JPWO2019124251A1 - 化学変性セルロースおよびセルロースナノファイバーならびにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](1)以下の方法で測定されるパルプ中のCaイオンの濃度がパルプ重量に対して0.02重量%以下であるパルプを準備する工程、
濃度測定方法:
1)パルプ濃度が2重量%であるパルプと水との混合物を離解してスラリーとし、
2)当該スラリーのpHを2にし、
3)当該スラリーをろ過してろ液を得て、
4)ろ液中の目的とするイオン濃度を測定する
(2)当該パルプを化学変性する工程、
を含む、化学変性セルロースの製造方法。
[2]前記工程(1)におけるパルプの、前記方法で測定されるパルプ中のMgイオンの濃度がパルプ重量に対して0.01重量%以下である、[1]に記載の方法。
[3]前記工程(1)が、キレート剤を原料パルプに添加して多価金属イオンを捕捉する工程、当該処理されたパルプを洗浄する工程を経て、前記Caイオン濃度を有するパルプを準備する工程である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記工程(1)が、原料パルプを酸性の液体で洗浄することにより前記Caイオン濃度を有するパルプを準備する工程である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[5](A)パルプにキレート剤を添加して、多価金属イオンを捕捉する工程、および
(B)当該パルプを化学変性する工程、を含む、化学変性セルロースの製造方法。
[6]前記キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、オキソ酸の縮合物、これらの無機塩、およびこれらの組合せからなる群から選択される、[5]に記載の製造方法。
[7]前記化学変性を行う際のパルプ濃度が1〜20重量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記化学変性が酸化反応である、[1]〜[7]に記載の製造方法。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかの方法よって化学変性セルロースを調製する工程、および
当該化学変性セルロース解繊してセルロースナノファイバーを得る工程、
を含む、セルロースナノファイバーの製造方法。
本発明の第1の化学変性セルロースの製造方法は、後述する方法で測定されるパルプ中のCaイオンの濃度がパルプ重量に対して0.02重量%以下であるパルプを準備する工程(1)、および当該パルプを化学変性する工程(2)を備える。本製造方法によって、解繊性が良好な化学変性セルロースを得ることができる。
1)パルプ
本発明では特定範囲のCaイオン濃度、好ましくは特定範囲のCaイオン濃度およびMgイオン濃度を有するパルプを原料として用いる。パルプとしては、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹溶解クラフトパルプ(LDKP)、針葉樹溶解クラフトパルプ(NDKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、針葉樹溶解サルファイトパルプ(NDSP)、広葉樹溶解サルファイトパルプ(LDSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙パルプ等が挙げられる。サルファイトパルプは酸蒸解を含む工程で製造されるためCaイオンおよびMgイオンが除去されやすく当該イオンの残存量が少ない。よって本発明においてはサルファイトパルプを用いることが好ましい。
パルプ中のCaイオンの濃度は、絶乾パルプ重量に対して0.02重量%以下である。当該イオン濃度をこの範囲にすることで、次工程においてパルプを化学変性する際に反応性が向上する。さらに、パルプ中のMgイオンの濃度は絶乾パルプ重量に対して0.01重量%以下であることが好ましい。CaイオンやMgイオンは、パルプを酸化する際に用いる次亜塩素酸塩等の酸化剤を失活すると考えられ、これらのイオン濃度を前記の範囲とすることによって酸化剤の失活を回避でき、その結果、より多くの官能基(カルボキシル基等)をパルプに導入できると考えられる。この失活は、例えば酸化剤が次亜塩素酸Na塩である場合、当該塩は水への溶解度が高いが、これが次亜塩素酸Ca塩等に変換されると水への溶解度が低下することに起因するとも推察される。これらの観点から、Caイオンは0.015重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以下であることがより好ましい。Mgイオンは0.01重量%以下であることが好ましく、0.005重量%以下であることがより好ましい。
工程1:パルプ濃度が2重量%であるパルプと水との混合物を離解してスラリーを調製する工程
工程2:当該スラリーのpHを2にする工程
工程3:当該スラリーをろ過してろ液を得る工程
工程4:ろ液中の目的とするイオン濃度を測定する工程
化学変性とは、セルロースのグルコース単位あたりに存在するヒドロキシル基を変性することをいう。化学変性としては、例えば、酸化、エーテル化、リン酸エステル化等のエステル化、シランカップリング、フッ素化、カチオン化等が挙げられる。中でも、酸化(カルボキシル化)、エーテル化(カルボキシメチル化等)、カチオン化、エステル化が好ましく、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化がより好ましい。本発明においてはパルプ濃度が1〜20重量%の条件で実施することが好ましく、2〜10重量%の条件で実施することが好ましい。具体的には、パルプを分散媒に分散して当該濃度の分散体(好ましくはスラリー)を調製し、反応に供することが好ましい。分散媒は水であることが好ましい。以下、酸化(カルボキシル化)を例にして化学変性について説明する。
