JPWO2018180779A1 - 嚥下センサおよび嚥下解析システム - Google Patents

嚥下センサおよび嚥下解析システム Download PDF

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Abstract

嚥下解析システム(S)は、嚥下センサ(1)と、嚥下解析装置(30)とを備えている。嚥下センサ(1)の圧電フィルムセンサ(3)は、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分(3A),(3B)を有している。圧電フィルムセンサ(3)は、嚥下に伴って発生する甲状軟骨(103)の動きの範囲に位置して前頸部(102)の皮膚に貼り付けられ、複数のセンシング部分(3A),(3B)の変形に伴うアナログ信号(S1a),(S2a)を個別に出力する。嚥下センサ(1)の本体部(20)は、アナログ信号(S1a),(S2a)の低周波成分である変位信号に基づいて、嚥下か否かを判定する。本体部(20)は、嚥下時の信号のデータを抽出して、嚥下解析装置(30)に無線で出力する。

Description

本発明は、嚥下動作を解析する嚥下解析システムに関する。
肺炎は、日本人の死因の上位である。肺炎による死者の多くは、65歳以上の高齢者である。高齢者の肺炎で最も頻度が高いのは、誤嚥性肺炎である。高齢化に伴い嚥下障害患者は増え続けている。
誤嚥の原因として、嚥下反射の鈍化、筋力の低下に加えて、タイミングの異常が考えられる。即ち、吸息相に嚥下が起きたり、嚥下が起きてから呼吸再開までの無呼吸時間が短くなってしまったりすると、誤嚥しやすい。嚥下と呼吸相の関係については、高齢者やパーキンソン病患者では、若年健常者に比べて吸息相に嚥下する頻度が高く、誤嚥の誘因となっていることが知られている。また、睡眠中も唾を無意識下で嚥下しているため、誤嚥性肺炎は食事中だけでなく、睡眠中の誤嚥によっても起こる。
このような嚥下障害の診断に役立てるために、人体の嚥下動作を検出する嚥下センサが開発されている。例えば、特許文献1には、インナーイヤー型マイクで取得した生体音と、顎下に装着された筋電センサで取得した舌筋の筋電とを用いて、嚥下を抽出する嚥下解析システムが開示されている。また、特許文献2には、生体の振動信号を単一のセンサ(マイクロフォン)で採取し、得られた振動信号を体動信号と音声信号に分離し、各々の信号から被験者の状態を検出する状態検出装置が開示されている。
特開2016−45816号公報 特開2009−279122号公報
ところで、特許文献1には、データ抽出までを演算回路で行い、抽出データをサーバシステムに送信することが記載されている。この場合、通信回路の消費電力を低減することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された嚥下解析システムでは、インナーイヤー型マイクで取得した生体音と、顎下に装着された筋電センサで取得した舌筋の筋電とを用いて、嚥下を抽出している。このとき、生体音には、呼吸や発声に加えて、血流や体動に伴う音も重畳される。このため、嚥下に伴う音(嚥下音)だけを抽出することは難しい。また、2000Hzまでの音信号を周波数解析し、ニューラルネットワークで判定を行っているため、演算回路の演算負荷が大きく、小型化およびトータルの低消費電力化が難しい。
これに加えて、顎や頸部には多くの筋肉が集まっている。このため、顎、口や首を動かしたり、力が入ったりすると筋電が発生し、舌筋の筋電と区別するのが難しい。この結果、生体音と筋電との2つの信号を組み合わせたとしても、嚥下を高確度で抽出することは難しく、嚥下ではない体動等を誤って抽出してしまうことが頻繁に発生する。
さらに、嚥下解析は、まだ歴史が浅く、解析方法が確立していない。解析方法が修正された場合には、その度に演算回路内の解析方法を変更する必要がある。このため、演算回路を実装した生体センサは、ソフトウエアのバージョンアップが可能な構成とする必要があり、小型で通信機能が制限された機器には適用が難しい傾向がある。
一方、特許文献2に記載された状態検出装置では、頸部に装着するマイクロフォン以外が状態測定部とケーブルで接続されている。このため、ケーブルに手などが引っ掛かって、マイクロフォンが皮膚から外れてしまう可能性があり、患者の行動が制限される。また、ケーブルの重み等で、マイクロフォンが引っ張られて皮膚から外れてしまう虞れもある。これに加えて、特許文献2に記載された状態検出装置は、少なくとも数kHzの周波数成分を有する音を時間周波数解析する。このため、短時間のデータでもデータサイズが大きくなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、嚥下時のデータを高確度で抽出することができる嚥下解析システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明による嚥下解析システムは、嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられた圧電素子と、内蔵したバッテリによって駆動し、前記圧電素子から出力される信号の低周波成分である変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する嚥下検出装置と、嚥下時の前記信号のデータを受信して嚥下機能判定を行う嚥下解析装置と、を備えている。
本発明によれば、嚥下時のデータを高確度で抽出することができる。
本発明の実施の形態による嚥下解析システムを示す説明図である。 圧電フィルムセンサを図3中の矢示II−II方向からみた断面図である。 図1中の嚥下センサを示す正面図である。 図1中の嚥下解析システムを示すブロック図である。 図4中の信号処理部による嚥下検出処理を示す流れ図である。 口腔期の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 咽頭期の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 咽頭期から食道期に遷移するときの甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 食道期の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 嚥下動作前の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 嚥下動作中の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 上を向く動作中の甲状軟骨と嚥下センサのセンシング部分との位置関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態による嚥下センサについて、嚥下動作時の変位信号と音信号の一例を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態による嚥下解析システムを、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図5に本発明の実施の形態による嚥下解析システムSを示す。嚥下解析システムSは、嚥下センサ1と、嚥下解析装置30とを備えている。嚥下センサ1は、被験者101(人体)の嚥下を検出するセンサ部2と、センサ部2から出力された信号を処理する本体部20と、を有している。
