JP2013247193A - 平面光導波路及び光増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】平面光導波路を用いた光増幅器において、平面光導波路のコア層とクラッド層との間の境界面に垂直な第1の端面と、この第1の端面に対向しかつ平行でない第2の端面とに信号光を反射する手段を設けていたので、平面光導波路の製造が技術的に難しくなり、コストが高価になるという課題があった。
【解決手段】第1の端面210を上面から下面にかけて傾斜して形成し、外部から入射された信号光110を全反射してコア層を伝搬させ、伝搬してきた信号光110を第2の端面211が平面光導波路10の外部上方又は内部に全反射させるので、信号光を反射する手段が不要になり、製造が容易でかつコストを低減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の端面210を上面から下面にかけて傾斜して形成し、外部から入射された信号光110を全反射してコア層を伝搬させ、伝搬してきた信号光110を第2の端面211が平面光導波路10の外部上方又は内部に全反射させるので、信号光を反射する手段が不要になり、製造が容易でかつコストを低減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、平面光導波路及び平面光導波路を用いた光増幅器に関するものである。
従来、ダブルクラッド型平面光導波路を使用した光増幅器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この光増幅器におけるダブルクラッド型平面光導波路では、コア層とクラッド層との間の境界面に垂直な第1の端面と、第1の端面に対向し境界面に垂直な第2の端面の両方に信号光を反射する信号光反射手段を設けることにより、信号光をマルチパス伝搬させダブルクラッド型平面光導波路の光増幅器を高効率化していた。その一方で、第1の端面と第2の端面とを平行でなくすることにより、ダブルクラッド型平面光導波路内部で発生する寄生発振と増幅された自然放出光(ASE:Amplified Spontaneous Emission)を抑制していた。
しかしながら、上記の特許文献1では、上記したようにダブルクラッド型平面光導波路の第1の端面及び第2の端面の両方に光反射手段を設けなければならず、ダブルクラッド型平面光導波路の製造が技術的に難しくなり、コスト的に高価になるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、製造が容易で、コスト負担が少ない平面光導波路及び光増幅器を得ることを目的とする。
本発明に係る平面光導波路は、下部第1クラッド層、コア層、上部第1クラッド層が順に積層され形成された平面光導波路であって、前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成されるとともに、外部から入射された信号光を全反射して前記コア層を伝搬させる第1の端面と、前記第1の端面と平行でなく、前記第1の端面に対向するとともに、前記コア層を伝播してきた前記信号光を、前記平面光導波路の外部上方又は前記平面光導波路の内部に全反射させる第2の端面と、前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第3の端面と、前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第4の端面と、を備えたことを特徴とする。
本発明の平面光導波路によれば、上面から下面にかけて傾斜して形成され入射された信号光を全反射する第1の端面と、第1の端面と平行でなく、かつ対向する第2の端面とを有するので、信号光を反射する手段を設ける必要がなく平面光導波路の製造を容易にでき、コストが低減できるという効果を奏する。
実施の形態1.
以下図面を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る平面光導波路の構成を示す図である。図2は本発明の実施の形態1に係る光増幅器の構成を示す図である。図3は本発明の実施の形態1に係る平面光導波路内での励起光と信号光の伝播を説明するための図である。図4は本発明の実施の形態1に係る光増幅器の他の例についての構成を示す図である。
以下図面を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る平面光導波路の構成を示す図である。図2は本発明の実施の形態1に係る光増幅器の構成を示す図である。図3は本発明の実施の形態1に係る平面光導波路内での励起光と信号光の伝播を説明するための図である。図4は本発明の実施の形態1に係る光増幅器の他の例についての構成を示す図である。
図1(b)に示すように、光増幅器は、コア層とその周辺のクラッド層の屈折率の差を利用して、光をコア層に閉じ込めて伝搬させる平面光導波路10と、平面光導波路10を励起するための励起光100を生成し平面光導波路10に入力する励起光入力手段20と、信号光110を生成し平面光導波路10へ信号光110を入力する信号光入力手段30とを備えている。なお、矢印は、励起光100と信号光110の進行方向を示している。
この励起光入力手段20としては、励起光100を平面光導波路10に入力させる機能を持つものであればよく、半導体レーザなどを用いることができる。
