以下に、図面を参照して、本発明にかかる計測制御プログラム、計測制御方法、計測制御装置、および計測制御システムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる計測制御方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる計測制御方法の一実施例を示す説明図である。図1において、計測制御装置100は、監視システムを制御するコンピュータである。監視システムは、例えば、河川や下水道に水位センサーを設置し、水位センサーの計測値に基づいて河川や下水道の増水や氾濫を監視し、水害対策を行うことを目的とする。
ここで、水位センサーを、バッテリー搭載型とし、監視システムの導入工事の簡易化を図ることが望まれる場合がある。この場合、水位センサーを、バッテリー搭載型としたため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図り、監視システムの保守管理の作業負担の低減化を図ることが望まれる場合がある。また、水位センサーを、バッテリー搭載型としなくても、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることが好ましい。しかしながら、水位センサーが効率よく水位の計測を行うことができず、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招くことがある。
効率よく水位の計測を行うことは、処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制して水位の計測を行うことである。効率よく水位の計測を行うことは、例えば、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況程、水位の計測回数を少なくすることである。水害対策に対する悪影響が少ないような状況は、例えば、晴天や曇天の場合、または、雨天であるが河川や下水道の増水や氾濫を監視しなくてもよい雨量の場合などの状況である。水位の計測回数を少なくすることは、例えば、水位の計測期間を短く、または、水位の計測頻度を少なくすることである。
例えば、水位センサーが、常時水位の計測を行うように設定されると、晴天や曇天の場合、または、雨天であるが河川や下水道の増水や氾濫を監視しなくてもよい雨量の場合などにも水位の計測を行い続けることになる。このため、水位センサーは、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を行い続けることになり、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。
これに対し、水位センサーが、常時一定間隔で水位の計測を行い、利用者が設定した閾値を水位の計測値が超えた場合、水位の計測頻度を多くして水位の計測を行うように設定されることが考えられる。しかしながら、水位センサーは、常時一定間隔で水位の計測を行うため、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を停止することができない。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。
また、水位センサーは、利用者が設定する閾値を大きくする程、水害対策のために水位を計測することが好ましい状況にも、水位の計測頻度を多くすることができず、水害対策を効率よく行うことが難しくなる。一方で、水位センサーは、利用者が設定する閾値を小さくする程、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況で、水位の計測頻度を多くしてしまう可能性が大きくなる。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。また、利用者は、閾値を設定する作業負担を負うことになる。
これに対し、水位センサーが、利用者が設定した閾値を水位の予測値が超える前は水位の計測を行わず、利用者が設定した閾値を水位の予測値が超えた後に水位の計測を開始するように設定されることが考えられる。しかしながら、水位センサーは、水位の予測精度が低い程、効率よく水位の計測を行うことは難しくなる。
また、水位センサーは、利用者が設定する閾値を大きくする程、水位の計測を開始することが遅くなり、利用者が水位の急上昇などを把握することが遅くなり、水害対策を効率よく行うことが難しくなる。一方で、水位センサーは、利用者が設定する閾値を小さくする程、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を開始してしまう。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。また、利用者は、閾値を設定する作業負担を負うことになる。
したがって、水位センサーに、状況に合わせて水位の計測を停止させておくことが好ましい。また、水位センサーに水位の計測を開始させる場合、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測回数が少なくなるようにし、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることが好ましい。一方で、水位センサーに水位の計測を開始させる場合、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測回数が多くなるようにし、水害対策の効率化を図ることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、水位の変化の予測結果に基づき水位の予測ピーク値に応じた基準値を算出し、水位が基準値に達する予測タイミングに基づき水位の計測の開始タイミングを制御する計測制御方法について説明する。これによれば、計測制御方法は、例えば、水害が発生する可能性の大きさに応じて水位の計測の開始タイミングを制御することができ、効率よく水位の計測を行うことができ、効率よく水害対策を行うことができる。
図1の例では、監視システムは、センサー装置101を含む。センサー装置101は、水位センサーとして動作し、対象箇所の水位の計測を行うコンピュータである。対象箇所は、センサー装置101の設置箇所に対応する。対象箇所は、例えば、河川や下水道である。対象箇所は、具体的には、配管110である。計測制御装置100は、センサー装置101と通信可能に接続される。
計測制御装置100は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定する。水位の単位は、例えば、cmである。水位の変化の予測結果は、一定時間ごとの水位の予測値の集まりである。計測制御装置100は、例えば、雨量に基づいて一定期間における水位の変化を予測し、水位の変化の予測結果に基づいて、一定期間における水位の予測ピーク値を特定する。
図1の例では、水位の変化の予測結果は、時点t+1,t+2,t+3の水位の予測値の集まりであり、予測結果Aまたは予測結果Bである。tは、現在時点である。計測制御装置100は、水位の変化の予測結果が、予測結果Aであれば、水位の予測ピーク値p1を特定する。また、計測制御装置100は、水位の変化の予測結果が、予測結果Bであれば、水位の予測ピーク値p2を特定する。
計測制御装置100は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出する。計測制御装置100は、例えば、予測ピーク値と基準値との関係を表す情報に基づいて、特定した予測ピーク値に対応する基準値を算出する。予測ピーク値と基準値との関係を表す情報は、例えば、図8に後述する基準値テーブル800である。予測ピーク値と基準値との関係は、例えば、予測ピーク値が大きい程、基準値が小さくなる関係である。
図1の例では、計測制御装置100は、予測ピーク値p1を特定した場合、特定した予測ピーク値p1に対応する基準値w1を算出する。また、計測制御装置100は、予測ピーク値p2を特定した場合、特定した予測ピーク値p2に対応する基準値w2を算出する。基準値w1は、例えば、基準値w2より小さい。
ここで、水位の予測ピーク値は、一面では、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる。水位の予測ピーク値は、例えば、値が大きい程、氾濫する可能性が大きいことを表す。また、水位の予測ピーク値は、例えば、値が大きい程、水位の予測結果と実際の水位の遷移結果とにずれが生じた場合、水害が発生する可能性が大きいことを表す。
このため、計測制御装置100は、水害が発生する可能性の大きさに応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を制御可能になる。計測制御装置100は、例えば、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する水位の基準値が小さくなり、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する水位の基準値が大きくなるように制御可能になる。
計測制御装置100は、予測結果に基づいて、算出した基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定する。図1の例では、計測制御装置100は、基準値w1を算出した場合、算出した基準値w1に達することが予測される予測タイミングt+1を特定する。また、計測制御装置100は、基準値w2を算出した場合、算出した基準値w2に達することが予測される予測タイミングt+2を特定する。
計測制御装置100は、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。計測制御装置100は、例えば、特定した予測タイミングになったか否かを判定し、特定した予測タイミングになるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。
図1の例では、計測制御装置100は、予測タイミングt+1を特定した場合、予測タイミングt+1になるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信し、センサー装置101に水位の計測を開始させる。また、計測制御装置100は、予測タイミングt+2を特定した場合、予測タイミングt+2になるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信し、センサー装置101に水位の計測を開始させる。
これにより、計測制御装置100は、効率よく水位の計測を行うことができる。計測制御装置100は、例えば、水位の計測を停止しておくことによる水害対策に対する悪影響を抑制し、かつ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制することができる。また、計測制御装置100は、センサー装置101の記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。また、計測制御装置100は、センサー装置101から取得する水位の計測値を記憶する記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。このため、計測制御装置100は、監視システムの保守管理の作業負担の低減化を図ることができる。
計測制御装置100は、具体的には、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値に応じて、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況程、水位の計測回数を少なくすることができる。計測制御装置100は、水位の計測期間を短く、または、水位の計測頻度を少なくして、水位の計測回数を少なくする。
センサー装置101は、常時水位の計測を行わなくてもよく、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況には、水位の計測を停止しておくことができる。そして、センサー装置101は、処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制することができる。また、センサー装置101は、記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。
センサー装置101は、水害対策のために水位を計測することが好ましい状況には、水位の計測の開始を早めることができ、または、水位の計測頻度を多くすることができる。このため、センサー装置101は、利用者が水位の急上昇などを把握可能にし、水害対策を効率よく行うことができる。また、センサー装置101は、水位の変化の予測結果と、実際の水位の遷移結果とにずれが生じても、水害対策を効率よく行うことができる。
ここでは、計測制御装置100が、水位の変化を予測する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100とは異なる装置が、水位の変化を予測する場合があってもよい。この場合、計測制御装置100は、例えば、水位の変化を予測した装置から、水位の変化の予測結果を取得する。
ここでは、予測ピーク値と基準値との関係が、予測ピーク値が大きい程、基準値が小さくなる関係である場合について説明したが、これに限らない。例えば、予測ピーク値と基準値との関係が、予測ピーク値が零から一定値までは基準値が大きくなり、予測ピーク値が一定値より大きいと基準値が小さくなる関係である場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、センサー装置101に水位の計測の開始指示を送信する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、特定した予測タイミングを示す情報をセンサー装置101に送信し、センサー装置101で、特定した予測タイミングになったか否かを判定させ、水位の計測を開始させる場合があってもよい。
(監視システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した計測制御装置100を適用した、監視システム200の一例について説明する。
図2は、監視システム200の一例を示す説明図である。図2において、監視システム200は、計測制御装置100と、情報蓄積装置201と、通信中継装置202と、無線通信装置203と、センサー装置101とを含む。
監視システム200において、計測制御装置100と情報蓄積装置201と通信中継装置202とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。また、監視システム200において、通信中継装置202と無線通信装置203とは、無線によって接続される。また、監視システム200において、無線通信装置203とセンサー装置101とは、有線によって接続される。
計測制御装置100は、図4〜図8に後述する各種テーブルを記憶し、センサー装置101を制御する。計測制御装置100は、例えば、図4〜図7に後述する各種テーブルを利用し、水位の変化の予測を行い、予測ピーク値の特定を行う。計測制御装置100は、例えば、図8に後述する基準値テーブル800を利用し、基準値の算出を行い、予測タイミングの特定を行い、水位の計測の開始タイミングの制御を行う。計測制御装置100は、水位の計測頻度の制御を行ってもよい。計測制御装置100は、水位の計測の終了タイミングの制御を行ってもよい。計測制御装置100は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)などである。
情報蓄積装置201は、気象情報を記憶し、気象情報を計測制御装置100に提供するコンピュータである。情報蓄積装置201は、例えば、気象情報として、図6に後述する実績雨量テーブル600および図7に後述する予測雨量テーブル700などを、計測制御装置100に提供する。情報蓄積装置201は、例えば、サーバ、PCなどである。通信中継装置202は、無線通信装置203を介して計測制御装置100とセンサー装置101との通信を中継するコンピュータである。無線通信装置203は、通信中継装置202とセンサー装置101との通信を中継するコンピュータである。
センサー装置101は、水位センサーとして動作し、対象箇所の水位の計測を行うコンピュータである。対象箇所は、センサー装置101の設置箇所に対応する。対象箇所は、例えば、河川や下水道である。対象箇所は、具体的には、配管110である。センサー装置101は、例えば、計測制御装置100の制御にしたがって、水位の計測を停止し、または、水位の計測を開始する。また、センサー装置101は、例えば、計測制御装置100の制御にしたがって、水位の計測頻度を変更する。また、センサー装置101は、例えば、水位の計測と同様に、水位以外の計測を停止し、水位以外の計測を開始し、または、水位以外の計測頻度を変更してもよい。水位以外は、例えば、流速である。
