JP3905821B2 - フィルムの延伸観察用二軸引張試験機 - Google Patents

フィルムの延伸観察用二軸引張試験機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム用二軸引張試験機およびフィルムの二軸引張試験方法に関するものである。さらに詳しくは、つかみ具とフィルム用二軸引張試験片がお互いにすべることなく、前記試験片の被測定部である中心部が静止状態に保たれ、その被測定部である中心部に大きな歪を与えることができるフィルム用二軸引張試験機およびフィルムの二軸引張試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、フィルムの二軸引張試験として、二軸延伸装置が知られている。例えば、特開平6−109609号公報には、二軸引張試験片の四辺を保持するつかみ具をさらに複数のつかみ具に分割してなる薄板材料の二軸引張試験機で使用するつかみ具、さらに詳しくは引張試験片の中央の被測定部における応力および歪が均一化されるように、つかみ具が相互に反対方向に移動可能であり、かつ複数の分割つかみ具を引張方向と直交する方向に移動可能であるつかみ具、および、そのつかみ具を用いて行う薄板材料の二軸引張試験方法が記載されている。
【0003】
しかし、上記特開平6−109609号公報に記載のつかみ具を用いた場合、つかみ具と二軸引張試験片が互いにすべり、中央の被測定部を静止状態に保ちつつ、かつ、例えば200%を超えるような大きな歪を与えるような二軸引張試験を実施することは、難しく、その改良が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、つかみ具とフィルム用二軸引張試験片がお互いにすべることなく、前記試験片の被測定部である中心部が静止状態に保たれ、その被測定部である中心部に大きな歪を与えることができるフィルム用二軸引張試験機およびフィルムの二軸引張試験方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような実情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った
【0006】
すなわち、本発明のフィルム用二軸引張試験機は、方形状で、被測定部である中心部と、両面または片面が凸状である端部からなるフィルム用二軸引張試験片を用いるフィルム用二軸引張試験機であり、前記試験片の端部の各辺及び各角の各々をつかむ溝部を持つ分割つかみ具を有し、対向位置にある相互のつかみ具が反対方向に移動可能であり、前記試験片の被測定部である中心部が静止状態に保たれることを特徴とするものである。
【0007】
そして、本発明のフィルムの二軸引張試験方法は、上記フィルム用二軸引張試験機は、前記試験片の被測定部である中心に相当する領域に窓を有し、該フィルム用二軸引張試験機を、分析装置の電磁波発生源と検出器の間に、前記試験片の被測定部である中心部に電磁波が通過するように設置し、恒温度制御下で、フィルムを延伸しながらフィルムの構造変化を観察することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルム用二軸引張試験片は、方形状をなし、被測定部である中心部と両面または片面が凸状である端部からなる構成をとる。二軸引張試験片の寸法は特に限定されるものではなく、好ましくは方形の一辺は15mm〜30mmである。寸法があまり小さいとフィルムの二軸引張試験片の作成およびフィルムの二軸引張試験片の各辺及び各角に使用するつかみ具の設計が困難な場合があり、また寸法があまり大きくなると最大延伸倍率時の延伸量が大きくなるため二軸引張試験機が大型化するという問題が起こる場合がある。
また、本発明のフィルム用二軸引張試験片の被測定部である中心部と両面または片面が凸状である端部との境界は緩やかな曲面とすることが望ましい。
【0009】
フィルム用二軸引張試験片の被測定部である中心部の厚みは、特に制限されるものではなく、通常は0.1mm〜1mmであり、分析装置に応じて決めればよい。
また、端部両面または片面の凸部の厚みは、特に制限されるものではなく、通常、1〜3mmであり、端部両面または片面の凸部の幅も、特に限定されるものではなく、通常、3〜5mmである。
【0010】
本発明のフィルム用二軸引張試験片の材質は、ポリエチレンやポリプロピレンをはじめとするポリオレフィンやポリエチレンテレフタレートなど、特に限定されるものではない。
【0011】
本発明で用いられるフィルムの二軸引張試験用つかみ具は、各辺を保持する分割つかみ具及び各角を保持する分割つかみ具より構成され、各々の分割つかみ具には二軸引張試験片の端部両面または片面の凸部を差し込むための凹状の溝部が形成されている。
【0012】
本発明で用いられるフィルムの二軸引張試験用つかみ具の材質には、強度の観点から金属材料が好ましく、100℃以上の恒温度における二軸引張試験の場合は試験片への熱伝導抑制の観点から樹脂材料が好ましく、特に耐熱性や強度の観点からエンジニアリングプラスチックが好ましく、さらにはポリエーテルエーテルケトンが好ましい。