センサ部2は、例えば全体として長方形状をなし、嚥下センサ1のうち上下方向の一端側(図3中の上側)に位置して設けられている。図2に示すように、センサ部2は、圧電フィルムセンサ3、絶縁フィルム7、シールド膜8,9等を備えている。図1に示すように、センサ部2は、嚥下に伴って発生する甲状軟骨103の動きの範囲に位置して、被験者101の前頸部102の皮膚に貼り付けられる。
甲状軟骨103の上方には下顎骨104が位置しており、下方には胸骨105が位置している。甲状軟骨103の左右両側には一対の頸動脈106が位置している。センサ部2は、下顎骨104、胸骨105および頸動脈106に重ならない範囲に配置される。センサ部2は、被験者101の嚥下に伴う甲状軟骨103の変位により変形し、甲状軟骨103の動きを検出する。
圧電フィルムセンサ3は、圧電素子の一例を示している。圧電フィルムセンサ3は、センサ部2の内側に位置して設けられている。圧電フィルムセンサ3は、フィルム状に形成され、その変形に応じて電気信号(電荷)を発生させる。
図3に示すように、圧電フィルムセンサ3は、複数(例えば2個)のセンシング部分3A,3B(センシング領域)を有している。センシング部分の個数は、2個に限らず、3個以上でもよいが、概ね2〜4個程度である。なお、センシング部分の個数は、1個でもよい。
センシング部分3A,3Bは、圧電フィルムセンサ3を被験者101の前頸部102に貼り付けた状態で、頸部の長さ方向(上下方向)に沿って並べられる。具体的には、センシング部分3A,3Bは、甲状軟骨103を挟んで上下方向に配置される。このため、上側のセンシング部分3Aは、甲状軟骨103の上側に配置される。下側のセンシング部分3Bは、甲状軟骨103の下側に配置される。センシング部分3A,3Bは、互いに電気的に分離され、個別に信号(アナログ信号S1a,S2a)を出力する。
図3に示すように、センシング部分3A,3Bの横方向寸法L1は、例えば5mm以上50mm以下が望ましい。センシング部分3A,3Bの縦方向寸法L2は、例えば5mm以上15mm以下が望ましい。複数のセンシング部分3A,3Bを合わせた合計の縦方向寸法は、即ち圧電フィルムセンサ3全体の縦方向寸法L3は、例えば20mm以上45mm以下が望ましい。このとき、センシング部分3A,3B等の横方向寸法L1および縦方向寸法L2等は、以下の事項を考慮して、設定されている。
1回の嚥下動作において、甲状軟骨103は、嚥下動作前の位置から上方に約20mm上昇し、前方に移動した後、下降して元の位置に戻る(図6ないし図9参照)。このため、圧電フィルムセンサ3の縦方向寸法L3は、20mm以上に設定されている。この場合、最大4個のセンシング部分を想定した場合には、1個のセンシング部分の縦方向寸法L2は、好ましくは5mm以上になる。
これに加え、甲状軟骨103の動きが1個のセンシング部分の範囲内に収まらないようにする必要がある。このため、1個のセンシング部分の縦方向寸法L2は、20mmよりも短い値として、例えば15mm以下に設定されている。
また、甲状軟骨103から下顎骨104までの距離は、顔の向きにもよるが、約50mmである。甲状軟骨103から下方の胸骨105までの距離は、約45mmである。このため、圧電フィルムセンサ3と本体部20とからなる嚥下センサ1全体の縦方向寸法は、95mm以下に設定される。これにより、圧電フィルムセンサ3および本体部20を固定するための貼付部材10は、縦方向において下顎骨104と胸骨105に重ならないように配置可能となる。このため、振動のノイズを検知してしまうことを抑制することができるのに加え、貼付部材10を剥がれ難くすることができる。
但し、胸骨105付近の皮膚は、甲状軟骨103付近の皮膚と比較して、上を向く動作時に上方への変位は小さい。従って、圧電フィルムセンサ3の貼付領域が胸骨105付近に達すると、上を向く動作と嚥下の判別精度が低下する。増幅回路21A,22A等を含む本体部20は、圧電フィルムセンサ3に比較して硬くて重い。このため、柔軟な圧電フィルムセンサ3の変形を阻害しないように、圧電フィルムセンサ3の下方または側方に配置することが望ましい。しかしながら、本体部20も皮膚に貼付する場合、本体部20が胸骨105にかかると、やはり上を向く動作と嚥下の判別精度が低下してしまう。本体部20の大きさは、バッテリ26等の内蔵部品の大きさのため、15mm程度以上になる。
また、下顎骨104付近の皮膚は弛んでいることが多い。特に高齢者では弛みが大きい。弛んだ皮膚上に圧電フィルムセンサ3を貼付すると皮膚の弛みにより甲状軟骨103の動きが圧電フィルムセンサ3に伝わり難くなる。従って、下顎骨104付近には圧電フィルムセンサ3を貼付しないことが望ましい。このため、圧電フィルムセンサ3全体の縦方向寸法L3は、好ましくは45mm以下に設定されている。
このような構成において、圧電フィルムセンサ3の中心が甲状軟骨103の突起部である喉頭隆起に重なると共に、複数のセンシング部分3A,3Bが縦方向に並ぶように嚥下センサ1が配置される。このような配置を想定し、圧電フィルムセンサ3(センシング部分3A,3B)の横方向寸法は、5mm以上に設定される。
甲状軟骨103の左右に配置された胸鎖乳突筋同士の相対的な距離は、約60〜100mmである。しかしながら、胸鎖乳突筋上の皮膚は、甲状軟骨103付近の皮膚と比較して、上を向く動作時に上方への変位は小さい。従って、胸鎖乳突筋近傍まで圧電フィルムセンサ3の貼付領域が達すると、上を向く動作と嚥下の判別精度が低下する。そのため、胸鎖乳突筋上の皮膚にかからないように、圧電フィルムセンサ3の横方向寸法は、50mm以下に設定されている。
図2に示すように、圧電フィルムセンサ3(センシング部分3A,3B)は、圧電フィルム4を用いて形成されている。具体的には、圧電フィルムセンサ3は、圧電フィルム4と第1,第2の電極膜5,6とによって構成されている。
圧電フィルム4は、絶縁材料からなる基材4A上に、圧電薄膜4Bを成膜することによって、形成されている。基材4Aには、例えばポリイミドフィルムが使用されるが、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のような他の樹脂フィルムを使用してもよい。ポリイミドは、樹脂フィルムとしては高耐熱であり、成膜時の温度上昇に耐えられるのに加え、電気接続を得るためのはんだ接続や熱圧着等での温度上昇にも耐えられる。このため、基材4Aの材料には、ポリイミドを用いるのが好ましい。
