JPWO2018230039A1 - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアンテナ素子をアレイ化する場合においても、より好適な放射パターンを得ることを可能とする。【解決手段】誘電体基板と、第1の方向に沿って配設され、それぞれが、偏波方向が互いに異なる第1の無線信号及び第2の無線信号を送信または受信する複数のアンテナ素子と、互いに隣り合う第1の及び第2のアンテナ素子間に対応する領域に第2の方向に延伸するように長尺状のスロットが設けられたグランド板と、を備え、無線信号の波長をλ0、誘電体基板の比誘電率をεr1、グランド板に対して誘電体基板とは逆側に位置する誘電体の比誘電率をεr2とした場合に、スロットの第2の方向の長さLが以下に示す条件式を満たす、アンテナ装置。【数1】【選択図】図9

Description

本開示は、アンテナ装置に関する。
LTE/LTE−A(Advanced)と呼ばれる通信規格に基づく移動体通信システムにおいては、主に、700MHz〜3.5GHz前後の極超短波と呼ばれる周波数の無線信号が通信に利用されている。
また、上記通信規格のような極超短波を利用した通信では、所謂MIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)と呼ばれる技術を採用することで、フェージング環境下においても、直接波に加えて反射波を信号の送受信に利用して通信性能をより向上させることが可能となる。MIMOでは、複数のアンテナを使用することとなるため、スマートフォン等のような移動体通信の端末装置に対して、複数のアンテナをより好適な態様で配設する手法についても各種検討されている。
また、近年では、LTE/LTE−Aに続く第5世代(5G)移動体通信システムについて各種検討がされている。例えば、同移動体通信システムでは、28GHzや39GHzといったミリ波と呼ばれる周波数の無線信号(以下、単に「ミリ波」とも称する)を利用した通信の利用が検討されている。
ミリ波は、極超短波に比べて伝送される情報の量を増加させることが可能となる一方で、直進性が高く伝搬ロスや反射損失が増大する傾向にある。そのため、ミリ波を利用した無線通信においては、主に直接波が通信特性に寄与し、反射波の影響をほとんど受けないことがわかっている。このような特性から、5Gの移動体通信システムにおいては、偏波方向が互いに異なる複数の偏波(例えば、水平偏波及び垂直偏波)を利用してMIMOを実現する、偏波MIMOと呼ばれる技術の導入も検討されている。
特開2005−72653号公報
ところで、一般的にはミリ波は空間減衰が比較的大きく、ミリ波を通信に利用する場合には、利得の高いアンテナが求められる傾向にある。このような要求を実現するために、所謂ビームフォーミングと呼ばれる技術が利用される場合がある。具体的には、ビームフォーミングによりアンテナのビーム幅を制御し、ビームの指向性を向上させることで、アンテナの利得をより向上させることが可能となる。このような制御を実現可能なアンテナ方式の一例として、パッチアレイアンテナが挙げられる。例えば、特許文献1には、パッチアレイアンテナの一例が開示されている。
一方で、複数のアンテナ素子(例えば、パッチアンテナ)のアレイ化に伴い、少なくとも一部のアンテナ素子の放射パターンに歪が生じる場合がある。このように、放射パターンに歪が生じることにより、所定の空間中の少なくとも一部の領域において、所望の利得を得ることが困難となる場合がある。
そこで、本開示では、複数のアンテナ素子をアレイ化する場合においても、より好適な放射パターンを得ることが可能な技術の一例について提案する。
本開示によれば、略平面状の誘電体基板と、前記誘電体基板の一方の面上に、当該誘電体基板の平面に対して水平な第1の方向に沿って配設され、それぞれが、偏波方向が互いに異なる第1の無線信号及び第2の無線信号を送信または受信する複数のアンテナ素子と、前記誘電体基板の他方の面の略全体に設けられ、互いに隣り合う第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子の間に対応する領域に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸するように長尺状のスロットが設けられたグランド板と、を備え、前記複数のアンテナ素子それぞれの共振周波数の中心周波数の波長をλ、前記誘電体基板の比誘電率をεr1、前記グランド板に対して前記誘電体基板とは逆側に位置する誘電体の比誘電率をεr2とした場合に、前記スロットの前記第2の方向の長さLが以下に示す条件式を満たす、アンテナ装置が提供される。
Figure 2018230039
以上説明したように本開示によれば、複数のアンテナ素子をアレイ化する場合においても、より好適な放射パターンを得ることが可能な技術が提供される。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例について説明するための説明図である。 同実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 パッチアンテナの概要について説明するための説明図である。 同実施形態に係る通信装置の構成の一例について説明するための説明図である。 複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明するための説明図である 複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明するための説明図である 複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明するための説明図である 複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明するための説明図である 同実施形態に係るアンテナ装置の概略的な構成について説明するための説明図である。 同実施形態に係るアンテナ装置の概略的な平面図である。 図10に示したアンテナ装置の概略的なA−A’断面図である。 同実施形態に係るアンテナ装置の放射パターンについて説明するための説明図である。 同実施形態に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。 アンテナ素子の間隔と、グレーティングローブが可視領域に出現するビーム走査角との関係の一例を示したグラフである。 変形例1に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。 実施例1に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。 実施例2に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。 比較例1に係るアンテナ素子の構成の一例について説明するための説明図である。 比較例1に係るアンテナ素子の構成の一例について説明するための説明図である。 比較例1に係るアンテナ素子の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。 比較例1に係るアンテナ素子の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。 比較例2に係るアンテナ装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図である。 比較例2に係るアンテナ装置の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 比較例2に係るアンテナ装置の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置におけるスロット長の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。 実施例1に係るアンテナ装置におけるスロット長の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。 実施例1に係るアンテナ装置におけるスロット長の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。 同実施形態に係る通信装置の応用例について説明するための説明図である。 同実施形態に係る通信装置の応用例について説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概略構成
1.1.システム構成の一例
1.2.端末装置の機能構成
1.3.端末装置の構成例
2.ミリ波を利用した通信に関する検討
3.技術的特徴
3.1.構成
3.2.変形例
3.3.実施例
3.4.応用例
4.むすび
<<1.概略構成>>
<1.1.システム構成の一例>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例について説明するための説明図である。図1に示すように、システム1は、無線通信装置100と、端末装置200とを含む。ここでは、端末装置200は、ユーザとも呼ばれる。当該ユーザは、UEとも呼ばれ得る。無線通信装置100Cは、UE−Relayとも呼ばれる。ここでのUEは、LTE又はLTE−Aにおいて定義されているUEであってもよく、UE−Relayは、3GPPで議論されているProse UE to Network Relayであってもよく、より一般的に通信機器を意味してもよい。
(1)無線通信装置100
無線通信装置100は、配下の装置に無線通信サービスを提供する装置である。例えば、無線通信装置100Aは、セルラーシステム(又は移動体通信システム)の基地局である。基地局100Aは、基地局100Aのセル10Aの内部に位置する装置(例えば、端末装置200A)との無線通信を行う。例えば、基地局100Aは、端末装置200Aへのダウンリンク信号を送信し、端末装置200Aからのアップリンク信号を受信する。
