JPWO2018181096A1 - 保温具、保冷具、物流梱包容器、物流システムおよび物流方法 - Google Patents

保温具、保冷具、物流梱包容器、物流システムおよび物流方法 Download PDF

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Abstract

物流の過程で潜熱蓄熱材を再生することで、保温または保冷機能を延長させることができ、潜熱蓄熱材の相変化の際の温度変化を小さくすることで、保温または保冷対象物の保持されるべき温度範囲内にて確実に保温または保冷できる保温具または保冷具を提供する。物流梱包容器に用いられ、保温対象物の温度調節を行なう保温具(100)であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部(120)と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、保温対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、凝固温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記融解開始温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるよう選択されたものである。

Description

本発明は、潜熱蓄熱材を用いた保温具、保冷具、物流梱包容器、物流システムおよび物流方法に関する。
食料品、医薬品、電子部品等を輸送する際に、それらの鮮度の悪化や品質の劣化を防ぐ目的から、荷送人から荷受人に届くまで、一貫して一定の温度で管理された物流システムやサービスが現在の豊かな生活を支えている。
上記のような定温物流システムでは、一般に被輸送物は、環境温度と被輸送物との熱の流出入を抑制するための断熱性の箱内に梱包され、さらに環境温度との温度差が大きく、熱流出入が大きくなった場合に備えて、その熱を吸収または放出するための蓄熱材(蓄冷材)とを同梱し輸送される。
また、現状の定温物流システムでは、荷送人から荷受人へは、直接輸送されることは少なく、輸送スケジュールの調整や検品、被輸送物の再仕分け等の理由から、仲介拠点を経由する。仲介拠点においても温度管理が必要となり、冷凍冷蔵倉庫のような電気的な保温保冷機能を有する設備内にて、一時的に保管される。さらに、荷送人から仲介拠点間などの輸送期間においても長時間にわたる場合には、電気的な保温保冷機能を備えた車両にて輸送される。
しかし、これまでの物流システムでは、被輸送物の保持したい温度域に対して、蓄熱材の放熱や吸熱する温度および、輸送期間中や仲介拠点での保持温度については考慮されていたが、蓄熱材と輸送期間中や仲介拠点での温度とについては考慮されてはいなかった。
そのため、輸送期間中や仲介拠点において、蓄熱材が不必要に放熱や吸熱を行ない、エネルギーの浪費があり、蓄熱材の増量や、仲介拠点での蓄熱材の交換が必要となり、コスト削減が課題となっている。
特許文献1では、物品を収容する保冷庫本体と、庫内を冷却する蓄冷器とを備えた保冷庫において、前記蓄冷器を、蓄冷機能を有する流体からなる蓄冷材を出し入れ自在にし、各輸送拠点にそれぞれ蓄冷材入替装置を配置し、保冷庫の蓄冷に要する時間を短縮する技術が開示されている。
特許文献2では、保冷車を用いることなく、要保冷品を保冷配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度に維持して配送可能な方法として、保冷箱に蓄冷材と要保冷品を収容し、第一蓄冷体をプラス温度で予冷(凍結させない)し、凍結した第二蓄冷体と要保冷品の間に断熱材と第一蓄冷体を配置する技術が開示されている。
特開2001−66028号公報 特開2005−300052号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、それぞれの拠点で蓄冷材を入れ替える必要があり、蓄冷材入替装置を有する拠点を介さなければ輸送できないので、輸送ルートは著しく制限される。また、流体の蓄冷材のため、貯蔵する熱エネルギーは顕熱であり、エネルギー量として極めて少ない。そのため、各拠点での入替が必須である。
また、特許文献2記載の技術では、要保冷品よりも低温に融解温度がある蓄冷体を用いているので、たとえ保冷された倉庫を経由したとしても、倉庫での温度は蓄冷体の融解温度より高くせざるを得ず、蓄冷体は融解が促進されていくため、長時間にわたる配送に対応するには、蓄冷体を大量に搭載するしかない。そのため、梱包容器の容量に比して、配送できる要保冷品の容積が小さくなってしまう。なお、上記の課題は保温に関しても共通であり、各拠点での蓄熱材の入替や、蓄熱体の量が多いという課題がある。
本発明の一実施形態は、このような事情に鑑みてなされたものであり、物流の過程で潜熱蓄熱材を再生することで、保温または保冷機能を延長させることができ、潜熱蓄熱材の相変化の際の温度変化を小さくすることで、保温または保冷対象物の保持されるべき温度範囲内にて確実に保温または保冷できる保温具または保冷具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態は、以下のような手段を講じた。即ち、本発明の一実施形態の保温具は、物流梱包容器に用いられ、保温対象物の温度調節を行なう保温具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、保温対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、凝固温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記融解開始温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるよう選択されたものである。
また、本発明の一実施形態の保冷具は、物流梱包容器に用いられ、保冷対象物の温度調節を行なう保冷具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、保冷対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、主たる融解温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記凝固温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるよう選択されたものである。
本発明の一実施形態によれば、温度を制御しない時間帯は、潜熱蓄熱材の潜熱により凝固温度の近傍で保温対象物を保温できる。また、保温対象物の保持されるべき温度の上限が、融解開始温度よりも高いため、温度を制御する時間帯において、制御する温度を、融解開始温度よりも高く、かつ前記上限よりも低い温度で保温することによって、潜熱蓄熱材を固相から液相に相変化させることができ、再生させることができる。