ここでは、監視システム200に含まれるセンサー装置101が1つである場合について説明したが、これに限らない。例えば、監視システム200に含まれるセンサー装置101が2以上である場合があってもよい。この場合、監視システム200は、センサー装置101ごとに、センサー装置101を制御する計測制御装置100を含んでもよい。
ここでは、計測制御装置100が、情報蓄積装置201とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、情報蓄積装置201として動作可能な場合があってもよい。この場合、監視システム200は、情報蓄積装置201を含まなくてもよい。
ここでは、センサー装置101が、無線通信装置203と通信中継装置202とを介して計測制御装置100と通信する場合について説明したが、これに限らない。例えば、センサー装置101が、無線通信装置203と通信中継装置202とを介さずに、計測制御装置100と通信可能である場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、水位の変化の予測、予測ピーク値の特定、基準値の算出、予測タイミングの特定、および、水位の計測の開始タイミングの制御を行う場合について説明したが、これに限らない。例えば、水位の変化の予測、予測ピーク値の特定、基準値の算出、予測タイミングの特定、および、水位の計測の開始タイミングの制御が、クラウドシステムにおいて2以上の装置の協働により実現される場合があってもよい。
(計測制御装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、計測制御装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、計測制御装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、計測制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305と、ディスプレイ306とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、計測制御装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
記録媒体I/F304は、CPU301の制御にしたがって記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、計測制御装置100から着脱可能であってもよい。
ディスプレイ306は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ306は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ306は、例えば、タッチパネルであり、入力装置としての機能を有してもよい。
計測制御装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、計測制御装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を複数有していてもよい。また、計測制御装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。また、計測制御装置100は、ディスプレイ306を有していなくてもよい。
(実績水位テーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて実績水位テーブル400の記憶内容について説明する。実績水位テーブル400は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図4は、実績水位テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、実績水位テーブル400は、過去時点と実績水位とのフィールドを有する。実績水位テーブル400は、過去時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、実績水位情報がレコードとして記憶される。
過去時点のフィールドには、過去にセンサー装置101が水位の計測を行った時点が、過去時点として設定される。実績水位のフィールドには、過去時点におけるセンサー装置101による水位の計測値が、実績水位として設定される。水位の計測値の単位は、例えば、cmである。水位の計測値の単位は、例えば、%であってもよい。
(予測水位テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて予測水位テーブル500の記憶内容について説明する。予測水位テーブル500は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図5は、予測水位テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、予測水位テーブル500は、予測時点と予測水位とのフィールドを有する。予測水位テーブル500は、予測時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、予測水位情報がレコードとして記憶される。
予測時点のフィールドには、いつの時点の水位を予測したかを示す予測時点が設定される。予測水位のフィールドには、予測時点における水位の予測値が、予測水位として設定される。水位の予測値の単位は、例えば、cmである。水位の予測値の単位は、例えば、%であってもよい。
(実績雨量テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて実績雨量テーブル600の記憶内容について説明する。実績雨量テーブル600は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図6は、実績雨量テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、実績雨量テーブル600は、過去時点と地域と実績雨量とのフィールドを有する。実績雨量テーブル600は、過去時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、実績雨量情報がレコードとして記憶される。
過去時点のフィールドには、過去のいずれかの時点が、過去時点として設定される。地域のフィールドには、メッシュ状に分割された複数の地域のいずれかの地域を示す情報が設定される。実績雨量のフィールドには、過去時点の地域における雨量の計測値が、実績雨量として設定される。雨量の計測値の単位は、例えば、雨量強度である。雨量の計測値の単位は、例えば、mm/時である。
(予測雨量テーブル700の記憶内容)
次に、図7を用いて予測雨量テーブル700の記憶内容について説明する。予測雨量テーブル700は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図7は、予測雨量テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7に示すように、予測雨量テーブル700は、予測時点と地域と予測雨量とのフィールドを有する。予測雨量テーブル700は、予測時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、予測雨量情報がレコードとして記憶される。
予測時点のフィールドには、いつの時点の雨量を予測したかを示す予測時点が設定される。地域のフィールドには、メッシュ状に分割された複数の地域のいずれかの地域を示す情報が設定される。予測雨量のフィールドには、予測時点の地域における雨量の予測値が、予測雨量として設定される。雨量の予測値の単位は、例えば、雨量強度である。雨量の予測値の単位は、例えば、mm/時である。
(基準値テーブル800の記憶内容)
次に、図8を用いて基準値テーブル800の記憶内容について説明する。基準値テーブル800は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図8は、基準値テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8に示すように、基準値テーブル800は、カテゴリと、基準値と、間隔とのフィールドを有する。基準値テーブル800は、カテゴリごとに各フィールドに情報を設定することにより、基準値情報がレコードとして記憶される。
カテゴリのフィールドには、予測ピーク値の範囲を示す情報が、カテゴリとして設定される。基準値のフィールドには、予測ピーク値がカテゴリが示す範囲に含まれる場合に対応する基準値が設定される。間隔のフィールドには、予測ピーク値がカテゴリが示す範囲に含まれる場合に対応する間隔が設定される。
(センサー装置101のハードウェア構成例)
次に、図9を用いて、センサー装置101のハードウェア構成例について説明する。
図9は、センサー装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図9において、センサー装置101は、CPU901と、メモリ902と、ネットワークI/F903と、水位センサー904と、バッテリー905とを有する。また、各構成部は、バス900によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU901は、センサー装置101の全体の制御を司る。メモリ902は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU901のワークエリアとして使用される。メモリ902に記憶されるプログラムは、CPU901にロードされることで、コーディングされている処理をCPU901に実行させる。
ネットワークI/F903は、通信回線を通じて無線通信装置203に接続され、無線通信装置203を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F903は、無線通信装置203と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F903には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
水位センサー904は、水位の計測を行う。水位センサー904は、例えば、圧力センサーであり、水位が大きくなると水量が大きくなり、水位センサー904にかかる圧力が大きくなることを利用し、水位の計測を行う。水位センサー904は、例えば、発光部と受光部とを有し、水面までの距離の計測を行うことにより水位の計測を行ってもよい。バッテリー905は、電力を、センサー装置101の各部の駆動電源として供給する。バッテリー905は、ハーベスタを有し、センサー装置101の設置箇所における外部環境のエネルギー変化に基づき発電を行うことが可能であってもよい。外部環境は、例えば、光、振動、温度、無線電波などである。また、センサー装置101は、水位以外の計測を行うセンサーを有してもよい。
(情報蓄積装置201のハードウェア構成例)
情報蓄積装置201のハードウェア構成例は、図3に示した計測制御装置100のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
(計測制御装置100の機能的構成例)
次に、図10を用いて、計測制御装置100の機能的構成例について説明する。
図10は、計測制御装置100の機能的構成例を示すブロック図である。計測制御装置100は、記憶部1000と、取得部1001と、学習部1002と、予測部1003と、設定部1004と、出力部1005とを含む。
記憶部1000は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部1000が、計測制御装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部1000が、計測制御装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部1000の記憶内容が計測制御装置100から参照可能である場合があってもよい。
取得部1001〜出力部1005は、制御部となる機能である。取得部1001〜出力部1005は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、ネットワークI/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
記憶部1000は、各機能部の処理に用いられる各種情報を記憶する。記憶部1000は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部1000は、水位の計測値や水位の予測値などを記憶してもよい。水位は、例えば、対象箇所の底部から水面までの長さにより表される。水位は、例えば、満管率により表されてもよい。記憶部1000は、例えば、図4に示した実績水位テーブル400や図5に示した予測水位テーブル500などを記憶してもよい。記憶部1000は、雨量の計測値や雨量の予測値などを記憶してもよい。記憶部1000は、例えば、図6に示した実績雨量テーブル600や図7に示した予測雨量テーブル700などを記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す対応情報を記憶してもよい。予測ピーク値は、一定期間の水位の予測値のうちの最大値である。第1基準値は、水位の計測を開始する水位の基準値である。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第1基準値を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と第2基準値との関係を表す対応情報を記憶してもよい。第2基準値は、水位の計測を終了する水位の基準値である。第1基準値と第2基準値とは同一であってもよい。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第2基準値が低くなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と第2基準値との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第2基準値を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と計測頻度との関係を表す対応情報を記憶してもよい。計測頻度は、水位の計測を行う頻度である。頻度は、単位時間当たりに水位の計測を行う回数である。計測頻度は、計測間隔により表されてもよい。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、計測頻度が大きくなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と計測頻度との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に小さい計測頻度を示す相対的に大きい計測間隔を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測モデルを学習するための規則を記憶してもよい。予測モデルは、水位と雨量との関係を表すモデルである。予測モデルは、例えば、数式モデルである。数式モデルは、例えば、水位と雨量との関係を表す関数である。予測モデルは、例えば、水位の変化を予測するために用いられる。記憶部1000は、学習した予測モデルを記憶してもよい。
取得部1001は、各機能部の処理に用いられる各種情報を各機能部に出力する。取得部1001は、例えば、各機能部の処理に用いられる各種情報を記憶部1000から取得し、各機能部に出力してもよい。取得部1001は、例えば、各機能部の処理に用いられる各種情報を、計測制御装置100とは異なる装置から取得し、各機能部に出力してもよい。
学習部1002は、予測モデルを学習する。学習部1002は、例えば、過去の水位と雨量とに基づいて、予測モデルを学習する。学習部1002は、機械学習により、予測モデルとして、第1時点における水位を、第1時点以前の1以上の時点の1以上の地域の雨量に係数を乗算して合計することにより算出する数式モデルを学習する。これにより、学習部1002は、予測モデルを参照して水位を予測可能にすることができる。
予測部1003は、水位の変化を予測する。予測部1003は、例えば、雨量の予測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測する。予測部1003は、具体的には、一定期間内の1以上の時点のそれぞれの時点の水位の予測値を算出し、予測水位テーブル500を用いて記憶する。
予測部1003は、例えば、雨量の計測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測してもよい。予測部1003は、例えば、雨量の計測値および雨量の予測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測してもよい。
