JPWO2019131552A1 - 膵がん等のがんの判定用バイオマーカー - Google Patents
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Abstract
Description
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3
(1)膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定方法であって、
前記判定方法が以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする、前記判定方法。
(a)被検者から採取された判定用血液試料中の、以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質の濃度を測定する工程;
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3
(b)工程(a)で測定した物質の濃度を、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較する工程;
(c)工程(a)で測定した物質が[Aグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価し、及び/又は、工程(a)で測定した物質が[Bグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程;
(2)工程(b)が、工程(a)で測定した2種以上の物質の各濃度と、対照となる健常血液試料中の2種以上の物質の各濃度とを、2種以上の物質の各濃度を変数とする多変量解析における予測式に代入して得た予測値を比較する工程であり、
前記予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合に予測値が高くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも高いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程であり、
前記予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合に予測値が低くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも低いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程であることを特徴とする上記(1)に記載の判定方法や、
(3)物質が、APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、ITIH3の部分ペプチド、APOA4、APOA1及びITIH3からなる群から選択される1種又は2種以上である上記(1)又は(2)に記載の判定方法。
(4)部分ペプチドがプロテアーゼで消化されたペプチドであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の判定方法。
(5)多変量解析が、ロジスティック回帰分析又は重回帰分析であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載の判定方法。
(6)[Bグループ]がさらにCA19−9抗原を含んでおり、
工程(a)で濃度を測定する物質が、[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される2種以上の物質であって、少なくともCA19−9抗原を含んでいることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の判定方法。
(7)工程(a)における物質の濃度の測定を質量分析法により行うことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の判定方法。
(8)物質が、APOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドを少なくとも含んでおり、
判定方法が、工程(a)で測定したAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いと評価する工程(d)をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の判定方法。
(9)がん又は膵がんが、早期膵がんであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の判定方法。
(10)以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質からなることを特徴とする、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定用バイオマーカーであって、
物質が[Aグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示され、
物質が[Bグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示される、前記判定用バイオマーカー。
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3
