JPWO2019004252A1 - ジャガイモシストセンチュウ類の防除方法 - Google Patents

ジャガイモシストセンチュウ類の防除方法 Download PDF

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Abstract

メチオニンの施用濃度が低くても高いセンチュウ防除効果を示す、メチオニン単独施用による実用的なジャガイモシストセンチュウ類の防除方法を提供する。本防除方法においては、ジャガイモシストセンチュウ類が生息する土壌200gに対して30mg以上100mg以下のメチオニンを施用する。一実施形態においては、土壌200gに対して40mg以上80mg未満のメチオニンを施用することが好ましい。

Description

本発明は、植物に寄生して生長を妨げる線虫を防除するための方法に関する。
ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウなどは、男爵薯やメークインなどのジャガイモを栽培する際に大きな問題となる病虫害の一種である。これらのシストセンチュウは、生活環の中で耐久体である「シスト」を形成するため、一旦発生すると根絶することが困難である。
ジャガイモシストセンチュウへの対策として、例えばキタアカリやとうやなどの抵抗性品種の育成が進められているものの、ジャガイモシロシストセンチュウの抵抗性品種の開発は遅れている。また、これらの抵抗性品種に対する消費者のニーズはあまり高くない。生食用品種の7割にあたる男爵薯及びメークインは、ジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウに対して抵抗性を持たない品種である。現実的な対策として、効果は完全ではないものの農薬の施用が行われている。しかし、農薬には毒性があり、人体や環境に悪影響を及ぼすだけでなく、高価である。したがって、これらのシストセンチュウの防除効果が大きいとともに、環境や人体に与えるリスクが低く、低コストの防除資材及び防除方法が求められている。
メチオニンにセンチュウによる作物の被害を抑制する効果があることは知られている。メチオニンは、自然界に存在するアミノ酸の一種であり、医薬品、サプリメント、家畜飼料などにも用いられている安全性の高い物質である。メチオニンを用いたセンチュウ抑制に関して、特許文献1〜特許文献3に記載される技術が提案されている。これらの特許文献において提案されている技術では、用いられるメチオニンの量が多く、特許文献2及び特許文献3において提案されている技術は、メチオニンを単独で施用するものではない。メチオニンは、以前と比べ価格が低下したとはいえ、多量のメチオニンを施用することはコスト的には現実的な対策とはならない。また、特許文献1にも記載されているように、多量のメチオニンを施用すると作物の生長が阻害されるおそれがある。さらに、これらの特許文献において提案されている技術は、ネコブセンチュウを対象とするものであり、ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウに対する効果は不明である。特許文献3には、ジャガイモシストセンチュウに関する記載はあるものの、実施例として挙げられているのはネコブセンチュウのみであり、ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウへの効果は不明である。
メチオニンを単独で土壌に施用してもセンチュウを抑制できることについては、これまでほとんど研究が行われていない。非特許文献1においては、メチオニン単独でもサツマイモネコブセンチュウを抑制する効果があることは認められているものの、圃場試験では効果が不安定であること、キタネグサレセンチュウでは効果が判然としないことなどが報告されている。
メチオニン単独施用によるジャガイモシストセンチュウへの効果に関して、本出願の発明者らが知る唯一の報告は、非特許文献2である。非特許文献2においては、200mg/1株(汚染土200gに対してメチオニン200mg)以上の高濃度でメチオニンを施用した場合の効果が確認されているのみであり、その効果の程度も低く、メチオニンの施用量と効果とを考慮すれば、実用的な方法が報告されているとは到底言えない。また、上述のように、この施用量では、作物の生長が阻害されるおそれがある。
特開2000−7506号公報 特許第3557454号公報 特許第4670254号公報
皆川ら、「メチオニンの土壌施用によるネコブセンチュウ等土壌線虫密度およびトマト幼苗に対する影響」、中央農業総合研究センター研究報告、2004年1月、第4号、p.35−40 K.EVANS and D.L.TRUDGILL, "EFFECTS OF AMINO ACIDS ON THE REPRODUCTION OF HETERODERA ROSTOCHIENSIS", Nematologica, 1971, 17, p.495-500