信号光入力手段30として、半導体レーザの出力光を集光レンズで集光させる構成を用いることができる。この信号光入力手段30としては、信号光110を平面光導波路10に入力させる機能を持つものであればよく、半導体レーザなどを用いることができる。
平面光導波路10は、光導波路積層部11と、信号光の波長帯の光を反射させない信号光無反射手段14と、励起光の波長帯の光を反射させない励起光無反射手段16とを有する。なお、平面光導波路10は図1に示すように六面体であり、ここで言う六面体とは、平面光導波路10の一部が面取りされている場合の構成も含む概念である。
信号光無反射手段14には信号光の波長帯の光を反射させない無反射コーティング(ARコーティング:anti-reflection coating)を用いることができる。また、信号光無反射手段14として、平面光導波路10に信号光110が入射する部分をブリュースタ角に形成する方法などを用いれば、平面光導波路10の信号光110入力部分からARコーティングを排除することができ、信号光110によるARコーティングの損傷を避けることができる。
励起光無反射手段16には励起光の波長帯の光を反射させないARコーティングを用いることができる。また、励起光無反射手段16として、平面光導波路10に励起光100が入射する部分をブリュースタ角に形成する方法などを用いれば、平面光導波路10の励起光100入力部分からARコーティングを排除することができ、励起光100によるARコーティングの損傷を避けることができる。
図1(c)に示すように、光導波路積層部11は、下部第1クラッド層2と、コア層3と、上部第1クラッド層4とが順に積層されて形成される。光導波路積層部11は、下部第1クラッド層2とコア層3との間の第1の境界面200と、コア層3と上部第1クラッド層4との間の第2の境界面201とを有する。
なお、この実施の形態1では、第1の境界面200と第2の境界面201が平面であって平行である場合を説明するが、第1の境界面200と第2の境界面201は必ずしも平行でなくても良い。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、光導波路積層部11は、第1の境界面200に垂直でない第1の端面210と、第1の端面210に平行でなく、第1の端面210に対向する、つまり第1の端面210の反対側にある第2の端面211と、第1の境界面200に垂直でなく、かつ第1の端面210の左側にある第3の端面212と、第3の端面212に平行でなく、第1の端面210の右側、つまり、第3の端面212に対向する第4の端面213とを有する。
図1の例では、第1の端面210と第2の端面211は、上部第1クラッド層4の上面から下部第1クラッド層2の下面にかけて傾斜して形成される構成となっている。ここで、上部第1クラッド層4の上面は下部第1クラッド層2の下面よりも面積が大きくなるよう傾斜される。第2の端面211、第3の端面212、第4の端面213についても、上部第1クラッド層4の上面から下部第1クラッド層2の下面にかけて傾斜して形成され、上部第1クラッド層4の上面は下部第1クラッド層2の下面よりも面積が大きい。
次に、図2を用いて実施の形態1に係る光増幅器の動作について説明する。平面光導波路10の上方には、信号光110を全反射する全反射手段が設けられる。図2の説明では、全反射手段を例えば全反射鏡40として説明を行う。まず、励起光入力手段20によって生成された励起光100は、励起光無反射手段16により反射されることなく平面光導波路10に入力される。
一方、信号光入力手段30によって生成された信号光110は、全反射鏡40−1により平面光導波路10の方向へ全反射され、平面光導波路10に入射する。それから、信号光110は平面光導波路10の第2の端面211によって平面光導波路10の内部に全反射される。つまり信号光110は、第2の端面211によって全反射されてコア層3を導波する。それから、信号光110は、第1の端面210によって平面光導波路10の外部上方に全反射される。それから、信号光110は、全反射鏡40−2により全反射され、全反射鏡40−3に入射する。それから、信号光110は、全反射鏡40−3に全反射され、平面光導波路10に入射する。それから、信号光110は平面光導波路10の第2の端面211に全反射され、コア層3を導波する。以降も上記と同様である。
なお、ここでは入射された信号光110は第2の端面211により全反射され、コア層3の導波するものとして説明を行ったが、入射された信号光110は第1の端面210により全反射され、コア層3を導波し、第2の端面211により平面光導波路10外部に全反射されてもよい。その場合、全反射鏡40−1は第1の端面210の上方に設けられ、全反射鏡40−1により第1の端面210方向に全反射されることとなる。
このように、第1の端面210と第2の端面211が上部第1クラッド層4の上面から前記下部第1クラッド層6の下面にかけて傾斜して形成され、外部から入射してきた信号光110を全反射させコア層3を少なくとも1回以上往復させてマルチパス伝搬させるので、光増幅器を高効率化できるとともに、平面光導波路10の製造を技術的に容易にし、コストを低減させることが可能となる。
また、第1の端面210と第2の端面211とが傾斜して形成され、かつ、これら以外の1対の組となる第3の端面及び第4の端面についても、それぞれ平行でなく、傾斜して形成されているので、平面光導波路10内部で発生した寄生発振とASEは、平面光導波路10の外部に全反射させられ抑制されるので、光増幅器全体としての増幅性能の低下を防ぐことが可能となる。
