JPWO2018212274A1 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
本発明の一実施形態は、サイクル特性が改善された、Si系材料を負極に含むリチウムイオン二次電池を提供することを目的にする。本発明のリチウムイオン二次電池は、負極活物質を含む負極、正極活物質を含む正極、および電解液を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極活物質がSi系材料を含み、X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、285eVのピーク強度Ibとの比(Ia/Ib)が、0.7以上であることを特徴とする。
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池、その製造方法およびリチウムイオン二次電池を搭載した車両に関する。
リチウムイオン二次電池は、様々な用途に使用されるようになっている。これに伴って、よりエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池の要求がある。電池の高エネルギー密度化のために、単位体積当たりのリチウムイオンの吸蔵放出量が大きいSi系材料を負極に使用することが検討されている。しかしながら、Si系材料は、充放電時の膨張収縮が大きいため、膨張収縮により生じる活物質の活性面が、電解液を分解し、電池の容量維持率の低下を引き起こす。
容量維持率の低下を改善するには、負極上に電解液の分解を抑制する被膜を形成する添加剤を電解液に添加することが有効である。特許文献1には、フルオロエチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートを添加剤として使用することにより、Si系材料を負極に使用する電池の容量維持率を改善できることが記載されている。
しかしながら、上述したビニレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネート等の添加剤を含む電解液を用いても、Si系材料を負極に使用する電池では、依然として充放電サイクル後に、容量の低下が大きいことが問題であった。このため、さらなるサイクル特性の改善が要求されている。
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、サイクル特性が改善された、Si系材料を負極に含むリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第1のリチウムイオン二次電池は、負極活物質を含む負極、正極活物質を含む正極、および電解液を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極活物質がSi系材料を含み、X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、285eVのピーク強度Ibとの比(Ia/Ib)が、0.7以上であることを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、サイクル特性が改善された、Si系材料を負極に含むリチウムイオン二次電池を提供できる。
以下、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の一例を、構成要素ごとに説明する。
[負極]
負極は、負極集電体と、負極集電体上に設けられた、負極活物質、負極結着剤および必要に応じ導電補助剤を含む負極活物質層とを備える。
負極は、負極集電体と、負極集電体上に設けられた、負極活物質、負極結着剤および必要に応じ導電補助剤を含む負極活物質層とを備える。
負極活物質は、構成元素としてケイ素を含む材料(以下、Si系材料とも呼ぶ)を含む。Si系材料としては、金属ケイ素、ケイ素を含む合金、組成式SiOx(0<x≦2)として表されるシリコン酸化物等が挙げられる。ケイ素を含む合金に使用されるその他の金属は、好ましくは、Li、Al、Ti、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laから成る群より選択される。Si系材料の粒子表面には、炭素を被覆しても良い。炭素の被覆によりサイクル特性を改善できる場合がある。炭素被膜の形成は、例えば、炭素源を用いたスパッタ法または蒸着法等により行うことができる。Si系材料は、単位体積当たりのリチウムイオンの吸蔵放出量が大きい活物質として知られている。従って、Si系材料の含有量が多い電池は、高エネルギー密度となり得る。
Si系材料の中でも、シリコン酸化物またはケイ素を含む合金を負極活物質に使用する場合に、より良好なサイクル特性を示す電池を得ることができる。特に、シリコン酸化物が好ましい。
Si系材料を、その他の負極活物質と組み合わせて使用することもできる。特に、Si系材料は、炭素とともに使用することが好ましい。炭素とともに使用することで膨張収縮の影響を緩和して、電池のサイクル特性を改善することができる。炭素としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素、グラフェン、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等が挙げられる。ここで、結晶性の高い黒鉛は、電気伝導性が高く、銅等の金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
Si系材料の含有量は、好ましくは負極活物質の総量の5重量%以上であり、より好ましくは30重量%以上であり、特に好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。Si系材料には、後述する被膜が形成され易い。従って、Si系材料の含有量が高い場合に、サイクル特性の改善効果が高まる。負極活物質は、リチウムを吸蔵放出し得る物質である。本明細書において、例えば結着剤等、リチウムを吸蔵放出しない物質は、負極活物質には含まれない。
負極結着剤としては、特に制限されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。また、前記の複数の樹脂からなる混合物や、共重合体、さらにその架橋体であるスチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。さらに、SBR系エマルジョンのような水系の結着剤を用いる場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を用いることもできる。
上記負極結着剤の中でも、サイクル特性の改善には、ポリアクリル酸またはポリイミドが好ましく、ポリアクリル酸がより好ましい。
ポリアクリル酸は、下記式(1)で表される(メタ)アクリル酸またはその金属塩に由来する単量体単位を含む重合体であってよい。なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を意味する。
式(1)で表される単量体単位におけるカルボン酸は、カルボン酸金属塩であってよい。金属は好ましくは一価金属である。一価金属としては、アルカリ金属(例えば、Na、Li、K、Rb、Cs、Fr等)、および、貴金属(例えば、Ag、Au、Cu等)等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属が好ましい。アルカリ金属としては、Na、Li、Kが好ましく、Naが最も好ましい。ポリアクリル酸が、少なくとも一部にカルボン酸塩を含むことにより、活物質層の構成材料との密着性をさらに向上させることができる場合がある。
