JPWO2019167825A1 - 接点装置モジュール、電磁継電器モジュール及び電気機器 - Google Patents

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Abstract

異常電流が流れた場合における可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点装置モジュール、電磁継電器モジュール及び電気機器を提供する。接点装置モジュール(M1)は、接点装置(1a,1b)と、少なくとも接点装置(1a)に電気的に接続されたバスバー(22a)と、を備える。接点装置(1a,1b)のそれぞれは、固定接点(311)を有する固定端子(31)と、固定接点(321)を有する固定端子(32)と、可動接触子(8)と、を備える。バスバー(22a)は、接点装置(1a)が備える固定端子(31)及び固定端子(32)のうち一方の固定端子31に接続されている。接点装置(1b)が備える可動接触子(8)に流れる電流の方向に沿って延びる電路片(221)を有する。

Description

本開示は、一般に接点装置モジュール、電磁継電器モジュール及び電気機器に関し、より詳細には固定接点に対する可動接点の接触、離間を切替可能な接点装置モジュール、電磁継電器モジュール及び電気機器に関する。
特許文献1には、接点で電流を入り切りする接点装置が記載されている。
特許文献1に記載された接点装置では、電磁石装置の励磁コイル(励磁用巻線)に通電することで生じる電磁力によって、接点装置が有する可動接触子を移動させて、接点装置が有する固定端子の固定接点に可動接触子の可動接点を接触させる。これにより、固定端子と可動接触子とが接続される。
上述したような接点装置では、例えば、短絡電流等の異常電流が流れた場合、可動接触子には、可動接点を固定接点から離す向きのローレンツ力(電磁反発力)が作用し、可動接点と固定接点との間の接続状態が不安定になる可能性がある。
特開2014−232668号公報
本開示は上記課題に鑑みてなされ、異常電流が流れた場合における可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点装置モジュール、電磁継電器モジュール及び電気機器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る接点装置モジュールは、第1接点装置及び第2接点装置と、少なくとも前記第1接点装置に電気的に接続されたバスバーと、を備える。前記第1接点装置及び前記第2接点装置のそれぞれは、第1固定接点を有する第1固定端子と、第2固定接点を有する第2固定端子と、前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触する閉位置と前記第1固定接点及び前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、を備える。前記バスバーは、前記第1接点装置が備える前記第1固定端子及び前記第2固定端子のうち一方の固定端子に接続されている。前記バスバーは、前記第2接点装置が備える前記可動接触子に流れる電流の方向に沿って延びる電路片を有する。
本開示の一態様に係る電磁継電器モジュールは、第1電磁継電器と、第2電磁継電器と、を備える。前記第1電磁継電器は、前記接点装置モジュールが備える前記第1接点装置、及び前記第1接点装置の前記可動接触子を移動させる第1電磁石装置を有する。前記第2電磁継電器は、前記接点装置モジュールが備える前記第2接点装置、及び前記第2接点装置の前記可動接触子を移動させる第2電磁石装置を有する。
本開示の一態様に係る電気機器は、前記接点装置モジュールと、接点装置モジュールの第1接点装置及び第2接点装置を保持するハウジングとを備える。
本開示の一態様に係る電気機器は、前記電磁継電器モジュールと、前記電磁継電器モジュールの第1電磁継電器及び第2電磁継電器を保持するハウジングとを備える。
図1は、実施形態1に係る電気機器の構成を説明する図である。 図2は、同上の電気機器が電磁継電器モジュールを保持する一例を説明する図である。 図3Aは、電気機器が備える2つの電磁継電器のうち一方の電磁継電器の斜視図である。図3Bは、電気機器が備える2つの電磁継電器のうち他方の電磁継電器の斜視図である。 図4は、同上の電磁継電器のX1−X1断面図である。 図5は、同上の電磁継電器のX2−X2断面図である。 図6は、同上の2つの電磁継電器と、バスバーとの位置関係を説明する図である。 図7は、同上の2つの電磁継電器の収納について説明する図である。 図8は、同上の2つの接点装置のうち一方の接点装置に接続されたバスバーと、他方の接点装置の可動接触子との間で発生する吸引力を説明する図である。 図9は、同上の2つの接点装置のうち他方の接点装置に接続されたバスバーと、一方の接点装置の可動接触子との間で発生する吸引力を説明する図である。 図10は、実施形態1の変形例に係る電磁継電器モジュールを説明する図である。 図11は、実施形態2に係る電磁継電器モジュールを説明する図である。 図12は、同上の電磁継電器モジュールが備える2つの接点装置のうち一方の接点装置に接続されたバスバーと、他方の接点装置の可動接触子との間で発生する斥力を説明する図である。 図13は、同上の電磁継電器モジュールが備える2つの接点装置のうち他方の接点装置に接続されたバスバーと、一方の接点装置の可動接触子との間で発生する斥力を説明する図である。 図14は、実施形態3に係る電磁継電器モジュールを説明する図である。
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態及び変形例において、説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態に係る接点装置1a,1b及び電磁継電器100a,100bについて、図1〜図9を用いて説明する。
(1)構成
(1.1)全体構成
本実施形態に係る接点装置モジュールM1は、2つの接点装置1a,1bを備える(図2参照)。接点装置モジュールM1は、接点装置1aに電気的に接続されたバスバー21a,22aと、接点装置1bに電気的に接続されたバスバー21b,22bとを、さらに備える(図2参照)。
本実施形態に係る電磁継電器モジュールM10は、2つの電磁継電器100a,100bを備える(図2参照)。電磁継電器100aは、接点装置1aと、接点装置1aを駆動する電磁石装置10aとを備える。電磁継電器100bは、接点装置1bと、接点装置1bを駆動する電磁石装置10bとを備える。
本実施形態に係る電気機器A1は、電磁継電器100a,100bと、電磁継電器100a,100bを保持するためのハウジングB1とを、備える(図1参照)。ハウジングB1は、第1筐体B2、及び第2筐体B3を備える。
接点装置1a,1bの各々は、後述する一対の固定端子31,32と、後述する可動接触子8とを有する。各固定端子31,32は、後述する固定接点311,321を保持する。可動接触子8は、一対の固定接点311,321に対向して配置された後述する一対の可動接点81,82を保持する。
電磁石装置10a,10bの各々は、後述する可動子13及び後述する励磁コイル14を有している。電磁石装置10a,10bの各々は、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって可動子13を吸引する。可動子13の吸引に伴って、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。本開示でいう「開位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321から離れるときの可動接触子8の位置である。本開示でいう「閉位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するときの可動接触子8の位置である。
また、本実施形態では、可動子13は、直線L上に配置され、直線Lに沿って直進往復移動するように構成されている(図4参照)。励磁コイル14は、直線Lの周りに巻かれた導線(電線)にて構成されている。つまり、直線Lは、励磁コイル14の中心軸に相当する。
本実施形態では、接点装置1aが電磁石装置10aと共に電磁継電器100aを構成し、接点装置1bが電磁石装置10bと共に電磁継電器100bを構成する場合を例として説明する。ただし、接点装置1a,1bは、電磁継電器100a,100bに限らず、例えばブレーカ(遮断器)又はスイッチ等に用いられていてもよい。本実施形態においては、電磁継電器100a,100bが電気自動車に搭載される場合を例とする。この場合において、走行用のバッテリから負荷(例えば、インバータ)への直流電力の供給路上に、接点装置1a,1b(固定端子31,32)が電気的に接続される。
以下では、説明のために接点装置1aと接点装置1bとの対向方向を上下方向と定義する。特に、接点装置1aから見て接点装置1b側を上方と定義する。さらに、一対の固定端子31,32(一対の固定接点311,321)の並んでいる方向を左右方向と定義する。特に、接点装置1aの固定端子31から見て固定端子32側を右方と定義する。つまり、以下では、図2の上下左右を上下左右として説明する。また、以下では、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)を、前後方向として説明する。ただし、これらの方向は接点装置1a,1b及び電磁継電器100a,100bの使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態において、接点装置1aと接点装置1bとは、接点装置1aの可動接触子8が開位置から閉位置に向う方向と、接点装置1bの可動接触子が開位置から閉位置に向う方向とが互いに反対方向となるように配置されている(図1、図2、図6、図7参照)。なお、図6では、説明の都合上、接点装置1a及び接点装置1bの一部構成要素を省略している。
接点装置1a,1bの前後方向から見て、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが、重ならないように接点装置1aと接点装置1bとは配置されている(図6参照)。さらに、接点装置1a,1bの左右方向から見た場合においても、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが、重ならないように接点装置1aと接点装置1bとは配置されている。さらに、接点装置1a,1bの前後方向から及び左右方向からそれぞれ見て、接点装置1aの可動接触子8と接点装置1bの可動接触子8との間に、接点装置1a,1bのそれぞれの固定接点311,321が配置されている。さらに、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1aの固定接点311,321の一方の端部と、接点装置1bの固定接点311,321の一方の端部とが、重なるように接点装置1aと接点装置1bとは配置されている。また、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1aの固定接点311,321と、接点装置1bの固定接点311,321とが、重ならないように接点装置1aと接点装置1bが配置されてもよい。
接点装置1aの固定端子31と固定端子32とは、接点装置1bの固定端子31と固定端子32とが並ぶ向き(左右方向)に沿って並ぶように配置されている(図6参照)。本開示において、“向きに沿って並ぶ”とは、接点装置1aの固定端子31と固定端子32とを結ぶ線分と、接点装置1bの固定端子31と固定端子32とを結ぶ線分とのなす角度が所定の範囲(−45度〜+45度)であることをいう。
(1.2)接点装置
次に、接点装置1a,1bの構成について説明する。接点装置1aの構成と、接点装置1bの構成とは、同一であるので、以下において、接点装置1aの構成について説明する。
接点装置1aは、図4及び図5に示すように、一対の固定端子31,32、可動接触子8、筐体4及びフランジ5を備える。接点装置1a,1bの各々は、更に、第1ヨーク6、第2ヨーク7、2つのカプセルヨーク23,24、2つの消弧用磁石(永久磁石)25,26、及び絶縁板41及びカバー50を備える。固定端子31は固定接点311を、固定端子32は固定接点321を、それぞれ保持している。可動接触子8は、導電性を有する金属材料からなる板状の部材である。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
