JPH081255B2 - 軸封装置 - Google Patents

軸封装置

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JPH081255B2
JPH081255B2 JP29994193A JP29994193A JPH081255B2 JP H081255 B2 JPH081255 B2 JP H081255B2 JP 29994193 A JP29994193 A JP 29994193A JP 29994193 A JP29994193 A JP 29994193A JP H081255 B2 JPH081255 B2 JP H081255B2
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JP
Japan
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floating ring
seal
floating
sealing device
shaft
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JP29994193A
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Inventor
陣内毅
Original Assignee
イーグル・イージーアンドジー・エアロスペース株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は軸封装置に関し、特
に、わずかに離間した状態で回転軸をハウジングに挿通
し、その回転軸の回転時に得られる動圧効果により回転
軸とハウジングとの間を非接触状態でシールするフロー
ティングシール機構を具えた軸封装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】従来、この種の軸封装
置としては、図10および図11に示すようなものが知
られている。すなわち、図10および図11に示す軸封
装置は所謂メカニカルシール構造をなしてハウジング3
1と回転軸32との間をシールしているもので、フロー
ティングシール機構39を具えている。フローティング
シール機構39は、ハウジング31に装着されるケーシ
ング33と、このケーシング33内に径方向へ移動可能
な状態で保持されるフローティングリング35とからな
る。
【0003】図10および図11において、静止側とな
るハウジング31は挿通孔31bを有していて、この挿
通孔31b内に回転軸32が挿通される。これにより、
ハウジング31は、回転軸32を回転可能な状態で支持
するようにしてある。
【0004】そして、このハウジング31と回転軸32
との間に、ケーシング33とフローティングリング35
とからなるフローティングシール機構39が設けられ
る。ケーシング33は、一方端が内方に起立して断面が
L字状をなす環状のケーシング本体34と、このケーシ
ング本体34の他方端に設けられる環状のスプリングリ
テーナ36と、このスプリングリテーナ36をケーシン
グ本体34に固定するスナップリング37とで形成され
る。これにより、ケーシング33は、全体として内方に
開口する空所を有するとともに、回転軸32を挿通可能
な内径を有した環状をなしている。
【0005】このケーシング33は、ハウジング31の
挿通孔31b内においてその内周面に開口するように形
成された環状の装着溝31a内に密着状態で装着・固定
される。そして、このケーシング33の内部空所に、シ
ールリング35aとリテーナ35bとからなるフローテ
ィングリング35を収納する。
【0006】フローティングリング35は、シールリン
グ35aの外側に環状のリテーナ35bを嵌合状態で一
体に設けて形成してある。リテーナ35bの外周面に
は、図11にも示すように、外方に突出する突起35d
が形成されている。そして、ケーシング本体34内の空
所の内周面には、リテーナ35bの突起35dを受け入
れる形状の凹部34bが形成されていて、この凹部34
bと突起35dとで回転止め部49を形成してある。つ
まり、リテーナ35bの突起35dとケーシング本体3
4の凹部34bとを遊嵌状態で係合することで、フロー
ティングリング35の回転を阻止するようにしてある。
【0007】そして、フローティングリング35は、そ
の軸線をケーシング33の軸線と一致させ、かつ、ケー
シング本体34の内周面との間に一定の隙間48を形成
した状態で、ケーシング33内に収納される。このた
め、フローティングリング35は、環状の隙間48の範
囲で径方向に移動可能となっている。このとき、シール
リング35aの一方の端面には、ケーシング本体34の
内側端面に対して摺動可能な状態で当接する環状のシー
ル部35cを形成してある。
【0008】フローティングリング35とスプリングリ
テーナ36との間には付勢部材であるスプリング38を
少なくとも1か所に設ける。このスプリング38は所謂
圧縮スプリングであって、フローティングリング35の
他方の端面とスプリングリテーナ36との間に配設され
る。この場合、スプリング38は、小さなコイル状スプ
リングを使用して円周方向に必要本数だけ等配に配置し
たり、ウエーブスプリング(波形スプリング)を環状に
配置したりする。このとき、スプリングリテーナ36
は、その外周縁部がケーシング本体34の内部空所に形
成された環状の段部に係止し、その状態でスナップリン
グ37で押圧・保持されている。これにより、スプリン
グ38は、フローティングリング35を軸線方向一方側
へ付勢し、フローティングリング35のシール部35c
をケーシング本体34の内面に押圧するようになってい
