以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
本実施の形態の無線通信システムは、少なくともLTEの通信方式をサポートしていることを想定している。よって、無線通信システムが動作するにあたっては、適宜、LTEで規定された既存技術を使用できる。ただし、当該既存技術はLTEに限られない。また、本明細書で使用する「LTE」は、特に断らない限り、LTE−Advanced、及び、LTE−Advanced以降の方式を含む広い意味を有するものとする。また、本発明は、LTE以外の通信方式にも適用可能である。
また、以下では、接続状態とアイドル状態との間の中間の状態である中間状態を主にINACTIVE状態(非アクティブ状態)と呼ぶが、これをSUSTAINED状態(維持状態)と呼んでもよい。そのため、適宜、"INACTIVE状態(SUSTAINED状態)"等の表記を用いている。なお、このような括弧書きの表記がない場合でも、INACTIVE状態をSUSTAINED状態に言い換えてもよい。また、「inactivation」を「sustenance」と言い換えてもよい。また、中間状態をこれら以外の名称で呼んでもよい。また、後述する実施例1〜3の動作は、当該中間状態を前提としているが、これは例であり、中間状態以外の状態において、後述する実施例1〜3の動作を実施することとしてもよい。
(システム全体構成)
図1に本実施の形態に係る無線通信システムの構成図を示す。本実施の形態に係る無線通信システムは、図1に示すように、ユーザ装置100、基地局200、及び基地局300を含む。なお、基地局300については、本実施の形態において前提とする状態遷移手順等を説明する際に登場する。図1には、ユーザ装置100、基地局200、基地局300がそれぞれ1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
また、本実施の形態の無線通信システムにおいては、例えば、基地局200はNRシステム(5Gと呼んでもよい)に準拠した基地局(NR Node。または、gNBと呼んでもよい)であり、基地局300は、NRシステムではないLTEシステムに準拠した基地局(eNB(evolved NodeB))であってもよい。以下の説明では、基地局200がNR Nodeであり、基地局300がeNBであると仮定する。
ユーザ装置100は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ウェアラブル端末、IoT端末等の無線通信機能を備えた何れか適切な情報処理装置であり、本実施の形態の無線通信システム(NRシステム)及びLTEシステムの双方と通信可能である。ユーザ装置100は、基地局200との無線通信では、接続状態(RRC_CONNECTED状態)、非アクティブ状態(RRC_INACTIVE状態)及びアイドル状態(RRC_IDLE状態)の3つの通信状態により動作し、基地局300との無線通信では、接続状態(RRC_CONNECTED状態)及びアイドル状態(RRC_IDLE状態)の2つの通信状態により動作する。なお、NRシステムにおける状態名に"NR"を付加し、LTEシステムにおける状態名に"LTE"(又は"E−UTRA")を付加してもよい。明細書本文において、どちらのシステムの状態かが明らかである場合、及び、システムを区別する必要がない場合には、"NR"及び"LTE"(又は"E−UTRA")を付加していない。
NRシステムにおける接続状態(RRC_CONNECTED状態)は、LTEシステムにおけるRRC_CONNECTED状態に相当し、基地局200がユーザ装置100のモビリティを制御すると共に、個別無線リソース(以下、個別リソースと記述する)をユーザ装置100に割り当てる。
NRシステムにおけるアイドル状態(RRC_IDLE状態)は、LTEシステムにおけるRRC_IDLE状態に相当し、ユーザ装置100が自らのモビリティを制御すると共に、コアネットワーク(CN)ベースのページングが行われる。アイドル状態では、個別リソースは割り当てられず、また、接続状態においてユーザ装置100と基地局200との間で設定された無線パラメータを示すASコンテクストは、ユーザ装置100及び基地局200において破棄されている。
(中間状態に関連する方式について)
上記のとおり、本実施の形態に係る無線通信システムは、接続状態とアイドル状態との間の中間の状態である中間状態をサポートし、後述する実施例1〜3の動作は、基本的に当該中間状態において実施される。そこで、まずは、当該中間状態に関する無線通信システムの方式(機能)を説明しておく。
上記のとおり、NRシステムにおける非アクティブ状態(RRC_INACTIVE状態)は、LTEシステムにおけるRRC_CONNECTED状態とRRC_IDLE状態との間の中間状態に相当する。すなわち、RRC_INACTIVE状態では、ユーザ装置100が自らモビリティを制御し、例えば、自律的にセル再選択を実行可能である。また、個別リソースはユーザ装置100に割り当てられない一方、ユーザ装置100に関するコネクションはコアネットワークと基地局200との間で維持され、RAN(Radio Access Network)ベース又は基地局ベースのページングが実行される。すなわち、ダウンリンクデータは、コアネットワークから基地局200に送信され(NMM(Network Monitor Mode) Registered Ready状態)、後述されるような基地局ベース位置登録エリアに対してページングが実行される。また、ユーザ装置100と基地局200との間の無線通信のための無線パラメータを示すASコンテクストは、ユーザ装置100及び基地局200に保持される。このため、接続状態に戻る際、ユーザ装置100は、当該無線パラメータに従って基地局200との無線通信を迅速に再開することができる。なお、接続状態とアイドル状態との間の中間状態は、上述したINACTIVE状態に限定されず、接続状態の特徴とアイドル状態の特徴とを併せ持つ他の状態であってもよい。なお、このような他の状態も「中間状態」と称してよい。
図2はRRC状態遷移の例1を示す図であり、図3はRRC状態遷移の例2を示す図である。図2及び図3から理解されるように、例1と例2とは、RRC_INACTIVE状態とE−UTRA(LTE) RRC_IDLE状態との間の遷移のみ異なる。すなわち、例1では、ユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態からE−UTRA RRC_IDLE状態に遷移可能である一方、E−UTRA RRC_IDLE状態からRRC_INACTIVE状態に遷移することはできず、RRC_INACTIVE状態からE−UTRA RRC_IDLE状態への一方向の遷移のみ可能である。他方、例2では、ユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態からE−UTRA RRC_IDLE状態に遷移可能であると共に、E−UTRA RRC_IDLE状態からRRC_INACTIVE状態に遷移可能であり、RRC_INACTIVE状態とE−UTRA RRC_IDLE状態との間の遷移は双方向で可能である。これは、例1によるユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態からE−UTRA RRC_IDLE状態への遷移後、遷移元の基地局200との無線通信のためのASコンテクストを破棄する一方、例2によるユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態からE−UTRA RRC_IDLE状態への遷移後、遷移元の基地局200との無線通信のためのASコンテクストを保持するためである。
図2及び図3では、各通信状態間の遷移に用いられる具体的な手順が例示されており、図4において、これらの手順がリスト化されている。以下の説明では、NR RRC_INACTIVE状態に関連する遷移処理、すなわち、NR RRC_CONNECTED→NR RRC_INACTIVEの遷移処理、NR RRC_INACTIVE→NR RRC_IDLEの遷移処理、NR RRC_INACTIVE→LTE RRC_IDLEの遷移処理及びLTE RRC_IDLE→NR RRC_INACTIVEの遷移処理を説明する。これらのうち、NR RRC_CONNECTED→NR RRC_INACTIVEの遷移処理及びNR RRC_INACTIVE→NR RRC_IDLEの遷移処理は、NRシステム内で実現される。他方、NR RRC_INACTIVE→LTE RRC_IDLEの遷移処理及びLTE RRC_IDLE→NR RRC_INACTIVEの遷移処理は、NRシステムとLTEシステムとの間のRAT間のセル再選択として実現される。
なお、NR RRC_INACTIVE→NR RRC_CONNECTEDの遷移処理は、LTEシステムにおけるRRC connection resumeを適用することによって実現できると考えられ、以下において、その具体的な遷移処理は省略される。
次に、図5〜7を参照して、RRC_CONNECTED→RRC_INACTIVEの遷移処理について説明する。図5は、RRC_CONNECTED→RRC_INACTIVEの状態遷移手順を示す図である。
図5に示されるように、ユーザ装置100は、接続状態から非アクティブ状態に遷移させるための非アクティブ化メッセージ(RRC Connection Inactivation(RRC Connection Sustenanceと称してもよい))を基地局200から受信する。当該メッセージを受信すると、ユーザ装置100は、接続状態から非アクティブ状態に遷移し、非アクティブ化メッセージからユーザ装置100と基地局200との間の無線通信のための無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子と、基地局200のセルを含む1つ以上のセルから構成される基地局ベース位置登録エリアとを抽出し、無線パラメータ情報、コンテクスト識別子及び基地局ベース位置登録エリアを保持する。
具体的には、非アクティブ化メッセージは、基地局200に接続した際にユーザ装置100に対して設定された無線パラメータを示すASコンテクストを特定するresume IDと、非アクティブ状態のユーザ装置100にページングチャネルを送信する複数のセルを示す基地局ベース位置登録エリアとを含むものであってもよい。一方、非アクティブ化メッセージを送信すると、基地局200は、ユーザ装置100のASコンテクストとresume IDとを保持する。ここで、resume IDは、ユーザ装置100に対して設定されているASコンテクストをNRシステム内で一意的に特定するための識別子である。しかしながら、本実施の形態によるコンテクスト識別子はこれに限定されず、ユーザ装置100に対して設定され、保持される無線パラメータ情報を特定可能な他の何れか適切な識別子であってもよい。また、基地局ベース位置登録エリアは、典型的には、基地局200を管理するコアネットワークがページングチャネルを送信する基地局を示すコアネットワークベース位置登録エリアより狭いものであってもよい。
