JPWO2018087845A1 - 平面導波路 - Google Patents

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Abstract

平面導波路(10)が、光を伝搬する平板状のコア(11)と、コア(11)の両面側にそれぞれ設けられ、励起光(31)に対して増幅光(21)よりも高い反射率を有する外部クラッド(12),(13)と、コア(11)と外部クラッド(12),(13)との間に設けられ、コア(11)よりも低い屈折率を有する内部クラッド(14),(15)を備える。この構成において、外部クラッド(12),(13)は、材質の異なる複数の膜が積層された多層膜である。

Description

この発明は、平面導波路に関する。
ダブルクラッド型の平面導波路は、光を伝搬させるコアの両面にそれぞれクラッドが積層された導波路であり、コアに利得発生部材を使用することで光増幅器として機能する。
なお、利得発生部材は、信号光である増幅光と励起光との2種類の光を伝搬させることにより、励起光を吸収して反転分布を形成することで増幅光を増幅する部材である。
また、ダブルクラッド型の平面導波路には、コアの両面側にそれぞれ設けられた外部クラッドと、コアの少なくとも一方の面と外部クラッドとの間に設けられた内部クラッドとを備えるものがある。この平面導波路において、コアを伝搬する増幅光は、内部クラッドで反射されてコア側に戻され、励起光は、外部クラッドで反射されてコア側に戻される。
例えば、特許文献1に記載された導波路は、前述したダブルクラッド型の平面導波路である。この平面導波路では、内部クラッドがコアよりも低い屈折率の材料で構成されており、外部クラッドが、内部クラッドよりも低い屈折率の材料で構成されている。
上記平面導波路を伝搬する光のうち、コアと内部クラッドとの界面で全反射した光は、コアに閉じ込められ、内部クラッドと外部クラッドとの界面で全反射した光は、コアと内部クラッドとがなす領域に閉じ込められる。
なお、平面導波路を伝搬する光のうち、広がり角が小さい光は、コアに閉じ込められ、広がり角がより大きい光は、コアと内部クラッドとがなす領域に閉じ込められる。
一般に増幅光の広がり角は小さくしたいという要望があり、また、励起光の広がり角は大きい方が平面導波路の高出力化を図ることができる。
国際公開第2009/016703号
どの程度の広がり角の光を平面導波路の内部に閉じ込められるかは、コアとクラッドの屈折率で決まり、これは導波路の開口数(NA;Numerical Aperture以下、NAと記載する)と呼ばれている。
しかしながら、フッ化物ガラスなどの低い屈折率の材料をコアに使用した場合、光学的性質と物理的性質とを考慮すると、外部クラッドの材料として励起光に対して必要なNAを満たすものがない。このため、コアに低い屈折率の材料を使用できず、コアに使用可能な材料が制限されるという課題があった。
さらに、平面導波路を上記光増幅器として機能させる場合に、広がり角の大きい安価な励起光源を使用できないため、コストの上昇が懸念される。
この発明は上記課題を解決するもので、低い屈折率の材料でコアを構成しても、励起光に対して高いNAとなる平面導波路を得ることを目的とする。
この発明に係る平面導波路は、光を伝搬する平板状のコアと、コアの両面側にそれぞれ設けられ、励起光に対して増幅光よりも高い反射率を有する第1のクラッドと、コアの少なくとも一方の面と第1のクラッドとの間に設けられ、コアよりも低い屈折率を有する第2のクラッドとを備える。この構成において、第1のクラッドは、材質の異なる複数の膜が積層された多層膜である。
この発明によれば、材質が異なる複数の膜が積層された多層膜で第1のクラッドが構成されているので、低い屈折率の材料でコアを構成しても、励起光に対して高いNAとなる平面導波路を得ることができるという効果がある。
この発明の実施の形態1に係る平面導波路の構成を示す図である。 平面導波路における寄生発振の概要を示す図である。 励起光と増幅光とに対する外部クラッドの反射特性を示すグラフである。 実施の形態1に係る平面導波路、増幅光光源、結合光学系および励起光源の配置例を示す図である。 実施の形態1に係る平面導波路、増幅光光源、結合光学系および励起光源の他の配置例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る平面導波路の構成を示す図である。 増幅光の波数ベクトルの概要を示す図である。 増幅光の低次モード光および高次モード光の概要を示す図である。 クラッドへの増幅光のしみ出し量と導波路損失の測定結果との関係を示すグラフである。 増幅光の0次モード光と1次モード光とにおける電界分布とクラッドへのしみ出しを示す図である。 増幅光が膜間を1往復したときの光路が2πの位相に相当する多層膜を示す図である。 励起光に対する外部クラッドの反射特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係る平面導波路の構成を示す図である。
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る平面導波路10の構成を示す図であって、平面導波路10が、増幅光21を増幅させる光増幅器である場合を示している。