図3に示すように、平面光導波路10において、信号光110がコア層3を伝搬できるように、下部第1クラッド層2と上部第1クラッド層4の屈折率は、コア層3の屈折率よりも小さい値に設定されている。
また、平面光導波路10において、励起光100がコア層3を伝搬できるように、下部第1クラッド層2と上部第1クラッド層4の屈折率は、コア層3の屈折率よりも小さい値に設定されている。
なお、この実施の形態1では、下部第1クラッド層2と上部第1クラッド層4の屈折率が等しい場合を説明するが、励起光100と信号光110がコア層を伝搬できるような構成であれば、下部第1クラッド層2と上部第1クラッド層4の屈折率は異なっても良い。
平面光導波路10のコア層3の材質は、励起光100を吸収して、信号光110を増幅させるためのレーザ媒質である。コア層3の媒質としては、例えば、Nd:YAG、Yb:YAG、Er:YAG、Tm:YAG、Ho:YAG、Nd:YLF、Yb:YLF、Er:YLF、Tm:YLF、Ho:YLF、Nd:Glass、Cr:LiSAF、Ti:Sapphireなどが用いられる。励起光100がコア層3を伝播する際に励起光100が吸収されて、信号光110がコア層3を伝播する際に信号光110が増幅される。
このとき、平面光導波路を使用した光増幅器において、信号光110を一定の増幅率を得るためには、信号光110が平面光導波路を通過する光路長がある一定の長さである必要がある。
例えば、平面光導波路における信号光110に対する小信号利得係数がg0 [1/m]であり、信号光110が平面光導波路を通過する光路長がL[m]である場合に、信号光110の光パワーが平面光導波路10に蓄えられている光パワーよりも十分に小さい場合、信号光110の入力時の光パワーPi n [W]と増幅された光パワーPou t [W]の関係は、以下の式(1)で表される。
増幅される光パワーPou t [W]はLが大きい程大きくなる。Lは信号光110がコア層3を通過する回数に比例して大きくなるため、より大きな増幅光パワーPou t [W]を得るためには、信号光110を平面光導波路10内でマルチパスさせ、コア層3の通過回数を大きくする必要がある。
ここで、例として、平面光導波路のコア層3の屈折率をn1=1.8とすると、信号光110が第1の端面210または第2の端面211で反射される際に、信号光110が第1の端面210または第2の端面211に入射する角度をθとすると、θ<33.7°の場合では信号光110が屈折成分と反射成分に分かれ、θ>33.7°の場合では信号光は全反射される。
この実施の形態1に係る光増幅器で、平面光導波路10において、信号光110を第1の端面210と第2の端面211での入射角θが33.7°以上になるようにすれば、反射時に信号光の損失をなくして、コア層3をマルチパスさせることができる。
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、平面光導波路10における第1の端面210と第2の端面211が上部第1クラッド層4の上面から前記下部第1クラッド層6の下面にかけて傾斜して形成され、外部から入射してきた信号光110を全反射させることによりマルチパス伝搬させるので、第1の端面210と第2の端面211には信号光110を反射させるための手段を設ける必要はなく、平面光導波路10の製造を技術的に容易にし、コストを低減させることが可能となる。
また、第1の端面210と第2の端面211とが傾斜して形成され、かつ、これら以外の1対の組となる第3の端面及び第4の端面についても、それぞれ平行でなく、傾斜して形成されている。そのため、平面光導波路10内部で発生した寄生発振とASEを、平面光導波路10の外部に全反射させて抑制することができる。そのため、実施の形態1に係る平面光導波路10を用いた光増幅器は、光増幅器全体としての増幅性能の低下を防ぐことが可能となり、増幅の高効率化が可能となる。
なお、これまで全反射手段として全反射鏡40を用いて説明を行ったが、図4に示すように、複数の反射部分が一体化された構造体であるプリズム41を用いて信号光110を伝送させてもよい。平面光導波路10の第1の端面210により全反射され平面光導波路10から出力された信号光110は、プリズム41の下面41aからプリズム41に入射し、プリズム41の一方の傾斜面41bで全反射し、プリズム41内を伝送され、プリズム41の傾斜面41bと対向する傾斜面41cで全反射され、プリズム41の下面41aから出射し、再度平面光導波路10に入射する。平面光導波路10から出力された複数回の信号光110は、一つのプリズム41の全反射により、平面光導波路10に信号光110が複数回入射される。
平面光導波路10の上部の信号光110の反射位置に全反射鏡40を個々に配置する方法では、一枚の全反射鏡40の向きが変わった時に、それ以降の信号光110の反射方向が変わってしまう。プリズム41のように、複数の反射面が一体化された構造であれば、プリズム41の反射面の相対的な角度は常に保持されているので、平面光導波路10に対してプリズム41の角度が変化しても、プリズム41からの信号光110の出射光軸方向はプリズム41の角度が変化する前の方向に維持することができる。したがって、平面光導波路10とプリズム41の相対的な角度が変化しても、平面光導波路10を通過する信号光110のパスを維持することができ、信号光110の平面光導波路10通過部の変化による平面光導波路10の増幅特性の劣化を抑制することができる。
実施の形態2.
