JPWO2018101281A1 - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、広い波長帯域において高い透過率を有しつつ、波長変化に際し、入射・射出光軸が不変となる光学装置を提供する。そのため本発明に係る光学装置は、入射した光を回折させる透過型回折素子(2)と、前記入射した光を反射させる反射素子(3)と、前記透過型回折素子(2)と前記反射素子(3)を支持する回転機構(4)と、を備え、前記透過型回折素子(2)と前記反射素子(3)は、前記回転機構(4)の1つの回転軸の回りに回転可能となるよう支持される。この場合において、前記回折素子(2)において光が回折する平面と、前記反射素子(3)において光が反射する平面との交線が、前記回転軸と一致して配置される光学配置を備えることが好ましい。

Description

本発明は、光学装置に関する。より具体的には、波長可変フィルターに適用可能な光学装置に関する。
特定の波長帯域の光束を選択的に透過させる波長可変フィルターは、光計測または光通信の分野において利用されている。
波長可変フィルターの性能は、透過する波長の光束の透過率、遮蔽される波長の光束の遮蔽率、透過波長帯域の帯域幅、透過帯域中心波長の可変幅、透過率立ち上がりの/下がりのカットオン/オフ急峻度等によって表現される。
また、波長可変フィルターは、その用途から、前段の光学系と後段の光学系の間で用いられるため、系に入射する光軸と、系から射出する光軸の位置・角度が、透過波長の変化に対して不変であることが求められる。
波長可変フィルターは一般に、波長分離用の回折・分散素子による構成と、誘電体多層膜フィルターによる構成に大別される。
誘電体多層膜フィルターによる波長可変フィルターは、誘電帯多層膜フィルターへの入射光束の入射角度を変化させることで透過波長帯を変化させる。これは誘電帯多層膜フィルターを入射面に対して垂直な軸回りに回転させることで為される(例えば下記特許文献1参照)。
また、波長分離用の回折・分散素子を用いる波長可変フィルター波長可変性は射出光軸の選択により為される。一般的な構成では、入射面に垂直な軸回りについての波長分離素子の回転や、射出光軸上にあるスリットや光ファイバ等の並進移動により為される(例えば下記特許文献2及び特許文献3参照)。
特許第2874439号公報 特開2005−266625号公報 特開2008−151830号公報
上記特許文献1の方法には、誘電帯多層膜フィルターの特性を反映して一般に高い透過率の波長可変フィルターが開示されている。しかしながら、透過波長帯域の可変幅を、100nmを超えて変化させることは困難である。また、遮蔽率やカットオン/オフの急峻性は誘電帯多層膜フィルターで実現される程度である。
また、上記特許文献2、3の方法では、透過波長帯域の可変幅を大きくとることが原理的に容易である。しかしながら、波長分離用の素子に回折格子を用いる構成では、広帯域にわたって高い透過率を実現することは困難である。これは、一般的な回折格子の回折効率が最大で60%程度と低く、また、回折効率が波長や入射光束の入射角度に依存しているため、入射・射出光軸の不変性と、最大効率角度での入射・出の維持、との両立が困難であることによる。
そこで、本発明は、上述の諸問題を解決し、広い波長帯域において高い透過率を有しつつ、透過波長帯域の変化に際し、入射・射出光軸が不変となる波長可変フィルターを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一観点に係る光学装置は、透過型回折素子と、反射素子と、透過型回折素子と反射素子を支持する回転機構とを備え、透過型回折素子と反射素子が、回転機構の回転軸回りに回転する機能を備えたものである。
また、本観点において、限定されるわけではないが、配置において、回折素子における回折格子平面と、反射素子における反射面との交線が、回転機構の回転軸と一致して配置されるものであることが好ましい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、回折素子における回折格子平面と、反射素子における反射面とが、90度の角度を為し、回転機構の回転軸と一致して配置されるものであることが好ましい。
