JPWO2018147281A1 - 炭化水素の製造方法、その製造装置、その製造システム、及び、バイオクルードの製造方法 - Google Patents

炭化水素の製造方法、その製造装置、その製造システム、及び、バイオクルードの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスを用いて、炭素資源の損失を抑制して、効率よく炭化水素を製造することができる炭化水素の製造方法、その製造装置、その製造システム、及びバイオクルードの製造方法を提供する。【解決手段】少なくともバイオマスと溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得る前処理工程と、前処理工程により得られたバイオクルードと、水素供与体と、を原料として流動接触分解を行う流動接触分解工程と、を備えることを特徴とする。

Description

本発明は、炭化水素の製造方法、その製造装置、その製造システム、及び、バイオクルードの製造方法に関するものである。
近年、石油等の化石資源の枯渇が懸念されていることや、エネルギー需要が増大していることを背景として、代替資源の開発が求められており、例えば、植物等のバイオマスを原料として、石油に代替する輸送用燃料の合成手法が種々提案されている。
石油に代替する燃料の合成手法として、植物等のバイオマスを原料として液体燃料を製造する方法が研究開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の液体燃料の製造方法は、木質バイオマスと有機溶媒とを混合して、250℃〜400℃にて熱分解することにより液化処理し、この分解物を分離して液体燃料を得るものである。
特開2006−063310号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来の熱分解プロセスや、亜臨界水処理プロセスまたは臨界水処理プロセスを用いてバイオマスから炭化水素を製造する場合、バイオマスの酸素含有率が高いこと、また、バイオマスを高温処理することから、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO)等の無機ガスが多く発生して、バイオマスに含まれる炭素資源の損失が大きいという問題があった。
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、バイオマスを用いて、炭素資源の損失を抑制して、効率よく炭化水素を製造することができる炭化水素の製造方法、その製造装置、その製造システム、及び、バイオクルードの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化水素の製造方法は、少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得る前処理工程と、前記前処理工程により得られた前記バイオクルードと、水素供与体と、を原料として流動接触分解を行う流動接触分解工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の炭化水素の製造方法においては、前記前処理工程における前記溶媒が、有機酸を含むことが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法においては、前記バイオマスが木質バイオマスであり、前記前処理工程における前記溶媒が、前記バイオクルードを含んでいてもよい。
本発明の炭化水素の製造方法においては、前記流動接触分解工程において、前記バイオクルードと、前記水素供与体とが、別々に供給されてもよい。
本発明のバイオクルードの製造方法は、少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得ることを特徴とする。
本発明の炭化水素の製造装置は、本発明の炭化水素の製造方法の前記流動接触分解工程において用いられる炭化水素の製造装置であって、前記流動接触分解が行われる反応器と、
前記原料を前記反応器に供給する原料供給手段と、を備え、前記原料供給手段が、前記バイオクルードを供給するバイオクルード供給部と、前記水素供与体を供給する水素供与体供給部と、を別々に有することを特徴とする。
本発明の炭化水素の製造システムは、本発明の炭化水素の製造方法を用いたものであって、前記前処理工程と、前記流動接触分解工程と、が互いに離れた場所において行われ、前記前処理工程により得られた前記バイオクルードを輸送して前記流動接触分解工程に供給することを特徴とする。
本発明の炭化水素の製造システムにおいては、前記バイオマスが木質バイオマスであり、前記前処理工程が、前記木質バイオマスの材料となる原木の山元で行われてもよい。
本発明の炭化水素の製造方法及びバイオクルードの製造方法によれば、バイオマスを加溶媒分解により前処理することで、従来の前処理方法である熱分解や亜臨界水処理または超臨界水処理よりも低温でバイオマスが液化するとともに、引き続く流動接触分解工程において、これを水素供与体とともに接触分解した時に、水素化脱酸素反応により脱酸素が行われて、多くの酸素が水として除かれるため、一酸化炭素や二酸化炭素の生成が抑制され、炭素資源の損失を少なくすることができる。これにより、バイオマスから効率よく炭化水素を製造することができる。
バイオクルードと水素供与体とが不用意に混合されると、バイオマスの一部が固体として析出する可能性がある。本発明の炭化水素の製造装置によれば、バイオクルードと水素供与体とが別々の供給部により反応器へ供給されることから、バイオクルードと水素供与体とが供給部内で混合することなく、バイオマスの析出を防ぐことができる。
本発明の炭化水素の製造システムによれば、前処理工程と、流動接触分解工程と、が互いに離れた場所において行われ、前処理工程により得られたバイオクルードを輸送して流動接触分解工程に供給することから、流動接触分解工程を行う施設までバイオクルードを輸送することで、液体のバイオクルードよりも固形で嵩高い(bulky)バイオマスを輸送するよりも輸送コストを低くすることができる。
本発明の一実施形態にかかる前処理工程のプロセスフローを示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる炭化水素の製造装置を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる炭化水素の製造装置を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる炭化水素の製造装置を模式的に示す図である。 本発明の実施例における熱重量分析の結果を示す図である。 本発明の実施例におけるGPC測定の結果を示す図である。