一方の固定接点311は一方の固定端子31の一端部に保持されており、他方の固定接点321は他方の固定端子32の一端部に保持されている。
一対の固定端子31,32は、左右方向に並ぶように配置されている(図4参照)。一対の固定端子31,32の各々は、導電性の金属材料からなる。一対の固定端子31,32は、一対の固定接点311,321に外部回路(バッテリ及び負荷)を接続するための端子として機能する。本実施形態では、一例として銅(Cu)で形成された固定端子31,32を用いることとするが、固定端子31,32を銅製に限定する趣旨ではなく、固定端子31,32は銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。
一対の固定端子31,32の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。ここでは、一対の固定端子31,32の各々は、上端部(他端部)側の径が下端部(一端部)側の径よりも大きく、正面視がT字状となるように構成されている。一対の固定端子31,32は、筐体4の上面から一部(他端部)が突出した状態で、筐体4に保持される。具体的には、一対の固定端子31,32の各々は、筐体4の上壁に形成されている開口孔を貫通した状態で、筐体4に固定されている。
可動接触子8は、上下方向に厚みを有し、かつ前後方向よりも左右方向に長い板状に形成されている。可動接触子8は、その長手方向(左右方向)の両端部を一対の固定接点311,321に対向させるように、一対の固定端子31,32の下方に配置されている(図4参照)。可動接触子8のうち、一対の固定接点311,321に対向する部位には、一対の可動接点81,82が設けられている(図4参照)。
可動接触子8は、筐体4に収納されている。接点装置1aの可動接触子8は電磁石装置10aによって上下方向に移動される。接点装置1bの可動接触子8は電磁石装置10bによって上下方向に移動される。これにより、可動接触子8は、閉位置と開位置との間で移動することになる。図4,5は、可動接触子8が閉位置に位置する状態を示しており、この状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321に接触する。一方、可動接触子8が開位置に位置する状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321から離れる。
したがって、可動接触子8が閉位置にあるとき、一対の固定端子31,32間は可動接触子8を介して短絡する。例えば、接点装置1aの可動接触子8が閉位置にあれば、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するので、固定端子31は、固定接点311、可動接点81、可動接触子8、可動接点82及び固定接点321を介して、固定端子32と電気的に接続される。そのため、バッテリ及び負荷の一方に固定端子31が電気的に接続され、他方に固定端子32が電気的に接続されていれば、接点装置1aの可動接触子8が閉位置にあるときに、接点装置1aはバッテリから負荷への直流電力の供給路を形成する。同様に、接点装置1bにおいて、バッテリ及び負荷の一方に固定端子31が電気的に接続され、他方に固定端子32が電気的に接続されていれば、接点装置1bの可動接触子8が閉位置にあるときに、接点装置1bはバッテリから負荷への直流電力の供給路を形成する。
ここで、可動接点81,82は、可動接触子8に保持されていればよい。そのため、可動接点81,82は、可動接触子8の一部が打ち出されるなどして可動接触子8と一体に構成されていてもよいし、可動接触子8とは別部材からなり、例えば溶接等により、可動接触子8に固定されていてもよい。同様に、固定接点311,321は、固定端子31,32に保持されていればよい。そのため、固定接点311,321は、固定端子31,32と一体に構成されていてもよいし、固定端子31,32とは別部材からなり、例えば溶接等により、固定端子31,32に固定されていてもよい。
可動接触子8は、中央部位に貫通孔83を有している。本実施形態では、貫通孔83は、可動接触子8における一対の可動接点81,82の中間に形成されている。貫通孔83は、可動接触子8を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔83は、後述するシャフト15を通すための孔である。
第1ヨーク6は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第1ヨーク6は、シャフト15の先端部に固定されている。シャフト15は、可動接触子8の貫通孔83を通して可動接触子8を貫通しており、シャフト15の先端部は、可動接触子8の上面から上方に突出する。そのため、第1ヨーク6は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と同一側に位置している。
第2ヨーク7は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第2ヨーク7は、可動接触子8に固定されている(図4参照)。具体的には、第2ヨーク7は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8の上下方向の面のうち可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側の面に固定されている(位置している)。
第2ヨーク7は、中央部位に貫通孔71を有している。本実施形態では、貫通孔71は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔71は、第2ヨーク7を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔71は、シャフト15及び後述する接圧ばね17を通すための孔である。
第2ヨーク7は、前後方向の両端部に、可動接触子8が開位置から閉位置へと移動する向きと同じ向きに突出する一対の突出部72,73(図5参照)を有している。
第1ヨーク6はシャフト15の先端部に固定されているので、シャフト15が上下方向に移動することで、第1ヨーク6も上下方向に移動する。第2ヨーク7は、可動接触子8に固定されているので、可動接触子8の上下方向の移動に伴って上下方向に移動する。つまり、第1ヨーク6及び第2ヨーク7は、上下方向に移動する可動ヨークと言える。
このような形状によれば、図5に示すように、一対の突出部72,73は、第1ヨーク6にそれぞれ突き合わされる。したがって、可動接触子8を電流が流れた場合には、第1ヨーク6及び第2ヨーク7で形成される磁路を通る磁束が生じる。このとき、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。
カプセルヨーク23,24は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26を保持する。カプセルヨーク23,24は、左右方向の両側から筐体4を囲むように、筐体4に対して左右方向の両側に配置されている。
消弧用磁石25,26は、前後方向において互いに同極(例えばN極)が対向するように配置されている。消弧用磁石25,26は、筐体4に対して前後方向の両側に配置されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26ごと筐体4を囲んでいる。消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、消弧用磁石25,26は、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に対して直交する方向に配置されている。この場合、消弧用磁石25,26は、互いに同極(例えばN極)が対向するように配置されている。また、消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、消弧用磁石25,26は、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に配置されてもよい。この場合、消弧用磁石25,26は、互いに同極(例えばN極)または異極が対向するように配置される。可動接触子8が閉位置から開位置へと移動すると、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、放電電流(アーク)が生じる。消弧用磁石25,26は、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、それぞれ生じたアークを引き延ばす。
筐体4は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)等のセラミック製である。筐体4は、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。筐体4の下面は開口している。筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8と、第1ヨーク6と、第2ヨーク7と、を収容する。筐体4の上面には、一対の固定端子31,32を通すための一対の開口孔が形成されている。一対の開口孔は、それぞれ円形状に形成されており、筐体4の上壁を厚み方向(上下方向)に貫通している。一方の開口孔には固定端子31が通され、他方の開口孔には固定端子32が通されている。一対の固定端子31,32と筐体4とは、ろう付けによって結合される。
筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する箱状に形成されていればよく、本実施形態のような中空の直方体状に限らず、例えば中空の楕円筒状や、中空の多角柱状などであってもよい。つまり、ここでいう箱状は、内部に一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する空間を有する形状全般を意味しており、直方体状に限定する趣旨ではない。筐体4は、セラミック製に限らず、例えば、ガラス又は樹脂等の絶縁材料にて形成されていてもよいし、金属製であってもよい。筐体4は、磁気により磁性体とならない非磁性材料からなることが好ましい。
フランジ5は、非磁性の金属材料で形成されている。非磁性の金属材料は、例えば、SUS304等のオーステナイト系ステンレスである。フランジ5は、左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。フランジ5の上面及び下面は開口している。
例えば、接点装置1aのフランジ5は、接点装置1aの筐体4と電磁石装置10aとの間に配置される(図4及び図5参照)。接点装置1aのフランジ5は、接点装置1aの筐体4、及び後述する電磁石装置10aの継鉄上板111に対して気密接合されている。これにより、接点装置1aの筐体4及びフランジ5と、電磁石装置10aの継鉄上板111で囲まれた接点装置1aの内部空間を、気密空間とすることができる。フランジ5は、非磁性でなくともよく、例えば、42アロイ等の鉄を主成分とする合金であってもよい。
また、接点装置1bのフランジ5は、接点装置1bの筐体4と電磁石装置10bとの間に配置される。接点装置1bのフランジ5は、接点装置1bの筐体4、及び後述する電磁石装置10bの継鉄上板111に対して気密接合されている。これにより、接点装置1bの筐体4及びフランジ5と、電磁石装置10bの継鉄上板111で囲まれた接点装置1bの内部空間を、気密空間とすることができる。接点装置1bのフランジ5は、非磁性でなくともよく、例えば、42アロイ等の鉄を主成分とする合金であってもよい。
絶縁板41は、合成樹脂製であって電気絶縁性を有する。絶縁板41は、矩形板状に形成されている。絶縁板41は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。接点装置1aの絶縁板41は、接点装置1aの可動接触子8と固定接点311、321間から発生したアークによる短絡を防止する。接点装置1bの絶縁板41は、接点装置1bの可動接触子8と固定接点311、321間から発生したアークによる短絡を防止する。
絶縁板41は、中央部位に貫通孔42を有している。本実施形態では、貫通孔42は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔42は、絶縁板41を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔42は、シャフト15を通すための孔である。
