JPWO2019004371A1 - 有機亜鉛化合物の合成方法 - Google Patents

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Abstract

取り扱いが困難で毒性のある試薬類を使用せずに、少ない工程数で有機亜鉛化合物を効率よく合成できる技術の構築。有機亜鉛化合物の合成方法であって、反応溶媒中で、一般式I(R1-X1)に示す有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体とを反応させて、一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物を得て、得られた前記有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛とを反応させて、一般式III(R1-Zn-X2)に示す有機亜鉛化合物を得る工程、を有する、有機亜鉛化合物の合成方法。

Description

本発明は、有機亜鉛化合物の合成方法に関する。
有機亜鉛化合物は、医農薬及び電子材料、並びに、それらの中間体等の機能性材料の有機合成反応において重要な中間体として使用されている。例えば、炭素−炭素結合を形成するカップリング反応において、当該有機亜鉛化合物と有機ハロゲン化物とをパラジウム触媒等の存在下でカップリングさせる根岸カップリング等が知られている。
有機亜鉛化合物の合成は、有機ハロゲン化物(R-X)と金属亜鉛(Zn)とを直接的に反応させる酸化的付加法、有機リチウム化合物(R-Li)又はグリニャール試薬(R-MgBr等のR-MgX)を塩化亜鉛等のハロゲン化亜鉛(ZnX2)に反応させる金属交換法等が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
また、別の合成方法として、ハロゲン化アリールを、キサントホスを配位させたコバルト触媒の存在下で亜鉛、塩化リチウムと反応させてアリール亜鉛化合物を得る方法が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
中村正治、中村栄一著、総説 有機亜鉛試薬の調製法、有機合成化学協会誌、1998年、第56巻、第8号、第16〜28頁 Meng-Yi Jin and Naohiko Yoshikai, J. Org. Chem. 2011, 76, 1972-1978
酸化的付加法は、次の反応(R-X + Zn→R-ZnX)によるものである。しかしながら、一般的な亜鉛粉末を使用する場合には、有機塩化物等を有機亜鉛化合物に変換することができない等、有機ハロゲン化物として利用できる官能基に制限があった。活性化亜鉛を使用する場合にも、アルゴン雰囲気下THF中で塩化亜鉛に金属リチウムや金属ナトリウム、金属カリウム等を還元剤として作用させて予め活性化亜鉛を調製することが必要となる。ただし、活性化亜鉛は非常に高価であり、コストが増加する等の問題がある。
金属交換法において、有機リチウム化合物を使用する場合には、有機ヨウ化物等の有機ハロゲン化物にn-ブチルリチウム(以下、「nBuLi」と略する)やt-ブチルリチウム(以下、「tBuLi」と略する)を作用させてリチウム−ハロゲン交換反応により予め有機リチウム化合物を調製することが必要となる。つまり、次の二段階反応(1段階目:R-I + nBuLiまたはtBuLi→R-Li、2段階目:R-Li + ZnCl2→R-ZnCl)によるものである。しかしながら、nBuLi、tBuLiは高価な試薬であることからコストが増加する等の問題がある。更に、nBuLi、tBuLiは消防法で第3類危険物に指定されていることから、取り扱いに適した装置や設備等が必要となるとの問題もある。
また、グリニャール試薬は、エーテル等の無水溶媒中で有機ハロゲン化物と金属マグネシウムを反応させることで得られるものであるが、グリニャール試薬は、強塩基性を示す活性な試薬であるため、酸素、二酸化炭素、水と速やかに反応する。そのため、グリニャール試薬の調製及び保管は空気や水分が入らないように厳密に管理することが必要となる。なお、nBuLiやtBuLi、活性化亜鉛を使用する場合においても同様の管理が必要となる。グリニャール試薬の調製に際しては、有機ハロゲン化物として有機臭化物が好適に使用され、その場合には、次の二段階反応(1段階目:R-Br + Mg→R-MgBr、2段階目:R-MgBr+ ZnCl2→R-ZnX)により進行する。しかしながら、臭素は採掘される地域が限定されるうえ、毒性が高く、人体残留性等を有するため、使用が減少している。そのため、流通量が減少し、目的とする有機臭化物の入手が困難となる傾向にある。また、塩化亜鉛との反応後に得られる有機亜鉛化合物が、所望の有機亜鉛クロリド(R-ZnCl)だけでなく、副生成物の有機亜鉛ブロミド(R-ZnBr)が混入するとの問題点もある。一方、グリニャール試薬の調製に際して、有機臭化物に代えて有機塩化物を使用した場合には、1段階目の金属マグネシウムとの反応が進行しなくなるとの問題点もある。
コバルト触媒を利用する方法では、触媒が必須なこと、また、合成したアリール亜鉛化合物に触媒が混入してしまうため、分離操作が必要になり工程数が増加するという問題がある。
そこで、取扱いが困難で毒性のある試薬類を使用せずに、少ない工程数で有機亜鉛化合物を効率よく合成できる技術の構築が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、反応溶媒中で有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体を反応させて有機ナトリウム化合物を得、続いて、得られた有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛を反応させることにより、有機亜鉛化合物を効率よく合成できることを見出した。かかる合成方法は、取扱いが困難で毒性のある試薬類を必要とせず、温和な条件下で有機亜鉛化合物を合成することができる。また、煩雑で高価な合成処理工程や廃棄処理工程等を必要とせず、少ない工程数で有機亜鉛化合物を安価に合成することができる。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機亜鉛化合物の合成方法に関するものであり、その特徴構成は、反応溶媒中で、一般式I(R1-X1)〔ここで、式中、R1は、ナトリウムと反応しない置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式複素環基、芳香族炭化水素基、又は、芳香族複素環基であり、X1は、ハロゲン原子である〕に示す有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体とを反応させて、一般式II(R1-Na)〔ここで、式中、R1は、一般式IのR1と同様である〕に示す有機ナトリウム化合物を得て、得られた前記有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛とを反応させて、一般式III(R1-Zn-X2)〔ここで、式中、R1は、一般式IのR1と同様であり、X2はCl、又は、R1である〕に示す有機亜鉛化合物を得る工程、を有する、点にある。
本構成によれば、有機ハロゲン化物から有機ナトリウム化合物を経て、有機亜鉛化合物を安定的かつ効率的に合成することができる有機亜鉛化合物の合成方法を提供することができる。本構成によれば、取り扱いが容易なナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体を使用することにより、温和な条件下で、煩雑な化学的手法を必要とせず、少ない工程数で簡便かつ短時間に有機亜鉛化合物を安価に合成することができるので、経済的かつ工業的にも非常に有利である。また、温和な条件下で反応が進行するため、有機ハロゲン化物同士がカップリングするウルツ反応等の副反応を誘発することなく、効率的に有機ナトリウム化合物を得ることができ、ひいては、有機亜鉛化合物を高収率かつ高純度に合成することができる。また、ナトリウムは、地球上に極めて広く分布していることから、サステナビリティーにも優れた技術である。更に、本構成の有機亜鉛化合物の合成方法で合成された有機亜鉛化合物は、根岸カップリング等に好適に利用することができる。したがって、本構成の有機亜鉛化合物の合成方法は、医農薬及び電子材料等の機能性材料の合成等、様々な技術分野において利用することができる。
他の特徴構成は、前記X1は、塩素原子である、点にある。
本構成によれば、出発化合物として安価な有機塩化物を使用することにより経済的に更に有利となる。また、グリニャール試薬の調製に際して汎用される有機臭化物において問題とされる、原料である臭素の産地の偏在や入手の困難性等の問題もなく、工業化に際しての高負荷な廃棄処理施設の必要性等の問題もない。
他の特徴構成は、前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、反応溶媒中で、クロロベンゼンに対して2.1モル当量以上で反応させた場合に、添加した前記クロロベンゼンに対するフェニルナトリウムの収率が99.0%以上となる活性を有する、点にある。