基地局100Aは、他の基地局と例えばX2インタフェースにより論理的に接続されており、制御情報等の送受信が可能である。また、基地局100Aは、所謂コアネットワーク(図示を省略する)と例えばS1インタフェースにより論理的に接続されており、制御情報等の送受信が可能である。なお、これらの装置間の通信は、物理的には多様な装置により中継され得る。
ここで、図1に示した無線通信装置100Aは、マクロセル基地局であり、セル10Aはマクロセルである。一方で、無線通信装置100B及び100Cは、スモールセル10B及び10Cをそれぞれ運用するマスタデバイスである。一例として、マスタデバイス100Bは、固定的に設置されるスモールセル基地局である。スモールセル基地局100Bは、マクロセル基地局100Aとの間で無線バックホールリンクを、スモールセル10B内の1つ以上の端末装置(例えば、端末装置200B)との間でアクセスリンクをそれぞれ確立する。なお、無線通信装置100Bは、3GPPで定義されるリレーノードであってもよい。マスタデバイス100Cは、ダイナミックAP(アクセスポイント)である。ダイナミックAP100Cは、スモールセル10Cを動的に運用する移動デバイスである。ダイナミックAP100Cは、マクロセル基地局100Aとの間で無線バックホールリンクを、スモールセル10C内の1つ以上の端末装置(例えば、端末装置200C)との間でアクセスリンクをそれぞれ確立する。ダイナミックAP100Cは、例えば、基地局又は無線アクセスポイントとして動作可能なハードウェア又はソフトウェアが搭載された端末装置であってよい。この場合のスモールセル10Cは、動的に形成される局所的なネットワーク(Localized Network/Virtual Cell)である。
セル10Aは、例えば、LTE、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−ADVANCED PRO、GSM(登録商標)、UMTS、W−CDMA、CDMA200、WiMAX、WiMAX2又はIEEE802.16などの任意の無線通信方式に従って運用されてよい。
なお、スモールセルは、マクロセルと重複して又は重複せずに配置される、マクロセルよりも小さい様々な種類のセル(例えば、フェムトセル、ナノセル、ピコセル及びマイクロセルなど)を含み得る概念である。ある例では、スモールセルは、専用の基地局によって運用される。別の例では、スモールセルは、マスタデバイスとなる端末がスモールセル基地局として一時的に動作することにより運用される。いわゆるリレーノードもまた、スモールセル基地局の一形態であると見なすことができる。リレーノードの親局として機能する無線通信装置は、ドナー基地局とも称される。ドナー基地局は、LTEにおけるDeNBを意味してもよく、より一般的にリレーノードの親局を意味してもよい。
(2)端末装置200
端末装置200は、セルラーシステム(又は移動体通信システム)において通信可能である。端末装置200は、セルラーシステムの無線通信装置(例えば、基地局100A、マスタデバイス100B又は100C)との無線通信を行う。例えば、端末装置200Aは、基地局100Aからのダウンリンク信号を受信し、基地局100Aへのアップリンク信号を送信する。
また、端末装置200としては、所謂UEのみに限らず、例えば、MTC端末、eMTC(Enhanced MTC)端末、及びNB−IoT端末等のような所謂ローコスト端末(Low cost UE)が適用されてもよい。
(3)補足
以上、システム1の概略的な構成を示したが、本技術は図1に示した例に限定されない。例えば、システム1の構成として、マスタデバイスを含まない構成、SCE(Small Cell Enhancement)、HetNet(Heterogeneous Network)、MTCネットワーク等が採用され得る。またシステム1の構成の、他の一例として、マスタデバイスがスモールセルに接続し、スモールセルの配下でセルを構築してもよい。
以上、図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例について説明した。
<1.2.端末装置の機能構成>
次に、図2を参照して、本開示の実施形態に係る端末装置200の機能構成の一例を説明する。図2は、本開示の実施形態に係る端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置200は、アンテナ部2001と、無線通信部2003と、記憶部2007と、通信制御部2005とを含む。
(1)アンテナ部2001
アンテナ部2001は、無線通信部2003により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部2001は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部2003へ出力する。
(2)無線通信部2003
無線通信部2003は、信号を送受信する。例えば、無線通信部2003は、基地局からのダウンリンク信号を受信し、基地局へのアップリンク信号を送信する。
(3)記憶部2007
記憶部2007は、端末装置200の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
(4)、通信制御部2005
通信制御部2005は、無線通信部2003の動作を制御することで、他の装置(例えば、基地局100)との間の通信を制御する。具体的な一例として、通信制御部2005は、送信対象となるデータを所定の変調方式に基づき変調することで送信信号を生成し、無線通信部2003に当該送信信号を基地局100に向けて送信させてもよい。また、他の一例として、通信制御部2005は、基地局100からの信号の受信結果(即ち、受信信号)を無線通信部2003から取得し、当該受信信号に対して所定の復調処理を施すことで当該基地局100から送信されたデータを復調してもよい。
以上、図2を参照して、本開示の実施形態に係る端末装置200の機能構成の一例を説明した。
<1.3.通信装置の構成例>
続いて、本実施形態に係る通信装置の構成の一例として、上述した端末装置200のような通信装置に対して、パッチアンテナ(平面アンテナ)をアレイ化した所謂パッチアレイアンテナを適用した場合の一例について説明する。
まず、図3を参照して、パッチアンテナの概要について説明する。図3は、パッチアンテナの概要について説明するための説明図である。一般的に知られているアンテナの一例として、所謂ダイポールアンテナは、エレメントが棒状のため電流の流れる向きが1方向となり、送信または受信可能な偏波が1偏波のみとなる。これに対して、パッチアンテナは、給電点を複数設けることで、複数方向に電流を流すことが可能である。例えば、図3に示すパッチアンテナ2111は、平面状のエレメント2112に対して複数の給電点2113及び2114が設けられており、偏波方向が互いに異なる(互いに直交する)偏波R及びRそれぞれを送信または受信可能に構成されている。
次いで、図4を参照して、本実施形態に係る通信装置の構成の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る通信装置の構成の一例について説明するための説明図である。なお、以降の説明では、本実施形態に係る通信装置を、「通信装置211」と称する場合がある。
本実施形態に係る通信装置211は、略長方形の形状を成す表面及び裏面を有する板状の筐体209を備えている。なお、本説明では、ディスプレイ等の表示部が設けられた側の面を表面と称する。即ち、図4において、参照符号201は、筐体209の外面のうち裏面を示している。また、参照符号203及び205は、筐体209の外面のうち裏面201の周囲に位置する一端面に相当し、より具体的には、当該裏面201の長手方向に延伸する端面を示している。また、参照符号202及び204は、筐体209の外面のうち裏面201の周囲に位置する一端面に相当し、より具体的には、当該裏面201の短手方向に延伸する端面を示している。なお、図3において図示を省略しているが、裏面201の反対側に位置する表面を、便宜上「表面206」とも称する。
また、図4において、参照符号2110a〜2110fのそれぞれは、基地局との間で無線信号(例えば、ミリ波)を送受信するためのアンテナ装置を示している。なお、以降の説明では、アンテナ装置2110a〜2110fを特に区別しない場合には、単に「アンテナ装置2110」と称する場合がある。
図4に示すように、本実施形態に係る通信装置211は、裏面201及び端面202〜205のそれぞれについて、当該面の少なくとも一部の近傍に位置するように、筐体209の内部にアンテナ装置2110が保持(設置)されている。
また、アンテナ装置2110は、複数のアンテナ素子2111を含んでいる。より具体的には、アンテナ装置2110は、複数のアンテナ素子2111をアレイ化することで、アレイアンテナとして構成されている。例えば、アンテナ素子2111aは、裏面201のうち端面204側の端部近傍に位置するように保持され、複数のアンテナ素子2111が、当該端部が延伸する方向(即ち、端面204の長手方向)に沿って配列されるように設けられている。また、アンテナ素子2111dは、端面205の一部の近傍に位置するように保持され、複数のアンテナ素子2111が、当該端面205の長手方向に沿って配列されるように設けられている。
また、ある面の近傍に位置するように保持されるアンテナ装置2110において、各アンテナ素子2111は、平面状のエレメント(例えば、図3に示すエレメント2112)の法線方向が、当該面の法線方向と略一致するように保持される。より具体的な一例として、アンテナ装置2110aに着目した場合には、当該アンテナ装置2110aに設けられたアンテナ素子2111は、平面状のエレメントの法線方向が、裏面201の法線方向と略一致するように保持される。これは、他のアンテナ装置2110b〜2110fについても同様である。
以上のような構成により、各アンテナ装置2110は、複数のアンテナ素子2111それぞれにより送信または受信される無線信号の位相や電力を制御することで、当該無線信号の指向性を制御する(即ち、ビームフォーミングを行う)ことが可能となる。