(11)物質が、APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、ITIH3の部分ペプチド、APOA4、APOA1及びITIH3からなる群から選択される1種又は2種以上である上記(10)に記載の判定用バイオマーカー。
(12)物質が、APOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドを少なくとも含んでおり、
被検者から採取された判定用血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される上記(10)又は(11)に記載の判定用バイオマーカー。
(13)
がん又は膵がんが、早期膵がんであることを特徴とする上記(10)〜(12)のいずれかに記載の判定用バイオマーカー。
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがん(好ましくは膵がん)の有無又は発症リスクの診断方法であって、
前記診断方法が上記工程(a)〜(c)(好ましくは上記工程(a)〜(d))を含むことを特徴とする、前記診断方法;や、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがん(好ましくは膵がん)の有無又は発症リスクの診断方法であって、
上記工程(a)〜(c)(好ましくは上記工程(a)〜(d))を含み、さらに、工程(c)において、がんを有している可能性が高いと評価(診断)された被検者に対して、がんの治療剤を投与する工程(p)、又は、工程(d)において、膵がんを有している可能性が高いと評価(診断)された被検者に対して、膵がんの治療剤を投与する工程(q)を任意で含む、前記診断方法;や、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがん(好ましくは膵がん)の有無又は発症リスクを診断するためのデータを収集する方法であって、
前記方法が上記工程(a)〜(c)(好ましくは上記工程(a)〜(d))を含むことを特徴とする、前記方法;や、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがん(好ましくは膵がん)の有無又は発症リスクの判定(診断)方法におけるバイオマーカーとして使用するための、本件物質群から選択される1又は2種以上の物質であって、
物質が[Aグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示され、
物質が[Bグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示され、
被検者から採取された判定用血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される、前記物質;
を挙げることができる。
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定方法であって、
以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする判定方法(以下、「本件判定方法」とも表示する。)である限り特に制限されない。
(a)被検者から採取された判定用血液試料中の、以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質の濃度(以下、「被検者における物質濃度」とも表示する。)を測定する工程;
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3
(b)工程(a)で測定した物質の濃度を、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度(以下、「対照試料における物質濃度」とも表示する。)と比較する工程;
(c)工程(a)で測定した物質が[Aグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価し、及び/又は、
工程(a)で測定した物質が[Bグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程;
以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質からなることを特徴とする、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定用バイオマーカーであって、
物質が[Aグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示され、
物質が[Bグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示される、
前記判定用バイオマーカー(以下、「本件判定用バイオマーカー」とも表示する。)である限り特に制限されない。
工程(a)で測定した物質が上記[Aグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した「被検者における物質濃度」が、「対照試料における物質濃度」よりも低いとき、前記被検者が本発明におけるがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価(判定)し、及び/又は、