ポリアクリル酸は、その他の単量体単位を含んでいてもよい。ポリアクリル酸が、(メタ)アクリル酸以外の単量体単位をさらに含むことで、活物質層と集電体との剥離強度を改善できる場合がある。その他の単量体単位としては、例えば、クロトン酸、ペンテン酸等のモノカルボン酸化合物、イタコン酸、マレイン酸等のジカルボン酸化合物、ビニルスルホン酸等のスルホン酸化合物、ビニルホスホン酸等のホスホン酸化合物等のエチレン性不飽和基を有する酸、スチレンスルホン酸、スチレンカルボン酸等の酸性基を有する芳香族オレフィン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の脂肪族オレフィン、スチレン等の芳香族オレフィン等のモノマーに由来する単量体単位が挙げられる。また、その他の単量体単位は、二次電池の結着剤として使用される公知のポリマーを構成する単量体単位であってもよい。これらの単量体単位においても、存在する場合、酸が塩となっていてもよい。
さらに、本実施形態に係るポリアクリル酸は、主鎖および側鎖の少なくとも1つの水素原子が、ハロゲン(フッ素、塩素、ホウ素、ヨウ素等)等で置換されていてもよい。
なお、本実施形態に係るポリアクリル酸が2種以上の単量体単位を含む共重合体である場合、共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等、およびこれらの組合せのいずれであってもよい。
ポリイミドは、以下式(2)で表される繰返し単位を含む重合体であってよい。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンはポリイミドの原料として一般に使用される。テトラカルボン酸二無水物とジアミンが縮合し、式(2)中に含まれるイミド基を形成する。
ポリイミドは特に制限されず、市販されているポリイミドを使用してよい。式(2)において、Aを形成するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。式(2)においてBを形成するジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン、およびシクロヘキサンジアミン、ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、ジアミノメチルオキシビシクロヘプタン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。
ポリイミド結着剤は、前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの反応を促進する、イミド化促進剤を含んでもよい。
負極結着剤の量は、負極活物質100重量部に対して、下限として好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、上限として好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下である。
負極は、導電性を向上させる観点から、カーボン等、例えばグラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子等の導電補助剤を含んでよい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、銅、銀、およびそれらの合金を使用できる。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
本実施形態に係る負極は、例えば、負極活物質、導電補助剤、負極結着剤および溶媒を含むスラリーを調製し、これを負極集電体上に塗布し、負極活物質層を形成することにより作製できる。負極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を負極集電体として形成して、負極を作製してもよい。
[正極]
正極は、正極集電体と、正極活物質、正極結着剤、および必要に応じ導電補助剤を含む正極活物質層とを備える。
正極は、正極集電体と、正極活物質、正極結着剤、および必要に応じ導電補助剤を含む正極活物質層とを備える。
正極活物質は、いくつかの観点から選ぶことができる。高エネルギー密度化の観点からは、高容量の化合物を含むことが好ましい。高容量の化合物としては、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)またはニッケル酸リチウムのNiの一部を他の金属元素で置換したリチウムニッケル複合酸化物が挙げられ、下式(C)で表される層状リチウムニッケル複合酸化物が好ましい。
LiyNi(1−x)MxO2 (C)
(但し、0≦x<1、0<y≦1.2、MはCo、Al、Mn、Fe、TiおよびBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)
(但し、0≦x<1、0<y≦1.2、MはCo、Al、Mn、Fe、TiおよびBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)
高容量の観点では、Niの含有量が高いこと、即ち式(C)において、xが0.5未満が好ましく、さらに0.4以下が好ましい。このような化合物としては、例えば、LiαNiβCoγMnδO2(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)、LiαNiβCoγAlδO2(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6好ましくはβ≧0.7、γ≦0.2)等が挙げられ、特に、LiNiβCoγMnδO2(0.75≦β≦0.85、0.05≦γ≦0.15、0.10≦δ≦0.20)が挙げられる。より具体的には、例えば、LiNi0.8Co0.05Mn0.15O2、LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、LiNi0.8Co0.1Al0.1O2等を好ましく用いることができる。
また、熱安定性の観点では、Niの含有量が0.5を超えないこと、即ち、式(C)において、xが0.5以上であることも好ましい。また特定の遷移金属が半数を超えないことも好ましい。このような化合物としては、LiαNiβCoγMnδO2(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、0.2≦β≦0.5、0.1≦γ≦0.4、0.1≦δ≦0.4)が挙げられる。より具体的には、LiNi0.4Co0.3Mn0.3O2(NCM433と略記)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM523と略記)、LiNi0.5Co0.3Mn0.2O2(NCM532と略記)等(但し、これらの化合物においてそれぞれの遷移金属の含有量が10%程度変動したものも含む)を挙げることができる。
また、式(C)で表される化合物を2種以上混合して使用してもよく、例えば、NCM532またはNCM523とNCM433とを9:1〜1:9の範囲(典型的な例として、2:1)で混合して使用することも好ましい。さらに、式(C)においてNiの含有量が高い材料(xが0.4以下)と、Niの含有量が0.5を超えない材料(xが0.5以上、例えばNCM433)とを混合することで、高容量で熱安定性の高い電池を構成することもできる。
層状リチウムニッケル複合酸化物はその他の金属元素でさらに置換されてもよい。例えば、下式(D)で表される層状リチウムニッケル複合酸化物も好ましく使用され得る。
LiaNibCocM1dM2eOf (D)
(0.8≦a≦1.2、0.5≦b<1.0、0.005≦c≦0.4、0.005≦d≦0.4、0≦e<0.1、1.8≦f≦2.3、b+c+d+e=1、M1はMnまたはAlであり、M2はB、Na、Mg、Al、S、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Pb、Wから成る群より選択される1種以上の金属である。)
(0.8≦a≦1.2、0.5≦b<1.0、0.005≦c≦0.4、0.005≦d≦0.4、0≦e<0.1、1.8≦f≦2.3、b+c+d+e=1、M1はMnまたはAlであり、M2はB、Na、Mg、Al、S、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Pb、Wから成る群より選択される1種以上の金属である。)
