各図に適宜示すXYZ座標系において、X軸方向は、正の側を前側とし、負の側を後側とする前後方向Xである。Y軸方向は、前後方向Xと直交し、かつ、正の側を左側、負の側を右側とする左右方向Yである。Z軸方向は、前後方向Xおよび左右方向Yの両方と直交し、かつ、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向Zである。また、ある対象に対して、左右方向Yにおけるアキュムレータ装置10の中心に近い側を「左右方向Yの内側」と呼ぶ場合があり、左右方向Yにおけるアキュムレータ装置10の中心から遠い側を「左右方向Yの外側」と呼ぶ場合がある。
なお、前後方向、左右方向、上下方向、前側、後側、右側、左側、上側および下側、とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
<第1実施形態>
本実施形態においては、前後方向Xは、第1方向に相当する。左右方向Yは、第2方向に相当する。上下方向Zは、第3方向に相当する。前側は、第1方向一方側に相当する。
後側は、第1方向他方側に相当する。
図1に示す本実施形態のアキュムレータ装置10は、例えば、車両の自動変速機のコントロールバルブCVに設けられる。コントロールバルブCVは、被取付体である。図1および図2に示すように、アキュムレータ装置10は、ボディ20と、逆止弁50と、電磁弁40と、複数のアキュムレータ30と、を備える。すなわち、アキュムレータ装置10は、アキュムレータ30と電磁弁40とがユニット化された装置である。図1に示すように、本実施形態において複数のアキュムレータ30は、左右方向Yに隣り合う一対のアキュムレータ30A,30Bを含む。
一対のアキュムレータ30A,30Bは、配置される位置が異なり、左右方向Yに対称に配置される点を除いて、同様の構成を有する。以下の説明において、アキュムレータ30Aとアキュムレータ30Bとを特に区別しない場合においては、単にアキュムレータ30と呼ぶ。
ボディ20は、被取付体としてのコントロールバルブCVに取り付けられる。図2に示すように、ボディ20は、基部21と、突出部22と、を有する。図3に示すように、基部21は、基部本体21aと、4つの取付部21bと、を有する。基部本体21aを下側から視た形状は、略矩形状である。取付部21bは、基部本体21aの前後方向Xの両端からそれぞれ左右方向Yの外側に突出する。図1および図4に示すように、取付部21bは、取付部21bを上下方向Zに貫通する孔に通されたネジがコントロールバルブCVに締め込まれて固定される。これにより、アキュムレータ装置10は、コントロールバルブ
CVに固定される。
基部本体21aの下面と取付部21bの下面とは、上下方向Zと直交する同一平面上に配置され、基部21の下面を構成する。基部21の下面は、平坦な面であり、前後方向Xおよび左右方向Yに沿った面である。基部21の下面は、ボディ20の下面20bである。アキュムレータ装置10がコントロールバルブCVに固定された状態において、ボディ20の下面20bは、コントロールバルブCVに接触して固定される。
図1および図2に示すように、突出部22は、基部本体21aの前側の部分から上側に突出する部分である。図2に示すように、突出部22は、凹部23を有する。凹部23は、突出部22の後側の面から前側に窪む。凹部23の前後方向Xと直交する断面形状は、例えば、円形状である。凹部23は、大径凹部23aと、小径凹部23bと、を有する。大径凹部23aは、突出部22の後側の面に開口する。小径凹部23bは、大径凹部23aの底面から前側に窪む。小径凹部23bの内径は、大径凹部23aの内径よりも小さい。
ボディ20は、内部に油路20aを有する。油路20aは、上述した凹部23の一部と、インポート26と、アウトポート27と、入力油路24と、出力油路25と、を有する。インポート26は、コントロールバルブCVの第1ポートIPからオイルOが流入するポートである。アウトポート27は、コントロールバルブCVの第2ポートOPへとオイルOを排出するポートである。