工程(a)で測定した物質が上記[Bグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した「被検者における物質濃度」が、「対照試料における物質濃度」よりも高いとき、前記被検者が本発明におけるがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価(判定)する。
統計解析ソフトウェア等を用いてROC曲線を描く際に、感度と特異度が変化する全ての測定値(ペプチド濃度の測定値)を提示することができる。その全ての測定値における感度、特異度について、ROC曲線のグラフの左上の端の点(感度=1、1−特異度=0)からの距離を以下の式で算出し、その距離が最も小さい測定値を閾値として採用することができる。
(ROC曲線のグラフの左上の端の点からの距離)2=(1−感度)2+(1−特異度)2
また、感度と特異度の和が最大となる値(Youden's index)を閾値として採用することもできる。
工程(b)における予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合又は前記がんの発症リスクが高い場合に予測値が高くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも高いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程であり、
工程(b)における予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合又は前記がんの発症リスクが高い場合に予測値が低くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも低いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程;
[Bグループ]がさらにCA19−9抗原を含んでおり、
工程(a)で濃度を測定する物質が、[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される2種以上の物質であって、少なくともCA19−9抗原を含んでいることが挙げられる。判定にさらにCA19−9抗原の濃度を用いると、膵がんの判定精度をより高めることができる場合がある。
判定方法等が、工程(a)で測定したAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いと評価する(好ましくは、被検者が、胃がん、肝細胞癌、食道がん、結腸がんではなく、膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いと評価する、より好ましくは、被検者が、胃がん、肝細胞癌、食道がんではなく、膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いと評価する)工程(d)をさらに含む判定方法等が挙げられる。また、本発明における判定用バイオマーカーのより好適な態様として、物質が、APOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドを少なくとも含んでおり、
被検者から採取された判定用血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される(好ましくは、被検者が、胃がん、肝細胞癌、食道がん、結腸がんではなく、膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される、より好ましくは、被検者が、胃がん、肝細胞癌、食道がんではなく、膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される)判定用バイオマーカーが挙げられる。
以下の方法で、ヒト血清からペプチド試料を調製した。
ヒトから血清を採取し、尿素溶液中でタンパク質変性処理を行った後、ペプチダーゼによる消化処理を行い、ペプチド試料を調製した。より具体的には、ヒトから採取した血清を10分の1に希釈した希釈血清10μLに、8M尿素溶液15μLを添加して、タンパク質変性処理を行った後、還元アルキル化を行い、次いで、リジルエンドペプチダーゼ及びトリプシンで処理して、ペプチド試料を調製した。
早期膵がんの判定用バイオマーカーの候補をスクリーニングするために、早期膵がん患者由来の血清試料を用いたSWATH−MS測定法を行った。
早期膵がん群(ステージI[6名]及びステージII[24名]の早期膵がん患者30名
[男性18名、女性12名])と、比較対照として健常群(健常者30名[男性13名、女性17名])から血清を採取し、上記実施例1の「方法」の項目に記載の方法に従ってペプチド試料を調製した。ナノLCシステム(Ultimate 3000 RSLCnano;DIONEX社製)を、正イオン化モードで作動させたナノESI−質量分析計(TripleTOF 5600; SCIEX社製)に接続し、IDA測定法及びSWATH−MS測定法を用いて、調製したペプチド試料を分析した。
早期膵がん群と、健常群との間で発現が変動するペプチドとして、11種類のタンパク質(ITIH3、Q5VY30、APOA1、APOA4、BTD、H0YAC1、KNG1、APOB、FETUA、APOE、及びTTHY)を構成する、以下の24種類のペプチドが同定された。
3種類のITIH3ペプチド(EVSFDVELPK[配列番号1]、EHLVQATPENLQEAR[配列番号2]、及びDYIFGNYIER[配列番号3]);
1種類のQ5VY30ペプチド(YWGVASFLQK[配列番号4]);
