JPWO2019111710A1 - 部品管理用カード - Google Patents

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Abstract

【課題】部品箱に収容された部品の管理が行え、しかも読取装置による通信距離が長い部品管理用カードを提供する。【解決手段】部品が収容される部品箱200の外面に取り付けられた保持部230に取り外し可能に保持される部品管理用カード210である。樹脂製の部品管理用カード本体220と、部品管理用カード本体220内に埋設されたRFタグ100と、RFタグ100の部品箱200側に、RFタグ100との間に部品管理用カード本体220の樹脂層を介した状態で部品管理用カード本体220内または部品管理用カード本体220の外面に配設された金属板250と、を有する。RFタグ100は、少なくともアンテナ110と、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップ80と、を含み、RFタグ100に設けられた導波板と金属板250とが電気的に一定の容量を介して接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、組立品の製造に使用される部品を管理するための部品管理用カードに関し、特に、組立品の製造ラインにおける部品在庫を正確に管理することができる部品管理用カードに関する。
部品在庫を管理する場合に、倉庫に保管される個々の部品にRFタグを付して各部品の在庫を管理するシステムが開発されている。しかし、部品在庫を正確に管理するためには、倉庫での管理以外に組立品の製造ラインでの部品在庫も管理する必要がある。
個々の部品にRFタグを取り付けて部品の在庫を管理する場合は、RFタグのコストおよび部品への取り付けコストが高いので、部品を収容する部品箱にRFタグを取り付けて、部品の在庫管理を行うシステムが開発されている。
例えば、特許文献1(WO2008/038434号公報)には、製造ラインにおける部品在庫を正確に管理することができる部品管理プログラム、部品管理方法および部品管理装置の発明について開示されている。
特許文献1記載の発明は、製造ラインの部品を管理するために、部品管理システムの引落し部が部品構成情報記憶部の部品構成情報および製造オーダDBの製造オーダに基づいて、製造が着手された組立品に使用される部品、使用数および給材箱を特定し、特定した給材箱に対応する給材箱データの部品数から使用数を、引落し給材箱DBを更新する。また、トラッキング部がUHF帯RFIDタグの情報に基づいて給材箱のラインへの入退場を検出し、状態反映部が、給材箱の移動を給材箱DBに反映させる。また、抽出部が給材箱DBの更新ログを給材箱ログ記憶部に書き込み、運用監視部が給材箱ログ記憶部の更新ログに基づいて給材ペースの過不足、給材箱のラインでの滞留、部品数の監視などを行う。また、編集部が給材箱ログ記憶部の更新ログに基づいて倉庫管理システムに通知するものである。
特許文献2(特開2009−51601号公報)には、物流において再利用可能な運搬具のレンタルシステムにおいて、管理者(例えば貸主)側から最初にユーザーの一つの配送拠点に入庫された後は、ユーザーの複数の配送拠点間等で繰り返し入出庫が行われるため、その間に紛失してしまうことが多々あり、システムに多大な影響を与えていることについて開示されている。
特許文献2に記載の運搬具の管理システムでは、管理側からユーザー側に配送された運搬具11は、管理側において出庫する際に、データライタにより識別コードを書き込んで取り付けた無線RFタグや印刷して貼付した管理カード5等の識別用媒体の識別コードにより個々に管理するものとし、返却した運搬具に関するユーザー側のデータの消去は、管理側から送信された入庫情報用ファイルを使用してのみ行えるように構成しているものである。
特許文献3(特開2011−118572号公報)には、EDIシステムを利用した部品手配システムに用いられるカード型RFIDかんばんについて開示されている。
特許文献3に記載のカード型RFIDかんばんでは、発注者100が、かんばんデータ12を生成してEDIサーバコンピュータ101に送信する。受注者200は、かんばんデータ12をEDIサーバコンピュータ101から受信してデータライタ14に供給する。データライタ14はリサイクルされた消去済みかんばん24にかんばんデータ12を書き込んでかんばん16を発行し、納入すべき部品18に添付する。発注者100は、納入された部品18に添付された部品管理用カードをアンテナ72で読み取る。かんばん16は、標準的サイズのRFIDカードに形成され、発注者100への納入時に部品18が収納されている部品箱200の外側面に設けられた保持部52に保持されるものである。
WO2008/038434号公報 特開2009−51601号公報 特開2011−118572号公報
しかし、特許文献1の発明では、RFIDタグはスペーサーを挟んで給材箱に取り付けられる。また、部品引取かんばんが、給材箱に貼り付けられる。従って、それらRFIDタグおよびかんばんの取付けの手間がかかる。さらに、金属製の部品箱に収容された部品について管理することはできない。
特許文献2の発明では、ICタグが付いた管理カードが運搬具に貼り付けられており、管理カードを運搬具から容易に取り外しできるものではない。さらに、特許文献2においても、金属製の部品箱に収容された部品について管理することはできない。
特許文献3には、金属製の部品箱を使用することについて開示されているが、金属製の箱による電波の反射および吸収を抑制するために、かんばんの裏面に電波吸収シートを貼着することが必要とされている。そのため、読取装置による通信距離が短いという欠点がある。
本発明の主な目的は、部品箱に収容された部品の管理が行え、しかも読取装置による通信距離が長い部品管理用カードを提供することにある。
本発明の他の目的は、部品箱が金属製であっても、部品箱に収容された部品の管理が行え、しかも読取装置による通信距離が長い部品管理用カードを提供することにある。
(1)
一局面に従う部品管理用カードは、部品が収容される部品箱の外面に取り付けられた保持部に取り外し可能に保持される部品管理用カードであって、絶縁体製の部品管理用カード本体と、部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、RFタグの部品箱側に、RFタグとの間に部品管理用カード本体の絶縁体層を介した状態で部品管理用カード本体内または部品管理用カード本体の外面に配設された金属板と、を有する。
また、カード本体は、主にポリプロピレン、ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等の1種または複数種の電気絶縁性の樹脂、硬質紙板または硬質ガラスなどの絶縁性質を有する材質、あるいはこれらの材料を組み合わせた複合材料を用い板状に成形することにより形成することができる。
RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、RFタグに設けられた導波板と前記金属板とが電気的に一定の容量を介して接続されるものである。
この場合、カードのRFタグに設けられた導波板と金属板とが電気的に一定の容量を介して接続されるので、金属板をアンテナの一部として利用することができる。そのため、大きな開口面積を有することができ、RFタグの感度を向上させることができる。従って、部品箱の外面に取り付けられた保持部に部品管理用カードを保持させた場合に、無指向性で通信距離が長いRFタグの読み取りを実施することができる。
(2)
第2の発明にかかる部品管理用カードは、部品が収容される金属製の部品箱の外面に取り付けられた保持部に取り外し可能に保持される部品管理用カードであって、絶縁体製の部品管理用カード本体と、部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、を有し、RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、RFタグに設けられた導波板と部品箱とが静電結合するように、保持部に保持されるものである。
