以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、実施形態においては、人体の左の下肢に装着される関節運動アシスト装置を例示して説明する。また、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。
<構成>
図1,2には、第1実施形態に係る関節運動アシスト装置100Aの外観図が示されている。図1,2における座標系(X,Y,Z)は、図示の通りに定義されている。ここで、図1は、人体の左の下肢(FTL)に装着された関節運動アシスト装置100Aを、人体が椅子CHに座った状態で、−X方向側(左の下肢の左側である外側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図2は、図1に示される関節運動アシスト装置100Aを、+X方向側(左の下肢の右側である内側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。
図1,2により総合的に示されるように、関節運動アシスト装置100Aは、第1外骨格部材2111,2112と、第2外骨格部材2121,2122と、第3外骨格部材2131,2132と、第4外骨格部材2141,2142とを備えている。また、関節運動アシスト装置100Aは、第1連接部材2211,2212と、第2連接部材2221,2222と、軸部材2231,2232とを備えている。
また、関節運動アシスト装置100Aは、第1ベローズ231と、第2ベローズ232と、第3ベローズ233とを備えている。また、関節運動アシスト装置100Aは、第1伝達部材241と、第2伝達部材242と、第3伝達部材243と、第4伝達部材244と、第5伝達部材245とを備えている。さらに、関節運動アシスト装置100Aは、足部装着部270Aと、調整部280Aとを備えている。
第1実施形態では、上述した関節運動アシスト装置100Aの構成要素のうち、図3に示されるように、第1外骨格部材2111,2112と、第2外骨格部材2121,2122と、第1連接部材2211,2212と、第1ベローズ231と、第1伝達部材241と、第2伝達部材242とを備えて構成された部分を、膝関節運動アシスト部120Aと記す。当該膝関節運動アシスト部120Aは、所定対象物としての「人体の左脚」の膝関節の機構を利用して行われる関節運動をアシストする。
また、第1実施形態では、上述した関節運動アシスト装置100Aの構成要素のうち、図4に示されるように、第2外骨格部材2121,2122と、第3外骨格部材2131,2132と、第4外骨格部材2141,2142と、第2連接部材2221,2222と、軸部材2231,2232と、第2ベローズ232と、第3ベローズ233と、第3伝達部材243と、第4伝達部材244と、第5伝達部材245と、足部装着部270Aとを備えて構成された部分を、足部関節運動アシスト部130Aと記す。そして、図5には、図4に示した四角枠の部分を、+Z方向側から視たときの概念図が示されている。なお、図5では、足部関節運動アシスト部130Aを装着する足部の図示を省略している。当該足部関節運動アシスト部130Aは、所定対象物としての「人体の左足」の足首関節(踝関節)及び足指関節の機構を利用して行われる関節運動をアシストする。
上記の第1外骨格部材2111,2112は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の一方の端部に固定された外歯歯車とから構成されている。第1外骨格部材2111は、股関節から膝関節へ延びる方向に沿って、左大腿部の外側(−X方向側)に配置される。また、第1外骨格部材2112は、股関節から膝関節へ延びる方向に沿って、左大腿部の内側(+X方向側)に配置される。そして、第1外骨格部材2111,2112は、例えば、硬樹脂製の取付用部材261を介して、第1伝達部材241に取り付けられ、第1伝達部材241とともに、左大腿部に装着される。
ここで、関節運動をアシストすべき関節が膝関節の場合には、左大腿部が一方側部位に対応し、第1外骨格部材2111,2112は、一方側外骨格部材に対応している。そして、第1外骨格部材2111は、一方側外側外骨格部材に対応し、第1外骨格部材2112は、一方側内側外骨格部材に対応している。
上記の第2外骨格部材2121,2122は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の両方の端部に固定された外歯歯車とから構成されている。第2外骨格部材2121は、膝関節から足首関節へ延びる方向に沿って、左下腿部の外側(−X方向側)に配置される。また、第2外骨格部材2122は、膝関節から足首関節へ延びる方向に沿って、左下腿部の内側(+X方向側)に配置される。そして、第2外骨格部材2121,2122は、硬樹脂製等の取付用部材262を介して、第2伝達部材242に取り付けられ、第2伝達部材242とともに、左下腿部に装着される。また、第2外骨格部材2121,2122は、硬樹脂製等の取付用部材263を介して、第3伝達部材243に取り付けられ、第3伝達部材243とともに、左下腿部に装着される。
第2外骨格部材2121における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、第1外骨格部材2111における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第1連接部材(アーム部材)2211により確保されている。また、第2外骨格部材2122における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、第1外骨格部材2112における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第1連接部材(アーム部材)2212により確保されている。そして、当該噛合により、第1外骨格部材2111,2112及び第2外骨格部材2121,2122は、膝関節に対応する位置で、互いに膝関節の回動方向に回動可能となっている。
ここで、第2外骨格部材2121における膝関節側の端部の外歯歯車、第1外骨格部材2111における膝関節側の端部の外歯歯車及び第1連接部材2211が、膝関節の外側での連接機構に対応している。また、第2外骨格部材2122における膝関節側の端部の外歯歯車、第1外骨格部材2112における膝関節側の端部の外歯歯車及び第1連接部材2212が、膝関節の内側での連接機構に対応している。
また、関節運動をアシストすべき関節が膝関節の場合には、左下腿部が他方側部位に対応し、第2外骨格部材2121,2122は、他方側外骨格部材に対応している。そして、第2外骨格部材2121は、他方側外側外骨格部材に対応し、第2外骨格部材2122は、他方側内側外骨格部材に対応している。
一方、関節運動をアシストすべき関節が足首関節の場合には、左下腿部が一方側部位に対応し、第2外骨格部材2121,2122は、一方側外骨格部材に対応している。そして、第2外骨格部材2121は、一方側外側外骨格部材に対応し、第2外骨格部材2122は、一方側内側外骨格部材に対応している。
上記の第3外骨格部材2131,2132は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の一方の端部に固定された外歯歯車とから構成されている。第3外骨格部材2131は、足首関節から足指関節へ延びる方向に沿って、左足部の外側(−X方向側)に配置される。また、第3外骨格部材2132は、足首関節から足指関節へ延びる方向に沿って、左足部の内側(+X方向側)に配置される。そして、第3外骨格部材2131,2132は、硬樹脂製の取付用部材264を介して、第4伝達部材244に取り付けられ、第4伝達部材244とともに、左足部に装着される。
第3外骨格部材2131における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材2121における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材2221により確保されている。また、第3外骨格部材2132における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材2122における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材2222により確保されている。そして、当該噛合により、第2外骨格部材2121,2122及び第3外骨格部材2131,2132は、足首関節に対応する位置で、互いに足首関節の回動方向に回動可能となっている。
ここで、第3外骨格部材2131における足首関節側の端部の外歯歯車、第2外骨格部材2121における足首関節側の端部の外歯歯車及び第2連接部材2221が、足首関節の外側での連接機構に対応している。また、第3外骨格部材2132における足首関節側の端部の外歯歯車、第2外骨格部材2122における足首関節側の端部の外歯歯車及び第2連接部材2222が、足首関節の内側での連接機構に対応している。
また、関節運動をアシストすべき関節が足首関節の場合には、左足部が他方側部位に対応し、第3外骨格部材2131,2132は、他方側外骨格部材に対応している。そして、第3外骨格部材2131は、他方側外側外骨格部材に対応し、第3外骨格部材2132は、他方側内側外骨格部材に対応している。
一方、関節運動をアシストすべき関節が足指関節の場合には、左足部の踵側が一方側部位に対応し、第3外骨格部材2131,2132は、一方側外骨格部材に対応している。そして、第3外骨格部材2131は、一方側外側外骨格部材に対応し、第3外骨格部材2132は、一方側内側外骨格部材に対応している。
上記の第4外骨格部材2141,2142は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状外骨格部材となっている。第4外骨格部材2141は、足指関節から指先へ延びる方向に沿って、左足部の小指側(−X方向側)に配置される。また、第4外骨格部材2142は、足指関節から指先へ延びる方向に沿って、左足部の母指側(+X方向側)に配置される。そして、第4外骨格部材2141,2142は、足指の五指に装着される硬い樹脂製の指装着部材265に取り付けられることにより、第5伝達部材245に取り付けられ、左足部の足指に装着される。
