JPWO2019022225A1 - アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、防腐剤を含有しないことを特徴とする、水性医薬組成物を提供する。

Description

本発明は、0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、防腐剤を含有しないことを特徴とする、水性医薬組成物(以下、「本発明の水性医薬組成物」ともいう)に関する。
繰り返しの使用を想定する水性医薬組成物は、菌類等の繁殖を防止するため、一定以上の防腐対策が要求される。そのため、水性医薬組成物には通常、防腐剤が配合されている。例えば、点眼剤であれば、多くの場合、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物が使用される。ベンザルコニウム塩化物は水溶性であり、化学的に安定で、他の防腐剤と比較しても防腐効力が高いために防腐剤として汎用されている。しかし、ベンザルコニウム塩化物には細胞障害作用があり、例えば点眼剤に含有される場合、曝露量が増えると角膜上皮障害を引き起こす可能性が増大する。そのため、特にベンザルコニウム塩化物に過敏な反応を示す患者や重度の角膜上皮障害を有する患者には使用することができない。
H1ヒスタミン受容体拮抗薬の一つであるアルカフタジンは、その有効量を眼に投与することにより眼アレルギーの臨床症状の治療効果を奏することが知られており、米国において点眼剤として上市されている。その点眼剤には防腐剤としてベンザルコニウム塩化物が添加されている(特許文献1、非特許文献1)。つまり、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物では、ベンザルコニウム塩化物等の防腐剤で、防腐効力を担保する必要があると認識されている。一方で、防腐剤が添加されていない、アルカフタジン又はその塩を含有する点眼剤等の水性医薬組成物は一切知られていない。
なお、上市されている水性医薬組成物、例えば点眼剤において、防腐剤が添加されていない点眼剤は知られているが、それらはユニットドーズ型(1回使い切りタイプ)のもの、または防腐剤フリー容器(防腐効力を発揮するための特別な構造を有する容器)に保存されているものが一般的であり、有効成分自身が防腐効力を発揮するような点眼剤はほとんど知られていない。また、アルカフタジン又はその塩自身が防腐効力を有することは一切知られていない。
特表第2009−533333号公報
米国LASTACAFTTM点眼剤添付文書
したがって、防腐剤が添加されていなくても防腐効力を奏する、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物を提供することは興味深い課題である。
本発明者らは、防腐剤が添加されていなくても防腐効力を奏する、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物を見出すために鋭意研究を行なったところ、水性医薬組成物中のアルカフタジン又はその塩の濃度を0.15%(w/v)超とすることにより、防腐剤を含有することなく、十分な防腐効力が得られることを見出し、本発明に至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1)有効成分として0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、防腐剤を含有しないことを特徴とする、水性医薬組成物。
(2)添加剤として緩衝剤、等張化剤、pH調節剤及び安定化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、(1)に記載の水性医薬組成物。
(3)添加剤として緩衝剤、等張化剤及びpH調節剤を含有する、(1)または(2)に記載の水性医薬組成物。
(4)さらに安定化剤を含有する、(3)に記載の水性医薬組成物。
(5)5%(w/v)以下の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(6)0.25%〜5%(w/v)の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(7)眼科用組成物、耳鼻科用組成物、吸入用組成物又は経皮吸収用組成物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(8)点眼剤である、(1)〜(7)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(9)マルチドーズ型水性医薬組成物である、(1)〜(8)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(10)防腐剤が塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン又はその塩、ソルビン酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びクロロブタノールからなる群より選択される、(1)〜(9)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(11)投与経路が、皮膚上投与又は経皮投与である、(1)〜(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
(12)投与経路が、眼の近傍への投与である、(1)〜(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
(13)眼の近傍への投与が、眼瞼皮膚への塗布である、(12)に記載の医薬組成物。