圧電薄膜4Bには、例えば窒化アルミニウム(AlN)が使用されるが、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸ナトリウムカリウム(KNN)等のような無機材料を用いてもよい。また、圧電フィルム4には、圧電高分子膜であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ乳酸(PLLA)を用いてもよい。
第1,第2の電極膜5,6は、圧電フィルムセンサ3の厚さ方向の両側(表面側と裏面側)にそれぞれ設けられている。このとき、第1の電極膜5は、圧電フィルム4の圧電薄膜4Bを覆って、圧電フィルム4の表面(一方の主面)に設けられている。第2の電極膜6は、圧電フィルム4の基材4Aを覆って、圧電フィルム4の裏面(他方の主面)に設けられている。
第1,第2の電極膜5,6には、例えば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のような金属材料が使用されるが、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性材料を使用してもよく、カーボン等を使用してもよい。第1,第2の電極膜5,6は、圧電フィルムセンサ3(センシング部分3A,3B)の変形に応じたアナログ信号S1a,S2aを検出し、本体部20の増幅回路21A,22Aに検出したアナログ信号S1a,S2aを出力する。この場合、微小な変形を検出するため、第1,第2の電極膜5,6は、軟らかく薄いものが好ましい。
絶縁フィルム7は、第1の電極膜5を覆って設けられている。このため、絶縁フィルム7と圧電フィルムセンサ3の圧電薄膜4Bとの間には、第1の電極膜5が挟まれている。絶縁フィルム7は、例えば絶縁性の軟質樹脂材料を用いて、弾性変形可能なフィルム状に形成されている。絶縁フィルム7は、第1の電極膜5を全面に亘って覆い、第1の電極膜5とシールド膜8,9との間を絶縁している。
シールド膜8,9は、センサ部2の外側(外殻)に位置して、圧電フィルムセンサ3および絶縁フィルム7の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられている。即ち、シールド膜8,9は、圧電フィルムセンサ3および絶縁フィルム7を厚さ方向の両側からそれぞれ覆っている。シールド膜8,9は、導電性があればよく、樹脂フィルムに金属薄膜を成膜したもの、導電性樹脂フィルム、導電糸で作製した導電性布(不織布)等が適している。シールド膜8,9は、弾性変形可能なシート状に形成されている。シールド膜8,9は、圧電フィルムセンサ3を外部の電磁ノイズからシールドする。シールド膜8,9は、本体部20に設けられた電気回路のグランド(GND)に接続されている。
貼付部材10は、嚥下センサ1の厚さ方向の一側に位置して設けられている。貼付部材10は、例えば生体適合性のある両面テープ等を用いて、長方形状に形成されている。貼付部材10は、嚥下センサ1を被験者101の前頸部102の体表に貼り付けるものである。
本体部20は、嚥下センサ1のうち上下方向の他端側(図1中の下側)に位置して設けられている。本体部20は、内蔵したバッテリ26によって駆動し、圧電フィルムセンサ3(圧電素子)から出力される信号を低周波成分の変位信号と高周波成分の音信号に分離する。そして、本体部20は、変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の変位信号および音信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する。
図4に示すように、本体部20は、前処理部21,22、信号処理部23、無線通信モジュール25、バッテリ26等を備えている。この場合、本体部20は、コネクタ(図示せず)等を用いてセンサ部2とは取外し可能に接続され、被験者101に貼付されたセンサ部2の下端側に貼り付けられている(図3参照)。これにより、センサ部2のみが破損した場合や汚れた場合に、センサ部2のみを本体部20から取外して交換することができる。
前処理部21,22は、圧電フィルムセンサ3のセンシング部分3A,3Bの個数に応じて、複数系統(例えば2系統)設けられている。前処理部21,22は、圧電フィルムセンサ3から出力されるアナログ信号S1a,S2aに対する前処理として、増幅、フィルタリング、A/D変換を行う。なお、図1および図3は、本体部20がセンサ部2の下側に配置された場合を例示した。本発明はこれに限らず、本体部20は、センサ部2の側方(右側または左側)に配置されてもよい。
前処理部21は、増幅回路21A、低域通過フィルタ21B(以下、LPF21Bという)、高域通過フィルタ21C(以下、HPF21Cという)、A/Dコンバータ21D,21Eを備えている。前処理部21の入力側は、圧電フィルムセンサ3のセンシング部分3Aに接続され、前処理部21の出力側は、信号処理部23に接続されている。
増幅回路21Aの入力側は、圧電フィルムセンサ3のセンシング部分3Aに接続されている。増幅回路21Aは、センシング部分3Aの第1,第2の電極膜5,6から出力されるアナログ信号S1aを増幅する。増幅されたアナログ信号S1aは、例えば数十〜100Hzを基準にして、LPF21BとHPF21Cとによって、低周波成分S1La(変位速度)と高周波成分S1Ha(音)とに分離される。
LPF21Bは、増幅されたアナログ信号S1aのうち、遮断周波数よりも低い低周波成分S1Laを通過させ、遮断周波数よりも高い成分を減衰させる。このとき、低周波成分S1Laは、嚥下に伴う甲状軟骨103の変位速度に応じた変位成分を含む。嚥下の判定を行うためには、低周波成分S1Laは、数十Hz以下の信号で十分である。このため、LPF21Bの遮断周波数は、例えば数十〜100Hz程度に設定されている。
HPF21Cは、増幅されたアナログ信号S1aのうち、遮断周波数よりも高い高周波成分S1Haを通過させ、遮断周波数よりも低い成分を減衰させる。このとき、高周波成分S1Haは、嚥下動作時の発生音に応じた音成分を含む。このため、高周波成分S1Haは、少なくとも3kHz程度までの信号を含む。HPF21Cの遮断周波数は、例えば数十〜100Hz程度に設定されている。
なお、HPF21Cの遮断周波数は、例えば嚥下音のような必要な音成分が取得できる範囲で、LPF21Bの遮断周波数よりも高い値(例えば、100〜500Hz程度)に設定してもよい。
A/Dコンバータ21Dは、LPF21Bから出力されたアナログ信号S1aの低周波成分S1Laを、デジタル信号S1Ldに変換する。このとき、嚥下判定を行うためには、変位信号(変位速度信号)は、数十Hz以下の周波数成分で十分である。このため、A/Dコンバータ21Dのサンプリング周波数は、数十Hz以下の変位信号を含む低周波成分S1Laに対して、十分に高い周波数(例えば、100Hz〜1000Hz程度)に設定されている。このように、A/Dコンバータ21Dのサンプリング周波数は、変位信号に適用されるため、音信号に適用されるA/Dコンバータ21Eのサンプリング周波数に比べて低い値(低サンプリング周波数)に設定されている。
