JPWO2019188839A1 - エタノールの製造方法及びエタノール組成物 - Google Patents

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Abstract

[課題]細菌に対する殺菌性を低減し、エタノール生産性が向上する製造方法及び、細菌に対する殺菌性が低減されたエタノール組成物を提供することを目的とする。[解決手段]炭素源を微生物発酵させ、エタノールを製造する方法において、微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度を2ppm未満とする。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年3月27日に出願された日本国特許出願2018−60699号、2018年3月27日に出願された日本国特許出願2018−60746号、および2018年3月30日に出願された日本国特許出願2018−69742号に基づく優先権を主張するものであり、これら全体の開示内容は参照されることにより、本明細書の開示の一部とされる。
本発明は、エタノールの製造方法及びエタノール組成物に関する。
近年、地球温暖化対策や、廃棄物の有効活用の観点から、植物資源を原料とするバイオマスの利用が注目されている。一般に、バイオマスからエタノール等の化合物を製造するための原料としては、サトウキビ等の糖質やトウモロコシ等のデンプン質が多く用いられている。しかしながら、これらの原料はもともと食料又は飼料として用いられており、長期的に工業用利用資源として活用することは、食料又は飼料用途との競合を引き起こし、原料価格の高騰を招く危険性がある。
そのため、木質系の建築廃材や農業廃棄物等の非可食バイオマス資源をエネルギー資源として活用する技術開発が進められている。非可食バイオマスとしては、地球上に最も多く存在するセルロースが挙げられるが、その大部分は芳香族ポリマーのリグニンやヘミセルロースとの複合体であるリグノセルロースとして存在する。
リグノセルロース系バイオマスを利用したエタノール生産では、一般に、前処理や酵素糖化処理によって獲得された糖を酵母に嫌気発酵を行わせることでエタノールに変換させる。リグノセルロース系バイオマスからは多くのキシロースが獲得できるが、野生型の酵母はキシロースの資化能を持たない。そのため、特開2014−193152号公報に記載のように、遺伝子操作によってキシロース資化能力を付与させた酵母を使用することが検討されている。
しかし、遺伝子操作によってキシロース資化能力を付与させた酵母は、カルタヘナ議定書に沿った各国法規制のため、使用するためには、各種環境データの取得や閉鎖系設備の建築等、多大な投資が必要であった。特に日本においては、上記問題が顕著であり、エタノールのような安価物質を製造する際には、コスト面から遺伝子組み換え酵母の使用が難しいといった問題があった。
そのため、近年では、特表2010−500026号公報及び特表2012−526552号公報に示されるように、グルコース、キシロース資化能力を共に備える大腸菌等の真正細菌が注目されているが、大腸菌は酵母に比べて自己生成したエタノール耐性に劣るため、微生物発酵液のエタノール濃度が上げられず、酵母法に比べて生産性が低いという問題があった。
ところで、圃場、園芸施設、家庭菜園等においてナス科やウリ科、マメ科、それにアブラナ科等の作物の連作を行うと土壌中の植物病原菌やセンチュウが増加し、生育が悪くなって枯れてしまうことが多いことが知られている。このような連作障害は、輪作によって解決できることが知られているが、事業計画や土地面積等の理由によって連作を行わざるを得ない場合もあり、その場合は接ぎ木苗の使用や、薬剤による消毒等が行われている。
しかしながら、連作障害に対応する接ぎ木苗の使用は、コストの増加を招くと共に、直接的な解決にはならず、複数年に渡って常に連作障害を回避できるものでは無い。また、薬剤による主な消毒方法として、土壌くん蒸による土壌殺菌があり、種々の農薬が流通している。しかし、これらの薬剤は土壌残留性、人体への有害性が想定されるといった問題や、有機農業の表現が使えなくなるといった恐れがあった。
そこで、近年、人体への影響がなく、非農薬で農薬と同様の効果を得るための方法の一つとして、特開2010−106034号公報や国際公開2007/129467号A1に記載されているような低濃度エタノール水溶液を用いた土壌還元殺菌方法が注目されている。この方法は低濃度エタノールを土壌に投入することで、エタノール資化菌を含む土壌微生物群を増殖させることで、土壌内の酸素が消費され、無酸素(還元)状態となる。そしてその結果、病原性の土壌微生物などが減少、死滅するという方法である。
微生物発酵に真正細菌又は古細菌を用いると、自己生成したエタノールにより細菌が死滅してしまうため、微生物発酵槽内のエタノール濃度を向上させることができないという問題がある。
また、低濃度エタノール水溶液を用いた土壌還元殺菌方法は、太陽熱使用のみの条件においてエタノール散布後、2〜3週間もの間フィルムで土壌を被覆し、保持しなければいけないという問題がある。さらに、エタノール資化菌を含む土壌微生物群(以下、微生物群とのみ称する。)を早期に増殖させれば時間短縮になることが予想されるが、エタノール水溶液中のエタノール濃度を増加させると、エタノールの殺菌性(静菌性)によって、土壌微生物群が殺菌されてしまうという新たな問題がある。
よって、本発明は、細菌に対する殺菌性を低減し、エタノール生産性が向上する製造方法、及び細菌に対する殺菌性が低減されたエタノール組成物を提供することである。