上記以外にも正極活物質として、例えば、LiMnO2、LixMn2O4(0<x<2)、Li2MnO3、xLi2MnO3−(1−x)LiMO2(xは、0.1<x<0.8、Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Ti、AlおよびMgから成る群より選択される1種以上の元素である)、LixMn1.5Ni0.5O4(0<x<2)等の層状構造またはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム;LiCoO2またはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの;およびLiFePO4等のオリビン構造を有するもの等が挙げられる。さらに、これらの金属酸化物をAl、Fe、P、Ti、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等により一部置換した材料も使用することができる。上記に記載した正極活物質はいずれも、1種を単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
正極結着剤としては、特に制限されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。また、正極結着剤は、前記の複数の樹脂の混合物、共重合体およびその架橋体、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。さらに、SBR系エマルジョンのような水系の結着剤を用いる場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を用いることもできる。正極結着剤の量は、正極活物質100重量部に対して、下限として好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、上限として好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下である。
正極活物質層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助剤を添加してもよい。導電補助剤としては、鱗片状、煤状、線維状の炭素質微粒子等、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相法炭素繊維等が挙げられる。
正極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。特に、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄・ニッケル・クロム・モリブデン系のステンレスを用いた集電体が好ましい。
正極は、正極集電体上に、正極活物質と正極結着剤を含む正極活物質層を形成することで作製することができる。正極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。予め正極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を正極集電体として形成して、正極を作製してもよい。
[電解液]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の電解液としては特に限定されないが、電池の動作電位において安定な非水溶媒と支持塩を含む非水電解液が好ましい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の電解液としては特に限定されないが、電池の動作電位において安定な非水溶媒と支持塩を含む非水電解液が好ましい。
非水溶媒の例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;カーボネート誘導体;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル等のエーテル類;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類等の非プロトン性有機溶媒;および、これらの化合物の水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換したフッ素化非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。
これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の環状または鎖状カーボネート類を含むことが好ましい。
非水溶媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
支持塩は、Liを含有すること以外は特に限定されない。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiC(CF3SO2)3、LiN(FSO2)2(略称:LiFSI)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiB10Cl10等が挙げられる。また、支持塩としては、他にも、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl等が挙げられる。このうち、耐酸化性、耐還元性、安定性、溶解のしやすさ、等からLiPF6、LiFSIが特に好ましい。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。支持塩の量は、電解液溶媒1Lに対して、好ましくは0.4mol以上1.5mol以下、より好ましくは0.5mol以上1.2mol以下である。
電解液は、好ましくは添加剤としてフッ素化酸無水物を含む。フッ素化酸無水物が電解液中に存在することにより、リチウムイオン二次電池を充放電したときに、負極表面に電解液の分解を防止できる被膜を形成できる。フッ素化酸無水物のフッ素置換率(フッ素原子数/水素原子とフッ素原子の原子数の和)は高い方が好ましい。フッ素化酸無水物のフッ素置換率は、25%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、100%が最も好ましい。
本実施形態において、環構造を有するフッ素化酸無水物(以下、「フッ素化環状酸無水物」と記載することもある)が好ましい。
本実施形態におけるフッ素化環状酸無水物としては、特に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸の無水物、スルホン酸の無水物、カルボン酸とスルホン酸との無水物等が挙げられる。
環構造を有するフッ素化カルボン酸無水物の具体例としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等のフッ素化化合物、例えば、フルオロコハク酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物、ジフルオログルタル酸無水物等が挙げられるがこれらに限定されない。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
環構造を有するフッ素化スルホン酸無水物の具体例としては、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、1,4−ブタンジスルホン酸無水物、1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物等のフッ素化化合物、例えば、テトラフルオロ−1,2−エタンジスルホン酸無水物、ヘキサフルオロ−1,3−プロパンジスルホン酸無水物、オクタフルオロ−1,4−ブタンジスルホン酸無水物、3−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、4−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物等が挙げられるがこれらに限定されない。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
