JPWO2019138575A1 - Mri装置用電子ファントム及びその制御方法 - Google Patents

Mri装置用電子ファントム及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムである。MRI装置により印加される高周波磁場を受信して検出する受信コイルと、MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を検出する非シールド型三軸勾配磁場コイルと、受信コイルで検出された高周波磁場と、非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力するMRIシミュレータと、MRIシミュレータから出力されたMRI疑似信号に基づく高周波磁場信号をMRI装置に送信する送信コイルとを有する。MRI装置の更なる安定性や、メーカーの枠を超えたデータの定量性・互換性を確保するのに適している。

Description

本発明はMRI装置用電子ファントム及びその制御方法に関する。
NMR/MRI計測の基準となる標準試料はファントムと呼ばれる。通常は、密封した容器に様々な物質を内包させて、人体の内部組成や構造を模擬した基準ファントムとする。
基準ファントムとしては、例えば、密閉した容器内に脂肪プロトンと水プロトンが1:1の割合で含まれたファントム(特許文献1参照)や、密閉した容器内に放射性同位体及び水素原子核を内在するファントム(特許文献2参照)、長方形容器内に、アクリル板を格子状に組み合わせた格子部を設け、塩化ニッケル水溶液で満たしたファントム(特許文献3参照)等が知られている。近年では、DWI(Diffusion Weighted Imaging)や、MRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)、CEST(Chemical Exchange Saturation Transfer)に対応したファントムもある。
このような基準ファントムをNMR/MRI装置の検出器内において被検体とする。基準ファントムを計測し、信号値あるいは被写体サイズを数値化することで、NMR/MRI装置の状態を知ることが可能であり、NMR/MRI装置の出荷検査や定期検査に用いられる。
特開2010−051335号公報 特開2013−240585号公報 特開2009−195481号公報
従来の基準ファントムは、様々な施設で用いられることが前提となっているため、非常に単純な構造であり、超複雑系である人体などの生命体を模しているとは言えない。定期的なMRI装置の検査では、基準ファントムのような標準試料と共に、実際に生きた人間が標準の被検体となって、MRI装置の安定性の確認が行われている。
近年、特定の地域や集団に属する人々を対象に、長期間にわたってその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を調査するコホート研究が注目されている。このようなコホート研究では、MRI装置の更なる安定性や、メーカーの枠を超えたデータの定量性・互換性を確保しようとする大規模な試みが行われている。
この場合、従来の単純な構造の基準ファントムでは評価値に限界があり、長期間にわたって同一の人間が多施設を跨いで被検者となって評価基準となることも難しい。
本発明の目的は、広く普及しているMRI装置の更なる安定性や、メーカーの枠を超えた被験体データの定量性・互換性を確保するのに適したMRI装置用電子ファントム及びその制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、MRI装置の新たな撮像パルスシークエンスの研究開発に活用することができるMRI装置用電子ファントム及びその制御方法を提供することにある。
本発明の一態様によるMRI装置用電子ファントムは、被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムであって、前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信して検出する受信コイルと、前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を検出する非シールド型三軸勾配磁場コイルと、前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力するMRIシミュレータと、前記MRIシミュレータから出力された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を前記MRI装置に送信する送信コイルとを有することを特徴とする。
上述したMRI装置用電子ファントムにおいて、前記受信コイルと前記送信コイルは、送信と受信を兼ねた送受信コイルであってもよい。
上述したMRI装置用電子ファントムにおいて、前記MRI装置の前記検出部に位置させるための被検体模型を更に有し、前記被験体模型に、前記送受信コイルと、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルとが搭載されていてもよい。
上述したMRI装置用電子ファントムにおいて、前記受信コイル、前記送信コイル又は前記送受信コイルは、前記被験体の複数の部分に対応する複数のコイルを有し、前記受信コイル又は前記送受信コイルの前記複数のコイルは、前記被験体の前記複数の部分に印加される前記MRI装置の高周波磁場を検出し、前記送受信コイル又は前記送信コイルの前記複数のコイルは、前記被験体の前記複数の部分からの高周波磁場信号を前記MRI装置に送信するようにしてもよい。
上述したMRI装置用電子ファントムにおいて、前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号を記憶するストレージを更に有し、前記送信コイルは、前記ストレージに記憶された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を前記MRI装置に送信するようにしてもよい。
本発明の一態様によるMRI装置用電子ファントムの制御方法は、被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより受信して検出し、前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出し、前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、前記MRIシミュレータから出力された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を送信コイルにより前記MRI装置に送信することを特徴とする。
本発明の他の態様によるMRI装置用電子ファントムの制御方法は、被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号をストレージに記憶することを特徴とする。
本発明の更に他の態様によるMRI装置用電子ファントムの制御方法は、被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場をストレージに記憶することを特徴とする。
上述したMRI装置用電子ファントムの制御方法において、前記ストレージに記憶された前記高周波磁場と、前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号を前記ストレージに記憶するようにしてもよい。
上述したMRI装置用電子ファントムの制御方法において、前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに同期して、前記ストレージに記憶された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を送信コイルにより前記MRI装置に送信するようにしてもよい。
上述したMRI装置用電子ファントムの制御方法において、前記受信コイルと前記送信コイルは、送信と受信を兼ねた送受信コイルでもよい。
以上の通り、本発明によれば、MRI装置により印加される高周波磁場を受信して検出する受信コイルと、MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を検出する非シールド型三軸勾配磁場コイルと、受信コイルで検出された高周波磁場と、非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力するMRIシミュレータと、MRIシミュレータから出力されたMRI疑似信号に基づく高周波磁場信号をMRI装置に送信する送信コイルとを有するようにしたので、広く普及しているMRI装置の更なる安定性や、メーカーの枠を超えた被験体データの定量性・互換性を確保することができる。
本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムを使用する水平磁場式MRI装置の概略を示す図である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムを水平磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの概略を示す図である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの位相式高周波送信/受信コイルを示す図である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの非シールド型三軸勾配磁場コイルを示す図(その1)である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの非シールド型三軸勾配磁場コイルを示す図(その2)である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの非シールド型三軸勾配磁場コイルを示す図(その3)である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムのファントム制御部の実時間モードでの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムの動作によって取り込まれたパルスシークエンスを示すグラフである。 本発明の第1実施形態の第1変形例によるMRI装置用電子ファントムのファントム制御部の録音モードでの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例によるMRI装置用電子ファントムの動作によって取り込まれたパルスシークエンスを示すテーブル(その1)である。 