JPWO2019097361A6 - 有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置 - Google Patents
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Abstract
新規な有機金属錯体を提供する。また、耐熱性に優れた新規な有機金属錯体を提供する。また、色純度の良い新規な有機金属錯体を提供する。Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、シアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合することを特徴とする、下記一般式(G1)で表される有機金属錯体である。(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表す。また、nは、1乃至3の整数を表す。)
Description
本発明の一態様は、有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置に関する。但し、本発明の一態様は、それらに限定されない。すなわち、本発明の一態様は、物、方法、製造方法、または駆動方法に関する。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。また、具体的には、半導体装置、表示装置、液晶表示装置などを一例として挙げることができる。
一対の電極間にEL層を挟んでなる発光素子(有機EL素子ともいう)は、薄型軽量、入力信号に対する高速な応答性、低消費電力などの特性を有することから、これを適用したディスプレイは、次世代のフラットパネルディスプレイとして注目されている。
発光素子は、一対の電極間に電圧を印加することにより、各電極から注入された電子およびホールがEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質(有機化合物)が励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。なお、励起状態の種類としては、一重項励起状態(S*)と三重項励起状態(T*)とがあり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。また、発光素子におけるそれらの統計的な生成比率は、S*:T*=1:3であると考えられている。
また、上記発光物質のうち、一重項励起状態におけるエネルギーを発光に変換することが可能な化合物は蛍光性化合物(蛍光材料)と呼ばれ、三重項励起状態におけるエネルギーを発光に変換することが可能な化合物は燐光性化合物(燐光材料)と呼ばれる。
従って、上記の生成比率を根拠にした時、上記各発光物質を用いた発光素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、蛍光材料を用いた場合は25%、燐光材料を用いた場合は75%となる。
つまり、蛍光材料を用いた発光素子に比べて、燐光材料を用いた発光素子では、より高い効率を得ることが可能となる。そのため、近年では様々な種類の燐光材料の開発が盛んに行われている。特に、その燐光量子収率の高さゆえに、イリジウム等を中心金属とする有機金属錯体が注目されている(例えば、特許文献1。)。
上述した特許文献1において報告されているように優れた特性を示す燐光材料の開発が進んでいるが、さらに良好な特性を示す新規材料の開発が望まれている。
そこで、本発明の一態様では、新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、耐熱性に優れた新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、昇華する際に分解しにくい新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、色純度の良い新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、分子の配向性の高い新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、発光素子に用いることができる新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様では、発光素子のEL層に用いることができる、新規な有機金属錯体を提供する。また、本発明の一態様である新規な有機金属錯体を用いた、高効率で信頼性の高い新規な発光素子を提供する。また、新規な発光装置、新規な電子機器、または新規な照明装置を提供する。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。また、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。また、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、シアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合する、下記一般式(G1)で表される有機金属錯体である。
但し、一般式(G1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表す。また、nは、1乃至3の整数を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G1)で表される有機金属錯体である。
但し、一般式(G1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表す。また、R6〜R8のいずれか一は、シアノ基を表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表す。また、nは、1乃至3の整数を表す。
上記一般式(G1)で示す構成において、nは、2である。
また、上記各構成において、モノアニオン性の配位子は、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、二つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子、またはシクロメタル化によりイリジウムと金属−炭素結合を形成する芳香族複素環二座配位子のいずれか一である。
また、上記各構成において、モノアニオン性の配位子は、下記一般式(L1)〜(L8)のいずれか一である。
但し、上記一般式(L1)〜(L8)中、R71〜R77およびR87〜R131は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。また、A1〜A3は、それぞれ独立に窒素もしくは水素と結合するsp2混成炭素、または置換基を有するsp2混成炭素を表し、置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜6のハロアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基のいずれかを表す。
また、上記一般式(G1)で示す構成において、nは、3である。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される有機金属錯体である。
但し、一般式(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。また、R71およびR73は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される有機金属錯体である。
但し、一般式(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表す。また、R6〜R8のいずれか一は、シアノ基を表す。また、R71およびR73は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
本発明の別の一態様は、Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、パラ位またはメタ位にシアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合する有機金属錯体である。
本発明の別の一態様は、構造式(100)で表される有機金属錯体である。
本発明の別の一態様は、Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、シアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合する、有機金属錯体を用いた発光素子である。なお、上記有機金属錯体に加えて他の有機化合物を有する発光素子も本発明の一態様に含める。
本発明の別の一態様は、上述した本発明の一態様である有機金属錯体を用いた発光素子である。なお、一対の電極間に有するEL層や、EL層に含まれる発光層に本発明の一態様である有機金属錯体を用いて形成された発光素子も本発明の一態様に含まれることとする。また、発光素子に加えて、トランジスタ、基板などを有する発光装置も発明の範疇に含める。さらに、これらの発光装置に加えて、マイク、カメラ、操作用ボタン、外部接続部、筐体、カバー、支持台または、スピーカ等を有する電子機器や照明装置も発明の範疇に含める。
本発明の一態様である有機金属錯体は、他の有機化合物と組み合わせて発光素子の発光層に用いることができる。すなわち、発光層から三重項励起状態からの発光を得ることが可能であるため、発光素子の高効率化が可能となり、非常に有効である。したがって、本発明の一態様である有機金属錯体と、他の有機化合物とを組み合わせて発光層に用いた発光素子は、本発明の一態様に含まれるものとする。さらに上記に加えて第3の物質を発光層に加えた構成としてもよい。
また、本発明の一態様は、発光素子を有する発光装置を含み、さらに発光装置を有する照明装置も範疇に含めるものである。従って、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、または光源(照明装置を含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光装置にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本発明の一態様は、新規な有機金属錯体を提供することができる。また、耐熱性に優れた新規の有機金属錯体を提供することができる。また、昇華する際に分解しにくい新規の有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の一態様は、色純度の良い新規な有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の一態様では、分子の配向性の高い新規な有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の一態様では、発光素子に用いることができる新規な有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の一態様では、発光素子のEL層に用いることができる、新規な有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の一態様である新規な有機金属錯体を用いた、高効率で信頼性の高い新規な発光素子を提供することができる。また、新規な発光装置、新規な電子機器、または新規な照明装置を提供することができる。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体について説明する。
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体について説明する。
本発明の一態様である有機金属錯体は、Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、シアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合することを特徴とする、下記一般式(G1)で表される構造を有する。
一般式(G1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表す。また、nは、1乃至3の整数を表す。
本発明の別の一態様である有機金属錯体は、上記一般式(G1)で表される構造を有し、上記一般式(G1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。また、R6〜R8のいずれか一は、シアノ基を表す。Lは、モノアニオン性の配位子を表す。また、nは、1乃至3の整数を表す。
本発明の別の一態様である有機金属錯体は、上記一般式(G1)中のnが2である。
本発明の別の一態様である有機金属錯体は、上記一般式(G1)中のモノアニオン性の配位子が、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、二つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子、またはシクロメタル化によりイリジウムと金属−炭素結合を形成する芳香族複素環二座配位子のいずれか一である。
本発明の別の一態様は、上記一般式(G1)中のモノアニオン性の配位子が、下記一般式(L1)〜(L8)のいずれか一である有機金属錯体である。
一般式(L1)〜(L8)において、R71〜R77およびR87〜R131は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。また、A1〜A3は、それぞれ独立に窒素もしくは水素と結合するsp2混成炭素、または置換基を有するsp2混成炭素を表し、前記置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜6のハロアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基のいずれかを表す。
本発明の別の一態様である有機金属錯体は、上記一般式(G1)中のnが3である。
また、本発明の別の一態様である有機金属錯体は、下記一般式(G2)で表される構造を有する。
一般式(G2)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。また、R71およびR73は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
本発明の別の一態様である有機金属錯体は、上記一般式(G2)で表される構造を有し、上記一般式(G2)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表す。また、R6〜R8のいずれか一は、シアノ基を表す。また、R71およびR73は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、または環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
なお、上記一般式(G1)および上記一般式(G2)で表される有機金属錯体において、置換とは、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基のような炭素数1〜6のアルキル基や、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基のような炭素数6〜12のアリール基のような置換基による置換を表す。また、これらの置換基は互いに結合し、環を形成していても良い。例えば、前記アリール基が、置換基として9位に二つのフェニル基を有する2−フルオレニル基である場合、該フェニル基が互いに結合し、スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル基となっても良い。より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基などが挙げられる。
また、上記一般式(G1)および上記一般式(G2)で表される有機金属錯体において、式中の、R1〜R9における炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)および上記一般式(G2)で表される有機金属錯体において、式中の、R1〜R9における環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘプチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)および上記一般式(G2)で表される有機金属錯体において、式中の、R1〜R9における環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、インデニル基、またはフルオレニル基等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)および上記一般式(G2)で表される有機金属錯体において、式中の、R1〜R9における環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例としては、トリアジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基等が挙げられる。