発明者等は鋭意検討の結果、微生物発酵槽における2−プロパノール濃度を特定量以下に制御することで、微生物発酵液のエタノール濃度を増加できることを見いだしたものである。また、本発明のエタノール組成物は、低濃度での殺菌性が低減されたものである。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 炭素源を真正細菌又は古細菌によって微生物発酵させ、エタノールを製造する方法において、微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度を2ppm未満とするエタノールの製造方法。
[2]前記炭素源がバイオマス資源を含む、[1]のエタノールの製造方法。
[3]前記バイオマス資源が非可食原料である、[2]のエタノールの製造方法。
[4]前記バイオマス資源が廃棄物である、[2]又は[3]のエタノールの製造方法。
[5]前記微生物が真正細菌である、[1]〜[4]の何れかのエタノールの製造方法
[6]微生物発酵槽内のエタノール濃度を0.1質量%以上15質量%以下とする、[1]〜[5]の何れかのエタノールの製造方法。
[7][1]〜[6]の何れかの方法により製造されたエタノール。
[8]2−プロパノール濃度が2ppm未満である、エタノール組成物。
[9]炭素数6〜14個の飽和炭化水素化合物を0.001ppm以上1000ppm以下含む、エタノール組成物。
[10]エタノールを50質量%以上含む[9]のエタノール組成物。
[11]さらに、炭素数6〜14個の芳香族炭化水素化合物を、0.001ppm〜800ppm含む、[8]〜[10]のいずれかのエタノール組成物。
[12]前記飽和炭化水素化合物が、ヘプタン、オクタン、及びデカンからなる群より選ばれる1種以上である、[8]〜[11]のいずれかのエタノール組成物。
[13]炭素数6〜14の芳香族化合物を、0.001ppm〜100ppm含む、エタノール組成物。
[14]前記芳香族化合物が、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、及びナフタレンからなる群より選ばれる1種以上である、[13]のエタノール組成物。
[15]さらに、炭素数6〜14個の飽和炭化水素化合物を、0.001ppm〜1000ppm含む、[8]、[13]または[14]に記載のエタノール組成物。
[16]エタノールを50質量%以上含む、[8]〜[15]のいずれかのエタノール組成物。
[17]n−デカンを、0.001ppm〜1000ppm含む、エタノール組成物。
[18]エチルベンゼンを、0.001ppm〜800ppm含む、[17]に記載のエタノール組成物。
[19]エチルベンゼンを、0.001ppm〜100ppm含む、エタノール組成物。
[20]n−デカンを、0.001ppm〜1000ppm含む、[19]のエタノール組成物。
[21][8]〜[20]のいずれかのエタノール組成物を水で希釈し、希釈後のエタノール濃度を0.1質量〜15質量%としたエタノール水溶液を土壌に散布する、土壌消毒方法。
本発明のエタノールの製造方法によれば、微生物発酵槽のエタノール濃度の上限を増加させることができるため、単位時間あたりの生産量を増加させるとともに、その後の蒸留コストを低減させることができる。
また、本発明の上記の効果は、エタノール製造に関する遺伝子組み換えを行った真正細菌であっても、同様の効果が期待できる。
更に、本発明のエタノール組成物は、1〜15質量%程度の低濃度条件下において殺菌性が低い。そのため、皮膚に用いる化粧品の溶媒や、土壌還元殺菌用エタノール等に好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施する好ましい形態の一例について説明する。ただし、下記の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。また、本発明において特に断りの無い場合、ppmは質量ppmを意味するものである。
[エタノールの製造法]
<微生物>
本発明の方法で用いることのできる微生物はエタノール生産性を備えている真正細菌又は古細菌であれば特に限定されないが、通常ザイモモナス属、大腸菌、コリネバクテリウム属、クロストリジウム属、ハロモナス属等の真正細菌、ハロバクテリウム綱等の古細菌が挙げられ、エタノール生産性の点から、ザイモモナス属、大腸菌、コリネバクテリウム属、クロストリジウム属、ハロモナス属の真正細菌が好ましく、大腸菌、クロストリジウム属がより好ましく用いられる。
上記真正細菌のより具体的な例として、ザイモモナス・モビリス、遺伝子組み換え大腸菌(KO11株)、クロストリジウム・リュングダリィ、クロストリジウム・オートエタノゲナム、ハロモナス菌(Halomonas sp.KM−1株)が挙げられ、好ましく用いられる。
<炭素源>
本発明の方法において、微生物発酵の原料として使用する炭素源は炭素を含んでいる原料であれば特に限定されないが、バイオマス資源を含むことが好ましい。バイオマス資源としては、可食原料、非可食原料のどちらであってもよいが、非可食原料が食物資源保護の観点から好ましく、非可食廃棄物原料がより好ましい。具体的には、サトウキビ、トウモロコシ等の可食原料、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等の木質系バイオマス原料、ケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の草系バイオマス原料、農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥、食品廃棄物等を原料として利用することができ、中でも木質系バイオマス原料、農業廃棄物、下水汚泥、食品廃棄物の何れかが含まれることがより好ましい。
また、本発明の方法において使用される炭素源は、例えば上記バイオマス資源を、切断、裁断、破砕、磨砕等の機械処理、酸・アルカリや、各種薬品による化学処理、加熱、燻蒸等の熱処理、酵素や他微生物添加による糖化処理、不完全燃焼(CO化)によるガス化処理等の前処理工程を経たものも含まれる。