この場合、金属製部品箱の外面に取り付けられた保持部に、部品管理用カードを保持させると、カードのRFタグに設けられた導波板と部品箱とが静電結合するように保持部に保持されるので、部品箱をアンテナの一部として利用することができる。そのため、大きな開口面積を有することができ、RFタグの感度を向上させることができる。しかも、部品箱の周囲からも読取装置による読み取りが可能となる。
(3)
第3の発明にかかる部品管理用カードは、一局面の発明にかかる部品管理用カードにおいて、部品箱は金属からなり、RFタグに設けられた導波板と部品箱とが静電結合するように、保持部に保持されてもよい。
この場合、部品管理用カードを部品箱の保持部に保持させると、カードの金属板と部品箱とが電気的に接続し、かつ上記したとおりカードの導波板と金属板とが電気的に一定の容量を介して接続されるので、通信性能が安定化する。
(4)
第4の発明にかかる部品管理用カードは、一局面から第3の発明にかかる部品管理用カードにおいて、導波板はアンテナであってもよい。
この場合、RFタグの構造を簡略化できると共に読取装置の電波を効率よく受信することができる。
(5)
第5の発明にかかる部品管理用カードは、一局面から第3の発明にかかる部品管理用カードにおいて、導波板はアンテナに設けられた導波素子であってもよい。
この場合、RFタグの構造を簡略化できると共に読取装置の電波を効率よく受信することができる。
(6)
第6の発明にかかる部品管理用カードは、一局面から第5の発明にかかる部品管理用カードにおいて、アンテナは、第1主面、及び第1主面の対向する側の第2主面を有する絶縁基材と、第1主面に設けられた第1導波素子と、第2主面に設けられた第2導波素子と、絶縁基材の側面に設けられ、第2導波素子に一端が電気的に接続された給電部と、絶縁基材の側面に設けられ、第1導波素子に一端が電気的に接続され、第2導波素子に他端が電気的に接続された短絡部と、を備え、絶縁基材、第1導波素子、第2導波素子、給電部及び短絡部により、読取装置から送信された電波を受信する板状逆Fアンテナが構成され、第1導波素子、短絡部、第2導波素子及び給電部により構成されるインダクタパターンと、第1導波素子、第2導波素子及び絶縁基材により構成されるコンデンサとにより、電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成されてもよい。
この場合、共振回路によって、読取装置から送信された電波を板状逆Fアンテナが高感度で受信できるようになるため、RFタグの読み取り性能を向上させることができる。アンテナに接続されるICチップが生成する電源電圧を高くすることができるため、読取装置の電波を効率よく受信することができる。
(7)
第7の発明にかかる部品管理用カードは、第6の発明にかかる部品管理用カードにおいて、導波素子の外周距離は、RFタグの周波数の電波の波長λに対して、λ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれか1つを満たすよう設計されてもよい。
この場合、板状逆Fアンテナの共振周波数を容易に設定することができる。
(8)
第8の発明にかかる部品管理用カードは、第5の発明にかかる部品管理用カードにおいて、アンテナは、インダクタパターンおよびICチップの内部静電容量により電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成されてもよい。
この場合、インレット部と、アンテナとが接合して形成され、ICチップ内部の静電容量とインダクタパターンにより共振回路が形成される。その結果、小型化または薄型化を実現することができる。
(9)
第9の発明にかかる部品管理用カードは、第8の発明にかかる部品管理用カードにおいて、アンテナの周辺距離は、UHF帯RFID周波数の波数の波長λに対して、nλ以外(nは、整数)、λ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれか1つに該当するよう設計されてもよい。
この場合、アンテナの周辺距離は、波長λに対して、nλ以外(nは、整数)、λ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれか1つに該当するよう設計するため、その結果、通信感度を飛躍的に向上させるとともに、無指向性の電波を受信することができる。
(10)
第10の発明にかかる部品管理用カードは、第8および第9の発明にかかる部品管理用カードにおいて、少なくともICチップおよびインダクタパターン部が、非導電体により包まれていてもよい。
この場合、少なくともICチップおよびインダクタパターンが、非導電体により包まれているので、導体と接触した場合でも、ICチップおよびインダクタパターンのショートを防止することができる。
(11)
第11の発明にかかる部品管理用カード本体は、一局面から第10の発明にかかる部品管理用カードにおいて、部品管理用カードは、部品管理システムにおいて用いられるかんばんであってもよい。
一般に、かんばん生産方式などの部品管理システムでは、かんばん情報に基づいて紙のかんばんを作成し、納入する部品に紙のかんばんを付けて納入し、発注者は紙かんばんに基づいて部品の受領、検収行為を行い、受領、検収が終わって部品が消費されると、紙かんばんは外れかんばんとして廃棄処分される。
毎日の生産に必要な部品それぞれに紙かんばんが使用されるため、毎日膨大な量の紙が消費されてしまう。環境への負荷を軽減するために、廃棄される紙かんばんの量を削減することが求められている。
第8の発明によれば、部品箱の保持部に保持させたUHF帯RFIDタグを用いて部品の移動を管理するとともに、部品箱ごとに部品数を管理することによって、ラインでの部品在庫を正確に管理することができる。また、効率的に運用できるRFIDかんばんを提供することができ、紙かんばんの廃棄を減少することができる。
(12)
第12の発明にかかる部品管理装置は、部品が収容される金属製の部品箱と、部品箱の外面に取り付けられた保持部に着脱可能に保持される部品管理用カードと、を備える部品管理装置であって、部品管理用カードは、絶縁体製の部品管理用カード本体と、部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、を有し、RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、部品管理用カードを保持部に保持させた場合に、RFタグに設けられた導波板と部品箱とが静電結合するものである。
この場合、金属製の部品箱の外面に取り付けられた保持部に、部品管理用カードを保持させると、カードのRFタグに設けられた導波板と部品箱とが静電結合するので、部品箱をアンテナの一部として利用することができる。そのため、大きな開口面積を有することができ、RFタグの感度を向上させることができる。しかも、部品箱の周囲からも読取装置による読み取りが可能となる。よって、特許文献3に記載のように、カードの裏面に電波吸収シートを張り付ける必要はなく、カードの製造コストを低減することができる。