第4外骨格部材2141における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材2131における足指関節側の端部に、軸部材2231を軸にして、回動可能に取り付けられている。また、第4外骨格部材2142における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材2132における足指関節側の端部に、軸部材2232を軸にして、回動可能に取り付けられている。
ここで、関節運動をアシストすべき関節が足指関節の場合には、左足部の足指側が他方側部位に対応し、第4外骨格部材2141,2142は、他方側外骨格部材に対応している。そして、第4外骨格部材2141は、他方側外側外骨格部材に対応し、第4外骨格部材2142は、他方側内側外骨格部材に対応している。
上記の第1ベローズ231は、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、膝関節の関節軸の周りに沿って、膝の表側(伸展側)に配置される。第1ベローズ231の一方側端部は、第1伝達部材241の他方側の端部側に形成された接続部に接続され、第1ベローズ231の他方側端部は、第2伝達部材242の一方側の端部側に形成された接続部に接続される。ここで、第1ベローズ231には、可撓性を有する樹脂製の配管251が取り付けられ、当該第1ベローズ231は、配管251を介して調整部280Aと連通している。そして、第1ベローズ231内の空気圧が変化すると、当該第1ベローズ231が膨縮する。この結果、第1ベローズ231が膝関節の関節運動をアシストする力を発生させる。
上記の第2ベローズ232は、第1ベローズ231と同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、足首関節の関節軸の周りに沿って、足首の甲側に配置される。第2ベローズ232の一方側端部は、第3伝達部材243の他方側の端部側に形成された接続部に接続され、第2ベローズ232の他方側端部は、第4伝達部材244の一方側の端部側に形成された接続部に接続される。ここで、第2ベローズ232には、可撓性を有する樹脂製の配管252が取り付けられ、当該第2ベローズ232は、配管252を介して調整部280Aと連通している。そして、第2ベローズ232内の空気圧が変化すると、当該第2ベローズ232が膨縮する。この結果、第2ベローズ232が足首関節の関節運動をアシストする力を発生させる。
上記の第3ベローズ233は、第1ベローズ231及び第2ベローズ232と同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、足指関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。第3ベローズ233の一方側端部は、第4伝達部材244の他方側の端部側に形成された接続部に接続され、第3ベローズ233の他方側端部は、第5伝達部材245の一方側の端部側に形成された接続部に接続される。ここで、第3ベローズ233には、可撓性を有する樹脂製の配管253が取り付けられ、当該第3ベローズ233は、配管253を介して調整部280Aと連通している。そして、第3ベローズ233内の空気圧が変化すると、当該第3ベローズ233が膨縮する。この結果、第3ベローズ233が五指の足指関節の関節運動をアシストする力を発生させる。
上記の第1伝達部材241は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に折り曲げられた接続部が形成されている。ここで、当該接続部には、配管251を通す穴が成型加工されている。第1伝達部材241の長板部の他方側の端部には、第1ベローズ231を介して、第2伝達部材242が接続されている。そして、第1伝達部材241の他方側の端部側の接続部は、第1ベローズ231の一方側端部に接続されている。当該第1伝達部材241の長板部は、硬樹脂製の取付用部材261を介して、第1外骨格部材2111,2112に取り付けられ、第1外骨格部材2111,2112とともに、左大腿部に装着される。
上記の第2伝達部材242は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に折り曲げられた接続部が形成されている。第2伝達部材242の長板部の一方側の端部には、第1ベローズ231を介して、第1伝達部材241が接続されている。そして、第2伝達部材242の一方側の端部側の接続部は、第1ベローズ231の他方側端部に接続されている。当該第2伝達部材242の長板部は、硬樹脂製の取付用部材262を介して、第2外骨格部材2121,2122に取り付けられ、第2外骨格部材2121,2122とともに、左下腿部に装着される。
上記の第3伝達部材243は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に折り曲げられた接続部が形成されている。第3伝達部材243の長板部の他方側の端部には、第2ベローズ232を介して、第4伝達部材244が接続されている。そして、第3伝達部材243の他方側の端部側の接続部は、第2ベローズ232の一方側端部に接続されている。当該第3伝達部材243の長板部は、硬樹脂製の取付用部材263を介して、第2外骨格部材2121,2122に取り付けられ、第2外骨格部材2121,2122とともに、左下腿部に装着される。
上記の第4伝達部材244は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の両端部には、折り曲げられた接続部が形成されている。ここで、第4伝達部材244の一方側の端部側に形成された接続部には、配管252を通す穴が成型加工されている。第4伝達部材244の長板部の一方側の端部には、第2ベローズ232を介して、第3伝達部材243が接続されている。そして、第4伝達部材244の一方側の端部側の接続部は、第2ベローズ232の他方側端部に接続されている。
また、第4伝達部材244の長板部の他方側の端部には、第3ベローズ233を介して、第5伝達部材245が接続されている。そして、第4伝達部材244の他方側の端部側の接続部は、第3ベローズ233の一方側端部に接続されている。当該第4伝達部材244の長板部は、硬樹脂製の取付用部材264を介して、第3外骨格部材2131,2132に取り付けられ、第3外骨格部材2131,2132とともに、左足部に装着される。
上記の第5伝達部材245は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に折り曲げられた接続部が形成されている。ここで、当該接続部には、配管253を通す穴が成型加工されている。第5伝達部材245の長板部の一方側の端部には、第3ベローズ233を介して、第4伝達部材244が接続されている。そして、第5伝達部材245の一方側の端部側の接続部は、第3ベローズ233の他方側端部に接続されている。当該第5伝達部材245の長板部は、足指の五指に装着される硬い樹脂製の指装着部材265を介して、第4外骨格部材2141,2142に取り付けられ、左足部の足指に装着される。
《足部装着部270Aの構成》
上記の足部装着部270Aの構成について、説明する。足部装着部270Aは、図6(A),(B)により総合的に示されるように、足底部材271Aと、踵止め部材272と、取付部材2731,2732とを備えている。ここで、図6(A)は、足部装着部270Aを−X方向側から視た図であり、図5(B)は、足部装着部270Aを足部の甲側(+Z方向側)から視た図である。
上記の足底部材271Aは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長方形状の平板に成形されている。当該足底部材271Aには、足部の足裏が配置され、硬樹脂製の取付用部材264,266(図1,2,4参照、図6(A),(B)においては不図示)により、当該足部が装着される。
上記の踵止め部材272は、例えば、鋼鉄製の部材であり、足底部材271Aにおける−Y方向側の端部に固定される。当該踵止め部材272により、足底部材271Aに配置される足部の踵部を支持するようになっている。
上記の取付部材2731,2732は、例えば、鋼鉄製の部材である。当該取付部材2731は、足底部材271Aの+Y方向側の端部における−X方向側に形成される。そして、取付部材2731には、第3外骨格部材2131の足指関節側の端部及び第4外骨格部材2141の足指関節側の端部が、軸部材2231を軸にして、回動可能に取り付けられる。また、当該取付部材2732は、足底部材271Aの+Y方向側の端部における+X方向側に形成される。そして、取付部材2732には、第3外骨格部材2132の足指関節側の端部及び第4外骨格部材2142の足指関節側の端部が、軸部材2232を軸にして、回動可能に取り付けられる。
《調整部280Aの構成》
上記の調整部280Aの構成について、説明する。調整部280Aは、配管251を介して膝関節運動アシスト部120Aの第1ベローズ231と連通している。また、調整部280Aは、配管252を介して足部関節運動アシスト部130Aの第2ベローズ232と連通している。さらに、調整部280Aは、配管253を介して足部関節運動アシスト部130Aの第3ベローズ233と連通している。以下の説明においては、これらのベローズを総称して、単に「ベローズ」とも記す。
かかる連通関係を有する調整部280Aは、図7に示されるように、加圧ポンプ281と、減圧ポンプ282と、電気−空気圧制御弁283と、制御部284とを備えている。また、調整部280Aは、配管285,286を備えている。
