JPWO2018147129A1 - 防音部材 - Google Patents

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Abstract

この防音部材は、孔部を持つ枠と、枠に固定された膜と、を備える防音セルを1つ以上有し、膜は、音に対して振動するものであり、膜は、その一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を有する。その結果、この防音部材は、特定周波数の騒音を抑制するために特定周波数に騒音の吸収のピークをもつのみならず、ピークに拡がりを持たせることができる。

Description

本発明は、枠と、枠に固定された膜とを備える防音部材に係る。詳しくは、本発明は、膜に切込み等からなる切断部を有する防音セルが1つ、又は2次元的に配置された複数からなり、ターゲットとなる周波数を含む広い周波数の音を選択的に強く遮蔽するための防音部材に関する。
一般的な遮音材は、質量が重ければ重いほど音を良く遮蔽するために、良好な遮音効果を得るために、遮音材自体が大きく重くなってしまう。一方、特に、低周波成分の音を遮蔽することは困難である。一般に、この領域は、質量則と呼ばれ周波数が2倍になると遮蔽が6dB大きくなることが知られている。
このように、従来の防音部材の多くは、構造の質量で遮音を行っていたために大きく重くなり、また低周波の遮蔽が困難という欠点があった。
これに対し、シート、又はフィルムに枠を張り合わせることで部材の剛性を高めた防音部材が報告されている(特許文献1、及び2参照)。このような遮音構造は、従来の遮音部材に比べ軽量、かつ特定の周波数において高い遮蔽性能を得ることができる。また、枠の形状、及び膜の剛性を変えることで、遮音周波数を制御することが可能である。
特許文献1においては、貫通開口が形成された枠体と、該貫通開口の一方の開口を覆う吸音材を有し、吸音材の貯蔵弾性率が特定の範囲である吸音体が開示されている。
特許文献1では、吸音体の大型化を招くことなく、低周波領域において高度な吸音効果を達成することができるとしている。
また、特許文献2は、枠となる区画壁で仕切られ、板状部材による後壁(剛壁)で閉じられた空洞の前部に形成された開口部を覆う膜材(膜状吸音材)が被せられ、その上から押さえ板が載せられ、膜状吸音材にヘルムホルツ共鳴用の共鳴穴が形成された吸音体を開示している。ヘルムホルツ共鳴用の共鳴穴は、膜材の音波による変位が最も生じにくい領域である開口部の周縁部の固定端から膜状吸音材の面の寸法の20%の範囲内の領域(隅部分)に形成されている。この吸音体においては、共鳴穴を除いて、空洞は閉塞されている。この吸音体は、膜振動による吸音作用とヘルムホルツ共鳴による吸音作用を併せて奏する。
特許第4832245号公報 特開2009−139556号公報
特許文献1、及び2に開示の膜型の吸音材は、吸収特性が膜と背面空間とで、又は膜と共鳴穴と背面空間とで決定される共振系、又は共鳴系の吸音体である。このような吸音体は、吸音のピークにおいて吸収率は大きいが、ピークの幅が細いという特徴がある。このため、一般に機械の共振振動による特定周波数の騒音に対する抑制等に用いることができる。なお、以下では、直接的に特許文献2を直接引用する記載を除いて、「共振」も、「共鳴」も含めて「共振」と記載する。
しかしながら、機械等には個体差、又は経年変化が避けられないという以下のような問題がある。
1.個体差によるわずかな堅さ、及び/又は重さのずれ等が共振周波数を変化させるため、機械の共振周波数の個体差が大きく、細いピーク幅で複数の機械に対応することが難しい。
2.騒音原因がファン、又はポンプなどの可動部に起因する場合を中心に、経年により共振周波数が徐々に変化していく。
特に、特許文献2に開示の膜型の吸音材においては、膜振動とヘルムホルツ共鳴とを共に生じさせるために膜に穴があけられている。この場合、2つの共鳴状態が共存するために複数のピークが生じる。
特許文献2の課題に「膜状吸音材に形成するヘルムホルツ共鳴用の共鳴穴が膜状吸音材の膜振動を阻害しにくくする。」とあることからも明らかなように、元の膜振動を変化させないために端部に共鳴穴を形成している。即ち、特許文献2においては、膜振動共鳴による吸収自体をできるだけ変化させない構成になっているため、膜振動共鳴が周波数幅の細い吸収ピークであることに変わりは無く、機械等の個体差、又は経年変化の問題は解決できない。
また、上述したように、共振を持つ吸音体が使われる場面は、特定周波数の音が強く発信されている場面が多く、具体的にはモータの回転音、及び機械の振動共振音等の防音が挙げられる。しかしながら、これらの音は、機械の状態等によっても共振周波数がごくわずかに変化する。
この状況では、特許文献2の吸音材のように、複数の共振ピークを持たせても共振ピーク同士が離れている場合は一つ一つのピーク幅は変化しないため、機械の状態等による共振周波数の変化の問題は解決しない。また、もし、仮に、複数の共振に起因する共振ピーク周波数を一致させた場合、互いに共振同士が干渉を生じるために狙いの共振ピークの広帯域化を達成することが困難である。よって、このような先行技術を用いても、一つの共振ピークの周波数幅を広げることは難しく、特定周波数の音に対応することは困難であるという問題があった。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決するものであって、特定周波数の騒音を抑制するために特定周波数に騒音の吸収のピークをもつのみならず、ピークに拡がりを持たせることができる防音部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の防音部材は、1以上の防音セルを有する防音部材であって、防音セルは、孔部を持つ枠と、枠に固定された膜と、を備え、膜が枠に固定されており、膜は、音に対して振動するものであり、膜は、その一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の態様の防音部材の製造方法は、上記第1の態様の防音部材を製造するに際し、孔部を持つ1つ以上の枠と、1つ以上の枠にそれぞれ固定される1枚以上の膜と、を準備し、1枚以上の膜をそれぞれ1つ以上の枠に固定し、1つ以上の枠にそれぞれ固定された1枚以上の膜にそれぞれ切込みを入れることを特徴とする。
ここで、防音セルは、膜の振動を含み、ヘルツホルム共振とは異なる共振を発現することが好ましい。
また、切断部は、刃物による切込みであることが好ましい。
また、切断部は、枠の内周辺に沿って形成されており、枠の内周辺から振動する膜の重心に向けて垂線を下した時に、切断部は枠の内周辺から垂線の長さの50%以内の範囲にあることが好ましい。
また、切断部の長さは、枠の内周辺の長さの25%以上であることが好ましい。
また、切断部によって切断された膜の枠側切断面と膜の重心側切断面とは、膜の厚み方向において、切断部の両端以外にも、少なくとも一部に重なりを持つことが好ましい。
また、膜の枠側切断面と重心側切断面とは、切断部の両端以外にも、少なくとも一部が接触していることが好ましい。
また、切断部は、1つであることが好ましい。
また、枠の内周面で囲まれた膜の背面空間は、閉じ切られていることが好ましい。
また、1以上の防音セルは、複数の防音セルであり、更に、防音セルとは異なる種類の複数の他の防音セルを有し、他の防音セルは、膜から切断部を除いた膜を枠に固定したものであることが好ましい。
また、更に、前記膜の背面空間を閉じ切る背面部材を有することが好ましい。
また、前記膜は、前記枠の前記孔部の一方の開口端を塞ぐものであり、前記背面部材は、前記枠の前記孔部の他方の開口端を塞ぐものであることが好ましい。
本発明によれば、特定周波数の騒音を抑制するために特定周波数に騒音の吸収のピークをもつのみならず、ピークに拡がりを持たせることができる。
本発明の一実施形態に係る防音部材の一例の模式的斜視図である。 図1に示す防音部材のII−II線で切断した模式的断面図である。 図1に示す防音部材の切断部に沿ったIII−III線で切断した模式的断面図である。 図1に示す防音部材の模式的上面図である。 本発明の防音部材の膜の切断部の2つの切断片の切断面の状態の一例を説明するための模式的説明図である。 本発明の防音部材の膜の切断部の2つの切断片の切断面の状態の他の一例を説明するための模式的説明図である。 本発明の他の実施形態に係る防音部材の他の一例の模式的断面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 本発明に係る防音部材の他の一例の模式的上面図である。 図4に示す防音部材の一例である本発明の実施例1の吸音特性を示すグラフである。 図7に示す防音部材の一例である本発明の実施例2の吸音特性を示すグラフである。 図8に示す防音部材の一例である本発明の実施例3の吸音特性を示すグラフである。 本発明の実施例1〜2、及び比較例1の防音部材の低周波側の吸音特性を合わせて示すグラフである。 本発明の実施例4〜5、及び比較例2の防音部材の吸音特性を合わせて示すグラフである。 本発明の実施例6〜9、及び比較例3の防音部材の吸音特性を合わせて示すグラフである。 本発明の実施例10、及び比較例3の防音部材の吸音特性を合わせて示すグラフである。 本発明の実施例11〜14、及び比較例7の防音部材の吸音特性を合わせて示すグラフである。 本発明の実施例14の防音部材の吸音特性を示すグラフである。 特許文献1に開示の膜に切断部の無い防音部材の模式的上面図である。 図22に示す比較例1の防音部材の吸音特性を示すグラフである。 比較例4〜6の防音部材の吸音特性を合わせて示すグラフである。 特許文献2に開示のヘルムホルツ共振穴を持つ防音部材の模式的上面図である。 比較例7の防音部材、及び図25に示す比較例8の防音部材の吸音特性を示すグラフである。 本発明の実施例15、及び比較例9の防音部材の吸音特性を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態に係る防音部材を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る防音部材の一例の模式的斜視図である。図2は、図1に示す防音部材のII−II線で切断した模式的断面図である。図3は、図1に示す防音部材の切断部に沿ったIII−III線で切断した模式的断面図である。図4は、図1に示す防音部材の模式的上面図である。
図1〜図4に示す本実施形態の防音部材10は、貫通する孔部12を持つ枠14と、孔部12の一方の開口面を覆うように枠14に固定された振動可能な膜16と、膜16に形成された切断部18と、孔部12の他方の開口面を覆うように枠14に固定された背面部材20と、を有する1つの防音セル22からなる。
本実施形態の防音部材10の防音セル22においては、切断部18は、膜の一方の面から他方の面に貫通している。
また、防音セル22においては、枠14の内周面及び背面部材20で囲まれた膜16の背面空間は、閉じ切られている。
