JPWO2018073895A1 - 類似症例検索プログラム、類似症例検索装置および類似症例検索方法 - Google Patents

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Abstract

精度の高い類似症例分析結果を取得できるようにする。記憶部(11)は、分析結果と変数統計情報とをそれぞれ含む分析履歴(13a,13b,…)を記憶する。分析結果(14a)は、患者データ(17)に関して分析された病態進行状況または治療効果を示す。変数統計情報(15a)は、病態進行状況または治療効果の分析の際に参照された患者データ(18a,18b)に含まれる変数の値の分布を示す。処理部(12)は、患者データ(19)に含まれる変数の値と分析履歴(13a,13b,…)それぞれの変数統計情報が示す分布との比較に基づいて、分析履歴(13a,13b,…)のスコア(16a,16b,…)を算出する。処理部(12)は、スコア(16a,16b,…)に応じて分析履歴(13a,13b,…)のうち一部の分析履歴の分析結果を出力する。

Description

本発明は類似症例検索プログラム、類似症例検索装置および類似症例検索方法に関する。
情報処理技術の発達に伴い、医療分野では医師による患者の診療を支援する情報処理システムが用いられるようになっている。例えば、測定された検査値や採用された治療方法などを示す臨床情報を様々な患者についてデータベースに登録しておき、対象患者の臨床情報に類似する他の患者の臨床情報を類似症例としてデータベースから検索する情報処理システムが考えられる。類似症例を参照することで、病態進行の予測や治療方法の選択など、対象患者に対する医師の意思決定を支援することができる。
例えば、標準的な診療プロセスであるクリニカルパスを生成し提示するクリニカルパス運用支援システムが提案されている。提案のクリニカルパス運用支援システムは、データベースに登録された様々な症例を複数の症例グループに分類し、症例グループ毎にクリニカルパスを生成しておく。クリニカルパス運用支援システムは、対象患者の臨床情報に類似する症例グループを検索し、当該症例グループに対応するクリニカルパスを提示する。
また、例えば、類似症例の検索精度を向上させる類似症例検索装置が提案されている。提案の類似症例検索装置は、ユーザが入力した入力症例とデータベースに登録された各症例との類似性を第1の照合基準に従って判定し、入力症例に類似した類似症例の集合を抽出する。類似症例検索装置は、抽出した類似症例に関する特徴の統計情報を算出し、抽出した類似症例と統計情報とをユーザに提示する。類似症例検索装置は、ユーザから第2の照合基準の入力を受け付け、第2の照合基準に従って類似症例を絞り込む。
また、例えば、医療画像に基づいて対象患者の診療計画を策定することを支援する治療計画支援システムが提案されている。提案の治療計画支援システムは、対象患者の臨床情報に類似する類似症例を検索し、類似症例で撮像された医療画像をデータベースから抽出する。治療計画支援システムは、抽出した類似症例の医療画像に基づいて、対象患者の疾患部分の変化予測を示す予測医療画像を生成して表示する。
特開2003−331055号公報 特開2008−47154号公報 特開2011−508331号公報 特開2014−233611号公報
上記のように、情報処理システムがデータベースから類似症例を検索して分析することは、医師による対象患者の診療を支援する上で有用である。しかし、医療機関毎にデータベースを作成すると、ある医療機関(例えば、大規模病院)では蓄積される症例が多いのに対し、別の医療機関(例えば、小規模診療所)では蓄積される症例が少ないことがある。データベースに蓄積される症例が少ないと、類似症例分析の精度が低くなり分析結果の有用性が低下するおそれがある。一方で、ある医療機関で診療を受けた患者の臨床情報そのものを当該医療機関の外部に存在するデータベースに登録して共有することは、個人情報保護やセキュリティの観点から好ましくない場合がある。
1つの側面では、本発明は、精度の高い類似症例分析結果を取得できるようにする類似症例検索プログラム、類似症例検索装置および類似症例検索方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、コンピュータに以下の処理を実行させる類似症例検索プログラムが提供される。第1の患者の患者データに関して分析された病態進行状況または治療効果を示す分析結果と、病態進行状況または治療効果の分析の際に参照された複数の第2の患者の患者データに含まれる変数の値の分布を示す変数統計情報と、をそれぞれ含む複数の分析履歴を取得する。第3の患者の患者データの指定を受け付ける。第3の患者の患者データに含まれる変数の値と複数の分析履歴それぞれの変数統計情報が示す変数の値の分布との比較に基づいて、複数の分析履歴それぞれのスコアを算出し、スコアに応じて複数の分析履歴のうち一部の分析履歴の分析結果を出力する。
また、1つの態様では、記憶部と処理部とを有する類似症例検索装置が提供される。また、1つの態様では、コンピュータが実行する類似症例検索方法が提供される。
1つの側面では、精度の高い類似症例分析結果を取得できる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態の類似症例検索装置の例を示す図である。 第2の実施の形態の情報処理システムの例を示す図である。 サーバ装置のハードウェア例を示すブロック図である。 サーバ装置の機能例を示すブロック図である。 臨床情報テーブルの例を示す図である。 関連変数テーブルの例を示す図である。 病態進行予測テーブルの例を示す図である。 症例統計テーブルの例を示す図である。 病態進行グラフの例を示す図である。 治療効果予測テーブルの例を示す図である。 治療別症例統計テーブルの例を示す図である。 治療効果グラフの例を示す図である。 検索結果画面の例を示す図である。 類似症例検索の手順例を示すフローチャートである。 類似症例検索の手順例を示すフローチャート(続き)である。 分析結果再利用の手順例を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態の類似症例検索装置の例を示す図である。
第1の実施の形態の類似症例検索装置10は、医師による患者の診療を支援する情報処理システムに用いられる。特に、類似症例検索装置10は、対象患者の患者データに類似する他の患者の患者データを参照して得られる知見を活用できるようにする。
例えば、類似症例検索装置10は、以下のような場面において使用される。大規模病院など蓄積した症例が多い医療機関では、対象患者の患者データに類似する他の患者の患者データ(類似症例)をデータベースから検索し、検索された類似症例を参照して対象患者の診療に有用な分析結果を得ることができる。分析結果には、対象患者の病態進行予測に関する情報や、ある治療方法を選択した場合の治療効果予測に関する情報などが含まれることもある。しかし、小規模診療所など蓄積した症例が少ない医療機関では、このような類似症例分析の精度が低くなり分析結果の有用性が低下するおそれがある。その一方で、ある医療機関で作成された患者データそのものを他の医療機関と共有することは、個人情報保護やセキュリティの観点から難しい場合がある。
そこで、類似症例検索装置10は、患者データそのものは共有せず、ある医療機関で行われた類似症例分析の分析履歴を他の医療機関と共有できるようにする。そして、類似症例検索装置10は、蓄積した症例が少ない医療機関においても、共有される分析履歴の中から対象患者の患者データに適合する分析履歴を検索して参照できるようにする。