本構成によれば、高活性なナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体を使用することにより、更に効率的に有機亜鉛化合物を合成することができる。
他の特徴構成は、前記有機ハロゲン化物:前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体:前記塩化亜鉛のモル比は、一般式IIIのX2がClである場合は1:2以上3以下:1、一般式IIIのX2がR1である場合は1:2以上3以下:1未満である、点にある。
本構成によれば、有機ハロゲン化物、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体、及び、塩化亜鉛の使用量の最適化を図ることにより、有機亜鉛化合物を更に高効率かつ高純度に合成することができる。
本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例1の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例2の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例3の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例4の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例5の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例6の合成条件及び結果を要約する図である。 本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法の検討を行った実施例6の合成条件及び結果を要約する図である。 図6A及び図6Bのa,bを説明する図である。
以下、本発明の実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法について詳細に説明する。ただし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法は、反応溶媒中で、一般式I(R1-X1)に示す有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体を反応させて、一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物を得る(工程1)。続いて、得られた有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛を反応させて、一般式III(R1-Zn-X2)に示す有機亜鉛化合物を得る(工程2)ものである。
(工程1)
工程1は、反応溶媒中で、一般式I(R1-X1)に示す有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体を反応させて、一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物を得る工程である。一般式I(R1-X1)に示す有機ハロゲン化物は、共有結合したハロゲン原子を含む有機化合物であり、本発明の実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法おいて、出発化合物となる。
一般式I(R1-X1)において、R1は、ナトリウムと反応しない置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式複素環基、芳香族炭化水素基、又は、芳香族複素環基である。ナトリウムと反応性を有する置換基を有すると、当該置換基とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体が反応し、副反応を誘発するため好ましくない。したがって、R1としてナトリウムと反応性を有する置換基を有する化合物を出発化合物とする場合には、当該置換基を適切な保護基等で保護することが必要となる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖及び分枝の別を問わず、飽和及び不飽和の別も問わない。また、その鎖長についても特に制限はない。置換基を有する場合、当該置換基は、ナトリウムと反応しないものである限り特に制限はない。また、置換基の数及び導入位置についても特に制限はない。脂肪族炭化水素基としては、これらに限定するものではないが、好ましくは炭素原子数1〜20個、特に好ましくは炭素原子数3〜20個のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示される。具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、s-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、t-ヘキシル基、2,2-ジメチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-プロピルプロピル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、s-ヘプチル基、t-ヘプチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、2-プロピルブチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、t-オクチル基、ネオオクチル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、2-プロピルペンチル基、3-プロピルペンチル基、n-ノニル基、イソノニル基、t-ノニル基、1-メチルオクチル基、2-メチルオクチル基、3-メチルオクチル基、4-メチルオクチル基、5-メチルオクチル基、6-メチルオクチル基、n-デシル基、イソデシル基、t-デシル基、1-メチルノニル基、2-メチルノニル基、3-メチルノニル基、4-メチルノニル基、5-メチルノニル基、6-メチルノニル基、7-メチルノニル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘプチニル基、オクチニル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基は、1個又は複数個を有していてよく、複数個の置換基を有する場合には、互いに同一又は異なっていてもよい。置換基としては、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式複素環基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、脂環式複素環オキシ基、芳香族複素環オキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基は、脂環式複素環チオ基、芳香族複素環チオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、脂環式複素環アミノ基、芳香族複素環アミノ基、アシル基等が例示されるが、これらに限定するものではない。なお、脂肪族炭化水素基は上記で示されるものと同様なものを、脂環式炭化水素基、脂環式複素環基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基としては、下記で示されるものと同様なものが挙げられる。
アルコキシ基は、好ましくは炭素原子数1〜10個のアルコキシ基が例示され、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。シクロアルコキシ基は、好ましくは炭素原子数3〜10個のシクロプロポキシ基が例示され、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基は、好ましくは炭素原子数6〜20個のアリールオキシ基が例示され、具体的には、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。アラルキルオキシ基は、好ましくは炭素原子数7〜11個のアラルキルオキシ基が例示され、具体的には、ベンジルオキシ基、及び、フェネチルオキシ基が挙げられる。脂環式複素環オキシ基、及び、芳香族複素環オキシ基は、複素環部として下記で示される脂環式複素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
