JPWO2019044526A1 - 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Abstract

電池は、正極リードを有する帯状の正極と、負極リードを有する帯状の負極とを備え、前記正極および前記負極は、前記正極および前記負極の長手方向の第1端が内周側となり、前記長手方向の第2端が外周側となるように扁平状に巻回されており、前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極および前記負極の幅方向の第1端の側から出され、前記幅方向の第1端側における前記正極の厚みが、前記幅方向の第2端側における前記正極の厚みよりも薄い。【選択図】図2

Description

本開示は、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
近年、携帯電話機および携帯情報端末機器(PDA)等の多様な電子機器が広く普及しており、その電子機器のさらなる小型化、軽量化および長寿命化が要望されている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
電池の構成としては、巻回型のものが広く用いられている。巻回型電池においては、一般的に正極、負極にそれぞれ正極リード、負極リードが設けられている。例えば特許文献1では、正極、負極それぞれの最内周に正極リード、負極リードが設けられた電池が開示されている。
特開2003−51339号公報
しかしながら、正極、負極にそれぞれ正極リード、負極リードが設けられた巻回型電池では、サイクル特性が低下する虞がある。
本開示の目的は、サイクル特性の低下を抑制できる電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本開示の電池は、正極リードを有する帯状の正極と、負極リードを有する帯状の負極とを備え、正極および負極は、正極および負極の長手方向の第1端が内周側となり、長手方向の第2端が外周側となるように扁平状に巻回されており、正極リードおよび負極リードは、正極および負極の幅方向の第1端の側から出され、幅方向の第1端側における正極の厚みが、幅方向の第2端側における正極の厚みよりも薄い。
本開示の電池パックは、上述の電池と、電池を制御する制御部とを備える。
本開示の電子機器は、上述の電池を備え、電池から電力の供給を受ける。
本開示の電動車両は、上述の電池と、電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを備える。
本開示の蓄電装置は、上述の電池を備え、電池に接続される電子機器に電力を供給する。
本開示の電力システムは、上述の電池を備え、電池から電力の供給を受ける。
本開示によれば、サイクル特性の低下を抑制できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果またはそれらと異質な効果であってもよい。
本開示の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図3Aは、正極の内側面側の構成の一例を示す平面図である。図3Bは、正極の外側面側の構成の一例を示す平面図である。 図3BのIV−IV線に沿った断面図である。 塗布ヘッドの構成の一例を示す概略図である。 図6Aは、ブレードの先端形状の第1の例を示す概略図である。図6Aは、ブレードの先端形状の第2の例を示す概略図である。 図7Aは、正極の内側面側の構成の一例を示す平面図である。図7Bは、正極の外側面側の構成の一例を示す平面図である。 図7BのVIII−VIII線に沿った断面図である。 ブレードの先端形状の第3の例を示す概略図である。 図10A〜10Eはそれぞれ、正極の変形例を示す断面図である。 応用例としての電子機器の構成の一例を示すブロック図である。 応用例としての車両の構成の一例を示す概略図である。 応用例としての蓄電システムの構成の一例を示す概略図である。
本開示の実施形態および応用例について以下の順序で説明する。
1 一実施形態(ラミネートフィルム型電池の例)
2 応用例1(電池パックおよび電子機器の例)
3 応用例2(車両の例)
4 応用例3(蓄電システムの例)
<1 一実施形態>
[概要]
巻回型電池では、正極、負極リードはそれぞれ独立した厚みを有しており、正極リードまたは負極リード上の部分における電池厚みが最も厚くなることが一般的である。このため、初期充電時等のプレス工程においては、正極リードおよび負極リード上の部分に加わる圧力が、正極リードおよび負極リード上以外の部分に加わる圧力に比べて大きくなる。したがって、正極リードおよび負極リード上の部分ではセパレータの圧縮率が大きくなり、局所的なサイクル劣化が生じやすい。また、上述のように電池厚みは正極リードまたは負極リード上で最も厚くなるため、電池厚みは正極リードまたは負極リード上の厚みで決まることがほとんどである。このため、正極、負極リードがそれぞれ正極、負極に接続された巻回型電池では、電池の体積エネルギー密度が低下する虞がある。
そこで、本発明者らは、上述の問題点を解決すべく鋭意検討行った結果、帯状の正極の幅方向の両端部のうち、正極、負極リードが出された第1端側における正極の厚みが、第2端側における正極の厚みよりも薄い電池を案出するに至った。
[電池の構成]
まず、本開示の一実施形態に係る非水電解質二次電池(以下単に「電池」という。))の構成の一例について説明する。
図1に示すように、電池10は、いわゆるラミネートフィルム型電池であり、正極、負極リード11、12が取り付けられた扁平状の巻回電極体20と、電解液(図示せず)と、これらの巻回電極体20および電解液を内部に収容するフィルム状の外装材30とを備える。電池10をその主面に垂直な方向から平面視すると、電池10は長方形状を有している。
(外装材)
外装材30は、例えば、柔軟性を有するラミネートフィルムからなる。外装材30は、例えば、熱融着樹脂層、金属層、表面保護層を順次積層した構成を有する。なお、熱融着樹脂層側の面が、巻回電極体20を収容する側の面となる。熱融着樹脂層の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が挙げられる。金属層の材料としては、例えばアルミニウムが挙げられる。表面保護層の材料としては、例えばナイロン(Ny)が挙げられる。具体的には例えば、外装材30は、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装材30は、例えば、熱融着樹脂層側と巻回電極体20とが対向するように配設され、各外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。外装材30と正極、負極リード11、12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極、負極リード11、12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレン等の高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。あるいは、アルミニウム製フィルムを心材として、その片面または両面に高分子フィルムを積層したラミネートフィルムを用いてもよい。
また、外装材30としては、外観の美しさの点から、有色層をさらに備えるもの、および/または、熱融着樹脂層および表面保護層のうちから選ばれる少なくとも一種の層に着色材を含むものを用いてもよい。熱融着樹脂層と金属層との間、および表面保護層と金属層との間の少なくとも一方に接着層が設けられている場合には、その接着層が着色材を含むようにしてもよい。
(電極体)
図2に示すように、電池素子としての巻回電極体20は、正極リード11を有する帯状の正極21と、負極リード12を有する帯状の負極22と、正極21および負極22の間に設けられた帯状のセパレータ23とを備えている。正極21、負極22およびセパレータ23は、正極21、負極22およびセパレータ23の長手方向の第1端が内周側となり、長手方向の第2端が外周側となるように扁平状かつ渦巻状に巻回されている。電解質としての電解液が、正極21、負極22およびセパレータ23に含浸されている。負極22が最内周電極となり、正極21が最外周電極となるように巻回され、正極21の最外周端部は、巻止テーブ24により固定されている。但し、正極21が最内周電極となり、負極22が最外周電極となるように巻回されていてもよい。
(正極、負極リード)
正極、負極リード11、12は、長尺状を有している。正極、負極リード11、12は、正極21および負極22の幅方向の第1端の側から出されている。正極、負極リード11、12は、それぞれ、外装材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に出されている。正極、負極リード11、12は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはステンレス等の金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。以下では、正極、負極リード11、12が導出された電池10の短辺側をトップ側、それとは反対の短辺側をボトム側という。また、電池10の長辺側をサイド側という。
以下、巻回電極体20を構成する正極21、負極22およびセパレータ23、ならびに電解液について順次説明する。
(正極)
正極21は、図2に示すように、正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面に設けられた正極活物質層21Bとを備える。正極21の長手方向の第1端側(内周側)には、正極集電体21Aの両面が正極活物質層21Bに覆われずに露出した正極集電体露出部21A1が設けられている。また、正極21の長手方向の第2端側(外周側)には、正極集電体21Aの両面が正極活物質層21Bに覆われずに露出した正極集電体露出部21A2が設けられている。
