JPWO2019189130A1 - 取付具 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者は、従来の吊下フック具におけるスリット93の幅(図19の矢印Cに示す距離)を広げたり、ドーム部92の外周面とスリット93との境界部分96を可動領域が広がるように削ったりすることによって、可動領域を広げることを試みた。
しかしながら、フック94の可動領域はある程度は広がるようになったが、可動領域を広げてしまうと、その広がりに比例してフックがドーム部92から抜け落ちてしまうという欠点が発生した。
本発明者は、可動領域を広げるという目的を達成することができると伴に、フックがドーム部から抜け落ちてしまうという欠点を解消することができるような吊下フック具を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、可動領域が広がると伴に、フックがドーム部から抜け落ちない吊下フック具(具体的には、フックとベルトと滑り止め部とを主に取り付け可能な取付具)を開発することに成功した。
(A)前記ドーム部が、
(1)ヘッド部とネック部と本体部とを含む吊下げ手段を前記ドーム部において移動可能に取り付けた状態でその吊下げ手段を四方にスイング運動させるための2つのスリットと、
(2)前記スリットで前記ドーム部が分割されることによって形成される4つの爪部と、
(3)前記爪部の内面によって吊下げ手段のヘッド部を収納するためのヘッド部用収納室と
を含むこと;そして
(B)前記ベース部が、
(1)前記ドーム部の収納室と連絡し、その収納室に前記吊下げ手段のヘッド部を収納する際に使用される収納用貫通孔と、
(2)前記収納用貫通孔と連絡し、前記吊下げ手段を前記ベース部に挿通する際に使用される挿通用貫通孔と、
(3)ベルトを取り付けるためのベルト結合用バー及びベルト結合用スリットと、
(4)ベルトを折り返すためのベルト折返用バー及びベルト折返用スリットと
を含むこと、及び
(5)前記ベルト結合用スリットと前記ベルト折返用スリットとの間に前記収納用貫通孔及び前記挿通用貫通孔が配置されること;
を特徴とする、前記取付具によって解決することができる。
前記結合用スリットに嵌め込み可能な嵌合部材が前記ベルトの一方の端部に設けられていること、及び
前記ベルトが、前記嵌合部材を介して、前記取付具のベルト結合用スリットに取り付けられていることを特徴とする、前記ベルト付き取付具に関する。
本発明による取付具10は、主として、ベース部1と(後述のスリット23及び爪部2を含む)ドーム部18とを含む。
巻付け型滑り止め付き吊下げ具14は、主として、本発明による取付具10と、フック11と、ベルト12と、滑り止め部13と、連結プレート部16(図3参照)とを含む。
なお、本発明による取付具10とフック11との組み合わせは吊下げ具17であり、本発明による取付具10と滑り止め部13と連結プレート部16との組み合わせは滑り止め付き取付具15であり、そして、本発明による取付具10とベルト12との組み合わせはベルト付き取付具である。
なお、第1スリット23a及び第2スリット23bは、それぞれ、ベース部1との境界面の手前でそれらのスリットが終了していても、又は、ベース部1との境界面を超えて(すなわち、それらのスリットがベース部1を削るような位置)でそれらのスリットが終了していてもよい。
これらのスリット23によって、ドーム部18は、爪部2(具体的には、右前側爪部2a、左前側爪部2b、右後側爪部2c、及び左後側爪部2d)として4分割される。
滑り止め部13の周縁の形状は、前記収納室27の塀部28の内壁面にほとんど間隙を残さずに収まる形状を有する。滑り止め部13は、その全体が、通常の滑り止め手段と同様の材料、すなわち、弾性変形可能な軟質材料からなり、具体的には、エラストマーやゴム材料である。
挿通用貫通孔1aの形状は、フック本体部11b(又は、フック11のヘッド部11)の断面形状に応じて、図8に示すような略矩形状にしたり、略円状としたりすることが好ましい。
収納用貫通孔1bの形状は、フック11のヘッド部11(又は、フック本体部11b)の断面形状に応じて、図8に示すような略円状にしたり、又は略矩形状にしたりすることが好ましい。
ドーム部18は、好ましくはドーム担持面21の略中央に位置することから、それに従って、収納用貫通孔1bも、取付面25の略中央に位置することが好ましい。従って、挿通用貫通孔1aは、略中央に位置する収納用貫通孔1bに隣接して設けられることが好ましい。