なお、本発明の防音部材は、1以上の防音セルを有するものであれば良く、後述する図11及び12に示す防音部材11及び11Aのように、複数個(例えば16個)の防音セルからなるものであっても良い。
防音セル22の枠14は、孔部12を囲む部分によって構成される。
枠14は、貫通する孔部12を環状に囲むように形成され、孔部12の片面を覆うように膜16を固定し、かつ支持するためのものである。この枠14に固定された膜16の膜振動の節となるものである。したがって、枠14は、膜16に比べて、剛性が高く、具体的には、単位面積当たりの質量及び剛性は、共に高いことが好ましい。
なお、枠14は、膜16の全周を抑えることができるように膜16の周辺部を固定できる閉じた連続した形状であることが好ましい。本発明は、これに限定されず、枠14が、これに固定された膜16の膜振動の節となるものであれば、一部が切断され、不連続な形状であっても良い。即ち、枠14の役割は、膜16を固定し支持して膜振動を制御することにあるため、枠14に小さな切れ目が入っていても、接着していない部位が存在していても効果を発揮する。
また、枠14の孔部12の形状は、平面形状で、図1、及び図4に示す例では正方形である。本発明においては、特に制限的ではなく、例えば長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは円形、楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
なお、図1〜図4に示す例では、枠14の孔部12の両側の端部は、共に閉塞されておらず、共に開口端となっており、共にそのまま外部に開放されている。この開放された孔部12の一方の開口端に孔部12を覆うように膜16が枠14に固定される。
この開放された孔部12の他方の開口端には、孔部12を覆うように背面部材20が枠14に固定される。
本発明においては、枠14の孔部12の両側の端部は、図1〜図4に示す例とは異なっていても良い。即ち、孔部12の一方の端部のみが外部に開放され、背面部材20を設けるのではなく、枠14自体で他方の端部が閉塞されていてもよい。即ち、枠14自体が3方を閉塞して膜16の背面空間を構成する構造であっても良い。この場合には、孔部12を覆う膜16は、開放された孔部12の一方の端部にのみ固定されるのは勿論である。
また、枠14のサイズは、平面視のサイズ、即ち図2のLであり、その孔部12のサイズとして定義できる。したがって、以下では、枠14のサイズを孔部12のサイズLとする。枠14の平面視の形状が、例えば、円形または正方形のような正多角形の場合には、枠14のサイズは、正多角形の中心を通る対向する辺間の距離、又は円相当直径と定義することができる。枠14の平面視の形状が、例えば、多角形、楕円又は不定形の場合には、枠14のサイズは、円相当直径と定義することができる。本発明において、円相当直径及び半径とは、それぞれ面積の等しい円に換算した時の直径及び半径である。
このような枠14の孔部12のサイズLは、特に制限的ではなく、本発明の防音部材10の開口部材が防音のために適用される防音対象物に応じて設定すればよい。防音対象物としては、例えば、複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、発電機、及びダクトを挙げることができる。また、防音対象物としては、その他にも塗布機、回転機、及び搬送機など音を発するさまざまな種類の製造機器等の産業用機器を挙げることができる。また、防音対象物としては、自動車、電車、及び航空機等の輸送用機器を挙げることができる。また、防音対象物としては、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、及び空気清浄機等の一般家庭用機器等を挙げることができる。
なお、枠14及び膜16からなる防音セル22は、膜16の第1固有振動数の波長よりも小さくすることが好ましい。そのため、すなわち防音セル22を第1固有振動数の波長よりも小さくするためには、枠14のサイズLを小さくすることが好ましい。
例えば、孔部12のサイズLは、特に制限的ではないが、例えば、0.5mm〜300mmであることが好ましく、1mm〜100mmであることがより好ましく、10mm〜50mmであることが最も好ましい。
なお、枠14の厚さL及び幅Lも、膜16を固定することができ、膜16を確実に支持できれば、特に制限的ではないが、例えば、孔部12のサイズに応じて設定することができる。
また、枠14、即ち孔部12の厚さLは、0.5mm〜200mmであることが好ましく、0.7mm〜100mmであることがより好ましく、1mm〜50mmであることが最も好ましい。
枠14の幅Lは、例えば、孔部12のサイズLが、0.5mm〜50mmの場合には、0.5mm〜20mmであることが好ましく、0.7mm〜10mmであることがより好ましく、1mm〜5mmであることが最も好ましい。
また、枠14の幅Lは、孔部12のサイズLが、50mm超、300mm以下の場合には、1mm〜100mmであることが好ましく、3mm〜50mmであることがより好ましく、5mm〜20mmであることが最も好ましい。
なお、枠14の幅Lが、枠14のサイズLに対して比率(L/L)が大きくなりすぎると、全体に占める枠14の部分の面積率が大きくなり、デバイス(防音セル22)が重くなる懸念がある。一方、上記比率(L/L)が小さくなりすぎると、その枠14部分において接着剤などによって膜16を強く固定することが難しくなってくる。
また、防音セル22は、膜16の第1固有振動数の波長よりも小さくすることが好ましい。したがって、枠14(孔部12)のサイズLは、防音セル22に固定された膜16の第1固有振動周波数の波長以下のサイズであることが好ましい。
防音セル22の枠14(孔部12)のサイズLが、膜16の第1固有振動周波数の波長以下のサイズであれば、膜16の膜面に強度ムラの小さい音圧がかかることになる。このため、音響の制御が困難な膜の振動モードが誘起されにくくなる。つまり、防音セル22は、高い音響制御性を獲得することができる。
強度ムラがより小さい音圧を膜16の膜面にかけることは、膜16の膜面にかかる音圧をより均一にすることになる。このように、膜16の膜面にかかる音圧をより均一にするためには、枠14(孔部12)のサイズLは、防音セル22に固定された膜16の第1固有振動周波数の波長をλとするとき、λ/2以下であることが好ましく、λ/4以下であることがより好ましく、λ/8以下であることが最も好ましい。
枠14の材料は、膜16を支持でき、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、枠14の材料としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、及びこれらの合金等の金属材料を挙げることができる。また、枠14の材料としては、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びトリアセチルセルロース等の樹脂材料も挙げることができる。また、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等も挙げることができる。
また、枠14の材料としてこれらの複数種の材料を組み合わせて用いてもよい。
背面部材20は、枠14の内周面で囲まれた膜16の背面空間を閉じ切るものである。
背面部材20は、膜16の背面に枠14によって形成される背面空間を閉空間とするために、膜16と互いに向き合う、枠14の孔部12の他方の端部に取り付けられる板状部材である。このような板状部材としては、膜16の背面に閉空間を形成することができれば特に制限的ではないが、膜16よりも剛性が高い材料製の板状部材であることが好ましい。例えば、背面部材20の材料としては、上述した枠14の材料と同様な材料を用いることができる。また、背面部材20の枠14への固定方法は、膜16の背面に閉空間を形成することができれば特に制限的ではなく、上述した膜16の枠14への固定方法と同様な方法を用いれば良い。
また、背面部材20は、膜16の背面に枠14によって形成される空間を閉空間とするための板状部材であるので、枠14と一体化されていても良いし、同一材料によって一体的に形成しても良い。
なお、本実施形態は、膜16の背面に閉空間体積がある膜振動による防音セルであるので、背面部材20を設けること好ましい。
しかしながら、本発明においては、膜16の背面に閉空間体積が無くても、膜振動によって吸音できるので、図6に示すように、背面部材20を設けなくても良い。
即ち、図6に示す実施形態の防音部材30は、貫通する孔部12を持つ枠14と、孔部12の一方の開口面を覆うように枠14に固定された振動可能な膜16と、膜16に形成された切断部18と、を有する1つの防音セル32からなる。
本実施形態の防音部材30の防音セル32においては、枠14の内周面で囲まれた膜16の背面空間は、開放されている。
なお、図6に示す防音部材30、及びその防音セル32は、背面部材20を有していない点を除いて、図1〜図4に示す防音部材10、及びその防音セル22と同様の構成を有するものである。また、図6に示す防音部材30の平面図は、図1〜図3に示す防音部材10の平面図である図4と同様である。このため、図6に示す防音部材30では、図1〜図4に示す防音部材10と同一の構成要素には同様の参照符号を付し、その説明を省略する。
膜16は、枠14の内部の孔部12を覆うように枠14に抑えられるようにその周辺部が固定されるものである。膜16は、外部からの音波に対応して膜振動することにより音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するものである。
ところで、膜16は、枠14を節として膜振動する必要があるので、枠14に確実に抑えられるように固定される必要がある。そして、膜16は、膜振動の腹となり、音波のエネルギを吸収して、もしくは反射して防音する必要がある。このため、膜16は、可撓性のある弾性材料製であることが好ましい。
このため、膜16の形状は、図1、及び図4に示す枠14の孔部12の形状である。また、膜16のサイズは、図2に示すように、枠14(孔部12)のサイズLであるということができる。
また、膜16の厚さは、音波のエネルギを吸収して防音するために膜振動することができれば、特に制限的ではない。しかしながら、膜16の厚さは、固有振動モードを高周波側に得るためには厚く、低周波側に得るためには薄くすることが好ましい。例えば、図2に示す膜16の厚さLは、本発明では、孔部12のサイズL、即ち膜16のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜16の厚さLは、孔部12のサイズLが0.5mm〜50mmの場合には、0.001mm(1μm)〜5mmであることが好ましく、0.005mm(5μm)〜2mmであることがより好ましく、0.01mm(10μm)〜1mmであることが最も好ましい。