以下図面を用いて本発明の実施の形態2に係る光増幅器について説明する。図5は本発明の実施の形態2に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
以下図面を用いて本発明の実施の形態2に係る光増幅器について説明する。図5は本発明の実施の形態2に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本発明の実施の形態2に係る光増幅器は、平面光導波路10Aと、励起光入力手段20と、信号光入力手段30とを備えている。なお、矢印は、励起光100と信号光110の進行方向を示している。
平面光導波路10Aは、光導波路積層部11Aと、信号光を反射させる信号光反射手段12と、信号光無反射手段14と、励起光無反射手段16から構成されている。
信号光反射手段12は信号光の波長帯の光を反射させる全反射コーティング(HRコーティング:high-reflection coating)を用いることができる。
光導波路積層部11Aは、第1の境界面200に垂直な第2の端面211と、第2の端面211に対向し、第1の境界面200に垂直でない、つまり上部第1クラッド層4の上面から下部第1クラッド層2の下面にかけて傾斜して形成される第1の端面210と、第1の境界面200に平行でなく、かつ第1の端面210の左側にある第3の端面212と、第1の境界面200に平行でなく、かつ第1の端面210の右側にある第4の端面213とを有する。第1の端面210と第2の端面211とは平行でない。
次に、この実施の形態1に係る光増幅器の動作について説明する。励起光入力手段20によって生成された励起光100は、励起光無反射手段16より平面光導波路10Aに入力される。一方、信号光入力手段30によって生成された信号光110は、信号光無反射手段14より平面光導波路10Aに入力される。
信号光110は、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10に入力され、平面光導波路10Aの第1の端面210によって全反射され、コア層3を導波する。それから、信号光110は、第2の端面211に設けられた信号光全反射手段12によって全反射され、再びコア層3を導波する。それから、信号光110は、第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10Aから平面光導波路10Aの外部に出力される。
平面光導波路10Aから出力された信号光110は、平面光導波路10Aの上方に配置された全反射鏡40により全反射され、再び平面光導波路10Aに入力される。平面光導波路10Aに入射された信号光110は、平面光導波路10の第1の端面210によって全反射され、コア層3を導波し、第2の端面211において信号光全反射手段12によって全反射され、再びコア層3を導波し、第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10から出力される。
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、平面光導波路10Aにおいて、第1の端面210については上部第1クラッド層4の上面から前記下部第1クラッド層6の下面にかけて傾斜して形成するとともに、第1の端面210に対向する第2の端面211については、第1の端面210と平行でなく、第1の境界200に垂直とし、信号光全反射手段12を設けるようにした。そのため、第1の端面210には信号光110を反射させるための手段を設ける必要がなく、平面光導波路10の製造を技術的に容易にし、コストを低減させることが可能となる。
また、第1の端面210と第2の端面211以外の1対の組となる第3の端面及び第4の端面についても、それぞれ平行でなく、傾斜して形成されているので、平面光導波路10内部で発生した寄生発振とASEを、平面光導波路10Aの外部に全反射させて抑制することができる。そのため、実施の形態2に係る平面光導波路10Aを用いた光増幅器は、光増幅器全体としての増幅性能の低下を防ぐことが可能となり、増幅の高効率化が可能となる。
実施の形態3.
以下図面を用いて本発明の実施の形態2に係る光増幅器について説明する。図6は本発明の実施の形態3に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態3においては、励起光入力手段20Aが複数の励起光出力エミッタを有し、それぞれのエミッタから等間隔で平面光導波路10に励起光100が入力される点において実施の形態1と異なる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態2に係る光増幅器について説明する。図6は本発明の実施の形態3に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態3においては、励起光入力手段20Aが複数の励起光出力エミッタを有し、それぞれのエミッタから等間隔で平面光導波路10に励起光100が入力される点において実施の形態1と異なる。
実施の形態3に係る光増幅器の動作について説明する。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10に入力され、第2の端面211によって全反射され、コア層3を導波し、第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10から出力される。このとき信号光110の光軸は励起光入力手段20Aの一つのエミッタから出力される励起光100と同軸となるように調整される。
平面光導波路10から出力された信号光110は、全反射鏡40により反射され、再び信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10に入力され、平面光導波路10の第1の端面210によって全反射され、コア層3を導波し、第2の端面211によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10から出力される。このとき信号光110励起光入力手段20Aの一つのエミッタから出力される励起光100と同軸となるように調整される。
以上のように、本発明の実施の形態3によれば、励起光100が平面光導波路10を通過する部分と信号光110が平面光導波路10を通過する部分を同一にしたため、励起光100によって平面光導波路10内部に生成される利得分布と信号光110のオーバーラップ効率が高くなり、実施の形態1、実施の形態2と比較して、さらに光増幅器を高効率化することができる。
なお、これまで複数のエミッタを有する励起光入力手段20Aについて説明したが、複数の励起光出力口があれば、例えば複数のシングルエミッタ励起光を並べる構成でも同様の効果が得られる。複数のシングルエミッタ励起光であれば、エミッタの間隔を等間隔ではなく、個別に任意の間隔に並べることができる、信号光110が平面光導波路10を通過する間隔が等間隔でなくても、信号光110と励起光110の光軸を合わせることができる。
実施の形態4.