アルキルチオ基は、好ましくは炭素原子数1〜20個のアルキルチオ基が例示され、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。シクロアルキルチオ基は、炭素原子数3〜10個のシクロアルキルチオ基が例示され、具体的には、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。アリールチオ基は、好ましくは炭素原子数6〜20個のアリールチオ基が例示され、具体的には、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。アラルキルチオ基は、好ましくは炭素原子数7〜11個のアラルキルチオ基が例示され、具体的には、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。脂環式複素環チオ基、及び、芳香族複素環チオ基は、複素環部として下記で示される脂環式複素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、環構成原子間の結合は飽和及び不飽和の別は問わず、環員数についても特に制限はない。また、単環だけでなく、縮合環やスピロ環等の環集合を持つものも含まれる。脂環式炭化水素基としては、これらに制限するものではないが、好ましくは炭素原子数3〜10個、特に好ましくは3〜7個のシクロアルキル基、及び、シクロアルケニル基、好ましくは炭素原子数4〜10個、特に好ましくは4〜7個のシクロアルケニル基等が例示される。具体的には、シクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。シクロアルケニル基としては、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基は、1個又は複数個を有していてよく、複数個の置換基を有する場合には、互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換基の位置についても特に制限はない。置換基は、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと、同様のものが挙げられる。
脂環式複素環基は、環構成原子として1個又は複数個のヘテロ原子を有する非芳香族複素環基である。単環だけでなく、縮合環やスピロ環等の環集合を持つものも含まれる。環構成原子間の結合は飽和及び不飽和の別は問わず、環員数についても特に制限はない。ヘテロ原子は、環構成原子としてナトリウムと反応しないものである限り特に制限はない。ヘテロ原子の数は特に制限はなく、ヘテロ原子の位置についても制限はない。ヘテロ原子としては、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が例示される。例えば、炭素原子数が、好ましくは2〜7個、特に好ましくは、2〜5個、ヘテロ原子数が、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個である脂環式複素環基が挙げられる。なお、複数個のヘテロ原子を有する場合には、同一種類の原子であっても異なる種類の原子であってもよい。脂環式複素環基としては、単環の四員環式のアゼチジニル基、五員環式のピロリジニル基、六員環式のピペリジル基、ピペラジニル基等の含窒素脂環式複素環基、単環の三員環式のオキシラニル基、四員環式のオキセタニル基、五員環式のテトラヒドロフリル基、六員環式のテトラヒドロピラニル基等の含酸素脂環式複素環基、単環の五員環式のテトラヒドロチオフェニル基等の含硫黄脂環式複素環基、単環の六員環式のモルホリニル基等の含窒素酸素脂環式複素環基、単環の六員環式のチオモルホリニル基等の含窒素硫黄脂環式複素環基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
脂環式複素環は、置換基を有していてもよい。置換基は、1個又は複数個を有していてよく、複数個の置換基を有する場合には、互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換基の位置についても特に制限はない。置換基は、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと、同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する限り特に制限はない。単環だけでなく、縮合環やスピロ環等の環集合を持つものも含まれる。環員数についても特に制限はない。例えば、炭素原子数が、好ましくは6〜22個、特に好ましくは、6〜14個である芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、単環式の六員環フェニル基等、二環式のナフチル基、ペンタレニル基、インデニル基、アズレニル基等、三環式のビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基等、四環式のフルオランテニル、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、ナフタセニル基等、五環式のペリレニル基、テトラフェニレニル等、六環式のペンタセニル基等、七環式のルビセニル基、コロネニル基、ヘプタセニル基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。特に好ましくは、フェニル基である。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基は、1個又は複数個を有していてよく、複数個の置換基を有する場合には、互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換基の位置についても特に制限はない。置換基は、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと、同様のものが挙げられる。特に好ましくは、ノルマルノニル基等のアルキル基である。
芳香族複素環基は、環構成原子として1個又は複数個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基である。単環だけでなく、縮合環やスピロ環等の環集合を持つものも含まれる。環員数についても特に制限はない。ヘテロ原子は、環構成原子としてナトリウムと反応しないものである限り特に制限はない。ヘテロ原子の数は特に制限はなく、ヘテロ原子の位置についても制限はない。ヘテロ原子としては、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が例示される。例えば、炭素原子数が、好ましくは1〜5個、特に好ましくは、3〜5個、ヘテロ原子数が、好ましくは1〜4個、特に好ましくは1〜3個である芳香族複素環基が挙げられる。なお、複数個のヘテロ原子を有する場合には、同一種類の原子であっても異なる種類の原子であってもよい。
例えば、単環式の芳香族複素環基としては、五員環式のピロリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、イミダゾリル基等、六員環式のピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等の含窒素芳香族複素環基、五員環式のフリル基等の含酸素芳香族複素環基、五員環式のチエニル基等の含酸素芳香族複素環基、五員環式のオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基等の含窒素酸素芳香族複素環基、五員環式のチアゾリル基、イソチアゾリル基等の含窒素硫黄芳香族複素環基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
多環式の芳香族複素環基としては、二環式のインドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基等、三環式のカルバゾリル基、カルボリニル基、フェナトリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基等の含窒素芳香族複素環基、二環式のベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾピラニル基等の含酸素芳香族複素環基、二環式のベンゾチエニル基等、三環式のチアントレニル基等の含硫黄芳香族複素環基、二環式のベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基等の含窒素酸素芳香族複素環基、二環式のベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、三環式のフェノチアジニル基等の含窒素硫黄芳香族複素環基、三環式のフェノキサチイニル基等の含酸素硫黄芳香族複素環基等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基は、1個又は複数個を有していてよく、複数個の置換基を有する場合には、互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換基の位置についても特に制限はない。置換基は、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと、同様のものが挙げられる。
X1は、ハロゲン原子であり、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又は、フッ素原子であるが、好ましくは、塩素原子である。出発化合物として安価な有機塩化物を使用することにより経済的に更に有利となる。また、グリニャール試薬の調製に際して汎用される有機臭化物において問題となるような、原料である臭素の産地の偏在や入手の困難性等の問題もなく、工業化に際しての高負荷な廃棄処理施設の必要性等の問題もない。