<機械処理>
機械処理を行う場合は、バイオマス資源の切断、裁断、破砕、磨砕等の任意の機械的手段が挙げられ、バイオマス資源を糖化及び発酵され易い状態にすることである。使用する機械装置については特に限定されないが、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー、レファイナー、ニーダー、ボールミル等を用いることができる。
<化学処理>
化学処理を行う場合は、バイオマス資源を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品、又は、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液に浸漬することができる。接触温度、時間については目的とするバイオマス資源に応じて、適時設定することができる。
<ガス化処理>
ガス化処理は、ガス化部において、バイオマス資源をガス化させることによって一酸化炭素を含む原料ガスを生成する工程である。ガス化部は、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させる炉であり、例えば、シャフト炉、キルン炉、流動床炉、ガス化改質炉等のガス化炉が挙げられる。
<糖化処理>
バイオマス資源を、適量の水と酵素と混合した上で適切な温度とすることで糖化処理を行うことができる。より具体的には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼを酵素として添加することで、バイオマス資源の糖化(例えば、セルロース→グルコース、ヘミセルロース→グルコース、キシロース)を行うことができる。
<微生物発酵工程>
微生物発酵工程は、微生物発酵槽において、上記した炭素源を真正細菌又は古細菌によって微生物発酵させて、エタノールを製造する工程である。微生物発酵槽は、連続発酵装置とすることが好ましい。一般に、微生物発酵槽は任意の形状のものを用いることができ、撹拌型、エアリフト型、気泡塔型、ループ型、オープンボンド型、フォトバイオ型が挙げられる。
微生物発酵槽内のエタノール濃度は、微生物特性に応じて適時調整することができるが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、一方上限は通常15質量%以下、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。エタノール濃度が低いと、その後の精製工程における精製コストが増加する傾向にあり、エタノール濃度が高すぎるとエタノールの殺菌性によって微生物の生存率が低下する傾向にある。なお、本発明における微生物発酵槽内のエタノール濃度とは、微生物発酵槽から排出される時点でのエタノール濃度を意味する。
本発明において、微生物発酵槽には、炭素源と微生物培養液とが連続的に供給されるものであるが、炭素源と微生物培養液とを同時に供給する必要はなく、予め微生物培養液を供給した微生物発酵槽に炭素源を供給してもよい。また、糖化処理を微生物発酵と併行して行う場合は、上記酵素を培地に含ませていてもよい。
本発明において、微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度は2ppm未満である。微生物発酵槽内における2−プロパノール濃度は1.8ppm以下が好ましく、1.5ppm以下が好ましく、1.2ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましい、一方下限は特に限定されないが、通常0.0001ppm以上、好ましくは0.001ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1ppm以上である。微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度が高すぎると、微生物が自己生成したエタノールで殺菌され死滅する。2−プロパノール濃度が低すぎると、除去コストが増加するため、生産性が悪化する。なお、本発明において、2−プロパノール濃度を2ppm未満とするとは、全培養期間において50%以上の時間を上記範囲に制御することを意味する。
本発明において、微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度を2ppm未満とすることで、微生物のエタノール耐性が向上したか理由は定かでないが、以下のように推測される。
従来、木質系、草系の原料、特に木質系建築廃材には、揮発性有機化合物(VOC)が含まれており、該VOC成分として2−プロパノール等通常含まれることが知られている(JIS1964:2015 付属書A1等)。中でも2−プロパノールは、エタノールと沸点等の特性が類似であり、通常の蒸留等では単離が困難である。そのため、バイオマス資源中に含まれる2−プロパノールは通常の前処理工程を経たとしても微生物発酵槽及び製品に微量含まれることとなる。
そして、このような微量成分は通常殺菌に使われる濃度の精製エタノールであれば何ら殺菌性(静菌性)に影響を与えないものの、1〜15質量%程度の低濃度エタノール存在下においては、微生物への殺菌性に大きく影響を与えたと考えられる。
即ち、低濃度エタノールの微生物への殺菌作用は、細胞膜を乱すことで細胞内基質の流出や栄養分の取り込みを抑制していることと考え、エタノールよりも脱脂性の高い2−プロパノールが培養液中に含まれることで、殺菌効果が増加していたと推測した。
本発明は、原料中、前処理、培養工程の段階で2−プロパノールの量を制御することで、従来よりもエタノールの殺菌性を押さえ、高い生産性でエタノールを製造できると考える。
また、本発明の方法によって製造したエタノール組成物は、エタノール濃度が1〜15質量%の使用下において、上記と同様の理由で殺菌性が低減されていると考える。
