JPWO2018096651A1 - パッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法 - Google Patents

パッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、長時間快適に着用でき、日常的に継続的に使用可能であり、かつ簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なパッドを提供する。本発明のパッド(10)は、電磁波放射体含有樹脂(1)及び第1の生体適合性を有する樹脂(2)が第1の熱可塑性フィルム材料(3)の間に内包されており、前記電磁波放射体含有樹脂(1)は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含み、かつ第2の熱可塑性フィルム材料(4)の間に内包されている。

Description

本発明は、パッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法に関する。
乳がんは 30代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎え、比較的若い世代で多い。若い年代で乳がんを患う女性も少なくないため、早くから関心を持つことが大切である。
これまで乳がんの基本的な治療は、乳房を全摘出する外科的手術が一般的であったが、近年では、腫瘍摘出術と放射線治療、化学療法、ホルモン療法等と組み合わせた治療により、乳房を温存する方向で治療を行うことが増えてきている。
しかしながら、放射線治療を行うと、治療後に乳房、腋窩のはれ、炎症、皮膚炎、腕のむくみ、腕が上がらない等の副作用を生じ、苦痛を伴うとともに日常生活に支障を来すこともあった。
したがって、乳がんを未然に予防する簡便な方法が求められていた。
特許文献1には、がんを予防するために有用なシート等が開示されており、具体的には、生体適合性を有する樹脂(例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴムスポンジ等)と、遠赤外線放射材料(例えば、2酸化チタン、シリカ、ジルコン、セリウム等)及び放射線源材料(例えば、トリウム等)を含有する電磁波放射体とを備える乳がん予防マット及び該マットの製造方法が記載されている。
特開2005−120065号公報
特許文献1に記載のパッドでは、電磁波放射体の含有量が多く、パッドの硬度が通常よりも大きくなり、着用時にパッドが胸部を圧迫し、不快感を与えるため長時間の着用が難しかった。また、パッドが硬いため、ブラジャー等の衣類に装着しても収まりきらず、飛び出す虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、長時間快適に着用でき、日常的に継続的に使用可能であり、かつ簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なパッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、肌に触れる面に電磁波放射体を含有する樹脂からなる層を備え、その上に、樹脂のみからなる層を有する多層構造にすることにより、ブラジャー等の衣類に装着しても飛び出す虞がなく、長時間快適に着用でき、日常的に継続的に使用可能であり、かつ簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なパッドを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のパッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法は、以下の態様を含む。
[1]電磁波放射体含有樹脂及び第1の生体適合性を有する樹脂が第1の熱可塑性フィルム材料の間に内包されており、前記電磁波放射体含有樹脂は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含み、かつ第2の熱可塑性フィルム材料の間に内包されているパッド。
[2]前記電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さが0.10cm以上1.25cm以下である[1]に記載のパッド。
[3]前記電磁波放射体含有樹脂は、第2の生体適合性を有する樹脂を93質量%より多く98質量%以下含む[1]又は[2]に記載のパッド。
[4]硬度が20N以上24N以下である[1]〜[3]のいずれか一つに記載のパッド。
[5]パッド1枚に含まれる電磁波放射体中の放射線源材料から放射される線量率が1μSv/h以上9μSv/h以下である[1]〜[4]のいずれか一つに記載のパッド。
[6][1]〜[5]のいずれか一つに記載のパッドがカップ部に装着された、又は、前記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類。
[7]第2の生体適合性を有する樹脂と遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体とを混合し、前記電磁波放射体を拡散させて、電磁波放射体含有樹脂を調製する混練工程と、二枚の第2の熱可塑性フィルム材料を溶接して第1の袋を作製する第1の袋作製工程と、前記第1の袋の内部に、前記混練工程後の前記電磁波放射体含有樹脂を注入し、溶接により前記第1の袋を閉じる第1の樹脂注入工程と、前記第1の樹脂注入工程後の前記第1の袋を二枚の第1の熱可塑性フィルム材料ではさみ、該二枚の第1の熱可塑性フィルム材料のうちの下側の第1の熱可塑性フィルム材料と前記第1の袋の下側の面とを溶接により接着させて、前記第1の袋を内包する第2の袋を作製する第2の袋作製工程と、前記第2の袋の内部であって、前記第1の袋の上部に、第1の生体適合性を有する樹脂を注入し、溶接により前記第2の袋を閉じる第2の樹脂注入工程と、前記第2の樹脂注入工程後の前記第2の袋を加熱して成型する樹脂成型工程と、を備えるパッドの製造方法。