(14)投与剤形が、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、リニメント剤、経皮吸収型製剤、貼付剤、スプレー剤及び注射剤からなる群より選択される、(1)〜(7)および(11)〜(13)のいずれかに記載の医薬組成物。
(15)有効成分として0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、添加剤として緩衝剤、等張化剤、pH調節剤及び安定化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、防腐剤を含有しない、水性医薬組成物。
(16)有効成分として0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、添加剤として緩衝剤、等張化剤、pH調節剤及び安定化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、防腐剤を含有することなく防腐効力を有する、水性医薬組成物。
(17)アルカフタジン又はその塩を0.15%(w/v)超の濃度で配合することで、添加剤として防腐剤を含有せずに、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物に防腐効力を付与する方法。
(18)アルカフタジン又はその塩を0.15%(w/v)超の濃度で配合することで、添加剤として防腐剤を含有せずに、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物に防腐効力を維持する方法。
なお、前記(1)から(18)の各構成は、任意に2以上を選択して組み合わせることができる。
さらに、本発明は以下も提供する。
(19)治療が必要な患者に、治療上の有効量の(1)〜(16)のいずれかに記載の水性医薬組成物を投与することを特徴とする、アレルギー性疾患を治療および/または予防する方法。
(20)アレルギー性疾患の治療および/または予防に使用する、(1)〜(16)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(21)アレルギー性疾患を治療および/または予防するための医薬を製造するための、(1)〜(16)のいずれかに記載の水性医薬組成物の使用。
本発明は、防腐剤を添加しなくても防腐効力を奏する、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物を得ることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「アルカフタジン」とは、化学名6,11−Dihydro−11−(1−methyl−4−piperidinylidene)−5H−imidazo[2,1−b][3]benzazepine−3−carboxaldehydeで表される化合物であり、また下記式:
Figure 2019022225
で表される化合物である。
本発明の水性医薬組成物において、含有されるアルカフタジンは塩であってもよく、医薬として許容される塩であれば特に制限されるものではない。塩としては例えば、無機酸との塩、有機酸との塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、酢酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、アラニン、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、没食子酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等との塩が挙げられる。
本発明において、含有されるアルカフタジン又はその塩は、水和物又は溶媒和物の形態をとってもよい。
本発明において、アルカフタジン又はその塩の含有量は、0.15%(w/v)超であればよく、好ましくは0.25%(w/v)以上であり、その上限は、医薬品の有効成分として用いられる量であればよく、例えば5%(w/v)であり、好ましくは2.5%(w/v)、より好ましくは1%(w/v)、さらに好ましくは0.5%(w/v)である。アルカフタジン又はその塩の含有量としては、0.15%(w/v)超乃至5%(w/v)以下が好ましく、0.25〜5%(w/v)がより好ましく、0.25〜2.5%(w/v)がさらに好ましく、0.25〜1%(w/v)がさらにより好ましく、0.25〜0.5%(w/v)が特に好ましい。
なお、本発明においてアルカフタジンの塩が含有される場合、これらの値はアルカフタジンの塩の含有量である。「%(w/v)」は、本発明の水性医薬組成物100mL中に含まれる対象成分(ここでは、アルカフタジン又はその塩)の質量(g)を意味する。以下、特に断りがない限り同様とする。
本発明において、防腐剤とは、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン又はその塩、ソルビン酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル又はクロロブタノールである。
クロルヘキシジン又はその塩としては、例えば、クロルヘキシジン、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩又はクロルヘキシジン酢酸塩などが挙げられる。
ソルビン酸又はその塩としては、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムなどが挙げられる。
本発明において、「防腐剤を含有しない」とは、水性医薬組成物に上記防腐剤を実質的に含有しないことを指す。なお、ここで用いる、防腐剤を「実質的に含有しない」とは、上記防腐剤を含まないこと、又は上記防腐剤が医薬組成物に求められる防腐効力を発揮しない量の範囲で含有することを意図するものである。