以下図面を用いて本発明の実施の形態4に係る光増幅器について説明する。図7は本発明の実施の形態4に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態2の光増幅器の構成に相当する部分には図1、図2、及び図5と同一符号を付してその説明を省略する。
以下図面を用いて本発明の実施の形態4に係る光増幅器について説明する。図7は本発明の実施の形態4に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態2の光増幅器の構成に相当する部分には図1、図2、及び図5と同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態4に係る光増幅器は、平面光導波路10Bと、励起光入力手段20Aと、信号光入力手段30とを備えている。なお、矢印は、励起光100と信号光110の進行方向を示している。
平面光導波路10Bは、光導波路積層部11Aと、信号光110を反射し励起光100を透過する二色性膜17と、信号光無反射手段14と、励起光無反射手段16から構成されている。
実施の形態4に係る光増幅器の動作について説明する。励起光入力手段20Aによって生成された励起光100は、励起光を透過し信号光を反射する二色性膜17から平面光導波路10に入力される。ここで励起光入力手段20Aからは複数の励起光出力エミッタを有し、それぞれのエミッタは等間隔で平面光導波路10Bに入力されている。
信号光入力手段30によって生成された信号光110は、信号光無反射手段14より平面光導波路10Bに入力される。信号光110は、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10Bに入力され、第1の端面210によって全反射され、コア層3を導波する。このとき信号光110の光軸は励起光入力手段20Aの一つのエミッタから出力される励起光100と同軸となるように調整される。
信号光110は第2の端面211に設けられた二色性膜17によって全反射され、再びコア層3を導波し、第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10Bから出力される。このとき励起光入力手段20Aの光軸は、信号光110の光軸と同軸になるように調整されている。平面光導波路10Bから出力された信号光110は、全反射鏡40により反射され、再び信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10Bに入力される。
以上のように、本発明の実施の形態3によれば、励起光100が平面光導波路10Bを通過する部分と信号光110が平面光導波路10Bを通過する部分を同一にしたため、励起光100によって平面光導波路10B内部に生成される利得分布と信号光110のオーバーラップ効率が高くなり、光増幅器を高効率化することができる。
実施の形態5.
以下図面を用いて本発明の実施の形態5に係る光増幅器について説明する。図8は本発明の実施の形態5に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
以下図面を用いて本発明の実施の形態5に係る光増幅器について説明する。図8は本発明の実施の形態5に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態5に係る光増幅器の動作について説明する。励起光入力手段20によって生成された励起光100は、励起光無反射手段16より平面光導波路10に入力される。
信号光入力手段30によって生成された信号光110は、信号光無反射手段14より平面光導波路10に入力される。信号光110は、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10に入力され、第2の端面211によって全反射され、コア層3を導波する。この時、コア層3を導波する信号光110の断面の水平方向をY、垂直方向をXとする。信号光110は第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10から上方に出力される。
第1の境界面200に対して垂直に平面光導波路10から出力された信号光110は、1枚目の全反射鏡40aにより境界面200に対して平行に全反射され、2枚目の全反射鏡40bにより境界面200に対して平行のままに90°折り返され、3枚目の全反射鏡40cによって境界面200に対して垂直に折り返され、信号光無反射手段14より平面光導波路10に入力され、第2の端面211によって全反射され、コア層3を導波する。このとき、2回目にコア層3を導波する信号光110の断面は水平方向がX、垂直方向がYとなっている。最初にコア層3を導波する信号光110の断面方向に対して、次にコア層3を導波する信号光110の断面方向が90°回転している。つまり、信号光110の断面の水平方向と垂直方向とを入れ替える。
以上のように、本発明の実施の形態5によれば、信号光110の断面の水平、垂直方向を、平面光導波路10の通過ごとに90°回転させることができるので、信号光110の不均一な励起を補償して均一な増幅光強度分布を維持することができる。つまり、平面光導波路10が水平方向、垂直方向に不均一な励起分布を持つときに、コア層3を通過する信号光110の断面方向が常に一定のために増幅光が不均一な増幅強度となることを防ぐことが可能となる。
実施の形態6.
以下図面を用いて本発明の実施の形態6に係る光増幅器について説明する。図9は本発明の実施の形態6に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態6においては、平面光導波路10と、平面光導波路10上方に設けられた全反射鏡40との間に、信号光110を通過させる空間フィルタ50を設けている点において他の実施の形態と異なる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態6に係る光増幅器について説明する。図9は本発明の実施の形態6に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態6においては、平面光導波路10と、平面光導波路10上方に設けられた全反射鏡40との間に、信号光110を通過させる空間フィルタ50を設けている点において他の実施の形態と異なる。
実施の形態6に係る光増幅器の動作について説明する。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、平面光導波路10に入力され、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、コア層3を導波する。コア層3で増幅を受けた信号光110は、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10から出力される。信号光110は空間フィルタ50を通過し、全反射鏡40によって反射され、再び空間フィルタ50を通過して、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10に入力される。
平面光導波路10に入力する信号光110の空間モードが単一モードの場合、信号光110はコア層3を導波し増幅される際に、平面光導波路10から出力された後の信号光110の空間モードが、単一モードの他に高次モードを含んだ多モードとなる場合がある。この実施の形態6に係る光増幅器では、平面光導波路10の上部で信号光110の経路に空間フィルタ50が配置されているため、空間フィルタ50の径を適正に設定すれば、信号光110が空間フィルタ50を通過する際に、信号光110に含まれる高次モードが除去され、信号光110の空間モードを単一モードに戻すことができ、常に単一モードの増幅光が得られる効果がある。
以上のように、本発明の実施の形態6によれば、平面光導波路10と、平面光導波路10上方に設けられた全反射鏡40との間に、信号光110の高次モードを除去するための空間フィルタ50を設けたので、常に単一モードの増幅光が得られるという効果がある。
なお、これまで説明した空間フィルタ50は、平面光導波路10と全反射鏡40との間に設ける代わりに、全反射鏡40間に設けてもよい。なお、実施の形態6は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
実施の形態7.