出発化合物である有機ハロゲン化物は、市販されているものを使用してもよいし、当該技術分野で公知の方法により製造されたものを使用してよい。
ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体(以下、Sodium Dispersionの略号である「SD」と略する場合がある。)は、ナトリウムを微粒子として不溶性溶媒に分散させたもの、又は、ナトリウムを液体の状態で不溶性溶媒に分散させたものである。ナトリウムとしては、金属ナトリウムのほか、金属ナトリウムを含む合金などが挙げられる。微粒子の平均粒子径として、好ましくは、10μm未満であり、特に好ましくは、5μm未満のものを使用することができる。平均粒子径は、顕微鏡写真の画像解析によって得られた投影面積と同等の投影面積を有する球の径で表した。
分散溶媒としては、ナトリウムを微粒子として分散、又はナトリウムを液体の状態で不溶性溶媒に分散でき、かつ、出発化合物である有機ハロゲン化物とSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系溶媒や、ノルマルデカン等のノルマルパラフィン系溶媒、テトラヒドロチオフェン等の複素環化合物溶媒、又はそれらの混合溶媒等が挙げられる。
SDは、クロロベンゼンに対して2.1モル当量以上で反応溶媒中で反応させた場合に、添加したクロロベンゼンに対するフェニルナトリウムの収率が99.0%以上となる活性を有するものを使用することが好ましい(図2の反応図参照)。このような高活性なSDを使用することにより、更に効率的に有機亜鉛化合物を合成することができる。SDの活性を高く維持するためには、好ましくは、ガラスバイアル等のガスバリア性の高い容器に保管することが好ましい。しかしながら、ガスバリア性の低い容器に保管することを排除するものではなく、その場合には、SDの製造後、速やかに、例えば数週間内、好ましくは3週間内に使用する。
工程1の反応溶媒としては、出発化合物である有機ハロゲン化物とSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、エーテル系溶媒、ノルマルパラフィン系やシクロパラフィン系等のパラフィン系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒としては、環状エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略する場合がある)等を好ましく使用することができる。パラフィン系溶媒としては、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、及び、ノルマルデカン等が特に好ましい。芳香族系溶媒としては、キシレン、トルエン及びベンゼン等が好ましく、クロロベンゼンやフルオロベンゼン等のハロゲン化芳香族系溶媒を利用することができる。アミン系溶媒としては、エチレンジアミン等を好ましく使用することができる。複素環化合物溶媒としては、テトラヒドロチオフェン等を利用することができる。また、これらは1種類のみを使用してもよいし、2種以上を併用し混合溶媒として使用することもできる。ここで、前述の分散溶媒と反応溶媒とは同一の種類のものを使用してもよいし、異なる種類のものを使用してもよい。
工程1の反応温度は、溶媒としてパラフィン系溶媒を使用する場合は特に限定されず、出発化合物である有機ハロゲン化物、SD及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力等により適宜設定することができる。具体的には、反応温度は、反応溶媒の沸点を越えない温度に設定することが好ましい。加圧下では大気圧下での沸点よりも高くなるため反応温度を高い温度で設定することができる。反応は、室温で行うこともでき、好ましくは0〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃、更に好ましくは室温〜50℃である。特段の加熱や冷却等のための温度制御手段を設ける必要はないが、必要に応じて、温度制御手段を設けても良い。一方、パラフィン系以外の溶媒を使用する場合は、工程1の反応で生成するR1-Naの好適例であるフェニルナトリウム等と溶媒との反応を防止するため、低温、好ましくは0℃付近で行うとよい。ここで、有機ハロゲン化物と等モル当量のTHFを添加することで、ビフェニルの生成を効果的に抑制できると共に、良好な反応速度を維持することができる。したがって、反応溶媒の種類及び添加量を適切に制御することで、効率的に目的化合物を合成することができる。
工程1の反応時間についても、特に限定されず、出発化合物である有機ハロゲン化物、SD、及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力や反応温度等に応じて適宜設定すればよい。通常は、15分間〜24時間、好ましくは20分間〜6時間で行われる。
工程1は、SD、及び、反応溶媒等の試薬類は大気下で安定して扱うことができることから、大気下の常圧条件下で行うことに適している。しかしながら、生成するR1-Naの好適例であるフェニルナトリウム等は高活性であり少しでも空気が混入すると水分によりプロトン化されることから、必要に応じて、アルゴンガスや窒素ガス等を充填した不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
工程1によって得られる一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物は、出発化合物である一般式I(R1-X1)に示す有機ハロゲン化物のハロゲン原子がナトリウムに置換されたものである。したがって、一般式II(R1-Na)において、R1は、上記した一般式IのR1と同様であり、Naは、ナトリウム原子である。得られた有機ナトリウム化合物は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等、当該技術分野で公知の精製手段により精製してもよい。また、未反応で残存した出発化合物である有機ハロゲン化物を回収し、再度、工程1の反応に供するように構成してもよい。また、生成時と同様にアルゴンガスや窒素ガスなどを充填した不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
(工程2)
工程2は、工程1によって得られた一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛(ZnCl2)を反応させて、最終目的化合物の一般式III(R1-Zn-X2)に示す有機亜鉛化合物を得る工程である。
塩化亜鉛は単体として使用してもよいし、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と略する)を配位させた錯体として使用してもよい。TMEDAと錯体を形成することにより塩化亜鉛は空気中で吸湿分解せず安定であり、取り扱いや保管にも有利である。
工程2は、工程1によって得られた反応物に塩化亜鉛を添加することにより行ってもよいし、工程1によって得られた反応物を当該技術分野で公知の精製手段により精製した後、反応溶媒の存在下で塩化亜鉛を添加することによって行ってもよい。反応溶媒としては、工程1と同様のものを使用することができる。
工程2の反応温度は、溶媒としてパラフィン系溶媒を使用する場合は特に限定されず、有機ナトリウム化合物、SD及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力等により適宜設定することができる。具体的には、反応温度は、反応溶媒の沸点を越えない温度に設定することが好ましい。加圧下では大気圧下での沸点よりも高くなるため反応温度を高い温度で設定することができる。反応は、室温で行うこともでき、好ましくは0〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃、更に好ましくは室温〜50℃である。特段の加熱や冷却等のための温度制御手段を設ける必要はないが、必要に応じて、温度制御手段を設けても良い。一方、パラフィン系以外の溶媒を使用する場合は、工程1の反応で生成するR1-Naの好適例であるフェニルナトリウム等と溶媒との反応を防止するため、低温、好ましくは0℃付近で行うとよい。
工程2の反応時間についても、特に限定されず、有機ナトリウム化合物、SD、及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力や反応温度等に応じて適宜設定すればよい。通常は、5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間で行われる。
また、工程2は、塩化亜鉛、及び、反応溶媒等の試薬類は大気下で安定して扱うことができることから、大気下の常圧条件下で行うことに適している。しかしながら、有機ナトリウム化合物の種類等の必要に応じて、アルゴンガスや窒素ガス等を充填した不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
