JPWO2018207571A1 - 認証情報処理プログラム及び認証情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

認証情報処理プログラムは、プロセッサと、記憶機器とを備えたコンピュータに、以下の処理を実行させる為の指示を含む。プロセッサは、画像を取得し(S1)、画像から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、位置情報を取得する(S2)。プロセッサは、複数の基準点の中の1つを中心基準点について、所定条件に基づき所定個の周辺基準点を抽出する(S3)。プロセッサは、複数の基準点の各々について、位置情報と、所定個の周辺基準点の各々の前記画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する(S4)。プロセッサは、汗孔関連情報を、皮膚認証に用いられる認証情報として記憶機器に記憶させる(S5)。

Description

本発明は、画像を解析して、皮膚情報の照合に用いられる情報を作成する認証情報処理プログラム及び認証情報処理装置に関する。
指紋認証装置が種々検討されている。例えば、特許文献1の生体識別装置は、生体情報から抽出される指紋の隆線及び谷のパターンと、生体情報から抽出される汗孔とを利用して登録用の認証情報に対する照合用の認証情報の認証を行う。
特表2007−504524号公報
上記特許文献1に記載の生体識別装置では、認証速度の向上の観点からの検討は十分になされていない。
本発明の目的は、皮膚認証に用いる情報であって、従来に比べ認証速度の向上に寄与する情報を生成可能な認証情報処理プログラム及び認証情報処理装置を提供することである。
本発明の第一態様に係る認証情報処理プログラムは、プロセッサと、記憶機器とを備えたコンピュータに、画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップで取得された前記画像から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である位置情報を取得する基準点決定ステップと、前記基準点決定ステップで取得された複数の前記基準点の中の1つを中心基準点として選択した場合の、前記中心基準点からの距離が所定値未満、且つ、前記中心基準点との間にある前記皮膚の隣合う前記隆線の間となる谷の数が1以下である所定個の前記基準点を所定条件に基づき周辺基準点として抽出する周辺基準点抽出ステップと、前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記周辺基準点抽出ステップで抽出された前記所定個の前記周辺基準点の各々の前記画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する情報生成ステップと、前記情報生成ステップで生成され前記複数の基準点の各々に関する前記汗孔関連情報を、皮膚認証に用いられる認証情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップとを実行させる為の指示を含む。
第一態様に係る認証情報処理プログラムは、コンピュータに画像に基づき、汗孔関連情報を生成し、記憶機器に記憶させることができる。皮膚の隆線上の汗孔の配置は、指紋及び声紋と同様に固有であり、生涯にわたって変わらないとされている。皮膚を表す画像の大きさが従来に比べ小さく、隆線の分岐点や端点が画像中に含まれないような場合であっても、汗孔は複数取得できる可能性がある。基準点は隆線上の汗孔を表し、属性情報は所定個の周辺基準点の各々の画像上の配置の特徴を表す。つまり、属性情報は、注目する汗孔の周囲の所定個の汗孔の配置の特徴を表す情報であり、画像が表す生体情報の特徴部分を強調した情報と言える。属性情報は例えば、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理に好適に利用可能である。したがって第一態様の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、皮膚認証に用いる情報であって、従来に比べ認証速度の向上に寄与する汗孔関連情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記基準点決定ステップは、前記画像中の前記汗孔の重心を前記基準点として決定し、当該基準点の前記位置情報を取得してもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、汗孔の形状と大きさとの特徴を表す、汗孔の重心を基準点として決定し、汗孔関連情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記所定条件は、既に選択された前記周辺基準点と前記中心基準点とを結んだ線分と、前記周辺基準点の候補となる前記基準点と前記中心基準点とを結んだ線分とがなす角の角度が所定角度以上となる前記基準点を前記中心基準点からの距離が近い順に前記所定個選択する条件であってもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、中心基準点と同一の隆線上の汗孔を表す基準点ばかりが周辺基準点として抽出されることを抑制し、中心基準点の周囲の特徴を好適に表す属性情報を含む汗孔関連情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記属性情報は、前記所定個の周辺基準点の内の前記中心基準点と同じ前記隆線上の前記周辺基準点の数を表す情報と、前記中心基準点と、前記所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの前記放射線分上の前記周辺基準点を前記中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、前記隆線上にある前記周回線分の数を表す情報とを含む分類情報を含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、分類情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記属性情報は、前記中心基準点と、前記周辺基準点とが同じ隆線上にあるかを前記周辺基準点の各々について示す情報である放射情報を含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、放射情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記属性情報は、前記中心基準点と、前記所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの前記放射線分上の前記周辺基準点を前記中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、前記周回線分が同じ前記隆線上にあるかを当該周回線分の起点となる前記周辺基準点の各々について示す情報である周回情報を含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、周回情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップは、前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記属性情報とに加え、前記所定個の周辺基準点の前記位置情報に基づく情報である周辺情報を含む前記汗孔関連情報を生成してもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、皮膚認証の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な周辺情報を含む汗孔関連情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップは、前記周辺情報として、前記所定個の周辺基準点の各々についての、前記中心基準点との距離を含む前記汗孔関連情報を生成してもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、皮膚認証の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な距離を含む汗孔関連情報を生成できる。コンピュータは、皮膚認証を実行する毎に距離を算出する場合に比べ、皮膚認証に必要な時間を短縮できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップは、前記周辺情報として、前記所定個の周辺基準点の各々についての、前記中心基準点と前記周辺基準点とを結ぶ線分の所定方向に対する角度を含む前記汗孔関連情報を生成してもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な角度を含む汗孔関連情報を生成できる。コンピュータは、皮膚認証を実行する毎に角度を算出する場合に比べ、皮膚認証に必要な時間を短縮できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップは、前記周辺情報の配列順序と、前記属性情報の配列順序を一致させ、前記所定個の周辺基準点の内、前記中心基準点と同じ隆線上にあり、且つ、前記中心基準点との間の距離が最も長い離間基準点の前記配列順序を1番とし、前記画像上の配置に基づき前記中心基準点を中心とする前記離間基準点から所定方向周りに2番以降の前記配列順序を設定してもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、画像の歪みの影響が最も小さいと思われる中心基準点と周辺基準点との組合せに基づき、配列順序を設定した汗孔関連情報を生成できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップで生成された照合用の前記認証情報と、前記記憶機器に記憶されている登録用の前記認証情報との内、前記基準点に関連付けられた前記属性情報が一致する照合用の前記基準点と登録用の前記基準点とのペアを、前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を比較する対象の候補となるペア候補として抽出するペア候補抽出ステップと、前記ペア候補抽出ステップで抽出された前記ペア候補を用いて、前記照合用の認証情報と前記登録用の認証情報との対応を決定する対応決定ステップとを実行させる為の指示を更に含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を、認証情報に含まれる全ての基準点を比較して決定する場合に比べ、短時間で決定できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記情報生成ステップで生成された照合用の前記認証情報と、前記記憶機器に記憶されている登録用の前記認証情報との内、前記基準点に関連付けられた前記属性情報が一致する照合用の前記基準点と登録用の前記基準点とのペアを、前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を比較する対象の候補となるペア候補として抽出するペア候補抽出ステップと、前記ペア候補抽出ステップで抽出された前記ペア候補について、前記汗孔関連情報の内の前記周辺情報を比較して前記照合用の認証情報と前記登録用の認証情報との対応を決定する対応決定ステップとを実行させる為の指示を更に含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を、認証情報に含まれる全ての基準点を比較して決定する場合に比べ、短時間で決定できる。コンピュータは、ペア候補の周辺情報を比較して、照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定できる。