本発明によれば、長時間快適に着用でき、日常的に継続的に使用可能であり、かつ簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なパッド、カップ部を有する衣類、及びパッドの製造方法を提供することができる。
本発明のパッド(表面及び裏面)の一実施形態を示す模式図である。 本発明のパッドの横断面(X−X’)の一実施形態を示す模式図である。 本発明のパッドの横断面(X−X’)の他の実施形態を示す模式図である。 本発明のカップ部を有する衣類(ブラジャー)の一実施形態を示す模式図である。 本発明のカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)(表面)の一実施形態を示す模式図である。 本発明のカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)におけるカップ部(パッド)の裏面の一実施形態を示す模式図である。
<パッド>
一実施形態において、本発明は、電磁波放射体含有樹脂及び第1の生体適合性を有する樹脂が第1の熱可塑性フィルム材料の間に内包されており、前記電磁波放射体含有樹脂は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含み、かつ第2の熱可塑性フィルム材料の間に内包されているパッドを提供する。
本実施形態のパッドによれば、肌に触れる面に電磁波放射体を含有する樹脂の層を備え、その上に、樹脂のみの層を有する多層構造にすることにより、パッドの硬度が低く保たれるため、長時間快適に着用できる。また、放射線量も人体に無害な量であるため、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
本実施形態のパッドの構造について、図示しながら、以下に詳細に説明する。
[パッドの構造]
図1Aは、本発明のパッド(表面及び裏面)の形状の一実施形態を示す模式図である。また、図1Bは、本発明のパッドの横断面(X−X’)の一実施形態を示す模式図である。なお、パッドの表面とは、肌と触れない側の面であり、パッドの裏面とは、肌と触れる側の面である。
本実施形態のパッド10は、1層の電磁波放射体含有樹脂1、及び1層の第1の生体適合性を有する樹脂2が第1の熱可塑性フィルム材料3に内包されている。
また、本実施形態のパッド10において、電磁波放射体含有樹脂1は、第2の熱可塑性フィルム材料4に内包されている。また、下側の第1の熱可塑性フィルム材料3と下側の第2の熱可塑性フィルム材料4とは隙間なく接着している。
換言すると、下側の第1の熱可塑性フィルム材料3、下側の第2の熱可塑性フィルム材料4、電磁波放射体含有樹脂1からなる層、上側の第2の熱可塑性フィルム材料4、第1の生体適合性を有する樹脂2、及び上側の第1の熱可塑性フィルム材料3が、この順で積層された多層構造を形成している。
ここで、上側とは、表面(肌と触れない面)側を意味し、下側とは、裏面(肌と触れる面)側を意味する。
電磁波放射体含有樹脂1は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含む。粉体状の電磁波放射体が生体適合性を有する樹脂内に均一に分散しているため、乳房全体に遠赤外線を照射することができ、肌を温め、微量の放射線によりホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。さらに、継続的な使用により、乳がんの進行又は再発を予防することができる。
図1A及び図1Bに示すパッド10は、ブラジャー等のカップ部を有する衣類に装着されて使用される。
図2は、本発明のパッドの横断面(X−X’)の他の実施形態を示す模式図である。なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示すパッド20は、電磁波放射体含有樹脂a(1a)及び電磁波放射体含有樹脂b(1b)を備えており、それぞれ第2の熱可塑性フィルム材料a及び第1の熱可塑性フィルム材料bに内包されている点以外は、図1に示すパッド10と同じものである。また、下側の第1の熱可塑性フィルム材料3及び下側の第2の熱可塑性フィルム材料a(4a)は隙間なく接着しており、上側の第2の熱可塑性フィルム材料a(4a)及び下側の第2の熱可塑性フィルム材料b(4b)は隙間なく接着している。
換言すると、パッド20においては、下側の第1の熱可塑性フィルム材料3、下側の第2の熱可塑性フィルム材料a(4a)、電磁波放射体含有樹脂a(1a)、上側の第2の熱可塑性フィルム材料a(4a)、下側の第2の熱可塑性フィルム材料b(4b)、電磁波放射体含有樹脂b(1b)、上側の第2の熱可塑性フィルム材料b(4b)、第1の生体適合性を有する樹脂2、及び上側の第1の熱可塑性フィルム材料3がこの順で積層された多層構造を形成している。
図2に示すパッド20は、ブラジャー等のカップ部を有する衣類に装着されて使用される。
本発明のパッドは、図1A〜図2に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1A〜図2に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図1A〜図2に示すパッドにおいては、2層以上、例えば、3層、4層の電磁波放射体含有樹脂からなる層を備えていてもよい。中でも、製造の簡便性から、本実施形態のパッドは、2層以上4層以下が好ましく、2層以上3層以下がより好ましく、2層が特に好ましい。