酸化セルロース濃度が0.5重量%スラリーを調製し、当該スラリー60mLに0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とし、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)を求め、下式を用いて算出する。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕
第2の化学変性セルロースの製造方法は、パルプにキレート剤を添加して、多価金属イオンを捕捉する工程(A)、および当該パルプを化学変性する工程(B)を備える。本製造方法によって、良好な反応効率にて化学変性セルロースを提供できる。
本工程で用いるパルプとしては、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹溶解クラフトパルプ(LDKP)、針葉樹溶解クラフトパルプ(NDKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、針葉樹溶解サルファイトパルプ(NDSP)、広葉樹溶解サルファイトパルプ(LDSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙パルプ等が挙げられる。本工程は、第1の製造方法の工程(1)で述べたとおりに実施できるが、本工程においてはキレート処理を行った後、化学変性工程の前にパルプを洗浄してもよいし、しなくてもよい。
(2)工程(B)
本工程は、第1の製造方法の工程(1)で述べたとおりに実施できる。
このようにして得た化学変性セルロースを洗浄してもよい。洗浄により、余剰のキレート剤、およびキレート剤と多価金属イオンの錯体を除去することができる。洗浄は公知の方法で実施してよく、例えば化学変性セルロースをろ過等によって単離し、水または有機溶媒で洗浄することができる。
(1)解繊(ナノ解繊)
前記化学変性セルロースを解繊することによって繊維幅がナノオーダーの化学変性セルロースナノファイバーを製造できる。解繊処理は1回行ってもよく複数回行ってもよい。
解繊工程により、化学変性セルロースナノファイバーが分散媒中に分散した分散液(以下単に「分散液」ともいう)が得られる。本発明で得られた化学変性セルロースは化学変性基を多く含むので解繊性が良好であり、解繊によって得られた分散液は高い透明度を有する。具体的に、濃度1%(w/v)の分散液の660nmの透過度によって定義される透明度は、90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
必要に応じて、解繊によって得られた分散液をろ過してもよい。ろ過により分散液中の異物を除去できるので分散液の透明度をより向上できる。ろ過処理としては、例えば、分散液(通常は水系分散媒を使用)を0.01MPa以上、好ましくは0.01〜10MPaの差圧を付けて加圧ろ過または減圧ろ過する処理が挙げられる。差圧が0.01MPa以上であることにより、相当の希釈を行わなくとも十分なろ過処理量が得られる。希釈を行わない分散液はセルロースナノファイバー濃度を高く保てるので輸送等に有利である。具体的には特願2015−215793に記載の方法に従ってろ過を行うことが好ましい。
化学変性セルロースナノファイバーとは化学変性セルロースから得られた微細繊維である。化学変性セルロースナノファイバーの平均繊維径は特に限定されないが、長さ加重平均繊維径にして通常2〜500nm程度であり、好ましくは2〜50nmである。化学変性セルロースナノファイバーの平均繊維長は特に限定されないが、長さ加重平均繊維長にして好ましくは50〜2000nmである。長さ加重平均繊維径および長さ加重平均繊維長(以下、単に「平均繊維径」、「平均繊維長」ともいう)は、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各繊維を観察して求められる。変性セルロースナノファイバーの平均アスペクト比は10以上である。上限は特に限定されないが、1000以下である。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径により算出できる。化学変性セルロースナノファイバーにおけるカルボキシル基等の化学変性基の量は解繊前の化学変性セルロースと同じである。
1)イオン濃度の測定
針葉樹由来の溶解サルファイトパルプ(日本製紙株式会社製、NDSP)に水を加えて、濃度2重量%の混合物とした後、ミキサーを用いて離解した。当該混合物に塩酸(和光純薬工業株式会社製)を添加してpH2に調整した。ブフナー漏斗を用いて当該混合物をろ過し、ろ液を回収後、さらにシリンジフィルター(孔径0.45μm)でろ過した。得られたろ液をICP−OESにて測定し、多価金属イオン濃度(mg/パルプg)を算出した。その結果、Caイオンが0.075mg/g(=0.0075重量%)、Mgイオンが0.034mg/g(=0.0034重量%)であった。
前記針葉樹由来の溶解サルファイトパルプ(日本製紙株式会社製、NDSP)5g(絶乾)を、TEMPO(東京化成工業株式会社製)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)756mg(7.35mmol)を溶解した水溶液500mLに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。ここに次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)2.3mmolを水溶液の形態で加えた。次いで、次亜塩素酸ナトリウムを絶乾パルプ1g当たり0.23mmol/分の添加速度となるように送液ポンプを用いて徐々に添加してパルプの酸化を行った。次亜塩素酸ナトリウムの全添加量が22.5mmolとなるまで添加を継続した。反応中は系内のpHは低下するが、3N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。水酸化ナトリウム水溶液を添加し始めた時点、すなわち酸化反応が開始されてpHの低下が見られた時点から添加を終了するまで、すなわち酸化反応が終了してpHの低下が見られなくなった時点までの時間を反応時間とした。塩酸を用いて当該反応液を中和した後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗して酸化パルプ(酸化セルロース)を得た。