本発明において、「防腐効力を有する」とは、細菌、真菌等の微生物の発育、増殖を防止する作用を指し、「防腐剤を含有することなく防腐効力を有する」とは、水性医薬組成物に上記防腐剤を含有していなくても防腐効力を有することを指す。なお、水性医薬組成物の防腐効力は、例えば第17改正日本薬局方に記載の保存効力試験法に準じた試験を行うことにより、その程度を確認することができ、好ましくは、第17改正日本薬局方に記載の保存効力試験法に基づく試験に適合する防腐効力を指す。
本発明の水性医薬組成物は、経口または非経口(例えば、局所)投与することができる。本発明の水性医薬組成物の非経口投与経路としては、医薬品として許容される局所投与経路、例えば、眼への局所投与(例えば、点眼投与)、点鼻(経鼻)投与、耳への局所投与(例えば、点耳投与)、吸入投与、噴霧投与、経皮投与、皮膚上投与、注射投与などが挙げられる。
本発明の水性医薬組成物は、眼科用製剤、耳鼻科用製剤、吸入用製剤、経皮吸収用製剤として用いることができ、その剤形は、医薬品として使用可能なものであれば特に制限されるものではない。剤形としては、例えば、液剤、懸濁剤等の経口投与剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、吸入剤、(吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤)、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、経皮吸収型製剤、貼付剤(テープ剤、パップ剤)、外用液剤(ローション剤、リニメント剤)、外用固形剤(外用散剤)、スプレー剤(ポンプスプレー剤、外用エアゾール剤)、注射剤(輸液剤、埋め込み注射剤、持続性注射剤)等の局所投与剤が挙げられる。好ましくは点眼剤、点鼻剤、点耳剤、吸入剤、クリーム剤、ローション剤、貼付剤、眼科用経皮吸収型製剤又は眼科用注射剤であり、より好ましくは点眼剤又は眼科用注射剤であり、さらに好ましくは点眼剤である。これらは当該技術分野における通常の方法に従って製造することができる。
本発明の水性医薬組成物は、必要に応じて医薬品の添加剤を含んでいてもよい。例えば、眼科用組成物、耳鼻科用組成物、吸入用組成物、経皮吸収用組成物としての要件を満たすために、緩衝剤、等張化剤、粘稠化剤、界面活性化剤、安定化剤、抗酸化剤、pH調節剤等を加えることができる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、適量を配合することができる。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる緩衝剤の例としては、リン酸又はその塩、ホウ酸又はその塩、クエン酸又はその塩、酢酸又はその塩、炭酸又はその塩、酒石酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、トロメタモール等が挙げられ、これらの水和物又は溶媒和物であってもよい。
リン酸又はその塩としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
ホウ酸又はその塩としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
クエン酸又はその塩としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
酢酸又はその塩としては、酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
炭酸又はその塩としては、炭酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
酒石酸又はその塩としては、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が挙げられ、これらの水和物であってもよい。
本発明の水性医薬組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤は、リン酸又はその塩、ホウ酸又はその塩がより好ましく、リン酸又はその塩がさらに好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムまたはこれらの水和物が特に好ましい。また緩衝剤を2以上一緒に用いてもよい。
本発明の水性医薬組成物に緩衝剤を配合する場合の緩衝剤の含有量は、緩衝剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.001〜10%(w/v)が好ましく、0.01〜5%(w/v)がより好ましく、0.1〜3%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜1.5%(w/v)が最も好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる等張化剤の例としては、イオン性等張化剤、非イオン性等張化剤等が挙げられる。
イオン性等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
非イオン性等張化剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、マルトース、スクロース等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物に等張化剤を配合する場合、等張化剤は、イオン性等張化剤がより好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。また等張化剤を2以上一緒に用いてもよい。