予測部1003は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定する。予測部1003は、例えば、予測水位テーブル500に記憶された1以上の時点のそれぞれの時点の水位の予測値のうちの最大値を、水位の予測ピーク値として特定する。これにより、予測部1003は、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値を特定することができ、センサー装置101による水位の計測を制御するために利用可能にすることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の第1基準値を算出する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなるように、第1基準値を算出する。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第1基準値を算出する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の第2基準値を算出する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第2基準値が低くなるように、第2基準値を算出する。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第2基準値を算出する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を終了する終了タイミングを遅らせることができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を終了する終了タイミングを早めることができる。
設定部1004は、予測結果に基づいて、算出した第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定する。そして、設定部1004は、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。
設定部1004は、例えば、予測タイミングを過ぎたか否かを監視し、予測タイミングを過ぎたことに応じて、センサー装置101に水位の計測の開始指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。設定部1004は、例えば、予測タイミングをセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101で、予測タイミングを過ぎたか否かを監視させ、予測タイミングを過ぎたことに応じて水位の計測を開始させてもよい。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、早めに水位の計測を開始させることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、遅めに水位の計測を開始させることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、センサー装置101による水位の計測値に基づいて、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御する。設定部1004は、例えば、算出した第2基準値を計測値が下回ったタイミングに基づいて、終了タイミングを制御する。
設定部1004は、具体的には、センサー装置101で水位の計測が行われる都度、センサー装置101から水位の計測値を取得する。設定部1004は、取得した水位の計測値が第2基準値を下回ったか否かを判定し、第2基準値を下回ったことに応じて、センサー装置101に水位の計測の終了指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御する。設定部1004は、具体的には、第2基準値をセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101で、水位の計測値が第2基準値を下回ったか否かを監視させ、第2基準値を下回ったことに応じて水位の計測を終了させてもよい。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、遅めに水位の計測を終了させることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、早めに水位の計測を終了させることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、センサー装置101による水位の計測頻度を高くする。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた計測間隔を算出する。そして、設定部1004は、算出した計測間隔をセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、一定期間の水位の変化の統計情報に基づいてセンサー装置101の予測消費電力を算出してもよい。これにより、設定部1004は、センサー装置101の消費電力を利用者が把握可能にすることができ、監視システム200の保守管理の予定を利用者が決定しやすくすることができる。
出力部1005は、設定部1004の制御にしたがってセンサー装置101に各種情報を送信する。出力部1005は、例えば、開始指示をセンサー装置101に送信する。出力部1005は、例えば、第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングをセンサー装置101に送信してもよい。出力部1005は、例えば、終了指示をセンサー装置101に送信する。出力部1005は、例えば、第2基準値をセンサー装置101に送信してもよい。出力部1005は、例えば、計測間隔をセンサー装置101に送信する。
出力部1005は、各機能部の処理結果を出力してもよい。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。出力部1005は、例えば、算出した予測消費電力を出力してもよい。これにより、出力部1005は、各機能部の処理結果を利用者に通知可能にし、計測制御装置100の管理や運用、例えば、計測制御装置100の設定値の更新などを支援することができ、計測制御装置100の利便性の向上を図ることができる。
ここでは、設定部1004が、センサー装置101による水位の計測の開始タイミング、センサー装置101による水位の計測の終了タイミング、および、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する場合について説明したが、これに限らない。例えば、設定部1004が、センサー装置101による水位の計測の開始タイミング、センサー装置101による水位の計測の終了タイミング、および、センサー装置101による水位の計測頻度のいずれかを制御しない場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、取得部1001〜出力部1005を有する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、学習部1002を有さず、計測制御装置100とは異なる装置から、予測モデルを取得する場合があってもよい。また、計測制御装置100が、学習部1002と予測部1003とを有さず、計測制御装置100とは異なる装置から、水位の予測結果を取得する場合があってもよい。
(水位の変化を予測する一例)
次に、図11〜図21を用いて、監視システム200の動作例について説明する。まず、図11および図12を用いて、計測制御装置100が水位の変化を予測する一例について説明する。
図11および図12は、水位の変化を予測する一例を示す説明図である。図11において、計測制御装置100は、配管110の水位の変化を予測するために用いられる予測モデル1100を学習する。予測モデル1100は、例えば、配管110の水位と、1以上の地域の1以上の時点の雨量との関係を表す数式モデルである。計測制御装置100は、例えば、実績水位テーブル400、実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700を参照し、予測モデル1100を学習する。
計測制御装置100は、具体的には、機械学習により、配管110の時点tの水位が、いずれの地域の雨量に影響されるか、および、時点t以前のいずれの時点の雨量に影響されるかなどを解析する。雨量が配管110の水位に影響する地域は、例えば、配管110がある地域、および、配管110の上流に当たる配管がある地域などの少なくともいずれかの地域である。
そして、計測制御装置100は、解析結果に基づいて、配管110の時点tの水位を、いくつかの地域の時点t−1,t−2,・・・,t−nの雨量に基づいて予測する数式モデルを作成する。これにより、計測制御装置100は、水位の変化を予測可能にすることができる。また、計測制御装置100は、定期的に数式モデルを作成し直し、水位の変化を予測する精度の向上を図ってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、実績水位テーブル400、実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700を参照する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、実績雨量テーブル600を参照しない場合があってもよい。また、例えば、計測制御装置100が、予測雨量テーブル700を参照しない場合があってもよい。次に、図12の説明に移行する。
図12において、計測制御装置100は、定期的に、以降の一定期間の水位の変化を予測する。計測制御装置100は、例えば、実績雨量テーブル600および予測雨量テーブル700に基づいて、予測モデル1100を参照して、一定期間内の各時点t+iの水位の変化を予測し、予測水位テーブル500を用いて記憶する。iは、1以上の自然数である。
計測制御装置100は、具体的には、数式モデルを参照して、時点t+iの水位を、1以上の地域の時点t+1,t+2,・・・,t+iの予測水位、および、1以上の地域の時点t−j,t−j+1,・・・,tの実績水位に基づいて予測する。これにより、計測制御装置100は、以降の一定期間の水位の変化を予測し、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値を特定可能にすることができる。
ここでは、計測制御装置100が、予測水位および実績水位に基づいて水位を予測する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、予測水位を用いずに実績水位に基づいて水位を予測する場合があってもよい。また、例えば、計測制御装置100が、実績水位を用いずに予測水位に基づいて水位を予測する場合があってもよい。
(閾値および測定間隔を決定する一例)
次に、図13〜図17を用いて、計測制御装置100が水位の変化の予測結果に基づいて閾値および測定間隔を決定する一例について説明する。
図13〜図17は、閾値および測定間隔を決定する一例を示す説明図である。図13において、計測制御装置100は、水位の予測ピーク値と閾値との関係を表す対応情報として、閾値曲線1300の関数を記憶する。閾値は、センサー装置101に水位の計測を開始させる第1基準値に対応する。閾値は、センサー装置101に水位の計測を終了させる第2基準値にも対応する。閾値曲線1300の関数は、例えば、利用者によって特定され、計測制御装置100に記憶される。
計測制御装置100は、閾値曲線1300の関数に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する閾値を算出する。計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、比較的大きい閾値を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、比較的小さい閾値を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
ここでは、閾値曲線1300が右下がりの曲線である場合について説明したが、これに限らない。例えば、閾値曲線1300が、予測ピーク値が所定値より小さい範囲では閾値が比較的大きい一定値になり、予測ピーク値が所定値より大きい範囲になると閾値が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、例えば、閾値曲線1300が、予測ピーク値が0から所定値になるまでは閾値が大きくなり、予測ピーク値が所定値より大きくなると閾値が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。次に、図14の説明に移行する。
図14において、計測制御装置100は、水位の予測ピーク値と測定間隔との関係を表す対応情報として、測定間隔曲線1400の関数を記憶する。測定間隔は、センサー装置101の水位の計測頻度を制御するための設定値である。測定間隔曲線1400の関数は、例えば、利用者によって特定され、計測制御装置100に記憶される。
計測制御装置100は、測定間隔曲線1400の関数に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する測定間隔を算出する。計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、比較的大きい測定間隔を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、比較的小さい測定間隔を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
ここでは、測定間隔曲線1400が右下がりの曲線である場合について説明したが、これに限らない。例えば、測定間隔曲線1400が、予測ピーク値が所定値より小さい範囲では測定間隔が比較的大きい一定値になり、予測ピーク値が所定値より大きい範囲になると測定間隔が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、例えば、測定間隔曲線1400が、予測ピーク値が0から所定値になるまでは測定間隔が大きくなり、予測ピーク値が所定値より大きくなると測定間隔が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
図13および図14の例では、計測制御装置100が、閾値曲線1300の関数や測定間隔曲線1400の関数に基づいて、閾値および測定間隔を決定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、利用者が、閾値曲線1300の関数や測定間隔曲線1400の関数を予め特定することが難しい場合がある。この場合、計測制御装置100は、図15〜図17に後述するように、閾値および測定間隔を決定する。
図15において、利用者は、過去の水位の計測値と予測値とのグラフ1500を参照し、水位のカテゴリを複数設定する。図15の例では、利用者は、満管率0%以上33%未満の水位のカテゴリ(低)と、満管率33%以上67%未満の水位のカテゴリ(中)と、満管率67%以上の水位のカテゴリ(高)とを設定する。満管率は、配管110の水位の、配管110が満水になる水位に対する比率である。
そして、利用者は、水位のカテゴリごとに、閾値および測定間隔を対応付けた対応情報を作成し、基準値テーブル800として計測制御装置100に記憶させる。利用者は、例えば、上限値が大きいカテゴリ程、値が大きい閾値および値が大きい測定間隔を対応付けた対応情報を作成する。次に、図16および図17の説明に移行し、基準値テーブル800に基づく閾値および測定間隔を決定する一例について説明する。
図16において、計測制御装置100は、基準値テーブル800が表す、水位の予測ピーク値と閾値との対応関係1600に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する閾値を算出する。
計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する比較的大きい閾値を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する比較的小さい閾値を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。次に、図17の説明に移行する。
図17において、計測制御装置100は、基準値テーブル800が表す、水位の予測ピーク値と測定間隔との対応関係1700に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する測定間隔を算出する。
