液透過性担体を保持する担体保持部とを備え、
前記収容容器と前記担体保持部とは一体となって前記液体収容部を形成し、
前記収容容器が、第1空間を内包し、前記第1空間に液体が収容されており、前記第1空間に収容された前記液体を放出する放出口が形成されている容器本体と、前記放出口を封止する蓋体とを備え、前記容器本体は、前記第1空間の体積が減少可能に変形する前記変形部分を含み、
前記担体保持部が、第2空間を内包し、前記第2空間の一方側において、前記第2空間に前記液体が供給可能なように前記収容容器の前記放出口に接続される液体供給口が形成されており、前記第2空間の他方側において、前記第2空間に供給された前記液体を排出する前記排出口が形成されている担体保持部本体と、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体とを備え、
前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分とは互いに接続可能であり、
前記担体保持部は、前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分との接続により、前記第1空間と前記第2空間とを連通して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を形成するように、前記蓋体による前記放出口の封止を開放する開放部を備える、(1)〜(7)のいずれかに記載の通液装置。
(9)前記液透過性担体が、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体であり、
前記収容容器として、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体を収容した収容容器を備え、
前記担体保持部の前記第2空間が、核酸を含む検体を収容するための空間である、(8)に記載の通液装置。
(10)前記収容容器として、前記液透過性担体を洗浄する洗浄液を収容した更なる収容容器を備える、(9)に記載の通液装置。
(11)前記液体収容部の、前記排出口と反対の位置に、前記排出口に向けて押圧することにより前記変形部分を圧縮変形させる押圧部が形成されており、
前記液体収容部に取り外し可能に装着された、前記押圧部への押圧を制限するストッパー部材を更に備える、(1)〜(10)のいずれかに記載の通液装置。
(12)核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法であって、
液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える、液体収容部、及び、
前記液体収容部を前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記変形部分の変形状態を保持するロック部
を備える通液装置を用い、
前記液体収容部の前記収容空間に、核酸を含む液体を収容する工程1と、
工程1の後に、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように、前記ロック部により変形状態が保持されるまで変形させることで、前記液体を圧送して、前記液透過性担体に透過させながら前記排出口から排出する工程2と
を含む方法。
(13)前記通液装置において、
前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、前記蛇腹部の最大圧縮状態での前記軸の方向の長さをL2とし、前記蛇腹部の、前記ロック部により前記変形状態が保持されたときの前記軸の方向の長さをL3としたとき、
(L1−L3)≧0.9×(L1−L2)
の関係を満たす、(12)に記載の方法。
(14)前記通液装置において、
前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記ロック部が、前記蛇腹部を初期状態から前記軸に沿って圧縮変形して前記変形状態としたときの、前記蛇腹部の前記初期状態への回復を阻止するロック部である、(12)又は(13)に記載の方法。
(15)前記通液装置において、
前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
前記ロック部が、前記蛇腹部の、前記軸の方向に沿った少なくとも一部分を覆うように配置され、前記蛇腹部の、前記軸に垂直な方向への変形を制限する案内部を備える、(12)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、
前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の前記軸の方向の長さをL4としたとき、
L4≦0.3×L1
の関係を満たす、(15)に記載の方法。
(17)前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の段数が5段以下である、(15)又は(16)に記載の方法。
(18)前記通液装置において、
前記変形部分の一方側の前記液体収容部の外表面に、第1係止部が形成されており、
前記変形部分の他方側の前記液体収容部の外表面に、前記ロック部の一部が連結されており、
前記ロック部には第2係止部が形成されており、
前記ロック部の前記第2係止部は、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記液体収容部の前記第1係止部に係止することにより前記変形部分の変形状態を保持する、(12)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19)前記通液装置が、
前記液体収容部として、収容容器と、前記液透過性担体を保持する担体保持部とを備え、
前記収容容器と前記担体保持部とは一体となって前記液体収容部を形成し、
前記収容容器が、第1空間を内包し、前記第1空間に、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体が収容されており、前記第1空間に収容された前記液体を放出する放出口が形成されている容器本体と、前記放出口を封止する蓋体とを備え、前記容器本体は、前記第1空間の体積が減少可能に変形する前記変形部分を含み、
前記担体保持部が、核酸を含む検体を収容するための第2空間を内包し、前記第2空間の一方側において、前記第2空間に前記液体が供給可能なように前記収容容器の前記放出口に接続される液体供給口が形成されており、前記第2空間の他方側において、前記第2空間に供給された前記液体を排出する前記排出口が形成されている担体保持部本体と、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体とを備え、
前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分とは互いに接続可能であり、
前記担体保持部は、前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分との接続により、前記第1空間と前記第2空間とを連通して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を形成するように、前記蓋体による前記放出口の封止を開放する開放部を備え、