また、本発明の他の一観点に係る光学装置は、透過型回折素子と、反射素子と、透過型回折素子と反射素子を支持する回転機構を備え、透過型回折素子と反射素子が、回転機構の回転軸回りに回転する機能を備え、かつ、前記回転機構の外側に再帰反射光学素子を備えるものであることが好ましい。
以上、本発明によって、広い波長帯域において高い透過率を有しつつ、波長変化に際し、入射・射出光軸が不変となる光学装置を提供することが可能となる。
実施形態1に係る波長可変フィルターの光学配置の概略図である。 実施形態1に係る透過型回折格子の概略図である。 実施形態1に係る透過型回折格子の性能の概略図である。 実施形態1に係る透過型回折格子の性能の概略図である。 実施形態1に係る波長可変フィルターの光学配置の概略図である。 実施形態1に係る波長可変フィルターの光学配置の概略図及び俯瞰図である。 実施形態1に係る波長可変フィルターの光学配置の概略図及び俯瞰図である。 実施例1に係る外部共振レーザの概略を示した図である。 実施例1に係る外部共振レーザの原理実証実験時の装置写真図である。 実施例1に係る外部共振レーザのプロトタイプ機の写真図である。 実施例1に係る外部共新レーザのレーザ光強度のLD注入電流値依存性を示す図である。 実施例2に係るバンドパスフィルタの写真図である。 実施例2に係るバンドパスフィルタの波長選択結果を示す図である。 実施例2に係るバンドパスフィルタの透過率の波長選択性を示す図である。 実施例3に係る波長可変ピコ秒レーザのブロックダイアグラムである。 実施例3に係る波長可変ピコ秒レーザのEO強度変調器の出力を示す。 実施例3に係る従来の群速度分散発生系の概略図である。 実施例3に係るチャープドパルス圧縮に必要な回折素子間距離Lの波長依存性を示す図である。 実施例3に係る波長可変ピコ秒レーザのパルス圧縮前後の時間波形を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、応用例の記載に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る光学装置の一例である波長可変フィルター1の光学配置の概略を示す図である。
本図で示すように、本実施形態に係る波長可変フィルター(以下「本波長可変フィルター」という。)1は、入射した光を回折させる透過型回折素子2と、入射した光を反射させる反射素子3と、を有する。また、本図で示すように、本波長可変フィルター1は、透過型回折素子2と反射素子3を支持する回転機構4とを備えており、透過型回折素子2と反射素子3は、回転機構4の回転軸回りに回転する機能を備えている。
透過型回折素子2としては、図2の条件で最大90%の高い回折効率を有する透過型回折素子:ボリューム フェイズ ホログラフィック グレーティング(VPH−G)を念頭に置くが、当然のことながら、本配置で本特性を満たすものであれば、これに限るものではない。
VPH−Gの回折効率は入射角をα、回折角をβとすると、α=βの条件において最大の回折効率が得られるように設計されている。透過型回折格子における回折光の波長λに対する、入射角α、回折角βの関係は、回折格子のライン本数(単位長さあたりの格子数)をN、回折次数をmとしたとき、Nmλ=sinα+sinβで与えられる。すなわち、VPH−Gにおいて、特定の回折次数・波長で最大の回折効率が得られる入射・回折角は一意に決まり、その値はα=β=Asin(Nmλ/2)となる。α=βの条件から外れると、VPH−Gの回折効率は減少する(図3参照)。一方で、入射する光束の波長帯域に合わせてα=β=Asin(Nmλ/2)の条件で入射角度を変化させると、300nm以上の広い波長帯域で90%を超える回折効率が実現される(図4参照)。
図1では、回折素子2における回折格子平面と、反射素子3における反射面との交線に一致した回転軸を持つ回転支持体4に、回折素子2と反射素子3が、回折素子2の回折平面と反射素子3の反射平面が90度の角度を為して固定され、一体となって回転可能となっている。
ここで、回折格子において、回折素子における回折格子平面とは、光の光軸を含む面(回折面)そのものではなく、回折格子が形成されている面をいう。