計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する比較的大きい測定間隔を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する比較的小さい測定間隔を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
図15において、利用者は、水害対策のためには晴天時や曇天時の水位の重要度が低いと考え、カテゴリ(低)の上限値を、少なくとも晴天時や曇天時における水位の計測値の最大値より大きくしてもよい。これにより、利用者は、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、利用者は、グラフ1500を参照した結果、計測値と予測値とのずれが大きく、計測値が予測値よりも大きくなる傾向があり、予測値が比較的小さくても水害が発生する可能性が大きいような場合、カテゴリ(高)の下限値をより小さくしてもよい。これにより、利用者は、水害の発生を監視しやすくすることができ、水害対策の効率化を図ることができる。
また、利用者は、グラフ1500の過去の水位の計測値などを参照し、ポアソン分布で近似して、水位の計測値がそれぞれの水位のカテゴリに属することになる確率を算出し、長期的な計測回数を算出してもよい。これにより、利用者は、長期的なセンサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力などを予測することができ、監視システム200を保守管理しやすくすることができる。
(センサー装置101を制御する一例)
次に、図18および図19を用いて、図13〜図17において決定した閾値および測定間隔に基づいて、計測制御装置100がセンサー装置101を制御する一例について説明する。
図18および図19は、センサー装置101を制御する一例を示す説明図である。図18の例は、計測制御装置100が、ケース1の予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する閾値および測定間隔を算出した場合の一例に対応する。図18において、計測制御装置100は、閾値が比較的大きいため測定開始を遅らせ、測定間隔が比較的大きいため測定頻度を少なくし、かつ、閾値が比較的大きいため測定終了を早めることができる。
このように、計測制御装置100は、予測ピーク値が比較的小さく、水害対策における重要度が比較的小さいと判断されるケース1においては、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。また、計測制御装置100は、測定開始を遅らせ、測定頻度を少なくしても、水害対策に対する悪影響を抑制することができる。次に、図19の説明に移行する。
図19の例は、計測制御装置100が、ケース2の予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する閾値および測定間隔を算出した場合の一例に対応する。図19において、計測制御装置100は、閾値が比較的小さいため測定開始を早め、測定間隔が比較的小さいため測定頻度を多くし、かつ、閾値が比較的小さいため測定終了を遅らせることができる。
このように、計測制御装置100は、予測ピーク値が比較的大きく、水害対策における重要度が比較的大きいと判断されるケース2においては、測定開始を早め、測定頻度を多くすることができる。このため、計測制御装置100は、利用者が、水位が上昇するタイミングや水位が上昇する速度などを把握しやすくすることができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。
また、計測制御装置100は、利用者が、水位がピーク値になるタイミング付近での、水位の計測値の変化を把握しやすくすることができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。また、計測制御装置100は、利用者が、水位が上昇し始めた直後から水位が減少しきる直前までの、水位の計測値の変化を把握しやすくすることができ、今後の水害対策に有用な情報を利用しやすくすることができる。
(画面を表示する一例)
次に、図20および図21を用いて、図19のようにセンサー装置101を制御した場合に、計測制御装置100が画面を表示する一例について説明する。
図20および図21は、画面を表示する一例を示す説明図である。計測制御装置100は、センサー装置101を制御し、センサー装置101から水位の計測値を取得する都度、ディスプレイ306の画面の表示内容を遷移させる。
図20において、計測制御装置100は、例えば、時点t20の水位の計測値を取得した場合、画面2000を表示する。画面2000は、例えば、水位の予測値の変化を表す点線、水位の計測値を表す白丸、および、水位の計測値の変化を表す実線を表示する。また、画面2000は、決定した閾値や測定開始点を表示してもよい。
これにより、利用者は、水害が発生する可能性が大きいと判断される場合、水位が上昇し始めた直後から、水位の変化を把握し始めることができ、水位の計測値と水位の予測値とのずれの大きさを把握することができる。このため、利用者は、水位の計測値が水位の予測値より大きく、予測結果よりも水害が発生する可能性が大きいと考えられる場合、早期に水害対策を実施可能になる。次に、図21の説明に移行する。
図21において、計測制御装置100は、例えば、時点t21の水位の計測値を取得した場合、画面2100を表示する。画面2100は、例えば、水位の予測値の変化を表す点線、水位の計測値を表す白丸、および、水位の計測値の変化を表す実線を表示する。また、画面2100は、決定した閾値や測定開始点を表示してもよい。
これにより、利用者は、水害が発生する可能性が大きいと判断される場合、水位がピーク値になるタイミング付近での、水位の計測値の変化を把握することができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。利用者は、例えば、配管110が満水になったか否かを把握したり、配管110が満水になった期間の長さを把握したりすることができる。また、利用者は、水位が上昇し始めた直後から水位が減少しきる直前までの、水位の計測値の変化を把握することができ、今後の水害対策に活用することができる。
(全体処理手順)
次に、図22を用いて、計測制御装置100が実行する、全体処理手順の一例について説明する。全体処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、ネットワークI/F303とによって実現される。
図22は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。図22において、まず、計測制御装置100は、実績雨量テーブル600を取得する(ステップS2201)。次に、計測制御装置100は、予測雨量テーブル700を取得する(ステップS2202)。そして、計測制御装置100は、取得した実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700に基づいて、予測モデルを参照して、センサー装置101の設置場所における水位の変化を予測する(ステップS2203)。
次に、計測制御装置100は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を算出する(ステップS2204)。そして、計測制御装置100は、基準値テーブル800に基づいて、算出した水位の予測ピーク値が属するカテゴリに対応付けられた開始閾値、終了閾値、および、水位の計測の頻度を取得する(ステップS2205)。
次に、計測制御装置100は、水位の予測結果に基づいて、水位の予測値が取得した開始閾値を超えるタイミングを過ぎたか否かを判定する(ステップS2206)。ここで、タイミングを過ぎていない場合(ステップS2206:No)、計測制御装置100は、ステップS2206の処理に戻る。一方で、タイミングを過ぎた場合(ステップS2206:Yes)、計測制御装置100は、ステップS2207の処理に移行する。
ステップS2207では、計測制御装置100は、取得した水位の計測の頻度にしたがって、センサー装置101に水位を計測させ、センサー装置101から水位の計測値を取得する(ステップS2207)。
次に、計測制御装置100は、水位の計測値が取得した終了閾値以下であるか否かを判定する(ステップS2208)。ここで、終了閾値以下ではない場合(ステップS2208:No)、計測制御装置100は、ステップS2207の処理に戻る。一方で、終了閾値以下である場合(ステップS2208:Yes)、計測制御装置100は、ステップS2209の処理に移行する。
ステップS2209では、計測制御装置100は、センサー装置101に水位の計測を終了させる(ステップS2209)。そして、計測制御装置100は、ステップS2201の処理に移行する。これにより、計測制御装置100は、センサー装置101に、効率よく水位の計測を行わせることができる。
以上説明したように、計測制御装置100によれば、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の第1基準値を算出することができる。計測制御装置100によれば、予測結果に基づいて、算出した第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定し、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御することができる。
これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値に応じて、水位の計測の開始タイミングを制御することができ、水位の計測の効率化を図ることを可能にすることができる。このため、計測制御装置100は、水害対策の効率化を図ること、または、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることを可能にすることができる。
計測制御装置100によれば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなるように、第1基準値を算出することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、予測ピーク値が大きい程、センサー装置101による水位の計測頻度を高くすることができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第1基準値を対応付けた対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第1基準値を算出することができる。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す関数を特定しなくても、第1基準値を算出可能にすることができる。
計測制御装置100によれば、複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値に設定することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力を、効率よく低減することができる。
計測制御装置100によれば、センサー装置101による水位の計測値に基づいて、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を終了する終了タイミングを遅らせることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を終了する終了タイミングを早めることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を終了する水位の第2基準値を算出することができる。計測制御装置100によれば、算出した第2基準値を計測値が下回ったタイミングに基づいて、終了タイミングを制御することができる。これにより、計測制御装置100は、第2基準値により終了タイミングを変化させることができる。
計測制御装置100によれば、一定期間の水位の変化の統計情報に基づいてセンサー装置101の予測消費電力を算出することができる。計測制御装置100によれば、算出した予測消費電力を出力することができる。これにより、計測制御装置100は、利用者が、監視システム200を保守管理しやすいようにすることができる。
計測制御装置100によれば、過去の水位と雨量とに基づいて、水位と雨量との関係を表す予測モデルを学習することができる。計測制御装置100によれば、雨量の予測値に基づいて、学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測することができる。これにより、計測制御装置100は、自動で水位の変化を予測することができる。
なお、本実施の形態で説明した計測制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した計測制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本実施の形態で説明した計測制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
以下に、図面を参照して、本発明にかかる計測制御プログラム、計測制御方法、および計測制御装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる計測制御方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる計測制御方法の一実施例を示す説明図である。図1において、計測制御装置100は、監視システムを制御するコンピュータである。監視システムは、例えば、河川や下水道に水位センサーを設置し、水位センサーの計測値に基づいて河川や下水道の増水や氾濫を監視し、水害対策を行うことを目的とする。
ここで、水位センサーを、バッテリー搭載型とし、監視システムの導入工事の簡易化を図ることが望まれる場合がある。この場合、水位センサーを、バッテリー搭載型としたため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図り、監視システムの保守管理の作業負担の低減化を図ることが望まれる場合がある。また、水位センサーを、バッテリー搭載型としなくても、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることが好ましい。しかしながら、水位センサーが効率よく水位の計測を行うことができず、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招くことがある。
効率よく水位の計測を行うことは、処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制して水位の計測を行うことである。効率よく水位の計測を行うことは、例えば、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況程、水位の計測回数を少なくすることである。水害対策に対する悪影響が少ないような状況は、例えば、晴天や曇天の場合、または、雨天であるが河川や下水道の増水や氾濫を監視しなくてもよい雨量の場合などの状況である。水位の計測回数を少なくすることは、例えば、水位の計測期間を短く、または、水位の計測頻度を少なくすることである。
例えば、水位センサーが、常時水位の計測を行うように設定されると、晴天や曇天の場合、または、雨天であるが河川や下水道の増水や氾濫を監視しなくてもよい雨量の場合などにも水位の計測を行い続けることになる。このため、水位センサーは、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を行い続けることになり、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。
これに対し、水位センサーが、常時一定間隔で水位の計測を行い、利用者が設定した閾値を水位の計測値が超えた場合、水位の計測頻度を多くして水位の計測を行うように設定されることが考えられる。しかしながら、水位センサーは、常時一定間隔で水位の計測を行うため、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を停止することができない。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。
また、水位センサーは、利用者が設定する閾値を大きくする程、水害対策のために水位を計測することが好ましい状況にも、水位の計測頻度を多くすることができず、水害対策を効率よく行うことが難しくなる。一方で、水位センサーは、利用者が設定する閾値を小さくする程、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況で、水位の計測頻度を多くしてしまう可能性が大きくなる。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。また、利用者は、閾値を設定する作業負担を負うことになる。