環構造を有するカルボン酸とスルホン酸の無水物のフッ素化化合物の具体例としては、3−スルホプロピオン酸無水物、2−メチル−3−スルホプロピオン酸無水物、2,2−ジメチル−3−スルホプロピオン酸無水物、2−エチル−3−スルホプロピオン酸無水物、2,2−ジエチル−3−スルホプロピオン酸無水物等のフッ素化化合物、例えば、2−フルオロ−3−スルホプロピオン酸無水物、2,2−ジフルオロ−3−スルホプロピオン酸無水物、2,2,3,3−テトラフルオロ−3−スルホプロピオン酸無水物;2−スルホ安息香酸無水物等のフッ素化化合物、例えば、3−フルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、4−フルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、5−フルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、6−フルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、3,6−ジフルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、3,4,5,6−テトラフルオロ−2−スルホ安息香酸無水物、3−トリフルオロメチル−2−スルホ安息香酸無水物、4−トリフルオロメチル−2−スルホ安息香酸無水物、5−トリフルオロメチル−2−スルホ安息香酸無水物、6−トリフルオロメチル−2−スルホ安息香酸無水物等が挙げられるがこれらに限定されない。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本実施形態において、フッ素化環状酸無水物は、フッ素化環状カルボン酸無水物であることが好ましい。また、フッ素化環状カルボン酸無水物は、下記式(3)で表されるフッ素化環状カルボン酸無水物であることがより好ましい。
式(3)において、R11のアルキレン基およびアルケニレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
式(3)において、R11のアルキレン基の炭素数は、1,2,3または4であることが好ましい。R11のアルケニレン基の炭素数は、2,3または4であることが好ましい。
式(3)において、R11のシクロアルカンジイル基およびシクロアルケンジイル基の炭素数は、5,6,7,8,9または10であることが好ましい。なお、シクロアルカンジイル基およびシクロアルケンジイル基は、ビシクロアルキレン基またはビシクロアルケニレン基のように複数の環構造を有する2価の基であってもよい。
式(3)において、エーテル結合を介してアルキレン基が結合した炭素数2〜6の2価の基は、エーテル結合(−O−)を介して2個以上のアルキレン基が結合した2価の基を表し、2個以上のアルキレン基は、同じであっても異なっていてもよい。アルキレン基は分岐鎖を有していてもよい。2個以上のアルキレン基の炭素数の合計は2,3,4または5であることが好ましく、2,3または4であることがより好ましい。
式(3)において、R11は、置換若しくは無置換の炭素数2〜5のアルキレン基、または、置換若しくは無置換の炭素数2〜5のアルケニレン基であることがより好ましい。置換若しくは無置換の炭素数2〜3のアルキレン基、または、置換若しくは無置換の炭素数2〜3のアルケニレン基であることがさらに好ましい。
また、式(3)において、R11中の炭素骨格(炭素−炭素間結合)が全て単結合で構成されていることがより好ましい。これは、R11が二重結合を含む場合と比較して、過剰な反応によるガス発生が抑制されるためと考えられる。例えば、R11は、アルキレン基であることがより好ましい。
式(3)において、R11の置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、炭素数2〜6のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基およびキシリル基)、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、アミノ基(ジメチルアミノ基、メチルアミノ基を含む)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ビニル基、シアノ基、またはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)があげられる。R11は、1つの置換基を有していてもよく、複数の置換基を有していてもよい。
フッ素化環状カルボン酸無水物の好ましい例としては、無水コハク酸および無水グルタル酸のフッ素化化合物等が挙げられる。特に、無置換の環状カルボン酸無水物の水素が全てフッ素で置換された化合物が好ましい。具体的には、パーフルオログルタル酸無水物(FGA)、パーフルオロコハク酸無水物等が挙げられる。
鎖状のフッ素化酸無水物を使用してもよい。
鎖状のフッ素化酸無水物の例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水クロトン酸または無水安息香酸等のカルボン酸無水物のフッ素化化合物、例えば、無水モノフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ペンタフルオロプロピオン酸;メタンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、プロパンスルホン酸無水物、ブタンスルホン酸無水物、ペンタンスルホン酸無水物、ヘキサンスルホン酸無水物、ビニルスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物等のスルホン酸無水物のフッ素化化合物、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエタンスルホン酸無水物;酢酸メタンスルホン酸無水物、酢酸エタンスルホン酸無水物、酢酸プロパンスルホン酸無水物、プロピオン酸メタンスルホン酸無水物、プロピオン酸エタンスルホン酸無水物、プロピオン酸プロパンスルホン酸無水物等のカルボン酸とスルホン酸の無水物のフッ素化化合物、例えば、トリフルオロ酢酸メタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸エタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸プロパンスルホン酸無水物、酢酸トリフルオロメタンスルホン酸無水物、酢酸2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸無水物、酢酸ペンタフルオロエタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロエタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
これらの中でも、フッ素化カルボン酸無水物であることが好ましく、下記式(4)で表される化合物であることがより好ましい。
式(4)のR101およびR102において、アルキル基の炭素数は、1,2,3,4または5であることが好ましく、1,2,3または4であることがより好ましい。アリール基の炭素数は、6,7,8,9または10であることが好ましい。アリール基の例としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基およびキシリル基等が挙げられる。複素環基の炭素数は、4,5,6,7,8,9または10であることが好ましく、4,5,6,7または8であることがより好ましい。複素環基は、酸素、窒素、硫黄等の少なくともひとつのヘテロ原子を含み、例えば、ピロリル基、ピリジニル基、フリル基、チエニル基およびモルホリノ基等が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、2,3,4または5であることが好ましく、2,3または4であることがより好ましい。また、アルキル基またはアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