類似症例検索装置10は、記憶部11および処理部12を有する。記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性半導体メモリでもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性ストレージでもよい。処理部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサである。ただし、処理部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの特定用途の電子回路を含んでもよい。プロセッサは、RAMなどのメモリに記憶されたプログラムを実行する。プログラムには、後述する処理を実行させる類似症例検索プログラムが含まれる。複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または「プロセッサ」と言うこともある。
記憶部11は、分析履歴13a,13bを含む複数の分析履歴を記憶する。複数の分析履歴はそれぞれ、分析結果と変数統計情報とを含む。分析結果は、対象患者の患者データに関して分析された病態進行状況または治療効果を示す。変数統計情報は、病態進行状況または治療効果を分析する際に参照された他の患者の患者データに含まれる変数の値の分布を示す。変数統計情報は、変数の値の最大値・最小値・平均・中央値・標準偏差などを示してもよい。また、その変数が有限個の離散的な値をとる場合、変数統計情報は、各値の出現割合を示してもよい。分析履歴13aは、分析結果14aおよび変数統計情報15aを含む。分析履歴13bは、分析結果14bおよび変数統計情報15bを含む。
記憶部11に記憶される複数の分析履歴は、類似症例検索装置10の外部から取得される。例えば、これら複数の分析履歴は、大規模病院など蓄積した症例が多い医療機関の装置によって生成される。一例として、分析履歴13aは以下のようにして生成される。
ある医療機関では、その医療機関が保持するデータベースから、対象患者の患者データ17に類似する類似症例として患者データ18a,18bなどが検索される。患者データ17,18a,18bはそれぞれ変数の値を含む。変数には、年齢や性別などの患者の属性項目や、血糖値や血圧などの検査項目が含まれ得る。患者データ18a,18bは、患者データ17との間の変数の値の類似性に基づいて検索される。分析結果14aは、上記データベースを保持する医療機関において、患者データ18a,18bなどを参照して生成される。変数統計情報15aは、上記データベースを保持する医療機関において、患者データ18a,18bなどに含まれる変数の値を統計処理して生成される。分析履歴13aには、患者データ17,18a,18bの内容そのものは含まれない。
処理部12は、別の対象患者の患者データ19の指定を受け付ける。患者データ19は、分析履歴13a,13bなどを生成した医療機関とは異なる医療機関から指定され、例えば、小規模診療所など蓄積した症例が少ない医療機関から指定される。類似症例検索装置10は、患者データ19を指定する医療機関の外部に設置されていてもよいし、患者データ19を指定する医療機関が保持していてもよい。類似症例検索装置10は、例えば、小規模診療所が保持する装置から患者データ19を受信する。
患者データ19は、患者データ17,18a,18bなどと同様に変数の値を含む。処理部12は、患者データ19の変数の値と記憶部11に記憶された複数の分析履歴それぞれの変数統計情報が示す分布とを比較する。例えば、処理部12は、患者データ19の変数の値が各変数統計情報が示す分布の範囲内に入っているか判定する。処理部12は、比較結果に基づいて、各分析履歴のスコアを算出する。分析履歴13aに対してはスコア16aが算出され、分析履歴13bに対してはスコア16bが算出される。
処理部12は、算出したスコアに応じて、記憶部11に記憶された複数の分析履歴のうち一部の分析履歴を選択し、選択した分析履歴に含まれる分析結果を出力する。例えば、処理部12は、スコアが閾値以上である分析履歴の分析結果またはスコアが高い方から所定個の分析履歴の分析結果を出力する。分析履歴13aのスコアが最も高い場合、少なくとも分析結果14aが出力される。出力された分析結果は、例えば、患者データ19に対する応答として患者データ19を指定した装置に送信される。
第1の実施の形態の類似症例検索装置10によれば、過去の類似症例分析で生成された分析結果に対して、その際に参照された類似症例の特徴を示す変数統計情報が付加されて分析履歴として蓄積される。そして、対象患者の患者データと変数統計情報とが比較され、対象患者に適合する過去の分析結果が抽出される。
これにより、手元のデータベースに十分な症例が蓄積されていなくても、精度の高い分析結果を取得できるようになる。例えば、蓄積した症例が多い医療機関で行われた類似症例分析の分析結果のうち別の対象患者に適合する分析結果を、蓄積した症例が少ない医療機関が取得することが可能となる。また、各分析履歴には、その分析履歴を生成した際に使用された対象患者の患者データや類似症例の患者データそのものは含まれない。よって、ある医療機関で作成された患者データそのものを当該医療機関の外部に提供しなくてよく、個人情報保護やセキュリティを向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を説明する。
図2は、第2の実施の形態の情報処理システムの例を示す図である。
第2の実施の形態の情報処理システムは、医師による患者の診療を支援する医療用情報処理システムである。この情報処理システムは、個人情報保護やセキュリティを考慮しつつ、複数の医療機関の間で有用な情報を共有できるようにする。
第2の実施の形態の情報処理システムは、端末装置31,41およびサーバ装置100,200を含む。端末装置31およびサーバ装置100は、医療機関30に設置されている。端末装置41は、医療機関40に設置されている。サーバ装置200は、データセンタなど医療機関30,40の外部の施設に設置されている。端末装置41やサーバ装置100は、ネットワーク50を介してサーバ装置200にアクセスすることができる。ネットワーク50は、例えば、インターネットなどの広域データネットワークである。
医療機関30は、例えば、大規模病院など多数の患者の臨床情報を保持している医療機関である。端末装置31は、医療機関30内で医師などの医療従事者が使用する端末装置であり、例えば、クライアントコンピュータである。端末装置31は、医療機関30のローカルネットワークを介してサーバ装置100にアクセスすることができる。サーバ装置100は、医療機関30で診療を受けている患者の臨床情報を格納したデータベースを管理するサーバ装置であり、例えば、サーバコンピュータである。
サーバ装置100は、端末装置31からの要求に応じて類似症例分析を行う。類似症例分析では、サーバ装置100は、端末装置31から対象患者の指定を受け付ける。すると、サーバ装置100は、対象患者の臨床情報に類似する他の患者の臨床情報を類似症例として、サーバ装置100のデータベースから検索する。サーバ装置100は、類似症例を参照して対象患者の今後の病態進行および治療効果を予測し、予測結果を端末装置31に提供する。これにより、対象患者に対する治療方法の選択などの意思決定を支援することができる。また、サーバ装置100は、類似症例分析を行う毎に、病態進行予測結果や治療効果予測結果をサーバ装置200に送信する。サーバ装置100とサーバ装置200との間の通信は、暗号処理技術によって保護されていてもよい。
医療機関40は、例えば、小規模診療所など医療機関30と比べて少数の患者の臨床情報を保持している医療機関である。端末装置41は、医療機関40内で医師などの医療従事者が使用する端末装置であり、例えば、クライアントコンピュータである。端末装置41は、医療機関40で診療を受けている患者の臨床情報を記憶する。ただし、医療機関30と同様にサーバ装置が臨床情報のデータベースを管理してもよい。