A/Dコンバータ21Eは、HPF21Cから出力されたアナログ信号S1aの高周波成分S1Haを、デジタル信号S1Hdに変換する。このとき、音信号を取得するためには、サンプリング周波数は、最低でも3kHz程度までの周波数成分が必要になる。このため、A/Dコンバータ21Eのサンプリング周波数は、10kHz程度が必要になる。従って、A/Dコンバータ21Eのサンプリング周波数は、A/Dコンバータ21Dのサンプリング周波数に比べて高い値(高サンプリング周波数)に設定されている。
前処理部22は、前処理部21とほぼ同様に構成されている。このため、前処理部22は、増幅回路21A、LPF21B、HPF21C、A/Dコンバータ21D,21Eとほぼ同様な増幅回路22A、低域通過フィルタ22B(以下、LPF22Bという)、高域通過フィルタ22C(以下、HPF22Cという)、A/Dコンバータ22D,22Eを備えている。前処理部22の入力側は、圧電フィルムセンサ3のセンシング部分3Bに接続され、前処理部22の出力側は、信号処理部23に接続されている。
増幅回路22Aは、センシング部分3Bから出力されるアナログ信号S2aを増幅する。LPF22B、HPF22Cは、増幅されたアナログ信号S2aを、低周波成分S2La(変位速度)と高周波成分S2Ha(音)とに分離する。A/Dコンバータ22Dは、低周波成分S2Laをデジタル信号S2Ldに変換する。A/Dコンバータ22Eは、高周波成分S2Haをデジタル信号S2Hdに変換する。
信号処理部23は、嚥下の動作を判定する嚥下判定部を構成している。信号処理部23は、本体部20に設けられ、バッテリ26から供給される電力によって駆動する。信号処理部23の入力側は、A/Dコンバータ21D,21E,22D,22Eに接続されている。一方、信号処理部23の出力側は、メモリ24および無線通信モジュール25に接続されている。信号処理部23は、例えばマイクロコンピュータ(CPU)等により構成されている。信号処理部23は、デジタル信号S1Ld,S2Ldに基づいて、被験者101の嚥下を判定する。信号処理部23は、被験者101の嚥下を判定したときに、その検出した嚥下時の変位成分(デジタル信号S1Ld,S2Ld)と、音成分(デジタル信号S1Hd,S2Hd)とを抽出し、無線通信モジュール25を用いて無線出力する。これに加えて、信号処理部23は、嚥下時の信号データをメモリ24に保存する。
嚥下時のデータは、例えば変位速度成分の信号強度変化が閾値を超えたデータ範囲とすることができる。また、嚥下時のデータは、例えば予め設定しておいた嚥下の基準パターンと合致した変化パターンに対応するデータ範囲(基準パターンの嚥下開始点から嚥下終了点までのデータ範囲)としてもよい。さらに、嚥下時のデータは、上述した2つのデータ範囲のいずれか一方に、その前後の所定時間のデータを追加したデータ範囲としてもよい。
抽出されたデジタル信号S1Ld,S2Ld,S1Hd,S2Hdは、無線通信モジュール25を用いて無線出力される。これに加えて、抽出されたデジタル信号S1Ld,S2Ld,S1Hd,S2Hdは、本体部20の内部に設けられたメモリ24(記憶部)に保存される。このとき、メモリ24は、揮発性メモリと不揮発性メモリのいずれでもよい。
無線通信モジュール25は、本体部20に設けられ、信号処理部23と接続されている。無線通信モジュール25は、各種の無線通信規格に応じて信号を変調する変調回路と、変調信号を送信する送信部(いずれも図示せず)等を備えている。無線通信モジュール25は、信号処理部23によって抽出された嚥下時のデジタル信号S1Ld,S2Ld,S1Hd,S2Hdを、外部機器としての嚥下解析装置30に向けて出力する。嚥下解析装置30は、受信したデータに基づいて、嚥下機能解析を行う。
無線通信モジュール25の通信方式は、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、ANT(登録商標)、UWB、NFC(近距離無線通信)等が適用可能である。特に、無線通信モジュール25の通信方式は、消費電力量が小さいBluetooth Low Energy(以下、BLEという)を用いることが好ましい。但し、BLEの場合、音信号のようにデータ容量の大きい信号を、継続的に常時送信する用途には向かない。そのため、BLEを用いて消費電力を低減するためには、送信するデータ量をできるだけ低減することが必要である。
そのためには、データ量が大きい音信号は、嚥下機能解析に必要となる嚥下時のデータのみを抽出して送信することが重要になる。この点を考慮して、信号処理部23は、変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の変位信号および音信号のデータを抽出する。
また、データ量の多い音信号を常時解析すると、変位信号(変位速度信号)の解析時よりも消費電力は増加する。これに対し、信号処理部23による嚥下判定は、データ量の少ない変位信号(変位速度信号)に基づいて行う。このため、通信時以外の消費電力も抑制することができる。
バッテリ26は、本体部20に設けられ、前処理部21,22、信号処理部23、無線通信モジュール25等と接続されている。このバッテリ26は、増幅回路21A,22A、A/Dコンバータ21D,21E,22D,22E、信号処理部23、無線通信モジュール25等に駆動電圧(電力)を供給する電源を構成している。
嚥下解析装置30は、例えばPC(コンピュータ)、携帯端末、記憶装置、サーバ(いずれも図示せず)等のような外部機器によって構成されている。嚥下解析装置30は、無線通信モジュール25から送信される嚥下時の変位信号および音信号のデータを受信し、嚥下機能判定を行う。具体的には、嚥下解析装置30は、変位信号に基づいて嚥下動作を判定すると共に、そのときの音信号に基づいて、例えば嚥下反射の鈍化や嚥下タイミングの異常のような嚥下機能障害の有無を判定する。
嚥下解析システムSは上述の如き構成を有するもので、次に信号処理部23によって被験者101の嚥下を検出する嚥下検出処理について、図5を参照して説明する。この嚥下検出処理は、嚥下センサ1が駆動している間に所定周期毎に繰り返し実行される。
まず、ステップ1では、LPF21B,22Bから出力された低周波成分S1La,S2Laを、A/Dコンバータ21D,22Dによって、デジタル信号S1Ld,S2Ldに変換する。信号処理部23は、例えば100Hz程度の低サンプリング周波数で変換された、変位信号のデータとなるデジタル信号S1Ld,S2Ldを取得する。