平面導波路10は、コア11の両面側にそれぞれ外部クラッド12と外部クラッド13とを備え、コア11の一方の面と外部クラッド12との間に内部クラッド14、コア11の他方の面と外部クラッド13との間に内部クラッド15を備えている。
コア11は、信号光である増幅光21が伝搬する平板状の部材である。
増幅光21は、図1において実線で示す光である。一方、励起光源32から放射された励起光31は、図1において点線で示す光である。
なお、図1では、コア11の厚さ方向がx軸方向であり、コア11の側面に垂直な方向がy軸方向であり、コア11に増幅光21が伝搬される光軸方向がz軸方向である。
また、コア11の屈折率をn11、コア11の厚さをd11とする。
コア11は、増幅光21を増幅させる作用のある利得発生部材で構成されている。
利得発生部材とは、励起光31を吸収して反転分布を形成することで、輻射遷移により利得を発生する部材である。
利得発生部材としては、例えば、Er、Yb、Tm、Ndなどの希土類元素が添加されたガラス、Nd:YVOのような希土類が添加された結晶、Yb:YAGのような希土類元素が添加された結晶を原料としているセラミックが挙げられる。
または、Cr:YAGまたはTi:Sapphireなどの遷移金属が添加されている結晶を使用してもよい。
平面導波路10の厚さ方向と増幅光21または励起光31の伝搬方向とを含む面に垂直な偏光は、TE(Transverse Electric field)モードと呼ばれており、TEモードの偏光がTE偏光である。
また、平面導波路10の厚さ方向と増幅光21または励起光31の伝搬方向とを含む面に平行な偏光は、TM(Transverse Magnetic field)モードと呼ばれており、TMモードの偏光がTM偏光である。
なお、図1ではy偏光であるときにTEモードとなり、x偏光であるときにTMモードとなる。
外部クラッド12および外部クラッド13は、第1のクラッドを具体化した構成要素であり、励起光31を反射してコア11側へ戻す平板状の部材である。なお、外部クラッド12と外部クラッド13は、励起光31に対して増幅光21よりも高い反射率をそれぞれが有しており、yz平面に関して対称な位置に配置されている。
また、外部クラッド12と外部クラッド13とは、材質の異なる複数の膜が積層された多層膜で構成されている。多層膜には、コア11と内部クラッド14,15とで構成される導波路のNAが、励起光31に対して0.38以上、増幅光21に対して0.38以下となる多層膜が用いられる。
図1中の拡大図で示すように、外部クラッド12は、薄膜12aと薄膜12bとが交互に積層された多層膜であり、外部クラッド13は、薄膜13aと薄膜13bとが交互に積層された多層膜である。すなわち、外部クラッド12,13は、材質の異なる複数の膜の組が1つ以上積層された多層膜で構成されている。
薄膜12aと薄膜12bは、材質が異なる材料で形成されている。
例えば、成膜が可能な誘電体材料であるSiO、Ta、MgO、Nb、TiO、CaF、MgFなどの中から2種類の誘電体材料が選択されて薄膜12aと薄膜12bとが形成される。薄膜13aと薄膜13bについても同様である。
なお、薄膜12aと薄膜12bの材料の組み合わせと薄膜13aと薄膜13bの材料の組み合わせとが同じであってもよいが、互いに異なっていてもよい。
また、平面導波路10において、薄膜12aの屈折率をn12a、薄膜12bの屈折率をn12bとし、薄膜12aの膜厚をd12a、薄膜12bの膜厚をd12bとする。
薄膜12aの屈折率n12aと薄膜12bの屈折率n12bとの一方の屈折率または両方の屈折率が、コア11の屈折率n11よりも高くてもよい。
薄膜13aの屈折率はn13a、薄膜13bの屈折率はn13bであり、薄膜13aの膜厚はd13a、薄膜13bの膜厚はd13bであるものとする。
同様に、薄膜13aの屈折率n13aと薄膜13bの屈折率n13bのうちの一方の屈折率または両方の屈折率が、コア11の屈折率n11よりも高くてもよい。
内部クラッド14および内部クラッド15は、第2のクラッドを具体化した構成要素であり、励起光31を反射してコア11側へ戻す平板状の部材である。
内部クラッド14は、コア11の一方の面と外部クラッド12との間に設けられ、内部クラッド15は、コア11の他方の面と外部クラッド13との間に設けられている。
さらに、内部クラッド14の屈折率n14は、コア11の屈折率n11よりも低く、内部クラッド15の屈折率n15は、コア11の屈折率n11よりも低くなっている。
なお、内部クラッド14の屈折率n14と内部クラッド15の屈折率n15は、コア11の屈折率n11との間で、下記式(1)と下記式(2)の関係を有している。
(n11−0.01)<n14<n11 (1)
(n11−0.01)<n15<n11 (2)
励起光源32から放射された励起光31は、コア11の内部と内部クラッド14,15の内部とを、これらの屈折率に応じた伝搬角で伝搬する。
ただし、伝搬角θ31が90°付近でない場合は、上記式(1)と上記式(2)とから明らかなようにコア11と内部クラッド14,15とが非常に近い屈折率を有するので、コア11と内部クラッド14,15との各界面での屈折角はごく僅かな値となる。