上記の加圧ポンプ281は、配管285を介して、電気−空気圧制御弁283のポンプ側接続口の一方側に接続されている。この加圧ポンプ281は、ベローズへの空気の強制的供給を行う際に利用される。上記の減圧ポンプ282は、配管286を介して、電気−空気圧制御弁283のポンプ側接続口の他方側に接続されている。この減圧ポンプ282は、ベローズからの空気の強制的排出を行う際に、利用される。
上記の電気−空気圧制御弁283は、流路切換弁と、圧力制御弁(比例ソレノイドバルブ)とを備えて構成されている。この流路切換弁の入口側の一方が加圧ポンプ281に接続されているとともに、入口側の他方が減圧ポンプ282に接続されている。
そして、流路切換弁は、制御部284による制御のもとで、ベローズへの空気の強制的供給を行う際には、加圧ポンプ281に接続されている配管285と指定されたベローズと連通している配管とを接続して流路を形成する。また、流路切換弁は、制御部284による制御のもとで、ベローズからの空気の強制的排出を行う際には、減圧ポンプ282に接続されている配管286と指定されたベローズと連通している配管とを接続して流路を形成する。
例えば、第1ベローズ231への空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管285と配管251とを接続して流路を形成する。また、第1ベローズ231からの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管286と配管251とを接続して流路を形成する。
また、第2ベローズ232への空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管285と配管252とを接続して流路を形成する。また、第2ベローズ232からの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管286と配管252とを接続して流路を形成する。さらに、第3ベローズ233への空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管285と配管253とを接続して流路を形成する。また、第3ベローズ233からの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管286と配管253とを接続して流路を形成する。
また、圧力制御弁は、制御部284による制御のもとで、空気圧力を制御して、ベローズ内の空気圧を変化させる。
上記の制御部284は、ベローズからの空気の強制的排出、及び、ベローズへの空気の強制的供給の切り換え、並びに、ベローズ内の空気圧の制御を行う。かかる制御に際して、ベローズへの空気の強制的供給を行う場合には、制御部284は、電気−空気圧制御弁283が加圧ポンプ281と関節運動を行うベローズとを接続する流路を形成し、ベローズ内の空気圧力を調整するように、制御する。また、ベローズからの空気の強制的排出を行う場合には、制御部284は、電気−空気圧制御弁283が減圧ポンプ282と関節運動を行うベローズとを接続する流路を形成し、ベローズ内の空気圧力を調整するように、制御する。
こうした制御は、実験、シミュレーション、経験等による脳波、筋力に関する生体情報に基づいて行われるようになっている。ここで、脳波、筋力に関する生体情報は、不図示の検出部が、脳波、筋電図、筋肉の硬さ等を検出することで、取得するようにすることができる。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置100Aの動作について、膝関節、足首関節及び足指関節の機構を利用する関節運動のアシスト動作を説明する。
当初においては、関節運動アシスト装置100Aでは、調整部280Aによる第1ベローズ231、第2ベローズ232及び第3ベローズ233内の空気圧調整は行われていないものとする。そして、人体は椅子CHに座り、下肢は図8に示される状態で、足部が台CSに載置されているものとする。
図8に示される状態から、調整部280Aが、第1ベローズ231からの空気の強制的排出を行うための制御を行うと、第1ベローズ231内の空気圧が下降する。そして、第1ベローズ231内の空気圧が下降すると、第1ベローズ231が収縮する。
こうして第1ベローズ231が収縮すると、第1ベローズ231が、膝関節を伸展状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第2伝達部材242が、膝関節の関節軸を回動軸にして、第1伝達部材241に対して回転する。
そして、当該回転力が、第1伝達部材241を装着する大腿部及び当該大腿部の両側部に配置された第1外骨格部材2111,2112に伝達されるとともに、第2伝達部材242を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達される。ここで、第2外骨格部材2121における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、第1外骨格部材2111における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第1連接部材2211により確保されている。また、第2外骨格部材2122における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、第1外骨格部材2112における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第1連接部材2212により確保されている。
このため、第2外骨格部材2121が、第1連接部材2211を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2111に対して回転し、第2外骨格部材2122が、第1連接部材2212を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2112に対して回転する。この結果、膝関節に負担をかけることなく、下腿部が大腿部に対して回転し、膝関節は伸展状態になる。
また、調整部280Aが、第2ベローズ232からの空気の強制的排出を行うための制御を行うと、第2ベローズ232内の空気圧が下降して、第2ベローズ232が収縮する。こうして第2ベローズ232が収縮すると、第2ベローズ232が、足首関節を伸展状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第4伝達部材244が、足首関節の関節軸を回動軸にして、第3伝達部材243に対して回転する。
そして、当該回転力が、第3伝達部材243を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達されるとともに、第4伝達部材244を装着する足部及び当該足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達される。ここで、第3外骨格部材2131における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材2121における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材2221により確保されている。また、第3外骨格部材2132における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材2122における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材2222により確保されている。
このため、第3外骨格部材2131が、第2連接部材2221を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2121に対して回転し、第3外骨格部材2132が、第2連接部材2222を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2122に対して回転する。この結果、足首関節に負担をかけることなく、足部が下腿部に対して回転し、足首関節は伸展(背屈)状態になる。
また、調整部280Aが、第3ベローズ233からの空気の強制的排出を行うための制御を行うと、第3ベローズ233内の空気圧が下降して、第3ベローズ233が収縮する。こうして第3ベローズ233が収縮すると、第3ベローズ233が、足指関節を伸展状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第5伝達部材245が、足指関節の関節軸を回動軸にして、第4伝達部材244に対して回転する。
そして、当該回転力が、第4伝達部材244を装着する踵側の足部及び当該踵側の足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達されるとともに、第5伝達部材245を装着する足部の足指及び当該足指の両側部に配置された第4外骨格部材2141,2142に伝達される。ここで、第4外骨格部材2141における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材2131における足指関節側の端部に、軸部材2231を軸にして、回動可能に取り付けられている。また、第4外骨格部材2142における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材2132における足指関節側の端部に、軸部材2232を軸にして、回動可能に取り付けられている。
このため、第4外骨格部材2141が、軸部材2231を軸にして、第3外骨格部材2131に対して回転し、第4外骨格部材2142が、軸部材2232を軸にして、第3外骨格部材2132に対して回転する。この結果、足指関節に負担をかけることなく、足部の足指が踵側の足部に対して回転し、足指関節は伸展状態になる。
こうして膝関節、足首関節及び足指関節が伸展状態となったときの関節運動アシスト装置100Aの状態が図9に示されている。
また、図9に示される状態から、調整部280Aが、第1ベローズ231への空気の強制的供給を行うための制御を行うと、第1ベローズ231内の空気圧が上昇する。そして、第1ベローズ231内の空気圧が上昇すると、第1ベローズ231が膨張する。
