JPWO2019073579A1 - 永久磁石型モータの製造方法 - Google Patents

永久磁石型モータの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019073579A1
JPWO2019073579A1 JP2019547865A JP2019547865A JPWO2019073579A1 JP WO2019073579 A1 JPWO2019073579 A1 JP WO2019073579A1 JP 2019547865 A JP2019547865 A JP 2019547865A JP 2019547865 A JP2019547865 A JP 2019547865A JP WO2019073579 A1 JPWO2019073579 A1 JP WO2019073579A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
permanent magnet
stage
rotor core
rivet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019547865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6854910B2 (ja
Inventor
裕貴 田村
裕貴 田村
隆徳 渡邉
隆徳 渡邉
増本 浩二
浩二 増本
昇嗣朗 堂本
昇嗣朗 堂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2019073579A1 publication Critical patent/JPWO2019073579A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6854910B2 publication Critical patent/JP6854910B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/02Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies
    • H02K15/03Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies having permanent magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K21/00Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets
    • H02K21/12Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets with stationary armatures and rotating magnets
    • H02K21/14Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets with stationary armatures and rotating magnets with magnets rotating within the armatures

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

永久磁石型モータは、固定子に形成されたスロットの数Sと回転子の極数Pとが、S>Pを満足しており、回転子は、回転軸の軸方向に並んだ各段の回転子構成体が周方向にずれて配置された多段スキュー構造を有し、最上段の回転子構成体と最下段の回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_MAXを360°/(2×P)としたとき、θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)の関係を満足するものである。また、永久磁石型モータの製造方法は、回転子コアに形成されたリベット挿入孔が回転子の回転軸を中心とした周方向に沿う長穴形状とし、リベット挿入孔にリベットを挿入した後、回転子コアにスキューを施すものである。

Description

本発明は、回転子に永久磁石が設けられた永久磁石型モータ、永久磁石型モータの製造方法および永久磁石型モータを備えた圧縮機に関する。
従来より、回転軸の外周に固定された回転子コアおよび回転子コアに埋設された永久磁石を備えた回転子と、永久磁石に対向するコイルを備えた固定子とからなる永久磁石型モータがある。この種の永久磁石型モータでは、永久磁石を用いるため、コイルとの間で吸引力が働き、コギングトルクが発生する。低騒音で低振動の円滑な回転を図るには、コギングトルクを低減させることが有効であり、コギングトルクを低減する方法として、スキュー構造が良く知られている。
スキュー構造は、回転子を、軸方向に並んだ複数段の回転子構成体で構成し、各段の回転子構成体を周方向にずらして結合した構造である。この種の多段スキュー構造としたモータとして、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、各段の周方向のスキュー角θを、スロット数と極数との最小公倍数をAとし、段数をNとした場合にθ=360°/(A×N)とすることで、コギングトルクの低減を図っている。
特開2004−248422号公報
回転子をスキュー構造とすると、騒音および振動の原因となる、誘起電圧の高調波成分を低減できるが、誘起電圧の高調波成分と共に、誘起電圧の基本波成分も低下する。誘起電圧はモータの性能に大きく関わり、誘起電圧が低下すると性能も低下するため、スキュー構造とすることによる誘起電圧の低下率も考慮したスキュー角を設定する必要がある。しかしながら、特許文献1では、コギングトルクの低減のみを考慮してスキュー角を設定している。実際のモータ構成では、スキュー構造としたことによる性能への影響を無視することはできないため、コギングトルクの低減のみを考慮して上記式のようにスキュー角を一意に決定することは難しい。
また、スキュー構造の回転子の製造方法において、回転子にスキューを施す際に永久磁石にワレまたはカケ等の破損が生じることがあり、このような破損が生じない製造方法が求められている。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、スキューに伴う誘起電圧の低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減が可能な永久磁石型モータ、また、製造時の永久磁石の破損を防止可能な永久磁石型モータの製造方法および圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る永久磁石型モータは、磁極を構成する複数の永久磁石を有する回転子と、回転子の回転軸と、回転子の外周側に配置された固定子とを備え、固定子に形成されたスロットの数Sと回転子の極数Pとが、S>Pを満足しており、回転子は、回転軸の軸方向に並んだ各段の回転子構成体が周方向にずれて配置された多段スキュー構造を有し、最上段の回転子構成体と最下段の回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_MAXを360°/(2×P)としたとき、θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)の関係を満足するものである。
また、本発明に係る永久磁石型モータの製造方法は、複数の電磁鋼板が積層された回転子コアと、回転子コアに配置され、磁極を構成する複数の永久磁石とを備えた回転子構成体が軸方向に複数段並び、各段の回転子構成体が周方向にずらして配置されたスキュー構造の回転子を備えた永久磁石型モータの製造方法であって、複数の電磁鋼板を積層して回転子コアを形成する工程と、回転子コアに形成された磁石挿入孔に永久磁石を配置する工程と、回転子コアに形成されたリベット挿通孔にリベットを通し、各段のスキューを施して各段の回転子構成体を形成する工程と、リベットでカシメて締結する工程とを備え、リベット挿通孔は、回転子の回転軸を中心とした周方向に沿う長穴形状であるものである。
また、本発明に係る圧縮機は、上記の永久磁石型モータと、永久磁石型モータに回転軸を介して接続され、回転軸を介して伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮機構部とを備えたものである。
本発明の永久磁石型モータおよび圧縮機によれば、スキュー角θskewを適正な範囲に設定することで、スキューに伴う誘起電圧の低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減が可能である。
また、本発明の製造方法によれば、永久磁石の周方向の先端面および後端面のそれぞれにおいて軸方向の両端部が面取りされている。このため、回転子コアが周方向に移動する際に、永久磁石の面取り部分が、隣接する段の回転子コアに接触することで永久磁石が磁石挿入孔内を軸方向に移動しながら周方向に送られ、回転子構成体が周方向に移動するので、永久磁石の破損を防止することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを備えた密閉型スクロール圧縮機の縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを示す概略平面図である。 本発明の実施の形態1に係る圧縮機の回転軸に固定された回転子を示す概略縦断面図である。 図4の各段の回転子構成体の概略断面をまとめた図である。 本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータにおけるスキュー角θskewごとのモータ特性の変化を示す特性図である。 ある任意のスキュー角において、段数Nを2、3と増やした場合のモータ特性の変化を示す特性図である。 本発明の実施の形態2に係る永久磁石型モータの回転子における、各段の永久磁石とリベット挿通孔との位置関係、およびリベット挿通孔の形状を示した横断面図である。 比較例として従来のスキュー回転子における、各段の永久磁石とリベット挿通孔との位置関係、およびリベット挿通孔の形状を示した横断面図である。 本発明の実施の形態2に係る密閉型スクロール圧縮機における、スキュー角を付ける前の回転子の縦断面図で、図8のD−D断面である。 従来の永久磁石型モータにおける、回転子の、スキュー角を付ける前の回転子の縦断面図で、図9のD−D断面である。 本発明の実施の形態2に係る永久磁石型モータにおける回転子コアに設けたリベット挿通孔の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る永久磁石型モータを備えた圧縮機について図面に基づいて説明する。ここでは、圧縮機として、いわゆる縦型の密閉型スクロール圧縮機を例に説明する。
実施の形態.