次に、上述した本発明の一態様である有機金属錯体の具体的な構造式を下記に示す。
なお、上記構造式(100)〜(134)で表される有機金属錯体は、上記一般式(G1)で表される有機金属錯体の一例であり、本発明の一態様である有機金属錯体は、これに限られない。
次に、本発明の一態様である有機金属錯体の合成方法の一例について説明する。なお、本発明の一態様である有機金属錯体は、下記一般式(G1)で表されるが、ここでは、式中、n=2の場合(下記一般式(G1−1))の有機金属錯体と、n=3の場合(下記一般式(G1−2))の有機金属錯体の合成方法について説明する。
≪一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体の合成方法≫
まず、上記一般式(G1)に含まれるピリミジン誘導体(一般式(G0))の合成方法について説明する。
まず、上記一般式(G1)に含まれるピリミジン誘導体(一般式(G0))の合成方法について説明する。
下記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体(一般式(G1)に含まれる配位子)は、例えば、以下に示す合成方法により簡便に合成することができる。ここでは、第1の合成方法、第2の合成方法、および第3の合成方法、の3種類の合成方法を示す。
上記一般式(G0)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
<第1の合成方法>
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1)に示すように、ハロゲン化ベンゼン誘導体(A1)をアルキルリチウム等でリチオ化し、ピリミジンのハロゲン化物(A2)と反応させることにより得ることができる。
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1)に示すように、ハロゲン化ベンゼン誘導体(A1)をアルキルリチウム等でリチオ化し、ピリミジンのハロゲン化物(A2)と反応させることにより得ることができる。
上記合成スキーム(A−1)において、X1およびX2はハロゲンを表し、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
<第2の合成方法>
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1’)に示すように、ベンゼン誘導体のボロン酸(A1’)とピリミジンのハロゲン化物(A2’)とをカップリングすることにより得ることができる。
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1’)に示すように、ベンゼン誘導体のボロン酸(A1’)とピリミジンのハロゲン化物(A2’)とをカップリングすることにより得ることができる。
上記合成スキーム(A−1’)において、X3はハロゲンを表し、B1はボロン酸またはボロン酸エステルまたは環状トリオールボレート塩等を表す。また、環状トリオールボレート塩はリチウム塩の他に、カリウム塩、ナトリウム塩を用いても良い。R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
<第3の合成方法>
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1’’)に示すように、ベンゼン誘導体置換のジケトン(A1’’)とホルムアミド(A2’’)とをマイクロ波を用いて反応させることにより得ることができる。
上記一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は、下記合成スキーム(A−1’’)に示すように、ベンゼン誘導体置換のジケトン(A1’’)とホルムアミド(A2’’)とをマイクロ波を用いて反応させることにより得ることができる。
上記合成スキーム(A−1’’)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
なお、上記の合成方法において用いた化合物(A1)、(A2)、(A1’)、(A2’)、(A1’’)、および(A2’’)は、様々な種類が市販されているか、あるいは合成可能であるため、一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体は容易に数多くの種類を合成することができる。したがって、本発明の一態様である、有機金属錯体は、その配位子のバリエーションが豊富であるという特徴がある。
≪一般式(G1−1)で表される有機金属錯体の合成方法≫
上記一般式(G1−1)で表される有機金属錯体の合成方法について説明する。
上記一般式(G1−1)で表される有機金属錯体の合成方法について説明する。
上記一般式(G1−1)で表される有機金属錯体は、下記合成スキーム(A−2)に示すように、ハロゲンを含む第9族または第10族の金属化合物(塩化ロジウム水和物、塩化パラジウム、塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム、テトラクロロ白金酸カリウムなど)と、一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体と、を無溶媒またはアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールなど)単独、あるいはアルコール系溶媒1種類以上と水との混合溶媒を用いて、不活性ガス雰囲気にて加熱することにより、ハロゲンで架橋された構造を有する有機金属錯体の一種であり、新規物質である複核錯体(B)を得ることができる。加熱手段として特に限定はなく、オイルバス、サンドバス、又はアルミブロックを用いてもよい。また、マイクロ波を加熱手段として用いることも可能である。
上記合成スキーム(A−2)において、Xはハロゲンを表し、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
次に、下記合成スキーム(A−3)に示すように、上述の合成スキーム(A−2)で得られる複核錯体(B)と、モノアニオン性の配位子の原料HLとを、不活性ガス雰囲気にて反応させることにより、HLのプロトンが脱離してLが中心金属Mに配位し、一般式(G1−1)で表される有機金属錯体を得ることができる。加熱手段として特に限定はなく、オイルバス、サンドバス、又はアルミブロックを用いてもよい。また、マイクロ波を加熱手段として用いることも可能である。
上記合成スキーム(A−3)において、Lはモノアニオン性の配位子を表し、Xはハロゲンを表し、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
≪一般式(G1−2)で表される有機金属錯体の合成方法≫
上記一般式(G1−2)で表される有機金属錯体の合成方法について説明する。
上記一般式(G1−2)で表される有機金属錯体の合成方法について説明する。
上記一般式(G1−2)で表される有機金属錯体は、下記合成スキーム(A−4)に示すように、ハロゲンを含むイリジウム化合物(塩化イリジウム水和物、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム、酢酸イリジウム、ヘキサクロロイリジウム酸アンモニウム等)、または有機イリジウム錯体化合物(アセチルアセトナト錯体、ジエチルスルフィド錯体、ジ−μ−クロロ架橋二核錯体、ジ−μ−ヒドロキソ架橋二核錯体等)と、一般式(G0)で表されるピリミジン誘導体と、を混合し、無溶媒、またはアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)に溶解させた後、加熱することにより得られる。
上記合成スキーム(A−4)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、または環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。また、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、環を形成する炭素数が6〜13の置換もしくは無置換のアリール基、環を形成する炭素数が3〜12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、またはシアノ基のいずれかを表し、少なくとも一は、シアノ基を表す。
以上、本発明の一態様である有機金属錯体として、一般式(G1)、一般式(G1−1)、および一般式(G1−2)でそれぞれ表される有機金属錯体の合成方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他の合成方法によって合成してもよい。
また、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることで、発光効率の高い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。また、信頼性の高い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。また、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。また、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子以外のものに適用してもよい。また、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子に適用しなくてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子について説明する。なお、本実施の形態で説明する発光素子には、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることができる。
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子について説明する。なお、本実施の形態で説明する発光素子には、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることができる。
≪発光素子の基本的な構造≫
図1(A)には、一対の電極間にEL層を挟んでなる発光素子を示す。具体的には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層を含むEL層103が挟まれた構造を有する。
図1(A)には、一対の電極間にEL層を挟んでなる発光素子を示す。具体的には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層を含むEL層103が挟まれた構造を有する。
図1(B)には、一対の電極間に複数(図1(B)では、2層)のEL層(103a、103b)を有し、EL層の間に電荷発生層104を挟んでなる積層構造(タンデム構造)の発光素子を示す。このようなタンデム構造の発光素子は、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
なお、電荷発生層104は、第1の電極101と第2の電極102に電圧を印加したときに、一方のEL層(103aまたは103b)に電子を注入し、他方のEL層(103bまたは103a)に正孔を注入する機能を有する。従って、図1(B)において、第1の電極101に第2の電極102よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層104からEL層103aに電子が注入され、EL層103bに正孔が注入される。
電荷発生層104は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層104に対する可視光の透過率が、40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層104は、第1の電極101や第2の電極102よりも低い導電率であっても機能する。
図1(C)には、EL層103の積層構造について示す。図1(C)において、第1の電極101が陽極として機能する場合、EL層103は、第1の電極101上に、正孔(ホール)注入層111、正孔(ホール)輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115が順次積層された構造を有する。図1(B)に示すタンデム構造のように複数のEL層を有する場合も、各EL層が、陽極側から上記のように順次積層される構造とする。なお、第1の電極101が陰極で、第2の電極102が陽極の場合は、積層順は逆になる。
EL層(103、103a、103b)に含まれる発光層113は、それぞれ発光物質や複数の物質を適宜組み合わせて有しており、所望の発光色を呈する蛍光発光や燐光発光が得られる構成とすることができる。また、発光層113を発光色の異なる積層構造としてもよい。なお、この場合、積層された各発光層に用いる発光物質やその他の物質は、それぞれ異なる材料を用いればよい。また、図1(B)に示す複数のEL層(103a、103b)から、それぞれ異なる発光色が得られる構成としても良い。この場合も各発光層に用いる発光物質やその他の物質を異なる材料とすればよい。
また、本発明の一態様である発光素子において、EL層(103、103a、103b)で得られた発光を両電極間で共振させることにより、得られる発光を強める構成としても良い。例えば、図1(C)において、第1の電極101を反射電極とし、第2の電極102を半透過・半反射電極とすることにより微小光共振器(マイクロキャビティ)構造を形成し、EL層103から得られる発光を強めることができる。
なお、発光素子の第1の電極101が、反射性を有する導電性材料と透光性を有する導電性材料(透明導電膜)との積層構造からなる反射電極である場合、透明導電膜の膜厚を制御することにより光学調整を行うことができる。具体的には、発光層113から得られる光の波長λに対して、第1の電極101と、第2の電極102との電極間距離がmλ/2(ただし、mは自然数)近傍となるように調整するのが好ましい。
また、発光層113から得られる所望の光(波長:λ)を増幅させるために、第1の電極101から発光層113の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、第2の電極102から発光層113の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、をそれぞれ(2m’+1)λ/4(ただし、m’は自然数)近傍となるように調節するのが好ましい。なお、ここでいう発光領域とは、発光層113における正孔(ホール)と電子との再結合領域を示す。
このような光学調整を行うことにより、発光層113から得られる特定の単色光のスペクトルを狭線化させ、色純度の良い発光を得ることができる。
但し、上記の場合、第1の電極101と第2の電極102との光学距離は、厳密には第1の電極101における反射領域から第2の電極102における反射領域までの総厚ということができる。しかし、第1の電極101や第2の電極102における反射領域を厳密に決定することは困難であるため、第1の電極101と第2の電極102の任意の位置を反射領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。また、第1の電極101と、所望の光が得られる発光層との光学距離は、厳密には第1の電極101における反射領域と、所望の光が得られる発光層における発光領域との光学距離であるということができる。しかし、第1の電極101における反射領域や、所望の光が得られる発光層における発光領域を厳密に決定することは困難であるため、第1の電極101の任意の位置を反射領域、所望の光が得られる発光層の任意の位置を発光領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
図1(C)に示す発光素子が、マイクロキャビティ構造を有する場合、EL層が共通であっても異なる波長の光(単色光)を取り出すことができる。従って、異なる発光色を得るための塗り分け(例えば、RGB)が不要となり、高精細化が可能となる。また、着色層(カラーフィルタ)との組み合わせも可能である。また、特定波長の正面方向の発光強度を強めることが可能なため、低消費電力化を図ることができる。
なお、上述した本発明の一態様である発光素子において、第1の電極101と第2の電極102の少なくとも一方は、透光性を有する電極(透明電極、半透過・半反射電極など)とする。透光性を有する電極が透明電極の場合、透明電極の可視光の透過率は、40%以上とする。また、半透過・半反射電極の場合、半透過・半反射電極の可視光の反射率は、20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下とする。また、これらの電極は、抵抗率が1×10−2Ωcm以下とするのが好ましい。
