JPWO2018088280A1 - 二軸延伸装置 - Google Patents

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Abstract

二軸延伸装置は、井桁状に配置され、井桁の中央部が方形状の延伸対象物の設置場所とされるX方向バー及びY方向バーと、X方向バー及びY方向バーの長手方向に移動可能に取り付けられ、延伸対象物の外縁を把持可能な複数の移動チャックと、X方向バー及びY方向バーを長手方向と直交する方向に移動させる第1駆動手段と、移動チャックをX方向バー及びY方向バーの長手方向へそれぞれ移動させる第2駆動手段と、を有する。

Description

本開示は、延伸対象物を二軸方向に延伸させる二軸延伸装置に関する。
延伸対象物を二軸方向に延伸させる二軸延伸装置として、例えば特開2004−17367号公報には、延伸バーに対して移動可能に保持されたパンタグラフ機構と、パンタグラフ機構に固定され、シート(延伸対象物)を把持する複数の把持具(チャック)と、延伸バーを移動させるモータと、を備える二軸延伸機が開示されている。
また、特開2005−254778号公報には、保持レール(バー)に移動可能に保持され、フィルム(延伸対象物)を把持する複数のピン(チャック)と、保持レール(バー)を移動させる移動機構と、を備えるフィルム延伸機が開示されている。
特開2004−17367号公報の二軸延伸機では、把持具(チャック)がパンタグラフ機構に固定されているため、シート(延伸対象物)の延伸前の段階において、把持具(チャック)間にパンタグラフ機構を折り畳んだ状態で収容する隙間が必要となる。
このため、把持具(チャック)間の初期間隔が広くなるとともに、シート(延伸対象物)の初期の大きさも把持具(チャック)の間隔に合わせて大きくなり、シート(延伸対象物)の延伸比を大きくすることが困難であった。具体的には、シート(延伸対象物)の初期の大きさが100mm四方程度となり、延伸限界が1m四方程度であるため、延伸比は10倍程度が限界であった。
また、特開2005−254778号公報のフィルム延伸機では、ピン(チャック)が保持レール(バー)に対して移動自在とされている。このため、ピン(チャック)同士の間隔を一定に保つことができず、ピン(チャック)によってフィルム(延伸対象物)を延伸させた際に、フィルム(延伸対象物)の外縁に沿った伸び率を一定に保つことが困難であった。
さらに、特開2004−17367号公報の二軸延伸機及び特開2005−254778号公報のフィルム延伸機では、方形状のシート、フィルム(延伸対象物)の角部を把持する把持具、ピン(チャック)がないため、角部では中央部と同様の延伸が行われないという問題を有する。
加えて、特開2004−17367号公報の二軸延伸機では、シート(延伸対象物)の外縁が凸形状とされており、それに嵌合するように把持具(チャック)の把持面を凹形状とすることが提案されている。このため、中央部と外縁部の厚さが同じである通常の平板状のシート(延伸対象物)の延伸には、適用しづらい難点があった。一方、特開2005−254778号公報のフィルム延伸機では、ピン(チャック)の把持面が角形状となっており、フィルム(延伸対象物)に局所的な応力が生じ易く、高倍率の延伸には不向きである。
また、特開2004−17367号公報の二軸延伸機及び特開2005−254778号公報のフィルム延伸機では、延伸応力の検出機構が設けられていない。このため、延伸対象物に生じる引張応力が高くなって延伸対象物が破断する虞がある場合であっても、それに気付くことができず、高倍率まで二軸延伸するための延伸速度や延伸温度の調整を効率よく行うことができない。
本開示は上記事実を考慮し、チャックの初期間隔を狭くするとともに、チャックの間隔を一定に保つことができる二軸延伸装置を提供することを目的とする。
本開示の第1態様に係る二軸延伸装置は、井桁状に配置され、井桁の中央部が方形状の延伸対象物の設置場所とされるX方向バー及びY方向バーと、X方向バー及びY方向バーの長手方向に移動可能に取り付けられ、延伸対象物の外縁を把持可能な複数の移動チャックと、X方向バー及びY方向バーを長手方向と直交する方向に移動させる第1駆動手段と、移動チャックをX方向バー及びY方向バーの長手方向へそれぞれ移動させる第2駆動手段と、を有する。
上記構成によれば、井桁状に配置されたX方向バー及びY方向バーに移動チャックが取り付けられているため、パンタグラフ機構を利用してチャックの間隔を調整する構成と比較して、延伸対象物を把持する際のチャックの初期間隔を狭くすることができる。このため、小さな延伸対象物を把持することができ、延伸対象物の延伸比を大きくすることができる。
また、第1駆動手段によってX方向バー及びY方向バーを長手方向と直交する方向に移動させることで、移動チャックで把持された方形状の延伸対象物が二軸方向に延伸される。このとき、第2駆動手段によって移動チャックをX方向バー及びY方向バーの長手方向へそれぞれ移動させることで、移動チャックの間隔を調整することができ、延伸対象物の外縁に沿った伸び率を一定にすることができる。
本開示の第2態様に係る二軸延伸装置は、第1態様に係る二軸延伸装置であって、X方向バーとY方向バーとの交差部に設けられ、X方向バー及びY方向バーの長手方向に移動可能に取り付けられ、延伸対象物の角部を把持可能な交差部チャックと、X方向バー及びY方向バーの長手方向中央部に取り付けられ、延伸対象物の外縁の中央部を把持可能な中央部チャックと、を有し、移動チャックは、交差部チャックと中央部チャックとの間に設けられ、延伸対象物の外縁の中央部と角部との間を把持可能とされており、第2駆動手段は、第1駆動手段と同期して、移動チャックをX方向バー及びY方向バーより遅い速度で移動させる。