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを備えた密閉型スクロール圧縮機の縦断面図である。なお、図1では、断面を示すハッチングを一部省略している。以下、図1を参照しながら密閉型スクロール圧縮機100の構成について説明する。図1の密閉型スクロール圧縮機100は、例えば冷媒等の作動ガスを圧縮して吐出するものである。密閉型スクロール圧縮機100は、底部に潤滑油が貯留され、密閉型スクロール圧縮機100の外殻を構成する密閉容器108を備えている。そして、密閉容器108内には、永久磁石型モータ104と、永久磁石型モータ104に回転軸107を介して接続され、回転軸107を介して伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮機構部101と、油ポンプ112とが収容されている。
密閉容器108は、例えば円筒形状に形成されており、耐圧性を有している。密閉容器108の側面には、作動ガスを密閉容器108内に取り込むための吸入配管109が接続されている。密閉容器108の上部には、圧縮した作動ガスを密閉容器108から外へと放出する吐出配管110が接続されている。
圧縮機構部101は、吸入配管109から密閉容器108内に吸入される流体を圧縮するものであり、揺動スクロール103および固定スクロール102を備えている。揺動スクロール103の渦巻部と固定スクロール102の渦巻部との間に圧縮室が形成され、この圧縮室内で流体が圧縮される。流体としては、冷媒または空気が用いられる。冷媒としては、例えばHFO−1123からなる単一冷媒またはHFO−1123を含む混合冷媒等が用いられる。
永久磁石型モータ104は、回転軸107を回転駆動させるものであって、固定子105および回転子106を有して回転力を発生する。回転子106は焼嵌め等により回転軸107に固定されており、固定子105は焼嵌め等により密閉容器108に固定されている。固定子105には、リード線113が接続されており、リード線113は、密閉容器108の外部から電力の供給を受けるために密閉容器108に設けられた密封端子111に接続される。そして、固定子105に電力が供給されたとき、回転軸107および回転子106が固定子105に対して回転する。
回転軸107の内部には、回転軸107の軸方向に延びる給油路107aが形成されており、回転軸107の下端には油ポンプ112が接続されている。油ポンプ112は、密閉容器108の底部に貯留された潤滑油を吸引して回転軸107内の給油路107aに供給する。給油路107aに供給された油は、圧縮機構部101の各摺動部位に供給される。
回転軸107の上端には、偏心軸部が設置されており、揺動スクロール103のボス部に形成される揺動軸受に係合されている。
以下、図2および図3を参照しながら永久磁石型モータ104について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを示す概略縦断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータを示す概略平面図である。
永久磁石型モータ104において回転子106は、固定子105の内側に配置されており、鉄等の高透磁率材料からなる複数の電磁鋼鈑を軸方向に積層して構成された環状の回転子コア31を有する。回転子コア31には、周方向に間隔を空けて磁極と同数の磁石挿入孔32が形成されており、これら磁石挿入孔32のそれぞれに、磁極を構成する平板状の永久磁石33が埋設されている。永久磁石33は、例えばネオジム磁石または希土類磁石で構成されている。
また、回転子106は、回転子コア31の軸方向の両側に非磁性体からなる端板34を有している。端板z34および回転子コア31には、両者を軸方向に貫通するリベット挿通孔37が形成されており、リベット挿通孔37にリベット36が挿入されて軸方向に全体が締結されている。なお、回転子コア31の軸方向の一端部であって端板34の外側にはバランスウェイト35が配置されており、端板34および回転子コア31と共にバランスウェイト35がリベット36でカシメ締結されている。なお、図2ではバランスウェイト35が回転子コア31の軸方向の一端部に配置された例を示したが、両端部に配置する構成としてもよい。
固定子105は、固定子鉄心105aに形成された複数のティース41と、ティース41間に形成された複数のスロット42とを備え、複数のティース41のそれぞれに導体線を集中巻に巻いてコイル43が形成された構成を有する。
そして、本実施の形態1の永久磁石型モータ104は、固定子105のスロット数Sと、回転子106の極数Pとが、S>Pの関係を満足する集中巻モータであり、例えばブラシレスDCモータからなる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機の回転軸に固定された回転子を示す概略縦断面図である。図5は、図4の各段の回転子構成体の概略断面をまとめた図である。図5において(a)は図4のA−A断面、(b)は図4のB−B断面、(c)は図4のC−C断面である。また、図5については、わかりやすさの為、回転子コア31、永久磁石33以外の構成部品については図示していない。
回転子106は、3つの回転子構成体106a、回転子構成体106bおよび回転子構成体106cが軸方向に並んだ3段スキュー構造となっている。回転子構成体106aは、回転子コア31aと永久磁石33aとを備えている。回転子構成体106bは、回転子コア31bと永久磁石33bとを備えている。回転子構成体106cは、回転子コア31cと永久磁石33cとを備えている。
回転子構成体106aと、回転子構成体106bと、回転子構成体106cとは互いに回転角度方向にずれた位置に配置されている。この角度をスキュー角θという。回転子構成体106aの位置を基準の0゜とし、回転子構成体106bのスキュー角θをスキュー角θ1、回転子構成体106cのスキュー角θをスキュー角θ2という。また、最上段の回転子構成体106aと最下段の回転子構成体106cとの間の回転子全体のスキュー角をスキュー角θskewという。図4および図5には、回転子構成体106bのスキュー角θ1を10°、回転子構成体106cのスキュー角θ2を20°とし、スキュー角θskewを20゜とした構成例を示している。
そして、本実施の形態1の特徴として、スキューに伴う誘起電圧の低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減を行えるスキュー角θskewの範囲を以下の(1)の範囲に定義したことにある。
θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)
・・・(1)
ここで、
θs:360°/(SとPとの最小公倍数)
θp_MAX:360°/(2×P)
また、各回転子構成体は同じ設計で軸方向の長さも同じとなっており、上下に隣接する回転子構成体間の各スキュー角θは、段数がNのとき、以下の(2)式で表される。
θ=θskew/(N−1) ・・・(2)
なお、スキュー角θは上記(2)式で得られた角度となるが、誤差の範囲は含むものとする。