本発明は、メチオニンの施用濃度が低くても高い防除効果を示す実用的なジャガイモシストセンチュウ類の防除方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、メチオニンを低濃度かつ単独で施用した場合でも、ジャガイモシストセンチュウ類の防除効果を得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、ジャガイモシストセンチュウ類を防除するための防除方法を提供する。本防除方法においては、ジャガイモシストセンチュウ類が生息する土壌200gに対して30mg以上100mg以下のメチオニンを施用する。一実施形態においては、土壌200gに対して40mg以上80mg未満のメチオニンを施用することがより好ましい。
一実施形態においては、メチオニンの土壌への施用は、メチオニンを作物植え付け前の土壌に均一に混和することによって行うことがより好ましい。別の実施形態においては、メチオニンの土壌への施用は、作物植え付けの10日前以降に行うことがより好ましい。さらに別の実施形態においては、メチオニンは、L−メチオニン又はDL−メチオニンであることがより好ましい。
本発明の防除方法は、低濃度のメチオニンを単独で施用しても高いジャガイモシストセンチュウ類の防除効果があるため、本発明の方法を用いれば、ジャガイモシストセンチュウ類の被害を効果的に抑制しながら低コストで安全にジャガイモの生産を行うことができる。
以下において、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明に係る防除方法において防除の対象であるジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウなどのジャガイモシストセンチュウ類は、植物寄生性線虫の一種であり、土壌中に生息し、男爵薯、メークイン、インカのめざめなどの抵抗性を持たないジャガイモに寄生して生長を阻害する。これらのシストセンチュウは、生活環の中で耐久体である「シスト」を形成するため、一旦発生すると根絶することが困難である。この「シスト」のジャガイモへの付着個数をできる限り少なくすることによって、ジャガイモに寄生する上記シストセンチュウの防除が可能となる。
本発明に係る防除方法によれば、メチオニンを土壌に施用することによって、ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウといった、ジャガイモの生長を妨げるジャガイモシストセンチュウ類を防除することができる。ジャガイモに寄生するジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウは、ともにGlobodera属に分類され、形態及び生態的な特徴は類似していることが知られている。これらのシストセンチュウの寄主範囲は比較的狭く、ナス科の植物に限定されており、被害が問題となる主要な農作物は馬鈴薯である。ジャガイモシストセンチュウとジャガイモシロシストセンチュウは対応する抵抗性品種が異なるものの、その他の防除対策、例えば、土壌移動の防止、作付け前の土壌診断、馬鈴薯の連作の自粛、土壌消毒などの方法や効果については共通しており、本発明に係る防除方法の適用範囲についても同じように考えることができる。メチオニンは、自然界に存在するアミノ酸の一種であり、医薬品、サプリメント、家畜飼料などにも用いられている物質である。本発明においては、L−メチオニン、D−メチオニン、及びDL−メチオニンのいずれを用いてもよく、L−メチオニン又はDL−メチオニンを用いることがより好ましい。メチオニンは、市販の化学実験試薬又は家畜飼料用若しくは人間用サプリメントとして、粉状態又は顆粒状態で入手することができる。
本発明に係る防除方法においては、低濃度のメチオニンで高い防除効果を得ることができる。施用するメチオニンの濃度は、ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウなどのジャガイモシストセンチュウ類が生息する土壌200gに対して30mg以上100mg以下であり、より好ましくは40mg以上80mg未満である。メチオニンの施用濃度が、土壌200gに対して30mg未満の場合には、ジャガイモシストセンチュウ類の防除効果が著しく低下する。メチオニンの施用濃度が土壌200gに対して100mgを超える場合には、防除効果は維持されるものの、非特許文献2に示されているように作物の生長が抑制されるおそれがある。
メチオニンの土壌への施用は、ジャガイモを植え付ける前の土壌に対して、メチオニンを土壌と均一に混和するか、メチオニン粉体を土壌の表面に散布するか、メチオニン水溶液を表面に散布するか、又はメチオニンの粉体に増量剤若しくは造粒剤を添加したものを土壌の表面に散布することなどによって行うことができる。防除効果をより向上させる観点からは、メチオニンを土壌と均一に混和する方法がより好ましい。施用作業に伴う労力を低減させる観点からは、メチオニン粉体を土壌の表面に散布するか、メチオニン水溶液を表面に散布するか、又はメチオニンの粉体に増量剤若しくは造粒剤を添加したものを土壌の表面に散布する方法がより好ましい。
メチオニンを土壌と均一に混和する方法として、土壌の表面にメチオニンを散布した後、土壌とメチオニンとを撹拌することが好ましい。撹拌の回数は、限定されるものではないが、より均一に混和するためには、7回以上であることがより好ましく、10回以上であることがさらに好ましい。