る。
【0009】回転軸32は、フローティングリング35
に挿通される。このとき、回転軸32は、その外周面が
フローティングリング35からわずかに離間した状態で
配置され、フローティングリング35の内周面に接触し
ないようにしてある。これにより、回転軸32とフロー
ティングリング35との間には環状のシール隙間46
が、また、回転軸32とケーシング33との間には環状
の隙間47がそれぞれ形成されるようにしてある。
【0010】そして、フローティングリング35は、ケ
ーシング33との間に形成された隙間48の距離か、ま
たは、ケーシング33と回転軸32との間に形成された
隙間47の距離のいずれか短い方の隙間47(48)の
範囲で、径方向に変位可能となっている。一般的には、
隙間47が隙間48よりも小さく設計してあって(隙間
47<隙間48)、回転軸32が回転中にフローティン
グリング35に接触しても、フローティングリング35
が隙間47の範囲で径方向に移動して逃げるようになる
ので、摩擦等によってフローティングリング35が損傷
するのを防止することができることとなる。
【0011】上記のように構成した軸封装置は、フロー
ティングシール機構39の存在によって、ハウジング3
1の挿通孔31b内がP側とQ側との2室に区画され
る。このとき、P側には高圧流体が、また、Q側には低
圧流体がそれぞれ存在していて、フローティングリング
35よりもP側寄りにスプリング38が位置するように
しておく。
【0012】そして、フローティングリング35と回転
軸32との間に形成されてシール部分を構成するシール
隙間46が、両者32、35間のシール性を確保するよ
うになっている。すなわち、回転軸32がフローティン
グリング35に対してわずかに離間した状態で挿通され
ることでシール隙間46を形成してあるので、このシー
ル隙間46は、その部分において、P側の流体とQ側の
流体との間の圧力差が原因となって生じる軸線方向の流
体の流通を制限して所定のシール性が得られることとな
る。
【0013】また、スプリング38の付勢力によって、
フローティングリング35のシール部35cがケーシン
グ33の内側端面に圧接されているので、フローティン
グリング35とケーシング33との間のシール性が確保
されている。上記のようになっているので、ハウジング
31と回転軸32との間がシールされ、ハウジング31
内のP側の流体がQ側に漏れるのを制限するようになっ
ている。
【0014】ここで、回転軸32がフローティングリン
グ35に対して偏心状態となったときでも、回転軸32
とフローティングリング35との接触が回避されるよう
になっている。
【0015】すなわち、回転軸32の取付状態がずれた
り、あるいは回転軸32が回転中に振れ回ったりするこ
とが原因となって、回転軸32が、図12に示すよう
に、フローティングリング35に対して偏心すると、こ
れに伴ってフローティングリング35が径方向へ移動し
て逃げるようになっている。
【0016】回転軸32とフローティングリング35と
の間に形成されているシール隙間46の部分において
は、回転軸32の回転に伴って円周方向の旋回流が発生
している。このため、回転軸32の偏心によって、回転
軸32とフローティングリング35との間に近接する部
位が生じると、そのシール隙間46における回転軸32
とフローティングリング35との近接部位に動圧力が発
生するようになる。したがって、この動圧力の作用によ
って、回転軸32が偏心状態にあるときでも、フローテ
ィングリング35が径方向外方へ移動して逃げるように
なるので、フローティングリング35と回転軸32との
接触が回避されることとなる。
【0017】このように、上記のフローティングシール
機構39は、回転軸32の回転に伴って発生するシール
流体の動圧効果を利用することにより、回転軸32とフ
ローティングリング35との接触を回避している。とこ
ろが、例えば、シール作動条件下でシール隙間46がゼ
ロとなると、フローティングリング35が回転軸32と
強く摺接して摩擦し、異常摩耗することがある。また、
フローティングリング35が回転軸32と摩擦するよう
になると、両者32、35間に摩擦熱が発生し、その熱
の作用で熱膨張変形が生じる恐れがあり、フローティン
グリング35の破壊につながることもある。
【0018】したがって、これらの不具合を防止するた
めには、シール隙間46(回転軸32とフローティング
リング35との間の距離)は所定量となるように設計さ
れる。一般的には、シール隙間46は数十ミクロンから
数百ミクロン程度に設定してあって、このような小さな
隙間でシール流体のリーク量を制限し、また、シール圧
力を減圧するようにしているのがフローティングシール
機構39の機能である。
【0019】このフローティングシール機構39にあっ
ては、シール隙間46の大きさがシール流体のリーク量
に大きく影響するので、可能な限りシール隙間46を小
さくするように設計することが重要である。しかしなが
ら、シール隙間46を小さくすると、フローティングシ
ール機構39を使用する過渡条件下(特に急激にシール
環境温度が変化する状況下)においては、回転軸32と
フローティングリング35の線膨張係数や熱容量の差異
により、フローティングリング35が内径を小さくして
シール隙間46を無くし、フローティングリング35が
回転軸32と強く接触して摩擦することがある。
【0020】フローティングリング35が回転軸32と
摩擦すると、フローティングリング35の内周面の全域
にわたって摩耗が生じ、場合によっては摩耗粉が回転軸
32とフローティングリング35との間に介在して大き
なアブレッシブ摩耗を生じ、これにより、シール性能の