式(4)において、R101およびR102は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1,2,3または4であることがさらに好ましい。
R101およびR102の置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数2〜5のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基)、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数7〜11のアリールカルボニル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基)、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜11のアリールカルボニルオキシ基、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1〜5のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基)、炭素数2〜6のアルキルチオカルボニル基、炭素数7〜11のアリールチオカルボニル基、炭素数1〜5のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜10のアリールスルフィニル基、炭素数1〜5のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基)、アミノ基(ジメチルアミノ基、メチルアミノ基を含む)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、またはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等が挙げられる。R101およびR102は、それぞれ独立して、1つの置換基を有していてもよく、複数の置換基を有していてもよい。
鎖状のフッ素化カルボン酸無水物は、無水酢酸、無水プロピオン酸または無水酪酸のフッ素化化合物であることが特に好ましい。特に、無置換の鎖状カルボン酸無水物の水素が全てフッ素で置換された化合物が好ましい。具体的には、トリフルオロ酢酸無水物、パーフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロ酪酸無水物等が挙げられる。
フッ素化酸無水物は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
フッ素化酸無水物の電解液中の濃度は、特に制限されるものではないが、0.005〜10重量%であることが好ましい。フッ素化酸無水物の濃度が0.005重量%以上の場合、本実施形態に係る被膜を効果的に形成することができる。また、負極中の水分を効果的に捕捉することができる。フッ素化酸無水物の濃度が10重量%以下の場合、被膜が厚く形成されることを抑制でき、被膜による抵抗増加を抑制できる。フッ素化酸無水物の電解液中の含有量は、0.1重量%以上であることがより好ましく、1重量%以上であることがさらに好ましい。また、フッ素化酸無水物の電解液中の含有量は、8重量%以下であることがより好ましく、6重量%以下であることがさらに好ましい。
[負極被膜]
本実施形態に係る負極は表面に電解液の分解を防止する被膜を有する。このため、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。このような被膜は、負極、特には負極活物質層をX線光電子分光法(以降XPSとも呼ぶ)により表面分析することにより検出される特定のピークを有する。
本実施形態に係る負極は表面に電解液の分解を防止する被膜を有する。このため、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。このような被膜は、負極、特には負極活物質層をX線光電子分光法(以降XPSとも呼ぶ)により表面分析することにより検出される特定のピークを有する。
負極をX線光電子分光法により表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、285eVのピーク強度Ibとの比(Ia/Ib)は、下限として0.7以上であり、好ましくは0.8以上であり、上限として好ましくは4以下であり、より好ましくは2以下である。290eVのピーク強度Iaと、292eVのピーク強度Icとの比(Ia/Ic)は、下限として好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、上限として好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。290〜294eV付近のピークは、CH−C*F2、CFx−Oy、F−C等のフッ素原子と結合した炭素原子の結合に由来する。本実施形態において、負極表面に形成される被膜は、このようなフッ素原子と結合した炭素を含むと考えられる。
負極をX線光電子分光法により表面分析したとき、P2pスペクトルにおいて、130eV以上140eV以下の範囲内の最大ピークが、135eV以上138eV以下の範囲内に存在することが好ましい。上述したようなフッ素原子と結合した炭素を含む被膜を有することにより、電解質の分解を抑制できる。このため、本実施形態において、電解質の分解により生成する被膜の形成が抑制される。130eV以上135eV未満の結合エネルギーを有するピークは、P−Oy、PFx−Oy等リン原子と酸素原子の結合に由来する。135eV以上138eV以下の結合エネルギーを有するピークは、P−F等リン原子の結合に由来する。このような結合を有する被膜は、LiPF6等電解質が分解して生成すると考えられる。本実施形態において、135eV以上138eV以下の範囲内に比べ、130eV以上135eV未満の範囲内において、ピーク強度の減少がより顕著となり得る。
負極をX線光電子分光法により表面分析したとき、F1sスペクトルにおいて、680eV以上695eV以下の範囲内における最大ピークが、686eV以上690eV以下の範囲内に存在することが好ましい。加えて、686eV以上695eV以下の範囲内の最大ピーク強度Ifと、680eV以上686eV未満の範囲内の最大ピーク強度Ieとの比(If/Ie)は、下限として好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。686eV以上695eV以下の結合エネルギーを有するピークは、F−C等フッ素原子と炭素原子との結合に由来する。本実施形態において、負極表面に形成される被膜は、このような結合を有するフッ素原子を含むと考えられる。680eV以上686eV未満の結合エネルギーを有するピークは、フッ素原子と金属原子との結合に由来する。被膜が負極表面に形成されることにより、686eV以上695eV以下の範囲内の最大ピーク強度Ifが、680eV以上686eV未満の範囲内の最大ピーク強度Ieより大きくなり得る。
Si系材料を負極活物質層に含む上記負極およびフッ素化酸無水物を含む上記電解液を使用してリチウムイオン二次電池を作製し、充放電することにより、上記XPSスペクトルで検出される被膜を負極表面上に形成できる。なお、被膜形成後において、フッ素化酸無水物が電解液中に残存してもよく、残存していなくてもよい。被膜はフッ素化酸無水物に由来すると考えられ、被膜形成において少なくとも一部のフッ素化酸無水物は分解する場合がある。