工程1が、
前記担体保持部の、前記第2空間に、核酸を含む検体を収容する工程11と、
工程11の後に、前記収容容器の前記容器本体と前記担体保持部の前記担体保持部本体とを接続して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を内包する前記液体収容部を形成する工程12と、
工程12において形成された前記収容空間内で、前記液体と前記検体とを混合し、前記検体中の核酸を検体中で遊離させて、核酸を含む液体を生成する工程13と
を含む、(12)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(20)核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法であって、
前記液体に圧力を加えて前記液体を前記液透過性担体に透過させる工程を含み、
前記工程において、前記圧力が、最大圧力に達した後に時間経過とともに低減することを特徴とする方法。
(21)前記工程が、
前記液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える液体収容部を備える通液装置を用いること、及び、
前記液体収容部の前記収容空間に前記液体を収容し、前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させ、変形後に前記変形部分の変形状態を保持することを含む、(20)に記載の方法。
(22)前記最大圧力が100kPa以上である、(20)又は(21)に記載の方法。
(23)前記液体の、前記液透過性担体に対する通液量が、前記液透過性担体の体積1mmあたり、0.2mL/分以上である、(20)〜(22)のいずれかに記載の方法。
(24)前記液体が、粘度が20mPa・s以下である液体であり、
前記液透過性担体が、前記液体の通液量が、前記液透過性担体の体積1mmあたり、0.2mL/分以上である液透過性担体である、(20)〜(23)のいずれかに記載の方法。
(25)前記液体が、核酸を含む検体の、核酸を検体中で遊離させる試薬による処理物を含む液体であり、
前記液透過性担体が、スルーポア径が20〜50μm、厚さが1〜2mmであるモノリス型シリカである、(20)〜(24)のいずれかに記載の方法。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018−065238号の開示内容を包含する。
上記(1)〜(11)に記載の装置によれば、液体を液透過性担体に透過させる際の、液体の圧力の変化が規則的となり、液体が液透過性担体を通過する方向が一定となるため、液体を液透過性担体に透過させる処理を安定した条件で行うことができる。
上記(12)〜(19)に記載の方法によれば、核酸を含む液体を液透過性担体に透過させる処理を安定した条件で行うことができる。
上記(20)〜(25)に記載の方法によれば、核酸を含む液体を液透過性担体に透過させる処理を安定した条件で行うことができる。
図1はロック部20の外観を示す。 図2は収容容器110の正面図である。 図3Aは、収容容器110とロック部20とを一体化したユニット2の正面図である。 図3Bは、ユニット2の断面図である。 図4Aは、担体保持部の、検体を採取するための第1部材1310の正面図である。 図4Bは、担体保持部の、検体を採取するための第1部材1310の上面図である。 図4Cは、図4BでのA−A線による第1部材1310の断面図である。 図5Aは、担体保持部の、担体13を保持する第2部材1320の正面図である。 図5Bは、担体保持部の、担体13を保持する第2部材1320の上面図である。 図5Cは、図5BでのA−A線による第2部材1320断面図である。 図6Aは、第1部材1310と、第2部材1320と、担体13を組み合わせて構成された担体保持部120の断面図である。 図6Bは、担体保持部120の第2空間131に、核酸を含む検体Sを収容した状態の断面図である。 図7Aは、通液装置1の正面図である。 図7Bは、通液装置1の断面図である。 図7Cは、通液装置1において、蛇腹部14を圧縮変形させ、ロック部20により変形状態を保持したときの、圧縮直後の状態の断面図である。 図7Dは、通液装置1において、蛇腹部14を圧縮変形させ、ロック部20により変形状態を保持し、液体Lの全量が担体13を透過した状態の断面図である。 図8は、図7Dに示す液体L透過後の通液装置1から、担体保持部120の第1部材1310よりも上流側を取り外し、核酸を担持している担体13を含む第2部材1320と回収容器40を残した状態の断面図である。 図9は、核酸を担持している担体13を洗浄するための洗浄液Lを収容した収容容器110’及びロック部20’を備えたユニット2’の断面図である。 図10Aは、収容容器110’及びロック部20’を備えたユニット2’を、核酸を担持している担体13を含む第2部材1320に接続して形成した通液装置1’の断面図である。 図10Bは、通液装置1’において、蛇腹部14を圧縮変形させ、ロック部20により変形状態を保持し、洗浄液Lが担体13を透過した状態の断面図である。 図11は、洗浄液Lによる洗浄後の、核酸を担持した担体13を保持する第2部材1320の断面図である。 図12は、シリンジ50から溶離液Lを、核酸を担持した担体13に向けて注入して通過させ、核酸を含む溶離液Lを試料採取容器60に採取する工程を説明するための模式図である。
<装置>
本発明の通液装置の一実施形態として、図7A〜7Dに図示する通液装置1について説明する。
通液装置1は、液体収容部10とロック部20とを備える。以下に液体収容部10とロック部20についてそれぞれ具体的に説明する。
液体収容部10は、液体Lを収容するための収容空間11を内包し、収容空間11に収容された液体Lを排出するための排出口12が形成されており、排出口12を通じて排出される液体Lが透過するように配置された液透過性担体13(以下「担体13」と表す場合がある)を備える。
液体収容部10は、収容空間11の体積が減少可能に変形する変形部分として、1つの軸Xに沿って圧縮変形可能な蛇腹部14を含む。
本発明において「蛇腹部」とは、液体収容部の収容空間を囲う壁面の一部であって、軸Xに沿って圧縮変形可能であり、軸Xに略垂直な方向に、軸Xの周りを囲うように延びる山及び谷が、軸Xの方向に交互に複数形成された折れ曲がり可能な壁面からなる部分である。蛇腹部は、典型的には、軸Xの方向に延び一端が閉塞し他端が開放された筒状の部分である。図示する実施形態では、蛇腹部は、閉塞した前記一端の側から押圧して圧縮変形されることから、前記一端を「押圧部」と称する。
本実施形態において、液体収容部10は、収容容器110と、担体13を保持する担体保持部120とが組み合わされて一体化したものである。担体保持部120は、担体13と、それを保持する担体保持部本体130とを備える。更に、担体保持部本体130は、検体を採取するための第1部材1310と、担体13を保持する第2部材1320とが組み合わされて一体化されたものである。
ロック部20は、液体収容部10を収容空間11の体積が減少するように変形させたときに、変形部分である蛇腹部14の変形状態を保持するための部材である。
