JPWO2019171727A1 - レーザレーダ - Google Patents

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Abstract

レーザレーダ(10)は、レーザ光を出射する光源(11)と、レーザ光を一方向に長いラインビーム(B10)に整形して投射する光学系と、ラインビーム(B10)の短辺方向にラインビーム(B10)を走査させる走査部(15)と、ラインビーム(B10)の光強度をラインビーム(B10)の長辺方向に相違させるための構成と、を備える。ラインビーム(B10)の光強度は、たとえば、光源(11)において、ラインビーム(B10)の長辺方向に対応する方向に沿って配置された複数の発光部の出射パワーを、コントローラ(21)が制御することにより、相違させられる。

Description

本発明は、レーザ光を用いて物体を検出するレーザレーダに関し、たとえば、乗用車等の移動体に搭載して好適なものである。
従来、レーザ光を用いて物体を検出するレーザレーダが種々の分野で開発されている。たとえば、車載用のレーザレーダでは、車両前方からレーザ光が投射され、その反射光の有無に基づいて、車両前方に車両等の物体が存在するか否かが判別される。また、レーザ光の投射タイミングと反射光の受光タイミングとに基づいて、物体までの距離が計測される。
以下の特許文献1には、レーザビームを水平方向および鉛直方向に2次元状に走査させて計測対象エリアの3次元情報を生成する構成のレーザレーダ装置が開示されている。
特開2017−150990号公報
上記特許文献1に記載のように、レーザビームを検出対象エリアにおいて2次元状に走査させる構成では、計測位置の高解像度化に伴い、1フレーム分の情報を取得するためのフレームレートが顕著に低下するとの課題があった。
この課題を解消する方式として、計測対象エリアの幅に応じた長さの細長いラインビームを、ラインビームの短辺方向に走査させる方式が用いられ得る。しかし、この方式では、ラインビームが、長辺方向に広がりながら検出対象エリアに投射されるため、計測対象エリアまでの距離が長くなるに伴い、ラインビームのエネルギー密度が低下する。このため、より遠距離の物体を検出するためには、高い光強度で光源を発光させる必要があるが、無作為に光強度を高めることは好ましい対策と言いがたい。よって、光源から出射されるレーザ光をなるべく効率的に利用することが好ましい。
かかる課題に鑑み、本発明は、光源から出射されるレーザ光をより効率的に利用することが可能なレーザレーダを提供することを目的とする。
本発明の主たる態様に係るレーザレーダは、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光を一方向に長いラインビームに整形して投射する光学系と、前記ラインビームの短辺方向に前記ラインビームを走査させる走査部と、前記ラインビームの光強度を前記ラインビームの長辺方向に相違させるための構成と、を備える。
本態様に係るレーザレーダによれば、ラインビームの光強度をラインビームの長辺方向に相違させる構成を備えるため、たとえば、検出可能距離が短くて足りる範囲の光強度を低下させることにより、光源から出射されたレーザ光をより効率的に利用して適切に物体の検出を行うことができる。
以上のとおり、本発明によれば、光源から出射されるレーザ光をより効率的に利用することが可能なレーザレーダを提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施形態に係るレーザレーダの光学系および回路部の構成を示す図である。 図2(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係るレーザダイオードの構成を示す斜視図、図2(c)は、実施形態に係るレーザレーダの光源の構成を示す斜視図である。 図3(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係るレーザレーダの光学系の作用をラインビームの長辺方向および短辺方向に観察した図である。 図4は、実施形態に係る、レーザレーダのレーザ光の出射状態と、目標領域におけるラインビームの長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。 図5(a)は、実施形態1に係る、短辺方向におけるラインビームの発散角の好ましい範囲を光学シミュレーションにより検証した検証結果である。図5(b)は、実施形態1に係る、レーザダイオードの発光部のファスト軸方向の幅の好ましい範囲を光学シミュレーションにより検証した検証結果である。 図6(a)は、実施形態に係る、光源のパワー制御を示すフローチャートである。図6(b)は、図6(a)の制御において両側のレーザダイオードの出射パワーを低下させる設定がなされた場合の各レーザダイオードの出射状態を模式的に示す図である。 図7は、図6(a)の制御において両側のレーザダイオードの出射パワーを低下させる設定がなされた場合にレーザレーダから出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームの長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。 図8(a)は、実施形態に係る、両側のレーザダイオードの出射パワーを低下させるための他の構成例を示す図である。図8(b)は、実施形態に係る、両側のレーザダイオードの出射パワーを低下させるためのさらに他の構成例を示す図である。 図9(a)は、実施形態に係る、光源の他のパワー制御を示すフローチャートである。図9(b)は、図9(a)の制御がなされた場合の複数のレーザダイオードの出射状態を模式的に示す図である。 図10は、実施形態に係る、図9(a)の制御において左側のレーザダイオードの出射パワーを低下させる設定がなされた場合にレーザレーダから出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームの長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。 図11は、実施形態に係る、図9(a)の制御において右側のレーザダイオードの出射パワーを低下させる設定がなされる場合の状況を模式的に示す図である。 図12(a)は、実施形態に係る、光源の他のパワー制御を示すフローチャートである。図12(b)は、図12(a)の制御がなされた場合の複数のレーザダイオードの出射状態を模式的に示す図である。 図13は、実施形態に係る、図12(a)の制御において両側のレーザダイオードの出射パワーを上昇させる設定がなされた場合にレーザレーダから出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームの長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。 図14(a)、(b)は、それぞれ、変更例に係るレーザダイオードの構成を示す斜視図、図14(c)は、変更例に係るレーザレーダの光源の構成を示す斜視図である。
ただし、図面はもっぱら説明のためのものであって、この発明の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。X軸方向およびY軸方向は、それぞれ、ラインビームの短辺方向および長辺方向であり、Z軸正方向は、ラインビームの投射方向である。
図1は、レーザレーダ10の光学系および回路部の構成を示す図である。
レーザレーダ10は、光学系の構成として、光源11と、コリメータレンズ12、13と、ミラー14と、走査部15と、調整レンズ16と、拡大レンズ17と、集光レンズ18と、受光素子19と、を備えている。光源11から拡大レンズ17までの往路の光学系により、光源11から出射されたレーザ光から、Y軸方向に長いラインビームB10に生成される。