また、膜16の厚さLは、孔部12のサイズLが、50mm超、300mm以下の場合には、0.01mm(10μm)〜20mmであることが好ましく、0.02mm(20μm)〜10mmであることがより好ましく、0.05mm(50μm)〜5mmであることが最も好ましい。
なお、膜16の厚さは、1つの膜16で厚さが異なる場合などは、平均厚さで表すことが好ましい。
また、膜16のヤング率は、膜16が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができる弾性を有していれば、特に制限的ではない。膜16のヤング率は、固有振動モードを高周波側に得るためには大きく、低周波側に得るためには小さくすることが好ましい。膜16のヤング率は、本発明では、例えば、枠14(孔部12)のサイズ(即ち膜のサイズ)Lに応じて設定することができる。
例えば、膜16のヤング率は、1000Pa〜3000GPaであることが好ましく、10000Pa〜2000GPaであることがより好ましく、1MPa〜1000GPaであることが最も好ましい。
また、膜16の密度も、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではない。膜16の密度は、例えば、5kg/m〜30000kg/mであることが好ましく、10kg/m〜20000kg/mであることがより好ましく、100kg/m〜10000kg/mであることが最も好ましい。
膜16の材料は、膜状材料、又は箔状材料にした際に、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性がある必要がある。また、膜16の材料は、膜16が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができる必要がある。膜16の材料は、上述した特徴を有していれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境などに応じて選択することができる。
例えば、膜16の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、アクリル(ポリメタクリル酸メチル:PMMA:polymenthyl methacrylate)、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、芳香族ポリアミド、シリコーン樹脂、エチレンエチルアクリレート、酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、及びポリブテン等の膜状にできる樹脂材料を挙げることができる。また、膜16の材料としては、アルミニウム、クロム、チタン、ステンレス、ニッケル、スズ、ニオブ、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、金、銀、白金、パラジウム、鉄、銅、及びパーマロイ等の箔状にできる金属材料も挙げることができる。また、紙、セルロースなどその他繊維状の膜になる材質、不織布、ナノサイズのファイバーを含むフィルム、薄く加工したウレタンやシンサレートなどのポーラス材料、薄膜構造に加工したカーボン材料等、薄い構造を形成できる材質又は構造等も挙げることができる。
また、膜16は、枠14の孔部12の少なくとも一方の側の開口を覆うように枠14に固定される。即ち、膜16は、枠14の孔部12の一方の側、又は他方の側、もしくは両側の開口を覆うように枠14に固定されていても良い。
枠14への膜16の固定方法は、特に制限的ではなく、膜16を枠14に膜振動の節となるように固定できればどのようなものでも良い。例えば、枠14への膜16の固定方法は、接着剤を用いる方法、又は物理的な固定具を用いる方法などを挙げることができる。
接着剤を用いる方法は、接着剤を枠14の孔部12を囲む表面上に接着剤を塗布し、その上に膜16載置し、膜16を接着剤で枠14に固定する。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤(アラルダイト(登録商標)(ニチバン(株)社製)等)、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルフア(登録商標)(東亜合成(株)社製)など)、アクリル系接着剤等を挙げることができる。
物理的な固定具を用いる方法としては、枠14の孔部12を覆うように配置された膜16を枠14と棒等の固定部材との間に挟み、固定部材をネジやビス等の固定具を用いて枠14に固定する方法等を挙げることができる。
なお、本実施形態1の防音セル22は、枠14と膜16とを別体として構成し、膜16を枠14に固定した構造であるが、これに限定されず、同じ材料からなる膜16と枠14が一体化した構造であっても良い。
ここで、防音セル22の枠14に固定された膜16は、防音セル22の構造において、誘起可能な最も低次の固有振動モードの周波数である第1固有振動周波数を持つものである。最も低次の固有振動モードの周波数である第1固有振動周波数は、例えば、防音セル22の枠14に固定された膜16に略垂直に入射する音場に対し、膜の透過損失が最小となり、最も低次の吸収ピークを有する共振周波数である。即ち、本発明では、膜16の第1固有振動周波数においては、音を透過させ、最も低次の周波数の吸収ピークを有する。本発明においては、この共振周波数は、枠14および膜16からなる防音セル22によって決まる。
即ち、枠14および膜16からなる構造における共振周波数、即ち枠14に抑えられるように固定された膜16の共振周波数は、音波が膜振動を最も揺らすところである。音波はその共振周波数で大きく透過し、その共振周波数は、最も低次の周波数の吸収ピークを有する固有振動モードの周波数である。
また、本発明においては、第1固有振動周波数は、枠14及び膜16からなる防音セル22によって決まる。本発明では、このようにして決まる第1固有振動周波数を膜の第1固有振動周波数という。
枠14に固定された膜16の第1固有振動周波数(例えば、剛性則に従う周波数領域と質量側に従う周波数領域との境界が最も低次の第1共振周波数となる)は、人間の音波の感知域に相当する10Hz〜100000Hzであることが好ましく、人間の音波の可聴域である20Hz〜20000Hzであることがより好ましく、40Hz〜16000Hzであることが更により好ましく、100Hz〜12000Hzであることが最も好ましい。
ここで、本実施形態の防音セル22において、枠14及び膜16からなる構造における膜16の共振周波数(例えば第1固有振動周波数)は、防音セル22の枠14の幾何学的形態と、防音セル22の膜16の剛性と、膜背後空間の体積とによって定めることができる。なお、枠14の幾何学的形態としては、例えば枠14の形状及び寸法(サイズ)を挙げることができる。また、膜16の剛性としては、例えば膜16の厚さ及び可撓性を挙げることができる。
例えば、膜16の固有振動モードを特徴づけるパラメータとしては、同種材料の膜16の場合は、膜16の厚み(t)と孔部12のサイズ(R)の2乗との比(例えば、正四角形の場合には、厚み(t)と一辺の大きさとの比[R/t])を用いることができる。この比[R/t]が等しい場合には、上記固有振動モードが同じ周波数(即ち、同じ共振周波数)となる。即ち、比[R/t]を一定値にすることにより、スケール則が成立し、適切なサイズを選択することができる。
ところで、本発明においては、膜は、その一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を有する。
図1〜図4に示す実施形態においては、膜16は、その一方の面から他方の面に貫通する1本の切断部18を有する。切断部18は、膜16を貫通するように正方形の枠14の1つの内周辺(枠14の1辺への膜16の固定部分)に沿って平行に線状に形成されている。切断部18は、膜16の端部(枠14の内周辺に近い部分)に設けられている。例えば、枠14の辺の長さが40mmの場合には、切断部18は、枠14の内周辺から2mm離れた位置に設けられる。
なお、この線状の切断部18の両端部18a及び18bは、膜16に形成されるが、正方形の枠14の1本の内周辺に直交する2つの内周辺より内側に設けられている。
本発明においては、切断部18は、膜16に貫通する1本の線状の切込みを入れることによって形成されたものであることが好ましい。また、切断部18は、カッターナイフなどの刃の薄い刃物によって膜16をその一方の面から他方の面に貫通するように切断して形成された切込みであることが好ましい。薄い刃物としては、カッターナイフの他、丸ナイフ、スリッター刃、及び平刃等からなる刃物を挙げることができる。なお、切断部18は、刃物の代わりに、レーザーカッターなど他の方法で形成されても良い。
本実施形態の防音部材10においては、膜16が切断部18を有することにより、枠14、及び切断部18を有する膜16からなる防音セル22の構造における膜16の第1固有振動周波数における音の吸収ピークに拡がりを持たせることができる。即ち、防音セル22における膜16の第1固有振動周波数における音の吸収ピークを広帯域化することができる。
ここで、詳細は後述するが、図22に示す従来技術の防音部材50の防音セル52は、図1に示す防音部材10の防音セル22と同様に、枠14、膜16、及び背面部材20からなるが、膜16に切断部18を有していない点のみで防音セル22と異なる。
図23は、図22に示す従来技術の防音部材50(後述する比較例1参照)の防音特性(吸収特性)を示すグラフであるが、第1共振周波数である540Hzに鋭い吸収ピークを持つことを示している。
一方、図13は、図1に示す本発明の防音部材10(後述する実施例1参照)の防音特性(吸収特性)を示すグラフである。図13と図23とを比較してみると、本発明の防音部材10は、従来技術の防音部材50とほぼ同じ第1共振周波数を持つことが分かる。また、本発明の防音部材10では、従来技術の防音部材50が鋭い吸収ピークを持つ第1共振周波数と略同じ第1共振周波数で拡がりを持った吸収ピークを持つことが分かる。
図16は、図13及び図23に示す吸収特性の低周波領域(450Hz〜650Hz)のみを拡大して示すものである。図16において、実線は従来技術の防音部材50の吸収特性(図23参照)であり、点線は本発明の防音部材10の吸収特性(図13参照)である。図16から明らかなように、本発明の防音部材10の吸収ピークは、従来技術の防音部材50の吸収ピークに比べ、ほぼ同じピーク周波数を持ち、吸収ピークに拡がりを持つことが分かる。
以上から、上述したように、防音対象となる機械等には、個体差、又は経年変化があるため、特定周波数の騒音抑制デバイスであっても、吸収ピークに拡がりを持たせられることが望ましい。特に、膜に切込みを入れて切断部を設けるというような簡単な処理による構造の変更で拡がりを持たせられることが望ましい。
このように、本発明おいては、膜に切込みを入れて切断部を設けるだけで、元の吸収ピークを広帯域化させることができる。