第1の実施形態にかかる部品管理用カードを部品箱の保持部に保持させる状態の一例を示す模式的斜視図である。 カードを保持部に保持させた後の模式的斜視図である。 第1の実施形態にかかる部品管理用カードを部品箱に保持させた状態の一例を示す模式的要部断面図である。 他の実施形態にかかる部品箱の模式的斜視図である。 図4に示す部品箱の保持部に部品管理用カードを保持させた状態の一例を示す模式的要部断面図である。 図1に示す部品管理用カードの模式的斜視図である。 図6に示す部品管理用カードの一部の模式的断面図である。 表面側のRFタグの一例を示す模式的斜視図である。 裏面側のRFタグの一例を示す模式的斜視図である。 RFタグの一例を示す模式的展開図である。 図1の金属板が貼着された部品管理用カードの等価回路の一例を示す図である。 図1の部品管理用カードが保持された金属製部品箱の等価回路の一例を示す図である。 さらに他の実施形態にかかる部品管理用カードに使用するRFタグの一例を示す模式的要部斜視図である。 図13に示すRFタグの模式的平面図である。 図13に示すRFタグのアンテナ部の模式的平面図である。 図13に示すRFタグの回路部材の模式的拡大図である。 図13に示すRFタグが埋設された部品管理用カードの模式的斜視図である。 さらに他の実施形態のRFタグの表面側の一例を示す模式的斜視図である。 図18に示すRFタグの裏面側の一例を示す模式的斜視図である。 図18に示すRFタグのアンテナの一例を示す模式的斜視図である。 図18に示すRFタグのアンテナの模式的展開図である。 RFタグの読取実験の結果を示す模式図である。 さらに他の実施形態のRFタグに使用する絶縁基材の模式的断面図である。 さらに他の実施形態のRFタグに使用する絶縁基材の模式的断面図である。 RFタグの他の例を示す模式図である。 図25のRFタグの周波数帯域と通信距離との関係の一例を示す模式図である。 図25のRFタグの他の例を示す模式図である。 図25のRFタグの構造の一例を示す模式図である。 図25のRFタグの構造の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本実施の形態にかかる部品管理用カード210を部品箱200の保持部230に保持させる状態の一例を示す模式的斜視図であり、図2は、本実施の形態にかかる部品管理用カード210を保持部230に保持させた状態の一例を示す模式的要部断面図である。
本実施の形態にかかる部品管理用カード210は、部品が収容される部品箱200の外面に取り付けられた保持部230に取り外し可能に保持される。
(部品箱200)
部品箱200は、一個または複数個の部品が収容される程度の大きさに形成された箱である。例えば、鋼、アルミニウムなどの金属により形成された金属板、金属網、金属パイプを加工して作製された金属製箱であってもよく、あるいは樹脂製箱、木質系の箱、段ボール箱などであってもよい。
さらにそれらの材料を組み合わせた複合部材からなる箱であってもよい。部品箱200の表面に防錆処理、酸化物層、樹脂層などの被膜が被覆されたものであってもよい。
また、部品箱200は、部品皿も含まれるものとし、蓋の有る箱も含まれる。
本実施の形態では、部品箱200は、図1および図2に示すように底板202と4つの側板204とを有する上面が開口する金属製箱にて形成されている。その部品箱200の側板204の外面に保持部230が取り付けられている。
保持部230の構成は部品管理用カード(以下、単にカードともいう。)210を保持できるものであればどのような構成でもよく限定されない。例えば、シートを袋状にして保持部230を構成することができる。
本実施の形態では、図1から図3に示すように、保持部230は、透明または半透明のプラスチックシートの左右縁部および下縁部を部品箱200の側板204の外面に接着することにより上方が開口する袋状に形成されている。
保持部230の上方に側板204と保持部230のシートとの間で開口部232が形成され、開口部232からカード210を保持部230内に挿入して保持させることができる。
保持部230は、通常は部品箱200の対向する両側板204の外側にそれぞれ取り付けられているが、保持部230は、部品箱200の1つ、3つまたは4つの側板204の外面に設けられてもよい。
保持部230は、袋状のものに限らず、部品箱200の側板204の外面にカード210を保持または仮固定または固定させる機能を有するものであれば、種々の形態および任意の形状のものであってもよい。
次に、図4は、他の実施形態にかかる部品箱200の模式的斜視図であり、図5は、図4に示す部品箱200の保持部230に部品管理用カード210を保持させた状態の一例を示す模式的要部断面図である。
図4および図5に示すように、保持部230は、所定間隔を置いて側板204に固定された一対の断面L字形の係止部材240、240と、係止部材240の下側にて側板204に固定された保持部材242とから構成してもよい。この場合、一対の係止部材240、240と保持部材242および側板204の外面と、によってカード210を保持するための空間が形成されている。
(部品管理用カード210)
次に、図6は、図1に示す部品管理用カード210の模式的斜視図であり、図7は、図6に示す部品管理用カード210の一部の模式的断面図である。
図6および図7に示すように、部品管理用カード210は、樹脂製の部品管理用カード本体220と、部品管理用カード本体220(以下、単にカード本体ともいう。)内に埋設されたRFタグ100と、を有する。
部品管理用カード210は、上記保持部230に取り外し可能に保持されるようにそのサイズと形状が設定されている。本実施の形態では、カード本体220はほぼ四角形の樹脂製のプレートで形成されている。
本実施態様のカード本体220は、前述のように主にポリプロピレン、ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等の1種または複数種の電気絶縁性の樹脂を板状に成形することにより形成することができる。RFタグ100は、そのカード本体220内に射出成形などによって埋設することができる。カード本体220の厚みは0.3mm以上2.0mm以下の程度とすることができ、好ましい厚みは0.5mm以上1.0mm以下の程度である。
なお、RFタグ100の埋設位置は限定されない。例えば、図7に示すように、RFタグ100はカード本体220の厚み方向の中心位置に埋設することができる。その場合、RFタグ100の外面とカード210の外面との間の間隔(樹脂層の厚み)tは、0.05mm以上0.3mm以下の範囲に設定することができ、より好ましくは0.1mm以上0.2mm以下の範囲である。
図6に示す実施の形態では、RFタグ100は絶縁体製カード本体(以下単にカード本体という)220の下側の隅部に配置されているが、カード本体220におけるRFタグ100の配置位置はカード本体220の隅部でもよく中央部でもよく、任意の位置であっても良い。
カード210の表面には、サーマルプリンタなどによって印刷されたカード明細を印刷可能な表示部212を形成することができる。そのカード明細には、カード210のデータの少なくとも一部の情報が含まれている。例えば、発注者名、受注者名、納入場所、納入部品の品番などがある。なお、カード210はIDのみを記録し、サーバーに上記各情報が記録されていてもよい。
さらに、カード本体220の裏面側(カードを保持部に保持させた場合における部品箱側)に金属板250が貼着されていてもよい。金属板250はカード本体220と同形状に形成されている。金属板250をカード本体220の裏面側に貼着するには、接着剤を用いて金属板250をカード本体220の裏面側に貼着してもよく、あるいはカード本体220の成形時に金属板250を一体に成形するようにしてもよい。金属板としては、鋼板、アルミニウム板、銅板、任意の導体などがある。
さらに、金属板250はカード本体220の裏面側に貼着される替わりに、カード本体220内に埋設されてもよい。この場合には、RFタグ100の部品箱200側に、RFタグ100とカード本体220の樹脂層を介した状態で金属板250がカード本体220内に埋設される。つまり、RFタグ100と金属板250とは樹脂層によって電気絶縁される。
上記のRFタグ100に記憶された部品管理用カード210のデータは、読取装置のアンテナから発せられる電波(例えば、UHF帯の電波)によって、例えば数メーター離れた位置からも非接触で読み出されることができる。
以下に、上記のカード本体220内に埋設されたRFタグ100の構成を詳細に説明する。
(RFタグ100)
次いで、図8は、表面側のRFタグ100の一例を示す模式的斜視図であり、図9は、裏面側のRFタグ100の一例を示す模式的斜視図であり、図10は、RFタグ100の一例を示す模式的展開図である。
図8乃至図10に示すように、RFタグ100は、少なくともアンテナ110と、読取装置(図示せず)から送信された電波に基づいて動作するICチップ80と、を含む。
(アンテナ110)
アンテナ110は、第1導波素子20、第2導波素子30、絶縁基材140、給電部50及び短絡部60を備えている。
絶縁体の基材(以下絶縁基材という)140は、上面(第1主面)、及び第1主面の対向する側の下面(第2主面)を有する。絶縁基材140は、例えば略直方体状に形成されるが、このような形状に限らない。例えば、円板状であってもよいし、あるいは断面が円弧状に湾曲したものであってもよい。好ましくは、絶縁基材140は、RFタグ100を埋設する位置における部品管理用カード本体220の表面形状に応じた形状を有する。