第一態様の認証情報処理プログラムにおいて、前記対応決定ステップで決定された前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を用いて前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との類似度を算出する類似度算出ステップを実行させる為の指示を更に含んでもよい。この場合の認証情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、認証情報の生成から、類似度算出までの処理を比較的短時間で実行できる。
第二態様の認証情報処理装置は、プロセッサと、記憶機器とを備え、前記プロセッサは、画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された前記画像から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である位置情報を取得する基準点決定手段と、前記基準点決定手段により取得された複数の前記基準点の中の1つを中心基準点として選択した場合の、前記中心基準点からの距離が所定値未満、且つ、前記中心基準点との間にある前記皮膚の隣合う前記隆線の間となる谷の数が1以下である所定個の前記基準点を所定条件に基づき周辺基準点として抽出する抽出手段と、前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記抽出手段により抽出された前記所定個の前記周辺基準点の各々の前記画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する情報生成手段と、前記情報生成手段により生成され前記複数の基準点の各々に関する前記汗孔関連情報を、皮膚認証に用いられる認証情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御手段として機能する。第二態様によれば、第一態様の認証情報処理プログラムと同様の効果を奏することができる。本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、第一態様の認証情報処理プログラムを記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体、第二態様の認証情報処理装置の機能を実現するための方法、等の形態で実現できる。
装置10のブロック図である。 装置10の機能ブロック図である。 第一実施形態の認証情報処理のフローチャートである。 画像41に基づき基準点を抽出する過程の説明図である。 画像45に基づき基準点A1について周辺基準点a0からa7を決定し、汗孔関連情報を取得する過程の説明図である。 (A)から(J)は属性情報のパターン例の説明図である。 汗孔関連情報30を含む認証情報33の説明図である。 第二実施形態の認証情報処理のフローチャートである。 図8の認証情報処理で実行される画像解析処理のフローチャートである。 図9の画像解析処理で実行される汗孔関連情報生成処理のフローチャートである。 中心基準点A1について汗孔関連情報を取得する過程の説明図である。 中心基準点A1について取得された汗孔関連情報50の説明図である。 画像45に基づき中心基準点A1からA10を含む複数の基準点の各々について取得された汗孔関連情報の説明図である。 画像45に基づき中心基準点A1からA10を含む複数の基準点の各々について取得された汗孔関連情報を含む認証情報70の説明図である。 画像65に基づき中心基準点B1からB9を含む複数の基準点の各々について取得された汗孔関連情報の説明図である。 図8の認証情報処理で実行される照合処理のフローチャートである。 図16の照合処理で実行されるペア候補抽出処理のフローチャートである。 照合用の基準点と、登録用の基準点とで属性情報を比較する処理の説明図である。 周辺基準点に一対一で対応付けられる属性情報と周辺情報との各々で、画像の収縮及び回転を考慮して比較する処理の説明図である。 ペア候補として抽出された照合用の基準点と、登録用の基準点とについて、スコアを算出する過程の説明図である。 図17のペア候補抽出処理で、ペア候補として抽出された照合用の基準点と、登録用の基準点との組合せと、ペア候補のスコア及び回転角とを示す表である。 ペア候補の回転角を所定範囲の角度に分類したヒストグラムであり、回転角度でペア候補を絞り込む処理の説明図である。 2組のペア候補の位置関係で、ペア候補を絞り込む処理の説明図である。 評価試験1の結果を表すグラフである。 評価試験3の結果を表すグラフである。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態において例示した具体的な複数の数値は一例であり、本発明はこれらの複数の数値に限定されない。以下の説明では、画像データを単に「画像」という。
図1を参照して、第一及び第二実施形態に共通する装置10について説明する。認証情報処理装置(以下単に「装置」という。)10は、生体情報(皮膚情報)から照合に用いる認証情報を生成する機能を備えた電子機器である。皮膚情報は、例えば、指、掌及び足裏のような無毛皮膚を撮影した画像が表す生体情報から選択される。本例の皮膚情報は指紋及び汗孔である。本例の装置10は、周知のスマートフォンである。装置10は、指紋及び汗孔を撮影した画像を解析して、皮膚情報を用いた照合に必要な登録用の認証情報を生成し、装置10のフラッシュメモリ4に記憶されたデータベース(DB)28に記憶する機能を備える。装置10は、指紋及び汗孔を撮影した画像を解析して、皮膚情報を用いた照合に必要な照合用の認証情報を生成し、生成された照合用の認証情報と、DB28に記憶された登録用の認証情報との対応を決定する機能を備える。
図1に示すように、装置10は、CPU1、ROM2、RAM3、フラッシュメモリ4、通信I/F5、表示部6、タッチパネル7、及び生体情報取得装置8を備える。CPU1は、装置10の制御を行うプロセッサである。CPU1は、ROM2、RAM3、フラッシュメモリ4、通信I/F5、表示部6、タッチパネル7、及び生体情報取得装置8と電気的に接続する。ROM2は、BIOS、ブートプログラム、及び初期設定値を記憶する。RAM3は、種々の一時データを記憶する。フラッシュメモリ4は、CPU1が装置10を制御する為に実行するプログラム、OS(Operating System)、及びDB28を記憶する。通信I/F5は、外部の機器と通信を実行する為のコントローラである。表示部6は、液晶ディスプレイである。タッチパネル7は、表示部6の表面に設けられる。生体情報取得装置8は、皮膚を撮影した画像を取得する。本例の生体情報取得装置8は、光学式のエリア型センサ、又はマイクロスコープであり、1ピクセル毎に色情報を256階調の諧調値で表す。色情報は、色を表す情報である。汗孔を識別可能な画像を取得する為に、画像の解像度は、800dpi(dots per inch)以上であることが好ましい。本例の生体情報取得装置8の解像度は、一例として、2000dpiである。
[第一実施形態の認証情報処理]
図2から図7を参照して、第一実施形態の装置10において実行される認証情報記憶処理を説明する。図2に示すように、装置10は、生体情報取得装置8、画像取得部21、基準点決定部22、抽出部23、情報生成部24、登録部26、照合部27、及びDB28を有し、それぞれの機能ブロックに対応する処理を、CPU1(図1参照)によって実行する。
図3に示すように、生体情報取得装置8は、画像取得部21に画像を出力する。画像取得部21は、生体情報取得装置8から出力された画像を取得する(S1)。具体例として生体情報取得装置8は、画像41を取得する。画像41は、例えば、解像度が2000dpiであり、X方向(左右方向)が480ピクセル、Y方向(上下方向)が800ピクセルの矩形状の画像の一部を模式的に示した図である。基準点決定部22は、S1で取得された画像41から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、基準点の画像上の位置に対応する情報である位置情報を取得する(S2)。基準点決定部22は、例えば、画像中の汗孔の重心を基準点として決定し、当該基準点の位置情報を取得する。基準点の位置情報は、例えば、画像座標系の二次元座標で表される。本例の画像座標系の二次元座標は、画像中のピクセルの位置に基づき、ピクセル単位で設定される座標とする。CPU1は、画像41の左上の画素の位置を、画像座標系の二次元座標46の原点とする。二次元座標46の原点からXプラス方向にx画素分離隔し、原点からYプラス方向にy画素分離隔した画素の位置を、座標(x,y)と表記する。
基準点決定部22は例えば、以下の手順で基準点を決定する。図4に示すように、基準点決定部22は、S1で取得された画像41から、隆線を表す画像42と、汗孔を含む閉領域部分の図形を表す画像43とを生成する。画像42は、例えば、画像41を二値化処理することによって得られる。他の例では、画像42は、マニューシャ法の処理に使われる複数の画像処理フィルタに画像41を供することにより得られる。画像42の内、黒色部分が隆線を表し、白色部分が隆線と隆線との間の谷の部分を表す。画像43は、例えば、所定範囲の濃淡値の部分を抽出可能な画像処理フィルタに画像41を供することによって得られる。汗孔は隆線上に配置される。基準点決定部22は、画像42と、画像43とを画像44に示すように重ねて比較し、黒色部分で示される隆線上に配置された円状、フック状等の閉領域部分を汗孔として特定する。基準点決定部22は、特定された汗孔の面積重心を、汗孔を表す基準点として決定する。基準点決定部22は、左から右、上から下の順で、画像45を走査し、各基準点にIDを付与する。S2の処理で、例えば、画像45の基準点P1からP12を含む複数の基準点が抽出される。各基準点について、付与されたIDと画像座標系の二次元座標とが対応付けられたリスト47が作成される。
抽出部23は、S2で取得された複数の基準点の中の1つを中心基準点として選択した場合の、中心基準点からの距離が所定値未満、且つ、中心基準点との間にある皮膚の隣合う隆線の間となる谷の数が1以下である所定個の基準点を所定条件に基づき周辺基準点として抽出する(S3)。中心基準点との間にある皮膚の隣合う隆線の間となる谷の数は、例えば、中心基準点との間に存在する、画像42における白が連続する範囲の数で特定される。所定距離、所定個、及び所定条件は、汗孔の間の距離、画像の解像度、及び認証精度等を考慮して定められる。所定距離は、汗孔間の距離の平均値Hよりも大きく、平均値Hの3倍の値よりも小さいことが好ましい。所定個は、4以上15以下であることが好ましい。例えば、所定距離が半径Rであり、所定個が8個であり、所定条件が、既に選択された周辺基準点と中心基準点とを結んだ線分と、周辺基準点の候補となる基準点と中心基準点とを結んだ線分とがなす角の角度が所定角度以上となる基準点を中心基準点からの距離が近い順に所定個選択する条件である場合、点A1について、図5に示す点a0から点a7が周辺基準点として抽出される。所定角度は、汗孔の間の距離、画像の解像度、周辺基準点の数、及び認証精度等を考慮して定められる。所定個が8個である場合、所定角度は、5度から45度の範囲で選定されることが好ましく、本例では15度である。S3の処理は、S2の処理で取得された複数の基準点の各々を順に中心基準点として実行される。