非アクティブ化メッセージは更に、無線パラメータ情報と基地局ベース位置登録エリアとの有効期間を示すタイマ情報を有してもよい。具体的には、ユーザ装置100は、当該タイマ情報に従って、保持されたASコンテクスト及び/又は基地局ベース位置登録エリアに対して個別又は共通のタイマを設定し、ASコンテクスト及び/又は基地局ベース位置登録エリアの保持時間を計時する。タイマが満了すると、ユーザ装置100は、ASコンテクストを破棄し、及び/又は後述される基地局ベース位置登録エリアの更新手順を実行してもよい。
上述したように、非アクティブ状態では、ユーザ装置100に対してコアネットワークと基地局200との間の接続は維持される。このため、コアネットワークからユーザ装置100宛のダウンリンクデータは、基地局200に送信される。図6及び図7を参照して、非アクティブ状態のユーザ装置100に対する着信手順を説明する。図示される例では、基地局200(NR基地局#1)から非アクティブ化メッセージを受信し、非アクティブ状態に遷移したユーザ装置100が、NRシステムにおける他の基地局(NR基地局#2)へのセル再選択を実行したケースが示される。
図6は、RRC_INACTIVE状態での着信処理を示すシーケンス図である。図6に示される例では、NR基地局#1とNR基地局#2とは、同一の基地局ベース(RAN内)位置登録エリアに属していると仮定する。また、ユーザ装置100は「UE」として示されている。
図6に示されるように、ステップS101において、ユーザ装置100は、NR基地局#1から非アクティブ化メッセージ(RRC Connection Inactivation)を受信してRRC_INACTIVE状態に遷移した後、NR基地局#2へのセル再選択を実行する。
ステップS102において、NR基地局#1は、非アクティブ化メッセージを送信した後、ユーザ装置100に対するASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを保持すると共に、ユーザ装置100に対するページングチャネルの送信元として機能する。
ステップS103において、NR基地局#1は、コアネットワークからユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信する。
NR基地局#1は、ステップS104において、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信したことを通知するため、自セルにおいてページングチャネル(ページング信号と称してもよい)を送信すると共に、ステップS105において、基地局ベース位置登録エリア内の全ての基地局にユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信したことを通知するためのページングチャネルを送信するよう指示する。当該ページングチャネルの送信タイミングにおいてユーザ装置100は基地局ベース位置登録エリア内のNR基地局#2に在圏しているため、ステップS106において、ユーザ装置100は、NR基地局#2からページングチャネルを受信する。
ステップS107において、アイドル状態のユーザ装置100は、コアネットワークから送信されたダウンリンクデータの受信のためにNR基地局#2との通信接続を確立するため、保持されるresume IDを含むRRC connection resume requestをNR基地局#2に送信する。すなわち、当該通信接続は、非アクティブ状態においてユーザ装置100及びNR基地局#1に保持されるASコンテクストを援用することによって確立可能であるため、RRC connection establishmentでなく、RRC connection resumeにより確立可能である。以降の通信再開処理における各ステップの順序は、単なる一例であり、以下に限定されるものでない。
NR基地局#2は、ステップS108において、ユーザ装置100のASコンテクストを取得するため、resume IDを含むRetrieve UE context requestをNR基地局#1に送信し、ステップS109において、要求したASコンテクストをRetrieve UE context responseにより受信する。
NR基地局#2は、ステップS110において、取得したASコンテクストに基づきユーザ装置100との無線接続を再開するため、RRC connection resumeをユーザ装置100に送信し、ステップS111において、無線接続の再開の完了を示すRRC connection resume completeを受信する。
ステップS112において、NR基地局#2は、NR基地局#1からユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信する。
ステップS113において、NR基地局#2は、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータの転送先をNR基地局#1からNR基地局#2に変更するようPath switch requestをコアネットワーク(図6では、Next Gen(Generation) Coreとして示される)に送信する。
ステップS114において、NR基地局#2は、NR基地局#1から転送されたダウンリンクデータをユーザ装置100に送信する。
ステップS115において、NR基地局#2は、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータの転送先が変更されたことを示すPath switch responseを受信する。
ステップS116において、NR基地局#2は、コアネットワークから転送されたユーザ装置100宛のダウンリンクデータをユーザ装置100に送信する。
図7は、RRC_INACTIVE状態での着信処理を示すシーケンスの他の例を示す図である。図7に示される例では、NR基地局#1とNR基地局#2とは、異なる基地局ベース(RAN内)位置登録エリアに属していると仮定する。
図7に示されるように、ステップS201において、ユーザ装置100は、NR基地局#1から非アクティブ化メッセージ(RRC Connection Inactivation)を受信してRRC_INACTIVE状態に遷移する。
ステップS202において、NR基地局#1は、非アクティブ化メッセージを送信した後、ユーザ装置100に対するASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを保持すると共に、ユーザ装置100に対するページングチャネルの送信元として機能する。
ステップS203において、ユーザ装置100は、NR基地局#1の在圏セルにおいてブロードキャストされるシステム情報を受信する。具体的には、当該システム情報は、コアネットワークベース位置登録エリア(LTEシステムにおけるトラッキングエリア)、非アクティブ状態のユーザ装置100にページングチャネルを送信する基地局を示す基地局ベース位置登録エリアを含む。
ステップS204において、ユーザ装置100は、NR基地局#2へのセル再選択を実行する。
ステップS205において、ユーザ装置100は、NR基地局#2の在圏セルにおいてブロードキャストされるシステム情報を受信する。具体的には、当該システム情報は、コアネットワークベース位置登録エリア(LTEシステムにおけるトラッキングエリア)、非アクティブ状態のユーザ装置100にページングチャネルを送信する基地局を示す基地局ベース位置登録エリアを含む。図示された例では、NR基地局#1とNR基地局#2とは、異なる基地局ベース位置登録エリアに属する。
ステップS206において、ユーザ装置100は、ステップS203において受信した基地局ベース位置登録エリアと、ステップS206において受信した基地局ベース位置登録エリアとが異なることを検出し、基地局ベース位置登録エリアが変更されたと判断する。この場合、NR基地局#1がコアネットワークからユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信しても、NR基地局#1は、当該ダウンリンクデータの受信をページングチャネルによってユーザ装置100に通知することができない。このため、以下のステップにおいて、基地局ベース位置登録エリアの変更処理が実行される必要がある。
ステップS207において、ユーザ装置100は、ユーザ装置100の基地局ベース位置登録エリアをNR基地局#2の基地局ベース位置登録エリアによって更新するため、保持されるresume IDを含む更新リクエストをNR基地局#2に送信する。
ステップS208において、NR基地局#2は、ユーザ装置100のASコンテクストを取得するため、resume IDを含むRetrieve UE context requestをNR基地局#1に送信し、ステップS209において、要求したASコンテクストをRetrieve UE context responseにより受信する。
ステップS210において、NR基地局#2は、ユーザ装置100に対するASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを保持すると共に、ユーザ装置100に対するページングチャネルの送信元として機能する。
NR基地局#2は、ステップS211において、ユーザ装置100に基地局ベース位置登録エリアを更新するよう指示し、ステップS212において、基地局ベース位置登録エリアの更新完了通知を受信する。
NR基地局#2は、ステップS213において、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータの転送先をNR基地局#1からNR基地局#2に変更するようPath switch requestをコアネットワークに送信し、ステップS214において、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータの転送先が変更されたことを示すPath switch responseを受信する。以降、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータは、コアネットワークからNR基地局#2に転送される。
次に、図8を参照して、上述した基地局ベース位置登録エリアの具体的な更新手順を説明する。当該更新手順は、上述したように、例えば、保持される基地局ベース位置登録エリアとセル再選択後に取得した基地局ベース位置登録エリアとが異なっていることを検出したことに応答して、実行される。
図8に示されるように、ユーザ装置100は、基地局ベース位置登録エリアの更新をリクエストするため、RAN Tracking Area Update RequestをNR基地局(例:基地局200)(上述した具体例では、NR基地局#2)に送信する。例えば、RAN Tracking Area Update Requestは、保持されるASコンテクストを特定するresume IDに加えて、ASコンテクストを認証するための識別子(例えば、shortResumeMAC−I等)、当該位置登録更新の実行原因を示すcause値等を含むものであってもよい。