次に、上記(1)の範囲にスキュー角θskewを設定する根拠について説明する。ここでは、図4に示した3段のスキュー構造を例に、その根拠について説明する。なお、スキュー構造の段数は3段に限られたものではなく、3段以上の複数段並んだ多段スキュー構造としてもよい。
スキュー角θskewの範囲は、スキュー角θskewによって変化するモータ特性を考慮して設定される。モータ特性には、コギングトルク、誘起電圧の高調波成分および誘起電圧がある。
ここでは、永久磁石型モータ104の一例として、固定子105のスロット数S=9、回転子106を極数P=6とする永久磁石型モータ104を用いる。この6極9スロットの集中巻きの永久磁石型モータ104を例に、スキュー角θskewに応じた、モータ特性の変化について次の図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石型モータにおけるスキュー角θskewごとのモータ特性の変化を示す特性図である。図6において横軸はスキュー角θskewを示している。縦軸はスキュー角θskewが0゜の場合のモータ特性を基準の100%とし、スキュー角θskewを増加させていった場合の各モータ特性の変化率を示している。なお、ここでのスキュー段数は3段であり、6極9スロットの集中巻きモータの場合を示している。図6において、各モータ特性として、(a)コギングトルク、(b)誘起電圧の高周波成分および(c)誘起電圧を示している。なお、図6において、比較のため、2段時のコギングトルク、誘起電圧の高周波成分、誘起電圧の変化率も示している。
6極9スロットの構成では、図6(a)に示すように、コギングトルクが、スキュー角30°付近で減少から増加に転じている。その理由としては、以下が考えられる。すなわち、6極の構成であるため、回転子106に埋設される永久磁石33は、周方向に60°ピッチで配置されている。このため、その半分である30°超のスキュー角θskewを付与した場合には、隣に配置されている逆の極の永久磁石33と周方向で半分超、重なる。よって、コギングトルク低減の効果が失われ、ただ誘起電圧を低下させるだけになっているためと考えられる。よって、隣に配置されている逆の極の永久磁石33と周方向で重なる範囲が、永久磁石33の周方向の配置ピッチの半分以下となるようにスキュー角θskewを設定することが好適である。
以上より、モータ性能に関わる誘起電圧を低下させずに、コギングトルクを低減して振動および騒音を改善するには、スキュー角θskewを「360°/(2×P)」以下とすることが好適である。なお、スキュー角θskewのうち、「コギングトルクを低減して振動および騒音を改善するためのスキュー角θskew」について、以下では「スキュー角θp」という。スキュー角θpは、「360°/(2×P)」以下が好ましいため、言い換えれば、スキュー角θpの好適な最大値θp_MAXは、「360°/(2×P)」となる。ここでは極数P=6であるため、スキュー角θp_MAX30゜が30゜となる。
また、誘起電圧の高調波成分は、図6(b)に示したように下に凸の特性となり、その特性の変曲点を最適値とした特性を持っており、6極9スロットの例では、スキュー角20°付近が最適値である。よって、スキュー角θskewを20°付近に設定すると、誘起電圧の高調波成分を低減できて、振動および騒音の低減に効果的である。ところで、従来、コギングトルク低減を目的としたスキュー角の最適値には、「360°/(SとPとの最小公倍数)」を用いている。ここでは、スロット数Sが9、極数Pが6であり、SとPとの最小公倍数は18であり、最適値は20゜となる。このため、誘起電圧の高調波成分による振動および騒音を改善するには、スキュー角θskewを「360°/(SとPとの最小公倍数)」とすることが好適である。なお、スキュー角θskewのうち、「誘起電圧の高調波成分による振動および騒音を改善するためのスキュー角θskew」について、以下では「スキュー角θs」という。
よって、スキュー角θpとスキュー角θsとが重なる範囲に、スキュー角θskewを設定することで、誘起電圧を無駄に低下させることなく、コギングトルクおよび誘起電圧の高調波成分を低減可能な構成とすることが可能となる。
ここで、誘起電圧の高調波成分は上述したように下に凸の特性となることから、スキュー角θsを中心として幅を持たせた範囲において、誘起電圧の高調波成分の低減が可能である。ここで、本実施の形態1の永久磁石型モータ104はS>Pの関係を満足することから、スキュー角θp_MAX>スキュー角θsとなる。よって、スキュー角θsを中心とした範囲を設定するにあたり、最大値側は、θp_MAXとθsとの差分を、中心となるθsに加算した値を用いて「θs+(θp_MAX−θs)」に設定できる。一方、最小値側は、そして、スキュー角θs=20゜を中心とした範囲のうち、最小値側は、θp_MAXとθsとの差分を、中心となるθsから減算した「θs−(θp_MAX−θs)」に設定できる。
以上を整理すると、誘起電圧を無駄に低下させることなく、コギングトルクおよび誘起電圧の高調波成分を低減できるスキュー角θskewの範囲は、上記(1)の範囲となる。6極9スロットの例では、θs=20゜、θp_MAX=30゜であるため、
20゜−(30゜−20゜)<θskew≦20゜+(30゜−20゜)
であり、
10゜<θskew≦30゜となる。
よって、図5において、スキュー角θ1=10゜、スキュー角θ2=20゜とすることで、誘起電圧を無駄に低下させることなく、コギングトルクおよび誘起電圧の高調波成分を低減できる、3段スキュー構造の永久磁石型モータ104を得ることができる。
なお、スキュー角θskewの範囲を設定するにあたり、上記ではスキュー角θsの最適値である「360°/(SとPとの最小公倍数)」を中心として幅を持たせた範囲としたが、以下の(3)の範囲としてもよい。
360°/(SとPとの最小公倍数)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)
・・・(3)
つまり、スキュー角θskewの範囲の下限側には幅を持たせず、スキュー角θsの最適値である「360°/(SとPとの最小公倍数)」そのものを下限値としてもよい。上記(3)の範囲は、6極9スロットの例では、20゜<θskew≦30゜となる。
次に、回転子106の軸方向の段数つまりスキューの効果的な段数について説明する。
図7は、ある任意のスキュー角において、段数Nを2、3と増やした場合のモータ特性の変化を示す特性図である。図7において横軸はスキュー段数である。縦軸はスキュー段数が1の場合を基準の100%とし、スキュー段数を増加させていった場合の各モータ特性の変化率である。図7において、各モータ特性としては、(a)コギングトルク、(b)誘起電圧の高周波成分および(c)誘起電圧を示している。
図7に示すように、段数N=2で最もコギングトルクの低減効果が得られ、以降は段数Nを増やすことでコギングトルクは増加し、コギングトルクの低減効果が減少していくことがわかる。逆に誘起電圧の高調波成分は、段数2で若干増加し、以降は低減効果が増加していくことがわかる。また、誘起電圧については段数2では、段数1の場合からほぼ半減してしまうことがわかり、段数Nを増やすほど低下を抑制できていることがわかる。