本発明の第1実施形態の第1変形例によるMRI装置用電子ファントムの動作によって取り込まれたパルスシークエンスを示すテーブル(その2)である。 本発明の第1実施形態の第1変形例によるMRI装置用電子ファントムのファントム制御部の再生モードでの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例によるMRI装置用電子ファントムの人形型模型を水平磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムを使用する垂直磁場式MRI装置の概略を示す図である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムを垂直磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムの概略を示す図である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムの位相式高周波送信/受信コイルを示す図である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムの非シールド型三軸勾配磁場コイルを示す図(その1)である。 本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムの非シールド型三軸勾配磁場コイルを示す図(その2)である。 本発明の第2実施形態の第1変形例によるMRI装置用電子ファントムの人形型模型を垂直磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるMRI装置用電子ファントムについて図面を用いて説明する。
(水平磁場式MRI装置)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントムを使用する水平磁場式MRI装置について図1を用いて説明する。
MRI装置は、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)現象を利用した、核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging; MRI)による撮像システムである。MRI装置では、強磁場中の被験者内部の主に水素原子核に電磁波を共鳴的手法で与えて観測可能な核磁化を発生させ、三軸傾斜磁場で位置情報を付与し、前記核磁化の緩和の際に発生する電磁波を受信コイルで取得し、得られた信号データを主にFourier変換を用いて画像に再構成する。MRI装置の送信コイル及び受信コイルの空間的な配置は、位置情報の弁別に利用される。
本実施形態における水平磁場式MRI装置12には、図1に示すように、水平方向、すなわち、被験者10の体軸の方向に静磁場B0を発生する静磁場コイル14が設けられている。静磁場コイル14内には、被験体10に三軸傾斜磁場を発生する三軸傾斜磁場コイル16が設けられている。三軸傾斜磁場コイル16内には、計測対象のNMR共鳴周波数に等しいRF(Radio Frequency)帯域の電磁波を送信し、磁気共鳴により生じた電磁波を受信するRF送信/受信コイル18が設けられている。
RF送信/受信コイル18内の検査位置に被験者10を移動させるための患者テーブル20が設けられている。被験者10は、患者テーブル20に載せられて、MRI装置12の検査位置に移動する。
水平磁場式MRI装置12には、更に、MRI装置を制御するためのMRI装置制御部22と、MRI画像等を表示するためのモニタ24が設けられている。
(MRI装置用電子ファントム)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の概要について図2及び図3を用いて説明する。図2は本実施形態によるMRI装置用電子ファントムを水平磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図であり、図3は本実施形態によるMRI装置用電子ファントムの概略を示す図である。
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30は、図2に示すように、水平磁場式MRI装置12の検査位置に被験体として位置させるための被検体模型32と、被検体模型32に接続され、MRI装置用電子ファントムを制御するための電子ファントム制御部60と、電子ファントム制御部60に接続され、MRI画像等を表示するためのモニタ3 4とを有している。
被験体模型32は、水平磁場式MRI装置12の検査位置に載置できる大きさである必要がある。被験体模型32には、MRI撮像するために、水平磁場式MRI装置12の検査位置に載置する必要のある最小限の構成を搭載する。
図2の実施形態では、被験体模型32に、水平磁場式MRI装置12からの高周波信号を受信し、水平磁場式MRI装置12に高周波信号を送信するための位相式高周波送信/受信コイル40と、水平磁場式MRI装置12からの勾配磁場を検出するための非シールド型三軸勾配磁場コイル50とを搭載する。
被験体模型32に搭載された位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50は、水平磁場式MRI装置12の検査位置に位置することができ、計測装置のプローブのように機能する。
MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の構成は、電子ファントム制御部60に搭載する。
被験体模型32に搭載された位相式高周波送信/受信コイル40と、非シールド型三軸勾配磁場コイル50は、電子ファントム制御部60の入出力端60a、60bにそれぞれ接続されている。
MRI装置用電子ファントム30は、水平磁場式MRI装置12と同期して動作させたり、絶対的な時計に同期して動作させたりする必要がある。このため、電子ファントム制御部60の基準クロック入力端60cには切換スイッチ36が接続されている。切換スイッチ36は、MRI装置制御部22のクロック信号を出力するクロック出力端22aと、GPS信号を受信するGPSアンテナ37が接続されている。
切換スイッチ36により、MRI装置制御部22のクロック信号と、GPSアンテナ37からのGPS(Global Positioning System)クロック信号とを切換えて、MRI装置用電子ファントム30の基準クロックとして、電子ファントム制御部60に入力する。
GPSクロック信号は,安価であるが非常に高安定精度であることが知られている。
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の構成について図3を用いて説明する。図3はMRI装置用電子ファントム30のみを取り出して図示したものである。
被験体模型32には、位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50を搭載する。非シールド型三軸勾配磁場コイル50内には液体ファントム38が設けられている。
液体ファントム38は、円筒形の容器内部に塩化ニッケル水溶液等の液体が封入されたものである。例えば、後述の録音モードの直前において、水平磁場式MRI装置12のMRIパルスシーケンスが正常に動作するか確認するため、撮像中心に液体ファントム38を位置させて使用する。例えば、設定した高周波励起パルスの強度によって、MRIパルスシーケンスが正常に動作するかを確認する。
液体ファントム38は、上述の確認調整後に取り除く。ただし、意図的にMRI装置用電子ファントム30と液体ファントム38を組み合わせて、多重化された被写体情報を表現することは可能である。
位相式高周波送信/受信コイル40からは、XZ高周波信号、YZ高周波信号、xZ高周波信号、yZ高周波信号、Xz高周波信号、Yz高周波信号、xz高周波信号、yz高周波信号が、電子ファントム制御部60に入出力される。
XZ高周波信号は、位置XZで入出力される信号成分である。YZ高周波信号は、位置YZで入出力される信号成分である。xZ高周波信号は、位置xZで入出力される信号成分である。yZ高周波信号は、位置yZで入出力される信号成分である。Xz高周波信号は、位置Xzで入出力される信号成分である。Yz高周波信号は、位置Yzで入出力される信号成分である。xz高周波信号は、位置xzで入出力される信号成分である。yz高周波信号は、位置yzで入出力される信号成分である。なお、位置XZ、位置YZ、…の意味については、後述の図4(a)を参照されたい。
電子ファントム制御部60には、操作者が操作するためのキーボード・マウス62と、MRIシミュレーションを実行するMRIシミュレータ64とそれに使用する数理ファントム65と、電子ファントム制御部60全体を制御するための制御用PC66と、MRIシミュレータ64のシミュレーション結果を実時間で出力させるための実時間タイミングバッファ68と、高周波信号を送受信するための高周波送受信機70と、高周波信号を入出力するための高周波入出力部72と、勾配磁場信号を入力するための勾配磁場用入力部74とが設けられている。各部の詳細については後述する。
(位相式高周波送信/受信コイル)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の位相式高周波送信/受信コイル40について図4を用いて説明する。
位相式高周波送信/受信コイル40は次の2つの機能を有している。ひとつは、水平磁場式MRI装置12からMRI装置用電子ファントム30に印加される励起パルスである高周波励起信号を受信して、波形及び強度を検出する機能である。もうひとつは、MRIシミュレーションの結果として生成されたMRI高周波疑似信号を水平磁場式MRI装置12に送信する機能である。同じコイルで2つの機能を実現している。なお、2つの機能を実現するために別々のコイルを設けてもよい。
図4(a)に、被験者10に対する撮像座標系における方向の表現を示す。
被験者10の中心に対する上下の方向をZ軸とし、頭のある方が上(superior)で大文字の「Z」で表し、足のある方が下(inferior)で小文字の「z」で表す。
被験者10の中心に対する左右の方向をX軸とし、観測者である医師が被験者10を足の方から見て右の方が右(right)で大文字の「X」で表し、左の方が左(left)で小文字の「x」で表す。
被験者10の中心に対する前後の方向をY軸とし、背部が向いている方が後ろ(posterior)で大文字の「Y」で表し、顔が向いている方が前(anterior)で小文字の「y」で表す。
本実施形態では、位相式高周波送信/受信コイル40として、図4(b)に示すように配置された8個のRFコイルを用いている。8個のRFコイルにより、被験者10の各側に受信される励起パルスである高周波励起信号を受信すると共に、被験者10の各側から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号を発信する。