本実施形態においてインポート26およびアウトポート27は、ボディ20の下面20bに開口する。図3に示すように、インポート26は、ボディ20の下面20bのうち左右方向Yの中央における前側の端部に配置される。アウトポート27は、ボディ20の下面20bのうち左右方向Yの中央における前後方向Xの中央に配置される。インポート26の下側から視た形状およびアウトポート27の下側から視た形状は、例えば、円形状である。
図2に示すように、入力油路24は、第1部分24aと、第2部分24bと、を有する。図4に示すように、第1部分24aは、一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通って、インポート26から上側に延びる。すなわち、入力油路24は、左右方向Yに隣り合う一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通る。第1部分24aの内周面は、上下方向Zに延びる円筒状である。図2に示すように、第1部分24aは、ボディ20における前側の端部に設けられる。すなわち、入力油路24は、ボディ20における前側の端部に設けられる。
第1部分24aは、上側の端部に開口部24cを有する。開口部24cは、栓体60によって閉塞される。栓体60は、例えば、栓体60の外周面に設けられた雄ネジ部が、第1部分24aにおける上側の端部の内周面に設けられた雌ネジ部に締め込まれて、第1部分24a内に固定される。
第1部分24aは、インポート26よりも上側にアキュムレータ30と接続される接続部24eを有する。すなわち、入力油路24は、接続部24eを有する。図4に示すように、本実施形態において接続部24eの左右方向Yの両側には、それぞれ一対のアキュムレータ30A,30Bが接続される。これにより、入力油路24は、複数のアキュムレータ30に繋がる。第1部分24aは、第1部分24aの内径が上下方向Zのインポート26側、すなわち下側に向かって小さくなる弁座部24dを有する。弁座部24dは、接続部24eよりも下側に位置する。
図2に示すように、第2部分24bは、第1部分24aにおける開口部24cよりも下側で、かつ、接続部24eよりも上側の部分から後側に延びる。第2部分24bの後側の端部は、小径凹部23bの底面の下部に開口する。第2部分24bの内周面は、前後方向Xに延びる円筒状である。入力油路24は、小径凹部23bを介して、インポート26と後述する弁部43とを繋ぐ。
出力油路25は、アウトポート27から上側に延びる。出力油路25の上側の端部は、大径凹部23aの内周面に開口し、後述する弁部43と接続される。これにより、出力油路25は、弁部43とアウトポート27とを繋ぐ。出力油路25の内周面は、上下方向Zに延びる円筒状である。出力油路25は、ボディ20における後側の端部よりも前側の部分に設けられる。そのため、出力油路25がボディ20における後側の端部に設けられる場合に比べて、油路20aを前後方向Xに小型化でき、アキュムレータ装置10全体を前後方向Xに小型化しやすい。本実施形態では、出力油路25は、ボディ20における前後方向Xの中央に設けられる。図3に示すように、出力油路25は、左右方向Yに隣り合う一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通る。入力油路24と出力油路25とは、互いに異なる別流路である。
図1に示すように、複数のアキュムレータ30、すなわち一対のアキュムレータ30A,30Bは、それぞれ前後方向Xに延び、前後方向Xと直交する左右方向Yに並んで配置される。図4に示すように、本実施形態において一対のアキュムレータ30A,30Bは、第1部分24aの左右方向Yの両側に隣接して配置される。複数のアキュムレータ30は、基部21に保持される。図5に示すように、アキュムレータ30Aの前後方向Xの位置は、アキュムレータ30Bの前後方向Xの位置と同じである。アキュムレータ30は、外筒部31と、固定部32と、受圧部33と、Oリング34と、圧縮コイルバネ35a,35bと、を有する。
外筒部31は、前後方向Xに延びる有底の円筒状である。外筒部31は、後側に開口する。アキュムレータ30Aの外筒部31は、第2中心軸J2を中心とする。アキュムレータ30Bの外筒部31は、第3中心軸J3を中心とする。外筒部31は、ボディ20の一部であり、基部21および突出部22と単一の部材として設けられる。本実施形態においてアキュムレータ30Aの外筒部31とアキュムレータ30Bの外筒部31とは、左右方向Yの内側の端部において繋がる。