これに対し、水位センサーが、利用者が設定した閾値を水位の予測値が超える前は水位の計測を行わず、利用者が設定した閾値を水位の予測値が超えた後に水位の計測を開始するように設定されることが考えられる。しかしながら、水位センサーは、水位の予測精度が低い程、効率よく水位の計測を行うことは難しくなる。
また、水位センサーは、利用者が設定する閾値を大きくする程、水位の計測を開始することが遅くなり、利用者が水位の急上昇などを把握することが遅くなり、水害対策を効率よく行うことが難しくなる。一方で、水位センサーは、利用者が設定する閾値を小さくする程、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況にも、水位の計測を開始してしまう。このため、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を招く。また、利用者は、閾値を設定する作業負担を負うことになる。
したがって、水位センサーに、状況に合わせて水位の計測を停止させておくことが好ましい。また、水位センサーに水位の計測を開始させる場合、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測回数が少なくなるようにし、水位センサーの処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることが好ましい。一方で、水位センサーに水位の計測を開始させる場合、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測回数が多くなるようにし、水害対策の効率化を図ることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、水位の変化の予測結果に基づき水位の予測ピーク値に応じた基準値を算出し、水位が基準値に達する予測タイミングに基づき水位の計測の開始タイミングを制御する計測制御方法について説明する。これによれば、計測制御方法は、例えば、水害が発生する可能性の大きさに応じて水位の計測の開始タイミングを制御することができ、効率よく水位の計測を行うことができ、効率よく水害対策を行うことができる。
図1の例では、監視システムは、センサー装置101を含む。センサー装置101は、水位センサーとして動作し、対象箇所の水位の計測を行うコンピュータである。対象箇所は、センサー装置101の設置箇所に対応する。対象箇所は、例えば、河川や下水道である。対象箇所は、具体的には、配管110である。計測制御装置100は、センサー装置101と通信可能に接続される。
計測制御装置100は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定する。水位の単位は、例えば、cmである。水位の変化の予測結果は、一定時間ごとの水位の予測値の集まりである。計測制御装置100は、例えば、雨量に基づいて一定期間における水位の変化を予測し、水位の変化の予測結果に基づいて、一定期間における水位の予測ピーク値を特定する。
図1の例では、水位の変化の予測結果は、時点t+1,t+2,t+3の水位の予測値の集まりであり、予測結果Aまたは予測結果Bである。tは、現在時点である。計測制御装置100は、水位の変化の予測結果が、予測結果Aであれば、水位の予測ピーク値p1を特定する。また、計測制御装置100は、水位の変化の予測結果が、予測結果Bであれば、水位の予測ピーク値p2を特定する。
計測制御装置100は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出する。計測制御装置100は、例えば、予測ピーク値と基準値との関係を表す情報に基づいて、特定した予測ピーク値に対応する基準値を算出する。予測ピーク値と基準値との関係を表す情報は、例えば、図8に後述する基準値テーブル800である。予測ピーク値と基準値との関係は、例えば、予測ピーク値が大きい程、基準値が小さくなる関係である。
図1の例では、計測制御装置100は、予測ピーク値p1を特定した場合、特定した予測ピーク値p1に対応する基準値w1を算出する。また、計測制御装置100は、予測ピーク値p2を特定した場合、特定した予測ピーク値p2に対応する基準値w2を算出する。基準値w1は、例えば、基準値w2より小さい。
ここで、水位の予測ピーク値は、一面では、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる。水位の予測ピーク値は、例えば、値が大きい程、氾濫する可能性が大きいことを表す。また、水位の予測ピーク値は、例えば、値が大きい程、水位の予測結果と実際の水位の遷移結果とにずれが生じた場合、水害が発生する可能性が大きいことを表す。
このため、計測制御装置100は、水害が発生する可能性の大きさに応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を制御可能になる。計測制御装置100は、例えば、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する水位の基準値が小さくなり、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する水位の基準値が大きくなるように制御可能になる。
計測制御装置100は、予測結果に基づいて、算出した基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定する。図1の例では、計測制御装置100は、基準値w1を算出した場合、算出した基準値w1に達することが予測される予測タイミングt+1を特定する。また、計測制御装置100は、基準値w2を算出した場合、算出した基準値w2に達することが予測される予測タイミングt+2を特定する。
計測制御装置100は、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。計測制御装置100は、例えば、特定した予測タイミングになったか否かを判定し、特定した予測タイミングになるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。
図1の例では、計測制御装置100は、予測タイミングt+1を特定した場合、予測タイミングt+1になるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信し、センサー装置101に水位の計測を開始させる。また、計測制御装置100は、予測タイミングt+2を特定した場合、予測タイミングt+2になるとセンサー装置101に水位の計測の開始指示を送信し、センサー装置101に水位の計測を開始させる。
これにより、計測制御装置100は、効率よく水位の計測を行うことができる。計測制御装置100は、例えば、水位の計測を停止しておくことによる水害対策に対する悪影響を抑制し、かつ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制することができる。また、計測制御装置100は、センサー装置101の記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。また、計測制御装置100は、センサー装置101から取得する水位の計測値を記憶する記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。このため、計測制御装置100は、監視システムの保守管理の作業負担の低減化を図ることができる。
計測制御装置100は、具体的には、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値に応じて、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況程、水位の計測回数を少なくすることができる。計測制御装置100は、水位の計測期間を短く、または、水位の計測頻度を少なくして、水位の計測回数を少なくする。
センサー装置101は、常時水位の計測を行わなくてもよく、水位が一定以上に上昇せず、水位の計測を行わなくても水害対策に対する悪影響が少ないような状況には、水位の計測を停止しておくことができる。そして、センサー装置101は、処理負担、通信量、および、消費電力の増大化を抑制することができる。また、センサー装置101は、記憶領域の使用量の低減化を図ることができる。
センサー装置101は、水害対策のために水位を計測することが好ましい状況には、水位の計測の開始を早めることができ、または、水位の計測頻度を多くすることができる。このため、センサー装置101は、利用者が水位の急上昇などを把握可能にし、水害対策を効率よく行うことができる。また、センサー装置101は、水位の変化の予測結果と、実際の水位の遷移結果とにずれが生じても、水害対策を効率よく行うことができる。
ここでは、計測制御装置100が、水位の変化を予測する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100とは異なる装置が、水位の変化を予測する場合があってもよい。この場合、計測制御装置100は、例えば、水位の変化を予測した装置から、水位の変化の予測結果を取得する。
ここでは、予測ピーク値と基準値との関係が、予測ピーク値が大きい程、基準値が小さくなる関係である場合について説明したが、これに限らない。例えば、予測ピーク値と基準値との関係が、予測ピーク値が零から一定値までは基準値が大きくなり、予測ピーク値が一定値より大きいと基準値が小さくなる関係である場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、センサー装置101に水位の計測の開始指示を送信する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、特定した予測タイミングを示す情報をセンサー装置101に送信し、センサー装置101で、特定した予測タイミングになったか否かを判定させ、水位の計測を開始させる場合があってもよい。
(監視システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した計測制御装置100を適用した、監視システム200の一例について説明する。
図2は、監視システム200の一例を示す説明図である。図2において、監視システム200は、計測制御装置100と、情報蓄積装置201と、通信中継装置202と、無線通信装置203と、センサー装置101とを含む。
監視システム200において、計測制御装置100と情報蓄積装置201と通信中継装置202とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。また、監視システム200において、通信中継装置202と無線通信装置203とは、無線によって接続される。また、監視システム200において、無線通信装置203とセンサー装置101とは、有線によって接続される。
計測制御装置100は、図4〜図8に後述する各種テーブルを記憶し、センサー装置101を制御する。計測制御装置100は、例えば、図4〜図7に後述する各種テーブルを利用し、水位の変化の予測を行い、予測ピーク値の特定を行う。計測制御装置100は、例えば、図8に後述する基準値テーブル800を利用し、基準値の算出を行い、予測タイミングの特定を行い、水位の計測の開始タイミングの制御を行う。計測制御装置100は、水位の計測頻度の制御を行ってもよい。計測制御装置100は、水位の計測の終了タイミングの制御を行ってもよい。計測制御装置100は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)などである。
情報蓄積装置201は、気象情報を記憶し、気象情報を計測制御装置100に提供するコンピュータである。情報蓄積装置201は、例えば、気象情報として、図6に後述する実績雨量テーブル600および図7に後述する予測雨量テーブル700などを、計測制御装置100に提供する。情報蓄積装置201は、例えば、サーバ、PCなどである。通信中継装置202は、無線通信装置203を介して計測制御装置100とセンサー装置101との通信を中継するコンピュータである。無線通信装置203は、通信中継装置202とセンサー装置101との通信を中継するコンピュータである。
センサー装置101は、水位センサーとして動作し、対象箇所の水位の計測を行うコンピュータである。対象箇所は、センサー装置101の設置箇所に対応する。対象箇所は、例えば、河川や下水道である。対象箇所は、具体的には、配管110である。センサー装置101は、例えば、計測制御装置100の制御にしたがって、水位の計測を停止し、または、水位の計測を開始する。また、センサー装置101は、例えば、計測制御装置100の制御にしたがって、水位の計測頻度を変更する。また、センサー装置101は、例えば、水位の計測と同様に、水位以外の計測を停止し、水位以外の計測を開始し、または、水位以外の計測頻度を変更してもよい。水位以外は、例えば、流速である。
ここでは、監視システム200に含まれるセンサー装置101が1つである場合について説明したが、これに限らない。例えば、監視システム200に含まれるセンサー装置101が2以上である場合があってもよい。この場合、監視システム200は、センサー装置101ごとに、センサー装置101を制御する計測制御装置100を含んでもよい。
ここでは、計測制御装置100が、情報蓄積装置201とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、情報蓄積装置201として動作可能な場合があってもよい。この場合、監視システム200は、情報蓄積装置201を含まなくてもよい。
ここでは、センサー装置101が、無線通信装置203と通信中継装置202とを介して計測制御装置100と通信する場合について説明したが、これに限らない。例えば、センサー装置101が、無線通信装置203と通信中継装置202とを介さずに、計測制御装置100と通信可能である場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、水位の変化の予測、予測ピーク値の特定、基準値の算出、予測タイミングの特定、および、水位の計測の開始タイミングの制御を行う場合について説明したが、これに限らない。例えば、水位の変化の予測、予測ピーク値の特定、基準値の算出、予測タイミングの特定、および、水位の計測の開始タイミングの制御が、クラウドシステムにおいて2以上の装置の協働により実現される場合があってもよい。
(計測制御装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、計測制御装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、計測制御装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、計測制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305と、ディスプレイ306とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、計測制御装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
記録媒体I/F304は、CPU301の制御にしたがって記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、計測制御装置100から着脱可能であってもよい。
ディスプレイ306は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ306は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ306は、例えば、タッチパネルであり、入力装置としての機能を有してもよい。
計測制御装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、計測制御装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を複数有していてもよい。また、計測制御装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。また、計測制御装置100は、ディスプレイ306を有していなくてもよい。
(実績水位テーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて実績水位テーブル400の記憶内容について説明する。実績水位テーブル400は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図4は、実績水位テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、実績水位テーブル400は、過去時点と実績水位とのフィールドを有する。実績水位テーブル400は、過去時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、実績水位情報がレコードとして記憶される。