大きな低下を招くことになる。さらに顕著な場合には、
両者32、35間の摩擦発熱により一時的に摩擦部分が
大きく膨張し、回転軸32とフローティングリング35
とが強いしまりばめ状態となって一体に回転しようとす
ることもある。この場合、フローティングリング35の
回転止め部49に剪断作用が及ぶことになるので、フロ
ーティングリング35の破壊に至る恐れがある。
【0021】そこで、回転軸32とフローティングリン
グ35との接触時の摩擦発熱を最少にし、フローティン
グリング35の損傷を最少にするための方法としては、
図13および図14に示すように、前記フローティング
シール機構39にラビリンスシール機構40を付加した
ものが考えられている。
【0022】すなわち、図13および図14に示すラビ
リンスシール機構40は、前記フローティングシール機
構39のシール隙間46に対応する回転軸32の部位
に、仕切刃41a、41b、41c、41d、41eを
設けたものである。この仕切刃41a、41b、41
c、41d、41eは、回転軸32の外周面から径方向
外方へ環状に突出して先端部が前記フローティングリン
グ35の内周面に近接するようにしてあって、各仕切刃
41a、41b、41c、41d、41eは、軸線方向
へP側からQ側へ向かって所定間隔で配設して複数段構
成としてある。
【0023】これにより、シール隙間46には、各仕切
刃41a、41b、41c、41d、41eで区画され
た環状空所b、b、……が形成される。そして、仕切刃
41aと仕切刃41bとの間には第1シール部42が、
また、仕切刃41bと仕切刃41cとの間には第2シー
ル部43が、また、仕切刃41cと仕切刃41dとの間
には第3シール部44が、また、仕切刃41dと仕切刃
41eとの間には第4シール部45がそれぞれ形成され
ることになる。
【0024】この場合、仕切刃41a、41b、41
c、41d、41eが所謂絞りとして作用し、また、環
状空所b、b、……が所謂膨張室として作用する。この
ため、P側からQ側に向かってシール隙間46を流通し
ようとする流体は、各仕切刃41a、41b、41c、
41d、41eとフローティングリング35との間の隙
間を介して環状空所b内に入った時に急激に膨張し、そ
の圧力が低下してエネルギが失われることになる。した
がって第1乃至第4の各シール部42、43、44、4
5では、流体の流通抵抗が高まることになるので、所定
のシール性を得ることができるようになっている。
【0025】このように、回転軸32に仕切刃41a、
41b、41c、41d、41eを設けてラビリンスシ
ール機構40を構成したものでは、回転軸32が偏心等
して仕切刃41a、41b、41c、41d、41eが
フローティングリング35の内周面に接触しても、フロ
ーティングリング35に接触する部分は各仕切刃41
a、41b、41c、41d、41eの先端部分だけで
あるので、その接触面積は非常に小さい。このため、回
転する回転軸32とフローティングリング35との間の
接触時の摩擦(負荷)も小さくできるので、摩擦発熱を
小さくでき、また、摩耗損傷を部分的に抑えることがで
きる。
【0026】しかしながら、このようにラビリンスシー
ル機構40を設けたものにあっては、フローティングシ
ール機構39を効果的に作動させることができないこと
があった。
【0027】すなわち、ラビリンスシール機構40とし
て機能するためには、膨張室となる環状空所b、b、…
…をシール隙間46に確保しなければならないので、動
圧効果を充分に得ることができない恐れがある。
【0028】上記の場合では、環状空所b、b、……を
確保するために、回転軸32とフローティングリング3
5との間は、ある程度の距離が必要となる。このため、
フローティングリング35の内周面に対して最も近接す
る部位は幅の小さい仕切刃41a、41b、41c、4
1d、41eの先端部だけであるので、回転軸32の回
転によるシール流体の周方向の旋回流を効果的に発生さ
せることができなくなる。この結果、所定の動圧力が得
られなくなるので、回転軸32の振れ回りや振動、ある
いはフローティングリング35の自重による偏心等によ
って回転軸32とフローティングリング35とが容易に
接触して摩擦してしまうという問題があった。したがっ
て、前述したようなフローティングシール機構39を具
えた軸封装置にあっては、回転軸32とフローティング
リング35との間の摩擦を軽減する目的でラビリンスシ
ール機構40を設けるのは非現実的であった。
【0029】この発明は、回転軸の振れ回りや振動等が
原因となって回転軸とフローティングリングとが相対的
に偏心した状態となっても、回転軸とフローティングリ
ングとの間の摩擦を確実に低減することができる軸封装
置を提供することを目的とする。
【0030】
【問題点を解決するための手段】この発明は上記の目的
を達成するために、第1の発明として、ハウジングと、
これに挿通される回転軸との間をシールする軸封装置で
あって、径方向へ移動可能な状態で前記ハウジングに保
持されるとともに、内側にわずかに離間した状態で前記
回転軸が挿通されるフローティングリングを有するフロ
ーティングシール機構と、前記回転軸に、先端部が前記
フローティングリングに近接する環状の仕切刃を所定間
隔で複数設けて構成されるラビリンスシール機構とを具
え、前記各仕切刃間に形成される底面の少なくとも1か
所に、前記フローティングリングに近接する部位を設け
たという手段を採用したものである。
【0031】第1の発明を含む第2、第3の発明とし
て、前記各仕切刃間の底面において形成される前記フロ
ーティングリングに近接する部位を、前記各仕切刃の高
さと一致する最大径部で形成し、また、前記各仕切刃間