ここで、医療機関40では蓄積している臨床情報が少ないため、医療機関40が保持する臨床情報のみを用いて医療機関30と同様の類似症例分析を行っても、病態進行予測結果や治療効果予測結果の精度が低くなるおそれがある。そこで、端末装置41は、医療機関40で診療を受けている対象患者に適合する可能性の高い病態進行予測結果や治療効果予測結果を、サーバ装置200から取得する。すなわち、第2の実施の形態の情報処理システムは、サーバ装置200を介して、医療機関30で生成された病態進行予測結果や治療効果予測結果を再利用できるようにする。これにより、医療機関40の対象患者についても治療方法の選択などの意思決定を支援することができる。
なお、サーバ装置200は、第1の実施の形態の類似症例検索装置10に対応する。第2の実施の形態で説明する「臨床情報」は、第1の実施の形態の患者データに対応する。
次に、サーバ装置100,200のハードウェアおよびソフトウェアを説明する。
図3は、サーバ装置のハードウェア例を示すブロック図である。
サーバ装置100は、CPU101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、媒体リーダ106および通信インタフェース107を有する。サーバ装置100が有する上記ユニットは、バスに接続されている。
CPU101は、プログラムの命令を実行する演算回路を含むプロセッサである。CPU101は、HDD103に記憶されたプログラムやデータの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを備えてもよく、サーバ装置100は複数のプロセッサを備えてもよく、以下で説明する処理を複数のプロセッサまたはプロセッサコアを用いて並列に実行してもよい。また、複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または「プロセッサ」と言うことがある。
RAM102は、CPU101が実行するプログラムやCPU101が演算に用いるデータを一時的に記憶する揮発性の半導体メモリである。なお、サーバ装置100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
HDD103は、OS(Operating System)やミドルウェアやアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアのプログラム、および、データを記憶する不揮発性の記憶装置である。なお、サーバ装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の種類の記憶装置を備えてもよく、複数の不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部104は、CPU101からの命令に従って、サーバ装置100に接続されたディスプレイ104aに画像を出力する。ディスプレイ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど様々な種類のディスプレイを用いることができる。
入力信号処理部105は、サーバ装置100に接続された入力デバイス105aから入力信号を取得し、CPU101に出力する。入力デバイス105aとしては、マウスやタッチパネルやタッチパッドやトラックボールなどのポインティングデバイス、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチなどを用いることができる。また、サーバ装置100に、複数の種類の入力デバイスが接続されていてもよい。
媒体リーダ106は、記録媒体106aに記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体106aとして、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
媒体リーダ106は、例えば、記録媒体106aから読み取ったプログラムやデータを、RAM102やHDD103などの他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、例えば、CPU101によって実行される。なお、記録媒体106aは可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体106aやHDD103を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
通信インタフェース107は、ネットワーク50に接続され、ネットワーク50を介して他の装置と通信を行うインタフェースである。通信インタフェース107は、好ましくは、スイッチなどの通信装置とケーブルで接続される有線通信インタフェースである。ただし、基地局と無線リンクで接続される無線通信インタフェースを用いてもよい。
なお、端末装置31,41やサーバ装置200も、サーバ装置100と同様のハードウェアを用いて実装することができる。サーバ装置200が有するCPUは、第1の実施の形態で説明した処理部12に対応する。サーバ装置200が有するRAMまたはHDDは、第1の実施の形態で説明した記憶部11に対応する。
図4は、サーバ装置の機能例を示すブロック図である。
サーバ装置100は、臨床情報データベース111、関連変数記憶部112、類似症例検索部113、病態進行予測部114、治療効果予測部115、病態進行ライブラリ生成部116および治療効果ライブラリ生成部117を有する。臨床情報データベース111および関連変数記憶部112は、例えば、RAM102またはHDD103に確保した記憶領域を用いて実装される。類似症例検索部113、病態進行予測部114、治療効果予測部115、病態進行ライブラリ生成部116および治療効果ライブラリ生成部117は、例えば、CPU101が実行するプログラムモジュールを用いて実装される。
臨床情報データベース111は、複数の患者それぞれの臨床情報を記憶する。臨床情報は、医師などの医療従事者によって入力される。各患者の臨床情報は、複数の変数の値を含む。変数としては、性別や年齢など患者の属性を示す属性項目、血糖値や血圧など測定または診断によって値が得られる検査項目、治療方法の採用の有無を示す項目、無再発期間など患者の病態変化を示す項目などが存在する。
関連変数記憶部112は、2つの変数の間の関連性を示す関連変数情報を記憶する。2つの変数の間の関連性は、一方の変数がとる値と他方の変数がとる値との間の相関関係から判断することができる。相関関係が強いほど関連性が大きいと言える。ある変数にとって、関連性の大きい他の変数のことを関連変数と言うことができる。ある変数に対して何れの変数が関連変数になるかは、各変数の性質から予め定義しておいてもよい。また、ある変数に対して何れの変数が関連変数になるかは、サーバ装置100が、臨床情報データベース111に記憶された臨床情報を分析することで判定してもよい。
臨床情報から2つの変数の間の関連性を判定するアルゴリズムとしては、各変数が有限個の離散的値をとるか否かに応じて適切なアルゴリズムが選択される。一例として、以下のようなアルゴリズムを使用することができる。Pearsonのカイ二乗検定。Fisherの直接確率検定。Mann−Whitney−Wilcoxon検定。Studentのt検定。Welchのt検定。Kruskal−Wallis検定。分散分析(ANOVA:Analysis Of Variance)。Kendallの順位相関係数を用いる方法。Spearmanの順位相関係数を用いる方法。Pearsonの積率相関係数を用いる方法。MIC(Maximal Information Coefficient)を用いる方法。上記のようなアルゴリズムによって、関連性の指標値としてp値または相関係数が算出される。関連性の指標値が所定の閾値または入力された閾値以上である変数の組が、関連性が大きいと判定される。
類似症例検索部113は、端末装置31からの要求に応じて、臨床情報データベース111から対象患者の臨床情報に類似する類似症例を検索する。このとき、類似症例検索部113は、対象患者の指定と併せて変数の指定を端末装置31から受け付ける。類似症例検索部113は、関連変数記憶部112に記憶された関連変数情報を参照して、指定された変数に対応する関連変数を特定し、指定された変数とその関連変数を選択する。