また、本発明の一実施形態によれば、温度を制御しない時間帯は、潜熱蓄熱材の潜熱により主たる融解温度の近傍で保冷対象物を保冷できる。また、保冷対象物の保持されるべき温度の下限が、凝固温度よりも低いため、温度を制御する時間帯において、制御する温度を、凝固温度よりも低く、かつ前記下限よりも高い温度で冷却することによって、潜熱蓄熱材を液相から固相に相変化させることができ、再生させることができる。
第1または第2の実施形態に係る保温具または保冷具の断面図である。 DSC曲線の例と融解開始温度および主たる融解温度の求め方を示す概念図である。 第1または第2の実施形態に係る物流梱包容器の断面図である。 第1または第2の実施形態に係る物流梱包容器の断面図である。 第1または第2の実施形態に係る保温具または保冷具および物流梱包容器の使用状態を示す概念図である。 第3の実施形態に係る物流システムに用いられる潜熱蓄熱材と、物品の保持されるべき温度範囲に対して、加熱装置で温度を制御する際の温度範囲を示した概念図である。 第3の実施形態に係る物流システムに用いられる潜熱蓄熱材と、物品の保持されるべき温度範囲に対して、冷却装置で温度を制御する際の温度範囲を示した概念図である。 従来の蓄熱材を用いた物流システムの温度範囲を示した概念図である。 第1または第2の実施形態に係る保温具または保冷具の製造の工程を示す概念図である。 第1または第2の実施形態に係る保温具または保冷具の製造の工程を示す概念図である。 第1または第2の実施形態に係る保温具または保冷具の製造の工程を示す概念図である。 実施例2、3に関する、潜熱蓄熱材の例とその蓄熱材を用いて輸送されることが想定される物品例を示した表である。
以下に本願での用語の定義を説明する。特記される場合を除き、以下の定義により解釈されるものとする。
(1)凝固温度は、液体状態の潜熱蓄熱材が一定温度で保持された際に結晶核を生じ始める温度である。本発明においては、少なくとも50mlの潜熱蓄熱材をポリ瓶に入れた状態で、保冷庫(冷蔵庫、冷凍庫、プログラマブル恒温槽を含む)に配置し、保冷庫の温度を降下させながら熱電対によって計測した値である。液相状態の潜熱蓄熱材を凝固温度以下の温度におくと、潜熱蓄熱材が固相に相変化する間、潜熱蓄熱材は凝固温度の近傍の温度に保たれる。
(2)融解開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、吸熱ピークが始まる温度をベースラインへ外挿して求めた温度である。図2は、DSC曲線の例と融解開始温度および主たる融解温度の求め方を示す概念図である。固相状態の潜熱蓄熱材を融解開始温度以上の温度におくと、潜熱蓄熱材の融解が開始する。
(3)主たる融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、吸熱ピークの温度である。固相状態の潜熱蓄熱材を主たる融解温度以上の温度におくと、潜熱蓄熱材が液相に相変化する間、潜熱蓄熱材は主たる融解温度の近傍の温度に保たれる。
(4)再生期の温度範囲は、保温具においては潜熱蓄熱材の融解開始温度以上の温度範囲である。また、保冷具においては潜熱蓄熱材の凝固温度以下の温度範囲である。
(5)潜熱蓄熱材の再生は、保温具においては潜熱蓄熱材を融解開始温度以上の温度におくことで、固相から液相に相変化することである。また、保冷具においては潜熱蓄熱材を凝固温度以下の温度におくことで、液相から固相に相変化することである。
本発明者らは、潜熱蓄熱材を有する保温具で保温対象物の温度調節を行なうに際し、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材は、液相から固相に相変化する過程での温度安定性が高いこと、および、このような潜熱蓄熱材を用いて、温度を融解開始温度以上の温度範囲内に制御することで、潜熱蓄熱材を再生させることができることを見出し、本発明に至った。
これにより、本発明者らは、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を用いて、保温対象物を温度変化が小さい状態で保温可能とした。また、物流過程において潜熱蓄熱材を再生させることで、保温機能を延長させることを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明において、保温具および保冷具に関する記述があるが、それらの構造および構成する部材としてはほとんど同一で、保温具としても保冷具としても用いることができる場合があるため、同じ番号100を付して表すこととする。そして、保温を目的とするときは保温具100と、保冷を目的とするときは保冷具100と記載し、目的に応じて適宜読み替えるときは保温具(保冷具)100と記載する。保温具本体および保温具保持部も同様である。また、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
[保温具の構成]
本発明の保温具は、物流梱包容器に用いられ、保温対象物の温度調節を行なう保温具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備える。図1は、本実施形態に係る保温具100の断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る保温具100は、保温具本体110の内部に中空構造の領域である収容部120を有し、収容部120に、蓄熱層130を備える。
保温具本体110は、蓄熱層130を内包するための中空構造の収容部120を有する。保温具本体110は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどの樹脂材料や、アルミニウム、ステンレス、銅、銀などの金属、ガラス、陶磁器、セラミックなどの無機材料により形成することができる。中空構造の作り易さと、耐久性の観点から樹脂材料であることが好ましい。また、保温具本体110に、温度を示す示温材のシールを貼付すると、保温具の温度が判断可能となるため好ましい。
蓄熱層130は、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材150を含む。潜熱蓄熱材150の材料としては、有機分子を主成分とするものが好ましく、これにより過冷却特性が極めて小さく、凝固温度と融解開始温度との差が1℃未満となる。過冷却特性が大きい潜熱蓄熱材を液相から固相への相変化させた場合には、潜熱蓄熱材の温度は凝固温度まで温度降下した後に、結晶生成の発熱により主たる融解温度付近まで昇温する。そのため、潜熱蓄熱材の温度変化が大きく、保温対象物の保持されるべき温度を逸脱する可能性があり温度調節が難しかった。しかし、凝固温度と融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材を用いた場合には液相から固相への相変化の時の温度変化が極めて小さく、凝固温度近傍にて温度を保持することができる。そのため、保温対象物の保持されるべき温度範囲内にて、確実に保温することができる。