光源11は、所定波長のレーザ光を出射する。光源11は、複数のレーザダイオードが集積されて構成される。本実施形態では、レーザレーダ10が車両に搭載されることが想定されている。このため、各レーザダイオードの出射波長は、赤外の波長帯域(たとえば905nm)に設定される。レーザレーダ10の使用態様に応じて、レーザダイオードの出射波長は、適宜変更され得る。
図2(a)、(b)は、それぞれ、レーザダイオード110の構成を示す斜視図、図2(c)は、光源11の構成を示す斜視図である。
図2(a)に示すように、レーザダイオード110は、活性層111がN型クラッド層112とP型クラッド層113に挟まれた構造となっている。N型クラッド層112は、N型基板114に積層される。また、P型クラッド層113にコンタクト層115が積層される。電極116に電流が印加されることにより、発光部117からレーザ光がZ軸正方向に出射される。一般に、発光部117は、活性層111に平行な方向の幅W1が、活性層111に垂直な方向の幅W2よりも広くなっている。
発光部117の短辺方向の軸、すなわち、活性層111に垂直な方向(X軸方向)の軸は、ファスト軸と称され、発光部117の長辺方向の軸、すなわち、活性層111に平行な方向(Y軸方向)の軸は、スロー軸と称される。図2(b)において、118aはファスト軸を示し、118bはスロー軸を示している。発光部117から出射されたレーザ光は、スロー軸方向よりもファスト軸方向の広がり角が大きい。このため、ビームB20の形状は、図2(b)に示すように、ファスト軸方向に長い楕円形状となる。
発光部117から出射されたビームB20のファスト軸方向の強度分布(発光プロファイル)は、ファスト軸方向の発光部117の幅が狭いため、単一ガウシアンに近い分布形状となる。これに対し、発光部117から出射されたビームB20のスロー軸方向の強度分布(発光プロファイル)は、スロー軸方向の発光部117の幅が広いため、複数のピークを含む複雑な分布形状となる。このことから、ビームの広がり角の抑制などの光学的な制御は、スロー軸方向よりもファスト軸方向の方が容易であり、より適切に、所望の制御を行うことができる。
本実施形態では、図2(c)に示すように、複数のレーザダイオード110がスロー軸に沿って並ぶように配置されて、光源11が構成されている。したがって、各レーザダイオード110の発光部117は、スロー軸方向に1列に並んでいる。ここで、各レーザダイオード110は、発光部117のファスト軸118aが、図1に示したラインビームB10の短辺方向に対応する方向(X軸方向)に平行となるように配置されている。
なお、本実施形態では、光源11を構成する複数のレーザダイオード110が、全て同じ出射特性を有している。すなわち、何れのレーザダイオード110も、同じ駆動電流が印加されると同じパワーでレーザ光を出射する。
図1に戻って、コリメータレンズ12は、光源11の各レーザダイオード110から出射されたレーザ光をファスト軸方向に収束させて、ファスト軸方向のレーザ光の広がりを略平行な状態に調整する。すなわち、コリメータレンズ12は、光源11の各レーザダイオード110から出射されたレーザ光を、ファスト軸方向のみに平行光化する作用を有する。
コリメータレンズ13は、光源11の各レーザダイオード110から出射されたレーザ光をスロー軸方向に収束させて、スロー軸方向のレーザ光の広がりを略平行な状態に設定する。すなわち、コリメータレンズ13は、光源11の各レーザダイオード110から出射されたレーザ光を、スロー軸方向のみに平行光化する作用を有する。
これら2つのコリメータレンズ12、13によって、光源11の各レーザダイオード110から出射されたレーザ光は、全周において略平行な広がりに変換される。なお、発光部117は完全な点光源ではないため、厳密には、コリメータレンズ12、13の光軸と、各レーザダイオード110の発光部117の発光点との間に僅かな位置ずれが生じる。このため、2つのコリメータレンズ12、13を透過したレーザ光は、完全な平行光とはならず、平行光から僅かに広がった状態となる。
ミラー14は、コリメータレンズ12、13を透過したレーザ光を、走査部15に向けて反射する。走査部15は、たとえば、MEMS(micro electro mechanical systems)ミラーから構成される。ミラー14で反射されたレーザ光は、走査部15の可動ミラー15aにより調整レンズ16に向かう方向に反射される。走査部15は、ミラー駆動回路23からの駆動信号により可動ミラー15aを駆動して、ミラー14から反射したレーザ光を、拡大レンズ17のレンズ面17aの母線に平行な方向(X軸方向)に走査させる。
調整レンズ16は、ラインビームB10の長辺方向(Y軸方向)における光強度を調整する。具体的には、調整レンズ16は、ラインビームB10の長辺方向(Y軸方向)における光強度を略均一化するように構成されている。ラインビームB10の長辺方向(Y軸方向)における光強度は、たとえば、光強度分布の変動幅が±5%程度に収まるように均一化される。
拡大レンズ17は、調整レンズ16から入射したレーザ光を、Y軸方向のみに広げる。拡大レンズ17は、Y軸方向のみに湾曲したレンズ面17aを備えている。本実施形態では、拡大レンズ17として、レンズ面17aが内方に凹んだ凹レンズが用いられる。これに代えて、レンズ面が外方に突出した凸レンズ(シリンドリカルレンズ)が拡大レンズ17として用いられてもよい。この場合、レーザ光は、Y軸方向に収束して焦線を形成した後、Y軸方向に広がる。拡大レンズ17は、レンズ面17aの母線がX軸方向に平行となるように配置される。これにより、レーザ光はY軸方向に広げられ、Y軸方向に細長いラインビームB10が形成される。
図3(a)、(b)は、それぞれ、レーザレーダ10の光学系の作用をラインビームB10の長辺方向および短辺方向に観察した図である。便宜上、図3(a)、(b)では、ミラー14、走査部15、調整レンズ16が省略され、光源11から拡大レンズ17までの光路が直線状に引き伸ばされて示されている。
光源11から出射されたレーザ光は、1つ目のコリメータレンズ12によりファスト軸方向に収束され、ファスト軸方向に平行光化される。このとき、レーザ光は、スロー軸方向には収束作用を受けない。したがって、コリメータレンズ12を透過した後のレーザ光は、光源11から出射された直後と同様の広がり角でスロー軸方向に広がっている。
なお、コリメータレンズ12は、さらに、スロー軸方向に収束作用を持っていてもよい。コリメータレンズ12がスロー軸方向に収束作用を持たない場合、光源11のスロー軸方向の幅や広がり角、およびコリメータレンズ12からの距離に応じて、コリメータレンズ12より後段側のレンズやミラーのサイズを大きくする必要が生じる場合もある。したがって、レーザレーダ10の構成上、コリメータレンズ12より後段側のレンズやミラーのサイズを小さく抑える必要がある場合は、コリメータレンズ12にスロー軸方向の収束作用をさらに持たせてもよい。
その後、レーザ光は、2つ目のコリメータレンズ13によりスロー軸方向に収束され、スロー軸方向に平行光化される。このとき、レーザ光は、ファスト軸方向には収束作用を受けない。したがって、コリメータレンズ13を透過した後のレーザ光は、ファスト軸方向において略平行光に維持される。こうして、ファスト軸方向およびスロー軸方向に平行光化されたレーザ光が、拡大レンズ17に入射する。
なお、2つ目のコリメータレンズ13は、レーザ光をスロー軸方向において平行光からやや収束された光に変換する光学作用を持っていてもよい。拡大レンズ17に入射されるレーザ光は、ファスト軸方向において平行光化され、スロー軸方向においては、平行光化または収束光化されていればよい。また、コリメータレンズ13がコリメータレンズ12の前段側に配置されてもよい。
拡大レンズ17は、入射したレーザ光をスロー軸方向のみに拡散させてラインビームB10を形成する。したがって、ラインビームB10は、ファスト軸方向がコリメータレンズ12で平行光化された状態のまま、目標領域へと進む。ラインビームB10の短辺方向の幅は、1つ目のコリメータレンズ12により決定される。こうして、目標領域にラインビームB10が投射される。