正極集電体露出部21A1のうち正極21の外側面となる露出部には、正極リード11の長手方向の第1端側が正極集電体露出部21A1の幅方向の第1端側から出されるようにして、正極リード11が接続されている。但し、正極集電体露出部21A1のうち、正極21の内側面となる露出部に正極リード11が接続されていてもよい。ここで、内側、外側とは、巻回された状態にある正極21において内側、外側であることを意味している。
正極集電体露出部21A1および正極活物質層21Bの第1端は保護テープ21Cにより覆われている。なお、正極リード11も正極集電体露出部21A1と共に保護テープ21Cにより覆われている。正極集電体露出部21A2および正極活物質層21Bの第2端は保護テープ21Dにより覆われている。
図3A、3B、4に示すように、正極21の幅方向の第1端側における正極21の厚みが、正極21の幅方向の第2端側における正極21の厚みよりも薄くなっている。正極21の幅方向の第1端側における正極活物質層21Bの厚みが、正極21の幅方向の第2端側における正極活物質層21Bの厚みよりも薄くなっている。より具体的には、正極活物質層21Bは、正極21の幅方向の第2端側に設けられ、正極集電体21Aの表面に対して平行な平坦部21Mと、正極21の幅方向の第1端部側に設けられ、平坦部21Mより厚みが薄い傾斜部21Nとを有している。傾斜部21Nは、薄厚部の一例であり、正極21の第2端から第1端の方向に正極活物質層21Bの厚みが薄くなるように傾斜した傾斜面を有している。傾斜面は、例えば平面である。傾斜部21Nは、正極活物質層21Bの長手方向における第1端から第2端に渡って設けられている。
例えば、平坦部21Mにおける正極21の厚みをYμmとした場合、傾斜部21Nにおける正極21の厚みは、正極21の幅方向に対して(Y−Z)〜Yμmの範囲で変化している。この場合、傾斜部21Nにおける正極21の最大厚みD1maxはYμmとなり、傾斜部21Nにおける正極21の最小厚みD1minは(Y−Z)μmとなる。
傾斜部21Nは、正極21の幅方向における両端の間の位置から第1端に渡って設けられている。平坦部21Mは、正極21の幅方向における両端の間の位置から第2端に渡って設けられている。平坦部21Mと傾斜部21Nの境界線21Lは、例えば直線になっている。但し、平坦部21Mと傾斜部21Nの境界線は、直線に限らず、曲線または折線等であってもよい。また、正極21の幅方向における傾斜部21Nの幅は、正極21の両面において同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、傾斜部21Nの傾斜角は、正極21の両面において同一であってもよいし、異なっていてもよい。
正極リード11は、正極集電体露出部21A1に対して接続されており、傾斜部21Nは、正極リード11の接続部上に巻回されていることが好ましい。正極リード11が、正極21の幅方向の第1端側の長辺に対して直交するようにして正極集電体露出部21A1に対して接続されている場合には、正極リード11の接続部分の長さL1が、正極21の幅方向における傾斜部21Nの幅よりも短いことが好ましい。これにより、正極リード11上の部分における電池10の厚み増加を更に抑制することができる。したがって、正極リード11上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
正極21は、以下の関係式(1)を満たすことが好ましい。
0.13<X1<1 ・・・(1)
(但し、X1=(((D1min×N)+d)−(D1max×N))/d、D1min:傾斜部(薄厚部)21Nにおける正極21の最小厚み、D1max:傾斜部(薄厚部)21Nにおける正極21の最大厚み、N:正極21の巻回数、d:正極リード11の厚み)
正極21が上記の関係式(1)を満たしていることで、正極リード11上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
また、正極21は、以下の関係式(3)を満たすことが好ましい。
0.13<X3<1 ・・・(3)
(但し、X3=(((D1min×N)+d’)−(D1max×N))/d’、D1min:傾斜部(薄厚部)21Nにおける正極21の最小厚み、D1max:傾斜部(薄厚部)21Nにおける正極21の最大厚み、N:正極21の巻回数、d’:負極リード12の厚み)
正極21が上記の関係式(3)を満たしていることで、負極リード12上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
D1minおよびD1maxは、次のようにして測定される。まず、電池10を準備する。この電池10は、例えば、製造後、一度も充放電されていない状態の電池10でもよいし、製造後、1〜10サイクルだけ充放電された状態の電池10でもよい。後者の電池10は、例えば、市販後未使用の電池等である。この電池10に関する使用履歴(充放電の有無)は、後述する測定および解析に関してほとんど影響を及ぼさない。
次に、準備した電池10を充放電させることにより、放電状態の電池10を得る。充電時には、0.1Cの電流で電圧が4.3Vに到達するまで充電したのち、4.3Vの電圧で電流が100mAに到達するまで充電する。放電時には、0.1Cの電流で電圧が3.0Vに到達するまで放電する。ここで、「0.1C」とは、電池容量(理論容量)を10時間で充電または放電しきる電流値である。
続いて、上記放電状態の電池10から正極21を取り出したのち、マイクロメータを用いて、傾斜部21Nにおける正極21の最小厚みD1min、および傾斜部21Nにおける正極21の最大厚みD1maxを測定する。
なお、正極リード11の厚みdおよび負極リード12の厚みd’もマイクロメータを用いて測定される。
(正極集電体)
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルまたはステンレス等の金属材料を含み、それらの金属のうちでもアルミニウムまたはアルミニウム合金を含んでいることが好ましい。正極集電体21Aの形状としては、例えば、箔状、板状またはメッシュ状等を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層21Bは、例えば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質と、バインダとを含んでいる。正極活物質層21Bは、必要に応じて導電剤をさらに含んでいてもよい。
(正極活物質)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物またはリチウムを含む層間化合物等のリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(A)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(B)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩等が挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(C)、式(D)もしくは式(E)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(F)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(G)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩等が挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)またはLieFePO4(e≒1)等がある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(A)
(但し、式(A)中、M1は、ニッケル、マンガンを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(B)
(但し、式(B)中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(C)
(但し、式(C)中、M3は、コバルト、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄、銅、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(D)
(但し、式(D)中、M4は、コバルト、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(E)
(但し、式(E)中、M5は、ニッケル、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(F)
(但し、式(F)中、M6は、コバルト、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4 ・・・(G)
(但し、式(G)中、M7は、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、ニオブ(Nb)、銅、亜鉛、モリブデン、カルシウム、ストロンチウム、タングステンおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoS等のリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極活物質は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
(バインダ)
バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料、ならびにこれらの樹脂材料を主体とする共重合体等から選択される少なくとも1種が用いられる。
(導電剤)