カバー50は、非磁性体材料で、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。カバー50は、固定端子31のかしめ部35及び固定端子32のかしめ部36を露出させ、筐体4を覆うように配置される。なお、接点装置1bのカバーは、接点装置1bの固定端子31のかしめ部35及び接点装置1bの固定端子32のかしめ部36を露出させ、接点装置1bの筐体4を覆うように配置される。
(1.3)バスバー
接点装置モジュールM1は、バスバー21a,22aを備えている。
バスバー21a,22aは、導電性を有する金属材料にて構成されている。バスバー21a,22aは、一例として銅又は銅合金にて構成されている。バスバー21a,22aは、帯板状に形成されている。本実施形態では、バスバー21a,22aは、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21aの一端部は、例えば接点装置1aの固定端子31に電気的に接続される。バスバー21aの他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22aの一端部は、例えば接点装置1aの固定端子32に電気的に接続される。バスバー22aの他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。
バスバー21aは、3つの電路片211,212,213を含んでいる(図3A参照)。電路片211は、接点装置1aの固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片211の一端部は、接点装置1aの固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。電路片212は、電路片211と連結しており、電路片211と直交するように配置されている。電路片213は、電路片212と連結しており、電路片212と直交し、電路片211と平行となるように配置されている。電路片213の一端部は、後述する端子口B12に差し込まれる(図7参照)。
バスバー22aは、3つの電路片221,222,223を含んでいる。電路片221は、接点装置1aの固定端子32と機械的に接続される。具体的には、電路片221の一端部は、接点装置1aの固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。電路片222は、電路片221と連結し、下方に延びて存在している(延在している)。電路片223は、電路片222と連結し、後方に延在している。電路片223の一端部は、後述する端子口B11に差し込まれる(図7参照)。
電路片221は、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びている(図6参照)。本開示において、“電流の方向に沿って延びている”とは、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に対する電路片221の延在方向の角度が所定の範囲(−45度〜+45度)で電路片211が設けられていることをいう。接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に対する電路片221の延在方向の角度が所定の範囲(−25度〜+25度)であることが好ましい。つまり、電路片221に流れる電流のベクトルにおいて、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流のベクトルに平行な成分が、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に直交する成分よりも大きくなるように、電路片221が設けられている。具体例として、接点装置1aの電路片221は、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に平行に延びている。
電路片221は、接点装置1bの可動接触子8が閉位置に位置する場合に、接点装置1bの可動接触子8の移動方向において、接点装置1bの可動接触子8に対して接点装置1bの固定接点311,321と同一側に位置するように配置されている(図6参照)。
電路片221は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、少なくとも接点装置1bの固定接点311と接点装置1bの固定接点321との間に配置されている。より詳細には、電路片221は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1bの可動接触子8の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している。本実施形態では、電路片221は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1bの可動接触子8の長手方向の両端部の外側に延在している。言い換えると、電路片221の長さL1は、接点装置1bの可動接触子8の長手方向における長さL2よりも長い(図6参照)。ここで、電路片221の長さL1は、接点装置1aのかしめ部36の左右方向における両端のうち固定端子31と反対側の端部から、電路片221の左右方向における両端のうち固定端子31と反対側の端部までの長さである。
接点装置モジュールM1は、バスバー21b,22bを備えている。
バスバー21b,22bは、導電性を有する金属材料にて構成されている。バスバー21b,22bは、一例として銅又は銅合金にて構成されている。バスバー21b,22bは、帯板状に形成されている。本実施形態では、バスバー21b,22bは、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21bの一端部は、例えば接点装置1bの固定端子31に電気的に接続される。バスバー21bの他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。バスバー22bの一端部は、例えば接点装置1bの固定端子32に電気的に接続される。バスバー22bの他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。
バスバー21bは、3つの電路片231,232,233を含んでいる(図3B参照)。電路片231は、接点装置1bの固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片231の一端部は、接点装置1bの固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。電路片232は、電路片231と連結しており、電路片231と直交するように配置されている。電路片233は、電路片232と連結しており、電路片232と直交し、電路片231と平行となるように配置されている。電路片233の一端部は、後述する端子口B14に差し込まれている(図7参照)。
バスバー22bは、3つの電路片241,242,243を含んでいる。電路片241は、接点装置1bの固定端子32と機械的に接続される。具体的には、電路片231の一端部は、接点装置1bの固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。電路片242は、電路片241と連結し、上方に延在している。電路片243は、電路片242と連結し、後方に延在している。電路片243の一端部は、後述する端子口B13に差し込まれる(図7参照)。
電路片241は、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びている。電路片221の場合と同様に、電路片241に流れる電流のベクトルにおいて、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流のベクトルに平行な成分が、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流の方向に直交する成分よりも大きくなるように、電路片241が設けられている。具体例として、電路片241は、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流の方向に平行に延びている。
電路片241は、接点装置1aの可動接触子8が閉位置に位置する場合に、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの可動接触子8に対して接点装置1aの固定接点311,321と同一側に位置するように配置されている(図6参照)。
電路片241は、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、少なくとも接点装置1aの固定接点311と接点装置1aの固定接点321との間に配置されている。より詳細には、電路片241は、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1aの可動接触子8の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している。本実施形態では、電路片241は、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1aの可動接触子8の長手方向の両端部の外側に延在している。言い換えると、電路片241の長さL3は、接点装置1aの可動接触子8の長手方向における長さL4よりも長い(図6参照)。ここで、電路片241の長さL3は、接点装置1bのかしめ部36の左右方向における両端のうち固定端子31と反対側の端部から、電路片241の左右方向における両端のうち固定端子31と反対側の端部までの長さである。
本実施形態では、接点装置1aにおいては固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I1が流れ、接点装置1bにおいては固定端子32から固定端子31に向けて可動接触子8に電流I2が流れる場合を想定する。このとき、電流I1は、バスバー21a、接点装置1aの固定端子31、接点装置1aの可動接触子8、接点装置1aの固定端子32、電路片221、電路片222の順に流れる(図6参照)。電流I2は、電路片242、電路片241、接点装置1bの固定端子32、接点装置1bの可動接触子8、接点装置1bの固定端子31、バスバー21bの順に流れる(図6参照)。この構成により、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとは、同一になる。
電路片221において電流I1が流れる向きは、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きと同じである。電路片241において電流I2が流れる向きは、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと同じである。
(1.4)電磁石装置
次に、電磁石装置10a,10bの構成について説明する。
電磁石装置10aは、接点装置1aの可動接触子8に移動方向において、接点装置1aの可動接触子8に対して接点装置1aの固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。
電磁石装置10bは、接点装置1bの可動接触子8に移動方向において、接点装置1bの可動接触子8に対して接点装置1bの固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。
電磁石装置10aの構成と電磁石装置10bの構成とは、同一であるので、以下において、電磁石装置10aの構成について説明する。
電磁石装置10aは、図4及び図5に示すように、固定子12と、可動子13と、励磁コイル14と、を有している。電磁石装置10aは、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって固定子12に可動子13を吸引し、可動子13を固定子12に向けて移動させる。
ここでは、電磁石装置10aは、固定子12、可動子13及び励磁コイル14の他に、継鉄上板111を含む継鉄11と、シャフト15と、筒体16と、接圧ばね17と、復帰ばね18と、コイルボビン19と、を有している。