次の方法によって酸化セルロースのカルボキシル基量を測定した。
濃度が0.5重量%である酸化セルロースのスラリーを60mL調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定した。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシル基量を算出した。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕。
この測定の結果、得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.60mmol/gであった。
上記酸化処理を経た濃度1%(w/v)の酸化セルロースのスラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理して、透明なゲル状のセルロースナノファイバー分散液を得た。
超音波装置を用いてセルロースナノファイバー分散液を脱泡した後、紫外可視分光光度計(UV−1800、株式会社島津製作所製)の660nmの波長にて測定した透過度(%)を透明度とした。本分散液の透明度は95%であった。結果を表1に示す。
パルプとしてバッカイ社製NDKP(銘柄名:V5)を用いた以外は、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。
パルプとして日本製紙株式会社製LDSPを用いた以外は、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。
パルプとして日本製紙株式会社製NBKPを用いた以外は、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。
パルプとして日本製紙株式会社製LBKPを用いた以外は、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。
比較例1−1のNBKPに水を加えて、濃度2重量%の混合物とした後、ミキサーを用いて離解した。ブフナー漏斗を用いて当該混合物をろ過し、イオン交換水で洗浄した。洗浄後のろ液について、実施例1−1と同様にしてイオン濃度を測定した。イオン濃度は、Ca:0.0450、Mg:0.0100、Al:0.0002であった。当該洗浄済みパルプを用いて実施例1−1と同様にしてTEMPO酸化反応を行い、カルボキシル基量1.53mmol/gのTEMPO酸化パルプを得た。上記酸化処理を経た濃度1%(w/v)の酸化セルロースのスラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理して、透明度89%のセルロースナノファイバー分散液を得た。
比較例1−1で用いたNBKPに水を加えて、濃度2重量%の混合物とした後、パルプの絶乾重量に対して2重量%のEDTAを添加し、充分に撹拌した。この混合物を脱水後、洗浄済みパルプを得た。このパルプを比較例1−3と同様に処理して、ろ液を採取し、イオン濃度を測定した。当該濃度は、Ca:0.0041、Mg:0.0022、Al:<0.0001であった。洗浄済みパルプを用いて実施例1−1と同様にしてTEMPO酸化反応を行い、カルボキシル基量1.65mmol/gのTEMPO酸化パルプを得た。上記酸化処理を経た濃度1%(w/v)の酸化セルロースのスラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理して、透明度94%のセルロースナノファイバー分散液を得た。
比較例1−1で用いたNBKPに水を加えて、濃度2重量%の混合物とした後、ミキサーを用いて離解した。当該混合物に塩酸(和光純薬工業株式会社製)を添加してpH2に調整した。ブフナー漏斗を用いて当該混合物をろ過し、ろ液を回収後、さらにシリンジフィルター(孔径0.45μm)でろ過した。得られたろ液について、実施例1−1と同様にしてイオン濃度を測定した。当該濃度は、Ca:0.0022、Mg:0.0017、Al:<0.0001であった。洗浄済みパルプを用いて実施例1−1と同様にしてTEMPO酸化反応を行い、カルボキシル基量1.67mmol/gのTEMPO酸化パルプを得た。上記酸化処理を経た濃度1%(w/v)の酸化セルロースのスラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理して、透明度94%のセルロースナノファイバー分散液を得た。
1)パルプの酸化
針葉樹由来の漂白済み未叩解パルプ(日本製紙株式会社製)100g(絶乾)と水を、アンカーミキサーを備えるウォータージャケット付き容器(プライミクス株式会社製)に仕込み、パルプ濃度が5重量%のスラリーを調製した。室温にて、キレート剤としてEDTA(株式会社日新化学研究所、商品名:コントロールHN)を当該スラリーに滴下した。キレート剤の総量は1.0g(絶乾パルプに対し0.5重量%)であり、滴下時間は1分であった。
次の方法によって酸化セルロースのカルボキシル基量を測定した。
濃度が0.5重量%である酸化セルロースのスラリーを60mL調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定した。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシル基量を算出した。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕。
この測定の結果、得られた酸化セルロースのカルボキシル基量は1.55mmol/gであった。