また、図1A〜図2に示すパッドにおいては、厚み均一ではなく、例えば、乳房下部と触れる部分の厚みが大きくなった形状であってもよい。
また、図2に示すパッドにおいては、上側の第2の熱可塑性フィルム材料a(4a)と下側の第2の熱可塑性フィルム材料b(4b)とが、一枚の第2の熱可塑性フィルム材料c(図示せず)からなってもよい。換言すると、第2の熱可塑性フィルム材料4の内部が第2の熱可塑性フィルム材料cによって仕切られた構造であってもよい。
また、図1A〜図2に示すパッドにおいては、パッド全体がさらに、生地の間に内包されていてもよい。例えば、図1Bに示すパッド10の場合、下側の生地、下側の第1の熱可塑性フィルム材料3、下側の第2の熱可塑性フィルム材料4、電磁波放射体含有樹脂1からなる層、上側の第2の熱可塑性フィルム材料4、第1の生体適合性を有する樹脂2、上側の第1の熱可塑性フィルム材料3、及び上側の生地がこの順で積層された多層構造を形成していてもよい。
前記生地としては、例えば、通常ブラジャー等衣類に使用されるものであれば、特別な限定はない。
[パッドの形状]
本実施形態において、パッドの形状は、一般的なブラジャー等のカップ部を備える衣類に装着可能な形状であれば、特別な限定はなく、例えば、楕円形、レモン形等が挙げられる。
本実施形態のパッドの厚さは、例えば0.2cm以上2.5cm以下であればよい。パッドの厚さが上記範囲であることにより、ブラジャー等のカップ部を備える衣類に容易に装着することができる。
本実施形態のパッドの硬度は、20N以上24N以下であることが好ましい。パッドの硬度が上記範囲であることにより、電磁波放射体を含有し、複数層の熱可塑性フィルム材料を備えていても、パッドの柔らかさが保たれ、長時間快適に着用することができる。
パッドの硬度の測定方法としては、例えば、パッド裏面の一番厚い部分(頂点)に硬度試験器AGS−X(島津製作所製)をセットし、まず4Nの力を加えて安定させてから測定を開始し、頂点から12mm以上15mm以下の深さまで押しつぶした際の硬度(N)を測定することで得られる。
[パッドの構成材料]
(生体適合性を有する樹脂)
本実施形態のパッドは、第1の生体適合性を有する樹脂を備え、さらに電磁波放射体含有樹脂は第2の生体適合性を有する樹脂を含む。
第1の生体適合性を有する樹脂及び第2の生体適合性を有する樹脂に用いられる生体適合性を有する樹脂は、互いに同一でも異なっていてもよい。製造の簡便性から、第1の生体適合性を有する樹脂及び第2の生体適合性を有する樹脂に用いられる生体適合性を有する樹脂は同一であることが好ましい。
本明細書において、「生体適合性を有する樹脂」とは、医療用途等に使用可能であって、人体に無毒な樹脂であれば、特別な限定はない。例えば、天然エラストマー又は合成エラストマー等の液体不浸透性材料が挙げられる。天然エラストマーとしては、例えば、灰色ラテックス、液体ラテックス、グアユール、又はそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。また、合成エラストマーとしては、例えば、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンのコポリマー(ブチルエラストマー)、ポリビニルアセテート、ポリイソプレン、ポリエチレン、コポリマーの重量で、約5%から約50%のビニルラウリン酸含有率を有する酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルのコポリマー、ネオプレン(ポリクロロプレン)、熱可塑性エラストマー、ニトリルゴム、(タンパク質を有さない)合成ラテックス、スチレンエラストマー、ポリウレタン、シリコン樹脂、又はそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
中でも、原料の調達のしやすさから、生体適合性を有する樹脂は、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、シリコン樹脂がより好ましい。
シリコン樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylpolysiloxane)、シリコンオイル(例えば、ヒドロキシルシリコンオイル、メチルシリコンオイル、ジメチルシリコンオイル、水素シリコンオイル、ビニルシリコンオイル、メチルビニルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル等)等が挙げられる。上記シリコン樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、シリコン樹脂としては、ポリジメチルシロキサン及びビニルシリコンオイルであることが好ましい。
第1の生体適合性を有する樹脂からなる層の厚さは、例えば0.1cm以上1.25cm以下であればよい。
(電磁波放射体含有樹脂)
本実施形態のパッドは、電磁波放射体含有樹脂において、電磁波放射体を含むことにより、遠赤外線により、肌を温め、微量の放射線によりホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。さらに、継続的な使用により、乳がんの進行又は再発を予防することができる。
電磁波放射体含有樹脂は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含む。