固定子12は、継鉄上板111の中央部から可動子13に向けて突出する形の円筒状に形成された固定鉄心である。固定子12の一端部は継鉄上板111に固定されている。
可動子13は、円柱状に形成された可動鉄心である。可動子13は、固定子12に対向させるように配置されている。可動子13は、上下方向に移動可能に構成されている。可動子13は、その一端面が固定子12に接触した励磁位置(図4及び図5参照)と、その一端面が固定子12から離れた非励磁位置との間で移動する。
励磁コイル14は、その中心軸方向を上下方向と一致させる向きで配置されている。励磁コイル14の内側に、固定子12と可動子13とが配置されている。
継鉄11は、励磁コイル14を囲むように配置されており、固定子12及び可動子13と共に、励磁コイル14の通電時に生じる磁束が通る磁気回路を形成する。そのため、継鉄11と固定子12と可動子13とはいずれも磁性材料から形成されている。継鉄上板111は、この継鉄11の一部を構成している。言い換えると、継鉄11の少なくとも一部(継鉄上板111)は、励磁コイル14と可動接触子8との間に位置する。
接圧ばね17は、可動接触子8と絶縁板41との間に配置されている。接圧ばね17は、可動接触子8を固定接点311,321の方向に向けて付勢するコイルばねである(図1B参照)。
復帰ばね18は、少なくとも一部が固定子12の内側に配置されている。復帰ばね18は、可動子13を非励磁位置へ付勢するコイルばねである。復帰ばね18の一端は可動子13の一端面に接続され、復帰ばね18の他端は継鉄上板111に接続されている(図4参照)。
シャフト15は、非磁性材料からなる。シャフト15は、上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト15は、貫通孔83、貫通孔71、接圧ばね17の内側、貫通孔42、継鉄上板111の中央部に形成された貫通孔、固定子12の内側、及び復帰ばね18の内側を通って、その下端部が可動子13に固定されている。シャフト15の先端部には、第1ヨーク6が固定されている。
電磁石装置10aのシャフト15は、電磁石装置10aで発生した駆動力を、接点装置1aへ伝達する。電磁石装置10bのシャフト15は、電磁石装置10bで発生した駆動力を、接点装置1bへ伝達する。
コイルボビン19は、合成樹脂製であって励磁コイル14が巻き付けられている。
筒体16は、一端面が開口した有底円筒状に形成されている。筒体16の開口周部は、継鉄上板111に接合される。これにより、筒体16は、可動子13の移動方向を上下方向に制限し、かつ可動子13の非励磁位置を規定する。筒体16は、継鉄上板111の下面に気密接合されている。これにより、例えば、電磁石装置10aの継鉄上板111に貫通孔が形成されていても、接点装置1aの筐体4、フランジ5及び電磁石装置10aの継鉄上板111で囲まれた接点装置1aの内部空間の気密性を確保することができる。同様に、電磁石装置10bの継鉄上板111に貫通孔が形成されていても、接点装置1bの筐体4、フランジ5及び電磁石装置10bの継鉄上板111で囲まれた接点装置1bの内部空間の気密性を確保することができる。
この構成により、電磁石装置10aで発生した駆動力で電磁石装置10aの可動子13が上下方向に移動するのに伴い、接点装置1aの可動接触子8が上下方向に移動する。同様に、電磁石装置10bで発生した駆動力で電磁石装置10bの可動子13が上下方向に移動するのに伴い、接点装置1bの可動接触子8が上下方向に移動する。
(1.5)電気機器
次に電気機器A1の構成について、説明する。
本実施形態の電気機器A1は、電磁継電器モジュールM10と、ハウジングB1とを備える。つまり、電気機器A1は、接点装置1a,1bと、電磁石装置10a,10bと、ハウジングB1とを備える(図1参照)。
ハウジングB1は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。ハウジングB1は、第1筐体B2と第2筐体B3とを備える。
第1筐体B2は、左右方向よりも上下方向に長い中空の略直方体状に形成されている。第2筐体B3は、左右方向よりも上下方向に長い中空の略直方体状に形成されている。
第2筐体B3は、電磁継電器モジュールM10を収納する。第1筐体B2は、収納された電磁継電器モジュールM10を覆うように第2筐体B3と機械的に結合される。
第1筐体B2は、複数(ここでは、2つ)の固定部B5,B6を更に備え、第2筐体B3は複数のコネクタB30,B31を更に備えている(図1、図7参照)。
電気機器A1は、複数の固定部B5,B6にて取付対象に取り付けられる。電気機器A1は、複数のコネクタB30,B31にて接続対象と電気的に接続される。本実施形態では電磁継電器100a,100bが電気自動車に搭載される場合を想定しているので、電気機器A1は、複数の固定部B5,B6にて取付対象としての電気自動車の車体(フレーム等)に固定される。また、電気機器A1は、複数のコネクタB30,B31にて接続対象としての走行用のバッテリ及び負荷(例えば、インバータ)等と電気的に接続される。
端子口B11はコネクタB30に、端子口B14はコネクタB31に、それぞれ設けられている。同様に、端子口B12、B13についても対応するコネクタ(図示せず)に設けられている。バスバー21a,22a,21b,22bは、上述したように、対応する端子口に接続されるので、接点装置1a,1bは、走行用のバッテリ及び負荷(例えば、インバータ)等と電気的に接続される。
第2筐体B3は、空間B21と空間B22とを仕切るための仕切壁B20を有している(図2、図7参照)。電磁継電器100aは空間B21に収納され、電磁継電器100bは空間B22に収納される。仕切壁B20は、電気的絶縁性部材であり、電磁継電器100aと電磁継電器100bとの電気的絶縁性を高めることができる。
電磁継電器100aが第2筐体B3に収納されると、バスバー21a,22aのそれぞれについて、少なくとも一部は、仕切壁B20と接点装置1aのカバー50とで挟まれることで位置が規制される。電磁継電器100bが第2筐体B3に収納されると、バスバー21b,22bのそれぞれについて、少なくとも一部は、仕切壁B20と接点装置1bのカバー50とで挟まれることで位置が規制される。なお、仕切壁B20は、バスバー21a,22a,21b,22bを挟み込むことにより保持する構造であってもよい。ハウジングB1が、バスバー21a,22a,21b,22bを保持する構造は、挟み込む構造に限らず、圧入により保持であってもよいし、ねじ止め、かしめ結合又は接着等による保持であってもよい。
なお、電気機器A1は、収納する機器として電磁継電器100a,100bの他に、種々のセンサを備えていてもよい。センサは、例えば、電磁継電器100a,100b若しくはバスバー21a,22a,21b,22bを流れる電流、又は電磁継電器100a,100b若しくはハウジングB1の内部空間の温度等を計測するためのセンサである。
(2)動作
次に、上述した構成を備えた電磁継電器100a,100bの動作について簡単に説明する。電磁継電器100aの動作と、電磁継電器100bの動作とは同一の動作であるので、ここでは、電磁継電器100aの動作について説明する。
励磁コイル14に通電されていないとき(非通電時)には、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じないため、可動子13は、復帰ばね18のばね力によって非励磁位置に位置する。このとき、シャフト15は、下方に引き下げられている。可動接触子8は、シャフト15にて上方への移動が規制される。これにより、可動接触子8は、その可動範囲における下端位置である開位置に位置する。そのため、一対の可動接点81,82は一対の固定接点311,321から離れることになり、接点装置1aは開状態となる。この状態では、一対の固定端子31,32間は非導通である。
一方、励磁コイル14に通電されると、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じるため、可動子13は、復帰ばね18のばね力に抗して上方に引き寄せられ励磁位置に移動する。このとき、シャフト15が上方に押し上げられるため、可動接触子8は、シャフト15による上方への移動規制が解除される。そして、接圧ばね17が可動接触子8を上方に付勢することで、可動接触子8は、その可動範囲における上端位置である閉位置に移動する。そのため、一対の可動接点81,82が一対の固定接点311,321に接触することになり、接点装置1aは閉状態となる。この状態では、接点装置1aは閉状態にあるので、一対の固定端子31,32間は導通する。
このように、電磁石装置10aは、励磁コイル14の通電状態の切り替えにより可動子13に作用する吸引力を制御し、可動子13を上下方向に移動させることにより、接点装置1aの開状態と閉状態とを切り替えるための駆動力を発生する。
(3)利点
ここでは、上述した接点装置1aがバスバー22aを有すること、及び接点装置1bがバスバー22bを有することによる利点、並びに接点装置1a,1bが第1ヨーク6及び第2ヨーク7を有することによる利点について説明する。
接点装置1aがバスバー22aを有することによる利点について述べる。
接点装置1bの励磁コイル14に通電されると、上述したように、電磁石装置10bにおいて、可動子13が非励磁位置から励磁位置に移動する。このとき電磁石装置10bで発生する駆動力により、接点装置1bの可動接触子8は開位置から閉位置に移動する。これにより、接点装置1bは閉状態となる。接点装置1bが閉状態にあれば、接点装置1bの接圧ばね17により接点装置1bの可動接点81,82は接点装置1aの固定接点311,321に押し付けられた状態にある。
ところで、接点装置1bに電流I2が流れると、ローレンツ(Lorentz)力により、接点装置1bの可動接触子8には、当該可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向きの電磁反発力が作用することがある。電磁反発力は、通常時には接圧ばね17のばね力よりも小さいので、可動接触子8は、可動接点81,82を固定接点311,321に接触させた状態を維持する。ただし、接点装置1bに、例えば短絡電流等の非常に大きな(一例として6kA程度の)電流(異常電流)が流れた場合、可動接触子8に作用する電磁反発力が接圧ばね17のばね力を上回る可能性がある。本実施形態では、このような電磁反発力への対策として、まず接点装置1aのバスバー22aに流れる電流I1を利用する。
本実施形態において、バスバー22aの電路片221において電流I1が流れる向きは、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きと同じである。そのため、接点装置1bに、例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合、電路片221と接点装置1bの可動接触子8との間では、吸引力F1,F2が発生する(図8参照)。本開示でいう「吸引力F1,F2」は、接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間で相互に作用する力のうち、互いに引き合う向きの力である。吸引力F1は、ローレンツ力によって電路片221を流れる電流I1が受ける力である。吸引力F2は、ローレンツ力によって、接点装置1bの可動接触子8を流れる電流I2が受ける力である。なお、図8では、接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間に発生する吸引力F1,F2を説明する都合上、接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
本実施形態では、電路片221は接点装置1aの固定端子32に固定されているので、接点装置1aの筐体4に対して相対的に移動しない。一方、接点装置1bの可動接触子8は、接点装置1bの筐体4に対して、上下方向に移動可能である。そのため、吸引力F2が接点装置1bの可動接触子8に加わる。その結果、接点装置1bの可動接点81,82を接点装置1bの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、接点装置1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1bの可動接点81,82と接点装置1bの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