図4は、レーザレーダ10のレーザ光の出射状態と、目標領域におけるラインビームB10の長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。図4の上段には、投射方向(Z軸正方向)に見たときのラインビームB10の断面形状と、当該ラインビームB10の長辺方向(Y軸方向)の光強度の分布が模式的に示されている。ここで、光強度の分布は、ラインビームB10の短辺方向の中間位置(図4のラインL1)に沿って取得されたものである。
図4に示すように、本実施形態では、レーザレーダ10が車両20の前側に搭載され、車両20の前方にラインビームB10が投射される。ラインビームB10の長辺方向の広がり角θ11は、たとえば120°である。また、物体検出が可能な距離D11の上限は、たとえば、200m程度である。図4では、便宜上、広がり角θ11が実際よりも小さく表現されている。この点は、追って参照する図7、10、13についても同様である。
本実施形態では、光源11に設置されている複数のレーザダイオード110が同じ出射パワーで駆動される場合に、長辺方向におけるラインビームB10の強度分布が略均一となるように、調整レンズ16が構成されている。このようにラインビームB10の強度分布が均一化されることにより、ラインビームB10の長辺方向の各位置における物体の検出可能距離を互いに等しくできる。レーザ光の強度の上昇に伴い、物体の検出可能距離が長くなる。したがって、上記のようにラインビームB10の強度分布が長辺方向に均一化されると、長辺方向における全ての位置における物体の検出可能距離が略等しくなる。
図1に戻り、目標領域から反射したラインビームB10の反射光は、集光レンズ18によって、受光素子19の受光面に集光される。受光素子19は、たとえば、イメージセンサである。受光素子19は、たとえば、長方形の受光面を有し、受光面の長辺がY軸に平行となるように配置される。受光素子19の受光面の長辺方向は、目標領域におけるラインビームB10の長辺方向に対応する。ラインビームB10の反射光は、受光面の長辺方向に沿って延びるように、集光レンズ18によって、受光素子19の受光面に結像される。
ここで、受光面のY軸方向の画素位置は、目標領域におけるY軸方向の位置に対応する。したがって、受光信号が生じた画素の位置により、目標領域のY軸方向のどの位置に物体が存在するかを検出できる。受光素子19としてY軸方向に画素が並ぶラインセンサが用いられてもよい。
レーザレーダ10は、回路部の構成として、コントローラ21と、レーザ駆動回路22と、ミラー駆動回路23と、信号処理回路24と、を備える。
コントローラ21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を備え、予め設定されたプログラムに従って各部を制御する。レーザ駆動回路22は、コントローラ21からの制御に応じて光源11の各レーザダイオード110を駆動する。コントローラ21とレーザ駆動回路22とによって、光源11を制御する制御部が構成される。
ミラー駆動回路23は、コントローラ21からの制御に応じて走査部15を駆動する。上記のように、コントローラ21は、拡大レンズ17のレンズ面17aの母線に平行な方向にレーザ光が走査されるように、走査部15を制御する。これにより、目標領域において、ラインビームB10の短辺方向に、ラインビームB10が走査される。
信号処理回路24は、受光素子19の各画素の受光信号をコントローラ21に出力する。上記のように、コントローラ21は、受光信号が生じた画素の位置により、目標領域のY軸方向のどの位置に物体が存在するかを検出できる。また、コントローラ21は、光源11をパルス発光させたタイミングと、受光素子19が目標領域からの反射光を受光したタイミング、すなわち、受光素子19から受光信号を受信したタイミングとの時間差によって、目標領域に存在する物体までの距離を算出する。
こうして、コントローラ21は、光源11をパルス発光させつつ、走査部15によりラインビームB10を走査させることにより、目標領域における物体の有無を検出し、さらに、物体のY軸方向の位置および物体までの距離を計測する。これらの測定結果は、随時、車両側の制御部に送信される。
<検証>
ところで、上記のように、レーザダイオード110から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12を透過した後も、ファスト軸方向において完全な平行光とはならず、ファスト軸方向に僅かに広がった状態で、以降の光路を進む。このため、拡大レンズ17を透過して生成されるラインビームB10も、短辺方向に僅かに広がることになる。上記のように、この現象は、レーザダイオード110の発光部117がファスト軸方向(X軸方向)に幅を持っており、完全な点光源でないことに起因するものである。ラインビームB10が短辺方向に広がると、検出距離が長くなるに応じてラインビームB10の光密度が低下し、物体検出の精度が低下する。
そこで、発明者らは、短辺方向におけるラインビームB10の発散角の好ましい範囲と、ファスト軸方向における発光部117の幅の好ましい範囲について検証した。
図5(a)は、短辺方向におけるラインビームB10の発散角の好ましい範囲を光学シミュレーションにより検証した検証結果である。
図5(a)において、横軸は、ラインビームB10を生成するための光学系を透過する前後のファスト軸方向の発散角の比θ1/θ0である。θ1は、図1に示したコリメータレンズ12から拡大レンズ17までの光学系を透過した後のレーザ光のファスト軸方向(X軸方向)における発散角であり、θ0は、この光学系を透過する前(言い換えれば、この光学系を省略した場合)のレーザ光のファスト軸方向(X軸方向)における発散角である。
図5(a)において、縦軸は、ラインビームB10を生成するための光学系を配置した場合の物体検出可能距離D1と、この光学系を省略した場合の物体検出可能距離D0との比D1/D0である。この検証において、検出可能距離は、所定の強度でレーザ光を照射できる距離のことを意味する。
図5(a)に示すとおり、比θ1/θ0の値が小さいほど、比D1/D0の値が急激に大きくなり、検出可能距離が大幅に向上する。特に、比θ1/θ0の値が0.1以下の範囲では、比θ1/θ0の減少に伴い、比D1/D0の値の変化が急峻になっている。このことから、比θ1/θ0の値が0.1以下であれば、検出可能距離を大幅に向上させ得ることが分かる。よって、比θ1/θ0は、0.1以下に設定されることが好ましいと言える。すなわち、ラインビームB10の短辺方向の広がり角は、比θ1/θ0が0.1以下となるように調整するのが好ましいと言える。
図5(b)は、ファスト軸方向における発光部117の幅の好ましい範囲を光学シミュレーションにより検証した検証結果である。
図5(b)において、横軸は、レーザダイオード110の発光部117のファスト軸方向における幅(図2(a)の幅W2に相当)であり、縦軸は、図5(a)の横軸と同様の比θ1/θ0である。
図5(a)の検証結果より、ラインビーム化において検出可能距離を引き延ばすためには、比θ1/θ0を0.1以下に設定するが好ましいことが分かった。これに対し、図5(b)の検証結果において、比θ1/θ0が0.1以下であるファスト軸方向の発光部117の幅は、240μm以下であることが分かる。このことから、発光部117のファスト軸方向における幅は、240μm以下に設定することが好ましいと言える。
言い換えると、比θ1/θ0の値が0.1以下となる範囲で使用可能なレーザダイオード110は、ファスト軸方向における発光部117の最大幅が240μmまでのものであり、ファスト軸方向における発光部117の最大幅が240μmを超えるレーザダイオード110を用いた場合は、発光部117の拡大に伴い光源が増えるためレーザダイオード110自体の光量は増加するものの、増加した光量は、比θ1/θ0の値が0.1以上のものであるため、比D1/D0の値の向上には、あまり寄与しないことになる。したがって、この場合は、無駄の多い設計となってしまう。
以上の検証から、比θ1/θ0の値が0.1以下となるように光学系を構成することが好ましいと言える。また、このために、ファスト軸方向におけるレーザダイオード110の発光部117の幅を240μmに設定することで、レーザダイオード110の特性を無駄なく有効に使えることが分かる。