連結プレート部16の本体部16fの一方の面には、図4に示すように、挿通用貫通孔1aを閉鎖する閉鎖部分16gと、第1スリット23aの一部及び爪部2(具体的には、右前側爪部2a及び左前側爪部2b)の一部を形成するための形成部分16hとで構成される第1閉鎖部16aが設けられている。この第1閉鎖部16aと同一平面上において、収納用貫通孔1bを閉鎖するための第2閉鎖部16bが設けられている。なお、ドーム部18の形状に応じて、第1閉鎖部16aは、挿通用貫通孔1aを閉鎖する閉鎖部分16gのみで構成されていてもよい。
ベース部1には、ベルト12の一方の端部を回転可能に結合するための結合バー1eが、結合用スリット1dに隣接して設けられている。更に、ベース部1には、結合バー1eとは反対側に、折返スリット1fを介して、折返バー1gが設けられている。
この組み立て方法は、フック本体部11bの各位置における断面形状のうち最も大きい断面形状の外周面と、挿通用貫通孔1aを形成するベース部1の内壁面との間隙がほとんど残っていない場合において特に有用である。
最初に、図11(a)に示すように、フック本体部11bの先端部11dを挿通用貫通孔1aに挿入する。
次に、図11(b)に示すように、フック11のヘッド部11aが、挿通用貫通孔1aにおいて、ベース部1の取付面25から突出した状態とする。
続いて、図11(c)に示すように、フック11のヘッド部11aを、挿通用貫通孔1aから収納用貫通孔1bに移動させながら、フック11のネック部11cを第1スリット23aに入れる。更に、ヘッド部11aをベース部1のヘッド部用収納室24に収納させ、ネック部11cをベース部1の第1スリット23aに装着させる。
最後に、図11(d)に示すように、連結プレート部16が嵌め込まれた滑り止め部13を、ベース部1の滑り止め部用収納室27に挿入する。
本発明による取付具10の好適態様では、以下で説明する様々な方法で、爪部2が折れることを防止したり(すなわち、爪部2の強度を向上させたり)、爪部2が広がることを抑制したりして、最終的に、フック11が取付具10から容易に外れてしまうことを防止することができる。
以下で説明する様々な方法は、単独で使用したり、種々の組み合わせで使用したりすることができる。
図12(b)に示す態様の場合には、フック11のヘッド部11aの下方領域(すなわち、ネック部11c側の領域)は、爪部2の内面に包まれるように収納されている。すなわち、フック11に対して下方の方向(矢印Dの方向)に力が掛かった場合には、爪部2の内面とフック11のヘッド部11aの下方の外周面との接触面積が多いために、4個の爪部2が外側に(矢印Eの方向)に開いてしまう恐れがある。すなわち、フック11が取付具10から容易に外れてしまう恐れがあり、場合により、この広がりによって爪部2が折れる恐れがある。
補強用突起部40は、先端領域2gにおいて、爪部2の先端2eとは反対側に平坦面2iが設けられている。この平坦面2iは、ベース部1のドーム担持面21と平行になるように設けることが好ましい。
補強用突起部40の高さ(爪部2の先端2eから平坦面2iまで最短長さ)は、爪部2の高さ(すなわち、爪部2の先端2eからドーム担持面21まで最短長さ)を1として、1/2以下、好ましくは1/3以下、より好ましくは1/4以下である。補強用突起部40の高さは、爪部2の高さを1として、1/6以上、好ましくは1/5以上である。
この平坦面11eの長さ(すなわち、フック11のネック部11cの外周面とフック11のヘッド部11の外周面の長さ(矢印Fの距離))は、補強用突起部40の平坦面2の長さ(矢印Gの距離)を1として、1以下、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。この平坦面11eの長さは、補強用突起部40の平坦面2の長さを1として、0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上である。
図13(a)の(a)に示すように、補強用連結部42は、爪部2と爪部2との間にそれらを連結するように設けられている。この連結によって、主として、フック11に対して下方(矢印Hの方向)に力が掛かった場合に、爪部2が外側に(破線矢印Iの方向)に広がることを抑制することができる。爪部2の広がりが抑制されるので、爪部2が折れることも防止される。