RAN Tracking Area Update Requestを受信すると、NR基地局は、RAN Tracking Area updateをユーザ装置100に送信する。例えば、RAN Tracking Area updateは、新たな基地局ベース位置登録エリア(New RAN Tracking Area)、新たなresume ID、(必要である場合)セキュリティキーの更新指示(key change indicator)、(更新される場合)無線設定(Radio configuration)を含むものであってもよい。ユーザ装置100に対するASコンテクストを保存する基地局が変更されるため、新たなresume IDがユーザ装置100に通知される。また、セキュリティキーの更新については、LTE規格と同様に、Refresh及び/又はRe−keyingが利用されてもよい。また、(ベアラを含む)無線設定が更新される場合、更新後の全ての無線設定が通知されてもよいし、差分のみが通知されてもよい。
その後、ユーザ装置100は、RAN Tracking Area Update CompleteをNR基地局に送信する。
次に、図9〜10を参照して、RRC_INACTIVE→NR RRC_IDLEの遷移処理について説明する。図9は、RRC_INACTIVE→NR RRC_IDLEの状態遷移手順を示す図である。図示される例では、基地局200からのシグナリングによって、ユーザ装置100は非アクティブ状態からアイドル状態に遷移する。
図9に示されるように、ユーザ装置100は、非アクティブ状態からアイドル状態に遷移させるためのリリースメッセージ(RRC Inactivation Release(RRC Sustenance Release))を基地局200から受信する。当該リリースメッセージを受信すると、ユーザ装置100は、保持されているコンテクスト識別子に基づきリリースメッセージがユーザ装置100宛のものであるか判断し、リリースメッセージがユーザ装置100宛のものであると判断すると、ユーザ装置100を非アクティブ状態からアイドル状態に遷移させる。当該リリースメッセージは、図示されるように、新たに規定されたRRC Inactivation Release等の新規手順に実現されてもよいし、あるいは、RRC connection release、paging message等のLTEシステムにおける手順を援用してもよい。
上述したように、非アクティブ状態では、ユーザ装置100に対して個別リソースは割り当てられず、基地局200は、共通チャネル(共通制御チャネル)によりユーザ装置100にリリースメッセージを送信する。あるいは、非アクティブ状態のユーザ装置100のみが受信可能な論理チャネル又はメッセージによって、リリースメッセージが通知されてもよい。例えば、リリースメッセージは、SCCH(Sustained Control Channel)等の新たに規定した論理チャネルにより通知されてもよいし、あるいは、SCCH(論理チャネル)−DL−SCH(トランスポートチャネル)−PDSCH(物理チャネル)のようにマッピングされてもよい。あるいは、非アクティブ状態用のRNTI(Radio Network Temporary ID)を規定し、当該メッセージのCRC(Cyclic Redundancy Check)が、RNTIにスクランブル化されてもよい。
また、リリースメッセージは、resume IDを含んでもよい。この場合、非アクティブ状態のユーザ装置100がリリースメッセージを受信すると、ユーザ装置100は、受信したresume IDが保持されているresume IDに一致しているか判断し、一致している場合、保持される対応するASコンテクスト及び基地局ベース位置登録エリアを破棄し、ユーザ装置100を非アクティブ状態からアイドル状態に遷移させる。
上述した例では、基地局200からのシグナリングによって、ユーザ装置100が非アクティブ状態からアイドル状態に遷移したが、他の例では、無線パラメータ情報、コンテクスト識別子及び基地局ベース位置登録エリアの保持期間を計時するタイマが利用され、当該タイマが満了すると、ユーザ装置100は、自律的に非アクティブ状態からアイドル状態に遷移してもよい。具体的には、ユーザ装置100は、保持されたASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアに対して個別又は共通のタイマを設定し、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアの保持時間を計時する。タイマが満了すると、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄し、自律的にRRC_INACTIVE状態からNR RRC_IDLE状態にユーザ装置100を遷移させるようにしてもよい。この場合、当該個別又は共通のタイマは、ユーザ装置100がRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に遷移する際に、基地局200からユーザ装置100に通知されてもよい。あるいは、個別又は共通のタイマは、基地局200からの非アクティブ化メッセージ(RRC Connection Inactivation)で通知されてもよい。
このようにして、ユーザ装置100が基地局200からのリリースメッセージによって、又はタイマを用いて自律的に非アクティブ状態からアイドル状態に遷移する場合、基地局200とコアネットワークとの間のコネクションも解放されてもよい。具体的には、図10に示される解放手順に従って、基地局200とコアネットワークとの間のコネクションが解放されてもよい。
すなわち、ユーザ装置100に対して設定したタイマが満了したとき、又はユーザ装置100にRRC Inactivation(Sustenance) Releaseを送信した後、基地局200は、コアネットワークと基地局200との間に維持されているコネクションを解放し、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信した際はコアネットワークベース位置登録エリアの基地局にページングを実行するようコアネットワークに要求する。なお、コアネットワークベース位置登録エリアは、LTEシステムにおけるトラッキングエリアに相当し、コアネットワークがページングを通知する基地局を示す。これにより、基地局200及びコアネットワークは、維持されているコネクションを解放する。その後、ユーザ装置100宛のダウンリンクデータを受信すると、コアネットワークは、当該ダウンリンクデータを基地局200に転送することなく、コアネットワークベース位置登録エリアの基地局にページングを通知することになる。
次に、図11〜12を参照して、RRC_INACTIVEとLTE RRC_IDLEとの間の遷移処理について説明する。上述したように、非アクティブ状態のユーザ装置100は、自らモビリティを制御するため、自律的にLTEシステムの基地局300へのセル再選択(RAT間セル再選択)を実行可能である。
図2及び図3を参照して説明したように、RRC_INACTIVEとLTE RRC_IDLEとの間の遷移処理については、RAT間遷移においてASコンテクストが破棄され、RRC_INACTIVE状態からLTE RRC_IDLE状態への一方向のみの遷移が可能な遷移手順例1と、RAT間遷移においてASコンテクストが保持され、RRC_INACTIVE状態とLTE RRC_IDLE状態との間の双方向の遷移が可能な遷移手順例2とが想定される。
まず、遷移手順例1によるRRC_INACTIVE→LTE RRC_IDLEの遷移処理を説明する。本例では、ユーザ装置100が基地局200と非アクティブ状態(RRC_INACTIVE)により通信しているとき、基地局300へのセル再選択を実行すると、ユーザ装置100は、非アクティブ状態から基地局300におけるアイドル状態(LTE RRC_IDLE)に遷移し、所定の破棄タイミングに従って無線パラメータ情報、コンテクスト識別子及び基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。
具体的には、RRC_INACTIVE状態のユーザ装置100がLTEシステムの基地局300へのセル再選択を実行し、基地局300のセルに在圏すると、ユーザ装置100はRRC_INACTIVE状態からLTE RRC_IDLE状態に遷移する。遷移手順例1では、RAT間遷移においてASコンテクストは破棄されるため、ユーザ装置100は、保持されるASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを所定の破棄タイミングで破棄する。ユーザ装置100は、基地局300へのセル再選択の実行タイミングで、保持されるASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。
他の例では、ユーザ装置100は、保持されたASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアに対して個別又は共通のタイマを設定し、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアの保持時間を計時する。タイマが満了すると(基地局200又は基地局300の何れに在圏しているかに依ることなく)、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。
更なる他の例では、ユーザ装置100は、セル再選択後に在圏する基地局300との通信接続が確立しようとするタイミングで、又は当該通信接続の確立が完了したタイミングで、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。すなわち、ユーザ装置100が基地局300にセル再選択した際(LTE RRC_IDLE)には、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを保持し続け、基地局300において接続状態になった後(LTE RRC_CONNECTED)、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。
次に、遷移手順例2によるRRC_INACTIVE→LTE RRC_IDLEの遷移処理を説明する。本例では、ユーザ装置100が基地局200と非アクティブ状態で通信しているとき、基地局300へのセル再選択を実行すると、ユーザ装置100は、ユーザ装置100と基地局200との間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子を保持したまま、基地局300へのセル再選択を実行する。具体的には、ユーザ装置100が基地局200とRRC_INACTIVE状態により通信しているとき、基地局300へのセル再選択を実行すると、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを破棄することなく、RRC_INACTIVE状態からLTE RRC_IDLE状態に遷移する。