また、上述した本発明の一態様である発光素子において、第1の電極101と第2の電極102の一方が、反射性を有する電極(反射電極)である場合、反射性を有する電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、この電極は、抵抗率が1×10−2Ωcm以下とするのが好ましい。
≪発光素子の具体的な構造および作製方法≫
次に、本発明の一態様である発光素子の具体的な構造および作製方法について説明する。なお、図1(A)〜図1(E)において、符号が共通である場合は説明も共通とする。
次に、本発明の一態様である発光素子の具体的な構造および作製方法について説明する。なお、図1(A)〜図1(E)において、符号が共通である場合は説明も共通とする。
<第1の電極および第2の電極>
第1の電極101および第2の電極102を形成する材料としては、上述した素子構造における両電極の機能が満たせるのであれば、以下に示す材料を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、In−Zn酸化物、In−W−Zn酸化物が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、およびこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属およびこれらを適宜組み合わせて含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。
第1の電極101および第2の電極102を形成する材料としては、上述した素子構造における両電極の機能が満たせるのであれば、以下に示す材料を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、In−Zn酸化物、In−W−Zn酸化物が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、およびこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属およびこれらを適宜組み合わせて含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。
図1に示す発光素子において、図1(C)のように積層構造を有するEL層103を有し、第1の電極101が陽極である場合、第1の電極101上にEL層103の正孔注入層111、正孔輸送層112が真空蒸着法により順次積層形成される。また、図1(D)のように、積層構造を有する複数のEL層(103a、103b)が電荷発生層104を挟んで積層され、第1の電極101が陽極である場合、第1の電極101上にEL層103aの正孔注入層111a、正孔輸送層112aが真空蒸着法により順次積層形成されるだけでなく、EL層103a、電荷発生層104が順次積層形成された後、電荷発生層104上にEL層103bの正孔注入層111b、正孔輸送層112bが同様に順次積層形成される。
<正孔注入層および正孔輸送層>
正孔注入層(111、111a、111b)は、陽極である第1の電極101や電荷発生層(104)からEL層(103、103a、103b)に正孔(ホール)を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。
正孔注入層(111、111a、111b)は、陽極である第1の電極101や電荷発生層(104)からEL層(103、103a、103b)に正孔(ホール)を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。
正孔注入性の高い材料としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の遷移金属酸化物が挙げられる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(略称:CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、等を用いることができる。
また、低分子化合物である、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物、等を用いることができる。
また、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)である、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等を用いることができる。または、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PAni/PSS)等の酸を添加した高分子系化合物、等を用いることもできる。
また、正孔注入性の高い材料としては、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料を用いることもできる。この場合、アクセプター性材料により正孔輸送性材料から電子が引き抜かれて正孔注入層(111、111a、111b)で正孔が発生し、正孔輸送層(112、112a、112b)を介して発光層(113、113a、113b)に正孔が注入される。なお、正孔注入層(111、111a、111b)は、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料からなる単層で形成しても良いが、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とをそれぞれ別の層で積層して形成しても良い。
正孔輸送層(112、112a、112b)は、正孔注入層(111、111a、111b)によって、第1の電極101や電荷発生層104から注入された正孔を発光層(113、113a、113b)に輸送する層である。なお、正孔輸送層(112、112a、112b)は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送層(112、112a、112b)に用いる正孔輸送性材料は、特に正孔注入層(111、111a、111b)のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有するものを用いることが好ましい。
正孔注入層(111、111a、111b)に用いるアクセプター性材料としては、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。その他、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを用いることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等を用いることができる。特に、HAT−CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。また、電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基やシアノ基)を有する[3]ラジアレン誘導体は、電子受容性が非常に高いため好ましく、具体的にはα,α’,α’’−1,2,3−シクロプロパントリイリデントリス[4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’−1,2,3−シクロプロパントリイリデントリス[2,6−ジクロロ−3,5−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’−1,2,3−シクロプロパントリイリデントリス[2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル]などが挙げられる。
正孔注入層(111、111a、111b)および正孔輸送層(112、112a、112b)に用いる正孔輸送性材料としては、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール骨格を有する化合物やフラン骨格を有する化合物)や芳香族アミン骨格を有する化合物等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
正孔輸送性材料の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:m−MTDATA)、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等の芳香族アミン骨格を有する化合物、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール骨格を有する化合物、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)等のフラン骨格を有する化合物が挙げられる。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることもできる。
但し、正孔輸送性材料は、上記に限られることなく公知の様々な材料を1種または複数種組み合わせて正孔輸送性材料として正孔注入層(111、111a、111b)および正孔輸送層(112、112a、112b)に用いることができる。なお、正孔輸送層(112、112a、112b)は、各々複数の層から形成されていても良い。すなわち、例えば第1の正孔輸送層と第2の正孔輸送層とが積層されていても良い。
図1(D)に示す発光素子において、EL層103aの正孔輸送層112a上に発光層113aが真空蒸着法により形成される。また、EL層103aおよび電荷発生層104が形成された後、EL層103bの正孔輸送層112b上に発光層113bが真空蒸着法により形成される。
<発光層>
発光層(113、113a、113b、113c)は、発光物質を含む層である。なお、発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、複数の発光層(113a、113b、113c)に異なる発光物質を用いることにより異なる発光色を呈する構成(例えば、補色の関係にある発光色を組み合わせて得られる白色発光)とすることができる。さらに、一つの発光層が異なる発光物質を有する積層構造であっても良い。
発光層(113、113a、113b、113c)は、発光物質を含む層である。なお、発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、複数の発光層(113a、113b、113c)に異なる発光物質を用いることにより異なる発光色を呈する構成(例えば、補色の関係にある発光色を組み合わせて得られる白色発光)とすることができる。さらに、一つの発光層が異なる発光物質を有する積層構造であっても良い。
また、発光層(113、113a、113b、113c)は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)を有していても良い。なお、発光物質としては、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物としては、本実施の形態で説明する正孔輸送性材料や電子輸送性材料の一方または両方を用いることができる。
発光層(113、113a、113b、113c)に用いることができる発光物質としては、特に限定は無く、一重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質、または三重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質を用いることができる。なお、上記発光物質としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)が挙げられ、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。特にピレン誘導体は発光量子収率が高いので好ましい。ピレン誘導体の具体例としては、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾフラン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FrAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾチオフェン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6ThAPrn)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(N−フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−6−アミン](略称:1,6BnfAPrn)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(N−フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−02)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(6,N−ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−03)などが挙げられる。
その他にも、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)等を用いることができる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光材料)や熱活性化遅延蛍光を示す熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。
燐光材料としては、有機金属錯体、金属錯体(白金錯体)、希土類金属錯体等が挙げられる。これらは、物質ごとに異なる発光色(発光ピーク)を示すため、必要に応じて適宜選択して用いる。
青色または緑色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が450nm以上570nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−dmp)3])、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)3])、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz−3b)3])、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPr5btz)3])、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1−mp)3])、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1−Me)3])のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)3])、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt−Me)3])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属錯体、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)のように電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体等が挙げられる。
緑色または黄色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が495nm以上590nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)3])、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)3])、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−dmp)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属錯体、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)3])、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)3])、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属錯体、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(dpo)2(acac)])、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p−PF−ph)2(acac)])、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)2(acac)])などの有機金属錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