本発明において、微生物発酵槽内の2−プロパノールを制御する方法は公知の手段であれば特に限定されないが、例えば、原料中の2−プロパノールが少ない原料のみを用いる、原料〜微生物発酵工程までの任意の段階で、2−プロパノール除去能を備えるイオン交換樹脂、活性炭、ゼオライト等に接触させる工程や、乾燥工程、糖化処理等で溶液状にした後、蒸留によって分離する工程や、各種デンドリマー膜、ゼオライト膜等による膜分離工程を行ってもよい。
<精製工程>
本発明によるエタノールの製造方法においては、微生物発酵を経て得られたエタノール含有液を、その後、精製を目的とする精製工程に供してもよい。精製工程は、発酵工程において得られたエタノール含有液を、精製部において、目的のエタノールの濃度を高めた留出液と、目的のエタノールの濃度を低下させた残留液とに分離する工程である。精製工程で用いられる装置は、例えば、蒸留装置、浸透気化膜を含む処理装置、ゼオライト脱水膜を含む処理装置、エタノールより沸点の低い低沸点物質を除去する処理装置、エタノールより沸点の高い高沸点物質を除去する処理装置、イオン交換膜を含む処理装置等が挙げられる。これらの装置は単独でまたは2種以上を組み合わせてもよい。単位操作としては、加熱蒸留や膜分離を好適に用いてもよい。
蒸留では、蒸留装置を用いることができる。エタノールの蒸留時における蒸留器内の温度は、特に限定されないが、100℃以下であることが好ましく、70〜95℃程度であることがより好ましい。蒸留器内の温度を前記範囲に設定することにより、必要なエタノールとその他の成分との分離、即ち、エタノールの蒸留(精製)をより確実に行うことができる。
エタノール蒸留時における蒸留装置内の圧力は、常圧であってもよいが、好ましくは大気圧未満、より好ましくは60〜95kPa(ゲージ圧)程度である。蒸留装置内の圧力を前記範囲に設定することにより、エタノールの分離効率を向上させること、ひいてはエタノールの収率を向上させることができる。
膜分離では、公知の分離膜を適宜用いることができ、例えばゼオライト膜を好適に用いることができる。
精製工程において分離された留出液に含まれるエタノールの濃度は、20質量%〜99.9質量%であることが好ましく、より好ましくは60質量%〜99.99質量%である。一方、残留液に含まれるエタノールの濃度は、0.001質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜5質量%である。
また、上記のように蒸留時の温度、圧力や、分離膜を適切に設定することで、精製エタノール中の2−イソプロパノールを低減することもできる。
[エタノール組成物]
本発明の第一の実施態様によれば、エタノール組成物中の、2−プロパノール濃度は2ppm未満である。エタノール組成物中の2−プロパノール濃度は1.8ppm以下が好ましく、1.5ppm以下が好ましく、1.2ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましい、一方下限は通常0ppm以上であり、好ましくは0.001ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上である。エタノール組成物中の2−プロパノール含有量が上記範囲であると、低濃度での使用におけるエタノール組成物の殺菌性が低減される。
本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は特に限定されないが、エタノール組成物全量に対して、通常1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、一方、上限は通常99.999質量%以下、好ましくは99%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは60質量%以下、最も好ましくは15質量%以下である。本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は目的とする用途に応じて設定すればよく、消毒用エタノールであれば75質量%以上のものを、土壌消毒用エタノールであれば50質量%以上が好ましく用いられ、上限も同様に用途に応じて便宜設定することができる。エタノールの通常の流通形態としては、輸送コストの観点から95%以上のエタノール組成物として販売され、水や溶媒によって目的濃度に応じた希釈を行うことが多い。
本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の芳香族化合物を含んでいてもよい。炭素数6〜14の芳香族化合物として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、ptert−ブチルスチレン、エチルスチレン等の単環芳香族化合物;ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の多環芳香族化合物;が挙げられ、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数6〜8の化合物がよく、中でも単環芳香族化合物に炭素数1〜4のアルキル鎖を一つ以上備えた化合物が好ましく、炭素数1〜4のアルキル鎖を1つ備える化合物がより好ましい。より具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの何れかを含むことが更に好ましく、トルエンを含むことが特に好ましい。
エタノール組成物中に芳香族化合物が含まれる場合の量は、エタノール組成物中の芳香族化合物の総和が0.001ppm以上であり、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1ppm%以上であり、一方上限は100ppm以下であり、好ましくは80ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。エタノール組成物中に上記範囲で芳香族化合物が含まれると、エタノール組成物の殺菌性が低減される傾向にある。