1種類のAPOA1ペプチド(THLAPYSDELR[配列番号5]);
9種類のAPOA4ペプチド(SELTQQLNALFQDK[配列番号6]、LGEVNTYAGDLQK[配列番号7]、EAVEHLQK[配列番号8]、SLAPYAQDTQEK[配列番号9]、SLAELGGHLDQQVEEFR[配列番号10]、ISASAEELR[配列番号11]、LLPHANEVSQK[配列番号12]、LAPLAEDVR[配列番号13]、及びIDQTVEELR[配列番号14]);
1種類のBTDペプチド(LSSGLVTAALYGR[配列番号15]);
1種類のH0YAC1ペプチド(IAYGTQGSSGYSLR[配列番号16]);
1種類のKNG1ペプチド(YFIDFVAR[配列番号17]);
3種類のAPOBペプチド(ALVDTLK[配列番号18]、LSLPDFK[配列番号19]、及びITLPDFR[配列番号20]);
1種類のFETUAペプチド(AHYDLR[配列番号21]);
1種類のAPOEペプチド(LAVYQAGAR[配列番号22]);
2種類のTTHYペプチド(AADDTWEPFASGK[配列番号23]、及びGSPAINVAVHVFR[配列番号24];
実施例2のスクリーニングにより得られた24種類のペプチドの中から、早期膵がんの判定用バイオマーカーを同定するために、MRM測定法による定量解析を行った。その際、測定対象の早期膵がん患者と、比較対照の健常者の人数も増やして解析を行った。
早期膵がん群(ステージI[8名]及びステージII[51名]の早期膵がん患者59名
[男性37名、女性22名])と、比較対照として健常群(健常者66名[男性31名、女性35名])から血漿を採取し、上記実施例1の「方法」の項目に記載の方法に従ってペプチド試料を調製し、マイクロLCシステム(microLC200;eksigent社製)を、正イオン化モードで作動させたナノESI−三連四重極型質量分析計(QTRAP6500;SCIEX社製)に接続し、MRM測定法を用いて、調製したペプチド試料中の上記24種類のペプチドのピーク強度(すなわちピーク面積)を測定し、既知の濃度のペプチド(測定対象のペプチドと同じアミノ酸配列からなる、安定同位体標識ペプチド)のピーク強度(すなわちピーク面積)に対する相対値(例えば、図1の縦軸の「ピーク強度」に相当)を算出した。また、算出した定量値を基に、OriginPro(Light Stone株式会社製)を用いてROC曲線を作成し、早期膵がん群と健常群の間で、AUC値が0.7超を示すペプチドを、早期膵がんの判定用バイオマーカーとして同定した。また、早期膵がんの判定用バイオマーカーとして同定した各ペプチドのそれぞれについて閾値を設定し、早期膵がんの感度と特異度を算出した。
実施例2のスクリーニングにより得られた24種類のペプチドのうち、7種類のタンパク質(ITIH3、Q5VY30、APOA1、APOA4、BTD、H0YAC1、及びTTHY)を構成する、以下の17種類のペプチドが、早期膵がんの判定用バイオマーカーとして同定された(表8参照)。
2種類のITIH3ペプチド(EHLVQATPENLQEAR[配列番号2]、及びDYIFGNYIER[配列番号3]);
1種類のQ5VY30ペプチド(YWGVASFLQK[配列番号4]);
1種類のAPOA1ペプチド(THLAPYSDELR[配列番号5]);
9種類のAPOA4ペプチド(SELTQQLNALFQDK[配列番号6]、LGEVNTYAGDLQK[配列番号7]、EAVEHLQK[配列番号8]、SLAPYAQDTQEK[配列番号9]、SLAELGGHLDQQVEEFR[配列番号10]、ISASAEELR[配列番号11]、LLPHANEVSQK[配列番号12]、LAPLAEDVR[配列番号13]、及びIDQTVEELR[配列番号14]);
1種類のBTDペプチド(LSSGLVTAALYGR[配列番号15]);
1種類のH0YAC1ペプチド(IAYGTQGSSGYSLR[配列番号16]);
2種類のTTHYペプチド(AADDTWEPFASGK[配列番号23]、及びGSPAINVAVHVFR[配列番号24]);
(ROC曲線のグラフの左上の端の点からの距離)2=(1−感度)2+(1−特異度)2
早期膵がん群及び健常群から採取した血漿を用いて、腫瘍マーカー(CA19−9)測定ELISAキットによりCA19−9濃度を測定し、両群を判別すると、AUC値は0.8619であり、また、閾値を24.9に設定した場合の感度及び特異度は、それぞれ77.97%及び81.54%であった。すなわち、本実施例で同定された17種類のペプチド(表8参照)単独では、既存のがんマーカー(CA19−9)よりも、早期膵がんの精度を上回るものはなかった。そこで、CA19−9よりも精度よく早期膵がんを判定できるペプチドの組合せの探索を試みた。なお、感度や特異度の数値から、CA19−9が早期膵がんの判定マーカーとして十分な精度を持っているようにも見えるがそれは正しくない。CA19−9は消化器系のがんのマーカーとして人間ドック等の検診などでも用いられており、血液中のCA19−9濃度が高い被検者がその後精密検査を受けて、消化器のいずれかにがんがあるかを調べる。すなわち、現状では、数少ない早期膵がん患者の多くは、CA19−9濃度が高いことをきっかけに早期膵がんを発見した者であるため、早期膵がんとCA19−9濃度の相関関係が見かけ上、高くなっていると考えられる。しかし、実際は、膵がんは早期ではほとんどが見過ごされており、CA19−9は早期膵がんのマーカーとしての実用性は低いと考えられる。