被験者10の各側は、図4(a)に示すXYZ座標系(右手系)により規定される。
8個のRFコイルにより、次のように、被験者10の各側部位に受信される励起パルスである高周波励起信号を受信する。
RFコイル40XZは、被験者10を見てXZ側(右(right)上(superior)側)に印加される高周波励起信号XZを受信する。
RFコイル40YZは、被験者10を見てYZ側(後ろ(posterior)上(superior)側)に印加される高周波励起信号YZを受信する。
RFコイル40xZは、被験者10を見てxZ側(左(left)上(superior)側)に印加される高周波励起信号xZを受信する。
RFコイル40yZは、被験者10を見てyZ側(前(anterior)上(superior)側)に印加される高周波励起信号yZを受信する。
RFコイル40Xzは、被験者10を見てXz側(右(right)下(inferior)側)に印加される高周波励起信号Xzを受信する。
RFコイル40Yzは、被験者10を見てYz側(後ろ(posterior)下(inferior)側)に印加される高周波励起信号Yzを受信する。
RFコイル40xzは、被験者10を見てxz側(左(left)下(inferior)側)に印加される高周波励起信号xzを受信する。
RFコイル40yzは、被験者10を見てyz側(前(anterior)下(inferior)側)に印加される高周波励起信号yzを受信する。
8個のRFコイルにより、次のように、被験者10を見て各側部位から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号を送信する。
RFコイル40XZは、被験者10を見てXZ側(右(right)上(superior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号XZを送信する。
RFコイル40YZは、被験者10を見てYZ側(後ろ(posterior)上(superior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号YZを送信する。
RFコイル40xZは、被験者10を見てxZ側(左(left)上(superior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号xZを送信する。
RFコイル40yZは、被験者10を見てyZ側(前(anterior)上(superior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号yZを送信する。
RFコイル40Xzは、被験者10を見てXz側(右(right)下(inferior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号Xzを送信する。
RFコイル40Yzは、被験者10を見てYz側(後ろ(posterior)下(inferior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号Yzを送信する。
RFコイル40xzは、被験者10を見てxz側(左(left)下(inferior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号xzを送信する。
RFコイル40yzは、被験者10を見てyz側(前(anterior)下(inferior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号yzを送信する。
図4(c)に、8個のRFコイル40XZ〜40yzの構造を示す。RFコイル40XZ〜40yzは、LC共振型コイル40aであり、LC共振型コイル40aには同軸ケーブル40bが接続されている。
本実施形態では、位相式高周波送信/受信コイル40を、図4(b)に示すように配置された8個のRFコイルにより構成したが、RFコイルの形状と個数と配置は、これに限定されない。RFコイルはひとつでもよいし、8個以上、例えば、64個でもよい。被験者10のどの側から、どの程度の空間分解能でMRI疑似信号を発信させるかの仕様に応じ、MRIシミュレータ64の処理能力も勘案して、RFコイルの形状と個数と配置を決定する。
(非シールド型三軸勾配磁場コイル)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の非シールド型三軸勾配磁場コイル50について図5乃至図7を用いて説明する。
非シールド型三軸勾配磁場コイル50は、水平磁場式MRI装置12からMRI装置用電子ファントム30に印加される三軸傾斜磁場をそれぞれ選択的に検出するコイルである。
図5は非シールド型三軸勾配磁場コイル50のパターンの一例を示し、図6は非シールド型三軸勾配磁場コイル50を構成する各コイルを示し、図7は非シールド型三軸勾配磁場コイル50を示す。
図5(a)はZ軸傾斜磁場を検出するためのZ軸勾配磁場コイル50PGZのパターンである。このパターンを矢印方向に巻回して筒状にすると図6(a)に示すZ軸勾配磁場コイル50PGZとなる。
図5(b)はY軸傾斜磁場を検出するためのY軸勾配磁場コイル50PGYのパターンである。このパターンを矢印方向に巻回して筒状にすると図6(b)に示すY軸勾配磁場コイル50PGYとなる。
図5(c)はX軸傾斜磁場を検出するためのX軸勾配磁場コイル50PGXのパターンである。このパターンを矢印方向に巻回して筒状にすると図6(c)に示すX軸勾配磁場コイル50PGXとなる。
図6(a)に示す筒状のZ軸勾配磁場コイル50PGZは、直径を2Rとして、2つのコイル間の距離は√3Rである。
図6(b)に示す筒状のY軸勾配磁場コイル50PGYは、直径を2Rとして、長さ2.13Rの筒状コイルを、0.78Rの距離を隔てて並べて構成されている。筒状コイルは2つのコイルから構成され、各コイルの中心角は120度である。
図6(c)に示す筒状のX軸勾配磁場コイル50PGXは、直径を2Rとして、長さ2.13Rの筒状コイルを、0.78Rの距離を隔てて並べて構成されている。筒状コイルは2つのコイルから構成されている。
図7に示すように、3つの筒状のZ軸勾配磁場コイル50PGZと、Y軸勾配磁場コイル50PGYと、X軸勾配磁場コイル50PGXとを重ね合わせて非シールド型三軸勾配磁場コイル50を構成する。図7(a)は非シールド型三軸勾配磁場コイル50の内部構成を示し、図7(b)は非シールド型三軸勾配磁場コイル50の外観を示し、図7(c)は非シールド型三軸勾配磁場コイル50の断面を示す。
図7に示すように、本実施形態では、非シールド型三軸勾配磁場コイル50の最外周が軸勾配磁場コイル50PGZであり、その内側がY軸勾配磁場コイル50PGYであり、その内側がX軸勾配磁場コイル50PGXである。
なお、3つの筒状のZ軸勾配磁場コイル50PGZと、Y軸勾配磁場コイル50PGYと、X軸勾配磁場コイル50PGXとは、どのような順番で重ね合わせてもよい。
(電子ファントム制御部:実時間モード)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の電子ファントム制御部60について図8を用いて説明する。
図8に示す電子ファントム制御部60は、位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50により検出した水平磁場式MRI装置12からの信号に基づいて、数理ファントム65に応じてMRIシミュレータ64によりシミュレーションし、そのシミュレーション結果に基づくMRI高周波疑似信号を、位相式高周波送信/受信コイル40から水平磁場式MRI装置12に送信する。
所定の数理ファントムを用意することにより、水平磁場式MRI装置12からみれば、所定の数理ファントムに基づく実際の人体の一部をMRI撮像するように動作させることができる。
本実施形態の電子ファントム制御部60では、これらの処理をすべて実時間で行う。
(基準クロック)
GPS/基準クロック部80は、電子ファントム制御部60全体の基準となるクロック信号を生成する。GPS/基準クロック部80からのクロック信号は、電子ファントム制御部60を構成する各回路に入力される。
GPS/基準クロック部80のクロック信号は、MRI装置制御部22から分配することによる同期生成が得られない場合、GPSアンテナ37から得られたGPSクロック信号に同期させて、絶対的な時間に合わせる。
カウンタ82は、GPS/基準クロック部80からのクロック信号をカウントして、MRIシミュレーションの時間軸を生成する。
カウンタ82により生成された時間軸は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
(勾配磁場波形の抽出)
非シールド型三軸勾配磁場コイル50からの、ファラデイの電磁誘導法則によって検出された磁束Φの時間変化である電圧信号−dΦ/dt、すなわち、X軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、勾配磁場用入力部74に入力される。
非シールド型三軸勾配磁場コイル150の、Z軸勾配磁場コイル151PGZはZ軸傾斜磁場を選択的に検出し、Y軸勾配磁場コイル152PGYはY軸傾斜磁場を選択的に検出し、X軸勾配磁場コイル153PGXはX軸傾斜磁場を選択的に検出する。
勾配磁場用入力部74に入力されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、それぞれ、PGX用ADコンバータ86x、PGY用ADコンバータ86y、PGZ用ADコンバータ86zにより、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
PGX用ADコンバータ86x、PGY用ADコンバータ86y、PGZ用ADコンバータ86zによりデジタル信号に変換された、X軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、三軸傾斜磁場それぞれの時間変化に等しい。三軸傾斜磁場の印加波形を元通りに再現するために、積分ロジック部88により、それぞれ時間軸で積分する。
積分ロジック部88により積分されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、ノイズフィルタ90により時間遅れがないように雑音が除去される。
積分バイアス検出部92は、積分されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZに必要なバイアス値を検出する。バイアス値は、外部から手動補正値の入力が可能である。