黄色または赤色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が570nm以上750nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dibm)])、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dpm)])、(ジピバロイルメタナト)ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)2(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)3])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属錯体、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:[PtOEP])のような白金錯体、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
発光層(113、113a、113b、113c)に用いる有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)としては、発光物質(ゲスト材料)のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。なお、上述した正孔輸送性材料として挙げたものや、後述する電子輸送性材料として挙げられる材料をこのような有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)として用いることもできる。
発光物質が蛍光材料である場合、ホスト材料としては一重項励起状態のエネルギー準位が大きく、三重項励起状態のエネルギー準位が小さい有機化合物を用いるのが好ましい。なお、本実施の形態で示す正孔輸送性の材料や電子輸送性の材料の他、バイポーラ性の材料をホスト材料として用いることができるが、上記の条件を満たす物質であれば、より好ましい。例えば、アントラセン誘導体やテトラセン誘導体なども好適である。
従って、蛍光性の発光物質と組み合わせるホスト材料としては、例えば、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、PCPN、CzPA、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−ベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9−フェニル−10−{4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ビフェニル−4’−イル}アントラセン(略称:FLPPA)、5,12−ジフェニルテトラセン、5,12−ビス(ビフェニル−2−イル)テトラセンなどが挙げられる。
発光物質が燐光材料である場合、ホスト材料としては発光物質の三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも三重項励起エネルギーの大きい有機化合物を選択すれば良い。なお、本実施の形態で示す正孔輸送性の材料や電子輸送性の材料の他、バイポーラ性の材料をホスト材料として用いることができるが、上記の条件を満たす物質であれば、より好ましい。例えば、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物なども好適である。
従って、燐光性の発光物質と組み合わせるホスト材料としては、例えば、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、PCAPBA、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、CzPA,3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)等が挙げられる。
また、発光層(113、113a、113b、113c)に複数の有機化合物を用いる場合、励起錯体を形成する化合物を燐光発光物質と混合して用いることが好ましい。なお、このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を得ることができる。この場合、様々な有機化合物を適宜組み合わせて用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するためには、正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性材料)と、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性材料)とを組み合わせることが特に好ましい。
TADF材料とは、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈する材料のことである。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起準位と一重項励起準位のエネルギー差が0eV以上0.2eV以下、好ましくは0eV以上0.1eV以下であることが挙げられる。また、TADF材料における遅延蛍光とは、通常の蛍光と同様のスペクトルを持ちながら、寿命が著しく長い発光をいう。その寿命は、10−6秒以上、好ましくは10−3秒以上である。
TADF材料としては、例えば、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
その他のTADF材料としては、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等のπ電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物を用いることができる。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強くなり、一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギー差が小さくなるため、特に好ましい。
なお、TADF材料を用いる場合、他の有機化合物と組み合わせて用いることもできる。
上記の材料を適宜用いることにより、発光層(113、113a、113b、113c)を形成することができる。また、上記の材料は、低分子材料や高分子材料と組み合わせることにより発光層(113、113a、113b、113c)の形成に用いることができる。
図1(D)に示す発光素子においては、EL層103aの発光層113a上に電子輸送層114aが形成される。また、EL層103aおよび電荷発生層104が形成された後、EL層103bの発光層113b上に電子輸送層114bが形成される。
<電子輸送層>
電子輸送層(114、114a、114b)は、電子注入層(115、115a、115b)によって、第2の電極102や電荷発生層(104)から注入された電子を発光層(113、113a、113b)に輸送する層である。なお、電子輸送層(114、114a、114b)は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送層(114、114a、114b)に用いる電子輸送性材料は、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
電子輸送層(114、114a、114b)は、電子注入層(115、115a、115b)によって、第2の電極102や電荷発生層(104)から注入された電子を発光層(113、113a、113b)に輸送する層である。なお、電子輸送層(114、114a、114b)は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送層(114、114a、114b)に用いる電子輸送性材料は、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
電子輸送性材料の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(II)(略称:Zn(BTZ)2)等のオキサゾール骨格またはチアゾール骨格を有する金属錯体等が挙げられる。
また、金属錯体以外にも2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−7ェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)等のオキサジアゾール誘導体、3−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4’’−ビフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)等のトリアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)等のイミダゾール誘導体(ベンゾイミダゾール誘導体を含む)や、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などのオキサゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBphen)などのフェナントロリン誘導体、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)等のキノキサリン誘導体、またはジベンゾキノキサリン誘導体、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)等のピリジン誘導体、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)等のピリミジン誘導体、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)等のトリアジン誘導体を用いることができる。
また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。
また、電子輸送層(114、114a、114b)は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層した構造であってもよい。
次に、図1(D)に示す発光素子において、EL層103aの電子輸送層114a上に電子注入層115aが真空蒸着法により形成される。その後、EL層103aおよび電荷発生層104が形成され、EL層103bの電子輸送層114bまで形成された後、上に電子注入層115bが真空蒸着法により形成される。
<電子注入層>
電子注入層(115、115a、115b)は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層(115、115a、115b)には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層(115、115a、115b)にエレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、上述した電子輸送層(114、114a、114b)を構成する物質を用いることもできる。
電子注入層(115、115a、115b)は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層(115、115a、115b)には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層(115、115a、115b)にエレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、上述した電子輸送層(114、114a、114b)を構成する物質を用いることもできる。
また、電子注入層(115、115a、115b)に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層(114、114a、114b)に用いる電子輸送性材料(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、図1(D)に示す発光素子において、発光層113bから得られる光を増幅させる場合には、第2の電極102と、発光層113bとの光学距離が、発光層113bが呈する光の波長λの1/4未満となるように形成するのが好ましい。この場合、電子輸送層114bまたは電子注入層115bの膜厚を変えることにより、調整することができる。
<電荷発生層>
図1(D)に示す発光素子において、電荷発生層104は、第1の電極(陽極)101と第2の電極(陰極)102との間に電圧を印加したときに、EL層103aに電子を注入し、EL層103bに正孔を注入する機能を有する。なお、電荷発生層104は、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。なお、上述した材料を用いて電荷発生層104を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
図1(D)に示す発光素子において、電荷発生層104は、第1の電極(陽極)101と第2の電極(陰極)102との間に電圧を印加したときに、EL層103aに電子を注入し、EL層103bに正孔を注入する機能を有する。なお、電荷発生層104は、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。なお、上述した材料を用いて電荷発生層104を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
電荷発生層104において、正孔輸送性材料に電子受容体が添加された構成とする場合、正孔輸送性材料としては、本実施の形態で示した材料を用いることができる。また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどが挙げられる。
電荷発生層104において、電子輸送性材料に電子供与体が添加された構成とする場合、電子輸送性材料としては、本実施の形態で示した材料を用いることができる。また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第2、第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
<基板>
本実施の形態で示した発光素子は、様々な基板上に形成することができる。なお、基板の種類は、特定のものに限定されることはない。基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。
本実施の形態で示した発光素子は、様々な基板上に形成することができる。なお、基板の種類は、特定のものに限定されることはない。基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。
なお、ガラス基板の材料の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどが挙げられる。また、可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、アクリル樹脂等の合成樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド樹脂、エポキシ樹脂、無機蒸着フィルム、又は紙類などが挙げられる。
なお、本実施の形態で示す発光素子の作製には、蒸着法などの真空プロセスや、スピンコート法やインクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。蒸着法を用いる場合には、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)や、化学蒸着法(CVD法)等を用いることができる。特に発光素子のEL層に含まれる機能層(正孔注入層(111、111a、111b)、正孔輸送層(112、112a、112b)、発光層(113、113a、113b、113c)、電子輸送層(114、114a、114b)、電子注入層(115、115a、115b))、および電荷発生層(104、104a、104b)については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、マイクロコンタクト法、ナノインプリント法等)などの方法により形成することができる。
なお、本実施の形態で示す発光素子のEL層(103、103a、103b)を構成する各機能層(正孔注入層(111、111a、111b)、正孔輸送層(112、112a、112b)、発光層(113、113a、113b、113c)、電子輸送層(114、114a、114b)、電子注入層(115、115a、115b))や電荷発生層(104、104a、104b)は、上述した材料に限られることはなく、それ以外の材料であっても各層の機能を満たせるものであれば組み合わせて用いることができる。一例としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)、中分子化合物(低分子と高分子の中間領域の化合物:分子量400〜4000)、無機化合物(量子ドット材料等)等を用いることができる。また、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。なお、図2(A)に示す発光装置は、第1の基板201上のトランジスタ(FET)202と発光素子(203R、203G、203B、203W)が電気的に接続されてなるアクティブマトリクス型の発光装置であり、複数の発光素子(203R、203G、203B、203W)は、共通のEL層204を有し、また、各発光素子の発光色に応じて、各発光素子の電極間の光学距離が調整されたマイクロキャビティ構造を有する。また、EL層204から得られた発光が第2の基板205に形成されたカラーフィルタ(206R、206G、206B)を介して射出されるトップエミッション型の発光装置である。