表8に示す17種類のペプチドについて、実施例3で得られた早期膵がん群及び健常群における定量結果を基に、或いは、かかる定量結果に加えて、血漿中のCA19−9濃度の測定値を基に、統計解析ソフト(「EZR on R commander」、Version 1.33)を用いた多重ロジスティック回帰分析を行い、早期膵がんの発生確率(P)を予測した。
ITIH3ペプチド(EHLVQATPENLQEAR[配列番号2])、APOA1ペプチド(THLAPYSDELR[配列番号5])、及びAPOA4ペプチド(LLPHANEVSQK[配列番号12])の3種類のペプチドを組み合わせて、早期膵がん群及び健常群を判別すると、AUC値は0.9007であり、また、閾値を0.6128に設定した場合の感度及び特異度は、それぞれ74.58%及び93.85%であり、CA19−9よりも精度よく早期膵がんを判定できることが示された(図2A参照)。なお、上記3種類のペプチドの組合せを用いた早期膵がんの発生確率は、以下の式(1)に示す多重ロジスティック回帰方程式を用いて算出した。
本実施例で同定した早期膵がんの判定用バイオマーカーが、(早期)膵がん発症リスクの判定にも有効であるか否かを検証した。
慢性膵炎患者や前膵がん病変患者は、膵がんを発症するリスクが健常人よりも高いと一般的にされている。慢性膵炎患者(3名)及び前膵がん病変患者(27名)を、前膵がん病変・慢性膵炎群とした。かかる前膵がん病変・慢性膵炎群から血漿を採取し、実施例1の「方法」の項目に記載の方法に従って、ペプチド試料を調製し、上記3種類のペプチド、すなわち、ITIH3ペプチド(EHLVQATPENLQEAR[配列番号2])、APOA1ペプチド(THLAPYSDELR[配列番号5])、及びAPOA4ペプチド(LLPHANEVSQK[配列番号12])の濃度を定量した。得られた定量結果を基に、あるいは、かかる定量結果に加えて、血漿中のCA19−9濃度の測定値を基に、実施例4の「方法」の項目に記載の多重ロジスティック回帰分析を行い、前膵がん病変・慢性膵炎の発生確率を予測した。なお、上記3種類のペプチドの組合せを用いた前膵がん病変・慢性膵炎の発生確率は、上記式(1)に示す多重ロジスティック回帰方程式を用いて算出し、上記3種類のペプチドと、CA19−9との組合せを用いた前膵がん病変・慢性膵炎の発生確率は、上記式(2)に示す多重ロジスティック回帰方程式を用いて算出した。
これらの結果は、膵がんを将来発症するリスクが健常人よりも高い者から採取された血漿中の上記3種類のペプチド濃度は、健常人における上記3種類のペプチド濃度と比べ、変動することを示している。
これらの結果は、膵がん発症前の対象者から採取された血漿中の上記3種類のペプチド濃度を測定し、適切なカットオフ値を設定すると、上記3種類のペプチド濃度を指標として、前膵がん病変・慢性膵炎を判定できる、すなわち、膵がんを発症するリスクの高低を判定できることを示している。前膵がん病変・慢性膵炎である可能性が高い場合は、膵がんを発症するリスクが高いと判定することができ、膵がん病変・慢性膵炎である可能性が低い場合は、膵がんを発症するリスクが低いと判定することができる。
本実施例で同定した早期膵がんの判定用バイオマーカーが、中期〜末期(ステージIII〜IV)の膵がんの判定にも有効か否かを検討した。
ステージI膵がん群(ステージIの膵がん患者4名[男性1名、女性3名])、ステージII膵がん群(ステージIIの膵がん患者19名[男性13名、女性6名])、ステージIII膵がん群(ステージIIIの膵がん患者26名[男性13名、女性13名])、及びステージIV膵がん群(ステージIVの膵がん患者51名[男性32名、女性19名])と、比較対照として健常群(健常者44名[男性29名、女性15名]から血漿を採取し、実施例5の「方法」の項目に記載の方法に従って、上記3種類のペプチド(ITIH3ペプチド、APOA1ペプチド、及びAPOA4ペプチド)の濃度の定量と、得られた定量結果を基にした多重ロジスティック回帰分析を行い、各ステージの膵がんの発生確率を予測した。
上記3種類のペプチドを組み合わせて、ステージI〜IV膵がん群及び健常群を判別すると、いずれのステージの膵がんについても、CA19−9よりも精度よく判定できることが示された(図3及び表13参照)。
本実施例で同定した早期膵がんの判定用バイオマーカーが、膵がん以外のがんの判定にも有効であるか否かを検証した。
7種類のがん群、すなわち、肝外胆管がん群(胆管がん患者16名[男性10名、女性6名])、結腸がん群(結腸がん患者126名[男性76名、女性50名])、十二指腸がん群(十二指腸がん患者8名[男性3名、女性5名])、食道がん群(食道がん患者10名[男性9名、女性1名])、肝細胞がん群(肝細胞がん患者12名[男性10名、女性2名])、肝内胆管がん群(肝内胆管がん患者9名[男性5名、女性4名])、及び胃がん群(胃がん患者119名[男性84名、女性35名])と、比較対照として健常群(健常者44名[男性29名、女性15名])、膵がん群(膵がん患者101名[男性60名、女性41名])、前膵がん病変・慢性膵炎群(前がん病変の状態の慢性膵炎患者49名[男性24名、女性25名])、及び良性腫瘍群(良性腫瘍患者44名[男性22名、女性22名])とから血漿を採取し、実施例5の「方法」の項目に記載の方法に従って、上記3種類のペプチド(ITIH3ペプチド、APOA1ペプチド、及びAPOA4ペプチド)の濃度の定量と、得られた定量結果を基にした多重ロジスティック回帰分析を行い、上記7種類のがんの発生確率を予測した。