導電剤としては、例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、ケッチェンブラックまたはカーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料または導電性高分子材料等を用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、図2に示すように、負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面に設けられた負極活物質層22Bとを備える。負極22の長手方向の第1端側(内周側)には、負極集電体22Aの両面が負極活物質層22Bに覆われずに露出した負極集電体露出部22A1が設けられている。また、負極22の長手方向の第2端側(外周側)には、負極集電体22Aの両面が負極活物質層22Bに覆われずに露出した負極集電体露出部22A2が設けられている。
負極集電体露出部22A1のうち負極22の外側面となる露出部には、負極リード12の長手方向の第1端側が負極集電体露出部22A1の幅方向の第1端側から出されるようにして、負極リード12が接続されている。但し、負極集電体露出部22A1のうち、負極22の内側面となる露出部に負極リード12が接続されていてもよい。ここで、内側、外側とは、巻回された状態にある負極22において内側、外側であることを意味している。
負極リード12の接続部が保護テープ22Cにより覆われている。また、負極集電体露出部22A1のうち、負極リード12の接続部と対向する部分も保護テープ22Cにより覆われている。
負極リード12は、負極集電体露出部22A1に対して接続されており、傾斜部21Nは、負極リード12の接続部上に巻回されていることが好ましい。負極リード12が、負極22の第1端側の長辺に対して直交するようにして負極集電体露出部22A1に対して接続されている場合には、負極リード12の接続部の長さL2が、正極21の幅方向における傾斜部21Nの幅よりも短いことが好ましい。これにより、負極リード12上の部分における電池10の厚み増加を更に抑制することができる。したがって、負極リード12上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
なお、負極22に正極21と同様な傾斜部を設けることは好ましくない。負極22の厚みが低下すると、リチウム析出を伴う劣化が顕著の生じるためである。
(負極集電体)
負極集電体22Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレス等の金属を含んでいる。負極集電体22Aの形状としては、例えば、箔状、板状またはメッシュ状等を用いることができる。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維または活性炭等の炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークス等がある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池10の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、高容量化が可能な他の負極活物質としては、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素(例えば、合金、化合物または混合物)として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本開示において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物またはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような負極活物質としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
負極活物質としては、短周期型周期表における4B族の金属元素または半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、より好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。このような負極活物質としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素または炭素を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、Sn系の負極活物質としては、コバルトと、スズと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン(P)、ガリウムまたはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズ等が凝集または結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
その他の負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物等も挙げられる。金属酸化物としては、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti512)等のチタンとリチウムとを含むリチウムチタン酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデン等が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロール等が挙げられる。
(バインダ)
バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレンブタジエンゴムおよびカルボキシメチルセルロース等の樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体等から選択される少なくとも1種が用いられる。
(導電剤)
導電剤としては、例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、ケッチェンブラックまたはカーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料または導電性高分子材料等を用いるようにしてもよい。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレン等の樹脂製の多孔質膜によって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池10の安全性向上を図ることができるので好ましい。特にポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。他にも、化学的安定性を備えた樹脂を、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合またはブレンド化した材料を用いることができる。あるいは、多孔質膜は、ポリプロピレン層と、ポリエチレン層と、ポリプロピレン層とを順次に積層した3層以上の構造を有していてもよい。
また、セパレータ23は、基材である多孔質膜の片面または両面に樹脂層が設けられていてもよい。樹脂層は、無機物が担持された多孔性のマトリックス樹脂層である。これにより、耐酸化性を得ることができ、セパレータ23の劣化を抑制できる。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができ、また、これらの共重合体を用いることも可能である。
無機物としては、金属、半導体、またはこれらの酸化物、窒化物を挙げることができる。例えば、金属としては、アルミニウム、チタン等を挙げることができ、半導体としては、ケイ素、ホウ素等を挙げることができる。また、無機物としては、実質的に導電性がなく、熱容量の大きいものが好ましい。熱容量が大きいと、電流発熱時のヒートシンクとして有用であり、電池10の熱暴走をより抑制することが可能になるからである。このような無機物としては、アルミナ(Al23)、ベーマイト(アルミナの一水和物)、タルク、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiOx)等の酸化物または窒化物が挙げられる。なお、上述した無機物は、基材としての多孔質膜に含有されていてもよい。
無機物の粒径としては、1nm〜10μmの範囲内が好ましい。1nmより小さいと、入手が困難であり、また入手できたとしてもコスト的に見合わない。10μmより大きいと電極間距離が大きくなり、限られたスペースで活物質充填量が十分得られず電池容量が低くなる。
樹脂層は、例えば、次のようにして形成することができる。すなわち、マトリックス樹脂、溶媒および無機物からなるスラリーを基材(多孔質膜)上に塗布し、マトリックス樹脂の貧溶媒且つ上記溶媒の親溶媒浴中を通過させて相分離させ、その後、乾燥させる。
(電解液)
正極21、負極22およびセパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。電解液が、電池特性を向上するために、公知の添加剤を含んでいてもよい。
溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレン等の環状の炭酸エステルを用いることができ、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一方、特に両方を混合して用いることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。
溶媒としては、また、これらの環状の炭酸エステルに加えて、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピル等の鎖状の炭酸エステルを混合して用いることが好ましい。高いイオン伝導性を得ることができるからである。