上記反応で得た酸化セルロースを含むスラリーに水を加えて濃度1%(w/v)の酸化セルロースのスラリーを調製した。当該スラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理して、透明なゲル状のセルロースナノファイバー分散液を得た。
超音波装置を用いてセルロースナノファイバー分散液を脱泡した後、紫外可視分光光度計(UV−1800、株式会社島津製作所製)の660nmの波長にて測定した透過度(%)を透明度とした。本分散液の透明度は95%であった。結果を表2に示す。
キレート剤の添加量を、2.0重量%、5.0重量%に変更した以外は、実施例2−1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
キレート剤として2.0g(パルプに対して2.0重量%)のポリリン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を使用した以外は、実施例2−1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
キレート剤を使用しなかった以外は、実施例2−1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
パルプの量を60g、TEMPOの量を0.234g、臭化ナトリウムの量を6.17g、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の量を198mL、キレート剤の量を1.2g(パルプに対して2.0重量%)とした以外は、実施例2−4と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。当該反応におけるスラリー中のパルプ濃度は3重量%であった。結果を表2に示す。
キレート剤を使用しなかった以外は、実施例2−5と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
パルプの量を40g、TEMPOの量を0.156g、臭化ナトリウムの量を4.12g、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の量を124mL、キレート剤の量を0.8g(パルプに対して2.0重量%)とした以外は、実施例2−4と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。当該反応におけるスラリー中のパルプ濃度は2重量%であった。結果を表2に示す。
キレート剤を使用しなかった以外は、実施例2−6と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
パルプの量を20g、TEMPOの量を0.078g、臭化ナトリウムの量を2.06g、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の量を58mL、キレート剤の量を0.4g(パルプに対して2.0重量%)とした以外は、実施例2−4と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。当該反応におけるスラリー中のパルプ濃度は1重量%であった。結果を表2に示す。
キレート剤を使用しなかった以外は、実施例2−7と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を製造し、評価した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- (1)以下の方法で測定されるパルプ中のCaイオンの濃度がパルプ重量に対して0.02重量%以下であるパルプを準備する工程、
濃度測定方法:
1)パルプ濃度が2重量%であるパルプと水との混合物を離解してスラリーとし、
2)当該スラリーのpHを2にし、
3)当該スラリーをろ過してろ液を得て、
4)ろ液中の目的とするイオン濃度を測定する
(2)当該パルプを化学変性する工程、
を含む、化学変性セルロースの製造方法。 - 前記工程(1)におけるパルプの、前記方法で測定されるパルプ中のMgイオンの濃度がパルプ重量に対して0.01重量%以下である、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(1)が、キレート剤を原料パルプに添加して多価金属イオンを捕捉する工程、当該処理されたパルプを洗浄する工程を経て、前記Caイオン濃度を有するパルプを準備する工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記工程(1)が、原料パルプを酸性の液体で洗浄することにより前記Caイオン濃度を有するパルプを準備する工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
- (A)パルプにキレート剤を添加して、多価金属イオンを捕捉する工程、および
(B)当該パルプを化学変性する工程、
を含む、化学変性セルロースの製造方法。 - 前記キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、オキソ酸の縮合物、これらの無機塩、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の製造方法。
- 前記化学変性を行う際のパルプ濃度が1〜20重量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記化学変性が酸化反応である、請求項1〜7に記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかの方法よって化学変性セルロースを調製する工程、および
当該化学変性セルロース解繊してセルロースナノファイバーを得る工程、
を含む、セルロースナノファイバーの製造方法。
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