回折素子2に入射角αで入射する光束のうち、条件α=β=Asin(Nmλ/2)を満たす波長λの光束は、βの回折角で回折素子2から射出し、反射素子3へ入射する。このとき、入射光束の光軸と該回折光束の光軸の為す角は、2(90°−α)=2θとなる。反射素子3へ入射する該光束の入射角はθと一致する。即ち、反射素子3から射出する該光束の光軸角度は、回折素子2へ入射する光束の光軸角度と一致する。
入射面内において、回転支持体4の回転軸と入射光軸の距離をrとしたとき、回転支持体4の回転軸と、回折素子2の回折平面と入射光軸の交点の距離は、r/sinθとなる。該回折光束の、回折素子2から反射素子3までに至る光路の長さは、r/(sinθcosθ)となる。これらより、入射光束の光軸と、該光束の射出光軸の、入射面内での平行移動量は、r/(sinθcosθ) x sin2θ = 2 r となり、回折素子2への入射角度に依らず一定となる。
以上から、図1に示す配置は、入射光束の回折素子2への入射角度の変化、すなわち回転機構4の回転位相に依らず、該条件を満たす波長λの光束の射出光軸の位置・角度が不変な配置である。
なお、上記90度の条件は、本配置における一例に過ぎず、例えば図5に示すごとく、回折素子2と反射素子3が90度からγだけずれて配置される場合においても、該条件を満たす波長λの光束の射出光軸の位置・角度は不変となる。すなわち、回折素子における回折格子平面と反射素子における反射面は必ずしも90度である必要はない。
なお図5において、α=β=Asin(Nmλ/2)の条件を満たす波長λの光束が反射素子3から射出される角度は、入射光軸に対して2γとなる。回転機構4の回転軸から入射光軸までおろした垂線の、入射光軸との交点をA、入射光軸と射出光軸の交点をBとすると、線分ABの長さは下記式で表される。
上記式より、線分ABの長さはγだけの関数となり、α=βの条件を満たす波長λの光束の射出光軸はγのみに依存する。すなわち、回折素子2と反射素子3との為す角が90度ではない配置も、実施形態1と同様に、広帯域な波長において高い透過率を持ち、入射・射出光軸が不変なフィルターを構成する配置である。
射出光軸上にスリット5、あるいはそれと同等の機能を有する光学素子を配置することで、該条件を満す波長λの光束だけを選択することが可能となる。当然のことながら、射出光軸上にレンズ系やスリット開閉機構を併用することで、透過波長帯域幅などを変化させることができる。
上述の通り、VPH−Gあるいはそれに相当する光学特性をもつ回折素子は、該条件を満たす広帯域な波長について高い回折効率を有するため、本配置の波長可変フィルターは、広帯域に高い透過率を持ち、入射・射出光軸が不変なフィルターとなる。また、本配置は、VPH-Gあるいはそれに相当する光学特性をもつ回折素子を、最大効率かつ入射・射出光軸不変の条件で用いる全ての光学系に有効な配置である。
なお、上記の原理に従う限りにおいて、入射光軸と射出光軸を入れ替えても、全く同様の機能が保たれることは言うまでもない。
また、上記配置は、α=βの条件において最大の回折効率を発揮するが、その近傍の射出角度であれば十分に高い回折効率を有する。すなわち、α=βとなる入射・射出の光軸は、本実施形態の一つの例に過ぎず、α=β以外の入射・射出光軸を持つ配置も本発明の技術的範囲に含まれうる。
(実施形態2)
図6は、実施形態1と同様の光学配置であるが、更に、回転機構の外側、具体的には射出光軸上に、再帰反射素子6を配置した光学配置の概略図、及びその鳥瞰図である。本装置は、波長フィルターの他、分光器にも適した配置である。
また、本装置では、再帰反射素子6の他、入射光軸上に反射素子7を配置している。この反射素子は、上記反射素子3と同様の構成を採用することもできるが、光の状態によって反射又は透過を行うもの(例えば偏光ビームスプリッタ)であってもよく、また、一部の光を透過し一部の光を反射するもの(例えばハーフミラー)、いわゆるビームスプリッタであってもよい。ただし、再帰反射素子によって光軸を移動させることにより反射させることで光の利用率をより向上させる観点から、上記反射素子3と同様のものを採用することが好ましい。
本装置において、入射光軸より入射した光束は、図1と同様に、回折素子2への入射角αと回折角βが一致する波長で最大の回折効率を持ち、入射光軸と平行に射出される。この射出光束をリトロリフレクタ等の再帰反射素子6により再帰反射させる。このとき、再帰反射した光束が元の光軸に対して回転軸方向にオフセットし、その入射面上の射影が元の光軸と一致するように、再帰反射素子6を設置する。