本発明の水性医薬組成物に等張化剤を配合する場合の等張化剤の含有量は、等張化剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.001〜10%(w/v)が好ましく、0.01〜5%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜1%(w/v)が最も好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる粘稠化剤の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物に粘稠化剤を配合する場合の粘稠化剤の含有量は、粘稠化剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.01〜3%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる界面活性化剤の例としては、カチオン性界面活性化剤、アニオン性界面活性化剤、非イオン性界面活性化剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性化剤としては、アルキルアミン塩、アルキルアミンポリオキシエチレン付加物、脂肪酸トリエタノールアミンモノエステル塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、脂肪酸ポリアミン縮合物、アルキルイミダゾリン、1−アシルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシルエチル−2−アルキルイミダゾリン等が挙げられる。ただし、塩化ベンザルコニウムはカチオン性界面活性化剤の性質を有しているが、これには含まれない。
アニオン性界面活性化剤としては、レシチン等のリン酸脂質等が挙げられる。
非イオン性界面活性化剤としては、ステアリン酸ポリオキシル40等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート40、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリソルベート65等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシル5ヒマシ油、ポリオキシル9ヒマシ油、ポリオキシル15ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40ヒマシ油等のポリオキシルヒマシ油;ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール;ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステル(ビタミンE TPGS)等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物に界面活性化剤を配合する場合の界面活性化剤の含有量は、界面活性化剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.01〜10%(w/v)が好ましく、0.05〜5%(w/v)がより好ましく、0.05〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.05〜0.2%(w/v)が特に好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる安定化剤の例としては、エデト酸又はその塩等が挙げられる。
エデト酸又はその塩としては、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物に安定化剤を配合する場合の安定化剤の含有量は、安定化剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.01〜3%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができる抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物に抗酸化剤を配合する場合の抗酸化剤の含有量は、抗酸化剤の種類などにより適宜調整することができるが、0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.01〜3%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましい。
本発明の水性医薬組成物に配合することができるpH調節剤としては、酸又は塩基がある。酸の例としては、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸等が挙げられ、塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物のpHは、4.0〜8.5の範囲内が好ましく、6.0〜8.0がより好ましい。特に、本発明の水性医薬組成物が眼科用組成物である場合は、水性医薬組成物のpHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよく、4.0〜8.5が好ましく、6.0〜8.0がより好ましく、6.5〜7.5がさらに好ましく、6.7〜7.3が特に好ましい。また、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3もさらにより好ましい。
本発明の水性医薬組成物の浸透圧比は、0.5〜2.0の範囲内が好ましい。特に、本発明の水性医薬組成物が眼科用組成物である場合は、水性医薬組成物の浸透圧比は眼科製剤に許容される範囲内にあればよく、例えば0.5〜2.0であり、0.7〜1.6が好ましく、0.8〜1.4がより好ましく、0.9〜1.2がさらに好ましい。