本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物が含まれていてもよい。
本発明のエタノール組成物に、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物を含む場合、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンが挙げられ、中でも炭素数7〜11の飽和炭化水素化合物が好ましく、炭素数7〜10の飽和炭化水素化合物がより好ましく、ヘプタン、オクタン、デカンがより好ましく、炭素数10であるn−デカンが最も好ましい。飽和炭化水素化合物の炭素数が上記範囲であると、エタノールの殺菌性が抑制される傾向にある。
エタノール組成物中に、飽和炭化水素化合物を含む場合は、エタノール組成物中の飽和炭化水素化合物の総和が通常0.001ppm以上、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は通常100ppm以下、好ましくは80ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。エタノール組成物中に上記範囲で飽和炭化水素が含まれると、エタノール組成物の殺菌性が抑制される傾向にある。
エタノール組成物中に含まれる任意の成分は、精製エタノールに対して添加することでその含有量を調整することができる。
本発明の第二の実施態様によれば、本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の芳香族化合物を、0.001ppm〜100ppm含む。
本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は特に限定されないが、エタノール組成物全量に対して、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、一方上限は通常99.999質量%以下、好ましくは99%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは60質量%未満である。本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は目的とする用途に応じて設定すればよく、化粧品等の溶媒であれば90質量%以上のものを、消毒用エタノールであれば75質量%以上のものを、土壌消毒用エタノールであれば50質量%以上が好ましく用いられ、上限も同様に用途に応じて便宜設定することができる。本発明のエタノール組成物の実施形態としては、水や溶媒によって希釈した上で使用されることが多いが、輸送コスト等から製品としてはエタノール組成物の濃度が高い程好ましい。
ただし、土壌消毒用エタノールとして、ホームセンター等の小売店を経由して販売する場合や、ユーザーが一時保管をする場合は、日本における消防法の規定により、危険物として特別な管理を必要としない、エタノール濃度60質量%未満とすることが好ましい。なお、既存の土壌還元消毒用資材としては、日本アルコール産業株式会社の製品名:エコロジアール(登録商標)等が販売されている。
本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の芳香族化合物を含む。炭素数6〜14の芳香族化合物として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、ptert−ブチルスチレン、エチルスチレン等の単環芳香族化合物;ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の多環芳香族化合物;が挙げられ、土壌分解性の観点から好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数6〜8の化合物がよく、中でも単環芳香族化合物に炭素数1〜4のアルキル鎖を一つ以上備えた化合物が好ましく、炭素数1〜4のアルキル鎖を1つ備える化合物がより好ましい。より具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの何れかを含むことが更に好ましく、エチルベンゼンを含むことが特に好ましい。
エタノール組成物中に含まれる芳香族化合物の含有量は、エタノール組成物中の芳香族化合物の総和が0.001ppm以上であり、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1ppm%以上であり、一方上限は100ppm以下であり、好ましくは80ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。芳香族化合物は細胞毒性を有する化合物が多く、含有量が多すぎると、微生物の生存率が低下すると共に、土壌汚染を引き起こす。また、芳香族化合物の含有量が少なすぎると微生物群への殺菌性低減効果が得られない。
エタノール組成物中にエチルベンゼンを含む場合、エチルベンゼンを0.001ppm以上含み、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は100ppm以下、好ましくは80ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、特に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。エチルベンゼンは細胞毒性を有する懸念があることからエチルベンゼンの含有量が多すぎると、菌が死滅すると恐れや、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、少なすぎると本発明の効果が得られない懸念がある。