[炭化水素の製造方法、バイオクルードの製造方法及び炭化水素の製造装置]
本発明の炭化水素の製造方法及び炭化水素の製造装置について説明する。
本発明の炭化水素の製造方法は、少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得る前処理工程と、前処理工程により得られたバイオクルードと、水素供与体と、を原料として流動接触分解を行う流動接触分解工程と、を備えることを特徴とする。また、本発明のバイオクルードの製造方法は、少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得ることを特徴とする。本発明において、バイオクルードとは、前処理工程の加溶媒分解により得られた液体生成物を指すものである。例えば、木質バイオマスを前処理工程に供することにより得られたバイオクルードには、リグニン由来のメトキシフェノール、アルキルフェノール等、セルロースまたはヘミセルロース由来のフラン等の含酸素芳香族化合物と、それらが多数(2〜80個程度)共重合した高分子化合物等が含まれている。
本発明における炭化水素としては、例えば酸素を含まないDrop−in燃料(既存のエンジンやインフラを利用可能な燃料)、及び、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族化合物やエチレン、プロピレンまたはブタジエン等のオレフィン類といったいわゆる石油化学製品が挙げられる。ただし、本発明における炭化水素は、これらに限定されない。
バイオマスとは、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものである。本発明におけるバイオマスとしては、木質バイオマス等の林産資源や農産物加工残渣等を用いることができる。本発明においては、特に木質バイオマスを好適に使用することができる。
前処理工程では、バイオマスと溶媒とを混合して、加溶媒分解を行う。例えば、バイオマスと、溶媒とを反応器内で混合して、反応器を所定の反応温度まで昇温させたのち、所定時間保って加溶媒分解を進行させる。加溶媒分解反応後、液体生成物を回収し、これをバイオクルードとする。得られたバイオクルードを流動接触分解工程に供する。前処理工程は、設定した温度、時間でバイオマスと溶媒の混合物を加熱して加溶媒分解をすることができればどのような装置を用いてもよく、例えば、オートクレーブや管型反応器等を用いることができる。また、前処理工程において、反応中に液体が気化することを抑制するため、加圧して反応させることが好ましい。また、前処理工程では、バイオマスと溶媒とを混合して混合物としてから、この混合物を反応器内へ供給することもできる。
前処理工程における溶媒は、バイオマスの加溶媒分解反応を促進させるものであり、含酸素芳香族化合物を含むものである。溶媒に用いる含酸素芳香族化合物は、セルロース、ヘミセルロース、リグニン及びその分解生成物に対して溶解性のある物質であり、具体的にはグアイアコール(2−メトキシフェノール)等のメトキシフェノール類、アルキルフェノール類、植物油または油脂等を用いることができる。
また、前処理工程における溶媒は、有機酸をさらに含むことが好ましい。溶媒に用いる有機酸は、水溶液中で酸性を示す有機酸、例えば、カルボン酸や炭素数1〜6の有機酸等であり、具体的にはギ酸、酢酸、プロピオン酸または酪酸等を用いることができる。バイオマスとして木質バイオマスを用いる場合には、前処理工程において副生するものが好ましく、特に、酢酸を好適に使用することができる。
溶媒に、含酸素芳香族化合物や有機酸が含まれることにより、バイオマスの加溶媒分解が促進されるため、熱分解や亜臨界水処理または超臨界水処理よりも低温でもバイオマスが分解され、液化が可能となる。また、溶媒に含酸素芳香族化合物が含まれることにより、バイオマス及びその分解生成物を溶媒中に高い溶解性で溶解できるので、ラジカルが溶媒中に希釈分散されて再重合が抑制され、バイオマスの液化反応(加溶媒分解)を促進させることができる。さらに、溶媒に有機酸が含まれることにより、これが酸触媒として加溶媒分解に作用するのでバイオマスの液化反応をより促進させることができる。
また、前処理工程における溶媒は、含酸素芳香族化合物または有機酸に加えて、又は、これらに代えて、前処理工程により得られたバイオクルードを用いることができる。すなわち、前処理工程により得られたバイオクルードの一部を取り置いておき、次にバイオマス由来の原料を前処理工程に供する際に溶媒として用いてもよい。また、バイオクルードを溶媒に添加して前処理工程を行った場合でも、得られたバイオクルードを、次に前処理工程を行うときに溶媒に添加して用いることができる。
本発明の前処理工程により得られたバイオクルードには、例えば、原料として木質バイオマスを用いた場合、含酸素芳香族化合物としてグアイアコール等のメトキシフェノール類、アルキルフェノール類や、酢酸等の有機酸が含まれている。これにより、含酸素芳香族化合物や有機酸を個別に加えなくても、バイオクルードを添加して、バイオマスの液化反応を促進させることができる。
また、図1は、溶媒を回収して再び前処理工程に用いる場合の、前処理工程のプロセスフローの一例を示す図である。図1に示すように、バイオマス、必要に応じて、水、有機酸、または溶媒(含酸素芳香族化合物、及び、有機酸)を混合して反応器に供し、加溶媒分解反応を行う。反応物を蒸留塔に供し、ガス及び水、溶媒(含酸素芳香族化合物、及び、有機酸)、およびバイオクルードに分留して、溶媒を再び加溶媒分解反応に供する。すなわち、バイオクルードを次に前処理工程を行うときの溶媒に添加する場合、反応物から含酸素芳香族化合物及び有機酸を蒸留により回収して溶媒として再び前処理工程に用いてもよい。これにより、加溶媒分解反応を促進させる物質を溶媒として再び用いることができ、加溶媒分解反応をより効率よく進行させることができるとともに、炭化水素の原料となる物質をより多く流動接触分解工程に供給することができる。また、このときガスや軽質油、水を回収して他の用途に利用してもよい。これによりバイオマスに含まれる資源をより有効に利用することができる。また、水を回収することにより、溶媒として再び前処理工程に供するには水分含量が多すぎる場合でも、反応系の水分量を適切な量に調整することができる。