過去時点のフィールドには、過去にセンサー装置101が水位の計測を行った時点が、過去時点として設定される。実績水位のフィールドには、過去時点におけるセンサー装置101による水位の計測値が、実績水位として設定される。水位の計測値の単位は、例えば、cmである。水位の計測値の単位は、例えば、%であってもよい。
(予測水位テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて予測水位テーブル500の記憶内容について説明する。予測水位テーブル500は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図5は、予測水位テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、予測水位テーブル500は、予測時点と予測水位とのフィールドを有する。予測水位テーブル500は、予測時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、予測水位情報がレコードとして記憶される。
予測時点のフィールドには、いつの時点の水位を予測したかを示す予測時点が設定される。予測水位のフィールドには、予測時点における水位の予測値が、予測水位として設定される。水位の予測値の単位は、例えば、cmである。水位の予測値の単位は、例えば、%であってもよい。
(実績雨量テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて実績雨量テーブル600の記憶内容について説明する。実績雨量テーブル600は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図6は、実績雨量テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、実績雨量テーブル600は、過去時点と地域と実績雨量とのフィールドを有する。実績雨量テーブル600は、過去時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、実績雨量情報がレコードとして記憶される。
過去時点のフィールドには、過去のいずれかの時点が、過去時点として設定される。地域のフィールドには、メッシュ状に分割された複数の地域のいずれかの地域を示す情報が設定される。実績雨量のフィールドには、過去時点の地域における雨量の計測値が、実績雨量として設定される。雨量の計測値の単位は、例えば、雨量強度である。雨量の計測値の単位は、例えば、mm/時である。
(予測雨量テーブル700の記憶内容)
次に、図7を用いて予測雨量テーブル700の記憶内容について説明する。予測雨量テーブル700は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図7は、予測雨量テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7に示すように、予測雨量テーブル700は、予測時点と地域と予測雨量とのフィールドを有する。予測雨量テーブル700は、予測時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、予測雨量情報がレコードとして記憶される。
予測時点のフィールドには、いつの時点の雨量を予測したかを示す予測時点が設定される。地域のフィールドには、メッシュ状に分割された複数の地域のいずれかの地域を示す情報が設定される。予測雨量のフィールドには、予測時点の地域における雨量の予測値が、予測雨量として設定される。雨量の予測値の単位は、例えば、雨量強度である。雨量の予測値の単位は、例えば、mm/時である。
(基準値テーブル800の記憶内容)
次に、図8を用いて基準値テーブル800の記憶内容について説明する。基準値テーブル800は、例えば、図3に示した計測制御装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図8は、基準値テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8に示すように、基準値テーブル800は、カテゴリと、基準値と、間隔とのフィールドを有する。基準値テーブル800は、カテゴリごとに各フィールドに情報を設定することにより、基準値情報がレコードとして記憶される。
カテゴリのフィールドには、予測ピーク値の範囲を示す情報が、カテゴリとして設定される。基準値のフィールドには、予測ピーク値がカテゴリが示す範囲に含まれる場合に対応する基準値が設定される。間隔のフィールドには、予測ピーク値がカテゴリが示す範囲に含まれる場合に対応する間隔が設定される。
(センサー装置101のハードウェア構成例)
次に、図9を用いて、センサー装置101のハードウェア構成例について説明する。
図9は、センサー装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図9において、センサー装置101は、CPU901と、メモリ902と、ネットワークI/F903と、水位センサー904と、バッテリー905とを有する。また、各構成部は、バス900によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU901は、センサー装置101の全体の制御を司る。メモリ902は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU901のワークエリアとして使用される。メモリ902に記憶されるプログラムは、CPU901にロードされることで、コーディングされている処理をCPU901に実行させる。
ネットワークI/F903は、通信回線を通じて無線通信装置203に接続され、無線通信装置203を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F903は、無線通信装置203と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F903には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
水位センサー904は、水位の計測を行う。水位センサー904は、例えば、圧力センサーであり、水位が大きくなると水量が大きくなり、水位センサー904にかかる圧力が大きくなることを利用し、水位の計測を行う。水位センサー904は、例えば、発光部と受光部とを有し、水面までの距離の計測を行うことにより水位の計測を行ってもよい。バッテリー905は、電力を、センサー装置101の各部の駆動電源として供給する。バッテリー905は、ハーベスタを有し、センサー装置101の設置箇所における外部環境のエネルギー変化に基づき発電を行うことが可能であってもよい。外部環境は、例えば、光、振動、温度、無線電波などである。また、センサー装置101は、水位以外の計測を行うセンサーを有してもよい。
(情報蓄積装置201のハードウェア構成例)
情報蓄積装置201のハードウェア構成例は、図3に示した計測制御装置100のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
(計測制御装置100の機能的構成例)
次に、図10を用いて、計測制御装置100の機能的構成例について説明する。
図10は、計測制御装置100の機能的構成例を示すブロック図である。計測制御装置100は、記憶部1000と、取得部1001と、学習部1002と、予測部1003と、設定部1004と、出力部1005とを含む。
記憶部1000は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部1000が、計測制御装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部1000が、計測制御装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部1000の記憶内容が計測制御装置100から参照可能である場合があってもよい。
取得部1001〜出力部1005は、制御部となる機能である。取得部1001〜出力部1005は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、ネットワークI/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
記憶部1000は、各機能部の処理に用いられる各種情報を記憶する。記憶部1000は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部1000は、水位の計測値や水位の予測値などを記憶してもよい。水位は、例えば、対象箇所の底部から水面までの長さにより表される。水位は、例えば、満管率により表されてもよい。記憶部1000は、例えば、図4に示した実績水位テーブル400や図5に示した予測水位テーブル500などを記憶してもよい。記憶部1000は、雨量の計測値や雨量の予測値などを記憶してもよい。記憶部1000は、例えば、図6に示した実績雨量テーブル600や図7に示した予測雨量テーブル700などを記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す対応情報を記憶してもよい。予測ピーク値は、一定期間の水位の予測値のうちの最大値である。第1基準値は、水位の計測を開始する水位の基準値である。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第1基準値を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と第2基準値との関係を表す対応情報を記憶してもよい。第2基準値は、水位の計測を終了する水位の基準値である。第1基準値と第2基準値とは同一であってもよい。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第2基準値が低くなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と第2基準値との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第2基準値を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測ピーク値と計測頻度との関係を表す対応情報を記憶してもよい。計測頻度は、水位の計測を行う頻度である。頻度は、単位時間当たりに水位の計測を行う回数である。計測頻度は、計測間隔により表されてもよい。対応情報は、例えば、予測ピーク値が大きい程、計測頻度が大きくなることを表す。対応情報は、具体的には、予測ピーク値と計測頻度との関係を表す数式である。
対応情報は、具体的には、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に小さい計測頻度を示す相対的に大きい計測間隔を対応付けた情報であってもよい。複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である。記憶部1000は、例えば、図8に示した基準値テーブル800を記憶してもよい。
記憶部1000は、予測モデルを学習するための規則を記憶してもよい。予測モデルは、水位と雨量との関係を表すモデルである。予測モデルは、例えば、数式モデルである。数式モデルは、例えば、水位と雨量との関係を表す関数である。予測モデルは、例えば、水位の変化を予測するために用いられる。記憶部1000は、学習した予測モデルを記憶してもよい。
取得部1001は、各機能部の処理に用いられる各種情報を各機能部に出力する。取得部1001は、例えば、各機能部の処理に用いられる各種情報を記憶部1000から取得し、各機能部に出力してもよい。取得部1001は、例えば、各機能部の処理に用いられる各種情報を、計測制御装置100とは異なる装置から取得し、各機能部に出力してもよい。
学習部1002は、予測モデルを学習する。学習部1002は、例えば、過去の水位と雨量とに基づいて、予測モデルを学習する。学習部1002は、機械学習により、予測モデルとして、第1時点における水位を、第1時点以前の1以上の時点の1以上の地域の雨量に係数を乗算して合計することにより算出する数式モデルを学習する。これにより、学習部1002は、予測モデルを参照して水位を予測可能にすることができる。
予測部1003は、水位の変化を予測する。予測部1003は、例えば、雨量の予測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測する。予測部1003は、具体的には、一定期間内の1以上の時点のそれぞれの時点の水位の予測値を算出し、予測水位テーブル500を用いて記憶する。
予測部1003は、例えば、雨量の計測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測してもよい。予測部1003は、例えば、雨量の計測値および雨量の予測値に基づいて、学習部1002が学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測してもよい。
予測部1003は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定する。予測部1003は、例えば、予測水位テーブル500に記憶された1以上の時点のそれぞれの時点の水位の予測値のうちの最大値を、水位の予測ピーク値として特定する。これにより、予測部1003は、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値を特定することができ、センサー装置101による水位の計測を制御するために利用可能にすることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の第1基準値を算出する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなるように、第1基準値を算出する。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第1基準値を算出する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、水位の第2基準値を算出する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、第2基準値が低くなるように、第2基準値を算出する。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第2基準値を算出する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を終了する終了タイミングを遅らせることができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を終了する終了タイミングを早めることができる。
設定部1004は、予測結果に基づいて、算出した第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定する。そして、設定部1004は、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。
設定部1004は、例えば、予測タイミングを過ぎたか否かを監視し、予測タイミングを過ぎたことに応じて、センサー装置101に水位の計測の開始指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御する。設定部1004は、例えば、予測タイミングをセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101で、予測タイミングを過ぎたか否かを監視させ、予測タイミングを過ぎたことに応じて水位の計測を開始させてもよい。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、早めに水位の計測を開始させることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、遅めに水位の計測を開始させることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、センサー装置101による水位の計測値に基づいて、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御する。設定部1004は、例えば、算出した第2基準値を計測値が下回ったタイミングに基づいて、終了タイミングを制御する。