次に、接点装置1bがバスバー22bを有することによる利点について述べる。
接点装置1aにおいて電流I1が流れると、接点装置1bにおいて電流I2が流れる場合と同様に、ローレンツ力により、接点装置1aの可動接触子8には、当該可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向きの電磁反発力が作用することがある。本実施形態では、接点装置1aで発生する電磁反発力への対策として、接点装置1bのバスバー22bに流れる電流I2を利用する。
本実施形態において、バスバー22bの電路片241において電流I2が流れる向きは、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと同じである。そのため、接点装置1aに、例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合、電路片241と接点装置1aの可動接触子8との間では、吸引力F3,F4が発生する(図9参照)。吸引力F3は、ローレンツ力によって電路片241を流れる電流I2が受ける力である。吸引力F4は、ローレンツ力によって、接点装置1aの可動接触子8を流れる電流I1が受ける力である。なお、図9では、接点装置1aの可動接触子8と電路片241との間に発生する吸引力F3,F4を説明する都合上、接点装置1aの一部の構成要素を省略している。
本実施形態では、電路片241は接点装置1bの固定端子32に固定されているので、接点装置1bの筐体4に対して相対的に移動しない。一方、接点装置1aの可動接触子8は、接点装置1aの筐体4に対して、上下方向に移動可能である。そのため、吸引力F4が接点装置1aの可動接触子8に加わる。その結果、接点装置1aの可動接点81,82を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、接点装置1aに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1aの可動接点81,82と接点装置1aの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。接点装置1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1bの可動接点81,82と接点装置1bの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。具体例として、接点装置1aと接点装置1bとが直流の電源ラインに直列に接続されているとする。接点装置1aと接点装置1bは負荷を介して直列に接続されていてもよい。接点装置1aと接点装置1bに短絡電流が流れる場合、接点装置1aの電路片221の電流により生じた磁界は、接点装置1bの固定接点311,321と可動接触子8との間で生じる電磁反発力を抑制するように作用する。一方、接点装置1bの電路片241の電流により生じた磁界は、接点装置1bの固定接点311,321と可動接触子8との間で生じる電磁反発力を抑制するように作用する。その結果、接点装置1aは接点装置1bの電気的接続状態を安定化し、接点装置1bは接点装置1aの電気的接続状態を安定化することができる。
さらに、本実施形態では、第1ヨーク6及び第2ヨーク7もまた、電磁反発力への対策となる。
接点装置1aの可動接触子8に電流I1が流れる場合、接点装置1aの第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。接点装置1aの第1ヨーク6はシャフト15の先端部(上端部)に固定されているので、可動子13が励磁位置にあれば、上記吸引力によって、第2ヨーク7が第1ヨーク6に向けて引き寄せられることになる。第2ヨーク7が引き寄せられることによって、接点装置1aの可動接触子8を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
同様に、接点装置1bの可動接触子8に電流I2が流れる場合、接点装置1bの第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。その結果、接点装置1aの可動接触子8を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、本実施形態に係る接点装置1a,1bでは、第1ヨーク6及び第2ヨーク7を備えることにより、接点装置1a,1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、可動接点81,82と固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとを同一となるように、接点装置1aと接点装置1bとを配置している(図6参照)。そのため、接点装置1aがバスバー22aを有すること、及び接点装置1bがバスバー22bを有することによる利点で述べたように、接点装置1aの可動接触子8と接点装置1bの可動接触子8との間でも吸引力が発生する。接点装置1bの可動接触子8に電流I2が流れることで、接点装置1aの可動接触子8において、接点装置1aの可動接点81,82を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。接点装置1aの可動接触子8に電流I1が流れることで、接点装置1bの可動接触子8において、接点装置1bの可動接点81,82を接点装置1bの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
(4)変形例
バスバー21aの電路片211は、電流I1の流れる向きが接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きと同じ向きとなる電路片を含んでもよい。これにより、バスバー21aに流れる電流I1に起因するローレンツ力を可動接触子8に吸引力F2として作用させることができる。
同様に、バスバー21bの電路片231は、電流I2の流れる向きが接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと同じ向きとなる電路片を含んでもよい。これにより、バスバー21bに流れる電流I2に起因するローレンツ力を可動接触子8に吸引力F2として作用させることができる。
バスバー22aの電路片221は、インサート形成されてもよい。同様にバスバー22bの電路片241は、インサート形成されてもよい。これにより、接点装置1aと接点装置1bとの距離を短くすることができる。
電路片221、241の形状は、上下方向にジグザグした形状、波型の形状等であってもよいし、左右方向にジグザグした形状、波型の形状等であってもよい。このような形状の電路片も、本開示では、“可動接触子に流れる電流の方向に沿って延びている”の概念に含める。
接点装置1a,1bは、接点装置1a,1bの左右方向から見た場合に、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが重なるように、配置されてもよい。この場合、電路片221の一部と接点装置1bの可動接触子8との間に接点装置1bの固定接点311,321が配置されるように、電路片221に対して曲げ加工を施す(図10参照)。同様に、電路片241の一部と接点装置1aの可動接触子8との間に接点装置1aの固定接点311,321が配置されるように、電路片241に対して曲げ加工を施す(図10参照)。なお、図10では、説明の都合上、接点装置1a及び接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
上記実施形態において、接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片221との間、及び接点装置1aと電路片241との間の双方で、吸引力を発生させる構成としたが、この構成に限定されない。接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片221との間、及び接点装置1aと電路片241との間のうち一方で吸引力を発生させる構成であってもよい。つまり、接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片221との間、及び接点装置1aと電路片241との間のうち少なくとも一方で吸引力を発生させる構成であればよい。
上記実施形態において、電路片221と電路片241との間に、接点装置1aの可動接触子8及び接点装置1bの可動接触子8のそれぞれに流れる電流に沿って延びる別の電路片(別のバスバー)を設けてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る電磁継電器モジュールM10が備える接点装置モジュールM1(接点装置1a,1b)では、電路片221,241の配置が、実施形態1とは異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態において、接点装置1aと接点装置1bとは、接点装置1aの可動接触子8が開位置から閉位置に向う方向と、接点装置1bの可動接触子が開位置から閉位置に向う方向とが互いに反対方向となるように配置されている(図11参照)。なお、図11では、説明の都合上、接点装置1a及び接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
本実施形態のバスバー21aの一端部は、例えば接点装置1aの固定端子31に電気的に接続される。バスバー21aの他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22aの一端部は、例えば接点装置1bの固定端子32に電気的に接続される。バスバー22aの他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。この接続形態によると、電流I1は、バスバー21a、接点装置1aの固定端子31、接点装置1aの可動接触子8、接点装置1aの固定端子32、バスバー22aの順に流れる。
本実施形態のバスバー21bの一端部は、例えば接点装置1bの固定端子31に電気的に接続される。バスバー21bの他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22bの一端部は、例えば接点装置1bの固定端子32に電気的に接続される。バスバー22bの他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。この接続形態によると、電流I2は、バスバー21b、接点装置1bの固定端子31、接点装置1bの可動接触子8、接点装置1bの固定端子32、バスバー22bの順に流れる。
本実施形態のバスバー22a,22bは、実施形態1とはその形状が異なる。
本実施形態のバスバー22aは、電路片401〜404を有する。電路片401は、接点装置1aの固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片401の一端部は、接点装置1aの固定端子31とかしめ結合されている。電路片402は、電路片401と連結し、下方に延在している。電路片403は、電路片402と連結し、前方に延在している。電路片404は、電路片403と連結し、右方向に延在している。
電路片404は、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びている(図11参照)。
電路片404は、接点装置1bの可動接触子8が閉位置に位置する場合に、接点装置1bの可動接触子8の移動方向において、接点装置1bの可動接触子8に対して接点装置1bの固定接点311,321と反対側に位置するように配置されている(図11参照)。
電路片404は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、少なくとも接点装置1bの固定接点311と接点装置1bの固定接点321との間に配置されている。より詳細には、電路片404は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1bの可動接触子8の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している(図11参照)。