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。なお、図2(A)に示す発光装置は、第1の基板201上のトランジスタ(FET)202と発光素子(203R、203G、203B、203W)が電気的に接続されてなるアクティブマトリクス型の発光装置であり、複数の発光素子(203R、203G、203B、203W)は、共通のEL層204を有し、また、各発光素子の発光色に応じて、各発光素子の電極間の光学距離が調整されたマイクロキャビティ構造を有する。また、EL層204から得られた発光が第2の基板205に形成されたカラーフィルタ(206R、206G、206B)を介して射出されるトップエミッション型の発光装置である。
図2(A)に示す発光装置は、第1の電極207を反射電極として機能するように形成する。また、第2の電極208を半透過・半反射電極として機能するように形成する。なお、第1の電極207および第2の電極208を形成する電極材料としては、他の実施形態の記載を参照し、適宜用いればよい。
また、図2(A)において、例えば、発光素子203Rを赤色発光素子、発光素子203Gを緑色発光素子、発光素子203Bを青色発光素子、発光素子203Wを白色発光素子とする場合、図2(B)に示すように発光素子203Rは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離200Rとなるように調整し、発光素子203Gは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離200Gとなるように調整し、発光素子203Bは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離200Bとなるように調整する。なお、図2(B)に示すように、発光素子203Rにおいて導電層210Rを第1の電極207に積層し、発光素子203Gにおいて導電層210Gを積層することにより、光学調整を行うことができる。
第2の基板205には、カラーフィルタ(206R、206G、206B)が形成されている。なお、カラーフィルタは、可視光のうち特定の波長域を通過させ、特定の波長域を阻止するフィルタである。従って、図2(A)に示すように、発光素子203Rと重なる位置に赤の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Rを設けることにより、発光素子203Rから赤色発光を得ることができる。また、発光素子203Gと重なる位置に緑の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Gを設けることにより、発光素子203Gから緑色発光を得ることができる。また、発光素子203Bと重なる位置に青の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Bを設けることにより、発光素子203Bから青色発光を得ることができる。但し、発光素子203Wは、カラーフィルタを設けることなく白色発光を得ることができる。なお、1種のカラーフィルタの端部には、黒色層(ブラックマトリックス)209が設けられていてもよい。さらに、カラーフィルタ(206R、206G、206B)や黒色層209は、透明な材料を用いたオーバーコート層で覆われていても良い。
図2(A)では、第2の基板205側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置を示したが、図2(C)に示すようにFET202が形成されている第1の基板201側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としても良い。なお、ボトムエミッション型の発光装置の場合には、第1の電極207を半透過・半反射電極として機能するように形成し、第2の電極208を反射電極として機能するように形成する。また、第1の基板201は、少なくとも透光性の基板を用いる。また、カラーフィルタ(206R’、206G’、206B’)は、図2(C)に示すように発光素子(203R、203G、203B)よりも第1の基板201側に設ければよい。
また、図2(A)において、発光素子が、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子の場合について示したが、本発明の一態様である発光素子はその構成に限られることはなく、黄色の発光素子や橙色の発光素子を有する構成であっても良い。なお、これらの発光素子を作製するためにEL層(発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層など)に用いる材料としては、他の実施の形態の記載を参照し、適宜用いればよい。なお、その場合には、また、発光素子の発光色に応じてカラーフィルタを適宜選択する必要がある。
以上のような構成とすることにより、複数の発光色を呈する発光素子を備えた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。
本発明の一態様である発光素子の素子構成を適用することで、アクティブマトリクス型の発光装置やパッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。なお、アクティブマトリクス型の発光装置は、発光素子とトランジスタ(FET)とを組み合わせた構成を有する。従って、パッシブマトリクス型の発光装置、アクティブマトリクス型の発光装置は、いずれも本発明の一態様に含まれる。なお、本実施の形態に示す発光装置には、他の実施の形態で説明した発光素子を適用することが可能である。
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置について図3を用いて説明する。
なお、図3(A)は発光装置21を示す上面図であり、図3(B)は図3(A)を鎖線A−A’で切断した断面図である。アクティブマトリクス型の発光装置は、第1の基板301上に設けられた画素部302、駆動回路部(ソース線駆動回路)303と、駆動回路部(ゲート線駆動回路)(304a、304b)を有する。画素部302および駆動回路部(303、304a、304b)は、シール材305によって、第1の基板301と第2の基板306との間に封止される。
また、第1の基板301上には、引き回し配線307が設けられる。引き回し配線307は、外部入力端子であるFPC308と電気的に接続される。なお、FPC308は、駆動回路部(303、304a、304b)に外部からの信号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等)や電位を伝達する。また、FPC308にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。なお、これらFPCやPWBが取り付けられた状態は、発光装置に含まれる。
次に、図3(B)に断面構造を示す。
画素部302は、FET(スイッチング用FET)311、FET(電流制御用FET)312、およびFET312と電気的に接続された第1の電極313を有する複数の画素により形成される。なお、各画素が有するFETの数は、特に限定されることはなく、必要に応じて適宜設けることができる。
FET309、310、311、312は、特に限定されることはなく、例えば、スタガ型や逆スタガ型などのトランジスタを適用することができる。また、トップゲート型やボトムゲート型などのトランジスタ構造であってもよい。
なお、これらのFET309、310、311、312に用いることのできる半導体の結晶性については特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。なお、結晶性を有する半導体を用いることで、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、これらの半導体としては、例えば、第14族の元素、化合物半導体、酸化物半導体、有機半導体などを用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体、インジウムを含む酸化物半導体などを適用することができる。
駆動回路部303は、FET309とFET310とを有する。なお、FET309とFET310は、単極性(N型またはP型のいずれか一方のみ)のトランジスタを含む回路で形成されても良いし、N型のトランジスタとP型のトランジスタを含むCMOS回路で形成されても良い。また、外部に駆動回路を有する構成としても良い。
第1の電極313の端部は、絶縁物314により覆われている。なお、絶縁物314には、ネガ型の感光性樹脂や、ポジ型の感光性樹脂(アクリル樹脂)などの有機化合物や、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン等の無機化合物を用いることができる。絶縁物314の上端部または下端部には、曲率を有する曲面を有するのが好ましい。これにより、絶縁物314の上層に形成される膜の被覆性を良好なものとすることができる。
第1の電極313上には、EL層315及び第2の電極316が積層形成される。EL層315は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等を有する。
なお、本実施の形態で示す発光素子317の構成は、他の実施の形態で説明した構成や材料を適用することができる。なお、ここでは図示しないが、第2の電極316は外部入力端子であるFPC308に電気的に接続されている。
また、図3(B)に示す断面図では発光素子317を1つのみ図示しているが、画素部302において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部302には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子の他に、例えば、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等の発光が得られる発光素子を形成してもよい。例えば、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子に上述の数種類の発光が得られる発光素子を追加することにより、色純度の向上、消費電力の低減等の効果を得ることができる。また、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。なお、カラーフィルタの種類としては、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等を用いることができる。
第1の基板301上のFET(309、310、311、312)や、発光素子317は、第2の基板306と第1の基板301とをシール材305により貼り合わせることにより、第1の基板301、第2の基板306、およびシール材305で囲まれた空間318に備えられた構造を有する。なお、空間318には、不活性気体(窒素やアルゴン等)や有機物(シール材305を含む)で充填されていてもよい。
シール材305には、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いることができる。なお、シール材305には、できるだけ水分や酸素を透過しない材料を用いることが好ましい。また、第2の基板306は、第1の基板301に用いることができるものを同様に用いることができる。従って、他の実施の形態で説明した様々な基板を適宜用いることができるものとする。基板としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル樹脂等からなるプラスチック基板を用いることができる。シール材としてガラスフリットを用いる場合には、接着性の観点から第1の基板301及び第2の基板306はガラス基板であることが好ましい。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
また、アクティブマトリクス型の発光装置を可撓性基板に形成する場合、可撓性基板上にFETと発光素子とを直接形成しても良いが、剥離層を有する別の基板にFETと発光素子を形成した後、熱、力、レーザ照射などを与えることによりFETと発光素子を剥離層で剥離し、さらに可撓性基板に転載して作製しても良い。なお、剥離層としては、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層や、ポリイミド等の有機樹脂膜等を用いることができる。また可撓性基板としては、トランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などが挙げられる。これらの基板を用いることにより、耐久性や耐熱性に優れ、軽量化および薄型化を図ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子、本発明の一態様である発光素子を有する発光装置を適用して完成させた様々な電子機器や自動車の一例について、説明する。なお、発光装置は、本実施の形態で説明する電子機器において、主に表示部に適用することができる。
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子、本発明の一態様である発光素子を有する発光装置を適用して完成させた様々な電子機器や自動車の一例について、説明する。なお、発光装置は、本実施の形態で説明する電子機器において、主に表示部に適用することができる。
図4(A)乃至図4(E)に示す電子機器は、筐体7000、表示部7001、スピーカ7003、LEDランプ7004、操作キー7005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子7006、センサ7007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7008、等を有することができる。
図4(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ7009、赤外線ポート7010、等を有することができる。
図4(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部7002、記録媒体読込部7011、等を有することができる。
図4(C)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ7014、シャッターボタン7015、受像部7016、等を有することができる。
図4(D)は携帯情報端末である。携帯情報端末は、表示部7001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報7052、情報7053、情報7054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末を収納した状態で、携帯情報端末の上方から観察できる位置に表示された情報7053を確認することもできる。使用者は、携帯情報端末をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
図4(E)は携帯情報端末(スマートフォンを含む)であり、筐体7000に、表示部7001、操作キー7005、等を有することができる。なお、携帯情報端末は、スピーカ7003、接続端子7006、センサ7007等を設けてもよい。また、携帯情報端末は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。ここでは3つのアイコン7050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報7051を表示部7001の他の面に表示することもできる。情報7051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリーの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報7051が表示されている位置にはアイコン7050などを表示してもよい。
図4(F)は、大型のテレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)であり、筐体7000、表示部7001、等を有することができる。また、ここでは、スタンド7018により筐体7000を支持した構成を示している。また、テレビジョン装置の操作は、別体のリモコン操作機7111、等により行うことができる。なお、表示部7001にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7001に表示される画像を操作することができる。