バイアス値を補正することによって、三軸傾斜磁場の波形を高精度に再現することができる。バイアス値を補正しない場合は、傾斜磁場が印加されていない状況で電圧信号−dΦ/dt≠0と微小な誤差が生じたときに傾斜磁場が印加され続けていると誤認してしまうことになる。
傾斜磁場波形抽出・表示部94は、積分されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZに基づいて、水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場コイル16から印加された三軸傾斜磁場を抽出し、表示する。
傾斜磁場波形抽出・表示部94により抽出された水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
(高周波励起パルスの抽出)
RFコイル40XZからの高周波励起信号XZ、RFコイル40YZからの高周波励起信号YZ、RFコイル40xZからの高周波励起信号xZ、RFコイル40yZからの高周波励起信号yZ、RFコイル40Xzからの高周波励起信号Xz、RFコイル40Yzからの高周波励起信号Yz、RFコイル40xzからの高周波励起信号xz、RFコイル40yzからの高周波励起信号yzは、高周波入出力部72に入力される。
これら高周波励起信号XZ〜yzは、8個のLNA(低雑音)増幅器96により増幅されて高周波送受信機70に入力される。
高周波送受信機70により受信された高周波励起信号XZ〜yzは、検波され、NMR/MRIの回転座標系での1MHz以下の信号となり、受信ノイズフィルタ98に入力される。受信ノイズフィルタ98は、高周波励起信号XZ〜yzのノイズを時間遅れがないように除去する。
受信ノイズフィルタ98によりノイズが除去された高周波励起信号XZ〜yzは、励起パルス抽出部100に入力される。励起パルス抽出部100は、ノイズが除去された高周波励起信号XZ〜yzからそれぞれの励起パルスを抽出する。
励起パルス抽出部100により抽出された高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスは、励起パルス振幅/位相検出部102に入力される。励起パルス振幅/位相検出部102は、高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相を検出する。
励起パルス振幅/位相検出部102により検出された高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
励起パルス振幅/位相検出部102では、高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスを解析し、単一の高周波回転磁場TX(励起パルスの振幅と位相情報を含む)のベクトル成分であるTXI(実部)とTXQ(虚部)を決定し、パルスシーケンスオブジェクト84に出力する。
(水平磁場式MRI装置のパルスシーケンスオブジェクトの取得)
図8に示す電子ファントム制御部60では、上述したように、カウンタ82により生成された時間軸と、傾斜磁場波形抽出・表示部94により抽出された水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場と、励起パルス振幅/位相検出部102により検出された水平磁場式MRI装置12の高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相及びTXI(実部)とTXQ(虚部)とが、パルスシーケンスオブジェクト84に入力される。
これにより、水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスを正確に取得し、パルスシーケンスオブジェクト84に出力することができたことになる。
図9にパルスシーケンスオブジェクトの一例を示す。パルスシーケンスオブジェクトとして、高周波励起信号の実部である高周波実部信号TXI(t)、高周波励起信号の虚部である高周波実部信号TXQ(t)、三軸傾斜磁場信号であるX軸傾斜磁場信号GX(t)、Y軸傾斜磁場信号GY(t)、Z軸傾斜磁場信号GZ(t)が示されている。「T」は磁束密度の単位のテスラ(Tesla)である。
図9は一般的にMRIに必要なパルスを示しているが、通常必要とされる、データ取り込みのトリガのパルスタイミングは、本実施形態では知り得ないので明示されていない。
画像再構成は,MRI装置側で行うことを基本としている。一方、深層学習などの技術を使い、データ取り込みのトリガ位置を推定して、画像再構成を行うことも可能である。
(MRIシミュレーション)
図8に示す電子ファントム制御部60では、取得した水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスオブジェクト84を、ストレージ104に一旦記憶するのではなく、MRIシミュレーションを実行するMRIシミュレータ64に実時間で入力する。
MRIシミュレータ64は、入力されたパルスシーケンスに応じて、数理ファントム65に基づいてシミュレーションを行う。
制御用PC66は、MRIシミュレータ64に対して、例えば、次のような制御、設定、補正を行う。
(a)同期クロック及びカウンタをリセットする。
(b)MRIシミュレータの動作モードを指示する。
(c)三軸傾斜磁場の感度及び積分バイアスを調整する。
(d)電子ファントムのRFコイルの配置情報をMRIシミュレータに入力する。
(e)高周波磁場検出の為の受信ゲインを調整する。
(f)数理ファントム(NMR核種、成人頭部、血流時間変化あり、等々)を選択する。
(g)MRIシミュレータに、静磁場分布B0、高周波磁場分布TXの情報を予め入力する。
(h)計測されたTXI、TXQを、MRIシミュレータで使えるように自動/手動で計数値を入力し、単位[μT]を付与する。
(i)計測されたGX、GY、GZを、MRIシミュレータで使えるように自動/手動で計数値を入力し、単位[mT/m]を付与する。
(j)送信するシミュレーョン結果のゲインをチャネル毎に自動/手動で調節し、MRI装置側で適正な画像が得られる信号強度にする。
MRIシミュレータ64からのシミュレーション結果は、被験者10の各側から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号として出力される。
(MRIシミュレータ)
図8に示す電子ファントム制御部60のMRIシミュレータ64としては、Bloch方程式などを用いて、所定のパルスシーケンスに基づいてNMR/MRIシミュレーションしてMRI疑似信号を出力するものであればよい。実時間以上の高速化のために、MPU(Micro Processing Unit)だけでなく、GPGPU(General Purpose Graphic Processor Unit)を使用する場合が多く、インターネット上のクラウドコンピュータを使用する場合もある。
例えば、次のようなMRIシミュレータがある。
(1)日本の筑波大学のグループから提案されたMRIシミュレータ
特開2017−140165号公報
Ryoichi Kose, Katsumi Kose, A GPU-optimized fast 3D MRI simulator for experimentally compatible pulse sequences, Journal of Magnetic Resonance, 281 (2017), 51-65
(2)フランスのリヨン大学のグループから提案されたMRIシミュレータ:SIMRI
Benoit-Cattin H, Collewet G, Belaroussi B, Saint-Jalmes H, Odet C., The SIMRI project: a versatile and interactive MRI simulator, Journal of Magnetic Resonance, 173(1) (2005 Mar.), 97-115
(3)ドイツのユーリッヒ研究所のグループから提案されたMRIシミュレータ:JEMRIS
Tony Stocker, Kaveh Vahedipour, Daniel Pflugfelder, N. Jon Shah, High-Performance Computing MRI Simulations, Magnetic Resonance of Medicine, 64 (2010), 186-193
(4)ギリシャの大学のグループから提案されたMRIシミュレータ:MRISIMUL
Xanthis CG, VenetisIE, Chalkias AV, AletrasAH., A GPU-based parallel approach to MRI simulations, IEEE Trans Med Imaging, 33(3) (2014 Mar), 607-17
(5)米国のウィスコンシン大学のグループから提案されたMRIシミュレータ:MRiLab
F Liu, JV Velikina, WF Block, R Kijowski, AA Samsonov, Fast Realistic MRI Simulations Based on Generalized Multi-Pool Exchange Tissue Model, IEEE transactions on Medical Imaging, 36(2) (2017), 527-537
(6)米国のスタンフォード大学のグループから提案されたMRIシミュレーションの統合開発環境:SpinBench
W.R. Overall, J.M. Pauly, SpinBench: An Extensible, Graphical Environment for Pulse Sequence Design and Simulation, Electrical Engineering, Stanford University, Stanford, CA, United States
上記の各文献に記載された全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
(MRIシミュレーションの出力)
MRIシミュレータ64のシミュレーション結果であるMRI疑似信号は実時間タイミングバッファ68に出力される。実時間タイミングバッファ68は、MRIシミュレータ64からのシミュレーション結果のMRI疑似信号XZ〜yzをバッファリングし、GPS/基準クロック部80からの基準クロック信号に同期して高周波送受信機70に出力する。ここで、MRI疑似信号は,MRI疑似高周波信号に変換される。
高周波送受信機70から出力された、被験者10の各側のMRI疑似高周波信号XZ〜yzは、PA増幅器106により増幅され、高周波入出力部72により、RFコイルXZ〜yzに出力される。