以上から、モータ性能に関連が深い誘起電圧の低下を抑制しながら、コギングトルク、誘起電圧の高調波成分の低減効果を得るための段数Nとしては、N≧3であることが、構成例としては望ましい。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、上記(1)の範囲にスキュー角skewを設定することで、誘起電圧の低下を抑制しながら、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減効果を得ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2は、スキュー構造の回転子の製造方法に関する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る永久磁石型モータの回転子における、各段の永久磁石とリベット挿通孔との位置関係、およびリベット挿通孔の形状を示した横断面図である。図9は、比較例として従来のスキュー回転子における、各段の永久磁石とリベット挿通孔との位置関係、およびリベット挿通孔の形状を示した横断面図である。
以下、図8および図9を対比しながら、スキュー構造の回転子を構成、製造する上で好適なリベット挿通孔37の形状、配置について説明する。図8および図9には、リベットを4本用いて締結する構成例を示している。
図9に示す比較例の多段スキュー回転子の場合には、回転子コア310を構成する各段の回転子コア310a、310bおよび310cのそれぞれにおいて、リベット360が挿入されるリベット挿通孔370の位置は、位置370a、370bおよび370cで示す位置である。すなわち、各段のリベット挿通孔370の位置は、永久磁石33との位置関係で互いに異なっており、故に、各段の回転子コアの形状は段毎に異なる構成となる。よって、比較例の多段スキュー回転子では、形状の異なる段数N分の回転子コアを用意しなければならなかった。その結果、リベット挿通孔370の位置が異なる複数のコア形状を打ち抜くために、段数Nと同数のコアプレス型、または、複数種類を選択プレス可能な制御機構を持ったコアプレス型を準備しなければならず、コストアップに繋がっていた。
本実施の形態2では、図8に示すように、リベット挿通孔37を、回転軸107を中心とした周方向に沿った長穴形状としている。さらに言えば、リベット36と同径の円を、回転軸107を中心とした周方向に移動して形成される軌跡の外形形状より僅かに大きい形状としている。リベット挿通孔37を上記の長穴形状とすることで、各段において回転子コア31を個別の形状にする必要がなく、共通の1つの形状とすることができる。理由については後述する。
そして、本実施の形態2では、リベット挿通孔37の角度幅θrを、以下の(4)の範囲としている。なお、図9では、実施の形態1で例に挙げたスキュー角θs=20°とリベット挿通孔37の角度幅θrとを同値とした場合を図示している。
θskew≦θr≦θp_MAX=360°/(2×P) ・・・(4)
回転子106を回転軸107に固定する際には、回転軸107に対する回転子コア31の径方向のズレが問題となる。しかし、リベット挿通孔37を上記ように径方向の移動幅が小さい形状とすることで、回転子コア31の径方向のズレを抑制しながら、回転子106を周方向に移動させて任意のスキュー角に設定することが可能となる。
次に、回転子106の組立方法について説明する。
まず、複数の電磁鋼板を積層して回転子コア31を形成する。そして、回転子コア31の磁石挿入孔32に永久磁石33を配置する。次に、回転子コア31のリベット挿通孔37にリベット36を通す。その後、回転子コア31において任意の積厚をスキュー角θ分だけ周方向にずらす。ここで、複数の電磁鋼板を積層して回転子コア31を形成する際には、最終的に回転子コア31a、回転子コア31bおよび回転子コア31cとして区別される、それぞれの任意の積厚毎に、軸方向にVカシメ等で一体化しておくことが望ましい。そして、それぞれ一体化された各段の回転子コアを積層すればよい。
次に、積層された各回転子コア31a、回転子コア31bおよび回転子コア31cを、それぞれに求められるスキュー角θ分だけ周方向にずらす。ここで、スキュー角θだけずらす方法としては、いずれかの段の回転子コア31を基準に、他の段の回転子コア31を周方向に移動させればよい。
ここでは、上段の回転子コア31aを基準に、中段の回転子コア31bおよび下段の回転子コア31cを周方向に移動させるものとする。この場合、上段の回転子コア31aの位置を固定したまま、中段の回転子コア31bを永久磁石33bと共に周方向に移動させる。この際、リベット挿通孔37を上記の長穴形状としており、リベット36がリベット挿通孔37内をスライドすることで、回転子コア31bを移動させることができる。同様にして、下段の回転子コア31cを永久磁石33cと共に周方向に移動させる。
各回転子コアに対するスキュー角θの付与に際しては、各段の回転子コア31ごとに外径部を把持し、いずれかの段の回転子コア31を基準に、他の段の回転子コア31を周方向に移動させればよく、比較的簡易な装置で実現可能である。
以上のようにして回転子コア31bおよび回転子コア31cのそれぞれにスキューを施した後、リベット36をカシメ締結することで、スキュー構造の回転子106が形成される。
ここで、リベット36単独の軸方向の締結力は、運転中に回転子コア31にかかる回転方向の力に対しては弱く、スキュー角θを保持するに足りるものではない。しかし、回転子コア31にかかる回転方向の力に対しては、回転軸107に回転子106を固定する際の隙間嵌めおよび焼嵌めによる固着力によって、スキュー角θの保持を成立させている。したがって、リベット36での締結力は、回転軸107に回転子106を固定するまでの間、スキュー角θを保持できるだけの強度を保っていれば良いことから、本構成の実施にあたっては特段のリベット36の締結力の向上は必要としない。
なお、上記のようにスキューを施した後に、リベット36をカシメ締結してもよいが、リベット36の軸方向の締結力が弱いことを利用して、リベット36をカシメ締結した後に、スキューを施すことで、スキュー構造の回転子106を形成してもよい。
さらに、回転子コア31内に配置される永久磁石33が磁力を帯びていない、いわゆる未着磁であった場合に限定されるが、以下のようにしてもよい。すなわち、リベット36をカシメ締結した後に、回転子コア31内に配置した永久磁石33に着磁ヨーク等により磁力を付与する、いわゆる着磁を実施し、その後にスキューを施してもよい。こうすることで、スキュー回転子の着磁および永久磁石33の磁石挿入孔32への配置を簡易に達成できるというメリットが得られる。
なお、上記の組立方法において、各段の回転子コア31a、回転子コア31bおよび回転子コア31cの積厚を互いに同じ厚みの構成としておくことで、以下の効果がある。すなわち、組立時に積層順序を気にする必要がなく、誤った組立を防止できる。また、各段の回転子コア31内に埋設する永久磁石33を全て同形状とすることができるため、部品の共通化によるコストメリットが得られ、また、異なる部品の管理コストの削減という面でもメリットを得ることができる。