図4(A)乃至図4(F)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウエア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図4(A)乃至図4(F)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図4(G)は、腕時計型の携帯情報端末であり、例えばスマートウォッチとして用いることができる。この腕時計型の携帯情報端末は、筐体7000、表示部7001、操作用ボタン7022、7023、接続端子7024、バンド7025、マイクロフォン7026、センサ7029、スピーカ7030等を有している。表示部7001は、表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、この携帯情報端末は、例えば無線通信可能なヘッドセットとの相互通信によりハンズフリーでの通話が可能である。なお、接続端子7024により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。充電動作は無線給電により行うこともできる。
ベゼル部分を兼ねる筐体7000に搭載された表示部7001は、非矩形状の表示領域を有している。表示部7001は、時刻を表すアイコン、その他のアイコン等を表示することができる。また、表示部7001は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。
なお、図4(G)に示すスマートウォッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウエア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。
また、筐体7000の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。
なお、本発明の一態様である発光装置および本発明の一態様である発光素子を有する表示装置は、本実施の形態に示す電子機器の各表示部に用いることができ、長寿命な電子機器を実現できる。
また、発光装置を適用した電子機器として、図5(A)乃至(C)に示すような折りたたみ可能な携帯情報端末が挙げられる。図5(A)には、展開した状態の携帯情報端末9310を示す。また、図5(B)には、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末9310を示す。さらに、図5(C)には、折りたたんだ状態の携帯情報端末9310を示す。携帯情報端末9310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。
表示部9311はヒンジ9313によって連結された3つの筐体9315に支持されている。なお、表示部9311は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。また、表示部9311は、ヒンジ9313を介して2つの筐体9315間を屈曲させることにより、携帯情報端末9310を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。なお、本発明の一態様の発光装置は、表示部9311に用いることができる。また、長寿命な電子機器を実現できる。表示部9311における表示領域9312は折りたたんだ状態の携帯情報端末9310の側面に位置する表示領域である。表示領域9312には、情報アイコンや使用頻度の高いアプリやプログラムのショートカットなどを表示させることができ、情報の確認やアプリなどの起動をスムーズに行うことができる。
また、発光装置を適用した自動車について、図6(A)(B)に示す。すなわち、発光装置を、自動車と一体にして設けることができる。具体的には、図6(A)に示す自動車の外側のライト5101(車体後部も含む)、タイヤのホイール5102、ドア5103の一部または全体などに適用することができる。また、図6(B)に示す自動車の内側の表示部5104、ハンドル5105、シフトレバー5106、座席シート5107、インナーリアビューミラー5108等に適用することができる。その他、ガラス窓の一部に適用してもよい。
以上のようにして、本発明の一態様である発光装置や表示装置を適用した電子機器や自動車を得ることができる。なお、その場合には、長寿命な電子機器を実現できる。なお、適用できる電子機器や自動車は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野において適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用して作製される照明装置の構成について図7を用いて説明する。
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用して作製される照明装置の構成について図7を用いて説明する。
図7(A)、(B)は、照明装置の断面図の一例を示す。なお、図7(A)は基板側に光を取り出すボトムエミッション型の照明装置であり、図7(B)は、封止基板側に光を取り出すトップエミッション型の照明装置である。
図7(A)に示す照明装置4000は、基板4001上に発光素子4002を有する。また、基板4001の外側に凹凸を有する基板4003を有する。発光素子4002は、第1の電極4004と、EL層4005と、第2の電極4006を有する。
第1の電極4004は、電極4007と電気的に接続され、第2の電極4006は電極4008と電気的に接続される。また、第1の電極4004と電気的に接続される補助配線4009を設けてもよい。なお、補助配線4009上には、絶縁層4010が形成されている。
また、基板4001と封止基板4011は、シール材4012で接着されている。また、封止基板4011と発光素子4002の間には、乾燥剤4013が設けられていることが好ましい。なお、基板4003は、図7(A)のような凹凸を有するため、発光素子4002で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
図7(B)の照明装置4200は、基板4201上に発光素子4202を有する。発光素子4202は第1の電極4204と、EL層4205と、第2の電極4206とを有する。
第1の電極4204は、電極4207と電気的に接続され、第2の電極4206は電極4208と電気的に接続される。また第2の電極4206と電気的に接続される補助配線4209を設けてもよい。また、補助配線4209の下部に、絶縁層4210を設けてもよい。
基板4201と凹凸のある封止基板4211は、シール材4212で接着されている。また、封止基板4211と発光素子4202の間にバリア膜4213および平坦化膜4214を設けてもよい。なお、封止基板4211は、図7(B)のような凹凸を有するため、発光素子4202で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
また、これらの照明装置の応用例としては、室内の照明用であるシーリングライトが挙げられる。シーリングライトには、天井直付型や天井埋め込み型等がある。なお、このような照明装置は、発光装置を筐体やカバーと組み合わせることにより構成される。
その他にも床面に灯りを照射し、足元の安全性を高めることができる足元灯などへの応用も可能である。足元灯は、例えば、寝室や階段や通路などに使用するのが有効である。その場合、部屋の広さや構造に応じて適宜サイズや形状を変えることができる。また、発光装置と支持台とを組み合わせて構成される据え置き型の照明装置とすることも可能である。
また、シート状の照明装置(シート状照明)として応用することも可能である。シート状照明は、壁面に張り付けて使用するため、場所を取らず幅広い用途に用いることができる。なお、大面積化も容易である。なお、曲面を有する壁面や筐体に用いることもできる。
なお、上記以外にも室内に備えられた家具の一部に本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用し、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のように、発光装置を適用した様々な照明装置が得られる。なお、これらの照明装置は本発明の一態様に含まれるものとする。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[6−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]の構造を以下に示す。
本実施例では、実施の形態1の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[6−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルの合成>
4−ブロモ−3,5−ジメチルベンゾニトリル10.06g、ビス(ピナコラート)ジボロン18.35g、酢酸カリウム21.73g、ジメチルスルホキシド240mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(略称:Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2)0.59g、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(略称:S−Phos)0.59gを加え、100℃で32時間半撹拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(白色固体、収量5.89g、収率48%)。ステップ1の合成スキームを下記式(a−1)に示す。
4−ブロモ−3,5−ジメチルベンゾニトリル10.06g、ビス(ピナコラート)ジボロン18.35g、酢酸カリウム21.73g、ジメチルスルホキシド240mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(略称:Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2)0.59g、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(略称:S−Phos)0.59gを加え、100℃で32時間半撹拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(白色固体、収量5.89g、収率48%)。ステップ1の合成スキームを下記式(a−1)に示す。
<ステップ2:4−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−6−フェニルピリミジン(略称:Hppm−dmCP)の合成>
次に、4−クロロ−6−フェニルピリミジン0.74g、上記ステップ1で得られた、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル1.28g、リン酸三カリウム3.23g、トルエン43mL、水4.3mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
次に、4−クロロ−6−フェニルピリミジン0.74g、上記ステップ1で得られた、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル1.28g、リン酸三カリウム3.23g、トルエン43mL、水4.3mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
フラスコ内を減圧下で撹拌して脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(略称:Pd2(dba)3)0.094g、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン(略称:P(2,6MeOPh)3)0.19gを加え、110℃で23時間撹拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ヘキサン:酢酸エチル=5:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピリミジン誘導体、Hppm−dmCPを得た(白色固体、収量0.97g、収率88%)。ステップ2の合成スキームを下記式(a−2)に示す。
<ステップ3:ジ−μ−クロロ−テトラキス{2−[6−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmCP)2Cl]2)の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHppm−dmCP1.60g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)0.81gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を3時間照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(ppm−dmCP)2Cl]2を得た(橙色固体、収量1.45g、収率67%)。ステップ3の合成スキームを下記式(a−3)に示す。
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHppm−dmCP1.60g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)0.81gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を3時間照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(ppm−dmCP)2Cl]2を得た(橙色固体、収量1.45g、収率67%)。ステップ3の合成スキームを下記式(a−3)に示す。
<ステップ4:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]の合成>
2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体、[Ir(ppm−dmCP)2Cl]2 1.44g、アセチルアセトン(略称:Hacac)0.41g、炭酸ナトリウム0.93gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を4時間照射した。得られた残渣を、ジクロロメタンで吸引ろ過した後、濾液を濃縮した。得られた固体を、ヘキサン:酢酸エチル=2:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]を黄橙色粉末として得た(収量0.19g、収率7%)。得られた黄橙色粉末0.19gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力2.7Pa、アルゴンガスを流量11mL/minで流しながら、355℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の黄橙色固体を収量0.092g、収率48%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(a−4)に示す。
2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体、[Ir(ppm−dmCP)2Cl]2 1.44g、アセチルアセトン(略称:Hacac)0.41g、炭酸ナトリウム0.93gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を4時間照射した。得られた残渣を、ジクロロメタンで吸引ろ過した後、濾液を濃縮した。得られた固体を、ヘキサン:酢酸エチル=2:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]を黄橙色粉末として得た(収量0.19g、収率7%)。得られた黄橙色粉末0.19gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力2.7Pa、アルゴンガスを流量11mL/minで流しながら、355℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の黄橙色固体を収量0.092g、収率48%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(a−4)に示す。
上記ステップ4で得られた黄橙色固体の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図8に示す。この結果から、本実施例において、上述の構造式(100)で表される有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):1.86(s,6H),2.29(s,12H),5.36(s,1H),6.44(d,2H),6.86(t,2H),6.91(t,2H),7.52(s,4H),7.66(d,2H),7.68(s,2H),9.25(s,2H).