図11は、遷移手順例2によるRRC_INACTIVE→LTE RRC_IDLEの状態遷移手順を示す図である。
図11に示されるように、ステップS301において、ユーザ装置100は、基地局200(NR基地局)に接続し、ユーザ装置100は、ユーザ装置100の通信状態をNR RRC_CONNECTEDとして管理する。
ステップS302において、NR基地局は、LTEシステムの基地局300(LTE eNB#1)にユーザ装置100がLTE eNB#1に接続する際に適用されるASコンテクストを要求する。
ステップS303において、NR基地局は、LTE eNB#1との無線通信においてユーザ装置100に設定されるASコンテクストと当該ASコンテクストを特定するresume IDとを取得する。すなわち、ユーザ装置100がNR基地局に接続すると、NR基地局は、ユーザ装置100とLTE eNB#1との間の無線通信のための無線パラメータ情報及びコンテクスト識別子をLTE eNB#1から取得する。
ステップS304において、NR基地局は、ユーザ装置100をNR RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に遷移させるための非アクテョブ化メッセージ(RRC Connection Inactivation(Sustenance))をユーザ装置100に送信する。非アクティブ化メッセージは、NR基地局との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、LTE eNB#1との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、基地局ベース位置登録エリアとを含むものであってもよい。当該非アクティブ化メッセージを受信すると、ユーザ装置100は、NR RRC_CONNECTED状態からNR RRC_INACTIVE状態に遷移する。また、ユーザ装置100は、NR基地局との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、LTE eNB#1との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、基地局ベース位置登録エリアとを保持する。すなわち、ユーザ装置100を接続状態から非アクティブ化状態に遷移させるための非アクティブ化メッセージをNR基地局から受信すると、ユーザ装置100は、非アクティブ化メッセージからユーザ装置100とNR基地局との間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子と、ユーザ装置100とLTE eNB#1との間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子と、NR基地局の基地局ベース位置登録エリアとを抽出及び保持する。
ステップS305において、ユーザ装置100は、LTE eNB#2にセル再選択し、LTE eNB#2との無線接続を確立することを決定し、LTE eNB#2との無線接続を確立するための以降のステップを実行する。
ステップS306において、ユーザ装置100は、無線接続を確立するため、保持されるresume IDを含むRRC connection resume requestをLTE eNB#2に送信する。
ステップS307において、LTE eNB#2は、ユーザ装置100のASコンテクストを取得するため、resume IDを含むRetrieve UE context requestをLTE eNB#1に送信し、ステップS308において、要求したASコンテクストをRetrieve UE context responseにより受信する。なお、resume IDは、対応するASコンテクストが保存されているLTE eNB#1を示すよう構成されている。従って、LTE eNB#2は、受信したresume IDに対応するASコンテクストがLTE eNB#1に保持されていると判断できる。
LTE eNB#2は、ステップS309において、取得したASコンテクストに基づきユーザ装置100との無線接続を再開するため、RRC connection resumeをユーザ装置100に送信し、ステップS310において、無線接続の再開の完了を示すRRC connection resume completeを受信する。このようにして、ユーザ装置100とLTE eNB#2との無線接続が確立される。
次に、遷移手順例2によるLTE RRC_IDLE→RRC_INACTIVEの遷移処理を説明する。本例では、ユーザ装置100が基地局300とアイドル状態で通信しているとき、基地局200へのセル再選択を実行すると、ユーザ装置100は、ユーザ装置100と基地局300との間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子を保持したまま、基地局200へのセル再選択を実行する。具体的には、ユーザ装置100が基地局300にLTE RRC_IDLE状態により在圏しているとき、基地局200へのセル再選択を実行すると、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び基地局ベース位置登録エリアを破棄することなく、LTE RRC_IDLE状態からRRC_INACTIVE状態に遷移する。
図12は、遷移手順例2によるLTE RRC_IDLE→RRC_INACTIVEの状態遷移手順を示す図である。
図12に示されるように、ステップS401において、ユーザ装置100は、基地局300(LTE eNB)に接続し、ユーザ装置100の通信状態をRRC_CONNECTEDとして管理する。
ステップS402において、LTE eNBは、NRシステムの基地局200(NR基地局#1)にユーザ装置100がNR基地局#1に接続する際に適用されるASコンテクストを要求する。
ステップS403において、LTE eNBは、NR基地局#1との無線通信においてユーザ装置100に設定されるASコンテクストと当該ASコンテクストを特定するresume IDとを取得する。すなわち、ユーザ装置100がLTE eNBに接続すると、LTE eNBは、ユーザ装置100とNR基地局#1との間の無線通信のための無線パラメータ情報及びコンテクスト識別子をNR基地局#1から取得する。
ステップS404において、LTE eNBは、ユーザ装置100をLTE RRC_CONNECTED状態からLTE RRC_IDLE状態に遷移させるためのリリースメッセージ(RRC Connection Release)をユーザ装置100に送信する。リリースメッセージは、LTE eNBとの無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、NR基地局#1との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、基地局ベース位置登録エリアとを含むものであってもよい。当該メッセージを受信すると、ユーザ装置100は、LTE RRC_CONNECTED状態からLTE RRC_IDLE状態に遷移する。また、ユーザ装置100は、LTE eNBとの無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、NR基地局#1との無線通信のためにユーザ装置100に設定されたASコンテクスト及びresume IDと、基地局ベース位置登録エリアとを保持する。すなわち、ユーザ装置100を接続状態からアイドル状態に遷移させるためのリリースメッセージをLTE eNBから受信すると、ユーザ装置100は、リリースメッセージからユーザ装置100とLTE eNBとの間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子と、ユーザ装置100とNR基地局#1との間の無線通信のための無線パラメータ情報及び当該無線パラメータ情報を特定するコンテクスト識別子と、NR基地局#1の基地局ベース位置登録エリアとを抽出及び保持する。
ステップS405において、ユーザ装置100は、NR基地局#2にセル再選択し、NR基地局#2との無線接続を確立することを決定し、NR基地局#2との無線接続を確立するための以降のステップを実行する。
ステップS406において、ユーザ装置100は、無線接続を確立するため、保持されるresume IDを含むRRC connection resume requestをNR基地局#2に送信する。
ステップS407において、NR基地局#2は、ユーザ装置100のASコンテクストを取得するため、resume IDを含むRetrieve UE context requestをNR基地局#1に送信し、ステップS408において、要求したASコンテクストをRetrieve UE context responseにより受信する。なお、resume IDは、対応するASコンテクストが保存されているNR基地局#1を示すよう構成されている。従って、NR基地局#2は、受信したresume IDに対応するASコンテクストがNR基地局#1に保持されていると判断できる。
NR基地局#2は、ステップS409において、取得したASコンテクストに基づきユーザ装置100との無線接続を再開するため、RRC connection resumeをユーザ装置100に送信し、ステップS410において、無線接続の再開の完了を示すRRC connection resume completeを受信する。このようにして、ユーザ装置100とNR基地局#2との無線接続が確立される。
上述したように、遷移手順例2によると、ユーザ装置100は、LTEシステム及びNRシステムのための無線パラメータ情報(ASコンテクスト)と、当該ASコンテクストを特定するコンテクスト識別子(resume ID)とをセル再選択の間は保持し続ける。ユーザ装置100は、基地局200,300における無線パラメータ情報及びコンテクスト識別子の一方又は双方の保持期間を計時するタイマを有し、当該タイマが満了すると、保持される無線パラメータ情報及びコンテクスト識別子の一方又は双方を破棄してもよい。他の例では、ユーザ装置10は、ユーザ装置100がLTEシステム及びNRシステム以外の他のRAT(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)等)のシステムにセル再選択したら、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。更なる他の例では、他RATシステムにセル再選択した後であっても、タイマが満了するまでは、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを保持し続けてもよい。更なる他の例では、ユーザ装置100は、他RATシステムへのセル再選択後に在圏する他RAT基地局との通信接続が確立しようとするタイミングで、又は当該通信接続の確立が完了したタイミングで、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。すなわち、ユーザ装置100が他RAT基地局にセル再選択した際には、ユーザ装置100は、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを保持し続け、他RAT基地局において接続状態になった後、ASコンテクスト、resume ID及び/又は基地局ベース位置登録エリアを破棄してもよい。
