JPWO2018155461A1 - シール装置 - Google Patents

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JPWO2018155461A1
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雄一郎 徳永
雄一郎 徳永
井上 秀行
秀行 井上
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航 木村
井口 徹哉
徹哉 井口
英俊 笠原
英俊 笠原
純 弘松
純 弘松
康洋 黒木
康洋 黒木
菊池 竜
竜 菊池
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Abstract

フローティングリングが回転軸の動きに追従して、シール作用と振動減衰機能を発揮できるシール装置を提供する。ハウジング(11)と該ハウジング(11)を貫通する回転軸(20)との間を封止するシール装置(10)であって、回転軸(20)に対して間隙hを介して配設されるフローティングリング(15)を具備し、フローティングリング(15)は周方向に向って支持する少なくとも一つの弾性支持手段(18)を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ハウジングと該ハウジングを貫通する回転軸との間を封止するシール装置に関し、特に、ポンプ等の流体機械の回転軸に使用されるフローティングリングを備えたシール装置に関する。
従来、ポンプ等の回転流体機械においては、流体をシールするため、フローティングシールが使用され、例えば、図3に示すものが知られている(以下、「従来技術1」という。例えば、特許文献1参照。)。この従来技術は、流体機械の回転軸45と、該回転軸45の外周に取付けられ回転軸と一体に回転するスリーブ44と、スリーブ44とクリアランスを有して遊嵌されたシールリング41と、該シールリング41の外周の4箇所に設けられた板バネ46と、シールリング41を収納するリテーナ42と、を備え、板バネ46の突起46Aがリテーナ42に設けた溝42Aに係合された状態でシールリング41は板バネ46によって支持されている。そして、シールリング41の内周面と回転軸45のスリーブ44との間に発生するくさび効果(くさび部に発生する動圧の効果)と、ロマキン効果(シール差圧が生じた際、シールリングと軸との表面間の流体の流動損失による調心効果)とにより、シールリング41の内周面と回転軸45との間の隙間を一定に保つとともに、シールリング41は高圧流体側からリテーナ42側へ軸方向に押し付けられ、シールリング41とリテーナ42は密封されている。また、シールリング41は回り止めピン43を有し、該回り止めピン43がリテーナの穴49に挿入され、シールリング41はリテーナ42に対して回転方向の移動が規制されている。
特開昭57−154562号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、回転軸45とシールリング41の隙間を流れる流体は回転軸45の回転速度に近い速度で回転するため、シールリング41は回転軸45とシールリング41の隙間を流れる流体の粘性によって周方向に引きずられる。このため、シールリング41に取付けられた回り止めピン43はリテーナの穴49に断続的に衝突し、回り止めピン43やリテーナ穴49に面荒れが生じて回り止めピン43がリテーナ穴49と固着してしまう虞がある。この結果、シールリング41がリテーナ42に拘束され、シールリング41は回転軸45の動きに追従することができず、回転軸とシールリングとが接触して損傷したり、径方向間隙が最適値より大きくなって適正なシール作用が得られない虞があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、フローティングリングが回転軸の動きに追従して、シール作用と振動減衰機能を発揮できるシール装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のシール装置は、
ハウジングと該ハウジングを貫通する回転軸との間を封止するシール装置であって、
前記回転軸に対して間隙を介して配設されるフローティングリングを具備し、
前記フローティングリングは周方向に向って支持する少なくとも一つの弾性支持手段を備えるとしている。
この特徴によれば、フローティングリングはハウジングに対して周方向に弾性支持されるので、フローティングリングはハウジングと衝突することがなくなり、フローティングリングはハウジングに拘束されることなく回転軸の動きに追従して、シール作用を発揮することができる。
本発明のシール装置は、
前記弾性支持手段は、前記フローティングリングの中心を通る鉛直線に対して対称に配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、フローティングリングは弾性支持手段によって周方向及び径方向に支持されるので、回転軸とシールリングのクリアランスを適正に保ち、シール作用を発揮することができる。
前記ハウジングの内周部は径方向外側に向けて形成された凹部、前記フローティングリングの外周部は径方向外側に向けて突出するとともに前記凹部に係合する突状部を備え、
前記弾性支持手段は、前記凹部と前記突状部の間に配設されるとともに周方向に伸縮する弾性部材を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、フローティングリングを周方向に弾性支持することができる。
本発明のシール装置は、
前記フローティングリングは摺動性の高い材料からなることを特徴としている。
この特徴によれば、フローティングリングは摺動性の高い材料からなるので、弾性支持手段との固着を防止でき、フローティングリングはハウジングに拘束されることなく回転軸の動きに追従して、シール作用を発揮することができる。