電磁波放射体含有樹脂からなる層は、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。電磁波放射体含有樹脂かなる層が複数層からなる場合、これら複数層の構成材料及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、電磁波放射体含有樹脂からなる層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さは、0.1cm以上1.25cm以下であることが好ましい。電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さが上記範囲であることにより、パッドに含まれる電磁波放射体の分散性がより向上する。
なお、「電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さ」とは、電磁波放射体含有樹脂からなる層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さとは、電磁波放射体含有樹脂からなる層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
電磁波放射体含有樹脂において、電磁波放射体の含有量は、2質量%以上12質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上6質量%以下であることがさらに好ましい。
電磁波放射体の含有量が上記範囲であることにより、第2の生体適合性を有する樹脂中の電磁波放射体の分散性がより向上する。
電磁波放射体含有樹脂において、第2の生体適合性を有する樹脂の含有量は、93質量%より多いことが好ましく、93質量%より多く98質量%以下であることがより好ましく、94質量%以上97質量%以下であることがさらに好ましい。第2の生体適合性を有する樹脂の含有量が上記範囲であることにより、電磁波放射体を含有し、複数層の熱可塑性フィルム材料を備えていても、パッドの柔らかさが保たれ、長時間快適に着用することができる。
本明細書において、「電磁波」とは、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。本明細書において、「電磁波」としては、遠赤外線及び放射線を主に意味する。
本明細書において、「ホルミシス効果」とは、大きな量(高線量)では人体に有害な放射線が小さな量(低線量)では人体に有益な作用をもたらすことを意味する。
電磁波放射体は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有するものであればよい。電磁波放射体は、天然の鉱石由来のものであっても、合成されたものであってもよい。
電磁波放射体では、放射線源材料中の放射性核種の放射性崩壊によって放出される放射線(α線、β線、γ線)のエネルギーは、遠赤外線放射材料に吸収され、その励起エネルギーとなり、遠赤外線となって放射される。これにより、電磁波放射体によれば、その温度にかかわらず、即ち、常温においても、遠赤外線をより多く放射することができる。これにより、肌を持続的に温めることができる。
・遠赤外線放射材料
本明細書において、「遠赤外線放射材料」とは、遠赤外線を放射する材料を意味する。「遠赤外線」とは波長が3μm以上1,000μm以下の電磁波であって、金属以外の物体によく吸収され、多くの物体を非常に効率的に加熱する。遠赤外線放射材料としては、特別な限定はなく、例えば、天然又は合成のセラミックス等が挙げられる。
本明細書において、「セラミックス」とは、アルミニウム、鉄、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ジルコニウム、チタン、ニオブ、亜鉛、鉛、ヒ素、ランタン、セリウム、ガリウム、タングステン、破風にウム、ネオジム、マンガン、アンチモン、ストロンチウム、スズ、ニッケル等の各種金属元素と酸素、窒素、炭素、フッ素、ホウ素、リン、硫黄等との無機化合物、及びそれらの複合化合物の総称を意味する。
前記複合化合物としては、例えば、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、ジルコン(ZrSiO)、マグネシア(MgO)、イットリア(Y)、コージライト(2MgO・2Al・5SiO)、βスポジューメン(LiO・Al・4SiO)、ムライト(Al ・3SiO)、チタン酸アルミニウム(Al・TiO)等が挙げられる。これらは、一般に白色を呈し(紫外線は吸収するが、可視光を吸収しない)、近赤外域での放射率が低いが、波長3μm付近から遠赤外域にかけて放射率が高くなる特性を有している。また、上述の白色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
また、上述の白色系のセラミックス以外に、有色であり(可視光を吸収する)、全赤外域で放射率が高いセラミックス(有色系のセラミックス)も使用することができる。有色系のセラミックス材料としては、例えば、酸化銅(CuO、CuO)、酸化コバルト(CoO、Co)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化鉄(Fe)、酸化クロム(Cr)、酸化錫(SnO)等の遷移金属の酸化物、或いは、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(TaC)等の炭化物等が挙げられる。また、上述の有色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。また、MnO−Fe−CuO−CoO、或いはCoO−Fe―Cr−MnO等の一体の焼成物は高効率赤外線放射体と呼ばれており、黒色を呈し、「黒体」に近い赤外線の放射特性が得られる。
上述の白色系又は有色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
・放射線源材料