上記構成によれば、X方向バーとY方向バーとの交差部に交差部チャックが設けられ、X方向バー及びY方向バーの長手方向中央部に中央部チャックが取り付けられている。このため、第1駆動手段によってX方向バー及びY方向バーを長手方向と直交する方向に移動させることで、方形状の延伸対象物の角部及び中央部が、それぞれ交差部チャック及び中央部チャックにより二軸方向に延伸される。
このとき、第2駆動手段が第1駆動手段と同期して、移動チャックをX方向バー及びY方向バーより遅い速度で移動させることにより、交差部チャック、中央部チャック、及び移動チャックのそれぞれの間隔を一定にすることができる。すなわち、延伸対象物の外縁に沿った伸び率を一定にすることができる。
さらに、方形状の延伸対象物の角部を把持する交差部チャックを有することにより、角部でも中央部と同様の延伸が行うことが可能となり、延伸対象物全体にわたって均一な延伸が可能になるとともに、延伸後の延伸対象物の有効面積を大きくできる。これにより、延伸対象物の角部についても、製品あるいは試料として利用することができる。
本開示の第3態様に係る二軸延伸装置は、第1態様又は第2態様に係る二軸延伸装置であって、第1駆動手段は、X方向バー及びY方向バーとそれぞれ直交する方向に配置された第1駆動ベルトと、第1駆動ベルトにX方向バー及びY方向バーの両端部をそれぞれ固定する第1固定部と、を有し、第2駆動手段は、移動チャックから下方に垂下する縦部材と、X方向バー及びY方向バーの下方にそれぞれ設けられ、X方向バー又はY方向バーと直交する方向に延びる移動バーと、縦部材の下端部を移動バーの長手方向へ移動可能に取り付けるホルダと、移動バーと直交する方向に配置された第2駆動ベルトと、第2駆動ベルトに移動バーの両端部をそれぞれ固定する第2固定部と、を有し、第1駆動ベルトが巻き掛けられた第1駆動プーリと、第2駆動ベルトが巻き掛けられ、第1駆動プーリより小径の第2駆動プーリとに、同一のモータから駆動力が伝達される。
上記構成によれば、第1駆動ベルトを駆動すると、第1固定部によって第1駆動ベルトに固定されたX方向バー及びY方向バーが、第1駆動ベルトとともにそれぞれ広がるように移動する。このとき、X方向バー及びY方向バーに取り付けられた移動チャック(及び交差部チャック、中央部チャック)が、延伸対象物を二軸方向に延伸させる。
一方、第2駆動ベルトを駆動すると、第2固定部によって第2駆動ベルトに固定された移動バーが、第2駆動ベルトとともにそれぞれ広がるように移動する。ここで、移動バーには、移動チャックから垂下した縦部材がホルダを介して移動可能に取り付けられている。このため、移動チャックは、X方向バー及びY方向バーの長手方向に沿って移動するとともに、X方向バー及びY方向バーの長手方向と直交する方向には、X方向バー及びY方向バーとともに移動する。
また、第1駆動ベルトの第1駆動プーリと第2駆動ベルトの第2駆動プーリは、同一のモータから駆動力が伝達される。このため、第1駆動プーリと第2駆動プーリの径の比率、すなわち減速比を調整することで、移動チャック(及び交差部チャック、中央部チャック)の間隔の比率を一定に保った状態で、移動チャック(及び交差部チャック)を移動させることができる。
本開示の第4態様に係る二軸延伸装置は、第1〜第3態様のいずれか1つの態様に係る二軸延伸装置であって、X方向バー及びY方向バーの中央部に形成された開口部と、開口部の開口面積を可変とするシャッターと、開口部から延伸対象物の片面又は両面に熱風を吹き付ける加熱手段と、を有する。
上記構成によれば、シャッターによって開口部の開口面積を変えることで、加熱手段による延伸対象物の加熱範囲を調整することができる。このため、例えば加熱手段によって延伸対象物の外縁を加熱しないようにすることで、移動チャック等で把持された延伸対象物の外縁が軟化して局所的に延伸されることを抑制することができる。
本開示の第5態様に係る二軸延伸装置は、第2態様に係る二軸延伸装置であって、交差部チャック、中央部チャック、及び移動チャックの把持面は、円形状とされ、延伸対象物の最外縁より内側を把持可能とされている。
上記構成によれば、交差部チャック、中央部チャック、及び移動チャックの把持面が円形状とされているため、把持面が角形状とされている構成と比較して、延伸対象物に局所的な応力が生じ難く、延伸対象物を傷つけることなく延伸することができる。また、把持面に係止される係止突起等を予め延伸対象物の外縁に設けておく必要がないため、厚みが均一な通常の平板状のフィルムやシートを、延伸対象物として用いることができる。
さらに、交差部チャック、中央部チャック、及び移動チャックの把持面が、延伸対象物の最外縁より内側を把持可能とされているため、延伸対象物の最外縁に中心部分より厚さが厚い額縁部を形成することができる。このため、延伸対象物の最外縁の強度を保つことができ、最外縁が裂けることを抑制することができる。また、延伸対象物の最外縁が把持面からすり抜けること(いわゆるチャック抜け)を抑制することができる。
本開示の第6態様に係る二軸延伸装置は、第2又は第5態様に係る二軸延伸装置であって、中央部チャックには、中央部チャックに生じる引張応力を検出する応力検出センサが取り付けられている。
上記構成によれば、中央部チャックに応力検出センサが取り付けられているため、検出された中央部チャックに生じる引張応力、すなわち延伸対象物に生じる引張応力に応じて延伸対象物の延伸速度や延伸温度を調整することができる。
本開示によれば、チャックの初期間隔を狭くするとともに、チャックの間隔を一定に保つことができる。
本開示の実施形態に係る二軸延伸装置を示す平面図である。 本開示の実施形態に係る二軸延伸装置の駆動手段を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係る二軸延伸装置を示す側面図である。 二軸延伸装置によるフィルムの延伸前の状態を示す平面図である。 二軸延伸装置によるフィルムの延伸後の状態を示す平面図である。 二軸延伸装置によるフィルムの延伸後の状態を示す側面図である。 二軸延伸装置の移動チャックの作動状態を示す説明図である。 二軸延伸装置の移動チャックの作動状態を示す説明図である。