図14の(B−1)に示すような態様の場合では、ベース部1における挿通用貫通孔1aの占める割合が大きくなってしまい(つまり、爪部2を支える領域が小さくなり)、爪部2が広がり易くなってしまう可能性がある。また、爪部2の一部が切り欠かれているので、爪部2が折れ易くなってしまう可能性がある。
なお、フック本体部11bの各位置における断面形状のうち最も大きい断面形状の外周面と、挿通用貫通孔1aを形成するベース部1の内壁面との間隙(図14の(A−1)(b)に示す矢印Lの距離)は、フック本体部11bの各位置における断面形状のうち最も大きい断面形状の中心点と挿通用貫通孔1aの中心点とを一致させた場合において、3mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下である。
つまり、爪部の切欠き部分が無いことによって、右前側爪部2a及び左前側爪部2bそれ自体の強度が向上している。
巻付け型吊下げ具14を棒状体49に巻き付ける際に、図15(a)の(a)及び(b)に示すように、ベルト12を様々な方向(例えば、矢印Oの方向、及び矢印Pの方向)に引っ張る必要がある。この引っ張る作業において、爪部2が広がる可能性もある。
この場合、 図15(b)の(a)に示すように、ベース部1の取付面25側の外周において補強部材45を設けることによって、爪部2の広がりを抑制することができる。この補強部材45を設けることによって、結合バー1e及び/又は折返バー1gそれ自体の強度を向上させることもできる。
図15(b)の(b)に示すように、滑り止め部用収納室27の前側フェンス部27a及び後側フェンス部27bを補強部材45の一部として使用して、ベース部1の取付面25側の外周に補強部材45を設ける態様にすることもできる。
図16に示すように、爪部2の外面に補強部材46を設けることによって、爪部2の広がりを抑制することができる。補強部材46は、爪部2の全てに設けることができる。もちろん、右前側爪部2a、左前側爪部2b、右後側爪部2c、及び左後側爪部2dのいずれか1つ、又は複数に設けることもできる。
第1閉鎖部16aの後側は、閉鎖部分16g及び形成部分16h(図4参照)にわたって、凸部16dの形状を有している。
右前側爪部2aの前側、及び左前側爪部2bの前側、挿通用貫通孔1aの後側(図示せず)には、深さ方向(取付面25からドーム担持面への方向)に沿って、レール部1hが設けられている。
凸部16dにおけるL字状の箇所16iとレール部1hとの組み合わせ、及び第1閉鎖部16aにおける凸部16d以外の部分についての外周面と挿通用貫通孔1aを形成するベース部1の内壁面との間隙を無くすことによって、第1閉鎖部16aと挿通用貫通孔1a及び爪部2とを一体化させることができる。
図18(a)及び図18(b)に示すように、ベース部1の結合用スリット1dに嵌め込み可能な嵌合部材12aをベルト12の一方の端部に設けることによって、ベルト12をベース部1に取り付けることもできる。
嵌合部材12aを用いる場合には、ベルト12をベース部1に固着して取り付ける必要がないので、種々の大きさの被巻付け体に本発明による取付具10を巻き付けることが可能となる。具体的には、複数のベルト12(各ベルトの長さは異なる)を用意して(図18の場合には、3本のベルトを用意している)、そして被巻付け体の大きさに対して適切な長さを有するベルト12を選択することによって、種々の大きさの被巻付け体に取付具10を巻き付けることができる。
この嵌合部材12aは、結合用スリット1dの取付面25側からベルト12が飛び出すようにしたり(図18(b)の(a)参照)、結合用スリット1dのドーム担持面21側からベルト12が飛び出すようにしたり(図18(b)の(b)参照)するように、ベース部1に取り付けることができる。
結合用スリット1dのドーム担持面21側からベルト12が飛び出すようにした場合には、被巻き付け体と接触しない(ベルト12の)領域(図18(b)の(b)におけるSの領域)が存在してしまうので、結合用スリット1dの取付面25側からベルト12が飛び出すようにすることが好ましい。
この嵌合部材12aは、図1に示すようなドーム部18を有するベース部1における結合用スリット1dに取り付けたり、図18に示すような(ドーム部18を有しない、すなわち、フック11を直接的に取り付けた)ベース部1における結合用スリット1dに取り付けたりすることができる。