なお、図5(a)、(b)のシミュレーションは、図3(a)、(b)に示した光学系において、コリメータレンズ12、13の両方の作用を有する1つのコリメータレンズを、これらコリメータレンズ12、13に置き換えて行った。ここでは、このコリメートレンズを透過した後のビーム径が2mmになるようにコリメートレンズの焦点距離を選択した。しかし、これらの焦点距離およびビーム径は、図5(a)、(b)の検証結果に影響する物理量ではない。上記シミュレーションにおいて、レーザ光の波長は、905nmに設定した。
<光強度の制御1>
ところで、車両20の直進走行時には、車両前方の中央の範囲と、車両前方の側方の範囲とで、物体の検出が必要な距離が互いに異なるものと想定され得る。すなわち、車両前方の中央の範囲では、前走車や対向車の検出のために、なるべく遠距離まで物体を検出可能であることが好ましい。これに対し、車両前方の側方の範囲は、歩道や路地等から歩行者や車両が急に飛び出すことを検出できればよいため、比較的近距離の範囲で物体を検出可能であればよい。
そこで、本実施形態では、ラインビームB10の光強度をラインビームB10の長辺方向に相違させるための構成が設けられている。具体的には、光源11を構成する複数のレーザダイオード110の出射パワーをコントローラ21が相違させることにより、ラインビームB10の長辺方向の光強度が調整される。
図6(a)は、コントローラ21による光源11のパワー制御を示すフローチャートである。
コントローラ21は、ラインビームB10の光強度を長辺方向において均一に設定するモード(均一モード)と、ラインビームB10の長辺方向両側の光強度を中央に比べて低下させるモード(両側低下モード)とを備えている。モードの切り替えは、ユーザにより設定されてもよく、あるいは、車両側の制御部からの指令に応じて設定されてもよい。たとえば、車両20が直進走行状態にある場合に、車両側の制御部からコントローラ21に対して、モードを両側低下モードに切り替える指令がなされてもよい。あるいは、車両20が直進走行状態であることを示す情報を車両側の制御部から受けた場合に、コントローラ21がモードの切り替えを行ってもよい。
レーザレーダ10か起動されると、コントローラ21は、所定のタイミングで、ラインビームB10の光強度のモードとして、均一モードと両側低下モードの何れが設定されるかを判定する(S101)。ここで、均一モードと判定すると(S101:NO)、コントローラ21は、光源11を構成する全てのレーザダイオード110を、一律等しい出射パワーで駆動させる(S102)。これにより、図4に示した均一な光強度で、ラインビームB10が目標領域に投射される。
他方、両側低下モードと判定すると(S101:YES)、コントローラ21は、光源11を構成するレーザダイオード110のうち、スロー軸方向の両側に配置されている所定数のレーザダイオード110の出射パワーを、残りのレーザダイオード110の出射パワーよりも低下させる(S103)。
図6(b)は、図6(a)の制御において両側低下モードが設定された場合の各レーザダイオード110の出射状態を模式的に示す図である。ここでは、便宜上、7つのレーザダイオード110により光源11が構成されている。但し、光源11を構成するレーザダイオード110の数はこれに限られるものではない。
両側低下モードが設定された場合、Y軸正側の端の2つのレーザダイオード110とY軸負側の端の2つのレーザダイオード110に印加される駆動電流C2を、中央3つのレーザダイオード110に印加される駆動電流C1よりも低下させる。これにより、駆動電流C2が印加される端のレーザダイオード110の出射パワーが、駆動電流C1が印加される中央のレーザダイオード110の出射パワーよりも低くなる。ここで、中央のレーザダイオード110に対する端のレーザダイオード110の出射パワーの低下は、たとえば、25%程度に設定される。
なお、出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数は4つに限られるものではない。出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数は、ラインビームB10において光強度を低下させる範囲の割合や、光源11を構成するレーザダイオード110の数等に応じて、適宜変更可能である。
図7は、図6(a)の制御において両側低下モードが設定された場合にレーザレーダ10から出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームB10の長辺方向における強度分布とを模式的に示す図である。
ラインビームB10の長辺方向の広がり角θ11(たとえば120°)のうち、中央の角度範囲θ12においては、光強度が高く維持され、両側の角度範囲θ13においては、中央に比べて光強度が低下している。ここで、角度範囲θ12は、たとえば60°程度であり、角度範囲θ13は、たとえば30°程度である。ただし、角度範囲θ12、θ13はこれに限られるものではない。
また、中央の角度範囲θ12における物体の検出可能距離を200m程度に設定し、両端の角度範囲θ13における物体の検出可能距離を100m程度とした場合、角度範囲θ12の光強度に対する角度範囲θ13の光強度の低下は、たとえば、25%程度に調整される。なお、角度範囲θ12の光強度に対する角度範囲θ13の光強度の低下は、25%に限定されるものではない。
このようにラインビームB10の光強度を相違させることにより、中央の角度範囲θ12では、たとえば、物体の検出可能距離が200m程度に長く維持され、両端の角度範囲θ13では、物体の検出可能距離が中央よりも短くなる。ただし、車両の直進走行時において、このように両側の角度範囲θ13における検出可能距離を低下させたとしても、歩道や路地等から歩行者や車両が急に飛び出すことを検出するのには、殆ど支障がない。また、このように両端の光強度を低下させることにより、光源11全体の消費電力を低減させることができる。よって、消費電力を低減させながら、より効率的に、物体の検出を行うことができる。
なお、ここでは、光源11を構成する各レーザダイオード110に対する駆動電流を調節することにより、ラインビームB10の光強度を相違させたが、他の方法により、ラインビームB10の光強度を長辺方向において相違させてもよい。
たとえば、図8(a)に示すように、出射能力が異なる複数のレーザダイオード110が光源11に配置されてもよい。すなわち、同じ駆動電流C0が印加されても異なる出射パワーでレーザ光を出射する複数のレーザダイオード110が、光源11に配置されてもよい。
図8(a)の例では、7つのレーザダイオード110のうち、中央の3つのレーザダイオード110に比べて、Y軸正側の端の2つのレーザダイオード110とY軸負側の端の2つのレーザダイオード110の出射能力が低くなっている。コントローラ21は、全てのレーザダイオード110に同じ駆動電流C0を印加する。これにより、両端2つずつのレーザダイオード110の出射パワーが、中央の3つのレーザダイオード110の出射パワーよりも低くなる。
あるいは、図8(b)に示すように、スロー軸方向の両端の光強度が中央の光強度よりも低くなるように、調整レンズ16が構成されてもよい。図8(b)では、便宜上、コリメータレンズ12と、ミラー14および走査部15が図示省略されている。
この構成では、光源11を構成する全てのレーザダイオード110が互いに同じ出射能力を有している。コントローラ21は、全てのレーザダイオード110に同じ駆動電流C3を印加して、各レーザダイオード110から等しいパワーでレーザ光を出射させる。各レーザダイオード110から出射されたレーザ光は、調整レンズ16により、中央の光強度が高く、スロー軸方向の両端の光強度が低いビームに変換される。その後、このビームは、拡大レンズ17によりスロー軸方向に広げられる。これにより、ラインビームB10が生成される。