潜熱蓄熱材の材料の具体例としては、炭素数13〜30の直鎖アルカン、炭素数13〜20の直鎖アルキルアルコール、分子量400〜800のポリエチレングリコールや炭素数10〜14の直鎖脂肪酸を用いることができる。これらの潜熱蓄熱材は、熱伝導率が低く、液相から固相への相転移する速度が遅いため、凝固温度近傍を長時間保持することができる。また、これらの潜熱蓄熱材は炭素数を1つずつ増減させることで、凝固温度および融解開始温度が精度よく定まる。そのため、炭素数を正しく選択することで厳密な温度管理が可能となる。また、炭素数13〜30の直鎖アルカンの中でも、炭素数15〜24の直鎖アルカンは、潜熱値が高く、チョコレートの保温に適した温度帯(15〜18℃)や、米飯類の保温に適した温度帯(20〜25℃)、精密機器・部品や美術品の保温に適した温度帯(25〜30℃)、血液や臓器の保温に適した温度帯(35〜37℃)に凝固温度を有し、適宜、直鎖アルカンの炭素数を選択することで、厳密な温度管理が可能となる。
上記材料は、炭素数により凝固温度が精度よく定まるため、凝固温度が段階的であるが、これらの材料を二つ以上、任意の割合で混合することで凝固温度の調整が可能であり、凝固温度を線形的に変えることができる。また、潜熱蓄熱材として水分子を含有するものは、一般に過冷却特性が大きく用いることは難しいが、過冷却抑制剤を添加することで、凝固温度と融解開始温度との差を1℃未満に制御したものであれば用いることができる。また、本実施形態に係る潜熱蓄熱材は潜熱蓄熱材を液相から固相への相転移を利用するものであり、使用する環境温度により、適切な凝固温度を有する潜熱蓄熱材が選択されることが好ましい。例えば、気温が氷点下の寒冷地での使用を考慮した場合には、保温対象物の保温を目的に0℃以上に凝固温度を有する潜熱蓄熱材を選択する。
また、蓄熱層130を形成する材料に防腐剤や抗菌剤が添加されていることが好ましい。また、蓄熱層130を形成する材料にキサンタンガム、グアガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどの増粘剤が添加されていてもよい。なお、本発明の材料は、上記の例示した材料に限定されるものではない。
潜熱蓄熱材150は、保温対象物ごとに定められた保持されるべき温度範囲に応じて選択される。潜熱蓄熱材150は、潜熱蓄熱材150の凝固温度が保温対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、潜熱蓄熱材150の融解開始温度が保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるように選択される。このように選択することで、温度を制御する時間帯において、制御する温度を再生期の温度範囲と保温対象物の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲内の温度にすることができ、潜熱蓄熱材150を固相から液相に相変化させることができ、再生させることができる。また、潜熱蓄熱材150は、潜熱蓄熱材150の主たる融解温度が保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるように選択されることが好ましい。
[物流梱包容器の構成]
図3Aは、本実施形態に係る物流梱包容器200の断面図である。物流梱包容器200は、物流梱包容器本体210と、物流梱包容器本体210の内部に設けられ保温具を保持する保温具保持部220と、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された保温具100と、物流梱包容器本体210の内部に設けられ物品を収容する物品収容部230とを備える。
物流梱包容器本体210は、収容部240および蓋部250により構成される。収容部240は、物品および保温具100を出し入れする開口部を有し、蓋部250は、開口部を閉塞する。収容部240および蓋部250は、連結されていてもよいし、分離されていてもよい。物流梱包容器200の内部との熱の出入りを低減するために、蓋部250は収容部240と密着する構造であることが好ましい。
物流梱包容器本体210は、発泡スチロール、発泡ウレタン、真空断熱材などの断熱性を有する材料で形成されていることが好ましい。断熱性を考慮しない材料で形成された本体の内側や外側に、断熱性を有する材料で形成された断熱層を設けてもよい。また、物流梱包容器本体210は、人が持ち運びできる大きさであってもよいし、例えば、コンテナなどの巨大な容器が物流梱包容器本体210としての機能を有していてもよい。また、コンテナに加熱機構が備わっていてもよい。
保温具保持部220は、物流梱包容器本体210の内部に設けられる。物流梱包容器200は、保温具保持部220に保温具100を載置することにより用いられる。これにより、物流梱包容器本体210の内部が、保温具100に応じた温度に保持される。保温具保持部220は、保温具100の固定が可能な構造となっていてもよい。また、保温具100が、物流梱包容器本体210に内蔵されていてもよいし、保温具100自体が、物流梱包容器200となっていてもよい。
物流梱包容器200に用いられる保温具100は、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択される。保温具100は、保温具100に用いられる潜熱蓄熱材150の凝固温度が物品の保持されるべき温度範囲に含まれ、融解開始温度が物品の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるような潜熱蓄熱材150を用いた保温具100が選択される。このように選択することで、物流過程で温度を制御する時間帯において、制御する温度を再生期の温度範囲と保温対象物の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲内の温度にすることができる。その結果、潜熱蓄熱材150を固相から液相に相変化させることができ、再生させることができる。これにより、保温機能の延長ができる。
また、保温具100は、上記のような温度範囲を有する潜熱蓄熱材150を用いたものを選択する際、さらに、物流に用いられる一般的な加熱装置(加温(保温)車、加温(保温)倉庫)で通常設定される制御温度(設定温度)が、再生期の温度範囲と物品の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲に含まれるように選択されることが好ましい。このように選択することで、一般的な設定温度の加熱装置を用いた物流過程で物流梱包容器200を用いた物流を行なうことができ、輸送ルートを柔軟に設定することができる。
物品収容部230は、物流梱包容器本体210の内部に設けられ、保持されるべき温度範囲が定められた物品が収容される。これにより、物品が保持されるべき温度範囲の温度に保持される。
物流梱包容器200は、図3Bに示すように、複数の保温具100が配置されていてもよい。
[第2の実施形態]
本実施形態は、保冷具に関するものである。本発明者らは、潜熱蓄熱材を有する保冷具で保冷対象物の温度調節を行なうに際し、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材は、液相から固相に相変化する過程での温度安定性が高いこと、および、このような潜熱蓄熱材を用いて、温度を凝固温度以下の温度範囲内に制御することで、潜熱蓄熱材を再生させることができることを見出し、本発明に至った。