上記3種類のペプチドを組み合わせて、各種がん群及び健常群を判別すると、7種類のがん群のうち、4種類のがん群(胆管がん群、結腸がん群、十二指腸がん群、及び胃がん群)における各がんの発生確率は、それぞれ、0.7248、0.6937、0.8532及び0.6108であり、非がん群である健常群及び良性腫瘍群における各がんの発生確率(0.0949及び0.4249)と比べ高かった(図4A参照)。また、上記3種類のペプチドと、CA19−9とを組み合わせて各種がん群及び健常群を判別した場合も同様に、上記4種類のがん群における各がんの発生確率は、それぞれ、0.6891、0.5840、0.8293、及び0.5134であり、非がん群である健常群及び良性腫瘍群における各がんの発生確率(0.07918及び0.3393)と比べ高かった(図4B参照)。
これらの結果は、胆管がん、結腸がん、十二指腸がん、及び胃がんを発症している者から採取された血漿中の上記3種類のペプチド濃度は、かかるがんを発症しない者における上記3種類のペプチド濃度と比べ、変動することを示している。
また、各群の血漿中の上記3種類のペプチド濃度を基に、健常群を判別するためのROC曲線を作成したところ、上記4種類のがん群におけるAUC値は、CA19−9を用いた場合と比べ、高い値を示した(表14参照)。
これらの結果は、上記3種類のペプチドを組み合わせると、膵がんに加えて、4種類のがん(胆管がん、結腸がん、十二指腸がん、及び胃がん)を精度よく判定できることを示している。
膵がんと、他のがん(胃がん、肝細胞癌、食道がん、結腸がん)とを判別可能なバイオマーカーの候補をスクリーニングするために、実施例7で用いた、膵がん以外の各がんの検体(各がんにつき10検体)と、実施例6で用いた膵がん(10検体)について、実施例3と同様の方法による定量プロテオーム解析により網羅的な探索を行った。その結果、膵がんと、他のがん(胃がん、肝細胞癌、食道がん、結腸がん)との判別能が最も高い分子として、APOA4が同定された。この解析にはAPOA4ペプチドとして、配列番号9、10、12を用いた。
本実施例で同定した早期膵がんの判定用バイオマーカーが、中期〜末期(ステージIII〜IV)の膵がんの判定にも有効であることは上記の実施例6においてすでに示した。ただし、この実験では複数の医療施設の患者の検体を使用していた。本実施例で同定した早期膵がんの判定用バイオマーカーが単一の医療施設の症例における中期〜末期(ステージIII〜IV)の膵がんの判定にも有効であることを念のため確認した。なお、単一の医療施設として、神戸大学医学部附属病院の膵がん患者の検体を使用した。
ステージIII及びIVの膵がん群(ステージIII及びIVの膵がん患者43名と、比較対照として健常群(健常者45名から血漿を採取し、実施例5の「方法」の項目に記載の方法に従って、上記3種類のペプチド(ITIH3ペプチド、APOA1ペプチド、及びAPOA4ペプチド)の濃度の定量と、得られた定量結果を基にした多重ロジスティック回帰分析を行い、ステージIII又はIVの膵がんの発生確率を予測した。
このような方法で予測したステージIII又はIVの膵がんの発生確率を図6に示す。また、図6の結果を基に作成したROC曲線を図7に示す。このように、上記3種類のペプチドを組み合わせて、ステージIII及びIVの膵がん群と健常群とを判別すると、AUC値は0.851と高い値を示した。また、ステージIII又はIVの膵がん群と、健常群とを区別するためのカットオフ値として、Youden's index(感度と特異度の和が最大となる値)である0.426を設定した場合の感度及び特異度は、それぞれ69.8%及び93.3%であった。これらの結果から、上記3種類のペプチド(ITIH3ペプチド、APOA1ペプチド、及びAPOA4ペプチド)を組み合わせると、ステージIII及びIVの膵がんについても、精度よく判定できることが示された(図6、図7)。
Claims (13)
- 膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定方法であって、
前記判定方法が以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする、前記判定方法。
(a)被検者から採取された判定用血液試料中の、以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質の濃度を測定する工程;
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3
(b)工程(a)で測定した物質の濃度を、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較する工程;
(c)工程(a)で測定した物質が[Aグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価し、及び/又は、
工程(a)で測定した物質が[Bグループ]の物質である場合、工程(a)で測定した物質の濃度が、対照となる健常血液試料中のその物質の濃度と比較して高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程; - 工程(b)が、工程(a)で測定した2種以上の物質の各濃度と、対照となる健常血液試料中の2種以上の物質の各濃度とを、2種以上の物質の各濃度を変数とする多変量解析における予測式に代入して得た予測値を比較する工程であり、