ここで、嚥下前に生じる喉の動作に伴って、変位速度(デジタル信号S1Ld,S2Ld)の絶対値は増加する。このため、続くステップ2では、変位信号のデジタル信号S1Ld,S2Ldに基づいて、変位速度の絶対値が所定の閾値ST以上か否かを判定する。変位速度の絶対値が閾値STよりも小さいときには、嚥下前の動作は検出されない。このため、ステップ2で「NO」と判定し、ステップ1に戻る。一方、変位速度の絶対値が所定の閾値STを超えたときには、嚥下前の動作が検出されている。このため、ステップ2で「YES」と判定し、ステップ3,4に移行する。
ステップ3では、センシング部分3A,3Bの信号強度変化を個別に取得する。具体的には、変位信号を含むデジタル信号S1Ld,S2Ldの時間変化の波形パターンを取得する。ステップ4では、A/Dコンバータ21D,22Dを用いて、HPF21C,22Cから出力された高周波成分S1Ha,S2Haをデジタル信号S1Hd,S2Hdに変換する。そして、信号処理部23は、音信号を含むデジタル信号S1Hd,S2Hdの取得を開始する。
続くステップ5では、デジタル信号S1Ld,S2Ldの変化パターンと各センシング部分3A,3Bでの変化(例えば信号強度最大)のタイミングが所定範囲内か否かに基づいて、嚥下か否かを判定する。
図13に、嚥下時の波形パターンの一例を示す。図13に示すように、嚥下時には、1.5秒付近で、上側のセンシング部分3Aの下向きの鋭いピークPa1と、下側のセンシング部分3Bの上向きの鋭いピークPb1が所定時間内に発生する。その後に、1.6秒付近で、上側のセンシング部分3Aの少しブロードな上向きのピークPa2と、下側のセンシング部分3Bの少しブロードな上向きのピークPb2が所定時間内に発生する。さらに、1.7〜2.1秒付近で、緩やかな下向きの2個のピークPb3,Pb4が所定時間内に発生する。このため、信号処理部23は、これらのピークPa1,Pa2,Pb1〜Pb4が全て発生したか否かに基づいて、嚥下か否かの判定を行う。
ピークPa1,Pb1は、喉頭隆起の上方への移動(挙上)に対応している。ピークPa2,Pb2は、喉頭隆起の前方への移動(前進)に対応している。ピークPb3,Pb4は、喉頭隆起の元の位置への移動に対応している。
上側のセンシング部分3Aの下向きの鋭いピークPa1と、下側のセンシング部分3Bの上向きの鋭いピークPb1を得るためには、上側のセンシング部分3Aと下側のセンシング部分3Bの配置間隔を、皮膚上から甲状軟骨103の動きを捉え易いように、喉頭隆起の頸部の長さ方向の大きさ程度にし(10〜35mm程度)、喉頭隆起を挟んで上下に上側のセンシング部分3Aと下側のセンシング部分3Bを配置することが望ましい。複数のセンシング部分3A,3Bをこのように配置した場合には、喉頭隆起の上方移動と前方移動を区別して判定することが可能である。
なお、図13は、嚥下時の波形パターンの一例を示したものであり、例えば圧電フィルムセンサ3の貼付位置、測定条件の違い、個人差、嚥下障害度合等に応じて、ピーク個数やピークタイミングが異なる場合がある。このため、嚥下の判定には、全てのピークPa1,Pa2,Pb1〜Pb4を用いる必要はなく、例えばピークPa1,Pa2のように、検出が容易で特徴的なものだけを用いてもよい。また、例えば、下側のセンシング部分3BのピークPb3,Pb4に対応した時刻に、上側のセンシング部分3Aでもピークが検出されることがある。このため、ピークPa1,Pa2,Pb1〜Pb4だけでなく、他のピークも併せて考慮することによって、嚥下の判定を行ってもよい。
また、嚥下判定は、変位信号に限らず、音信号を考慮してもよい。具体的には、前述した変位信号の判定条件が満たされるか否かに加えて、音信号に、例えば嚥下音が含まれるか否かも考慮して、嚥下か否かを判定してもよい。
上述の判定条件を満たさないときには、嚥下とは判定しない。このため、ステップ5で「NO」と判定し、ステップ1に戻る。これに対し、上述の判定条件を満たすときには、嚥下と判定する。このため、ステップ5で「YES」と判定し、ステップ6に移行して、嚥下時のデータのみを抽出する。
例えば、嚥下時のデータは、ステップ2で嚥下前の動作を検出した時点(変位速度の絶対値が所定の閾値STを超えた時点)を始点とし、ステップ5で嚥下を判定してから所定時間が経過する時点を終点としたときに、始点から終点までの間のデジタル信号S1Ld,S2Ld,S1Hd,S2Hdのデータである。
なお、所定時間は、例えば被験者101毎の波形データの個人差を考慮し、適宜設定される。また、ステップ2で取得を開始したデータを全て抽出する必要はなく、例えばステップ5で嚥下を判定した時点を基準に、その前後で予め決められた時間範囲内のデータを抽出してもよい。続くステップ7では、抽出したデータを、無線通信モジュール25を用いて外部機器としての嚥下解析装置30に送信する。これに加えて、抽出したデータを、内部メモリ24に保存する。なお、無線送信されたデータを、嚥下解析装置30が確実に受信できるのであれば、内部メモリ24に対するデータの保存処理は省いてもよい。
かくして、本実施の形態によれば、本体部20は、甲状軟骨103の変位信号を用いて嚥下検出判定を行うため、嚥下判定精度が高くなる。本体部20は、低周波成分である変位信号から嚥下検出判定を行うため、嚥下検出判定の演算処理には高スループットの処理性能が不要である。さらに、本体部20は、バッテリ26を内蔵すると共に、無線でデータを出力するから、給電およびデータ出力用のケーブルが不要になる。このため、ケーブルの重量がなくなることから、圧電フィルムセンサ3および本体部20を含めた嚥下センサ1が、重みによって皮膚から剥離するのを抑制することができる。
また、本体部20は、測定データを処理して嚥下判定を行い、嚥下を検出したと判定する毎に、その嚥下時の信号(デジタル信号S1Ld,S2Ld,S1Hd,S2Hd)のデータを抽出して無線で外部へ出力する。このため、無線で送信するデータは嚥下時のデータのみとなり、大量のデータを継続的に送信する必要がない。従って、例えば無線通信モジュール25の消費電力を抑制でき、内蔵バッテリ26として小型低背低容量のものを使用することができる。
さらに、嚥下解析は、被験者101に装着する本体部20の内部ではなく、外部の嚥下解析装置30で行う。このとき、嚥下解析装置30には、内部解析処理の書き換えが可能なPC、端末等を用いることができる。現状では嚥下の解析手法が確立されておらず、今後修正される可能性がある。このように嚥下解析方法を修正する場合でも、修正後の解析方法を容易に適用することができる。
また、本体部20は、低サンプリング周波数で変位信号のデータを取得し、変位信号のデータに所定の条件を満たす変化が検出された場合に、高サンプリング周波数で音信号のデータを取得する。このため、通常時には、データ量が少なく、高速処理が不要であるため、本体部20の消費電力を抑制することができる。この結果、内蔵バッテリ26には、低容量のものを使用することができる。