メチオニン粉体を土壌の表面に散布する方法の場合には、メチオニンの粉体を土壌の表面にできるだけ均一に散布し、その上にジャガイモをおき、ジャガイモの上からかけ土を行うことが好ましい。メチオニン水溶液を土壌の表面に散布する方法の場合には、メチオニンの水溶液を土壌の表面にできるだけ均一に散布し、その上にジャガイモをおいてかけ土するか、又は、土壌の表面にジャガイモをおいてかけ土し、その上からメチオニン水溶液をできるだけ均一に散布することが好ましい。
メチオニンの土壌への施用時期として、ジャガイモ植え付け前、植え付けと同時、又は植え付け後に、メチオニンを土壌に施用することができる。ジャガイモ植え付け前にメチオニンを土壌に施用する場合には、ジャガイモ植え付けの10日前以降に行うことが好ましく、5日前以降に行うことがより好ましく、直前に行うことがさらに好ましい。
メチオニンは、土壌に対して単独で施用する(すなわちメチオニンのみを土壌に施用する)ことができるが、これに限定されるものではなく、他の防除物質等、例えば殺線虫性微生物、各種農業資材、発酵・非発酵有機物、土壌改良材、有機質肥料、微生物資材などと同時に施用することもできる。他の防除物質等と同時に使用する場合には、例えば、他の防除物質等とメチオニンとを予め混合して用いたり、メチオニンを散布した後にさらに他の防除物質等を散布したり、他の防除物質等を散布した後にさらにメチオニンを散布したりすることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 メチオニンの施用量による防除効果
(実験方法)
ジャガイモシストセンチュウに汚染された土壌200gに、表1に示される量のL−メチオニン(和光純薬工業株式会社製)を添加して、均一に混和されるように十分に混合した。L−メチオニンを混合した土壌を、容積375mlのプラスチックカップに詰め、ジャガイモ(浴光催芽した男爵薯)を植え付けて、人工気象器において21℃で50〜55日間栽培し、カップの底と側面からジャガイモの根へのシスト付着個数を計測した。実験は、L−メチオニンのそれぞれの量に対して2回ずつ行った。
(実験結果)
実験結果を表1に示す。表1において、「Control」のデータは、L−メチオニンを施用しなかった場合のシスト付着個数である。シスト付着個数は、土壌200gに対するメチオニン施用量が20mgの場合は、メチオニンを施用しなかった場合と差がなかったが、メチオニン施用量が30mgの場合は大きく減少した。メチオニン施用量が40mg以上の場合には極めて高い防除効果が得られた。なお、メチオニン施用量が200mg及び300mgの場合にも防除効果が得られたが、メチオニン施用量が多くなるとジャガイモの生長が抑制されるおそれがあることは、既に述べたとおりである。
Figure 2019004252
実施例2 メチオニンの施用方法による防除効果
(実験方法)
ジャガイモシストセンチュウに汚染された土壌200gに、100mg相当のDL−メチオニン(和光純薬工業株式会社製)を添加して、表2に示される方法で施用した。具体的には、容積215mlのプラスチックカップに120gの汚染土壌を入れ、そこに70mg(汚染土壌200gに対して100mgに相当)のDL−メチオニンを添加し、以下の施用方法に示すように撹拌した。撹拌した土壌にジャガイモ(浴光催芽したインカのめざめ)を植え付け、20gの汚染土壌をかけ土した。次に、人工気象器において21℃で55日間栽培し、カップの底と側面からジャガイモの根へのシスト付着個数を計測した。実験は、各々の施用方法に対して2回ずつ行った。
<施用方法>
・撹拌なし:汚染土壌の上にDL−メチオニン粉末を散布し、ジャガイモを置いてかけ土する。
・撹拌3回:汚染土壌の上にDL−メチオニン粉末を散布し、スパチュラを用いて3回撹拌し、ジャガイモを置いてかけ土する。
・撹拌6回:土の上にDL−メチオニン粉末を散布し、スパチュラを用いて6回撹拌し、ジャガイモを置いてかけ土する。
・撹拌10回:土の上にDL−メチオニン粉末を散布し、スパチュラを用いて10回撹拌し、ジャガイモを置いてかけ土する。
・均一混和:ビニール袋の中で汚染土壌140gとDL−メチオニン粉末70mgとを十分に撹拌し、撹拌した混合物をプラスチックカップに入れ、ジャガイモを植え付ける。
(実験結果)
実験結果を表2に示す。表2において、「Control」のデータは、DL−メチオニンを施用しなかった場合のシスト付着個数である。シスト付着個数は、撹拌しない場合から撹拌6回の場合までは概ね同程度であったが、撹拌10回の場合には大きく減少し、均一に混和した場合にはシスト付着個数は0であった。
Figure 2019004252
実施例3 メチオニンの施用時期による防除効果
(実験方法)
ジャガイモシストセンチュウに汚染された土壌200gに、100mgのL−メチオニン(和光純薬工業株式会社製)を、植え付けの3日前、6日前、10日前及び15日前にそれぞれ添加して、均一混和されるように十分に混合した。L−メチオニンを混合した土壌を、容積375mlのプラスチックカップに詰め、ジャガイモ(浴光催芽した男爵薯)を植え付けて、人工気象器において21℃で42日間栽培し、カップの底と側面からジャガイモの根へのシスト付着個数を計測した。実験は、各々の施用時期に対して2回ずつ行った。