MRI装置用電子ファントム30のRFコイルXZ〜yzは、MRIシミュレータ64のシミュレーション結果に基づくMRI高周波疑似信号を、位相式高周波送信/受信コイル40から水平磁場式MRI装置12に送信する。
これにより、水平磁場式MRI装置12からみれば、所定の数理ファントムに基づく、例えば、実際の人体の一部をMRI撮像する動作を、仮想現実的に経験することができる。
本実施形態によるMRI装置用電子ファントムを使用することにより、多数のMRI装置の評価を基準化することができ、メーカーの枠を超えた被験体データの定量性・互換性を確保することができる。
[第1実施形態の第1変形例]
本実施形態の電子ファントム制御部60では、位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50により水平磁場式MRI装置12の信号を検出する処理Aと、数理ファントム65に基づきMRIシミュレータ64によりシミュレーションする処理Bと、位相式高周波送信/受信コイル40によりMRI疑似信号を水平磁場式MRI装置12に送信する処理Cとをすべて同時に実時間で行っている。数理ファントム65に応じたMRIシミュレータ64によるシミュレーションの速度が、水平磁場式MRI装置12の処理の速度に対して充分に高速で処理できるからである。
しかしながら、数理ファントム65に応じたMRIシミュレータ64によるシミュレーションの速度が、水平磁場式MRI装置12の処理の速度に対して充分に高速でない場合には、上記の処理A、処理B、処理Cを実時間で行うことができない。
本実施形態の第1変形例では、上記のような場合を想定して、処理A、処理B、処理Cを同時に実時間で行わない。本実施形態の第1変形例では、処理Aと処理Bとを実時間で行うモード(録音モード)と、処理Aと処理Cとを行うモード(再生モード)を設け、これらモードを別々に行う。
(録音モード)
本実施形態の第1変形例の録音モードを図10乃至図12を用いて説明する。本実施形態の第1の変形例の録音モードにおけるMRI装置用電子ファントム30の電子ファントム制御部60を図10に示す。
(基準クロック)
本実施形態の実時間モードと同様である。
GPS/基準クロック部80は、電子ファントム制御部60全体の基準となるクロック信号を生成する。カウンタ82は、GPS/基準クロック部80からのクロック信号をカウントして、MRIシミュレーションの時間軸を生成する。カウンタ82により生成された時間軸は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
(勾配磁場波形の抽出)
本実施形態の実時間モードと同様である。
非シールド型三軸勾配磁場コイル50からのX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、勾配磁場用入力部74に入力される。
勾配磁場用入力部74に入力されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、PGX用ADコンバータ86x、PGY用ADコンバータ86y、PGZ用ADコンバータ86zにより、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
PGX用ADコンバータ86x、PGY用ADコンバータ86y、PGZ用ADコンバータ86zによりデジタル信号に変換された、X軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZは、積分ロジック部88、ノイズフィルタ90、積分バイアス検出部92を経て、傾斜磁場波形抽出・表示部94に入力される。
傾斜磁場波形抽出・表示部94は、積分されたX軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZに基づいて、水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場コイル16から印加された三軸傾斜磁場を抽出する。
傾斜磁場波形抽出・表示部94により抽出された水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
(高周波励起パルスの抽出)
本実施形態の実時間モードと同様である。
RFコイル40XZからの高周波励起信号XZ、RFコイル40YZからの高周波励起信号YZ、RFコイル40xZからの高周波励起信号xZ、RFコイル40yZからの高周波励起信号yZ、RFコイル40Xzからの高周波励起信号Xz、RFコイル40Yzからの高周波励起信号Yz、RFコイル40xzからの高周波励起信号xz、RFコイル40yzからの高周波励起信号yzは、高周波入出力部72に入力される。
これら高周波励起信号XZ〜yzは、LNA(低雑音)増幅器96、高周波送受信機70、受信ノイズフィルタ98を経て、励起パルス抽出部100に入力される。
励起パルス抽出部100は、ノイズが除去された高周波励起信号XZ〜yzからそれぞれの励起パルスを抽出する。励起パルス振幅/位相検出部102は、高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相を検出する。
励起パルス振幅/位相検出部102により検出された高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相は、パルスシーケンスオブジェクト84に出力される。
励起パルス振幅/位相検出部102では、高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスを解析し、単一の高周波回転磁場TX(励起パルスの振幅と位相情報を含む)のベクトル成分であるTXI(実部)とTXQ(虚部)を決定し、パルスシーケンスオブジェクト84に出力する
(水平磁場式MRI装置のパルスシーケンスオブジェクトの取得)
図10に示す電子ファントム制御部60では、本実施形態の実時間モードと同様に、カウンタ82により生成された時間軸と、傾斜磁場波形抽出・表示部92により抽出された水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場と、励起パルス振幅/位相検出部102により検出された水平磁場式MRI装置12の高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相及びTXIとTXQとが、パルスシーケンスオブジェクト84に入力される。
(MRIシミュレーション)
図10に示す電子ファントム制御部60では、取得した水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスオブジェクト84を、MRIシミュレーションを実行するMRIシミュレータ64に入力すると共に、ストレージ104に記憶する。後述する再生モードのためである。
MRIシミュレータ64は、入力されたパルスシーケンスに応じて、数理ファントム65に基づいてシミュレーションを行う。
本実施形態の第1変形例の録音モードでは、MRIシミュレータ64のシミュレーションを超高速に実時間で行う必要はない。MRIシミュレータ64の処理能力に応じたシミュレーションを行う。パルスシーケンスオブジェクト84の出力側と、MRIシミュレータ64の入力側に、大きなデータバッファ(図示せず)を設け、MRIシミュレータ64の処理の遅れを吸収する。
MRIシミュレータ64からのシミュレーション結果は、被験者10の各側から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似信号として出力され、ストレージ104に記憶される。
(ストレージ)
本実施形態の第1変形例の録音モードでは、水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスと、MRIシミュレータ64のMRI疑似信号とが、ストレージ104に記憶される。
図11に示すように、水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスとして、各時刻に対する、励起RF信号の実部である高周波実部信号TXI(t)、励起RF信号の虚部である高周波実部信号TXQ(t)、三軸傾斜磁場信号であるX軸傾斜磁場信号GX(t)、Y軸傾斜磁場信号GY(t)、Z軸傾斜磁場信号GZ(t)が、ストレージ104に記憶される。
同様に、MRIシミュレータ64のMRI疑似信号として、各時刻に対する、MRI疑似信号XZ(#1_I/Q)、MRI疑似信号YZ(#2_I/Q)、MRI疑似信号xZ(#3_I/Q)、MRI疑似信号yZ(#4_I/Q)、MRI疑似信号Xz(#5_I/Q)、MRI疑似信号Yz(#6_I/Q)、MRI疑似信号xz(#7_I/Q)、MRI疑似信号yz(#8_I/Q)が、ストレージ104に記憶される。
図12に、ストレージ104に記憶されたデータ例を示す。
時刻10μs〜90μsの三軸傾斜磁場信号GX〜GZと、時刻110μs〜160μsの励起パルスの実部信号TXI、虚部信号TXQに応じて、時刻120μs〜200μsにMRI疑似信号XZ〜yzが出力されている。
図12で示されるパルスシーケンスは、三軸傾斜磁場信号GX/GY/GZが同時かつひと山の三角波のように印加されたのち、励起パルスの実部信号TXIによって90度パルスが印加されて、#1にFID(自由誘導減衰)信号が発生するまでを示している。
(録音モードの変形例)
本実施形態の第1変形例の録音モードでは、上述したように、処理Aと処理Bとを実時間で行う。MRIシミュレータ64の処理の遅れは、パルスシーケンスオブジェクト84の出力側と、MRIシミュレータ64の入力側に、大きなデータバッファ(図示せず)を設けることにより吸収している。
しかしながら、MRIシミュレータ64の処理速度によっては、処理の遅れをデータバッファ(図示せず)により吸収できず、処理Aと処理Bを同時期に準実時間で行うことが困難である場合がある。
そのような場合には録音モードをふたつのモードに分けて別々に実行する。
最初に、位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50により水平磁場式MRI装置12の信号を検出する処理Aのみを実行し、水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスをストレージ104に記憶する。
次に、ストレージ104に記憶されたパルスシーケンスを用いて、数理ファントム65に基づきMRIシミュレータ64によりシミュレーションする処理Bを実行する。MRIシミュレータ64からのシミュレーション結果は、被験者10の各側から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似信号として出力され、録音されたパルスシーケンスと同期してストレージ104に記憶される。