図8に示すように、第1導波素子20は絶縁基材140の上面に設けられている。図9に示すように、第2導波素子30は絶縁基材140の下面に設けられている。第1導波素子20及び第2導波素子30は、いずれも長方形状であり、アルミニウム等の金属薄膜のエッチング又はパターン印刷等によって形成される。
第1導波素子20の短辺側の一部に切欠部25が形成されており、この切欠25にICチップ80が配置され、該ICチップ80は第1導波素子20と給電部50との間に架け渡されるように接続されている。
給電部50は、絶縁基材140の側面および/または上面(または下面)に設けられ、第2導波素子30にその一端が電気的に接続されている。短絡部60は、絶縁基材140の側面に設けられ、第1導波素子20にその一端が電気的に接続され、第2導波素子30にその他端が電気的に接続されている。
図8および図9に示すように、給電部50及び短絡部60は、第1導波素子20と第2導波素子30とに架け渡されるようにシート70上に互いに間隔をおいて並行に設けられる部材である。
なお、給電部50及び短絡部60は、互いに並行に設けられなくてもよい。また、給電部50及び短絡部60は、第1導波素子20及び第2導波素子30を形成する際にそれらと同時に一体に形成してもよい。あるいは、給電部50及び短絡部60を別体に成形した後、各々の端部を第1導波素子20及び第2導波素子30に接合してもよい。
本実施の形態では、図8乃至図10に示すように、第1導波素子20、第2導波素子30、給電部50及び短絡部60は、絶縁性のシート70上に形成されており、絶縁基材140の辺の部分で折り曲げられたシート70を介して絶縁基材140の外面に貼り付けられている。
つまり、図10に示すように、片面に第1導波素子20、第2導波素子30、給電部50及び短絡部60が形成された可撓性のシート70を、給電部50及び短絡部60の部分でともに屈曲させて絶縁基材140の表裏面に貼り付けることにより容易にアンテナ110を製造することができる。
シート70を構成する材料としては、PET、ポリイミド、ポリ塩化ビニルなど可撓性を有する絶縁材料を用いることができる。シート70の厚さは特に限定されるものではないが、一般的には数十μm程度である。また、各第1導波素子20、第2導波素子30の表面に絶縁被膜処理を施してもよい。
本実施の形態では、このように第1導波素子20及び第2導波素子30をシート70(基材)上に形成しているが、必ずしもシート70上に形成されたものである必要はない。例えば、第1導波素子20及び第2導波素子30を単体で形成してもよい。あるいは、シート70上に形成した第1導波素子20及び第2導波素子30を絶縁基材140に転写した後、当該シート70を剥がしてもよい。
上記の絶縁基材140、第1導波素子20、第2導波素子30、給電部50及び短絡部60により、板状逆Fアンテナが構成される。
この板状逆Fアンテナは、読取装置(図示せず)から送信された電波を受信する。第1導波素子20が電波を吸収する場合には、第2導波素子30が導体地板(グランド部ともいう。)として働く。一方、第2導波素子30が電波を吸収する場合には、第1導波素子20が導体地板として働く。すなわち、第1導波素子20、第2導波素子30は、RFタグ100の使用態様に応じて、導波素子(アンテナ)と導体地板(グランド)のどちらの機能も果たすことが可能である。
なお、本実施の形態においては、逆Fアンテナについて説明しているが、これに限定されず、他の任意のアンテナについても、適用することができる。
図8に示すように、第1導波素子20は、その周囲の側辺20a乃至20fの長さの合計Aがλ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれかになるように設計されている。ここで、λは読取装置から送信された電波の波長である。なお、電波の波長λは、RFタグ100として使用可能な範囲内であれば特に限定されない。図9に示すように、第2導波素子30は、その周囲の側辺30a乃至30dの長さの合計Bが合計Aとほぼ等しくなるように設計されている。
上記のように、第1導波素子20と第2導波素子30の周囲の側辺の長さの合計A,Bはλ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれかにほぼ等しい。これにより、板状逆Fアンテナの共振周波数を容易に設定することができる。
なお、第1導波素子20、第2導波素子30の周囲の側辺の長さの合計A,Bが上記値のいずれかであれば、第1導波素子20、第2導波素子30の平面形状は長方形状に限られない。例えば、第1導波素子20、第2導波素子30の中心部を切り取ったロ字状にしてもよい。
また、絶縁基材140として絶縁体を用いてもよい。これにより、ある程度の大きさの開口面積を確保し、板状逆Fアンテナの感度向上を図ることができる。例えば、絶縁基材140として発泡スチロールを使用することが可能である。
また、絶縁基材140は誘電体であってもよい。絶縁基材140として、例えば比誘電率が1以上20以下の誘電体を用いることができる。誘電率が大きい誘電体(例えばセラミック)を用いた場合、コンデンサの静電容量が大きくなるため、第1導波素子20及び第2導波素子30の開口面積が小さくなり、RFタグ100を小型化することができる。ただし、アンテナ110の利得が小さくなるため、読取装置との間で通信可能な距離(通信距離)が短くなる。数メートル以上といった比較的長い通信距離が必要な場合は、絶縁基材140として誘電率が小さい誘電体を用いる。この場合、比誘電率は5以下であることが好ましい。誘電率の小さい発泡ポリスチロールを用いた実施形態は後述する。
上記構成のアンテナ110では、読取装置から送信され、上記の板状逆Fアンテナで受信される電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成される。この共振回路は、インダクタパターンLとコンデンサ(第1コンデンサ)93と、により構成される(図11参照)。
ここで、インダクタパターンLは、第1導波素子20、短絡部60、第2導波素子30及び給電部50により構成され、コンデンサ93は、第1導波素子20、第2導波素子30及び絶縁基材140により構成される。この共振回路によって、読取装置から送信された電波(搬送波)を板状逆Fアンテナが高感度で受信できるようになるため、RFタグ100の読み取り性能を向上させることができる。さらに、ICチップ80が生成する電源電圧を高くすることができる。
(ICチップ)
ICチップ80は、図8に示したように、第1導波素子20と給電部50との間に設けられている。ICチップ80は、絶縁基材140の上面側(第1導波素子20と同一平面上)に配置されている。
なお、板状逆Fアンテナとして機能する範囲内であれば、ICチップ80を絶縁基材140の側面に配置してもよい。また、ICチップ80に外部電源を接続して、当該外部電源から供給される電圧によりICチップ80が動作するようにしてもよい。
ICチップ80は、アンテナ110の板状逆Fアンテナが受信した読取装置の電波に基づいて動作する。
具体的には、ICチップ80は、まず、読取装置から送信される搬送波の一部を整流し、ICチップ自身が動作するために必要な電源電圧を生成する。そして、ICチップ80は、生成した電源電圧によって、ICチップ80内の制御用の論理回路を動作させる。また、ICチップ80は、読取装置との間でデータの送受信を行うための通信回路等を動作させる。さらに、部品箱200の固有情報等が格納された不揮発性メモリを動作させることができる。
ICチップ80には、内部にコンデンサを含むものがあり、また、ICチップ80は浮遊容量を有する。このため、共振回路の共振周波数を設定する際、ICチップ80内部の等価容量を考慮することが好ましい。換言すれば、共振回路は、インダクタパターンLのインダクタンス、コンデンサ93の静電容量、及びICチップ80内部の等価容量を考慮して設定された共振周波数を有することが好ましい。さらに、後述するように第2のコンデンサの静電容量が考慮される。