このため、励起光31は、コア11においても、内部クラッド14,15においても、伝搬角θ31で伝搬するとみなせる。
なお、外部クラッド12,13は、内部クラッド14,15側から伝搬角θ31で入射された励起光31に対して99%以上の反射率を有している。
一般的なダブルクラッド型の平面導波路では、実現可能なNAに制限がある。
例えば、コア11の材料としてEr添加リン酸ガラスを用いた場合、コア11の屈折率n11は1.515となる。この場合、上記式(1)と上記式(2)から、内部クラッド14,15の屈折率n14,n15は、およそ1.51と仮定できる。
一方、外部クラッドとして低屈折率の材料であるフッ化物ガラスを用いると、コア11の屈折率n11は1.47となり、平面導波路における励起光に対するNAは約0.35となる。
励起用のマルチモードレーザダイオードのNAは、0.35を上回ることがある。このため、マルチモードレーザダイオードを平面導波路の励起光源として用いる場合、レンズなどの光学系が必要となる。
例えば、マルチモードレーザダイオードが放射する光の縦方向の広がり角が全角45°であると、このマルチモードレーザダイオードと平面導波路とを近接配置して結合させるには、0.38以上のNAが必要である。
これに対して、コア11の屈折率n11を高めれば、全反射で実現可能な平面導波路のNAが向上するが、寄生発振が起こり易くなる。
図2は、平面導波路における寄生発振の概要を示す図である。図2に示すように、増幅光21の経路が導波路内部の全反射のみで形成されると、損失が非常に少ないことから、レーザ発振してしまう。このような寄生発振によって、コア11を伝搬する増幅光21を増幅させるためのエネルギーが消費される。
なお、下記式(3)に示す条件を満たすと、図2に示す増幅光21の経路が導波路内部の全反射のみで形成される。ただし、ncladは、外部クラッド12と外部クラッド13の屈折率のうち、高い方を表す。
外部クラッドの屈折率ncladがフッ化物ガラスと同様の1.47である場合、下記式(3)によれば、コア11の屈折率n11が1.78を超えると、寄生発振を避けることが困難となる。
arcsin(nclad/n11)+arcsin(1/n11)≦π/2 (3)
そこで、平面導波路10では、外部クラッド12,13として、励起光31に対して広範囲に亘る角度で99%以上の反射率となり、かつ増幅光21に対して反射率を抑制した多層膜を用いている。すなわち、コア11と内部クラッド14,15とで構成される導波路のNAが、励起光31に対して0.38以上となり、増幅光21に対して0.38以下となる多層膜が用いられる。これにより、励起光31に対するNAが高くかつ増幅光21の寄生発振が抑制された平面導波路10を得ることができる。
例えば、平面導波路10において、内部クラッド14の屈折率n14と内部クラッド15の屈折率n15とがともに1.42であり、コア11の屈折率n11が屈折率n14,n15よりも3/1000大きいものとする。また、コア11、内部クラッド14および内部クラッド15の厚さの合計が120μmであるものとする。
外部クラッド12である多層膜は、膜厚d12aが119nmで屈折率n12aが2.16の薄膜12aと、膜厚d12bが274nmで屈折率n12bが1.45の薄膜12bと、が交互に10層ずつ積層されているものとする。外部クラッド13である多層膜についても同様に、膜厚d13aが119nmで屈折率n13aが2.16の薄膜13aと、膜厚d13bが274nmで屈折率n13bが1.45の薄膜13bと、が交互に10層ずつ積層されているものとする。
そして、増幅光21を真空中で波長1550nmの光とし、励起光31を真空中で波長940nmの光とする。
このように構成することで、前述したように励起光31に対するNAが高くかつ増幅光21の寄生発振が抑制された平面導波路10を実現することができる。
なお、上記値の屈折率n11,n14,n15,n12a,n12b,n13a,n13bが得られる材料としては、下記のものがある。
例えば、コア11の材料としてEr添加フッ化アルミニウムガラスが挙げられ、内部クラッド14,15の材料には無添加のフッ化アルミニウムガラス、薄膜12a,13aの材料にTa、薄膜12b,13bの材料にSiOが挙げられる。
図3は、励起光31と増幅光21とに対する外部クラッド12,13の反射特性を示すグラフであり、伝搬角と反射率との関係を示している。ここで、実線の曲線aは、励起光31である940nmの光における反射特性を示しており、点線の曲線bは、増幅光21である1550nmの光における反射特性を示している。
図3に示すように、励起光31の伝搬角θ31が43°以上で99%以上の高反射率となっている。このとき、平面導波路10の外部から見ると、励起光31に対してNAは1となり、任意の角度の光を閉じ込めることが可能となっている。
従って、励起光源32から放射される励起光31の縦方向の広がり角が45°であっても、この励起光源32を平面導波路10に近接配置するだけで、十分な設計余裕をもって励起光31を平面導波路10に伝搬させることができる。
なお、増幅光21に対しては、伝搬角θ21が60°以下で反射率が50%以下に抑えられている。