本発明においては、線状の切断部18の長さは、正方形の枠14の辺(内周辺)の長さL(図2に示す枠14のサイズ参照)の25%以上であることが好ましい。その理由は、切断部18の長さが枠14の辺の長さの25%未満では、吸収ピークに拡がりが見られないからである。本発明においては、切断部18の長さは、枠14の辺の長さの50%以上であることがより好ましく、65%以上であることが最も好ましい。例えば、枠14の辺の長さが40mmの場合には、切断部18の長さは、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、26mm以上であることが最も好ましい。
また、正方形の枠14の頂点部(隅部)では、膜16には、切断部(切込み)18を設けずに残すことが好ましい。即ち、正方形の枠14の隅部では、膜16は、切断部18の無い状態で枠14に固定されていることが好ましい。正方形の枠14の隅部において膜16に切断部18を入れずに片側残す長さは、正方形の枠14の辺の長さLの7.5%以上であることが好ましく、両側で15%以上であることが好ましい。したがって、線状の切断部18の長さの上限は、正方形の枠14の辺の長さの85%以下であることが好ましいことになる。その理由は、膜16に残す長さが片側で枠14の辺の長さLの7.5%未満では、膜16に枠14に取り付けた後から切込みを入れて切断部18形成する場合、刃物などの切込み方法と枠14自体がぶつかることにより完全に端部まで切ることは不可能であるからである。また、7.5%以上残した部分があっても本発明で要求される性能が出るためであり、製造が容易だからである。また、複数辺に切込みによって切断部18を設ける際に、端まで切ってしまうと2つの切断部18がつながってしまい、2辺の端部が容易に揺れる自由端になってしまうことで、本発明の効果が得られにくくなるからである。
なお、例えば、枠14の辺の長さが40mmの場合には、枠14の隅部に残す膜16の長さは3mm以上であることが好ましい。したがって、切断部18の長さ(切込み長さ)は、34mm以下であることが好ましい。
本発明においては、図4、及び図5Aに示すように、切断部18によって切断された膜16の枠側切断片16cの切断面(切り口)16aと膜16の重心側切断片16dの切断面(切り口)16bとは、膜16の厚み(L)方向において、切断部18の両端部18a及び18b以外にも、少なくとも一部に重なり部分18cを持つことが好ましい。この時、切断部18における膜16の切断面16aと16bとの重なり部分18cは、その少なくとも一部が接触していることがより好ましい。このように、膜16の切断面16aと16bとの重なり部分18c、又は接触部分があると、吸収ピークが拡がり、広帯域化する。この理由は、枠14に固定された膜16の端部の固定端状態がある程度維持され、かつ膜16の切断面16aと16bとの重なりにより、膜16同士の摩擦(膜16同士の間の空気を介する摩擦)が生じて、吸収ピークが広帯域化するものと本発明者らは考察している。なお、膜16の切断面16aと16bとが重なり部分18cを有するためには、膜16の厚みは厚い方が好ましい。
一方、本発明においては、図4、及び図5Bに示すように、切断部18によって切断された膜16の枠側切断片16cの切断面16aと重心側切断片16dの切断面16bとは、膜16の厚み(L)方向において、切断部18の両端部18a及び18b以外にも、少なくとも一部に重なりの無い部分を有していても良い。例えば、膜16の重心側切断片16dを押し込むことなどにより図5Bに示す状態が生じる。膜16が柔らかく変形しやすい場合には、その状態が維持される。このように、膜16の切断部18の切断面16aと16bとを完全にずらすと、切断部18に開口部分18dが生じる。このために、振動モードが自由振動に変化する。その結果、吸収のピークは、拡がり広帯域化するが、高周波側にシフトする。
また、切断部18は、膜16に幾つ設けられていても良く、その数は制限されない。
例えば、図7に示す防音部材10Aの防音セル22A(実施例2参照)のように、膜16に、枠14の対向辺に沿って対向して膜16の対向する2つの端部にそれぞれ2本の切断部18が設けられていても良い。図7では、2本の切断部18は、対向して膜16に設けられているが、枠14の隣接する辺に沿ってL字状に隣接して設けられていても良い。
また、図8に示す防音部材10Bの防音セル22B(実施例3参照)のように、膜16に、枠14の3辺に沿って膜16の3つの端部にそれぞれ3本の切断部18が設けられていても良い。
また、図9に示す防音部材10Cの防音セル22C(実施例9参照)のように、枠14の全4辺に沿って膜16の4つの端部にそれぞれ4本の切断部18が設けられていても良い。
ここで、膜16に設ける切断部18の数は、少ない方が好ましい。切断部18の数は、1本が最も好ましい。その理由は、切断部18の数は、少ない方が、吸収ピークの拡がりが大きいからであり、切断部18が1本の場合が、吸収ピークの拡がりが最も大きいからである。
また、切断部18は、膜16のどこに設けられていても良い。
例えば、図10に示す防音部材10Dの防音セル22D(実施例10参照)のように、切断部18は、膜16の中央(枠14の孔部12の中央)に設けられていても良い。この場合にも、吸収ピークの拡がりの効果がある。しかしながら、切断部18は、図1〜図9に示すように、膜16の端部(枠14への固定部分に近い部分)に設けられていることが好ましい。その理由は、切断部18を膜16の端部に設けることにより、吸収ピークの拡がりの効果が大きいからである。
具体的には、切断部18は、枠14の内周辺(枠14への膜16の固定部分)から振動する膜16の重心16eに向けて垂線を下した時に、枠14の内周辺から垂線の長さの50%以内の範囲にあることが好ましい。その理由は、50%超では、吸収ピークの拡がりの効果が小さくなるからである。この時、切断部18の位置は、膜16の枠側切断片16cの切断面16aを基準とするので、枠14の内周辺から切断面16a迄の長さが50%以内の範囲にあることを言う。なお、膜16の重心16eは、図4に示す例では、膜16の中心であり、垂線の長さは、枠14の辺の長さLの半分(1/2)である。
また、切断部18は、枠14の内周辺から垂線の長さの30%以内の範囲にあることがより好ましく、15%以内の範囲にあることが最も好ましい。例えば、枠14の辺の長さLが40mmの場合には、切断部18は、枠14の内周辺から10mm以内の範囲にあることが好ましく、6mm以内の範囲にあることがより好ましく、3mm以内の範囲にあることが最も好ましい。
上述したように、切断部18における膜16の切断面16aと16bとは、重なる部分がある方が好ましく、接触している部分がある方がより好ましい。しかしながら、切断部18は、カッターナイフ等によって設けた切込みであるため、カッターナイフの厚み程度の切り幅が存在する。カッターナイフの厚みは、数百μm(例えば、380μm)程度である。このため、切断部18の切り幅は、数百μm(例えば、380μm)程度となる。
このように、本発明では、切断部18における膜16の切り幅は狭く、膜16の切断面同士(切断面16aと16b)が非常に接近した状態となる。このため、膜16の切断面同士(切断面16aと16b)が元の状態を維持していると見做すことができる。即ち、膜16の切断面同士(切断面16aと16b)の高さがそろっていると見做すことができる。言い換えれば、膜16の切断面同士(切断面16aと16b)を水平方向から見込むと重なりがある状態であることになる。このとき、膜16の切断面同士(切断面16aと16b)の動きは制限され、略1枚の膜(4辺固定端)として振る舞うことで共振周波数がほぼ変化していないと考えられる。一方で、切り込みにより固定端状態に若干の変化が加わるために、膜型吸音体のQ値が小さくなり、共振の帯域が拡がる効果が得られたと考えられる。ここで、膜型吸音体のQ値は、共振の強さとシャープさを表す指標であり、大きいほど共振周波数での強さは強くなるが、共振が非常にシャープになる。一般に同じような系では共振の強さと帯域幅がトレードオフの関係となる。
なお、切断部18の切り幅が大きくなると、空気の通過が自由に生じる有意な開口部分18dを生じる。この場合には、上述した図5Bに示す場合と同様に、振動モードが自由振動に変化する。その結果、吸収のピークは、拡がり広帯域化するが、高周波側にシフトする。
更に、切断部18の切り幅が大きくなると、切断部18の切り幅と長さから決まる開口面積が実効的に大きくなる。例えば、開口面積は、特許文献2に開示の図25に示す防音部材60の防音セル62の共鳴穴(共振穴)となる貫通孔64と実効的に等しいような大きさになる。防音部材60は、ヘルムホルツ共鳴(共振)による吸音を行うものであるので、防音部材60では、吸収ピークは、大幅に高周波シフトし、ピーク幅の拡がりを見ることはできない。以下、本発明では、「共振」及び「共鳴」を区別せず、「共振」に含まれるものとして統一して記載する。
本発明においては、吸収ピークにおけるピーク幅の拡がり(広帯域化)が必須であることから、切断部18の切り幅は、ヘルムホルツ共振が生じない切り幅が必要であることが分かる。
即ち、本発明の防音部材の防音セルは、膜の振動を含み、ヘルツホルム共振とは異なる共振を発現するものであることが好ましい。
図1、図4、図6、図7、図8、図9及び図10に示す防音部材10、30、10A、10B、10C、及び10Dは、それぞれ1つの防音セル22、32、22A、22B、22C、及び22Dを有するものである。しかしながら、本発明はこれらに限定されず、図11、及び図12に示す防音部材11、及び12のように、複数の防音セルを有するものであっても良い。
図11に示す防音部材11は、16個の防音セルを有するものであり、図1、及び図4に示す防音セル22を13と、図7に示す防音セル22Aを3つとを組み合わせ、2種類の本発明の防音セルを合計16個となるように組わせたものである。
図12に示す防音部材11Aも、16個の防音セルを有するものであり、図1、及び図4に示す防音セル22を9つと、図7に示す防音セル22Aを1つと、図8に示す防音セル22Bを1つと、図9に示す防音セル22Cを1つと、図22に示す従来技術の膜16に切断部を持たない防音セル52を4つとを組み合わせ、4種類の本発明の防音セル、及び1種類の従来技術の防音セルを合計16個となるように組わせたものである。
この時、防音部材11及び11Aの16個の防音セルの16個の枠14は、1つの枠体として構成されたものであっても良い。また、防音部材11及び11Aの16個の防音セルの16枚の膜16は、1枚のシート状膜体として構成されたものであっても良い。
なお、本発明の防音部材は、図1、図4、図6、図7、図8、図9及び図10に示す本発明の防音セル22、32、22A、22B、22C、及び22Dの少なくとも1種類の複数の防音セルを有するものであれば、特に制限的ではない。本発明の防音部材は、1種類の本発明の防音セルのみからなるものであっても良いし、2種類以上の本発明の防音セルを組み合わせたものであっても良い。更に、本発明の防音部材は、1種類の本発明の防音セルと、1種類以上の従来技術の防音セルとを組み合わせたものであっても良いし、2種類以上の本発明の防音セルと、1種類以上の従来技術の防音セルとを組み合わせたものであっても良い。