溶媒としては、さらにまた、2,4−ジフルオロアニソールあるいは炭酸ビニレンを含むこと好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を向上させることができ、また、炭酸ビニレンはサイクル特性を向上させることができるからである。よって、これらを混合して用いれば、放電容量およびサイクル特性を向上させることができるので好ましい。
これらの他にも、溶媒としては、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチル等が挙げられる。
なお、これらの非水溶媒の少なくとも一部の水素をフッ素で置換した化合物は、組み合わせる電極の種類によっては、電極反応の可逆性を向上させることができる場合があるので、好ましい場合もある。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、ジフルオロ[オキソラト−O,O']ホウ酸リチウム、リチウムビスオキサレートボレート、あるいはLiBr等が挙げられる。中でも、LiPF6は高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
[正極電位]
満充電状態における正極電位(vsLi/Li+)は、好ましくは4.20Vを超え、より好ましくは4.25V以上、更により好ましくは4.40Vを超え、特に好ましくは4.45V以上、最も好ましくは4.50V以上である。但し、満充電状態における正極電位(vsLi/Li+)が、4.20V以下であってもよい。満充電状態における正極電位(vsLi/Li+)の上限値は、特に限定されるものではないが、好ましくは6.00V以下、より好ましくは5.00V以下、更により好ましくは4.80V以下、特に好ましくは4.70V以下である。
[電池の充放電時の動作]
上述の構成を有する電池10では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
[塗布ヘッドの構成]
次に、正極21の作製に用いる塗布装置の構成の一例について説明する。
図5に示すように、塗布装置は、塗布ヘッド41と、塗料としての正極合剤スラリー43を塗布ヘッド41に供給する配管42とを備える。塗布ヘッド41は、ブレード41Aと、ブレード41Aに対向して設けられたシャッタ41Bとを備え、ブレード41Aとシャッタ41Bとの先端部には、シャッタ41Bの移動により開閉可能な開口部が形成されている。
シャッタ41Bによる開口部の開閉により、走行する正極集電体21A上に正極合剤スラリー43が間欠的に塗布される。走行する正極集電体21Aとブレード41Aの先端との距離により、正極合剤スラリー43の塗布厚が調整される。また、ブレード41Aの先端の形状により正極合剤スラリー43の塗布面の形状が調整される。
図6Aは、図5の矢印44に示す方向から見たブレード41Aの先端形状の第1の例を示す。この第1の例では、ブレード41Aの先端は、塗布面、すなわち正極集電体21Aの一方の面に対して平行な直線状を有している。このような形状を有するブレード41Aを用いた場合には、正極合剤スラリー43の塗布面は平坦面となる。
図6Bは、図5の矢印44に示す方向から見たブレード41Aの先端形状の第2の例を示す。この第2の例では、ブレード41Aの先端のうち一部が塗布面に対して平行な直線状を有し、他の部分が塗布面に対して傾いた直線状を有している。すなわち、ブレード41Aの先端が直角台形状に切り欠かれた形状を有している。このような先端形状を有するブレード41Aを用いることで、上述の構成を有する正極21を作製することができる。ここで、「直角台形状」とは、隣り合う二つの直角の内角を有する台形をいう。
[電池の製造方法]
次に、本開示の一実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。
(正極の作製工程)
正極21を次にようにして作製する。まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、図5に示した塗布装置を用いて、この正極合剤スラリーを帯状の正極集電体21Aの両面に間欠塗布する。但し、ブレードとしては、図6Bに示した先端形状を有するものを用いる。続いて、塗膜中に含まれる溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより、正極活物質層21Bを形成する。
その後、隣接する正極活物質層21B間の位置で正極集電体21Aを裁断する。これにより、長手方向の第1端側の両面に正極集電体露出部21A1を有し、かつ長手方向の第2端側の両面に正極集電体露出部21A2を有する正極21が作製される。次に、正極リード11の長手方向の第1端側が正極集電体露出部21A1の幅方向の第1端側から出されるようにして、正極集電体露出部21A1に正極リード11を溶接等により接続する。続いて、長手方向の第1端側にある正極集電体露出部21A1および正極活物質層21Bの第1端を保護テープ21Cにより覆うと共に、また長手方向の第2端側にある正極集電体露出部A2および正極活物質層21Bの第2端を保護テープ21Dにより覆う。
(負極の作製工程)
負極22を次にようにして作製する。まず、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを帯状の負極集電体22Aの両面に間欠塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成する。その後、隣接する負極活物質層22B間の位置で正極集電体21Aを裁断する。これにより、長手方向の第1端側の両面に負極集電体露出部22A1を有し、かつ長手方向の第2端側の両面に負極集電体露出部22A2を有する正極21が作製される。次に、負極リード12の長手方向の第1端側が負極集電体露出部22A1の幅方向の第1端側から出されるようにして、負極集電体露出部22A1に負極リード12を溶接等により接続した後、保護テープ22Cにより負極リード12の接続部を覆うと共に、負極集電体露出部22A1のうち、巻回後に負極リード12の接続部と対向する部分を保護テープ22Cにより覆う。
(巻回工程)
まず、正極21と負極22とをセパレータ23を介して扁平状の巻芯の周囲に巻き付けて、長手方向に多数回巻回して巻回電極体20を作製する。次に、巻止テーブ24により最外周電極としての正極21の外周側端部を固定する。
(封止工程)
まず、例えば、柔軟性を有する外装材30の間に巻回電極体20を挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装材30の内部に収納する。その際、正極、負極リード11、12と外装材30との間には密着フィルム31を挿入する。次に、電解液を用意し、熱融着していない一辺から外装材30の内部に注入する。次に、上記一辺を真空雰囲気下で熱融着して巻回電極体20を密封する。これにより、外装材30に収容された電池10が得られる。
(プレス工程)
まず、必要に応じて、ヒートプレスにより電池10を成型する。より具体的には、電池10を加圧しながら、常温より高い温度で加熱する。次に、必要に応じて、電池10の主面に加圧板等を押しつけて、電池10を一軸加圧する。
[効果]
第1の実施形態に係る電池10では、正極リード11を有する帯状の正極21と、負極リード12を有する帯状の負極22を備える。正極21および負極22は、正極21および負極22の長手方向の第1端が内周側となり、長手方向の第2端が外周側となるように扁平状に巻回されている。また、正極、負極リード11、12は、正極21および負極22の幅方向の第1端の側から出される。また、幅方向の第1端側における正極21の厚みが、幅方向の第2端側における正極21の厚みよりも薄くなっている。これにより、正極リード11上および負極リード12上における局所的な厚み増加を抑制できるため、サイクル特性の低下を抑制することができる。また、正極リード11上および負極リード12上における局所的な厚み増加に起因する電池10の体積エネルギー密度の低下を抑制できる。
[変形例]
図7A、7B、8に示すように、正極活物質層21Bは、正極21の幅方向の第2端から第1端に向かって徐々に厚みが薄くなる傾斜面21Sを有していてもよい。例えば、幅方向の中央位置Pcにおける正極21の厚みをYμmとした場合、正極21の厚みは、正極21の幅方向に対して(Y−Z)〜(Y+Z)μmの範囲で変化している。この場合、正極21の最大厚みD2maxは(Y+Z)μmとなり、正極21の最小厚みD2minは(Y−Z)となる。
正極21は、以下の関係式(2)を満たしていることが好ましい。
−0.3≦X2<1 ・・・(2)
(但し、X2=(((D2min×N)+d)−(D2max×N))/d、D2min:正極21の最小厚み、D2max:正極21の最大厚み、N:正極21の巻回数、d:正極リード11の厚み)
正極21が上記の関係式(2)を満たしていることで、正極リード11上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
また、正極21は、以下の関係式(4)を満たしていることが好ましい。
−0.3≦X4<1 ・・・(4)
(但し、X4=(((D2min×N)+d’)−(D2max×N))/d’、D2min:正極21の最小厚み、D2max:正極21の最大厚み、N:正極21の巻回数、d’:負極リード12の厚み)
正極21が上記の関係式(4)を満たしていることで、負極リード12上における局所的な厚み増加に起因するサイクル特性および体積エネルギー密度の低下を更に抑制することができる。
D2minおよびD2maxは、上述の一実施形態においてD1minおよびD1maxを測定した場合と同様の手順で測定される。
図9は、図5の矢印44に示す方向から見たブレード41Aの先端形状の第3の例を示す。この第3の例では、ブレード41Aの先端は、塗布面に対して斜めの直線状を有している。このような先端形状を有するブレード41Aを用いることで、上述の構成を有する正極21の作製することができる。