本発明の第二の実施態様によるエタノール組成物は、炭素数6〜14の芳香族化合物以外の構成成分として、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物が更に含まれていてもよい。炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンが挙げられ、中でも炭素数7〜11の飽和炭化水素化合物が好ましく、炭素数7〜10の飽和炭化水素化合物がより好ましく、ヘプタン、オクタン、デカンがより好ましく、炭素数10であるn−デカンが最も好ましい。飽和炭化水素化合物の炭素数が上記範囲であると、エタノールの殺菌性が抑制される傾向にある。
エタノール組成物中に、飽和炭化水素化合物を含む場合は、その総和として通常0.001ppm以上、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は通常1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。飽和炭化水素化合物の含有量が多すぎると、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、少なすぎると本発明の効果が十分に得られない懸念がある。
また、エタノール組成物に、n−デカンが含まれる場合は、通常0.001ppm以上含み、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は通常1000ppm以下であり、好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。n−デカンの含有量が多すぎると、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、少なすぎると本発明の効果が十分に得られない懸念がある。
本発明の第三の実施態様によれば、本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物を、0.001ppm〜1000ppm含む。
本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は特に限定されないが、エタノール組成物全量に対して、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、一方上限は通常99.999質量%以下、好ましくは99%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは60質量%未満である。本発明のエタノール組成物中のエタノール濃度は目的とする用途に応じて設定すればよく、化粧品等の溶媒であれば90質量%以上のものを、消毒用エタノールであれば75質量%以上のものを、土壌消毒用エタノールであれば50質量%以上が好ましく用いられ、上限も同様に用途に応じて便宜設定することができる。本発明のエタノール組成物の実施形態としては、水や溶媒によって希釈した上で使用されることが多いが、輸送コスト等から製品としてはエタノール組成物の濃度が高い程好ましい。
ただし、土壌消毒用エタノールとして、ホームセンター等の小売店を経由して販売する場合や、ユーザーが一時保管をする場合は、日本における消防法の規定により、危険物として特別な管理を必要としない、エタノール濃度60質量%未満とすることが好ましい。なお、既存の土壌還元消毒用資材としては、日本アルコール産業株式会社の製品名:エコロジアール(登録商標)等が販売されている。
本発明のエタノール組成物は、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物を含む。飽和炭化水素化合物として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンが挙げられ、中でも炭素数7〜11の飽和炭化水素化合物が好ましく、炭素数7〜10の飽和炭化水素化合物がより好ましく、ヘプタン、オクタン、デカンがより好ましく、炭素数10であるn−デカンが最も好ましい。飽和炭化水素化合物の炭素数が上記範囲であると、エタノールの殺菌性が抑制される傾向にある。
本発明のエタノール組成物には、エタノール組成物中に、飽和炭化水素化合物の総和として0.001ppm以上含み、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。飽和炭化水素化合物の含有量が多すぎると、微生物の生存率が低下すると共に、土壌汚染を引き起こす。また飽和炭化水素化合物の含有量が少なすぎると微生物群への殺菌性低減効果が得られない。
また、エタノール組成物にn−デカンを含む場合、その含有量は、0.001ppm以上、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.010ppm以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、一方上限は1000ppm以下であり、好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。n−デカンの含有量が多すぎると、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、少なすぎると微生物群への殺菌性低減効果が得られない。
本発明の第三の実施態様によるエタノール組成物は、炭素数6〜14の飽和炭化水素化合物以外の構成成分として、炭素数6〜14の芳香族化合物が更に含まれていてもよい。