これにより、本発明者らは、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を用いて、液体状態になった潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷可能とした。また、物流過程において潜熱蓄熱材を再生させることで、保冷機能を延長させることを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[保冷具の構成]
本発明の保冷具は、物流梱包容器に用いられ、保冷対象物の温度調節を行なう保冷具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備える。本実施形態に係る保冷具および保冷具本体は、第1の実施形態に係る保温具および保温具本体と同様の構成であるため、重複する部分の説明は省略する。本実施形態に係る保冷具100は、保冷具本体110の内部に中空構造の領域である収容部120を有し、収容部120に、蓄熱層130を備える。
蓄熱層130は、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材150を含む。潜熱蓄熱材150の材料としては、有機分子を主成分とするものが好ましく、これにより過冷却特性が極めて小さく、凝固温度と融解開始温度との差が1℃未満となる。具体的には、炭素数13〜30の直鎖アルカン、炭素数13〜20の直鎖アルキルアルコール、分子量400〜800のポリエチレングリコールや炭素数10〜14の直鎖脂肪酸を用いることができる。また、炭素数14〜16の直鎖アルカンであるテトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンは、潜熱値が高く、チルド温度帯(2〜8℃)、青果品の保存に適した温度帯(8〜15℃)に主たる融解温度もしくは凝固温度を有しているため有用性が高く好ましい。
また、これら材料が任意の割合で混合されていてもよく、混合することで主な融解開始温度や凝固温度を調整することが可能となる。また、潜熱蓄熱材として水分子を含有するものは、一般に過冷却特性が大きく用いることは難しいが、過冷却抑制剤を添加することで、凝固温度と融解開始温度との差を1℃未満に制御したものであれば用いることができる。本発明の潜熱蓄熱材は、液相から固相に相変化する過程での温度変化が小さいため、潜熱蓄熱材による保冷時に潜熱をすべて使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物の温度変化が小さくなる。一般に、過冷却特性を有する潜熱蓄熱材は、固相と液相が共存する状態から再生させる場合には、融解開始温度よりも低い温度であれば、固相を核成長点として凝固が進むため、温度変化が小さい。しかし、完全な液体状態から再生させる場合には、凝固温度まで低下させなければ凝固が起こらないため、温度変化が大きい。そのため、過冷却特性を有する潜熱蓄熱材を用いて保冷および再生する場合には、完全に融解させないように、保冷時間に見合った潜熱蓄熱材の量よりも増量して用いる。しかし、本発明の潜熱蓄熱材を用いた場合には、完全に液体状態になったとしても、温度変化が小さく再生することができるため、潜熱蓄熱材による保冷時に本来の潜熱量をすべて使用することができる。その結果、物流梱包容器に収容する潜熱蓄熱材の量を減らすことができる。なお、本発明の材料は、上記の例示した材料に限定されるものではない。
潜熱蓄熱材150は、保冷対象物ごとに定められた保持されるべき温度範囲に応じて選択されている。潜熱蓄熱材150は、潜熱蓄熱材150の主たる融解温度が保冷対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、潜熱蓄熱材150の凝固温度が保冷対象物の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるように選択される。このように選択することで、温度を制御する時間帯において、制御する温度を再生期の温度範囲と保冷対象物の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲内の温度にすることができ、潜熱蓄熱材150を液相から固相に相変化させることができ、再生させることができる。また、保冷時に潜熱をすべて使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材150を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷することができるため、保冷対象物の保持されるべき温度範囲を逸脱する虞が少なくなる。
[物流梱包容器の構成]
本実施形態に係る物流梱包容器200は、図3Aおよび図3Bに示す第1の実施形態に係る物流梱包容器の断面図の中で、保温具100を保冷具100に置き換えることで適用することができる。物流梱包容器200は、物流梱包容器本体210と、物流梱包容器本体210の内部に設けられ保冷具100を保持する保冷具保持部220と、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された保冷具100と、物流梱包容器本体210の内部に設けられ物品を収容する物品収容部230とを備える。
物流梱包容器本体210は、人が持ち運びできる大きさであってもよいし、例えば、コンテナなどの巨大な容器が物流梱包容器本体210としての機能を有していてもよい。また、物流梱包容器200はリーファーコンテナのように冷却装置を備えた容器であっても構わない。リーファーコンテナは、物品を大量に収容することが可能であり、輸送時の電源供給が可能な期間は保冷庫として機能することができる。そのため、物品の輸送に長時間が必要となる輸出入に用いることが好ましい。従来のリーファーコンテナは、例えば税関での検閲時などの無電源期間では、物品の温度を保持することが困難となり、物品の鮮度や品質の劣化が問題であった。しかし、本発明の物流梱包容器200としてリーファーコンテナを用いた場合には、荷送人が本発明の保冷具100と物品をリーファーコンテナに収容することで、電源供給時は本発明の保冷具100は再生期となり、無電源期間は保冷具100の潜熱蓄熱材150が活動し、物品の温度を保持されるべき温度範囲に維持することが可能となる。そのため、例えばワインや、チョコレート、果物などの保持されるべき温度範囲を逸脱すると鮮度や品質の劣化が著しい物品を長時間にわたって輸出入することや、柔軟な輸送ルートを設定することが可能となる。
物流梱包容器200に用いられる保冷具100は、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択される。保冷具100は、保冷具100に用いられる潜熱蓄熱材150の主たる融解温度が物品の保持されるべき温度範囲に含まれ、凝固温度が物品の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるような潜熱蓄熱材150を用いた保冷具100が選択される。このように選択することで、物流過程で温度を制御する時間帯において、制御する温度を再生期の温度範囲と保冷対象物の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲内の温度にすることができる。その結果、潜熱蓄熱材150を液相から固相に相変化させることができ、再生させることができる。これにより、保冷機能の延長ができる。また、保冷時に潜熱をすべて使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材150を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷することができるため、保冷対象物の保持されるべき温度範囲を逸脱する虞が少なくなる。