次に、各段の回転子コア31bおよび回転子コア31cを、それぞれに求められるスキュー角θ1およびスキュー角θ2分だけ周方向にずらす工程で想定される問題点とその解決策について例を挙げておく。
図10は、本発明の実施の形態2に係る密閉型スクロール圧縮機における、スキュー角を付ける前の回転子の縦断面図で、図8のD−D断面である。図11は、従来の永久磁石型モータにおける、回転子の、スキュー角を付ける前の回転子の縦断面図で、図9のD−D断面である。
リベット締結時、回転子コア31が軸方向に収縮する。このため、回転子コア31内に埋設されている永久磁石33が軸方向に圧縮され、ワレまたはカケを発生させることがある。これを懸念して、従来より、図11に示すように、永久磁石33を段数分、重ねた状態の軸方向の寸法h1を、回転子コア31の軸方向の寸法(以下、積厚という)h2に対して短く設定する構成が知られている。この構成の場合、上段の回転子コア31aの永久磁石33aの下端部が、中段の回転子コア31bに入り込む。また、中段の回転子コア31bの永久磁石33bの下端部が、下段の回転子コア31cに入り込む。このように、各永久磁石33の一部が、本来入り込むべき回転子コア31とは異なる回転子コア31に入り込んだ状態となる。このような状態でスキューを施すと、永久磁石33が回転子コア31内で周方向に押圧され、ワレまたはカケが発生する課題がある。
具体的には例えば、回転子コア31bをスキュー角θ、ずらす際、領域Dにおいて永久磁石33aにワレまたはカケが発生し、領域Eにおいて永久磁石33bにワレまたはカケが発生する可能性がある。
これに対して、本実施の形態2では、このような永久磁石33の破損防止を目的とした製造方法について以下に説明する。
本実施の形態2では、図10に示すように、永久磁石33の外周縁部に面取り50を設けることで、永久磁石33の回転子コア31への引かかりを簡易に回避可能としている。
ここで、中段の回転子構成体106bを図10の矢印に示すように周方向に移動する場合について考える。中段の回転子構成体106bの回転子コア31bが周方向に移動すると、中段の永久磁石33bの面取り50部分が、下段の回転子コア31cに接触することで永久磁石33bが磁石挿入孔32内で軸方向上側に押し上げられる。永久磁石33bの軸方向上側への押し上げに伴い、永久磁石33aも同様に押し上げられる。これにより、永久磁石33bが回転子コア31b内に位置し、また、永久磁石33aが回転子コア31a内に位置した状態となる。これにより、領域Dおよび領域Eにおける永久磁石33aおよび永久磁石33bの破損を招くこと無く、回転子構成体106bを周方向に移動させてスキュー角θを付与することができる。
ここで、各永久磁石33のそれぞれの外周縁部のうち、面取り50を行う箇所は、少なくとも以下の位置であればよい。すなわち、各永久磁石33のそれぞれにおいて、移動方向の先端面51および後端面52のそれぞれの軸方向の両端部に設けられていればよい。
また、面取りの寸法Cは、例えば以下の様にすればよい。段数がNであり、各段の回転子コア31と各段の永久磁石33との軸方向の寸法差がΔ(図10参照)であるとする。このとき、最上段の永久磁石33aがその一段下の回転子コア31bに入り込む軸方向の寸法は、N/(N−1)×Δである。よって、面取りの寸法Cを、C≧N/(N−1)×Δとすればよい。面取りの寸法Cが上記寸法範囲を確保していれば、面取り形状は角でも丸でもよい。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、リベット挿通孔37を周方向に延びる長穴とすることで、各段ごとに任意のスキュー角θに合わせた個々の位置にリベット挿通孔37を設ける必要をなくすことができる。よって、スキュー構造に必要なコア形状を各段で共通にすることができ、複数の金型、もしくは複数のコア形状が打ち抜き可能な複雑なプレス金型を不要とし、プレスに係る費用を抑制できるという効果が得られる。
なお、リベット挿通孔37の形状は、図8に示した形状に限られず、次の図12に示す形状としてもよい。
図12は、本発明の実施の形態2に係る永久磁石型モータにおける回転子コアに設けたリベット挿通孔の変形例を示す図である。
図12のリベット挿通孔37は、リベット36と同径の円を、各段の回転子構成体のスキュー角θずつ周方向にずらして配置して得られる形状の外形を滑らかに繋いだ形状を有する。このようにリベット挿通孔37が、ここでは3つの円の輪郭を有する形状とすることで、リベット挿通孔37が位置決め孔として作用し、各段の回転子コア31を、スキュー角分、精度よくずらすことができる。
また、リベット挿通孔37を上記長穴形状としておけば、回転子コア31にリベット36を通す時点で、リベット挿通孔37における各円の輪郭部分をガイドに、所定のスキュー角θ分ずらした状態で積層を実施することが可能となる。これにより円の輪郭部分が無い長穴形状とした場合に必要であった、回転子コア31を積層後にスキュー角θ分、ずらすための装置を不要とすることもできる。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態2では、回転子106の6箇所に平板状の永久磁石33を設置する六方平板配置の構成としたが、これは説明のし易さから選択したものであり、この設置に限られない。他に例えば、回転子106における磁石の配置構成は、磁極の数に応じて八方平板配置または四方バスタブ配置等、適宜決定すればよい。またこれは固定子105についても同様に、スロット数等は磁極の数に応じて適宜決定すればよい。しかしこれらのいずれの配置においても、本発明が提供するスキュー角θの最適範囲を適用できる。
なお、スキューにより得られる効果は、回転子106内に埋設される永久磁石33同士の周方向の距離、または、永久磁石33の径方向の位置によって当然異なる。このため、本発明にて提供するスキュー角θskewの最適範囲内のいずれにスキュー角θskewを設定するかは、以下を考慮して設定される必要があることは言うまでもない。すなわち、段数を含め許容可能な性能低下と、永久磁石型モータ104が搭載される機器に求められる振動および騒音の改善率とを考慮して設定される。許容可能な性能低下については誘起電圧の低下を解析または実機検証によって確認すればよい。また、振動および騒音の改善率については、コギングトルクと誘起電圧の高調波性成分とのそれぞれの低減率を解析または実機検証によって確認すればよい。そして、これらの確認結果を用いて、適切なスキュー角θskewを導出すればよい。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態2では、固定子スロット数S=9、回転子極数P=6であり、S:P=3:2の構成としたが、これに限るものではない。S>Pの関係を満足していればよく、例えば、S=12、P=10といった、S:P=3:2以外の構成であっても良い。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態2では、リベット36を4本用いて締結する構成を図示して説明したが、これに限るものではない。リベット36を2本もしくは3本、または5本以上の構成としても良い。