図1および図4に示すように、外筒部31は円筒状であるため、一対のアキュムレータ30A,30Bの外筒部31の上端部同士の左右方向Yの間には、上側に開口するV溝38が設けられる。
図5に示すように、固定部32は、前側に開口する有底の円筒状である。固定部32は、外筒部31の内部のうち後側の端部に嵌め合わされる。固定部32は、例えば、外筒部31の内周面31aに設けられた溝に嵌め込まれたCリング37によって後側から支持されて、外筒部31内に保持される。固定部32は、固定部32の底部を前後方向Xに貫通する通気孔32aを有する。通気孔32aは、アキュムレータ30の外部と内部とを繋ぐ。
受圧部33は、後側に開口する有底の円筒状である。受圧部33は、外筒部31の内部における固定部32よりも前側に位置する部分に、前後方向Xに移動可能に配置される。受圧部33の底部の中央部分は、受圧部33の底部の外縁部分よりも前側に突出する接触部33aである。接触部33aの前側の端面は、外筒部31の底面に接触可能である。
受圧部33の底部の外縁部分と外筒部31の底面との間には、オイルOが貯留される貯留空間36が設けられる。貯留空間36は、接続部24eと繋がる。具体的には、図4に示すように、貯留空間36における左右方向Yの内側の端部は、接続部24eにおける左右方向Yの外側の端部と重なり合って繋がる。これにより、複数のアキュムレータ30は、油路20a、すなわち本実施形態では入力油路24に繋がる。貯留空間36には、接続部24eを介してオイルOが流入する。
図5に示すように、Oリング34は、受圧部33の外周面に装着される。Oリング34は、受圧部33の外周面と外筒部31の内周面31aとの間をシールする。これにより、貯留空間36に流入したオイルOが、外筒部31の内部のうちの貯留空間36よりも後側に位置する部分に漏れることを抑制できる。
圧縮コイルバネ35a,35bは、前後方向Xに延びる。圧縮コイルバネ35a,35bは、固定部32と受圧部33との前後方向Xの間に配置される。圧縮コイルバネ35a,35bの後側の端部は、固定部32の内部に挿入され、固定部32の底面に接触する。圧縮コイルバネ35a,35bの前側の端部は、受圧部33の内部に挿入され、受圧部33の底面に接触する。圧縮コイルバネ35a,35bは、受圧部33に対して固定部32から離れる向きの弾性力、すなわち前向きの弾性力を加える。圧縮コイルバネ35aの内径は、圧縮コイルバネ35bの外径よりも大きい。圧縮コイルバネ35bは、圧縮コイルバネ35aの内部に挿入される。
図2に示す電磁弁40は、油路20a内のオイルOの流れを制御する。電磁弁40は、ソレノイド部41と、可動子42と、弁部43と、を有する。ソレノイド部41は、外筒部41aと、外筒部41aに収容される図示しないソレノイド部本体と、を有する。すなわち、電磁弁40は、外筒部41aと、ソレノイド部本体と、を有する。外筒部41aは、前後方向Xに延びる第1中心軸J1を中心として前後方向Xに延びる円筒状である。外筒部41aは、前側に開口する。外筒部41aは、基部21の上側に配置される。外筒部41aの後側の端部は、前後方向Xにおいて、基部21の後側の端部およびアキュムレータ30の後側の端部とほぼ同じ位置にある。
可動子42は、ソレノイド部41から受ける推進力によって前後方向Xに移動する。本実施形態において可動子42は、第1中心軸J1を中心とする円柱状のピンである。弁部43は、ソレノイド部41から前側に突出する。弁部43は、ノズル部材44と、弁室部材45と、弁体46と、を有する。
ノズル部材44は、第1中心軸J1を中心として前後方向Xに延びる円柱状である。ノズル部材44は、凹部23に嵌め合わされる。これにより、弁部43は、油路20aに配置される。ノズル部材44は、大径部44aと、小径部44bと、を有する。大径部44aは、ソレノイド部41の前側の面に固定される部分である。大径部44aは、大径凹部23aに嵌め合わされる。大径部44aは、大径部44aを前後方向Xに貫通する貫通孔44cを有する。貫通孔44cには、可動子42が通される。