また、保冷具100は、上記のような温度範囲を有する潜熱蓄熱材150を用いたものを選択する際、さらに、物流に用いられる一般的な冷却装置(冷蔵(冷凍)車、冷蔵(冷凍)倉庫、冷蔵(冷凍)ロッカー、リーファーコンテナなど)で通常設定される冷蔵温度や冷凍温度などの制御温度(設定温度)が、再生期の温度範囲と物品の保持されるべき温度範囲とが重複する範囲に含まれるように選択されることが好ましい。このように選択することで、一般的な設定温度の冷却装置を用いた物流過程で物流梱包容器200を用いた物流を行なうことができ、輸送ルートを柔軟に設定することができる。
図4は、本実施形態に係る保冷具100および物流梱包容器200の使用状態を示す概念図である。図4のように、本実施形態に係る保冷具100および物流梱包容器200は、物品および保冷具100が、物流梱包容器200に梱包された状態で使用される。第1の実施形態に係る保温具100および物流梱包容器200も同様である。
[第3の実施形態]
[物流システムの構成]
本実施形態に係る物流システムは、保温具として、液相から固相への相変化を利用した潜熱蓄熱材を用いた場合には、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、保温具100と共に物流梱包容器200に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、物流梱包容器200の外部の温度を物品の保持されるべき温度範囲に制御する加熱装置を備え、加熱装置が、保温具100に用いられた潜熱蓄熱材150の再生期の温度範囲と物品の保持されるべき温度範囲との重複範囲で物流梱包容器200を加熱する。
また、本実施形態に係る物流システムは、保冷具として、固相から液相への相変化を利用した潜熱蓄熱材を用いた場合には、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、保冷具100と共に物流梱包容器200に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、物流梱包容器200の外部の温度を物品の保持されるべき温度範囲に制御する冷却装置を備え、冷却装置が、保冷具100に用いられた潜熱蓄熱材150の再生期の温度範囲と物品の保持されるべき温度範囲との重複範囲で物流梱包容器200を冷却する。
図5Aは、本実施形態に係る物流システムに用いられる潜熱蓄熱材150と、物品の保持されるべき温度範囲に対して、加熱装置で温度を制御する際の温度範囲を示した概念図である。図5Aは、潜熱蓄熱材150の凝固温度が物品の保持されるべき温度範囲に含まれ、融解開始温度が物品の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるように選択された場合を示している。図5Aに示す場合は、加熱装置で温度を制御する際の温度範囲は、物品の保持されるべき温度範囲の上限よりも低く潜熱蓄熱材150の融解開始温度よりも高くすることができる。このような温度範囲で温度を制御することで、潜熱蓄熱材150を再生させることができ、物品の保温機能を延長させることができる。
なお、凝固温度と融解開始温度の差が大きい、即ち、過冷却特性が大きい場合には、液相から固相に相転移するときに、潜熱蓄熱材の温度は、凝固温度まで温度が降下した後に、融解開始温度まで温度が上昇する。そのため、温度変化が大きく保持されるべき温度範囲を逸脱する恐れがあり、液相から固相への相転移を利用することは困難であった。しかし、本発明のように凝固温度と融解開始温度との差が1℃未満と小さい場合には、潜熱蓄熱材の温度変化が小さいため、液相から固相への相変化を利用することが可能である。これにより、物品の保持されるべき温度が環境温度(外気温)よりも高い場合に物品を保温することが可能となる。
図5Bは、本実施形態に係る物流システムに用いられる潜熱蓄熱材150と、物品の保持されるべき温度範囲に対して、冷却装置で温度を制御する際の温度範囲を示した概念図である。図5Bは、潜熱蓄熱材150の主たる融解温度が物品の保持されるべき温度範囲に含まれ、凝固温度が物品の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるように選択された場合を示している。図5Bに示す場合は、冷却装置で温度を制御する際の温度範囲は、物品の保持されるべき温度範囲の下限よりも高く潜熱蓄熱材150の凝固温度よりも低くすることができる。このような温度範囲で温度を制御することで、潜熱蓄熱材150を再生させることができ、冷却機能を延長させることができる。また、保冷時に潜熱をすべて使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷することができるため、保冷対象物の保持されるべき温度範囲を逸脱する虞が少なくなる。
なお、凝固温度と融解開始温度が1℃未満と小さく、相変化の温度変化が小さいため、チョコレート(保持されるべき温度範囲:15〜18℃)やいちご(保持されるべき温度範囲:1〜2℃)などの果実のように保持されるべき温度範囲が狭い物品を輸送する場合でも、確実に保冷および再生することができる。また、物品の保持されるべき温度範囲と再生期とが重複する温度範囲が広くなるため、冷却装置の厳密な温度制御が不要であることや、冷却装置の制御する温度範囲の上限を凝固温度付近まで上昇しても再生することができるため、冷却装置のコスト削減や省エネルギー化に繋がる。
加熱装置または冷却装置で温度を制御する時間や回数のうち、一部のみが重複範囲で制御することとなっていてもよい。その場合でも、重複範囲で温度を制御するときには、潜熱蓄熱材150を再生させることができ、保温機能または保冷機能を延長させることができるからである。
図5Cは、従来の蓄熱材を用いた物流システムの温度範囲を示した概念図である。図5Cに示すように、従来の蓄熱材を用いた物流システムでは、物品の保持されるべき温度範囲に対して、蓄熱材の保持可能な温度範囲や仲介拠点での制御温度については考慮されていたが、蓄熱材と仲介拠点での制御温度の関係については考慮されてはいない。
上記物流システムにおいて、保温具100に用いられる潜熱蓄熱材150は、融解開始温度が物品の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるように選択されるが、主たる融解温度も物品の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるように選択された場合は、環境温度に応じて保温具100を保冷具100としても用いることができる。