類似症例検索部113は、各臨床情報に含まれる様々な変数の値のうち選択した変数の値のみを用いて、対象患者の臨床情報との間の類似度を算出する。これは、各臨床情報には対象患者の疾患に関係しない雑多な変数の値が含まれているため、全ての変数の値を用いて類似度を算出するとその精度が低下するおそれがあるためである。医師などの医療従事者は、対象患者の疾患に関係する1以上の変数を選択することで、着目する疾患の観点から類似症例を見つけることができる。ただし、類似度の算出に使用する変数の全てを医療従事者が明示的に指定することは煩雑であるため、指定された変数に関連する関連変数が検索されて関連変数も類似度の算出に使用される。
類似度としては、例えば、Pearsonの積率相関係数、Kendallの順位相関係数、Spearmanの順位相関係数、コサイン類似度、MICなどを用いることができる。選択された変数の値が対象患者のものに近い臨床情報ほど類似度は高くなる。そして、類似症例検索部113は、類似度が所定の閾値または端末装置31から入力された閾値以上である臨床情報を、対象患者の臨床情報に類似する類似症例に分類する。一方、類似症例検索部113は、他の臨床情報を比較症例に分類する。
病態進行予測部114は、類似症例の集合と比較症例の集合とを対比して分析することで、対象患者の今後の病態進行を予測した病態進行予測結果を生成する。病態進行の予測には、類似症例および比較症例に含まれる病態変化に関する変数の値を使用する。以降説明する例では、病態変化に関する変数として、治療開始日や完治日などの基準日から疾患が再発せずに経過した日数である無再発期間を使用するものとする。
病態進行予測結果には、後述する病態進行グラフと予測予後が含まれる。病態進行グラフは、類似症例に対応する曲線と比較症例に対応する曲線とを含む。類似症例に対応する曲線上の座標(x,y)は、類似症例のうち基準日からx日経過した時点で疾患が再発していない症例の割合がy%であることを示している。比較症例に対応する曲線上の座標(x,y)は、比較症例のうち基準日からx日経過した時点で疾患が再発していない症例の割合がy%であることを示している。この2つの曲線は単調減少曲線である。予測予後は、対象患者の予後が「良好」、「不良」、「不明」の何れであるか予測した結果である。類似症例の無再発期間が比較症例より有意に長い場合、予測予後は「良好」になる。類似症例の無再発期間が比較症例より有意に短い場合、予測予後は「不良」になる。類似症例と比較症例の間に無再発期間の有意な差がない場合、予測予後は「不明」になる。病態進行予測部114は、病態進行予測結果を端末装置31に送信して表示させる。
治療効果予測部115は、端末装置31から治療方法に関する1以上の変数の指定を受け付ける。すると、治療効果予測部115は、指定された変数の値に基づいて各類似症例がどの様な治療方法を採用しているか判定し、類似症例を治療方法に応じて複数のグループに分類する。分類基準として使用する治療方法の変数は、医師などの医療従事者が選択することになる。そして、治療効果予測部115は、グループ毎に、当該グループに属する類似症例と他の類似症例とを対比して分析することで、その治療方法を選択した場合の対象患者の今後の病態進行を予測した治療効果予測結果を生成する。
治療効果の予測には、類似症例に含まれる病態変化に関する変数の値を使用する。以降説明する例では無再発期間を使用するものとする。治療効果予測結果には、後述する治療効果グラフと治療方法毎の予測予後が含まれる。治療効果グラフは、複数の治療方法に対応する複数の曲線を含む。ある治療方法に対応する曲線上の座標(x,y)は、その治療方法が採用された類似症例のうち基準日からx日経過した時点で疾患が再発していない症例の割合がy%であることを示している。各曲線は単調減少曲線である。予測予後は、ある治療方法を採用した場合の対象患者の予後が「良好」、「不良」、「不明」の何れであるか予測した結果である。ある治療方法に対応する予後を予測するために使用する比較症例は、それ以外の治療方法を採用した類似症例である。治療効果予測部115は、治療効果予測結果を端末装置31に送信して表示させる。
病態進行ライブラリ生成部116は、病態進行予測部114が病態進行予測結果を生成するために使用した類似症例の統計情報を生成する。統計情報は、類似症例検索部113が類似度の算出に使用した変数(端末装置31から指定された変数およびその関連変数)それぞれについて、類似症例の間の値の分布を示す。変数の値の分布は、最大値・最小値・平均・標準偏差・中央値などによって表現されることがある。また、変数の値の分布は、各値の出現割合によって表現されることがある。そして、病態進行ライブラリ生成部116は、病態進行予測部114が生成した病態進行予測結果とその統計情報を対応付けて、病態進行予測ライブラリの情報としてサーバ装置200に送信する。
治療効果ライブラリ生成部117は、治療方法に対応するグループ毎に、治療効果予測部115が治療効果予測結果を生成するために使用した類似症例の統計情報を生成する。統計情報は、類似症例検索部113が類似度の算出に使用した変数それぞれについて、各グループに属する類似症例の間の値の分布を示す。そして、治療効果ライブラリ生成部117は、治療効果予測部115が生成した治療効果予測結果とその統計情報を対応付けて、治療効果予測ライブラリの情報としてサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200は、ライブラリ記憶部211、ライブラリ登録部212、病態進行ライブラリ検索部213および治療効果ライブラリ検索部214を有する。ライブラリ記憶部211は、例えば、サーバ装置200が有するRAMまたはHDDに確保した記憶領域を用いて実装される。ライブラリ登録部212、病態進行ライブラリ検索部213および治療効果ライブラリ検索部214は、例えば、サーバ装置200が有するCPUが実行するプログラムモジュールを用いて実装される。
ライブラリ記憶部211は、病態進行予測ライブラリおよび治療効果予測ライブラリを記憶する。病態進行予測ライブラリは、何れかの医療機関(医療機関30またはこれに相当する他の医療機関)で生成された病態進行予測結果と当該病態進行予測結果の生成時に参照された類似症例の統計情報との組を蓄積したものである。治療効果予測ライブラリは、何れかの医療機関で生成された治療効果予測結果と当該治療効果予測結果の生成時に参照された類似症例の統計情報との組を蓄積したものである。病態進行予測ライブラリおよび治療効果予測ライブラリには、対象患者の臨床情報そのものや参照された類似症例そのものなど患者個人を特定できるような情報は含まれない。
ライブラリ登録部212は、サーバ装置100(または、他の医療機関のサーバ装置)から、類似症例分析の履歴として統計情報が付加された病態進行予測結果を受信する。すると、ライブラリ登録部212は、病態進行予測結果をライブラリ記憶部211内の病態進行予測ライブラリに追加する。また、ライブラリ登録部212は、サーバ装置100(または、他の医療機関のサーバ装置)から、類似症例分析の履歴として統計情報が付加された治療効果予測結果を受信する。すると、ライブラリ登録部212は、治療効果予測結果をライブラリ記憶部211内の治療効果予測ライブラリに追加する。
病態進行ライブラリ検索部213は、端末装置41(または、他の端末装置)から対象患者の臨床情報を取得する。すると、病態進行ライブラリ検索部213は、ライブラリ記憶部211内の病態進行予測ライブラリに含まれる統計情報と対象患者の臨床情報に含まれる変数の値とを比較して、各病態進行予測結果の一致率を算出する。病態進行ライブラリ検索部213は、病態進行予測ライブラリに含まれる病態進行予測結果を一致率の降順にソートし、一致率が大きい方から所定数の病態進行予測結果または一致率が閾値以上の病態進行予測結果を抽出する。病態進行ライブラリ検索部213は、抽出した病態進行予測結果のリストを端末装置41(または、他の端末装置)に対して出力する。