バスバー22bは、電路片411〜414を含んでいる。電路片411は、接点装置1bの固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片411の一端部は、接点装置1bの固定端子31とかしめ結合されている。電路片412は、電路片411と連結し、上方に延在している。電路片413は、電路片412と連結し、前方に延在している。電路片414は、電路片413と連結し、左方向に延在している。
電路片414は、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びている(図11参照)。
電路片414は、接点装置1aの可動接触子8が閉位置に位置する場合に、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの可動接触子8に対して接点装置1aの固定接点311,321と反対側に位置するように配置されている(図11参照)。
電路片414は、接点装置1bの可動接触子8の移動方向から見て、少なくとも接点装置1aの固定接点311と接点装置1bの固定接点321との間に配置されている。より詳細には、電路片414は、接点装置1aの可動接触子8の移動方向から見て、接点装置1aの可動接触子8の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している(図11参照)。
本実施形態では、接点装置1aにおいては固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I1が流れ、接点装置1bにおいては固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I2が流れる場合を想定する。このとき、電流I1は、バスバー21a、接点装置1aの固定端子31、接点装置1aの可動接触子8、接点装置1aの固定端子32、電路片401、電路片402、電路片403、電路片404の順に流れる(図11参照)。電流I2は、バスバー21b、接点装置1bの固定端子31、接点装置1bの可動接触子8、接点装置1bの固定端子32、電路片411、電路片412、電路片413、電路片414の順に流れる(図11参照)。この構成により、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとは、反対の向きになる。
電路片404において電流I1が流れる向きは、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きと反対の向きである(図11参照)。電路片414において電流I2が流れる向きは、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと反対の向きである(図11参照)。
本実施形態において、接点装置1bに電流I2が流れると、ローレンツ力により、接点装置1bの可動接触子8には、当該可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向きの電磁反発力が作用することがある。接点装置1bに、例えば短絡電流等の非常に大きな(一例として6kA程度の)電流(異常電流)が流れた場合、可動接触子8に作用する電磁反発力が接圧ばね17のばね力を上回る可能性がある。本実施形態では、このような電磁反発力への対策として、接点装置1aのバスバー22aに流れる電流I1を利用する。
本実施形態において、バスバー22aの電路片404において電流I1が流れる向きは、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きと反対である。そのため、接点装置1bに、例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合、電路片404と接点装置1bの可動接触子8との間では、斥力F11,F12が発生する(図12参照)。「斥力F11,F12」は、接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間で相互に作用する力のうち、互いに離れる向きの力である。斥力F11は、ローレンツ力によって電路片404を流れる電流I1が受ける力である。斥力F12は、ローレンツ力によって、接点装置1bの可動接触子8を流れる電流I2が受ける力である。なお、図12では、接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間に発生する斥力F11,F12を説明する都合上、接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
本実施形態では、電路片221は接点装置1aの固定端子32に固定されているので、接点装置1aの筐体4に対して相対的に移動しない。一方、接点装置1bの可動接触子8は、接点装置1bの筐体4に対して、上下方向に移動可能である。そのため、斥力F12における上下方向の力成分F21と前後方向の力成分F22とのうち力成分F21が可動接触子8に加わる(図12参照)。その結果、接点装置1bの可動接点81,82を接点装置1bの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、接点装置1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1bの可動接点81,82と接点装置1bの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
また、接点装置1aにおいて電流I1が流れると、接点装置1bにおいて電流I2が流れる場合と同様に、ローレンツ力により、接点装置1aの可動接触子8には、当該可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向きの電磁反発力が作用することがある。本実施形態では、接点装置1aで発生する電磁反発力への対策として、接点装置1bのバスバー22bに流れる電流I2を利用する。
本実施形態において、バスバー22bの電路片414において電流I2が流れる向きは、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと反対である。そのため、接点装置1aに、例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合、電路片414と接点装置1aの可動接触子8との間では、斥力F13,F14が発生する(図13参照)。斥力F13は、ローレンツ力によって電路片414を流れる電流I2が受ける力である。斥力F14は、ローレンツ力によって、接点装置1aの可動接触子8を流れる電流I1が受ける力である。なお、図13では、接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間に発生する斥力F13,F14を説明する都合上、接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
本実施形態では、電路片241は接点装置1bの固定端子32に固定されているので、接点装置1bの筐体4に対して相対的に移動しない。一方、接点装置1aの可動接触子8は、接点装置1aの筐体4に対して、上下方向に移動可能である。そのため、斥力F14における上下方向の力成分F31と前後方向の力成分F32とのうち力成分F31が可動接触子8に加わる(図13参照)。その結果、接点装置1aの可動接点81,82を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、接点装置1aに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1aの可動接点81,82と接点装置1aの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。また、接点装置1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1bの可動接点81,82と接点装置1bの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
本実施形態において、接点装置1a,1bの前後方向から及び左右方向からそれぞれ見て、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが、重ならないように接点装置1aと接点装置1bとは配置され、かつ接点装置1aの可動接触子8と接点装置1bの可動接触子8との間に、接点装置1a,1bのそれぞれの固定接点311,321が配置されてもよい。つまり、本実施形態の接点装置1a,1bは、図10に示すような配置であってもよい。
また、接点装置1a,1bの前後方向から及び左右方向からそれぞれ見て、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが、重ならないように接点装置1aと接点装置1bとは配置され、かつ接点装置1aの固定接点311、321と接点装置1bの固定接点311、321との間に、接点装置1a,1bのそれぞれの可動接触子8が配置されてもよい。つまり、本実施形態の接点装置1a,1bは、図11に示すような配置であってもよい。
上記実施形態において、接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片404との間、及び接点装置1aと電路片414との間の双方で、斥力を発生させる構成としたが、この構成に限定されない。接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片404との間、及び接点装置1aと電路片414との間のうち一方で斥力を発生させる構成であってもよい。つまり、接点装置モジュールM1は、接点装置1bと電路片404との間、及び接点装置1aと電路片414との間のうち少なくとも一方で斥力を発生させる構成であればよい。
(実施形態3)
本実施形態に係る電磁継電器モジュールM10が備える接点装置1a,1bでは、バスバー21a,21bの配置が、実施形態1とは異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の接点装置1a,1bは、実施形態1と同様に、接点装置1aの可動接触子8が開位置から閉位置に向う方向と、接点装置1bの可動接触子が開位置から閉位置に向う方向とが互いに反対方向となるように配置されている(図14参照)。接点装置1a,1bの前後方向からおよび左右方向からそれぞれ見て、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において、接点装置1aの固定端子31,32と、接点装置1bの固定端子31,32とが重ならないように、接点装置1aと接点装置1bとは配置されている。さらに、接点装置1a,1bの前後方向から及び左右方向からそれぞれ見て、接点装置1aの可動接触子8と接点装置1bの可動接触子8との間に、接点装置1a,1bのそれぞれの固定接点311,321が配置されている。なお、図14では、説明の都合上、接点装置1a及び接点装置1bの一部の構成要素を省略している。
本実施形態の接点装置1aのバスバー21aは、接点装置1bの可動接触子8の閉位置に対して、接点装置1bの可動接触子8の移動方向において接点装置1bの固定接点311,321とは反対側に配置され、かつ接点装置1bの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びる電路片450を有している。
本実施形態の接点装置1bのバスバー22bは、接点装置1aの可動接触子8の閉位置に対して、接点装置1aの可動接触子8の移動方向において接点装置1aの固定接点311,321とは反対側に配置され、かつ接点装置1aの可動接触子8に流れる電流の方向に沿って延びる電路片460を有している。
本実施形態では、電流I1は、接点装置1aの固定端子31に入力され、接点装置1aの固定端子32から出力される。電流I2は、接点装置1bの固定端子32に入力され、接点装置1aの固定端子31から出力される。
この場合、電路片221に流れる電流I1の向きと、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとは同じになる。電路片241に流れる電流I2の向きと、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きとは同じになる。一方、電路片450に流れる電流I1の向きと、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとは反対になる。電路片460に流れる電流I2の向きと、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流I1の向きとは反対になる。