これらの構成によっても、図7と同様、中央の光強度が高く、長辺方向両端の光強度が低いラインビームB10が得られる。これらの場合も、中央の角度範囲θ12の光強度に対する両端の角度範囲θ13の光強度の低下は、たとえば、25%程度に調整される。
なお、この構成例では、図6(a)、(b)に示した構成例のように、ラインビームB10の光強度を、均一モードと両側低下モードとの間で切り替えることができない。ただし、これらの場合も、中央に比べて両端の光強度が低下するように調整されるため、ラインビームB10を生成するレーザ光を効率的に利用できる。よって、物体の検出をより効率的に行うことができる。
<光強度の制御2>
上記では、ラインビームB10の両端の光強度が中央に比べて低下するよう調整されたが、ラインビームB10の光強度を相違させる形態はこれに限られるものではない。
たとえば、車両20が高速道路の最も左側のレーンを走行している場合等、車両20の左側に路側帯や壁が続くことが起こり得る。このような場合、車両20の左側は、遠距離まで物体を検知する必要がない。したがって、このような状態を示す信号が車両側の制御部からコントローラ21に送信された場合、コントローラ21は、車両20の左側に対応するラインビームB10の範囲において光強度を低下させればよい。
また、車両20が交差点を右折する場合、車両20の左前方は、前方からの直進対向車の状況を把握するために遠距離まで物体を検出する必要があるが、車両20の右前方は、交差点を横断する人や右折道路に停車中の車両を検出できればよいため、比較的近距離において物体検出が可能であればよい。したがって、車両20が右折中であることを示す信号が車両側の制御部からコントローラ21に送信された場合、コントローラ21は、車両20の右側に対応するラインビームB10の範囲において光強度を低下させればよい。
このように、ラインビームB10の長辺方向の何れか一方の端部側のみが、その他の部分に比べて光強度が低下するように、ラインビームB10の光強度が調整されてもよい。
図9(a)は、この場合の光源11のパワー制御を示すフローチャートである。
コントローラ21は、予め設定された右側低下条件(S201)および左側低下条件(S203)の何れか一方が充足されたか否かを判定する。
ここで、右側低下条件とは、車両20の前方右側に対応するラインビームB10の端部側(Y軸負側)の所定範囲において、光強度を低下させるための条件のことである。上述の車両20が右折中であることは、右側低下条件に含まれる。右側低下条件として、車両20が右折中であること以外の条件が含まれてもよい。
また、左側低下条件とは、車両20の前方左側に対応するラインビームB10の端部側(Y軸正側)の所定範囲において、光強度を低下させるための条件のことである。上述の車両20が高速道路の最も左側のレーンを走行中であることは、左側低下条件に含まれる。左側低下条件として、車両20が高速道路の最も左側のレーンを走行中であること以外の条件が含まれてもよい。
右側低下条件が充足された場合(S201:YES)、コントローラ21は、光源11を構成する複数のレーザダイオード110のうち、車両右側(Y軸負側)に対応するレーザダイオード110の出射パワーをその他のレーザダイオード110に比べて低下させる(S202)。すなわち、この場合、コントローラ21は、Y軸方向に並ぶ複数のレーザダイオード110のうち、Y軸負側から所定数のレーザダイオード110の出射パワーをその他のレーザダイオード110に比べて低下させる。
また、左側低下条件が充足された場合(S201:NO、S203:YES)、コントローラ21は、光源11を構成する複数のレーザダイオード110のうち、車両左側(Y軸正側)に対応するレーザダイオード110の出射パワーをその他のレーザダイオード110に比べて低下させる(S204)。すなわち、この場合、コントローラ21は、Y軸方向に並ぶ複数のレーザダイオード110のうち、Y軸正側から所定数のレーザダイオード110の出射パワーをその他のレーザダイオード110に比べて低下させる。
右側低下条件および左側低下条件の何れも充足されない場合(S201:NO、S203:NO)、コントローラ21は、通常モードで光源11を制御する(S205)。すなわち、コントローラ21は、Y軸方向に並ぶ複数のレーザダイオード110の全てを、遠距離用の出射パワーで均等に発光させる。この場合、ラインビームB10の光強度は、図4に示した光強度と同様である。コントローラ21は、図9(a)の処理を繰り返し実行する。
図9(b)は、図9(a)のステップS204によって左側のレーザダイオード110の出射パワーが低下された場合の複数のレーザダイオード110の出射状態を模式的に示す図である。
ここでは、便宜上、光源11が、7つのレーザダイオード110から構成されている。図6(b)の場合と同様、7つのレーザダイオード110は、互いに同じ出射能力を有している。コントローラ21は、Y軸正側端部の2つのレーザダイオード110に印加する駆動電流C2を、その他のレーザダイオード110に印加する駆動電流C1よりも低く設定する。
図10は、図9(a)のステップS204において、左側のレーザダイオード110の出射パワーを低下させる設定がなされた場合にレーザレーダ10から出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームB10の長辺方向における光強度の分布とを模式的に示す図である。
ラインビームB10の長辺方向の広がり角θ11(たとえば120°)のうち、左端の角度範囲θ14においては、その他の角度範囲θ15に比べて、光強度が低下している。角度範囲θ15の光強度は、図4の場合と同様、高く維持される。角度範囲θ14は、たとえば30°程度であり、角度範囲θ15は、たとえば90°程度である。ただし、角度範囲θ14、θ15はこれに限られるものではない。
また、角度範囲θ15における物体の検出可能距離を200m程度に設定し、左端の角度範囲θ14における物体の検出可能距離を100m程度とした場合、角度範囲θ15の光強度に対する角度範囲θ14の光強度の低下は、たとえば、25%程度に調整される。なお、角度範囲θ15の光強度に対する角度範囲θ14の光強度の低下は、25%に限定されるものではない。
このようにラインビームB10の光強度を相違させることにより、角度範囲θ15では、たとえば、物体の検出可能距離が200m程度に長く維持され、左端の角度範囲θ14では、物体の検出可能距離が中央よりも短くなる。ただし、車両が高速道路の最も左のレーンを走行している場合は、車両の左側に路側帯や壁が存在するので、このように左側の角度範囲θ14における検出可能距離を低下させたとしても、車両の走行には、殆ど支障がない。よって、このように左端の光強度を低下させることにより、消費電力を低減させながら、より効率的に、物体の検出を行うことができる。
なお、図9(a)のステップS202において右側のレーザダイオード110の出射パワーを低下させる設定がなされた場合、コントローラ21は、たとえば、図9(b)に示した7つのレーザダイオード110のうち、最も右側のレーザダイオード110と右から2番目のレーザダイオード110の出射パワーを、その他のレーザダイオード110に比べて低下させる制御を行う。
図11は、図9(a)のステップS202において右側のレーザダイオード110の出射パワーを低下させる設定がなされた場合の状況を模式的に示す図である。
ここでは、車両20が交差点J10を右折することを条件として、右側のレーザダイオード110の出射パワーを低下させる例が示されている。
車両20が、道路R10から交差点J10を右折して右折道路R20へと進む場合、車両20が右折を開始してから右折を終了するまでの間に、ラインビームB10の右側端部の所定範囲に対して、光強度を低下させる制御が行われる。これにより、ラインビームB10の右側端部の所定範囲において、物体の検出可能距離が低下する。ラインビームB10のその他の範囲では、光強度が高く維持されるため、図4の場合と同様、物体の検出可能距離は長く確保される。