具体的には、次のような例を考えることができる。例えば、チョコレートの保温に適した温度帯(15〜18℃)において、潜熱蓄熱材150の凝固温度が16℃、融解開始温度が16℃、主たる融解温度が17℃に制御されている場合を考える。このとき、環境温度が15℃以下であれば、潜熱蓄熱材150を16〜18℃で液相にして保温具100として用いることができる。一方、環境温度が18℃以上であれば、潜熱蓄熱材150を15〜16℃で固相にして保冷具100として用いることができる。加熱装置および冷却装置も目的に応じて変更する。
[保温具および保冷具の製造方法]
次に、本実施形態に係る保温具(保冷具)100の製造方法について説明する。図6A〜図6Cは、本実施形態に係る保温具100の製造の工程を示す概念図である。まず、図6Aに示すような、中空構造の領域を有する保温具本体(保冷具本体)110を準備する。保温具本体110は、潜熱蓄熱材150を注入できる注入口170が付いていることが好ましい。次に、潜熱蓄熱材150を注入する。注入方法は問わないが、シリンダーポンプやモーノポンプを用いた注入方法が好ましい。図6Bはシリンダーポンプを用いた例を示す。図6Bに示すように、シリンダーポンプの充填ホースを保温具本体110の注入口170にセットし、吸上げホースを潜熱蓄熱材150の入った容器にセットする。次に、シリンダーポンプのピストンを下降することにより潜熱蓄熱材150を吸上げ、ピストン内に蓄熱材を充填した後に、ピストンを上昇させることで保温具本体110に潜熱蓄熱材150を注入する。
そして、図6Cに示すように、保温具本体110の注入口170に栓190をする。栓190をする方法としては、超音波溶着や熱溶着などの既存の手法で密栓する方法や、ネジ栓としておき、手で自由に開閉できる栓とする方法がある。超音波溶着や熱溶着などで密栓する場合は、潜熱蓄熱材150などが漏れる虞がなく好ましい。
最後に、保温具100として使用する場合には、潜熱蓄熱材150の融解開始温度以上の環境温度で保温具を静置し、融解した状態にしておく。一方で、保冷具100として使用する場合には、潜熱蓄熱材150の凝固温度以下の温度環境で保冷具100を静置し、潜熱蓄熱材150を凝固させる。このような工程により、本実施形態の保温具100または保冷具100が製造される。なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[実施例1]
実施例1は、第1の実施形態に係る保温具を用いた物流システムの実施例である。実施例1は、荷送人である食品製造業者が荷受人である店舗に、保持されるべき温度範囲が20〜25℃の米飯類を気温10℃の環境下で輸送する物流システムを想定している。まず、荷送人が、潜熱蓄熱材としてヘプタデカンを主成分とするものを用いた保温具を液体の状態で、米飯類と共に、図3Aおよび図3Bに示す物流梱包容器に25℃の環境温度の食品製造工場内で梱包した。なお、保温具は、図6Aに示すようなブロー成型容器(材質:ポリエチレン、外形:180*280*29mm/t(保冷具本体)を準備し、ブロー成型容器に図6Bに示すようなシリンダーポンプを備えた液体充填機を用いて、潜熱蓄熱材を800g注液し、超音波溶着機を用いて、注入口をキャップし、溶着により密栓することで作製した。
このときの潜熱蓄熱材の凝固温度は21℃、融解開始温度が21℃、主な融解温度は22℃であり、凝固温度と融解開始温度の差は1℃未満であり、凝固温度が保持されるべき温度範囲内であった。なお、この潜熱蓄熱材の凝固温度は、50mlの潜熱蓄熱材をポリ瓶に入れた状態で、プログラマブル恒温槽に配置し、−20℃まで降下させた時に、結晶核を生じ始める温度とした。また、融解開始温度、および主たる融解温度は示差走査熱量測定(使用装置:Rigaku社製DSC8213、測定温度範囲:−30〜30℃、降温速度:−5℃/min、昇温速度:5℃/min)から評価した。
この物流梱包容器を気温10℃の環境下で常温トラックにて2時間かけて、配送センターに運搬した。配送センター内は25℃の環境であり、開梱し1時間かけて荷分けを行なった。なお、物流梱包容器内の潜熱蓄熱材は、配送センターに到着時は一部、凝固が確認されたが、荷分け終了時の1時間後には液体に戻っており、固体から液体への再生が確認された。次に、再生された保温具と荷分けされた米飯類を物流梱包容器に梱包し、2時間かけて店舗に運送した。開梱したところ、米飯類の品質が保持されていることが確認され、保温具の潜熱蓄熱材は一部固体になっていた。このことから、本発明の物流システムであれば、配送センターでの滞在期間で再生されるため、配送センターでの保温具の交換が不要であり、長時間の輸送が可能となる。また、本発明の物流システムであれば、配送センターでの滞在期間で再生されるため、搭載する潜熱蓄熱材の重量を減らすことができる。
[実施例2および3]
図7に、実施例2、3に係る保冷具の潜熱蓄熱材の例とその蓄熱材を用いて輸送されることが想定される物品例を示す。なお、再生期の温度範囲は、保冷具として使用した場合の範囲を示している。この表に示される例のような様々な主たる融解温度を有する潜熱蓄熱材から適切なものを選択することで、様々な物品をその保持されるべき温度範囲の温度に保持したまま、物流過程で潜熱蓄熱材を入れ替えたりすることなく、輸送することができる。また、凝固温度と融解開始温度の差が1℃未満と小さいため、医薬品やチョコレートのような保持すべき温度範囲が狭い物品に対しても、保持すべき温度範囲と再生期とが重複する範囲を設けることができ、保冷具を長時間使用することができる。
本発明の一実施形態は、以下のような構成を採ることができる。即ち(1)本発明の一実施形態の保温具は、物流梱包容器に用いられ、保温対象物の温度調節を行なう保温具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、保温対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、凝固温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記融解開始温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるよう選択されたものである。
これにより、温度を制御しない時間帯は、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を用いて、潜熱蓄熱材の潜熱により凝固温度の近傍で温度変化が小さい状態で保温対象物を保温できる。また、保温対象物が保持されるべき温度の上限が、融解開始温度より高いため、温度を制御する時間帯において、制御する温度を、融解開始温度よりも高く、かつ前記上限よりも低い温度で加熱することによって、潜熱蓄熱材を固相から液相に相変化させ、再生させることができ、保温機能の延長ができる。
(2)また、本発明の一実施形態の保温具において、前記潜熱蓄熱材は、炭素数13から30の直鎖アルカンまたは炭素数13から20の直鎖アルキルアルコールのいずれかを含む。
このような潜熱蓄熱材を用いることで、熱伝導率が低く、液相から固相への相転移する速度が遅いため、凝固温度近傍を長時間保持することができる。また、厳密な温度管理が可能となる。
(3)また、本発明の一実施形態の保温具において、前記潜熱蓄熱材が炭素数15から24の直鎖アルカンを含む。