の底面に、前記フローティングリングに近接する部位を
等配に形成してあるという手段を採用したものである。
【0032】また、第3の発明を含む第4、第5、第6
の発明として、前記フローティングリングに近接する各
部位間に位置する前記底面の部位を滑らかな曲率面に形
成し、また、前記フローティングリングに近接する各部
位間に位置する前記底面の部位を、前記回転軸の回転方
向後方へ向かうに従って漸次フローティングリングに近
接する階段状に形成し、また、前記フローティングリン
グに近接する各部位に隣接する前記底面の部位に、段部
を形成してあるという手段を採用したものである。
【0033】さらに、第1の発明を含む第7の発明とし
て、前記仕切刃を少なくとも2つ設け、各仕切刃間でシ
ール部を形成し、これにより、シール部を複数段に形成
したという手段を採用し、また、第1の発明を含む第8
の発明として、前記各仕切刃間の底面に、前記フローテ
ィングリングに近接する部位を等配に形成し、前記フロ
ーティングリングに近接する当該部位を、隣接するシー
ル部における前記フローティングリングに近接する部位
に対して周方向にずれた状態で設けてあるという手段を
採用したものである。
【0034】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
ラビリンスシール機構およびフローティングシール機構
の両方の機能が得られるようになっている。すなわち、
ラビリンスシール機構は、回転軸に設けられた複数の仕
切刃間の底面に、フローティングリングに近接する部位
を設けてあるので、動圧力を効果的に発生させることが
できる。このラビリンスシール機構による場合、回転軸
の振れ回りや振動等が原因となって回転軸とフローティ
ングリングとが相対的に偏心しても、仕切刃の先端部が
フローティングリングに接触するだけであるので、回転
軸とフローティングリングとの間の摩擦を確実に低減す
ることができる。
【0035】しかも、仕切刃間の底面にはフローティン
グリングに近接する部位を設けたことにより、仕切刃間
の空所に、回転軸の回転に伴う動圧力の発生を効果的に
することができる。したがって、回転軸とフローティン
グリングとが相対的に偏心しても、発生する動圧力の作
用によってフローティングリングが径方向に移動するの
で、回転軸とフローティングリングとの間の摩擦は確実
に回避されることとなる。
【0036】上記の結果、回転軸とフローティングリン
グとの間の距離を小さくしても、両者間に摩擦が発生す
るのを回避することができるので、シール性および耐久
性の向上を同時に実現することができることとなる。
【0037】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例を説明す
る。図1は、この発明による軸封装置の一実施例を示す
図である。すなわち、図1に示す軸封装置は所謂メカニ
カルシール構造をなしてハウジング1と回転軸2との間
をシールしているもので、フローティングシール機構9
とラビリンスシール機構10とを具えている。フローテ
ィングシール機構9は、ハウジング1に装着されるケー
シング3と、回転軸2が挿通され、かつ、ケーシング3
内に径方向へ移動可能な状態で保持されるフローティン
グリング5とからなる。また、ラビリンスシール機構1
0は、回転軸2に環状の仕切刃11a、11b、11
c、11d、11eを設け、各仕切刃11a、11b、
11c、11d、11e間に形成される底面cと、フロ
ーティングリング5との間の距離を順次変化させて形成
したものである。
【0038】図1において、静止側となるハウジング1
は挿通孔1bを有していて、この挿通孔1b内に回転軸
2が挿通される。これにより、ハウジング1は、回転軸
2を回転可能な状態で支持するようにしてある。
【0039】そして、このハウジング1と回転軸2との
間に、ケーシング3とフローティングリング5とからな
るフローティングシール機構9が設けられる。ケーシン
グ3は、一方端が内方に起立して断面がL字状をなす環
状のケーシング本体4と、このケーシング本体4の他方
端に設けられる環状のスプリングリテーナ6と、このス
プリングリテーナ6をケーシング本体4に固定するスナ
ップリング7とで形成される。これにより、ケーシング
3は、全体として内方に開口する空所を有するととも
に、回転軸2を挿通可能な内径を有した環状をなしてい
る。
【0040】このケーシング3は、ハウジング1の挿通
孔1b内においてその内周面に開口するように形成され
た環状の装着溝1a内に密着状態で装着・固定される。
そして、このケーシング3の内部空所に、シールリング
5aとリテーナ5bとからなるフローティングリング5
を収納する。
【0041】シールリング5aは、回転軸2を挿通可能
な内径を有しているもので、回転軸2と接触しても大き
な損傷を与えないように、回転軸2よりも軟質の材料に
表面処理を施して形成したり、あるいは、回転軸2に接
触したときに焼き付かないような固体潤滑材料で形成し
たりする。
【0042】このシールリング5aの外側には環状のリ
テーナ5bを嵌合状態で一体に設ける。リテーナ5bの
外周面には、外方に突出する突起5dが形成されてい
る。そして、ケーシング本体4の内周面には、リテーナ
5bの突起5dを受け入れる形状の凹部4bが形成され
ていて、この凹部4bと突起5dとで回転止め部19を
形成してある。つまり、リテーナ5bの突起5dとケー
シング本体4の凹部4bとを遊嵌状態で係合すること
で、フローティングリング5の回転を阻止するようにし
てある。
【0043】そして、フローティングリング5は、その
軸線をケーシング3の軸線と一致させ、かつ、ケーシン
グ本体4の内周面との間に一定の隙間18を形成した状