本発明の実施の形態に係るシール装置の正面断面図である。 図1のA−A断面図(側断面図)である。 従来のシール装置の側断面図である。
本発明に係るシール装置を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
本発明の実施の形態に係るシール装置10を図1及び図2を参照して説明する。ケーシング21を貫通するようにして流体機械の回転軸20が配設されており、左側が高圧側、右側が低圧側である。シール装置10は、フローティングリング15と、該フローティングリング15を収納するハウジング11から主に構成される。
ハウジング11は、ホルダ11aとフランジ11bとから主に形成される。ホルダ11aは締結手段22によってケーシング21に固定される。ホルダ11a及びフランジ11bは、それぞれ回転軸20と所定の隙間を有し、回転軸20が貫通する孔を有する。ホルダ11aの内周部には、内周壁部11dと径方向壁部11eとによって囲まれる収納部11fを有する。そして、ハウジング11の内周壁11d、内周壁11dの軸方向をそれぞれ区画する径方向壁11e及びフランジ11b、並びに、ハウジング11を貫通する回転軸20によって囲まれる空間Sにフローティングリング15が収納される。ホルダ内周部の収納部11fの内周壁部11dには、径方向外側に向けて、一対の側方壁11jと天井壁11kを有する断面略矩形の凹部11gが、周方向に離間して等間隔で複数(本実施例では4箇所)形成されている。また、径方向壁部11eは、その内径側に径方向壁部11eよりわずかに飛び出たホルダ側2次シール面11cを有している
フローティングリング15は、シールリング13、シールリング13の外周に嵌合されるリテーナ12から主に構成される。
シールリング13は、断面略矩形の円環状の部材で、カーボンなどの摺動性の良い材料から構成される。シールリング13の内周面13aは、回転軸20の外周面20a対し微小な径方向間隙hを有する円筒面に構成されている。
リテーナ12はステンレス、鋼、銅、アルミニウム等の金属やプラスチック、合成樹脂、カーボン繊維、ガラス繊維によって補強されたFRP等の材料からなる環状部材であり、ホルダ11aの収納部11fより小径に形成される。リテーナ12はカーボン等からなるシールリング13の外周にしまり嵌めされることによって、シールリング13に圧縮力を付加している。これにより、シールリング13をカーボンのような脆い材料から構成しても、回転軸20と接触等によるシールリング13の破損を防止することができる。リテーナ12の外周部には、径方向外側に向けて突出するとともにハウジング11の内周部の収納部11fに形成された凹部11gと係合する断面略矩形の突状部17が、凹部11gと同数個形成され、等間隔で設けられている。突状部17は一対の径方向に延びる端部壁17aと一対の端部壁17aを接続する外周壁17bを有する断面略矩形の凸状の突起である。突状部17は、凹部11gの周方向幅より幅狭に形成される。そして、突状部17は、凹部11gに係合された状態で、凹部11gの側方壁11j、11jと突状部17の端部壁17a、17aとの間に弾性部材14を収納する空隙部が形成される。なお、突状部17は、リテーナ12と一体で形成してもよいし、リテーナ12と別体で形成した突状部17をリテーナ12に取付けてもよい。
突状部17の端部壁17aとハウジング11の凹部11gの側方壁11jとの間に配設された弾性部材14によって本発明の弾性支持手段18が構成される。弾性部材14は、たとえばコイルスプリング、板バネ、ゴム等の伸縮性に富んだ材料からなり、使用される温度条件、要求される支持力によって選択される。そして、リテーナ12の外周部に設けられた突状部17は、ホルダ11aの凹部11gに係合され、凹部11gの側方壁11j、11jと突状部17の端部壁17a、17aとの間の空隙部に、弾性部材14は周方向に伸縮するように突状部17の両側に取付けられる。
図2に示すように、フローティングリング15はハウジング11の中心Oを通る鉛直線C−Cに対し、弾性支持手段18は略対称に取り付けられているので、フローティングリング15は弾性支持手段18によって非連成支持され、縦方向に支持する弾性支持手段18と横方向に支持する弾性支持手段18は互いの影響を及ぼすことなく支持できる。また、フローティングリング15の自重は水平方向に取付けられた一対の弾性支持手段18によって支持することができ、フローティングリング15の中心とハウジング11の中心のずれを無視できる程度に保つことができるので、シールリング13の内周面13aと回転軸20の外周面20aとの間に全周に亘って隙間を保つことができる。したがって、フローティングリング15と回転軸20との上側径方向間隙h1が確保できるように弾性支持手段18の個数(たとえば、2以上の自然数)、寸法、形状を適切に決定すれば、フローティングリング15と回転軸20は停止中においても接触しないようにすることができる。なお、本実施例においては、弾性支持手段18は上下左右の4箇所に等間隔に配置しているが、フローティングリング15と回転軸20との上側径方向間隙h1を確保できるものであればよい。たとえば、図2の4個の弾性支持手段18を45°傾けてフローティングリング15をハウジング11の中心Oを通る鉛直線C−Cに対し略対称に配置してもよい。また、4個以上の弾性支持手段18を配置する場合もハウジング11の中心Oを通る鉛直線C−Cに対し略対称に配置すればよい。
また、フローティングリング15はバネなど付勢手段19によって付勢されているので、シールリング側2次シール面13cとホルダ側2次シール面11cとが密着してシールリング13とホルダ11aは密封される。以下、シールリング側2次シール面13cとホルダ側2次シール面11cとの密着による密封手段を二次シールと記す。