また、バイオマスに水が適量含まれる場合、反応系に水を添加しなくてもバイオマスに含まれる水により加水分解反応を進めることができることから、本発明の前処理工程においては、少なくともバイオマスと溶媒とを混合して加溶媒分解を行い、水を添加しない場合がある。すなわち、本発明の前処理工程においては、多量の水を必要とせずに加溶媒分解反応を進めることができる。また、水分としては、反応系に5%以上含まれていることが好ましい。反応系に5%以上の水分が含まれていることにより、前処理工程において、バイオマスの液化反応を効率よく進行させることができる。また、反応系内の水分量を増加させると酸触媒の乖離が進むために加溶媒分解反応が促進される可能性があり、原料によってはその効果を享受することができる。また、バイオクルードを含酸素芳香族化合物、または有機酸に加えて、又は、これらに代えて繰り返し用いるときに、運転開始時でまだ反応系に水が蓄積していない場合や、バイオマスの種類や状態等に応じて、前処理工程の溶媒に水を添加してもよい。水が含まれることにより、バイオマスの加水分解を進行させ、有機酸の酸解離を促進させることができる。また、例えば、水分が十分に含まれる材料や、調湿木材チップでは、前処理工程の溶媒に水を添加しなくてもよい。反応系に水を添加しない場合には、含酸素芳香族化合物自体を溶媒とすることができる。
前処理工程は、160℃以上で行うことが好ましい。温度が低すぎると、加溶媒分解反応が進行せず、液体生成物(バイオクルード)の炭素収率が低くなるおそれがある。また、前処理工程は、290℃以下で行うことが好ましい。温度が高過ぎると、熱分解反応が進行して、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO)が生成するとともに、コーキングも進行して、気体や固体として炭素が失われるおそれがある。このことから、前処理工程の温度条件を適切に設定することにより、加溶媒分解反応を進行させることができるとともに、一酸化炭素や二酸化炭素の生成を抑制することができる。
前処理工程に供するバイオマスは、予め粉砕されていることが好ましい。粉砕されていることにより、固体粒子の比表面積が大きくなるので、前処理工程において、同じ処理時間でもより効率的に加溶媒分解反応が進み、前処理工程により得られるバイオクルードの収量を向上させることができる。なお、粉砕の程度は、粉砕にかかるコストと加溶媒分解時にかかるコストとを考慮して、適宜設定すればよい。
流動接触分解工程では、バイオクルードと、水素供与体と、を原料として流動接触分解を行うことにより、炭化水素が生成される。
本発明の流動接触分解工程における水素供与体は、流動接触分解工程において水素を供与することができる物質、及びそのような物質が含まれるものである。水素供与体は、H/C(化合物内の炭素と比較した水素の比率)が大きく、流動接触分解反応で容易に分解反応が進行し、同時に進行する水素移行反応に依って水素を供与できる有機化合物であり、例えば、減圧軽油、常圧残渣油に代表される重質油を用いることができる。これらはアルキルテトラリンやアルキルナフタレンのような多環芳香族に直鎖のアルカン置換基が発達した構造(例えば、下記の化合物1)、あるいはヘキサデカン、エイコサンに代表される直鎖アルカン構造(例えば、下記の化合物2)を持っており、そのような物質、及びそれらの物質を含むものである。
Figure 2018147281
本発明の流動接触分解工程において、触媒にはゼオライトまたは適度な酸性質を有する非晶質シリカ−アルミナを用いることができ、ゼオライトでは、特に、原料の分子サイズを考慮するとゼオライトの中でも大きな細孔を有するFAU型ゼオライトを好適に用いることができる。また、FAU型ゼオライトは、水素移行反応活性が高いことから、水素供与体中に含まれる水素が、バイオクルードに含まれるヒドロキシル基(−OH)、エーテル結合(−O−)、またはカルボキシル基(−COOH)等の構造を持つ含酸素成分に受け渡されて、水素化脱酸素反応が進行して水が生成される。これにより、バイオマス中の炭素資源を一酸化炭素(CO)あるいは二酸化炭素(CO)として損失することを抑制して、効率的に炭化水素へと変換することができる。さらに、バイオクルード中に生成している多環芳香族が水素化分解することにより、単環芳香族化合物が生成されると推測される。
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる炭化水素の製造装置について説明する。
炭化水素の製造装置100は、流動接触分解工程に用いられるものであり、原料を貯蔵する原料貯蔵タンク10と、原料を後述するライザー反応管30に供給する原料供給手段である原料供給管20と、流動接触分解が行われる反応器であるライザー反応管30と、コークが付着した触媒を再生する再生塔40と、ライザー反応管30で得られた炭化水素を蒸留して各成分に分留する蒸留塔50と、を備える。
また、原料供給管20とライザー反応管30との間には、原料の供給量を調整するバルブ21が設けられている。本実施形態においては、原料であるバイオクルードと水素供与体とが予め混合されて原料スラリーとして原料貯蔵タンク10に貯蔵されている。
流動接触分解とは、石油精製技術の一つであり、FCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスとも称される。流動接触分解反応は、反応系(原料の分解及び触媒再生)と分解生成物の分離精製系の二つに大別される。前記反応系において、原料及び蒸気がライザー反応管30に供給されて、原料は450℃〜650℃程度の温度において、ゼオライトまたは適度な酸性質を有する非晶質シリカ−アルミナを微粉末状にした微粉状固体酸触媒(図2において白丸(○)で示す)と接触して分解される。
まず、水素供与体である重質油が、固体酸触媒のマイクロポア又はメゾポアに散在する活性点である酸点において分解し、中間体であるカルベニウムイオンを経てオレフィンが生成される。さらに、環化反応や水素移行反応が進行することにより、バイオクルードに含まれる化合物中の酸素が水として除去されるとともに分解が進行する。この原料の分解反応において触媒上にはコークが生成されるため、反応後のコークが付着した触媒(図2において黒丸(●)で示す、コーキング触媒)は、再生塔40において600℃〜800℃程度の高温で燃焼されてコークが除去されることにより再生され、再生触媒(図2において白丸(○)で示す)としてライザー反応管30に再び供給される。このとき、再生塔40の下部からは空気が送られ、コークの燃焼とともに再生塔40の上部から一酸化炭素、二酸化炭素、および水が放出される。また、触媒の活性を一定に保つために、再生された触媒の一部が抜き出され、新しい触媒が補給される。以上のようにして流動接触分解反応の反応系が進行する。