治療効果ライブラリ検索部214は、端末装置41(または、他の端末装置)から対象患者の臨床情報を取得する。すると、治療効果ライブラリ検索部214は、ライブラリ記憶部211内の治療効果予測ライブラリに含まれる統計情報と対象患者の臨床情報に含まれる変数の値とを比較して、各治療効果予測結果の一致率を算出する。治療効果ライブラリ検索部214は、治療効果予測ライブラリに含まれる治療効果予測結果を一致率の降順にソートし、一致率が大きい方から所定数の治療効果予測結果または一致率が閾値以上の治療効果予測結果を抽出する。治療効果ライブラリ検索部214は、抽出した治療効果予測結果のリストを端末装置41(または、他の端末装置)に対して出力する。
なお、端末装置41などから取得する対象患者の臨床情報には、医療機関40の医師などの医療従事者が指定した変数の値のみが含まれる。一方、各病態進行予測結果および治療効果予測結果に付加された統計情報は、類似症例の検索に使用された変数についての分布のみ示している。そこで、一致率を算出するにあたっては、対象患者の臨床情報と統計情報とに共通して存在する変数について値を比較することになる。
図5は、臨床情報テーブルの例を示す図である。
臨床情報テーブル121は、臨床情報データベース111に記憶されている。臨床情報テーブル121は、患者IDの項目および複数の変数を有する。変数には、患者の属性を示す変数、測定または診断により得られる検査値を示す変数、治療方法を示す変数、病態変化を示す変数などが含まれる。属性を示す変数の例として、臨床情報テーブル121は性別および年齢の項目を有する。検査値を示す変数の例として、臨床情報テーブル121は運動頻度、HbA1cおよびeGFRの項目を有する。治療方法を示す変数の例として、臨床情報テーブル121はインスリン治療およびGLP1治療の項目を有する。病態変化を示す変数の例として、臨床情報テーブル121は無再発期間の項目を有する。
患者IDの項目には、患者の識別情報が登録される。性別の項目には、「男性」または「女性」が登録される。年齢の項目には、年齢を示す非負整数が登録される。運動頻度の項目には、運動の頻度を示す「少ない」、「普通」または「多い」が登録される。HbA1cの項目には、血液中のブドウ糖が結合したヘモグロビンの濃度を示す非負実数が登録される。eGFRの項目には、腎臓の老廃物排出能力を示す非負実数が登録される。
インスリン治療の項目には、治療方法としてインスリン注射が行われているか否かを示すフラグが登録される。「1」はインスリン注射が行われていることを示し、「0」はインスリン注射が行われていないことを示す。GLP1治療の項目には、治療方法としてGLP1注射が行われているか否かを示すフラグが登録される。「1」はGLP1注射が行われていることを示し、「0」はGLP1注射が行われていないことを示す。なお、治療方法としてインスリン注射とGLP1注射が併用されることもある。無再発期間の項目には、基準日から疾患が再発せずに経過した日数が登録される。
ここで、臨床情報に含まれる様々な変数は、比例尺度、間隔尺度、順序尺度および名義尺度に分類することができる。比例尺度は、2つの値(例えば、同じ患者の異なる時点の値)を比較するにあたり、両者の差だけでなく両者の比にも意味のある変数である。比例尺度の例として体重が挙げられる。間隔尺度は、2つの値を比較するにあたり、両者の差のみに意味があり両者の比には意味がない変数である。間隔尺度の例として体温が挙げられる。順序尺度は、2つの値を比較するにあたり、両者の大小関係のみに意味があり両者の差や比には意味がない変数である。順序尺度の例として疾患の進行度を示すステージが挙げられる。名義尺度は、単なる区分を示しており異なる値を比較することに意味がない変数である。名義尺度の例として血液型が挙げられる。
図6は、関連変数テーブルの例を示す図である。
関連変数テーブル122は、関連変数記憶部112に記憶されている。関連変数テーブル122は、変数および関連変数の項目を有する。変数の項目には、類似症例を検索する際に端末装置31から指定されることのある変数の変数名が登録される。関連変数の項目には、指定された変数に関連する1以上の他の変数の変数名が登録される。前述のように、変数と関連変数との対応は、各変数の性質に基づいて人手で定義することもできるし、臨床情報テーブル121を分析することでサーバ装置100が算出することもできる。
図7は、病態進行予測テーブルの例を示す図である。
病態進行予測テーブル221は、ライブラリ記憶部211に記憶されている。病態進行予測テーブル221の内容は、病態進行予測ライブラリに相当する。病態進行予測テーブル221は、分析ID、変数選択数、類似症例数、比較症例数、類似症例の中央値、比較症例の中央値、p値、予測予後およびグラフの項目を有する。
分析IDの項目には、実行された類似症例分析を識別する識別情報が登録される。変数選択数の項目には、類似症例を検索する際に選択された変数(指定された変数およびその関連変数)の数が登録される。類似症例数の項目には、対象患者の臨床情報に類似すると判定された類似症例の数が登録される。比較症例数の項目には、類似症例以外の症例(対象患者の臨床情報に類似しないと判定された症例)である比較症例の数が登録される。
類似症例の中央値の項目には、類似症例の無再発期間の中央値が登録される。類似症例の無再発期間の中央値は、類似症例を無再発期間の昇順または降順にソートしたときに、上から50%の順位(例えば、類似症例数が100である場合は50番目)の類似症例の無再発期間である。比較症例の中央値の項目には、比較症例の無再発期間の中央値が登録される。比較症例の無再発期間の中央値は、比較症例を無再発期間の昇順または降順にソートしたときに、上から50%の順位の類似症例の無再発期間である。
p値の項目には、症例が属するグループ(症例が類似症例であるか比較症例であるか)とその症例の無再発期間との間の相関関係を示す指標値が登録される。p値は0以上1以下の実数である。類似症例と比較症例の間で無再発期間に有意な差があるほどp値は小さくなる。予測予後の項目には、予後として「良好」、「不良」および「不明」の何れかが登録される。グラフの項目には、後述する病態進行グラフを示す画像が登録される。
予後は以下のように予測することができる。p値が閾値(例えば、0.05)以下であり、かつ、類似症例の中央値が比較症例の中央値より大きい場合、予後は「良好」であると予測される。p値が閾値以下であり、かつ、類似症例の中央値が比較症例の中央値以下である場合、予後は「不良」であると予測される。p値が閾値より大きい場合、予後は「不明」であると予測される。すなわち、対象患者に類似する症例の無再発期間が他の症例よりも有意に長い場合、予後は良好である。また、対象患者に類似する症例の無再発期間が他の症例よりも有意に短い場合、予後は不良である。
図8は、症例統計テーブルの例を示す図である。
症例統計テーブル222は、病態進行予測テーブル221と関連付けられてライブラリ記憶部211に記憶されている。症例統計テーブル222は、分析ID、変数名、変数タイプおよび分布の項目を有する。分析IDの項目には、病態進行予測テーブル221の何れかのレコードに対応する分析IDが登録される。変数名の項目には、類似症例の検索の際に選択された変数の名称が登録される。変数タイプの項目には、変数の種類として「比例尺度」、「間隔尺度」、「順序尺度」および「名義尺度」の何れかが登録される。変数タイプは変数名から判断することができる。サーバ装置100またはサーバ装置200は、変数名と変数タイプの対応関係を示す情報を保持していてもよい。
分布の項目には、類似症例に含まれる変数の値の分布を特定するための情報が登録される。変数タイプが比例尺度または間隔尺度である変数については、最大値・最小値・平均・標準偏差・中央値などが登録される。第1四分位数(分布の下から25%に位置する値)や第3四分位数(分布の下から75%に位置する値)などが更に登録されてもよい。例えば、HbA1cについて、最大値max=13、最小値min=7、平均μ=8.77、標準偏差σ=0.65が分布情報として登録される。変数タイプが順序尺度または名義尺度である変数については、各値の出現割合が登録される。例えば、性別について、男性=70%、女性=30%が分布情報として登録される。