以下に、ロック部20(図1)、収容容器110(図2)、ロック部20と収容容器110とを一体化したユニット2(図3A、3B)、第1部材1310(図4A、4B、4C)、担体13と組み合わせた第2部材1320(図5A、5B、5C)、担体保持部本体130(図6A)について、具体的な構造を個別に説明する。
図1はロック部20の外観を示す。ロック部20は、蛇腹部14の周囲に、軸Xの方向に沿って延び、蛇腹部14の外表面14Aの一部分を覆うように配置された筒状の案内部210と、筒状の案内部210の、蛇腹部14の押圧部15の側に位置する端部210Aに接続され、蛇腹部14の押圧部15と連結される連結部220と、筒状の案内部210の他方の端部210Bの近傍の、筒状の案内部210の内周面210C上に、内方に突出するように配置されたロック部側係止部(第2係止部)230とを備える。ロック部側係止部(第2係止部)230は、周方向に延在する係止爪であり、本実施形態では周方向の異なる位置に3つ設けられている。
図2は収容容器110の正面図である。図3Aは、収容容器110とロック部20とを一体化したユニット2の正面図であり、図3Bは、ユニット2の断面図である。
収容容器110は、第1空間112を内包し、第1空間112に液体Lが収容されており、第1空間112に収容された液体Lを放出する放出口113が形成されている容器本体111と、放出口113を封止する蓋体114とを備える。
容器本体111は、その一部に、第1空間112の体積が減少可能に変形する変形部分である、蛇腹部14を備える。図示しないが、容器本体が備える変形部分の他の例としては、筒体と、該筒体の内壁に側壁が当接し且つ、該筒体の内壁と側壁とが空気を漏らさないように当接しながら該筒体の軸方向に沿って摺動可能なように収容されたピストンとの組合せが例示できる。
本実施形態において蛇腹部14は、軸Xに垂直な平面よる断面が円形であるが、該断面の形状は限定されず、四角形(正方形、長方形)、三角形、五角形等の多角形であってもよい。円形には、真円、楕円、真円が扁平した形状、楕円が変形した形状などが含まれる。多角形には角部が丸みを帯びた形状も含まれる。
容器本体111は、更に、蛇腹部14の一方の開放された端部の側に配置された、放出口113を囲う部分である放出口周縁部115と、蛇腹部14と放出口周縁部115とを接続する接続部116とを備える。放出口周縁部115は筒状であり、一方側が開放されて放出口113を形成し、他方側が、接続部116を介して蛇腹部14に接続される。放出口周縁部115の軸Xと垂直な方向の幅は、接続部116の軸Xと垂直な方向の幅よりも大きく、放出口周縁部115と接続部116とは段部117を介して接続されている。容器本体111内の第1空間112は、蛇腹部14と、放出口周縁部115と、接続部116との内部空間が一体となって形成された空間である。
容器本体111において、押圧部15と放出口113は、蛇腹部14の軸Xの方向に対向する位置に配置されている。
容器本体111の放出口113を封止する蓋体114は、後述の通り、収容容器110を担体保持部120と接続する際に、破壊されるように構成されている。蓋体114は合成樹脂を含むフィルムや、アルミニウムフィルムなどの金属フィルムにより構成することができ、複数種類のフィルムが積層されたものであってもよい。蓋体114は、放出口周縁部115の放出口113の側の端部に接着剤や、熱や超音波による溶着等の手段により固着されることができる。
図3A及び3Bに示すように、収容容器110とロック部20とは、収容容器110の容器本体111の押圧部15に、ロック部20の連結部220が固定されて一体化され、ユニット2を構成する。ユニット2は、押圧部15を介した収容容器110の蛇腹部14への意図しない押圧を制限するために、取り外し可能なストッパー部材30を更に備えることが好ましい。ストッパー部材30は、容器本体111の接続部116の周囲に取り外し可能に固定され、一端が、ロック部20の案内部210の端部210Bに当接し、他端が、段部117に当接する。ストッパー部材30を備えるユニット2は、後述する、担体保持部120へ接続する操作が容易となるため好ましい。
第1部材1310の正面図を図4Aに、上面図を図4Bに、図4BでのA−A線による断面図を図4Cにそれぞれ示す。
本実施形態では、第1部材1310は、液体供給口1311が一端に形成された筒状の液体供給口周縁部1312と、液体供給口周縁部1312の、液体供給口1311の側の端部1312Aとは反対側の端部である下流側端部1312Bに接続され、液体供給口1311とは反対方向に延在する、筒状の第1延在部1313とを備える。液体供給口周縁部1312は更に、外周面1312C上に、周方向の全体に亘って延在し、径方向外方に突出した係止爪である、液体収容部側係止部(第1係止部)1312Dを備える。第1延在部1313の内周面1313Aには、後述する第2部材1320の第3延在部1322の第3螺合部1322Bと螺合するための第1螺合部1313Bが設けられている。第1部材1310は更に、液体供給口周縁部1312の下流側端部1312Bから、径方向内方に張り出した内フランジ部1314と、内フランジ部1314の内側端1314Aから、液体供給口1311とは反対方向に延在する筒状の第2延在部1315とを備える。第1部材1310は更に、第2延在部1315の内周面1315Aの対向する部分を、第2延在部1315の延在方向と直交する方向に延在して架橋する、第2延在部1315の延在方向に沿って見た時の形状が略十字状となる架橋部1316と、架橋部1316から液体供給口1311に向け立設された第1突出部1317とを備える。第1突出部1317の先端には、液体供給口1311に向けて先鋭となった複数の突起1317Aが設けられている。更に、架橋部1316と、第2延在部1315の内周面1315Aとの間には、第2延在部1315の延在方向と直交する方向に沿って、液体が自由に通過できるフィルタ1318が配置されている。フィルタ1318は、比較的寸法の大きい粗大な固形物を取り除く目的で配置されており、具体的な構造としては、メッシュ(網)、繊維の集合体(織布、不織布、ろ紙等)、金属又は樹脂を焼結した焼結ろ材等が例示できる。第1部材1310は更に、内フランジ部1314の、液体供給口1311の側の面1314B上に、液体供給口1311に向け立設された、周方向に等間隔に配置された12本の第2突出部1319を備える。第2突出部1319の先端には、液体供給口1311に向けて先鋭となった先鋭部1319Aが設けられている。
担体13と組み合わせた第2部材1320の正面図を図5Aに、上面図を図5Bに、図5BでのA−A線による断面図を図5Cにそれぞれ示す。