以上、図4を参照して、本実施形態に係る通信装置の構成の一例について説明した。なお、上述したアンテナ装置2110の構成はあくまで一例であり、アンテナ装置2110の構成を必ずしも限定するものではない。例えば、複数のアンテナ素子2111のそれぞれが、アンテナ装置2110が近傍に保持される面の法線方向と略一致する方向に伝搬する無線信号を送信または受信することが可能であれば、複数のアンテナ素子2111それぞれが配置される位置は限定されない。即ち、複数のアンテナ素子2111は、必ずしも、図4に示すように、一方向に沿ってのみ配列されていなくてもよい。例えば、複数のアンテナ素子2111が、行列状に配列されていてもよい。
<<2.ミリ波を利用した通信に関する検討>>
LTE/LTE−A等の規格に基づく通信システムでは、700MHz〜3.5GHz前後の極超短波と呼ばれる周波数の無線信号が通信に利用されている。これに対して、LTE/LTE−Aに続く第5世代(5G)移動体通信システムでは、28GHzや39GHzといったミリ波と呼ばれる周波数の無線信号(以下、単に「ミリ波」とも称する)を利用した通信の利用が検討されている。そこで、ミリ波を利用した通信の概要について説明したうえで、本開示の一実施形態に係る通信装置の技術的課題について整理する。
LTE/LTE−Aのような極超短波を利用した通信では、所謂MIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)と呼ばれる技術を採用することで、フェージング環境下においても、直接波に加えて反射波を信号の送受信に利用して通信性能をより向上させることが可能である。
これに対して、ミリ波は、極超短波に比べて伝送される情報の量を増加させることが可能となる一方で、直進性が高く伝搬ロスや反射損失が増大する傾向にある。そのため、無線信号が送受信されるアンテナ間を直接結ぶ経路上に障害物が存在しない環境(所謂LOS:Line of Site)においては、反射波の影響をほとんど受けずに、主に直接波が通信特性に寄与することとなる。このような特性から、ミリ波を利用した通信においては、例えば、スマートフォン等のような通信端末が、基地局から直接送信される無線信号(即ち、ミリ波)を受信する(即ち、直接波を受信する)ことで、通信性能をより向上させることが可能となる。
一方で、一般的には、ミリ波は空間減衰が比較的大きく、ミリ波を通信に利用する場合には、利得の高いアンテナが求められる傾向にある。このようなより高い利得を実現するために、例えば、ビームフォーミングと呼ばれる技術が利用される場合がある。具体的には、ビームフォーミングによりアンテナのビーム幅を制御し、ビームの指向性を向上させることで、アンテナの利得をより向上させることが可能となる。しかしながら、ビームの指向性を向上させることで、ビーム幅がより狭くなり、上記アンテナによりカバーできる空間が制限される場合もある。そのため、このような場合には、例えば、ビームの方向を時分割で制御することにより、より広い空間を上記アンテナによりカバーする場合もある。上記のような制御を実現可能なアンテナ方式の一例として、パッチアレイアンテナが挙げられる。
一方で、複数のアンテナ素子(例えば、パッチアンテナ)のアレイ化に伴い、少なくとも一部のアンテナ素子の放射パターンに歪が生じる場合がある。ここで、図5〜図8を参照して、複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明する。図5〜図8は、複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪の一例について説明するための説明図である。なお、本説明では、アンテナ素子として図3を参照して説明したようなパッチアンテナ(平面アンテナ)を適用した場合を例に、放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。また、図5〜図8に示す例においては、便宜上、アンテナ素子を構成する平面状のエレメントの法線方向をz方向とし、当該エレメントの平面に水平な互いに直交する方向をx方向及びy方向とする。
まず、図5及び図6を参照して、アンテナ素子が1つの場合における、当該アンテナ素子の放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。
例えば、図5は、本実施形態に係るアンテナ装置に適用可能な、パッチアンテナとして構成されたアンテナ素子単体の概略的な構成の一例を示している。図5に示すように、パッチアンテナとして構成されたアンテナ素子2111は、平面状のエレメント2112に対して給電点2113及び2114が設けられている。具体的には、エレメント2112は、誘電体により形成された略平面状の誘電体基板2115の一方の面に設けられている。また、誘電体基板2115の他方の面、即ち、エレメント2112が設けられた面とは逆側の面には、当該面の略全体をカバーするように略平面状のグランド板2116が設けられている。また、給電点2113及び2114のそれぞれは、エレメント2112の法線方向に沿って誘電体基板2115を貫通し、当該エレメント2112とグランド板2116とを電気的に接続するように設けられている。
また、図6は、図5を参照して説明したアンテナ素子2111の放射特性に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。図6に示すように、アンテナ素子2111を単体で使用した場合には、歪の少ない(理想的には歪の無い)放射パターンが形成される。
次いで、図7及び図8を参照して、図5に示すアンテナ素子2111をアレイ化した場合における、当該アンテナ素子2111の放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。
例えば、図7は、図5に示すアンテナ素子2111が複数設けられることで、パッチアレイアンテナとして構成されたアンテナ装置2910の概略的な構成の一例を示している。図7に示すように、アンテナ装置2910は、誘電体基板2115の一方の面上に所定の方向(y方向)に沿って3つのアンテナ素子2111が配設されて構成されている。なお、本説明では、便宜上、y方向に配設された3つのアンテナ素子2111のうち、中央に配設されたアンテナ素子2111を「アンテナ素子2111a」と称し、他の2つのアンテナ素子2111を「アンテナ素子2111b」及び「アンテナ素子2111c」と称する。また、誘電体基板2115の他方の面には、当該面の略全体をカバーするように略平面状のグランド板2116が設けられている。アンテナ素子2111a〜2111cそれぞれの給電点2113及び2114は、それぞれが対応するエレメント2112の法線方向に沿って誘電体基板2115を貫通し、当該エレメント2112と上記グランド板2116とを電気的に接続するように設けられている。
また、図8は、図7を参照して説明したアンテナ装置2910におけるアンテナ素子2111aの放射特性に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。図8と図6とを比較するとわかるように、図8に示す例では、アンテナ素子2111a〜2111cをy方向に沿ってアレイ化することにより、少なくとも一部のアンテナ素子2111(例えば、アンテナ素子2111a)の放射パターンに歪が生じている(即ち、±y方向にビームスプリットが生じている)。このように放射パターンに歪が生じることで、例えば、アンテナ素子2111aを介した無線信号の送信または受信に際し、所定の空間中の少なくとも一部の領域において、所望の利得を得ることが困難となる場合がある。
以上のような状況を鑑み、本開示では、複数のアンテナ素子をアレイ化する場合においても、より好適な放射パターンを得ることが可能な技術の一例について提案する。
<<3.技術的特徴>>
続いて、本開示の一実施形態に係る通信装置の技術的特徴について説明する。
<3.1.構成>
まず、本実施形態に係るアンテナ装置の基本的な構成について、複数のアンテナ素子をアレイ化する場合に、少なくとも一部のアンテナ素子について放射パターンの歪を抑制するための構成に着目して説明する。
まず、図9を参照して、本実施形態に係るアンテナ装置の基本構成について概要を説明する。図9は、本実施形態に係るアンテナ装置の概略的な構成について説明するための説明図であり、パッチアンテナがアレイ化されたパッチアレイアンテナの構成の一例を示している。なお、図9に示す例では、図7に示す例と同様に、便宜上、アンテナ素子を構成する平面状のエレメントの法線方向をz方向とし、当該エレメントの平面に水平な互いに直交する方向をx方向及びy方向とする。また、図9に示す例では、図7を参照して説明した例と同様に、誘電体基板2115の一方の面上に、y方向に沿って、アンテナ素子2111c、2111a、及び2111bがこの順で配設されているものとする。
図9に示すように、本実施形態に係るアンテナ装置2110は、グランド板2116に対してスロット2117a及び2117bが設けられている点で、図7を参照して説明したアンテナ装置2910と異なる。
ここで、図10及び図11を参照して、本実施形態に係るアンテナ装置2110の特徴的な構成について、特に、図9に示すアンテナ素子2111a及び2111bが配設された部分の構成に着目して説明する。図10は、本実施形態に係るアンテナ装置2110の概略的な平面図であり、アンテナ装置2110を上方(z方向)から見た場合における、アンテナ素子2111a及び2111bが配設された部分の概略的な構成の一例を示している。また、図11は、図10に示したアンテナ装置2110の概略的なA−A’断面図である。なお、図10及び図11では、アンテナ素子2111a及び2111bそれぞれの給電点2113及び2114については図示を省略している。