本明細書において、「放射線源材料」とは、放射線(α線、β線、γ線)を照射する放射線発生源となるものを意味する。本実施形態において用いられる放射線源材料としては、特別な限定はなく、例えば、90Y、32P、124Sb、114In、59Fe、76As、140La、47Ca、103Pd、89Sr、131I、125I、60Co、 192Ir、12B、71Ge、64Cu、203Pb、198Au、228Th、23 Th、234Th、234U、238U等の放射性核種(放射性同位体)が挙げられる。中でも、取扱等の安全性の点において、半減期の長い自然放射性元素(各種)であって鉱物中に安定な形で含有されていることから、トリウム(230Th 半減期: 7.5×10年、232Th 半減期:1.4×1010年)又はウラン(234U 半減期:2.5×10 年、238U 半減期:4.5×10年)であることが好ましい。上述の放射性核種は、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
本実施形態のパッド1枚に含まれる電磁波放射体中の放射線源材料から放射される線量率は、1μSv/h以上9μSv/h以下であることが好ましく、1.5μSv/h以上8μSv/h以下であることがより好ましく、2μSv/h以上5μSv/h以下であることがさらに好ましい。線量率が上記範囲内であることにより、人体に無害であり、ホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。
電磁波放射体の形状は粉体状であり、取り扱いやすさ及び樹脂への分散しやすさから、平均粒子径が1μm以上200μm以下であることが好ましい。平均粒子径が上記範囲であることにより、生体適合性を有する樹脂中の電磁波放射体の分散性がより向上する。
平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分析計等を用いて計測することができる。
粉体状の電磁波放射体は、例えば、遠赤外線放射材料と放射線源材料とを含む原材料粉末の混合物を、焼成して複合化した後、再度粉体状に粉砕することにより製造することができる。具体的には、遠赤外線放射材料と放射線源材料とを含む原材料の粉末化と混合は、ボールミル等を使用して湿式混合粉砕することによって行うことができる。得られた原材料粉末の湿式混合物を乾燥した後、焼成する。原材料粉末の混合物の焼成は、その原材料の種類に応じて、それらの粒子が互いに焼結され、又は、固熔される温度、より具体的には700℃以上1500℃以下の温度に加熱することによって行うことができる。この焼成は通常の酸化性雰囲気中で行うことができるが、原材料の種類によっては、例えば、酸化銅(CuO)等の有色系の遠赤外線放射材料が使用される場合等には、酸素を遮断した弱還元性雰囲気中で、又は、窒素ガスの雰囲気中で行うことが必要である。焼成された原材料粉末の混合物は、再度ボールミル等を使用して湿式混合粉砕することによって粉体状に粉砕することができる。
(熱可塑性フィルム材料)
第1の熱可塑性フィルム材料及び第2の熱可塑性フィルム材料に用いられる熱可塑性フィルム材料は、互いに同一でも異なっていてもよい。製造の簡便性から、第1の熱可塑性フィルム材料及び第2の熱可塑性フィルム材料に用いられる熱可塑性フィルム材料は、同じであることが好ましい。
熱可塑性フィルム材料としては、生体適合性を有するものであれば、特別な限定はなく、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリウレタン等が挙げられる。
熱可塑性フィルム材料の厚さは、例えば0.01mm以上0.50mm以下であればよい。
<カップ部を有する衣類>
一実施形態において、本発明は、上記パッドがカップ部に装着された、又は、上記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類を提供する。
本実施形態のカップ部を有する衣類によれば、パッドが適度な硬度であるため、長時間快適に着用できる。また、放射線量も人体に無害な量であるため、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
本明細書において、「カップ部を有する衣類」としては、特別な限定はなく、例えば、ブラジャー、ストラップレスブラジャー、ヌーブラ(登録商標)、ブラスリップ、ブラキャミソール、ブラタンクトップ、ボディスーツ、カップ付きテディ、補正下着、水着、レオタード等が挙げられる。また、乳房切除術により少なくとも一方の乳房が切除された乳腺症又は乳がん等の患者用のブラジャー及び胸部保形具も含む。
本明細書において、「ヌーブラ(登録商標)」とは、一対のバスト形状物であって、それぞれのバスト形状物は、熱可塑性フィルム材料の間に包まれた一定量のシリコンゲル材質と、前記バスト形状物を使用者のバストに貼着させるべく不変的に配した粘着層をほぼ全面に備えた、使用者のバストに面する内表面と、前記バスト形状物のそれぞれの内側の間に定位された、前記バスト形状物を連結するための連結部とからなる貼着式ブラジャーを意味する。
衣類の生地について、特別な限定はなく、衣類の種類に合わせて、適宜選択することができる。
図3は、本発明のカップ部を有する衣類(ブラジャー)の一実施形態を示す模式図である。図3において、パッド10がブラジャー1Aのカップ部6に装着されている。
図4Aは本発明のカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)(表面)の一実施形態を示す模式図である。また、図4Bは本発明のカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)におけるカップ部(パッド)の裏面の一実施形態を示す模式図である。