本実施形態では、第2部材1320は、一端に開口1321が形成された筒状の第3延在部1322を備える。第3延在部1322の外径は、第1部材1310の第1延在部1313の内径よりも小さい。第3延在部1322の外周面1322Aには、第1部材1310の第1延在部1313の第1螺合部1313Bと螺合するための第3螺合部1322Bが設けられている。第3延在部1322の開口1321付近の内径は、第1部材1310の第2延在部1315の外径よりも大きい。第3延在部1322のうち、開口1321が形成された端部と反対側の端部である下流側端部1322C寄りの部分には、内径が小さくなるように径方向内方に膨出した膨出部1322Dが形成されており、第3延在部1322の膨出部1322Dでの内径は、第1部材1310の第2延在部1315の外径よりも僅かに小さい。第2部材1320は更に、第3延在部1322の下流側端部1322Cに接続された排出部1323を備える。排出部1323は、径方向内方に近づくほど、連続的又は段階的に開口1321から遠ざかる内側面1323Aを有し、且つ、末端に排出口12が形成されている。第2部材1320は更に、排出部1323の内側面1323A上に、開口1321に向け立設された、周方向に等間隔に配置された4つの第4突出部1326を備える。第2部材1320の排出部1323の、排出口12から排出される液体の流路となる位置に、担体13が配置される。第2部材1320は更に、第3延在部1322の下流側端部1322Cに接続され、径方向外方に向け張り出したフランジ部1324と、フランジ部1324の外周縁部1324Aに接続され、開口1321とは反対方向に延在する、筒状の第4延在部1325を備える。第4延在部1325の内周面1325Aには、後述する回収容器40の首部42の外周面42Aに設けられた第5螺合部42Bと螺合するための第4螺合部1325Bが設けられている。
図6Aに、第1部材1310と、第2部材1320と、担体13を組み合わせて構成された担体保持部120の断面模式図を示す。第1部材1310と、第2部材1320とは、第1部材1310の第1延在部1313と、第2部材1320の第3延在部1322とを螺合することにより一体化される。第1部材1310と第2部材1320とからなる担体保持部本体130は、第1部材1310の内部空間と第2部材1320の内部空間とが一体となった第2空間131を内包する。このとき、第1部材1310の第2延在部1315の外周面1315Bに、第2部材1320の第3延在部1322の膨出部1322Dが当接して、第2空間131からの液漏れを防ぐ。
図6Aでは更に、液体を回収する回収容器40を示す。回収容器40の入口41は、首部42により囲われている。首部42の外周面42Aには第5螺合部42Bが設けられている。図6Aに示すように、第2部材1320の第4延在部1325と、回収容器40の首部42とが螺合されて一体化される。第2部材1320と回収容器40との接続は気密ではない。
続いて、図3B等に示す収容容器110と図6A等に示す担体保持部120とを組み合わせて液体収容部10を形成する手順について説明する。
収容容器110が備える容器本体111の放出口周縁部115の外周面115Aには、図3Bに示すように、全周を囲うように周方向に延びるリング状凹溝115B及び径方向外方に突出したリング状突起115Cが設けられており、更に、全周を囲うように周方向に延びる弾性変形可能なOリング115Dが配置されている。
一方、担体保持部120の液体供給口周縁部1312の内周面1312Eには、全周を囲うように周方向に延び、径方向内方に突出した、2つのリング状突起1312Fが設けられている。
図7Bに示すように、容器本体111の放出口周縁部115は、担体保持部120の液体供給口周縁部1312に嵌入して接続することができる。このとき、Oリング115Dは、容器本体111の放出口周縁部115の外周面115Aと、担体保持部120の液体供給口周縁部1312の内周面1312Eとの両方に当接して弾性変形し、それらの間の液体の流通を阻止する。また、容器本体111の放出口周縁部115の外周面115A上のリング状凹溝115B及びリング状突起115Cと、担体保持部120の液体供給口周縁部1312の内周面1312E上の2つのリング状突起1312Fとが互いに係合することで、容器本体111の放出口周縁部115と担体保持部120の液体供給口周縁部1312との接続を強固にする。
更に、容器本体111の放出口周縁部115と担体保持部120の液体供給口周縁部1312とを接続するとき、担体保持部120が備える、第1突出部1317の先端の複数の突起1317Aと、第2突出部1319の先端の先鋭部1319Aとが、収容容器110の放出口113を封止する蓋体114に押し当てられて蓋体114を破壊し、収容容器110の放出口113を開放する。すなわち、担体保持部120が備える、第1突出部1317及び第2突出部1319が開放部に相当する。この結果、収容容器110の第1空間112と担体保持部120の第2空間131とが連通して一体となった、収容空間11が得られる。
すなわち、図7A、7Bに示すように、収容容器110と担体保持部120とを組み合わせることで、液体Lを収容するための収容空間11を内包し、収容空間11に収容された液体Lを排出するための排出口12が形成され、排出口12を通じて排出される液体Lが透過するように配置された液透過性担体13、及び、収容空間11の体積が減少可能に変形する変形部分である蛇腹部14を備える、液体収容部10が形成される。液体収容部10において、蛇腹部14を押圧するための押圧部15と、排出口12とは、蛇腹部14の圧縮方向の軸Xに沿って対向する位置に配置されている。
本実施形態では、担体保持部120と組み合わせる収容容器110が、ロック部20と一体化されたユニット2の形態である。図7A、7Bに示すように、ストッパー部材30を設けることで、押圧部15を介した蛇腹部14への意図しない押圧が制限されるため、ユニット2の形態の収容容器110の放出口周縁部115を、担体保持部120の液体供給口周縁部1312に押し込んで接続する操作が容易になるため好ましい。
続いて、ロック部20により、蛇腹部14の変形状態を保持する機構について説明する。
図7A、7Bに示す状態の通液装置1からストッパー部材30を取り外し、液体収容部10の蛇腹部14を軸Xに沿って圧縮変形させると、図7Cに示すように、液体収容部10の、液体収容部側係止部(第1係止部)1312Dと、ロック部20の、ロック部側係止部(第2係止部)230とが互いに係止され、蛇腹部14の形状の初期状態への回復が阻止されるため、蛇腹部14の変形状態が保持される。
図7Cは、蛇腹部14を圧縮変形させた直後の、液体Lが担体13を透過して排出される前の状態を示す。この状態のとき収容空間11内の気圧は最大圧となり、時間経過とともに液体Lが担体13を通過して排出口12から排出され、液体Lの排出に伴い収容空間11内の気圧は低減し、最終的には、図7Dに示すように、液体Lが収容空間11から回収容器40内に全て排出した状態に至る。この過程では、液体Lを担体13に通過させる収容空間11内の気圧は、蛇腹部14の圧縮直後に最大圧となり、時間経過とともに徐々に低減するため、液体Lが担体13を通過する向きは液体収容部10の内から外の向きに限定され、且つ、担体13を通過する液体Lの流れは規則的で穏やかである。この結果、担体13に吸着されるべき液体L中の成分が担体13を通過することや、担体13を通過すべき液体L中の成分が担体13に吸着されるという問題が生じ難い。すなわち本発明の通液装置によれば、容器の変形と形状回復を複数回繰り返して液体を担体に通過させる従来技術と比較して、液体を担体に通過させる処理を安定した条件で行うことができる。
通液装置1の好ましい実施形態では、蛇腹部14の初期状態での軸Xに沿った長さをL1(図7B参照)とし、蛇腹部14の最大圧縮状態での軸Xに沿った長さをL2とし、蛇腹部14の、ロック部20により変形状態が保持されたときの軸Xに沿った長さをL3(図7C参照)としたとき、
(L1−L3)≧0.9×(L1−L2)