前記予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合に予測値が高くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも高いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程であり、
前記予測式が、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い場合に予測値が低くなる予測式である場合には、工程(c)は、被検者について得られた予測値が健常血液試料について得られた予測値よりも低いときに、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いと評価する工程であることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。 - 物質が、APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、ITIH3の部分ペプチド、APOA4、APOA1及びITIH3からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の判定方法。
- 部分ペプチドがプロテアーゼで消化されたペプチドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の判定方法。
- 多変量解析が、ロジスティック回帰分析又は重回帰分析であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の判定方法。
- [Bグループ]がさらにCA19−9抗原を含んでおり、
工程(a)で濃度を測定する物質が、[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される2種以上の物質であって、少なくともCA19−9抗原を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の判定方法。 - 工程(a)における物質の濃度の測定を質量分析法により行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の判定方法。
- 物質が、APOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドを少なくとも含んでおり、
判定方法が、工程(a)で測定したAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いと評価する工程(d)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の判定方法。 - がんが、早期膵がんであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の判定方法。
- 以下の[Aグループ]及び[Bグループ]に記載される物質群から選択される1又は2種以上の物質からなることを特徴とする、
膵がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん及び胆管がんからなる群から選択される1種又は2種以上のがんの有無又は発症リスクの判定用バイオマーカーであって、
物質が[Aグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて低いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示され、
物質が[Bグループ]の物質である場合、被検者から採取された判定用血液試料中の前記物質の濃度が、対照となる健常者における前記物質の濃度と比べて高いとき、前記被検者が前記1種又は2種以上のがんを有している可能性が高い又は前記被験者における前記がんの発症リスクが高いことが示される、
前記判定用バイオマーカー。
[Aグループ]
APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、TTHYの部分ペプチド、Q5VY30の部分ペプチド、H0YAC1の部分ペプチド、BTDの部分ペプチド、APOA4、APOA1、TTHY、Q5VY30、H0YAC1、BTD
[Bグループ]
ITIH3の部分ペプチド、ITIH3 - 物質が、APOA4の部分ペプチド、APOA1の部分ペプチド、ITIH3の部分ペプチド、APOA4、APOA1及びITIH3からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項10に記載の判定用バイオマーカー。
- 物質が、APOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドを少なくとも含んでおり、
被検者から採取された判定用血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度が、対照となる健常血液試料中のAPOA4の部分ペプチド又はAPOA1の部分ペプチドの濃度と比較して低い程度がより大きいとき、前記被検者が膵がんを有している可能性が高い又は前記被験者における膵がんの発症リスクが高いことが示される請求項10又は11に記載の判定用バイオマーカー。 - がんが、早期膵がんであることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の判定用バイオマーカー。
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