以下、本開示の実施形態の一例に係る二軸延伸装置について、図1〜図6を用いて説明する。なお、図中において、X方向はフィルムの延伸方向(一軸方向)、Y方向はX方向に直交するフィルムの延伸方向(二軸方向)、Z方向は上下方向(垂直方向)を指す。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の二軸延伸装置10は、互いに間隔をあけてそれぞれX方向に延びる一対のX方向バー12と、互いに間隔をあけてそれぞれY方向に延びる一対のY方向バー14とを有している。
X方向バー12とY方向バー14とは互いに井桁状に配置されており、X方向バー12及びY方向バー14の両端部分は、図5に示すように、二軸延伸装置10の側板13に形成された貫通孔15に長手方向と直交する方向に移動可能に挿入されている。また、X方向バー12及びY方向バー14で囲まれた中央部16は、延伸対象物としての方形状の樹脂製のフィルム18の設置場所とされている。
X方向バー12とY方向バー14の4箇所の交差部には、それぞれ交差部チャック20が設けられている。交差部チャック20は、基部20Aと把持部20Bとを有しており、図2に示すように、基部20AがX方向バー12及びY方向バー14にベアリング22A、22Bを介してそれぞれ取り付けられている。このため、交差部チャック20は、X方向バー12及びY方向バー14の長手方向に移動可能とされている。
交差部チャック20の把持部20Bは、空気圧により基部20Aに対して回転軸Dを中心に回動可能とされている。具体的には、把持部20Bにはシリンダー108が設けられており、シリンダー108には、図1に示す一対の供給チューブ21の一端部が接続されている。
供給チューブ21の他端部は、図示しないコンプレッサーやボンベに接続されており、供給チューブ21を通じてシリンダー108内に圧縮空気が供給される。供給される圧縮空気の圧力は、例えば0.8MPa程度とされている。
供給チューブ21は、X方向バー12又はY方向バー14に平行に延びており、交差部チャック20の移動を妨げることなく交差部チャック20とともに移動する。なお、一部図示を省略しているが、4箇所の各交差部チャック20にそれぞれ一対の供給チューブ21が接続されている。
また、交差部チャック20の把持部20Bの先端には、図1に示すフィルム18の角部を把持可能な把持面20Cが形成されている。図1に示すように、把持面20Cは円形状とされている。
図2に示すように、交差部チャック20の把持面20Cは回転軸Dと接しておらず、把持面20Cと回転軸Dとの間に間隙がある。このため、把持面20Cによってフィルム18の角部の最外縁より内側を把持することができる。なお、本実施形態の場合、把持面20Cと回転軸Dとの間隙の距離は、10mm〜20mm程度とされている。
図1に示すように、X方向バー12及びY方向バー14の長手方向中央部には、基部24Aと把持部24Bとを有する中央部チャック24がそれぞれ設けられている。中央部チャック24の基部24Aは、例えば図示しないレールを介してX方向バー12又はY方向バー14に載置されており、載置されたX方向バー12又はY方向バー14の長手方向に対して移動不可能、かつ、長手方向に直交する方向に対して僅かに移動可能に取り付けられている。
また、図2に示すように、中央部チャック24の把持部24Bは、空気圧により基部24Aに対して回転軸Eを中心に回動可能とされている。具体的には、把持部24Bにはシリンダー110が設けられており、シリンダー110には、図1に示す一対の供給チューブ23の一端部が接続されている。
供給チューブ23の他端部は、図示しないコンプレッサーやボンベに接続されており、供給チューブ23を通じてシリンダー110内に圧縮空気が供給される。供給される圧縮空気の圧力は、例えば0.8MPa程度とされている。
供給チューブ23は、中央部チャック24が取り付けられているX方向バー12又はY方向バー14に平行に延びており、中央部チャック24の移動を妨げることなく中央部チャック24とともに移動する。なお、一部図示を省略しているが、4箇所の各中央部チャック24にそれぞれ一対の供給チューブ23が接続されている。
また、中央部チャック24の把持部24Bの先端には、図1に示すフィルム18の外縁の中央部を把持可能な把持面24Cが形成されている。図1に示すように、把持面24Cは円形状とされている。
図2に示すように、中央部チャック24の把持面24Cは回転軸Eと接しておらず、把持面24Cと回転軸Eとの間に間隙がある。このため、把持面24Cによってフィルム18の最外縁より内側を把持することができる。なお、本実施形態の場合、把持面24Cと回転軸Eとの間隙の距離は、5mm〜15mm程度とされている。
また、図1に示すように、X方向バー12に載置されている中央部チャック24、及びY方向バー14に載置されている中央部チャック24には、それぞれ連結シャフト25Aを介して応力検出センサ25が取り付けられている。応力検出センサ25は例えばロードセルであり、中央部チャック24に生じる引張応力、すなわちフィルム18に生じる引張応力を検出する。
X方向バー12及びY方向バー14の交差部チャック20と中央部チャック24との間には、それぞれ2つずつ移動チャック26、28が設けられている。移動チャック26、28は、基部26A、28Aと把持部26B、28Bとをそれぞれ有しており、基部26A、28Aは、それぞれX方向バー12又はY方向バー14の長手方向に移動可能に取り付けられている。
また、図2に示すように、移動チャック26、28の把持部26B、28Bは、空気圧により基部26A、28Aに対して回転軸F、Gを中心に回動可能とされている。具体的には、把持部26B、28Bにはシリンダー104が設けられており、シリンダー104には、図1に示す一対の供給チューブ27、29の一端部が接続されている。