工程2の反応によって、所望の最終目的化合物の一般式III(R1-Zn-X2)に示す有機亜鉛化合物を得ることができる。工程2において、R1-Na + ZnCl2 → R1-Zn-Cl + NaCl、又は、2R1-Na + ZnCl2 → R1-Zn-R1+ 2NaClの反応が起こり、R1-Zn-Cl 、又は、R1-Zn-R1を得ることができる。ここで合成される一般式III(R1-Zn-X2)に示す有機亜鉛化合物は、一般式II(R1-Na)に示す有機ナトリウム化合物のナトリウムが、亜鉛クロリド、又は、亜鉛に置換されたものである。したがって、一般式III(R1-Zn-X2)において、R1は、上記した一般式I(R1-X1)及び一般式II(R1-Na)のR1と同様である。一般式III(R1-Zn-X2)においてX2がClの場合、X2は塩化亜鉛由来である。
本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法においてSD及び塩化亜鉛の使用量は、出発化合物、及び反応溶媒の種類や量に応じて適宜設定することができる。好ましくは、一般式III(R1-ZnX2)のX2がClの場合、出発化合物物質である有機ハロゲン化物:SD:塩化亜鉛のモル比は、1:2以上3以下:1となる量で反応させることが好ましい。一方、一般式III(R1-ZnX2)のX2がR1の場合、出発化合物物質である有機ハロゲン化物:SD:塩化亜鉛のモル比は、1:2以上3以下:1未満となる量で反応させることが好ましく、より好ましくは1:2以上3以下:0.3以上0.5未満で反応させることが好ましい。この量で反応させることにより、有機亜鉛化合物を高効率かつ高純度に合成することができる。ここで、SDの物質量は、SD中に含まれるアルカリ金属換算での物質量を意味する。
本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法において最終的に合成された有機亜鉛化合物は、再結晶等の当該技術分野で公知の精製手段により精製してもよい。また、未反応で残存した有機ハロゲン化物及び有機ナトリウム化合物等を回収し、再度、当該有機亜鉛化合物の合成のために利用するように構成してもよい。
本実施形態に係る有機亜鉛化合物の合成方法は、SDを利用することにより安定的かつ効率的に有機亜鉛化合物を合成することができる。取り扱いが容易なSDを使用することにより、温和な条件下で、煩雑な化学的手法を必要とせず、少ない工程数で簡便かつ短時間に有機亜鉛化合物を安価に合成することができるので、経済的かつ工業的にも非常に有利である。ナトリウムは、地球上に極めて広く分布していることから、サステナビリティーにも優れた技術である。一方、固体の金属ナトリウムを使用した場合には、反応温度が室温では効率が悪く、金属ナトリウムの融点(98℃)以上等の高温で反応を行うことが必要となる。このような高温で反応を行うことで、有機ハロゲン化物同士がカップリングするウルツ反応が誘発され、有機ナトリウム化合物を効率よく合成することができず、有機亜鉛化合物の収率が低下する。これに対して、SDを使用することにより、温和な条件下で反応を進行させることができるので、ウルツ反応等の副反応を誘発することなく、効率的に有機ナトリウム化合物を得ることができ、ひいては、有機亜鉛化合物を高収率かつ高純度に合成することができる。
本実施形態の有機亜鉛化合物の合成方法で合成された有機亜鉛化合物は、根岸カップリング等に好適に利用することができる。したがって、本発明の有機亜鉛化合物の合成方法は、医農薬及び電子材料等の機能性材料の合成等、様々な技術分野において利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例におけるSDとしては、金属ナトリウムを微粒子としてノルマルパラフィン油に分散させた分散体を使用し、SDの物質量は、SDに含まれる金属ナトリウム換算での数値である。
(実施例1)有機ナトリウム化合物(アリールナトリウム)合成条件、及び、有機亜鉛化合物の合成条件の検討
本実施例では、図1に要約する合成条件により、有機ナトリウム化合物として4- nノニルフェニルナトリウム2の合成を検討すると共に、得られた4-nノニルフェニルナトリウム2を利用して、有機亜鉛化合物である4-ノルマル(n)ノニルフェニル亜鉛クロリド4の合成を検討した。
実験番号1
シクロヘキサン0.5ml中に、出発化合物である0.25mmolの1-クロロ-4-nノニルベンゼン1と2.5モル当量のSDを添加し、室温で20分間反応させ、4- nノニルフェニルナトリウム2を合成した。なお、モル当量は、出発物質である化合物である4- nノニル-クロロベンゼン1に対するモル当量である。
実験番号2
ヘキサン1ml中に、出発化合物である0.5mmolの4-nノニル-クロロベンゼン1と2.5モル当量のSDを添加し、25℃で20分間反応させ、4-nノニルフェニルナトリウム2を合成した。
実験番号3
ヘキサン0.5ml中に、出発化合物である0.25mmolの4-nノニル-クロロベンゼン1と2.5モル当量のSDを添加し、25℃で20分間反応させ、4-nノニルフェニルナトリウム2を合成した。4- nノニルフェニルナトリウム2に1.0モル当量の塩化亜鉛,TMEDAを添加し、25℃で15分間反応させ、4-nノニルフェニル亜鉛クロリド4を得た。
合成された4- nノニルフェニルナトリウム2の評価は、4- nノニルフェニルナトリウム2を重水でクエンチし、クエンチ後の生成物3をガスクロマトグラフィー(以下「GC」と略する)により測定することにより行った。これは、4- nノニルフェニルナトリウム2のナトリウムが重水素により置換されることを利用するものである。収率として、反応系に添加した1-クロロ-4- nノニルベンゼン1から理論的に生成することができる生成物3に対する、実際に取得できた生成物3の割合(%)を算出した。しかしながら、GCにより測定した生成物3には、重水素化されたものだけなく、水素化されたものも含まれる。そのため、得られた生成物3を1H NMRにより測定し、生成物3に対する重水素率(D比(%))を算出した。また、未反応で残存した1-クロロ-4- nノニルベンゼン1をGCで測定し、未反応率(%)を算出すると共に、1-クロロ-4- nノニルベンゼン1同士がカップリングするウルツ反応が誘発されている否かを評価するため、カップリング生成物(Ar-Ar)の生成を1H NMRで測定し、Ar-Ar生成率(%)を算出した。
合成された4-nノニルフェニル亜鉛クロリド4の評価は、上記と同様に、重水でクエンチし、クエンチ後の生成物5をGC及び1HNMRにより測定することにより行った。
結果を図1に示す。図1に示す通り、実験番号1では、水素化されたものも含む生成物3(有機ナトリウム化合物)の収率は98%であり、重水素化率は93%であった。したがって、生成物3の実際の収率は91%であった。一方、未反応で残存した1-クロロ-4- nノニルベンゼン1は極微量であり、また、ウルツ反応に伴うカップリング生成物の生成率は1%であった。実験番号2では、水素化されたものも含む生成物3の収率は93%であり、重水素化率は96%であった。したがって、生成物3の実際の収率は89%であった。これにより、SDを使用することにより、アリールナトリウム等の有機ナトリウム化合物を高収率及び高純度に合成でき、副反応であるウルツ反応の誘発をも効果的に抑制できることが理解できる。
また、実験番号3では、水素化されたものも含む生成物5(有機亜鉛化合物)の収率は90%であり、重水素化率は94%であった。したがって、生成物5の実際の収率は85%であった。これにより、4-nノニル-クロロベンゼン1から4- nノニルフェニルナトリウム2を経て、高収率に4- nノニルフェニル亜鉛クロリド4の合成を行うことができた。
(実施例2)有機ナトリウム化合物(アリールナトリウム)合成条件の検討−2
本実施例では、図2に要約する合成条件により、有機ナトリウム化合物としてフェニルナトリウム2の合成を検討した。ヘキサン0.5ml中に、出発化合物である1.0モル当量のハロゲン化ベンゼン1とYモル当量のSDを添加し、室温で30分間反応させ、フェニルナトリウム2を合成した。
合成されたフェニルナトリウム2の評価は、1.0モル当量の2,2,6,6-テトラメチルピペリジド3と室温で30分間反応させ、得られたナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド4をフルオレンと反応させ、重水でクエンチし、クエンチ後の生成物を1H NMRで測定することにより行った。収率として、反応系に添加したハロゲン化ベンゼン1から理論的に生成することができるナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド4に対する、実際に取得できたナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド4の割合(%)を算出した。また、ハロゲン化ベンゼン1同士がカップリングするウルツ反応が誘発されているか否かを評価するため、カップリング生成物(Ph-Ph)の生成を1H NMRで測定し、Ph-Ph生成率(%)を算出した。