小径部44bは、大径部44aの前側に繋がる部分である。小径部44bの外径は、大径部44aの外径よりも小さい。小径部44bは、小径凹部23bに嵌め合わされる。小径部44bは、小径部44bを前後方向Xに貫通する貫通孔44dを有する。貫通孔44dは、小径凹部23bの内部に開口し、小径凹部23bを介して入力油路24と繋がる。
ノズル部材44は、ノズル部材44を上下方向Zに貫通する流出油路44eを有する。流出油路44eは、大径部44aと小径部44bとの前後方向Xの間に位置する。流出油路44eの下側の端部は、出力油路25の上側の端部と繋がる。
弁室部材45は、ノズル部材44における大径部44aと小径部44bとの前後方向Xの間に埋め込まれる。弁室部材45は、前後方向Xの両側に開口する円筒状である。弁室部材45の後側の開口は、貫通孔44cに開口する。弁室部材45の前側の開口である流入口45aは、貫通孔44dに開口する。弁室部材45は、下向きに弁室部材45の内周面から弁室部材45の外周面までを貫通する流出口45bを有する。流出口45bは、流出油路44eに開口する。弁体46は、弁室部材45の内部に収容される。弁体46は、球体である。可動子42の前側の端部は、弁体46に接触可能である。
弁部43は、可動子42の前後方向Xの移動に伴って開閉される。弁部43が開いた状態では、入力油路24から小径凹部23bに流入したオイルOが貫通孔44dおよび流入口45aを介して弁室部材45内に流入し、流出口45bから流出油路44eを介して出力油路25へと流れる。これにより、インポート26から入力油路24に流入したオイルOが、出力油路25に流れ、アウトポート27から流出する。
一方、弁部43が開いた状態から、ソレノイド部41によって推進力を受けて可動子42が前側に移動すると、可動子42によって弁体46が前向きに押され、弁体46が流入口45aを閉塞する。これにより、弁部43が閉じた状態となる。弁部43が閉じた状態では、入力油路24から小径凹部23bに流入したオイルOが弁室部材45に流入せず、出力油路25へと流れることが阻止される。図2に示す状態は、弁部43が閉じた状態である。
上述したように、電磁弁40の可動子42が移動する方向は、複数のアキュムレータ30が延びる方向と同じである。可動子42が移動する方向は、電磁弁40の長手方向となりやすい。そのため、複数のアキュムレータ30と電磁弁40とをそれぞれ長手方向を揃えた状態で配置しやすい。加えて、複数のアキュムレータ30は、延びる方向と直交する方向に並んで配置される。これにより、例えば、アキュムレータ30の長手方向と電磁弁40の長手方向とが異なる方向を向く場合、および複数のアキュムレータ30が延びる方向に並んで配置される場合等に比べて、複数のアキュムレータ30と電磁弁40とを空間効率よく、まとめて配置できる。
また、アキュムレータ30が複数設けられるため、アキュムレータ30全体の容量の総和が同じ場合、アキュムレータ30が1つのみの場合に比べて、一つ一つのアキュムレータ30の容量を小さくでき、各アキュムレータ30を小型化できる。小型化されたアキュムレータ30を上述したようにして空間効率よく配置することで、1つの大型のアキュムレータを配置する場合に比べて、アキュムレータ装置10全体を小型化しやすい。以上により、本実施形態によれば、複数のアキュムレータ30と電磁弁40とをユニット化しつつ、大容量で、かつ、小型なアキュムレータ装置10が得られる。
本実施形態では、前後方向Xおよび左右方向Yが、ボディ20の下面20bに沿った方向である。言い換えれば、複数のアキュムレータ30が延びる方向および複数のアキュムレータ30が並ぶ方向が、ボディ20の下面20bに沿った方向である。したがって、コントロールバルブCVにおいて下面20bが固定される面と直交する方向、すなわち上下方向Zにおいてアキュムレータ装置10を小型化できる。これにより、コントロールバルブCVにアキュムレータ装置10を固定した場合に、アキュムレータ装置10がコントロールバルブCVに対して大きく張り出すことを抑制できる。