こうして第1ベローズ231が膨張すると、第1ベローズ231が、膝関節を屈曲状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第2伝達部材242が、膝関節の関節軸を回動軸にして、第1伝達部材241に対して回転する。
そして、当該回転力が、第1伝達部材241を装着する大腿部及び当該大腿部の両側部に配置された第1外骨格部材2111,2112に伝達されるとともに、第2伝達部材242を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達される。ここで、上述したように、第2外骨格部材2121,2122における膝関節側の端部の外歯歯車は、第1外骨格部材2111,2112における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が確保されている。
このため、第2外骨格部材2121が、第1連接部材2211を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2111に対して回転し、第2外骨格部材2122が、第1連接部材2212を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2112に対して回転する。この結果、膝関節に負担をかけることなく、下腿部が大腿部に対して回転し、膝関節は屈曲状態になる。
また、調整部280Aが、第2ベローズ232への空気の強制的供給を行うための制御を行うと、第2ベローズ232内の空気圧が上昇して、第2ベローズ232が膨張する。こうして第2ベローズ232が膨張すると、第2ベローズ232が、足首関節を屈曲状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第4伝達部材244が、足首関節の関節軸を回動軸にして、第3伝達部材243に対して回転する。
そして、当該回転力が、第3伝達部材243を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達されるとともに、第4伝達部材244を装着する足部及び当該足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達される。ここで、上述したように、第3外骨格部材2131,2132における足首関節側の端部の外歯歯車は、第2外骨格部材2121,2122における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が確保されている。
このため、第3外骨格部材2131が、第2連接部材2221を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2121に対して回転し、第3外骨格部材2132が、第2連接部材2222を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2122に対して回転する。この結果、足首関節に負担をかけることなく、足部が下腿部に対して回転し、足首関節は屈曲(底屈)状態になる。
また、調整部280Aが、第3ベローズ233への空気の強制的供給を行うための制御を行うと、第3ベローズ233内の空気圧が上昇して、第3ベローズ233が膨張する。こうして第3ベローズ233が膨張すると、第3ベローズ233が、足指関節を屈曲状態にする回転方向の力を発生する。当該力により、第5伝達部材245が、足指関節の関節軸を回動軸にして、第4伝達部材244に対して回転する。
そして、当該回転力が、第4伝達部材244を装着する足部及び当該足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達されるとともに、第5伝達部材245を装着する足部の足指及び当該足指の両側部に配置された第4外骨格部材2141,2142に伝達される。ここで、上述したように、第4外骨格部材2141,2142における足指関節側の端部は、第3外骨格部材2131,2132における足指関節側の端部に、軸部材2231,2232を軸にして、回動可能に取り付けられている。
このため、第4外骨格部材2141が、軸部材2231を軸にして、第3外骨格部材2131に対して回転し、第4外骨格部材2142が、軸部材2232を軸にして、第3外骨格部材2132に対して回転する。この結果、足指関節に負担をかけることなく、足部の足指が踵側の足部に対して回転し、足指関節は屈曲状態になる。
こうして膝関節、足首関節及び足指関節が屈曲状態となったときの関節運動アシスト装置100Aの状態が図10に示されている。
以上説明したように、第1実施形態では、膝関節の伸展運動のアシストに際して、第1ベローズ231が収縮すると、第2伝達部材242が、膝関節の関節軸を回転軸にして、第1伝達部材241に対して回転する。そして、当該回転力が、第1伝達部材241を装着する大腿部及び当該大腿部の両側部に配置された第1外骨格部材2111,2112に伝達されるとともに、第2伝達部材242を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達される。こうして第1外骨格部材2111及び第2外骨格部材2121に膝関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第2外骨格部材2121は、第1連接部材2211を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2111に対して回転する。また、こうして第1外骨格部材2112及び第2外骨格部材2122に膝関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第2外骨格部材2122は、第1連接部材2212を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2112に対して回転する。
膝関節の屈曲運動のアシストに際して、第1ベローズ231が膨張すると、第2伝達部材242が、膝関節の関節軸を回転軸にして、第1伝達部材241に対して回転する。そして、当該回転力が、第1伝達部材241を装着する大腿部及び当該大腿部の両側部に配置された第1外骨格部材2111,2112に伝達されるとともに、第2伝達部材242を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達される。こうして第1外骨格部材2111及び第2外骨格部材2121に膝関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第2外骨格部材2121は、第1連接部材2211を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2111に対して回転する。また、こうして第1外骨格部材2112及び第2外骨格部材2122に膝関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第2外骨格部材2122は、第1連接部材2212を含む連接機構を利用して、第1外骨格部材2112に対して回転する。
このため、膝関節の屈曲伸展運動をアシストするに際して、膝関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
また、第1実施形態では、足首関節の伸展運動のアシストに際して、第2ベローズ232が収縮すると、第4伝達部材244が、足首関節の関節軸を回転軸にして、第3伝達部材243に対して回転する。そして、当該回転力が、第3伝達部材243を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達されるとともに、第4伝達部材244を装着する足部及び当該足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達される。こうして第2外骨格部材2121及び第3外骨格部材2131に足首関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第3外骨格部材2131は、第2連接部材2221を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2121に対して回転する。また、こうして第2外骨格部材2122及び第3外骨格部材2132に足首関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第3外骨格部材2132は、第2連接部材2222を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2122に対して回転する。
足首関節の屈曲運動のアシストに際して、第2ベローズ232が膨張すると、第4伝達部材244が、足首関節の関節軸を回転軸にして、第3伝達部材243に対して回転する。そして、当該回転力が、第3伝達部材243を装着する下腿部及び当該下腿部の両側部に配置された第2外骨格部材2121,2122に伝達されるとともに、第4伝達部材244を装着する足部及び当該足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達される。こうして第2外骨格部材2121及び第3外骨格部材2131に足首関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第3外骨格部材2131は、第2連接部材2221を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2121に対して回転する。また、こうして第2外骨格部材2122及び第3外骨格部材2132に足首関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第3外骨格部材2132は、第2連接部材2222を含む連接機構を利用して、第2外骨格部材2122に対して回転する。