情報生成部24は、S2で取得された複数の基準点の各々について、中心基準点の位置情報と、S3で抽出された所定個の周辺基準点の各々の画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する(S4)。属性情報は、中心基準点に対する周辺基準点の画像上の配置の特徴を表す情報であればよい。属性情報は、例えば、周辺基準点の内の注目する注目基準点が、中心基準点又は所定の周辺基準点と、同じ隆線上にあるか否かの観点から設定された情報である。属性情報は、例えば、注目基準点と、中心基準点又は所定の周辺基準点との距離及び角度の少なくとも何れかの観点から設定された情報であってもよい。属性情報は、1種類の特徴を表す情報であってもよいし、複数種類の特徴の各々を表す複数の情報であってもよい。
属性情報は、例えば、分類情報を含んでもよい。分類情報は、所定個の周辺基準点の内の中心基準点と同じ隆線上の周辺基準点の数を表す第一情報を含む。分類情報は、中心基準点と、所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの放射線分上の周辺基準点を中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、隆線上にある周回線分の数を表す第二情報を含む。図5において、中心基準点A1と、周辺基準点a0から点a7との各々を結んだ放射線分の内、中心基準点A1と同じ隆線上の放射線分を実線で示し、隆線と隆線との間の谷を跨ぐ放射線分を一点鎖線で示す。中心基準点A1では、中心基準点と同じ隆線上の周辺基準点の数は2である。中心基準点A1について、8個の周辺基準点a0から点a7を隣合う2つの放射線分上の周辺基準点を中心基準点周りに順に結んだ8個の周回線分の内、隆線上にある周回線分を第一点線で示し、谷を跨ぐ周回線分を、第一点線よりも細かい第二点線で示す。したがって、8個の周回線分の内、隆線上にある線分の数は4である。したがって、分類情報は、例えば、「0x24」と表される。「0x24」の内、「0x」は16進数であることを示し、「2」は中心基準点と同じ隆線上の周辺基準点の数(第一情報)を示し、「4」は隆線上にある周回線分の数(第二情報)を示す。属性情報が、分類情報を含む場合、図6(A)から(J)に、中心基準点に対する周辺基準点の配置と分類情報とを例示するように、中心基準点に対する周辺基準点の配置の特徴に応じて、互いに異なる属性情報(分類情報)が得られる。図7に示すように、情報生成部24は、基準点毎に位置情報31と、属性情報32とを関連付けて、汗孔関連情報30を生成する。
登録部26は、S4で生成された複数の基準点の各々の汗孔関連情報30を、照合に用いられる登録用の認証情報33としてDB28に記憶させる(S5)。照合部27は、S4で生成された汗孔関連情報を、照合に用いられる照合用の認証情報としてRAM3に記憶する。照合部27は、照合用の認証情報とDB28に記憶された登録用の認証情報と照合し、皮膚認証を行う。装置10は、以上で処理を終了する。
図3のS1の処理は本発明の画像取得ステップの一例である。S1を実行するCPU1(画像取得部21)は本発明の画像取得手段の一例である。S2の処理は本発明の基準点決定ステップの一例である。S2を実行するCPU1(基準点決定部22)は本発明の基準点決定手段の一例である。S3の処理は本発明の周辺基準点抽出ステップの一例である。S3を実行するCPU1(抽出部23)は本発明の抽出手段の一例である。S4の処理は本発明の情報生成ステップの一例である。S4を実行するCPU1(情報生成部24)は本発明の情報生成手段の一例である。S5の処理は本発明の記憶制御ステップの一例である。S5を実行するCPU1(登録部26、照合部27)は本発明の記憶制御手段の一例である。
[第二実施形態の認証情報処理]
1.登録時の処理
図4、図5、図8から図23を参照して、第二実施形態の装置10で実行される認証情報処理について、認証情報を登録する場合を例に説明する。認証情報処理は、ユーザが開始指示を入力した場合に開始される。開始指示には、画像から取得された認証情報を登録用の認証情報としてDB28に登録するのか、それとも、取得された認証情報をDB28に登録された登録用の認証情報と照合するのかに関する指示を含む。装置10のCPU1は、認証情報処理の開始指示の入力を検知すると、フラッシュメモリ4に記憶された認証情報処理を実行する為の認証情報処理プログラムをRAM3に読み出し、認証情報処理プログラムに含まれる指示に従って、以下に説明する各ステップの処理を実行する。本例では、基準点を抽出する要件(例えば、画像の鮮明さ)を満たす皮膚情報が取得されるまで、再入力を促すフィードバック処理が実行される。認証情報処理で取得される画像は、画像からアルゴリズムを用いて認証情報を抽出する要件を満たす。処理の過程で取得されたり、生成されたりした情報及びデータは、適宜RAM3に記憶される。処理に必要な各種設定値は、予めフラッシュメモリ4に記憶されている。以下、ステップを「S」と略記する。
図8に示すように、CPU1は画像解析処理を実行する(S11)。図9を参照して画像解析処理について説明する。生体情報取得装置8は、指の接触を検知した場合、指紋及び汗孔を撮影した画像を特定可能な信号をCPU1に出力する。CPU1は、生体情報取得装置8から出力される信号を受信する。CPU1は、受信した信号に基づいて、画像を取得する(S21)。S21では、例えば、図4に示す画像41が取得される。画像41には、X、Yで示す画像座標系の二次元座標46が設定される。CPU1は、S21で取得された画像41を二値化処理して、隆線を表す画像42を取得する(S22)。CPU1は、基準点を決定する(S23)。CPU1は、所定範囲の濃淡値の部分を抽出可能な画像処理フィルタに画像41を供して、画像43を取得し、画像42と、画像43とを画像44に示すように重ねて比較して、黒色部分で示される隆線上に配置された円状、フック状等の閉領域部分を汗孔として特定する。CPU1は特定された汗孔の面積重心を、汗孔を表す基準点として決定する。CPU1は、画像45を左から右、上から下の順に走査して決定された基準点にIDを付与し、位置情報を取得する。本例の位置情報は画像座標系の二次元座標46のピクセル単位の座標である。CPU1は、付与されたIDと、位置情報との対応を表すリスト47を作成し、RAM3に記憶する。CPU1は、閉領域部分の大きさ及び形状等を適宜考慮して、汗孔として特定するか否かを判断してもよい。本例では、画像45上の黒丸で示す、基準点P1からP12を含む複数の基準点が決定される。CPU1は、S23で決定された基準点の数が0より大きいか否かを判断する(S24)。S23で決定された基準点の数が0である場合(S24:NO)、CPU1は、画像解析処理を終了し、処理を図8の認証情報処理に戻す。S23で決定された基準点の数が0より大きい場合(S24:YES)、CPU1は、汗孔関連情報生成処理を実行する(S25)。汗孔関連情報生成処理では、複数の基準点の各々について、中心基準点の位置情報と、属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する処理が実行される。
図10に示すように、汗孔関連情報生成処理では、CPU1は、汗孔関連情報を記憶するリストを初期化する(S31)。CPU1は、図8のS23の処理で決定された複数の基準点の中から1つの基準点を中心基準点PAとして選択する(S32)。CPU1は、周辺基準点の取得条件を考慮し、周辺基準点を抽出できないと判断される範囲の基準点は、中心基準点PAとして選択しないようにしてもよい。S32の処理では、例えば、CPU1は、画像45の端部からの距離が後述の所定値Rの半分未満となる範囲の基準点は、中心基準点として選択しなくてもよい。例えば、図5に示す画像45の基準点A1が中心基準点として選択される。
CPU1は、リスト47を参照し、複数の基準点の内、周辺基準点PBの候補を抽出する範囲を選択する(S33)。具体的には、CPU1は、リスト47に記憶される基準点の内、二次元座標のY座標の値が、S32の処理で選択された中心基準点PAのY座標のプラスマイナスRの範囲になる範囲を周辺基準点PBの候補を抽出する範囲とする。本例では、CPU1は、例えばS23の処理で決定された複数の基準点の中から、中心基準点PAからの距離(例えば、ユークリッド距離)が所定値R以内となる基準点を、候補基準点PKとして取得する為に、まずリスト47のY座標を用いて候補を抽出する範囲を選択する。
CPU1は、S33の処理で選択された範囲の基準点の内、まだS34で選択されていない基準点(注目基準点)を1つ選択し、位置情報を取得する(S34)。位置情報は、画像座標系の二次元座標46で表される。CPU1は、S34で取得された位置情報と、S32で選択された中心基準点との位置情報に基づき、中心基準点と注目基準点との間の距離を算出する(S35)。距離の算出方法は適宜設定されてよい。本例のCPU1は、中心基準点と注目基準点とのユークリッド距離を算出する。例えば、図5の基準点a0からa7について各々、距離D0から距離D7が算出される。
CPU1は、S32で選択された中心基準点に対するS34で位置情報が取得された注目基準点の配置を表す角度を算出する(S36)。角度の算出方法は適宜設定されてよい。本例のCPU1は、中心基準点と、注目基準点とを結ぶ線分の基準に対する角度を算出する。図11に示すように基準Jは、画像座標系の二次元座標において、中心基準点からXプラス方向(右方)である。CPU1は、Xプラス方向を0度とし、中心基準点を起点とする基準から時計回りの角度をプラスの角度、基準から反時計回りの角度をマイナスの角度とする。CPU1は、中心基準点に対する注目基準点の位置に応じて、注目基準点の角度を−180度から180度までの角度で表す。例えば、基準点a4について、プラスの角度An4が算出され、基準点a3について、マイナスの角度An3が算出される。角度は0度から360度等他の方法で表されてもよい。
CPU1は、S33で選択された範囲の全ての基準点について、S34の処理で位置情報が取得されたかを判断する(S37)。S33で選択された範囲の基準点の内、一部の基準点についてS34の処理が実行されていない場合(S37:NO)、CPU1は、処理をS34に戻す。S33で選択された範囲の全ての基準点について、S34の処理で位置情報が取得された場合(S37:YES)、CPU1は、S35で算出された距離が所定値R以下となる注目基準点を候補基準点PKとする。CPU1は、例えば、図5に示す中心基準点A1を中心とする半径Rの円Cの内側に位置する、基準点a0からa13の14個の基準点の各々を候補基準点PKとする。
CPU1は、候補基準点PKの数が所定個8より小さいか否かを判断する(S38)。候補基準点PKの数が8より小さい場合(S38:YES)、CPU1は処理を後述のS50に進める。この場合は、S32で選択された中心基準点PAについての汗孔関連情報は生成されない。候補基準点PKの数が8よりは小さくはない場合(S38:NO)、CPU1は、S38で選択された候補基準点PKである基準点a0からa13の内、S35で算出された距離が最も小さい基準点である基準点a2を、周辺基準点として取得する。CPU1は、候補基準点PKの中から、S35の処理で算出された中心基準点PAとの距離がN番目に近い基準点を取得する(S39)。中心基準点PAとの距離が最も近い基準点は、周辺基準点として取得済みである為、Nの初期値は2である。Nが2である場合、CPU1は、基準点a0からa13の中から、2番目に距離が近い点a4を取得する。