ライザー反応管30において得られた反応物は、蒸留塔50に送られて各成分に分留される。蒸留塔50の上部からはプロピレン、ブテン、またはガソリン等の軽質留分、中間部からは軽質サイクル油(LCO)、または軽油等の中間留分、下部からは重質サイクル油(HCO)、またはスラリーオイル(CSO)等の重質留分が得られる。
このような接触分解反応により、原料中の水素の再配分によりバイオクルードの脱酸素反応と分解反応が進行して、高エネルギー燃料を得ることができる。また、流動接触分解プロセスは、固定層での反応プロセスではなく、希薄流動層で構成される反応プロセスであることから、前処理工程において固形物が僅かながら残留したとしても、反応器が詰まる等の不良を起こさずに、運転を継続することができる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる炭化水素の製造装置について、図3を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同じ構成については、同じ符号を用いて説明を省略する。
炭化水素の製造装置200は、原料を貯蔵する原料貯蔵タンク210と、原料を後述するライザー反応管30に供給する原料供給手段である原料供給管220と、流動接触分解が行われるライザー反応管30と、コークが付着した触媒を再生する再生塔40と、ライザー反応管30で得られた炭化水素を蒸留して各成分に分留する蒸留塔50と、を備える。
原料貯蔵タンク210は、バイオクルード貯蔵タンク211と、水素供与体貯蔵タンク212と、を有して構成されており、本実施形態の炭化水素の製造装置200においては、バイオクルードと水素供与体とが別々の貯蔵タンクに貯蔵されている。また、原料供給管220は、バイオクルード貯蔵タンク211に接続されたバイオクルード供給管222と、水素供与体貯蔵タンク212に接続された水素供与体供給管223と、バイオクルード供給管222と水素供与体供給管223とが合流してライザー反応管30に接続される混合供給管224と、を有する。すなわち、本実施形態の炭化水素の製造装置200においては、バイオクルードと水素供与体とが別々に貯蔵され、供給管内で混合されて、ライザー反応管30に供給される。また、混合供給管224とライザー反応管30との間には、原料の供給量を調整するバルブ221が設けられている。なお、本実施形態において、バイオクルード貯蔵タンク211は水素供与体貯蔵タンク212よりも上流に設けられていたが、水素供与体貯蔵タンク212の方が上流に設けられていてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態にかかる炭化水素の製造装置について、図4を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同じ構成については、同じ符号を用いて説明を省略する。
炭化水素の製造装置300は、原料を貯蔵する原料貯蔵タンク310と、原料を後述するライザー反応管30に供給する原料供給手段である原料供給管320と、流動接触分解が行われる反応器であるライザー反応管30と、コークが付着した触媒を再生する再生塔40と、ライザー反応管30で得られた炭化水素を蒸留して各成分に分留する蒸留塔50と、を備える。
原料貯蔵タンク310は、バイオクルード貯蔵タンク311と、水素供与体貯蔵タンク312と、を有して構成されており、本実施形態の炭化水素の製造装置300においては、バイオクルードと水素供与体とが別々の貯蔵タンクに貯蔵されている。また、原料供給管320は、バイオクルード貯蔵タンク311に接続されたバイオクルード供給管322(バイオクルード供給部)と、水素供与体貯蔵タンク312に接続された水素供与体供給管323(水素供与体供給部)と、を有する。すなわち、本実施形態の炭化水素の製造装置300においては、バイオクルードと水素供与体とが別々に貯蔵され、別々の供給管によりライザー反応管30に供給される。また、バイオクルード供給管322とライザー反応管30との間には、バイオクルードの供給量を調整するバルブ321aが設けられ、水素供与体供給管323とライザー反応管30との間には、水素供与体の供給量を調整するバルブ321bが設けられている。
本実施形態の炭化水素の製造装置のように、本発明の流動接触分解工程において、バイオクルードと、水素供与体とが、別々に供給されてもよい。また、本発明の流動接触分解工程に用いられる製造装置は、原料供給手段として、バイオクルードを供給するバイオクルード供給部と、水素供与体を供給する水素供与体供給部と、を別々に有していてもよい。
バイオクルードと、重質油等の水素供与体とを材料として流動接触分解工程に供するときに、バイオクルードと水素供与体とがほとんど相互溶解しない場合には、水素供与体スラリー中にバイオマスが安定して分散するため、第1の実施形態の炭化水素の製造装置100や、第2の実施形態の炭化水素の製造装置200のように構成することができる。すなわち、図2に示された炭化水素の製造装置100のように、バイオクルードと水素供与体とを混合した原料スラリーを、流動接触分解反応が行われるライザー反応管30の下部に供給するように構成したり、図3に示された炭化水素の製造装置200のように、バイオクルードと水素供与体とを別々のタンクに貯蔵しておき、原料供給管220(混合供給管224)内で混合された原料をライザー反応管30に供給するように構成したりすることができる。
一方、バイオクルードと水素供与体との一部が相互溶解すると、バイオマスを分散させていたバイオクルード中の溶媒が水素供与体に逆抽出されてバイオマスが析出することがあり、原料の供給管や供給ノズルが閉塞する可能性がある。このような場合には、図4に示された炭化水素の製造装置300のように、バイオクルードと水素供与体とが別々のタンクに貯蔵され、ライザー反応管30まで別々の供給管(バイオクルード供給管322と水素供与体供給管323)を介して供給されるように構成されていることが好ましい。バイオクルードと水素供与体とが別々に供給されることにより、バイオクルードと水素供与体とが供給管内で混合することがないことから、バイオマスの析出を防ぐことができる。これにより、原料の供給管や供給ノズルの閉塞を防止することができる。なお、ライザー反応管30の中では固体粒子である触媒が高流速で流れており閉塞は起こらない。
以上のように、炭化水素の製造装置をどのように構成するかは、原料であるバイオクルードと水素供与体の性質等に合わせて選択することができる。