設定部1004は、具体的には、センサー装置101で水位の計測が行われる都度、センサー装置101から水位の計測値を取得する。設定部1004は、取得した水位の計測値が第2基準値を下回ったか否かを判定し、第2基準値を下回ったことに応じて、センサー装置101に水位の計測の終了指示を送信することにより、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御する。設定部1004は、具体的には、第2基準値をセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101で、水位の計測値が第2基準値を下回ったか否かを監視させ、第2基準値を下回ったことに応じて水位の計測を終了させてもよい。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、遅めに水位の計測を終了させることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、早めに水位の計測を終了させることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、特定した予測ピーク値に応じて、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する。設定部1004は、例えば、予測ピーク値が大きい程、センサー装置101による水位の計測頻度を高くする。設定部1004は、具体的には、記憶部1000が記憶した対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた計測間隔を算出する。そして、設定部1004は、算出した計測間隔をセンサー装置101に送信することにより、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する。
これにより、設定部1004は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、設定部1004は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
設定部1004は、一定期間の水位の変化の統計情報に基づいてセンサー装置101の予測消費電力を算出してもよい。これにより、設定部1004は、センサー装置101の消費電力を利用者が把握可能にすることができ、監視システム200の保守管理の予定を利用者が決定しやすくすることができる。
出力部1005は、設定部1004の制御にしたがってセンサー装置101に各種情報を送信する。出力部1005は、例えば、開始指示をセンサー装置101に送信する。出力部1005は、例えば、第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングをセンサー装置101に送信してもよい。出力部1005は、例えば、終了指示をセンサー装置101に送信する。出力部1005は、例えば、第2基準値をセンサー装置101に送信してもよい。出力部1005は、例えば、計測間隔をセンサー装置101に送信する。
出力部1005は、各機能部の処理結果を出力してもよい。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。出力部1005は、例えば、算出した予測消費電力を出力してもよい。これにより、出力部1005は、各機能部の処理結果を利用者に通知可能にし、計測制御装置100の管理や運用、例えば、計測制御装置100の設定値の更新などを支援することができ、計測制御装置100の利便性の向上を図ることができる。
ここでは、設定部1004が、センサー装置101による水位の計測の開始タイミング、センサー装置101による水位の計測の終了タイミング、および、センサー装置101による水位の計測頻度を制御する場合について説明したが、これに限らない。例えば、設定部1004が、センサー装置101による水位の計測の開始タイミング、センサー装置101による水位の計測の終了タイミング、および、センサー装置101による水位の計測頻度のいずれかを制御しない場合があってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、取得部1001〜出力部1005を有する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、学習部1002を有さず、計測制御装置100とは異なる装置から、予測モデルを取得する場合があってもよい。また、計測制御装置100が、学習部1002と予測部1003とを有さず、計測制御装置100とは異なる装置から、水位の予測結果を取得する場合があってもよい。
(水位の変化を予測する一例)
次に、図11〜図21を用いて、監視システム200の動作例について説明する。まず、図11および図12を用いて、計測制御装置100が水位の変化を予測する一例について説明する。
図11および図12は、水位の変化を予測する一例を示す説明図である。図11において、計測制御装置100は、配管110の水位の変化を予測するために用いられる予測モデル1100を学習する。予測モデル1100は、例えば、配管110の水位と、1以上の地域の1以上の時点の雨量との関係を表す数式モデルである。計測制御装置100は、例えば、実績水位テーブル400、実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700を参照し、予測モデル1100を学習する。
計測制御装置100は、具体的には、機械学習により、配管110の時点tの水位が、いずれの地域の雨量に影響されるか、および、時点t以前のいずれの時点の雨量に影響されるかなどを解析する。雨量が配管110の水位に影響する地域は、例えば、配管110がある地域、および、配管110の上流に当たる配管がある地域などの少なくともいずれかの地域である。
そして、計測制御装置100は、解析結果に基づいて、配管110の時点tの水位を、いくつかの地域の時点t−1,t−2,・・・,t−nの雨量に基づいて予測する数式モデルを作成する。これにより、計測制御装置100は、水位の変化を予測可能にすることができる。また、計測制御装置100は、定期的に数式モデルを作成し直し、水位の変化を予測する精度の向上を図ってもよい。
ここでは、計測制御装置100が、実績水位テーブル400、実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700を参照する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、実績雨量テーブル600を参照しない場合があってもよい。また、例えば、計測制御装置100が、予測雨量テーブル700を参照しない場合があってもよい。次に、図12の説明に移行する。
図12において、計測制御装置100は、定期的に、以降の一定期間の水位の変化を予測する。計測制御装置100は、例えば、実績雨量テーブル600および予測雨量テーブル700に基づいて、予測モデル1100を参照して、一定期間内の各時点t+iの水位の変化を予測し、予測水位テーブル500を用いて記憶する。iは、1以上の自然数である。
計測制御装置100は、具体的には、数式モデルを参照して、時点t+iの水位を、1以上の地域の時点t+1,t+2,・・・,t+iの予測水位、および、1以上の地域の時点t−j,t−j+1,・・・,tの実績水位に基づいて予測する。これにより、計測制御装置100は、以降の一定期間の水位の変化を予測し、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値を特定可能にすることができる。
ここでは、計測制御装置100が、予測水位および実績水位に基づいて水位を予測する場合について説明したが、これに限らない。例えば、計測制御装置100が、予測水位を用いずに実績水位に基づいて水位を予測する場合があってもよい。また、例えば、計測制御装置100が、実績水位を用いずに予測水位に基づいて水位を予測する場合があってもよい。
(閾値および測定間隔を決定する一例)
次に、図13〜図17を用いて、計測制御装置100が水位の変化の予測結果に基づいて閾値および測定間隔を決定する一例について説明する。
図13〜図17は、閾値および測定間隔を決定する一例を示す説明図である。図13において、計測制御装置100は、水位の予測ピーク値と閾値との関係を表す対応情報として、閾値曲線1300の関数を記憶する。閾値は、センサー装置101に水位の計測を開始させる第1基準値に対応する。閾値は、センサー装置101に水位の計測を終了させる第2基準値にも対応する。閾値曲線1300の関数は、例えば、利用者によって特定され、計測制御装置100に記憶される。
計測制御装置100は、閾値曲線1300の関数に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する閾値を算出する。計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、比較的大きい閾値を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、比較的小さい閾値を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
ここでは、閾値曲線1300が右下がりの曲線である場合について説明したが、これに限らない。例えば、閾値曲線1300が、予測ピーク値が所定値より小さい範囲では閾値が比較的大きい一定値になり、予測ピーク値が所定値より大きい範囲になると閾値が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、例えば、閾値曲線1300が、予測ピーク値が0から所定値になるまでは閾値が大きくなり、予測ピーク値が所定値より大きくなると閾値が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。次に、図14の説明に移行する。
図14において、計測制御装置100は、水位の予測ピーク値と測定間隔との関係を表す対応情報として、測定間隔曲線1400の関数を記憶する。測定間隔は、センサー装置101の水位の計測頻度を制御するための設定値である。測定間隔曲線1400の関数は、例えば、利用者によって特定され、計測制御装置100に記憶される。
計測制御装置100は、測定間隔曲線1400の関数に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する測定間隔を算出する。計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、比較的大きい測定間隔を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、比較的小さい測定間隔を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
ここでは、測定間隔曲線1400が右下がりの曲線である場合について説明したが、これに限らない。例えば、測定間隔曲線1400が、予測ピーク値が所定値より小さい範囲では測定間隔が比較的大きい一定値になり、予測ピーク値が所定値より大きい範囲になると測定間隔が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、例えば、測定間隔曲線1400が、予測ピーク値が0から所定値になるまでは測定間隔が大きくなり、予測ピーク値が所定値より大きくなると測定間隔が小さくなるような曲線であってもよい。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が所定値より小さく、水害が発生する可能性が一定以下である間、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
図13および図14の例では、計測制御装置100が、閾値曲線1300の関数や測定間隔曲線1400の関数に基づいて、閾値および測定間隔を決定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、利用者が、閾値曲線1300の関数や測定間隔曲線1400の関数を予め特定することが難しい場合がある。この場合、計測制御装置100は、図15〜図17に後述するように、閾値および測定間隔を決定する。
図15において、利用者は、過去の水位の計測値と予測値とのグラフ1500を参照し、水位のカテゴリを複数設定する。図15の例では、利用者は、満管率0%以上33%未満の水位のカテゴリ(低)と、満管率33%以上67%未満の水位のカテゴリ(中)と、満管率67%以上の水位のカテゴリ(高)とを設定する。満管率は、配管110の水位の、配管110が満水になる水位に対する比率である。
そして、利用者は、水位のカテゴリごとに、閾値および測定間隔を対応付けた対応情報を作成し、基準値テーブル800として計測制御装置100に記憶させる。利用者は、例えば、上限値が大きいカテゴリ程、値が大きい閾値および値が大きい測定間隔を対応付けた対応情報を作成する。次に、図16および図17の説明に移行し、基準値テーブル800に基づく閾値および測定間隔を決定する一例について説明する。
図16において、計測制御装置100は、基準値テーブル800が表す、水位の予測ピーク値と閾値との対応関係1600に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する閾値を算出する。
計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する比較的大きい閾値を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する比較的小さい閾値を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。次に、図17の説明に移行する。
図17において、計測制御装置100は、基準値テーブル800が表す、水位の予測ピーク値と測定間隔との対応関係1700に基づいて、一定期間の水位の変化の予測結果から特定した水位の予測ピーク値に対応する測定間隔を算出する。
計測制御装置100は、例えば、ケース1の予測ピーク値p1を特定した場合、予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する比較的大きい測定間隔を算出する。一方で、計測制御装置100は、例えば、ケース2の予測ピーク値p2を特定した場合、予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する比較的小さい測定間隔を算出する。
これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値が大きく、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、予測ピーク値が小さく、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
図15において、利用者は、水害対策のためには晴天時や曇天時の水位の重要度が低いと考え、カテゴリ(低)の上限値を、少なくとも晴天時や曇天時における水位の計測値の最大値より大きくしてもよい。これにより、利用者は、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
また、利用者は、グラフ1500を参照した結果、計測値と予測値とのずれが大きく、計測値が予測値よりも大きくなる傾向があり、予測値が比較的小さくても水害が発生する可能性が大きいような場合、カテゴリ(高)の下限値をより小さくしてもよい。これにより、利用者は、水害の発生を監視しやすくすることができ、水害対策の効率化を図ることができる。
また、利用者は、グラフ1500の過去の水位の計測値などを参照し、ポアソン分布で近似して、水位の計測値がそれぞれの水位のカテゴリに属することになる確率を算出し、長期的な計測回数を算出してもよい。これにより、利用者は、長期的なセンサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力などを予測することができ、監視システム200を保守管理しやすくすることができる。
(センサー装置101を制御する一例)
次に、図18および図19を用いて、図13〜図17において決定した閾値および測定間隔に基づいて、計測制御装置100がセンサー装置101を制御する一例について説明する。
図18および図19は、センサー装置101を制御する一例を示す説明図である。図18の例は、計測制御装置100が、ケース1の予測ピーク値p1を含むカテゴリ(低)に対応する閾値および測定間隔を算出した場合の一例に対応する。図18において、計測制御装置100は、閾値が比較的大きいため測定開始を遅らせ、測定間隔が比較的大きいため測定頻度を少なくし、かつ、閾値が比較的大きいため測定終了を早めることができる。