図1および図4に示すように、電磁弁40は、アキュムレータ30に対して上下方向Zにずれた位置に配置され、かつ、左右方向Yに隣り合う一対のアキュムレータ30A,30Bの両方と上下方向Zに重なる位置に配置される。そのため、電磁弁40と一対のアキュムレータ30A,30Bが左右方向Yに並ぶ場合に比べて、アキュムレータ装置10を左右方向Yに小型化できる。本実施形態において電磁弁40は、アキュムレータ30の上側に配置される。図3および図4に示すように、電磁弁40は、左右方向Yにおいて、一対のアキュムレータ30A,30B同士の中央に配置される。
図4に示すように、電磁弁40の一部は、V溝38の内部に挿入される。これにより、電磁弁40の一部は、一対のアキュムレータ30A,30B同士に左右方向Yにおいて挟まれ、かつ、一対のアキュムレータ30A,30Bの両方と左右方向Yに重なる位置に配置される。そのため、上述したように電磁弁40を一対のアキュムレータ30A,30Bと上下方向Zに重ねて配置しつつも、一対のアキュムレータ30A,30B同士の間に生じたV溝38を利用して、電磁弁40をアキュムレータ30A,30Bに対して上下方向Zに近づけて配置できる。
したがって、アキュムレータ装置10を上下方向Zに小型化できる。このようにして、本実施形態では、一対のアキュムレータ30A,30Bと電磁弁40とをより空間効率よく、まとめて配置することができ、アキュムレータ装置10を左右方向Yおよび上下方向Zの両方に小型化できる。本実施形態においてV溝38の内部に挿入される電磁弁40の一部は、外筒部41aの下側の端部である。
また、本実施形態によれば、電磁弁40がアキュムレータ30の上側に配置されるため、アキュムレータ装置10の左右方向Yの寸法を、コントロールバルブCVに固定される側、すなわち下側に向かって大きくしやすい。これにより、アキュムレータ装置10を安定してコントロールバルブCVに固定しやすい。
また、本実施形態では、複数のアキュムレータ30および電磁弁40がそれぞれ前後方向Xに延びる円筒状の外筒部31,41aを有するため、複数のアキュムレータ30同士の左右方向Yの間のV溝38を大きくしやすく、また、電磁弁40の一部、すなわち外筒部41aの下側の端部をV溝38に挿入しやすい。したがって、上述したように、V溝38を利用して、一対のアキュムレータ30A,30Bと電磁弁40とをより空間効率よく、まとめて配置しやすい。なお、外筒部31,41aは、例えば、多角形筒状であってもよい。
逆止弁50は、油路20aに配置される。より詳細には、逆止弁50は、入力油路24における接続部24eとインポート26との間に位置する部分に配置される。入力油路24における接続部24eとインポート26との間に位置する部分とは、本実施形態では、第1部分24aにおける接続部24eとインポート26との上下方向Zの間に位置する部分である。逆止弁50は、インポート26から弁部43あるいはアキュムレータ30へのオイルOの流れを許容し、かつ、弁部43あるいはアキュムレータ30からインポート26へのオイルOの流れを阻止する。そのため、入力油路24に流入したオイルOがインポート26に逆流することを逆止弁50によって阻止できる。また、接続部24eを介してアキュムレータ30に流入されたオイルOがインポート26に逆流することも逆止弁50によって阻止できる。
逆止弁50は、上述した弁座部24dと、弁体51と、弾性部材52と、を有する。弁体51は、例えば、球体である。弁体51は、第1部分24a内の弁座部24dよりも弁部43側、すなわち上側において上下方向Zに移動可能に配置される。弁体51は、弁座部24dに嵌められることで、第1部分24aを閉塞可能である。図2および図4では、弁体51が弁座部24dに嵌められて第1部分24aが閉塞された状態を示す。
オイルOがインポート26から流入する際には、オイルOの油圧によって弁体51が弁座部24dから上側に押し上げられ、第1部分24aが開放される。一方、オイルOがインポート26に逆流しようとする場合には、オイルOの油圧で弁体51が弁座部24dに押し付けられ、第1部分24aが閉塞される。このように、本実施形態によれば、簡単な構成で逆止弁50を構成することができる。