供給チューブ27、29の他端部は、図示しないコンプレッサーやボンベに接続されており、供給チューブ27、29を通じてシリンダー104内に圧縮空気が供給される。供給される圧縮空気の圧力は、例えば0.8MPa程度とされている。
供給チューブ27、29は、移動チャック26、28が取り付けられているX方向バー12又はY方向バー14に平行に延びており、移動チャック26、28の移動を妨げることなく移動チャック26、28とともに移動する。なお、一部図示を省略しているが、各移動チャック26、28にそれぞれ一対の供給チューブ27、29が接続されている。
また、移動チャック26、28の把持部26B、28Bの先端には、図1に示すフィルム18の外縁の中央部と角部との間を把持可能な把持面26C、28Cが形成されている。図1に示すように、把持面26C、28Cは円形状とされている。
図2、図5に示すように、移動チャック26、28の把持面26C、28Cは回転軸F、Gと接しておらず、把持面26C、28Cと回転軸F、Gとの間に間隙がある。このため、把持面26C、28Cによってフィルム18の最外縁より内側を把持することができる。なお、本実施形態の場合、把持面26C、28Cと回転軸F、Gとの間隙の距離は、5mm〜15mm程度とされている。
移動チャック26について図6A、図6Bを用いてより具体的に説明すると、移動チャック26の把持部26Bの基端部にはピン106が突設されており、ピン106は、シリンダー104の先端に形成された長穴104Aに挿入されている。
供給チューブ27を通じてシリンダー104内に圧縮空気が供給されると、シリンダー104が水平方向に移動し、シリンダー104の移動に伴って長穴104A内でピン106が移動する。これにより、移動チャック26の把持部26Bが基部26Aに対して回転軸Fを中心に回動する。なお、交差部チャック20、中央部チャック24、及び移動チャック28も移動チャック26と同様の構成とされている。
また、二軸延伸装置10は、第1駆動手段として、X方向バー12を長手方向と直交する方向に移動させる一対のバー駆動手段と、Y方向バー14を長手方向と直交する方向に移動させる一対のバー駆動手段30と、を有している。
さらに、二軸延伸装置10は、第2駆動手段として、X方向バー12上の移動チャック26、28をX方向バー12の長手方向へ移動させる、それぞれ一対の第1チャック駆動手段32及び第2チャック駆動手段34と、Y方向バー14上の移動チャック26、28をY方向バー14の長手方向へ移動させる、それぞれ一対の第1チャック駆動手段及び第2チャック駆動手段と、を有している。
なお、バー駆動手段30、第1チャック駆動手段32、及び第2チャック駆動手段34は、二軸延伸装置10の四方の側面(側板の外側)にそれぞれ設けられており、四方の各駆動手段30、32、34はそれぞれ同様の構成とされている。このため、一方の側面のバー駆動手段30、第1チャック駆動手段32、及び第2チャック駆動手段34の構成のみを図2、図3に示し、他の三方の各駆動手段の構成については図示及び説明を省略する。
図3に示すように、バー駆動手段30は、第1駆動ベルトとしての一対のバー駆動ベルト36と、バー駆動ベルト36にY方向バー14の一端部をそれぞれ固定する第1固定部としてのバー固定部38と、を有している。バー駆動ベルト36は、Y方向バー14の下方かつY方向バー14と直交する方向に配置されており、互いに間隔をあけて配置された第1駆動プーリとしてのバー駆動プーリ40Aとバー従動プーリ40Bとの間に巻き掛けられている。
また、バー固定部38は、把持部38Aと垂下部38Bとを有している。把持部38Aは、図2に示すように、バー駆動ベルト36を挟んだ状態で互いにボルト41で固定された一対の把持板42A、42Bで構成されている。また、垂下部38Bは、垂直方向(Z方向)に延び、上端がY方向バー14に、下端が把持部38Aにそれぞれ接続されている。
第1チャック駆動手段32は、中央部チャック24側の移動チャック26から下方にそれぞれ垂下する縦部材44と、X方向バー12及びY方向バー14の下方に設けられ、X方向バー12と直交し、かつY方向バー14と平行に延びる第1移動バー46と、を有している。
縦部材44の下端部にはホルダ48が設けられており、ホルダ48がベアリング50を介して第1移動バー46に取り付けられることにより、縦部材44が第1移動バー46の長手方向へ移動可能とされている。
また、第1チャック駆動手段32は、第2駆動ベルトとしての一対の第1チャック駆動ベルト52と、第1チャック駆動ベルト52に第1移動バー46の一端部をそれぞれ固定する第2固定部としての第1チャック固定部54と、を有している。
第1チャック駆動ベルト52は、第1移動バー46の下方かつ第1移動バー46と直交する方向に配置されており、互いに間隔をあけて配置された第2駆動プーリとしての第1チャック駆動プーリ56Aと第1チャック従動プーリ56Bとの間に巻き掛けられている。
また、第1チャック固定部54は、把持部54Aと垂下部54Bとを有している。把持部54Aは、第1チャック駆動ベルト52を挟んだ状態で互いにボルト60で固定された一対の把持板62A、62Bで構成されている。また、垂下部54Bは、垂直方向(Z方向)に延び、上端が第1移動バー46に、下端が把持部54Aにそれぞれ接続されている。
同様に、第2チャック駆動手段34は、交差部チャック20側の移動チャック28から下方にそれぞれ垂下する縦部材64と、X方向バー12と直交し、かつY方向バー14と平行に延びる第2移動バー66と、を有している。なお、第2移動バー66は、X方向バー12及びY方向バー14の下方、かつ第1移動バー46の上方に設けられており、X方向バー12及びY方向バー14の下方において、同一方向に延びる第1移動バー46と第2移動バー66とが互いに異なる高さに設けられている。