初回充電後または初回充電中において、電池内のガスを抜く工程を設けることが好ましい。水分由来のガス等を取り除くことにより、電極表面上に被膜が均一に形成される。このため、より優れた電池特性を得ることができる。ガスを抜く工程は、好ましくは満充電よりも低い電圧において実施される。従って、初回充電電圧は、水分の分解電圧より高く、電解液添加剤の反応電圧より低くてよい。例えば、初回充電電圧は、2V以上3.7V以下の範囲であってよい。また、初回充電でできるだけ多くのガスを発生させるため、電流値は低い方が好ましい。後の工程でのガスの発生を抑制できる。初回充電における電流値は、電池の理論容量(C)に対して、0.5C以下が好ましく、0.2C以下がより好ましい。
被膜を形成するために、初回充電後に放電し、さらに充放電を実施してよい。この充電においても、均一に被膜を形成するために電流値は低い方が好ましい。初回充電の後の充電における電流値は、電池の理論容量(C)に対して、0.5C以下が好ましく、0.2C以下がより好ましい。
被膜を形成するためには、充放電後にエージングを行うことが好ましい。エージングは好ましくは充電状態で実施する。エージングの温度は、好ましくは35℃以上80℃以下であり、より好ましくは40℃以上60℃以下である。エージングの期間は、24時間以上であることが好ましく、3日以上であることがより好ましい。また、生産効率等を考慮すれば、40日以内であることが好ましい。前記エージング処理を行うことにより、エージング処理前と比べ、負極表面に形成された被膜の安定性を高め、内部抵抗を低減することができる。
[セパレータ]
セパレータは、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。具体的な材質としては、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンならびにポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド等の芳香族ポリアミド(アラミド)等が挙げられる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
セパレータは、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。具体的な材質としては、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンならびにポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド等の芳香族ポリアミド(アラミド)等が挙げられる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
[絶縁層]
正極、負極、セパレータ表面に絶縁層を形成しても良い。絶縁層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。正極、負極、セパレータの形成と同時に絶縁層を形成することもできる。絶縁層を形成する物質としては、酸化アルミニウムやチタン酸バリウム等の絶縁性フィラーとSBRやポリフッ化ビニリデン等の結着剤との混合物等が挙げられる。
正極、負極、セパレータ表面に絶縁層を形成しても良い。絶縁層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。正極、負極、セパレータの形成と同時に絶縁層を形成することもできる。絶縁層を形成する物質としては、酸化アルミニウムやチタン酸バリウム等の絶縁性フィラーとSBRやポリフッ化ビニリデン等の結着剤との混合物等が挙げられる。
[二次電池の構造]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、図1および図2のような構造を有する。この二次電池は、電池要素20と、それを電解質と一緒に収容するフィルム外装体10と、正極タブ51および負極タブ52(以下、これらを単に「電極タブ」ともいう)とを備えている。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、図1および図2のような構造を有する。この二次電池は、電池要素20と、それを電解質と一緒に収容するフィルム外装体10と、正極タブ51および負極タブ52(以下、これらを単に「電極タブ」ともいう)とを備えている。
電池要素20は、図2に示すように、複数の正極30と複数の負極40とがセパレータ25を間に挟んで交互に積層されたものである。正極30は、金属箔31の両面に電極材料32が塗布されており、負極40も、同様に、金属箔41の両面に電極材料42が塗布されている。なお、本発明は、必ずしも積層型の電池に限らず捲回型等の電池にも適用しうる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は図1および図2のように電極タブが外装体の片側に引き出された構成であってもよいが、二次電池は電極タブが外装体の両側に引き出されたものであってもいい。詳細な図示は省略するが、正極および負極の金属箔は、それぞれ、外周の一部に延長部を有している。負極金属箔の延長部は一つに集められて負極タブ52と接続され、正極金属箔の延長部は一つに集められて正極タブ51と接続される(図2参照)。このように延長部どうし積層方向に1つに集めた部分は「集電部」等とも呼ばれる。
フィルム外装体10は、この例では、2枚のフィルム10−1、10−2で構成されている。フィルム10−1、10−2どうしは電池要素20の周辺部で互いに熱融着されて密閉される。図1では、このように密閉されたフィルム外装体10の1つの短辺から、正極タブ51および負極タブ52が同じ方向に引き出されている。
当然ながら、異なる2辺から電極タブがそれぞれ引き出されていてもよい。また、フィルムの構成に関し、図1、図2では、一方のフィルム10−1にカップ部が形成されるとともに他方のフィルム10−2にはカップ部が形成されていない例が示されているが、この他にも、両方のフィルムにカップ部を形成する構成(不図示)や、両方ともカップ部を形成しない構成(不図示)等も採用しうる。
[二次電池の製造方法]
本実施形態によるリチウムイオン二次電池は、負極に被膜を形成する以外は通常の方法に従って作製することができる。積層ラミネート型のリチウムイオン二次電池を例に、リチウムイオン二次電池の製造方法の一例を説明する。まず、乾燥空気または不活性雰囲気において、正極および負極を、セパレータを介して対向配置して、電極素子を形成する。次に、この電極素子を外装体(容器)に収容し、電解液を注入して電極に電解液を含浸させる。その後、外装体の開口部を封止してリチウムイオン二次電池を完成する。
本実施形態によるリチウムイオン二次電池は、負極に被膜を形成する以外は通常の方法に従って作製することができる。積層ラミネート型のリチウムイオン二次電池を例に、リチウムイオン二次電池の製造方法の一例を説明する。まず、乾燥空気または不活性雰囲気において、正極および負極を、セパレータを介して対向配置して、電極素子を形成する。次に、この電極素子を外装体(容器)に収容し、電解液を注入して電極に電解液を含浸させる。その後、外装体の開口部を封止してリチウムイオン二次電池を完成する。
[組電池]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を複数組み合わせて組電池とすることができる。組電池は、例えば、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を2つ以上用い、直列、並列またはその両方で接続した構成とすることができる。直列および/または並列接続することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。組電池が備えるリチウムイオン二次電池の個数については、電池容量や出力に応じて適宜設定することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を複数組み合わせて組電池とすることができる。組電池は、例えば、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を2つ以上用い、直列、並列またはその両方で接続した構成とすることができる。直列および/または並列接続することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。組電池が備えるリチウムイオン二次電池の個数については、電池容量や出力に応じて適宜設定することができる。