ここで、車両20が交差点J10を右折中である場合、車両20の左前方は、前方道路R30を逆走する対向車の状況を把握するために、遠距離まで物体検出が必要であると言える。これに対し、車両20の右前方は、交差点J10の横断歩道を横断する人30や右折道路R20に停車中の車両等を検出できればよいため、比較的近距離において物体検出が可能であればよい。したがって、車両20が右折中である場合は、車両20の右側に対応するラインビームB10の範囲において光強度を低下させて物体の検出可能距離を低下させても、車両20の走行には支障がない。よって、このように、右折時に右側端部の光強度を低下させることで、消費電力を低減させながら、より効率的に、物体の検出を行うことができる。
なお、図9(a)のステップS202においては、ステップS201で充足される右側低下条件の種類ごとに、出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数や低下幅を変更するようにしてもよい。また、車両20の右折時には、ハンドルの中立位置からの回転角に応じて、出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数や低下幅を変更するようにしてもよい。
同様に、図9(a)のステップS204においても、ステップS203で充足される左側低下条件の種類ごとに、出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数や低下幅を変更するようにしてもよい。この他、車両20の走行速度に応じて、出射パワーを低下させるレーザダイオード110の数や低下幅を変更するようにしてもよい。すなわち、出射パワーを低下させるレーザダイオード110群において、走行状態等の所定の条件に応じ、さらに、出射パワーをレーザダイオード110ごとに相違させてもよい。
<光強度の制御3>
上記では、ラインビームB10の両端または一端の光強度が中央に比べて低下するよう調整されたが、ラインビームB10の光強度を相違させる形態はこれに限られるものではない。
たとえば、車両20が一般道等を低速で走行している場合、車両20の左右から前方に人や自転車が飛び出すことが起こり得る。このため、低速走行時には、車両20の左前方および右前方における物体の検知感度を高めることが好ましい。また、車両20が一般道等を低速で走行している場合、車両20は右折や左折を行う可能性が高い。このことからも、低速走行時には、車両20の右折および左折に備えて、予め、車両20の右前方および左前方の検知感度を高めることが有効である。
したがって、低速走行時には、ラインビームB10の左右の端の領域の光強度を中央に比べて高める制御が行われることが好ましい。具体的には、車両20が低速で走行している状態を示す信号が車両側の制御部からコントローラ21に送信された場合、コントローラ21は、車両20の左側および右側に対応するラインビームB10の範囲において光強度を上昇させればよい。コントローラ21は、車両20側から入力される速度情報に基づいて、車両20が低速走行状態にあるか否かを判定してもよい。あるいは、車両20側からコントローラ21に、車両20が低速走行状態にあることを示す信号が入力されてもよい。
ここで、低速走行状態とは、車両20が一般道を低速で走行するときの走行状態のことである。たとえば、車両20が時速40km以下で走行する状態が、低速走行状態である。低速走行状態の上限の速度は、これに限られるものではない。あるいは、低速走行状態とは、速度規制が低速の一般道を車両20が走行していることであると定義されてもよい。たとえば、車両20がナビゲーションシステムを搭載する場合、コントローラ21は、車両20が走行中の道路が、制限速度が所定速度(たとえば、時速40km)以下の一般道であることを示す情報を車両20側から受信したことに応じて、車両20が低速走行状態にあると判定してもよい。
図12(a)は、制御例3に係る光源11のパワー制御を示すフローチャートである。
コントローラ21は、予め設定された両側上昇条件(S301)が充足されたか否かを判定する。
ここで、両側上昇条件とは、車両20の前方左側および前方右側に対応するラインビームB10の端部側(Y軸正側およびY軸負側)の所定範囲において、光強度を上昇させるための条件のことである。車両20が低速走行状態にあることは、両側上昇条件に含まれる。両側上昇条件として、車両20が低速走行状態にあること以外の条件が含まれてもよい。
両側上昇条件が充足された場合(S301:YES)、コントローラ21は、光源11を構成する複数のレーザダイオード110のうち、車両20の左側(Y軸正側)および右側(Y軸負側)に対応するレーザダイオード110の出射パワーをその他のレーザダイオード110に比べて上昇させる(S302)。すなわち、この場合、コントローラ21は、Y軸方向に並ぶ複数のレーザダイオード110のうち、Y軸正側から所定数のレーザダイオード110およびY軸負側から所定数のレーザダイオード110の出射パワーを、その他のレーザダイオード110に比べて上昇させる。この場合、ラインビームB10の中央付近の光強度は、図4に示した光強度と同程度に設定される。
両側上昇条件が充足されない場合(S301:NO)、コントローラ21は、通常モードで光源11を制御する(S303)。ステップS303の制御は、図9(a)のステップS205の制御と同様である。コントローラ21は、図12(a)の処理を繰り返し実行する。
図12(b)は、図12(a)のステップS303によって両側のレーザダイオード110の出射パワーが上昇した場合の複数のレーザダイオード110の出射状態を模式的に示す図である。
ここでは、便宜上、光源11が、7つのレーザダイオード110から構成されている。図6(b)の場合と同様、7つのレーザダイオード110は、互いに同じ出射能力を有している。コントローラ21は、Y軸正側端部の2つのレーザダイオード110およびY軸負側端部の2つのレーザダイオード110に印加する駆動電流C4を、その他のレーザダイオード110に印加する駆動電流C1よりも高く設定する。
図13は、図12(a)のステップS302において、両側のレーザダイオード110の出射パワーを上昇させる設定がなされた場合にレーザレーダ10から出射されるレーザ光の状態と、目標領域におけるラインビームB10の長辺方向における光強度の分布とを模式的に示す図である。
ラインビームB10の長辺方向の広がり角θ11(たとえば120°)のうち、左端の角度範囲θ16および右端の角度範囲θ16においては、その他の角度範囲θ17に比べて、光強度が上昇している。角度範囲θ17の光強度は、図4の場合と同様に設定される。角度範囲θ16は、たとえば30°程度であり、角度範囲θ17は、たとえば90°程度である。ただし、角度範囲θ16、θ17はこれに限られるものではない。また、角度範囲θ17の光強度に対する角度範囲θ16の光強度の上昇は、たとえば、25%程度に調整される。なお、角度範囲θ17の光強度に対する角度範囲θ16の光強度の上昇は、25%に限定されるものではない。
このようにラインビームB10の光強度を相違させることにより、両側の角度範囲θ16では、物体の検出感度が中央よりも高められる。
なお、図12(a)のステップS301において、複数の両側上昇条件が充足されたか否かを判定してもよい。たとえば、車両20の速度が、時速30km以下の場合は第1両側上昇条件が充足され、時速30kmより大きく時速40km以下の場合は第2両側上昇条件が充足されてもよい。第1両側上昇条件が充足されている場合は、図12(b)に示すように端から2つのレーザダイオード110の出射パワーが上昇される。第2両側上昇条件が充足されている場合は、端から1つのレーザダイオード110の出射パワーが上昇される。こうすると、一般道において車両20の速度が低速になるほど、車両20の両側の物体をより確実に検知できるようになる。
また、図12(a)のステップS301において、車両20が右折中であることを含む右側上昇条件と、車両20が左折中であることを含む左側上昇条件とに従って、レーザダイオード110の出射パワーが調整されてもよい。すなわち、右側上昇条件が充足された場合、車両20の右側に対応するレーザダイオード110の出射パワーを、その他のレーザダイオード110に比べて上昇させてもよく、左側上昇条件が充足された場合、車両20の左側に対応するレーザダイオード110の出射パワーを、その他のレーザダイオード110に比べて上昇させてもよい。