症例統計テーブル222に登録された統計情報は、病態進行予測ライブラリを利用する際に対象患者の臨床情報と比較される。病態進行ライブラリ検索部213は、統計情報と対象患者の臨床情報とに共通して現れる変数毎に一致率を算出する。
変数タイプが比例尺度または間隔尺度である変数については、病態進行ライブラリ検索部213は、対象患者の値が統計情報の分布が示す範囲に属しているか判定する。例えば、病態進行ライブラリ検索部213は、対象患者の値が最大値と最小値の間に収まっているか判定する。ただし、分布中の異常値が除去されるように、標準偏差などを用いて基準上限値と基準下限値を決定し、対象患者の値が基準上限値と基準下限値の間に収まっているか判定してもよい。対象患者の値が統計情報の分布が示す範囲に属している場合はその変数の一致率が「1」になり、属していない場合はその変数の一致率が「0」になる。
変数タイプが順序尺度または名義尺度である変数については、病態進行ライブラリ検索部213は、対象患者の値に対応する出現割合をその変数の一致率とみなす。例えば、図8に示すように性別の分布が男性=70%、女性=30%である場合、性別が男性である対象患者にとっての一致率は「0.7」となる。
そして、病態進行ライブラリ検索部213は、統計情報と対象患者の臨床情報とに共通して現れる各変数の一致率から、その統計情報に対応する病態進行予測結果と対象患者の臨床情報との間の全体の一致率を算出する。全体の一致率を算出する算出式の分子は、変数毎の一致率の合計である。全体の一致率を算出する算出式の分母は、統計情報に現れる変数の数(すなわち、病態進行予測テーブル221に記載された変数選択数)と対象患者の臨床情報に含まれる変数の数のうち何れか大きい方である。
図9は、病態進行グラフの例を示す図である。
病態進行グラフ223は、病態進行予測テーブル221のグラフの項目に登録される病態進行グラフの一例である。前述のように、病態進行グラフ223の横軸は無再発期間であり、病態進行グラフ223の縦軸は症例割合である。病態進行グラフ223は、類似症例に対応する単調減少の曲線と比較症例に対応する単調減少の曲線とを含む。類似症例に対応する曲線上の座標(x,y)は、類似症例のうち無再発期間がx日以上である症例の割合がyであることを示している。比較症例に対応する曲線上の座標(x,y)は、比較症例のうち無再発期間がx日以上である症例の割合がyであることを示している。図9の例では、類似症例の無再発期間は比較症例と比べて有意に短い。
図10は、治療効果予測テーブルの例を示す図である。
治療効果予測テーブル224は、ライブラリ記憶部211に記憶されている。治療効果予測テーブル224の内容は、治療効果予測ライブラリに相当する。治療効果予測テーブル224は、分析ID、治療方法、変数選択数、類似症例数、比較症例数、類似症例の中央値、比較症例の中央値、p値、予測予後およびグラフの項目を有する。
分析IDは病態進行予測テーブル221と同様である。治療方法の項目には、採用された治療方法の名称、すなわち、治療方法に応じて類似症例を分類したときの各グループ(治療方法グループ)の名称が登録される。変数選択数は病態進行予測テーブル221と同様である。類似症例数の項目には、その治療方法グループに属する症例の数が登録される。比較症例数の項目には、対象患者の臨床情報から検索された類似症例のうち、当該治療方法グループに属さない症例(他の治療方法グループに属する症例)の数が登録される。
類似症例の中央値の項目には、その治療方法グループに属する症例の無再発期間の中央値が登録される。比較症例の中央値の項目には、他の治療方法グループに属する症例の無再発期間の中央値が登録される。p値の項目には、症例がその治療方法グループに属するか否かと無再発期間との間の相関関係を示す指標値が登録される。その治療方法グループと他の治療方法グループの間で無再発期間に有意な差があるほどp値は小さくなる。予測予後の項目には、その治療方法を採用した場合に予測される予後が登録される。グラフの項目には、後述する治療効果グラフを示す画像が登録される。
図11は、治療別症例統計テーブルの例を示す図である。
治療別症例統計テーブル225は、治療効果予測テーブル224と関連付けられてライブラリ記憶部211に記憶されている。治療別症例統計テーブル225は、分析ID、治療方法、変数名、変数タイプおよび分布の項目を有する。分析IDの項目には、治療効果予測テーブル224の何れかのレコードに対応する分析IDが登録される。治療方法の項目には、治療効果予測テーブル224の何れかのレコードに対応する治療方法が登録される。変数名および変数タイプは症例統計テーブル222と同様である。
分布の項目には、その治療方法グループに属する症例に含まれる変数の値の分布を示す情報が登録される。治療別症例統計テーブル225に登録された統計情報は、治療効果予測ライブラリを利用する際に対象患者の臨床情報と比較される。治療効果ライブラリ検索部214は、統計情報と対象患者の臨床情報とに共通して現れる変数毎に一致率を算出する。変数タイプが比例尺度または間隔尺度である変数については、対象患者の値が統計情報の分布が示す範囲に属している場合は一致率が「1」になり、属していない場合は一致率が「0」になる。変数タイプが順序尺度または名義尺度である変数については、対象患者の値に対応する出現割合をその変数の一致率とみなす。
そして、治療効果ライブラリ検索部214は、統計情報と対象患者の臨床情報とに共通して現れる各変数の一致率から、その統計情報に対応する治療効果予測結果と対象患者の臨床情報との間の全体の一致率を算出する。全体の一致率を算出する算出式の分子は、変数毎の一致率の合計である。全体の一致率を算出する算出式の分母は、統計情報に現れる変数の数(すなわち、治療効果予測テーブル224に記載された変数選択数)と対象患者の臨床情報に含まれる変数の数のうち何れか大きい方である。なお、1つの治療効果予測結果は、1つの治療方法グループについての予測結果であり、分析IDと治療方法の組によって特定される治療効果予測テーブル224の1つのレコードに対応する。
図12は、治療効果グラフの例を示す図である。
治療効果グラフ226は、治療効果予測テーブル224のグラフの項目に登録される治療効果グラフの一例である。前述のように、治療効果グラフ226の横軸は無再発期間であり、治療効果グラフ226の縦軸は症例割合である。治療効果グラフ226は、複数の治療方法グループに対応する複数の単調減少の曲線を含む。ある治療方法グループに対応する曲線上の座標(x,y)は、その治療方法グループに属する症例のうち無再発期間がx日以上である症例の割合がyであることを示している。
図9に示した治療効果グラフ226は、インスリン注射とGLP1注射を併用する治療方法、インスリン注射のみ行う治療方法、GLP1注射のみ行う治療方法、および、インスリン注射もGLP1注射も行わない治療方法(経過観察)の効果を示している。図9の例では、インスリン注射とGLP1注射を併用した場合の無再発期間が最も長い。また、インスリン注射のみ行った場合の無再発期間が2番目に長い。また、経過観察の場合の無再発期間が3番目に長い。GLP1注射のみ行った場合の無再発期間が最も短い。
図13は、検索結果画面の例を示す図である。
前述のように、サーバ装置200は、端末装置41から対象患者の臨床情報を受信すると、病態進行予測ライブラリから一致率の高い病態進行予測結果を検索し、治療効果予測ライブラリから一致率の高い治療効果予測結果を検索する。そして、サーバ装置200は、一致率の高い病態進行予測結果のリストと一致率の高い治療効果予測結果のリストを端末装置41に送信する。端末装置41のディスプレイには、病態進行予測結果のリストと治療効果予測結果のリストの一方または両方が表示される。