以上のような本発明の炭化水素の製造方法及びバイオクルードの製造方法によれば、バイオマスを加溶媒分解により前処理することで、熱分解や亜臨界水処理または超臨界水処理よりも低温で分解反応が進行するとともに、引き続く流動接触分解工程において、これを水素供与体とともに接触分解した時に、水素化脱酸素反応により脱酸素が行われて、多くの酸素が水として除かれるため、一酸化炭素や二酸化炭素の生成が抑制され、炭素資源の損失を少なくすることができる。これにより、バイオマスから効率よく炭化水素を製造することができる。また、バイオマスを構成する多環芳香族化合物が水素化分解されることにより、単環芳香族化合物が生成されると推測される。
また、バイオクルードと水素供与体とが混合されるとバイオマスの一部が固体として析出する可能性がある。本発明の炭化水素の製造装置によれば、バイオクルードと水素供与体とが別々に供給されることから、バイオクルードと水素供与体とが供給管内で混合されることなく、バイオマスの析出を防ぐことができる。
[炭化水素の製造システム]
次に、本発明の炭化水素の製造システムについて説明する。
本発明の炭化水素の製造システムは、前述した炭化水素の製造方法を用いたものであり、前処理工程と、流動接触分解工程と、が近接した場所において行われてもよいし、または、互いに離れた場所において行われ、前処理工程により得られたバイオクルードを輸送して流動接触分解工程に供給されてもよい。前処理工程と、流動接触分解工程と、を近接した場所で行うか、または、互いに離れた場所において行うかは、バイオマスの生産地や設備の立地条件等により、適宜選択することができる。
例えば、バイオマスの生産地が山林地帯にあり、流動接触分解工程に用いる設備が湾岸地帯にある場合には、前処理工程に用いる設備を山林地帯に設けて、前処理工程と流動接触分解工程とを互いに離れた場所において行うことができる。このとき、前処理工程において得られたバイオクルードはタンクローリーやトラック等で輸送できる。また、タンクローリーやトラック等が通行できないような、林道が利用できない山の中腹から裾野までの輸送では輸送管によりバイオクルードを輸送してもよい。バイオクルードの輸送は、輸送コストを考慮したうえで、車両による輸送だけではなく、その他の輸送手段を選択して行ってもよい。
本発明における「互いに離れた場所」とは、前処理工程に用いる設備と流動接触分解工程に用いる設備とを配管等で直接接続して反応物を輸送するのではなく、タンクローリーやトラック等のバッチ輸送を介して輸送される程度に離れていることを示すものである。前処理工程に用いる設備が、前述のように、タンクローリーやトラック等が通行できないような場所に設けられている場合には、通行可能な場所までは輸送管等を介して反応物を輸送し、その後バッチ輸送により反応物を流動接触分解工程に用いる設備が設けられている場所まで輸送してもよい。
前処理工程と、流動接触分解工程と、を互いに離れた場所において行う場合には、流動接触分解工程を行う施設までバイオクルードを輸送することで、バイオクルードよりも嵩高いバイオマスを輸送するよりも輸送コストを低くすることができる。
前処理工程は、バイオマスの生産地において行ってもよい。例えば、バイオマスが木質バイオマスである場合には、前処理工程の操作を、木質バイオマスの材料となる原木がある山の山元(a site nearby mountain)で行ってもよい。
流動接触分解工程の操作を製油所の設備を利用して行う場合、木質バイオマスの生産地と製油所とが互いに離れた場所であることが多い。木質バイオマスはバイオクルードよりも嵩高いことから、生産地から炭化水素製造施設(前処理工程及び流動接触分解工程で用いる装置を備えた施設)まで木質バイオマスを輸送すると、輸送コストが高くなる。前処理工程をバイオマスの生産地において行うことにより、バイオクルードよりも嵩高い木質バイオマスが液状のバイオクルードとなり、タンクローリー等により輸送することができる。このことから、バイオクルードよりも嵩高い木質バイオマスをそのまま輸送するよりも輸送コストを低くすることができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、およびその他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、および材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、割合は質量割合を示すものとする。
[モデル材料の検討]
本実施例においては、原料として木質バイオマスを用いた。初めに、スギのモデル材料として模擬スギを検討した。なお、本実施例における「模擬スギ」とは、セルロースとリグニンを6:4の割合で混合してスギの組成を模した組成物である。ここで、リグニンの組成は一般的なスギでは30%程度(原口隆英・他(1993)『木材の化学』文永堂出版)であるが、流動接触分解でのリグニンの分解が把握しやすいようにその組成を増やして40%とした。また、セルロースとヘミセルロースは構造的に分解特性が大きく違わないと想定されるので(セルロース+ヘミセルロース)組成をセルロースで代替し60%とした。
まず、スギ及び模擬スギの熱的挙動の比較を行うため、熱重量分析を行った。材料として、スギチップ、及び、模擬スギを用いた。測定には、熱重量分析装置(島津製作所製、TGA−51)を用い、窒素雰囲気下(50ml/min)で室温から800℃まで10K/minで昇温させた。図5に熱重量分析の結果を示した。縦軸に残留率(%、熱重量分析に供した試料の重量に対する残留物の重量割合を算出した値)を示し、横軸に温度を示した。図中の破線はスギチップ、実線は模擬スギの分析結果を示している。この結果、スギと模擬スギを構成するセルロース及びリグニンがスギとは大きく異なる熱分解挙動を示すことが知られている一方で、スギと模擬スギは、同様の熱分解挙動を示すことが確認された。また、スギの構成成分同士は水素結合等により複雑な高次構造を有しているが、このような構成成分間の結合の有無は熱分解挙動にほぼ影響しないことが確認された。以上のことから、模擬スギの分解挙動は一般的な木質バイオマスの分解挙動と同様であると考えられた。また、図5の結果から、スギ及び模擬スギは、290℃を超えると、熱分解反応が進行することが分かった。
[炭化水素の製造方法における前処理工程(バイオクルードの製造)]
(実施例1、2)
次に、スギと模擬スギとをそれぞれ前処理工程に供し、工程後の液体、ガス、固体を回収して炭素収率を比較した。スギ及び模擬スギを前処理工程に供し、前処理工程後の液体、ガス、固体を回収して炭素収率を算出した。
材料は以下のものを用いた。なお、以下に示す質量割合は、仕込み濃度を示すものとする。
スギチップ(実施例1)又は、模擬スギ(実施例2) 10%
グアイアコール 84%
水 5%
酢酸 1%