態で、ケーシング3内に収納される。このため、フロー
ティングリング5は、環状の隙間18の範囲で径方向に
移動可能となっている。このとき、シールリング5aの
一方の端面には、ケーシング本体4の内側端面に対して
摺動可能な状態で当接する環状のシール部5cを形成し
てある。このシール部5cがケーシング本体4に当接す
ることで、その当接面に、フローティングリング5のケ
ーシング3に対する静的なシール面が形成されることと
なる。
【0044】フローティングリング5とスプリングリテ
ーナ6との間には付勢部材であるスプリング8を少なく
とも1か所に設ける。このスプリング8は所謂圧縮スプ
リングであって、フローティングリング5の他方の端面
とスプリングリテーナ6との間に配設される。この場
合、スプリング8は、小さなコイル状スプリングを使用
して円周方向に必要本数だけ等配に配置したり、ウエー
ブスプリング(波形スプリング)を環状に配置したりす
る。このとき、スプリングリテーナ6は、その外周縁部
がケーシング本体4の内周面に形成された環状の段部に
係止し、スナップリング7でその状態に押圧・保持され
ている。これにより、スプリング8は、フローティング
リング5を軸線方向一方側へ付勢し、フローティングリ
ング5のシール部5cをケーシング本体4の内側端面に
押圧するようになっている。
【0045】回転軸2は、フローティングリング5の内
側に挿通される。このとき、回転軸2は、その外周面が
フローティングリング5からわずかに離間した状態で配
置され、フローティングリング5の内周面に接触しない
ようにしてある。これにより、回転軸2とフローティン
グリング5との間には環状のシール隙間16が、また、
回転軸2とケーシング3との間には環状の隙間17がそ
れぞれ形成されるようにしてある。
【0046】したがって、フローティングリング5は、
ケーシング3との間に形成された隙間18の距離か、ま
たは、ケーシング3と回転軸2との間に形成された隙間
17の距離のいずれか短い方の隙間17(18)の範囲
で、径方向に変位可能となっている。一般的には、隙間
17が隙間18よりも小さく設計してあって(隙間17
<隙間18)、回転軸2が回転中にフローティングリン
グ5に接触しても、フローティングリング5が隙間17
の範囲で径方向に移動して逃げるようになるので、摩擦
等によってフローティングリング5が損傷するのを防止
することができることとなる。
【0047】そして、上記フローティングシール機構9
の存在により、ハウジング1内は、流体の存在するP側
と、このP側の流体よりも低圧の流体が存在するQ側と
に区画されることとなる。なお、図においては、フロー
ティングリング5は、シールリング5aとリテーナ5b
とを別部材で構成したものを示したが、一体成形で形成
しても良いものである。
【0048】上記フローティングシール機構9にはラビ
リンスシール機構10が付帯される。ラビリンスシール
機構10は、前記シール隙間16に対応する回転軸2の
部位に、仕切刃11a、11b、11c、11d、11
eを設けて形成してあるものである。この仕切刃11
a、11b、11c、11d、11eは、回転軸2の外
周面から径方向外方へ環状に突出して先端部が前記フロ
ーティングリング5の内周面に近接するように形成して
あって、各仕切刃11a、11b、11c、11d、1
1eは、軸線方向へP側からQ側へ向かって所定間隔で
配設され、これにより複数段構成となっている。
【0049】この構成によって、シール隙間16には、
各仕切刃11a、11b、11c、11d、11eで区
画された環状空所b、b、……が形成される。そして、
仕切刃11aと仕切刃11bとの間には第1シール部1
2が、また、仕切刃11bと仕切刃11cとの間には第
2シール部13が、また、仕切刃11cと仕切刃11d
との間には第3シール部14が、また、仕切刃11dと
仕切刃11eとの間には第4シール部15がそれぞれ形
成されることになる。
【0050】このとき、各仕切刃11a、11b、11
c、11d、11e間に形成される底面cと、フローテ
ィングリング5の内周面との対向面間の距離は、図2乃
至図5に示すように、周方向に連続的に変化させてあ
る。
【0051】図示したものにあっては、各シール部1
2、13、14、15の底面cは、最もフローティング
リング5に近接する位置(最大径部d)が仕切刃11
a、11b、11c、11d、11eの高さと同じにな
るようにしてある。ここでは、各底面cは、その最大径
部dを周方向に3等配に位置させるとともに、その各最
大径部d間を滑らかな曲率面でつないで形成してある。
【0052】そして、各シール部12、13、14、1
5の底面cは、相互に位相をずらして配置される。この
とき、図2に示す第1シール部12の底面c(最大径部
d)の位置を基準にすると、第2シール部13の底面c
(最大径部d)は基準から左方向へ30°角変位した位
置に、また、第3シール部14の底面c(最大径部d)
は基準から左方向へ60°角変位した位置に、第4シー
ル部15の底面c(最大径部d)は基準から左方向へ9
0°角変位した位置にそれぞれ配置する。これにより、
各シール部12、13、14、15の底面cは、図6に
示すように、その最大径部dが周方向に連続することに
なるので、見掛け上、底面cは、その位置が連続的に仕
切刃11a、11b、11c、11d、11eの高さと
ほぼ同一となり、底面cとフローティングリング5の内
周面との間の距離を平均的にするようにしてある。
【0053】次に、上記のものの作用を説明する。この
軸封装置は上記のように構成したことにより、フローテ
ィングシール機構9およびラビリンスシール機構10の
存在によって、ハウジング1の挿通孔1b内がP側とQ