検索結果画面227は、端末装置41のディスプレイに表示される画面の例である。ここでは、病態進行予測結果のリストのみ表示する場合を示している。治療効果予測結果のリストも、検索結果画面227と同様の態様で表示することが可能である。端末装置41は、ユーザ入力に応じて病態進行予測結果のリストと治療効果予測結果のリストを切り替えて表示するようにしてもよい。また、端末装置41は、サーバ装置200から、病態進行予測結果のリストと治療効果予測結果のリストを別個に受信するようにしてもよい。
検索結果画面227には、順位、分析ID、症例数、p値、予測予後、一致率およびグラフの項目を有する一覧表が表示されている。順位は、病態進行予測結果を一致率の高い順にソートしたときの順番である。分析IDは、病態進行予測テーブル221に記載されたものである。症例数は、病態進行予測テーブル221に記載された類似症例数である。p値および予測予後は、病態進行予測テーブル221に記載されたものである。一致率は、病態進行ライブラリ検索部213によって算出された一致率である。グラフの項目には、病態進行グラフへのリンクが張られている。このリンクが選択されると、端末装置41は、サーバ装置200から取得した病態進行グラフの画像をディスプレイに表示する。
なお、治療効果予測結果を表示する場合、一覧表には治療方法の項目が追加される。また、その場合、症例数はその治療方法グループに属する症例の数を示すことになる。
次に、サーバ装置100,200それぞれの処理手順について説明する。
図14は、類似症例検索の手順例を示すフローチャートである。
(S10)類似症例検索部113は、端末装置31から対象患者の指定と1以上の変数の指定を受け付ける。例えば、類似症例検索部113は、医師などが入力した対象患者の患者IDと1以上の変数の変数名とを端末装置31から取得する。
(S11)類似症例検索部113は、関連変数記憶部112に記憶された関連変数テーブル122から、ステップS10で指定された変数に対応する関連変数を検索する。類似症例検索部113は、指定された変数と関連変数を選択する。
(S12)類似症例検索部113は、臨床情報データベース111に記憶された臨床情報テーブル121から、ステップS10で指定された対象患者の臨床情報を抽出する。類似症例検索部113は、ステップS11で選択した変数の値に基づいて、対象患者の臨床情報と臨床情報データベース111の他の症例それぞれとの間の類似度を算出する。
(S13)類似症例検索部113は、臨床情報データベース111に記憶された他の症例を、ステップS12の類似度に応じて類似症例と比較症例に分類する。例えば、類似症例検索部113は、類似度が閾値以上である症例を類似症例と判定し、類似度が閾値未満の症例を比較症例と判定する。閾値は、医師などに入力させてもよい。
(S14)病態進行予測部114は、類似症例の無再発期間および比較症例の無再発期間を分析して病態進行グラフ223を生成する。例えば、病態進行予測部114は、類似症例を無再発期間の昇順または降順にソートし、無再発期間がx日以上である類似症例の割合yを算出して、類似症例に対応する曲線を算出する。また、病態進行予測部114は、比較症例を無再発期間の昇順または降順にソートし、無再発期間がx日以上である比較症例の割合yを算出して、比較症例に対応する曲線を算出する。
(S15)病態進行予測部114は、類似症例の無再発期間の中央値と比較症例の無再発期間の中央値を算出する。また、病態進行予測部114は、類似症例の無再発期間と比較症例の無再発期間との間に有意な差があるか否かを示すp値を算出する。そして、病態進行予測部114は、類似症例の中央値、比較症例の中央値およびp値に基づいて、対象患者の予後(「良好」、「不良」または「不明」)を予測する。病態進行予測部114は、病態進行グラフ223や予測予後を含む病態進行予測結果を端末装置31に送信する。
(S16)治療効果予測部115は、端末装置31から治療方法に関する変数の指定を受け付ける。例えば、治療効果予測部115は、医師などが入力した変数名を取得する。
(S17)治療効果予測部115は、ステップS16で指定された変数の値に応じて、類似症例を、採用された治療方法が異なる複数の治療方法グループに分類する。なお、複数の処方の組み合わせや経過観察も、1つの治療方法として認識される。
(S18)治療効果予測部115は、治療方法グループ毎にその治療方法グループに属する症例の無再発期間を分析し、治療効果グラフ226を生成する。例えば、治療効果予測部115は、治療方法グループ毎に症例を無再発期間の昇順または降順にソートし、その治療方法グループに属する症例のうち無再発期間がx日以上である症例の割合yを算出して、その治療方法グループに対応する曲線を算出する。
(S19)治療効果予測部115は、治療方法グループ毎に、その治療方法グループに属する症例の無再発期間の中央値と、他の類似症例の無再発期間の中央値とを算出する。また、治療効果予測部115は、治療方法グループ毎に、その治療グループに属する症例の無再発期間と他の類似症例の無再発期間との間に有意な差があるか否かを示すp値を算出する。そして、治療効果予測部115は、治療方法グループ毎に、その治療方法グループに属する症例の中央値、他の類似症例の中央値およびp値に基づいて、その治療方法を採用した場合の対象患者の予後を予測する。治療効果予測部115は、治療効果グラフ226や予測予後を含む治療効果予測結果を端末装置31に送信する。
図15は、類似症例検索の手順例を示すフローチャート(続き)である。
(S20)病態進行ライブラリ生成部116は、ステップS11で選択された変数それぞれの値を、ステップS13の類似症例から抽出する。
(S21)病態進行ライブラリ生成部116は、ステップS11で選択された変数それぞれについて値の分布の情報を生成し、病態進行予測結果に対応する統計情報とする。値の分布の情報には、各値の出現割合が含まれてもよい。また、値の分布の情報には、最大値・最小値・平均・標準偏差・中央値などの統計指標が含まれてもよい。
(S22)治療効果ライブラリ生成部117は、治療方法を1つ選択する。
(S23)治療効果ライブラリ生成部117は、ステップS11で選択された変数それぞれの値を、ステップS22で選択した治療方法が採用された症例(その治療方法に対応する治療方法グループに属する症例)から抽出する。
(S24)治療効果ライブラリ生成部117は、ステップS11で選択された変数それぞれについて値の分布の情報を生成し、ステップS22で選択した治療方法について生成された治療効果予測結果に対応する統計情報とする。値の分布の情報には、各値の出現割合が含まれてもよい。また、値の分布の情報には、最大値・最小値・平均・標準偏差・中央値などの統計指標が含まれてもよい。
(S25)治療効果ライブラリ生成部117は、ステップS22で全ての治療方法を選択したか判断する。全ての治療方法を選択した場合はステップS26に処理が進み、未選択の治療方法がある場合はステップS22に処理が進む。
(S26)病態進行ライブラリ生成部116は、ステップS14,S15の病態進行予測結果とステップS21の統計情報とを対応付けて、サーバ装置200に送信する。治療効果ライブラリ生成部117は、ステップS18,S19の治療効果予測結果とステップS24の統計情報とを対応付けて、サーバ装置200に送信する。
サーバ装置200では、病態進行予測結果が病態進行予測テーブル221に登録され、病態進行予測結果に対応する統計情報が症例統計テーブル222に登録される。また、治療効果予測結果が治療効果予測テーブル224に登録され、治療効果予測結果に対応する統計情報が治療別症例統計テーブル225に登録される。
図16は、分析結果再利用の手順例を示すフローチャートである。
(S30)サーバ装置200は、端末装置41から対象患者の臨床情報を受信する。この臨床情報に現れる変数、すなわち、ライブラリ検索に使用する変数は、端末装置41を操作する医師などの医療従事者によって選択されている。
(S31)病態進行ライブラリ検索部213は、病態進行予測テーブル221に登録されている病態進行予測結果を1つ選択する。