の関係を満たす。この実施形態では、蛇腹部14の最大圧縮幅(L1−L2)の90%以上の圧縮幅となるまで蛇腹部14を圧縮した状態をロック部20により保持することができるため、収容空間11内で生じる最大圧が高く、液体Lの担体13への通液を効率的に行うことができる。この実施形態の通液装置1は、液体Lの粘性が高い場合や、担体13のスルーポア径が小さい場合の処理に有利である。
更に、図示する実施形態の通液装置1は、蛇腹部14の、押圧部15から軸Xに沿った一部分を周囲から覆うように配置された筒状の案内部210を備えることにより、押圧部15を排出口12に向けて押圧して蛇腹部14を圧縮する際に、蛇腹部14が軸Xに垂直な方向に変形することが案内部210により制限される。この構成により、蛇腹部14を圧縮変形させる際に蛇腹部14が軸Xから外れた方向に屈曲することを防止でき、蛇腹部14を軸Xに沿って圧縮変形させることが容易である。
通液装置1の別の好ましい実施形態では、蛇腹部14の初期状態での軸Xに沿った長さをL1(図7A参照)とし、蛇腹部14の、案内部210により覆われていない非被覆部分の軸Xに沿った長さをL4(図7B参照)としたとき、
L4≦0.3×L1
の関係を満たし、更に好ましくは
L4≦0.2×L1
の関係を満たす。この実施形態では、蛇腹部14を圧縮変形させる際に蛇腹部14が軸Xから外れた方向に屈曲することを更に効果的に防止することができるため、蛇腹部14を軸Xに沿って圧縮変形させることが更に容易である。
通液装置1の更に別の好ましい実施形態では、蛇腹部14の、案内部210により覆われていない非被覆部分の段数が5段以下であり、より好ましくは4段以下であり、より好ましくは3段以下であり、より好ましくは2段以下である。ここで、蛇腹部14の非被覆部分の段数とは、蛇腹部14を構成する複数の山のうち、非被覆部分に含まれる山の数を指す。例えば図7Bに示す実施形態では、蛇腹部14の非被覆部分の段数は約1.7段である。この実施形態では、蛇腹部14を圧縮変形させる際に蛇腹部14が軸Xから外れた方向に屈曲することを更に効果的に防止することができるため、蛇腹部14を軸Xに沿って圧縮変形させることが更に容易である。
通液装置1において、担体13及び担体13に透過させる液体Lの組成及び種類は特に限定されず、処理の目的に応じて適宜選択することができる。典型的には、担体13は、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体であり、液体Lは、核酸を含む液体、又は、核酸を担持した液透過性担体を処理するための液体である。
<通液装置1を用いた核酸含有液体の処理>
上記の通液装置1を用いて、核酸を含む検体Sと、検体Sを処理する薬液Lとを混合して得た液体Lを、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体13に透過して処理する方法について以下に具体的に説明する。
液透過性担体としては、シリカ等の無機担体、樹脂、不溶性多糖等の有機担体が例示されるがこれに限定されない。これらの担体は粉末状、繊維状、多孔質状であっても良く、磁性を帯びていても良く、任意の修飾をされていても良い。液透過性担体はカラム状、メンブレン状等の形状に成形されたものを用いることができる。メンブレン状の液透過性担体の厚さは特に限定されないが、好ましくは1mm〜1.5mmである。メンブレン状の液透過性担体の平面視形状は特に限定されないが、好ましくは直径1mm〜10mmの円形である。多孔質状の核酸吸着性担体としては、例えば、モノリス構造の多孔質担体が例示でき、特に好ましくはモノリス型シリカである。
モノリス型シリカとしては、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から求めたスルーポア径の平均値が20〜50μmであることが好ましく、厚さが1〜2mmであることが好ましい。
本実施形態では、図3A、3Bに示す、収容容器110とロック部20とを一体化したユニット2、並びに、図6Aに示す、第1部材1310と、第2部材1320と、担体13を組み合わせて構成された担体保持部120を用いることが好ましい。担体保持部120の下流側には更に、図6Aに示すように、液体を回収する回収容器40が接続されていることが好ましい。
ユニット2が備える収容容器110の第1空間112に収容される液体Lは、典型的には、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体である。このような液体は、例えば、アルカリ物質と、チオール系還元剤と、アルコールとを含む水溶液である。アルカリ物質としては水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、チオール系還元剤としてはN−アセチル−L−システインが好ましく、アルコールとしてはエタノールが好ましい。
本実施形態ではまず、図6Bに示すように、担体保持部120の第2空間131に、核酸を含む検体Sを収容する(工程11)。核酸を含む検体Sとしては、例えば生体試料、飲食物、河川水、海水等が挙げられる。生体試料はヒト等の動物に由来するものであってもよいし、植物に由来するものであってもよいし、微生物に由来するものであってもよい。生体試料としては血液、尿、糞便、喀痰、唾液、鼻汁、拭い液等が挙げられる。
更に、工程11の後に、図7A、7Bに示すように、ユニット2が備える収容容器110の放出口周縁部115と、検体Sを収容した担体保持部120の液体供給口周縁部1312との接続により、収容容器110の蓋体114を破壊して、収容容器110の第1空間112と、担体保持部120の第2空間131とを連通し、収容空間11を内包する液体収容部10を形成する(工程12)。
更に、収容空間11内で、液体Lと検体Sを混合し、検体Sから核酸を遊離させて、核酸を含む液体Lを生成する(工程13)。液体Lと検体Sとの混合のために、図7A、7Bに示す通液装置1の全体を振ることが好ましい。
続いて、図7A、7Bに示す通液装置1からストッパー部材30を取り外し、液体収容部10の蛇腹部14を軸Xに沿って圧縮変形させる。図7Cに示すように、液体収容部10の、液体収容部側係止部(第1係止部)1312Dと、ロック部20の、ロック部側係止部(第2係止部)230とが互いに係止し、蛇腹部14の圧縮変形した状態が保持される。蛇腹部14の圧縮変形により収容空間11内の気圧は高まり、液体Lは収容空間11の高められた気圧により圧送され、担体13を透過しながら、排出口12から排出され、回収容器40内に回収される(図7D)。この過程で、収容空間11内の気圧は最大圧に達した後は時間経過とともに徐々に低減する。
担体13が、核酸を通過させる液透過性担体である実施形態では、回収容器40内に回収された液体は、核酸を含んでおり、担体13により不純物が除去された液体である。
担体13が、核酸を吸着する液透過性担体である実施形態では、液体Lを透過させた後の担体13は核酸を吸着し担持している。この実施形態では、更に、核酸を担持している担体13を洗浄液により洗浄して不純物を除去し、その後、担体13から核酸を分離して回収することが好ましい。そこで、図8〜12を参照して、核酸を担持している担体13の洗浄と、担体13からの核酸の分離回収について説明する。
図8は、図7Dに示す液体L透過後の通液装置1において、担体保持部120の第1部材1310よりも上流側を取り外し、核酸を担持している担体13を含む第2部材1320と回収容器40を残した状態を模式的に示す。