再帰反射素子6の例としては、上記の通り中空ルーフミラーが好適であるがこれに限定されず、例えば中空リトロリフレクタ、コーナキューブプリズム、直角プリズムを例示することができる。
再帰反射した光束は元の光路を逆向きに辿り、入射光軸方向に射出される。射出した光束は、入射光軸に対して回転軸方向にオフセットして射出されるため、反射素子7等により容易に入射光軸と分離することが可能である。
また、入射光束が有限の波長幅を有する場合、射出光束は、射出光軸上で、波長毎にシフトし平行に整列する。スリット等で選択的に波長を取り出す波長フィルターとして有用であり、またモノクロメータとしても使用できる。あるいは、ラインセンサ等で撮像することにより、マルチチャンネル分光器を構成することも可能である。波長フィルターや分光器の中心波長や分解能、バンド幅等は回転機構の回転位相や、回折素子2から再帰反射素子6に至る光路長などで容易に調整・制御可能である。
前記配置は、実施形態1の光学配置を2重に通過させることに対応しており、回転機構4の回転位相に依らず、該入射・回折角一致の条件を満たす波長λの光束の射出光軸の位置・角度が不変な配置であることは言うまでもないが、これに加えて、前記した軸一致の条件を満たさない場合でも、入射・射出光軸を不変に保つ機能を備える。
図1において前記した軸一致の条件を満たさない場合、α=βを満たす波長の射出光軸は、波長変化に伴い平行シフトする。ことのき、射出角度は不変である。平行シフトの量が再帰反射素子6の幅の範囲に収まる限り、再帰反射し入射光軸方向に射出する光束の入射面への射影は、入射光軸と重なるため、本配置は入射・射出光軸を不変に保つ。これは、反射素子2と回折素子3の設置位置アライメントの容易さ、及び回転機構4の軸ブレ等の精度の許容を上昇させ、装置の堅牢化・低コスト化に有用である。
(実施形態3)
また、図7は、本実施形態に係る光学装置の概略図及び俯瞰図である。本光学装置の工学配置は、実施形態1の光学配置の前後にそれぞれ再帰反射素子6、8を設置した光学配置である。バンド幅可変なバンドパスフィルタの他、群速度分散発生器として有用な配置である。
回転機構4上は実施形態1と同様の光学的特性を有する。回折素子2より射出した光束は再帰反射素子6により、射出光束と平行かつ入射平面内にシフトさせて回折素子2へと再入射させる。回折素子2で回折し反射素子3で反射した光束は、入射光軸と平行かつ入射平面内にシフトして射出される。入射光軸方向に再射出した光束は、再帰反射素子8で入射光軸に平行かつ回転軸方向にシフトして反射素子3へ再度入射する。再入射した光束は、入射面内の射影がそれまでの光路と全く一致する光軸で反射素子3、回折素子2、再帰反射素子6、回折素子2、反射素子3の順に反射・回折され、入射光軸方向に再々度射出される。このとき、入射光軸に対して回転軸方向にオフセットして射出されるため、反射素子7等で容易に入射光軸から分離される。
入射光束が有限の波長幅を有する場合、回折素子2を2度通過した後、再帰反射素子8の前で各波長に分離し平行に整列する。その後、再度回折素子2を2度通過することにより1つの光束へと再統合される。再帰反射素子8の前にスリット等を設置し通過する光束を選択することで、高効率で中心波長可変かつ、バンド幅可変なバンドパスフィルタを構成することができる。
また、回折素子2から再帰反射素子6を通り、再度回折素子2に至る光路は、波長により光路長が異なるため、高効率かつ波長可変な群速度分散発生器としても利用できる重要かつ汎用性の高い配置である。
また、本実施形態では、実施形態2と同様に、軸一致の条件や回転軸ずれ等の許容度が高い光学配置である。
(実施例)
ここで、上記実施形態に係る光学配置を使用した装置の具体的な適用例について説明する。
(実施例1)
図8は本発明の一形態に係る波長可変フィルターを波長選択素子として使用した、広帯域に低損失な外部共振レーザの概略を示した図である。
レーザダイオードチップ9及びコリメーションレンズ10からのコリメート光を入射光とし、回折素子2としてVPH−Gが、反射素子3として全反射ミラーが、回転機構4となる構造体に組み付けられている。