側との2室に区画される。このとき、P側には流体が、
また、Q側にはP側の流体よりも低圧の流体がそれぞれ
存在していて、フローティングリング5よりもP側寄り
にスプリング8が位置するようにしておく。
【0054】まず、ラビリンスシール機構10を具えて
いることにより、ハウジング1と回転軸2との間がシー
ルされるようになっている。
【0055】この場合、回転軸2に設けられた仕切刃1
1a、11b、11c、11d、11eが所謂絞りとし
て作用し、また、環状空所b、b、……が所謂膨張室と
して作用することになる。このため、回転軸2とフロー
ティングリング5との間に形成されたシール隙間16を
P側からQ側に向かって流通しようとするシール流体
は、各仕切刃11a、11b、11c、11d、11e
とフローティングリング5との間の隙間を介して環状空
所b内に入った時に急激に膨張し、その圧力が低下して
エネルギが失われることになる。したがって、第1乃至
第4の各シール部12、13、14、15では、シール
流体の流通抵抗が高まることになるので、所定のシール
性を得ることができるようになっている。
【0056】また、このように、回転軸2に仕切刃11
a、11b、11c、11d、11eを設けてラビリン
スシール機構10を構成したものでは、回転軸2が偏心
等して仕切刃11a、11b、11c、11d、11e
がフローティングリング5の内周面に接触しても、フロ
ーティングリング5に接触する部分は幅の小さい先端部
分だけであるので、その接触面積は非常に小さい。この
ため、回転する回転軸2とフローティングリング5との
間の接触時の摩擦も小さくできるので、摩擦発熱を小さ
くでき、また、摩耗損傷を部分的に抑えることができ
る。
【0057】しかも、上記の軸封装置はフローティング
シール機構9を具えているので、シール性を確保した状
態で、回転軸2とフローティングリング5との接触が回
避されるようになっている。
【0058】すなわち、フローティングリング5と回転
軸2との間に形成されてシール部分を構成するシール隙
間16が、両者2、5間のシール性を確保するようにな
っている。上記の場合、回転軸2がフローティングリン
グ5に対してわずかに離間した状態で挿通されることで
シール隙間16を形成してあるので、このシール隙間1
6は、その部分において、P側の流体とQ側の流体との
間の圧力差が原因となって生じる軸線方向の流体の流通
を制限している。このため、シール隙間16に、所定の
シール性が確保されることとなる。
【0059】このとき、スプリング8の付勢力によっ
て、フローティングリング5のシール部5cがケーシン
グ3の内側端面に圧接されているので、フローティング
リング5とケーシング3との間のシール性は確保されて
いる。上記のように、シール隙間16およびシール部5
cが存在する結果、ハウジング1と回転軸2との間がシ
ールされ、ハウジング1内のP側の流体がQ側に漏れる
のを制限するようにしてある。
【0060】ここで、回転軸2がフローティングリング
5に対して偏心状態となったときでも、回転軸2とフロ
ーティングリング5との接触が回避されるようになって
いる。
【0061】すなわち、回転軸2の取付状態がずれた
り、あるいは回転軸2が回転中に振れ回ったりすること
が原因となって、回転軸2が、図2乃至図6に示すよう
に、フローティングリング5に対して偏心すると、これ
に伴ってフローティングリング5が径方向へ移動して逃
げるようになっている。
【0062】回転軸2とフローティングリング5との間
に形成されているシール隙間16の部分においては、回
転軸2の回転に伴って、円周方向に向かう流体の旋回流
が発生している。このため、回転軸2の偏心によって、
回転軸2とフローティングリング5との間に互いに近接
する部位が生じると、そのシール隙間16における回転
軸2とフローティングリング5との近接部位で動圧力が
発生するようになる。
【0063】特に、各シール部12、13、14、15
の底面cには、仕切刃11a、11b、11c、11
d、11eと同一高さの最大径部dが存在するので、回
転軸2の回転により効果的な動圧力を発生させることが
できる。上記の場合では、底面cの最大径部dが回転軸
2の回転に伴って回転軸2とフローティングリング5と
の近接部位に近づくと、その部位で各環状空所b、b、
……内の旋回流が圧縮されるので、図7に示すような分
布で動圧力が発生するようになっている。
【0064】したがって、回転軸2が偏心状態にあると
きでも、この動圧力の作用によって、フローティングリ
ング5が径方向外方へ移動して逃げるようになるので、
フローティングリング5と回転軸2との接触が回避され
ることとなる。
【0065】このように、上記のフローティングシール
機構9は、回転軸2の回転に伴って発生するシール流体
の動圧効果を利用することにより、回転軸2とフローテ
ィングリング5との接触を回避している。このとき、フ
ローティングシール機構9のシール性を良好にするに
は、シール隙間16におけるシール流体の流通路をでき
る限り小さくする必要がある。このため、シール隙間1
6を例えば数十ミクロンから数百ミクロン程度に設定す
ることで、シール流体のリーク量を制限し、また、シー
ル圧力を減圧するようにしてある。
【0066】この場合、従来では、シール隙間46を小
さくすると、例えば、シール条件下で急激な温度変化等
が原因となってフローティングリング35が回転軸32
と強く摺接して摩擦し、異常摩耗することがあった。ま
た、その両者32、35の摩擦により熱が発生し、その
熱の作用で熱膨張変形が生じてフローティングリング3
5を破壊してしまう恐れもあった。したがって、従来の
軸封装置にあっては、シール隙間46を小さくすること