上記の実施の形態2では、バランスウェイト35がない図を用いて製造方法を説明したが、これに限るものではない。バランスウェイト35をリベット36で回転子コアおよび端板34と共に締結する構成とする場合は、バランスウェイト35のリベット挿通孔37についても同様の長穴形状とすればよい。端板34およびバランスウェイト35のリベット挿通孔37については、リベット36との軸方向の締結力が確保可能な接触面積である座面を取れることを前提に次のようにしても良い。すなわち、端板34およびバランスウェイト35のリベット挿通孔37を、回転子コア31のリベット挿通孔37よりも大きな長穴、もしくは回転子コア31の長穴全体が収まる丸孔としても良い。また、バランスウェイト35および端板34のいずれか一方だけ、上記の構成をとっても良い。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態2では、スクロール型の圧縮機構部を備えた密閉型スクロール圧縮機を例に本発明を説明したが、本発明の永久磁石型モータが用いられる密閉型圧縮機の圧縮機構部は、スクロール型に限定されない。他に例えば、ロータリー型、ベーン型またはスクリュー型等、種々の圧縮機構部を用いた密閉型圧縮機にも本発明の永久磁石型モータを搭載しても、勿論よい。
また、本発明の永久磁石型モータを備えた圧縮機は、特に、空気調和機、冷蔵庫および冷凍庫等の圧縮に適用できる。
31 回転子コア、31a 回転子コア、31b 回転子コア、31c 回転子コア、32 磁石挿入孔、33 永久磁石、33a 永久磁石、33b 永久磁石、33c 永久磁石、34 端板、35 バランスウェイト、36 リベット、37 リベット挿通孔、41 ティース、42 スロット、43 コイル、50 面取り、51 先端面、52 後端面、100 密閉型スクロール圧縮機、101 圧縮機構部、102 固定スクロール、103 揺動スクロール、104 永久磁石型モータ、105 固定子、105a 固定子鉄心、106 回転子、106a 回転子構成体、106b 回転子構成体、106c 回転子構成体、107 回転軸、107a 給油路、108 密閉容器、109 吸入配管、110 吐出配管、111 密封端子、112 油ポンプ、113 リード線、310 回転子コア、310a 回転子コア、310b 回転子コア、360 リベット、370 リベット挿通孔。
本発明は、回転子に永久磁石が設けられた永久磁石型モータの製造方法に関する。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、スキューに伴う誘起電圧の低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減が可能な永久磁石型モータの製造方法、また、製造時の永久磁石の破損を防止可能な永久磁石型モータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る永久磁石型モータの製造方法は、複数の電磁鋼板が積層された回転子コアと、回転子コアに配置され、磁極を構成する複数の永久磁石とを備えた回転子構成体が軸方向に複数段並び、各段の回転子構成体が周方向にずらして配置されたスキュー構造の回転子を備えた永久磁石型モータの製造方法であって、複数の電磁鋼板を積層して回転子コアを形成する工程と、回転子コアに形成された磁石挿入孔に永久磁石を配置する工程と、磁石挿入孔に挿入された永久磁石に磁力を付与する着磁工程と、回転子コアに形成されたリベット挿通孔にリベットを通し、着磁工程を実行した後に、各段のスキューを施して各段の回転子構成体を形成する工程と、リベットでカシメて締結する工程とを備え、最上段の回転子構成体と最下段の回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_MAXを360°/(2×P)としたとき、θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)の関係を満足するものである。
また、本発明に係る永久磁石型モータの製造方法は、複数の電磁鋼板が積層された回転子コアと、回転子コアに配置され、磁極を構成する複数の永久磁石とを備えた回転子構成体が軸方向に複数段並び、各段の回転子構成体が周方向にずらして配置されたスキュー構造の回転子を備えた永久磁石型モータの製造方法であって、複数の電磁鋼板を積層して回転子コアを形成する工程と、回転子コアに形成された磁石挿入孔に永久磁石を配置する工程と、回転子コアに形成されたリベット挿通孔にリベットを通し、各段のスキューを施して各段の回転子構成体を形成する工程と、リベットでカシメて締結する工程とを備え、最上段の回転子構成体と最下段の回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_ MAX を360°/(2×P)としたとき、θs−(θp_ MAX −θs)<θskew≦θs+(θp_ MAX −θs)の関係を満足し、永久磁石を複数段、並べた状態の軸方向の寸法は、リベットで締結する前の回転子コアの軸方向の寸法よりも短く設定されており、回転子コアに永久磁石を配置した状態で、各段の永久磁石の一部が、隣接する他の段の回転子コアに入り込んだ状態となっており、永久磁石は、周方向の先端面および後端面のそれぞれにおいて軸方向の両端部が面取りされており、回転子構成体にスキューを施すにあたって回転子コアを周方向に移動する際に、永久磁石の面取り部分が、隣接する段の回転子コアに接触することで永久磁石が磁石挿入孔内を軸方向に移動しながら周方向に送られ、回転子構成体が周方向に移動するものである。
本発明の永久磁石型モータの製造方法によれば、スキュー角θskewを適正な範囲に設定することで、スキューに伴う誘起電圧の低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減および誘起電圧の高調波成分の低減が可能な永久磁石型モータを得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、永久磁石の周方向の先端面および後端面のそれぞれにおいて軸方向の両端部が面取りされている。このため、回転子コアが周方向に移動する際に、永久磁石の面取り部分が、隣接する段の回転子コアに接触することで永久磁石が磁石挿入孔内を軸方向に移動しながら周方向に送られ、回転子構成体が周方向に移動するので、永久磁石の破損を防止することが可能である。

Claims (19)

  1. 磁極を構成する複数の永久磁石を有する回転子と、
    前記回転子の回転軸と、
    前記回転子の外周側に配置された固定子とを備え、
    前記固定子に形成されたスロットの数Sと前記回転子の極数Pとが、S>Pを満足しており、