なお、本発明において、2種類以上の本発明の防音セルを組み合わせる場合、及び1種類以上の本発明の防音セルと、1種類以上の従来技術の防音セルとを組み合わせる場合、個々の種類の防音セルの数も、特に制限的ではない。
本発明の防音部材10、30、10A〜10D、11、及び11A、並びに防音セル22、32、及び22A〜22Dは、基本的に以上のように構成される。
本発明の防音部材は、以下のようにして製造される。
まず、孔部を持つ1つ以上の枠と、この1つ以上の枠にそれぞれ固定される1枚以上の膜と、を準備する。
次に、1枚以上の膜のそれぞれの周辺部を、接着剤、又は物理的な固定具を用いてそれぞれ1つ以上の枠に固定する。
次に、1つ以上の枠にそれぞれ固定された1枚以上の膜に、例えばカッターナイフによってそれぞれ切込みを入れて、切断部を形成する。
こうして、1つ以上の防音セルを有する本発明の防音部材を製造することができる。
本発明の防音部材、及び防音セルは、基本的に以上のように構成されるので、以下のような効果を奏する。
本発明においては、防音セルの膜に切込みを入れて切断部を設けることで共振周波数での振舞いを変化させることができる。即ち、本発明では、膜に切込みを入れて切断部を形成するだけで、元の吸収ピークを変化させている。
本発明においては、特に、防音セルの膜に切込みを入れて切断部を設けたまま、膜の一方の切断片の押し込みを行わず、膜の両方の切断片の切断面(切り口)が重なった状態、又は接触した状態では、元の共振周波数を維持したまま、又は元の共振周波数(ピーク周波数)の付近において、吸収帯域を拡げ、吸収ピークを広帯域化させることができる。即ち、元の吸収ピークの周辺で広帯域化するため、元の膜振動の吸収を基本としてそこから広帯域化を行っている。
このように、切断部を設けるために膜に切込みを入れるという単純な処理によってピーク周波数を維持したままに吸収帯域を拡げることができる。
特許文献2のような先行技術では、膜振動体に貫通孔を形成し、ヘルムホルツ共振器を形成している。
これに対し、本発明は、貫通孔で音を通して共振現象を生じさせるヘルムホルツ共振を狙いとしておらず、膜の振動状態を変化させるために膜の端部に切込みを入れて切断部を設けている。
特許文献2の技術の課題より「膜状吸音材に形成するヘルムホルツ共振用の共振穴が膜状吸音材の膜振動を阻害しにくくする。」とあることからも明らかに、特許文献2の技術では、元の膜振動を変化させないために膜の端部に貫通孔を形成する。一方で、本発明では、膜の端部に切込みを入れて切断部を設けることで、膜の振動状態を変化させる(固定部の状態を変化させる)ことによって共振周波数の広帯域化を実現している。
したがって、特許文献2の技術の貫通孔と、本発明において形成する切断部は異なるものである。
また、特許文献1の技術等、他の膜型吸音体の特許においても、膜に切断部を設けることを想定しておらず、膜の振動状態を変化させることで吸収ピークが広帯域化するという本発明を得ることはできない。
以上のように、本発明は、特許文献1及び2等の従来技術から容易に想到することができない発明である。
以下に、本発明の防音部材を持つ防音部材に組合せることができる構造部材の物性、又は特性について説明する。
[難燃性]
建材や機器内防音材として本発明の防音部材を持つ防音部材を使用する場合、難燃性であることが求められる。
そのため、膜は、難燃性のものが好ましい。膜としては、例えば難燃性のPETフィルムであるルミラー(登録商標)非ハロゲン難燃タイプZVシリーズ(東レ(株)社製)、テイジンテトロン(登録商標)UF(帝人(株)社製)、及び/又は難燃性ポリエステル系フィルムであるダイアラミー(登録商標)(三菱樹脂(株)社製)等を用いればよい。
また、枠も、難燃性の材質であることが好ましく、アルミニウム等の金属、セミラックなどの無機材料、ガラス材料、難燃性ポリカーボネート(例えば、PCMUPY610(タキロン(株)社製))、及び/又はや難燃性アクリル(例えば、アクリライト(登録商標)FR1(三菱レイヨン(株)社製))などの難燃性プラスチックなどが挙げられる。
さらに、膜を枠に固定する方法も、難燃性接着剤(スリーボンド1537シリーズ((株)スリーボンド社製))、半田による接着方法、又は2つの枠で膜を挟み固定するなどの機械的な固定方法が好ましい。
[耐熱性]
環境温度変化にともなう、本発明の防音部材の構造部材の膨張伸縮により防音特性が変化してしまう懸念があるため、この構造部材を構成する材質は、耐熱性、特に低熱収縮のものが好ましい。
膜は、例えばテイジンテトロン(登録商標)フィルム SLA(帝人デュポン(株)社製)、PENフィルム テオネックス(登録商標)(帝人デュポン(株)社製)、及び/又はルミラー(登録商標)オフアニール低収縮タイプ(東レ(株)社製)などを使用することが好ましい。また、一般にプラスチック材料よりも熱膨張率の小さいアルミニウム等の金属膜を用いることも好ましい。
また、枠は、ポリイミド樹脂(TECASINT4111(エンズィンガージャパン社製))、及び/又はガラス繊維強化樹脂(TECAPEEKGF30(エンズィンガージャパン社製))などの耐熱プラスチックを用いること、及び/又はアルミニウム等の金属、又はセラミック等の無機材料やガラス材料を用いることが好ましい。
さらに、接着剤も、耐熱接着剤(TB3732((株)スリーボンド社製)、超耐熱1成分収縮型RTVシリコーン接着シール材(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)社製)、及び/又は耐熱性無機接着剤アロンセラミック(登録商標)(東亜合成(株)社製)など)を用いることが好ましい。これら接着を膜または枠に塗布する際は、1μm以下の厚みにすることで、膨張収縮量を低減できることが好ましい。
[耐候・耐光性]
屋外、又は光が差す場所に本発明の防音部材を持つ防音部材が配置された場合、構造部材の耐侯性が問題となる。
そのため、膜は、特殊ポリオレフィンフィルム(アートプライ(登録商標)(三菱樹脂(株)社製))、アクリル樹脂フィルム(アクリプレン(三菱レイヨン(株)社製))、及び/又はスコッチカルフィルム(商標)(3M社製)等の耐侯性フィルムを用いることが好ましい。
また、枠材は、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリル(アクリル)などの耐侯性が高いプラスチックやアルミニウム等の金属、セラミック等の無機材料、及び/又はガラス材料を用いることが好ましい。
さらに、接着剤も、エポキシ樹脂系のもの、及び/又はドライフレックス(リペアケアインターナショナル社製)などの耐侯性の高い接着剤を用いることが好ましい。
耐湿性についても、高い耐湿性を有する膜、枠、及び接着剤を適宜選択することが好ましい。吸水性、耐薬品性に関しても適切な膜、枠、及び接着剤を適宜選択することが好ましい。
[ゴミ]
長期間の使用においては、膜表面にゴミが付着し、本発明の防音部材の防音特性に影響を与える可能性がある。そのため、ゴミの付着を防ぐ、または付着したゴミ取り除くことが好ましい。
ゴミを防ぐ方法として、ゴミが付着し難い材質の膜を用いることが好ましい。例えば、導電性フィルム(フレクリア(登録商標)(TDK(株)社製)、及び/又はNCF(長岡産業(株)社製))などを用いることで、膜が帯電しないことで、帯電によるゴミの付着を防ぐことができる。また、フッ素樹脂フィルム(ダイノックフィルム(商標)(3M社製))、及び/又は親水性フィルム(ミラクリーン(ライフガード社製)、RIVEX(リケンテクノス(株)社製)、及び/又はSH2CLHF(3M社製))を用いることでも、ゴミの付着を抑制できる。さらに、光触媒フィルム(ラクリーン((株)きもと社製))を用いることでも、膜の汚れを防ぐことができる。これらの導電性、親水性、及び/又は光触媒性を有するスプレー、及び/又はフッ素化合物を含むスプレーを膜に塗布することでも同様の効果を得ることができる。
上述したような特殊な膜を使用する以外に、膜上にカバーを設けることでも汚れを防ぐことが可能である。カバーとしては、薄い膜材料(サランラップ(登録商標)など)、ゴミを通さない大きさの網目を有するメッシュ、不織布、ウレタン、エアロゲル、ポーラス状のフィルム等を用いることができる。
付着したゴミを取り除く方法としては、膜の共振周波数の音を放射し、膜を強く振動させることで、ゴミを取り除くことができる。また、ブロワー、又はふき取りを用いても同様の効果を得ることができる。
[風圧]
強い風が膜に当たることで、膜が押された状態となり、共振周波数が変化する可能性がある。そのため、膜上に、不織布、ウレタン、及び/又はフィルムなどでカバーすることで、風の影響を抑制することができる。
さらに、本発明の防音部材では、防音部材側面で風をさえぎることによる乱流の発生による影響(膜への風圧、風切り音)を抑制するため、防音部材側面に風を整流する整流板等の整流機構を設けることが好ましい。
[ユニットセルの組合せ]
図1、4、7、8、9、及び10に示す本発明の防音部材10、10A、10B、10C、及び10Dは、1つの枠14とそれに取り付けられた1枚の膜16と膜16に形成された切断部18を持つ単位ユニットセルとしての1つの防音セル22、22A、22B、22C、及び22Dからなる。一方、本発明の防音部材11、及び11Aは、複数の枠14が連続した1つの枠体、1つの枠体の複数の枠14のそれぞれの孔部12に取り付けられる複数の膜16が連続したシート状膜体、及び複数の膜16に切込みによって設けられる切断部18、を有する、予め一体化された複数の防音セルからなる。本発明の防音部材は、このように、単位ユニットセルを独立に使用する防音部材であっても良い。また、本発明の防音部材は、予め複数の防音セルが一体化された防音部材であっても良いし、又は複数の単位ユニットセルを連結させて使用する複数の防音セルからなる防音部材であっても良い。
複数の単位ユニットセルの連結の方法としては、枠にマジックテープ(登録商標)、磁石、ボタン、吸盤、及び/又は凹凸部を取り付けて組み合わせてもよいし、テープなどを用いて複数の単位ユニットセルを連結させることもできる。
[配置]
本発明の防音部材を有する防音部材を壁等に簡易に取り付け、又はり取外しできるようにするため、防音部材に磁性体、マジックテープ(登録商標)、ボタン、吸盤などからなる脱着機構が取り付けられていることが好ましい。
[枠機械強度]
本発明の防音部材を有する防音部材のサイズが大きくなるにつれ、枠が振動しやすくなり、膜振動に対し固定端としての機能が低下する。そのため、枠の厚みを増して枠剛性を高めることが好ましい。しかし、枠の厚みを増すと防音部材の質量が増し、軽量である本防音部材の利点が低下していく。
そのため、高い剛性を維持したまま質量の増加を低減するために、枠に孔や溝を形成することが好ましい。
また、面内の枠厚みを変える、又は組合せることで、高剛性を確保し、軽量化を図ることもできる。こうすることにより、高剛性化と軽量化を両立することができる。