図9は、核酸を担持している担体13を洗浄するための洗浄液Lを収容した収容容器110’及びロック部20’を備えたユニット2’の断面模式図である。
ロック部20’の構造及び機能はロック部20と同じである。
収容容器110’は、第1空間112’を内包し、第1空間112’に洗浄液Lが収容されており、第1空間112’に収容された洗浄液Lを放出する放出口113’が形成されている容器本体111’と、放出口113’を封止する蓋体114’とを備える。
容器本体111’は、その一部に、第1空間112’の体積が減少可能に変形する変形部分である、蛇腹部14’を備える。蛇腹部14’は、軸X’に沿って圧縮変形可能であり、圧縮変形に伴い第1空間112’の体積が減少する。蛇腹部14’の閉塞した端部が、蛇腹部14’を押圧するための押圧部15’である。
容器本体111’のうち、放出口113’の周囲を囲う部分が、放出口周縁部900である。放出口周縁部900は、蛇腹部14’に接続された筒状の主部901と、主部901の端部から軸Xの方向に延在し、放出口113’を画定する、図5Cに示す第2部材1320の開口1321の内径よりも小さな外径を有する、筒状の第5延在部902と、主部901の端部から軸Xの方向に延在する、図5Cに示す第2部材1320の第3延在部1322の外径よりも僅かに大きな内径を有する、筒状の第6延在部903とが形成されている。第6延在部903の内周面903Aには、第2部材1320の第3延在部1322の第3螺合部1322Bと螺合するための第6螺合部903Bが設けられている。放出口周縁部900は、その外周面900A上に、周方向の全体に亘って延在し、径方向外方に突出した係止爪である、第3係止部900Bを備える。
収容容器110’の、放出口周縁部900以外の部位の構造及び機能は、収容容器110の、対応する名称及び符号を付した部位の構造及び機能と同じであり、説明を省略する。
本実施形態に用いる洗浄液Lは、核酸が吸着した担体13に残存する可溶化試薬や試料由来の夾雑物を洗浄できるものであれば良く、核酸が溶解しない有機溶媒、水溶性高分子溶液、糖水溶液が例示されるがこれに限定されない。洗浄液Lとして用いることができる有機溶媒としてはエタノール、イソプロパノール、アセトンなどが挙げられる。有機溶媒として水溶性有機溶媒を用いる場合、有機溶媒の水溶液を用いることができ、その濃度は当業者によれば容易に最適値を決定することができるが、一例として20〜100重量%、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40%〜80重量%が挙げられる。
図10Aに示すように、収容容器110’及びロック部20’を備えたユニット2’を、核酸を担持している担体13を含む第2部材1320に接続する。この接続は、収容容器110’の放出口周縁部900の第6螺合部903Bと、第2部材1320の第3延在部1322の第3螺合部1322Bとを螺合することで行う。この接続の際に、第2部材1320が備える第4突出部1326の先端が、収容容器110’の放出口113’を封止する蓋体114’に押し当てられて蓋体114’を破壊し、収容容器110’の放出口113’を開放する。この結果、収容容器110’の第1空間112’と、第2部材1320内の空間とが連通して一体となった収容空間11’が形成される。このように、収容容器110’と第2部材1320とは一体となって、収容空間11’を内包する液体収容部10’を構成する。
続いて、図10Bに示すように、液体収容部10’の蛇腹部14’を軸X’に沿って圧縮変形させる。このとき、液体収容部10’の第3係止部900Bと、ロック部20の、ロック部側係止部(第2係止部)230とが互いに係止し、蛇腹部14’の圧縮変形した状態が保持される。蛇腹部14’の圧縮変形により収容空間11’内の気圧は高まり、洗浄液Lは収容空間11’の高められた気圧により圧送され、核酸を担持する担体13を透過しながら、排出口12から排出され、回収容器40内に回収される。洗浄液Lが、核酸を担持する担体13を通過する際も、洗浄液Lが担体13を通過する向きは液体収容部10’の内から外の向きに限定され、且つ、担体13を通過する洗浄液Lの流れは規則的で穏やかである。この結果、担体13に留まるべき核酸が担体13から流出することや、担体13から除去されるべき成分が担体13に残留する問題が生じ難い。
核酸を担持した担体13を洗浄液Lにより洗浄した後、核酸を担持した担体13を保持する第2部材1320を取り出す(図11)。別途、図12に示すように、担体13から核酸を溶出させる溶離液Lを充填したシリンジ50を用意する。シリンジ50から溶離液Lを、核酸を担持した担体13に向けて注入して通過させ、核酸を含む溶離液Lを試料採取容器60に採取する。
本実施形態に用いる溶離液Lは、担体13に吸着された核酸を溶離させることが可能な液体であれば特に限定されない。溶離液Lとしては水、トリス塩酸緩衝液などの緩衝液等が挙げられる。溶離液Lには溶離液としての機能を阻害しない限り、またPCR反応を阻害しない限り、pH緩衝性成分、塩等の成分が含まれていてもよい。
<核酸を含む液体を液透過性担体に透過させる方法>
本発明の他の実施形態は、
核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法であって、
前記液体に圧力を加えて前記液体を前記液透過性担体に透過させる工程を含み、
前記工程において、前記圧力が、最大圧力に達した後に時間経過とともに低減することを特徴とする方法に関する。
最大圧力に達したのち、時間経過とともに低減する圧力により、核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる場合、前記液体が前記担体を通過する向きは1つに限定され、且つ、前記担体を通過する前記液体の流れは規則的で穏やかである。この結果、前記担体に吸着されるべき前記液体中の成分が前記担体を通過することや、前記担体を通過すべき前記液体中の成分が前記担体に吸着されるという問題が生じ難い。
本実施形態の方法は、好ましくは上記の通液装置1を用いて行うが、他の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態の方法において、核酸を含む液体としては、核酸を含む検体と、検体を処理する薬液とを混合して調製した液体が挙げられる。検体としては、上記の検体Sと同様に、例えば生体試料、飲食物、河川水、海水等が挙げられる。生体試料はヒト等の動物に由来するものであってもよいし、植物に由来するものであってもよいし、微生物に由来するものであってもよい。生体試料としては血液、尿、糞便、喀痰、唾液、鼻汁、拭い液等が挙げられる。検体を処理する薬液としては、典型的には、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体である。このような液体は、例えば、アルカリ物質と、チオール系還元剤と、アルコールとを含む水溶液である。アルカリ物質としては水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、チオール系還元剤としてはN−アセチル−L−システインが好ましく、アルコールとしてはエタノールが好ましい。
本実施形態の方法において、前記最大圧力は100kPa以上とすることができる。前記最大圧力は、上限は特に限定されないが、通常は500kPa以下、例えば300kPa以下である。最大圧力がこの範囲である場合、喀痰と、喀痰から核酸を遊離させる薬液とを混合して調製した液体を、液透過性担体に透過させることが容易である。