    前記回転子は、前記回転軸の軸方向に並んだ各段の回転子構成体が周方向にずれて配置された多段スキュー構造を有し、最上段の前記回転子構成体と最下段の前記回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_MAXを360°/(2×P)としたとき、
    θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)
    の関係を満足する永久磁石型モータ。
  2. 前記スキュー角θskewが、
    360°/(SとPとの最小公倍数)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)
    の関係を満足する請求項1記載の永久磁石型モータ。
  3. 前記各段の前記回転子構成体のスキュー角θは、段数をNとしたとき
    θ=θskew/(N−1)である
    請求項1または請求項2記載の永久磁石型モータ。
  4. 前記各段の段数は3段以上である
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の永久磁石型モータ。
  5. 各段の前記回転子構成体のそれぞれの軸方向の厚みが同じである
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の永久磁石型モータ。
  6. 前記回転子に形成されたリベット挿通孔に挿通され、前記回転子を軸方向に締結したリベットを更に備え、
    前記リベット挿通孔は、前記回転子の回転軸を中心とした周方向に沿う長穴形状である
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の永久磁石型モータ。
  7. 前記永久磁石はネオジム磁石である
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の永久磁石型モータ。
  8. 前記固定子は、導体線を集中巻に巻いて構成されたコイルを有する
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の永久磁石型モータ。
  9. 複数の電磁鋼板が積層された回転子コアと、前記回転子コアに配置され、磁極を構成する複数の永久磁石とを備えた回転子構成体が軸方向に複数段並び、各段の前記回転子構成体が周方向にずらして配置されたスキュー構造の回転子を備えた永久磁石型モータの製造方法であって、
    前記複数の電磁鋼板を積層して前記回転子コアを形成する工程と、
    前記回転子コアに形成された磁石挿入孔に前記永久磁石を配置する工程と、
    前記回転子コアに形成されたリベット挿通孔にリベットを通し、前記各段のスキューを施して各段の前記回転子構成体を形成する工程と、
    前記リベットでカシメて締結する工程とを備え、
    最上段の前記回転子構成体と最下段の前記回転子構成体との間のスキュー角θskewが、θsを360°/(SとPとの最小公倍数)、θp_MAXを360°/(2×P)としたとき、
    θs−(θp_MAX−θs)<θskew≦θs+(θp_MAX−θs)
    の関係を満足する
    永久磁石型モータの製造方法。
  10. 前記リベット挿通孔は、前記回転子の回転軸を中心とした周方向に沿う長穴形状である請求項9記載の永久磁石型モータの製造方法。
  11. 複数の電磁鋼板が積層された回転子コアと、前記回転子コアに配置され、磁極を構成する複数の永久磁石とを備えた回転子構成体が軸方向に複数段並び、各段の前記回転子構成体が周方向にずらして配置されたスキュー構造の回転子を備えた永久磁石型モータの製造方法であって、
    前記複数の電磁鋼板を積層して前記回転子コアを形成する工程と、
    前記回転子コアに形成された磁石挿入孔に前記永久磁石を配置する工程と、
    前記回転子コアに形成されたリベット挿通孔にリベットを通し、前記各段のスキューを施して各段の前記回転子構成体を形成する工程と、
    前記リベットでカシメて締結する工程とを備え、
    前記リベット挿通孔は、前記回転子の回転軸を中心とした周方向に沿う長穴形状である永久磁石型モータの製造方法。
  12. 前記リベット挿通孔の前記長穴形状が、前記リベットと同径の円を前記周方向に移動させて形成される軌跡の外形形状より僅かに大きい形状を有する
    請求項10または請求項11記載の永久磁石型モータの製造方法。
  13. 前記リベット挿通孔の前記長穴形状が、前記リベットと同径の円を、各段の前記回転子構成体のスキュー角ずつ前記周方向にずらして配置して得られる形状の外形を繋いだ形状を有する請求項10または請求項11記載の永久磁石型モータの製造方法。
  14. 前記回転軸を中心とした前記リベット挿通孔の角度幅θrが、
    θskew≦θr≦360°/(2×P)
    の関係を満足する請求項10〜請求項13のいずれか一項に記載の永久磁石型モータの製造方法。
  15. 前記磁石挿入孔に挿入された前記永久磁石に磁力を付与する着磁工程を備え、
    前記着磁工程を実行した後に、前記各段のスキューを施して各段の前記回転子構成体を形成する工程を実行する請求項9〜請求項14のいずれか一項に記載の永久磁石型モータの製造方法。
  16. 前記永久磁石を複数段、並べた状態の前記軸方向の寸法は、前記リベットで締結する前の前記回転子コアの前記軸方向の寸法よりも短く設定されており、前記回転子コアに前記永久磁石を配置した状態で、前記各段の前記永久磁石の一部が、隣接する他の段の前記回転子コアに入り込んだ状態となっており、
    前記永久磁石は、前記周方向の先端面および後端面のそれぞれにおいて前記軸方向の両端部が面取りされており、前記回転子構成体にスキューを施すにあたって前記回転子コアを前記周方向に移動する際に、前記永久磁石の前記面取り部分が、隣接する段の前記回転子コアに接触することで前記永久磁石が前記磁石挿入孔内を前記軸方向に移動しながら前記周方向に送られ、前記回転子構成体が前記周方向に移動する請求項9〜請求項15のいずれか一項に記載の永久磁石型モータの製造方法。
  17. 前記面取りの寸法Cは、段数がN、各段の前記回転子構成体と前記各段の前記永久磁石との前記軸方向の寸法差がΔであるとき、
    C≧N/(N−1)×Δ
    である
    請求項16記載の永久磁石型モータの製造方法。
  18. 各段の前記回転子コアのそれぞれは、前記複数の電磁鋼板を積層して前記回転子コアを形成する工程の前に、前記軸方向に一体に形成されている
    請求項9〜請求項17のいずれか一項に記載の永久磁石型モータの製造方法。
  19. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の永久磁石型モータと、
    前記永久磁石型モータに前記回転軸を介して接続され、前記回転軸を介して伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    を備えた圧縮機。