結果を図2に示す。図2に示す通り、出発化合物としてブロモベンゼン1を使用した場合にはSDを2.2モル当量以上で反応させると99%以上の高収率でフェニルナトリウム2を合成できることが理解できる。また、出発化合物としてクロロベンゼン1を使用した場合にはSDを2.1モル当量以上で反応させると99%以上の高収率でフェニルナトリウム2を合成できることが理解できる。一方、SDが2.0モル当量未満となると、副反応であるウルツ反応を誘発することも判明した。
(実施例3)有機亜鉛化合物の合成条件の検討及び根岸カップリングへの応用−1
本実施例では、図3に要約する合成条件により、有機亜鉛化合物を合成し、得られた有機亜鉛化合物がパラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。ここで、パラジウム触媒として、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(PPh3)2)を使用した。
実験番号1
有機亜鉛化合物として4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3の合成を検討した。ヘキサン1ml中に、出発化合物である1.2モル当量の4- nノニル-クロロベンゼン1と2.8モル当量のSDを添加し、室温で15分間反応させ、4- nノニルフェニルナトリウム2を合成した。得られた4-nノニルフェニルナトリウム2に1.2モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、室温で15分間反応させ、4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3を得た。
続いて、得られた4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3が、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3を、パラジウム触媒であるビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(PPh3)210モル%(2-ブロモナフタレンに対し))の存在下で1.0モル当量の2-ブロモナフタレン4と70℃で3時間反応させた。その結果、図3に示す通り、2-(4- nノニルフェニル)ナフタレン5が得られた。
合成された2-(4- nノニルフェニル)ナフタレン5の評価は、1H NMRでの測定により行った。収率は、反応系に添加した2-ブロモナフタレン4から理論的に生成することができる、2-(4- nノニルフェニル)ナフタレン5に対する、実際に取得できた、2-(4-nノニルフェニル)ナフタレン5の割合を百分率で示すことで算出した。収率は96%となった。これにより、4- nノニル-クロロベンゼン1から4- nノニルフェニルナトリウム2を経て、高収率に4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3の合成を行うことができた。また、4- nノニルフェニル亜鉛クロリド3を用いた根岸カップリングが効率よく進行し、その結果、2-(4- nノニルフェニル)ナフタレン5が高収率で得られることが理解できる。
実験番号2
有機亜鉛化合物として4-メチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を検討した。ヘキサン1.2ml中に、出発化合物である1.2モル当量の4-メチル-クロロベンゼン1と2.6モル当量のSDを添加し、25℃で1時間反応させ、4-メチルフェニルナトリウム2を合成した。得られた4-メチルフェニルナトリウム2に1.2モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、25℃で30分間反応させ、4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を得た。
続いて、得られた4-メチルフェニル亜鉛クロリド3が、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を、パラジウム触媒であるビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(PPh3)25モル%(2-ブロモナフタレンに対し)の存在下で1.0モル当量(0.5 mmol)の2-ブロモナフタレン4と70℃で3時間反応させた。その結果、図3に示す通り、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5が得られた。
合成された2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5の評価は、1H NMRでの測定により行った。収率は、反応系に添加した2-ブロモナフタレン4から理論的に生成することができる、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5に対する、実際に取得できた、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5の割合を百分率で示すことで算出した。収率は94%となった。なお、単離収率は87%であった。これにより、4-メチル-クロロベンゼン1から4-メチルフェニルナトリウム2を経て、高収率に4-メチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を行うことができた。また、4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を用いた根岸カップリングが効率よく進行し、その結果、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5が高収率で得られることが理解できる。
(実施例4)有機亜鉛化合物の合成条件の検討及び根岸カップリングへの応用−2
本実施例では、実施例3に続き、図4に要約する合成条件により、有機亜鉛化合物を合成し、得られた有機亜鉛化合物がパラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。ここで、パラジウム触媒として、PEPPSI-IPrを使用した。
実験番号1
有機亜鉛化合物として4-メチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を検討した。ヘキサン1.2ml中に、出発化合物である1.2モル当量の4-メチル-クロロベンゼン1と2.6モル当量のSDを添加し、25℃で1時間反応させ、4-メチルフェニルナトリウム2を合成した。得られた4-メチルフェニルナトリウム2に1.2モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、25℃で30分間反応させ、4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を得た。
続いて、得られた4-メチルフェニル亜鉛クロリド3が、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を、パラジウム触媒であるPEPPSI-IPr 1モル%(2-クロロナフタレンに対し)の存在下、THF/NMP(0.6ml/0.3ml)で1.0モル当量(0.5 mmol)の2-クロロナフタレン4と70℃で3時間反応させた。その結果、図4に示す通り、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5が得られた。
合成された2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5の評価は、1H NMRでの測定により行った。収率は、反応系に添加した2-クロロナフタレン4から理論的に生成することができる、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5に対する、実際に取得できた、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5の割合を百分率で示すことで算出した。収率は99%となった。なお、単離収率は95%であった。これにより、4-メチル-クロロベンゼン1から4-メチルフェニルナトリウム2を経て、高収率に4-メチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を行うことができた。また、4-メチルフェニル亜鉛クロリド3を用いた根岸カップリングが効率よく進行し、その結果、2-(4-メチルフェニル)ナフタレン5が高収率で得られることが理解できる。
実験番号2
有機亜鉛化合物として2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を検討した。ヘキサン1.2ml中に、出発化合物である1.2モル当量の2,6-ジメチル-クロロベンゼン1と2.6モル当量のSDを添加し、25℃で1時間反応させ、2,6-ジメチルフェニルナトリウム2を合成した。得られた2,6-ジメチルフェニルナトリウム2に1.2モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、25℃で30分間反応させ、2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3を得た。