このような潜熱蓄熱材を用いることで、熱伝導率が低く、液相から固相への相転移する速度が遅いため、凝固温度近傍を長時間保持することができる。また、チョコレートや、米飯類、精密機器・部品や美術品、血液や臓器などの保温が可能であり、厳密な温度管理が可能となる。
(4)また、本発明の一実施形態の物流梱包容器は、物品を梱包する物流梱包容器であって、物流梱包容器本体と、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された、上記(1)から(3)のいずれかに記載の保温具と、前記物流梱包容器本体内部に設けられ、前記保温具を保持する保温具保持部と、前記物流梱包容器本体内部に設けられ、物品を収容する物品収容部と、を備える。
これにより、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を有する潜熱蓄熱材を用いた保温具を、物流に使用することができる。
(5)また、本発明の一実施形態の物流システムは、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、上記(4)記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御する加熱装置を備え、前記加熱装置が、前記潜熱蓄熱材の融解開始温度よりも高く、前記物品の保持されるべき温度範囲の上限よりも低い温度で前記物流梱包容器を加熱することによって、前記潜熱蓄熱材が固相から液相に相変化する。
これにより、潜熱蓄熱材を用いた物流梱包容器を使用した物流システムにおいて、凝固温度近傍で物品を保温できる。また、潜熱蓄熱材を再生させることができ、保温機能を延長させることができる。
(6)また、本発明の一実施形態の物流方法は、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、上記(4)記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流方法であって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、加熱装置を用いて前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御するステップと、を有し、前記加熱装置が、前記潜熱蓄熱材の融解開始温度よりも高く、前記物品の保持されるべき温度範囲の上限よりも低い温度で前記物流梱包容器を加熱することによって、前記潜熱蓄熱材が固相から液相に相変化する。
これにより、潜熱蓄熱材を用いた物流梱包容器を使用した物流方法において、凝固温度近傍で物品を保温できる。また、潜熱蓄熱材を再生させることができ、保温機能を延長させることができる。
(7)また、本発明の一実施形態の保冷具は、物流梱包容器に用いられ、保冷対象物の温度調節を行なう保冷具であって、液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、保冷対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、主たる融解温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記凝固温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるよう選択されたものである。
これにより、温度を制御しない時間帯は、潜熱蓄熱材の潜熱により主たる融解温度の近傍で保冷対象物を保冷できる。また、保冷対象物が保持されるべき温度の下限が、凝固温度より低いため、温度を制御する時間帯において、制御する温度を潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低く、保冷対象物の保持されるべき温度範囲の下限よりも高い温度にすることによって、潜熱蓄熱材を液相から固相に相変化させ、再生させることができ、保冷機能の延長ができる。また、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を用いて、保冷時に潜熱をすべて使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷できる。
(8)また、本発明の一実施形態の保冷具において、前記潜熱蓄熱材は、炭素数13から30の直鎖アルカンまたは炭素数13から20の直鎖アルキルアルコールのいずれかを含む。
このような潜熱蓄熱材を用いることで、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷できる。また、厳密な温度管理が可能となる。
(9)また、本発明の一実施形態の保冷具は、前記潜熱蓄熱材が炭素数14から16の直鎖アルカンを含む。
このような潜熱蓄熱材を用いることで、有用性の高いチルド温度帯(2〜8℃)、青果品の保存に適した温度帯(8〜15℃)での保冷が可能となる。また、厳密な温度管理が可能となる。
(10)また、本発明の一実施形態の物流梱包容器は、物品を梱包する物流梱包容器であって、物流梱包容器本体と、梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された、上記(7)から(9)のいずれかに記載の保冷具と、前記物流梱包容器本体内部に設けられ、前記保冷具を保持する保冷具保持部と、前記物流梱包容器本体内部に設けられ、物品を収容する物品収容部と、を備える。
これにより、潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する過程での高い温度安定性を有する潜熱蓄熱材を用いた保冷具を、物流に使用することができる。
(11)また、本発明の一実施形態の物流システムは、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、上記(10)記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御する冷却装置を備え、前記冷却装置が、前記潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低く、前記物品の保持されるべき温度範囲の下限よりも高い温度で前記物流梱包容器を冷却することによって、前記潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する。
これにより、潜熱蓄熱材を用いた物流梱包容器を使用した物流システムにおいて、潜熱蓄熱材を再生させることができ、保冷機能を延長させることができる。また、保冷時に潜熱を使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷できる。
(12)また、本発明の一実施形態の物流方法は、保持されるべき温度範囲が定められた物品が、上記(10)記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流方法であって、温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、冷却装置を用いて前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御するステップと、を有し、前記冷却装置が、前記潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低く、前記物品の保持されるべき温度範囲の下限よりも高い温度で前記物流梱包容器を冷却することによって、前記潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する。