なお、実施例1で用いたスギチップは、平均粒径100μm以上のスギチップを、予め、遊星ボールミル(フリッチュジャパン製、型番P−7)を用いて粉砕し、その後篩い分けを行って75μmと106μmの篩の間に入ったスギチップである。すなわち、平均粒径が概ね80μm程度のスギチップを原料として用いた。また、実施例2で用いた模擬スギについても同様の篩い分けを行い、75μmと106μmの篩の間に入った模擬スギを弁量として用いた。
上記の材料を混合して、オートクレーブ(オーエムラボテック社製、MMJ−500、内容積430ml)に供した。反応条件は200℃、1時間とし、その後自然冷却した。生成した気体生成物(ガス)は、ガスバッグで捕集し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−8A)を用いて分析した。検出は、熱伝導度型検出器により行った。
また、液体生成物と固体生成物は、No.5Cの濾紙を用いた減圧濾過により分離した。濾過した後、固体生成物中や反応容器に残った液体生成物をアセトンにより洗浄、抽出した。アセトン抽出液は60℃で保持することによりアセトンを蒸発させて、その残渣も液体生成物とした。また、アセトン洗浄後の固体生成物はデシケーターとアスピレーター(東京理化器械製、型番A−3S)を用いて1晩、室温で減圧乾燥させた後、質量を測定した。乾燥させた固体生成物中の炭素分率を、NCアナライザー(住化分析センター製、SUMIGRAPH NC−1000)を用いて測定した。
スギ、又は、模擬スギ中の炭素質量をNCアナライザー(住化分析センター製、型番SUMIGRAPH NC−1000)で測定した。また、生成した気体中の炭素含有物質と固体中の炭素はすべてスギ又は模擬スギ由来と仮定した。そこで、原料のスギ又は模擬スギ中の炭素質量に対する気体生成物中の炭素質量を気体炭素収率、原料のスギ又は模擬スギ中の炭素質量に対する固体生成物中の炭素質量を固体炭素収率として算出した。さらに、100%から気体炭素収率と固体炭素収率を引くことで液体炭素収率を算出した。すなわち、以下に示す気体炭素収率、液体炭素収率、および固体炭素収率は、原料のスギ又は模擬スギ中の炭素を基準としており、溶媒(グアイアコール、水、酢酸)からの転化率は低く、炭素収率には大きく影響しないと考えられるため、本実施例においては、溶媒からの転化は考慮していない。
(実施例3)
材料として以下のものを用いた。
スギチップ 10%
グアイアコール 85%
水 5%
酢酸を0%(無添加)としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(実施例4〜6)
材料として以下のものを用いた。
模擬スギ 10%
グアイアコール 75〜85%
水 5%
酢酸 0〜10%
酢酸をそれぞれ0%(実施例4、無添加)、5%(実施例5)、10%(実施例6)とし、グアイアコールをそれぞれ85%(実施例4)、80%(実施例5)、75%(実施例6)としたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(実施例7〜9)
材料として以下のものを用いた。
模擬スギ 10%
グアイアコール 85%
水 5%
また、反応条件として、反応温度を150℃(実施例7)、250℃(実施例8)、300℃(実施例9)としたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(実施例10〜12)
材料として以下のものを用いた。
模擬スギ 10%
グアイアコール 74〜89%
水 0〜15%
酢酸 1%
材料として模擬スギを用い、水分量を0%(実施例10、無添加)、10%(実施例11)、15%(実施例12)とし、グアイアコールを89%(実施例10)、79%(実施例11)、74%(実施例12)としたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(実施例13)
実施例2で得られた液体生成物(バイオクルード)を溶媒として、以下の組成で実施例2と同様の条件で2回目の前処理工程を行った。
模擬スギ 10%
実施例2の前処理反応で得られた液体生成物 84%
水 5%
酢酸 1%
上記の2回目の前処理工程で得られた液体生成物を溶媒とし、上記の組成(模擬スギ10%、2回目の前処理工程で得られた液体生成物84%、水5%、酢酸1%)で実施例2と同様の条件で3回目の前処理工程を行った。さらに、3回目の前処理工程で得られた液体生成物を溶媒とし、上記の組成(模擬スギ10%、3回目の前処理工程で得られた液体生成物84%、水5%、酢酸1%)で実施例2と同様の条件で4回目の前処理工程を行った。実施例2と同様の方法により、4回目の前処理工程後の液体、ガス、固体を回収して炭素収率を算出した。
(実施例14)
材料のスギチップを遊星ボールミルで粉砕しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例1)
材料としてスギチップ10%を用い、グアイアコールを0%(無添加)、酢酸を1%、水を89%としたこと以外は、実施例1と同様の条件で行った。その結果、固形物が大量に残り、液体生成物がほとんど得られなかった。このことから、含酸素芳香族化合物を含む溶媒を添加しない条件では、バイオクルードを十分に得ることが困難であり、また、得られた生成物には固形物が大量に含まれるため、流動接触分解工程に供することが困難であることが示された。
(実施例1〜14の結果及び考察)
実施例1〜14の処理条件を表1に示し、実施例1〜14の加溶媒分解生成物(液体生成物、気体生成物、固体生成物)の炭素収率(C%)を表2に示す。
Figure 2018147281
Figure 2018147281
表2に示されたように、スギ及び模擬スギを加溶媒分解に供した実施例1〜14において、炭素資源が液体生成物(バイオクルード)中に回収され、前処理工程を行うことにより、バイオクルードに炭素資源を効率よく回収することができることが示された。
表2に示されたように、スギを用いた実施例1、模擬スギを用いた実施例2は、液体生成物、気体生成物、固体生成物のそれぞれの炭素収率がほぼ同じとなった。熱重量分析の結果及び実施例1、2の結果から、模擬スギがスギのモデル物質として有用であることが示された。
また、表2に示されたように、酢酸を添加した実施例1、2の方が、酢酸を添加しない実施例3、4よりも液体生成物の炭素収率が高かった。このことから、前処理工程において、酢酸を添加することにより、分解反応が促進され、炭素を液体生成物(バイオクルード)により効率よく回収可能であることが示された。また、酢酸の添加量は5%(実施例5)にしても1%(実施例2)の場合とほぼ同じで、高い炭素収率を示した。また、酢酸の添加量を10%(実施例6)にした場合、酢酸を添加しない場合と比べて液体生成物の炭素収率は高くなったが、1%、および5%の場合と比べると液体生成物の炭素収率は減少した。