本発明の防音部材は、以下のような防音部材として使用することができる。
例えば、本発明の防音部材を持つ防音部材としては、
建材用防音部材:建材用として使用する防音部材、
空気調和設備用防音部材:換気口、空調用ダクトなどに設置し、外部からの騒音を防ぐ防音部材、
外部開口部用防音部材:部屋の窓に設置し、室内又は室外からの騒音を防ぐ防音部材、
天井用防音部材:室内の天井に設置され、室内の音響を制御する防音部材、
床用防音部材:床に設置され、室内の音響を制御する防音部材、
内部開口部用防音部材:室内のドア、ふすまの部分に設置され、各部屋からの騒音を防ぐ防音部材、
トイレ用防音部材:トイレ内またはドア(室内外)部に設置、トイレからの騒音を防ぐ防音部材、
バルコニー用防音部材:バルコニーに設置し、自分のバルコニーまたは隣のバルコニーからの騒音を防ぐ防音部材、
室内調音用部材:部屋の音響を制御するための防音部材、
簡易防音室部材:簡易に組み立て可能で、移動も簡易な防音部材、
ペット用防音室部材:ペットの部屋を囲い、騒音を防ぐ防音部材、
アミューズメント施設:ゲームセンター、スポーツセンター、コンサートホール、映画館に設置される防音部材、
工事現場用仮囲い用の防音部材:工事現場を多い周囲に騒音の漏れを防ぐ防音部材、
トンネル用の防音部材:トンネル内に設置し、トンネル内部及び外部に漏れる騒音を防ぐ防音部材、等を挙げることができる。
以上、本発明の防音部材についての種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのは勿論である。
本発明の防音構造を実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明の防音部材10(図1参照)を作製する前段階として、膜16に切込みによる切断部18が設けられていない単一の防音セル52からなる防音部材50(図22参照)を比較例1として作製した。
(比較例1)
PETフィルム(東レ(株)社製ルミラーS10、188μm厚み)を膜16とした。枠14は、厚み20mmの金属アルミニウムを加工し、孔部12として内径が40mm正方形にくりぬいたものを使用した。外周枠部分の厚みは3mmとした。また、同様に厚み3mmの金属アルミニウム46mm角正方形板を背面部材20として準備し、枠14の枠構造の片面(孔部12の端部)に取り付けて蓋とした。枠構造のもう片面の枠部分にPETフィルムを取り付けた。取り付けは両面テープで接着によって行った。
これで、図22に示すように、枠14の片面がPETフィルムの振動膜16、もう片面が背面部材20で閉じ切られた内側厚み20mmの吸音膜構造の防音セル52からなる防音部材50を作製した。
まず、この状態で音響特性を測定した。音響測定は、内径8cmの音響管を用い、4端子法で透過率と反射率を測定し、そこから吸収率(1−透過率−反射率)を求めた。結果、540Hzに鋭い吸収を持つことが分かった。
(実施例1)
比較例1の吸音膜構造の防音セル52の固定部端1辺に対して、カッターナイフを用いて切込みを入れて切断部18を設けた。こうして、図1〜図4に示す本発明の実施例1の防音部材10を作製した。できるだけ枠14の固定部(内周辺)に近い膜16の振動部分に切込みを入れて切断部18を形成するようにし、固定部から2mmの位置に切込みを入れて切断部18を形成した。
この状態で音響特性を測定した。
(実施例2)
次に、実施例1の切込みによって形成された切断部18を有する吸音膜構造の防音セル22に対して、切断部18の対面の辺の固定部(対向辺)近くにおいて膜16に第2の切込みによって形成された第2の切断部18を作製した。こうして、図7に示す本発明の実施例2の防音部材10Aを作製した。この第2の切断部18(切込み)も固定部から2mmの位置に切込みを入れて切断部18を形成した。この状態で音響特性を測定した。
(実施例3)
次に、実施例2の2ヵ所に切断部18を有する吸音膜構造の防音セル22Aに対して、2つの切断部18を繋ぐように第3の切込みを入れて第3の切断部18を作製した。こうして、図8に示す本発明の実施例3の防音部材10Bを作製した。この場合、固定部端近くの4辺中3辺に切込みを入れて切断部18が設けられ、膜16の構造が片持ち梁状となった。本実施例3では、この膜16を枠14の中に手で軽く押しこんだ。この状態で音響特性を測定した。
これらの実施例1、2、及び3、並びに比較例1の測定結果を、それぞれ図13、図14、及び図15、並びに図23に示し、第1吸収ピーク周辺の低周波数領域の拡大図を図16に示した。なお、図16には、実施例3の測定結果を省略している。
まず、図15に示すように、実施例3については、低周波数の第1吸収ピークは消滅して、第1吸収ピークが大きく高周波側にシフトしている。これは、膜16の端部が元の固定端振動から自由端振動に近くなったため、又は3辺自由振動モードに変化したために、振動の共振、即ち第1吸収ピークが高周波側にシフトしたと考えられる。
一方、図23、図13、図14、及び図16に示すように、比較例1と、押し込みを行っていない実施例1、及び2とは、ほぼ同じ周波数に第1共振周波数を持ち、したがって第1吸収ピークを持つことが分かる。また、実施例1及び2では、比較例1に対して、第1及び第2の吸収ピークの高さが近づいていくことが分かる。
図16より明らかなように、切断部18のない元の膜16を持つ比較例1と比較して、実施例1及び2では、切込みを入れて切断部18を設けることで吸収ピークのピーク幅が広がることが分かった。また、実施例1及び2では、高周波数側の吸収も拡がりを見せている。
このようにして、本発明では、切込みを入れて切断部18を設けるだけで吸収ピークを広帯域化させることができた。
(比較例2)
比較例1における188μmのPETフィルムの代わりに125μmのPETフィルム(東レ(株)社製ルミラーS10)を用いた吸音膜構造の比較例2の防音部材50(図22参照)を作製した。音響測定を行った結果、640Hzに吸収ピークを持つことが分かった。
(実施例4)
比較例2の防音部材の1辺にカッターナイフを用いて切込みを入れて切断部18を形成した。膜16に切込みによる切断部18を固定部(枠14の内周辺)から2mmの距離に形成した。こうして、本発明の実施例4の防音部材10A(図7参照)を作製した。
この切断部18の切断面16aと16bとに重なりがある状態で音響測定を行った。
(実施例5)
実施例4の振動膜16の重心側切断片16dの切断部18付近を指で押し込んだ。これにより切断部18の切断面16aと16bとにずれが生じる。こうして、本発明の実施例5の防音部材(図5B参照)を作製した。この切断部18の切断面16aと16bとがずれて重なりが無い状態で音響特性を測定した。
比較例2、及び実施例4〜5の測定結果を図17に示した。
まず、比較例2と実施例4を比較すると、図17に示すように、実施例4では、切込みを入れて切断部18を設けたことで第1共振周波数が広帯域化した。一方、実施例4と5は同じ膜16の状態で膜16の片側の切断片を押し込んだかどうかにより、共振周波数が大きく変化した。実施例5は、膜16の端部が固定端から自由端に変化したために第1共振周波数が高周波シフトしたと考えられる。
よって、膜16に切込みを入れて切断部18を設けることで共振周波数での振舞いを変化させることができた。特に、切断部18を設けたまま押し込みを行わない状態では元の共振周波数を維持したまま広帯域化させることができた。このときの特徴は、切断部18の切断面の両辺に当たる膜16の2つの切断片が元の状態を維持している、即ち高さがそろっていることにある。言い換えれば、切断部18の状態として、膜16の切断面16a及び16b同士を水平方向から見込むと重なりがある状態であることが特徴となる。このとき、膜16の切断面にはカッターナイフで形成された数百μmのスリットがあるのみで非常に膜16の切断片同士が接近した状態となる。この状態では、膜16の動きは制限され、ほぼ固定端として振る舞うことで共振周波数がほぼ変化していないと考えられる。また、細いスリット状の隙間であるため間の空気の粒子速度は大きくなり摩擦が生じる。この摩擦で音が熱に変わる効果によってピークが広帯域化したと考えられる。
(比較例3)
上述した考えから、膜16の切断面の重なりが重要であることを推測したため、振動膜部分の膜厚が大きい方が重なりを持つことが容易となり、広帯域化の効果が大きいと推測できる。よって、比較例3の防音部材として、振動膜16の厚みを350μmのPETフィルム(東レ(株)社製ルミラーS10)として、比較例1と同様の構成の吸音膜構造を作製した。音響管測定した結果、786Hzに鋭い吸収をもつことが分かった。
(実施例6〜9)
比較例3の防音部材の振動膜部分に、1、2、3、及び4ケ所に切込みを入れて34mmの切断部18を順次設けていって、本発明の実施例6、7、8、及び9の防音部材10、10A、10B、及び10C(図4、図7、図8、及び図9参照)を順次作製した。各実施例の防音部材を作製する毎に音響管測定を行った。ここでも切断部18は膜18の固定部から2mmの位置に形成した。また、切断部18の先後端部18a及び18bから膜16の固定部まで3mmをあけるようにして、切込みによる切断部18を増やしても完全に切り落とさないようにした。即ち、枠14の頂点部では、膜16は切断されず残って枠14に固定されている。
比較例3、及び実施例6〜9の測定結果を図18に示した。
図18に示すように、実施例6〜9のいずれの実施例でも、元の吸収ピークと比較して吸収ピークの両側に吸収帯域が大きく広がった。特に、切込みによって形成された切断部18が1カ所の場合が低周波側に吸収ピークが生じるなど広帯域化した大きな吸収を示した。
(比較例4〜6)
比較例4〜6として、切込みを完全に入れずに表面をカッターナイフで傷つけた状態、膜16に切込みによる切断部18が設けられていない状態の防音部材を作製した。作製した比較例4〜6の防音部材の測定を行った。比較例4は、比較例3(図22参照)と全く同じ条件で作製した吸音膜構造を持つ傷の無い防音部材である。比較例5は、膜16の1辺に34mmの傷をつけた防音部材であり、比較例6は、2辺にそれぞれ34mmの傷をつけた防音部材である。膜16に設けられた傷部は、明らかに白く散乱されており、数10μm以上の傷が入っていると推定できる。この場合の音響特性を測定した。
比較例4〜6の測定結果を図24に示した。
その結果、図24に示すように、傷を入れた前後で吸収ピークの広さはほぼ変化しなかった。
(実施例10)
比較例3の防音部材(図22参照)の振動膜部分の、端ではなく真ん中に切込みを入れて、図10に示すように、膜16の真ん中に切断部18を持つ防音セル22Dからなる本発明の実施例10の防音部材10Dを作製した。この場合の音響特性を測定した。
実施例10、及び比較例3の測定結果を図19に示した。
その結果、図19に示すように、吸収ピークの若干の拡がりが見られるが、実施例6〜9の防音部材のように、膜16の端部に切込みを入れて切断部18を設けたときの方が吸収ピークの拡がりの幅は大きかった。