このように、計測制御装置100は、予測ピーク値が比較的小さく、水害対策における重要度が比較的小さいと判断されるケース1においては、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。また、計測制御装置100は、測定開始を遅らせ、測定頻度を少なくしても、水害対策に対する悪影響を抑制することができる。次に、図19の説明に移行する。
図19の例は、計測制御装置100が、ケース2の予測ピーク値p2を含むカテゴリ(高)に対応する閾値および測定間隔を算出した場合の一例に対応する。図19において、計測制御装置100は、閾値が比較的小さいため測定開始を早め、測定間隔が比較的小さいため測定頻度を多くし、かつ、閾値が比較的小さいため測定終了を遅らせることができる。
このように、計測制御装置100は、予測ピーク値が比較的大きく、水害対策における重要度が比較的大きいと判断されるケース2においては、測定開始を早め、測定頻度を多くすることができる。このため、計測制御装置100は、利用者が、水位が上昇するタイミングや水位が上昇する速度などを把握しやすくすることができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。
また、計測制御装置100は、利用者が、水位がピーク値になるタイミング付近での、水位の計測値の変化を把握しやすくすることができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。また、計測制御装置100は、利用者が、水位が上昇し始めた直後から水位が減少しきる直前までの、水位の計測値の変化を把握しやすくすることができ、今後の水害対策に有用な情報を利用しやすくすることができる。
(画面を表示する一例)
次に、図20および図21を用いて、図19のようにセンサー装置101を制御した場合に、計測制御装置100が画面を表示する一例について説明する。
図20および図21は、画面を表示する一例を示す説明図である。計測制御装置100は、センサー装置101を制御し、センサー装置101から水位の計測値を取得する都度、ディスプレイ306の画面の表示内容を遷移させる。
図20において、計測制御装置100は、例えば、時点t20の水位の計測値を取得した場合、画面2000を表示する。画面2000は、例えば、水位の予測値の変化を表す点線、水位の計測値を表す白丸、および、水位の計測値の変化を表す実線を表示する。また、画面2000は、決定した閾値や測定開始点を表示してもよい。
これにより、利用者は、水害が発生する可能性が大きいと判断される場合、水位が上昇し始めた直後から、水位の変化を把握し始めることができ、水位の計測値と水位の予測値とのずれの大きさを把握することができる。このため、利用者は、水位の計測値が水位の予測値より大きく、予測結果よりも水害が発生する可能性が大きいと考えられる場合、早期に水害対策を実施可能になる。次に、図21の説明に移行する。
図21において、計測制御装置100は、例えば、時点t21の水位の計測値を取得した場合、画面2100を表示する。画面2100は、例えば、水位の予測値の変化を表す点線、水位の計測値を表す白丸、および、水位の計測値の変化を表す実線を表示する。また、画面2100は、決定した閾値や測定開始点を表示してもよい。
これにより、利用者は、水害が発生する可能性が大きいと判断される場合、水位がピーク値になるタイミング付近での、水位の計測値の変化を把握することができ、効率よく水害対策を実施可能にすることができる。利用者は、例えば、配管110が満水になったか否かを把握したり、配管110が満水になった期間の長さを把握したりすることができる。また、利用者は、水位が上昇し始めた直後から水位が減少しきる直前までの、水位の計測値の変化を把握することができ、今後の水害対策に活用することができる。
(全体処理手順)
次に、図22を用いて、計測制御装置100が実行する、全体処理手順の一例について説明する。全体処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、ネットワークI/F303とによって実現される。
図22は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。図22において、まず、計測制御装置100は、実績雨量テーブル600を取得する(ステップS2201)。次に、計測制御装置100は、予測雨量テーブル700を取得する(ステップS2202)。そして、計測制御装置100は、取得した実績雨量テーブル600、および、予測雨量テーブル700に基づいて、予測モデルを参照して、センサー装置101の設置場所における水位の変化を予測する(ステップS2203)。
次に、計測制御装置100は、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を算出する(ステップS2204)。そして、計測制御装置100は、基準値テーブル800に基づいて、算出した水位の予測ピーク値が属するカテゴリに対応付けられた開始閾値、終了閾値、および、水位の計測の頻度を取得する(ステップS2205)。
次に、計測制御装置100は、水位の予測結果に基づいて、水位の予測値が取得した開始閾値を超えるタイミングを過ぎたか否かを判定する(ステップS2206)。ここで、タイミングを過ぎていない場合(ステップS2206:No)、計測制御装置100は、ステップS2206の処理に戻る。一方で、タイミングを過ぎた場合(ステップS2206:Yes)、計測制御装置100は、ステップS2207の処理に移行する。
ステップS2207では、計測制御装置100は、取得した水位の計測の頻度にしたがって、センサー装置101に水位を計測させ、センサー装置101から水位の計測値を取得する(ステップS2207)。
次に、計測制御装置100は、水位の計測値が取得した終了閾値以下であるか否かを判定する(ステップS2208)。ここで、終了閾値以下ではない場合(ステップS2208:No)、計測制御装置100は、ステップS2207の処理に戻る。一方で、終了閾値以下である場合(ステップS2208:Yes)、計測制御装置100は、ステップS2209の処理に移行する。
ステップS2209では、計測制御装置100は、センサー装置101に水位の計測を終了させる(ステップS2209)。そして、計測制御装置100は、ステップS2201の処理に移行する。これにより、計測制御装置100は、センサー装置101に、効率よく水位の計測を行わせることができる。
以上説明したように、計測制御装置100によれば、水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の第1基準値を算出することができる。計測制御装置100によれば、予測結果に基づいて、算出した第1基準値に水位が達することが予測される予測タイミングを特定し、特定した予測タイミングに基づいて、センサー装置101による水位の計測の開始タイミングを制御することができる。
これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性の大きさを評価する指標値になる水位の予測ピーク値に応じて、水位の計測の開始タイミングを制御することができ、水位の計測の効率化を図ることを可能にすることができる。このため、計測制御装置100は、水害対策の効率化を図ること、または、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることを可能にすることができる。
計測制御装置100によれば、予測ピーク値が大きい程、第1基準値が低くなるように、第1基準値を算出することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を開始する開始タイミングを早めることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、予測ピーク値が大きい程、センサー装置101による水位の計測頻度を高くすることができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測頻度を多くすることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測頻度を少なくすることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい第1基準値を対応付けた対応情報に基づいて、特定した予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた第1基準値を算出することができる。これにより、計測制御装置100は、予測ピーク値と第1基準値との関係を表す関数を特定しなくても、第1基準値を算出可能にすることができる。
計測制御装置100によれば、複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値に設定することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を開始する開始タイミングを遅らせることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力を、効率よく低減することができる。
計測制御装置100によれば、センサー装置101による水位の計測値に基づいて、センサー装置101による水位の計測の終了タイミングを制御することができる。これにより、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が大きい程、水位の計測を終了する終了タイミングを遅らせることができ、水害対策を効率よく行うことができる。また、計測制御装置100は、水害が発生する可能性が小さい程、水位の計測を終了する終了タイミングを早めることができ、センサー装置101の処理負担、通信量、および、消費電力の低減化を図ることができる。
計測制御装置100によれば、特定した予測ピーク値に応じて、水位の計測を終了する水位の第2基準値を算出することができる。計測制御装置100によれば、算出した第2基準値を計測値が下回ったタイミングに基づいて、終了タイミングを制御することができる。これにより、計測制御装置100は、第2基準値により終了タイミングを変化させることができる。
計測制御装置100によれば、一定期間の水位の変化の統計情報に基づいてセンサー装置101の予測消費電力を算出することができる。計測制御装置100によれば、算出した予測消費電力を出力することができる。これにより、計測制御装置100は、利用者が、監視システム200を保守管理しやすいようにすることができる。
計測制御装置100によれば、過去の水位と雨量とに基づいて、水位と雨量との関係を表す予測モデルを学習することができる。計測制御装置100によれば、雨量の予測値に基づいて、学習した予測モデルを参照して、水位の変化を予測することができる。これにより、計測制御装置100は、自動で水位の変化を予測することができる。
なお、本実施の形態で説明した計測制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した計測制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本実施の形態で説明した計測制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御プログラムであって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出し、
前記予測結果に基づいて、算出した前記基準値に水位が達することが予測されるタイミングを特定し、
特定した前記タイミングに基づいて、前記センサーによる水位の計測の開始タイミングを制御する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする計測制御プログラム。
(付記2)前記基準値を算出する処理は、前記予測ピーク値が大きい程、前記基準値が低くなるように、前記基準値を算出する、ことを特徴とする付記1に記載の計測制御プログラム。
(付記3)前記予測ピーク値が大きい程、前記センサーによる水位の計測頻度を高くする処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の計測制御プログラム。
(付記4)前記基準値を算出する処理は、それぞれ重複しない複数の範囲のうち、相対的に小さい上限値の範囲程、相対的に大きい基準値を対応付けた対応情報に基づいて、特定した前記予測ピーク値が含まれる範囲に対応付けられた基準値を算出する、ことを特徴とする付記2に記載の計測制御プログラム。
(付記5)前記複数の範囲のそれぞれの範囲の上限値は、少なくとも晴天時または曇天時における水位の計測値の最大値より大きい値である、ことを特徴とする付記4に記載の計測制御プログラム。
(付記6)前記センサーによる水位の計測値に基づいて、前記センサーによる水位の計測の終了タイミングを制御する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の計測制御プログラム。
(付記7)特定した前記予測ピーク値に応じて、水位の計測を終了する水位の第2基準値を算出する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記終了タイミングを制御する処理は、算出した前記第2基準値を前記計測値が下回ったタイミングに基づいて、前記終了タイミングを制御する、ことを特徴とする付記6に記載の計測制御プログラム。
(付記8)一定期間の水位の変化の統計情報に基づいて前記センサーの予測消費電力を算出し、
算出した前記予測消費電力を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の計測制御プログラム。
(付記9)過去の水位と雨量とに基づいて、水位と雨量との関係を表す予測モデルを学習し、
雨量の予測値に基づいて、学習した前記予測モデルを参照して、水位の変化を予測する、処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の計測制御プログラム。
(付記10)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御方法であって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出し、
前記予測結果に基づいて、算出した前記基準値に水位が達することが予測されるタイミングを特定し、
特定した前記タイミングに基づいて、前記センサーによる水位の計測の開始タイミングを制御する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする計測制御方法。
(付記11)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御装置であって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出し、
前記予測結果に基づいて、算出した前記基準値に水位が達することが予測されるタイミングを特定し、
特定した前記タイミングに基づいて、前記センサーによる水位の計測の開始タイミングを制御する、
制御部を有することを特徴とする計測制御装置。
(付記12)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御プログラムであって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、前記センサーによる水位の計測頻度を制御する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする計測制御プログラム。
(付記13)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御方法であって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、前記センサーによる水位の計測頻度を制御する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする計測制御方法。
(付記14)水位の計測を行うセンサーを制御する計測制御装置であって、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、前記センサーによる水位の計測頻度を制御する、
制御部を有することを特徴とする計測制御装置。
(付記15)水位の計測を行うセンサーと、前記センサーを制御する計測制御装置とを含み、
前記計測制御装置は、
水位の変化の予測結果に基づいて、水位の予測ピーク値を特定し、
特定した前記予測ピーク値に応じて、水位の計測を開始する水位の基準値を算出し、
前記予測結果に基づいて、算出した前記基準値に水位が達することが予測されるタイミングを特定し、
特定した前記タイミングに基づいて、前記センサーによる水位の計測の開始タイミングを制御し、
前記センサーは、
前記計測制御装置の制御にしたがって、水位の計測を開始する、
ことを特徴とする計測制御システム。