【0013】
各辺を保持する分割つかみ具の移動方法は、スライダーなどを用いて、分割つかみ具を引張方向に円滑に移動することができるような構造とすることが望ましい。
各角を保持する分割つかみ具は、スライダーの直交する延伸板の重なり部分にピンまたはローラを用いて保持する構成とすることが望ましい。
【0014】
引張駆動方式に際しては、ステッピングモータなどを使用してX軸及び/またはY軸駆動する方式とすることが望ましい。
X軸およびY軸同時に駆動すれば同時二軸引張試験となり、X軸またはY軸のみを駆動すれば一軸引張試験となり、また、X軸またはY軸駆動後にY軸またはX軸を駆動すれば逐次二軸引張試験となる。
【0015】
本発明のフィルム用二軸引張試験機は、フィルム用二軸引張試験片の被測定部である中心部に相当する部分に孔を有し、その孔に窓材が設置されているものである。孔の形状は、例えば、円形状であり、電磁波が遮断されなければよく、特に限定されるものではない。また、分析装置への設置において、本発明のフィルム用二軸引張試験機は、水平方向、垂直方向のいずれの方向にも設置することができる。
【0016】
フィルムの二軸引張試験機で使用する窓材は、ポリイミドフィルム、KBr、水晶ガラスなどを使用すればよく特に限定されるものではない。
【0017】
本発明の二軸引張試験方法の恒温度は、特に限定されるものではなく、室温〜200℃であり、その範囲の間で温度を約1℃の精度で制御することが好ましい。温度検出の方法は、特に限定されるものではなく、K熱電対などを使用する温度検出方法が好ましい。温度制御の方法は、特に限定されるものではなく、温度調節計によるヒーター電力のPID制御などの方法が好ましい。
【0018】
二軸引張試験を実施するに際しては、必要に応じて、パルス出力によるステッピングモータ制御などの方法を使用して、二軸引張試験機から離れた位置からコンピュータを使用して行うこともできる。
【0019】
【実施例】
図1は本発明のフィルムの延伸観察用二軸引張試験片を示す図であり、図1(a)は二軸引張試験片の平面図、図1(b)は図1(a)に示す一つの二軸引張試験片のA−A線断面図、図1(c)は図1(a)に示す別の二軸引張試験片のA−A線断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片1は、両面が平坦で所定の厚さを有したシート部2と、二軸引張試験片1の四辺の両面に形成され前記シート部2の周囲を囲むように設けられた凸部3,3とから構成されている。
図1(a)および図1(c)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片1は、両面が平坦で所定の厚さを有したシート部2と、二軸引張試験片1の四辺の片面に形成され前記シート部2の周囲を囲むように設けられた凸部3とから構成されている。
【0020】
フィルムの延伸観察用二軸引張試験片1はポリオレフィンフィルム,塩化ビニルフィルム,ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製の各種フィルムからなる。フィルムの延伸観察用二軸引張試験片1の寸法は特に限定されるものではなく、好ましくは方形の一辺が21mmである。フィルムの延伸観察用二軸引張試験片1におけるシート部2と凸部3との境界部4は緩やかな曲面とすることが望ましい。シート部2の厚みt1は、特に制限されるものではなく、通常は0.1mm〜1mmであり、分析装置に応じて決めればよい。
また、端部両面または片面の凸部3の厚みt2は、特に制限されるものではなく、通常、1mm〜3mmであり、端部両面または片面の凸部3の幅wも、特に限定されるものではなく、通常、3mm〜5mmである。
【0021】
図2は図1(a)および図1(b)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片の製作に使用する金型の一例を示す図であり、図2(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図2(b)はオス型金型の平面図、図2(c)はメス型金型の平面図、図2(d)は図2(a)に示す金型に溶融樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
図2(a)に示すように、金型30はオス型金型31とメス型金型32とから構成されている。メス型金型32には位置決めピン33が形成されており、オス型金型31には位置決めピン33が挿入される凹部34が形成されている。オス型金型31とメス型金型32との結合時に、位置決めピン33が凹部34に挿入されることにより、オス型金型31とメス型金型32との位置決めがなされる。