(本発明の実施の形態における全体の処理動作)
以下、本発明の実施の形態における処理動作として、RRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)にあるユーザ装置100においてULデータが発生する場合の処理動作の例を詳細に説明する。なお、RRC_INACTIVE状態(SUSTAINED状態)では、ユーザ装置100は個別リソースを保持しておらず、CQIのfeedbackを基地局200に行わない。従って、MCS(Modulation and Coding Scheme)は、ユーザ装置100がセル端にいる状態でもULデータを伝送できるようなロバストな設定を用いる。その場合、伝送可能なULデータ量は大きくはできない。
上記の点に鑑みて、本実施の形態では、基本的に、ユーザ装置100において発生する(送信しようとする)ULデータのサイズが小さい場合には、ユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態のままcontention based(コンテンションベース)でULデータを送信する。なお、コンテンションベースの送信は、ユーザ装置100に対して、ULデータ送信用の個別リソース(他のユーザ装置と衝突しないリソース)が割り当てられずに、送信を行うことである。また、コンテンションベースの送信は、RRC_CONNECTED状態ではない状態(本例では、RRC_INACTIVE状態)で行うデータ送信であると考えてもよい。
一方、ULデータのサイズが大きい場合には、contention basedでは伝送が困難であるため、ユーザ装置100は、RRC_CONNECTED状態に遷移して、個別リソースの割り当てを受けて、CQI feedbackができる状態で、contention free(コンテンションフリー)でULデータを送信する。コンテンションフリーの送信は、ユーザ装置100に対して、ULデータ送信用の個別リソースが割り当てられて、送信を行うことである。また、コンテンションフリーの送信は、RRC_CONNECTED状態で行うデータ送信であると考えてもよい。
最初に、上記の処理を含む全体の処理の流れの例を図13を参照して説明する。
まず、ステップS501において、基地局200からユーザ装置100に対して、ユーザ装置100がRRC_INACTIVE状態においてcontention basedで送信可能なULデータのサイズの上限値を送信し、ユーザ装置100において当該上限値が設定される。
ステップS502では、ユーザ装置100においてULデータが発生し、ユーザ装置100は、ステップS501で設定した上限値と、発生したULデータのサイズとを比較することにより、ULデータの送信方法(contention based又はcontention free)を決定する。
ステップS503において、ユーザ装置100はULデータを送信する(ここでは、contention basedの例を示している)。なお、RRC_CONNECTED状態で(つまり、contention freeで)ULデータを送信する技術は既存技術である。
contention basedで送信されたULデータは、基地局200により正常に受信されない場合がある。本実施の形態では、基地局200がcontention basedで送信されたULデータを受信できない場合に、基地局200は、Connection resume指示(接続再開指示)をユーザ装置100に送信することにより、ユーザ装置100をRRC_CONNECTED状態に遷移させ、contention freeでULデータを送信させることとしている。
図13の例では、ステップS504において、基地局200がConnection resume指示を行うことを決定する。ステップS505において、基地局200はユーザ装置100に対し、RRC connection resume指示を送信し、ステップS506において、ユーザ装置100はcontention freeでULデータを送信する。
以下、上述したステップS501、S502の動作を実施例1として詳細に説明し、ステップS503の動作を実施例2として詳細に説明し、ステップS504〜S506の動作を実施例3として詳細に説明する。
(実施例1)
まず、実施例1を詳細に説明する。既に説明したとおり、実施例1では、RRC_INACTIVE状態にあるユーザ装置100にULデータが発生した場合において、ユーザ装置100は、図13のステップS501で設定された上限値と、ULデータのサイズとを比較することで、contention basedでULデータを送信するか、それとも、contention freeでULデータを送信するかを決定する。
図13のステップS501における基地局200からユーザ装置100への上限値の送信は、ユーザ装置100をRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に遷移させるメッセージ(RRC Connection Inactivation message(RRC Connection Sustenance messageと称してもよい)で行う(図5に示した手順)。つまり、当該メッセージに上限値が含められる。ただし、これは一例であり、その他のメッセージ(例:RRC_CONNECTED状態で用いられるメッセージ)を用いて上限値が基地局200からユーザ装置100に送信されてもよい。
上限値は、セル毎(基地局毎)に予め定められた値でもよいし、通信状況(混雑度等)及び/又は通信環境(セルサイズ等)に応じて決定される値でもよい。通信状況(混雑度等)及び/又は通信環境(セルサイズ等)に応じて上限値を決定する場合において、基地局200が上限値を決定してもよいし、上位ノードもしくはオペレーションシステムが上限値を決定し、上位ノードもしくはオペレーションシステムが当該上限値を基地局200に設定してもよい。
図13のステップS502として示した判定の詳細を図14のフローチャートを参照して説明する。図14において、便宜上、ユーザ装置100を「UE」と表記している。
ステップS601において、ユーザ装置100はRRC_CONNECTED状態にある。ステップS602において、ユーザ装置100は、基地局200から、上限値(M)を含むRRCConnectionInactivationメッセージ(RRCConnectionSustenanceメッセージ)を受信する。
ステップS603において、ユーザ装置100は、ステップS602で受信したメッセージから、contention basedで送信可能なULデータサイズの上限値(M)を取得する。ステップS604において、ユーザ装置100は、ユーザ装置100自信の状態をRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)に遷移させる。
ステップS605において、ユーザ装置100にULデータが発生する。当該ULデータのサイズをXとする。ステップS606において、ユーザ装置100は、ULデータのサイズが上限値よりも小さいかどうか(X<Mかどうか)を判定する。
ステップS606での判定結果がYesの場合(X<Mの場合)、処理はステップS607に進む。ステップS607において、ユーザ装置100は、RRC_INACTIVE状態(RRC RRC_SUSTAINED状態)のままcontention basedでULデータを送信する。
ステップS606での判定結果がNoの場合(X<Mではない場合。つまり、X>M又はX=Mの場合。)、処理はステップS608に進む。ステップS608において、ユーザ装置100は、RRC Connection Resume手順を実行し、RRC_CONNECTED状態に遷移する。ステップS609において、ユーザ装置100は、contention freeでULデータを送信する。なお、ステップS606での判定において、X=Mの場合はNoに分岐し、contention freeでULデータ送信を行うことが図示されているが、ステップS606での判定はX<=Mかどうかの判定であってもよい。すなわち、X=Mの場合はYesに分岐し、contention basedでULデータを送信するようになっていてもよい。
上記のように、実施例1に係る技術により、ULデータのサイズが小さい場合には、RRC_CONNECTED状態に遷移することなくULデータを送信することができる。これにより、無駄なシグナリングによるネットワーク負荷の増加を回避できるとともに、ユーザ装置100の無駄なバッテリ消費を回避でき、効率的なULデータ送信を実現できる。
なお、ステップS607におけるcontension basedのULデータ送信については、下記の実施例2の技術を使用することができる。ただし、実施例2の技術以外の技術を使用してもよい。
(実施例2)
次に、ユーザ装置100がRRC_INACTIVE状態のままcontention basedでULデータを送信する動作の例を実施例2として説明する。実施例2は、実施例1を前提としている。ただし、実施例2で説明するULデータ送信動作を実施例1とは独立に実施することとしてもよい。例えば、実施例1とは異なる方法でコンテンションベースでのUL送信を行うことが決定された場合に、実施例2で説明するULデータ送信動作を実行することとしてもよい。また、本実施の形態に係る無線通信システムを使用するアプリケーションの特性によっては、ULデータを送信する際には常に実施例2で説明するULデータ送信動作を実行することも考えられる。
ここでは、実施例2−1と実施例2−2を説明する。まず、実施例2−1に対応する図15に示すように、実施例2−1では、ユーザ装置100は、Random Access手順(ステップS701、S702)を行った後にULデータを送信する(ステップS703)。ただし、当該Random Access手順は従来のRandom Access手順とは異なる手順である。
一方、実施例2−2に対応する図16に示すように、実施例2−2では、ユーザ装置100は、Random Access Preambleと一緒にULデータを送信する(ステップS751)。以下、実施例2−1、実施例2−2をより詳細に説明する。
<実施例2−1>
図17のシーケンス図を参照して、実施例2−1における動作を詳細に説明する。