また、甲状軟骨103周辺の変位が発生し始めて、変位信号のデータに所定の条件(例えば、変化率が閾値以上となる)を満たす変化が検出され始めると、本体部20は、高サンプリング周波数で音信号のデータを取得する。このため、変位信号のデータだけでなく、音信号のデータも使用することで、精度よく嚥下検出判定を行うことができる。
さらに、本体部20は、変位信号および音信号のうち、甲状軟骨103周辺の変位が発生している嚥下の可能性が高い部分のデータのみを自動的に抽出する。このため、例えば睡眠時の測定等であっても、嚥下が発生していない不要なデータを省くことができる。従って、事後的なデータ解析によって、長時間のデータから嚥下を抽出する作業が不要になる。
また、圧電フィルムセンサ3は、嚥下に伴って発生する甲状軟骨103の動きの範囲の皮膚に貼り付けられる。このため、例えば首(頸部)の太さおよび形状が被験者101毎に異なるときでも、このような個人差の影響を抑制することができ、多くの人に調整することなく使用することができる。
さらに、圧電フィルムセンサ3は、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分3A,3Bを有し、複数のセンシング部分3A,3Bのそれぞれの変形に伴う信号をそれぞれ出力する。このため、複数のセンシング部分3A,3Bは、甲状軟骨103の動作(上方移動、前方移動)に応じて、互いに波形パターンの異なる信号を出力することができる。このため、複数のセンシング部分3A,3Bからのアナログ信号S1a,S2aを用いることによって、単一のセンシング部分を用いた場合に比べて、嚥下を容易に特定することができる。
また、圧電フィルムセンサ3は、甲状軟骨103上の皮膚に貼り付けられ、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分3A,3Bを有する。このとき、例えば頷くときのように、甲状軟骨103とその上の皮膚の相対位置が変化しない首の動作(首を縦に振る動作)をしたときには、甲状軟骨103と皮膚との相対位置が変化しない。これ対し、嚥下動作をしたときには、甲状軟骨103と皮膚との相対位置が変化する。
この点について、図6ないし図12を参照して具体的に説明する。例えば、図6に示すように、嚥下動作前の基準姿勢時となる口腔期には、被験者101は、食物Fを咀嚼し、咽頭へ送り込む。このとき、甲状軟骨103は、2個のセンシング部分3A,3Bとのうち下側のセンシング部分3Bに近い位置に配置されている。
続く、咽頭期では、被験者101は、食物Fを口腔から咽頭へ送り込む。このとき、図7に示すように、下側のセンシング部分3Bの下にあった甲状軟骨103が、嚥下動作時に上側のセンシング部分3Aの下に移動する。続く、図8および図9に示す食道期では、被験者101は、食物Fを咽頭から食道へ送り込む。このとき、気道は閉塞されるため、食物Fは気道には入らない。食物Fは、食道から胃に送り込まれる。
ここで、嚥下動作時には、下側のセンシング部分3Bからの変位信号(低周波成分S1La)と、上側のセンシング部分3Aからの変位信号(低周波成分S2La)とでは、その波形パターンが異なる。出力の変位速度成分が最大となるのは、甲状軟骨103が上方へ移動するときである(図7参照)。図10および図11に示すように、例えば、甲状軟骨103が圧電フィルムセンサ3の下側から上側に移動するときには、下側のセンシング部分3Bからの変位信号と、上側のセンシング部分3Aからの変位信号とには、互いに逆向きの大きなピークPa1,Pb1が発生する(図13参照)。
これに対し、図12に示すように、上を向く動作時には、甲状軟骨103は、下側のセンシング部分3Bの下から移動しない。このため、出力の変位速度成分に大きなピークは発生し難く、また発生したとしても、下側のセンシング部分3Bからの変位信号と上側のセンシング部分3Aからの変位信号とでは、互いに逆向きの大きなピークは発生しない。このように、首の上下動作と嚥下動作とで、センシング部分3A,3Bからの変位信号が異なるから、首の上下動作に伴う誤検出を抑制することができる。
なお、図10ないし図12に示すように、首の側面部Aおよび前頸部102の下部Bに対する甲状軟骨103の相対位置関係は、嚥下動作時と上を向く動作時とでは、あまり差がないことが分かる。一方、嚥下動作時には、甲状軟骨103は上方に変位するが、首の側面部Aと前頸部102の下部Bはほぼ変位しない。これに対し、特許文献1に開示されたように、保持バンドを首に巻き付けてセンサを頸部に固定した場合には、被験者101が上を向くと後頸部に対して甲状軟骨103が上方に変位する。このため、嚥下動作による皮膚下での甲状軟骨103の動きと、首の上下動による後頸部に対する甲状軟骨103の動きとを、区別することが難しくなる。従って、嚥下センサ1を固定する範囲は、甲状軟骨103上とその近傍の狭い範囲の皮膚であることが望ましい。
但し、センシング領域が狭い範囲だと嚥下時の甲状軟骨103が移動した際に、甲状軟骨103のセンシング領域の範囲外に出てしまう。このため、嚥下センサ1は、甲状軟骨103が移動する範囲を複数のセンシング部分3A,3Bで覆っている。
嚥下センサ1は、複数のセンシング部分3A,3Bのアナログ信号S1a,S2aに基づいて甲状軟骨103の動きを検出し、嚥下の動作を判定する信号処理部23を備える。このとき、複数のセンシング部分3A、3Bは、甲状軟骨103の動作(上方移動、前方移動)に応じて、互いに波形パターンの異なるアナログ信号S1a,S2aを出力することができる。このため、信号処理部23は、複数のセンシング部分3A,3Bからアナログ信号S1a,S2aが出力されたときに、それぞれのアナログ信号S1a,S2aの波形パターンの特徴を比較することによって、甲状軟骨103の動きを検出し、嚥下の動作を判定することができる。
具体的には、信号処理部23は、複数のセンシング部分3A,3Bのアナログ信号S1a,S2aに基づいて喉頭隆起の上方移動と前方移動を判定することで嚥下を判定する。このため、信号処理部23は、アナログ信号S1a,S2aに、喉頭隆起の上方移動に応じたピークPa1,Pb1と、喉頭隆起の前方移動に応じたピークPa2,Pb2が発生するか否かに応じて、嚥下を判定することができる。
圧電フィルムセンサ3は、圧電フィルム4を用いて形成されているから、センシング部分3A,3Bを薄くて軽く形成することができ、甲状軟骨103を含む喉頭の動きを阻害しない。また、患者の違和感を小さくすることができる。これに加え、貼付面積当たりの圧電フィルムセンサ3の重量を小さくすることができるから、頸部の皮膚からの剥離を抑制することができる。
信号処理部23は、圧電フィルムセンサ3から出力されるアナログ信号S1a,S2aの変位成分(低周波成分S1La,S2La)を用いて嚥下の動作を判定する。このとき、変位成分は、信号の周波数が低いから、信号処理部23は、サンプリング周波数の低いデジタル信号S1Ld,S2Ldの変位成分を用いて嚥下の動作を判定することができる。