続いて、得られた2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3が、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3を、パラジウム触媒であるPEPPSI-IPr 1.0モル%(2-クロロナフタレンに対し)の存在下、THF/NMP(0.6ml/0.3ml)で1モル当量(0.5 mmol)の2-クロロナフタレン4と70℃で3時間反応させた。その結果、図4に示す通り、2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレン5が得られた。
合成された2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレン5の評価は、1H NMRでの測定により行った。収率は、反応系に添加した2-クロロナフタレン4から理論的に生成することができる、2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレン5に対する、実際に取得できた、2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレン5の割合を百分率で示すことで算出した。収率は96%となった。これにより、2,6-ジメチル-クロロベンゼン1から2,6-ジメチルフェニルナトリウム2を経て、高収率に2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3の合成を行うことができた。また、2,6-ジメチルフェニル亜鉛クロリド3を用いた根岸カップリングが効率よく進行し、その結果、2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレン5が高収率で得られることが理解できる。
(実施例5)有機亜鉛化合物の合成条件の検討及び根岸カップリングへの応用−3
本実施例では、実施例3及び4に続き、図5に要約する検討条件により、有機亜鉛化合物としてフェニル亜鉛クロリド3の合成条件を検討した。ヘキサン1ml中に、出発化合物である1.25モル当量のクロロベンゼン1と2.9モル当量のSDを添加し、室温で20分間反応させ、フェニルナトリウム2を合成した。得られたフェニルナトリウム2に1.25モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、室温で15分間反応させ、フェニル亜鉛クロリド3を得た。
続いて、得られたフェニル亜鉛クロリド3が、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。フェニル亜鉛クロリド3を、10モル%PdCl2(PPh3)2の存在下で1.0モル当量の2-ブロモピリジン4と70℃で3時間反応させた。その結果、図5に示す通り、2-フェニルピリジン5が得られた。
合成された2-フェニルピリジン5の評価は、1H NMRでの測定により行った。収率は、反応系に添加した2-ブロモピリジン4から理論的に生成することができる2-フェニルピリジン5に対する、実際に取得できた、2-フェニルピリジン5の割合を百分率で示すことで算出した。収率は68%となった。これにより、クロロベンゼン1からフェニルナトリウム2を経て、高収率にフェニル亜鉛クロリド3の合成を行うことができた。また、フェニル亜鉛クロリド3を用いた根岸カップリングが効率よく進行し、その結果、2-フェニルピリジン5が高収率で得られることが理解できる。
(実施例6)有機亜鉛化合物の合成条件の検討及び根岸カップリングへの応用−4
本実施例では、実施例3〜5に続き、図6A〜図6C(実験番号1〜18)に要約する検討条件により、有機亜鉛化合物を合成し、得られた有機亜鉛化合物がパラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。ここで、パラジウム触媒として、PEPPSI(登録商標)-IPrCLを使用した。
実験番号1
1.2 mlのヘキサン中に出発化合物である1.2モル当量(0.6 mmol)の有機塩化物1である4-クロロトルエンと2.5モル当量のSDを添加し、30℃で30分間反応させ、有機ナトリウム化合物2である4-メチルフェニルナトリウムを合成した。得られた4-メチルフェニルナトリウムに1.2モル当量の塩化亜鉛・TMEDAを添加し、ヘキサン中で25℃で30分間反応させ、有機亜鉛化合物3である4-メチルフェニル亜鉛クロリドを得た。続いて、得られた4-メチルフェニル亜鉛クロリドが、パラジウム触媒を使用した根岸カップリングに利用できるか否かを検討した。THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、4-メチルフェニル亜鉛クロリドを、1モル%のパラジウム触媒であるPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(4-メチルフェニル)ナフタレンを単離収率95%で得た。
実験番号2
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の2-クロロトルエンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(2-メチルフェニル)ナフタレンを単離収率96%で得た。
実験番号3
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-tert-ブチル-2-クロロベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は5時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.25 mmol)の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で24時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(2- tert-ブチルフェニル)ナフタレンを単離収率88%で得た。
実験番号4
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の2-クロロ-m-キシレンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は3時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)当量の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレンを単離収率92%で得た。
実験番号5
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の2-クロロ-m-キシレンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は3時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である1-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である1-(2,6-ジメチルフェニル)ナフタレンを単離収率93%で得た。
実験番号6
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の4-クロロトルエンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は30分間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である1-クロロ-4-メトキシベンゼンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である4-メトキシ-4'-メチル-1,1'-ビフェニルを単離収率95%で得た。
実験番号7
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の4-クロロトルエンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は30分間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である4-クロロ安息香酸メチルと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である4-メトキシカルボニル-4'-メチル-1,1'-ビフェニルを単離収率94%で得た。
実験番号8
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の4-クロロトルエンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は30分間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-クロロピリジンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(4-メチルフェニル)ピリジンを単離収率95%で得た。