次に、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。
吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図9に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図9における細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示す。なお、図9に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示す。
図9の結果より、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、571nmに発光ピークを示し、ジクロロメタン溶液からは黄色の発光が観測された。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子として、実施例1で説明したビス{2−[6−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)])(構造式(100))を発光層に用いた発光素子1、および比較のための発光素子として、ビス{2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmp)2(acac)])(構造式(200))を発光層に用いた比較発光素子2について、素子構造、作製方法およびその特性について説明する。なお、本実施例で用いる発光素子の素子構造を図10に示し、具体的な構成について表1に示す。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子の作製≫
本実施例で示す発光素子は、図10に示すように基板900上に形成された第1の電極901上に正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915が順次積層され、電子注入層915上に第2の電極903が積層された構造を有する。
本実施例で示す発光素子は、図10に示すように基板900上に形成された第1の電極901上に正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915が順次積層され、電子注入層915上に第2の電極903が積層された構造を有する。
まず、基板900上に第1の電極901を形成した。電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。また、基板900には、ガラス基板を用いた。また、第1の電極901は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法により、70nmの膜厚で成膜して形成した。
ここで、前処理として、基板の表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極901上に正孔注入層911を形成した。正孔注入層911は、真空蒸着装置内を10−4Paに減圧した後、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデンとを、DBT3P−II:酸化モリブデン=2:1(質量比)とし、膜厚が55nmとなるように共蒸着して形成した。
次に、正孔注入層911上に正孔輸送層912を形成した。正孔輸送層912は、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を用い、膜厚が20nmになるように蒸着して形成した。
次に、正孔輸送層912上に発光層913を形成した。
発光素子1の場合の発光層913は、ホスト材料として、2mDBTBPDBq−IIを用い、アシスト材料としてPCBBiF、ゲスト材料(燐光材料)として、本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[6−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)])(構造式:100)を用い、重量比が2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]=0.75:0.25:0.075となるように共蒸着した。なお、膜厚は、40nmとした。
比較発光素子2の場合の発光層913は、ホスト材料として、2mDBTBPDBq−IIを用い、アシスト材料としてPCBBiF、ゲスト材料(燐光材料)として、ビス{2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppm−dmp)2(acac)])を用い、重量比が2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(ppm−dmp)2(acac)]=0.75:0.25:0.075となるように共蒸着した。なお、膜厚は、40nmとした。
次に、発光層913上に電子輸送層914を形成した。電子輸送層914は、2mDBTBPDBq−IIの膜厚が20nm、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBphen)の膜厚が15nmとなるように順次蒸着して形成した。
次に、電子輸送層914上に電子注入層915を形成した。電子注入層915は、フッ化リチウム(LiF)を用い、膜厚が1nmになるように蒸着して形成した。
次に、電子注入層915上に第2の電極903を形成した。第2の電極903は、アルミニウムを蒸着法により、膜厚が200nmとなるように形成した。なお、本実施例において、第2の電極903は、陰極として機能する。
以上の工程により、基板900上に一対の電極間にEL層902を挟んでなる発光素子を形成した。なお、上記工程で説明した正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915は、本発明の一態様におけるEL層を構成する機能層である。また、上述した作製方法における蒸着工程では、全て抵抗加熱法による蒸着法を用いた。
また、上記に示すように作製した発光素子は、別の基板(図示せず)により封止される。なお、別の基板(図示せず)を用いた封止の際は、窒素雰囲気のグローブボックス内において、紫外光により固化するシール剤を塗布した別の基板(図示せず)を基板900上に固定し、基板900上に形成された発光素子の周囲にシール剤が付着するよう基板同士を接着させた。封止時には365nmの紫外光を6J/cm2照射しシール剤を固化し、80℃にて1時間熱処理することによりシール剤を安定化させた。
≪発光素子の動作特性≫
作製した各発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図11〜図14に示す。
作製した各発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図11〜図14に示す。
以下の表2に1000cd/m2付近における各発光素子の主な初期特性値を示す。
上記結果から、発光素子1は、良好な素子特性を示すが、特に比較発光素子2に比べて高い外部量子効率が得られている。これは、発光素子1の発光層に本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]を用いたことによる効果であると解することができる。
すなわち、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、Irに配位したピリミジン環が、置換基としてシアノ基を有するフェニル基を少なくとも一つ有し、かつ、シアノ基を有するフェニル基がピリミジン環の6位に結合する構造を有するため、ピリミジン環の6位に結合したシアノ基を有するフェニル基に起因して、蒸着基板面に対する水平方向への分子の配向性が高まるため、光取り出し効率を向上させると考えられる。
また、発光素子1および比較発光素子2に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図15に示す。図15において、発光素子1は、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]の発光に由来して、574nm付近にピークを有する発光スペクトルを示す。また、比較発光素子2は、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(ppm−dmp)2(acac)]の発光に由来して、559nm付近にピークを有する発光スペクトルを示す。なお、発光素子1は比較発光素子2に比べて極大発光波長が長波長方向にシフトしている。これは、発光素子1は、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]において、配位子のピリミジン環が有するフェニル基が、置換基としてシアノ基を有することにより、配位子のLUMOが下がるためである。従って、極大発光波長を長波長方向にシフトさせ、赤色発光域に発光波長を調整したい場合に、本発明の一態様である有機金属錯体は好適であるといえる。
次に、発光素子1および比較発光素子2に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図16に示す。図16において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、電流密度を50mA/cm2に設定し、発光素子を駆動させた。
信頼性試験の結果より、発光素子1は、比較発光素子2に比べて、高い信頼性を示すことが分かった。これは、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)](構造式(100))を発光素子1の発光層に用いたことによる効果といえる。なお、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、分子構造上、置換基としてシアノ基を有するため昇華温度が高いにもかかわらず、分解しにくく、耐熱性が高いという特徴を有する。従って、昇華精製による熱分解を問題とせず、高純度な[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]を用いることができるため、発光素子1の信頼性が向上したと言える。
また、発光素子1および比較発光素子2の発光層の蒸着時に蒸着チャンバー内で発生する脱離ガスについて分析するために、四重極型質量分析計(ULVAC社製、残留ガス分析計 Qulee BGM−202)を用いてチャンバー内部の被測定ガス中の質量電荷比に対応する特定ガスの圧力(検出分圧:Pa)を測定した。結果を図17に示す。なお、図17では、横軸に質量電荷比(m/z)、縦軸に質量電荷比に対応する特定ガスの圧力(検出分圧:Pa)を示す。また、図17中のB.G.は、各発光素子を蒸着する直前のチャンバー内部で測定されたガス中の質量電荷比に対応する特定ガスの圧力(検出分圧:Pa)を測定した結果である。この結果から、発光素子1の発光層に用いた、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、比較発光素子2の発光層に用いた、[Ir(ppm−dmp)2(acac)]に比べて、昇華温度が高いにもかかわらず脱離ガス成分の検出が少なかった。このことから、[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、[Ir(ppm−dmp)2(acac)]よりも熱分解しにくいことがいえる。つまり、本実施例で合成した有機金属錯体[Ir(ppm−dmCP)2(acac)]は、シアノ基を置換基に含むことにより、昇華温度が高くなったにもかかわらず、熱分解しにくい(低分子量の分解物が生成しにくい)構造であることが確認された。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(112)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(5−シアノ−2−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
本実施例では、実施の形態1の構造式(112)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(5−シアノ−2−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:4−クロロ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジンの合成>
4,6−ジクロロピリミジン8.97g、3,5−ジメチルフェニルボロン酸9.01g、2M炭酸ナトリウム水溶液95mL、エチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)360mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、酢酸パラジウム(II)(略称:Pd(OAc)2)0.67g、トリフェニルホスフィン(略称:PPh3)1.61gを加え、110℃で11時間撹拌した。所定時間経過後、酢酸エチルによる抽出を行った。その後、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(黄白色固体、収量7.60g、収率58%)。ステップ1の合成スキームを下記式(b−1)に示す。
4,6−ジクロロピリミジン8.97g、3,5−ジメチルフェニルボロン酸9.01g、2M炭酸ナトリウム水溶液95mL、エチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)360mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、酢酸パラジウム(II)(略称:Pd(OAc)2)0.67g、トリフェニルホスフィン(略称:PPh3)1.61gを加え、110℃で11時間撹拌した。所定時間経過後、酢酸エチルによる抽出を行った。その後、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た(黄白色固体、収量7.60g、収率58%)。ステップ1の合成スキームを下記式(b−1)に示す。
<ステップ2:4−(5−シアノ−2−メチルフェニル)−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジンの合成>
次に、上記ステップ1で得られた4−クロロ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジン5.21g、5−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸5.00g、リン酸三カリウム15.32g、トルエン240mL、水24mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
次に、上記ステップ1で得られた4−クロロ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジン5.21g、5−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸5.00g、リン酸三カリウム15.32g、トルエン240mL、水24mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
フラスコ内を減圧下で撹拌して脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(略称:Pd2(dba)3)0.88g、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン(略称:(2,6−MeOPh)3P)1.68gを加え、110℃で65時間半撹拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピリミジン誘導体、Hdmppm−m5CPを得た(白色固体、収量4.31g、収率60%)。ステップ2の合成スキームを下記式(b−2)に示す。
<ステップ3:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[6−(5−シアノ−2−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m5CP)2Cl]2)の合成>
次に、2−エトキシエタノール30mLと水10mL、上記ステップ2で得たHdmppm−m5CP(略称)3.92g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)1.81gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を3時間半照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(dmppm−m5CP)2Cl]2を得た(橙色固体、収量4.49g、収率91%)。また、ステップ3の合成スキームを下記式(b−3)に示す。
次に、2−エトキシエタノール30mLと水10mL、上記ステップ2で得たHdmppm−m5CP(略称)3.92g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)1.81gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を3時間半照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(dmppm−m5CP)2Cl]2を得た(橙色固体、収量4.49g、収率91%)。また、ステップ3の合成スキームを下記式(b−3)に示す。
<ステップ4:ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(5−シアノ−2−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]の合成>
次に、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体、[Ir(dmppm−m5CP)2Cl]2 4.48g、ジピバロイルメタン(略称:Hdpm)1.51g、炭酸ナトリウム2.90gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。
次に、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体、[Ir(dmppm−m5CP)2Cl]2 4.48g、ジピバロイルメタン(略称:Hdpm)1.51g、炭酸ナトリウム2.90gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。
その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を6時間照射した。得られた残渣を、ジクロロメタンで吸引ろ過した後、濾液を濃縮した。得られた固体を、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、有機金属錯体、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]を赤色固体として得た(収量0.028g、収率0.5%)。ステップ4の合成スキームを下記式(b−4)に示す。
ステップ4で得られた赤色固体の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図18に示す。この結果から、本実施例において、上述の構造式(112)で表される有機金属錯体、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):0.89(s,18H),1.52(s,6H),2.29(s,6H),2.54(s,6H),5.62(s,1H),6.66(s,2H),7.48−7.52(m,4H),7.68(d,2H),7.86(d,4H),8.89(s,2H).