縦部材64の下端部にはホルダ68が設けられており、ホルダ68がベアリング70を介して第2移動バー66に取り付けられることにより、縦部材64が第2移動バー66の長手方向へ移動可能とされている。
また、第2チャック駆動手段34は、第2駆動ベルトとしての一対の第2チャック駆動ベルト72と、第2チャック駆動ベルト72に第2移動バー66の一端部をそれぞれ固定する第2固定部としての第2チャック固定部74と、を有している。
第2チャック駆動ベルト72は、第2移動バー66の下方かつ第2移動バー66と直交する方向に配置されており、互いに間隔をあけて配置された第2駆動プーリとしての第2チャック駆動プーリ76Aと第2チャック従動プーリ76Bとの間に巻き掛けられている。
また、第2チャック固定部74は、把持部74Aと垂下部74Bとを有している。把持部74Aは、第2チャック駆動ベルト72を挟んだ状態で互いにボルト78で固定された一対の把持板80A、80Bで構成されている。また、垂下部74Bは、垂直方向(Z方向)に延び、上端が第2移動バー66に、下端が把持部74Aにそれぞれ接続されている。
図3に示すように、第2チャック駆動プーリ76Aはバー駆動プーリ40Aより小径とされており、第1チャック駆動プーリ56Aは第2チャック駆動プーリ76Aより小径とされている。また、第2チャック駆動プーリ76Aと第2チャック従動プーリ76Bとの間隔は、バー駆動プーリ40Aとバー従動プーリ40Bとの間隔より狭くされており、第1チャック駆動プーリ56Aと第1チャック従動プーリ56Bとの間隔は、第2チャック駆動プーリ76Aと第2チャック従動プーリ76Bとの間隔より狭くされている。
さらに、一対のバー駆動プーリ40A、一対の第2チャック駆動プーリ76A、及び一対の第1チャック駆動プーリ56Aは、それぞれ同一のモータ82から駆動力が伝達される。具体的には、モータ82の出力軸82Aに第1ギア84が固定されており、第1ギア84に一対の第2ギア86が噛み合っている。この第2ギア86からそれぞれ上方(Z方向)に延びる回転軸86Aに、下方から順にバー駆動プーリ40A、第2チャック駆動プーリ76A、及び第1チャック駆動プーリ56Aが固定されている。
このため、バー駆動ベルト36、第2チャック駆動ベルト72、及び第1チャック駆動ベルト52は、同時に駆動される(同期する)とともに、第2チャック駆動ベルト72がバー駆動ベルト36より遅い速度で、第1チャック駆動ベルト52が第2チャック駆動ベルト72より遅い速度でそれぞれ回転する。すなわち、第2移動バー66がY方向バー14より遅い速度で、第1移動バー46が第2移動バー66より遅い速度でそれぞれ移動する。
また、図4A、及び図4Bに示すように、二軸延伸装置10の中央部16の下方には、開口部88が形成されており、開口部88には加熱手段90が設けられている。加熱手段90は、上方(Z方向)に向けて開口する複数の孔90Aと、孔90Aの下方に設けられた図示しないヒーター及び送風機を備えている。
このため、ヒーターで暖めた空気を送風機によって孔90Aから吹き出すことで、中央部16に設置されたフィルム18の下面に熱風を吹き付ける。なお、ヒーターの加熱量や送風機での送風量を制御することで、フィルム18に吹き付ける熱風の温度や風量が調整可能とされている。
フィルム18に吹き付けられた熱風は、図5に示すように、二軸延伸装置10の側板13におけるX方向バー12及びY方向バー14よりも上方部分に設けられた排気口91から回収される。これを再びヒーター及び送風機に供給することで、二軸延伸装置10内で熱風循環させている。
なお、排気口91は、側板13に沿って等間隔で複数(本実施形態では30個)設置されており、排気口91の一部を塞いだり、ヒーター及び送風機への熱風の循環供給を制限したりすることで、二軸延伸装置10内の温度勾配を調整することができる。
また、図4A及び図4Bに示すように、二軸延伸装置10の中央部16の下方には、開口部88の四方をそれぞれ覆う一対のシャッター92Aと一対のシャッター92Bとが設けられている。シャッター92A、92Bは、開口部88の開口面積を増減させる方向(X方向又はY方向)にそれぞれ移動可能とされており、開口部88の開口面積を変えることで、加熱手段90による熱風の吹き付け範囲を調整する。
図5に示すように、X方向に移動する一対のシャッター92Aのうち、一方のシャッター92A(図5における左方)には、外側端部にシャフト98が取り付けられており、内側端部にワイヤ94の一端が取り付けられている。ワイヤ94の他端は、二軸延伸装置10の下方に設けられたスプール96を介して他方のシャッター92A(図5における右方)の外側端部に取り付けられている。
このため、シャフト98を手動によって二軸延伸装置10の外側方向に引っ張ることで、一対のシャッター92Aが二軸延伸装置10の中央部16を挟んでX方向に同時かつ対称に移動する。つまり、一対のシャッター92Aのうち、一方のシャッター92Aを動かすことで、開口部88の面積を広げたり狭めたりすることができる。なお、Y方向に移動する一対のシャッター92Bもシャッター92Aと同様の構成とされている。
また、二軸延伸装置10の中央部16のフィルム18の下方、及び開口部88の周囲の下板13Aの上方の2箇所には、それぞれ温度センサ100が設けられている。温度センサ100は例えば熱電対であり、二軸延伸装置10内の温度、すなわちフィルム18に吹き付ける熱風の温度や二軸延伸装置10の下板13Aの温度を検出する。さらに、二軸延伸装置10の下板13Aの下方には、ヒータブロック102が内蔵されており、ヒータブロック102により開口部88の周囲の温度が調整可能とされている。
(延伸方法)
延伸対象物であるフィルム18を延伸する前の初期状態において、図4Aに示すように、二軸延伸装置10の中央部チャック24及び移動チャック26、28は互いに接する初期位置に配置されており、中央部チャック24及び移動チャック26、28の初期間隔が狭くなっている。