このようにして、録音モードの変形例においても、本実施形態の第1変形例の録音モードと同様に、最終的には、水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスと、MRIシミュレータ64のMRI疑似信号とが、ストレージ104に記憶される。
(再生モード)
本実施形態の第1変形例の再生モードについて図13を用いて説明する。本実施形態の第1の変形例の再生モードにおけるMRI装置用電子ファントム30の電子ファントム制御部60を図13に示す。
(水平磁場式MRI装置のパルスシーケンスオブジェクトの取得)
図13に示す電子ファントム制御部60では、図10に示す本実施形態の録音モードと同様に、カウンタ82により生成された時間軸と、傾斜磁場波形抽出・表示部92により抽出された水平磁場式MRI装置12の三軸傾斜磁場と、励起パルス振幅/位相検出部102により検出された水平磁場式MRI装置12の高周波励起信号XZ〜yzの励起パルスの振幅と位相とが、パルスシーケンスオブジェクト84に入力される。
上述したように、事前の録音モードにおいて、MRIシミュレータ64によるMRIシミュレーションは予め実行されており、MRI擬似信号はストレージ104に記憶されている。MRIシミュレーションのためにパルスシーケンスを取得する必要はない。
しかしながら、再生モードでは、撮像動作しているMRI装置12に対して仮想現実的にMRI信号を送信するために、ストレージ104に記憶されたMRI擬似信号をパルスシーケンスに同期して、MRIシミュレータ64から実時間タイミングバッファ68に出力する必要がある。このための同期タイミングとしてMRIパルスシーケンスの実時間での検出が必要である。
図12に示すパルスシーケンスの開始時刻は計測開始毎に一定しないので、再生モードでの超高速MRIシミュレータ64においては、実時間で入力されるパルスシーケンスTXI、TXQ、GX、GY、GZを監視しながら、対応するシミュレーション結果である、ストレージ104に記憶されたMRI擬似信号をパルスシーケンスに同期して連続的に出力する。
例えば、パルスシーケンスTXI(実部)とTXQ(虚部)の時間変化波形をタイミングとして、再生モード実行中の時間ジッターによる揺らぎを適宜補正することも有効である。
GPS/基準クロック部80はMRI装置に同期されているもしくは充分に高安定精度であるため、録音モードと再生モードでの実行速度の差は無いか、可能な限り低減されている。
録音モード,再生モードに使用される水平磁場式MRI装置12のパルスシーケンスは完全に同一である必要がある。
(MRIシミュレーションの出力)
本実施形態の実時間モードと基本的に同様である。
パルスシーケンスオブジェクト84からのパルスシーケンスに同期して、ストレージ104に記憶されたシミュレーション結果であるMRI疑似信号が、実時間タイミングバッファ68に出力される。
実時間タイミングバッファ68は、MRIシミュレータ64からのシミュレーション結果のMRI疑似信号XZ〜yzをバッファリングし、GPS/基準クロック部80からの基準クロック信号に同期して高周波送受信機70に出力する。ここで、MRI疑似信号は,MRI疑似高周波信号に変換される。
高周波送受信機70から出力された、被験者10の各側のMRI疑似高周波信号XZ〜yzは、PA増幅器106により増幅され、高周波入出力部72により、RFコイルXZ〜yzに出力される。
MRI装置用電子ファントム30のRFコイルXZ〜yzは、MRIシミュレータ64のシミュレーション結果に基づくMRI高周波疑似信号を、位相式高周波送信/受信コイル40から水平磁場式MRI装置12に送信する。
本実施形態の第1変形例では、再生モードにおいて、所定の数理ファントムに基づく実際の人体の一部をMRI撮像する動作を仮想現実的に実行することができる。
[第1実施形態の第2変形例]
本実施形態のMRI装置用電子ファントム30では、図2に示すように、被験体模型32には、計測装置のプローブとして機能するための必要最小限の構成、すなわち、位相式高周波送信/受信コイル40と非シールド型三軸勾配磁場コイル50とのみを搭載し、MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の電子回路等の構成は、電子ファントム制御部60に搭載している。
図14に、本実施形態の第2変形例によるMRI装置用電子ファントムの人形型模型を水平磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す。
本実施形態の第2変形例では、人形型模型110を用意する。この人形型模型110には、MRI装置用電子ファントム30が内包され、入出力端60a/60bに代わりに通信手段としてアンテナ112が具備され、電源(図示せず)が搭載されている。
人形型模型110のアンテナ112に対応して、電子ファントム制御部60にアンテナ114を設ける。人形型模型110と電子ファントム制御部60との間の通信はアンテナ112、114を用いて無線通信する。
電源(図示せず)としては、非磁性の小型バッテリーが望ましい。人形型模型110はNMR信号を極力出力しない材料で構成することが望ましい。
この人形型模型110に、計測装置のプローブとして機能するための必要最小限の構成と共に、MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の電子回路等も搭載してもよい。すなわち、大型の人形型模型110に、位相式高周波送信/受信コイル40と、非シールド型三軸勾配磁場コイル50と共に、MRIシミュレータ64と、数理ファントム65と、制御用PC66と、実時間タイミングバッファ68と、高周波送受信機70と、高周波入出力部72と、勾配磁場用入力部74と、電源(図示せず)とを搭載してもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるMRI装置用電子ファントムについて図面を用いて説明する。
(垂直磁場式MRI装置)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントムを使用する垂直磁場式MRI装置について図15を用いて説明する。
本実施形態における垂直磁場式MRI装置120には、図15に示すように、垂直方向、すなわち、被験者10の体軸の方向に垂直な方向に静磁場B0を発生する静磁場コイル122が設けられている。静磁場コイル122内には、被験体10に三軸傾斜磁場を発生する三軸傾斜磁場コイル16が設けられている。静磁場コイル122は永久磁石磁気回路で構成される場合がある。三軸傾斜磁場コイル16内には、計測対象とするNMR共鳴周波数に等しい高周波帯域の電磁波を送信し、磁気共鳴により生じた電磁波を受信するRF送信/受信コイル18が設けられている。
RF送信/受信コイル18内の検査位置に被験者10を移動させるための患者テーブル20が設けられている。被験者10は、患者テーブル20に載せられて、MRI装置120の検査位置に移動する。
垂直磁場式MRI装置12には、更に、MRI装置を制御するためのMRI装置制御部22と、MRI画像等を表示するためのモニタ24が設けられている。
(MRI装置用電子ファントム)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の概要について図16及び図17を用いて説明する。図16は本実施形態によるMRI装置用電子ファントムを垂直磁場式MRI装置の被験体として使用した状態を示す図であり、図17は本実施形態によるMRI装置用電子ファントムの概略を示す図である。
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30は、図16に示すように、垂直磁場式MRI装置120の検査位置に被験体として位置させるための被検体模型130と、被検体模型130に接続され、MRI装置用電子ファントムを制御するための電子ファントム制御部60と、電子ファントム制御部60に接続され、MRI画像等を表示するためのモニタ34とを有している。
被験体模型130は、垂直磁場式MRI装置12の検査位置に載置できる大きさである必要がある。被験体模型130には、MRI撮像するために、垂直磁場式MRI装置12の検査位置に載置する必要のある最小限の構成を搭載する。
図16の実施形態では、被験体模型130に、垂直磁場式MRI装置120からの高周波信号を受信し、垂直磁場式MRI装置120に高周波信号を送信するための位相式高周波送信/受信コイル140と、垂直磁場式MRI装置120からの勾配磁場を検出するための非シールド型三軸勾配磁場コイル150とのみを搭載する。
被験体模型130に搭載された位相式高周波送信/受信コイル140と非シールド型三軸勾配磁場コイル150は、垂直磁場式MRI装置120の検査位置に位置することができ、計測装置のプローブのように機能する。
MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の構成は、電子ファントム制御部60に搭載する。
被験体模型130に搭載された位相式高周波送信/受信コイル140と、非シールド型三軸勾配磁場コイル150は、電子ファントム制御部60の入出力端60a、60bにそれぞれ接続されている。
MRI装置用電子ファントム30は、垂直磁場式MRI装置120と同期して動作させたり、絶対的な時計に同期して動作させたりする必要がある。このため、電子ファントム制御部60の基準クロック入力端60cには切換スイッチ36が接続されている。切換スイッチ36は、MRI装置制御部22のクロック信号を出力するクロック出力端22aと、GPS信号を受信するGPSアンテナ37が接続されている。
切換スイッチ36により、MRI装置制御部22のクロック信号と、GPSアンテナ37からのGPSクロック信号とを切換えて、MRI装置用電子ファントム30の基準クロックとして、電子ファントム制御部60に入力する。
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30のより詳細な構成について図17を用いて説明する。図17はMRI装置用電子ファントム30のみを取り出して図示したものである。
被験体模型130には、位相式高周波送信/受信コイル140と非シールド型三軸勾配磁場コイル150を搭載する。非シールド型三軸勾配磁場コイル150内には液体ファントム38が設けられている。
位相式高周波送信/受信コイル140からは、XY高周波信号、xY高周波信号、Xy高周波信号、xy高周波信号、Z高周波信号、z高周波信号が、電子ファントム制御部60に入出力される。