そのため、接点装置1aの可動接触子8と電路片241との間、及び接点装置1bの可動接触子8と電路片221との間では、実施形態1で説明したように、吸引力が発生する。さらに、接点装置1aの可動接触子8と電路片460との間、及び接点装置1bの可動接触子8と電路片450との間では、実施形態2で説明したように、斥力が発生する。
その結果、接点装置1aの可動接触子8では、電路片241との間で発生する吸引力と、電路片460との間で発生する斥力とによって、接点装置1aの可動接点81,82を接点装置1aの固定接点311,321に押し付ける力が増す。接点装置1bの可動接触子8では、電路片221との間で発生する吸引力と、電路片450との間で発生する斥力とによって、接点装置1bの可動接点81,82を接点装置1bの固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、接点装置1aに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1aの可動接点81,82と接点装置1aの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。また、接点装置1bに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1bの可動接点81,82と接点装置1bの固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
(その他の変形例)
以下に、その他の変形例について列記する。以下に説明する変形例は、上記各実施形態(各実施形態の変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
各実施形態において、電磁継電器100a,100bは、励磁コイル14に通電されていないときには、可動接触子8が開位置に位置する、いわゆるノーマリオフタイプの電磁継電器としたが、ノーマリオンタイプの電磁継電器であってもよい。
各実施形態において、接点装置1a,1bの可動接触子8に保持される可動接点の数は2つであるが、この構成に限定されない。可動接触子8に保持される可動接点の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。同様に、接点装置1a,1bの固定端子(及び固定接点)の数も2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。
各実施形態に係る電磁継電器100a,100bは、ホルダ無タイプの電磁継電器であるが、この構成に限らず、ホルダ付タイプの電磁継電器であってもよい。ここで、ホルダは、例えば左右方向の両面が開口した矩形筒状であって、可動接触子8がホルダを左右方向に貫通するように、ホルダが可動接触子8と組み合わされる。ホルダの下壁と可動接触子8との間に接圧ばね17が配置される。つまり、可動接触子8の左右方向の中央部がホルダにて保持される。ホルダにはシャフト15の上端部が固定されている。励磁コイル14に通電されると、シャフト15が上方に押し上げられるため、ホルダが上方へ移動する。この移動に伴って、可動接触子8は、上方へ移動し、一対の可動接点81,82を一対の固定接点311,321に接触する閉位置に位置させる。
電磁石装置10aは、接点装置1aの可動接触子8に移動方向において、接点装置1aの可動接触子8に対して接点装置1aの固定接点311,321が存在する側と同一側に位置してもよい。電磁石装置10bは、接点装置1bの可動接触子8に移動方向において、接点装置1bの可動接触子8に対して接点装置1bの固定接点311,321が存在する側と同一側に位置してもよい。この場合、例えば、各実施形態において前述された接点装置1a、1bの可動接触子8の電流方向に対して、接点装置1aの可動接触子8に流れる電流方向を同一とし、接点装置1bの可動接触子8に流れる電流方向を反対にすればよい。
接点装置1aと接点装置1bとは、接点装置1aの可動接触子8が開位置から閉位置に向う方向と、接点装置1bの可動接触子が開位置から閉位置に向う方向とが互いに同じ方向となるように配置してもよい。
各実施形態の接点装置1a,1bは、プランジャタイプの接点装置としたが、ヒンジタイプの接点装置であってもよい。
各実施形態のバスバーは、固定端子31,32にかしめ結合されることで固定端子31,32と機械的に接続されるとしたが、ねじ止めにより固定端子31,32と機械的に接続されてもよい。
各実施形態では、接点装置1aの固定端子31と固定端子32とは、接点装置1bの固定端子31と固定端子32とが並ぶ向きに沿って並ぶように配置されている構成としたが、この構成に限定されない。接点装置1aの固定端子31と固定端子32とは、接点装置1bの固定端子31と固定端子32とが並ぶ向きとは異なる向きに並ぶように配置されてもよい。例えば、接点装置1aの固定端子31と固定端子32とは、接点装置1bの固定端子31と固定端子32とが並ぶ向きに直交する向きに配置されてもよい。
各実施形態の接点装置において、ヨーク、消弧用磁石及びカプセルヨークは必須の構成ではない。
各実施形態では、バスバー21a,21b,22a,22bのそれぞれは、金属板に折り曲げ加工を施すことで一体形成される構成としたが、この構成に限定されない。複数の金属板をねじ止め又は溶接等によって結合することで、バスバー21a,21b,22a,22bを形成してもよい。または、バスバー21a,21b,22a,22bの一部においてヒューズ等の部品が介在してもよい。これらの場合においても、バスバー21a,22aは、接点装置1aに、バスバー21b,22bは接点装置1bに、それぞれ電気的に接続されているという概念に含める。
各実施形態では、接点装置1a,1bは、第1ヨーク6及び第2ヨーク7の双方を可動ヨークとして備える構成としたが、この構成に限定されない。接点装置1a,1bは、第1ヨーク6及び第2ヨーク7のうち一方を備える構成であってもよい。要は、接点装置1a,1bは、第1ヨーク6及び第2ヨーク7のうち少なくとも一方を可動ヨークとして備える。つまり、接点装置1aが備える可動ヨークは、接点装置1aの可動接触子8に対して接点装置1aの固定接点311,321と同一側、及び接点装置1aの固定接点311,321とは反対側の少なくとも一方に配置される。接点装置1bが備える可動ヨークは、接点装置1bの可動接触子8に対して接点装置1bの固定接点311,321と同一側、及び接点装置1bの固定接点311,321とは反対側の少なくとも一方に配置される。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の接点装置モジュール(M1)は、第1接点装置(例えば接点装置1a)及び第2接点装置(例えば接点装置1b)と、少なくとも第1接点装置に電気的に接続されたバスバー(例えば、バスバー22a)と、を備える。第1接点装置及び第2接点装置のそれぞれは、第1固定接点(例えば固定接点321)を有する第1固定端子(例えば固定端子32)と、第2固定接点(例えば固定接点311)を有する第2固定端子(例えば固定端子31)と、可動接触子(8)と、を備える。可動接触子(8)は、第1固定接点及び第2固定接点に接触する閉位置と第1固定接点及び第2固定接点から離れる開位置との間で移動する。バスバーは、第1接点装置が備える第1固定端子及び第2固定端子のうち一方の固定端子に接続されている。第2接点装置が備える可動接触子(8)に流れる電流の方向に沿って延びる電路片(例えば、電路片221又は電路片404)を有する。
この構成によると、第1接点装置のバスバーは、第2接点装置が備える可動接触子(8)に流れる電流の方向に沿って延びる電路片を有しているので、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第2の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1の態様において、電路片は、第2接点装置の可動接触子(8)が閉位置に位置する場合に、第2接点装置の可動接触子(8)の移動方向において、第2接点装置の可動接触子(8)に対して第2接点装置の第1固定接点及び第2固定接点と同一側に位置する。
この構成によると、接点装置モジュール(M1)は,第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第3の態様の接点装置モジュール(M1)では、第2の態様において、電路片は、第2接点装置の可動接触子(8)の移動方向から見て、少なくとも第2接点装置の第1固定接点と第2接点装置の第2固定接点との間に配置されている。
この構成によると、電路片は、第2接点装置の可動接触子(8)の移動方向から見て、少なくとも第2接点装置の第1固定接点と第2接点装置の第2固定接点との間に配置されているので、電路片に流れる電流によって生じる力を第2接点装置の可動接触子(8)に確実に作用させることができる。
第4の態様の接点装置モジュール(M1)では、第2又は第3の態様において、電路片に流れる電流の向きは、第2接点装置の可動接触子(8)に流れる電流と同じ向きである。
この構成によると、電路片と第2接点装置の可動接触子(8)との間で吸引力が発生するので、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第5の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1の態様において、電路片は、第2接点装置の可動接触子(8)が閉位置に位置する場合に、第2接点装置の可動接触子(8)の移動方向において、第2接点装置の可動接触子(8)に対して第2接点装置の第1固定接点及び第2固定接点と反対側に位置する。
この構成によると、接点装置モジュール(M1)は,第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第6の態様の接点装置モジュール(M1)では、第5の態様において、電路片に流れる電流(例えば電流I1)の向きは、第2接点装置の可動接触子(8)に流れる電流(例えば電流I2)と反対向きである。
この構成によると、電路片と第2接点装置の可動接触子(8)との間で斥力が発生する。当該斥力が発生することにより第2接点装置の可動接触子(8)が第2接点装置の第1固定接点及び第2固定接点を押し付ける力が増す。そのため、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第7の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1〜第6のいずれかの態様において、第1接点装置の可動接触子(8)に流れる電流(例えば電流I1)の向きは、第2接点装置の可動接触子(8)に流れる電流(例えば電流I2)の向きと同じ向きである。
この構成によると、第1接点装置の可動接触子(8)と第2接点装置の可動接触子(8)との間で吸引力が発生するので、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第8の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1〜第7のいずれかの態様において、第1接点装置と第2接点装置とは、第1接点装置の可動接触子(8)が開位置から閉位置に向う方向と、第2接点装置の可動接触子(8)が開位置から閉位置に向う方向とが互いに反対方向となるように配置されている。
この構成によると、第1接点装置の可動接触子(8)の移動方向において接点装置モジュール(M1)のコンパクト化を図ることができる。
第9の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1〜第8のいずれかの態様において、第1接点装置の可動接触子(8)の移動方向、及び第1接点装置の第1固定接点と第2固定接点との並び方向の双方と直交する方向から見て、第1接点装置の可動接触子(8)の移動方向において、第1接点装置の第1固定端子及び第2固定端子と、第2接点装置の第1固定端子及び第2固定端子とが、重複しないように第1接点装置と第2接点装置とは配置されている。