本発明において、水性医薬組成物とは水を含有する医薬組成物を指す。本発明の水性医薬組成物に含まれる水の含有量は、医薬組成物として使用可能な量であれば特に制限はされないが、水性医薬組成物の総重量に対して、10%(w/v)以上が好ましく、30%(w/v)以上がより好ましく、50%(w/v)以上がさらに好ましい。特に、好ましくは70%(w/v)以上であり、より好ましくは90%(w/v)以上であり、さらに好ましくは95%(w/v)以上である。 本発明の水性医薬組成物は、構成成分が全て溶解または一部懸濁していてもよく、またエマルション、半固体状の形態であってもよい。本発明の水性医薬組成物は、構成成分が全て溶解している溶液状態であることがより好ましく、水溶液であることが最も好ましい。溶媒又は分散媒は、限定されるものではないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)であり、好ましくは水である。
本発明の水性医薬組成物がエマルションである場合は、水中油型エマルション(水相を連続相として、水相と分散した油性液滴から構成されるエマルション)であっても油中水型エマルション(油相を連続相として、油と分散した水性液滴から構成されるエマルション)であってもよい。油性液滴または水性液滴の平均サイズは、20〜3000nmであり、好ましくは30〜1000nmであり、より好ましくは50〜600nmであり、さらに好ましくは100〜300nmである。
本発明の水性医薬組成物がエマルションである場合、その油相の例としては、例えばトリグリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド等の中鎖もしくは長鎖のトリグリセリド、ヒマシ油、ゴマ油等の植物油、またはパラフィン系炭化水素等の鉱油等が挙げられる。またエマルション中の油相の量は、例えば水中油型エマルションであれば、0.1〜50%(w/v)であり、好ましくは1〜30%(w/v)である。本発明の水性医薬組成物がエマルションである場合、その物理化学的性質を利用して、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、リニメント剤、経皮吸収型製剤、テープ剤、パップ剤、外用散剤、ポンプスプレー剤、外用エアゾール剤などに用いられてもよい。
本発明において、水性医薬組成物を収容する容器は、容器本体の大きさや形状に特に制限されるものではない。特に、本発明の水性医薬組成物が眼科用組成物である場合は、水性医薬組成物を収容する容器は点眼容器が好ましく、その点眼容器はマルチドーズ型容器、1回使い切りのユニットドーズ型容器又はPFMD(Preservative Free Multi Dose)容器のいずれであってもよいが、本発明の水性医薬組成物は防腐効力を有することから、マルチドーズ型容器が特に好ましい。マルチドーズ型容器とは、複数回使用することを目的にキャップ等の開閉を自由に行えるようにした容器であり、開封後一定期間に渡って使用することができ、持ち運びも容易である。マルチドーズ型水性医薬組成物とは、マルチドーズ型容器に入れられた水性医薬組成物を指す。
本発明において、水性医薬組成物を収容する容器の素材は、容器の形態に沿ったものであれば特に制限されるものではなく、樹脂製容器、アルミ製容器、ガラス製容器等が挙げられるが、特に、本発明の水性医薬組成物を収容する容器が点眼容器である場合は、樹脂製容器が好ましい。樹脂製容器の材質は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン−ポリエチレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー等が挙げられる。さらにポリエチレンは、その密度によって分類され、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
本発明の水性医薬組成物は、特に断りのない限り、アルカフタジン又はその塩以外の医薬活性成分を含んでいてもよい。特に、本発明の水性医薬組成物が眼科用組成物である場合は、アルカフタジン又はその塩以外の点眼剤に用いられる医薬活性成分を含んでいてもよい。アルカフタジン又はその塩以外の他の医薬活性成分としては、例えば、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン剤、血管収縮剤、散瞳剤、縮瞳剤、眼圧降下剤、ドライアイ治療剤、局所麻酔剤等が挙げられる。他の医薬活性成分は、水性医薬組成物の総重量に対して、例えば0.001〜5%(w/v)の量で配合してもよい。また、これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の水性医薬組成物は、アレルギー性疾患の治療剤として有用である。アレルギー性疾患の治療には、アレルギー症状のあらゆる治療(例えば、改善、軽減、進行の抑制等)及びその予防が含まれる。本発明の水性医薬組成物は、眼科用のアレルギー性疾患の治療剤として用いることがより好ましく、特にアレルギー性結膜炎の治療剤として有用である。アレルギー性結膜炎の治療には、アレルギー性結膜炎及びその症状のあらゆる治療(例えば、改善、軽減、進行の抑制等)及びその予防が含まれる。
本発明において、「患者」とは、ヒトのみに限らずその他の動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマなども意味する。患者は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。本発明において、「治療上の有効量」とは、未治療対象と比べて、疾患およびその症状の治療効果をもたらす量、または疾患およびその症状の進行の遅延をもたらす量などを指す。