また、実施例2、7〜9を比較すると、反応温度150℃(実施例7)よりも反応温度200℃(実施例2)の方が、液体生成物の炭素収率が高く、より高い温度(250℃(実施例8)、または300℃(実施例9))にすると、液体生成物の炭素収率が減少した。反応温度200℃の条件において、液体生成物の炭素収率が最も高かった。液体生成物以外の炭素収率を比較すると、固体生成物の炭素収率は反応温度150℃の場合が最も高く、気体生成物の炭素収率は、反応温度250℃、および300℃の場合が高くなった。これは、温度が高い方が、加溶媒分解反応が進行しやすくなると同時に、前述した熱重量分析の結果に示すように、温度が高くなるほど熱分解反応が進行するためであると考えられる。また、反応前の模擬スギ、実施例2、8、および9で得られた固体生成物の炭素含有率を算出したところ、それぞれ、46.6%、45.7%、69.0%、および73.8%であり、実施例2で得られた固体生成物は模擬スギと炭素含有率が同程度であり、実施例8、9で得られた固体生成物は模擬スギよりも炭素含有率が高かった。反応温度がより高い条件では、原料の一部が炭化することが示された。
また、実施例2、10〜12を比較すると、水無添加(実施例10)よりも水添加量5%(実施例2)にすると液体生成物の炭素収率が高く、水添加量10%(実施例11)、および15%(実施例12)においても液体生成物の炭素収率はほぼ同じで、高い値を示した。すなわち、反応系に水を添加した方が液体生成物中の炭素収率が高くなることが確認された。これは、反応系に水を添加した方が、加水分解反応が進行しやすくなるためであると考えられる。また、実施例2、10〜12により、反応系に必要な水は15%以下程度の少量でも十分であることも確かめられた。一般的にバイオマスに含まれる水分量を考えると、前処理工程の材料としてバイオマスを反応系の10%程度用いる場合に、反応系に含まれる水分が5%程度以上となることから、バイオマスに水分が十分に含まれている場合には、反応系にさらに水を添加しなくても、反応が進行すると考えられた。
実施例2と液体生成物を溶媒として再利用して、繰り返し前処理工程を行った実施例13において、液体生成物(バイオクルード)中の炭素収率が91.5%の高い値となった。このことから、溶媒として液体生成物を添加しても、バイオマスの加溶媒分解液体生成物に炭素を効率よく回収可能であることが示された。
また、実施例1と実施例14の結果から、どちらの条件においても炭素の大部分を液体生成物として回収することが確認できた。さらに、スギチップを粉砕した実施例1のほうがスギチップを粉砕していない実施例14よりも液体生成物の炭素収率が高かったことから、バイオマスをより細かく粉砕することにより、同じ処理時間でも液体生成物により効率よく炭素を回収できることが示された。
<バイオクルードの組成分析>
(実施例15)
次に、前処理工程により得られるバイオクルードの組成分析を行った。材料は以下のものを用いた。なお、以下に示す質量割合は、仕込み濃度を示すものとする。
模擬スギ 30%
グアイアコール 64%
水 5%
酢酸 1%
以上の材料を混合し、実施例1と同じ条件で反応させて液体生成物を得た。得られた液体生成物をGPC測定に供した。溶媒としてテトラヒドロフラン、カラムはTSKgelG2500Hxl(東ソー製)を用いた。GPC測定の結果を図6に示した。なお、図6において、実施例15の結果は実線で示されている。また、液体生成物をGC−MS分析に供し、液体生成物に含まれる化合物を確認した。カラムはRxi−1ms(Restec社製)、気化室温度300℃、インターフェース温度330℃、カラム温度35−330℃として、GC−MS分析を行った。
(実施例16)
酢酸を0%(無添加)、グアイアコールを65%としたこと以外は実施例15と同様の操作を行った。GPC測定の結果を図6に示した。なお、図6において、実施例16の結果は破線で示されている。
(結果及び考察)
図6に示された通り、分子量150付近にグアイアコール及びグアイアコールが変性した化合物に起因するピークと、分子量200〜10000程度にかけてブロードなピークが見られた。分子量150付近のピークは、実施例15、実施例16で同様のピークとなった。酢酸を添加しない条件(実施例16)よりも酢酸を添加した条件(実施例15)の方が、分子量200〜10000程度のピークが大きくなり、このピークが模擬スギの分解生成物に由来すると考えられた。また、ガスクロマトグラフィー分析の結果、実施例15、16の液体生成物には、単環含酸素芳香族化合物として、主にグアイアコールが含まれ、他には、カテコール、クレゾール、ジメチルフェノール、メトキシフェノール、およびベンゼンジオール等が含まれており、単環含酸素芳香族化合物の含量は63質量%であった。
以上の実施例1〜16の結果から、本発明の前処理工程において、バイオマスが分解されて、液体生成物、すなわち、バイオクルードとして炭素資源を効率よく回収することができることが示された。
[炭化水素の製造方法におけるバイオクルードの流動接触分解工程]
(実施例17)
実施例1で得られたバイオクルードを流動接触分解工程に供した。反応器としてASTM D3907−92に準拠した固定床流通式反応器を用い、触媒としてFAU型ゼオライトを含有する工業用RFCC平衡触媒(UCS値(単位格子定数)24.27Å(2.427nm)、を用いた。触媒と、バイオクルード及び水素供与体の合計質量との比はCat/Oil=3とし、WHSV=16−1、流動接触分解反応の反応温度は500℃とした。なお、実験方法はASTM D5154−10に規定の方法に従って行った。実施例17においては、水素供与体としてエイコサンを用いた。