炭素数6〜14の芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、ptert−ブチルスチレン、エチルスチレン等の単環芳香族化合物;ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の多環芳香族化合物;が挙げられ、土壌分解性の観点から好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数6〜8の化合物がよく、中でも単環芳香族化合物に炭素数1〜4のアルキル鎖を一つ以上備えた化合物が好ましく、炭素数1〜4のアルキル鎖を1つ備える化合物がより好ましい。より具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの何れかを含むことが更に好ましく、エチルベンゼンを含むことが特に好ましい。
エタノール組成物中に含まれる芳香族化合物が含まれる場合の含有量は、エタノール組成物中の芳香族化合物の総和が通常0.001ppm以上であり、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.01ppm以上、更に好ましくは0.1ppm%以上であり、一方上限は通常800ppm以下であり、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。
芳香族化合物は細胞毒性を有する化合物が多く、含有量が多すぎると、微生物の生存率が低下すると共に、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、含有量が少なすぎると微生物群への殺菌性低減効果が得られない恐れがある。
また、本発明のエタノール組成物はエチルベンゼンを含んでもよい。その際のエタノール組成物中の含有量は、通常0.001ppm以上であり、好ましくは0.005ppm以上、より好ましくは0.010ppm以上、更に好ましくは0.1ppm%以上であり、一方上限は通常800質量ppm以下であり、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。エチルベンゼンは細胞毒性を有することからエチルベンゼンの含有量が多すぎると、菌が死滅すると恐れや、土壌汚染を引き起こす恐れがあり、少なすぎると本発明の効果が得られない懸念がある。
本発明は、土壌中のエタノール資化菌を含む微生物群に対する殺菌性(静菌性)を抑制したエタノール組成物を提供することが目的であり、上記技術常識を考慮すれば土壌試験を行うことが好ましい。しかし、全く同一の条件で土壌試験を行った上で、有意差を見いだすことは設備、分析技術、試験期間の面から困難である。そのため、本発明においては、真正細菌(バクテリア)のモデル生物として大腸菌を選択し、その殺菌性を評価することで土壌試験の代替とした。その結果、石油から合成される合成エタノールや、バイオマス資源由来の糖発酵エタノールに比べ、芳香族化合物を微量含有する本願発明のエタノール組成物は微生物群に対する殺菌性が緩和されていることが明らかになった。
その理由として、エタノール濃度が1〜15wt%の低濃度エタノールにおける殺菌作用は、エタノールによって細胞膜(リン脂質)の膜秩序が乱され、菌内容物の一部流出や、菌外部からの栄養の取り込みを阻害するためと推測されている。
そこで、本発明で規定する炭素数6〜14の芳香族化合物は、高い疎水性を備えていることから、低濃度エタノールによって細胞膜に乱れが生じた箇所(即ち、親水性が局所的に低くなった箇所)から細胞膜内の疎水層に移動し、その疎水性によって細胞膜の乱れを修復することで、エタノールの殺菌性を抑制できたと考えられる。
また、芳香族化合物がベンゼンの場合は、細胞膜内の疎水層内で移動(回転)することで、内部から細胞膜に損傷を与えると考えられるが、特にアルキル鎖を備えた単環芳香族化合物、例えばエチルベンゼンであると、細胞膜に平行な位置で安定化し、取り込まれた後に細胞膜に悪影響を与えないことからより好ましいと推測する。
<用途>
本発明のエタノール組成物は、微生物への殺菌性が低いことから土壌殺菌剤や、皮膚常在菌への影響が少ないため、低刺激用途の香水等の化粧品やエタノール誘導体の原料として用いることができる。
本発明のエタノール組成物を土壌殺菌剤として使用する場合は、エタノール組成物中のエタノール濃度が0.5〜3%となるように、原液を水で希釈し、土壌に散布した後、フィルムで土壌を被覆することが好ましい。その後フィルムを、数週間保持することで土壌中の酸素が還元され、各種好気性の菌や虫が除去される。なお、より詳細な使用方法は独立行政法人農業環境技術研究所にて、「低濃度エタノールを利用した土壌還元作用による土壌消毒マニュアル」にて公開されている。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
<各種菌株、試薬、培地、機器>
Figure 2019188839
Figure 2019188839
Figure 2019188839
Figure 2019188839
<製造例1>
・エタノールA:99.5%エタノール組成物、
・エタノールB:日本アルコール産業社製 99.8%発酵エタノール 製品名:トレーサブル99 1級、
・エタノールC:95.2%発酵エタノール 製品名:トレーサブル95 1級、
・エタノールD:日本アルコール産業社製 99.5%石油由来合成エタノール 製品名:99度 合成アルコール、
をアルコール協会規格 JAAS001「エタノール」に準拠する方法にて、各成分の評価を行った。なお、2−プロパノールの検出限界は1ppmであるが、その他の各成分の検出下限は0.01ppmである。その結果を表5に示す。
Figure 2019188839
[実施例1]
<使用培地及び試薬の調製>
(1)SCDLP
SCDLPブイヨン培地をイオン交換水で溶解し、15mL遠沈管に9mLずつ分注後、高圧蒸気滅菌した。
(2)試料液の調製
エタノールAを原液として、15質量%エタノール水溶液になるようにPWで希釈したものを試料液とした。