なお、図示しないが、図10に示す実施例10の防音部材10Dの膜16の真ん中に十字状になるように切込みを2辺入れて十字状の切断部を持つ防音部材を作製し、音響特性の測定を行った。この十字状の切断部を持つ防音部材も、吸収ピークの拡がりを見せたが実施例10とあまり変わらなかった。
以上から、膜16の切断部18の膜16の切断面16aと16bに重なりがある場合、膜16の真ん中より、膜16の端部に切断部18を設けたときの方が吸収ピークの広帯域化の効果は大きいことが分かる。
(比較例7)
比較例1における188μmのPETフィルムの代わりに250μmのPETフィルム(東レ(株)社製ルミラーS10)を用いた吸音膜構造の比較例7の防音部材50(図22参照)を作製した。比較例7の防音部材の音響測定を行った。その結果、650Hzに鋭い吸収ピークを持つことが分かった。
(実施例11〜14)
比較例7の防音部材の1辺にカッターナイフを用いて、それぞれ10mm、20mm、26mm、及び35mmの切込みを入れて切断部18を形成した。膜16に切込みによる切断部18を固定部(枠14の内周辺)から2mmの距離に形成した。こうして、本発明の実施例11〜14の防音部材(図1〜図4参照)を作製した。作製した実施例11〜14の防音部材の音響特性を測定した。
測定結果を図20に示す。
図20に示すように、膜16の切断部(切込み)18の長さが10mm以上で吸収ピークのピーク周波数は少し低周波化するが、吸収ピークのピーク幅は拡がる。切断部18の長さが10mmの実施例11の場合には、吸収ピークのピーク幅の拡がりが少ない。一方、切断部18の長さ20mmの実施例12の場合は、ピーク幅の拡がりが大きい。切断部18の長さ26mm以上の実施例13及び14の場合は、切断部18の長さが長くなるにつれて、吸収ピークの広がり幅が更に大きくなる。
よって、膜16の切断部18の長さは膜16(枠14の孔部12)のサイズ40mm角に対して、10mm以上が望ましく、20mm以上が更に望ましく、26mm以上が最も望ましいことが分かる。
したがって、膜16(枠14の孔部12)の辺の長さLに対して、膜16の切断部18の長さの割合が、25%以上が望ましく、50%以上が更に望ましく、65%以上が最も望ましいと言える。
膜16の切断部18の長さが35mmである実施例14において、切断部18の切り幅は、膜16の切込みに使用したカッターナイフの厚みが380μmであるので、その程度の幅になっているものと考えられる。
また、実施例14のみの防音部材の音響特性を図21に示す。実施例14のピーク周波数は、615Hz(図20参照)である。
これに対し、例えば、膜の厚み250μm、切断部18の長さ35mmの時、ヘルムホルツ共振しているとすると、ヘルムホルツ共振の周波数の理論値は、920Hzとなり、1000Hz以下に、ヘルムホルツ共振による吸収のピークがあるはずである。
しかしながら、図21には、膜16に切込み長さが35mmの切断部18があるため、切断部18の無い膜16(比較例7参照)の膜振動の共振周波数(吸収のピーク周波数)である650Hzより少し低い615Hz共振周波数(吸収のピーク周波数)が示されている。
しかしながら、図21には、膜16に切込み長さが35mmの切断部18があっても、ヘルムホルツ共振による吸収が現れていない。
以上から、本実施例のカッターナイフによる切込みによる切断部の形成ではヘルムホルツ共振は測定領域に生じない切り幅として形成されたと考えられる。
(比較例8)
比較例7と同じ条件の構造の防音部材(図22参照)に対して、図25に示すように、共振穴となる孔径3mmの貫通孔64をポンチで形成した。こうして、図25に示す比較例8の防音部材60を作製した。貫通孔64は、図25に示すように、辺から2mmずつ離した位置に形成した。比較例8の音響特性を測定した。
その結果を図26に示す。
貫通孔64を形成したことで、吸収ピークが750Hz付近に単独で現れた。
比較例8の防音部材60の条件で計算すると、ヘルムホルツ共振の共振周波数の理論値は約751Hzであった。この周波数は、ヘルムホルツ共振のピークと一致した。
一方、図26に示すように、比較例7における膜振動に由来する650Hz付近の吸収ピークは貫通孔64を設けたことで消失した。
即ち、ヘルムホルツ共振として機能する貫通孔を形成することで、吸収ピークのピーク幅の広がりを得ることは困難であることが分かる。
以上の図24及び図26の結果から、本発明の膜の切込みによる切断部は、ヘルムホルツ共振の共振穴ではないことが明らかである。
即ち、本発明の防音部材の防音セルは、ピーク幅が拡がった膜振動による吸収ピークを示すものであり、膜振動の共振を示し、その共振は、ヘルツホルム共振とは異なるものであることは明らかである。したがって、本発明の防音部材の防音セルは、膜の振動を含み、ヘルツホルム共振とは異なる共振を発現するものである。
(比較例9)
背面部材を有しておらず、両面開口の孔部12を有する枠14に対して片側膜16、かつ片側開放の防音セルからなる従来技術の吸音膜構造を、背面部材20が無いこと及び膜厚を350μmとしたことを除いて、比較例1と同様に作製した。
(実施例15)
比較例9の吸音膜構造の防音セルの膜16に対して、実施例1と同様にして、カッターナイフを用いて切込みを入れて切断部18を設け、図6に示す防音セル32からなる防音部材30を作製した。
作製した実施例15、及び比較例9の音響特性を測定した。
測定結果を図27に示す。
図27に示すように、膜16の背面空間が閉じられていない場合においても、切込みを入れて切断部18を設けることで吸収ピークが広帯域化することが分かった。
以上の実施例によって、以下の効果を示した。
1. 切込みを入れて切断部18を設けることで元の共振の振舞いを変化させることができること、
2.押し込まずに膜の切断片の切断面に重なりがある状態にすることで、共振幅が広帯域化すること、
3.広帯域化のためには膜の切断片の切断面が端部付近にあることでさらに効果が大きいこと。
以上から、本発明の効果は明らかである。
本発明の防音部材は、特定周波数の騒音を抑制するために特定周波数に騒音の吸収のピークをもつのみならず、ピークに拡がりを持たせることができる。このため、本発明の防音部材は、モータの回転音、及び機械の振動共振音等の特定周波数の音が強く発信される一方、個体差、又は経年変化が避けられない複写機等の産業用機器、自動車等の輸送用機器、洗濯機等の一般家庭用機器等に用いることができる。
10、10A、10B、10C、10D、11、11A、30、50、60 防音部材
12 孔部
14 枠
16 膜
16a、16b 膜の切断面(切り口)
16c、16d 膜の切断片
16e 膜の重心
18 切断部
18a、18b 端部
18c 膜の切断面の重なり部分
18d 膜の切断面の開口部分
20 背面部材
22、22A、22B、22C、22D、32、52、62 防音セル
64 貫通孔
特許文献1、及び2に開示の膜型の吸音材は、吸収特性が膜と背面空間とで、又は膜と共鳴穴と背面空間とで決定される共振系、又は共鳴系の吸音体である。このような吸音体は、吸音のピークにおいて吸収率は大きいが、ピークの幅が細いという特徴がある。このため、一般に機械の共振振動による特定周波数の騒音に対する抑制等に用いることができる。なお、以下では、特許文献2を直接引用する記載を除いて、「共振」も、「共鳴」も含めて「共振」と記載する。
しかしながら、機械等には個体差、又は経年変化が避けられないという以下のような問題がある。
1.個体差によるわずかな堅さ、及び/又は重さのずれ等が共振周波数を変化させるため、機械の共振周波数の個体差が大きく、細いピーク幅で複数の機械に対応することが難しい。
2.騒音原因がファン、又はポンプなどの可動部に起因する場合を中心に、経年により共振周波数が徐々に変化していく。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の防音部材は、1以上の防音セルを有する単層の防音部材であって、防音セルは、孔部を持つ枠と、孔部の一方の開口端を覆うように枠に固定された膜と、孔部の他方の開口端を覆うように枠に固定され、枠の内周面で囲まれた膜の背面空間を閉じ切る背面部材と、を備え、膜は、音に対して振動するものであり、膜は、その一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を有し、切断部は、枠の内周辺に沿って膜に形成されていることを特徴とする。
ここで、防音セルは、膜の振動を含み、ヘルムホルツ共振とは異なる共振を発現することが好ましい。
また、切断部は、刃物による切込みであることが好ましい。
た、枠の内周辺から振動する膜の重心に向けて垂線を下した時に、切断部は枠の内周辺から垂線の長さの50%以内の範囲にあることが好ましい。
また、切断部の長さは、枠の内周辺の長さの25%以上であることが好ましい。
また、切断部によって切断された膜の枠側切断面と膜の重心側切断面とは、膜の厚み方向において、切断部の両端以外にも、少なくとも一部に重なりを持つことが好ましい。
また、膜の枠側切断面と重心側切断面とは、切断部の両端以外にも、少なくとも一部が接触していることが好ましい。
また、切断部は、1つであることが好ましい。
また、1以上の防音セルは、複数の防音セルであり、更に、防音セルとは異なる種類の複数の他の防音セルを有し、他の防音セルは、膜から切断部を除いた膜を枠に固定したものであることが好ましい。
しかしながら、本発明においては、膜16の背面に閉空間体積が無くても、膜振動によって吸音できるので、図6に示すように、背面部材20を設けなくても良い。
即ち、図6に示す実施形態の防音部材30は、貫通する孔部12を持つ枠14と、孔部12の一方の開口面を覆うように枠14に固定された振動可能な膜16と、膜16に形成された切断部18と、を有する1つの防音セル32からなる。
本実施形態の防音部材30の防音セル32においては、枠14の内周面で囲まれた膜16の背面空間は、開放されている。
なお、図6に示す防音部材30、及びその防音セル32は、背面部材20を有していない点を除いて、図1〜図4に示す防音部材10、及びその防音セル22と同様の構成を有するものである。また、図6に示す防音部材30の上面図は、図1〜図3に示す防音部材10の上面図である図4と同様である。このため、図6に示す防音部材30では、図1〜図4に示す防音部材10と同一の構成要素には同様の参照符号を付し、その説明を省略する。
また、膜16は、枠14の孔部12の少なくとも一方の側の開口を覆うように枠14に固定される。即ち、膜16は、枠14の孔部12の一方の側、又は他方の側、もしくは両側の開口を覆うように枠14に固定されていても良い。
枠14への膜16の固定方法は、特に制限的ではなく、膜16を枠14に膜振動の節となるように固定できればどのようなものでも良い。例えば、枠14への膜16の固定方法は、接着剤を用いる方法、又は物理的な固定具を用いる方法などを挙げることができる。