本実施形態の方法において、核酸を含む液体の、液透過性担体に対する通液量は、特に限定されないが、好ましくは、担体体積1mmあたり、0.2mL/分以上である。通液量がこの範囲であれば、速やかな処理が可能となる。
本実施形態の方法に用いる核酸を含む液体は、好ましくは、粘度が20mPa・s以下である液体である。このような粘度の液体としては、喀痰と、喀痰から核酸を遊離させる薬液とを混合して調製した液体が例示できる。
本実施形態の方法に用いる液透過性担体は、特に限定されないが、上記の通液装置1が備える液透過性担体13について記載の範囲から選択することができ、好ましくは、スルーポア径が20〜50μm、厚さが1〜2mmであるモノリス型シリカである。このモノリス型シリカは、核酸を含む液体から、核酸を吸着する担体として好適である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (25)

  1. 液体を液透過性担体に透過させるための通液装置であって、
    液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える、液体収容部、及び、
    前記液体収容部を前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記変形部分の変形状態を保持するロック部
    を備える通液装置。
  2. 前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、前記蛇腹部の最大圧縮状態での前記軸の方向の長さをL2とし、前記蛇腹部の、前記ロック部により前記変形状態が保持されたときの前記軸の方向の長さをL3としたとき、
    (L1−L3)≧0.9×(L1−L2)
    の関係を満たす、請求項1に記載の通液装置。
  3. 前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記ロック部が、前記蛇腹部を初期状態から前記軸に沿って圧縮変形して前記変形状態としたときの、前記蛇腹部の前記初期状態への回復を阻止するロック部である、請求項1又は2に記載の通液装置。
  4. 前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記ロック部が、前記蛇腹部の、前記軸の方向に沿った少なくとも一部分を覆うように配置され、前記蛇腹部の、前記軸に垂直な方向への変形を制限する案内部を備える、請求項1〜3のいずれか1項記載の通液装置。
  5. 前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、
    前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の前記軸の方向の長さをL4としたとき、
    L4≦0.3×L1
    の関係を満たす、請求項4に記載の通液装置。
  6. 前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の段数が5段以下である、請求項4又は5に記載の通液装置。
  7. 前記変形部分の一方側の前記液体収容部の外表面に、第1係止部が形成されており、
    前記変形部分の他方側の前記液体収容部の外表面に、前記ロック部の一部が連結されており、
    前記ロック部には第2係止部が形成されており、
    前記ロック部の前記第2係止部は、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記液体収容部の前記第1係止部に係止することにより前記変形部分の変形状態を保持する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の通液装置。
  8. 前記液体収容部として、収容容器と、前記液透過性担体を保持する担体保持部とを備え、
    前記収容容器と前記担体保持部とは一体となって前記液体収容部を形成し、
    前記収容容器が、第1空間を内包し、前記第1空間に液体が収容されており、前記第1空間に収容された前記液体を放出する放出口が形成されている容器本体と、前記放出口を封止する蓋体とを備え、前記容器本体は、前記第1空間の体積が減少可能に変形する前記変形部分を含み、
    前記担体保持部が、第2空間を内包し、前記第2空間の一方側において、前記第2空間に前記液体が供給可能なように前記収容容器の前記放出口に接続される液体供給口が形成されており、前記第2空間の他方側において、前記第2空間に供給された前記液体を排出する前記排出口が形成されている担体保持部本体と、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体とを備え、
    前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分とは互いに接続可能であり、
    前記担体保持部は、前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分との接続により、前記第1空間と前記第2空間とを連通して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を形成するように、前記蓋体による前記放出口の封止を開放する開放部を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の通液装置。
  9. 前記液透過性担体が、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体であり、
    前記収容容器として、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体を収容した収容容器を備え、
    前記担体保持部の前記第2空間が、核酸を含む検体を収容するための空間である、請求項8に記載の通液装置。
  10. 前記収容容器として、前記液透過性担体を洗浄する洗浄液を収容した更なる収容容器を備える、請求項9に記載の通液装置。
  11. 前記液体収容部の、前記排出口と反対の位置に、前記排出口に向けて押圧することにより前記変形部分を圧縮変形させる押圧部が形成されており、
    前記液体収容部に取り外し可能に装着された、前記押圧部への押圧を制限するストッパー部材を更に備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の通液装置。
  12. 核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法であって、
    液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える、液体収容部、及び、
    前記液体収容部を前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記変形部分の変形状態を保持するロック部
    を備える通液装置を用い、
    前記液体収容部の前記収容空間に、核酸を含む液体を収容する工程1と、