次に、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。
吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図19に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図19における細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示す。なお、図19に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示す。
図19の結果より、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(dmppm−m5CP)2(dpm)]は、613nmに発光ピークを示し、ジクロロメタン溶液からは赤色の発光が観測された。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2−シアノ−6−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
本実施例では、実施の形態1の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2−シアノ−6−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:4−(2−シアノ−6−メチルフェニル)−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジンの合成>
4−クロロ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジン2.18g、3−メチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル2.90g、リン酸三カリウム6.36g、トルエン100mL、水10mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
4−クロロ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリミジン2.18g、3−メチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル2.90g、リン酸三カリウム6.36g、トルエン100mL、水10mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。
フラスコ内を減圧下で撹拌して脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(略称:Pd2(dba)3)0.28g、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン(略称:(2,6−MeOPh)3P)0.54gを加え、110℃で17時間撹拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ヘキサン:酢酸エチル=2:1を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピリミジン誘導体、Hdmppm−m2CPを得た(白色固体、収量2.08g、収率70%)。ステップ1の合成スキームを下記式(c−1)に示す。
<ステップ2:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[6−(2−シアノ−6−メチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−m2CP)2Cl]2)の合成>
次に、2−エトキシエタノール30mLと水10mL、上記ステップ1で得たHdmppm−m2CP(略称)2.08g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)1.01gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(dmppm−m2CP)2Cl]2を得た(赤茶色固体、収量1.88g、収率69%)。また、ステップ2の合成スキームを下記式(c−2)に示す。
次に、2−エトキシエタノール30mLと水10mL、上記ステップ1で得たHdmppm−m2CP(略称)2.08g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(フルヤ金属社製)1.01gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間照射し、反応させた。所定時間経過後、得られた残渣をメタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(dmppm−m2CP)2Cl]2を得た(赤茶色固体、収量1.88g、収率69%)。また、ステップ2の合成スキームを下記式(c−2)に示す。
<ステップ3:[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]の合成>
次に、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2Cl]2 1.86g、ジピバロイルメタン(略称:Hdpm)0.61g、炭酸ナトリウム1.18gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を5時間照射した。得られた残渣を、ジクロロメタンで吸引ろ過した後、濾液を濃縮した。得られた固体を、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、有機金属錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]を赤色固体として得た(収量0.050g、収率2%)。ステップ3の合成スキームを下記式(c−3)に示す。
次に、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2Cl]2 1.86g、ジピバロイルメタン(略称:Hdpm)0.61g、炭酸ナトリウム1.18gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を5時間照射した。得られた残渣を、ジクロロメタンで吸引ろ過した後、濾液を濃縮した。得られた固体を、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、有機金属錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]を赤色固体として得た(収量0.050g、収率2%)。ステップ3の合成スキームを下記式(c−3)に示す。
ステップ3で得られた赤色固体の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図20に示す。この結果から、本実施例において、上述の構造式(114)で表される有機金属錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):0.92(s,18H),1.53(s,6H),2.27(s,6H),2.31(s,6H),5.65(s,1H),6.65(s,2H),7.48−7.51(m,4H),7.61(d,2H),7.70(d,2H),7.85(s,2H),8.97(s,2H).
次に、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。
吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図21に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図21における細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示す。なお、図21に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.010mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示す。
図21の結果より、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(dmppm−m2CP)2(dpm)]は、621nmに発光ピークを示し、ジクロロメタン溶液からは赤色の発光が観測された。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(117)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジシアノフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−dCP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−dCP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
本実施例では、実施の形態1の構造式(117)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジシアノフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−dCP)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmppm−dCP)2(dpm)]の構造を以下に示す。
また、[Ir(dmppm−dCP)2(dpm)]の合成方法を下記式(d−1)〜下記式(d−4)の合成スキームに示す。
101:第1の電極、102:第2の電極、103:EL層、103a、103b:EL層、104:電荷発生層、111、111a、111b:正孔注入層、112、112a、112b:正孔輸送層、113、113a、113b、113c:発光層、114、114a、114b:電子輸送層、115、115a、115b:電子注入層、200R、200G、200B:光学距離、201:第1の基板、202:トランジスタ(FET)、203R、203G、203B、203W:発光素子、204:EL層、205:第2の基板、206R、206G、206B:カラーフィルタ、206R’、206G’、206B’:カラーフィルタ、207:第1の電極、208:第2の電極、209:黒色層(ブラックマトリックス)、210R、210G:導電層、301:第1の基板、302:画素部、303:駆動回路部(ソース線駆動回路)、304a、304b:駆動回路部(ゲート線駆動回路)、305:シール材、306:第2の基板、307:引き回し配線、308:FPC、309:FET、310:FET、311:FET、312:FET、313:第1の電極、314:絶縁物、315:EL層、316:第2の電極、317:発光素子、318:空間、900:基板、901:第1の電極、902:EL層、903:第2の電極、911:正孔注入層、912:正孔輸送層、913:発光層、914:電子輸送層、915:電子注入層、4000:照明装置、4001:基板、4002:発光素子、4003:基板、4004:第1の電極、4005:EL層、4006:第2の電極、4007:電極、4008:電極、4009:補助配線、4010:絶縁層、4011:封止基板、4012:シール材、4013:乾燥剤、4015:拡散板、4200:照明装置、4201:基板、4202:発光素子、4204:第1の電極、4205:EL層、4206:第2の電極、4207:電極、4208:電極、4209:補助配線、4210:絶縁層、4211:封止基板、4212:シール材、4213:バリア膜、4214:平坦化膜、4215:拡散板、5101:ライト、5102:ホイール、5103:ドア、5104:表示部、5105:ハンドル、5106:シフトレバー、5107:座席シート、5108:インナーリアビューミラー、7000:筐体、7001:表示部、7002:第2表示部、7003:スピーカ、7004:LEDランプ、7005:操作キー、7006:接続端子、7007:センサ、7008:マイクロフォン、7009:スイッチ、7010:赤外線ポート、7011:記録媒体読込部、7012:支持部、7013:イヤホン、7014:アンテナ、7015:シャッターボタン、7016:受像部、7018:スタンド、7020:カメラ、7021:外部接続部、7022、7023:操作用ボタン、7024:接続端子、7025:バンド、、7026:マイクロフォン、7027:時刻を表すアイコン、7028:その他のアイコン、7029:センサ、7030:スピーカ、7052、7053、7054:情報、9310:携帯情報端末、9311:表示部、9312:表示領域、9313:ヒンジ、9315:筐体、
Claims (16)
- 一般式(G1)で表される有機金属錯体。
- 一般式(G1)で表される有機金属錯体。
- 請求項1または請求項2において、
前記nは、2である有機金属錯体。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記モノアニオン性の配位子は、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、二つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子、またはシクロメタル化によりイリジウムと金属−炭素結合を形成する芳香族複素環二座配位子のいずれか一である有機金属錯体。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記モノアニオン性の配位子は、下記一般式(L1)〜(L8)のいずれか一である有機金属錯体。
- 請求項1または請求項2において、
前記nは、3である有機金属錯体。 - 一般式(G2)で表される有機金属錯体。
- 一般式(G2)で表される有機金属錯体。
- 請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の有機金属錯体を用いた発光素子。
- 一対の電極間にEL層を有し、
前記EL層は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の有機金属錯体を有する発光素子。 - 一対の電極間にEL層を有し、
前記EL層は、発光層を有し、
前記発光層は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の有機金属錯体を有する発光素子。 - 一対の電極間にEL層を有し、
前記EL層は、発光層を有し、
前記発光層は、複数の有機化合物を有し、
前記複数の有機化合物のうち一は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の有機金属錯体である発光素子。 - 請求項10乃至請求項13のいずれか一に記載の発光素子と、
トランジスタ、または基板と、
を有する発光装置。 - 請求項14に記載の発光装置と、
マイク、カメラ、操作用ボタン、外部接続部、または、スピーカと、
を有する電子機器。 - 請求項14に記載の発光装置と、
筐体、カバー、または、支持台と、
を有する照明装置。
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