またレーザダイオードチップ9は低反射コートを施した面と高反射コートを施した面からなり、レーザダイオードチップ9からの射出光は低反射コートを施した面から射出する。レーザダイオードチップ9及びコリメーションレンズ10から射出する波長可変フィルターへの入射光は、幅広い波長帯域を有する自然放出光増幅(ASE)光である。
回折素子2、反射素子3、回転機構4からなる波長可変フィルターを通過したASE光のうち、α=β=Asin(Nmλ/2)の条件を満たす波長λの光束は入射光軸と平行に反射素子3から射出され、それ以外の波長の光束は入射光軸とは異なる角度で射出される。射出光軸上に、入射光軸に対して垂直の角度でハーフミラー11を設置すると、該光束のみが正反射し、再び反射素子3、回折素子2、コリメーションレンズ10を通過し、レーザダイオードチップに入射する。これにより、レーザダイオードチップ9の高反射面とハーフミラーの前面とが外部共振を為し、波長可変フィルターにより選択された波長の光がレーザ発振する。
共振器により発振するレーザ光の波長はVPH−Gの高回折効率条件を常に満たすため、広帯域にわたり低損失な外部共振器が実現される。
レーザ発振する波長は波長可変フィルターの波長選択により可変となり、波長変化の際に射出レーザ光の光軸は不変となるため、波長可変光源としての利便性に優れている。
レーザ光源のノイズであるレーザ光とは事なる波長を持つASE光の光軸はレーザ光と重畳していないため、レーザ光と分離され完全に遮断され、高いスペクトル純度を持つASE−Freeな波長可変レーザ光源が実現する。
本発明に係る波長フィルターを波長選択素子として用いたASE−Free波長可変レーザ光源について、図9に原理実証実験時の装置写真を、図10にプロトタイプ機の写真を示す。
図11はプロトタイプ機から出力されたレーザ光強度のLD注入電流値依存性である。ASE光が顕在化するゲイン端の発振波長1090nmにおいても、発振閾値まで出力は0に近接しており、1090nm以外のASE光がレーザ出力から排除されている(ASE−Free)ことが確認された。
(実施例2)
図12は、上記実施形態3の光学配置を利用してバンドパスフィルタを構成した際の写真である。反射素子3と回折素子2が回転ステージ4に組み付いており、その前後に再帰反射素子6と8、射出用の反射素子7が配置されている。バンドパスフィルタの中心波長は回転ステージ4の回転位相により決定し、バンド幅は、回折素子2で回折される光束のうち再帰反射素子6へ入射可能な波長により決定される。なお、バンド幅調整のため、再帰反射素子6は直動ステージに組み付いている。
図13にバンドパスフィルターの波長選択結果を示す。系に入射する光束、及びバンドパスにより波長選択された光束をシングルモード偏波面保存ファイバに結合し、分光器によりスペクトルを取得した。系への入射光束は1000nmから1100nmにわたる広帯域なスペクトル幅を有し、本系により中心波長1010nm及び、1050nmに波長選択された。中心波長の選択は回転機構4の回転位相の調整だけで行われる。また、回折素子2から再帰反射素子6へ至る光路の長さでバンド幅が規定できる。本系においては5
nm〜10nmの幅でバンド幅が調整でき、図13の実線と点線はそれぞれ5nmと10 nmとした際のスペクトルである。バンド幅は回折素子2のライン数やスリットの使用などにより自由に調整することが可能である。
本系によるバンドパスフィルタは少なくとも50dB(OD5)を超えるブロッキング性能を有し、迷光も観測されていない。さらに1nmを下回る急峻な立ち上がり幅を有している。急峻性は波長選択時のビーム径に依存しており、レンズ等の使用によりさらに急峻にすることも可能である。
図14に本系の透過率の波長依存性を示す。本系に単色光を入射させ、その出力、及びシングルモード偏波面保存ファイバカップル後の出力を入射光強度と比較した。回折素子2での4回の回折と反射素子等での11回の反射に関わらず、フリースペースで60%を上回る最大透過率を有しており、100nmにわたって50%以上の透過率を有する。
また、回転ステージの回転、及び直動ステージの移動に際しても、シングルモード偏波保存ファイバへのカップリングは良好を保ったままであり、再帰反射素子を用いる本配置は、堅牢性の高い光学装置を容易に実現できる。
(実施例3)