図4Aにおいて、貼着式ブラジャー1Bのカップ部6はパッド30からなり、連結部7で脱着可能に連結されている。また、貼着式ブラジャー1Bの表面には生体適合性を有する樹脂からなる層が存在する。
また、図4Bにおいて、貼着式ブラジャー1Bの裏面に電磁波放射体含有樹脂からなる層が存在し、電磁波放射体が分散して存在する。このため、遠赤外線により、肌を温め、微量の放射線によりホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。さらに、継続的な使用により、乳がんの進行又は再発を予防することができる。
また、図4Bにおいて、パッド30は裏面にさらに接着層を備えていてもよい。また、図4Bにおいて、パッド30は表面にさらに生地を備えていてもよい。
<パッドの製造方法>
一実施形態において、本発明は、第2の生体適合性を有する樹脂と遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体とを混合し、前記電磁波放射体を拡散させて、電磁波放射体含有樹脂を調製する混練工程と、二枚の第2の熱可塑性フィルム材料を溶接して第1の袋を作製する第1の袋作製工程と、前記第1の袋の内部に、前記混練工程後の前記電磁波放射体含有樹脂を注入し、溶接により前記第1の袋を閉じる第1の樹脂注入工程と、前記第1の樹脂注入工程後の前記第1の袋を二枚の第1の熱可塑性フィルム材料ではさみ、該二枚の第1の熱可塑性フィルム材料のうちの下側の第1の熱可塑性フィルム材料と前記第1の袋の下側の面とを溶接により接着させて、前記第1の袋を内包する第2の袋を作製する第2の袋作製工程と、前記第2の袋の内部であって、前記第1の袋の上部に、第1の生体適合性を有する樹脂を注入し、溶接により前記第2の袋を閉じる第2の樹脂注入工程と、前記第2の樹脂注入工程後の前記第2の袋を加熱して成型する樹脂成型工程と、を備えるパッドの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、時間快適に着用でき、日常的に継続的に使用可能であり、かつ簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なパッドを簡便に製造することができる。
本実施形態の製造方法の各工程について、以下に詳細に説明する。
[混練工程]
まず、第2の生体適合性を有する樹脂と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体とを、混練し、電磁波放射体を拡散させて、電磁波放射体含有樹脂を調製する。混練する温度は、使用する第2の生体適合性を有する樹脂の種類によって、適宜設定する。第2の生体適合性を有する樹脂は、上述の(生体適合性を有する樹脂)において、例示したものと同様のもの等が挙げられ、中でも、原料の調達のしやすさから、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、シリコン樹脂がより好ましく、ポリジメチルシロキサン及びビニルシリコンオイルがさら好ましい。
電磁波放射体の沈殿防止、及び第2の生体適合性を有する樹脂に含まれる気泡の排出ために、続く第1の樹脂注入工程の直前まで、加熱しながら混練することが好ましい。加熱温度は、使用する第2の生体適合性を有する樹脂の硬化温度によって、適宜設定する。また、電磁波放射体の沈殿防止の観点から、使用する混練機は大きすぎず、第2の生体適合性を有する樹脂と電磁波放射体とを充分に混練可能な大きさのものを使用することが好ましい。
[第1の袋作製工程]
次いで、二枚の第2の熱可塑性フィルムをパッドの内部に収まるように、製造するパッドと同じ形状であって、パッドよりも一回り小さい大きさに裁断する。次いで、裁断された二枚の第2の熱可塑性フィルムを型に置き、加熱する。加熱温度は、使用する熱可塑性フィルムの種類に応じて、適宜設定することができる。次いで、溶接して第2の熱可塑性フィルムからなる第1の袋を作製する。溶接方法としては、例えば、例えば超音波等を用いた溶接方法等が挙げられる。
このとき、電磁波放射体含有樹脂を注入するための口となる部分を一部溶接せずに残す。なお、電磁波放射体含有樹脂からなる層を複数層有するパッドを製造する場合には、第1の袋を複数作製し、重ねて溶接により接着させる、又は3枚以上の熱可塑性フィルム材料を重ねて溶接を行い、第1の袋の内部が1枚以上の第2の熱可塑性フィルム材料によって仕切られた構造の袋を作製すればよい。
第2の熱可塑性フィルムとしては、例えば、上述の[パッドの構成材料]において、例示したもの等が挙げられる。後述の第1の熱可塑性フィルムについても同様である。
[第1の樹脂注入工程]
次いで、第1の袋の一部を溶接せずに残しておいた部分から、注入器等を用いて、電磁波放射体含有樹脂を注入する。
なお、図2に示すパッド20のように電磁波放射体含有樹脂からなる層を2層以上有するパッドを製造する場合には、上述の[第1の袋作製工程]において作製された、複数の第1の袋が積層されて接着された袋、又は内部が1枚以上の第2の熱可塑性フィルム材料によって仕切られた構造の袋の内部に電磁波放射体含有樹脂を注入し、複数の電磁波放射体含有樹脂かなる層が形成されるようにすればよい。
注入後、電磁波放射体含有樹脂に気泡が含まれている可能性があるため、しばらく静置し、浮上してきた気泡を排出させる。充分に気泡が排出できたら、袋を溶接して閉じる。
[第2の袋作製工程]
次いで、前記第1の樹脂注入工程後の第1の袋を二枚の第1の熱可塑性フィルム材料ではさむ。次いで、前記第1の袋がパッド内部に含まれるように気を付けながら、第1の袋を挟みこんだまま二枚の第1の熱可塑性フィルム材料をパッドの形に裁断する。次いで、裁断された第1の袋を挟みこんだ二枚の第1の熱可塑性フィルム材料を型に置き、加熱する。加熱温度は、使用する熱可塑性フィルムの種類に応じて、適宜設定することができる。次いで、二枚の第1の熱可塑性フィルム材料のうちの下側の第2の熱可塑性フィルム材料と前記第1の袋の下側の面とを溶接により接着させて、第1の袋が内包された第1の熱可塑性フィルム材料からなる第2の袋を作製する。溶接方法としては、例えば超音波等を用いた溶接方法等が挙げられる。