信号処理部23が嚥下と判定したときに、その検出した嚥下時の信号データの変位成分(低周波成分S1La,S2Laのデジタル信号S1Ld,S2Ld)と音成分(高周波成分S1Ha,S2Haのデジタル信号S1Hd,S2Hd)を抽出し、無線出力する。このとき、嚥下解析装置30は、嚥下時の変位信号および音信号のデータから嚥下機能を判定する。このため、嚥下機能異常において散見される異音発生等の検出も可能になり、嚥下機能(嚥下障害)判定の精度が向上する。
また、音成分は、最低でも3kHz程度までの周波数成分が必要になるため、サンプリング周波数としては10kHz程度必要になる。このため、音成分を長時間測定すると、データ量が膨大になる。これに対し、嚥下センサ1は、嚥下と判定したときに、その検出した嚥下時の信号データの変位成分と音成分を抽出し、無線出力する。このため、常時は信号データの変位成分および音成分を無線出力する必要がなく、嚥下判定時に限って信号データの変位成分と音成分を抽出すればよい。従って、信号データを常に無線出力する場合に比べて、取得データの膨大化を抑制することができる。
なお、前記実施の形態では、増幅後のアナログ信号を低周波成分と高周波成分とに分離する構成とした。本発明はこれに限らず、AD変換後のデジタル信号で低周波成分と高周波成分とに分離してもよい。さらに、増幅前のアナログ信号を低周波成分と高周波成分とに分離してもよい。
また、前記実施の形態では、圧電素子として圧電フィルムセンサ3を例示したが、圧電素子はフィルム状である必要はなく、バルク状(塊状)であってもよい。また、圧電素子の圧電材料は、圧電性を有する物質であれば特に限定されるものではない。例えば、圧電素子の圧電材料は、ウルツ鉱型構造を有する化合物やペロブスカイト構造(ABO3)を有する複合酸化物(ペロブスカイト系複合酸化物)を主成分とする材料を用いることができる。
ウルツ鉱型構造を有する化合物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化亜鉛またはヨウ化銀が挙げられる。
ペロブスカイト系複合酸化物のペロブスカイト構造(ABO3)のAサイトとしては、例えば、鉛(Pb)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、リチウム(Li)およびビスマス(Bi)の中から選択される少なくとも1種の元素を採用することができる。ペロブスカイト構造(ABO3)のBサイトとしては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、コバルト(Co)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)および鉄(Fe)の中から選択される少なくとも1種の元素が採用される。
このようなペロブスカイト系複合酸化物の具体例としては、チタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr,Ti)O](PZTともいう)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O]、チタン酸バリウム(BaTiO)、(Pb,La)(Zr,Ti)O[チタン酸鉛(PbTiO)など]、等が挙げられる。
また、前記実施の形態では、消費電力低減のために、嚥下センサ1の動作開始時には、低サンプリング周波数での変位信号のデータのみを取得するものとした。本発明はこれに限らず、例えば、嚥下センサ1の動作開始時から、高サンプリング周波数で変位信号および音信号のデータを取得してもよい。
次に、上記の実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明による嚥下解析システムは、嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられた圧電素子と、内蔵したバッテリによって駆動し、前記圧電素子から出力される信号の低周波成分である変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する嚥下検出装置と、嚥下時の前記信号のデータを受信して嚥下機能判定を行う嚥下解析装置と、を備えている。
本発明によれば、嚥下検出装置は、甲状軟骨の変位信号を用いて嚥下検出判定を行うため、嚥下判定精度が高くなる。嚥下検出装置は、低周波成分である変位信号から嚥下検出判定を行うため、嚥下検出判定の演算処理には高スループットの処理性能が不要である。さらに、嚥下検出装置は、バッテリを内蔵すると共に、無線でデータを出力するから、給電およびデータ出力用のケーブルが不要になる。このため、ケーブルの重量がなくなることから、重みによって圧電素子および嚥下検出装置が皮膚から剥離するのを抑制することができる。
また、嚥下検出装置は、測定データを処理して嚥下判定を行い、嚥下を検出したと判定する毎に、その嚥下時の信号のデータを抽出して無線で外部へ出力する。このため、無線で送信するデータは嚥下時のデータのみとなり、大量のデータを継続的に送信する必要がない。従って、例えば通信モジュールの消費電力を抑制でき、内蔵バッテリとして小型低背低容量のものを使用することができる。
さらに、嚥下解析は、被験者に装着する嚥下検出装置の内部ではなく、外部の嚥下解析装置で行う。このとき、嚥下解析装置には、内部解析処理の書き換えが可能なコンピュータ、端末等を用いることができるから、嚥下解析方法を修正した場合でも、修正後の解析方法を容易に適用することができる。
本発明では、前記嚥下検出装置は、前記変位信号を低サンプリング周波数で取得し、前記変位信号のデータに所定の条件を満たす変化が検出されたときに、高サンプリング周波数で前記圧電素子から出力される信号の高周波成分である音信号の取得を開始し、前記変位信号に基づいて嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記変位信号および前記音信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する。
本発明によれば、低サンプリング周波数で変位信号のデータを取得し、変位信号のデータに所定の条件を満たす変化が検出された場合に、高サンプリング周波数で音信号のデータを取得する。このため、通常時には、データ量が少なく、高速処理が不要であるため、消費電力を抑制することができる。この結果、内蔵バッテリには、低容量のものを使用することができる。
また、甲状軟骨周辺の変位が発生し始めて、変位信号のデータに所定の条件(例えば、変化率が閾値以上となる)を満たす変化が検出され始めると、高サンプリング周波数で音信号のデータを取得する。このため、変位信号のデータだけでなく、音信号のデータも使用することで、精度よく嚥下検出判定を行うことができる。