また、平面導波路10を光増幅器として備える増幅装置では、下記のような構成部品の配置が考えられる。ここで、図4は、平面導波路10、増幅光光源22、結合光学系23および励起光源32の配置例を示す上面図である。
また、図5は、平面導波路10、増幅光光源22、結合光学系23および励起光源32の他の配置例を示す上面図である。
図4および図5において、増幅光光源22は、信号光である増幅光21を放射する光源であり、結合光学系23は、増幅光光源22を平面導波路10に結合するための光学系である。
図4に示す増幅装置では、励起光源32、平面導波路10、結合光学系23および増幅光光源22が、この順で一定の方向に並べて配置されている。一定の方向は、増幅光21が平面導波路10を伝搬する光軸方向(z軸方向)である。
また、図5に示す増幅装置では、励起光源32と平面導波路10とが並んだ方向(z軸方向)と、平面導波路10と結合光学系23と増幅光光源22とが並んだ方向(y軸方向)とが直交している。
平面導波路10は励起光31に対するNAが高いので、図4および図5に示すように、励起光源32と平面導波路10とを結合するための光学系が不要である。
これまで、外部クラッド12,13として、2種類の薄膜が交互に積層された多層膜を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、多層膜に含まれる薄膜の種類は2種類であってもよいし、3種類以上の薄膜が積層されていてもよい。
図1で示したように、外部クラッド12である多層膜と外部クラッド13である多層膜は、yz平面に対して対称な関係で配置されている。
ただし、外部クラッド12と外部クラッド13とでは、多層膜に使用する材料あるいは膜厚が互いに異なっていてもよい。
また、コア11の材料として低屈折率のガラスなどを用いない場合、外部クラッド12または外部クラッド13を屈折率が低い材料で構成する。これにより、外部クラッド12または外部クラッド13における全反射で励起光31を導波路内部に閉じ込めてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る平面導波路10は、光を伝搬する平板状のコア11と、コア11の両面側にそれぞれ設けられ、励起光31に対して増幅光21よりも高い反射率を有する外部クラッド12,13と、コア11と外部クラッド12,13との間に設けられ、コア11よりも低い屈折率を有する内部クラッド14,15とを備える。外部クラッド12,13は、材質の異なる複数の膜が積層された多層膜である。
このように構成されているので、低屈折率の材料でコア11を構成しても、励起光31に対して高いNAとなる平面導波路10を得ることができる。
また、実施の形態1に係る平面導波路10において、コア11が、励起光31を吸収して増幅光21を増幅する利得発生部材である。
増幅光21は、外部クラッド12,13に入射することはないが、コア11から増幅光21に近い波長で自然放出光が放出された場合、この自然放出光は、外部クラッド12,13に入射される。このとき、図2に示した光の経路が導波路内部の全反射のみで形成されると、寄生発振が発生する。
これに対して、平面導波路10は、外部クラッド12,13が上記多層膜で構成されているので、増幅光21に対する反射率が抑えられて寄生発振を抑制することができる。
さらに、平面導波路10は励起光31を高いNAで入射することができるので、マルチモードの励起光源を使用することが可能である。
なお、マルチモードの光源は、一般にシングルモードの光源よりも価格が安く、高出力のレーザ光源を構成することができる。
さらに、実施の形態1に係る平面導波路10において、外部クラッド12,13を構成する多層膜は、材質の異なる複数の膜の組が1つ以上積層されている。さらに、多層膜の特性によって、NAが、励起光31に対して0.38以上、増幅光21に対して0.38以下となる。これにより、励起光31に対するNAが高く、かつ増幅光21の寄生発振が抑制された平面導波路10を得ることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1は、内部クラッド14,15によって増幅光21をコア11側に閉じ込め、外部クラッド12,13によって励起光31をコア11側に閉じ込めるダブルクラッド型の平面導波路を示した。実施の形態2では、内部クラッド15を設けず、外部クラッド13によって増幅光21と励起光31の両方をコア11側に閉じ込める構成について説明する。
図6は、この発明の実施の形態2に係る平面導波路10Aの構成を示す図であり、平面導波路10Aが、増幅光21を増幅させる光増幅器である場合を示している。
なお、図6において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図1と同様に、増幅光21および励起光31における、平面導波路10Aの厚さ方向に垂直な偏光がTE偏光である。また、増幅光21および励起光31における、平面導波路10の厚さ方向と増幅光21の伝搬方向とを含む面に平行な偏光がTM偏光である。図6では、y偏光であるときにTEモードとなり、x偏光であるときにTMモードとなる。