ができなかった。
【0067】この点、上記の軸封装置にあっては、仕切
刃11a、11b、11c、11d、11eの先端部を
フローティングリング5の内周面に近接させることで、
シール隙間16におけるシール流体の流通路を非常に小
さくすることができる。このため、ラビリンスシール機
構10としてのシール機能を充分に果たすことができる
こととなる。
【0068】しかも、このようにラビリンスシール機構
10を採用した場合、従来では、膨張室となる環状空所
b、b、……を確保するために、シール隙間46を大き
くしなければならなかった。したがって、シール隙間4
6においては、回転軸32の回転に伴うシール流体の旋
回流による動圧力を効果的に発生させることができなか
った。
【0069】この点、上記の軸封装置にあっては、各仕
切刃11a、11b、11c、11d、11e間に形成
された底面cの位置を連続的に変化させて、底面cに、
フローティングリング5に対して近接する部位(最大径
部d)を形成したことにより、この底面cの最大径部d
が、回転軸2の回転に伴う動圧力を効果的に発生させる
ことができるようになっている。したがって、フローテ
ィングシール機構9としての機能、すなわち、回転軸2
とフローティングリング5とが互いに偏心状態となった
ときに、発生する動圧力の作用でフローティングリング
5を逃がし、これにより、回転軸2とフローティングリ
ング5との接触を回避するという機能を確保することが
できることとなる。
【0070】上記の結果、シール状態を確保した上で、
フローティングシール機構9による動圧力効果と、ラビ
リンスシール機構10による部材2、5間の摩擦低減作
用とを同時に得ることができる。したがって、フローテ
ィングシール機構9の性能向上を目的とした設計の限界
域を広げることができ、さらに、装置の異常振動や環境
温度の異常な変化等に対しても、回転軸2とフローティ
ングリング5とが摩擦することでシール性能を失うほど
の損傷が発生することを防止することができる。
【0071】次に、上記実施例の第1変形例を図8に示
す。すなわち、前記実施例におけるラビリンスシール機
構10においては、各シール部12、13、14、15
の底面cの形状は滑らかな曲率面でつないで連続的に変
化したものを示したが、この図8に示した軸封装置にあ
っては、各シール部12、13、14、15の底面cの
形状を段階的に変化させてある。なお、他の構成は前記
実施例と同様であるので、同一の符号を付すことにより
詳細な説明は省略する。
【0072】図8において、各シール部12、13、1
4、15の底面cは、3等配されている最大径部d間を
つなぐ部位が、回転軸2の回転方向後方に向かうに従っ
て、所定長さで所定高さずつステップアップして階段状
に形成されている。このように、各シール部12、1
3、14、15の底面cを段階的に変化させても、図8
に示したような分布で動圧力を発生させることができる
ので、フローティングシール機構9の機能は充分に確保
され、前記実施例と同様の動圧力効果を得ることができ
るものである。
【0073】次に、前記実施例の第2変形例を図9に示
す。すなわち、図9に示す軸封装置は、前記実施例にお
ける各シール部12、13、14、15の底面cを変形
したもので、最大径部dよりも回転方向前方側の底面c
の部位に、段部eを形成したものである。なお、他の構
成は前記実施例と同様であるので、同一の符号を付すこ
とにより詳細な説明は省略する。
【0074】図9において、各シール部12、13、1
4、15の底面cに形成される段部eは、3等配されて
いる最大径部dよりも少し小さい径を有したもので、回
転軸2の回転方向前方側に隣接する最大径部dの部位
に、周方向に所定長さで形成されている。このように、
各シール部12、13、14、15の底面cに段部eを
設けても、図9に示したような分布で動圧力を発生させ
ることができるので、フローティングシール機構9の機
能は充分に確保され、前記実施例と同様の動圧力効果を
得ることができるものである。
【0075】なお、上記実施例およびその変形例におい
ては、各シール部12、13、14、15の底面cの形
状は3等配の最大径部dを設けたものを示したが、これ
に限定されるものではない。各シール部12、13、1
4、15の底面cは、少なくとも1か所にフローティン
グリング5に近接する部位を形成してあれば、その数や
形状は特に限定されない。また、上記実施例およびその
変形例においては、複数段のシール部でラビリンスシー
ル機構を形成したが、環状空所bを形成するシール部は
少なくとも1段あれば、その段数は制限されるものでは
ない。
【0076】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、フロー
ティングシール機構を具えた軸封装置において、回転軸
に所定の間隔で配設される仕切刃を有するラビリンスシ
ール機構を設け、その仕切刃間に形成される底面に、フ
ローティングリングに近接する部位を設けたことによ
り、フローティングシール機能とラビリンスシール機能
とを同時に、かつ、効果的に得ることができる。
【0077】すなわち、回転軸の振れ回りや振動等が原
因となって回転軸とフローティングリングとが相対的に
偏心するようになっても、ラビリンスシール機構の作用
により、シール状態を確保した状態で、回転軸とフロー
ティングリングとの間の摩擦を確実に低減することがで
きる。しかも、仕切刃間の底面にはフローティングリン
グに近接する部位を設けてあるので、回転軸の回転に伴
う動圧力の発生を確保することができるという効果を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による軸封装置の一実施例を示す図で