CPU1は、候補基準点PKの内、既に周辺基準点として取得された基準点の各々について、S36で算出された角度に基づき、周辺基準点と中心基準点とを結んだ線分と、S39で取得された基準点と中心基準点とがなす線分とがなす角の角度の絶対値が15度以上あるかを判断する(S40)。CPU1は、例えば、既に決定されている周辺基準点が複数ある場合、複数の周辺基準点の全てについて中心基準点と周辺基準点とを結んだ放射線分と、新たにS39の処理で取得された基準点と中心基準点との放射線分との間の角度の絶対値が15度以上である場合を、角度の絶対値が15度以上ある場合と判断する。つまり、CPU1は、既に決定されている周辺基準点の内の1つでも、中心基準点と周辺基準点とを結んだ放射線分と、新たにS39の処理で取得された基準点と中心基準点との放射線分との間の角度の絶対値が15度未満となる場合は、S40において角度の絶対値が15度以上あると判断しない。CPU1は、Nが2であり、S39で2番目に距離が近い点a4が取得された場合、図11に示すように、基準点A1とa2とを結ぶ線分と、基準点A1とa4とを結ぶ線分とがなす角の角度Anの絶対値が15度以上あると判断する(S40:YES)。この場合CPU1は、S39の処理で取得された基準点をS32で選択された中心基準点の周辺基準点に追加し(S41)、既に周辺基準点として取得された基準点の数が8個あるかを判断する(S42)。
基準点の数が8個ではない場合(S42:NO)、又はS40の処理で角度の絶対値が15度以上ではない場合(S40:NO)、CPU1は、候補基準点PKに含まれる全ての基準点がS39の処理で取得されたかを判断する(S48)。候補基準点PKの全ての基準点がS39の処理で取得された場合(S48:YES)、CPU1は処理を後述のS50に進める。候補基準点PKとして選択された基準点のうち、S39の処理で取得されていない基準点がある場合(S48:NO)、CPU1は、Nを1だけインクリメントし(S49)、処理をS39の処理に戻す。繰り返し実行されるS41によって、中心基準点A1について、周辺基準点a0からa7が追加され(S41)、CPU1は、8個の周辺基準点a0からa7が取得されたと判断する(S42:YES)。
CPU1は、8個の周辺基準点の属性情報及び周辺情報の配列順序を設定する(S43)。配列順序は、8個の周辺基準点の各々の属性情報及び周辺情報の並び順を示す。周辺情報は、周辺基準点の位置情報そのものであってもよいし、周辺基準点の位置情報を用いて算出した計算値であってもよい。周辺情報は、1種類の情報であってもよいし、複数種類の情報であってもよい。本例の周辺情報は、S34の処理で取得された周辺基準点のID、S36の処理で算出された角度及びS35の処理で算出された距離を含む。リスト47において、基準点のIDは位置情報と対応付けられており、周辺情報はIDを含むことで、位置情報と関連付けられる。配列順序の設定方法は、適宜定められればよい。本例のCPU1は、S39からS42の処理で取得された複数の周辺基準点の内、中心基準点PAと同じ隆線上にあり、且つ、中心基準点PAとの間の距離が最も長い離間基準点の配列順序を1番とし、画像上の配置に基づき中心基準点を中心とする離間基準点から所定方向周り(例えば、図5の時計回りの方向DS)に2番以降の配列順序を設定する。図5及び図11の中心基準点A1について、周辺基準点a0からa7の順に、配列順序が決定される。CPU1は、S43で設定された配列順序に従って、周辺情報の配列順序と、属性情報の配列順序とを一致させる。
CPU1は、属性情報の一部として、放射情報を生成する(S44)。放射情報は、中心基準点と、周辺基準点とが同じ隆線上にあるかを周辺基準点の各々について示す情報である。放射情報の表記方法は適宜設定されてよい。図11において、中心基準点と、周辺基準点とが同じ隆線上にある場合(実線で示す放射線分)を1、中心基準点と、周辺基準点とが同じ隆線上にない場合(一点鎖線で示す放射線分)を0で示す場合、中心基準点A1の周辺基準点a0からa7の2進数で表される放射情報は各々、1、0、0、0、1、0、0、0になる。属性情報の内、周辺基準点と一対一で対応付けられる放射情報は、S43の処理で決定された配列順序に従って配列された8桁の2進数で表される。この場合中心基準点A1には、2進数の放射情報10001000が関連付けられる。放射情報の表記方法は、16進数で0x88と表記する等、適宜変更されてよい。
CPU1は、属性情報の一部として、周回情報を生成する(S45)。周回情報は、中心基準点と、所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の放射線分の内の、隣合う2つの放射線分の端点となる2つの周辺基準点を結んだ周回線分が同じ隆線上にあるかを周回線分の起点となる周辺基準点の各々について示す情報である。周回線分の端点の内、どちらを起点とするかは適宜設定されればよい。本例では、中心基準点を中心とした場合に、周回線分の延設方向の内の反時計回りの方向にある周辺基準点を起点とする。周回情報の表記方法は適宜設定されてよい。図11に周回線分が同じ隆線上にある場合(第一点線で示す周回線分)を1、同じ隆線上にない場合(第一点線よりも細かい第二点線で示す周回線分)を0で示す場合、中心基準点A1の周辺基準点a0からa7の2進数で表される周回情報は各々、0、1、1、0、0、1、1、0になる。属性情報の内、周辺基準点と一対一で対応付けられる周回情報は、放射情報と同様に、S43の処理で決定された配列順序に従って配列された8桁の2進数で表される。この場合中心基準点A1には、2進数の周回情報01100110が関連付けられる。周回情報の表記方法は、16進数で0x66と表記する等、適宜変更されてよい。
CPU1は、属性情報の一部として、分類情報を生成する(S46)。CPU1は、例えば、S44で生成された放射情報と、S45で生成された周回情報とに基づき分類情報を生成する。より具体的には、CPU1は、S44で生成された放射情報の内の1の数と、S45で生成された周回情報の内の1の数とに基づき、例えば、第一実施形態と同様に、中心基準点A1の分類情報を、「0x24」と生成する。
CPU1は、S32の処理で選択された中心基準点PAについての汗孔関連情報を生成し、RAM3に記憶する(S47)。中心基準点A1の場合、図12に示すように、汗孔関連情報50が生成され、RAM3に記憶される。基準点A1の汗孔関連情報50は、基準点A1のID51、属性情報52、及び周辺情報53を含む。周辺情報は、周辺基準点毎に、ID、角度及び距離を含む。図4のリスト47において、IDは位置情報と対応付けられている。属性情報及び周辺情報は、S43で設定された配列順序に従って、配列されている。属性情報の内、周辺基準点と一対一では対応付けられない分類情報は、配列順序に従った配列を有しない。
CPU1は、S23の処理で決定された全ての基準点がS32の処理で中心基準点として選択されたか否かを判断する(S50)。選択されていない基準点がある場合(S50:NO)、CPU1は、処理をS32に戻す。全ての基準点が中心基準点として選択された場合(S50:YES)、CPU1は、以上で汗孔関連情報生成処理を終了し、処理を図9の画像解析処理に戻す。CPU1は、S25の処理の次に、S47の処理で生成された汗孔関連情報を、認証情報として、RAM3に記憶する(S28)。CPU1は、以上で画像解析処理を終了し、処理を図8の認証情報処理に戻す。画像解析処理によって、図13に示す基準点A1からA10を含む複数の基準点に関して汗孔関連情報が生成される。CPU1は、図14に示すように、複数の基準点の各々に関する汗孔関連情報50を含む認証情報70を生成し、記憶する。
S11の処理の次に、CPU1は、S11で汗孔関連情報を含む認証情報が取得されたかを判断する(S12)。認証情報が取得されていない場合(S12:NO)、CPU1はエラー通知を行う(S16)。CPU1は、例えば、表示部6にエラーメッセージを表示する。認証情報が取得された場合(S12:YES)、S11で取得された認証情報を登録用の認証情報としてDB28(図2参照)に登録するかを判断する(S13)。登録するかを示す情報は、例えば、開始指示に含まれる。具体例では登録すると判断され(S13:YES)、CPU1は、S11で取得された認証情報をフラッシュメモリ4のDB28に記憶する(S14)。DB28に登録しない場合(S13:NO)、CPU1は、S11で取得された認証情報を照合の対象となる照合用の認証情報とする照合処理を実行する(S15)。S14、S15、及びS16の何れかの次に、CPU1は認証情報処理を終了する。
2.照合時の処理
登録用の認証情報として図13の画像45から抽出された中心基準点A1からA10を含む複数の中心基準点についての汗孔関連情報を含む認証情報が用いられ、照合対象となる照合用の画像として図15の画像65から中心基準点B1からB9を含む複数の基準点についての汗孔関連情報を含む認証情報が生成された場合について説明する。照合時の認証情報処理では、登録時の認証情報処理と同様に、S11が実行される。S11の処理によって、画像65から中心基準点B1からB9を含む複数の基準点についての汗孔関連情報を含む認証情報が生成される。
図8の認証情報処理のS12では、認証情報が取得されたと判断され(S12:YES)、開始指示に基づき登録しないと判断される(S13:NO)。CPU1は照合処理を実行する(S15)。照合処理では、CPU1は、属性情報が一致すると判断された照合用の基準点と、登録用の基準点とを比較して、類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応が決定され、認証情報の類似度が算出される。
図16に示すように、照合処理では、CPU1は、ペア候補抽出処理を実行する(S200)。ペア候補抽出処理では、CPU1は、S11の処理で生成された照合用の認証情報と、DB28に記憶されている登録用の認証情報との内、基準点に関連付けられた属性情報が一致する照合用の基準点(汗孔関連情報)と登録用の基準点(汗孔関連情報)とのペアを、照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を比較する対象の候補となるペア候補として抽出する。CPU1は、汗孔関連情報に基づき、ペア候補のスコアを算出する。
図17に示すように、ペア候補抽出処理では、CPU1は、ペア候補を抽出するための、RAM3に記憶されたリストを初期化する(S211)。CPU1は、S11の処理で生成された照合用の認証情報に含まれる汗孔関連情報が生成された基準点の内、まだS212で選択されていない基準点(中心基準点)を1つ選択する(S212)。CPU1は、例えば、照合用の認証情報に含まれる汗孔関連情報が生成された基準点の中から、基準点B1を選択する。CPU1は、DB28に登録された登録用の認証情報に含まれる汗孔関連情報が生成された基準点の内、まだS213の処理で選択されていない基準点(中心基準点)を1つ選択する(S213)。CPU1は、例えば、登録用の認証情報に含まれる汗孔関連情報が生成された基準点の中から、基準点A1を選択する。CPU1は、S212の処理で選択された照合用の基準点と、S213の処理で選択された登録用の基準点とで、関連付けられた属性情報のうちの分類情報が一致するかを判断する(S214)。図18に示すように、基準点B1の分類情報は0x14であり、基準点A1の分類情報である0x24と互いに異なる(S214:NO)。この場合、CPU1は、S212で選択された基準点B1と、S213で選択された基準点A1との組合せを、ペア候補として抽出せず、登録用の全ての基準点がS213の処理で選択されたかを判断する(S224)。選択されていない登録用の基準点がある場合(S224:NO)、CPU1は処理をS213に戻す。