XY高周波信号は、位置XYで入出力される信号成分である。xY高周波信号は、位置xYで入出力される信号成分である。Xy高周波信号は、位置Xy入出力される信号成分である。xy高周波信号は、位置xyで入出力される信号成分である。Z高周波信号は、位置Zで入出力される信号成分である。z高周波信号は、位置zで入出力される信号成分である。なお、位置XY、位置xY、…の意味については、後述の図18(a)を参照されたい。
非シールド型三軸勾配磁場コイル150からは、X軸勾配磁場信号PGX、Y軸勾配磁場信号PGY、Z軸勾配磁場信号PGZが、電子ファントム制御部60に入力される。
X軸勾配磁場信号PGXは、印加されるX軸傾斜磁場を示す信号である。Y軸勾配磁場信号PGYは、印加されるY軸傾斜磁場を示す信号である。Z軸勾配磁場信号PGZは、印加されるZ軸傾斜磁場を示す信号である。
非シールド型三軸勾配磁場コイル150の、Z軸勾配磁場コイル151PGZはZ軸傾斜磁場を、Y軸勾配磁場コイル152PGYはY軸傾斜磁場を、X軸勾配磁場コイル153PGXはX軸傾斜磁場を、それぞれ選択的に検出することが可能である。
電子ファントム制御部60には、操作者が操作するためのキーボード・マウス62と、MRIシミュレーションを実行するMRIシミュレータ64とそれに使用する数理ファントム65と、電子ファントム制御部60全体を制御するための制御用PC66と、MRIシミュレータ64のシミュレーション結果を実時間で出力させるための実時間タイミングバッファ68と、高周波信号を送受信するための高周波送受信機70と、高周波信号を入出力するための高周波入出力部72と、勾配磁場信号を入力するための勾配磁場用入力部74とが設けられている。
(位相式高周波送信/受信コイル)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の位相式高周波送信/受信コイル140について図18を用いて説明する。
位相式高周波送信/受信コイル140は次の2つの機能を有している。ひとつは、垂直磁場式MRI装置120からMRI装置用電子ファントム30に印加される励起パルスである高周波励起信号を受信して検出する機能である。もうひとつは、MRIシミュレーションの結果として生成されたMRI疑似信号を垂直磁場式MRI装置120に送信する機能である。同じコイルで2つの機能を実現している。なお、2つの機能を実現するために別々のコイルを設けてもよい。
図18(a)に、被験者10に対する撮像座標系における方向の表現を示す。図4(a)と同様である。
本実施形態では、位相式高周波送信/受信コイル140として、図18(b)に示すように配置された6個のRFコイルを用いている。6個のRFコイルにより、被験者10の各側に印加される励起パルスである高周波励起信号を受信すると共に、被験者10の各側から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号を発信する。
被験者10の各側は、図18(a)に示すXYZ座標系(右手系)により規定される。
6個のRFコイルにより、次のように、被験者10の各側に受信される励起パルスである高周波励起信号を受信する。
RFコイル140XYは、被験者10を見てXY側(右(right)後ろ(posterior)側)に印加される高周波励起信号XYを受信する。
RFコイル140xYは、被験者10を見てxY側(左(left)後ろ(posterior)側)に発信される高周波励起信号xYを受信する。
RFコイル140Xyは、被験者10を見てXy側(右(right)前(anterior)側)に印加される高周波励起信号Xyを受信する。
RFコイル140xyは、被験者10を見てxy側(左(left)前(anterior)側)に印加される高周波励起信号xyを受信する。
RFコイル140Zは、被験者10を見てZ側(上(superior)側)に印加される高周波励起信号Zを受信する。
RFコイル140zは、被験者10を見てz側(下(inferior)側)に印加される高周波励起信号zを受信する。
RFコイル140XYは、被験者10を見てXY側(右(right)後ろ(posterior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号XYを送信する。
RFコイル140xYは、被験者10を見てxY側(左(left)後ろ(posterior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号xYを送信する。
RFコイル140Xyは、被験者10を見てXy側(右(right)前(anterior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号Xyを送信する。
RFコイル140xyは、被験者10を見てxy側(左(left)前(anterior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号xyを送信する。
RFコイル140Zは、被験者10を見てZ側(上(superior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号Zを送信する。
RFコイル140zは、被験者10を見てz側(下(inferior)側)から発信されるとシミュレーションされたMRI疑似高周波信号zを送信する。
本実施形態の垂直磁場式MRI装置では、NMR現象を発生する核磁化の回転軸が静磁場と同じ鉛直方向となるので、本実施形態の位相式高周波送信/受信コイル140を上記のように構成している。
図18(c)に、6個のRFコイル140XY〜140zの構造を示す。RFコイル140XY〜140zは、LC共振型コイル140aであり、LC共振型コイル140aには同軸ケーブル140bが接続されている。
本実施形態では、位相式高周波送信/受信コイル140を、図18(b)に示すように配置された6個のRFコイルにより構成したが、RFコイルの形状と個数と配置は、これに限定されない。RFコイルはひとつでもよいし、6個以上、例えば、16個でもよい。被験者10のどの側から、どの程度の分解能でMRI疑似信号を発信させるかの仕様に応じ、MRIシミュレータ64の処理能力も勘案して、RFコイルの形状と個数と配置を決定する。
(非シールド型三軸勾配磁場コイル)
本実施形態によるMRI装置用電子ファントム30の非シールド型三軸勾配磁場コイル150について図19及び図20を用いて説明する。
非シールド型三軸勾配磁場コイル150は、垂直磁場式MRI装置120からMRI装置用電子ファントム30に印加される三軸勾配磁場をそれぞれ選択的に検出するコイルである。
図19(a)に示すZ軸勾配磁場コイル151PGZは、2つの円形コイル151aと円形151bとが平行に対向している。更に、円形コイル151aと円形コイル151bとを接続する接続線151c、151dが設けられている。
平行に対向している2つの円形コイル151aと円形コイル151b間の距離をWとすると、2つの円形コイル151a、151bの直径は(2/√3)Wである。
図19(b)に示すY軸勾配磁場コイル152PGYは、コイル152aとコイル152cにより構成される円形コイル152a、152cと、コイル152bとコイル152dにより構成される円形コイル152c、152dとが、平行に対向している。
平行に対向している2つの円形コイル152a、152cと円形コイル152b、152d間の距離をWとすると、2つの円形コイル152a、152cと円形コイル152b、152dの直径は(2/√3)Wである。
円形コイル152a、152cを構成するコイル152aとコイル152cとの対向距離は(√2−1)Wである。円形コイル152b、152dを構成するコイル152bとコイル152dとの対向距離は(√2−1)Wである。
図19(c)に示すX軸勾配磁場コイル153PGXは、Y軸勾配磁場コイル152PGYを90度だけ反時計方向に回転させたものである。
Y軸勾配磁場コイル153PGXは、コイル153aとコイル153cにより構成される円形コイル153a、153cと、コイル153bとコイル153dにより構成される円形コイル153c、153dとが、平行に対向している。
平行に対向している2つの円形コイル153a、153cと円形コイル153b、153d間の距離をWとすると、2つの円形コイル153a、153cと円形コイル153b、153dの直径は(2/√3)Wである。
円形コイル153a、153cを構成するコイル153aとコイル153cとの対向距離は(√2−1)Wである。円形コイル153b、153dを構成するコイル153bとコイル153dとの対向距離は(√2−1)Wである。
図20に示すように、3つの平行に対向する円形状のZ軸勾配磁場コイル151PGZと、Y軸勾配磁場コイル152PGYと、X軸勾配磁場コイル153PGXとを重ね合わせて非シールド型三軸勾配磁場コイル150を構成する。
図20(a)は非シールド型三軸勾配磁場コイル150の斜視図を示し、図20(b)は非シールド型三軸勾配磁場コイル150の断面を示す。
図20に示すように、本実施形態では、非シールド型三軸勾配磁場コイル150の最外周がX軸勾配磁場コイル153PGXであり、その内側がY軸勾配磁場コイル152PGYであり、その内側がZ軸勾配磁場コイル151PGZである。
なお、3つの円形状のX軸勾配磁場コイル153PGXと、Y軸勾配磁場コイル152PGYと、Z軸勾配磁場コイル151PGZとは、どのような順番で重ね合わせてもよい。
[第2実施形態の第1変形例]
本実施形態のMRI装置用電子ファントム130では、図16に示すように、被験体模型130には、計測装置のプローブとして機能するための必要最小限の構成、すなわち、位相式高周波送信/受信コイル140と非シールド型三軸勾配磁場コイル150とのみを搭載し、MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の電子回路等の構成は、電子ファントム制御部60に搭載している。
本実施形態の第1変形例では、人形型模型160を用意する。この人形型模型160には、MRI装置用電子ファントム30が内包され、入出力端60a/60bに代わりに通信手段としてアンテナ112が具備され、電源(図示せず)が搭載されている。
人形型模型160のアンテナ112に対応して、電子ファントム制御部60にアンテナ114を設ける。人形型模型160と電子ファントム制御部60との間の通信はアンテナ112、114を用いて無線通信する。
電源(図示せず)としては、非磁性の小型バッテリーが望ましい。人形型模型160はNMR信号を極力出力しない材料で構成することが望ましい。