このため、足首関節の屈曲伸展運動をアシストするに際して、足首関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
また、第1実施形態では、足指関節の伸展運動のアシストに際して、第3ベローズ233が収縮すると、第5伝達部材245が、足指関節の関節軸を回転軸にして、第4伝達部材244に対して回転する。そして、当該回転力が、第4伝達部材244を装着する踵側の足部及び当該踵側の足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達されるとともに、第5伝達部材245を装着する足部の足指及び当該足指の両側部に配置された第4外骨格部材2141,2142に伝達される。こうして第3外骨格部材2131及び第4外骨格部材2141に足指関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第4外骨格部材2141は、軸部材2231を軸にして、第3外骨格部材2131に対して回転する。また、こうして第3外骨格部材2132及び第4外骨格部材2142に足指関節を伸展状態にするための回転力が伝達されると、第4外骨格部材2142は、軸部材2232を軸にして、第3外骨格部材2132に対して回転する。
足指関節の屈曲運動のアシストに際して、第3ベローズ233が膨張すると、第5伝達部材245が、足指関節の関節軸を回転軸にして、第4伝達部材244に対して回転する。そして、当該回転力が、第4伝達部材244を装着する踵側の足部及び当該踵側の足部の両側部に配置された第3外骨格部材2131,2132に伝達されるとともに、第5伝達部材245を装着する足部の足指及び当該足指の両側部に配置された第4外骨格部材2141,2142に伝達される。こうして第3外骨格部材2131及び第4外骨格部材2141に足指関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第4外骨格部材2141は、軸部材2231を軸にして、第3外骨格部材2131に対して回転する。また、こうして第3外骨格部材2132及び第4外骨格部材2142に足指関節を屈曲状態にするための回転力が伝達されると、第4外骨格部材2142は、軸部材2232を軸にして、第3外骨格部材2132に対して回転する。
このため、足指関節の屈曲伸展運動をアシストするに際して、足指関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
したがって、第1実施形態によれば、アシストすべき関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図11〜図14を主に参照して説明する。
<構成>
図11には、第2実施形態に係る関節運動アシスト装置100Bの外観図が示されている。ここで、図11は、人体の左の下肢(FTL)に装着された関節運動アシスト装置100Bを、人体が椅子CHに座った状態で、−X方向側(左の下肢の左側である外側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。
図11に示されるように、関節運動アシスト装置100Bは、上述した第1実施形態の関節運動アシスト装置100Aと比べて、足部関節運動アシスト部130Aに代えて足部関節運動アシスト部130Bを備える点、及び、調整部280Aに代えて調整部280Bを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
《足部関節運動アシスト部130Bの構成》
上記の足部関節運動アシスト部130Bの構成について、説明する。図11に示されるように、足部関節運動アシスト部130Bは、上述した第1実施形態の足部関節運動アシスト部130Aと比べて、足部装着部270Aに代えて足部装着部270Bを備える点、外転・内転アシスト部350を更に備える点が異なっている。
(足部装着部270Bの構成)
上記の足部装着部270Bの構成について、説明する。図12(A)には、足部装着部270Bを−X方向側から視た図が示され、図12(B)は、足部装着部270Bを足部の甲側(+Z方向側)から視た図が示されている。図19(A),(B)により総合的に示されるように、足部装着部270Bは、上述した第1実施形態の足部装着部270Aと比べて、足底部材271Aに代えて足底部材271Bを備える点、及び、ベローズ取付部材2751,2752を更に備える点が異なっている。
上記の足底部材271Bは、上述した第1実施形態の足底部材271Aと比べて、足底部材271Bの−Y方向側に軸穴HLが成型加工されている点が異なっている。当該軸穴HLは、足底部材271Bに足部の足裏が配置された場合に、足部の踵の中央に対応する位置に成型加工されている。
上記のベローズ取付部材2751,2752は、例えば、樹脂製の部材である。当該ベローズ取付部材2751は、足底部材271Bの+Y方向側における−X方向側の端部に固定される。そして、ベローズ取付部材2751には、後述する側部配置ベローズ3551が取り付けられる。また、当該ベローズ取付部材2752は、足底部材271Bの+Y方向側における+X方向側の端部に固定される。そして、ベローズ取付部材2752には、後述する側部配置ベローズ側部配置ベローズ3552が取り付けられる。
(外転・内転アシスト部350の構成)
上記の外転・内転アシスト部350の構成について、説明する。上記の外転・内転アシスト部350は、図13に示されるように、足台部材351と、側部配置ベローズ3551,3552とを備えている。
上記の足台部材351は、例えば、樹脂製の部材であり、XY平面と平行な長方形状の平板部を含む部材である。当該平板部の+Y方向側における−X方向側の端部には、壁部3521が形成され、当該平板部の+Y方向側における+X方向側の端部には、壁部3522が形成されている。
上記の側部配置ベローズ3551,3552は、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材である。側部配置ベローズ3551の一方側端部は、足台部材351の壁部3521に接続され、側部配置ベローズ3551の他方側端部は、足部装着部270Bのベローズ取付部材2751に接続される。また、側部配置ベローズ3552の一方側端部は、足台部材351の壁部3522に接続され、側部配置ベローズ3552の他方側端部は、足部装着部270Bのベローズ取付部材2752に接続される。
こうして構成された外転・内転アシスト部350には、足台部材351の平板部の法線方向に沿って延びる軸部材AXを中心軸にして、足部装着部270Bが回動可能に取り付けられる。
《調整部280B》
図11に戻り、上記の調整部280Bについて説明する。調整部280Bは、上述した第1実施形態の調整部280Aと比べて、第2実施形態の足部関節運動アシスト部130Bが、側部配置ベローズ3551,3552を更に備えることに対応して、側部配置ベローズ3551,3552への空気の強制的供給、及び、側部配置ベローズ3551,3552からの空気の強制的排出を更に行う点が異なっている。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置100Bの動作について、足部関節運動アシスト部130Aによる足部の外転運動及び内転運動のアシスト動作に主に着目して説明する。
当初においては、関節運動アシスト装置100Bでは、調整部280Bによる第1ベローズ231、第2ベローズ232、第3ベローズ233、及び、側部配置ベローズ3551,3552内の空気圧調整は行われていないものとする。
《足部の外転運動及び内転運動のアシスト動作》
足部を外転状態にする際には、調整部280Bが、側部配置ベローズ3551からの空気の強制的排出を行うための制御を行うとともに、側部配置ベローズ3552への空気の強制的供給を行うための制御を行う。当該側部配置ベローズ3551に対する制御により、側部配置ベローズ3551内の空気圧が下降して、側部配置ベローズ3551が収縮する。また、側部配置ベローズ3552に対する制御により、側部配置ベローズ3552内の空気圧が上昇して、側部配置ベローズ3552が膨張する。
こうして側部配置ベローズ3551が収縮するとともに、側部配置ベローズ3552が膨張すると、図14(A)に示されるように、足部装着部270Bが、軸部材AXを回転軸にして、足部が外転状態となるように、外転・内転アシスト部350に対して回転する。なお、図14(A)では、足部装着部270Bに装着される足部の図示を省略している。
足部を内転状態にする際には、調整部280Bが、側部配置ベローズ3551への空気の強制的供給を行うための制御を行うとともに、側部配置ベローズ3552からの空気の強制的排出を行うための制御を行う。当該側部配置ベローズ3551に対する制御により、側部配置ベローズ3551内の空気圧が上昇して、側部配置ベローズ3551が膨張する。また、側部配置ベローズ3552に対する制御により、側部配置ベローズ3552内の空気圧が下降して、側部配置ベローズ3552が収縮する。
こうして側部配置ベローズ3551が膨張するとともに、側部配置ベローズ3552が収縮すると、図14(B)に示されるように、足部装着部270Bが、軸部材AXを回転軸にして、足部が内転状態となるように、外転・内転アシスト部350に対して回転する。なお、図14(B)では、足部装着部270Bに装着される足部の図示を省略している。
《足首関節の屈曲伸展運動のアシスト動作》
足首関節の屈曲伸展運動のアシストは、上述した第1実施形態における関節運動アシスト装置100Aのアシスト動作と同様に行われる。
《足指関節の屈曲伸展運動のアシスト動作》
足指関節の屈曲伸展運動のアシストは、上述した第1実施形態における関節運動アシスト装置100Aのアシスト動作と同様に行われる。
《膝関節の屈曲伸展運動のアシスト動作》
膝関節の屈曲伸展運動のアシストは、上述した第1実施形態における関節運動アシスト装置100Aのアシスト動作と同様に行われる。