弾性部材52は、例えば、上下方向Zに延びる圧縮コイルバネである。弾性部材52は、第1部分24a内に配置される。弾性部材52は、弁体51と栓体60との上下方向Zの間に位置する。弾性部材52の上側の端部は、栓体60の下面に接触する。弾性部材52の下側の端部は、弁体51に接触する。弾性部材52は、弁体51に対して、弁体51を弁座部24dに押し付ける向き、すなわち本実施形態では下向きに弾性力を加える。これにより、弁体51を第1部分24a内における接続部24eよりもインポート26側の位置に維持できる。したがって、弁体51が第1部分24a内における接続部24eよりも開口部24c側に移動することを抑制でき、アキュムレータ30内のオイルOがインポート26に逆流することを抑制できる。
本実施形態では、第1部分24aは開口部24cを有するため、開口部24cから第1部分24a内に逆止弁50を挿入して配置しやすい。これにより、開口部24cを栓体60によって閉塞する前に、開口部24cから弁体51と弾性部材52とを第1部分24a内に挿入し、その後、栓体60によって開口部24cを閉塞することで、逆止弁50を第1部分24a内に容易に配置できる。
インポート26から入力油路24の第1部分24a内にオイルOが流入すると、流入したオイルOの油圧で弁体51が弾性部材52の弾性力に抗して押し上げられ、第1部分24aが開放される。そして、第1部分24aに流入したオイルOは、接続部24eから貯留空間36、あるいは第2部分24bから小径凹部23bを介して弁部43に流入する。
ここで、弁部43が閉じた状態である場合、入力油路24内のオイルOが出力油路25に流れないため、入力油路24内にオイルOが流入され続けると入力油路24内の油圧が上昇する。これにより、図6に示すように、貯留空間36内にオイルOがさらに流入して、貯留空間36内のオイルOの油圧も上昇し、オイルOの油圧によって受圧部33が後側に押されて移動する。これにより、貯留空間36の容積が大きくなり、貯留空間36内に貯留されるオイルOが増加する。受圧部33が後側に移動することで、圧縮コイルバネ35a,35bは圧縮される。これにより、アキュムレータ30に、受圧部33を介して貯留空間36内のオイルOを押す圧力が蓄圧される。
一方、弁部43が開いた状態である場合、入力油路24内のオイルOは、弁部43および出力油路25を介してアウトポート27から流出する。このとき、アキュムレータ30に圧力が蓄圧された状態だと、圧縮コイルバネ35a,35bの弾性力によって押されたオイルOが貯留空間36から接続部24eを介して入力油路24に流れ、弁部43および出力油路25を介してアウトポート27から流出する。これにより、圧縮コイルバネ35a,35bの状態が図5に示す状態に戻るまでの間、アキュムレータ30に蓄圧された圧力によって加圧された比較的高圧のオイルOをアウトポート27から流出させることができる。
本実施形態のように、アキュムレータと電磁弁とをアキュムレータ装置としてユニット化する場合、アキュムレータ装置の構造が複雑化して、アキュムレータ装置が大型化しやすい場合がある。具体的には、例えば、入力油路および出力油路として同一の油路を利用するような場合、流入時と流出時とで逆止弁を切り換える等の必要があり、アキュムレータ装置が複雑化する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、入力油路24と出力油路25とが別流路であるため、入力油路24に逆止弁50を配置するのみで、上述したようなオイルOの流れを実現することが可能である。これにより、油路20aの構成を簡単化でき、アキュムレータ装置10の構造を簡単化できる。したがって、本実施形態によれば、アキュムレータ30と電磁弁40とをユニット化しつつ、簡単な構造を有するアキュムレータ装置10が得られる。これにより、アキュムレータ装置10を小型化しやすい。
また、本実施形態によれば、入力油路24と出力油路25とのうちの少なくとも一方は、左右方向Yに隣り合う一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通る。そのため、入力油路24と出力油路25とのうちの両方が一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通らない場合に比べて、油路20aの全長を短くしやすい。本実施形態では、入力油路24と出力油路25とのうちの両方が一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通るため、油路20aの全長をより短くしやすい。