また、実施形態3の光学配置で構成した群速度分散発生器の実施例を以下に示す。構築した系は実施例2の図12と同様である。
図15は波長可変レーザとEO変調器、及び群速度分散発生器によるパルス圧縮を利用した波長可変ピコ秒レーザのブロックダイアグラムである。
本実施例においては、980nmから1080nmまで波長可変な波長可変レーザの連続波・単一周波数出力(10mW)程度を光源とし、EO周波数変調器により10 GHzの周波数変調をかけ、キャリア周波数を中心とした20本程度の光コム(波長幅0.5
nm程度)を生成する。この光コム出力にEO強度変調器により10GHzの強度変調をかけ、両変調器間の位相差調整によりアップチャープ部分のみを取り出す。このアップチャープドパルスを980nmから1080nmまでの広帯域光増幅器により1Wまで増幅した後、群速度分散発生器によりパルス圧縮し、10W−3psのパルス列を生成する。
図16に、EO強度変調器の出力である、パルス圧縮前のアップチャープの光コムスペクトルを示す。
アップチャープドパルスは、回折格子等の分散素子を利用した群速度分散発生器によりパルス圧縮することが可能である。図17に、単色で用いられる一般的なパルス圧縮系を示す。Lは分散素子間の距離である。Lは中心波長や波長幅、分散素子の分散により異なり、例えばライン数1700本/mmの回折格子を用いた場合、0.6nm程度のチャープドパルスの圧縮に必要な素子間距離Lは、図18のような波長依存性となる。
従来の系で広帯域な波長変化に対応するためには、回折格子の回折効率や射出角度を調整する複数台の回転ステージと、回転ステージ間の距離を変えるための直動ステージ等が必要となるため、かなり大掛かりな系とならざるを得ない。
図12に示した光学装置を用いることで、一軸の回転と一つの直動ステージのみで広帯域に波長可変な高効率パルス圧縮系を構成することが可能である。
図19に、実際に図11の装置を用いてパルス圧縮した際の、パルス圧縮前後の時間波形を示す。時間波形はオートコリレータにより取得した。
得られた時間波形の幅はオートコリメータによる自己相関波形であり、この波形から算出された圧縮パルスの時間幅は5psである。また、図19に示した波形は中心波長1040nmにおいて取得したものであるが、本系では980nmから1080nmまでの波長域において同様のピコ秒パルスが得られている。この波長帯域は本発明の一例に過ぎず、光源レーザ、EO変調器、光増幅器、透過回折格子などを変更することで、あらゆる波長帯域において、本系を用いたパルス圧縮を行うことができる。
この系の透過率の波長依存性、ファイバカップルの安定性は、実施例2の図13で示される値と同様であり、広い波長帯域で高く安定的な透過率を有している。
本装置に係る群速度分散発生光学系において、回転ステージには反射素子3と回折素子2だけが設置されておればよく、小型・安価なステージで実現可能である。群速度分散の量は、回折素子2から再帰反射素子3を反射し再度回折素子2に至る光路の長さで調整可能であり、本系では一軸の直動ステージに組み付けた再帰反射素子3の位置変化によりなしている。これらにより、広帯域に高い透過率を実現するだけでなく、高価なオプティクスやステージの数を最小限に減らし、省スペースかつ低コスト化にも有益である。
本装置は、光学装置として産業上利用可能性がある。

Claims (4)

  1. 透過型回折素子と、反射素子と、前記透過型回折素子と前記反射素子を支持する回転機構とを備え、前記透過型回折素子と前記反射素子が、前記回転機構の回転軸回りに回転する機能を備える光学装置。
  2. 前記配置において、前記回折素子における回折格子平面と、前記反射素子における反射面との交線が、前記回転機構の回転軸と一致して配置される請求項1記載の光学装置。
  3. 前記回折素子における回折格子平面と、前記反射素子における反射面とが、90度の角度を為し、前記回転機構の回転軸と一致して配置される請求項1記載の光学装置。
  4. 透過型回折素子と、反射素子と、前記透過型回折素子と前記反射素子を支持する回転機構を備え、前記透過型回折素子と前記反射素子が、前記回転機構の回転軸回りに回転する機能を備え、かつ、前記回転機構の外側に再帰反射光学素子を備える光学装置。
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