最初に、ユーザ装置100はRRC_CNNECTED状態にあるものとする。ステップS801において、基地局200からユーザ装置100に対し、RRC Connection Inactivationメッセージ(RRC Connection Sustenanceメッセージ)が送信され、ステップS802において、ユーザ装置100の状態がRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)に遷移する。
ステップS801において基地局200からユーザ装置100に送信されるメッセージには、contention basedのデータ送信用の1つ又は複数の専用のRandom Access Preambleが含まれており、ユーザ装置100は、後述するステップS803において、当該専用のRandom Access Preambleを使用する。これにより、contention basedのデータ送信用に送信されるRandom Access Preambleが、既存のRandom Access Preambleと衝突することを回避できる。ただし、専用のRandom Access Preambleを使用することは一例であり、既存のRandom Access Preamble(例:64個)の中から選択したRandom Access Preambleを使用することとしてもよい。その場合、ステップS801のメッセージの中に専用のRandom Access Preambleは含まれないこととしてもよい。また、専用のRandom Access Preambleを使用する場合において、基地局200からユーザ装置100に当該専用のRandom Access Preambleを送信するメッセージは、RRC Connection Inactivationメッセージ(RRC Connection Sustenanceメッセージ)以外のメッセージであってもよい。
ステップS803において、ユーザ装置100は、Random Access Preambleと、基地局200においてユーザ装置100を認証するための識別子と、ユーザ装置100のAS contextを特定する識別子とを基地局200に送信する。
図17に示すように、ユーザ装置100を認証するための識別子は、LTEで規定されているshortResumeMAC−Iである。ただし、shortResumeMAC−Iを使用することは一例であり、shortResumeMAC−I以外の識別子が使用されてもよい。また、ユーザ装置100のAS contextを特定する識別子は、resume IDである。ただし、resume IDを使用することは一例であり、resume ID以外の識別子を使用してもよい。なお、ステップS803においてresume IDを含めないこととしてもよい。その場合、基地局200は、認証したユーザ装置100に対応付られているresume IDを基地局200の記憶手段等から取得する。
また、ステップS803での「Random Access Preamble + shortResumeMAC−I + resume ID」を送信するためのリソースは、LTEで規定されたPRACHのリソースでもよいし、当該PRACHのリソース以外のリソースでもよい。
図17のステップS804において、基地局200は、認証のための識別子(本例ではshortResumeMAC−I)を使用してユーザ装置100を認証する。ここでは認証に成功したものとする。
shortResumeMAC−Iでユーザ装置100を認証した基地局200は、ステップS805において、ステップS803で受信したresume IDと、contention based送信の識別子であるRNTI(CB−RNTIと呼ぶ)を含むRandom Access responseをユーザ装置100に送信する。
なお、CB−RNTIは、例えば規格の仕様で1つだけ定義してもよいし、複数のCB−RNTIを定義し、ユーザ装置毎に異なるCB−RNTIが割り当てられてもよい。ユーザ装置毎に異なるCB−RNTIを割り当てる場合、当該CB−RNTIは、contention based送信を識別する識別子であるとともに、ユーザ装置を識別する識別子でもある。なお、ステップS805において、resume IDが含まれないこととしてもよい。この場合、例えば、ユーザ装置100は、ステップS803でのメッセージ送信後の所定の時間ウィンドウでRandom Access responseを受信したことにより、基地局200での認証が成功していると判断し、ULデータ送信を行うこととしてもよい。ただし、resume IDを含めない場合、ユーザ装置100は、他のユーザ装置向けのRandom Access responseをユーザ装置100へのRandom Access responseであると誤る可能性が高くなることから、resume IDを含めることが望ましい。
ユーザ装置100は、ステップS805のRandom Access responseを受信し、Random Access response内にユーザ装置100自身のresume IDを検出した場合に、ステップS806において、ULデータを、resume IDと、ステップS805で受信したCB−RNTIと共に送信する。ここでのULデータ送信は、RLCレイヤにおいてRLC−UMで行う。ただし、これは例であり、他のモード(例:TM)で送信を行うこととしてもよい。また、ステップS806において、resume IDを含めないこととしてもよい。また、ステップS806においては、ステップS805のRandom Access responseで指示されるリソースを使用して送信がなされる。ただし、当該リソースは個別リソースではなく、衝突の発生の可能性があるリソースである。また、ステップS805のRandom Access responseでリソースを指示しないこととしてもよい。この場合、ユーザ装置100は、例えば、予め定められた範囲のリソースから選択したリソースを用いて送信を行う。なお、ステップS805のRandom Access responseを受信したユーザ装置100が、Random Access responseから自身のresume IDを検出できなかった場合には、ステップS806のULデータ送信を行わない。
ステップS806の後、例えば、基地局200がULデータを正常に受信できた場合において、基地局200からユーザ装置100に対してACKが送信される。また、基地局200がULデータを正常に受信できない場合(ULデータの復号に失敗した場合等)において、基地局200からユーザ装置100に対してNACKが送信される。ユーザ装置100がNACKを受信した場合、ユーザ装置100は、例えばステップS806と同様にして、ULデータの再送を行う。ただし、基地局200からユーザ装置100へのACK/NACKの送信、及びULデータの再送を行わないようにしてもよい。
<実施例2−2>
次に、図18のシーケンス図を参照して、実施例2−2における動作を詳細に説明する。図18に示す例では、既にユーザ装置100はRRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)にあるものとする。
なお、実施例2−1と同様に、RRC_CONNCTED状態からRRC_INACTIVE状態への遷移の際に、基地局200からユーザ装置100に対し、contention basedデータ送信のための専用のRandom Access Preambleを含むRRC Connection Inactivationメッセージ(RRC Connection Sustenanceメッセージ)が送信され、ユーザ装置100が以下で説明する処理において当該専用のRandom Access Preambleを使用することとしてもよい。また、専用のRandom Access Preambleではなく、既存のRandom Access Preambleを使用してもよい。
図18のステップS901において、ユーザ装置100は、Random Access Preambleと、ULデータと、基地局200におけるユーザ装置100の認証のための識別子(本例では、一例としてshortResumeMAC−Iを使用)とを基地局200に送信する。
ステップS901でULデータ送信処理が終了する。ただし、オプショナルで、ステップS902に示す処理が実行されてもよい。ステップS902において、基地局200はユーザ装置100に対して、Random Access Responseを返信する。当該Random Access Responseには、例えば、認証OK/NG、又は、ULデータのACK/NACK、又は、認証OK/NGとULデータのACK/NACKの両方が含まれる。ここで、ユーザ装置100がNACKを受信した場合には、ステップS901と同様にしてULデータの再送を行うことができる。
ステップS901での「Random Access Preamble + UL data + shortResumeMAC−I」を送信するためのリソースは、LTEで規定されたPRACHのリソースでもよいし、当該リソース以外のリソースでもよい。また、Random Access Preambleの系列の中の一部が、ULデータであってもよい。また、ステップS901において、「Random Access Preamble + UL data + shortResumeMAC−I」に加えて、resume IDが含められてもよい。
実施例2(2−1と2−2)によれば、Random Access手順を活用してULデータ送信を行うので、RRC_CONNECTED状態に遷移することなく、中間状態のまま効率的にULデータ送信を行うことができる。
(実施例3)
既に説明したように、ユーザ装置100が、RRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)においてcontention basedでULデータを送信(再送を含む)してもデータ送信が成功しない場合(基地局200がULデータを正常に受信できない場合)があることが考えられる。実施例3では、このような場合において、基地局200が、ユーザ装置100に対し、再送をcontention freeで実行させることとしている。以下、図19のシーケンス図、及び図20のフローチャートを参照して実施例3における動作例を詳細に説明する。なお、実施例3は実施例2を前提としている。ただし、実施例3に係る技術を実施例2とは独立に実施することとしてもよい。例えば、図17及び図18に示した方法以外の方法でULデータがcontention basedで送信された場合に、実施例3での図19に示す動作が適用されることとしてもよい。
図19において、ユーザ装置100は、最初、RRC_INACTIVE状態(RRC_SUSTAINED状態)にある。図19のステップS1001、S1002において、ユーザ装置100は、contention basedでULデータを送信するが、送信に成功せず、また、再送を行っても送信に成功しない。なお、図19では、1回の再送(S1002)が示されているが、再送は複数回行うこととしてもよい。また、再送が行われない場合もある。