接着剤を用いる方法は、枠14の孔部12を囲む表面上に接着剤を塗布し、その上に膜16載置し、膜16を接着剤で枠14に固定する。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤(アラルダイト(登録商標)(ニチバン(株)社製)等)、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルフア(登録商標)(東亞合成(株)社製)など)、アクリル系接着剤等を挙げることができる。
物理的な固定具を用いる方法としては、枠14の孔部12を覆うように配置された膜16を枠14と棒等の固定部材との間に挟み、固定部材をネジやビス等の固定具を用いて枠14に固定する方法等を挙げることができる。
なお、本実施形態1の防音セル22は、枠14と膜16とを別体として構成し、膜16を枠14に固定した構造であるが、これに限定されず、同じ材料からなる膜16と枠14が一体化した構造であっても良い。
また、本発明においては、第1固有振動周波数は、枠14及び膜16からなる防音セル22によって決まる。本発明では、このようにして決まる第1固有振動周波数を膜の第1固有振動周波数という。
枠14に固定された膜16の第1固有振動周波数(例えば、剛性則に従う周波数領域と質量則に従う周波数領域との境界が最も低次の第1共振周波数となる)は、人間の音波の感知域に相当する10Hz〜100000Hzであることが好ましく、人間の音波の可聴域である20Hz〜20000Hzであることがより好ましく、40Hz〜16000Hzであることが更により好ましく、100Hz〜12000Hzであることが最も好ましい。
以下に、本発明の防音部材を持つ防音部材に組合せることができる構造部材の物性、又は特性について説明する。
[難燃性]
建材や機器内防音材として本発明の防音部材を持つ防音部材を使用する場合、難燃性であることが求められる。
そのため、膜は、難燃性のものが好ましい。膜としては、例えば難燃性のPETフィルムであるルミラー(登録商標)非ハロゲン難燃タイプZVシリーズ(東レ(株)社製)、テイジンテトロン(登録商標)UF(帝人(株)社製)、及び/又は難燃性ポリエステル系フィルムであるダイアラミー(登録商標)(三菱樹脂(株)社製)等を用いればよい。
また、枠も、難燃性の材質であることが好ましく、アルミニウム等の金属、セミラックなどの無機材料、ガラス材料、難燃性ポリカーボネート(例えば、PCMUPY610(タキロン(株)社製))、及び/又は難燃性アクリル(例えば、アクリライト(登録商標)FR1(三菱レイヨン(株)社製))などの難燃性プラスチックなどが挙げられる。
さらに、膜を枠に固定する方法も、難燃性接着剤(スリーボンド1537シリーズ((株)スリーボンド社製))、半田による接着方法、又は2つの枠で膜を挟み固定するなどの機械的な固定方法が好ましい。
[耐熱性]
環境温度変化にともなう、本発明の防音部材の構造部材の膨張伸縮により防音特性が変化してしまう懸念があるため、この構造部材を構成する材質は、耐熱性、特に低熱収縮のものが好ましい。
膜は、例えばテイジンテトロン(登録商標)フィルム SLA(帝人デュポン(株)社製)、PENフィルム テオネックス(登録商標)(帝人デュポン(株)社製)、及び/又はルミラー(登録商標)オフアニール低収縮タイプ(東レ(株)社製)などを使用することが好ましい。また、一般にプラスチック材料よりも熱膨張率の小さいアルミニウム等の金属膜を用いることも好ましい。
また、枠は、ポリイミド樹脂(TECASINT4111(エンズィンガージャパン社製))、及び/又はガラス繊維強化樹脂(TECAPEEKGF30(エンズィンガージャパン社製))などの耐熱プラスチックを用いること、及び/又はアルミニウム等の金属、又はセラミック等の無機材料やガラス材料を用いることが好ましい。
さらに、接着剤も、耐熱接着剤(TB3732((株)スリーボンド社製)、超耐熱1成分収縮型RTVシリコーン接着シール材(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)社製)、及び/又は耐熱性無機接着剤アロンセラミック(登録商標)(東亞合成(株)社製)など)を用いることが好ましい。これら接着剤を膜または枠に塗布する際は、1μm以下の厚みにすることで、膨張収縮量を低減できることが好ましい。
[ゴミ]
長期間の使用においては、膜表面にゴミが付着し、本発明の防音部材の防音特性に影響を与える可能性がある。そのため、ゴミの付着を防ぐ、または付着したゴミ取り除くことが好ましい。
ゴミを防ぐ方法として、ゴミが付着し難い材質の膜を用いることが好ましい。例えば、導電性フィルム(フレクリア(登録商標)(TDK(株)社製)、及び/又はNCF(長岡産業(株)社製))などを用いることで、膜が帯電しないことで、帯電によるゴミの付着を防ぐことができる。また、フッ素樹脂フィルム(ダイノックフィルム(商標)(3M社製))、及び/又は親水性フィルム(ミラクリーン(ライフガード社製)、RIVEX(リケンテクノス(株)社製)、及び/又はSH2CLHF(3M社製))を用いることでも、ゴミの付着を抑制できる。さらに、光触媒フィルム(ラクリーン((株)きもと社製))を用いることでも、膜の汚れを防ぐことができる。これらの導電性、親水性、及び/又は光触媒性を有するスプレー、及び/又はフッ素化合物を含むスプレーを膜に塗布することでも同様の効果を得ることができる。
上述したような特殊な膜を使用する以外に、膜上にカバーを設けることでも汚れを防ぐことが可能である。カバーとしては、薄い膜材料(サランラップ(登録商標)など)、ゴミを通さない大きさの網目を有するメッシュ、不織布、ウレタン、エアロゲル、ポーラス状のフィルム等を用いることができる。
付着したゴミを取り除く方法としては、膜の共振周波数の音を放射し、膜を強く振動させることで、ゴミを取り除くことができる。また、ブロワー、又はふき取りを用いても同様の効果を得ることができる。
[配置]
本発明の防音部材を有する防音部材を壁等に簡易に取り付け、又は取り外しできるようにするため、防音部材に磁性体、マジックテープ(登録商標)、ボタン、吸盤などからなる脱着機構が取り付けられていることが好ましい。
[枠機械強度]
本発明の防音部材を有する防音部材のサイズが大きくなるにつれ、枠が振動しやすくなり、膜振動に対し固定端としての機能が低下する。そのため、枠の厚みを増して枠剛性を高めることが好ましい。しかし、枠の厚みを増すと防音部材の質量が増し、軽量である本防音部材の利点が低下していく。
そのため、高い剛性を維持したまま質量の増加を低減するために、枠に孔や溝を形成することが好ましい。
また、面内の枠厚みを変える、又は組合せることで、高剛性を確保し、軽量化を図ることもできる。こうすることにより、高剛性化と軽量化を両立することができる。
本発明の防音部材は、以下のような防音部材として使用することができる。
例えば、本発明の防音部材を持つ防音部材としては、
建材用防音部材:建材用として使用する防音部材、
空気調和設備用防音部材:換気口、空調用ダクトなどに設置し、外部からの騒音を防ぐ防音部材、
外部開口部用防音部材:部屋の窓に設置し、室内又は室外からの騒音を防ぐ防音部材、
天井用防音部材:室内の天井に設置され、室内の音響を制御する防音部材、
床用防音部材:床に設置され、室内の音響を制御する防音部材、
内部開口部用防音部材:室内のドア、ふすまの部分に設置され、各部屋からの騒音を防ぐ防音部材、
トイレ用防音部材:トイレ内またはドア(室内外)部に設置、トイレからの騒音を防ぐ防音部材、
バルコニー用防音部材:バルコニーに設置し、自分のバルコニーまたは隣のバルコニーからの騒音を防ぐ防音部材、
室内調音用部材:部屋の音響を制御するための防音部材、
簡易防音室部材:簡易に組み立て可能で、移動も簡易な防音部材、
ペット用防音室部材:ペットの部屋を囲い、騒音を防ぐ防音部材、
アミューズメント施設:ゲームセンター、スポーツセンター、コンサートホール、映画館に設置される防音部材、
工事現場用仮囲い用の防音部材:工事現場を覆い周囲に騒音の漏れを防ぐ防音部材、
トンネル用の防音部材:トンネル内に設置し、トンネル内部及び外部に漏れる騒音を防ぐ防音部材、等を挙げることができる。

Claims (13)

  1. 1以上の防音セルを有する防音部材であって、
    前記防音セルは、孔部を持つ枠と、前記枠に固定された膜と、を備え、
    前記膜は、音に対して振動するものであり、
    前記膜は、その一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を有することを特徴とする防音部材。
  2. 前記防音セルは、前記膜の振動を含み、ヘルムホルツ共振とは異なる共振を発現する請求項1に記載の防音部材。
  3. 前記切断部は、刃物による切込みである請求項1、又は2に記載の防音部材。
  4. 前記切断部は、前記枠の内周辺に沿って形成されており、
    前記枠の内周辺から振動する前記膜の重心に向けて垂線を下した時に、前記切断部は前記枠の内周辺から前記垂線の長さの50%以内の範囲にある請求項1〜3のいずれか一項に記載の防音部材。
  5. 前記切断部の長さは、前記枠の内周辺の長さの25%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防音部材。
  6. 前記切断部によって切断された前記膜の枠側切断面と前記膜の重心側切断面とは、前記膜の厚み方向において、前記切断部の両端以外にも、少なくとも一部に重なりを持つ請求項1〜5のいずれか一項に記載の防音部材。
  7. 前記膜の前記枠側切断面と前記重心側切断面とは、前記切断部の両端以外にも、少なくとも一部が接触している請求項6に記載の防音部材。
  8. 前記切断部は、1つである請求項1〜7のいずれか一項に記載の防音部材。
  9. 前記枠の内周面で囲まれた前記膜の背面空間は、閉じ切られている請求項1〜8のいずれか一項に記載の防音部材。
  10. 更に、前記膜の背面空間を閉じ切る背面部材を有する請求項9に記載の防音部材。
  11. 前記膜は、前記枠の前記孔部の一方の開口端を塞ぐものであり、
    前記背面部材は、前記枠の前記孔部の他方の開口端を塞ぐものである請求項10に記載の防音部材。
  12. 前記1以上の防音セルは、複数の前記防音セルであり、
    更に、前記防音セルとは異なる種類の複数の他の防音セルを有し、
    前記他の防音セルは、前記膜から前記切断部を除いた膜を前記枠に固定したものである請求項1〜11のいずれか一項に記載の防音部材。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の防音部材を製造するに際し、
    孔部を持つ1つ以上の枠と、前記1つ以上の枠にそれぞれ固定される1枚以上の膜と、を準備し、
    前記1枚以上の膜をそれぞれ前記1つ以上の枠に固定し、
    前記1つ以上の枠にそれぞれ固定された前記1枚以上の膜にそれぞれ切込みを入れて、各膜の一方の面から他方の面に貫通する1つ以上の切断部を形成する防音部材の製造方法。
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