二軸延伸装置10によってフィルム18を延伸する場合、まず、初期位置に配置されている交差部チャック20の把持面20C、中央部チャック24の把持面24C、及び移動チャック26、28の把持面26C、28Cによって、フィルム18の外縁をそれぞれ把持する。
そして、モータ82を駆動してバー駆動プーリ40A、第1チャック駆動プーリ56A、第2チャック駆動プーリ76Aを同時に回転させることで、バー駆動ベルト36、第1チャック駆動ベルト52、及び第2チャック駆動ベルト72を同時かつ異なる速度で駆動させる。
ここで、Y方向バー14(又はX方向バー12)、第1移動バー46、及び第2移動バー66はそれぞれバー駆動ベルト36、第1チャック駆動ベルト52、及び第2チャック駆動ベルト72に固定されている。このため、Y方向バー14(又はX方向バー12)、第1移動バー46、及び第2移動バー66は、各駆動ベルト36、52、72とともに長手方向に直交する方向(広がる方向)に移動する。
また、このとき、中央部チャック24は、X方向バー12又はY方向バー14とともに、X方向バー12又はY方向バー14と直交する方向に移動する。交差部チャック20はX方向バー12の長手方向、及びY方向バー14の長手方向にそれぞれ移動する。
また、移動チャック26は、X方向バー12又はY方向バー14の長手方向、及び第1移動バー46の長手方向に、それぞれ交差部チャック20の移動速度より遅い速度で移動する。同様に、移動チャック28は、X方向バー12又はY方向バー14の長手方向、及び第2移動バー66の長手方向に、それぞれ交差部チャック20の移動速度より遅く、かつ移動チャック26の移動速度より速い速度で移動する。
中央部チャック24が移動する際に、中央部チャック24に生じる引張応力を応力検出センサ25で検出し、引張応力が所望の数値となるようにモータ82の回転数を制御しながらフィルム18を二軸方向に延伸していくことにより、フィルム18を図4Aに示す初期状態から図4Bに示す延伸状態へと延伸することができる。また、この際、モータ82の回転速度を制御することにより、フィルム18の延伸速度を制御することができる。
なお、各チャック20、24、26、28によってフィルム18を延伸する際、加熱手段90によってフィルム18の外縁以外の部分を加熱する。具体的には、図4A、図4Bに示すように、開口部88の開口面積が常にフィルム18の大きさより小さくなるように、シャッター92A、92Bによって開口部88の開口面積を変えながらフィルム18を延伸する。これにより、加熱手段90の孔90Aの露出範囲や露出数を調整し、フィルム18の加熱範囲を調整することができる。
(作用及び効果)
本実施形態によれば、井桁状に配置されたX方向バー12及びY方向バー14に交差部チャック20、中央部チャック24、及び移動チャック26、28が取り付けられている。また、移動チャック26、28を移動させる第1移動バー46と第2移動バー66とが、X方向バー12及びY方向バー14の下方において互いに異なる高さに設けられている。
このため、同一方向に延びる第1移動バー46と第2移動バー66とが干渉せず、フィルム18を把持する際に、二軸延伸装置10の中央部チャック24及び移動チャック26、28を互いに接する位置に配置することができる。したがって、パンタグラフ機構を利用してチャックの間隔を調整する構成と比較して、各チャック20、24、26、28の初期間隔を狭くすることができるため、フィルム18の初期の大きさを小さくすることができ、フィルム18の延伸比を大きくすることができる。
具体的には、フィルム18の初期の大きさを60mm四方程度とすることができ、延伸限界が1.2m四方程度であるため、延伸比を20倍程度とすることができる。これにより、フィルム18が高価な材料である場合でも材料費を削減することができるとともに、高倍率延伸時のフィルム18の機械的特性を調べることが可能となる。
また、本実施形態によれば、X方向バー12及びY方向バー14をバー駆動手段30によって移動させ、第1移動バー46及び第2移動バー66を第1チャック駆動手段32及び第2チャック駆動手段34によって移動させることで、フィルム18を二軸方向に延伸することができる。このため、パンタグラフ機構を利用してチャックの間隔を調整する構成と比較して、二軸延伸装置10の構造が単純となり、製造コストを削減することができる。
また、各駆動手段30、32、34をそれぞれ同時かつ異なる速さで駆動することで、交差部チャック20、中央部チャック24、及び移動チャック26、28のそれぞれの間隔を一定にすることができる。このため、第1移動バー46及び第2移動バー66が設けられていない構成と比較して、フィルム18の外縁に沿った伸び率を一定にすることができる。
この場合、X方向バー12及びX方向バー12と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66、及び、Y方向バー14及びY方向バー14と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66、の双方を同時に移動させることにより、X方向とY方向に同時二軸延伸することが可能である。
あるいは、X方向バー12及びX方向バー12と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66を固定し、Y方向バー14及びY方向バー14と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66を移動させることにより、X方向のみに幅拘束延伸することが可能である。さらに、その後、Y方向バー14及びY方向バー14と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66を固定し、X方向バー12及びX方向バー12と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66を移動させることにより、Y方向のみに幅拘束延伸すれば、逐次二軸延伸することが可能である。