これにより、潜熱蓄熱材を用いた物流梱包容器を使用した物流方法において、潜熱蓄熱材を再生させることができ、保冷機能を延長させることができる。また、保冷時に潜熱を使い果たし、液体状態になったとしても、潜熱蓄熱材を再生させる際に、保冷対象物を温度変化が小さい状態で保冷できる。
なお、本国際出願は、2017年3月28に出願した日本国特許出願第2017−063250号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017−063250号の全内容を本国際出願に援用する。
100 保温具、保冷具
110 保温具本体、保冷具本体
120 収容部
130 蓄熱層
150 潜熱蓄熱材
170 注入口
190 栓
200 物流梱包容器
210 物流梱包容器本体
220 保温具保持部、保冷具保持部
230 物品収容部
240 収容部
250 蓋部

Claims (12)

  1. 物流梱包容器に用いられ、保温対象物の温度調節を行なう保温具であって、
    液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、
    前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、
    前記潜熱蓄熱材は、保温対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、凝固温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記融解開始温度が前記保温対象物の保持されるべき温度範囲の上限より低くなるよう選択されたものであることを特徴とする保温具。
  2. 前記潜熱蓄熱材が炭素数13から30の直鎖アルカンまたは炭素数13から20の直鎖アルキルアルコールのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の保温具。
  3. 前記潜熱蓄熱材が炭素数15から24の直鎖アルカンを含むことを特徴とする請求項1記載の保温具。
  4. 物品を梱包する物流梱包容器であって、
    物流梱包容器本体と、
    梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された、請求項1から請求項3のいずれかに記載の保温具と、
    前記物流梱包容器本体内部に設けられ、前記保温具を保持する保温具保持部と、
    前記物流梱包容器本体内部に設けられ、物品を収容する物品収容部と、を備えることを特徴とする物流梱包容器。
  5. 保持されるべき温度範囲が定められた物品が、請求項4記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、
    温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御する加熱装置を備え、
    前記加熱装置が、前記潜熱蓄熱材の融解開始温度よりも高く、前記物品の保持されるべき温度範囲の上限よりも低い温度で前記物流梱包容器を加熱することによって、前記潜熱蓄熱材が固相から液相に相変化する物流システム。
  6. 保持されるべき温度範囲が定められた物品が、請求項4記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流方法であって、
    温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、加熱装置を用いて前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御するステップと、を有し、
    前記加熱装置が、前記潜熱蓄熱材の融解開始温度よりも高く、前記物品の保持されるべき温度範囲の上限よりも低い温度で前記物流梱包容器を加熱することによって、前記潜熱蓄熱材が固相から液相に相変化する物流方法。
  7. 物流梱包容器に用いられ、保冷対象物の温度調節を行なう保冷具であって、
    液相から固相に相変化し始める凝固温度と固相から液相に相変化し始める融解開始温度との差が1℃未満である潜熱蓄熱材と、
    前記潜熱蓄熱材を収容する収容部と、を備え、
    前記潜熱蓄熱材は、保冷対象物の保持されるべき温度範囲に応じて、主たる融解温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲に含まれ、前記凝固温度が前記保冷対象物の保持されるべき温度範囲の下限より高くなるよう選択されたものであることを特徴とする保冷具。
  8. 前記潜熱蓄熱材が炭素数13から30の直鎖アルカンまたは炭素数13から20の直鎖アルキルアルコールのいずれかを含むことを特徴とする請求項7記載の保冷具。
  9. 前記潜熱蓄熱材が炭素数14から16の直鎖アルカンを含むことを特徴とする請求項7記載の保冷具。
  10. 物品を梱包する物流梱包容器であって、
    物流梱包容器本体と、
    梱包される物品の保持されるべき温度範囲に応じて選択された、請求項7から請求項9のいずれかに記載の保冷具と、
    前記物流梱包容器本体内部に設けられ、前記保冷具を保持する保冷具保持部と、
    前記物流梱包容器本体内部に設けられ、物品を収容する物品収容部と、を備えることを特徴とする物流梱包容器。
  11. 保持されるべき温度範囲が定められた物品が、請求項10記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流システムであって、
    温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御する冷却装置を備え、
    前記冷却装置が、前記潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低く、前記物品の保持されるべき温度範囲の下限よりも高い温度で前記物流梱包容器を冷却することによって、前記潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する物流システム。
  12. 保持されるべき温度範囲が定められた物品が、請求項10記載の物流梱包容器に梱包され、荷送人から運送人によって荷受人に引き渡される物流方法であって、
    温度が制御されない時間帯の前後の少なくとも一方で、冷却装置を用いて前記物流梱包容器の外部の温度を前記物品の保持されるべき温度範囲に制御するステップと、を有し、
    前記冷却装置が、前記潜熱蓄熱材の凝固温度よりも低く、前記物品の保持されるべき温度範囲の下限よりも高い温度で前記物流梱包容器を冷却することによって、前記潜熱蓄熱材が液相から固相に相変化する物流方法。
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