(実験結果)
実験結果を表3に示す。表3において、「Control」のデータは、L−メチオニンを施用しなかった場合のシスト付着個数である。ジャガイモ植え付けの15日前にメチオニンを施用した場合には比較的多くのシスト付着個数が見られたが、メチオニンの施用が植え付けの10日前以降の場合には高い防除効果が得られた。
Figure 2019004252
実施例4 メチオニンの種類による防除効果
(実験方法)
ジャガイモシストセンチュウに汚染された土壌200gに、表4に示される量のL−メチオニン、D−メチオニン及びDL−メチオニンの粉末(和光純薬工業株式会社製)を添加して、均一に混和されるように十分に混合した。それぞれの種類及び量のメチオニンを混合した土壌150gを、容積215mlのプラスチックカップに詰め、ジャガイモ(浴光催芽したインカのめざめ)を植え付け、人工気象器において20℃で49日間栽培し、カップの底と側面からジャガイモの根へのシスト付着個数を計測した。実験は、それぞれの種類及び量のメチオニンに対して2回ずつ行った。
(実験結果)
実験結果を表4に示す。表4において、「Control」のデータは、メチオニンを施用しなかった場合のシスト付着個数である。シスト付着個数は、いずれの種類のメチオニンでも、施用量が100mg相当の場合には、メチオニンを施用しない場合と比較して大きく減少したが、特にL−メチオニン及びDL−メチオニンを施用したときには、D−メチオニンを施用したときと比較してより減少した。なお、メチオニン施用量が200mgの場合にも防除効果が得られたが、メチオニン施用量が多くなるとジャガイモの生長が抑制されるおそれがあることは、既に述べたとおりである。
Figure 2019004252
実施例5 圃場における防除効果
(実験方法)
実際の圃場において、ジャガイモシストセンチュウに汚染された土壌200gに対してL−メチオニン100mgとなるように、1区画の土壌8.64mにL−メチオニン864g(日理化学株式会社製)を施用した。具体的には、L−メチオニンを土壌の表面全体に散布した後、小型管理機を用いて15cmの深さまで土壌を撹拌した。ここに、男爵薯を植え付け、107日後のジャガイモシストセンチュウ防除効果を確認した。
(実験結果)
実験結果を表5に示す。表5において、処理「Control」のデータは、同じ圃場の別の区画においてメチオニンを施用しなかった土壌で男爵薯植付107日後の状態を確認した結果である。また、処理「殺線虫剤」のデータは、同じ圃場のさらに別の区画において殺線虫剤(アグロカネショウ株式会社製)を施用した土壌で男爵薯植付107日後の状態を確認した結果である。センチュウ密度は、L−メチオニンを施用した区画、殺線虫剤を施用した区画、及びいずれも施用しなかった区画(Control)のそれぞれから採取して乾燥させた土壌1g中のセンチュウ数である。L−メチオニンを施用した場合には、殺線虫剤を施用した場合と同程度の高い防除効果が得られた。
Figure 2019004252
実施例6 ジャガイモシロシストセンチュウに対する防除効果
(実験方法)
ジャガイモシロシストセンチュウに汚染された土壌800gに400mgのL−メチオニン(和光純薬工業株式会社製)を添加して、均一に混和されるように十分に混合した。L−メチオニンを混合した土壌を容積215mlの5つのプラスチックカップにそれぞれ150gずつ詰め、いずれもとうや子芋を植え付けて、温室(平均温度21℃)で62日間栽培し、とうやの根へのシスト付着個数を計測した。
(実験結果)
実験結果を表6に示す。表6において、「Control」のデータは、L−メチオニンを混合していない土壌におけるシスト付着個数である。シスト付着個数は、Controlの土壌では5つのサンプルの平均が66個であったが、L−メチオニンを混合した土壌ではほぼ0であった。
Figure 2019004252

Claims (5)

  1. ジャガイモシストセンチュウ類を防除するための防除方法であって、
    ジャガイモシストセンチュウ類が生息する土壌200gに対して30mg以上100mg以下のメチオニンを施用する防除方法。
  2. 土壌200gに対して40mg以上80mg未満のメチオニンを施用する、請求項1に記載の防除方法。
  3. 前記メチオニンの土壌への施用は、前記メチオニンを作物植え付け前の土壌に均一に混和することによって行う、請求項1又は請求項2に記載の防除方法。
  4. 前記メチオニンの土壌への施用を作物植え付けの10日前以降に行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防除方法。
  5. 前記メチオニンは、L−メチオニン又はDL−メチオニンである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の防除方法。


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