傾斜部21Nが、図10Aに示すように、正極集電体21Aに対して凹状に湾曲した傾斜面を有していてもよいし、図10Bに示すように、正極集電体21Aに対して凸状に湾曲した傾斜面を有していてもよい。
図10Cに示すように、正極活物質層21Bが、傾斜部21Nに代えて、正極集電体21Aの表面に対して平行な平坦部(第2の平坦部)21Vを有していてもよい。この場合、平坦部21Vにおける正極21の厚みは、平坦部(第1の平坦部)21Mにおける正極21の厚みよりも薄い。なお、平坦部21Vは、平坦面を有する薄厚部の一例である。
図10Dに示すように、正極活物質層21Bが、傾斜部21Nに代えて、ステップ部21Wを有していてもよい。この場合、ステップ部21Wは、正極21の第2端から第1端の方向に正極活物質層21Bの厚みが薄くなるように下降するステップ状面を有する。なお、ステップ状面を構成する各ステップは、正極集電体21Aの表面に対して平行な平坦面であってもよいし、正極集電体21Aの表面に対して傾斜した傾斜面であってもよいし、正極集電体21Aの表面に対して凸状または凹状に湾曲した湾曲面であってもよい。
図10Eに示すように、正極集電体21Aの両面に設けられた一組の正極活物質層21Bのうち、一方の正極活物質層21Bのみが、傾斜部21Nを有していてもよい。また、正極集電体21Aの両面に薄厚部が設けられている場合、両面に設けられた薄厚部の形状または構成が異なっていてもよい。例えば、一方の面に設けられた薄厚部が傾斜部21Nであり、他方の面に設けられた薄厚部がステップ部21Wであってもよい。また、傾斜部21Nが、正極21のうち正極リード11および負極リード12上に重なる部分にのみ設けられていてもよい。
正極リード11が正極21の内周側以外の部分(例えば外周側の部分、中周部)に設けられていてもよい。また、負極リード12が負極22の内周側以外の部分(例えば外周側の部分、中周部)に設けられていてもよい。但し、本開示は、正極、負極リード11、12がそれぞれ、正極21、負極22の内周側の部分に設けられている場合に特に有効である。
正極リード11の両主面のうち、正極集電体露出部21A1と接続される側と反対側の主面に傾斜部を有していてもよい。この場合、傾斜部は、正極21に接合される長手方向の第2端側からそれとは反対側の第1側の方向に厚みが厚くなる傾斜面を有している。なお、傾斜部は、巻回電極体20に挟まれる部分のみに設けられていてもよいし、巻回電極体20に挟まれる部分より外側の位置まで設けられていてもよい。また、正極リード11が、長手方向の第1端から第2端までの範囲全体に渡る傾斜面を有していてもよい。正極リード11がこのような傾斜面を有することで、正極リード11上の部分における電池10の厚み増加を更に抑制することができる。また、負極リード12が、上記正極リード11と同様の傾斜部を有していてもよい。
正極リード11が、上記傾斜部に代えて、段差部を有していてもよい。この場合、段差部は、正極21に接合される長手方向の第2端側からそれとは反対側の第1側の方向に正極リード11の厚みが厚くなるように上昇するステップ状面を有している。また、負極リード12が、上記正極リード11と同様の段差部を有していてもよい。
上述の一実施形態では、電池10がリチウムイオン二次電池である場合について説明したが、電池10の種類はこれに限定されるものではない。例えば、鉛蓄電池、リチウムイオンポリマー二次電池、全固体電池、ニッケル・水素電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、酸化銀・亜鉛電池等であってもよい。
上述の一実施形態では、扁平状の巻回電極体20を外装材30に収容する構成について説明したが、巻回電極体20の形状はこれに限定されるものではなく、例えば円柱状または立方体状等の多面体状であってもよい。
電池10は、剛性を有する一般的な電池に限定されず、スマートウオッチ、ヘッドマウントディスプレイ、iGlass(登録商標)等のウェアラブル端末に搭載可能なフレキシブル電池であってもよい。
上述の一実施形態では、電解質として電解液を備える電池10に対して本開示を適用する例について説明したが、電解質はこれに限定されるものではない。例えば、電池10が、正極21とセパレータ23との間および負極22とセパレータ23との間に、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含む電解質層を備えるようにしてもよい。この場合、電解質が、ゲル状となっていてもよい。
電解液は、第1の実施形態に係る電解液と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
なお、上述の一実施形態にてセパレータ23の樹脂層の説明で述べた無機物と同様の無機物が、電解質層に含まれていてもよい。より耐熱性を向上できるからである。
上述の一実施形態では、正極、負極リード11、12が外装材30のトップ側から導出されている場合について説明したが、サイド側から導出されていてもよいし、ボトム側から導出されていてもよい。なお、正極リード11および負極リードをボトム側から導出する場合には、2枚の矩形状の外装材30の間に巻回電極体20を挟み、2枚の外装材30の4辺をシールする構成とすればよい。また、正極リード11と負極リード12とが異なる方向に導出されていてもよい。
<2 応用例1>
「応用例としての電池パックおよび電子機器」
応用例1では、上述の一実施形態またはその変形例に係る電池を備える電池パックおよび電子機器について説明する。
[電池パックおよび電子機器の構成]
以下、図11を参照して、応用例としての電池パック300および電子機器400の一構成例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子回路401の正極端子、負極端子に接続される。
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォン等)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、表示装置(LCD、ELディスプレイ、電子ペーパ等)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等が挙げられるが、これに限定されるものでなない。
(電子回路)
電子回路401は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部等を備え、電子機器400の全体を制御する。
(電池パック)
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図11では、6つの二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。二次電池301aとしては、上述の一実施形態またはその変形例に係る電池10が用いられる。
ここでは、電池パック300が、複数の二次電池301aにより構成される組電池301を備える場合について説明するが、電池パック300が、組電池301に代えて1つの二次電池301aを備える構成を採用してもよい。
充放電回路302は、組電池301の充放電を制御する制御部である。具体的には、充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御する。
<3 応用例2>
「応用例としての車両における蓄電システム」
本開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図12を参照して説明する。図12に、本開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両7200には、エンジン7201、発電機7202、電力駆動力変換装置7203、駆動輪7204a、駆動輪7204b、車輪7205a、車輪7205b、バッテリー7208、車両制御装置7209、各種センサー7210、充電口7211が搭載されている。バッテリー7208に対して、上述した本開示の蓄電装置が適用される。
ハイブリッド車両7200は、電力駆動力変換装置7203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置7203の一例は、モーターである。バッテリー7208の電力によって電力駆動力変換装置7203が作動し、この電力駆動力変換装置7203の回転力が駆動輪7204a、7204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置7203が交流モーターでも直流モーターでも適用可能である。各種センサー7210は、車両制御装置7209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサー7210には、速度センサー、加速度センサー、エンジン回転数センサーなどが含まれる。
エンジン7201の回転力は発電機7202に伝えられ、その回転力によって発電機7202により生成された電力をバッテリー7208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置7203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置7203により生成された回生電力がバッテリー7208に蓄積される。
バッテリー7208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モーターで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモーターの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーター走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モーターのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本開示は有効に適用可能である。