この人形型模型160に、計測装置のプローブとして機能するための必要最小限の構成と共に、MRI装置用電子ファントム30のそれ以外の電子回路等も搭載してもよい。すなわち、人形型模型160に、位相式高周波送信/受信コイル40と、非シールド型三軸勾配磁場コイル150と共に、MRIシミュレータ64と、数理ファントム65と、制御用PC66と、実時間タイミングバッファ68と、高周波送受信機70と、高周波入出力部72と、勾配磁場用入力部74と、電源(図示せず)とを搭載してもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施形態では、本発明をMRI装置に適用したが、本発明をNMR装置に適用してNMR装置用電子ファントムとしてもよい。NMR装置用電子ファントムの場合には、NMR装置からの高周波信号を受信し、NMR装置に高周波信号を送信するためのRFコイル群と、NMR装置からの勾配磁場を検出するための勾配磁場コイルとを小型化して、NMR装置の検出器内に導入する被験体模型に搭載し、NMRシミュレータを搭載する。RFコイル群は計測対象とするNMR核種の共鳴周波数にそれぞれ合わせる。
また上記実施形態では、本発明をMRI装置に適用したが、本発明をPET(Positron Emission Tomography)−CT/MR装置に適用してPET/MRI装置用電子ファントムとしてもよい。PET/MRI装置用電子ファントムの場合には、液体ファントム38の位置に、PET試料を静置することができる。
また上記実施形態では、電子ファントム制御部60によって被検体模型32を制御しているが、水平磁場式MRI装置12あるいは垂直磁場式MRI装置120に電子ファントム制御部60と同等の機能を具備させることで同様の動作させることができる。
10…被験者
12…水平磁場式MRI装置
14…静磁場コイル
16…三軸傾斜磁場コイル
18…RF送信/受信コイル
20…患者テーブル
22…MRI装置制御部
22a…クロック出力端
24…モニタ
30…MRI装置用電子ファントム
32…被検体模型
34…モニタ
36…切換スイッチ
37…GPSアンテナ
38…液体ファントム
40…位相式高周波送信/受信コイル
40XZ〜40yz…RFコイル
50…非シールド型三軸勾配磁場コイル
50PGZ…Z軸勾配磁場コイル
50PGY…Y軸勾配磁場コイル
50PGX…X軸勾配磁場コイル
60…電子ファントム制御部
60a、60b…入出力端
60c…基準クロック入力端
62…キーボード・マウス
64…MRIシミュレータ
65…数理ファントム
66…制御用PC
68…実時間タイミングバッファ
70…高周波送受信機
72…高周波入出力部
74…勾配磁場用入力部
80…GPS/基準クロック部
82…カウンタ
84…パルスシーケンスオブジェクト
86x…PGX用ADコンバータ
86y…PGY用ADコンバータ
86z…PGZ用ADコンバータ
88…積分ロジック部
90…ノイズフィルタ
92…積分バイアス検出部
94…傾斜磁場波形抽出・表示部
96…LNA(低雑音)増幅器
98…受信ノイズフィルタ
100…励起パルス抽出部
102…励起パルス振幅/位相検出部
104…ストレージ
106…PA増幅器
110…人形型模型
112、114…アンテナ
120…垂直磁場式MRI装置
122…静磁場コイル
130…被験体模型
140…位相式高周波送信/受信コイル
140XY〜140z…RFコイル
140a…LC共振型コイル
140b…同軸ケーブル
150…非シールド型三軸勾配磁場コイル
151PGZ…Z軸勾配磁場コイル
152PGY…Y軸勾配磁場コイル
153PGX…X軸勾配磁場コイル
160…人形型模型
162、164…アンテナ
本発明は、核磁気共鳴画像法(MRI)による画像撮像システムの分野においてその利用が可能である。

Claims (11)

  1. 被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムであって、
    前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信して検出する受信コイルと、
    前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を検出する非シールド型三軸勾配磁場コイルと、
    前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力するMRIシミュレータと、
    前記MRIシミュレータから出力された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を前記MRI装置に送信する送信コイルと
    を有することを特徴とするMRI装置用電子ファントム。
  2. 請求項1記載のMRI装置用電子ファントムにおいて、
    前記受信コイルと前記送信コイルは、送信と受信を兼ねた送受信コイルである
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントム。
  3. 請求項2記載のMRI装置用電子ファントムにおいて、
    前記MRI装置の前記検出部に位置させるための被検体模型を更に有し、
    前記被験体模型に、前記送受信コイルと、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルとが搭載されている
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のMRI装置用電子ファントムにおいて、
    前記受信コイル、前記送信コイル又は前記送受信コイルは、前記被験体の複数の部分に対応する複数のコイルを有し、
    前記受信コイル又は前記送受信コイルの前記複数のコイルは、前記被験体の前記複数の部分に印加される前記MRI装置の高周波磁場を検出し、
    前記送受信コイル又は前記送信コイルの前記複数のコイルは、前記被験体の前記複数の部分からの高周波磁場信号を前記MRI装置に送信する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のMRI装置用電子ファントムにおいて、
    前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号を記憶するストレージを更に有し、
    前記送信コイルは、前記ストレージに記憶された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を前記MRI装置に送信する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントム。
  6. 被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、
    前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより受信して検出し、
    前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出し、
    前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、
    前記MRIシミュレータから出力された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を送信コイルにより前記MRI装置に送信する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
  7. 被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、
    前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、
    前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、
    前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、
    前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号をストレージに記憶する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
  8. 被検体としてMRI装置の検出部に位置させるMRI装置用電子ファントムの制御方法であって、
    前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、
    前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、
    前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と、前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場をストレージに記憶する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
  9. 請求項8記載のMRI装置用電子ファントムの制御方法において、
    前記ストレージに記憶された前記高周波磁場と、前記三軸傾斜磁場とに基づいて、MRIシミュレータによりMRIシミュレーションを実行してMRI疑似信号を出力し、
    前記MRIシミュレータにより出力されるMRI疑似信号を前記ストレージに記憶する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載のMRI装置用電子ファントムの制御方法において、
    前記MRI装置により印加される高周波磁場を受信コイルにより検出し、
    前記MRI装置により印加される三軸傾斜磁場を非シールド型三軸勾配磁場コイルにより受信して検出し、
    前記受信コイルで検出された前記高周波磁場と前記非シールド型三軸勾配磁場コイルにより検出された前記三軸傾斜磁場とに同期して、前記ストレージに記憶された前記MRI疑似信号に基づく高周波磁場信号を送信コイルにより前記MRI装置に送信する
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
  11. 請求項6乃至10のいずれか1項に記載のMRI装置用電子ファントムの制御方法において、
    前記受信コイルと前記送信コイルは、送信と受信を兼ねた送受信コイルである
    ことを特徴とするMRI装置用電子ファントムの制御方法。
JP2019564266A 2018-01-15 2018-01-15 Mri装置用電子ファントム及びその制御方法 Active JP6779394B2 (ja)

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