図2(c)に示すように、メス型金型32にはフィルムの延伸観察用二軸引張試験片1におけるシート部2および凸部3を形成するための形状部35が形成されている。またメス型金型32には、フィルムの延伸観察用二軸引張試験片1の成形時に形状部35より溢れる溶融樹脂を収容するための樹脂溜め36が形成されている。
【0022】
一方、オス型金型31には、図2(b)に示すように、メス型金型32の形状部35に挿入される凸部37が形成されている。メス型金型32の形状部35の寸法は、例えば、21×21mmである。またフィルムの延伸観察用二軸引張試験片1のシート部2の厚みt1は、図2(d)に示すように、オス型金型31およびメス型金型32の間38にスペーサを挿入することにより制御できる。図2に示す金型を用い、樹脂ペレットあるいはシートをメス型金型32の形状部35にセットし、オス型金型31およびメス型金型32をプレス機を使用してプレスすることにより端部両面に凸部を有する二軸引張試験片1の製作が可能となる。
【0023】
図3は図1(a)および図1(c)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片の製作に使用する金型の一例を示す図であり、図3(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図3(b)はオス型金型の平面図、図3(c)はメス型金型の平面図、図3(d)は図3(a)に示す金型に溶融樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
図3に示す金型30においては、二軸引張試験片1の片面にのみ凸部3を形成すればよいため、オス型金型31は、図3(a)および図3(b)に示すように凸部37を有していない。図3に示す金型のその他の構成は、図2に示す金型と概略同一である。
【0024】
図4は、本発明に係るフィルムの延伸観察用二軸引張試験の実施に使用するポリエーテルエーテルケトンで製作した分割つかみ具の一例を示すものであって、図4(a)は分割つかみ具の平面図、図4(b)は分割つかみ具の断面図である。二軸引張試験片1は両面に凸部3を有した図1(b)に示すものを使用する場合を説明する。
図4に示す分割つかみ具では、両面に凸部を有した二軸引張試験片1の下側の凸部の各辺及び各角を分割つかみ具8及び9の溝部に差込む。また二軸引張試験片1の上側の凸部3の各辺及び各角を分割つかみ具10の溝部に差込む。次に、相対向する分割つかみ具8と分割つかみ具10とをボルトを使用して固定するとともに、相対向する分割つかみ具9と分割つかみ具10とをボルトを使用して固定する。この場合、分割つかみ具8及び9にはそれぞれピン11が上方に突設されている。また、分割つかみ具10にはピン11が挿入される孔が形成されている。そして、分割つかみ具8に突設されたピン11と分割つかみ具10に形成された孔とが嵌り合うことによって、分割つかみ具8と分割つかみ具10とが位置決めされる。また、分割つかみ具9と分割つかみ具10も、同様に分割つかみ具9に突設されたピン11と分割つかみ具10に形成された孔とが嵌り合うことによって位置決めされる。これにより、二軸引張試験片1の四辺にある両面の凸部3が四個のそれぞれ対をなす分割つかみ具8および10の溝部に固定される。また二軸引張試験片1の四隅の角部の凸部3が四個のそれぞれ対をなす分割つかみ具9および10の溝部に固定される。
【0025】
図5は、フィルムの延伸観察用二軸引張試験の実施に使用する二軸引張試験方法の実施例を示すものである。X軸方向には並列して二本の延伸バー12Xが設置されており、Y軸方向には並列して二本の延伸バー12Yが設置されている。すなわち合計四本の延伸バー12X,12X,12Y,12Yが設置されている。前記対をなす分割つかみ具8,10は延伸バー12X又は12Yに固定されており、また前記対をなす分割つかみ具9,10はコーナープレート14に固定されている。コーナープレート14はX軸方向に伸びる延伸バー12X及びY軸方向に伸びる延伸バー12Yの交差する重なり部分に配置されている。
【0026】
コーナープレート14の下方には、図示されない矩形状のプレートがそれぞれ設けられており、コーナープレート14とこの図示されない矩形状のプレートとで二本の交差する延伸バー12を重なり部分で両側から挟持している。そして、コーナープレート14と図示されない矩形状のプレートとは、これらプレートの角部で三本のピン15で接続されており、各ピン15には延伸バー12の側面と接触して転動するローラ16が設けられている。
【0027】
一方、各延伸バー12X,12Yは、両端部において、ナット受け17及び受け板18で保持されており、ナット受け17の内部にはナット19が固定されている。各ナット19は一本の軸に右ネジと左ネジを有する送りネジ20に螺合されており、各送りネジ20は両端部近傍において固定潤滑受け軸23が入った軸受24により回転可能に支持されている。また送りネジ20の端部にはベベルギヤ40が固定されている。なお、X軸方向に伸びる送りネジは符号20Xで示し、Y軸方向に伸びる送りネジは符号20Yで示す。