このように、RFタグ100は、アンテナ110及びICチップ80を備えている。RFタグ100は、読取装置から送信された電波(搬送波)をRFタグ100のアンテナ110で受信する。そして、ICチップ80に記録されている部品箱200の識別データ等を反射波に乗せて読取装置へ返送する。これにより、読取装置をRFタグ100に接触させることなく、RFタグ100は読取装置と通信することが可能である。
(等価回路)
図11は、図6および図7に示した金属板250が貼着された部品管理用カード210の等価回路の一例を示す図である。図12はその部品管理用カード210を部品箱200の保持部230に保持させた状態の等価回路の一例を示す図である。
図11に示すように、RFタグ100の等価回路は、インダクタパターンLと、コンデンサ93と、ICチップ80とからなる。インダクタパターンL、コンデンサ93およびICチップ80は、読取装置から送信される電波の周波数帯域で共振する共振回路を構成する。
この共振回路の共振周波数f[Hz]は、式(1)により与えられる。共振周波数fの値は、読取装置から送信される電波の周波数帯域に含まれるように設定される。
式(1)において、La:インダクタパターンLのインダクタンス、Ca:コンデンサ93の静電容量、Cb:ICチップ80内部の等価容量を意味する。
ここで、ICチップ80には、内部にコンデンサを含むものがあり、また、ICチップ80は浮遊容量を有する。そのため、共振回路の共振周波数fを設定する場合、ICチップ80内部の等価容量Cbを考慮することが好ましい。
すなわち、共振回路は、インダクタパターンLのインダクタンス、コンデンサ93の静電容量、およびICチップ80の内部の等価容量Cbを考慮して設定された共振周波数fを有することが好ましい。なお、Cbとしては、例えば、使用するICチップの仕様諸元の一つとして公表されている静電容量値を用いることができる。
上記のように、ICチップ80内部の等価容量Cbを考慮することで、共振回路の共振周波数fを、電波の周波数帯域に精度良く設定することができる。その結果、RFタグ100の読み取り性能をさらに向上させることができる。また、ICチップ80が生成する電源電圧をさらに高くすることができる。
さらに、金属板250が貼着されたカード210においては、カード本体220内に埋設されたRFタグ100の導波板(第2の導波素子30)と金属板250との間には、カード本体220よりなる電気絶縁層が形成されていることにより、コンデンサ(第2コンデンサ)270が形成され、RFタグ100のインダクタンスと共振回路を形成することができる。
図11に示すように、第2コンデンサ270は、第1導波素子20、第2導波素子30及び絶縁基材140で構成されるコンデンサ93(第1コンデンサ)と直列に接続されている。このため、第1コンデンサ93と第2コンデンサ270の合成容量が変化して、RFタグ100の共振回路の共振周波数が大きく変化する可能性がある。
具体的には、コンデンサ270の容量がコンデンサ93の容量よりも非常に小さい場合には、合成容量がコンデンサ93の容量に比べて大きく低下する。このことは、RFタグ100を金属板250に絶縁層を介して配置した場合、RFタグ100の共振回路の共振周波数が大きく変化して、RFタグ100の読み取り性能が低下することを意味する。
そこで、本実施の形態では、コンデンサ270の容量をICチップ80内部の等価容量以上にすることができる。これにより、コンデンサ93とコンデンサ270の合成容量が大幅に低下することを防ぎ、RFタグ100の性能低下を抑制することができる。コンデンサ270の容量はICチップ80内部の等価容量の2倍以上にすることが好ましい。さらに好ましくは2倍以上10倍以下である。
読取装置からの電波は、RFタグ100の一方の導波板(第1導波素子)20により受信される。
そして、RFタグ100の第1導波素子20と、該RFタグ100の他方の第2導波素子(グランドエレメント)30間に接続されたICチップ回路を通し、第2導波素子30よりカード本体220の絶縁層を介して金属板250に放出される。
つまり、RFタグ100と金属板250が絶縁層(誘電体)を介して容量結合をするため、金属板250がアンテナとして機能する。
よって、金属板250がアンテナとなり作動することができる。このようにして、RFタグ100からの電波を、金属板250を介して読取装置へ送ることができ、かつ読取装置からの電波を、金属板250を介してRFタグ100で受信することができる。
その結果、RFタグ100を確実に駆動させ、無指向性で通信距離が長いRFタグ100の読み取りを実施することができる。
さらに、部品管理用カード210が金属製の部品箱200の保持部230に保持された場合、図12に示すように、カード本体220内に埋設されたRFタグ100の導波板(導波素子)と部品箱200との間には、カード本体220よりなる電気絶縁層が形成されていることに加え、さらに部品箱200の外面に形成された被膜などからなる絶縁層により、金属板250と金属製部品箱200との間にコンデンサ(第3コンデンサ)272が形成され、RFタグ100のインダクタンスと共振回路を形成することができる。
図12に示すように、第3コンデンサ272は、第1コンデンサ93および第2コンデンサ270と直列に接続されている。このため、第1コンデンサ93、第2コンデンサ270、および第3コンデンサ272の合成容量が変化して、RFタグ100の共振回路の共振周波数が大きく変化する可能性がある。
具体的には、第3コンデンサ272の容量が、第2コンデンサ270および第1コンデンサ93の容量よりも非常に小さい場合には、合成容量が第1コンデンサ93および第2コンデンサ270の容量に比べて大きく低下する。このことは、RFタグ100を部品箱200に絶縁層を介して配置した場合、RFタグ100の結合容量共振周波数が大きく変化して、RFタグ100の読み取り性能が低下することを意味する。
そこで、図12に示す実施形態では、第3コンデンサ272の容量を、第2コンデンサ270の容量およびICチップ80内部の等価容量以上にすることができる。
これにより、第1コンデンサ93、第2コンデンサ270および第3コンデンサ272の合成容量が大幅に低下することを防ぎ、RFタグ100の性能低下を抑制することができる。第2コンデンサ270の容量および第3コンデンサ272の容量はICチップ80内部の等価容量の2倍以上にすることが好ましい。
読取装置からの電波は、RFタグ100の一方の導波板(第1導波素子20)により受信され、RFタグ100の第1導波素子20と、該RFタグ100の他方の第2導波素子(グランドエレメント)間に接続されたICチップ回路を通し、第2導波素子20より部品管理用カード本体220の絶縁層を介して金属製部品箱200に放出される。つまり、RFタグ100と部品箱200が絶縁層(誘電体)を介して容量結合をするため、部品箱200がアンテナとして機能する。
よって、部品箱200がアンテナとなり作動することができる。このようにして、RFタグ100からの電波を、部品箱200を介して読取装置へ送ることができ、かつ読取装置からの電波を、部品箱200を介してRFタグ100で受信することができる。
このようにして、カード210を保持部230に保持させた場合に、RFタグ100に設けられた導波板と部品箱200とが静電結合する本発明の部品管理装置が構成される。
その結果、RFタグ100を確実に駆動させ、無指向性で通信距離が長いRFタグ100の読み取りを実施することができる。
(第2の実施形態)
図13乃至図15に第2の実施形態を示す。この実施形態では、RFタグ100の構成が第1の実施形態とは異なっている。図13は、さらに他の実施形態にかかる部品管理用カード210に使用するRFタグ100の一例を示す模式的要部斜視図であり、図14は、図13に示すRFタグ100の模式的平面図であり、図15は、図13に示すRFタグ100のアンテナ部300の模式的平面図である。
本実施形態のRFタグ100は、アンテナ部300に絶縁層420を介して回路部材400を貼着することにより形成されている。アンテナ部300と回路部材400との間に絶縁層420が介在するため両者間にコンデンサが形成される。
(アンテナ部300)