また、本実施形態によれば、接続部24eを有する入力油路24のうち第1部分24aが一対のアキュムレータ30A,30B同士の間を通ることで、入力油路24内のオイルOが、接続部24eから左右方向Yの両側に流れて、少なくとも一対のアキュムレータ30A,30Bに供給される。これにより、入力油路24内のオイルOを容易にアキュムレータ30A,30Bの貯留空間36に流入させることができる。本実施形態では、接続部24eの一部が貯留空間36の一部と重なり合うため、入力油路24内を流れるオイルOをよりアキュムレータ30の貯留空間36へと流しやすい。なお、例えば、アキュムレータ30が3つ以上設けられる場合には、入力油路24内のオイルOが、接続部24eから左右方向Yの両側に流れて3つ以上のアキュムレータ30に流れてもよい。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。複数のアキュムレータ30は、互いに前後方向Xにずれて配置されてもよい。複数のアキュムレータ30は、互いに上下方向Zにずれて配置されてもよい。また、アキュムレータ30は、3つ以上設けられてもよい。複数のアキュムレータ30の容積は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。アキュムレータ30の構成は、特に限定されず、いかなる公知のアキュムレータを用いることもできる。アキュムレータ30は、例えば、圧縮コイルバネ35a,35bの代わりに窒素等のガスを圧縮させる構成であってもよい。
また、電磁弁40は、複数のアキュムレータ30と上下方向Zにおいて同じ位置に配置されてもよい。例えば、電磁弁40と複数のアキュムレータ30とが左右方向Yに並んで配置されてもよい。また、電磁弁40は、一対のアキュムレータ30A,30Bのうちのいずれか一方とのみ上下方向Zに重なる位置に配置されてもよい。電磁弁40は、アキュムレータ30の下側に配置されてもよい。電磁弁40の構成は、特に限定されず、いかなる公知の電磁弁を用いてもよい。
また、入力油路24は、インポート26と弁部43とを繋ぐとともに、複数のアキュムレータ30に繋がるならば、特に限定されない。また、出力油路25は、弁部43とアウトポート27とを繋ぐならば、特に限定されない。入力油路24と出力油路25とは同一の油路を利用してもよい。逆止弁50の構成は、特に限定されない。
<第2実施形態>
本実施形態においては、前後方向Xは、第3方向に相当する。左右方向Yは、第2方向に相当する。上下方向Zは、第1方向に相当する。
図7に示すように、本実施形態のアキュムレータ装置110において、一対のアキュムレータ130A,130Bは、上下方向Zに延びる。外筒部131は、上側に開口する。電磁弁140の可動子は、上下方向Zに移動する。本実施形態において、第1中心軸J1、第2中心軸J2および第3中心軸J3は、上下方向Zに延びる。
本実施形態において、第1方向、すなわちアキュムレータ130A,130Bが延びる方向および電磁弁140の可動子が移動する方向は、ボディ120の下面120bと交差する方向である。このような場合、第1実施形態に対して、ボディ120の下面120bの面積を小さくしやすい。したがって、コントロールバルブCVにおけるアキュムレータ装置110の取り付け面積が小さい場合であっても、アキュムレータ装置110をコントロールバルブCVに取り付けやすい。本実施形態では、第1方向は、下面120bと直交する。
本実施形態のアキュムレータ装置110は、第1実施形態のアキュムレータ装置10を、アキュムレータ装置10の前側の面が下側の面となる姿勢に90°回転させた形状と概略同様の形状である。
なお、上述した各実施形態のアキュムレータ装置の用途は、特に限定されない。また、上述した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
本出願は、2017年3月24日に出願された日本特許出願である特願2017−058588号に基づく優先権を主張し、当該日本特許出願に記載されたすべての記載内容を援用する。