(S32)病態進行ライブラリ検索部213は、ステップS31で選択した病態進行予測結果に対応する統計情報のうち、対象患者の臨床情報に現れる変数についての分布の情報を症例統計テーブル222から抽出する。
(S33)病態進行ライブラリ検索部213は、対象患者の臨床情報に現れる変数それぞれについて、その臨床情報に含まれる値とステップS32で抽出した分布の情報とを比較して変数毎の一致率を算出する。病態進行ライブラリ検索部213は、変数毎の一致率の合計を、対象患者の臨床情報に現れる変数の数と病態進行予測結果が示す変数選択数のうち大きい方で割ることで、全体の一致率を算出する。
(S34)病態進行ライブラリ検索部213は、ステップS31で全ての病態進行予測結果を選択したか判断する。全ての病態進行予測結果を選択した場合はステップS35に処理が進み、未選択の病態進行予測結果がある場合はステップS31に処理が進む。
(S35)病態進行ライブラリ検索部213は、病態進行予測結果を一致率の高い順にソートする。そして、病態進行ライブラリ検索部213は、一致率の高い方から所定個の病態進行予測結果または一致率が閾値以上の病態進行予測結果を検索結果として抽出する。一致率の閾値は、医師などに入力させてもよい。
(S36)治療効果ライブラリ検索部214は、治療効果予測テーブル224に登録されている治療効果予測結果を1つ選択する。
(S37)治療効果ライブラリ検索部214は、ステップS36で選択した治療効果予測結果に対応する統計情報のうち、対象患者の臨床情報に現れる変数についての分布の情報を治療別症例統計テーブル225から抽出する。
(S38)治療効果ライブラリ検索部214は、対象患者の臨床情報に現れる変数それぞれについて、その臨床情報に含まれる値とステップS37で抽出した分布の情報とを比較して変数毎の一致率を算出する。治療効果ライブラリ検索部214は、変数毎の一致率の合計を、対象患者の臨床情報に現れる変数の数と治療効果予測結果が示す変数選択数のうち大きい方で割ることで、全体の一致率を算出する。
(S39)治療効果ライブラリ検索部214は、ステップS36で全ての治療効果予測結果を選択したか判断する。全ての治療効果予測結果を選択した場合はステップS40に処理が進み、未選択の治療効果予測結果がある場合はステップS36に処理が進む。
(S40)治療効果ライブラリ検索部214は、治療効果予測結果を一致率の高い順にソートする。そして、治療効果ライブラリ検索部214は、一致率の高い方から所定個の治療効果予測結果または一致率が閾値以上の治療効果予測結果を検索結果として抽出する。一致率の閾値は、医師などに入力させてもよい。
(S41)病態進行ライブラリ検索部213は、ステップS35で抽出した病態進行予測結果のリストを端末装置41に送信する。治療効果ライブラリ検索部214は、ステップS40で抽出した治療効果予測結果のリストを端末装置41に送信する。病態進行予測結果のリストと治療効果予測結果のリストは、合わせて送信してもよいし、端末装置41からの要求に応じて別個に送信してもよい。
第2の実施の形態の情報処理システムによれば、大規模病院などの医療機関において特定の対象患者に対して生成された病態進行予測結果や治療効果予測結果に、その際に参照された類似症例の特徴を示す統計情報が付加されてライブラリに登録される。そして、別の対象患者の臨床情報と統計情報とが比較され、当該別の対象患者に適合する可能性の高い病態進行予測結果や治療効果予測結果がライブラリから検索される。これにより、蓄積した症例が少ない小規模診療所のなどの医療機関も、精度の高い病態進行予測結果や治療効果予測結果を取得することが可能となる。また、ライブラリには、分析時に使用された対象患者の臨床情報そのものや類似症例である臨床情報そのものは含まれない。よって、ライブラリを共有しても、各医療機関はその医療機関内の臨床情報を外部に提供しなくてよく、個人情報保護やセキュリティを向上させることができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。更に、多数の変形や変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応する全ての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
10 類似症例検索装置
11 記憶部
12 処理部
13a,13b 分析履歴
14a,14b 分析結果
15a,15b 変数統計情報
16a,16b スコア
17,18a,18b,19 患者データ

Claims (6)

  1. コンピュータに、
    第1の患者の患者データに関して分析された病態進行状況または治療効果を示す分析結果と、前記病態進行状況または治療効果の分析の際に参照された複数の第2の患者の患者データに含まれる変数の値の分布を示す変数統計情報と、をそれぞれ含む複数の分析履歴を取得し、
    第3の患者の患者データの指定を受け付け、
    前記第3の患者の患者データに含まれる前記変数の値と前記複数の分析履歴それぞれの前記変数統計情報が示す前記変数の値の分布との比較に基づいて、前記複数の分析履歴それぞれのスコアを算出し、前記スコアに応じて前記複数の分析履歴のうち一部の分析履歴の前記分析結果を出力する、
    処理を実行させる類似症例検索プログラム。
  2. 前記複数の第2の患者の患者データおよび前記第3の患者の患者データはそれぞれ複数の変数の値を含み、前記変数統計情報は前記複数の変数それぞれの値の分布を示し、
    前記スコアは、前記複数の変数のうち、前記第3の患者の患者データに含まれる値が前記変数統計情報の分布が示す範囲に属している変数の個数に応じて算出される、
    請求項1記載の類似症例検索プログラム。
  3. 前記変数統計情報が示す前記変数は、前記第1の患者の患者データと前記複数の第2の患者の患者データそれぞれとの間の類似度の判定に使用された変数である、
    請求項1記載の類似症例検索プログラム。
  4. 前記複数の第2の患者の患者データはそれぞれ、前記第1の患者の患者データとの間で判定された類似度が閾値以上である類似症例データである、
    請求項1記載の類似症例検索プログラム。
  5. 第1の患者の患者データに関して分析された病態進行状況または治療効果を示す分析結果と、前記病態進行状況または治療効果の分析の際に参照された複数の第2の患者の患者データに含まれる変数の値の分布を示す変数統計情報と、をそれぞれ含む複数の分析履歴を記憶する記憶部と、
    第3の患者の患者データの指定を受け付け、前記第3の患者の患者データに含まれる前記変数の値と前記複数の分析履歴それぞれの前記変数統計情報が示す前記変数の値の分布との比較に基づいて、前記複数の分析履歴それぞれのスコアを算出し、前記スコアに応じて前記複数の分析履歴のうち一部の分析履歴の前記分析結果を出力する処理部と、
    を有する類似症例検索装置。
  6. 情報処理システムが実行する類似症例検索方法であって、
    第1の患者の患者データを用いて複数の第2の患者の患者データを検索し、
    前記複数の第2の患者の患者データを参照して前記第1の患者の患者データに関する病態進行状況または治療効果を示す分析結果を生成し、また、前記複数の第2の患者の患者データに含まれる変数の値の分布を示す変数統計情報を生成し、
    前記分析結果および前記変数統計情報を対応付けた分析履歴をデータベースに保存することで、前記データベースに複数の分析履歴を蓄積させ、
    第3の患者の患者データが指定されると、前記第3の患者の患者データに含まれる前記変数の値と前記複数の分析履歴それぞれの前記変数統計情報が示す前記変数の値の分布との比較に基づいて、前記複数の分析履歴それぞれのスコアを算出し、
    前記スコアに応じて前記複数の分析履歴のうち一部の分析履歴の前記分析結果を出力する、
    類似症例検索方法。
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