アンテナ部300は金属板からなり、帯状部材からなる第1領域310、第2領域320および第3領域330を有する。金属板を構成する金属としては、鉄、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、それらの合金等を用いてもよい。導電性、加工性およびコストの観点から、金属板の金属はアルミニウムが好ましい。金属板の厚みは強度の観点から0.3mm以上1mm以下である。
(回路部材400)
図16は、図13に示すRFタグの回路部材400の模式的拡大図である。
図16に示すように、回路部材400は、ICチップ80およびインダクタパターンLを形成する回路410を含む。回路410は、環形状の回路部411の一部を切欠いた切欠部を有する形状からなる。具体的には、アルファベット文字のC形状からなる。回路部411は、辺411a、辺411b、辺411c、辺411dおよび辺411eを有する。なお、回路410は、回路部411の一部を切欠く場合について説明したが、これに限定されず、切欠部に替えて絶縁部であってもよい。
本実施の形態において、回路410はアルミニウムの薄膜からなる。本実施の形態における薄膜は3μm以上35μm以下の厚みから形成される。回路410は、エッチングまたはパターン印刷等の手法によって形成される。
回路部材400の回路410の切欠部を架け渡すように、ICチップ80が設けられる。本実施の形態においては、回路部材400においては、回路部411の内部面積Sにより、インダクタパターンLのインピーダンスを一定にすることができる。
ICチップ80は、RFタグ100のアンテナ部300が受信した読取装置の電波に基づいて動作する。
具体的に本実施の形態にかかるICチップ80は、まず、読取装置から送信される搬送波の一部を整流して、ICチップ80自身が動作するために必要な電源電圧を生成する。そして、ICチップ80は、生成した電源電圧によって、ICチップ80内の制御用の論理回路、部品箱200の固有情報等が格納された不揮発性メモリを動作させる。
また、ICチップ80は、読取装置との間でデータの送受信を行うための通信回路等を動作させる。
(絶縁層420)
絶縁層は、第1実施形態で示した絶縁基材140と同様の構成とすることができる。
また、本実施の形態においては、アンテナ部300の第1領域310の幅T1は、回路部材400の回路部411の幅T411の1倍以上4倍以下で形成されることが望ましい。アンテナ部300の第2領域320の幅T2は、回路部材400の回路部411の幅T412の1倍以上4倍以下で形成されることが望ましい。
また、回路部材400の回路部411の幅T413は、回路部材400の回路部411の幅T412の1倍以上4倍以下で形成されることが望ましい。
その結果、回路部材400を容易にアンテナ部300に貼着することができる。
図17は、図13に示すRFタグ100が埋設された部品管理用カード210の模式的斜視図である。
図17に示すように、上記構成のRFタグ100をカード本体220内に埋設することによりカード210が構成される。このカード210の等価回路は図11と同様であるので説明を省略する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、RFタグのアンテナ110の給電部および短絡部の形状が第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる。
図18は、さらに他の実施形態のRFタグ100の表面側の一例を示す模式的斜視図であり、図19は、図18に示すRFタグ100の裏面側の一例を示す模式的斜視図である。図20は、図18に示すRFタグ100のアンテナ110の一例を示す模式的斜視図であり、図21は、図18に示すRFタグ100のアンテナ110の模式的展開図である。
図18から図21までに示すように、第3の実施形態のアンテナ110の基本的な構成は第1実施形態と同様である。
すなわち、アンテナ110は、第1主面及び第1主面の対向する側の第2主面を有する絶縁基材140と、第1主面に設けられた第1導波素子20と、第2主面に設けられた第2導波素子30と、絶縁基材140の長辺側の側面に設けられ、第1導波素子20に一端が電気的に接続された給電部50と、絶縁基材140の短辺側の側面に設けられ、第1導波素子20に一端が電気的に接続され、第2導波素子30に他端が電気的に接続された短絡部60と、を備えている。
絶縁基材140、第1導波素子20、第2導波素子30、給電部50及び短絡部60により、読取装置から送信された電波を受信する板状逆Fアンテナ110が構成されている。
また、第1導波素子20、短絡部60、第2導波素子30及び給電部50により構成されるインダクタパターンと、第1導波素子20、第2導波素子30及び絶縁基材140により構成されるコンデンサとにより、電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成される。
第1導波素子20および第2導波素子30はそれぞれ長辺と短辺とを有する矩形状に形成されている。
第1導波素子20と第2導波素子30の短辺側において、第1導波素子20および第2導波素子30は短絡部60によって接続されている。
第1導波素子20の長辺側において短辺側に近い箇所で給電部50が連設されている。図21に示すように、給電部50は第1導波素子20の本体部分から連続する第1給電部51と、該第1給電部51から連続する第2給電部52とを有する。第1給電部51は比較的幅狭の導体から形成され、第2給電部52は第1導波素子20の長手方向に沿って長い矩形状の導体から形成されている。
さらに、第1導波素子20の短辺側に矩形状の切欠部32が形成されている。この切欠部32によって第1導波素子20の短辺側の端部に連絡部34が形成されている。
第3の実施の形態においては、給電部50を短絡部60と異なる面に形成している。その結果、短絡部60の面積を大きくすることができる。すなわち、図18に示す短絡部60の幅LLを大きくすることができる。その結果、共振抵抗が小さくなり第1導波素子20および第2導波素子30に流れる電流を調整することができる。その結果、周波数の帯域幅から決定されるQ値の調整が可能となる。
図20に示すように、第1導波素子20および第2導波素子30は短絡部60の箇所で2つに折り曲げられ、折り曲げられた第1導波素子20および第2導波素子30の間に絶縁基材140が配置される。第1導波素子20は絶縁基材140の第1主面に貼着され、第2導波素子30は絶縁基材140の第2主面に貼着される。これにより、短絡部60は絶縁基材140の短辺側の側面に配置されて貼着される。
また、給電部50は絶縁基材140の長辺側の側面から第2導波素子30に重なるように折り曲げられると共に、給電部50は絶縁基材140の長辺側の側面および第2導波素子30に貼着される。
そして、第1導波素子20に形成された切欠部32にICチップ80が配置され、該ICチップ80は第1導波素子20の連絡部34と第1導波素子20の本体との間に架け渡されるよう接続される。
絶縁基材140としては発泡スチロールから形成することができる。この実施形態では、矩形状の発泡スチロールが使用される。発泡スチロールは、内部に均一な独立気泡を有するものを使用することができる。このような構成の絶縁基材140はその厚み方向で誘電率が等しいものである。
絶縁基材140として、本来は、空気を用いることが最も好ましいが、第1導波素子20(アンテナ部および第2導波素子30(グランド部)を所定の間隔に維持し、かつ両者の接触を防止するため、90容量%以上空気を有する発泡スチロールを用いることが好ましい。さらに好ましくは95容量%以上99容量%以下の空気を有する独立気泡の発泡スチロールである。
発泡スチロールを用いることにより、第1導波素子20(アンテナ部ともいう。)および第2導波素子30(グランド部ともいう。)の空間距離を所定の間隔に維持することができる。そのような間隔としては0.5以上3.0mm以下が好ましい。
絶縁基材140の比誘電率は、1%以上20%以下の範囲内であることが望ましい。さらに望ましくは1.01%以上1.20%以下であり、最も望ましくは1.01%以上1.10%以下であり、さらに最も望ましくは1.02%以上1.08%以下である。