ステップS1002の後、基地局200は、ユーザ装置100によるcontention basedでのULデータ送信が成功しないことを検知すると、ステップS1003において、基地局200はユーザ装置100に対して、RRC ConnectionをResume(再開)するよう指示する。その後、必要に応じて(例えば、UL同期が確立されていない場合等)、ユーザ装置100は、Random Access Preambleの送信、及びRandom Access Responseの受信を行い(ステップS1004、S1005)、RRC Connection Resume Requestを送信する(ステップS1006)。ユーザ装置100は、基地局200から送信されたRRC Connection Resumeを受信し(ステップS1007)、RRC Connection Resume Completeを送信する(ステップS1008)。この時点で、ユーザ装置100の状態はRRC_CONNECTED状態である。そして、ステップS1009のおいて、ユーザ装置100は、contention freeでULデータを送信する。
<ステップS1003における指示について>
ステップS1003において、基地局200からユーザ装置100へのRRC ConnectionをResume(再開)させる指示として、例えば、物理下り制御チャネル(PDCCH(UL grant))を使用することができる。この場合、例えば、基地局200は、ステップS1003において、当該PDCCH内の1ビットを使用して、RRC connectionをresumeすることをユーザ装置100に通知する。
また、RRC connectionをresumeすることを指示するMAC CEを新規に定義してもよい。この場合、基地局200は、ステップS1003において、当該MAC CEを作成し、当該MAC CEをユーザ装置100に送信する。
また、基地局200は、ステップS1003において、RLC status reportを送信することにより、ユーザ装置100に対してRRC connectionをresumeすることを指示してもよい。
<RRC connectionのresume指示の送信判断について>
基地局200が、ユーザ装置100によるcontention basedでのULデータ送信が成功しないことを検知し、RRC connectionのresume指示を行うことを決定するための方法に関しては、どのような方法を使用してもよい。一例として、図20に示す方法を使用することができる。
図20に示す方法では、例として、ユーザ装置100は、図17に示した手順(実施例2−1の手順)でULデータ送信を行うことを想定している。また、基地局200は、以下で説明する所定時間を計測するためのタイマを保持している。
図20のステップS1101において、基地局200は、「Random Access Preamble + shortResumeMAC−I + resume ID」(図17のステップS803)を受信することで、この時点以降に、ユーザ装置100からContension basedによりULデータを受信することを検知する。
なお、ステップS1101での検知(タイマ起動の契機)は、基地局200がRandom Access Response(図17のステップS805)を送信したことで行ってもよい。
ステップS1101における検知(「Random Access Preamble + shortResumeMAC−I + resume ID」の受信、又は、Random Access Responseの送信)をした時点で、基地局200は、所定時間を計測するタイマを起動する。
ステップS1102において、基地局200は、ユーザ装置100からULデータを正常に受信したかどうかを判定し、ULデータを受信した場合(Yesの場合)、処理を終了する。ULデータを受信していない場合(Noの場合)、処理はステップS1103に進む。ステップS1103において、基地局20は、所定時間が経過したかどうか(タイマが満了したかどうか)を判定し、所定時間が経過していない場合(Noの場合)、ステップS1102に戻る。ステップS1103において、所定時間が経過している場合(Yesの場合)、処理はステップS1104に進む。ステップS1104において、基地局200は、ユーザ装置100によるcontention basedでのULデータ送信が成功しないことを検知し、RRC connection resume指示の実行を決定する。
実施例3によれば、ユーザ装置100は、contention basedでの無駄なULデータの再送の繰り返しを回避することができ、効率的なULデータ送信を実現できる。
(装置構成)
以上説明した本実施の形態の動作を実行するユーザ装置100及び基地局200の機能構成例を説明する。実施例1、実施例2、及び実施例3に関して、ユーザ装置100及び基地局200はそれぞれ、実施例1、実施例2、実施例3のうちのいずれか1つの実施例の機能を有してもよいし、いずれか2つの実施例の機能を有してもよいし、3つの実施例の機能を有してもよい。以下では、ユーザ装置100及び基地局200はそれぞれ、3つの実施例の機能を有することを想定している。
<ユーザ装置100>
図21は、ユーザ装置100の機能構成の一例を示す図である。図21に示すように、ユーザ装置10は、信号送信部101と、信号受信部102と、状態管理部103と、通信制御部104を有する。通信制御部104は比較部114を含む。なお、ユーザ装置100が実施例1の機能を備えない場合には、比較部114を備えないこととしてもよい。図21に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。例えば、通信制御部104を受信側と送信側に分けて、送信側の通信制御部104を信号送信部101に含め、受信側の通信制御部104を信号受信部102に含めてもよい。
信号送信部101は、ユーザ装置100から送信されるべきデータを、無線で送信するための信号に変換し、当該信号を無線で送信するように構成されている。信号受信部102は、各種の信号を無線で受信し、受信した信号からデータを取得するように構成されている。
状態管理部103は、本実施の形態において説明した状態間の遷移を実行するとともに、現在の状態を管理(保持)する。通信制御部104は、各種識別子(resume ID、認証用の識別子、RNTI等)を取得し、保持するとともに、ULデータ送信等のために必要な識別子を信号送信部101に渡す。また、通信制御部104は、ASコンテクストを取得し、保持するとともに、当該ASコンテクストに基づき、信号送信部101/信号受信部102に対し、信号の送受信動作を指示することができる。
また、通信制御部104は、上限値を取得、保持するとともに、図14に示した判定動作を実行する。この場合、中間状態にあるユーザ装置100において、上りデータが発生した場合に、当該上りデータのサイズと、所定の上限値とを比較する比較部114が使用される。
また、信号送信部101が、比較部114により、上りデータのサイズが所定の上限値よりも小さいと判定された場合に、上りデータをコンテンションベースで基地局200に送信し、比較部114により、上りデータのサイズが前記所定の上限値よりも大きいと判定された場合に、上りデータをコンテンションフリーで基地局100に送信するように構成されてもよい。
また、信号受信部102は、基地局200から、前記所定の上限値を含む、接続状態から中間状態への状態遷移を指示するメッセージを受信するように構成され、比較部114は、前記メッセージから前記所定の上限値を取得し、当該所定の上限値と上りデータのサイズとを比較することとしてもよい。
また、上りデータをコンテンションベースで送信する場合において、信号送信部101は、ランダムアクセスプリアンブルと、基地局200においてユーザ装置100の認証に使用される識別子と、ユーザ装置100のコンテクストを識別するための識別子とを基地局200に送信し、基地局200から受信するコンテンションベース送信を示す識別子とともに上りデータを基地局200に送信するように構成されてもよい。
また、上りデータをコンテンションベースで送信する場合において、信号送信部101は、ランダムアクセスプリアンブルと、上りデータと、基地局200においてユーザ装置100の認証に使用される識別子とを基地局200に送信するように構成されてもよい。
また、上りデータの基地局200へのコンテンションベースでの送信が成功しない場合において、ユーザ装置100は、中間状態から接続状態に遷移するよう指示する信号を基地局200から受信したことに応じて、状態を中間状態から接続状態に遷移させ、信号送信部101が、コンテンションフリーで上りデータを基地局200に送信することとしてもよい。
<基地局200>
図22は、基地局200の機能構成の一例を示す図である。図22に示すように、基地局200は、信号送信部201と、信号受信部202と、状態管理部203と、通信制御部204とを有する。図22に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。例えば、通信制御部204を受信側と送信側に分けて、送信側の通信制御部204を信号送信部201に含め、受信側の通信制御部204を信号受信部202に含めてもよい。
信号送信部201は、基地局200から送信されるべきデータを、無線で送信するための信号に変換し、当該信号を無線で送信するように構成されている。信号受信部202は、各種の信号を無線で受信し、受信した信号からデータを取得するように構成されている。
状態管理部203は、本実施の形態において説明した状態間の遷移を実行するとともに、現在の状態を管理(保持)する。通信制御部204は、各種識別子(resume ID、認証用の識別子、RNTI等)を取得(生成を含む)し、保持するとともに、DLメッセージ送信等のために必要な識別子を信号送信部201に渡す。また、通信制御部204は、ユーザ装置100のASコンテクストを取得し、保持するとともに、当該ASコンテクストに基づき、信号送信部201/信号受信部202に対し、ユーザ装置100と基地局200との間の信号の送受信動作を指示することができる。また、通信制御部204は、認証用の識別子を用いて、ユーザ装置100を認証することができる。
また、信号受信部202は、中間状態にあるユーザ装置において、上りデータが発生し、コンテンションベースで当該上りデータが送信される場合に、ランダムアクセスプリアンブルと、基地局200においてユーザ装置100の認証に使用される識別子と、ユーザ装置100のコンテクストを識別するための識別子とをユーザ装置100から受信するように構成されてもよい。また、信号送信部201は、前記コンテクストを識別するための識別子と、コンテンションベース送信を示す識別子とを有するランダムアクセス応答をユーザ装置100に送信するように構成され、信号受信部202は、前記コンテンションベース送信を示す識別子とともに上りデータをユーザ装置100から受信するように構成されてもよい。