図10及び図11に示すように、本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、グランド板2116に対して、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111(例えば、アンテナ素子2111a及び2111b)の間に対応する領域にスロット2117が設けられている。スロット2117は、上記2つのアンテナ素子2111が配列された方向(y方向)と直交する方向(x方向)に延伸するように長尺状に形成されている。なお、以降においては、複数のアンテナ素子2111が配列された方向を「配列方向」とも称する。また、スロット2117を設ける位置や、当該スロット2117のサイズ等については、別途詳細を後述する。また、図10及び図11に示すスロット2117は、例えば、図9に示す例においけるスロット2117aに相当する。
なお、複数のアンテナ素子2111の配列方向が、「第1の方向」の一例に相当し、当該配列方向と直交する方向(即ち、スロット2117が延伸する方向)が「第2の方向」の一例に相当する。また、アンテナ素子2111が送信または受信する偏波方向が互いに異なる複数の偏波のうち、偏波方向が第1の方向と略一致する信号が「第1の無線信号」の一例に相当し、偏波方向が第2の方向と略一致する信号が「第2の無線信号」の一例に相当する。
また、図10及び図11に示す例では、アンテナ素子2111a及び2111bが配設された部分に着目して示しているが、アンテナ素子2111a及び2111cが配設された部分についても同様である。即ち、図10及び図11に示す例において、アンテナ素子2111bをアンテナ素子2111cに置き換えた構成が、アンテナ装置2110におけるアンテナ素子2111a及び2111cが配設された部分の構成と略等しい構成を示している。また、この場合におけるスロット2117は、例えば、図9に示す例におけるスロット2117bに相当する。
次いで、図9を参照して説明したアンテナ装置2110におけるアンテナ素子2111aの放射パターンについて説明する。例えば、図12は、本実施形態に係るアンテナ装置の放射パターンについて説明するための説明図であり、図9を参照して説明したアンテナ装置2110におけるアンテナ素子2111aの放射特性に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。図12を図8と比較するとわかるように、本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、図7に示すアンテナ装置2910において生じていた放射パターンの歪が改善されていることがわかる。即ち、本実施形態に係るアンテナ装置2110に依れば、アンテナ素子2111のアレイ化に伴い生じる放射パターンの歪(即ち、図8に示すような±y方向のビームスプリット)を改善し、アンテナ素子2111単体の場合における放射パターン(図6に示す放射パターン)により近づけることが可能となる。
続いて、図13を参照して、スロット2117を設ける位置や、当該スロット2117のサイズの詳細について説明する。図13は、本実施形態に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。図13は、図10と同様に、アンテナ装置2110を上方(z方向)から見た場合における、アンテナ素子2111a及び2111bが配設された部分の概略的な構成の一例を示している。なお、本説明では、アンテナ素子2111aが、主に放射パターンの歪改善の対象となるアンテナ素子(以降では、単に「改善対象のアンテナ素子」とも称する)に相当するものとして説明する。なお、改善対象のアンテナ素子2111aが「第1のアンテナ素子」の一例に相当し、当該アンテナ素子2111aの隣に位置するアンテナ素子2111bが「第2のアンテナ素子」の一例に相当する。
図13において、参照符号aは、アンテナ素子2111の各端部の幅のうち、複数のアンテナ素子2111の配列方向(図13におけるy方向)の幅を示している。また、参照符号dは、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111それぞれの中心間の距離(図13におけるy方向の距離)を示している。なお、以降の説明では、当該距離dを、「素子間隔d」とも称する。また、参照符号Lは、スロット2117のスロット長を示している。より具体的には、スロット長Lは、スロット2117の長尺方向の幅、即ち、複数のアンテナ素子2111の配列方向と直交する方向(図13におけるx方向)の幅に相当する。また、参照符号pは、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111のうち第1のアンテナ素子2111(即ち、アンテナ素子2111a)の中心と、スロット2117の配列方向の中心と、の間の距離(即ち、配列方向の距離)を示している。即ち、距離pは、第1のアンテナ素子2111を基点として、スロット2117が設けられた位置(図13におけるy方向の位置)を示している。なお、以降の説明では、スロット2117が設けられた位置を「スロット位置」とも称する。
また、本説明において、誘電体基板2115を構成する誘電体の比誘電率をεr1とする。また、グランド板2116に対して、誘電体基板2115とは逆側に位置する誘電体の比誘電率をεr2とする。なお、グランド板2116において誘電体基板2115が設けられた面とは逆側の面側に位置する誘電体が空気の場合(例えば、他の基板等が設けられていない場合)には、比誘電率εr2=1.0となる。また、アンテナ素子2111に送信または受信される無線信号の自由空間における波長をλとし、スロットの共振波長をλとする。
(スロット長)
まず、本実施形態に係るアンテナ装置2110における、スロット2117のスロット長Lの条件について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、アンテナ素子2111(特に、第1のアンテナ素子2111)とスロット2117とが結合することにより、グランド板2116を流れる電流(地板電流)が減少し、結果として、アンテナ素子2111の放射パターンの歪が抑制(低減)される。
ここで、アンテナ素子2111とスロット2117とが結合するためには、当該スロット2117のスロット長Lが、共振波長λの1/2以上である必要がある。また、当該共振波長λは、アンテナ素子2111により送信または受信される無線信号の波長λと、スロット2117を囲む空間の比誘電率の平均とにより算出される。
即ち、本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、スロット2117は、スロット長Lが以下に(式1)及び(式2)で示す条件を満たすように形成される。
Figure 2018230039
(素子間隔)
次いで、本実施形態に係るアンテナ装置2110における、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111の素子間隔dの条件について説明する。素子間隔dは、放射パターンの歪をより低減するという観点に基づくと、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111が可能な限り離間するように設定される方が望ましい。
一方で、d≧λとすると、アレーアンテナとして動作させた場合に、グレーティングローブと呼ばれる不要輻射が発生し、所定の方向について利得が低下する場合がある。これに対して、λ/2<d<λの範囲において、グレーティングローブが発生する素子間隔dは、所要ビーム走査角度に依存する。例えば、図14は、アンテナ素子の間隔と、グレーティングローブが可視領域に出現するビーム走査角との関係の一例を示したグラフである。図14において、横軸は素子間隔をd/λ(λは無線信号の波長)で示しており、縦軸はビーム走査角を示している。
以上のような条件を鑑みると、本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、素子間隔dが以下に(式3)で示す条件を満たすように、各アンテナ素子2111が配設されるとより望ましい。
Figure 2018230039
(スロット位置)
続いて、本実施形態に係るアンテナ装置2110における、第1のアンテナ素子2111(即ち、改善対象のアンテナ素子2111)を基点としたスロット2117の位置、即ち、当該アンテナ素子2111の中心と、当該スロット2117の配列方向の中心と、の間の距離pの条件に付いて説明する。
スロット2117がアンテナ素子2111のより近傍に位置するほど、当該アンテナ素子2111の性能がより低下する傾向にある。一方で、当該アンテナ素子2111の端部からある程度離間した位置にスロット2117が設けられることで、当該アンテナ素子2111の性能低下の影響がより小さくなる。即ち、距離pの最小値については、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111のうち、第1のアンテナ素子2111のエッジに係る直前の位置にスロット2117が位置する場合の距離とすることが望ましい。また、距離pの最大値については、第1のアンテナ素子2111の隣に位置する第2のアンテナ素子2111のエッジに係る直前の位置にスロット2117が位置する場合の距離とすることが望ましい。
以上のような条件に基づき、アンテナ素子2111の一辺の幅aが以下に(式4)として示す条件を満たすため、距離pは、(式3)として前述した条件を鑑みると、以下に(式5)として示す条件を満たすように設定されることが望ましい。
Figure 2018230039
即ち、本実施形態に係るアンテナ装置2110においては、上述した(式3)〜(式5)で示した条件式に基づき、距離pが以下に(式6)で示す条件を満たすように、スロット2117が設けられるとより望ましい。
Figure 2018230039
以上、図9〜図14を参照して、本実施形態に係るアンテナ装置の基本的な構成について、複数のアンテナ素子をアレイ化する場合に、少なくとも一部のアンテナ素子について放射パターンの歪を抑制するための構成に着目して説明した。