絶縁基材140として発泡スチロールを用いる場合、発泡スチロールの発泡倍率は15倍以上60倍以下のものが好ましい(この場合、比誘電率は1.01%以上1.10%以下となる)。
絶縁基材140としてセラミック(比誘電率が5%を超え9%以下)を用いた場合には、アンテナ部およびグランド部の開口面積が小さくなり、通信距離が低減されるが、RFタグ100を小型化することができる。
一方、絶縁基材140として発泡スチロール等の比誘電率が1%以上5%以下(特に1.01%以上1.20%以下)の材質を用いた場合には、アンテナ部およびグランド部の開口面積を大きく維持することができ、通信距離を数メートルから数十メートルまで延ばすことができる。
発泡スチロールからなる絶縁基材140の厚みは、0.5mm以上3mm以下の範囲であることが望ましい。
なお、本実施の形態において絶縁基材140は、発泡スチロールからなることとしているが、これに限定されず、絶縁体であればよく、ポリエチレン、ポリイミド、薄物発泡体(ボラ―ラ)等、絶縁性を有する他の発泡体または素材を用いてもよい。
以上のように、本実施の形態にかかるRFタグ用アンテナ110は、RFタグ用アンテナ110の絶縁基材140として発泡スチロールを用いているため、ある程度の大きさの開口面積を確保することができ、板状アンテナの感度向上を図ることができる。
さらに、絶縁基材140は、発泡形状でもよく、空洞が1または多数形成されていてもよく、異種の材質が混合または積層された複合材料からなってもよい。
また、RFタグ100をケース内に収納する場合、ケースの内側に絶縁基材140と同素材、本実施の形態においては、発泡スチロールをケース内部に設けても良い。すなわち、RFタグ100のICチップ80を搭載した面および第1主面側に発泡スチロールを貼着してケースに収納させてもよい。
(実験結果)
図22は、図18から図21において説明したRFタグ100の読取実験の結果を示す模式図である。
図22中の符号100Mは、本実施の形態にかかるRFタグ100の表面側から読取装置を用いて読取実験した場合の周波数(横軸)に対する理論読取距離(m)(縦軸)の関係を示した曲線、符号101Mは、本実施の形態にかかるRFタグ100の裏面側から読取装置を用いて読取実験した場合の周波数に対する理論読取距離(m)の関係を示した曲線である。
符号100Nは本出願人の逆FアンテナタイプのRFタグ(商品名06)の表面側から読取装置を用いて読取実験した場合の周波数に対する理論読取距離(m)の関係を示した曲線、符号101Nは、本出願人の逆FアンテナタイプのRFタグ(商品名06)の裏面側から読取装置を用いて読取実験した場合の周波数に対する理論読取距離(m)の関係を示した曲線である。
図22に示すように、本実施の形態にかかるRFタグ100は、表面側から読取装置を用いた場合(実線100M)13mの距離で読み取ることができる。
一方、RFタグ100を裏面側から読取装置を用いた場合(実線101M)、7mの距離で読み取ることができる。
その結果、本実施の形態にかかるRFタグ100は、本出願人の逆FアンテナタイプのRFタグ100の場合、表面側から読取装置を用いた場合(破線100N)および裏面側から読取装置を用いた場合(破線101N)と同等またはそれ以上の性能を示すことがわかった。
(RFタグ100の変形例1:絶縁基材140として誘電率が厚み方向で異なる発泡スチロールを用いた例)
絶縁基材140として、絶縁基材140の厚み方向で誘電率の異なる発泡スチロールを使用することもできる。
図23は、RFタグ100の模式的断面図である。
絶縁基材140は、板状の発泡スチロール素材145および板状の樹脂素材146が積層された積層体からなる。発泡スチロール素材145はアンテナ部120側に積層されているが、樹脂素材146がアンテナ部120側に積層されていてもよい。
発泡スチロール素材145および樹脂素材146の両者のサイズ長は同一に設計されている。樹脂素材としてはABSを用いることができるが、これに限定されず、樹脂素材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、セラミック、紙等を用いてもよい。
具体的に、発泡スチロール素材145においては、発泡スチロール素材145の比誘電率εa=1.0、周波数900MHzとして波長λ1を算出すると、発泡スチロール素材145に貼着したアンテナ部120は、比誘電率に影響されないため、波長λ1は、λ1=(300/920MHz)/1≒333mmとなる。
一方、樹脂素材146においては、樹脂素材146の比誘電率εb=5.0、周波数900MHz、伝搬速度300Mm/sとして波長λ2を算出すると、樹脂素材146において、波長λ2は、λ2=(300/920MHz)/5≒149mmとなる。
ここで、アンテナ部120の値λ1は333mmであるため、333/149≒2.23倍長い波長の402MHzで共振することとなる。つまり、見かけ上744mmのグランド部130が形成されたものと同じになる。
その結果、金属板250にRFタグ100を取り付ける状態と同じにすることができ、金属対応または非金属対応の通信距離を充分に有するRFタグ100を実現させることができる。なお、絶縁基材40は、誘電率が異なる素材を3層以上積層することによって構成されてもよい。
(RFタグ100の変形例2:絶縁基材140として誘電率が厚み方向で異なる発泡スチロールを用いた例)
図24は、RFタグ100のさらに他の例を示す模式的断面図である。
絶縁基材140は、表面141および裏面142を有する。表面141から裏面142に向かって縮径する1または複数の穴143が形成されている。穴143は、連続して縮径するものに限定されず、階段状で縮径されるものも含まれる。このような構成によれば、絶縁基材140の厚み方向で比誘電率の異なる絶縁基材140が得られる。図24に示す実施の形態では、アンテナ部120側ほど順次比誘電率が低くなった絶縁基材140が得られる。
本実施の形態において、階段状または円錐状の穴143について説明しているが、穴の形状はこれに限定されない。表面141から裏面142まで貫通していない円筒状、角筒状、あるいは楕円筒状の穴であってもよく、表面141から裏面142まで貫通していない、または貫通した円錐筒状、角錐筒状、あるいは楕円錐筒状の穴であってもよい。
また、穴143の形状が、円柱または凸部からなる場合と異なり、円柱または凸部を形成するリング状の穴143を設けても良い。すなわち、第2主面と第1主面との間から1または複数の円柱または凸部を設けても良い。
さらに、表面141から裏面142に向かって穴の空洞部分の断面形状が変化するものであってもよい。例えば、表面141側においては、星型の穴であり、裏面142側に向かって穴の断面形状が円形になってもよい。
また、図24においては、穴143の径は同じ場合を説明したが、これに限定されず、穴143の径は同じであってもよく、異なるものであってもよい。
以上のように、表面141側および裏面142側の比誘電率を変化させることにより、見かけ上、所定よりも長いグランド部130を形成することとなるため、金属対応または非金属対応の通信距離を充分に有するRFタグ100を実現できる。
(RFタグ100のさらに他の例)
図25は、RFタグ100の他の例を示す模式図である。
図25に示すように、RFタグ100は、板状アンテナからなる。RFタグ100は、厚みが5mm以下の金属導体からなることが好ましく、厚みが2mm以下の金属導体からなることがより好ましい。また、金属蒸着などにより形成してもよい。
図25に示すように、矩形状のアンテナの短辺側の端部に近い箇所に、短辺側に沿って長い矩形状の長孔が形成されている。さらに、長孔によって形成されたアンテナの短辺側の帯状部の一部が切欠され、長孔が外部と連通する連通部が形成されている。長孔によってインダクタンスLが形成され、帯状部の連通部にICチップ80が搭載される。
また、アンテナ長は、インダクタンスLの中心軸(図中破線)より、長さA+長さB+長さC+長さDの合計が中心周波数の3/4λとすることが好ましい。
図26は、図25のRFタグ100の周波数帯域と通信距離との関係の一例を示す模式図である。
図26に示すように、図25のRFタグ100は、中心周波数を894MHzに設定した場合、ICチップ80の等価容量が1.5pFとした場合のインダクタンスLの値は、21nH前後になる。