さらに、変位信号および音信号のうち、甲状軟骨周辺の変位が発生している嚥下の可能性が高い部分のデータのみを自動的に抽出する。このため、例えば睡眠時の測定等であっても、嚥下が発生していない不要なデータを省くことができる。従って、事後的なデータ解析によって、長時間のデータから嚥下を抽出する作業が不要になる。
本発明では、前記圧電素子は、嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられ、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分を有し、複数の前記センシング部分の変形に伴う信号を個別に出力し、前記嚥下検出装置は、複数の前記センシング部分の信号に基づいて甲状軟骨の動きを検出し、嚥下の動作を判定する。
本発明によれば、圧電素子は、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分を有し、複数のセンシング部分の変形に伴う信号をそれぞれ出力する。このため、複数のセンシング部分は、甲状軟骨の動作(上方移動、前方移動)に応じて、互いに波形パターンの異なる信号を出力することができる。この結果、複数のセンシング部分からの信号を用いることによって、単一のセンシング部分を用いた場合に比べて、嚥下を容易に特定することができる。
また、圧電素子は、甲状軟骨上の皮膚に貼り付けられ、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分を有する。このとき、例えば頷く動作のように、甲状軟骨とその上の皮膚の相対位置が変化しない首の動作(首を縦に振る動作)をしたときには、甲状軟骨と皮膚との相対位置が変化しない。これ対し、嚥下動作をしたときには、甲状軟骨と皮膚との相対位置が変化する。このため、首の上下動作と嚥下動作とで、センシング部分からの信号が異なるから、首の上下動作に伴う誤検出を抑制することができる。
本発明では、前記嚥下検出装置は、複数の前記センシング部分の信号に基づいて喉頭隆起の上方移動と前方移動を判定することで嚥下を判定する。
喉頭隆起の上方移動では、喉頭隆起が上方に移動することによって、複数のセンシング部分の信号にピークが発生する。また、喉頭隆起の前方移動では、喉頭隆起が前方に移動することによって、複数のセンシング部分の信号にピークが発生する。嚥下検出装置は、これらのピークの有無を判定することによって、嚥下を判定することができる。
本発明では、前記圧電素子は圧電フィルムを用いて形成されている。
本発明によれば、圧電素子は圧電フィルムを用いて形成されているから、貼付面積当たりの圧電素子の重量を小さくすることができる。このため、センシング部分を薄くて軽く形成することができ、甲状軟骨を含む喉頭の動きを阻害しない。また、患者の違和感を小さくすることができるのに加え、軽いため、頸部の皮膚からの剥離を抑制することができる。
本発明では、前記嚥下解析装置は、嚥下時の前記変位信号および前記音信号のデータに基づいて嚥下機能を判定する。
このため、嚥下機能異常において散見される異音発生等の検出も可能になり、嚥下機能(嚥下障害)判定の精度が向上する。
1 嚥下センサ
2 センサ部
3 圧電フィルムセンサ(圧電素子)
3A,3B センシング部分
4 圧電フィルム
5,6 第1,第2の電極膜
10 貼付部材
20 本体部(嚥下検出装置)
21,22 前処理部
21B,22B LPF
21C,22C HPF
23 信号処理部
24 メモリ
25 無線通信モジュール
26 バッテリ
30 嚥下解析装置
S 嚥下解析システム
本発明は、嚥下センサおよび嚥下解析システムに関する。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、嚥下時のデータを高確度で抽出することができる嚥下センサおよび嚥下解析システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明による嚥下センサは、嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられた圧電素子と、内蔵したバッテリによって駆動し、前記圧電素子から出力される信号の低周波成分である変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する嚥下検出装置と、を備えている。
以下、本発明の実施の形態による嚥下センサおよび嚥下解析システムを、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図5に本発明の実施の形態による嚥下解析システムSを示す。嚥下解析システムSは、嚥下センサ1と、嚥下解析装置30とを備えている。嚥下センサ1は、被験者101(人体)の嚥下を検出するセンサ部2と、センサ部2から出力された信号を処理する嚥下検出装置としての本体部20と、を有している。

Claims (6)

  1. 嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられた圧電素子と、
    内蔵したバッテリによって駆動し、前記圧電素子から出力される信号の低周波成分である変位信号に基づいてリアルタイムで嚥下検出の判定を行い、嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する嚥下検出装置と、
    嚥下時の前記信号のデータを受信して嚥下機能判定を行う嚥下解析装置と、を備えた嚥下解析システム。
  2. 前記嚥下検出装置は、前記変位信号を低サンプリング周波数で取得し、
    前記変位信号のデータに所定の条件を満たす変化が検出されたときに、高サンプリング周波数で前記圧電素子から出力される信号の高周波成分である音信号の取得を開始し、
    前記変位信号に基づいて嚥下を検出したときに、その検出した嚥下時の前記変位信号および前記音信号のデータを抽出して、無線で外部へ出力する請求項1に記載の嚥下解析システム。
  3. 前記圧電素子は、嚥下に伴って発生する甲状軟骨の動きの範囲に位置して前頸部の皮膚に貼り付けられ、頸部の長さ方向に複数のセンシング部分を有し、複数の前記センシング部分の変形に伴う信号を個別に出力し、
    前記嚥下検出装置は、複数の前記センシング部分の信号に基づいて甲状軟骨の動きを検出し、嚥下の動作を判定する請求項1に記載の嚥下解析システム。
  4. 前記嚥下検出装置は、複数の前記センシング部分の信号に基づいて喉頭隆起の上方移動と前方移動を判定することで嚥下を判定する請求項3に記載の嚥下解析システム。
  5. 前記圧電素子は圧電フィルムを用いて形成された請求項1に記載の嚥下解析システム。
  6. 前記嚥下解析装置は、嚥下時の前記変位信号および前記音信号のデータに基づいて嚥下機能を判定する請求項1に記載の嚥下解析システム。
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