本発明の水性医薬組成物を投与する場合、所望の薬効を奏するのに十分であれば用法用量に特に制限されるものではない。本発明の水性医薬組成物が眼科用組成物である場合は、1回1滴、1日1〜6回、好ましくは1日1〜4回、より好ましくは1日1〜2回に分けて点眼することができ、コンタクトレンズ装用時においても使用することができる。コンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズであってもよい。
ソフトコンタクトレンズとしては、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とするコンタクトレンズ又はシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ等が挙げられる。
なお、本発明の適用対象となるソフトコンタクトレンズの種類については、特に限定されるものではなく、イオン性または非イオン性、含水性または非含水性のいずれであってもよい。例えば、繰り返し使用されるレンズの他、1日使い捨て用レンズ、1週間使い捨て用レンズ、2週間使い捨て用レンズなどの市販されるすべてのソフトコンタクトレンズに適用可能である。
また、本発明の水性医薬組成物が点鼻用組成物である場合は、1回1滴〜数滴、又は1回1噴霧〜数噴霧、1日1〜6回、好ましくは1日1〜4回、より好ましくは1日1〜3回に分けて点鼻することができ、本発明の水性医薬組成物が点耳用組成物である場合は、1回1滴〜数滴、1日1〜6回、好ましくは1日1〜4回、より好ましくは1日1〜3回に分けて点耳することができ、本発明の水性医薬組成物が吸入用組成物である場合は、1回1噴霧〜数噴霧、1日1〜6回、好ましくは1日1〜4回、より好ましくは1日1〜3回に分けて吸入することができる。本発明の医薬組成物が眼科用経皮吸収型製剤である場合は、1回1mg〜1gを1日1〜4回、好ましくは1日2回、より好ましくは1日1回眼瞼皮膚に投与することができる。
本発明の水性医薬組成物に防腐効力を付与する方法は、水性医薬組成物にアルカフタジン又はその塩を配合することを含む。
本発明の水性医薬組成物の防腐効力を維持する方法は、水性医薬組成物にアルカフタジン又はその塩を配合することを含む。
以下に、製剤例および防腐効力試験の結果を示すが、これらは本発明をより良く理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[製剤例]
以下に本発明の代表的な製剤例を示す。なお、下記製剤例において各成分の配合量は製剤1mL中の含量である。
製剤例1
アルカフタジン 2.5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
製剤例2
アルカフタジン 5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
製剤例3
アルカフタジン 2.5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
エデト酸二ナトリウム 0.1mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
製剤例4
アルカフタジン 5mg
ホウ酸 1mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
製剤例5
アルカフタジン 2.5mg
ポリソルベート80 1mg
ポリエチレングリコール 1mg
グリセリン 適量
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
防腐効力試験
本試験は、第17改正日本薬局方に記載の保存効力試験法に準じて実施した。
1.被験製剤の調製
アルカフタジン(0.15g)、リン酸二水素ナトリウム(0.3g)、塩化ナトリウム(0.3g)を水に溶解して濾過滅菌を行い、pH調節剤と水を加えて全量を60gとすることにより、実施例1の製剤を調製した。
実施例1
1g中
アルカフタジン 2.5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
実施例1の調製方法と同様の方法にて、実施例2および比較例1〜4の製剤を調製した。なお、比較例3で用いたレボセチリジン塩酸塩は「ザイザル(登録商標)錠5mg」の有効成分、比較例4で用いたベポタスチンベシル酸塩は「タリオン(登録商標)錠5mg」の有効成分である。これらはいずれもアレルギー性疾患治療剤として上市されている。
実施例2
1g中
アルカフタジン 5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
比較例1
1g中
(アルカフタジンは含有しない)
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
比較例2
1g中
アルカフタジン 1.5mg
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
比較例3
1g中
レボセチリジン塩酸塩 2.85mg
(レボセチリジンのフリー体 2.4mg相当)
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
比較例4
1g中
ベポタスチンベシル酸塩 21.1mg
(べポタスチンのフリー体 15mg相当)
リン酸二水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
2.試験方法
接種菌として以下の菌株を使用した。
細菌:
大腸菌,Escherichia Coli ATCC 8739(E.coliともいう)
緑膿菌,Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027(P.aeruginosaともいう)