以上、本開示に係る技術が適用され得るハイブリッド車両7200の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、バッテリー7208に好適に適用され得る。
<4 応用例3>
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図13を参照して説明する。例えば住宅9001用の蓄電システム9100においては、火力発電9002a、原子力発電9002b、水力発電9002c等の集中型電力系統9002から電力網9009、情報網9012、スマートメータ9007、パワーハブ9008等を介し、電力が蓄電装置9003に供給される。これと共に、家庭内発電装置9004等の独立電源から電力が蓄電装置9003に供給される。蓄電装置9003に供給された電力が蓄電される。蓄電装置9003を使用して、住宅9001で使用する電力が給電される。住宅9001に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅9001には、発電装置9004、電力消費装置9005、蓄電装置9003、各装置を制御する制御装置9010、スマートメータ9007、各種情報を取得するセンサー9011が設けられている。各装置は、電力網9009および情報網9012によって接続されている。発電装置9004として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置9005および/または蓄電装置9003に供給される。電力消費装置9005は、冷蔵庫9005a、空調装置9005b、テレビジョン受信機9005c、風呂9005d等である。さらに、電力消費装置9005には、電動車両9006が含まれる。電動車両9006は、電気自動車9006a、ハイブリッドカー9006b、電気バイク9006cである。
蓄電装置9003に対して、上述した本開示のバッテリユニットが適用される。蓄電装置9003は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両9006で使用されるものでも良い。スマートメータ9007は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網9009は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
各種のセンサー9011は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー9011により取得された情報は、制御装置9010に送信される。センサー9011からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置9005を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置9010は、住宅9001に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
パワーハブ9008によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置9010と接続される情報網9012の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBee(登録商標)は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置9010は、外部のサーバ9013と接続されている。このサーバ9013は、住宅9001、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ9013が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されても良い。
各部を制御する制御装置9010は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置9003に格納されている。制御装置9010は、蓄電装置9003、家庭内発電装置9004、電力消費装置9005、各種センサー9011、サーバ9013と情報網9012により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
以上のように、電力が火力9002a、原子力9002b、水力9002c等の集中型電力系統9002のみならず、家庭内発電装置9004(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置9003に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置9004の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置9003に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置9003に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置9003によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置9010が蓄電装置9003内に格納される例を説明したが、スマートメータ9007内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム9100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る蓄電システム9100の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、蓄電装置9003が有する二次電池に好適に適用され得る。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例において、D1min、D1max、D2minおよびD2maxは、上述の一実施形態およびその変形例にて説明した手順で測定された。また、幅方向の中央位置Pcにおける正極の厚みDcについても、D1min、D1max、D2minおよびD2maxと同様の手順により測定された。
[実施例1〜7]
(正極の作製工程)
正極を次にようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を得た。次に、上述のようにして得られたリチウムコバルト複合酸化物91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合することにより正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。
次に、帯状のアルミニウム箔(幅100mm、厚さ12μm)からなる正極集電体の両面に正極合剤スラリーを塗布した。この際、塗布ヘッドのブレードとして、図6Bに示した先端形状を有するものを用い、最終的に得られる正極のD1minが93.0〜99.0μmの範囲となり、D1maxが100μmとなるように、正極合剤スラリーの塗布を調整した。また、正極集電体の両面のうち長手方向の両端側に正極集電体露出部が形成されるように、正極合剤スラリーの塗布を調整した。次に、塗布された正極合剤スラリーを乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。
その後、隣接する正極活物質層間の位置で正極集電体を裁断した。これにより、長手方向の第1端側の両面に正極集電体露出部を有し、かつ長手方向の第2端側の両面に正極集電体露出部を有する正極が作製された。次に、巻回後に内周側(第1端側)となる正極集電体露出部に厚さ100μmのアルミニウム製の正極リードを溶接により接続した。なお、正極集電体に接続された正極リードの接続部分の長さL1は、30mmとなるように調整した。続いて、短絡防止の保護テープを4カ所の正極活物質層の端部を覆うように貼付け、さらには段差解消の追加保護テープを必要に応じて貼り付けた。
(負極の作製工程)
負極を次のようにして作製した。まず、負極活物質として人造黒鉛粉末97質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーとした。次に、帯状の銅箔(10μm厚)からなる負極集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布した。この際、負極集電体の両面のうち長手方向の両端側に負極集電体露出部が形成されるように、負極合剤スラリーの塗布を調整した。
次に、塗布された負極合剤スラリーを乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、負極活物質層を形成した。その後、隣接する負極活物質層間の位置で負極集電体を裁断した。これにより、長手方向の第1端側の両面に負極集電体露出部を有し、かつ長手方向の第2端側の両面に負極集電体露出部を有する負極が作製された。
次に、巻回後に内周側(第1端側)となる負極集電体露出部に厚さ80μmのニッケル製の負極リードを溶接により接続した。なお、負極集電体に接続された負極リードの接続部分の長さL2は、15mmとなるように調整した。続いて、負極リードを覆うように負極集電体露出部に保護テープを貼り付けると共に、巻回後に負極リードの接続部と対向する部分にも保護テープを貼り付け、さらには段差解消の追加保護テープを必要に応じて貼り付けた。
(ラミネート型電池の作製工程)
ラミネート型電池を次のようにして作製した。まず、作製した正極および負極を、厚み15μmの微孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータを介して密着させ、扁平状の巻芯を用いて長手方向に巻回して、最外周部に巻止テープを貼り付けることにより、扁平形状の巻回電極体を作製した。なお、正極の巻回数(ターン)は、13回とした。次に、この巻回電極体を外装材の間に装填し、外装材の3辺を熱融着し、一辺は熱融着せずに開口を有するようにした。外装材としては、最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと、40μm厚のアルミニウム箔と、30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層された防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