【0028】
一方、X軸方向およびY軸方向に沿って、各一本の中間軸22X,22Yが配置されており、各中間軸22X,22Yには二個のベベルギヤ21が固定されている。中間軸22X,22Yは両端部近傍において軸受24により回転可能に支持されている。そして、中間軸22X,22Yに固定された各ベベルギヤ21は、送りネジ20X,20Yに固定されたベベルギヤ40に噛合されている。
【0029】
上述の構成において、図5において最上部に図示されるX軸方向に伸びる中間軸22Xをステッピングモータ(後述する)により回転させることにより、ベベルギヤ21,40を介してY軸方向に伸びる二本の送りネジ20Yを回転させる。これにより、Y軸方向に伸びる二本の送りネジ20Yに螺合したそれぞれ各二個のナット19がY軸方向に互いに離間する方向に移動し、この結果、X軸方向に伸びる二本の延伸バー12Xが互いに離間する方向に移動する。従って、二本の延伸バー12Xにピン15及びローラ16で係合した二個のコーナープレート14が互いに離間する方向(Y軸方向)に移動し、この結果、相対向するコーナープレート14に固定された分割つかみ具9及び分割つかみ具10が、互いに離間する方向(Y軸方向)に移動する。また、同様に、二本の延伸バー12Xに直接固定された相対向する分割つかみ具8及び分割つかみ具10もY軸方向に互いに離間する方向に移動する。これにより、二軸引張試験片1の各辺及び各角を、Y軸方向に延伸させることができる。
【0030】
また、図5において最下部に図示されるX軸方向に伸びる一方の送りネジ20Xをステッピングモータ(後述する)により回転させ、ベベルギヤ21,40を介してY軸方向に伸びる中間軸22Yを回転させることにより、X軸方向に伸びる他方の送りネジ20Xを回転させる。これにより、X軸方向に伸びる二本の送りネジ20Xに螺合したそれぞれ各二個のナット19がX軸方向に互いに離間する方向に移動し、この結果、Y軸方向に伸びる二本の延伸バー12Yが互いに離間する方向に移動する。従って、二本の延伸バー12Yにピン15及びローラ16で係合した二個のコーナープレート14が互いに離間する方向(X軸方向)に移動し、この結果、相対向するコーナープレート14に固定された分割つかみ具9及び分割つかみ具10が、互いに離間する方向(X軸方向)に移動する。また、同様に、二本の延伸バー12Yに直接固定された相対向する分割つかみ具8及び分割つかみ具10もX軸方向に互いに離間する方向に移動する。これにより、二軸引張試験片1の各辺及び各角を、X軸方向に延伸させることができる。
【0031】
したがって、二軸引張試験を実施するに際して、ナット受け17及び延伸バー12は中央部の被測定部が静止状態に保ちつつ中心より外へ両方向に移動することが可能となる。
【0032】
図6は、フィルムの延伸観察用二軸引張試験の実施に使用する二軸引張試験装置の一例を示すものであって、分割つかみ具は12〜120mmの範囲を移動することを可能とし、二軸引張試験機の外装のうちフィルムの二軸引張試験片の中央の被測定部に相当する部位に円形状の孔をなしかつ孔の周囲に窓材を取り付けるための円形状の溝を設け、中空形状の板材を使用して窓材周囲をネジ締め付けなどの方法により固定する構成としている。
【0033】
また、駆動系はX軸(左右)方向とY軸(上下)方向の二系統で構成され、各駆動系はカップリング25により恒温槽41の外に設置したステッピングモータ26Aおよび26Bに連結されている。すなわち、前述した送りネジ20Xはカップリング25Aを介してステッピングモータ26Aに連結されており、中間軸22Xはカップリング25Bを介してステッピングモータ26Bに連結されている。このステッピングモータ26A及び/または26Bを駆動することにより、前述した送りネジ20X及び/または中間軸22Xが回転され、上述したように分割つかみ具がX方向またはY軸方向に互いに離間して二軸引張試験片1の二軸引張試験が行われる。ステッピングモータ26Aおよび26Bは一定パルス速度制御により回転するために定速度引張を可能とするとともに、ステッピングモータ26Aおよび26BをX軸・Y軸同時に駆動すれば同時二軸引張試験となり、X軸またはY軸のみを駆動すれば一軸引張試験となり、またX軸またはY軸駆動後にY軸またはX軸を駆動すれば逐次二軸引張試験が行われるものとなる。
【0034】
前記ステッピングモータ26A,26Bと前記送りネジ20X,20Yのリードとの関係で1パルス当たりの移動量が決定されるので特に変位センサを設置しなくとも延伸量が求められる。また、各駆動系のナット受け17のうち一ヶ所にロッド27を接続し、恒温槽41の外に設置したセンサードグ28に連結する構成とすることにより、センサードグ28はナット受け17の移動にともなって移動することによりフォトセンサ29をさえぎり、三ヶ所に設置されたフォトセンサ29によりそれぞれ原点、戻り限度及び延伸限度の位置検出の測定が可能となる。
【0035】