<実施形態の効果>
以上、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
図2(a)〜(c)を参照して説明したとおり、より光学的な制御を行い易いファスト軸118aがラインビームB10の短辺方向(X軸方向)に対応する方向に沿うようにレーザダイオード110が配置されている。このため、ラインビームB10の短辺方向におけるビームの広がり角を、より平行光に近づくように調整することができる。よって、ラインビームB10の短辺方向のエネルギー密度の低下を効果的に抑制でき、より遠距離まで物体を検出することができる。
また、図2(c)に示したとおり、レーザダイオード110のスロー軸方向に沿ってレーザ光の発光部117が複数配置されている。これにより、ラインビームB10の光量を効果的に高めることができる。また、図6(a)〜図7、図9(a)〜図11、および図12(a)〜図13を参照して説明したとおり、各レーザダイオード110を個別に制御することにより、ラインビームB10の光強度を、長辺方向において円滑に相違させることができる。
なお、図2(c)の構成では、複数のレーザダイオード110をスロー軸方向に沿って並べて集積化することにより、複数の発光部117がスロー軸方向に沿って配置されたが、1つのレーザダイオード110に、複数の発光部117がスロー軸方向に沿って設けられるように、レーザダイオード110が構成されてもよい。
また、図5(a)の検証結果に示したとおり、ラインビームB10を生成するための光学系を透過する前でのレーザ光のファスト軸方向の発散角をθ0、この光学系を透過した後でのレーザ光のファスト軸方向の発散角をθ1としたとき、θ1/θ0が0.1以下となるように光学系が構成されることが好ましい。これにより、物体の検出可能距離を大幅に向上させることができる。
また、図5(b)の検証結果に示したとおり、レーザダイオード110は、ファスト軸方向の発光部117の幅が240μm以下であることが好ましい。これにより、レーザダイオード110の特性を無駄なく有効に使いながら、物体の検出可能距離を効率的に向上させることができる。
また、本実施形態では、図1に示したとおり、走査部15は、拡大レンズ17よりも光源11側(レーザダイオード110側)に配置されている。これにより、拡大レンズ17により広げられる前の小さなビーム径のレーザ光を走査部15に導くことができ、小型且つ高レスポンスの走査部15を用いることができる。よって、コストの低減を図りながら、円滑かつ適正に、ラインビームB10を走査させることができる。
また、本実施形態では、図1を参照して説明したとおり、拡大レンズ17は、一方向のみに湾曲したレンズ面17aを備え、走査部15は、レンズ面17aの母線に平行な方向(X軸方向)にレーザ光を走査させて、ラインビームB10を短辺方向に走査させる。このようにレンズ面17aの母線に平行な方向にレーザ光を走査させることにより、レーザ光の走査に伴い、拡大レンズ17からレーザ光に付与される光学作用が大きく変化することを抑制できる。よって、ラインビームB10のビームプロファイルを安定化させることができ、物体の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、図1に示したとおり、走査部15は、コリメータレンズ12、13と拡大レンズ17との間に配置されている。これにより、平行光化された小さなビーム径のレーザ光を走査部15に導くことができ、小型且つ高レスポンスの走査部15を用いることができる。よって、コストの低減を図りながら、円滑かつ適正に、ラインビームB10を走査させることができる。
また、本実施形態では、図1に示したとおり、ラインビームB10を生成するための光学系は、ラインビームB10の長辺方向における光強度を調整する調整レンズ16を備えている。これにより、たとえば、図4に示したように、ラインビームB10の光強度をラインビームB10の長辺方向において略均一化することができ、長辺方向の全ての位置において精度良く物体を検出することができる。あるいは、図8(b)に示したように、調整レンズ16によって、ラインビームB10の光強度をラインビームB10の長辺方向において相違させることもできる。
また、図6(a)〜図13に示したように、ラインビームB10の光強度をラインビームB10の長辺方向に相違させることにより、光源11から出射されたレーザ光をより効率的に利用することができる。
たとえば、図6(a)〜図8(b)に示したように、ラインビームB10の光強度を、ラインビームB10の長辺方向の中央部に比べて長辺方向の両方の端部側が減少するように調整することにより、直進走行の際に、レーザ光をより効率的に利用することができる。すなわち、遠距離まで物体検出が必要な車両前方については、通常の光強度を維持して検出可能距離を長く確保でき、比較的近距離での物体検出で足りる車両側方については、光強度を低下させて検出可能距離を縮めることができる。これにより、光源11から出射されるレーザ光をより効率的に利用することができる。
また、図9(a)〜図11に示したように、ラインビームB10の光強度を、ラインビームB10の長辺方向の中央部に比べて長辺方向の一方の端部側が減少するように調整することにより、高速道路の走行時や交差点の右折等の際に、レーザ光をより効率的に利用することができる。
たとえば、車両20が高速道路の最も左側のレーンを走行中である場合、車両20の左側は、路側帯や壁が続くため、遠距離での物体検出は不要である。よって、この場合に、ラインビームB10の左側端部の強度を低下させて検出可能距離を縮めることにより、レーザ光をより効率的に利用しながら、物体検出を適正に行うことができる。
あるいは、車両20が交差点を右折中である場合、車両20の右側は、横断歩道を横断する人や停止車両の状態を検出できれば足りるため、遠距離での物体検出は不要である。よって、この場合に、ラインビームB10の右側端部の強度を低下させて検出可能距離を縮めることにより、レーザ光をより効率的に利用しながら、物体検出を適正に行うことができる。
また、図12(a)〜図13に示したように、ラインビームB10の光強度を、ラインビームB10の長辺方向の中央部に比べて長辺方向の端部側が増加するように相違させることにより、車両20の左側および右側の検出感度が高められる。これにより、車両20が一般道等を低速で走行している場合、車両20の左側および右側から飛び出すおそれのある人や自転車をより確実に検知でき、右折時の右前方の人や自転車および左折時の左前方の人や自転車を確実に検知できる。
なお、図2(c)に示したように、ラインビームB10の長辺方向に対応する方向に複数の発光部117が配置されて光源11が構成されている場合は、図6(a)、図9(a)、および図12(a)に示したように、各発光部117の出力をコントローラ21により制御することによって、ラインビームB10の光強度をラインビームB10の長辺方向に相違させるようにすることが好ましい。これにより、様々なシチュエーションに応じて動的に、ラインビームB10の光強度を調整することができる。
但し、たとえば、ラインビームB10の光強度を図7に示す強度分布に固定するような場合は、図8(a)に示したように、複数のレーザダイオード110の出射能力を相違させることにより、ラインビームB10の光強度を長辺方向に相違させてもよく、あるいは、図8(b)に示したように、ラインビームB10の長辺方向における光強度を長辺方向に相違させるように、調整レンズ16が構成されてもよい。
<変更例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施形態では、図2(c)に示したように、複数の発光部117がスロー軸方向に並ぶように、光源11が構成されたが、さらに、発光部117がファスト軸方向にも並ぶように、光源11が構成されてもよい。
図14(a)〜(c)は、この場合の構成例を示す図である。