これらの同時二軸延伸、幅拘束延伸、及び逐次二軸延伸における、X方向バー12(及びX方向バー12と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66)の移動、及びY方向バー14(及びY方向バー14と平行に延びる第1移動バー46と第2移動バー66)の移動の選択、及び順序や繰り返し回数は任意である。また、これらの場合、X方向とY方向のフィルム18の伸び率は、同じであっても良いし、異なっていてもよい。
なお、各駆動プーリ40A、76A、56Aを同一のモータ82で駆動するため、各駆動プーリ40A、76A、56Aをそれぞれ別のモータで駆動する構成と比較して、モータ82の数を減らすことができる。また、各駆動プーリ40A、76A、56Aの径の比率、すなわち減速比を調整することで、交差部チャック20、中央部チャック24、及び移動チャック26、28の間隔の比率を一定にすることができる。
また、本実施形態によれば、シャッター92A、92Bによって開口部88の開口面積を変えて加熱手段90によるフィルム18の加熱範囲を調整し、フィルム18の中心部分のみを加熱し、外縁部分を加熱しないようにしている。このため、フィルム18の中心部分を加熱によって軟化させて延伸し易くするとともに、各チャック20、24、26、28で把持されたフィルム18の外縁部分が軟化して局所的に延伸されることを抑制することができる。
さらに、各チャック20、24、26、28の把持面20C、24C、26C、28Cが円形状とされているため、把持面が角部を有する形状とされている構成と比較して、フィルム18に局所的な応力が生じ難く、フィルム18を傷つけることなく延伸することができる。また、把持面20C、24C、26C、28Cに係止される係止突起等を予めフィルム18の外縁に設けておく必要がないため、厚みが均一な通常の平板状のフィルム18を、延伸対象物として用いることができる。
加えて、各チャック20、24、26、28の把持面20C、24C、26C、28Cがフィルム18の最外縁より内側を把持可能とされているため、フィルム18の最外縁に、フィルム18の中心部分より厚さが厚く、かつ各チャック20、24、26、28間の形状が円弧状あるいは直線状とされた額縁部18Aを形成することができる。
このため、フィルム18の最外縁の強度を保つことができ、最外縁が裂けることを抑制することができる。また、フィルム18の最外縁が把持面20C、24C、26C、28Cからすり抜けること(いわゆるチャック抜け)を抑制することができる。
なお、各チャック20、24、26、28の把持面20C、24C、26C、28Cの外周部と、フィルム18の延伸前の最外縁との距離は、最も狭いところでも2mm以上であることが望ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。この距離が2mm以下であると、フィルム18の延伸後に十分な額縁部18Aが形成することができない。このため、フィルム18の最外縁の強度を保つことができず、最外縁が裂け易くなる。また、フィルム18の最外縁が把持面20C、24C、26C、28Cからすり抜け易くなる。
また、本実施形態によれば、中央部チャック24に応力検出センサ25が取り付けられているため、検出された中央部チャック24に生じる引張応力、すなわちフィルム18に生じる引張応力に応じてモータ82の回転数を制御し、フィルム18の延伸速度を調整することができる。
ここで、例えば上述の特開2004−17367号公報や特開2005−254778号公報のように、把持具やピンがパンタグラフ機構や保持レールの長手方向に直交する方向に対して移動不可能とされている構成の場合、把持具やピンに応力検出センサを取り付けたとしても、1つの把持具やピンに生じる応力を独立して検出することはできない。すなわち、パンタグラフ機構や保持レールに連結された複数の把持具やピンの全体に生じる応力が検出されてしまうため、延伸対象物に生じる応力を正確に検出することができない。
一方、本実施形態の二軸延伸装置10では、中央部チャック24は、載置されたX方向バー12又はY方向バー14の長手方向に直交する方向に対して僅かに移動可能に取り付けられている。このため、中央部チャック24に生じる応力のみを独立して検出することができ、フィルム18に生じる応力をより正確に検出することができる。これにより、本実施形態の二軸延伸装置10は、二軸延伸されたフィルム18を製造する他、二軸延伸過程におけるフィルム18に生じる応力の測定装置(試験機)としても好適に利用することができる。
(その他の実施形態)
なお、本開示について実施形態の一例を説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
例えば、上記実施形態では、交差部チャック20のシリンダー108内、中央部チャック24のシリンダー110内、及び移動チャック26、28のシリンダー104内に、それぞれ供給チューブ21、23、27、29を通じて圧縮空気が供給されていた。しかし、供給チューブ21、23、27、29を通じて窒素ガスやアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを供給してもよい。