JP2019547865A 2017-10-12 2017-10-12 永久磁石型モータの製造方法 Active JP6854910B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/037028 WO2019073579A1 (ja) 2017-10-12 2017-10-12 永久磁石型モータ、永久磁石型モータの製造方法および圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019073579A1 true JPWO2019073579A1 (ja) 2020-04-02
JP6854910B2 JP6854910B2 (ja) 2021-04-07

Family

ID=66100551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019547865A Active JP6854910B2 (ja) 2017-10-12 2017-10-12 永久磁石型モータの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6854910B2 (ja)
WO (1) WO2019073579A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021127531A1 (de) 2021-10-22 2023-04-27 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Rotor und elektrische Rotationsmaschine

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002315285A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Sawafuji Electric Co Ltd ブラシレスオルタネータ
JP2010207090A (ja) * 2010-06-21 2010-09-16 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石埋込型モータの回転子
WO2015140956A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 堺ディスプレイプロダクト株式会社 表示装置及び3次元画像表示システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4212983B2 (ja) * 2003-08-07 2009-01-21 三菱電機株式会社 回転電機
WO2015104956A1 (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 三菱電機株式会社 回転電機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002315285A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Sawafuji Electric Co Ltd ブラシレスオルタネータ
JP2010207090A (ja) * 2010-06-21 2010-09-16 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石埋込型モータの回転子
WO2015140956A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 堺ディスプレイプロダクト株式会社 表示装置及び3次元画像表示システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6854910B2 (ja) 2021-04-07
WO2019073579A1 (ja) 2019-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6533558B1 (en) Closed rotary compressor
US8659195B2 (en) Motor rotor and compressor provided with the same
US11437877B2 (en) Rotor, motor, compressor, and air conditioner
JP5478461B2 (ja) 電動機及び圧縮機
US7772736B2 (en) Permanent magnet synchronous motor, rotor of the same, and compressor using the same
US20160285330A1 (en) Magnet-embedded motor and compressor having magnet-embedded motor
US10797540B2 (en) Stator, motor, compressor, and refrigeration air conditioner
WO2010016583A1 (ja) ステータ、モータおよび圧縮機
KR20180136524A (ko) 컨시퀀트폴형의 회전자, 전동기 및 공기 조화기
CN109155550A (zh) 转子、电动机、压缩机、空气调节机及电动机的制造方法
JP2012196034A (ja) 電動圧縮機用リラクタンスモータ
JP6854910B2 (ja) 永久磁石型モータの製造方法
WO2016076103A1 (ja) モータロータおよびそれを用いたモータ並びに電動圧縮機
JP2001078375A (ja) 圧縮機
WO2018011850A1 (ja) ロータ、電動機、送風機、圧縮機および空気調和装置
JP6714907B2 (ja) 回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法
JP4253574B2 (ja) 永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機
WO2016068119A1 (ja) モータロータおよびそれを用いたモータ並びに電動圧縮機
JP6261672B2 (ja) ネオジウム永久磁石型モータ、及び、該ネオジウム永久磁石型モータを備えた密閉型圧縮機
CN112398248B (zh) 用于制冷剂压缩机的内部永磁体转子
KR102172260B1 (ko) 구동 모터 및 이를 구비하는 압축기
EP3315774A1 (en) Hermetic electric compressor
KR20050107122A (ko) 밀폐형 압축기
WO2018163370A1 (ja) 回転電機、圧縮機および冷凍サイクル装置
JP6080554B2 (ja) ネオジウム永久磁石型モータ、及び、該ネオジウム永久磁石型モータを備えた密閉型圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6854910

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250