[車両]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池またはその組電池は、車両に用いることができる。本実施形態に係る車両としては、ハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バス等の商用車、軽自動車等)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)が挙げられる。なお、本実施形態に係る車両は自動車に限定されるわけではなく、他の車両、例えば電車等の移動体の各種電源として用いることもできる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池またはその組電池は、車両に用いることができる。本実施形態に係る車両としては、ハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バス等の商用車、軽自動車等)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)が挙げられる。なお、本実施形態に係る車両は自動車に限定されるわけではなく、他の車両、例えば電車等の移動体の各種電源として用いることもできる。
(実施例1)
<負極>
負極活物質として、炭素被覆を有するシリコン酸化物(重量比:シリコン酸化物/炭素=95/5)を使用した。この炭素被覆を有するシリコン酸化物は、以降、単にシリコン酸化物またはSiOと略して記載する。負極活物質90重量%、導電補助剤としてアセチレンブラック1重量%、および負極結着剤としてアクリル酸ナトリウム塩に由来する単量体単位を含む共重合ポリアクリル酸9重量%を混合し、次いで純水を加えて負極スラリーを調製した。これを集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、80℃で5分間の乾燥を行い、プレス工程を経て負極を作製した。ここで、各材料の重量%は、負極活物質、導電補助剤、および結着剤の総量に対する割合を意味する。
<負極>
負極活物質として、炭素被覆を有するシリコン酸化物(重量比:シリコン酸化物/炭素=95/5)を使用した。この炭素被覆を有するシリコン酸化物は、以降、単にシリコン酸化物またはSiOと略して記載する。負極活物質90重量%、導電補助剤としてアセチレンブラック1重量%、および負極結着剤としてアクリル酸ナトリウム塩に由来する単量体単位を含む共重合ポリアクリル酸9重量%を混合し、次いで純水を加えて負極スラリーを調製した。これを集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、80℃で5分間の乾燥を行い、プレス工程を経て負極を作製した。ここで、各材料の重量%は、負極活物質、導電補助剤、および結着剤の総量に対する割合を意味する。
<正極>
正極活物質として、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2を用いた。この正極活物質と、導電補助剤としてのカーボンブラックと、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の重量比で計量した。そして、これらをN−メチルピロリドンと混合して、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布した後に乾燥し、さらにプレスすることで、正極を作製した。
正極活物質として、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2を用いた。この正極活物質と、導電補助剤としてのカーボンブラックと、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の重量比で計量した。そして、これらをN−メチルピロリドンと混合して、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布した後に乾燥し、さらにプレスすることで、正極を作製した。
<電極積層体>
得られた正極の3層と負極の4層を、セパレータとしてアラミド多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接した。さらに、その溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極積層体を得た。
得られた正極の3層と負極の4層を、セパレータとしてアラミド多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接した。さらに、その溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極積層体を得た。
<電解液>
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)をEC/DEC=30/70(体積比)の配合比で混合して電解液溶媒を調製した。これに、支持塩としてLiPF6と添加剤としてパーフルオログルタル酸無水物(FGA)をそれぞれ添加し、電解液を作製した。電解液中のLiPF6の濃度は1.0mol/Lとした。電解液中のFGAの濃度は0.1mol/L(1.86重量%)とした。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)をEC/DEC=30/70(体積比)の配合比で混合して電解液溶媒を調製した。これに、支持塩としてLiPF6と添加剤としてパーフルオログルタル酸無水物(FGA)をそれぞれ添加し、電解液を作製した。電解液中のLiPF6の濃度は1.0mol/Lとした。電解液中のFGAの濃度は0.1mol/L(1.86重量%)とした。
<注液>
電極積層体を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム内に収容し、外装体内部に電解液を注入した。その後、チャンバー内にて真空含浸(圧力:10kPa(abs))を行い、外装体を封止することで電池を得た。
電極積層体を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム内に収容し、外装体内部に電解液を注入した。その後、チャンバー内にて真空含浸(圧力:10kPa(abs))を行い、外装体を封止することで電池を得た。
<被膜形成>
25℃に保った恒温槽内で、作製した二次電池をCCCV充電(上限電圧3.6V、電流0.15C、CV時間1.5時間)した。その後、封止部を破り減圧することでガス抜きを行った。次いで、CC放電(下限電圧3.0V、電流1C)した後、CCCV充電(上限電圧4.2V、電流0.15C、CV時間1.5時間)し、45℃の恒温槽において21日間エージングを行った。
25℃に保った恒温槽内で、作製した二次電池をCCCV充電(上限電圧3.6V、電流0.15C、CV時間1.5時間)した。その後、封止部を破り減圧することでガス抜きを行った。次いで、CC放電(下限電圧3.0V、電流1C)した後、CCCV充電(上限電圧4.2V、電流0.15C、CV時間1.5時間)し、45℃の恒温槽において21日間エージングを行った。
<XPSによる負極表面分析>