なお、上述した本実施形態に係るアンテナ装置の構成はあくまで一例であり、上述した条件を満たせば、当該アンテナ装置の各部の構成は必ずしも上述した例のみには限定されない。具体的な一例として、アンテナ装置に設けられたアンテナ素子の数は、2以上であれば特に限定されない。
<3.2.変形例>
続いて、本実施形態に係るアンテナ装置の変形例について説明する。
(変形例1:アンテナ素子の向きの一例について)
まず、変形例1として、第1のアンテナ素子2111(即ち、改善対象のアンテナ素子)の隣に位置する第2のアンテナ素子2111を設置する向きの一例について説明する。例えば、図15は、変形例1に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。なお、図15に示す例では、アンテナ装置に設けられたアンテナ素子を構成する平面状のエレメントの法線方向をz方向とし、当該エレメントの平面に水平な互いに直交する方向をx方向及びy方向とする。即ち、図15は、変形例1に係るアンテナ装置の概略的な平面図であり、アンテナ装置を上方(z方向)から見た場合における当該アンテナ装置の概略的な構成の一例を示している。なお、以降の説明では、変形例1に係るアンテナ装置を、上述した実施形態、他の変形例、及び他の実施例に係るアンテナ装置と区別するために、「アンテナ装置2210」と称する場合がある。
図15に示すように、変形例1に係るアンテナ装置2210は、y方向に沿ってアンテナ素子2111c、2111a、及び2111bがこの順序で配設されている。また、グランド板2116に対してスロット2117a及び2117bが設けられている。具体的には、グランド板2116に対して、アンテナ素子2111a及び2111bの間に対応する領域にスロット2117aが設けられており、アンテナ素子2111a及び2111cの間に対応する領域にスロット2117bが設けられている。即ち、アンテナ装置2210は、上記構成については、図9を参照して前述したアンテナ装置2110と同様の構成を有している。
一方で、変形例1に係るアンテナ装置2210は、第1のアンテナ素子2111の隣に位置する第2のアンテナ素子2111の向きが、所定の条件に応じて決定される点で、図9を参照して前述したアンテナ装置2110と異なる。
具体的には、図15に示す例では、アンテナ素子2111aが「第1のアンテナ素子」に相当し、アンテナ素子2111b及び2111cが当該第1のアンテナ素子の隣に位置する「第2のアンテナ素子」に相当するものとする。この場合に、変形例1に係るアンテナ素子2111b及び2111cについては、偏波方向が図15のy方向と略一致する無線信号に対応する給電点2113が、当該アンテナ素子2111(エレメント2112)のy方向(即ち、配列方向)の端部のうち、アンテナ素子2111aとは逆側の端部の方向に偏心して設けられている。具体的には、アンテナ素子2111bの給電点2113は、アンテナ素子2111aとは逆側の端部(即ち、+y方向側の端部)の方向に偏心して設けられている。また、アンテナ素子2111cの給電点2113については、アンテナ素子2111aとは逆側の端部(即ち、−y方向側の端部)の方向に偏心して設けられている。このように、変形例1に係るアンテナ装置では、第2のアンテナ素子における、複数のアンテナ素子の配列方向と偏波方向が略一致する無線信号に対応する給電点は、当該アンテナ素子における当該配列方向の端部のうち、第1のアンテナ素子とは逆側の端部の方向に偏心して設けられる。なお、給電点2113が「第1の給電点」の一例に相当し、給電点2114が「第2の給電点」の一例に相当する。
以上のような構成とすることで、アンテナ素子2111aに対して、アンテナ素子2111b及び2111cそれぞれの給電点2113を、物理的により離隔した位置に設けられることとなる。これにより、アンテナ素子2111b及び2111cそれぞれの給電点2113に対して給電を行った際に、当該アンテナ素子2111b及び2111cのそれぞれと、アンテナ素子2111aとの間の結合が発生する可能性をより低減することが可能となる。換言すると、変形例1に係るアンテナ装置に依れば、第2のアンテナ素子に対する給電に伴う、第1のアンテナ素子への影響をより低減することが可能となる。
以上、変形例1として、図15を参照して、第1のアンテナ素子2111の隣に位置する第2のアンテナ素子2111を設置する向きの一例について説明した。
<3.3.実施例>
続いて、本実施系形態に係るアンテナ装置の実施例について説明する。
(実施例1:4素子アレイ構成)
まず、実施例1として、4つのアンテナ素子をアレイ化することで本実施形態に係るアンテナ装置を構成した場合の一例について説明する。例えば、図16は、実施例1に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。なお、図16に示す例では、アンテナ装置に設けられたアンテナ素子を構成する平面状のエレメントの法線方向をz方向とし、当該エレメントの平面に水平な互いに直交する方向をx方向及びy方向とする。即ち、図16は、実施例1に係るアンテナ装置の概略的な平面図であり、アンテナ装置を上方(z方向)から見た場合における当該アンテナ装置の概略的な構成の一例を示している。なお、以降の説明では、実施例1に係るアンテナ装置を、上述した実施形態、他の変形例、及び他の実施例に係るアンテナ装置と区別するために、「アンテナ装置2410」と称する場合がある。
図16に示すように、実施例1に係るアンテナ装置2410は、y方向に沿ってアンテナ素子2111d、2111c、2111a、及び2111bがこの順序で配設されている。なお、アンテナ素子2111a〜2111dのうち、アンテナ素子2111aが第1のアンテナ素子(即ち、改善対象のアンテナ素子)に相当し、当該アンテナ素子2111aの隣に位置するアンテナ素子2111b及び2111cが第2のアンテナ素子に相当する。また、以降の説明においては、複数のアンテナ素子2111のうち、第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子のいずれにも該当しないアンテナ素子2111(例えば、図16に示すアンテナ素子2111d)については、「第3のアンテナ素子」とも称する。
また、グランド板2116に対してスロット2117a及び2117bが設けられている。具体的には、グランド板2116に対して、アンテナ素子2111a(第1のアンテナ素子)とアンテナ素子2111b(第2のアンテナ素子)との間に対応する領域にスロット2117aが設けられている。また、当該グランド板2116に対して、アンテナ素子2111a(第1のアンテナ素子)とアンテナ素子2111c(第2のアンテナ素子)との間に対応する領域にスロット2117bが設けられている。なお、グランド板2116に対して、アンテナ素子2111c(第2のアンテナ素子)とアンテナ素子2111d(第3のアンテナ素子)との間に対応する領域にスロット2117cが設けられていてもよい。また、他の一例として、グランド板2116に対して、当該スロット2117cが設けられていなくてもよい。
また、変形例1として前述したように、アンテナ素子2111b及び2111c(即ち、第2のアンテナ素子)については、給電点2113が、当該アンテナ素子2111(エレメント2112)のy方向(即ち、配列方向)の端部のうち、アンテナ素子2111a(即ち、第1のアンテナ素子)とは逆側の端部の方向に偏心して設けられていてもよい。例えば、図16に示す例において、アンテナ素子2111bの給電点2113は、アンテナ素子2111aとは逆側の端部(即ち、+y方向側の端部)の方向に偏心して設けられている。また、アンテナ素子2111cの給電点2113については、アンテナ素子2111aとは逆側の端部(即ち、−y方向側の端部)の方向に偏心して設けられている。
以上のような構成とすることで、実施例1に係るアンテナ装置2410に依れば、アンテナ素子2111a〜2111dのうち、少なくともアンテナ素子2111a(即ち、第1のアンテナ素子)の放射パターンの歪をより好適な態様で抑制(低減)することが可能となる。
以上、実施例1として、図16を参照して、4つのアンテナ素子をアレイ化することで本実施形態に係るアンテナ装置を構成した場合の一例について説明した。
(実施例2:L字型アンテナ装置)
続いて、実施例2として、2つのアンテナ装置をL字型に連結することで1つのアンテナ装置として構成した場合の一例について説明する。例えば、図17は、実施例2に係るアンテナ装置の構成の一例について説明するための説明図である。なお、以降の説明では、実施例2に係るアンテナ装置を、上述した実施形態、他の変形例、及び他の実施例に係るアンテナ装置と区別するために、「アンテナ装置2510」と称する場合がある。
まず、図17を参照して、実施例2に係るアンテナ装置2510の概略的な構成の一例について説明する。図17は、実施例2に係るアンテナ装置2510の概略的な斜視図である。図17に示すように、アンテナ装置2510は、アンテナ部2410a及び2410bと、連結部2511とを含む。アンテナ部2410a及び2410bのそれぞれは、図16を参照して前述したアンテナ装置2410に相当する。そのため、アンテナ部2410a及び2410bそれぞれの構成について詳細な説明は省略する。なお、アンテナ部2410a及び2410bのうち、一方が「第1のアンテナ部」の一例に相当し、他方が「第2のアンテナ部」の一例に相当する。
また、本説明においては、図17に示すように、アンテナ部2410a及び2410bそれぞれにおいて複数のアンテナ素子2111(即ち、アンテナ素子2111a〜2111d)の配列方向をz方向とする。また、アンテナ部2410aにおいて、各アンテナ素子2111を構成する平面上のエレメントの平面に水平であり、配列方向(z方向)に直交する方向をy方向とする。即ち、アンテナ部2410aにおいては、各スロット2117(即ち、スロット21117a〜2117c)は、y方向に延伸するように設けられている。また、アンテナ部2410bにおいて、各アンテナ素子2111を構成する平面上のエレメントの平面に水平であり、配列方向(z方向)に直交する方向をx方向とする。即ち、アンテナ部2410bにおいては、各スロット2117は、x方向に延伸するように設けられている。