(電解液の調製および注液工程)
まず、炭酸エチレン(EC)と炭酸プロピレン(PC)と炭酸ジエチル(DEC)とビニレンカーボネート(VC)を、質量比がEC:PC:DEC:VC=20:20:59:1となるようにして混合して混合溶媒を調製した。次に、この混合溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0mol/kgとなるように溶解させて電解液を調製した。この電解液を外装材の開口から注入し、外装材の残りの1辺を減圧下において熱融着し、密封した。次に、巻回電極体を封止した巻回電極体を加圧しながら加温することにより、電池素子を構成する正極、負極、およびセパレータを一体化させた。これにより、目的とするラミネートフィルム型電池(以下単に「電池」という。)が得られた。
[実施例8〜14]
正極集電体に接続された正極リードの接続部分の長さL1を60mmに変更したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例15〜21]
正極リードの厚みdを60μmに変更したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例22〜28]
正極リードの厚みdを30μmに変更したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例29〜36]
長手方向の中央位置Pcにおける正極の厚みを130μm、正極のD1minを122.0〜129.0μm、D1maxを130μmに変更したこと、および正極の巻回数を11に変更したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例37〜46]
長手方向の中央位置Pcにおける正極の厚みを150μm、正極のD1minを140.0〜149.0μm、D1maxを150μmに変更したこと、および正極の巻回数を9に変更したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例47〜53]
塗布ヘッドのブレードとして、図9に示した先端形状を有するものを用い、最終的に得られる正極のD2minが93.0〜99.0μmの範囲となり、D2maxが101.0〜107.0μmの範囲となるように、正極合剤スラリーの塗布を調整したこと以外は実施例1〜7と同様にして電池を得た。
[実施例54〜60]
正極集電体に接続された正極リードの接続部分の長さL1を60mmに変更したこと以外は実施例47〜53と同様にして電池を得た。
[実施例61〜67]
正極集電体に接続された正極リードの接続部分の長さL1を30mmに変更したこと以外は実施例47〜53と同様にして電池を得た。
[比較例1]
塗布ヘッドのブレードとして、図6Aに示した先端形状を有するものを用い、正極のD1minを100.0μm、D1maxを100μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして電池を得た。
[寿命性能の評価]
上述のようにして得られた電池の寿命性能を以下のようにして評価した。まず、常温環境中(23℃)において電池を1サイクル充放電させた。充電時には、1Cの電流で電圧が4.4Vに到達するまで充電したのち、4.4Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで充電した。放電時には、1Cの電流で電圧が3.0Vに到達するまで放電した。なお、「1C」とは、電池容量(理論容量)を1時間で放電しきる電流値であり、「0.05C」とは、電池容量を20時間で放電しきる電流値である。次に、25℃環境下において0.7C充電/0.7C放電を500サイクルした後の容量維持率(%)を測定した。なお、容量維持率は1サイクル時の放電容量と500サイクル時の放電容量の割合を意味する。
表1〜3は、実施例1〜67、比較例1の電池の構成および評価結果を示す。
Figure 2019044526
Figure 2019044526
Figure 2019044526
表1〜3に記載された各符号の意味は以下の通りである。
L1:正極リードの接続部分(溶接部分)の長さ(μm)
d:正極リードの厚み(μm)
N:巻回数(ターン)
Dc:正極の幅方向の中央位置Pcにおける正極の厚み(図4、8参照)
D1min:傾斜部(薄厚部)の最小厚み(μm)(図4参照)
D1max:傾斜部(薄厚部)の最大厚み(μm)(図4参照)
D2min:表面全体が傾斜した正極の最小厚み(μm)(図8参照)
D2max:表面全体が傾斜した正極の最大厚み(μm)(図8参照)
X1:(((D1min×N)+d)−(D1max×N))/d
X2:(((D2min×N)+d)−(D2max×N))/d
実施例1〜67と比較例1の評価結果を比較すると、幅方向に沿った正極活物質層の断面形状を図4または図8に示した形状とした電池の容量維持率は、幅方向に沿った正極活物質層の断面形状を矩形とした電池の容量維持率に比べて高いことがわかる。
実施例1〜46の評価結果を比較すると、幅方向に沿った正極活物質層の断面形状を図4に示した形状とした電池のうちでも、X1を0.13<X1<1の範囲とした電池では、容量維持率が特に向上されていることがわかる。
実施例47〜67の評価結果を比較すると、幅方向に沿った正極活物質層の断面形状を図8に示した形状とした電池のうちでも、X2を−0.3≦X2<1の範囲とした電池では、容量維持率が特に向上されていることがわかる。
以上、本開示の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。また、化合物等の化学式は代表的なものであって、同じ化合物の一般名称であれば、記載された価数等に限定されない。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
正極リードを有する帯状の正極と、
負極リードを有する帯状の負極と
を備え、
前記正極および前記負極は、前記正極および前記負極の長手方向の第1端が内周側となり、前記長手方向の第2端が外周側となるように巻回されており、
前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極および前記負極の幅方向の第1端の側から出され、
前記幅方向の第1端側における前記正極の厚みが、前記幅方向の第2端側における前記正極の厚みよりも薄い電池。
(2)
前記正極リードおよび前記負極リードの少なくとも一方が、前記長手方向の第1端側に設けられている(1)に記載の電池。
(3)
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、
前記正極活物質層は、前記幅方向の第1端側に、前記幅方向の第2端側の厚みよりも薄い薄厚部を有している(1)または(2)に記載の電池。
(4)
前記薄厚部は、前記幅方向の第2端から第1端の方向に厚みが薄くなる(3)に記載の電池。
(5)
前記薄厚部は、傾斜面またはステップ状面を有している(4)に記載の電池。
(6)
前記正極は、以下の関係式(1)を満たす(4)または(5)に記載の電池。
0.13<X1<1 ・・・(1)
(但し、X1=(((D1min×N)+d)−(D1max×N))/d、D1min:前記薄厚部における前記正極の最小厚み、D1max:前記薄厚部における前記正極の最大厚み、N:前記正極の巻回数、d:前記正極リードの厚み)
(7)
前記正極リードは、前記正極に対して接続され、
前記負極リードは、前記負極に対して接続され、
前記薄厚部は、前記正極リードの接続部上および前記負極リードの接続部上に巻回されている(3)から(6)のいずれかに記載の電池。
(8)
前記薄厚部は、前記正極活物質層の長手方向の第1端から第2端に渡って設けられている(3)から(7)のいずれかに記載の電池。
(9)
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、
前記正極活物質層は、前記幅方向の第2端から第1端の方向に厚みが薄くなる(1)に記載の電池。
(10)
前記正極は、以下の関係式(2)を満たす(9)に記載の電池。
−0.3≦X2<1 ・・・(2)
(但し、X2=(((D2min×N)+d)−(D2max×N))/d、D2min:前記正極の最小厚み、D2max:前記正極の最大厚み、N:前記正極の巻回数、d:前記正極リードの厚み)
(11)
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、前記正極集電体が露出した正極集電体露出部を有し、
前記負極は、負極集電体と、負極集電体上に設けられた負極活物質層とを備え、前記負極集電体が露出した負極集電体露出部を有し、
前記正極リード、前記負極リードはそれぞれ、前記正極集電体露出部、前記負極集電体露出部に接続されている(1)から(10)のいずれかに記載の電池。
(12)
前記巻回は、扁平状の巻回である(1)から(11)のいずれかに記載の電池。
(13)
前記正極および前記負極を収容する外装材をさらに備える(1)から(12)のいずれかに記載の電池。
(14)
前記外装材は、ラミネートフィルムである(13)に記載の電池。
(15)
(1)から(14)のいずれかに記載の電池と、
前記電池を制御する制御部と
を備える電池パック。
(16)
(1)から(14)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
(17)
(1)から(14)のいずれかに記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を備える電動車両。