このとき、生体適合性を有する樹脂を注入するための口となる部分を一部溶接せずに残す。
第1の熱可塑性フィルム材料としては、前記第2の熱可塑性フィルム材料と同一でも異なっていてもよい。製造の簡便性から、第1の熱可塑性フィルム材料及び第2の熱可塑性フィルム材料は同一であることが好ましい。
[第2の樹脂注入工程]
次いで、第2の袋の一部を溶接せずに残しておいた部分から、注入器等を用いて、前記第2の袋の内部であって、前記第1の袋の上部に、第1の生体適合性を有する樹脂を注入する。これにより、下側の第1の熱可塑性フィルム材料、下側の第2の熱可塑性フィルム材料、電磁波放射体含有樹脂からなる層、上側の第2の熱可塑性フィルム材料、第1の生体適合性を有する樹脂、及び上側の第1の熱可塑性フィルム材料が、この順で積層された多層構造を形成することができる。
使用する第1の生体適合性を有する樹脂は、上述の(生体適合性を有する樹脂)において、例示したものと同様のもの等が挙げられる。中でも、原料の調達のしやすさから、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、シリコン樹脂がより好ましく、ポリジメチルシロキサン及びビニルシリコンオイルがさら好ましい。
第1の生体適合性を有する樹脂としては、前記第2の生体適合性を有する樹脂と同一でも異なっていてもよい。製造の簡便性から、第1の生体適合性を有する樹脂及び第2の生体適合性を有する樹脂は同一であることが好ましい。
第1の生体適合性を有する樹脂は予め加熱して撹拌し、気泡を排出しておく。加熱温度は、使用する第1の生体適合性を有する樹脂の硬化温度によって、適宜設定する。また、第1の生体適合性を有する樹脂を第2の袋に注入後も気泡が含まれている可能性があるため、しばらく静置し、浮上してきた気泡を排出させる。充分に気泡が排出できたら、第2の袋を溶接して閉じる。
[樹脂成型工程]
続いて、前記第2の樹脂注入工程後の第2の袋は、金型等を使用して成型することができる。金型を使用した成型方法としては、例えば、前記第2の樹脂注入工程後の第2の袋をパッド成型用の金型に置き、120℃以上180℃以下に温めた焼き入れ箱に入れて、10分以上30分以下加熱する。加熱後、成型ラインに沿ってカットし、パッドを得る。
樹脂成型工程後、パッドの洗浄工程、検品工程を備えていてもよい。洗浄工程においては、工業用水等を用いて、パッドを洗浄する。検品工程においては、パッドの形状、電磁波放射体の位置、袋の破損等を目視等により確認する。
また、製造されたパッドは、用途に応じて、さらに生地を片面又は両面に貼り付けてもよく、又はカップ部を有する衣類の製造に用いてもよい。例えば、ヌーブラ(登録商標)を製造する場合には、パッドの表面に必要に応じて生地を貼り付けて、裏面に接着剤からなる層を形成させればよい。
以下、実施例及び比較例等を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)パッドの製造
(1−1)混練工程
シリコン樹脂として、ポリジメチルシロキサン(透明)及びビニルシリコンオイル(肌色)を用いた。
電磁波放射体としてラジウムパウダー(長野セラミックス社製、平均粒子径149μm)を用いた。
なお、ラジウムパウダーの構成成分及び構成比率は以下の表1に示すとおりである。
Figure 2018096651
ポリジメチルシロキサン(透明)及びビニルシリコンオイル(肌色)、並びにラジウムパウダーを以下の表2の含有量となるように混合し、混練した。ポリジメチルシロキサン(透明)及びビニルシリコンオイル(肌色)、並びにラジウムパウダーの混合物(以下、「混合樹脂」と称する場合がある。)は、第1の樹脂注入工程の直前まで混練を行った。なお、シリコン樹脂100%のものにおけるポリジメチルシロキサン及びビニルシリコンオイルの混合比は不明であるが、一般的なブラジャーのパッドにおけるシリコン樹脂の混合比に従い、混合を行った。
Figure 2018096651
(1−2)第1の袋作製工程
次いで、2枚の熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic polyurethanes;TPU)フィルム(0.03FS2093、大きさ15cm×20cm、厚さ0.03mm)を成型後のパッド内部に収まるようにパッドよりも一回り小さい大きさに裁断した。次いで、裁断したTPUフィルムを超音波金型の下に置き、金型温度が250℃になってから、超音波溶接で第1の袋を作製した。このとき、続く第1の樹脂注入工程において、混合樹脂1を注入するための口となる部分を一部溶接せずに残した。
(1−3)第1の樹脂注入工程
次いで、第1の袋の一部を溶接せずに残しておいた部分から、注入器を用いて、(1−1)で混練した混合樹脂1を注入した。次いで、第1の袋をしばらく静置し、注入した混合樹脂1に含まれる気泡が浮き上がってきたら、袋口から気泡を出して袋を閉じた。
(1−4)第2の袋作製工程
次いで、(1−3)で混合樹脂1を注入した第1の袋を、2枚のTPUフィルム(0.03FS2093、大きさ15cm×20cm、厚さ0.03mm)に挟みこみ、パッドの大きさに合わせて裁断した。次いで、裁断した第1の袋を挟んだままのTPUフィルムを超音波金型の下に置き、金型温度が250℃になってから、超音波溶接で第2の袋を作製した。このとき、続く第2の樹脂注入工程において、シリコン樹脂を注入するための口となる部分を一部溶接せずに残した。