図17に示すように、アンテナ部2410aとアンテナ部2410bとは、それぞれの端部のうち、複数のアンテナ素子2111の配列方向に延伸する端部の一方が互いに近傍に位置するように配置される。このとき、アンテナ部2410aのアンテナ素子2111と、アンテナ部2410bのアンテナ素子2111とは、平面状のエレメントの法線方向が互い交差する(例えば、直交する)か、または、当該法線方向が互いにねじれの位置にあるように配置されることとなる。また、アンテナ部2410aとアンテナ部2410bとの間で、互いに近傍に位置する端部間を架設するように連結部2511が設けられており、当該連結部2511により当該アンテナ部2410aと当該アンテナ部2410bとが連結されている。即ち、連結部2511により、アンテナ部2410aとアンテナ部2410bとが略L字型を形成するように、当該アンテナ部2410aと当該アンテナ部2410bとが保持される。
以上のような構成を有するアンテナ装置2510については、例えば、図4に示す裏面201と端面204とのように、筐体209の外面のうち互いに連接する複数の面(外面)に沿って保持されるとよい。このような構成により、互いに連接する当該複数の面それぞれについて、当該面に略垂直な方向から到来し、互いに偏波方向の異なる複数の偏波それぞれをより好適な態様で送信または受信することが可能となる。
以上、実施例2として、図17を参照して、2つのアンテナ装置をL字型に連結することで1つのアンテナ装置として構成した場合の一例について説明した。なお、実施例2として説明したアンテナ装置の構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係るアンテナ装置の構成を限定するものではない。具体的な一例として、アンテナ部2410a及び2410bそれぞれに設けられるアンテナ素子2111の数については、2以上であれが特に限定されない。また、アンテナ部2410aとアンテナ部2410bとで、それぞれに設けられたアンテナ素子2111の数が異なっていてもよい。また、図13を参照して前述した、スロット長Lと、素子間隔dと、アンテナ素子2111とスロット2117との間の距離p(即ち、スロット位置)と、のそれぞれの条件を満たせば、各部の寸法については限定されない。
(実施例3:シミュレーション結果について)
続いて、実施例3として、スロット長、素子間隔、及びスロット位置の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例について具体的な例を挙げて説明する。
まず、比較例1として、図18及び図19を参照して、シミュレーションの対象となるアンテナ素子2111単体の構成について説明する。図18及び図19は、比較例1に係るアンテナ素子の構成の一例について説明するための説明図である。具体的には、図18は、比較例1に係るアンテナ素子の概略的な斜視図である。また、図19は、比較例2に係るアンテナ素子を平面状のエレメントの法線方向から見た場合における、当該アンテナ素子の概略的な構成の一例を示している。
図18に示すように、比較例1に係るアンテナ素子2111は、平面方向の幅それぞれが5mm、厚みが0.4mmとなるように形成されている。また、図19に示すように、本説明では、便宜上、給電点2114を含み、当該給電点2114に対応する信号の偏波方向(図19の縦方向)と、アンテナ素子2112の法線方向(図19の奥行き方向)と、に延伸する平面を「phi0面」と称する。また、給電点2113を含み、当該給電点2113に対応する信号の偏波方向(図19の横方向)と、アンテナ素子2112の法線方向(図19の奥行き方向)と、に延伸する平面を「phi90面」と称する。
また、給電点2113及び2114への給電に伴い送信される無線信号の周波数を28GHzとする。また、給電点2113及び2114に対応する2偏波は、直線直交2偏波とする。また、誘電体基板2115を形成する誘電体の比誘電率は3.3とする。
続いて、図20及び図21を参照して、上記比較例1に係るアンテナ素子2111の放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。図20及び図21は、比較例1に係るアンテナ素子2111の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。具体的には、図20は、給電点2113への給電に伴い生じる放射パターンをphi90面で切断した場合の放射パターンの一例を示している。図20において、横軸は図18に示すシータ方向の角度(deg)を示しており、縦軸は無線信号の利得(dB)を示している。また、図21は、給電点2114への給電に伴い生じる放射パターンをphi90面で切断した場合の放射パターンの一例を示している。図21における縦軸及び横軸については、図20と同様である。
図20及び図21に示すように、比較例1に係るアンテナ素子2111については、放射パターンに歪が生じていないことがわかる。
続いて、比較例2として、比較例1に係るアンテナ素子2111を3つアレイ化したアンテナ装置における放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。例えば、図22は、比較例2に係るアンテナ装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図であり、当該アンテナ装置を平面状のエレメントの法線方向から見た場合における、当該アンテナ素子の概略的な構成の一例を示している。
図22に示す例では、3つのアンテナ素子2111を、給電点2113に対応する信号の偏波方向(図22の横方向)を配列方向としてアレイ化することでアンテナ装置を構成している。即ち、比較例2に係るアンテナ装置の配列方向とphi90面とは平行となり、当該配列方向とphi0面と垂直となる。
なお、本説明では、図7を参照して説明した例と同様に、中央に配設されたアンテナ素子2111を「アンテナ素子2111a」と称し、他の2つのアンテナ素子2111を「アンテナ素子2111b」及び「アンテナ素子2111c」と称する。即ち、アンテナ素子2111aが第1のアンテナ素子に相当し、アンテナ素子2111b及び2111cが第2のアンテナ素子に相当するものとする。
また、前述したように、複数のアンテナ素子のアレイ化に伴い生じる歪は、主に、当該複数のアンテナ素子の配列方向について生じる傾向にある。そのため、以降の説明では、配列方向に平行なphi90面にのみ着目して、第1のアンテナ素子に相当するアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。
例えば、図23及び図24は、比較例2に係るアンテナ装置の放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。具体的には、具体的には、図23は、給電点2114への給電に伴い生じるアンテナ素子2111aの放射パターンをphi90面で切断した場合における当該放射パターンの一例を示している。また、図24は、給電点2113への給電に伴い生じるアンテナ素子2111aの放射パターンをphi90面で切断した場合における当該放射パターンの一例を示している。なお、図23及び図24の縦軸及び横軸は、図20と同様である。
図23及び図24を図20及び図21と比較するとわかるように、比較例2に係るアンテナ装置においては、比較例1に係るアンテナ素子に比べて、放射パターンに歪が生じている。
(実施例1−1:スロット長に関する検討)
続いて、図22に示したアンテナ装置に対して前述したスロット2117を設け、当該スロット2117のスロット長Lの条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。なお、スロット2117については、図9を参照して説明した例と同様に、アンテナ素子2111aと、アンテナ素子2111b及び2111cのそれぞれと、の間に設けるものとする。また、スロット位置については、互いに隣り合うアンテナ素子2111間の中心とする。また、素子間隔dについては、d=5mmとする。また、アンテナ素子2111aとしては、比較例1に係るアンテナ素子2111と同様のものを適用するものとする。
ここで、(式1)及び(式2)として前述したスロット長Lの条件を鑑みると、スロット長Lは、L>λ/2=3.65mmの条件を満たすことがより望ましい。そこで、L=4.2mmの場合(L>3.65mmの場合)、L=3.65mmの場合、及びL=3.6mmの場合(L<3.65mmの場合)のそれぞれについて、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーションを行った。
図25〜図27は、実施例1に係るアンテナ装置におけるスロット長の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示した図である。具体的には、図25〜図27については、給電点2113への給電に伴い生じるアンテナ素子2111aの放射パターンをphi90面で切断した場合における当該放射パターンの一例を示している。より具体的には、図25は、スロット長L=4.2mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図26は、スロット長L=3.65mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図27は、スロット長L=3.6mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。なお、図25〜図27の縦軸及び横軸は、図20と同様である。