Claims (11)
- ベース部とそのベース部のドーム担持面に設けられたドーム部とを含む取付具であって、
(A)前記ドーム部が、
(1)ヘッド部とネック部と本体部とを含む吊下げ手段を前記ドーム部において移動可能に取り付けた状態で、その吊下げ手段を四方にスイング運動させるための2つのスリットと、
(2)前記スリットで前記ドーム部が分割されることによって形成される4つの爪部と、(3)前記爪部の内面によって吊下げ手段のヘッド部を収納するためのヘッド部用収納室と
を含むこと;そして
(B)前記ベース部が、
(1)前記ドーム部の収納室と連絡し、その収納室に前記吊下げ手段のヘッド部を収納する際に使用される収納用貫通孔と、
(2)前記収納用貫通孔と連絡し、前記吊下げ手段を前記ベース部に挿通する際に使用される挿通用貫通孔と、
(3)ベルトを取り付けるためのベルト結合用バー及びベルト結合用スリットと、
(4)ベルトを折り返すためのベルト折返用バー及びベルト折返用スリットと
を含むこと、及び
(5)前記ベルト結合用スリットと前記ベルト折返用スリットとの間に前記収納用貫通孔及び前記挿通用貫通孔が配置されること;
を特徴とする、前記取付具。 - 前記爪部の内面に補強用突起部が設けられ、その補強用突起部が、前記ドーム担持面に対して平行な平坦面を有する、請求項1に記載の取付具。
- 前記爪部と前記爪部とが補強用連結部を介して連結される、請求項1又は2に記載の取付具。
- フック本体部の各位置における断面形状のうち最も大きい断面形状の外周面と、挿通用貫通孔を形成するベース部の内壁面との間隙が3mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の取付具。
- 前記ベース部の外周において補強部材を設けるか、滑り止め部用収納室のフェンス部を補強部材として利用して前記ベルト結合用スリット及び/又は前記ベルト折返用スリットの外周において補強部材を設けるか、又は滑り止め部用収納室のフェンス部を補強部材として利用して前記ベース部の外周において補強部材を設ける、請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付具。
- 前記爪部の外面に補強部材を設ける、請求項1〜5のいずれか一項に記載の取付具。
- 前記爪部の外面に切欠き部分を有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の取付具。
- 請求項2〜7のいずれか一項に記載の取付具と吊下げ手段とを含む吊下げ具であって、前記吊下げ手段のヘッド部においてネック部11側に平坦面が設けられていることを特徴とする、前記吊下げ具。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付具とベルトとを含むベルト付き取付具であって、
前記結合用スリットに嵌め込み可能な嵌合部材が前記ベルトの一方の端部に設けられていること、及び
前記ベルトが、前記嵌合部材を介して、前記取付具のベルト結合用スリットに取り付けられていることを特徴とする、前記ベルト付き取付具。 - ベース部とベルトと吊下げ手段とを含む、巻付け型吊下げ具であって、
(A)前記ベース部が、
(1)ベルトを取り付けるためのベルト結合用バー及びベルト結合用スリットと、
(2)ベルトを折り返すためのベルト折返用バー及びベルト折返用スリットと
を含むこと;
(B)前記吊下げ手段の一方の端部が、前記ベース部に直接取り付けられていること;
(C)前記ベルトの一方の端部に、前記結合用スリットに嵌め込み可能な嵌合部材が設けられていること;及び
(D)前記ベルトが、前記嵌合部材を介して、前記取付具のベルト結合用スリットに取り付けられていること;
を特徴とする、前記巻付け型吊下げ具。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付具における前記結合用スリットに取り付け可能であるか、又は、請求項10に記載の巻付け型吊下げ具における前記結合用スリットに取り付け可能であり、そして、前記結合用スリットに嵌め込み可能な嵌合部材が一方の端部に設けられている、ベルト。
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