登録用の基準点A2が選択された場合(S213)、図18に示すように、基準点B1の分類情報は0x14であり、基準点A2の分類情報である0x14と一致している(S214:YES)。この場合、CPU1は、変数Nを0に設定する(S215)。変数Nは、画像の収縮及び回転を考慮して、周辺基準点に一対一で対応する属性情報(本例では、放射情報及び周回情報)を順に比較する為の変数である。CPU1は、S212の処理で選択された照合用の基準点と、S213の処理で選択された登録用の基準点とで、関連付けられた属性情報のうちの放射情報が一致するかを判断する(S216)。CPU1は、照合用の基準点の放射情報と、変数Nに対応する登録用の基準点の放射情報とを比較する。図19に示すように、基準点A2について変数Nが0である場合、周辺基準点b0からb7に対応する放射情報は各々周辺基準点a0からa7に対応する放射情報と比較される。変数Nが1である場合、周辺基準点b0からb7に対応する放射情報は各々周辺基準点a1からa7、及びa0に対応する放射情報と比較される。つまりCPU1は、変数Nに応じて、登録用の基準点の属性情報の参照開始位置を変更する。照合用の基準点bm(mは0から7の整数)は、登録用の基準点a(MOD(N+m,8))と比較される。MOD(N+m,8)は、Nとmとの和を8で除した場合の余りである。このようにすることで、CPU1は例えば変数Nが1である場合、配列順序を、周辺基準点a0の配列順序が次のa1から時計回りの配列順序にずらした場合を想定して放射情報(属性情報)を比較できる。つまり、CPU1は、画像の収縮及び回転を考慮して、周辺基準点に一対一で対応する属性情報(本例では、放射情報及び周回情報)を順に比較できる。
放射情報が一致しない場合(S216:NO)、CPU1は、後述のS222に処理を進める。基準点B1の放射情報は10000000であり、変数Nが0である場合の基準点A2の放射情報である10000000と一致している(S216:YES)。この場合、CPU1は、S212の処理で選択された照合用の基準点と、S213の処理で選択された登録用の基準点とで、関連付けられた属性情報のうちの周回情報が一致するかを判断する(S217)。S217の処理もS216の処理と同様に、照合用の基準点の周回情報と、変数Nに対応する登録用の基準点の周回情報とを比較する。
周回情報が一致しない場合(S217:NO)、CPU1は、後述のS222に処理を進める。基準点B1の周回情報は01100110であり、変数Nが0である場合の基準点A2の周回情報である01100110と一致している(S217:YES)。この場合、CPU1は、S212の処理で選択された照合用の基準点と、S213の処理で選択された変数Nに対応する登録用の基準点との類似度を表すスコアを、汗孔関連情報の内の周辺情報から算出する(S218)。本例の汗孔関連情報の周辺情報は、位置情報と関連付けられたID、角度及び距離を含む。本例のCPU1は、例えば、登録用の基準点と、照合用の基準点とで、現在比較している周辺基準点の8組の角度の比較量及び距離の比較量を用いて、スコアを算出する。変数Nが0である場合、スコアは図20に示すように、登録用の基準点A2と、照合用の基準点B1とで、中心基準点を一致させ、且つ、回転角を考慮し、Nに基づく基準となる1組の放射線分を重ねた状態で8組の周辺基準点の配置を比較した場合の、8組の周辺基準点の角度と距離とのズレ量を表す。Nに基づく基準となる1組の放射線分は、端点が照合用の基準点b0と、登録用の基準点a(MOD(N,8))となる放射線分の組合せである。8組の周辺基準点とは、図19の両矢印で示される組合せの基準点であり、mが0から7の各々における、照合用の基準点bmと、登録用の基準点a(MOD(N+m,8))との組合せである。回転角は、照合用の画像が、登録用の画像に対して何度回転していると想定されるかを示す、汗孔関連情報に基づき算出される角度である。本例の回転角は、画像座標系において時計回りの角度をプラスの角度とする。比較量は、照合用の基準点と、登録用の基準点とで、汗孔関連情報の内の周辺情報を比較して、算出される値である。
照合用の基準点bmの角度を角度Bnm、登録用の基準点a(MOD(N+m,8))の角度を角度An(MOD(N+m,8))としたとき、8組の角度の比較量は、例えば、mが0から7までの整数の各々の、式(1)で算出される回転角の差の2乗和で表されてもよい。
回転角の差=Bnm−An(MOD(N+m,8))+AnN−Bn0 ・・・ 式(1)
照合用の基準点bmの距離を距離Dbm、登録用の基準点a(MOD(N+m,8))の距離を距離Da(MOD(N+m,8))としたとき、8組の距離の比較量は、例えば、mが0から7までの整数の各々の、式(2)で算出される距離の差の比率の和で表されてもよい。
距離の差の比率=|Dbm−Da(MOD(N+m,8))|/min(Dbm,Da(MOD(N+m,8))) ・・・ 式(2)
ただし、min(Dbm,Da(MOD(N+m,8)))は、DbmとDa(MOD(N+m,8))とのうちの小さい方の値である。角度の比較量及び距離の比較量が0である場合のスコア(スコア最大値)を100とした場合、式(3)に基づき、例えば照合用の基準点B1と、登録用の基準点A2とのスコアが、85と算出され、リストに記憶される。
スコア=(比較量最大値−(距離の比較量×定数+角度の比較量))/比較量最大値×スコア最大値 ・・・式(3)
式(3)において定数は、角度の比較量に対する、距離の比較量の大きさを調整する為に適宜設定される値であり、例えば、100である。比較量最大値は、距離の比較量に定数を乗じた値と、角度の比較量との和の許容される最大値である。距離の比較量に定数を乗じた値と、角度の比較量との和が比較量最大値よりも大きくなる場合は、式(3)の内、距離の比較量に定数を乗じた値と、角度の比較量との和に比較量最大値が設定される。スコア最大値は、スコアが取り得る値の最大値であり、例えば、100である。照合用の基準点B1と、登録用の基準点A2との回転角は、41度と算出され、リストに記憶される。
CPU1は、Nが0よりも大きいかを判断する(S219)。CPU1は、Nが0よりも大きい場合(S219:YES)、S218の処理で算出されたスコアが、リストに記憶されているスコアよりも大きいかを判断する(S220)。Nが0よりも大きくはない場合(S219:NO)、又はスコアが記憶されているスコアよりも大きい場合(S220:YES)、CPU1は、S218で算出されたスコアと回転角とをRAM3のリストに記憶する(S221)。この処理によって、照合用の基準点と、登録用の基準点とで、属性情報が一致し、且つ、スコアが最も大きい値がリストに記憶される。
S218の処理で算出されたスコアが記憶されたスコアよりも大きくはない場合(S220:NO)、又はS221の次に、CPU1は、変数Nを1だけインクリメントする(S222)。CPU1は、Nが8よりも小さいかを判断する(S223)。S223の閾値である8は、周辺基準点の数と同じであり、画像の回転の影響を考慮した全ての組合せで属性情報を比較する為に設定される。Nが8よりも小さい場合(S223:YES)、CPU1は処理をS216に戻す。Nが8よりも小さくはない場合(S223:NO)、CPU1は、DB28に記憶されている認証情報に含まれる全ての基準点がS213の処理で選択されたかを判断する(S224)。選択されていない登録用の基準点がある場合(S224:NO)、CPU1は、処理をS213に戻す。全ての登録用の基準点がS213の処理で選択された場合(S224:YES)、CPU1は、照合用の認証情報に含まれる全ての基準点がS212の処理で選択されたかを判断する(S225)。
選択されていない照合用の基準点がある場合(S225:NO)、CPU1は、処理をS212に戻す。全ての登録用の基準点がS212の処理で選択された場合(S225:YES)、CPU1は、以上でペア候補抽出処理を終了し、処理を図16の照合処理に戻す。ペア候補抽出処理によって、図21に示すように、ペア候補として抽出された登録用の基準点(汗孔関連情報)と、照合用の基準点(汗孔関連情報)との各々について、スコアと回転角とが取得される。図21において、登録用の基準点と、照合用の基準点との各組合せの上段の値がスコアであり、下段の値が回転角を示す。スコアと回転角とが空欄の組合せは、ペア候補として抽出されなかった組合せであり、属性情報が一致しなかった組合せである。この段階では、1つの照合用の基準点(汗孔関連情報)に対し、複数の登録用の基準点(汗孔関連情報)がペア候補として抽出されているものを含む。例えば、照合用の基準点B3に対し、登録用の基準点A1、A3、A4、A7、A8及びA10がペア候補として抽出されている。具体例では、10個の登録用の基準点(汗孔関連情報)と、9組の照合用の基準点(汗孔関連情報)との、90組の組合せの内、36組がペア候補として抽出される。
CPU1は、S200の次に、S200の処理で抽出されたペア候補について、汗孔関連情報の内の周辺情報を比較して照合用の皮膚情報と登録用の皮膚情報との対応を決定する。具体的には、CPU1はペア候補として抽出された、照合用の関連情報と、登録用の関連情報との組合せ(ペア、対応)と、当該照合用の関連情報と、当該登録用の関連情報とから算出された照合用の画像と、登録用の画像との間の回転量及び移動量の少なくとも何れかを含む画像情報とを複数取得する(S201)。本例の画像情報は、S221の処理で記憶され、照合用の画像と、登録用の画像との間の回転量を示す回転角である。CPU1は、図21に示すペア候補の組合せと回転角とを取得する。CPU1は、取得された複数組の照合用の関連情報と、登録用の関連情報との組合せの画像情報を比較して、ペア候補を絞り込む(S202)。CPU1は、取得された複数組のペア候補の画像情報の代表値に基づき設定される所定範囲に画像情報が収まるペア候補を絞り込む。代表値は、複数の画像情報の特徴を表す値であればよく、例えば、画像情報の平均値、最頻値、中央値等であってもよい。
本例のCPU1は、ペア候補の回転角を所定範囲の角度に分類し、最も多く出現する回転角の範囲の代表値からプラスマイナス所定角度に入る回転角を有するペア候補を抽出して、ペア候補を絞り込む。所定範囲は、1度(360分解能)以上20度(18分解能)以下の範囲であることが好ましい。所定角度は、所定範囲を考慮して適宜定められ、分解能を少なくとも3つ含み、かつ、代表値のプラスマイナス15度以上60度以下となる角度であることが好ましい。具体例ではCPU1は、例えば図22に示すように、ペア候補の回転角を、10度毎(例えば、代表値が5度で表される0度以上10度未満の範囲、代表値が15度で表される10度以上20度未満の範囲等)の範囲の角度に分類する。この場合、図22に示すように、代表値が45度で示される範囲が最も度数が大きい。CPU1は、最も度数が多い範囲の代表値を、画像情報の代表値とし、当該代表値である45度のプラスマイナス15度となる、回転角が30度から60度の範囲に入るペア候補を抽出する。例えば、A1とB3との組合せでは、回転角が44度であり、30度から60度の範囲の値であるので、S202の処理で抽出される。A1とB4との組合せでは、回転角が290度であり、30度から60度の範囲の値ではないので、S202の処理で抽出されない。図21の点の網掛けで示すA1とB4との組合せを含む組合せは、S202の処理で抽出されなかった組合せである。CPU1は、S202の処理で、ペア候補の回転角を所定範囲の角度に分類する場合、分布がばらつく場合があることを考慮し、度数の移動平均をとって、最も度数が大きい範囲を特定してもよい。
CPU1は、S202の処理で絞り込まれたペア候補の内、照合用の基準点と登録用の基準点とが1対1で対応していない場合に、スコアが最も大きいペア候補を抽出し、照合用の基準点と登録用の基準点とが1対1で対応するように絞り込む(S203)。本例のCPU1は、図21に示すペア候補の内、斜線の網掛けを示すペア候補に絞り込む。