また、上記実施形態では、X方向バー12及びY方向バー14に交差部チャック20、中央部チャック24、及び移動チャック26、28がそれぞれ設けられていた。しかし、交差部チャック20及び中央部チャック24を設けずに移動チャック26、28のみでフィルム18の外縁を把持する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、交差部チャック20と中央部チャック24との間にそれぞれ2つの移動チャック26、28が設けられていたが、移動チャックの数は上記実施形態には限られず、1つずつ、又は3つ以上ずつ設けられていてもよい。なお、このとき、第2駆動手段(第1チャック駆動手段32、第2チャック駆動手段34)の数も、移動チャック26、28の数に合わせて増減する。
また、上記実施形態では、X方向バー12、Y方向バー14、第1移動バー46、及び第2移動バー66を各駆動ベルト36、52、72で移動させる構成としていた。しかし、各駆動プーリ40A、76A、56Aの回転を、X方向バー12、Y方向バー14、第1移動バー46、及び第2移動バー66に安定的に伝えることができる構成であれば、チェーンやワイヤ等の他の駆動手段を用いてもよい。
また、上記実施形態では、二軸延伸装置10の下方に加熱手段90を設け、加熱手段90によってフィルム18の下面に熱風を吹き付ける構成としていた。しかし、二軸延伸装置10の上方に加熱手段を設け、加熱手段によってフィルム18の上面に熱風を吹き付ける構成や、二軸延伸装置10の上方及び下方の双方に加熱手段を設け、加熱手段によってフィルム18の両面に熱風を吹き付ける構成としてもよい。
また、温度センサ100の位置や数も加熱手段90の位置に応じて適宜定めることができ、例えばフィルム18の上方でフィルム18に吹き付ける熱風の温度を検出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、シャッター92A、92Bが手動でシャフト98を引っ張ることで開閉可能とされていた。しかし、シャッター92A、92Bの駆動機構は上記実施形態には限られず、例えばシャッター92A、92Bに駆動レバーを接続し、駆動レバーを手動で操作することによってシャッター92A、92Bを開閉させてもよい。あるいは、シャッター92A、92Bに電動モータを接続し、電動モータの回転を制御することによってシャッター92A、92Bを開閉させてもよい。
また、延伸対象物として樹脂製のフィルム18を用いていたが、延伸対象物は樹脂製に限られず、どのような材料を用いてもよい。なお、フィルム18の樹脂材料としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)等が挙げられる。
2016年11月10日に出願された日本国特許出願2016−219487の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (6)

  1. 井桁状に配置され、井桁の中央部が方形状の延伸対象物の設置場所とされるX方向バー及びY方向バーと、
    前記X方向バー及び前記Y方向バーの長手方向に移動可能に取り付けられ、前記延伸対象物の外縁を把持可能な複数の移動チャックと、
    前記X方向バー及び前記Y方向バーを長手方向と直交する方向に移動させる第1駆動手段と、
    前記移動チャックを前記X方向バー及び前記Y方向バーの長手方向へそれぞれ移動させる第2駆動手段と、
    を有する二軸延伸装置。
  2. 前記X方向バーと前記Y方向バーとの交差部に設けられ、前記X方向バー及び前記Y方向バーの長手方向に移動可能に取り付けられ、前記延伸対象物の角部を把持可能な交差部チャックと、
    前記X方向バー及び前記Y方向バーの長手方向中央部に取り付けられ、前記延伸対象物の外縁の中央部を把持可能な中央部チャックと、
    を有し、
    前記移動チャックは、前記交差部チャックと前記中央部チャックとの間に設けられ、前記延伸対象物の外縁の中央部と角部との間を把持可能とされており、
    前記第2駆動手段は、前記第1駆動手段と同期して、前記移動チャックを前記X方向バー及び前記Y方向バーより遅い速度で移動させる、
    請求項1に記載の二軸延伸装置。
  3. 前記第1駆動手段は、
    前記X方向バー及び前記Y方向バーとそれぞれ直交する方向に配置された第1駆動ベルトと、
    前記第1駆動ベルトに前記X方向バー及び前記Y方向バーの両端部をそれぞれ固定する第1固定部と、
    を有し、
    前記第2駆動手段は、
    前記移動チャックから下方に垂下する縦部材と、
    前記X方向バー及び前記Y方向バーの下方にそれぞれ設けられ、前記X方向バー又は前記Y方向バーと直交する方向に延びる移動バーと、
    前記縦部材の下端部を前記移動バーの長手方向へ移動可能に取り付けるホルダと、
    前記移動バーと直交する方向に配置された第2駆動ベルトと、
    前記第2駆動ベルトに前記移動バーの両端部をそれぞれ固定する第2固定部と、
    を有し、
    前記第1駆動ベルトが巻き掛けられた第1駆動プーリと、前記第2駆動ベルトが巻き掛けられ、前記第1駆動プーリより小径の第2駆動プーリとに、同一のモータから駆動力が伝達される、
    請求項1又は2に記載の二軸延伸装置。
  4. 前記X方向バー及び前記Y方向バーの前記中央部に形成された開口部と、
    前記開口部の開口面積を可変とするシャッターと、
    前記開口部から前記延伸対象物の片面又は両面に熱風を吹き付ける加熱手段と、
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸装置。
  5. 前記交差部チャック、前記中央部チャック、及び前記移動チャックの把持面は、円形状とされ、前記延伸対象物の最外縁より内側を把持可能とされている、請求項2に記載の二軸延伸装置。
  6. 前記中央部チャックには、前記中央部チャックに生じる引張応力を検出する応力検出センサが取り付けられている、請求項2又は5に記載の二軸延伸装置。
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