(18)
(1)から(14)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(19)
(1)から(14)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電力システム。
10 電池
11 正極リード
12 負極リード
20 巻回電極体
21 正極
21A 正極集電体
21A1、21A2 正極集電体露出部
21B 正極活物質層
21C、21D、22C 保護テープ
21M 平坦部
21N 傾斜部
21S 傾斜面
21V 平坦部
21W ステップ部
22 負極
22A 負極集電体
22A1、22A2 負極集電体露出部
22B 負極活物質層
23 セパレータ
24 巻止テープ
30 外装材
31 密着フィルム
41 シャッタ
41A ブレード
41B 塗布ヘッド
42 配管
43 正極合剤スラリー
300 電池パック
301 組電池
301a 二次電池
302 充放電回路(制御部)
400 電子機器
7200 ハイブリッド車両
9003 蓄電装置
9100 蓄電システム
本開示の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図3Aは、正極の内側面側の構成の一例を示す平面図である。図3Bは、正極の外側面側の構成の一例を示す平面図である。 図3BのIV−IV線に沿った断面図である。 塗布ヘッドの構成の一例を示す概略図である。 図6Aは、ブレードの先端形状の第1の例を示す概略図である。図6は、ブレードの先端形状の第2の例を示す概略図である。 図7Aは、正極の内側面側の構成の一例を示す平面図である。図7Bは、正極の外側面側の構成の一例を示す平面図である。 図7BのVIII−VIII線に沿った断面図である。 ブレードの先端形状の第3の例を示す概略図である。 図10A〜10Eはそれぞれ、正極の変形例を示す断面図である。 応用例としての電子機器の構成の一例を示すブロック図である。 応用例としての車両の構成の一例を示す概略図である。 応用例としての蓄電システムの構成の一例を示す概略図である。
(電極体)
図2に示すように、電池素子としての巻回電極体20は、正極リード11を有する帯状の正極21と、負極リード12を有する帯状の負極22と、正極21および負極22の間に設けられた帯状のセパレータ23とを備えている。正極21、負極22およびセパレータ23は、正極21、負極22およびセパレータ23の長手方向の第1端が内周側となり、長手方向の第2端が外周側となるように扁平状かつ渦巻状に巻回されている。電解質としての電解液が、正極21、負極22およびセパレータ23に含浸されている。負極22が最内周電極となり、正極21が最外周電極となるように巻回され、正極21の最外周端部は、巻止テー24により固定されている。但し、正極21が最内周電極となり、負極22が最外周電極となるように巻回されていてもよい。
図3A、3B、4に示すように、正極21の幅方向の第1端側における正極21の厚みが、正極21の幅方向の第2端側における正極21の厚みよりも薄くなっている。正極21の幅方向の第1端側における正極活物質層21Bの厚みが、正極21の幅方向の第2端側における正極活物質層21Bの厚みよりも薄くなっている。より具体的には、正極活物質層21Bは、正極21の幅方向の第2端側に設けられ、正極集電体21Aの表面に対して平行な平坦部21Mと、正極21の幅方向の第1端に設けられ、平坦部21Mより厚みが薄い傾斜部21Nとを有している。傾斜部21Nは、薄厚部の一例であり、正極21の第2端から第1端の方向に正極活物質層21Bの厚みが薄くなるように傾斜した傾斜面を有している。傾斜面は、例えば平面である。傾斜部21Nは、正極活物質層21Bの長手方向における第1端から第2端に渡って設けられている。
その後、隣接する正極活物質層21B間の位置で正極集電体21Aを裁断する。これにより、長手方向の第1端側の両面に正極集電体露出部21Aを有し、かつ長手方向の第2端側の両面に正極集電体露出部21Aを有する正極21が作製される。次に、正極リード11の長手方向の第1端側が正極集電体露出部21Aの幅方向の第1端側から出されるようにして、正極集電体露出部21Aに正極リード11を溶接等により接続する。続いて、長手方向の第1端側にある正極集電体露出部21Aおよび正極活物質層21Bの第1端を保護テープ21Cにより覆うと共に、また長手方向の第2端側にある正極集電体露出部21および正極活物質層21Bの第2端を保護テープ21Dにより覆う。
(巻回工程)
まず、正極21と負極22とをセパレータ23を介して扁平状の巻芯の周囲に巻き付けて、長手方向に多数回巻回して巻回電極体20を作製する。次に、巻止テー24により最外周電極としての正極21の外周側端部を固定する。
バッテリー7208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
10 電池
11 正極リード
12 負極リード
20 巻回電極体
21 正極
21A 正極集電体
21A、21A 正極集電体露出部
21B 正極活物質層
21C、21D、22C 保護テープ
21M 平坦部
21N 傾斜部
21S 傾斜面
21V 平坦部
21W ステップ部
22 負極
22A 負極集電体
22A、22A 負極集電体露出部
22B 負極活物質層
23 セパレータ
24 巻止テープ
30 外装材
31 密着フィルム
41 塗布ヘッド
41A ブレード
41B シャッタ
42 配管
43 正極合剤スラリー
300 電池パック
301 組電池
301a 二次電池
302 充放電回路(制御部)
400 電子機器
7200 ハイブリッド車両
9003 蓄電装置
9100 蓄電システム

Claims (19)

  1. 正極リードを有する帯状の正極と、
    負極リードを有する帯状の負極と
    を備え、
    前記正極および前記負極は、前記正極および前記負極の長手方向の第1端が内周側となり、前記長手方向の第2端が外周側となるように巻回されており、
    前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極および前記負極の幅方向の第1端の側から出され、
    前記幅方向の第1端側における前記正極の厚みが、前記幅方向の第2端側における前記正極の厚みよりも薄い電池。
  2. 前記正極リードおよび前記負極リードの少なくとも一方が、前記長手方向の第1端側に設けられている請求項1に記載の電池。
  3. 前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、
    前記正極活物質層は、前記幅方向の第1端側に、前記幅方向の第2端側の厚みよりも薄い薄厚部を有している請求項1に記載の電池。
  4. 前記薄厚部は、前記幅方向の第2端から第1端の方向に厚みが薄くなる請求項3に記載の電池。
  5. 前記薄厚部は、傾斜面またはステップ状面を有している請求項4に記載の電池。
  6. 前記正極は、以下の関係式(1)を満たす請求項4に記載の電池。
    0.13<X1<1 ・・・(1)
    (但し、X1=(((D1min×N)+d)−(D1max×N))/d、D1min:前記薄厚部における前記正極の最小厚み、D1max:前記薄厚部における前記正極の最大厚み、N:前記正極の巻回数、d:前記正極リードの厚み)
  7. 前記正極リードは、前記正極に対して接続され、
    前記負極リードは、前記負極に対して接続され、
    前記薄厚部は、前記正極リードの接続部上および前記負極リードの接続部上に巻回されている請求項3に記載の電池。
  8. 前記薄厚部は、前記正極活物質層の長手方向の第1端から第2端に渡って設けられている請求項3に記載の電池。
  9. 前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、
    前記正極活物質層は、前記幅方向の第2端から第1端の方向に厚みが薄くなる請求項1に記載の電池。
  10. 前記正極は、以下の関係式(2)を満たす請求項9に記載の電池。
    −0.3≦X2<1 ・・・(2)
    (但し、X2=(((D2min×N)+d)−(D2max×N))/d、D2min:前記正極の最小厚み、D2max:前記正極の最大厚み、N:前記正極の巻回数、d:前記正極リードの厚み)
  11. 前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備え、前記正極集電体が露出した正極集電体露出部を有し、
    前記負極は、負極集電体と、負極集電体上に設けられた負極活物質層とを備え、前記負極集電体が露出した負極集電体露出部を有し、
    前記正極リード、前記負極リードはそれぞれ、前記正極集電体露出部、前記負極集電体露出部に接続されている請求項1に記載の電池。
  12. 前記巻回は、扁平状の巻回である請求項1に記載の電池。
  13. 前記正極および前記負極を収容する外装材をさらに備える請求項1に記載の電池。
  14. 前記外装材は、ラミネートフィルムである請求項13に記載の電池。
  15. 請求項1に記載の電池と、
    前記電池を制御する制御部と
    を備える電池パック。
  16. 請求項1に記載の電池を備え、
    前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
  17. 請求項1に記載の電池と、
    前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を備える電動車両。
  18. 請求項1に記載の電池を備え、
    前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  19. 請求項1に記載の電池を備え、
    前記電池から電力の供給を受ける電力システム。
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