黄色ブドウ球菌,Staphylococcus aureus ATCC 6538(S.aureusともいう)
酵母菌およびカビ類:
カンジダ,Candida albicans ATCC 10231(C.albicansともいう)
クロコウジカビ,Aspergillus brasiliensis ATCC16404(A.brasiliensisともいう)
各製剤からなる試験試料中の菌液濃度が10〜10個/mL(5菌種共)となるように、接種菌液を試験試料に接種した。具体的には、10〜10cfu/mLとなるように接種菌液を調製し、この接種菌液を10〜10cfu/mLとなるように、実施例1〜2及び比較例1〜4の製剤からなる試験試料に各接種菌液を接種し、均一に混合し試料とした。これらの試料を遮光下20〜25℃に保存し、各サンプリングポイント(7日後、14日後、又は28日後)において、各試料からマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定した。各サンプリングポイントでは、試料溶液の蓋を空けてサンプリングを実施し、蓋を閉める操作を行った。
3.試験結果及び考察
試験結果を表1に示す。表1の試験結果は、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値で示しており、例えば、値が「1」の場合には、検査時の生菌数が接種菌数の10%に減少したことを示している。
試験の合否判定について、細菌種(E.coli、P.aeruginosa、S.aureus)に対しては、播種7日後に1.0以上、かつ14日後または28日後に3.0以上であること、および真菌種(C.albicans、A.brasiliensis)に対しては、播種7日後と比較して播種14日後または28日後の数値が減少していないこと、をいずれも満たす時に適合とした。
Figure 2019022225
表1に示されるように、アルカフタジン又はその塩を含有する実施例1〜2の製剤は、防腐剤を含有しないにもかかわらず、いずれの菌に対しても十分な防腐効力を示した。それに対して、比較例1〜4の製剤は、十分な防腐効力を有さないことが示された。特に、アルカフタジン、レボセチリジン及びべポタスチンはいずれも抗アレルギー性疾患治療剤として使用されるが、防腐効力を有する化合物はアルカフタジンのみであることが示された。これにより、0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジンまたはその塩を含有する本発明の水性医薬組成物は、防腐剤を含有しなくても、繰り返し容器を開閉して使用可能であることが示唆された。
本発明は、0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、防腐剤を含有しないことを特徴とする、水性医薬組成物を提供する。

Claims (13)

  1. 有効成分として0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、防腐剤を含有しないことを特徴とする、水性医薬組成物。
  2. 添加剤として緩衝剤、等張化剤、pH調節剤及び安定化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の水性医薬組成物。
  3. 添加剤として緩衝剤、等張化剤及びpH調節剤を含有する、請求項1または2に記載の水性医薬組成物。
  4. さらに安定化剤を含有する、請求項3に記載の水性医薬組成物。
  5. 5%(w/v)以下の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  6. 0.25%〜5%(w/v)の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  7. 眼科用組成物、耳鼻科用組成物、吸入用組成物又は経皮吸収用組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  8. 点眼剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  9. マルチドーズ型水性医薬組成物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  10. 防腐剤が塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン又はその塩、ソルビン酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びクロロブタノールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
  11. 有効成分として0.15%(w/v)超の濃度のアルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物であって、添加剤として緩衝剤、等張化剤、pH調節剤及び安定化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、防腐剤を含有することなく防腐効力を有する、水性医薬組成物。
  12. アルカフタジン又はその塩を0.15%(w/v)超の濃度で配合することで、添加剤として防腐剤を含有せずに、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物に防腐効力を付与する方法。
  13. アルカフタジン又はその塩を0.15%(w/v)超の濃度で配合することで、添加剤として防腐剤を含有せずに、アルカフタジン又はその塩を含有する水性医薬組成物の防腐効力を維持する方法。
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