CPU1は、S202及びS203で絞り込まれたペア候補の中から、任意に選択された複数組のペア候補の中心基準点の各々を結んだ線分の長さ及び角度の少なくとも何れかを比較して、ペア候補を更に絞り込む(S204)。複数組のペア候補を選択する条件は適宜変更されてよい。本例のCPU1は、S203の処理で絞り込まれたペア候補の内の任意のペア候補を2組選択し、選択された2組のペア候補の基準点を結ぶ線分の位置関係で、ペア候補を更に絞り込む。具体的には、選択された2組のペア候補の基準点を結ぶ線分の角度と、線分の長さとの各々が所定条件を満たす場合を抽出し、ペア候補を更に絞り込む。例えば、図23に示すように、2組のペア候補として、基準点A5、B2のペア候補と、基準点A1、B3とが選択された場合、基準点A5とA1を結ぶ線分と、基準点B2とB3とを結ぶ線分とについて、2つの線分に関する角度と、線分の長さとが所定条件を満たすかを判断する。角度に関する条件は、基準点A5とA1を結ぶ線分の角度と、基準点B2とB3とを結ぶ線分の角度との差が所定範囲に入る条件である。所定範囲は、例えば、角度の代表値のプラスマイナス5度の範囲である。代表値は、例えば、S203の処理で絞り込まれたペア候補の回転角の平均値である。本例ではS204における所定範囲は、S202における範囲よりも狭い。長さに関する条件は、基準点A5とA1を結ぶ線分の長さd1と、基準点B2とB3とを結ぶ線分の長さd2とが式(4)を満たす条件である。CPU1は、S204において、角度に関する条件と、線分に関する条件とに基づき、ペア候補を絞りこむ。本例のCPU1は、2組のペア候補を選択し、ペア候補の中心基準点の各々を結んだ線分の長さ及び角度を比較して、ペア候補を絞り込む処理を所定条件を満たすまで繰り返す。所定条件は、例えば、S202及びS203の処理によって絞り込まれた全ての組合せのペア候補が選択され、角度に関する条件と、線分に関する条件とを満たすかが判断される条件である。
|d1−d2|×2/(d1+d2)<0.1 ・・・式(4)
CPU1は、S202からS204の処理で絞り込まれたペア候補を、ペアとして決定する(S205)。CPU1は、S202からS204に加え、他の条件でペア候補を絞り込むことによってペアを決定してもよい。CPU1は、S202からS204の処理で絞り込まれ、S205の処理でペアとして決定された照合用の認証情報(基準点)と、登録用の認証情報(基準点)との対応を用いて照合用の認証情報と、登録用の認証情報との類似度を算出する(S206)。本例のCPU1は、S205で決定されたペアのスコアの和を用いて、スコアSCを算出する。CPU1は、例えば、S205で決定されたペアのスコアの和をスコアSCとする。CPU1は、所定の式に類似度の和を代入してスコアSCを算出してもよい。スコアSCは、例えば、値が大きいほど、値が小さい場合に比べ、照合用の認証情報と、登録用の認証情報とが類似していることを示す。
CPU1は、S206で算出された類似度(スコアSC)が閾値よりも大きいか否かを判断する(S207)。類似度が閾値よりも大きい場合(S207:YES)、CPU1は、皮膚認証の認証結果に成功を設定する(S208)。類似度が閾値よりも大きくはない場合(S207:NO)、CPU1は、皮膚認証の認証結果に失敗を設定する(S209)。CPU1は、S208及びS209の処理では必要に応じて認証結果を表示部6に表示する等報知してもよい。CPU1は、照合処理を以上で終了し、処理を図8の認証情報処理に戻す。図8のS15の次に、CPU1は以上で認証情報処理を終了する。
〈評価試験1〉
汗孔関連情報を照合に用いることで、認証性能が向上するかを確認する評価試験を行った。後述の条件1から3の各々について、31指を光学式タッチセンサによって2000dpiの横480ピクセル縦800ピクセルの画像を1指あたり5〜10枚取得し、1枚を登録画像、他を照合画像としてROC(Receiver Operating Characteristic)を算出し、認証精度の比較を行った。条件1は、公知のマニューシャ法を用いて皮膚認証を行う条件である。条件2は、汗孔関連情報を用いて皮膚認証を行う条件である。条件3は、マニューシャ法と汗孔関連情報とを併用して皮膚認証を行う条件である。条件1から3の試験結果を各々、図24の結果35から37で示す。図24に示すように、条件1から3を比較すると、条件1(結果35)に比べ条件2(結果36)は、認証性能が優れていた。このことから、汗孔関連情報は、既存の認証方法の認証性能を向上させることができることが確認された。条件1(結果35)に比べ条件3(結果37)は、認証性能が優れていた。このことから、汗孔関連情報は既存の認証方法と組み合わせることにより、既存の認証方法の認証性能を向上させることができることが確認された。
〈評価試験2〉
属性情報を用いてペア候補を抽出することで、認証速度が向上するかを確認する評価試験を行った。属性情報を用いてペア候補を抽出する条件(図17のS214、S216、S217を実行する条件)と、属性情報を用いてペア候補を抽出しない条件(図17のS214、S216、S217を実行しない条件)とで、他の条件は同じ条件とし、同じ指紋画像データベースを用いて認証情報処理を実行させた。その結果、属性情報が無しの条件では認証までに33分41秒を要し、属性情報が有りの条件では認証までに2分12秒を要した。属性情報が無しの条件と、属性情報が有りの条件とで、認証性能を示すEER(Equal Error Rate)は同じであった。以上から、装置10は、属性情報を用いてペア候補を抽出することで、認証性能を落とさずに、処理速度が約15倍高速化されたことが確認された。
〈評価試験3〉
画像情報を用いてペア候補を絞り込むことで、認証性能が向上するかを確認する評価試験を行った。評価試験1と同様に、後述の条件11から15の各々について、31指を光学式タッチセンサによって2000dpiの横480ピクセル縦800ピクセルの画像を1指あたり5〜10枚取得し、1枚を登録画像、他を照合画像としてROCを算出し、認証精度の比較を行った。条件11は、図16のS200の処理で抽出されたペア候補を絞り込まない条件(S202からS204の処理を実行しない条件)である。条件12は、S200の処理で抽出されたペア候補を画像情報(回転角)を用いて絞り込む条件(S202の処理を実施し、S203及びS204の処理を実施しない条件)である。条件13は、S200の処理で抽出されたペア候補を画像情報(回転角)及びスコアを用いて絞り込む条件(S202、S203の処理を実施し、S204の処理を実施しない条件)である。条件14は、S200の処理で抽出されたペア候補を複数組のペア候補の位置関係を用いて絞り込む条件(S202及びS203の処理を実施せず、S204の処理を実施する条件)である。条件15は、S200の処理で抽出されたペア候補をS202からS204の処理で絞り込む条件である。条件11から15の結果を各々、図25の結果55から59に示す。図25に示すように、条件11から15を比較すると、条件11(結果55)に比べ条件12(結果56)は、認証性能が優れていた。条件12(結果56)に比べ条件13(結果57)は、認証性能が更に優れていた。このことから、S202を実施し、画像情報でペア候補を絞り込むことにより、画像情報でペア候補を絞り込まない場合に比べ認証性能を向上させることができ、S202に加えS203の処理を実行することで更に認証性能が向上することが確認された。条件14(結果58)も、条件11(結果55)に比べ認証性能が優れていた。このことから、S204の処理でペア候補を絞り込むことにより、S204でペア候補を絞り込まない場合に比べ認証性能を向上させることができることが確認された。更に、条件12から条件14に比べ、条件15の方が、認証性能が優れていた。このことにより、S202、S203の処理に加え、S204の処理を実行することで、両者が単独で実行される場合に比べ、認証性能を向上させることができることが確認された。
条件11の処理時間を基準(0秒)とした場合の、条件13から15の処理時間は各々、5.4ミリ秒、18.5ミリ秒、及び10.9ミリ秒であった。条件12の処理時間は条件14の100分の1程度であった。条件14による処理時間は条件13の3倍強を要した。条件15の処理時間は、条件13の処理時間の約2倍であったが、条件14に比べ少なかった。このことから、S202からS204の順に段階的にペア候補を絞り込むことで、認証処理の高速化と、認証性能の向上との両方を実現している事が確認された。
第二実施形態の装置10において、CPU1は、本発明のプロセッサの一例である。ROM2、RAM3及びフラッシュメモリ4は、本発明の記憶機器の一例である。図9のS21の処理は、画像取得ステップの一例であり、S21の処理を実行するCPU1は、画像取得手段の一例である。S23の処理は、本発明の基準点決定ステップの一例であり、S23の処理を実行するCPU1は、本発明の基準点決定手段である。S39からS42の処理は、本発明の周辺基準点抽出ステップの一例であり、S39からS42の処理を実行するCPU1は本発明の抽出手段の一例である。S47の処理は、本発明の情報生成ステップの一例であり、S47の処理を実行するCPU1は、本発明の情報生成手段の一例である。S28の処理は、本発明の記憶制御ステップの一例であり、S28の処理を実行するCPU1は本発明の記憶制御手段の一例である。S214からS217の処理は、本発明のペア候補抽出ステップの一例である。S202からS205の処理は、本発明の対応決定ステップの一例である。S206の処理は、本発明の類似度算出ステップの一例である。
装置10は、汗孔関連情報を含む認証情報を生成し、RAM3又はDB28に記憶させることができる(S28、S14)。皮膚の隆線上の汗孔の配置は、指紋及び声紋と同様に固有であり、生涯にわたって変わらないとされている。皮膚を表す画像の大きさが従来に比べ小さく、隆線の分岐点や端点が画像中に含まれないような場合であっても、汗孔は複数取得できる可能性がある。基準点は隆線上の汗孔を表し、属性情報は所定個の周辺基準点の各々の画像上の配置の特徴を表す。つまり、属性情報は、注目する汗孔の周囲の所定個の汗孔の配置の特徴を表す情報であり、画像が表す生体情報の特徴部分を強調した情報と言える。属性情報は例えば、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理に好適に利用可能である。したがって装置10は、認証情報処理を実行することで、皮膚認証に用いる情報であって、従来に比べ認証速度の向上に寄与する汗孔関連情報を生成できる。
装置10は、S23において、画像中の汗孔の重心を基準点として決定し、当該基準点の位置情報を取得する。故に装置10は、汗孔の形状と大きさとの特徴を表す、汗孔の重心を基準点として決定し、汗孔関連情報を生成できる。
装置10は、S39からS42において、既に選択された周辺基準点と中心基準点とを結んだ線分と、周辺基準点の候補となる基準点と中心基準点とを結んだ線分とがなす角の角度が所定角度以上となる基準点を中心基準点からの距離が近い順に所定個選択する条件で、周辺基準点を抽出する。故に装置10は、中心基準点と同一の隆線上の汗孔を表す基準点ばかりが周辺基準点として抽出されることを抑制し、中心基準点の周囲の特徴を好適に表す属性情報を含む汗孔関連情報を生成できる。
属性情報は、分類情報を含む、分類情報は、所定個の周辺基準点の内の中心基準点と同じ隆線上の周辺基準点の数を表す第一情報を含む。分類情報は更に、中心基準点と、所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの放射線分上の周辺基準点を中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、隆線上にある周回線分の数を表す第二情報とを含む分類情報を含む。図6(A)から(J)に示すように、分類情報は、周辺基準点の配置の違いを、第一情報と第二情報との2つの観点から好適に表す。装置10は、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、分類情報を生成できる。本例では、分類情報が一致した場合のみ(S214:YES)、他の属性情報(放射情報及び周回情報)が一致するか否かを、画像の収縮及び回転を考慮して判断する(S216からS223)。これによりCPU1は、他の属性情報が一致する見込みのない組合せについて属性情報を画像の収縮及び回転を考慮して判断する処理が実行されることを回避し、処理時間を短縮させることができる。