以下図面を用いて本発明の実施の形態7に係る光増幅器について説明する。図10は本発明の実施の形態7に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態7においては、平面光導波路10と全反射鏡40の間隔を自由に調整することができる点で他の実施の形態と異なる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態7に係る光増幅器について説明する。図10は本発明の実施の形態7に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態7においては、平面光導波路10と全反射鏡40の間隔を自由に調整することができる点で他の実施の形態と異なる。
実施の形態7に係る光増幅器の動作について説明する。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、平面光導波路10に入力され、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、コア層3を導波する。コア層3で増幅を受けた信号光110は、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10から出力される。信号光110は全反射鏡40によって反射され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10に入力される。
平面光導波路10に入力する信号光110の空間モードは単一モードであるとする。信号光110はコア層3を導波し増幅される際に、平面光導波路10から出力された後の信号光110の空間モードが単一モードの他に高次モードを含んだ多モードとなる場合がある。この実施の形態7に係る光増幅器では、平面光導波路10と全反射鏡40の間隔を自由に調整することができる。信号光110のビーム径は、平面光導波路10を出力した直後においてはほぼ平面光導波路10の厚さと等しい大きさを持っている。また信号光110のビーム径は空間を伝播する間に広がる。平面光導波路10と全反射鏡40の間隔が短い場合、平面光導波路10から出力された信号光110のビーム径に対し、全反射鏡40により反射され再び平面光導波路10に入力される直前の信号光110のビーム径に差がないため、平面光導波路10に入力される際に、ほぼ全てのモードが再び平面光導波路10に結合される。
これに対し、平面光導波路10と全反射鏡40の間隔を長く取ると、平面光導波路10から出力された信号光110のビーム径に対し、全反射鏡40に反射され、平面光導波路10に入力される信号光110のビーム径は拡がり、特に拡がり角の大きな高次モード成分のビーム径は平面光導波路10の厚さよりも大きくなり、平面光導波路10に結合できなくなる。
以上のように、本発明の実施の形態7によれば、平面光導波路10と全反射鏡40の間隔を適性に調整することができるので、コア層3における増幅により多モード化した信号光110の高次モード成分の平面光導波路10へ再入力させず、単一モード成分だけを平面光導波路10に再入力させ増幅することが可能となり、常に単一モードの増幅光が得られるという効果がある。なお、実施の形態7は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
実施の形態8.
以下図面を用いて本発明の実施の形態8に係る光増幅器について説明する。図11は本発明の実施の形態8に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態8においては、平面光導波路10と全反射鏡40の間に、信号光110の波面を調整する信号光波面補正手段60が設けられている点において他の実施の形態と異なる。なお、図11では、信号波面補正手段60の1例として、シリンドリカルレンズを用いて説明を行う。
以下図面を用いて本発明の実施の形態8に係る光増幅器について説明する。図11は本発明の実施の形態8に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態8においては、平面光導波路10と全反射鏡40の間に、信号光110の波面を調整する信号光波面補正手段60が設けられている点において他の実施の形態と異なる。なお、図11では、信号波面補正手段60の1例として、シリンドリカルレンズを用いて説明を行う。
実施の形態8に係る光増幅器の動作について説明する。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、平面光導波路10に入力され、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、コア層3を導波する。コア層3で増幅を受けた信号光110は、第1の端面、あるいは第2の端面により全反射され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10から出力される。信号光110は信号光波面補正手段60を通過し波面が補正され、全反射鏡40によって反射され、信号光波面補正手段60を通過して波面が補正され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10に入力される。
平面光導波路10に入力される信号光110の波面は曲率を持っている。信号光110の波面の曲率は信号光110の伝播や平面光導波路10により与えられる収差などにより変化するが、信号光波面補正手段60は、信号光110の波面曲率を補正する。そのため、平面光導波路10を出力した後に変化した信号光110の波面の曲率は、信号光波面補正手段60により補正され、平面光導波路10に最適な波面曲率で、再び平面光導波路10に入力することができる。
以上のように、本発明の実施の形態8によれば、平面光導波路10と全反射鏡40との間に設けられた信号光波面補正手段60により信号光110の波面の曲率を補正するので、信号光110の波面の曲率を、平面光導波路10にとって最適な値とすることが可能となる。なお、実施の形態8は他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
実施の形態9.