ある。
【図2】図1におけるA−A線部分断面図である。
【図3】図1におけるB−B線部分断面図である。
【図4】図1におけるC−C線部分断面図である。
【図5】図1におけるD−D線部分断面図である。
【図6】図1におけるE−E線矢視の要部透視図であ
る。
【図7】図1に示した軸封装置の作用を説明する図であ
って、回転軸とフローティングリングとが最も近接する
部位において発生する動圧力の分布を示す図である。
【図8】図1に示した軸封装置の第1変形例を示す図で
あって、回転軸とフローティングリングとが最も近接す
る部位において発生する動圧力の分布を示す図である。
【図9】図1に示した軸封装置の第2変形例を示す図で
あって、回転軸とフローティングリングとが最も近接す
る部位において発生する動圧力の分布を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【図11】図10におけるX−X線部分断面図である。
【図12】図10に示した軸封装置において、回転軸と
フローティングリングとが互いに偏心した状態を示す図
であって、発生する動圧力の分布を示す図である。
【図13】他の従来例を示す図である。
【図14】図13におけるY−Y線部分断面図である。
【符号の説明】
1、31……ハウジング 1a、31a……装着溝 1b、31b……挿通孔 2、32……回転軸 3、33……ケーシング 4、34……ケーシング本体 4a、34a……起立部 4b、34b……凹部 5、35……フローティングリング 5a、35a……シールリング 5b、35b……リテーナ 5c、35c……シール部 5d、35d……突起 6、36……スプリングリテーナ 7、37……スナップリング 8、38……スプリング 9、39……フローティングシール機構 10、40……ラビリンスシール機構 11a、11b、11c、11d、11e、41a、4
1b、41c、41d、 41e……仕切刃 12、13、14、15、42、43、44、45……
シール部 16、46……シール隙間 17、18、47、48……隙間 19、49……回転止め部 b……環状空所 c……底面 d……最大径部 e……段部 O1 ……フローティングリングの中心 O2 ……回転軸の中心

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング(1)と、これに挿通される
    回転軸(2)との間をシールする軸封装置であって、径
    方向へ移動可能な状態で前記ハウジング(1)に保持さ
    れるとともに、内側にわずかに離間した状態で前記回転
    軸(2)が挿通されるフローティングリング(5)を有
    するフローティングシール機構(9)と、前記回転軸
    (2)に、先端部が前記フローティングリング(5)に
    近接する環状の仕切刃(11a、11b、11c、11
    d、11e)を所定間隔で複数設けて構成されるラビリ
    ンスシール機構(10)とを具え、前記各仕切刃(11
    a、11b、11c、11d、11e)間に形成される
    底面(c)の少なくとも1か所に、前記フローティング
    リング(5)に近接する部位(d)を設けたことを特徴
    とする軸封装置。
  2. 【請求項2】 前記各仕切刃(11a、11b、11
    c、11d、11e)間の底面(c)において形成され
    る前記フローティングリング(5)に近接する部位
    (d)を、前記各仕切刃(11a、11b、11c、1
    1d、11e)の高さと一致する最大径部(d)で形成
    している請求項1記載の軸封装置。
  3. 【請求項3】 前記各仕切刃(11a、11b、11
    c、11d、11e)間の底面(c)に、前記フローテ
    ィングリング(5)に近接する部位(d)を等配に形成
    してある請求項1記載の軸封装置。
  4. 【請求項4】 前記フローティングリング(5)に近接
    する各部位(d)間に位置する前記底面(c)の部位を
    滑らかな曲率面に形成している請求項3記載の軸封装
    置。
  5. 【請求項5】 前記フローティングリング(5)に近接
    する各部位(d)間に位置する前記底面(c)の部位
    を、前記回転軸(2)の回転方向後方へ向かうに従って
    漸次フローティングリング(5)に近接する階段状に形
    成している請求項3記載の軸封装置。
  6. 【請求項6】 前記フローティングリング(5)に近接
    する各部位(d)に隣接する前記底面(c)の部位に、
    段部(e)を形成してある請求項3記載の軸封装置。
  7. 【請求項7】 前記仕切刃(11a、11b、11c、
    11d、11e)を少なくとも2つ設け、各仕切刃(1
    1a、11b、11c、11d、11e)間でシール部
    (12、13、14、15)を形成し、これにより、シ
    ール部(12、13、14、15)を複数段に形成して
    ある請求項1記載の軸封装置。
  8. 【請求項8】 前記各仕切刃(11a、11b、11
    c、11d、11e)間の底面(c)に、前記フローテ
    ィングリング(5)に近接する部位(d)を等配に形成
    し、前記フローティングリング(5)に近接する当該部
    位(d)を、隣接するシール部(12、13、14、1
    5)における前記フローティングリング(5)に近接す
    る部位(d)に対して周方向にずれた状態で設けてある
    請求項1記載の軸封装置。
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