    工程1の後に、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように、前記ロック部により変形状態が保持されるまで変形させることで、前記液体を圧送して、前記液透過性担体に透過させながら前記排出口から排出する工程2と
    を含む方法。
  13. 前記通液装置において、
    前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、前記蛇腹部の最大圧縮状態での前記軸の方向の長さをL2とし、前記蛇腹部の、前記ロック部により前記変形状態が保持されたときの前記軸の方向の長さをL3としたとき、
    (L1−L3)≧0.9×(L1−L2)
    の関係を満たす、請求項12に記載の方法。
  14. 前記通液装置において、
    前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記ロック部が、前記蛇腹部を初期状態から前記軸に沿って圧縮変形して前記変形状態としたときの、前記蛇腹部の前記初期状態への回復を阻止するロック部である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記通液装置において、
    前記変形部分が、1つの軸に沿って圧縮変形可能な蛇腹部であり、
    前記ロック部が、前記蛇腹部の、前記軸の方向に沿った少なくとも一部分を覆うように配置され、前記蛇腹部の、前記軸に垂直な方向への変形を制限する案内部を備える、請求項12〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記蛇腹部の初期状態での前記軸の方向の長さをL1とし、
    前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の前記軸の方向の長さをL4としたとき、
    L4≦0.3×L1
    の関係を満たす、請求項15に記載の方法。
  17. 前記蛇腹部の、前記案内部により覆われていない非被覆部分の段数が5段以下である、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記通液装置において、
    前記変形部分の一方側の前記液体収容部の外表面に、第1係止部が形成されており、
    前記変形部分の他方側の前記液体収容部の外表面に、前記ロック部の一部が連結されており、
    前記ロック部には第2係止部が形成されており、
    前記ロック部の前記第2係止部は、前記液体収容部の前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させたときに、前記液体収容部の前記第1係止部に係止することにより前記変形部分の変形状態を保持する、請求項12〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記通液装置が、
    前記液体収容部として、収容容器と、前記液透過性担体を保持する担体保持部とを備え、
    前記収容容器と前記担体保持部とは一体となって前記液体収容部を形成し、
    前記収容容器が、第1空間を内包し、前記第1空間に、核酸を検体中で遊離させる試薬を含む液体が収容されており、前記第1空間に収容された前記液体を放出する放出口が形成されている容器本体と、前記放出口を封止する蓋体とを備え、前記容器本体は、前記第1空間の体積が減少可能に変形する前記変形部分を含み、
    前記担体保持部が、核酸を含む検体を収容するための第2空間を内包し、前記第2空間の一方側において、前記第2空間に前記液体が供給可能なように前記収容容器の前記放出口に接続される液体供給口が形成されており、前記第2空間の他方側において、前記第2空間に供給された前記液体を排出する前記排出口が形成されている担体保持部本体と、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体とを備え、
    前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分とは互いに接続可能であり、
    前記担体保持部は、前記容器本体の前記放出口を囲う部分と、前記担体保持部本体の前記液体供給口を囲う部分との接続により、前記第1空間と前記第2空間とを連通して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を形成するように、前記蓋体による前記放出口の封止を開放する開放部を備え、
    工程1が、
    前記担体保持部の、前記第2空間に、核酸を含む検体を収容する工程11と、
    工程11の後に、前記収容容器の前記容器本体と前記担体保持部の前記担体保持部本体とを接続して、前記第1空間と前記第2空間とが一体となった前記収容空間を内包する前記液体収容部を形成する工程12と、
    工程12において形成された前記収容空間内で、前記液体と前記検体とを混合し、前記検体中の核酸を検体中で遊離させて、核酸を含む液体を生成する工程13と
    を含む、請求項12〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 核酸を含む液体を、核酸を吸着する又は核酸を通過させる液透過性担体に透過させる方法であって、
    前記液体に圧力を加えて前記液体を前記液透過性担体に透過させる工程を含み、
    前記工程において、前記圧力が、最大圧力に達した後に時間経過とともに低減することを特徴とする方法。
  21. 前記工程が、
    前記液体を収容するための収容空間と、前記収容空間に収容された前記液体を排出するための排出口とが形成されており、前記排出口を通じて排出される前記液体が透過するように配置された前記液透過性担体、及び、前記収容空間の体積が減少可能に変形する変形部分を備える液体収容部を備える通液装置を用いること、及び、
    前記液体収容部の前記収容空間に前記液体を収容し、前記変形部分を、前記収容空間の体積が減少するように変形させ、変形後に前記変形部分の変形状態を保持することを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記最大圧力が100kPa以上である、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記液体の、前記液透過性担体に対する通液量が、前記液透過性担体の体積1mmあたり、0.2mL/分以上である、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記液体が、粘度が20mPa・s以下である液体であり、
    前記液透過性担体が、前記液体の通液量が、前記液透過性担体の体積1mmあたり、0.2mL/分以上である液透過性担体である、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記液体が、核酸を含む検体の、核酸を検体中で遊離させる試薬による処理物を含む液体であり、
    前記液透過性担体が、スルーポア径が20〜50μm、厚さが1〜2mmであるモノリス型シリカである、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
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