実験番号9
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1,3-ジイソプロピル-2-クロロベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は3時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-ナフタレンと70℃で5時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である2-(2,6-ジイソプロピルフェニル)ナフタレンを単離収率96%で得た。
実験番号10
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1,3-ジイソプロピル-2-クロロベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は3時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である1-ナフタレンと70℃で24時間反応させた。その結果、図6Aに示す通り、カップリング生成物5である1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)ナフタレンを単離収率92%で得た。
実験番号11
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の2-クロロ-m-キシレンを用いて、上記実験番号1と同様に2.4モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は3時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である1,2-ジクロロベンゼンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である1-クロロ-2',6'-ジメチル-1,1'-ビフェニルを単離収率70%で得た。
実験番号12
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-クロロ-3-ジメチルアミノベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である2-[3-(ジメチルアミノ)フェニル]ナフタレンを単離収率96%で得た。
実験番号13
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として3.6モル当量の1-クロロ-3-ジメチルアミノベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に7.6モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、3モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.25 mmol)の有機塩化物4である1,3,5-トリクロロベンゼンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である1,3,5-トリ[3-(ジメチルアミノ)フェニル]ベンゼンを単離収率90%で得た。
実験番号14
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-クロロ-3-ジメチルアミノベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-チオフェンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である2-[3-(ジメチルアミノ)フェニル]チオフェンを単離収率85%で得た。
実験番号15
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-クロロ-3-ジメチルアミノベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4であるN-tert-ブトキシカルボニル-6-クロロインドールと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である6-[3-(ジメチルアミノ)フェニル]インドールを単離収率93%で得た。
実験番号16
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-クロロ-2-メトキシベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.3 ml)/NMP(0.6 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、2モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である4-クロロ-1-(トリメチルシリル)-1ペンチンと70℃で24時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である4-(2-メトキシフェニル)-1-(トリメチルシリル)-1-ペンチンをNMR収率92%で、単離収率87%で得た。
実験番号17
1.2 mlのヘキサン中で、有機塩化物1として1.2モル当量(0.6 mmol)の1-クロロ-2-メトキシベンゼンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は30℃、反応時間は1時間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である2-クロロナフタレンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である2-(2-メトキシフェニル)ナフタレンを単離収率97%で得た。
実験番号18
2.4mL中のヘキサン中で、有機塩化物1として0.6 mmolの1-クロロペンタンを用いて、上記実験番号1と同様に2.5モル当量のSDと反応させて得られた有機ナトリウム化合物2を経て、有機亜鉛化合物3を合成した。なお、反応温度は0℃、反応時間は20分間であった。続いて、THF(0.6 ml)/NMP(0.3 ml)中で、有機亜鉛化合物3を、1モル%のPEPPSI(登録商標)-IPrCLの存在下で1モル当量(0.5 mmol)の有機塩化物4である1-クロロイソキノリンと70℃で3時間反応させた。その結果、図6Bに示す通り、カップリング生成物5である1-ペンチルイソキノリンを単離収率86%で得た。
本発明は、有機亜鉛化合物の合成方法、及び、かかる合成方法により合成される有機亜鉛化合物を利用する全ての技術分野、特には、カップリング反応の中間体として好適に利用でき、医農薬や電子材料の製造分野において特に有用である。

Claims (4)

  1. 有機亜鉛化合物の合成方法であって、
    反応溶媒中で、一般式I(R1-X1
    〔ここで、式中、R1は、ナトリウムと反応しない置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式複素環基、芳香族炭化水素基、又は、芳香族複素環基であり、X1は、ハロゲン原子である〕に示す有機ハロゲン化物とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体とを反応させて、
    一般式II(R1-Na)
    〔ここで、式中、R1は、一般式IのR1と同様である〕に示す有機ナトリウム化合物を得て、
    得られた前記有機ナトリウム化合物と塩化亜鉛とを反応させて、
    一般式III(R1-Zn-X2
    〔ここで、式中、R1は、一般式IのR1と同様であり、X2はCl、又は、R1である〕に示す有機亜鉛化合物を得る工程、を有する、有機亜鉛化合物の合成方法。
  2. 前記X1は、塩素原子である請求項1に記載の有機亜鉛化合物の合成方法。
  3. 前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、反応溶媒中で、クロロベンゼンに対して2.1モル当量以上で反応させた場合に、添加した前記クロロベンゼンに対するフェニルナトリウムの収率が99.0%以上となる活性を有する、請求項1又は2に記載の有機亜鉛化合物の合成方法。
  4. 前記有機ハロゲン化物:前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体:前記塩化亜鉛のモル比は、一般式IIIのX2がClである場合は1:2以上3以下:1、一般式IIIのX2がR1である場合は1:2以上3以下:1未満である請求項1〜3の何れか一項に記載の有機亜鉛化合物の合成方法。
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