外部クラッド13Aは、第1のクラッドを具体化した構成要素であって、増幅光21と励起光31の両方を反射してコア11側へ戻す平板状の部材である。また、外部クラッド13Aは、励起光31に対して増幅光21よりも高い反射率を有する。
なお、平面導波路10Aでは、コア11の他方の面に内部クラッド15が設けられておらず、外部クラッド13Aがコア11の他方の面に直接接合されている。
図6中の拡大図で示すように、外部クラッド13Aは、材質の異なる薄膜13aと薄膜13bとが交互に積層された多層膜で構成されている。
真空中で波長λ21を有する増幅光21は、コア11の内部を伝搬角θ21で伝搬する。図7は増幅光21の波数ベクトルの概要を示す図であり、コア11と外部クラッド13Aにおける増幅光21の波数ベクトルを示している。
図7に示すように、増幅光21の波数のx方向成分には、コア11における波数のx方向成分k2111、薄膜13aにおける波数のx方向成分k2113a、薄膜13bにおける波数のx方向成分k2113bがある。
2111、k2113aおよびk2113bは、下記式(4)〜(6)のように定義される。
以降、波数のx方向成分を、単に、波数k2111、k2113aおよびk2113bと簡略して表記する。
2111=(2πn11cosθ21)/λ21 (4)
2113a=2π(n13a −n11 sinθ211/2/λ21 (5)
2113b=2π(n13b −n11 sinθ211/2/λ21 (6)
平面導波路10Aの内部では、図6に示す増幅光21の伝搬角θ21が離散した値をとる。ここで、コア11と外部クラッド13Aとの界面に入射した増幅光21の位相とこの界面で反射した増幅光21の位相とがπだけ変化していると仮定する。
この仮定において、コア11が下記式(7)の関係を満足している場合、コア11における波数k2111から、上記式(4)に従って伝搬角θ21を決定することができる。
なお、下記式(7)において、d11はコア11の厚さであり、m=0,1,2,3,・・・である。
211111=(m+1)π (7)
なお、励起光31が伝搬する範囲は、コア11と内部クラッド14とに跨がっており、コア11の厚さd11と内部クラッド14の厚さd14とは、通常、d14>>d11となっている。そのため、励起光31の伝搬角θ31は増幅光21に比べて連続的な値をとることができる。
以下、離散した値をとる伝搬角θ21のうち、角度が大きい伝搬角θ21の順に、伝搬モードが0次、1次、2次・・・の伝搬角θ21と呼ぶ。
また、0次の伝搬角θ21の増幅光21だけが伝搬可能な導波路をシングルモード導波路と呼ぶ。なお、0次の伝搬角θ21の増幅光21を0次モード光と呼ぶ。
さらに、低次の伝搬角θ21の増幅光21の伝搬は可能であるが、高次の伝搬角θ21の増幅光21の伝搬ができない導波路を低次モード導波路と呼ぶ。
ここで、低次の伝搬角θ21の増幅光21を低次モード光と呼び、高次の伝搬角θ21の増幅光21を高次モード光と呼ぶ。
図8は、増幅光21の低次モード光および高次モード光の概要を示す図である。なお、実施の形態2に係る平面導波路10Aでは、内部クラッド14を省略しても実質的な動作は同じである。そこで、説明の簡単化のため、図8では、内部クラッド14の記載を省略している。低次モード光および高次モード光は、コア11と外部クラッド12との界面で全反射し、コア11と外部クラッド13Aとの界面で全反射してコア11の内部を伝搬している。
増幅光21がコア11から外部クラッド13Aに入射したときに、増幅光21の反射率が99%以上になる多層膜の材質と膜厚との組み合わせは無数に存在し、自由に設計することができる。ただし、多層膜に含まれる薄膜13a,13bは、一般的なガラスに比べて散乱が大きいため、多層膜を伝搬する増幅光21の損失も大きくなる場合がある。
図9は、クラッドへの増幅光21のしみ出し量と導波路損失の測定結果との関係を示すグラフである。図9において、コア11は、Nd:YVOで形成されたものを使用している。図9に示すように、クラッドへの増幅光21のしみ出し量が増えると導波路損失も増加しており、しみ出し量と導波路損失は正比例することが分かる。
なお、上記しみ出し量は、増幅光21の全強度に対する、多層膜に侵入した増幅光21の強度の割合を示している。
また、外部クラッド13Aが、増幅光21に対して100%の反射率を有していても、増幅光21の一部は多層膜の内部で反射するため、多層膜の内部には一定のエネルギーが存在している。
このとき、コア11の内部に存在しているエネルギーと、多層膜の内部に存在しているエネルギーとの割合をしみ出し量と定義する。このしみ出し量は、前述したモードごとに異なる。
図10は、増幅光21の0次モード光と1次モード光とにおける電界分布とクラッドへのしみ出しを示す図である。なお、図8と同様に、実施の形態2に係る平面導波路10Aでは、内部クラッド14を省略しても実質的な動作は同じである。そこで、説明の簡単化のため、図10では、内部クラッド14の記載を省略している。
図10における実線の曲線21aは、増幅光21の0次モード光の電界分布を示しており、図10における点線の曲線21bは、増幅光21の1次モード光の電界分布を示している。また、これらのモードの増幅光21は、符号Aと符号Bで示すように、外部クラッド12と外部クラッド13Aにしみ出している。