(3)菌液の準備
(3−1)S.aureusをSCDに接種し、30〜35℃で18〜24時間培養した。
(3−2)出現した集落をSCD−B 10mLに接種し、35℃で18〜24時間培養したものを菌液とした。
<殺菌効果試験>
(1)接種用菌液の調製
菌液をPWで希釈し、約10〜10CFU/mL程度に調製したものを接種用菌液とした。
(2)接種用菌液の接種と作用
(2−1)試料液10mLをそれぞれ15mL遠沈管3本に分注後、接種用菌液を0.1mLずつ接種し、混和した(サンプル数n=3)。
(2−2)対照物質(0%水溶液)10mLを15mL遠沈管1本に分注後、接種用菌液を0.1mL接種し、混和した。
(2−3)室温にて、10分、30分作用させた後、1mLをそれぞれSCDLP 9mLに接種し混和した。(中和液)
(3)生菌数測定
(3−1)上記(2)で得られた中和液の一部を、SALで希釈し10倍段階希釈液を作製した。
(3−2)各中和液及び10倍段階希釈液を2枚の滅菌シャーレに1mLずつ接種し、45℃以下に保温したSCD−Aを加え固化させた。
(3−3)30〜35℃で40〜48時間培養した。
(3−4)2枚の培地上に発育した集落数を計測して平均を取り、試料液及び対照物質1mL当たりの菌数に換算した。
<評価>
サンプル数n=3の平均値を表2に示す。また、対照物質(エタノールAを加えず、水のみ、n=1)の結果を参考例1として同様に表6に示す。
[比較例1]
エタノールAをエタノールBに置き換えた以外は実施例1と同様の条件で評価を行った。その結果を表6に示す。
[比較例2]
エタノールAをエタノールDに置き換えた以外は実施例1と同様の条件で評価を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2019188839
表6の結果より、本発明のエタノール組成物を用いた場合、エタノール濃度15%において、殺菌性が有意に減少していることが明らかになった。
よって、微生物発酵槽において、発酵で製造される上限である15%以下のエタノール濃度において、微生物への殺菌性が抑制され、より高濃度のエタノール培養液を得ることができることが明らかになった。
更に、本発明のエタノール組成物は、従来市販されている各種エタノールに対して、殺菌効果が低減していることが明らかになった。
なお、表には示さないが、濃度30%、45%において同様の実験を行った結果、全てのエタノールで10分以内に生菌数が0になったため、本発明のエタノール組成物は低濃度での用途に特に適したものであることが明らかになった。

Claims (21)

  1. 炭素源を真正細菌又は古細菌によって微生物発酵させ、エタノールを製造する方法において、微生物発酵槽内の2−プロパノール濃度を2ppm未満とするエタノールの製造方法。
  2. 前記炭素源がバイオマス資源を含む、請求項1に記載のエタノールの製造方法。
  3. 前記バイオマス資源が非可食原料である、請求項2に記載のエタノールの製造方法。
  4. 前記バイオマス資源が廃棄物である、請求項2又は3に記載のエタノールの製造方法。
  5. 前記微生物が真正細菌である、請求項1〜4の何れか1項に記載のエタノールの製造方法。
  6. 微生物発酵槽内のエタノール濃度を0.1質量%以上15質量%以下とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のエタノールの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法により製造されたエタノール。
  8. 2−プロパノール濃度が2ppm未満である、エタノール組成物。
  9. 炭素数6〜14個の飽和炭化水素化合物を0.001ppm以上1000ppm以下含む、エタノール組成物。
  10. エタノールを50質量%以上含む、請求項9に記載のエタノール組成物。
  11. さらに、炭素数6〜14個の芳香族炭化水素化合物を、0.001ppm〜800ppm含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載のエタノール組成物。
  12. 前記飽和炭化水素化合物が、ヘプタン、オクタン、及びデカンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項8〜11のいずれか一項に記載のエタノール組成物。
  13. 炭素数6〜14の芳香族化合物を、0.001ppm〜100ppm含む、エタノール組成物。
  14. 前記芳香族化合物が、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、及びナフタレンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項13に記載のエタノール組成物。
  15. さらに、炭素数6〜14個の飽和炭化水素化合物を、0.001ppm〜1000ppm含む、請求項8、13または14に記載のエタノール組成物。
  16. エタノールを50質量%以上含む、請求項8〜15のいずれか一項に記載のエタノール組成物。
  17. n−デカンを、0.001ppm〜1000ppm含む、エタノール組成物。
  18. エチルベンゼンを、0.001ppm〜800ppm含む、請求項17に記載のエタノール組成物。
  19. エチルベンゼンを、0.001ppm〜100ppm含む、エタノール組成物。
  20. n−デカンを、0.001ppm〜1000ppm含む、請求項19に記載のエタノール組成物。
  21. 請求項8〜20のいずれか一項に記載のエタノール組成物を水で希釈し、希釈後のエタノール濃度を0.1質量〜15質量%としたエタノール水溶液を土壌に散布する、土壌消毒方法。
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