属性情報は、中心基準点と、周辺基準点とが同じ隆線上にあるかを周辺基準点の各々について示す情報である放射情報を含む(S44)。装置10は、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、放射情報を生成できる。本例のCPU1は、周辺基準点の画像の収縮及び回転を考慮した全ての組合せについて放射情報が一致するかを判断するので、画像の収縮及び回転を考慮して、放射情報が一致するかを判断できる。
属性情報は、周回情報を含む(S45)。周回情報は、中心基準点と、所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの放射線分上の周辺基準点を中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、周回線分が同じ隆線上にあるかを当該周回線分の起点となる周辺基準点の各々について示す情報である。周回情報は、放射情報とは異なる観点の情報であり、中心基準点の配置及び他の周辺基準点との配置を考慮した情報であると言える。装置10は、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に用いられる照合用の基準点と、登録用の基準点とを抽出する処理の高速化に寄与可能な、周回情報を生成できる。
装置10は、複数の基準点の各々について、中心基準点の位置情報(詳細には位置情報と対応付けられたID)と、属性情報とに加え、所定個の周辺基準点の位置情報に基づく情報である周辺情報を含む汗孔関連情報を生成する(S47)。装置10は、皮膚認証の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な周辺情報を含む汗孔関連情報を生成できる。
装置10は、所定個の周辺基準点の各々について、中心基準点との距離を算出する(S35)。装置10は、周辺情報として、距離を含む汗孔関連情報を生成する(S47)。装置10は、皮膚認証の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な距離を含む汗孔関連情報を生成できる。装置10は、皮膚認証を実行する毎に距離を算出する場合に比べ、皮膚認証に必要な時間を短縮できる。
装置10は、所定個の周辺基準点の各々について、中心基準点と周辺基準点とを結ぶ線分の所定方向に対する角度を算出する(S36)。装置10は、周辺情報として、角度を含む汗孔関連情報を生成する(S47)。装置10は、認証情報の類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定する処理に利用可能な角度を含む汗孔関連情報を生成できる。装置10は、皮膚認証を実行する毎に角度を算出する場合に比べ、皮膚認証に必要な時間を短縮できる。
装置10において、周辺情報の配列順序と、属性情報の配列順序を一致させ、所定個の周辺基準点の内、中心基準点と同じ隆線上にあり、且つ、中心基準点との間の距離が最も長い離間基準点の配列順序を1番とし、画像上の配置に基づき中心基準点を中心とする離間基準点から所定方向周りに2番以降の配列順序を設定する(S43)。一般に、同じ隆線上の汗孔間の距離は、互いに異なる隆線上の汗孔間の距離に比べて、画像の歪みの影響を受けにくい。このため装置10は、画像の歪みの影響が最も小さいと思われる中心基準点と周辺基準点との組合せに基づき、配列順序を設定した汗孔関連情報を生成できる。
装置10は、S47の処理で生成された照合用の認証情報と、DB28に記憶されている登録用の認証情報との内、基準点に関連付けられた属性情報が一致する照合用の基準点と登録用の基準点とのペアを、照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を比較する対象となるペア候補として抽出する(S214からS217)。装置10は、ペア候補を用いて、照合用の認証情報と登録用の認証情報との対応を決定する(S202からS205)。装置10は、類似度の算出に用いられる照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を、認証情報に含まれる全ての基準点を比較して決定する場合に比べ、短時間で決定できる。本例の装置10は、複数の属性情報の各々を順に比較することで、段階的にペア候補を抽出している。このため、1つの属性情報を用いる場合に比べ、多くの観点からペア候補を効率的に絞り込むことができる。
ペア候補抽出処理では、取得された照合用の基準点と関連付けられた放射情報と、登録用の基準点と関連付けられた放射情報とが一致するかを、照合用の中心基準点に対する周辺基準点の配置と、登録用の中心基準点に対する周辺基準点の配置との画像の収縮及び回転を考慮した全ての組合せを考慮して判断する(S216)。装置10は、放射情報に基づき、取得時の皮膚情報の回転及び収縮の影響を考慮して、照合用の基準点と、登録用の基準点とで関連付けられた属性情報が一致するかを判断できる。ペア候補抽出処理では、取得された照合用の基準点と関連付けられた周回情報と、登録用の基準点と関連付けられた周回情報とが一致するかを、照合用の中心基準点に対する周辺基準点の配置と、登録用の中心基準点に対する周辺基準点の配置との画像の収縮及び回転を考慮した全ての組合せを考慮して判断する(S217)。装置10は、周回情報に基づき、取得時の皮膚情報の回転及び収縮の影響を考慮して、照合用の基準点と、登録用の基準点とで関連付けられた属性情報が一致するかを判断できる。
装置10は、更に、抽出されたペア候補について、汗孔関連情報の内の周辺情報を比較して照合用の認証情報と登録用の認証情報との対応を決定する(S202からS205)。装置10は、ペア候補の周辺情報を比較して、照合用の認証情報と、登録用の認証情報との対応を決定できる。本例の装置10は、周辺情報に基づき算出されたスコアと回転角とに基づき、対応を決定する。このため、装置10は、比較的簡単な処理によって、効率的且つ効果的に対応を決定できる。
装置10は、S202からS205の処理で決定された照合用の認証情報と、DB28に記憶された登録用の認証情報との対応を用いて照合用の認証情報と、登録用の認証情報との類似度を算出する(S206)。装置10は、認証情報の生成から、類似度算出までの処理を比較的短時間で実行できる。
本発明の認証情報処理プログラム及び認証情報処理装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)から(C)までの変形が適宜加えられてもよい。
(A)装置10の構成は適宜変更してよい。例えば、装置10は、スマートフォンである場合に限定されず、例えば、ノートPC、タブレットPC、及び携帯電話のようなモバイル機器であってもよいし、現金自動預け払い機(ATM)及び入退室管理装置のような機器であってもよい。生体情報取得装置8は、装置10とは別体に設けられてもよい。その場合、生体情報取得装置8と、装置10とは、接続ケーブルで接続されていてもよいし、Bluetooth(登録商標)及びNFC(Near Field Communication)のように無線で接続されていてもよい。生体情報取得装置8の検出方式は例えば、電界式、圧力式、光学式であってもよい。生体情報取得装置8は面型に限定されず、線型であってもよい。生体情報取得装置8が生成する画像の大きさ、色情報及び解像度は汗孔を抽出可能であればよく、適宜変更されてよい。したがって、例えば、色情報は白黒画像に対応する情報の他、カラー画像に対応する情報でもよい。
(B)認証情報処理プログラムは、装置10がプログラムを実行するまでに、装置10の記憶機器に記憶されればよい。したがって、認証情報処理プログラムの取得方法、取得経路及び認証情報処理プログラムを記憶する機器の各々は適宜変更されてよい。装置10のプロセッサが実行する情報処理プログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。記憶機器はROM2及びフラッシュメモリ4の他、HDD及びSSD等の非一時的な記憶媒体であればよく、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。
(C)認証情報処理の各ステップは、CPU1によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。上記処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。上記実施形態の認証情報処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。装置10のCPU1からの指令に基づき、装置10上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も本開示の範囲に含まれる。例えば、認証情報処理に以下の(C−1)から(C−4)の変更が適宜加えられてもよい。
(C−1)S11で取得された画像に対して、適宜前処理が実行されてもよい。例えば、画像の高周波成分をノイズとして除去する為のフィルタリング処理が実行されてもよい。フィルタリング処理が実行されることによって、画像のエッジ部分の濃淡変化は緩やかになる。フィルタリング処理に用いられるフィルタとして、周知のローパスフィルタ、ガウシアンフィルタ、移動平均フィルタ、メディアンフィルタ、及び平均化フィルタの何れかが用いられてもよい。他の例では、特定の周波数帯成分のみを抽出する為のフィルタリング処理がS11で取得された画像に対して実行されてもよい。特定の周波数帯域として、指紋の凹凸の周期を含む帯域が選択されてもよい。この場合の、フィルタリング処理に用いられるフィルタとしては、周知のバンドパスフィルタが挙げられる。基準点は、汗孔を表す点であればよく、汗孔の面積重心でなくてもよい。
(C−2)画像から決定された全ての基準点について、汗孔関連情報が生成されなくてもよい。周辺基準点の抽出条件(所定角度、所定個、所定条件等)は適宜変更されてよい。汗孔関連情報は、1種以上の属性情報を含めばよい。属性情報は、分類情報のように、周辺基準点と一対一で対応付けられる情報ではない情報であってもよいし、放射情報及び周回情報のように、周辺基準点と一対一で対応付けられる情報であってもよい。分類情報は、第一情報及び第二情報の何れかのみを含んでもよいし、第一情報及び第二情報の少なくとも何れかに加え、他の情報を含んでもよい。分類情報は第一情報及び第二情報を含む複数の情報を含む場合、各情報の配列は適宜変更されてよい。汗孔関連情報は、周辺情報を含まなくてもよい。位置情報の設定方法は適宜変更されてよい。汗孔関連情報が周辺情報を含む場合、周辺情報は、位置情報に基づく情報であればよく、位置情報、角度及び距離の何れかを含んでもよいし、位置情報に基づき算出される他の情報を含んでもよい。配列順序の決定方法は適宜変更されてよい。例えば、配列順序は、周辺基準点の取得順序であってもよい。属性情報を比較する場合、画像の収縮及び回転を考慮して比較しなくてもよい。S43からS46の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、S44の処理と、S45の処理とは、順序が入れ替えられてもよいし、並行して実行されてもよい。S43の処理は、S44の処理と、S45の処理との後に実行されてもよい。