次に前述のような構成のシール装置10の作用を説明する。回転流体機械の停止中において、弾性支持手段18の弾性反発力によって周方向に支持されるとともに、フローティングリング15の自重も支持できるので、シールリング13の内周面13aは、回転軸20の外周面20a対し微小な径方向間隙h1、h2を保った状態で調心される(図2参照)。すなわち、弾性支持手段18のみよって、フローティングリング15は周方向にも、径方向にも支持されるので、フローティングリング15と回転軸20との間にくさび効果が発生しない停止中であっても、フローティングリング15のシールリング13と回転軸20は微小な径方向間隙h1、h2が保つように機能する。これにより、くさび効果による動圧が発生しない回転流体機械の起動時においてもシールリング13の摩耗を防ぐことができる。また、停止時において、二次シールは、フローティングリング15はバネなど付勢手段19によって付勢されているので、シールリング側2次シール面13cとホルダ側2次シール面11cとが密着して密封される。
回転流体機械の運転中においても、ハウジング11とフローティングリング15は、弾性支持手段18の弾性反発力によって周方向に支持されるとともに、フローティングリング15の自重も支持するように機能する。このとき、フローティングリング15の自重の影響によって、上側径方向間隙h1は狭く、下側径方向間隙h2は広くなっても、間隙が小さくなった上側部分にくさび効果による動圧が発生するので、フローティングリング15と回転軸20との径方向間隙hを均等になるように調心される。
また、回転軸20が振動によって振れ回ると、弾性支持手段18の弾性反発力とくさび効果による動圧の両方によって、フローティングリング15のシールリング13と回転軸20は径方向間隙hを保つように機能するので、フローティングリング15は回転軸20の動きも規制する効果を発揮し、回転軸20の振動を低減することができる。
また、運転中においては、フローティングリング15は、付勢手段19の押圧力に加えて、さらに高圧流体側から低圧流体側への圧力によって押されるので、シールリング側2次シール面13cとホルダ側2次シール面11cとがさらに密着するので、二次シールのシール効果はさらに高まる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
回転流体機械が停止中において、弾性支持手段18の弾性反発力によって、フローティングリング15のシールリング13と回転軸20は径方向間隙hを保つように機能するので、回転流体機械の起動時においてもシールリング13の摩耗を防ぐことができる。また、回転流体機械の運転中において、フローティングリング15と回転軸20との径方向間隙hが周方向に不均一になったとしても、間隙が小さくなった部分にくさび効果による動圧が発生するので、フローティングリング15と回転軸20との径方向間隙hを均等になるように調心される。これにより、停止中及び運転中において良好なシール状態が得ることができ、シールリング13の摩耗を防ぐことができる。
フローティングリング15は、回転軸20が振動によって振れ回ったとしても、弾性支持手段18の弾性反発力とくさび効果による動圧の両方によって、フローティングリング15のシールリング13と回転軸20は径方向間隙hを保つように機能するので、フローティングリング15は回転軸20の動きも規制する効果を発揮し、回転軸20の振動を低減することができる。
シールリング13は、カーボン等の自己潤滑性、摺動性に優れた材料から構成されるので、運転中にホルダ側2次シール面11cと常に相対変位しても、摩耗、面荒れ等を防止でき、長期間に亘って二次シールの機能を維持することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例において、フローティングリング15は環状一体に構成したが、これに限らず周方向に分割して構成したものを環状に一体に組み立ててもよい。
上記実施例において、フローティングリング15は付勢手段19によって付勢されていたが、付勢手段19を使用しないで、高圧流体側から低圧流体側への圧力によって、シールリング側2次シール面13cとホルダ側2次シール面11cとがさらに密着させて、二次シールを構成してもよい。
上記実施例において、リテーナ12はプラスチック、合成樹脂等の摺動性の良い材料から構成したが、これに限らない。たとえば、リテーナ12をステンレス、鋼、銅、アルミニウム等の金属から構成してもよい。
また、本発明はシール装置を主目的として用いるが、軸の振動を減衰する減衰装置として用いてもよい。
10 シール装置
11 ハウジング
11a ホルダ
11b フランジ
12 リテーナ
13 シールリング
14 弾性部材
15 フローティングリング
17 突状部
18 弾性支持手段
19 付勢手段
20 回転軸
21 ケーシング
22 締結手段
h 間隙
S 空間

Claims (4)

  1. ハウジングと該ハウジングを貫通する回転軸との間を封止するシール装置であって、
    前記回転軸に対して間隙を介して配設されるフローティングリングを具備し、
    前記フローティングリングは周方向に向って支持する少なくとも一つの弾性支持手段を備えることを特徴とするシール装置。
  2. 前記弾性支持手段は、前記フローティングリングの中心を通る鉛直線に対して対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記ハウジングの内周部は径方向外側に向けて形成された凹部、前記フローティングリングの外周部は径方向外側に向けて突出するとともに前記凹部に係合する突状部を備え、
    前記弾性支持手段は、前記凹部と前記突状部の間に配設されるとともに周方向に伸縮する弾性部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
  4. 前記フローティングリングは摺動性の高い材料からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシール装置。
JP2019501356A 2017-02-22 2018-02-21 シール装置 Pending JPWO2018155461A1 (ja)

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