以下図面を用いて本発明の実施の形態9に係る光増幅器について説明する。図12は本発明の実施の形態9に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態9においては、平面光導波路10の第1の端面210あるいは第2の端面211に、入射光のP偏光を反射し、S偏光を透過する薄膜偏光子70が施されている点において他の実施の形態と異なる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態9に係る光増幅器について説明する。図12は本発明の実施の形態9に係る光増幅器の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態9においては、平面光導波路10の第1の端面210あるいは第2の端面211に、入射光のP偏光を反射し、S偏光を透過する薄膜偏光子70が施されている点において他の実施の形態と異なる。
実施の形態9に係る光増幅器の動作について説明する。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、平面光導波路10に入力され、第1の端面、あるいは第2の端面により反射され、コア層3を導波する。コア層3で増幅を受けた信号光110は、第1の端面、あるいは第2の端面により反射され、信号光無反射手段14で反射されず、平面光導波路10から出力される。
平面光導波路10に入力される信号光110の偏光が直線偏光(例えばP偏光)であるとき、平面光導波路10に入力されコア層3で増幅される信号光110の偏光は、コア層3でのランダムな偏光の増幅や偏光軸の回転によって、P偏光とS偏光が混在したランダム偏光となる可能性がある。
コア層3における増幅によって成長した信号光110のS偏光は、第1の端面あるいは第2の端面における反射の際に薄膜偏光子70によって平面光導波路10外部に放出除去され、一方P偏光は反射の際に薄膜偏光子70によって全反射され、信号光無反射手段14で反射されず、全反射鏡40で反射され、再び平面光導波路10に入力される。
以上のように、本発明の実施の形態9によれば、平面光導波路10の第1の端面210あるいは第2の端面211に、入射光のP偏光を反射し、S偏光を透過する薄膜偏光子70が施されているので、信号光110のP偏光のみを選択的に増幅し、直線偏光の増幅光を得ることができる。なお、実施の形態9は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
実施の形態10.
以下図面を用いて本発明の実施の形態10に係る光増幅器について説明する。図13は本発明の実施の形態10に係る光増幅器の構成を示す図である。図14は本発明の実施の形態10に係るダブルクラッド型平面光導波路の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
以下図面を用いて本発明の実施の形態10に係る光増幅器について説明する。図13は本発明の実施の形態10に係る光増幅器の構成を示す図である。図14は本発明の実施の形態10に係るダブルクラッド型平面光導波路の構成を示す図である。実施の形態1の光増幅器の構成に相当する部分には図1及び図2と同一符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように、本発明の実施の形態10に係る光増幅器は、平面光導波路10Cと、励起光入力手段20と、信号光入力手段30とを備えている。なお、矢印は、励起光100と信号光110の進行方向を示している。
平面光導波路10Cは、光導波路積層部11Bと、励起光無反射手段16と、信号光無反射手段14と、自然放出光除去手段18とを有する。
自然放出光除去手段18は平面光導波路10内で発生する自然放出光を除去するものであり、第3の端面212と第4の端面213の表面精度を低下させて散乱面とする方法や、第3の端面212と第4の端面213に自然放出光の波長を吸収する膜を付加する方法などが使用できる。
光導波路積層部11Bは、第1の境界面200に垂直でない第1の端面210と、第1の端面210に平行でなく、第1の端面210の反対側にある第2の端面211と、第1の境界面200に垂直でなく、かつ第1の端面210の左側にある第3の端面212と、第3の端面212に平行でなく、かつ第3の端面212の右側にある第4の端面213とを有する。図13の例では、第3の端面212及び第4の端面213は、第1の境界面200に垂直な構成となっている。
実施の形態10に係る光増幅器の動作について説明する。励起光入力手段20によって生成された励起光100は、励起光無反射手段16より平面光導波路10に入力される。信号光入力手段30によって生成された信号光110は、信号光無反射手段14より平面光導波路10に入力される。信号光110は、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10に入力され、第2の端面211によって全反射され、コア層3を導波し、第1の端面210によって全反射され、信号光無反射手段14によって反射されずに平面光導波路10から出力される。自然放出光除去手段18は、この過程で平面光導波路10C内部に発生する自然放出光を除去する。
以上のように、本発明の実施の形態10によれば、平面光導波路10Cにおける第1の端面210と第2の端面211は平行でないので、平面光導波路10の内部で発生する自然放出光は寄生発振を起こす前に導波路の外側に出力され、また、第3の端面212と第4の端面213に自然放出光除去手段18が付加されているので、平面光導波路10の内部で発生する自然放出光は寄生発振を起こす前に、自然放出光除去手段18により除去される。その結果、平面光導波路10Cの内部で発生する寄生発振を防止あるいは抑制できる。また、平面光導波路10Cの内部で発生する自然放出光が平面光導波路10を伝搬する光路長が短くなるため、ASEを防止あるいは抑制できる。
なお、これまで平面光導波路10Cの光導波路積層部11Bは、下部第1クラッド層2と、コア層3と、上部第1クラッド層4とが順に積層されて形成されたものとして説明したが、この構成に限定されず、例えば図14に示すようなダブルクラッド型平面光導波路80であってもよい。
ダブルクラッド型平面光導波路80は、下部第2クラッド層1、下部第1クラッド層2、コア層3、上部第1クラッド層4、上部第2クラッド層5が順に積層されて形成される。各層の屈折率については、励起光100が下部第1クラッド層2、コア層3及び上部第1クラッド層4を伝搬できるように、下部第2クラッド層1の屈折率は下部第1クラッド層2の屈折率と上部第1クラッド層4の屈折率よりも小さい値に設定されており、また、上部第2クラッド層5の屈折率は下部第1クラッド層2の屈折率と上部第1クラッド層4の屈折率よりも小さい値に設定されている。
なお、ここでは下部第2クラッド層1と上部第2クラッド層5の屈折率が等しいとして説明するが、励起光100が下部第1クラッド層2、コア層3及び上部第1クラッド層4を伝搬できるような構成であれば、下部第1クラッド層1と上部第2クラッド層5の屈折率は異なっていても良い。
