JPWO2019123664A1 - 伝送媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】省電効果が得られる新規な伝送媒体を提供する。【解決手段】伝送媒体1は、伝送線2と、磁界発生部3とを主体に構成されている。伝送線2は、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4を含んでおり、例えば、伝送線2の周囲に結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4がコーティングされている。結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4は、火薬の爆発エネルギー等によって細かく粉砕することによって生成され、自発電荷を有している。磁界発生部3は、伝送線2と交差する一方向の磁界列を発生する。この磁界列によって、伝送媒体1内に自由電子eが発生する。結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4は、帯電による電気反発力によって、伝送媒体1内で発生した自由電子eを加速させる。これにより、伝送媒体1としての力率が向上する。

Description

本発明は、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を用いた伝送媒体に関する。
従来、ナノダイヤモンド粒子は、磁気ディスクのガラス基板研磨等における研磨材として広く使用されているが、近年、ナノダイヤモンド半導体が有する自発電荷に着目した応用例が注目されている。例えば、特許文献1は、自発電荷を有する活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを持つ結晶系ナノダイヤモンド半導体を太陽電池保護膜として使用する技術が開示されている。この太陽電池保護膜は、粒子サイズ3−8nmのナノダイヤモンド半導体粒子の光散乱効果により光吸収能を増し、自発電荷により太陽電池表面の汚れ付着を防止して出力の経年劣化を防止すると共に、400nm以下の紫外線波長帯域を0.5−2.0μmの波長帯域に変換して光電気変換効率を向上させる。
また、特許文献2には、ナノダイヤモンド半導体粒子を繊維中に分散させた機能性繊維が開示されている。具体的には、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−1.0eVであるナノダイヤモンド半導体粒子を用いることで、生体赤外線及び荷電粒子放射能の大きな繊維を作成する。半導体粒子は、繊維高分子結晶の間隙に浸透して擬似的に直列接続され、体温程度の加熱での励起で発生した粒子間の電位が積算されることによって、大きな起電力を発生し、生体効果を発揮する。
さらに、特許文献3には、紫外線吸収能および紫外線から赤外線に波長を変換する光エネルギー変換能を有するナノダイヤモンド半導体粒子を用いた有機機能性材料が開示されている。有機機能性材料は、0.2−1.0eVの活性化エネルギーレベルを有するナノダイヤモンド半導体粒子を0.0005wt%以上含む。
特開2014−203985号公報 特開2011−074553号公報 特開2011−10635号公報
本発明の目的は、省電効果が得られる新規な伝送媒体を提供することである。
かかる課題を解決すべく、本発明は、伝送線と、磁界発生部とを有する伝送媒体を提供する。伝送線は、自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含んでいる。磁界発生部は、伝送線と交差する一方向の磁界列を発生する。
ここで、本発明において、上記磁界発生部は、入出力端が共通接続され、網目状に絡ませた複数の導電線によって、一方向の磁界列を自励にて発生してもよい。また、上記磁界発生部は、伝送線の延在方向に沿って列状に並んだ複数の永久磁石によって、一方向の磁界列を他励にて発生してもよい。
また、本発明において、上記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、3nm以上8nm以下の粒子径を有することが好ましく、その活性化エネルギーレベルは、0.3eV以上0.7eV以下であることが望ましい。
さらに、本発明において、上記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、伝送線の周囲にコーティングされていることが好ましい。
本発明によれば、自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含んだ伝送線に対して、これと交差するように一方向の磁界列を供給することで、電子加速が発生して省電効果が得られる。
第1の実施形態に係る伝送媒体の説明図 太陽光発電に対する分散関係の特性を示す図 第2の実施形態に係る伝送媒体の構成図 第2の実施形態に係る磁界列の発生を示す図 第3の実施形態に係る伝送媒体の構成図
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る伝送媒体の説明図である。この伝送媒体1は、伝送線2と、磁界発生部3とを主体に構成されている。伝送線2は、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4を含んでおり、本実施形態では、伝送媒体1の製造を容易にすべく、伝送線2の周囲に結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4がコーティングされている。結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4は、火薬の爆発エネルギー等によって細かく粉砕することによって生成され、自発電荷を有している。
本実施形態では、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子として、3nm以上8nm以下の粒子径を有するものを用いる。このサイズの粒子は以下のような特徴を有している。第1に、表面炭素層が薄くなるため、励起荷電粒子の発生効率が良く、配合量が少なくて済む。第2に、自発分極をもち自発電荷による性能が大きい。第3に、自発電荷の活性化エネルギーレベルが0.3eV以上0.7eV以下を有し、励起された荷電粒子が多く発生する。第4に、サッカーボール状で励起電子による接触抵抗の低下機能を有する。