以上説明したように、第2実施形態では、足部の外転運動をアシストするに際して、外転・内転アシスト部350に備えられた側部配置ベローズ3551を収縮させるとともに、側部配置ベローズ3552を膨張させる。こうして側部配置ベローズ3551が収縮するとともに、側部配置ベローズ3552が膨張すると、足部装着部270Bが、軸部材AXを回転軸にして、足部が外転状態となるように、外転・内転アシスト部350に対して回転する。
また、足部の内転運動をアシストするに際して、外転・内転アシスト部350に備えられた側部配置ベローズ3551を膨張させるとともに、側部配置ベローズ3552を収縮させる。こうして側部配置ベローズ3551が膨張するとともに、側部配置ベローズ3552が収縮すると、足部装着部270Bが、軸部材AXを回転軸にして、足部が内転状態となるように、外転・内転アシスト部350に対して回転する。
このため、足部の内転運動及び外転運動をアシストすることができる。また、上述した第1実施形態と同様に、足首関節、足指関節の屈曲伸展運動を、関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切にアシストすることができる。
また、第2実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、膝関節の屈曲伸展運動を、関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切にアシストすることができる。
したがって、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、アシストすべき関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態を、図15〜図20を主に参照して説明する。
<構成>
図15(A),(B)及び図16(A),(B)には、第3実施形態に係る足部関節運動アシスト部530Cの外観図が示されている。図15(A),(B)及び図16(A),(B)のそれぞれに示される足部関節運動アシスト部530Cは、人体の左の下肢に装着される。なお、図15(A),(B)及び図16(A),(B)では、人体の左の下肢の図示を省略している。
ここで、図15(A)は、足部関節運動アシスト部530Cを、図15(A)に示した座標系で表した斜視図である。また、図15(B)は、足部関節運動アシスト部530Cを、+Y方向側(左足の指先側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。また、図16(A)は、足部関節運動アシスト部530Cを、−X方向側(左足の左側である外側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図16(B)は、足部関節運動アシスト部530Cを、+X方向側(左足の右側である内側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。
図15(A),(B)及び図16(A),(B)により総合的に示されるように、足部関節運動アシスト部530Cは、第2外骨格部材5121,5122と、第3外骨格部材5131,5132と、第4外骨格部材5141,5142とを備えている。また、足部関節運動アシスト部530Cは、第2連接部材5221,O,5221,I,5222,O,5222,Iと、軸部材5231,5232とを備えている。
また、足部関節運動アシスト部530Cは、第2ベローズ532と、第3ベローズ533とを備えている。また、足部関節運動アシスト部530Cは、第3伝達部材543と、第4伝達部材544と、第5伝達部材545とを備えている。また、足部関節運動アシスト部530Cは、第2取付用部材5621,5622と、第3取付用部材5631,5632と、第4取付用部材564と、第5取付用部材565とを備えている。さらに、足部関節運動アシスト部530Cは、不図示の調整部を備えている。
ここで、第3外骨格部材5131は、足部外側外骨格部材に対応し、第3外骨格部材5132は、足部内側外骨格部材に対応している。また、第4取付用部材564は、固定部材に対応している。
上記の第2外骨格部材5121,5122は、例えば、硬樹脂製の部材であり、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の他方の端部に固定された外歯歯車とから構成されている。第2外骨格部材5121は、膝関節から足首関節へ延びる方向に沿って、左下腿部の外側(−X方向側)に配置される。また、第2外骨格部材5122は、膝関節から足首関節へ延びる方向に沿って、左下腿部の内側(+X方向側)に配置される。そして、第2外骨格部材5121の一方の端部に、硬樹脂製等の第2取付用部材5621が取り付けられ、第2外骨格部材5121は、第2取付用部材5622を介して、第3伝達部材543に取り付けられる。また、第2外骨格部材5122の一方の端部に、硬樹脂製等の第2取付用部材5622が取り付けられ、第2外骨格部材5122は、第2取付用部材5622を介して、第3伝達部材543に取り付けられる。
上記の第3外骨格部材5131,5132は、例えば、可撓性を有する硬樹脂製の部材であり、伸延部材と、当該伸延部材における長手方向の一方の端部に固定された外歯歯車とから構成されている。ここで、伸延部材の略中央部は、棒状となっており、当該棒状以外の部分には、板状部分が形成されている。
第3外骨格部材5131は、足首関節から足指関節へ延びる方向に沿って、左足部の外側(−X方向側)に配置される。また、第3外骨格部材5132は、足首関節から足指関節へ延びる方向に沿って、左足部の内側(+X方向側)に配置される。そして、第3外骨格部材5131は、硬樹脂製等の第3取付用部材5631に取り付けられ、第3取付用部材5631を介して、第4伝達部材544に取り付けられる。また、第3外骨格部材5132は、硬樹脂製等の第3取付用部材5632に取り付けられ、第3取付用部材5632を介して、第4伝達部材544に取り付けられる。
また、第3外骨格部材5131の棒状部分は、第4取付用部材564に成型された棒状部材挿入部6211に挿入され、移動可能かつ回転可能に第4取付用部材564に取り付けられている。ここで、棒状部材挿入部6211の内径は、第3外骨格部材5131の棒状部分の径より大きくなっている。このため、第3外骨格部材5131は、第4取付用部材564に対して、Y軸方向に移動可能となっている。また、第3外骨格部材5131の棒状部分は、棒状部材挿入部6211の挿入穴内壁との間の隙間を、Z軸方向やX軸方向、任意方向に沿って延びる軸方向に移動可能であり、かつ、棒状部材挿入部6211を支点にして、X軸と平行な軸回りやZ軸と平行な軸回り、任意方向に沿って延びる軸回りに回転可能となっている。
また、第3外骨格部材5132の棒状部分は、第4取付用部材564に成型された棒状部材挿入部6212に挿入され、移動可能かつ回転可能に第4取付用部材564に取り付けられている。ここで、棒状部材挿入部6212の内径は、第3外骨格部材5132の棒状部分の径より大きくなっている。このため、第3外骨格部材5132は、第4取付用部材564に対して、Y軸方向に移動可能となっている。また、第3外骨格部材5132の棒状部分は、棒状部材挿入部6212の挿入穴内壁との間の隙間を、Z軸方向やX軸方向、任意方向に沿って延びる軸方向に移動可能であり、かつ、棒状部材挿入部6212を支点にして、X軸と平行な軸回りやZ軸と平行な軸回り、任意方向に沿って延びる軸回りに回転可能となっている。
第3外骨格部材5131における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材5121における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材5221,O,5221,Iにより確保されている。また、第3外骨格部材5132における足首関節側の端部の外歯歯車は、足首関節に対応する位置で、第2外骨格部材5122における足首関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が第2連接部材5222,O,5222,Iにより確保されている。そして、当該噛合により、第2外骨格部材5121,5122及び第3外骨格部材5131,5132は、足首関節に対応する位置で、互いに足首関節の回動方向に回動可能となっている。
上記の第4外骨格部材5141,5142は、例えば、硬樹脂製の部材であり、長板状外骨格部材となっている。第4外骨格部材5141は、足指関節から指先へ延びる方向に沿って、左足部の小指側(−X方向側)に配置される。また、第4外骨格部材5142は、足指関節から指先へ延びる方向に沿って、左足部の母指側(+X方向側)に配置される。そして、第4外骨格部材5141の指先側の部分は、第5取付用部材565の−X方向側の部分に取り付けられ、第5取付用部材565を介して、第5伝達部材545に取り付けられる。また、第4外骨格部材5142の指先側の部分は、第5取付用部材565の+X方向側の部分に取り付けられ、第5取付用部材565を介して、第5伝達部材545に取り付けられる。
第4外骨格部材5141における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材5131における足指関節側の端部に、軸部材5231を軸にして、回動可能に取り付けられている。また、第4外骨格部材5142における足指関節側の端部は、足指関節に対応する位置で、第3外骨格部材5132における足指関節側の端部に、軸部材5232を軸にして、回動可能に取り付けられている。
上記の第2ベローズ532は、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、足首関節の関節軸の周りに沿って、足首の甲側に配置される。第2ベローズ532の一方側端部は、第3伝達部材543に接続され、第2ベローズ532の他方側端部は、第4伝達部材544の一方側の面部に接続される。ここで、第2ベローズ532には、可撓性を有する樹脂製の不図示の配管が取り付けられ、当該第2ベローズ532は、配管を介して調整部と連通している。そして、第2ベローズ532内の空気圧が変化すると、当該第2ベローズ532が膨縮する。この結果、第2ベローズ532が足首関節の関節運動をアシストする力を発生させる。