コア層3の材質は、励起光100を吸収して、信号光110を増幅させるためのレーザ媒質である。これにより、励起光100がコア層3を伝播する際に励起光100が吸収されて、信号光110がコア層3を伝播する際に信号光110が増幅される。
このようなダブルクラッド型平面光導波路80を用いた光増幅器では、増幅される信号光110が平面光導波路10のコア層3を伝搬するため、コア層3の厚さを小さくすることにより、信号光110が導波路10に入力される際に許容可能な開口数(NA)を小さくすることができ、その結果、シングルモード、あるいは低次のマルチモードでの光増幅が可能である。一方、励起光100は平面光導波路10の下部第1クラッド層2、コア層3及び上部第1クラッド層4を伝搬するため、下部第1クラッド層2及び上部第1クラッド層4の厚さを大きくすることにより、励起光100が導波路10に入力される際に許容可能な開口数を大きくすることができ、その結果、マルチモードの励起光を出力する励起光源からの励起光の効率の良い結合が得られる。
なお、ダブルクラッド型平面光導波路80は、他の実施の形態においても用いることが可能である。
1 下部第2クラッド層、2 下部第1クラッド層、3 コア層、4 上部第1クラッド層、5 上部第2クラッド層、10 平面光導波路、11 光導波路積層部、12 信号光反射手段、14 信号光無反射手段、16 励起光無反射手段、17 二色性膜、18 自然放出光除去手段、20 励起光入力手段、30 信号光入力手段、40 全反射鏡、41 プリズム、50 空間フィルタ、60 信号光波面補正手段、70 薄膜偏光子、80 ダブルクラッド型平面光導波路、100 励起光、110 信号光、200 第1の境界面、201 第2の境界面、210 第1の端面、211 第2の端面、212 第3の端面、213 第4の端面
Claims (12)
- 下部第1クラッド層、コア層、上部第1クラッド層が順に積層され形成された平面光導波路であって、
前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成されるとともに、外部から入射された信号光を全反射して前記コア層を伝搬させる第1の端面と、
前記第1の端面と平行でなく、前記第1の端面に対向するとともに、前記コア層を伝播してきた前記信号光を、前記平面光導波路の外部上方又は前記平面光導波路の内部に全反射させる第2の端面と、
前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第3の端面と、
前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第4の端面と、を備えたことを特徴とする平面光導波路。 - 前記第2の端面は前記上部第1クラッド層の上面から前記下部第1クラッド層の下面にかけて傾斜して形成され、入射された前記信号光を前記平面光導波路の外部上方又は前記平面光導波路の内部に全反射させることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波路。
- 前記第2の端面は前記上部第1クラッド層と前記コア層との間の境界面と垂直に形成され、前記信号光を前記平面光導波路の内部に全反射させる信号光反射手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波路。
- 前記平面光導波路は六面体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の平面光導波路。
- 前記第1の端面には、前記入射される信号光のP偏光を反射し、S偏光を通過させる薄膜偏光子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の平面光導波路。
- 前記第3の端面と前記第4の端面には、内部で発生した自然放出光を除去する自然放出光除去手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の平面光導波路。
- 前記第2の端面は前記上部第1クラッド層と前記コア層との間の境界面と垂直に形成され、入射された励起光を透過させるとともに入射された前記信号光を反射させる二色性膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波路。
- 下部第2クラッド層、下部第1クラッド層、コア層、上部第1クラッド層、上部第2クラッド層が順に積層され形成された平面光導波路であって、
前記上部第2クラッド層の上面から前記下部第2クラッド層の下面にかけて傾斜して形成されるとともに、外部から入射された信号光を全反射して前記コア層を伝搬させる第1の端面と、
前記第1の端面と平行でなく、前記第1の端面に対向するとともに、前記コア層を伝播してきた前記信号光を、前記平面光導波路の外部上方又は前記平面光導波路の内部に全反射させる第2の端面と、
前記上部第2クラッド層の上面から前記下部第2クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第3の端面と、
前記上部第2クラッド層の上面から前記下部第2クラッド層の下面にかけて傾斜して形成された第4の端面と、を備えたことを特徴とする平面光導波路。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の平面光導波路と、
前記平面光導波路の上方に設けられ、前記平面光導波路から上方に全反射された信号光を全反射して前記平面光導波路に入射させる全反射手段と、を備えた光増幅器。 - 前記全反射手段は、前記信号光の断面の水平方向と垂直方向とを入れ替えて前記平面光導波路に入射させることを特徴とする請求項9に記載の光増幅器。
- 前記平面光導波路と前記全反射手段との間には、前記信号光の高次モードを除去するためのフィルタが設けられていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の光増幅器。
- 前記平面光導波路と前記全反射手段との間には、前記信号光の波面の曲率を補正するための信号光波面補正手段が設けられていることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の光増幅器。
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CN114336235A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-04-12 | 北京遥测技术研究所 | 一种中红外激光波导混合放大器 |
CN114336235B (zh) * | 2021-11-26 | 2023-08-11 | 北京遥测技术研究所 | 一种中红外激光波导混合放大器 |
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