(C−3)生成された汗孔関連情報を含む認証情報は、必ずしも、皮膚認証に使用される類似度を算出する処理に用いられなくてもよい。汗孔関連情報の属性情報に基づきペア候補を抽出した後、S202からS205の処理の対応を決定する方法は適宜変更されてもよい。例えば、装置10は、周辺情報を比較して対応を決めてもよいし、周辺基準点以外の他の基準点との配置に基づき対応を決めてもよい。装置10は、ペア候補として抽出された2つ基準点について、各々の対応付けられた公知の周波数情報(例えば、特開2017−010419号公報参照)等の他の情報を比較して対応を決めてもよい。皮膚認証は、汗孔関連情報と、公知の認証情報との組合せによって実行されてもよい。例えば、公知のマニューシャ法による照合結果と、本発明の認証方法を用いた照合結果とを組合せて、最終的な判定が実行されてもよい。このようにすれば、多様な観点から照合が実行され、照合精度が向上することが期待される。また照合方法は、処理時間及び認証精度等を考慮し、複数種類の照合方法の中から自動的に又はユーザにより設定可能としてもよい。例えば、公知の周波数情報を用いた認証方法を用いた照合結果を組合せて、最終的な判定が実行されてもよい。この場合の周波数情報は、基準点の周囲の色の変化を表す情報であればよい。例えば、周波数成分は、一次元群遅延スペクトルに限定されない。例えば、周波数成分としてはLPCスペクトル、群遅延スペクトル、LPCケプストラム、ケプストラム、自己相関関数、及び相互相関関数など、他の公知の周波数成分が用いられてもよい。周波数情報は、基準点と対応付けられて記憶されてもよい。
この場合、認証情報プログラムは、基準点決定ステップで決定された基準点の周囲の色情報の変化を表す情報であるサンプル情報を取得するサンプル情報取得ステップと、サンプル情報取得ステップで取得されたサンプル情報の周波数成分と、位置情報とを対応付けた情報を周波数情報として算出する周波数情報算出ステップとを実行するための指示を更に含み、記憶制御ステップで、情報生成ステップで生成された汗孔関連情報と、周波数情報算出ステップで取得された周波数情報とを対応付けて、認証情報として記憶機器に記憶されればよい。サンプル情報取得ステップ、及び周波数情報算出ステップは、例えば、図9のS25とS28の処理の間に実行されればよい。この場合類似度算出ステップで、対応決定ステップで決定された対応に基づき、照合用の汗孔関連情報及び周波数情報と、登録用の汗孔関連情報及び周波数情報との類似度である類似度が算出されてもよい。
(C−4)ペア候補の中から対応(ペア)を決定する方法は適宜定められてよい。本例のCPU1は、周辺情報に基づき算出されたスコア及び回転角を用いて、ペア候補として抽出された組合せを選別し、登録用の基準点と、照合用の基準点との各組合せが一対一になるように決定する。より詳細には、例えば、スコアが高い組合せを優先して、ペアと決定してもよい。回転角が他のペア候補と大きく異なる組合せはペアと決定しなくてもよい。スコアの算出方法及び類似度の算出方法は適宜変更されてよい。S202において、登録用の画像に対する照合用の画像の回転角及び移動量の少なくとも何れかに基づきペア候補が絞り込まれてもよい。S200からS206の処理の一部又は全部は適宜省略されてよい。

Claims (14)

  1. プロセッサと、記憶機器とを備えたコンピュータに、
    画像を取得する画像取得ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された前記画像から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である位置情報を取得する基準点決定ステップと、
    前記基準点決定ステップで取得された複数の前記基準点の中の1つを中心基準点として選択した場合の、前記中心基準点からの距離が所定値未満、且つ、前記中心基準点との間にある前記皮膚の隣合う前記隆線の間となる谷の数が1以下である所定個の前記基準点を所定条件に基づき周辺基準点として抽出する周辺基準点抽出ステップと、
    前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記周辺基準点抽出ステップで抽出された前記所定個の前記周辺基準点の各々の前記画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する情報生成ステップと、
    前記情報生成ステップで生成され前記複数の基準点の各々に関する前記汗孔関連情報を、皮膚認証に用いられる認証情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップと
    を実行させる為の指示を含む認証情報処理プログラム。
  2. 前記基準点決定ステップは、前記画像中の前記汗孔の重心を前記基準点として決定し、当該基準点の前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の認証情報処理プログラム。
  3. 前記所定条件は、既に選択された前記周辺基準点と前記中心基準点とを結んだ線分と、前記周辺基準点の候補となる前記基準点と前記中心基準点とを結んだ線分とがなす角の角度が所定角度以上となる前記基準点を前記中心基準点からの距離が近い順に前記所定個選択する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の認証情報処理プログラム。
  4. 前記属性情報は、
    前記所定個の周辺基準点の内の前記中心基準点と同じ前記隆線上の前記周辺基準点の数を表す情報と、
    前記中心基準点と、前記所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの前記放射線分上の前記周辺基準点を前記中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、前記隆線上にある前記周回線分の数を表す情報と
    を含む分類情報を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  5. 前記属性情報は、前記中心基準点と、前記周辺基準点とが同じ隆線上にあるかを前記周辺基準点の各々について示す情報である放射情報を含むことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  6. 前記属性情報は、前記中心基準点と、前記所定個の周辺基準点の各々とを結んだ場合の所定個の線分の各々を放射線分とし、隣合う2つの前記放射線分上の前記周辺基準点を前記中心基準点周りに順に結んだ所定個の線分の各々を周回線分とした場合の、前記周回線分が同じ前記隆線上にあるかを当該周回線分の起点となる前記周辺基準点の各々について示す情報である周回情報を含むことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  7. 前記情報生成ステップは、前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記属性情報とに加え、前記所定個の周辺基準点の前記位置情報に基づく情報である周辺情報を含む前記汗孔関連情報を生成することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  8. 前記情報生成ステップは、前記周辺情報として、前記所定個の周辺基準点の各々についての、前記中心基準点との距離を含む前記汗孔関連情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の認証情報処理プログラム。
  9. 前記情報生成ステップは、前記周辺情報として、前記所定個の周辺基準点の各々についての、前記中心基準点と前記周辺基準点とを結ぶ線分の所定方向に対する角度を含む前記汗孔関連情報を生成することを特徴とする請求項7又は8に記載の認証情報処理プログラム。
  10. 前記情報生成ステップは、前記周辺情報の配列順序と、前記属性情報の配列順序を一致させ、前記所定個の周辺基準点の内、前記中心基準点と同じ隆線上にあり、且つ、前記中心基準点との間の距離が最も長い離間基準点の前記配列順序を1番とし、前記画像上の配置に基づき前記中心基準点を中心とする前記離間基準点から所定方向周りに2番以降の前記配列順序を設定することを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  11. 前記情報生成ステップで生成された照合用の前記認証情報と、前記記憶機器に記憶されている登録用の前記認証情報との内、前記基準点に関連付けられた前記属性情報が一致する照合用の前記基準点と登録用の前記基準点とのペアを、前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を比較する対象の候補となるペア候補として抽出するペア候補抽出ステップと、
    前記ペア候補抽出ステップで抽出された前記ペア候補を用いて、前記照合用の認証情報と前記登録用の認証情報との対応を決定する対応決定ステップと
    を実行させる為の指示を更に含むことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  12. 前記情報生成ステップで生成された照合用の前記認証情報と、前記記憶機器に記憶されている登録用の前記認証情報との内、前記基準点に関連付けられた前記属性情報が一致する照合用の前記基準点と登録用の前記基準点とのペアを、前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を比較する対象の候補となるペア候補として抽出するペア候補抽出ステップと、
    前記ペア候補抽出ステップで抽出された前記ペア候補について、前記汗孔関連情報の内の前記周辺情報を比較して前記照合用の認証情報と前記登録用の認証情報との対応を決定する対応決定ステップと
    を実行させる為の指示を更に含むことを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の認証情報処理プログラム。
  13. 前記対応決定ステップで決定された前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との対応を用いて前記照合用の認証情報と、前記登録用の認証情報との類似度を算出する類似度算出ステップを実行させる為の指示を更に含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の認証情報処理プログラム。
  14. プロセッサと、
    記憶機器とを備え、
    前記プロセッサは、
    画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段により取得された前記画像から皮膚の隆線上の汗孔を表す基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である位置情報を取得する基準点決定手段と、
    前記基準点決定手段により取得された複数の前記基準点の中の1つを中心基準点として選択した場合の、前記中心基準点からの距離が所定値未満、且つ、前記中心基準点との間にある前記皮膚の隣合う前記隆線の間となる谷の数が1以下である所定個の前記基準点を所定条件に基づき周辺基準点として抽出する抽出手段と、
    前記複数の基準点の各々について、前記中心基準点の前記位置情報と、前記抽出手段により抽出された前記所定個の前記周辺基準点の各々の前記画像上の配置の特徴を表す属性情報とを関連付けた汗孔関連情報を生成する情報生成手段と、
    前記情報生成手段により生成され前記複数の基準点の各々に関する前記汗孔関連情報を、皮膚認証に用いられる認証情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御手段と
    して機能することを特徴とする認証情報処理装置。
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