得られた生成物を以下のように分析した。触媒槽を通過した反応生成物を氷浴で冷却し、気液分離した後にそれぞれ回収した。気体の回収は水上置換で行った。気体生成物中に含まれる水素、一酸化炭素、および二酸化炭素は熱伝導度型検出器付ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−8A)で分析し、炭化水素は水素炎イオン化型検出器付ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−2014)で分析した。液体生成物中の炭化水素と含酸素化合物は水素炎イオン化型検出器付ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−2014)とガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所製、GCMS−QP2010 Plus)を用いて分析した。コークの生成量は反応前後での触媒槽の重量変化から求め、その成分はNCアナライザー(住化分析センター製、SUMIGRAPH NC−1000)を用いて分析した。ガスクロマトグラフィーによって検出できなかった成分をその他とした。なお、液体生成物中に水が含まれることを目視で確認しているが、ガスクロマトグラフィーでは定量が困難であるため、水はその他に含むこととした。さらに、その他には未分解の高分子含酸素成分も含まれると考えられる。
(実施例18〜20)
実施例17の工業用RFCC平衡触媒とはUCS値が異なる触媒を用いたこと以外は実施例17と同様の操作を行った。触媒のUCS値は、24.30Å(2.430nm、実施例18)、24.35Å(2.435nm、実施例19)、24.40Å(2.440nm、実施例20)とした。
(比較例2)
水素供与体を添加しない、すなわち、バイオクルードのみを流動接触分解に供したこと以外は、実施例17と同様の操作を行った。その結果、管が閉塞し、また、コークが多く生成して炭素が析出し、炭化水素の生成量が少なかった。また、バイオクルードのみではカルベニウムイオンが生成せず、また、水素の供与体がないため、水素移行反応によって水素化脱酸素反応、および水素化分解が進行しないことから、炭化水素がほとんど生成されないと考えられる。
(結果及び考察)
実施例17〜20の流動接触分解工程における反応生成物の組成は表3に示した通りである。
Figure 2018147281
表3に示した通り、流動接触分解工程における反応生成物(実施例17〜20)には、気体炭化水素、液体炭化水素として、パラフィン類、オレフィン類、芳香族炭化水素が含まれ、含酸素化合物として、メチルフェノール類が含まれていた。よって、スギ由来のバイオクルードと、水素供与体であるエイコサンを流動接触分解に供することにより、炭化水素を製造することができることが確認された。また、UCS値が大きい、すなわち、触媒活性が高くになるにしたがって、炭化水素の生成量が高くなるが、最も触媒活性の高い実施例20では、炭化水素のみならず、コークの生成量も高くなることが確認された。
また、流動接触分解工程に供したバイオクルードに含まれる酸素は、含酸素化合物、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、又は、水として反応生成物中に含まれる。実施例17〜20の生成物を比較すると、触媒活性が高くなるにしたがって、含酸素化合物、一酸化炭素、および二酸化炭素の生成量が減っていることから、水の生成量が増えていると考えられる。すなわち、バイオクルードに含まれる含酸素化合物に水素供与体であるエイコサンから水素が移行して水を生成するという、水素化脱酸素反応が進行しているものと考えられる。よって、バイオクルード及び水素供与体を流動接触分解工程に供することによる炭化水素の生成は、バイオクルードに含まれる含酸素化合物の水素化脱酸素反応によるものであると推測される。
以上の評価結果より、本発明の例示的態様である実施例1〜20においては、バイオマスからバイオクルード中に大部分の炭素資源が回収され、炭素資源の損失を少なくするとともに、流動接触分解により炭化水素を製造することができることが示された。
100 炭化水素の製造装置
10 原料貯蔵タンク
20 原料供給管
21 バルブ
30 ライザー反応管
40 再生塔
50 蒸留塔
200 炭化水素の製造装置
210 原料貯蔵タンク
211 バイオクルード貯蔵タンク
212 水素供与体貯蔵タンク
220 原料供給管
221 バルブ
222 バイオクルード供給管
223 水素供与体供給管
224 混合供給管
300 炭化水素の製造装置
310 原料貯蔵タンク
311 バイオクルード貯蔵タンク
312 水素供与体貯蔵タンク
320 原料供給管
321a、321b バルブ
322 バイオクルード供給管
323 水素供与体供給管

Claims (8)

  1. 少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得る前処理工程と、
    前記前処理工程により得られた前記バイオクルードと、水素供与体と、を原料として流動接触分解を行う流動接触分解工程と、を備えることを特徴とする炭化水素の製造方法。
  2. 前記前処理工程における前記溶媒が、有機酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素の製造方法。
  3. 前記バイオマスが木質バイオマスであり、
    前記前処理工程における前記溶媒が、前記バイオクルードを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素の製造方法。
  4. 前記流動接触分解工程において、前記バイオクルードと、前記水素供与体とが、別々に供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  5. 少なくともバイオマスと含酸素芳香族化合物を含む溶媒とを混合して加溶媒分解をすることによりバイオクルードを得ることを特徴とするバイオクルードの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法の前記流動接触分解工程において用いられる炭化水素の製造装置であって、
    前記流動接触分解が行われる反応器と、
    前記原料を前記反応器に供給する原料供給手段と、を備え、
    前記原料供給手段が、前記バイオクルードを供給するバイオクルード供給部と、前記水素供与体を供給する水素供与体供給部と、を別々に有することを特徴とする炭化水素の製造装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法を用いた炭化水素の製造システムであって、
    前記前処理工程と、前記流動接触分解工程と、が互いに離れた場所において行われ、
    前記前処理工程により得られた前記バイオクルードを輸送して前記流動接触分解工程に供給することを特徴とする炭化水素の製造システム。
  8. 前記バイオマスが木質バイオマスであり、
    前記前処理工程が、前記木質バイオマスの材料となる原木の山元で行われることを特徴とする請求項7に記載の炭化水素の製造システム。
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