図25と図24とを比較するとわかるように、スロット2117が設けられることで、スロット2117が設けられていない場合に比べて、アンテナの放射パターンのうち極小値に相当する部分の特性が改善されていることがわかる。
また、図25と図26及び図27のそれぞれとを比較するとわかるように、図25に示した(式1)及び(式2)の条件を満たす場合のシミュレーション結果については、図26及び図27に示した当該条件を満たさない場合のシミュレーション結果よりも歪が改善されている。特に、図26に示した、L=λ/2=3.65mmの場合の例については、アンテナ素子2111aとスロット2117との結合がより強くなり、却って歪が大きくなっていることがわかる。
以上、図22に示したアンテナ装置に対して前述したスロット2117を設け、当該スロット2117のスロット長Lの条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明した。
(実施例1−2:素子間隔に関する検討)
続いて、図22に示したアンテナ装置において、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111間の素子間隔dの条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。なお、本説明において、スロット2117については設けずに、素子間隔dの条件のみを変更するものとする。また、アンテナ素子2111aとしては、比較例1に係るアンテナ素子2111と同様のものを適用するものとする。
ここで、(式3)として前述した素子間隔dの条件を鑑みると、無線信号の波長λ=10.7mmとなるため、素子間隔dは、5.4mmm≦d<10.7mmの条件を満たすことがより望ましい。なお、前述したように、素子間隔dの上限側については、グレーティングローブの発生条件に応じて決定されている。そこで、本説明では、主に下限側の境界値を基点とした条件に着目した放射パターンのシミュレーションの一例について説明する。具体的には、素子間隔d=6.0mmの場合(5.4mm<d<10.7mmの場合)、d=5.4mmの場合、及びd=4.0mmの場合(d<5.4mmの場合)のそれぞれについて、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーションを行った。
図28〜30は、実施例1に係るアンテナ装置における素子間隔の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。具体的には、図28〜図30は、給電点2114への給電に伴い生じるアンテナ素子2111aの放射パターンをphi90面で切断した場合における当該放射パターンの一例を示している。より具体的には、図28は、素子間隔d=6.0mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図29は、素子間隔d=5.4mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図30は、素子間隔d=4.0mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。なお、図28〜図30の縦軸及び横軸は、図20と同様である。
図28と図23とを比較するとわかるように、素子間隔dを、5.4mm≦d<10.7mmの条件を満たすように設定することで、放射パターンに生じた歪が改善されていることがわかる。
また、図28及び図29のそれぞれと図30とを比較するとわかるように、図28及び図29に示した(式3)の条件を満たす場合のシミュレーション結果については、図30に示した当該条件を満たさない場合のシミュレーション結果よりも歪が改善されている。特に、図30に示す例については、図24に示す例に比べて、歪の幅が広がっていることがわかる。
以上、図22に示したアンテナ装置において、互いに隣り合う2つのアンテナ素子2111間の素子間隔dの条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明した。
(実施例1−3:スロット位置に関する検討)
続いて、図22に示したアンテナ装置に対して前述したスロット2117を設け、当該スロット2117のスロット位置(即ち、アンテナ素子2111aとの間の距離p)の条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明する。なお、スロット2117については、図9を参照して説明した例と同様に、アンテナ素子2111aと、アンテナ素子2111b及び2111cのそれぞれと、の間に設けるものとする。また、スロット長Lについては、L=4.0mmに設定するものとする。また、素子間隔dについては、d=5mmに設定するものとする。また、アンテナ素子2111aとしては、比較例1に係るアンテナ素子2111と同様のものを適用するものとする。
ここで、(式6)として前述した距離p(即ち、スロット位置)の条件を鑑みると、以下に(式7)として示す条件が成り立つ。そのため、距離pは、1.47mm<p<3.53mmの条件を満たすことがより望ましい。
Figure 2018230039
なお、距離pの上限値側については、スロット2117が第2のアンテナ素子2111bまたは2111cのエッジに掛かる直前の位置に相当する。距離pが上限値を示す場合における第2のアンテナ素子2111bまたは2111cへの影響については、距離pが下限値を示す場合における第1のアンテナ素子2111aへの影響と同様である。そこで、本説明では、主に下限側の境界値を基点とした条件に着目した放射パターンのシミュレーションの一例について説明する。具体的には、距離p=2.8mmの場合(1.47mm<p<3.53mmの場合)、p=1.47mmの場合、及びp=1.4mmの場合(p<1.47mmの場合)のそれぞれについて、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーションを行った。
図31〜33は、実施例1に係るアンテナ装置におけるスロット位置の条件に応じた放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。具体的には、図31〜図33は、給電点2113への給電に伴い生じるアンテナ素子2111aの放射パターンをphi90面で切断した場合における当該放射パターンの一例を示している。より具体的には、図31は、距離p=2.8mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図32は、距離p=1.47mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。また、図33は、距離p=1.4mmとした場合におけるアンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例を示している。なお、図31〜図33の縦軸及び横軸は、図20と同様である。
図31と図24とを比較するとわかるように、距離pを、1.47mm<p<3.53mmの条件を満たすように設定することで、放射パターンに生じた歪が改善されている
また、図32及び図33については、スロット2117がアンテナ素子2111aのエッジに掛かるか、もしくはスロット2117がアンテナ素子2111aの平面状のエレメント2112の下部に設けられることとなる。このような状況下では、スロット2117が設けられることで、アンテナ素子2111aのエレメント2112とグランド板2116との間に生じる電界が乱され、アンテナ特性に影響を与えることが推測される。そのため、例えば、図32及び図33に示す例では、アンテナ素子2111aの放射パターンに歪が生じている。
以上、図22に示したアンテナ装置に対して前述したスロット2117を設け、当該スロット2117のスロット位置の条件を変更した場合における、アンテナ素子2111aの放射パターンのシミュレーション結果の一例について説明した。
<3.4.応用例>
続いて、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置を適用した通信装置の応用例として、スマートフォンのような通信端末以外の装置に対して、本開示に係る技術を応用する場合の一例について説明する。
近年では、IoT(Internet of Things)と呼ばれる、多様なモノをネットワークにつなげる技術が注目されており、スマートフォンやタブレット端末以外の装置についても、通信に利用可能となる場合が想定される。そのため、例えば、移動可能に構成された各種装置に対して、本開示に係る技術を応用することで、当該装置についても、ミリ波を利用した通信が可能となり、当該通信において偏波MIMOを利用することも可能となる。
例えば、図34は、本実施形態に係る通信装置の応用例について説明するための説明図であり、本開示に係る技術をカメラデバイスに応用した場合の一例を示している。具体的には、図34に示す例では、カメラデバイス300の筐体の外面のうち、互いに異なる方向を向いた面301及び302それぞれの近傍に位置するように、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置が保持されている。例えば、参照符号311は、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示している。このような構成により、図34に示すカメラデバイス300は、例えば、面301及び302それぞれについて、当該面の法線方向と略一致する方向に伝搬し、かつ偏波方向が互いに異なる複数の偏波それぞれを送信または受信することが可能となる。なお、図34に示した面301及び302のみに限らず、他の面にもアンテナ装置311が設けられていてもよいことは言うまでもない。