この構成例では、図14(a)に示すように、1つのレーザダイオード110に複数の発光部117がファスト軸方向(X軸方向)に並ぶように設けられている。N型基板114とコンタクト層115との間に、活性層111、N型クラッド層112およびP型クラッド層113の組が、トンネル接合層119を介して積層されている。これにより、3つの発光部117が形成されている。
図2(a)の場合と同様、発光部117は、活性層111に平行な方向の幅W1が、活性層111に垂直な方向の幅W2よりも広くなっている。電極116に駆動電流を印加することで、図14(b)に示すように、3つの発光部117からそれぞれレーザ光が出射される。ビームB20は、ファスト軸118aに平行な方向の広がり角がスロー軸118bに平行な方向よりも大きくなる。このため、ビームB20は、ファスト軸方向に長い楕円形状となる。
この構成例では、図14(c)に示すように、複数のレーザダイオード110がスロー軸方向に並ぶように配置されて光源11が構成される。これにより、複数の発光部117が、スロー軸方向のみならずファスト軸方向にも並ぶように配置される。
この構成例では、図2(c)の構成に比べて発光部117の数が増えるため、ラインビームB10の光量を高めることができる。但し、コリメータレンズ12の光軸に対して上下の発光部117の位置がずれるため、これら発光部117から出射されたレーザ光が平行光から広がりやすくなる。したがって、この構成では、ファスト軸方向に並ぶ発光部117の間隔をなるべく狭くすることが好ましい。図5(b)の検証結果によれば、最も上の発光部117と最も下の発光部117との間隔が、240μm以下であることが好ましいと言える。ファスト軸方向に並ぶ発光部117の数は、3つに限らず、2つ等、他の数であってもよい。
なお、この構成例においても、図6(a)〜図13を参照して説明した方法と同様の方法により、ラインビームB10の光強度を長辺方向において相違させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、2つのコリメータレンズ12、13を用いてレーザ光を平行光化したが、コリメータレンズ12、13の両方の作用を有する1つのコリメータレンズによりレーザ光を平行光化してもよい。また、図1に示した光学系では、ミラー14によりレーザ光が走査部15に導かれたが、ミラー14を省略して、コリメータレンズ13を透過したレーザ光を直接走査部15に入射させてもよい。この他、ラインビームB10を生成する光学系の構成は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、レーザダイオード110の発光部117のファスト軸118aがラインビームB10の短辺方向に対応する方向(X軸方向)に平行となるように、レーザダイオード110が配置されたが、発光部117のファスト軸118aは、ラインビームB10の短辺方向に対応する方向に対して厳密に平行となっていなくてもよく、ラインビームB10の短辺方向に対応する方向に対して平行な状態から僅かに傾いていてもよい。さらに、ラインビームB10の短辺方向における広がりを厳密に制御しなくてもよい場合は、発光部117のファスト軸118aがラインビームB10の短辺方向に対応する方向(X軸方向)に対して大きく傾いてもよく、たとえば、発光部117のファスト軸118aがラインビームB10の短辺方向に対応する方向(X軸方向)に対して垂直となっていてもよい。
また、上記実施形態では、図6(a)〜図13に示した制御において、ラインビームB10の長辺方向の両端または一方の端部の光強度が低下または上昇するよう、ラインビームB10の光強度を調整したが、光強度を低下させる部分は、必ずしも、ラインビームB10の長辺方向の端部でなくてもよい。光強度を低下させる部分は、ラインビームB10が投射される目標領域の状況に応じて種々の変更が可能である。
また、上記実施形態では、レーザレーダ10が車両20に搭載されたが、他の移動体にレーザレーダ10が搭載されてもよい。また、レーザレーダ10が移動体以外の器機や設備に搭載されてもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
10 … レーザレーダ
11 … 光源
12、13 … コリメータレンズ
15 … 走査部
16 … 調整レンズ
17 … 拡大レンズ
17a … レンズ面
21 … コントローラ
22 … レーザ駆動回路
110 … レーザダイオード
117 … 発光部
118a … ファスト軸
118b … スロー軸
B10 … ラインビーム

Claims (9)

  1. レーザ光を出射する光源と、
    前記レーザ光を一方向に長いラインビームに整形して投射する光学系と、
    前記ラインビームの短辺方向に前記ラインビームを走査させる走査部と、
    前記ラインビームの光強度を前記ラインビームの長辺方向に相違させるための構成と、を備える、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  2. 請求項1に記載のレーザレーダにおいて、
    前記ラインビームの光強度が、前記長辺方向の中央部に比べて前記長辺方向の端部側が減少するように調整されている、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  3. 請求項1または2に記載のレーザレーダにおいて、
    前記光源を制御する制御部を備え、
    前記長辺方向に対応する方向に沿って前記レーザ光の発光部が複数配置され、
    前記制御部は、前記発光部の出力を制御することにより、前記ラインビームの光強度を前記ラインビームの長辺方向に相違させる、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  4. 請求項3に記載のレーザレーダにおいて、
    前記制御部は、前記発光部の出力を制御することにより、前記ラインビームの光強度を、前記長辺方向の中央部に比べて前記長辺方向の端部側が増加するように相違させる、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  5. 請求項1または2に記載のレーザレーダにおいて、
    前記光源は、前記長辺方向に対応する方向に沿って並ぶように配置された複数のレーザダイオードを備え、
    前記複数のレーザダイオードの出射能力を相違させることにより、前記ラインビームの光強度を前記長辺方向に相違させる、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  6. 請求項1または2に記載のレーザレーダにおいて、
    前記光学系は、前記ラインビームの長辺方向における光強度を前記長辺方向に相違させる調整レンズを備える、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載のレーザレーダにおいて、
    前記光学系は、前記レーザダイオードから出射された前記レーザ光を前記ラインビームの長辺方向に対応する方向に広げる拡大レンズを備え、
    前記走査部は、前記拡大レンズよりも前記レーザダイオード側に配置されている、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  8. 請求項7に記載のレーザレーダにおいて、
    前記拡大レンズは、一方向のみに湾曲したレンズ面を備え、
    前記走査部は、前記レンズ面の母線に平行な方向に前記レーザ光を走査させて、前記ラインビームを前記短辺方向に走査させる、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
  9. 請求項7または8に記載のレーザレーダにおいて、
    前記光学系は、コリメータレンズを備え、
    前記走査部は、前記コリメータレンズと前記拡大レンズの間に配置されている、
    ことを特徴とするレーザレーダ。
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