また、信号送信部201は、中間状態にあるユーザ装置100からコンテンションベースで送信される上りデータの受信に成功しないことを検知した場合に、中間状態から接続状態に遷移するよう指示する信号をユーザ装置100に送信するように構成されてもよく、信号受信部202は、信号送信部201により送信した信号に基づき、ユーザ装置100が接続状態に遷移した後、コンテンションフリーでユーザ装置100から送信された上りデータを受信するように構成されてもよい。
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(図21及び図22)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、例えば、本発明の一実施の形態におけるユーザ装置100と基地局200はいずれも、本実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図23は、本実施の形態に係るユーザ装置100及び基地局200のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のユーザ装置100及び基地局200はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。ユーザ装置100及び基地局200のハードウェア構成は、図に示した1001〜1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
ユーザ装置100及び基地局200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ装置100の信号送信部101、信号受信部102、状態管理部103、通信制御部104は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、基地局200の信号送信部201、信号受信部202、状態管理部203、通信制御部204は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等ともいう。例えば、ユーザ装置100の信号送信部101及び信号受信部102は、通信装置1004で実現されてもよい。また、基地局200の信号送信部201及び信号受信部202は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、ユーザ装置100及び基地局200はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、前記中間状態にある前記ユーザ装置において、上りデータが発生した場合に、当該上りデータのサイズと、所定の上限値とを比較する比較部と、前記比較部により、前記上りデータのサイズが前記所定の上限値よりも小さいと判定された場合に、前記上りデータをコンテンションベースで基地局に送信し、前記比較部により、前記上りデータのサイズが前記所定の上限値よりも大きいと判定された場合に、前記上りデータをコンテンションフリーで前記基地局に送信する送信部と、を備えることを特徴とするユーザ装置が提供される。
上記の構成によれば、接続状態とアイドル状態の間の中間状態にあるユーザ装置においてULデータが発生した場合に、当該ユーザ装置が効率的に当該ULデータを送信することができる。
前記ユーザ装置は、前記基地局から、前記所定の上限値を含む、前記接続状態から前記中間状態への状態遷移を指示するメッセージを受信する受信部を更に備え、前記比較部は、前記メッセージから前記所定の上限値を取得し、当該所定の上限値と前記上りデータのサイズとを比較するようにしてもよい。この構成により、例えば、ユーザ装置は、基地局から通信環境及び/又は通信状況に応じた適切な上限値を受信でき、当該上限値を使用することで、適切なサイズのULデータをコンテンションベースで送信することができる。
前記上りデータをコンテンションベースで送信する場合において、前記送信部は、ランダムアクセスプリアンブルと、前記基地局において前記ユーザ装置の認証に使用される識別子と、前記ユーザ装置のコンテクストを識別するための識別子とを前記基地局に送信し、前記基地局から受信するコンテンションベース送信を示す識別子とともに前記上りデータを前記基地局に送信することとしてもよい。この構成により、ユーザ装置は、ランダムアクセス手順を利用して、接続状態に遷移することなく、効率的にULデータ送信を行うことができる。
また、前記上りデータをコンテンションベースで送信する場合において、前記送信部は、ランダムアクセスプリアンブルと、前記上りデータと、前記基地局において前記ユーザ装置の認証に使用される識別子とを前記基地局に送信することとしてもよい。この構成により、ユーザ装置は、ランダムアクセス手順を利用して、接続状態に遷移することなく、効率的にULデータ送信を行うことができる。
前記上りデータの前記基地局へのコンテンションベースでの送信が成功しない場合において、前記ユーザ装置は、前記中間状態から前記接続状態に遷移するよう指示する信号を前記基地局から受信したことに応じて、状態を前記中間状態から前記接続状態に遷移させ、前記送信部は、コンテンションフリーで前記上りデータを前記基地局に送信することとしてもよい。この構成により、ユーザ装置は、無駄なコンテンションベースでの再送の繰り返しを回避でき、効率的にULデータの送信を行うことができる。
<その他の例>
また、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、前記中間状態にある前記ユーザ装置において、上りデータが発生し、コンテンションベースで当該上りデータを送信する場合に、ランダムアクセスプリアンブルと、前記基地局において前記ユーザ装置の認証に使用される識別子と、前記ユーザ装置のコンテクストを識別するための識別子とを前記基地局に送信する送信部と、前記基地局から、前記コンテクストを識別するための識別子と、コンテンションベース送信を示す識別子とを有するランダムアクセス応答を受信する受信部とを備え、前記送信部は、前記コンテンションベース送信を示す識別子とともに前記上りデータを前記基地局に送信することを特徴とするユーザ装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおける基地局であって、前記中間状態にあるユーザ装置において、上りデータが発生し、コンテンションベースで当該上りデータが送信される場合に、ランダムアクセスプリアンブルと、前記基地局において前記ユーザ装置の認証に使用される識別子と、前記ユーザ装置のコンテクストを識別するための識別子とを前記ユーザ装置から受信する受信部と、前記コンテクストを識別するための識別子と、コンテンションベース送信を示す識別子とを有するランダムアクセス応答を前記ユーザ装置に送信する送信部とを備え、前記受信部は、前記コンテンションベース送信を示す識別子とともに前記上りデータを前記ユーザ装置から受信することを特徴とする基地局が提供される。
また、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、前記中間状態にある前記ユーザ装置において、上りデータが発生し、コンテンションベースで当該上りデータを送信する場合に、ランダムアクセスプリアンブルと、前記上りデータと、前記基地局において前記ユーザ装置の認証に使用される識別子とを前記基地局に送信する送信部を備えることを特徴とするユーザ装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、前記中間状態にある前記ユーザ装置において、上りデータが発生した場合に、コンテンションベースで当該上りデータを送信する送信部と、前記上りデータの前記基地局への送信が成功しない場合において、前記中間状態から前記接続状態に遷移するよう指示する信号を前記基地局から受信する受信部と、を備え、前記受信部により受信した信号に基づき、前記ユーザ装置が前記接続状態に遷移した後、前記送信部は、コンテンションフリーで前記上りデータを前記基地局に送信することを特徴とするユーザ装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、接続状態とアイドル状態との間の中間状態をサポートする無線通信システムにおける基地局であって、前記中間状態にあるユーザ装置からコンテンションベースで送信される上りデータの受信に成功しないことを検知した場合に、前記中間状態から前記接続状態に遷移するよう指示する信号を前記ユーザ装置に送信する送信部と、前記送信部により送信した信号に基づき、前記ユーザ装置が前記接続状態に遷移した後、コンテンションフリーで前記ユーザ装置から送信された前記上りデータを受信する受信部とを備えることを特徴とする基地局が提供される。
上記の<その他の例>において説明したユーザ装置と基地局のいずれによっても、接続状態とアイドル状態の間の中間状態にあるユーザ装置においてULデータが発生した場合に、当該ユーザ装置が効率的に当該ULデータを送信することが可能となる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置100及び基地局200は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置100が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局200が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE−Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra−WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局200によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局200を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置100との通信のために行われる様々な動作は、基地局200および/または基地局200以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS−GW等が考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局200以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
ユーザ装置100は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局200は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、ベースステーション(Base Station)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本特許出願は2016年9月29日に出願した日本国特許出願第2016−192358号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016−192358号の全内容を本願に援用する。