また、本開示に係る技術は、ドローンと呼ばれる無人航空機等にも応用することが可能である。例えば、図35は、本実施形態に係る通信装置の応用例について説明するための説明図であり、本開示に係る技術を、ドローンの下部に設置されるカメラデバイスに応用した場合の一例を示している。具体的には、高所を飛行するドローンの場合には、主に、下方側において各方向から到来する無線信号(ミリ波)を送信または受信できることが望ましい。そのため、例えば、図35に示す例では、ドローンの下部に設置されるカメラデバイス400の筐体の外面401のうち、互いに異なる方向を向いた各部の近傍に位置するように、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置が保持されている。例えば、参照符号411は、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示している。また、図35では図示を省略しているが、カメラデバイス400のみに限らず、例えば、ドローン自体の筐体の各部にアンテナ装置411が設けられていてもよい。この場合においても、特に、当該筐体の下方側にアンテナ装置411が設けられているとよい。
なお、図35に示すように、対象となる装置の筐体の外面のうち少なくとも一部が湾曲する面(即ち、曲面)として構成されている場合においては、当該湾曲する面中における各部分領域のうち、法線方向が互いに交差するか、または、当該法線方向が互いにねじれの位置にある複数の部分領域それぞれの近傍に、アンテナ装置411が保持されるとよい。このような構成により、図35に示すカメラデバイス400は、各部分領域の法線方向と略一致する方向に伝搬し、かつ偏波方向が互いに異なる複数の偏波それぞれを送信または受信することが可能となる。
なお、図34及び図35を参照して説明した例はあくまで一例であり、ミリ波を利用した通信を行う装置であれば、本開示に係る技術の応用先は特に限定されない。
以上、本開示の一実施形態に係るアンテナ装置を適用した通信装置の応用例として、図34及び図35を参照して、スマートフォンのような通信端末以外の装置に対して、本開示に係る技術を応用する場合の一例について説明した。
<<4.むすび>>
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置は、略平面状の誘電体基板と、複数のアンテナ素子と、グランド板とを含む。複数のアンテナ素子は、上記誘電体基板の一方の面上に、当該誘電体基板の平面に対して水平な第1の方向に沿って配設され、それぞれが、偏波方向が互いに異なる第1の無線信号及び第2の無線信号を送信または受信する。グランド板は、上記誘電体基板の他方の面の略全体に設けられ、互いに隣り合う第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子の間に対応する領域に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸するように長尺状のスロットが設けられている。また、グランド板に設けられた当該スロットのスロット長Lは、(式1)及び(式2)として前述した条件を満たすように形成される。
また、上記第1のアンテナ素子及び上記第2のアンテナ素子それぞれの中心間の距離(即ち、素子間隔d)は、(式3)として前述した条件を満たすように形成されてもよい。また、上記第1のアンテナ素子の中心と、上記スロットの中心と、の間の距離p(即ち、スロット位置)は、(式4)〜(式6)として前述した条件を満たすように形成されてもよい。
以上のような構成により、本実施形態に係るアンテナ装置に依れば、複数のアンテナ素子をアレイ化した場合においても、アンテナ素子の放射パターンとして、より好適な放射パターンを得ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
略平面状の誘電体基板と、
前記誘電体基板の一方の面上に、当該誘電体基板の平面に対して水平な第1の方向に沿って配設され、それぞれが、偏波方向が互いに異なる第1の無線信号及び第2の無線信号を送信または受信する複数のアンテナ素子と、
前記誘電体基板の他方の面の略全体に設けられ、互いに隣り合う第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子の間に対応する領域に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸するように長尺状のスロットが設けられたグランド板と、
を備え、
前記複数のアンテナ素子それぞれが送信または受信する無線信号の波長をλ、前記誘電体基板の比誘電率をεr1、前記グランド板に対して前記誘電体基板とは逆側に位置する誘電体の比誘電率をεr2とした場合に、前記スロットの前記第2の方向の長さLが以下に示す条件式を満たす、アンテナ装置。
Figure 2018230039
(2)
前記第1のアンテナ素子及び前記第2のアンテナ素子それぞれの中心間の距離dが以下に示す条件式を満たす、前記(1)に記載のアンテナ装置。
Figure 2018230039
(3)
前記第1のアンテナ素子の中心と前記スロットとの間の前記第1の方向に沿った距離pが以下に示す条件式を満たす、前記(1)または(2)に記載のアンテナ装置。
Figure 2018230039
(4)
前記第1の無線信号は、偏波方向が前記第1の方向と略一致し、
前記第2の無線信号は、偏波方向が前記第2の方向と略一致し、
前記アンテナ素子ごとに、前記第1の無線信号に対応する第1の給電点と、前記第2の無線信号に対応する第2の給電点と、が設けられている、
前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
(5)
前記第2のアンテナ素子における前記第1の給電点は、当該第2のアンテナ素子の前記第1の方向の端部のうち、前記第1のアンテナ素子とは逆側の当該端部の方向に偏心して設けられている、前記(4)に記載のアンテナ装置。
(6)
前記アンテナ素子は、平面アンテナとして構成される、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
(7)
それぞれが前記誘電体基板、前記複数のアンテナ素子、及び前記グランド板を含む第1のアンテナ部及び第2のアンテナ部を備え、
前記第1のアンテナ部と前記第2のアンテナ部とは、所定の筐体に対して、それぞれの法線方向が互いに交差するか、または、当該法線方向が互いにねじれの位置にあるように保持される、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
(8)
前記第1のアンテナ部の前記第1の方向に延伸する端部と、前記第2のアンテナ部の前記第1の方向に延伸する端部と、を連結する連結部を備える、前記(7)に記載のアンテナ装置。
1 システム
100 基地局
200 端末装置
2001 アンテナ部
2003 無線通信部
2005 通信制御部
2007 記憶部
211 通信装置
2110 アンテナ装置
2111 アンテナ素子
2112 エレメント
2113、2114 給電点
2115 誘電体基板
2116 グランド板
2117 スロット

Claims (8)

  1. 略平面状の誘電体基板と、
    前記誘電体基板の一方の面上に、当該誘電体基板の平面に対して水平な第1の方向に沿って配設され、それぞれが、偏波方向が互いに異なる第1の無線信号及び第2の無線信号を送信または受信する複数のアンテナ素子と、
    前記誘電体基板の他方の面の略全体に設けられ、互いに隣り合う第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子の間に対応する領域に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸するように長尺状のスロットが設けられたグランド板と、
    を備え、
    前記複数のアンテナ素子それぞれが送信または受信する無線信号の波長をλ、前記誘電体基板の比誘電率をεr1、前記グランド板に対して前記誘電体基板とは逆側に位置する誘電体の比誘電率をεr2とした場合に、前記スロットの前記第2の方向の長さLが以下に示す条件式を満たす、アンテナ装置。
    Figure 2018230039
  2. 前記第1のアンテナ素子及び前記第2のアンテナ素子それぞれの中心間の距離dが以下に示す条件式を満たす、請求項1に記載のアンテナ装置。
    Figure 2018230039
  3. 前記第1のアンテナ素子の中心と前記スロットとの間の前記第1の方向に沿った距離pが以下に示す条件式を満たす、請求項1に記載のアンテナ装置。
    Figure 2018230039
  4. 前記第1の無線信号は、偏波方向が前記第1の方向と略一致し、
    前記第2の無線信号は、偏波方向が前記第2の方向と略一致し、
    前記アンテナ素子ごとに、前記第1の無線信号に対応する第1の給電点と、前記第2の無線信号に対応する第2の給電点と、が設けられている、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第2のアンテナ素子における前記第1の給電点は、当該第2のアンテナ素子の前記第1の方向の端部のうち、前記第1のアンテナ素子とは逆側の当該端部の方向に偏心して設けられている、請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナ素子は、平面アンテナとして構成される、請求項1に記載のアンテナ装置。
  7. それぞれが前記誘電体基板、前記複数のアンテナ素子、及び前記グランド板を含む第1のアンテナ部及び第2のアンテナ部を備え、
    前記第1のアンテナ部と前記第2のアンテナ部とは、所定の筐体に対して、それぞれの法線方向が互いに交差するか、または、当該法線方向が互いにねじれの位置にあるように保持される、請求項1に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1のアンテナ部の前記第1の方向に延伸する端部と、前記第2のアンテナ部の前記第1の方向に延伸する端部と、を連結する連結部を備える、請求項7に記載のアンテナ装置。
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