図7は、本発明の二軸引張試験機と、二軸引張試験機により二軸引張試験片を延伸する過程の構造変化を観察するための分析装置とを示す模式図である。図7に示すように、分析装置は電磁波発生源50と検出器51とを備えている。そして、電磁波発生源50と検出器51の間に、二軸引張試験機が設置されている。二軸引張試験機の外装60の電磁波発生源50側には、電磁波発生源50からの電磁波が二軸引張試験片1の被測定部である中心部を通過するように、窓材61が設けられており、また二軸引張試験機の外装60の検出器51側には窓材62が設けられている。そして、恒温度制御下で、二軸引張試験片1を延伸しながら、電磁波発生源50により電磁波を照射する。二軸引張試験片1を透過した電磁波は、窓材62を通過して検出器51に入射し、検出器51により、二軸引張試験片1の構造変化を観察するようになっている。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によって、つかみ具とフィルム用二軸引張試験片がお互いにすべることなく、前記試験片の中央部の水平部が静止状態に保たれ、大きな歪を与えることができるフィルム用二軸引張試験機およびフィルムの二軸引張試験方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルムの延伸観察用二軸引張試験片を示す図であり、図1(a)は二軸引張試験片の平面図、図1(b)は図1(a)に示す一つの二軸引張試験片のA−A線断面図、図1(c)は図1(a)に示す別の二軸引張試験片のA−A線断面図である。
【図2】 図1(a)および図1(b)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片の製作に使用する金型の一例を示す図であり、図2(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図2(b)はオス型金型の平面図、図2(c)はメス型金型の平面図、図2(d)は図2(a)に示す金型に溶接樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
【図3】 図1(a)および図1(c)に示すフィルムの延伸観察用二軸引張試験片の製作に使用する金型の一例を示す図であり、図3(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図3(b)はオス型金型の平面図、図3(c)はメス型金型の平面図、図3(d)は図3(a)に示す金型に溶接樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
【図4】 本発明のフィルムの延伸観察用二軸引張試験の実施に使用するポリエーテルエーテルケトンで製作した分割つかみ具の一例を示すものであって、図4(a)は分割つかみ具の平面図、図4(b)は分割つかみ具の断面図である。
【図5】 本発明のフィルム用二軸引張試験方法の説明図である。
【図6】 本発明のフィルムの二軸引張試験方法の実施例において使用した二軸引張試験機の基本構成を示す説明図である。
【図7】 本発明の二軸引張試験機と、二軸引張試験機により二軸引張試験片を延伸する過程の構造変化を観察するための分析装置とを示す模式図である。
【符号の説明】
1 フィルムの延伸観察用二軸引張試験片
2 シート部
3,37 凸部
4 境界部
8,9,10 分割つかみ
11,15 ピン
12 延伸バー
14 コーナープレート
16 ローラ
17 ナット受け
18 受け板
19 ナット
20 ネジ
21 ベベルギヤ
22 中間軸
23 固定潤滑受け軸
24 軸受け
25 カップリング
26 ステッピングモータ
27 ロッド
28 センサードグ
29 フォトセンサー
30 金型
31 オス型金型
32 メス型金型
33 位置決めピン
34 凹部
35 形状部
36 樹脂溜め
38 オス型金型とメス型金型の間
40 ベベルギヤ
41 恒温槽
50 電磁波発生源
51 検出器
60 二軸引張試験機の外装
61,62 窓材

Claims (2)

  1. 方形状で、被測定部である中心部と、両面または片面が凸状である端部からなるフィルム用二軸引張試験片を用いるフィルム用二軸引張試験機であり、前記試験片の端部の各辺及び各角の各々をつかむ溝部を持つ分割つかみ具を有し、対向位置にある相互のつかみ具が反対方向に移動可能であり、前記試験片の被測定部である中心部が静止状態に保たれることを特徴とするフィルム用二軸引張試験機。
  2. 請求項記載のフィルム用二軸引張試験機は、前記試験片の被測定部である中心に相当する領域に窓を有し、該フィルム用二軸引張試験機を、分析装置の電磁波発生源と検出器の間に、前記試験片の被測定部である中心部に電磁波が通過するように設置し、恒温度制御下で、フィルムを延伸しながらフィルムの構造変化を観察することを特徴とするフィルムの二軸引張試験方法。
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