電池を解体し、1層の負極を取り出した。負極をジエチルカーボネートで洗浄した後、XPSにより負極表面の分析を行った。XPSによる被膜の表面分析装置は、PHI社製のX線光電子分光分析装置 Quantera SXMを用いた。分析時には、モノクロ化したAl−Kα線(1486.6eV)を分析用サンプルに照射して(X線型=200μm)、光電子脱出角度:45°として光電子スペクトルを測定した。光電子スペクトルのエネルギー補正を行うために、炭素1s(C1s)の最低束縛エネルギー側に存在するメインピークの位置を284.6eVとした。
電池を解体し、1層の負極を取り出した。負極をジエチルカーボネートで洗浄した後、XPSにより負極表面の分析を行った。XPSによる被膜の表面分析装置は、PHI社製のX線光電子分光分析装置 Quantera SXMを用いた。分析時には、モノクロ化したAl−Kα線(1486.6eV)を分析用サンプルに照射して(X線型=200μm)、光電子脱出角度:45°として光電子スペクトルを測定した。光電子スペクトルのエネルギー補正を行うために、炭素1s(C1s)の最低束縛エネルギー側に存在するメインピークの位置を284.6eVとした。
<電池評価>
XPSによる負極表面分析を行った電池と同様に作製された電池について、同様に被膜形成工程を実施した。このとき、エージング前の電池体積に対するエージング後の電池体積の増加率を確認した。その後、サイクル試験を行った。サイクル試験は以下の通り実施した。CCCV充電(上限電圧4.2V、電流1C、CV時間1.5時間)と、CC放電(下限電圧3.0V、電流1C)を、いずれも25℃で100サイクル実施した。容量維持率として、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合を表1に示した。
XPSによる負極表面分析を行った電池と同様に作製された電池について、同様に被膜形成工程を実施した。このとき、エージング前の電池体積に対するエージング後の電池体積の増加率を確認した。その後、サイクル試験を行った。サイクル試験は以下の通り実施した。CCCV充電(上限電圧4.2V、電流1C、CV時間1.5時間)と、CC放電(下限電圧3.0V、電流1C)を、いずれも25℃で100サイクル実施した。容量維持率として、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合を表1に示した。
(実施例2)
負極活物質にシリコン酸化物と天然黒鉛を使用した(重量比:シリコン酸化物/天然黒鉛=70/30)。その他は実施例1と同様である。
負極活物質にシリコン酸化物と天然黒鉛を使用した(重量比:シリコン酸化物/天然黒鉛=70/30)。その他は実施例1と同様である。
(比較例1)
電解液にパーフルオログルタル酸無水物を添加しなかった。その他は実施例1と同様である。
電解液にパーフルオログルタル酸無水物を添加しなかった。その他は実施例1と同様である。
(比較例2)
電解液にパーフルオログルタル酸無水物の替わりに、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を添加した。電解液中、FECの濃度は0.1mol/L(0.89重量%)に調整した。その他は実施例1と同様である。
電解液にパーフルオログルタル酸無水物の替わりに、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を添加した。電解液中、FECの濃度は0.1mol/L(0.89重量%)に調整した。その他は実施例1と同様である。
実施例1および比較例1のナロースキャンによるXPSスペクトルを図3〜図5に示す。XPSスペクトルにおいて、横軸は結合エネルギー(eV)を表し、縦軸はスペクトル強度(c/s)を表す。フルオログルタル酸無水物の有無や負極活物質の種類により、スペクトルが変化した。XPSスペクトルにおいて、290eVのピークをIa、285eVのピークをIb、292eVのピークをIc、686eV以上695eV以下の範囲内の最大ピークをIf、680eV以上686eV未満の範囲内の最大ピークをIe、130eV以上140eV以下の範囲内の最大ピークをIdと、それぞれ略記する。容量維持率とともにピーク強度比および最大ピークの位置を以下の表1に記載する。
この出願は、2017年5月18日に出願された日本出願特願2017−99013を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本実施形態によるリチウムイオン二次電池は、例えば、電源を必要とするあらゆる産業分野、ならびに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野において利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器の電源;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車等を含む電動車両、電車、衛星、潜水艦等の移動・輸送用媒体の電源;UPS等のバックアップ電源;太陽光発電、風力発電等で発電した電力を貯める蓄電設備;等に、利用することができる。
10 フィルム外装体
20 電池要素
25 セパレータ
30 正極
40 負極
20 電池要素
25 セパレータ
30 正極
40 負極
Claims (10)
- 負極活物質を含む負極、正極活物質を含む正極、および電解液を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極活物質がSi系材料を含み、X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、285eVのピーク強度Ibとの比(Ia/Ib)が、0.7以上である、リチウムイオン二次電池。
- X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、292eVのピーク強度Icとの比(Ia/Ic)が、1以上4以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、P2pスペクトルにおいて、130eV以上140eV以下の範囲内の最大ピークが、135eV以上138eV以下の範囲内に存在する、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
- X線光電子分光法により前記負極を表面分析したとき、F1sスペクトルにおいて、686eV以上695eV以下の範囲内の最大ピーク強度Ifと、680eV以上686eV未満の範囲内の最大ピーク強度Ieとの比(If/Ie)が、2以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解液がフッ素化酸無水物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解液において前記フッ素化酸無水物の含有量が、0.005重量%以上である、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記フッ素化酸無水物がフッ素化グルタル酸無水物である、請求項5または6に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記Si系材料の含有量が前記負極活物質の総量の30重量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載した車両。
- Si系材料を含む負極とフッ素化酸無水物を含む電解液とを有するリチウムイオン二次電池を作製する工程と、
前記リチウムイオン二次電池を充電する工程と、
前記リチウムイオン二次電池からガスを抜き出す工程と、
前記リチウムイオン二次電池をエージングする工程と、
を含む、X線光電子分光法により負極を表面分析したとき、C1sスペクトルにおいて、290eVのピーク強度Iaと、285eVのピーク強度Ibとの比(Ia/Ib)が、0.7以上である、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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