上記の第3ベローズ533は、第2ベローズ532と同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、足指関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。第3ベローズ533の一方側端部は、第4伝達部材544の他方側の面部に接続され、第3ベローズ533の他方側端部は、第5伝達部材545に接続される。ここで、第3ベローズ533には、可撓性を有する樹脂製の不図示の配管が取り付けられ、当該第3ベローズ533は、配管を介して調整部と連通している。そして、第3ベローズ533内の空気圧が変化すると、当該第3ベローズ533が膨縮する。この結果、第3ベローズ533が五指の足指関節の関節運動をアシストする力を発生させる。
上記の第3伝達部材543は、例えば、鋼鉄製の部材であり、板状の面部を有している。第3伝達部材543は、第2ベローズ532を介して、第4伝達部材544に接続されている。そして、第3伝達部材543の面部は、第2ベローズ532の一方側端部に接続されている。また、第3伝達部材543は、硬樹脂製等の第2取付用部材5621に取り付けられ、第2取付用部材5621を介して、第2外骨格部材5121に取り付けられている。また、当該第3伝達部材543は、硬樹脂製等の第2取付用部材5622に取り付けられ、第2取付用部材5622を介して、第2外骨格部材5122に取り付けられている。
上記の第4伝達部材544は、図17(A)に示されるように、足部の裏が内側を向いて小指側だけが地につく内反を、図17(B)に示されるように、足部の足裏全体が地につく状態(以下、「内反矯正状態」又は「正常状態」とも記す)に矯正する。
かかる機能を有する第4伝達部材544は、図15(A),(B)及び図16(A),(B)により総合的に示されるように、足首側伝達部材611と、内反矯正用ベローズ613と、足指側伝達部材612とを備えている。
上記の足首側伝達部材611は、例えば、鋼鉄製の部材であり、板状の面部を有している。足首側伝達部材611の一方側の面部は、第2ベローズ532の他方側端部に接続されている。また、足首側伝達部材611の他方側の面部は、内反矯正用ベローズ613の一方側端部に接続されている。また、足首側伝達部材611は、硬樹脂製等の第3取付用部材5632に取り付けられ、当該第3取付用部材5632を介して、第3外骨格部材5132に取り付けられている。
上記の内反矯正用ベローズ613は、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材である。内反矯正用ベローズ613の一方側端部は、足首側伝達部材611の他方側の面部に接続されている。また、内反矯正用ベローズ613の他方側端部は、足指側伝達部材612の一方側の面部に接続されている。
ここで、内反矯正用ベローズ613には、可撓性を有する樹脂製の不図示の配管が取り付けられ、当該内反矯正用ベローズ613は、配管を介して不図示の調整部と連通している。そして、内反矯正用ベローズ613内の空気圧が変化すると、当該内反矯正用ベローズ613が膨縮する。この結果、内反矯正用ベローズ613が足部の内反状態を矯正する力を発生させる。
上記の足指側伝達部材612は、例えば、鋼鉄製の部材であり、板状の面部を有している。足指側伝達部材612の一方側の面部は、内反矯正用ベローズ613の他方側端部に接続されている。また、足指側伝達部材612の他方側の面部は、第3ベローズ533の一方側端部に接続されている。また、足指側伝達部材612は、硬樹脂製等の第3取付用部材5631に取り付けられ、当該第3取付用部材5631を介して、第3外骨格部材5131に取り付けられている。
上記の第5伝達部材545は、例えば、鋼鉄製の部材であり、板状の面部を有している。第5伝達部材545は、第3ベローズ533を介して、第4伝達部材544に接続されている。そして、第5伝達部材545の面部は、第3ベローズ533の他方側端部に接続されている。また、第5伝達部材545は、U字状に形成された第5取付用部材565に取り付けられ、第5取付用部材565を介して、第4外骨格部材5141,5142に取り付けられている。
上記の第2取付用部材5621,5622は、例えば、硬樹脂製の平板部材である。第2取付用部材5621は、第3伝達部材543に取り付けられるとともに、第2外骨格部材5121に取り付けられる。これにより、第2外骨格部材5121は、第2取付用部材5621を介して、第3伝達部材543に取り付けられる。また、第2取付用部材5622は、第3伝達部材543に取り付けられるとともに、第2外骨格部材5122に取り付けられる。これにより、第2外骨格部材5122は、第2取付用部材5622を介して、第3伝達部材543に取り付けられる。
上記の第3取付用部材5631,5632は、例えば、硬樹脂製の平板部材である。第3取付用部材5631は、足指側伝達部材612に取り付けられるとともに、第3外骨格部材5131に取り付けられる。これにより、第3外骨格部材5131は、第3取付用部材5631を介して、足指側伝達部材612に取り付けられる。また、第3取付用部材5632は、足首側伝達部材611に取り付けられるとともに、第3外骨格部材5132に取り付けられる。これにより、第3外骨格部材5132は、第3取付用部材5632を介して、足首側伝達部材611に取り付けられる。
上記の第4取付用部材564は、例えば、硬樹脂製の足部を挿入する枠状部材である。当該枠状部材の−X方向側の面には、棒状部材挿入部6211が成型され、当該棒状部材挿入部6211に第3外骨格部材5131の棒状部分が挿入される。また、当該枠状部材の+X方向側の面には、棒状部材挿入部6212が成型され、当該棒状部材挿入部6212に第3外骨格部材5132の棒状部分が挿入される。
上記の第5取付用部材565は、例えば、硬樹脂製の部材であり、U字状に形成されている。当該第5取付用部材565は、第5伝達部材545に取り付けられ、左足の足指に装着される。なお、第5取付用部材565及び第5伝達部材545により形成された枠の内部に、空気を注入することにより膨張する柔樹脂製の円環状部材を取り付けるようにしてもよい。こうした場合には、円環状部材の円環内に左足の足指を挿入して、円環状部材を膨張させることにより、左足の足指部分を、安定した状態で、第5取付用部材565及び第5伝達部材545に装着させることができる。
<動作>
以上のようにして構成された足部関節運動アシスト部530Cの動作について、足部の内反矯正のアシスト動作に主に着目して説明する。
当初においては、足部関節運動アシスト部530Cでは、調整部による第2ベローズ532、第3ベローズ533及び内反矯正用ベローズ613内の空気圧調整は行われていないものとする。
また、足部関節運動アシスト部530Cを装着した足部は、内反矯正アシストを行っていないときには、図18(A)、図19(A)及び図20(A)に示されるように、内反状態になっているものとする。ここで、図18(A)は、内反状態の足部に装着された足部関節運動アシスト部530Cを+Y方向側(左足の指先側)から視た図であり、図19(A)は、内反状態の足部に装着された足部関節運動アシスト部530Cを−X方向側(左足の左側である外側)から視た図である。また、図20(A)は、内反状態の足部に装着された足部関節運動アシスト部530Cを+X方向側(左足の右側である内側)から視た図である。なお、図18〜図20においても、人体の左の下肢の図示を省略する。
ここで、足部が内反状態のときには、図18(A)、図19(A)及び図20(A)に示されるように、足部の外側(−X方向側)に配置される第3外骨格部材5131は、足部の内側(+X方向側)に配置される第3外骨格部材5132と平行になっておらず、第3外骨格部材5131の足首関節から足指関節へ延びる方向が下側に傾いている。
《足部の内反矯正のアシスト動作》
まず、足部の内反矯正のアシスト動作について、説明する。図18(A)、図19(A)及び図20(A)に示される状態から、調整部が、内反矯正用ベローズ613からの空気の強制的排出を行うための制御を行うと、内反矯正用ベローズ613内の空気圧が下降する。そして、内反矯正用ベローズ613内の空気圧が下降すると、内反矯正用ベローズ613が収縮する。
こうして内反矯正用ベローズ613が収縮すると、内反矯正用ベローズ613の他方側端部に接続された足首側伝達部材612と、内反矯正用ベローズ613の一方側端部に接続された足指側伝達部材611との距離が狭まる。こうして、当該距離が狭まると、第3取付用部材5631を介して、足指側伝達部材612に取り付けられた第3外骨格部材5131と、第3取付用部材5632を介して、足首側伝達部材611に取り付けられた第3外骨格部材5132とが平行となるように、第3外骨格部材5131及び第3外骨格部材5132が移動する。この結果、内反した足部が矯正されて、図18(B)、図19(B)及び図20(B)に示されるように、足部は正常状態になる。
ここで、第3外骨格部材5131の棒状部分は、当該棒状部分の径よりも大きい内径の棒状部材挿入部6211に挿入されている。これにより、第3外骨格部材5131の棒状部分は、Y軸方向に移動可能であり、かつ、棒状部材挿入部6211の挿入穴内壁との間の隙間を、Z軸方向やX軸方向、任意方向に沿って延びる軸方向に移動可能となるように、第4取付用部材564に取り付けられている。また、これにより、第3外骨格部材5131の棒状部分は、棒状部材挿入部6211を支点にして、第4取付用部材564に対して、X軸と平行な軸回りやZ軸と平行な軸回り、任意方向に沿って延びる軸回りに回転可能となっている。