コア11と外部クラッド13Aとの界面に入射した増幅光21の位相とこの界面で反射した増幅光21の位相とがπだけ変化しているという仮定は、増幅光21のしみ出し量の少ない導波路においてよく成立する。
例えば、あるモードの増幅光21は、多層膜が下記式(8)の関係を満足すると、しみ出し量が少なくなる。ただし、下記式(8)において、lは任意の整数である。
2113a13a+k2113b13b=lπ (8)
図11は、増幅光21が膜間を1往復したときの光路が2πの位相に相当する多層膜を示す図である。図11に示すように、上記式(8)の関係を満足する多層膜では、多層膜に積層された複数の薄膜うち、1組の薄膜13aと薄膜13bを増幅光21が1往復したときの光路が2πの位相に相当する。
そして、上記多層膜では、薄膜界面における反射光が強め合う干渉を起こすため、多層膜の層数が少ない場合であっても、高い反射率を実現することができる。
ただし、薄膜13aの膜厚d13aと薄膜13bの膜厚d13bとには、ある程度の誤差が許容されている。このため、増幅光21のしみ出し量が少なくなる条件式として、下記式(9)の関係を満足する場合であっても、増幅光21をコア11の内部に閉じ込めることができる。従って、薄膜13a,13bの膜厚d13a,d13bは、下記式(9)の関係を満足するように決定される。
(l−1/4)π<k2113a13a+k2113b13b<(l+1/4)π (9)
このように、平面導波路10Aにおける外部クラッド13Aは、0次モード光の伝搬角θ21に対して上記式(9)の関係を満足する膜厚d13a,d13bの薄膜13a,13bを含む多層膜である。
このように構成することで、増幅光21における0次モード光のしみ出しが抑制されて導波路損失を低減することができる。また、高次モード光のしみ出し量は多くなるので、低次モード光のみの伝搬が可能である。
以下、増幅光21の0次モード光の伝搬角θ21に対して、上記式(9)の関係を満足する平面導波路10Aの設計例について説明する。ここで、平面導波路10Aは、下記のように構成されているものとする。
コア11は厚さd11が10μmで屈折率n11が1.42である。
また、外部クラッド13Aである多層膜は、薄膜13aと薄膜13bとが交互に積層された多層膜である。薄膜13aは、膜厚d13aが426nmで屈折率n13aが2.16の薄膜とし、薄膜13bは、膜厚d13bが229nmで屈折率n13bが1.45の薄膜とする。さらに、増幅光21は真空中で波長が1.55μmの光とし、励起光31は真空中で波長が940μmの光とする。
なお、上記値の屈折率n11,n13a,n13bが得られる材料として、例えば、コア11の材料にEr添加フッ化アルミニウムガラスが挙げられ、薄膜13aの材料にTaが挙げられ、薄膜13bの材料にはSiOが挙げられる。
上記構成の平面導波路10Aにおいて、0次モード光の伝搬角θ21は、上記式(4)と上記式(7)とを用いて、1.516radとなる。
また、薄膜13aにおける増幅光21の波数k2113aは、6.61×10−1となり、薄膜13bにおける増幅光21の波数k2113bは、1.23×10−1となる。さらに、薄膜13aにおける増幅光21の光路長は、位相に換算すると2.81radになり、薄膜13bにおける増幅光21の光路長は、位相に換算すると、0.28radになる。従って、合計で3.10radになるため、上記多層膜は、上記式(9)の関係を満足する。
上記構成の平面導波路10Aにおける増幅光21のしみ出し量をシミュレーションで計算すると、0次モード光のしみ出し量は0.11%となり、1次モード光のしみ出し量は0.44%となり、2次モード光のしみ出し量は1.1%となる。
従って、増幅光21における0次モード光の損失は、1次モード光および2次モード光に比べて低い値に抑えられ、平面導波路10Aは、低次モード光の伝搬が可能な導波路になっている。
図12は、励起光31に対する外部クラッド13Aの反射特性を示すグラフであって、上記構成の平面導波路10Aにおける励起光31に対する外部クラッド13Aの反射特性を示している。図12に示すように、励起光31の伝搬角θ31は、53°以上で99%以上の高反射率となっている。
例えば、図8に示した構造と同様に、外部クラッド12が外部クラッド13Aと対称の構造である場合、この導波路のNAは0.85となる。
従って、実施の形態1と同様に、上記導波路は、励起光源32から縦方向の広がり角が全角45°で放射された励起光31を十分な設計余裕をもって伝搬させることができる。
なお、外部クラッド12が外部クラッド13Aと対称の構造である場合について述べたが、例えば、図6の構造のように、励起光31に対して外部クラッド12が高反射となる構造であればよい。
これまで、外部クラッド12,13Aとして2種類の薄膜が交互に積層された多層膜を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、多層膜に含まれる薄膜の種類は2種類であってもよいし、3種類以上の薄膜が積層されていてもよい。
また、平面導波路10Aを光増幅器として備える増幅装置において、図4および図5に示したように、平面導波路10A、増幅光光源22、結合光学系23および励起光源32を配置してもよい。