なお、ICチップ80の等価容量は、1.5pFに限定されるものではなく、0.2pF以上5pF以下であってもよい。例えば、0.6pFであってもよい。
図26に示すように、中心周波数を894MHzとした場合、欧州における860MHzにおいても、7m前後の通信距離を得ることができ、日米における930MHzにおいても、8m前後の通信距離を得ることができることがわかった。
図27は、図25のRFタグ100の他の例を示す模式図である。
図27に示すRFタグ100は、インダクタンスLおよびICチップ80を含む一部分のRFタグ部分100aを板状アンテナに貼着することにより図25のRFタグ100を形成してもよい。
すなわち、図25に示したRFタグ100を一枚の金属導体で形成するのではなく、複数の部材を連結することにより形成してもよい。
すなわち、アンテナにおける全長は、周波数の整数倍を外れるように設定される。例えば、1λ未満、または1λを超えるように設定される。1λ、2λ、nλ(nは、整数)丁度の場合には、電力供給ができなくなるからである。
図28および図29は、カード210の構造の一例を示す模式図である。
図28に示すように、カード210の構造は、図25および図27に示したRFタグ100の一面側にリライトシート201が貼着され、RFタグ100の他面側に保護材203が貼着されても良い。
これによりカード210を形成し、図1から図5までに記載した部品箱200に利用することができる。
また、図29に示すように、RFタグ100の少なくとも一部分のRFタグ部分100a(図27参照)の周囲に非導電体205により包まれていることが好ましい。その結果、インダクタンスLおよびICチップ80における周波数特性を安定させることができる。
以上により、金属板250および/または部品箱200をアンテナとして利用することができるとともに、大きな開口面積を有することができるので、RFタグ100の感度を向上させることができる。
また、金属板250および/または部品箱200をアンテナとして利用することができるので、読取装置による無指向の読み取りが可能となる。
本発明においては、部品箱200が「部品箱」に相当し、保持部230が「保持部」に相当し、部品管理用カード210、カード210が「部品管理用カード」に相当し、部品管理用カード本体220、カード本体220が「部品管理用カード本体」に相当し、金属板250が「金属板」に相当し、RFタグ100が「RFタグ」に相当し、アンテナ110が「アンテナ」に相当し、ICチップ80が「ICチップ」に相当し、導波素子、第1導波素子20、アンテナ部300が「導波板」に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
20 第1導波素子
30 第2導波素子
50 給電部
60 短絡部
80 ICチップ
93 コンデンサ
100 RFタグ
110 アンテナ
200 部品箱
210 部品管理用カード
220 部品管理用カード本体
230 保持部
250 金属板
300 アンテナ部


Claims (12)

  1. 部品が収容される部品箱の外面に取り付けられた保持部に取り外し可能に保持される部品管理用カードであって、
    絶縁体製の部品管理用カード本体と、
    前記部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、
    前記RFタグの前記部品箱側に、前記RFタグとの間に前記部品管理用カード本体の絶縁体層を介した状態で前記部品管理用カード本体内または部品管理用カード本体の外面に配設された金属板と、を有し、
    前記RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、
    前記RFタグに設けられた導波板と前記金属板とが電気的に一定の容量を介して接続される、部品管理用カード。
  2. 部品が収容される金属製の部品箱の外面に取り付けられた保持部に取り外し可能に保持される部品管理用カードであって、
    絶縁体製の部品管理用カード本体と、
    前記部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、を有し、
    前記RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、
    前記RFタグに設けられた導波板と前記部品箱とが静電結合するように、前記保持部に保持される、部品管理用カード。
  3. 前記部品箱は金属からなり、
    前記RFタグに設けられた導波板と前記部品箱とが静電結合するように、前記保持部に保持される、請求項1に記載の部品管理用カード。
  4. 前記導波板は、前記アンテナである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の部品管理用カード。
  5. 前記導波板は、前記アンテナに設けられた導波素子である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の部品管理用カード。
  6. 前記アンテナは、
    第1主面、及び前記第1主面の対向する側の第2主面を有する絶縁基材と、
    前記第1主面に設けられた第1導波素子と、
    前記第2主面に設けられた第2導波素子と、
    前記絶縁基材の側面に設けられ、前記第2導波素子に一端が電気的に接続された給電部と、
    前記絶縁基材の前記側面に設けられ、前記第1導波素子に一端が電気的に接続され、前記第2導波素子に他端が電気的に接続された短絡部と、を備え、
    前記絶縁基材、前記第1導波素子、前記第2導波素子、前記給電部及び前記短絡部により、読取装置から送信された電波を受信する板状アンテナが構成され、
    前記第1導波素子、前記短絡部、前記第2導波素子及び前記給電部により構成されるインダクタパターンと、前記第1導波素子、前記第2導波素子及び前記絶縁基材により構成されるコンデンサとにより、前記電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成される、請求項5に記載の部品管理用カード。
  7. 前記第1導波素子および前記第2導波素子のうち少なくとも一方の導波素子の外周距離は、前記RFタグの周波数の電波の波長λに対して、λ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれか1つを満たすよう設計された、請求項6に記載の部品管理用カード。
  8. 前記アンテナは、インダクタパターンおよび前記ICチップの内部静電容量により前記電波の周波数帯域で共振する共振回路が構成される、請求項5に記載の部品管理用カード。
  9. 前記アンテナの周辺距離は、UHF帯RFID周波数の波数の波長λに対して、nλ以外(nは、整数)、λ/4、λ/2、3λ/4、5λ/8のいずれか1つに該当するよう設計された、請求項8記載の部品管理用カード。
  10. 少なくとも前記ICチップおよび前記インダクタパターン部が、非導電体により包まれている、請求項8および9に記載の部品管理用カード。
  11. 前記部品管理用カードは、部品管理システムにおいて用いられるカンバンである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の部品管理用カード。
  12. 部品が収容される金属製の部品箱と、前記部品箱の外面に取り付けられた保持部に取り外し可能に保持される部品管理用カードと、を備える部品管理装置であって、
    前記部品管理用カードは、
    絶縁体製の部品管理用カード本体と、
    前記部品管理用カード本体内に埋設されたRFタグと、を有し、
    前記RFタグは、少なくともアンテナと、読取装置から送信された電波に基づいて動作するICチップと、を含み、
    前記部品管理用カードを前記保持部に保持させた場合に、前記RFタグに設けられた導波板と前記部品箱とが静電結合する、部品管理装置。
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