(1−5)第2の樹脂注入工程
次いで、第2の袋の一部を溶接せずに残しておいた部分から、注入器を用いて、シリコン樹脂を注入した。次いで、第1の袋をしばらく静置し、注入したシリコン樹脂に含まれる気泡が浮き上がってきたら、袋口から気泡を出して袋を閉じた。
(1−6)樹脂成型工程
次いで、第2の袋を洗浄し、成型金型にセットした。次いで、150℃の焼き入れ箱に投入し、20分間加熱した。次いで、カット代(しろ)を3mm残し、成型ラインに沿ってカットし、パッドを得た。
(2)線量率の測定
得られたパッドについて、工業用ガイガーカウンター(S.E. International社製)を用いて、パッドの裏面の最上部の外縁部の両端及び最下部を計測した。
その結果、混合樹脂1又は2を注入したパッドでは、いずれの部位も約2〜3μSv/hの線量率であった。一方、シリコン樹脂を注入したパッドでは、線量率は検出されなかった。
また、ラジウムパウダーを12%よりも多く混合した混合樹脂を用いたパッドでは、ラジウムパウダーがうまく分散せず、最上部の両端では0.2〜0.3μSv/hの線量率であるのに対し、最下部では20μSv/hの線量率であり、線量率に偏りが見られた。
このことから、電磁波放射体の含有量が特定の範囲であることにより、樹脂全体に分散され、人体に無害な安定した放射線量の電磁波放射体を含有するパッドが得られることが明らかとなった。
(3)硬度の測定
次いで、得られたパッドについて、硬度を測定した。
硬度の測定方法としては、パッド裏面の一番厚い部分(頂点)に硬度試験器AGS−X(島津製作所製)をセットし、まず4Nの力(頂点から5mmの深さまで)を加えた安定させた。次いで、安定後測定を開始し、さらに8mmの深さ、すなわち、頂点から13mmの深さまで押しつぶした際の硬度を測定した。結果を以下の表3に示す。
なお、パッド1は裏面の樹脂層が混合樹脂1からなるパッドを3つ作製し、測定した結果の平均値を示している。また、パッド3は、パッド内に第1の袋を有さず、シリコン樹脂を袋に注入した従来のシリコンパッドである。
Figure 2018096651
表3から、裏面の樹脂層が混合樹脂1からなるパッドの硬度は、従来のシリコンパッドであるパッド3と同等であった。一方、裏面の樹脂層が混合樹脂2からなるパッドの硬度は、26.5Nと大きく、24Nを超えていた。
以上のことから、シリコン樹脂の含有量が特定の範囲であることにより、適切な硬度となり、長時間快適に着用なパッドが得られることが確かめられた。
本発明のパッドによれば、パッドが適度な硬度であるため、長時間快適に着用できる。また、放射線量も人体に無害な量であるため、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
1…電磁波放射体含有樹脂、1a…電磁波放射体含有樹脂a、1b…電磁波放射体含有樹脂b、2…第1の生体適合性を有する樹脂、3…第1の熱可塑性フィルム材料、4…第2の熱可塑性フィルム材料、4a…第2の熱可塑性フィルム材料a、4b…第2の熱可塑性フィルム材料b、5…バンド部、6…カップ部、7…連結部、10、20、30…パッド、1A…ブラジャー、1B…貼着式ブラジャー。

Claims (7)

  1. 電磁波放射体含有樹脂及び第1の生体適合性を有する樹脂が第1の熱可塑性フィルム材料の間に内包されており、
    前記電磁波放射体含有樹脂は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体と、第2の生体適合性を有する樹脂とを含み、かつ第2の熱可塑性フィルム材料の間に内包されているパッド。
  2. 前記電磁波放射体含有樹脂からなる層の厚さが0.10cm以上1.25cm以下である請求項1に記載のパッド。
  3. 前記電磁波放射体含有樹脂は、第2の生体適合性を有する樹脂を93質量%より多く98質量%以下含む請求項1又は2に記載のパッド。
  4. 硬度が20N以上24N以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッド。
  5. パッド1枚に含まれる電磁波放射体中の放射線源材料から放射される線量率が1μSv/h以上9μSv/h以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のパッドがカップ部に装着された、又は、前記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類。
  7. 第2の生体適合性を有する樹脂と遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する粉体状の電磁波放射体とを混合し、前記電磁波放射体を拡散させて、電磁波放射体含有樹脂を調製する混練工程と、
    二枚の第2の熱可塑性フィルム材料を溶接して第1の袋を作製する第1の袋作製工程と、
    前記第1の袋の内部に、前記混練工程後の前記電磁波放射体含有樹脂を注入し、溶接により前記第1の袋を閉じる第1の樹脂注入工程と、
    前記第1の樹脂注入工程後の前記第1の袋を二枚の第1の熱可塑性フィルム材料ではさみ、該二枚の第1の熱可塑性フィルム材料のうちの下側の第1の熱可塑性フィルム材料と前記第1の袋の下側の面とを溶接により接着させて、前記第1の袋を内包する第2の袋を作製する第2の袋作製工程と、
    前記第2の袋の内部であって、前記第1の袋の上部に、第1の生体適合性を有する樹脂を注入し、溶接により前記第2の袋を閉じる第2の樹脂注入工程と、
    前記第2の樹脂注入工程後の前記第2の袋を加熱して成型する樹脂成型工程と、
    を備えるパッドの製造方法。
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