以上のように、実施の形態2に係る平面導波路10Aは、コア11と、コア11の一方の面に内部クラッド14を介在させた状態で設けられ、励起光31に対して増幅光21よりも高い反射率を有する外部クラッド12と、コア11の他方の面に直接接合された状態で設けられ、励起光31に対して増幅光21よりも高い反射率を有する外部クラッド13Aとを備える。この構成において、外部クラッド12,13Aは材質の異なる複数の膜が積層された多層膜である。
このように構成されているので、低屈折率の材料でコア11を構成しても、励起光31に対して高いNAとなる平面導波路10Aを得ることができる。
また、平面導波路10Aは励起光31を高いNAで入射することができるので、マルチモードの励起光源を使用することが可能である。
なお、マルチモードの光源は、一般にシングルモードの光源よりも価格が安く、高出力のレーザ光源を構成することができる。
また、実施の形態2に係る平面導波路10Aにおいて、外部クラッド12,13Aである多層膜は、材質の異なる複数の膜の組が1つ以上積層されている。この構成において、多層膜では、伝搬モードに応じて多層膜への光のしみ出し量が異なる。特に、多層膜では、伝搬モードが高次側になるにつれてしみ出し量が増加する。
このように構成することで、増幅光21における0次モード光のしみ出し量が抑えられて導波路損失を低減することができる。
また、増幅光21における高次モード光のしみ出し量が多くなることから、増幅光21における低次モード光のみの伝搬が可能な平面導波路10Aが得られる。
実施の形態3.
実施の形態3は、増幅光光源から放射された直線偏光の増幅光を、偏光を保持したままコアに伝搬する平面導波路について説明する。
図13は、この発明の実施の形態3に係る平面導波路10Bの構成を示す図であって、平面導波路10Bが、増幅光21を増幅させる光増幅器である場合を示している。
なお、図13において、図1および図6と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
例えば、コア11、外部クラッド13Aおよび内部クラッド14が、従来の平面導波路と同様に、ガラスなどの等方媒質を用いて構成された場合、増幅光21をTE偏光でコア11に入射しても偏光が保持されないことがある。これは、コア11において熱あるいは応力により複屈折が発生することに起因する。
そこで、平面導波路10Bでは、TE偏光の増幅光21のしみ出し量とTM偏光の増幅光21のしみ出し量とを変化させて、TE偏光の増幅光21における伝搬定数とTM偏光の増幅光21における伝搬定数とを制御する。これにより、コア11に入射された増幅光21の偏光を保持している。
以下、TE偏光とTM偏光の増幅光21における伝搬定数を制御し、さらに増幅光21の0次モード光の伝搬角θ21に対して上記式(9)の関係を満足する平面導波路10Bの設計例について説明する。ここで、平面導波路10Bは、下記のように構成されているものとする。
コア11は厚さd11が10μmで屈折率n11が1.42である。
また、外部クラッド13Aである多層膜は、薄膜13aと薄膜13bとが交互に積層された多層膜である。
薄膜13aは、膜厚d13aが426nmで屈折率n13aが2.16の薄膜とし、薄膜13bは、膜厚d13bが229nmで屈折率n13bが1.45の薄膜とする。さらに、増幅光21は真空中で波長が1.55μmの光とし、励起光31は真空中で波長が940μmの光とする。
なお、上記値の屈折率n11,n13a,n13bが得られる材料として、例えば、コア11の材料にEr添加フッ化アルミニウムガラスが挙げられ、薄膜13aの材料にTaが挙げられ、薄膜13bの材料にはSiOが挙げられる。
上記実施の形態2では、コア11と外部クラッド13Aとの界面で増幅光21の入射光の位相と反射光の位相とがπだけ変化していると仮定した。
しかしながら、実際は、位相変化量が一定の値になるのではなく、外部クラッド13Aへの増幅光21のしみ出し量に応じて異なる位相変化量となる。
例えば、外部クラッド13Aにおける増幅光21の位相回転量をφ2113とし、内部クラッド14における増幅光21の位相回転量をφ2114とすると、上記式(7)は、正確には下記式(10)で表すことができる。ただし、m=1,2,3,・・・である。
211111+φ2113+φ2114=mπ (10)
なお、位相回転量φ2114はコア11と内部クラッド14との界面での全反射におけるグースヘンシェンシフトに対応している。ただし、臨界角付近の角度である場合、グースヘンシェンシフトは小さい値となる。このため、上記式(10)は下記式(11)のように表すことができる。
211111+φ2113=mπ (11)
コア11においてTEモードとTMモードとで増幅光21の位相変化量が異なる場合、すなわち位相回転量φ2113が偏光に応じて異なっていると、上記式(11)から、コア11における増幅光21の波数k2111が偏光によって異なることがわかる。
例えば、光ファイバにおいて入射光の偏光を保持する場合、光ファイバに応力を加えて偏光ごとに屈折率を変えている。これにより、入射光の伝搬定数が変化するので、入射光の偏光が保持される。