また、第3外骨格部材5132の棒状部分は、当該棒状部分の径よりも大きい内径の棒状部材挿入部6212に挿入されている。これにより、第3外骨格部材5132の棒状部分は、Y軸方向に移動可能であり、かつ、棒状部材挿入部6212の挿入穴内壁との間の隙間を、Z軸方向やX軸方向、任意方向に沿って延びる軸方向に移動可能となるように、第4取付用部材564に取り付けられている。また、これにより、第3外骨格部材5132の棒状部分は、棒状部材挿入部6212を支点にして、第4取付用部材564に対して、X軸と平行な軸回りやZ軸と平行な軸回り、任意方向に沿って延びる軸回りに回転可能となっている。このため、足部の内反矯正のアシストに際して、足部のスムーズな動きを確保することができる。また、第3外骨格部材5131,5132は、例えば、可撓性を有する硬樹脂製の部材としている。このため、足部の内反矯正のアシストに際して、足部の動きによって、第3外骨格部材5131,5132間の距離が変化したとしても、当該変化に伴う第3外骨格部材5131,5132の撓みが許容されているため、適切に足部の内反矯正をアシストすることができる。
《足首関節の屈曲伸展運動のアシスト動作》
足首関節の屈曲伸展運動のアシストは、足部の内反状態の矯正後に行う。かかる足首関節の屈曲伸展運動のアシストは、上述した第1実施形態における関節運動アシスト装置100Aのアシスト動作と同様に行われる。
《足指関節の屈曲伸展運動のアシスト動作》
足指関節の屈曲伸展運動のアシストは、足部の内反状態の矯正後に行う。かかる足指関節の屈曲伸展運動のアシストは、上述した第1実施形態における関節運動アシスト装置100Aのアシスト動作と同様に行われる。
なお、足部関節運動アシスト部530Cにおける足指関節の屈曲伸展運動では、第3ベローズ533を直線的に伸縮させるようにすれば、より効果的に足指関節の屈曲伸展運動をアシストすることができる。この場合には、第3ベローズ533の他方側端部を取り付けた板状の第5伝達部材545を、X軸に平行な軸を中心にして回動可能に、U字状に形成された第5取付用部材565の+Z方向側における−X方向側の面及び+X方向側の面に取り付けるようにすればよい。
以上説明したように、第3実施形態では、足部の内反矯正をアシストするに際して、内反矯正用ベローズ613を収縮させて、内反矯正用ベローズ613の他方側端部に接続された足指側伝達部材612と、内反矯正用ベローズ613の一方側端部に接続された足指側伝達部材611との距離を狭くする。こうして、当該距離が狭まると、第3取付用部材5631を介して、足指側伝達部材612に取り付けられた第3外骨格部材5131と、第3取付用部材5632を介して、足首側伝達部材611に取り付けられた第3外骨格部材5132とが平行となるように、第3外骨格部材5131及び第3外骨格部材5132が移動する。この結果、内反した足部が矯正される。
このため、足部関節運動アシスト部530Cを装着した足部が内反状態のときには、内反した足部を矯正して、足部を正常状態にするができる。また、足部の内反状態を矯正した後に、上述した第1実施形態と同様に、足首関節、足指関節の屈曲伸展運動を、関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切にアシストすることができる。
したがって、第3実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、アシストすべき関節にかかる負荷を低減させる態様で、適切に関節運動をアシストすることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1〜第3実施形態では、足首関節及び足指関節の屈曲伸展運動を行うようにした。また、第1及び第2実施形態では、足首関節及び足指関節に加えて、膝関節の屈曲伸展運動を行うようにした。これに対し、膝関節、足首関節及び足指関節のいずれか1つの関節の屈曲伸展運動を行うようにしてもよい。また、膝関節、足首関節及び足指関節のうちから任意の2つの選択し、当該選択された2つの関節の屈曲伸展運動を行うようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、図1,11に示されるように、膝関節の関節運動をアシストする力を発生させる第1ベローズ、足首関節の関節運動をアシストする力を発生させる第2ベローズ、及び、足指関節の関節運動をアシストする力を発生させる第3ベローズを、関節の伸展側に配置した。
これに対し、図21に示される関節運動アシスト装置100Dのように、第1ベローズ231、第2ベローズ232及び第3ベローズ233のそれぞれを、アシスト対応の関節の屈曲側に配置するようにしてもよい。図21に示されるように、関節運動アシスト装置100Dでは、第1伝達部材441が左大腿部の後ろ側(−Y方向側)に配置され、第2伝達部材442が左下腿部の後ろ側(−Y方向側)に配置されるようになっている。また、関節運動アシスト装置100Dでは、第3伝達部材443Dが左下腿部の後ろ側(−Y方向側)に配置され、第4伝達部材444Dが左足部の足裏から踵にかけて配置され、第5伝達部材445が足指の腹側に配置されるようになっている。
こうして配置された第1ベローズ231、第2ベローズ232及び第3ベローズ233を膨張させることにより、関節運動アシスト装置100Dは、膝関節、足首関節及び足指関節を、図22に示されるように、伸展状態へアシストすることができる。また、こうして配置された第1ベローズ231、第2ベローズ232及び第3ベローズ233を収縮させることにより、関節運動アシスト装置100Dは、膝関節、足首関節及び足指関節を、屈曲状態へアシストすることができる。
また、足首関節及び足指関節の屈曲伸展運動のアシストについて、図23に示される足部関節運動アシスト部130Eを採用するようにしてもよい。図23に示されるように、足部関節運動アシスト部130Eでは、第4伝達部材444Eが左足部の足裏から踵にかけて配置され、第5伝達部材445が足指の腹側に配置されるようになっている。また、第3伝達部材443Eが第4伝達部材444Eの−Z方向側に配置され、踵部後方で第4伝達部材444Eに対して足首関節の回動方向に回動可能となるように、第4伝達部材444Eに取り付けられている。そして、第2ベローズ232が、第3伝達部材443Eと第4伝達部材444Eとの間に取り付けられ、第3ベローズ233が、第4伝達部材444Eと第5伝達部材445との間に取り付けられる。
このようにして構成の足部関節運動アシスト部130Eの第2ベローズ232を膨張させることで、図24に示されるように、足首関節を屈曲状態へアシストすることができる。また、第3ベローズ233を膨張させることで、足指関節を伸展状態へアシストすることができる。
また、足首関節の屈曲伸展運動のアシストについて、図25に示される関節運動アシスト部130Fを採用するようにしてもよい。当該関節運動アシスト部130Fは、足首関節の屈曲伸展運動をアシストする。図25に示されるように、足部関節運動アシスト部130Fでは、足部装着部270Fの足底部材の中央部が、当該足底部材の周辺部より高く盛り上がった形状となっている。そして、第2外骨格部材212F1,212F2(図25において、不図示)における足首関節側の端部が、足根中足関節に対応する位置で、足底部材に、足首関節の回動方向に回動可能となるように取り付けられている。こうした構成を採用することで、土踏まずを有する足部を足底部材に装着し、スムーズな足首関節の屈曲伸展運動をアシストすることができる。なお、足底部材の形状は、図25に示される形状にだけでなく、例えば、半球形状としてもよい。
また、上記の第3実施形態に係る足部関節運動アシスト部の変形例として、図26及び図27に示される足部関節運動アシスト部530Dように、第3ベローズ533を、足指関節の屈曲側に配置するようにしてもよい。この場合には、第5伝達部材645を足部の腹側に配置し、第3ベローズ533の他方側端部を足底部材644に取り付けるようにすればよい。
また、上記の第1〜第3実施形態では、外骨格部材を装着する部位の外側及び内側の双方に配置した(図1,2等参照)。これに対し、外骨格部材を、外骨格部材を装着する部位の外側及び内側のいずれか一方に配置するようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、足部の外転運動及び内転運動をアシストする外転・内転アシスト部350の構成として、足部の小指側に側部配置ベローズ3551を配置するとともに、足部の母指側に側部配置ベローズ3552を配置した(図13参照)。これに対し、足部の小指側及び母指側のいずれか一方に、側部配置ベローズを配置するようにしてもよい。
また、上記の第1〜第3実施形態では、人体の左の下肢における関節の運動をアシストする関節運動アシスト装置について説明したが、人体の右の下肢における関節の運動をアシストする関節運動アシスト装置であってもよいことは勿論である。
また、上記の第1〜第3実施形態では、人体の足首関節及び足指関節の関節運動をアシストする関節運動アシスト装置について説明し、第1及び第2実施形態では、人体の足首関節及び足指関節に加えて、膝関節の関節運動をアシストする関節運動アシスト装置について説明したが、人体の肘関節等の他の関節の関節運動をアシストする関節運動アシスト装置であってもよいことは勿論である。
また、第1〜第3実施形態においては、樹脂製のベローズを採用したが、伸縮自在であり、人体に装着される装置の重さ等の負担をかけることがない素材であれば、他の素材であってもよい。
また、調整部の構成としては、空気の吐出、及び、空気の吸引を行うことのできる手動式ポンプであってもよい。
また、本発明の関節運動アシスト装置は、作動流体を空気としたが、他の気体や、水や油等の液体であってもよい。
本発明の関節運動アシスト装置は、下肢における膝関節、足首関節及び足指関節の運動をアシストして、エコノミー症候群の解消や、下肢の浮腫みを解消に利用することができる。また、本発明の関節運動アシスト装置は、介護や福祉の分野で利用する場合には、リハビリテーション用として装着するだけでなく、力が弱っている者がパワーアシスト用の装置としても利用することができる。さらに、本発明の関節運動アシスト装置は、介護や福祉の分野以外で、物を持ち上げる等のパワーアシスト装置としても利用することができる。
また、上記の第1〜第3実施形態においては、人体の関節運動をアシストする関節運動アシスト装置に本発明を適用したが、関節機構を有する人体以外の内骨格形の哺乳類、外骨格型又は内骨格形のロボット等の所定対象物の関節運動アシスト装置にも本発明を適用することができる。