この構成によると、第1接点装置の可動接触子(8)の移動方向、及び第1接点装置の第1固定接点と第2固定接点との並び方向の双方と直交する方向における接点装置モジュール(M1)のコンパクト化を図ることができる。
第10の態様の接点装置モジュール(M1)では、第8又は第9の態様において、第1接点装置の第1固定端子と第2固定端子とは、第2接点装置の第1固定端子と第2固定端子とが並ぶ向きに沿って並ぶように配置されている。
この構成によると、第2接点装置の第1固定端子と第2固定端子とが並ぶ向きに第1接点装置の第1固定端子と第2固定端子とが並ぶ向きが直交する場合と比較して、第1接点装置の可動接触子(8)の移動方向、及び第1接点装置の第1固定接点と第2固定接点との並び方向の双方と直交する方向において、接点装置モジュール(M1)をコンパクト化することができる。
第11の態様の接点装置モジュール(M1)では、第10の態様において、電路片は、第2接点装置の可動接触子の移動方向から見て、第2接点装置の可動接触子の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している。
この構成によると、電路片は、電路片に流れる電流によって生じる力を第2接点装置の可動接触子(8)に確実に作用させることができる。
第12の態様の接点装置モジュール(M1)は、第1〜第11のいずれかの態様において、第1接点装置に電気的に接続された別のバスバー(例えば、バスバー21a)を、さらに備える。バスバー(例えばバスバー22a)は、第1接点装置の第1固定端子に接続されている。別のバスバーは、第1接点装置の第2固定端子に接続され、第2接点装置の可動接触子8)に流れる電流(例えば電流I2)の方向に沿って延びる別の電路片(例えば、電路片450)を有する。
この構成によると、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、バスバー及び別のバスバーのそれぞれに電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第13の態様の接点装置モジュール(M1)では、第1〜第12のいずれかの態様において、第1接点装置は、第1接点装置の第1固定接点及び第2固定接点に対して相対的に移動する可動ヨーク(例えば、第1ヨーク6、第2ヨーク7)を、さらに備える。可動ヨークは、第1接点装置の可動接触子(8)に対して第1固定接点と第2固定接点と同一側、及び第1固定接点と第2固定接点とは反対側の少なくとも一方に配置されている。
この構成によると、第1接点装置の可動ヨークに発生する磁束を用いることで、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第14の態様の電磁継電器モジュール(M10)は、第1電磁継電器(例えば電磁継電器100a)と、第2電磁継電器(例えば電磁継電器100b)と、を備える。第1電磁継電器は、第1〜第13のいずれかの態様の接点装置モジュール(M1)が備える第1接点装置(例えば、接点装置1a)、及び第1接点装置の可動接触子(8)を移動させる第1電磁石装置(例えば電磁石装置10a)を有する。第2電磁継電器は、接点装置モジュール(M1)が備える第2接点装置(例えば、接点装置1b)、及び第2接点装置の可動接触子(8)を移動させる第2電磁石装置(例えば、電磁石装置10b)を有する。
この構成によると、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第15の態様の電気機器(A1)は、第1〜第13のいずれかの態様の接点装置モジュール(M1)と、接点装置モジュール(M1)の第1接点装置(例えば接点装置1a)及び第2接点装置(例えば接点装置1b)を保持するハウジング(B1)とを備える。
この構成によると、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第16の態様の電気機器(A1)は、第14の態様の電磁継電器モジュール(M10)と、電磁継電器モジュール(M10)の第1電磁継電器(例えば、電磁継電器100a)及び第2電磁継電器(例えば、電磁継電器100b)を保持するハウジング(B1)とを備える。
この構成によると、第2接点装置に異常電流が流れた場合であっても、電路片に流れる電流を利用して第2接点装置の可動接触子(8)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第17の態様の電気機器(A1)では、第15又は第16の態様において、バスバーに電気的に接続され、ハウジング(B1)に設けられたコネクタ(例えば、コネクタB30,B31)を、さらに備える。
この構成によると、バスバーは、コネクタを介して、例えばバッテリ等の電源又は負荷への接続を簡単に行うことができる。
1a,1b 接点装置
6 第1ヨーク(可動ヨーク)
7 第2ヨーク(可動ヨーク)
8 可動接触子
10a,10b 電磁石装置
21a,21b,22a,22b バスバー
31 固定端子(第2固定端子)
32 固定端子(第1固定端子)
100a,100b 電磁継電器
211,212,213,221,222,223,231,232,233,241,242,243,401,402,403,404,411,412,413,414,450,460 電路片
311 固定接点(第2固定接点)
321 固定接点(第1固定接点)
A1 電気機器
B1 ハウジング
M1 接点装置モジュール
M10 電磁継電器モジュール
I1,I2 電流

Claims (17)

  1. 第1接点装置及び第2接点装置と、
    少なくとも前記第1接点装置に電気的に接続されたバスバーと、を備え、
    前記第1接点装置及び前記第2接点装置のそれぞれは、
    第1固定接点を有する第1固定端子と、第2固定接点を有する第2固定端子と、前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触する閉位置と前記第1固定接点及び前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、を備え、
    前記バスバーは、
    前記第1接点装置が備える前記第1固定端子及び前記第2固定端子のうち一方の固定端子に接続されており、
    前記第2接点装置が備える前記可動接触子に流れる電流の方向に沿って延びる電路片を有する
    ことを特徴とする接点装置モジュール。
  2. 前記電路片は、
    前記第2接点装置の前記可動接触子が前記閉位置に位置する場合に、前記第2接点装置の前記可動接触子の移動方向において、前記第2接点装置の前記可動接触子に対して前記第2接点装置の前記第1固定接点及び前記第2固定接点と同一側に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の接点装置モジュール。
  3. 前記電路片は、
    前記第2接点装置の前記可動接触子の移動方向から見て、少なくとも前記第2接点装置の前記第1固定接点と前記第2接点装置の前記第2固定接点との間に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の接点装置モジュール。
  4. 前記電路片に流れる電流の向きは、前記第2接点装置の前記可動接触子に流れる電流と同じ向きである
    こと特徴とする請求項2又は3に記載の接点装置モジュール。
  5. 前記電路片は、
    前記第2接点装置の前記可動接触子が前記閉位置に位置する場合に、前記第2接点装置の前記可動接触子の移動方向において、前記第2接点装置の前記可動接触子に対して前記第2接点装置の前記第1固定接点及び前記第2固定接点と反対側に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の接点装置モジュール。
  6. 前記電路片に流れる電流の向きは、前記第2接点装置の前記可動接触子に流れる電流と反対向きである
    こと特徴とする請求項5に記載の接点装置モジュール。
  7. 前記第1接点装置の前記可動接触子に流れる電流の向きは、前記第2接点装置の前記可動接触子に流れる電流の向きと同じ向きである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の接点装置モジュール。
  8. 前記第1接点装置と前記第2接点装置とは、
    前記第1接点装置の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置に向う方向と、前記第2接点装置の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置に向う方向とが互いに反対方向となるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の接点装置モジュール。
  9. 前記第1接点装置の前記可動接触子の移動方向、及び前記第1接点装置の前記第1固定接点と前記第2固定接点との並び方向の双方と直交する方向から見て、
    前記第1接点装置の前記可動接触子の移動方向において、前記第1接点装置の前記第1固定端子及び前記第2固定端子と、前記第2接点装置の前記第1固定端子及び前記第2固定端子とが、重複しないように前記第1接点装置と前記第2接点装置とは配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の接点装置モジュール。
  10. 前記第1接点装置の前記第1固定端子と前記第2固定端子とは、
    前記第2接点装置の前記第1固定端子と前記第2固定端子とが並ぶ向きに沿って並ぶように配置されている
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の接点装置モジュール。
  11. 前記電路片は、
    前記第2接点装置の前記可動接触子の移動方向から見て、前記第2接点装置の前記可動接触子の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の外側に延在している
    ことを特徴とする請求項10に記載の接点装置モジュール。
  12. 前記第1接点装置に電気的に接続された別のバスバーを、さらに備え、
    前記バスバーは、前記第1接点装置の前記第1固定端子に接続されており、
    前記別のバスバーは、前記第1接点装置の前記第2固定端子に接続され、前記第2接点装置の前記可動接触子に流れる電流の方向に沿って延びる別の電路片を有する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の接点装置モジュール。
  13. 前記第1接点装置は、
    前記第1接点装置の前記第1固定接点及び前記第2固定接点に対して相対的に移動する可動ヨークを、さらに備え、
    前記可動ヨークは、前記第1接点装置の可動接触子に対して前記第1固定接点と前記第2固定接点と同一側、及び前記第1固定接点と前記第2固定接点とは反対側の少なくとも一方に配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の接点装置モジュール。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の接点装置モジュールが備える前記第1接点装置、及び前記第1接点装置の前記可動接触子を移動させる第1電磁石装置を有する第1電磁継電器と、
    前記接点装置モジュールが備える前記第2接点装置、及び前記第2接点装置の前記可動接触子を移動させる第2電磁石装置を有する第2電磁継電器と、を備える
    ことを特徴とする電磁継電器モジュール。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の接点装置モジュールと、
    前記接点装置モジュールの第1接点装置及び第2接点装置を保持するハウジングとを備える
    ことを特徴とする電気機器。
  16. 請求項14に記載の電磁継電器モジュールと、
    前記電磁継電器モジュールの第1電磁継電器及び第2電磁継電器を保持するハウジングとを備える
    ことを特徴とする電気機器。
  17. 前記バスバーに電気的に接続され、前記ハウジングに設けられたコネクタを、さらに備える
    ことを特徴とする請求項15又は16に記載の電気機器。
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