これに対して、平面導波路10Bでは、外部クラッド13Aである多層膜を、偏光に応じて増幅光21の位相変化量が異なるように構成している。このように構成することで、偏光に応じて増幅光21の外部クラッド13Aへのしみ出し量が変化し、偏光に応じて増幅光21の伝搬定数が変化する。これにより、コア11に入射された増幅光21の偏光を保持することができる。
上記構成の平面導波路10Bにおいて、増幅光21の位相回転量φ2113をシミュレーションで計算すると、TEモードの増幅光21とTMモードの増幅光21とで位相回転量φ2113の差が約0.077radとなる。このため、伝搬定数をモードごとに2.5%程度変化させることができる。
実施の形態3では、外部クラッド12,13Aとして2種類の薄膜が交互に積層された多層膜を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、多層膜に含まれる薄膜の種類は2種類であってもよいし、3種類以上の薄膜が積層されていてもよい。
また、平面導波路10Bを光増幅器として備える増幅装置において、図4および図5に示したように、平面導波路10B、増幅光光源22、結合光学系23および励起光源32を配置してもよい。
以上のように、実施の形態3に係る平面導波路10Bにおいて、実施の形態2で示した構成に加え、外部クラッド12,13Aである多層膜では、偏光によって当該多層膜への光のしみ出し量が異なっており、偏光によって増幅光の位相変化量が異なる。
このように構成することで、上記実施の形態2と同様の効果が得られ、さらにTEモードとTMモードとで増幅光21の伝搬定数が制御されて増幅光21の偏光を保持することができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせあるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る平面導波路は、低い屈折率の材料でコアを構成しても、励起光に対して高いNAとなるので、例えば、レーザ装置のレーザ媒質に好適である。
10,10A,10B 平面導波路、11 コア、12 外部クラッド、12a,12b 薄膜、13,13A 外部クラッド、12a,12b,13a,13b 薄膜、14,15 内部クラッド、21 増幅光、22 増幅光光源、23 結合光学系、31 励起光、32 励起光源。
この発明に係る平面導波路は、光を伝搬し、励起光を吸収して増幅光を増幅する利得発生部材で構成された平板状のコアと、コアの両面側にそれぞれ設けられ、励起光を反射する、材質の異なる複数の膜の組が1つ以上積層された多層膜で構成された第1のクラッドと、コアの少なくとも一方の面と第1のクラッドとの間に設けられ、コアよりも低い屈折率を有する第2のクラッドとを備え、多層膜は、上下に積層された膜の組を光が1往復したときの光路の位相が、膜界面で反射した光が強め合う干渉を起こす位相に設定され、第2のクラッドは、励起光の伝搬角が増幅光に比べて連続的な値をとるようにコアよりも十分に厚く構成されていることを特徴とする。

Claims (9)

  1. 光を伝搬する平板状のコアと、
    前記コアの両面側にそれぞれ設けられ、励起光に対して増幅光よりも高い反射率を有する第1のクラッドと、
    前記コアの少なくとも一方の面と前記第1のクラッドとの間に設けられ、前記コアよりも低い屈折率を有する第2のクラッドとを備え、
    前記第1のクラッドは、材質の異なる複数の膜が積層された多層膜であること
    を特徴とする平面導波路。
  2. 前記コアは、励起光を吸収して増幅光を増幅する利得発生部材であることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
  3. 前記多層膜は、材質の異なる複数の膜の組が1つ以上積層されていることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
  4. 開口数は、励起光に対して0.38以上であり、増幅光に対して0.38以下であることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
  5. 同じ組に属する複数の膜は、複数の膜のそれぞれを伝搬する増幅光の波数と、この組を増幅光が1往復したときの光路との関係に基づいて決定される膜厚を有することを特徴とする請求項3記載の平面導波路。
  6. 前記多層膜では、光の伝搬モードに応じて当該多層膜への光のしみ出し量が異なることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
  7. 前記多層膜では、光の伝搬モードが高次側になるにつれてしみ出し量が増加することを特徴とする請求項6記載の平面導波路。
  8. 前記多層膜では、偏光に応じて当該多層膜への光のしみ出し量が異なることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
  9. 前記多層膜では、偏光に応じて増幅光の位相変化量が異なることを特徴とする請求項1記載の平面導波路。
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