磁界発生部3は、伝送線2と交差する一方向の磁界列を発生する。この磁界列によって、伝送媒体1内に自由電子eが発生する。結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4は、帯電による電気反発力によって、伝送媒体1内で発生した自由電子eを加速させる。これにより、伝送媒体1としての力率が向上する。この点について詳述すると、この伝送媒体1は、1〜30MHzの振動電場に対しては、ほぼ連続的な共振周波数を有している。発明者ら実験した結果、単一の周波数に対して電力効率が3%近く増加し、複数の合成周波数に対しては3%の複数倍近く電力効率が増した。したがって、電力網が10個の合成周波数を持てば、力率を30%程増加させることができる。また、30MHz以上の振動電場に対しては、光速度でその振動を伝達するため、超高周波に対する信号伝達特性に優れている。以上のことは、伝送媒体1が30MHz以上では電離層とほぼ同じ分散関係を持ち、1〜30MHzでは連続結合共振子と同じ分散関係を持っているからであるとして説明できる。分散関係とは、振動や波動の振る舞いを決定付ける関係式であり、太陽光発電に対する分散関係は図2のような特性となる。ここで、駆動力ωL〜ωHは太陽光発電の電圧周波数であり、実験では30%の力率上昇が見られた。これは約10個の共振モードがあることを意味する。
このように、本実施形態によれば、自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4を含んだ伝送線2に対して、これと交差するように一方向の磁界列を供給することで、電子加速が発生して力率が改善されるため、省電効果が得られる。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態に係る伝送媒体2Aの説明図である。本実施形態では、磁界発生部3としての複数の導電線を用いて、上述した一方向の磁界列を自励にて発生する。
この伝送媒体1Aは、伝送線2としての2本の伝送線#1,#2(直線ライン)と、磁界発生部3としての2本の導電線#3,#4(屈曲ライン)とよって構成されている。これらの線#1〜#4は、互いに電気的に分離されている。伝送線#1,#2は、その入力端が共通接続されていると共に、その出力端も共通接続に接続されている。導電線#3,#4は、その入力端が共通接続されていると共に、その出力端も共通接続されている。伝送線#1,#2は、所定の間隔Wをあけてほぼ平行に並設されている。導電線#3,#4は、伝送線#1,#2間に、ほぼ180度異なる位相でほぼ8の字状にそれぞれ巻回されており、これらの長手方向に繰り返されている。これによって、導電線#3,#4は、2本の伝送線#1,#2に絡んで網目状に形成されている。この伝送媒体2Aの特徴は、屈曲した導電線#3,#4と、直線状の伝送線#1,#2とが編み込まれた絡み部Pnにある。例えば、絡み部P1では、導電線#3が伝送線#2に図面手前(すなわち上)側から奥(すなわち下)側に回り込むように折曲されて絡んでおり、その隣りの絡み位置P2では、導電線#3が伝送線#1の下側から上側に回り込むように折曲されて絡んでいるといった如くである。なお、この構造の詳細については、本出願人が取得した日本特許第4390852号に開示されているので、必要ならば参照されたい。
図4は、伝送媒体1Aにおける一方向の磁界列の説明図である。絡み部P0側の入力(in)から出力(out)側へ向けて電流iを通電した場合、伝送線#1と、導電線#3,#4とによって囲まれた三角形状の各空間ma内、および、伝送線#2と、導電線#3,#4とによって囲まれた三角形状の各空間mb内のそれぞれにおいて、電流の渦が発生する。そして、空間ma内において、一方の極の垂直変動磁界が形成されると共に、空間mb内において、他方の曲の垂直変動磁界が形成される。それぞれの極の垂直変動磁界は、伝送線#1,#2の長手方向へ順次移動する。これにより、伝送線#1,#2と交差するように、一方向の磁界列が発生する。
このように、本実施形態によれば、自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子4を含んだ伝送線#1,#2(伝送線2)に対して網目状に絡んだ導電線#3,#4(磁界発生部3)によって、一方向の磁界列が自励にて発生する。これにより、第1の実施形態に同様の理由で力率が改善され、省電効果が得られる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る伝送媒体の構成図である。本実施形態では、磁界発生部3としての永久磁石を用いて、上述した一方向の磁界列を他励にて発生する。
この伝送媒体1Aは、伝送線2としての2本の伝送線#1,#2と、磁界発生部3としての複数の永久磁石3aとよって構成されている。これらの線#1,#2は、互いに電気的に分離されている。永久磁石3aは、伝送線#1,#2の延在方向(横方向)に沿って列状に並んでおり、上下2列に設けられている。上側の永久磁石3aの列には、伝送線#1が上下交互に巻回されていると共に、下側の永久磁石3aの列には、伝送線#2が上下交互に巻回されている。これにより、伝送線#1,#2と交差するように、一方向の磁界列が発生する。
このように、本実施形態によれば、永久磁石3aを列状に配置することで、一方向の磁界列が他励にて発生する。これにより、第1の実施形態に同様、伝送媒体1Aとしての力率の向上を図ることができる。これにより、第1の実施形態に同様の理由で力率が改善され、省電効果が得られる。
1,1A,1B 伝送媒体
2 伝送線
3 磁界発生部
3a 永久磁石
4 結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子

Claims (6)

  1. 伝送媒体において、
    自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含む伝送線と、
    前記伝送線と交差する一方向の磁界列を発生する磁界発生部と、
    を有することを特徴とする伝送媒体。
  2. 前記磁界発生部は、入出力端が共通接続され、網目状に絡ませた複数の導電線によって、前記一方向の磁界列を自励にて発生することを特徴とする請求項1に記載された伝送媒体。
  3. 前記磁界発生部は、前記伝送線の延在方向に沿って列状に並んだ複数の永久磁石によって、前記一方向の磁界列を他励にて発生することを特徴とする請求項1に記載された伝送媒体。
  4. 前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、3nm以上8nm以下の粒子径を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された伝送媒体。
  5. 前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の活性化エネルギーレベルは、0.3eV以上0.7eV以下であることを特徴とする請求項4に記載された伝送媒体。
  6. 前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、前記伝送線の周囲にコーティングされていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載された伝送媒体。
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