JPWO2018051932A1 - 海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法 - Google Patents

海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法 Download PDF

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Abstract

安定的に広帯域変調信号を用いて電磁波による通信を実施する海中無線通信システムを提供するよう、海中無線通信システム1は、海中で電磁波により送信部10と受信部20の間で通信を行う海中無線通信システムであって、電磁波の周波数に応じて海中での伝搬に起因する歪を補償する歪補償部12を有している。

Description

本発明は、海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法に関し、特に電磁波を用いた海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法に関する。
世界の陸と海の面積比が3対7であるのに対し、日本の陸と海の面積比は1対11以上と大きく、21世紀の日本の発展にとって、海洋開発が果たす役割は重要である。海洋開発の分野では、海底資源開発、海洋環境・生物調査、地震モニタリング、そして、今後建設が見込まれる洋上発電施設や海洋牧場の施設管理などの、監視やモニタリング技術への期待が高い。この監視やモニタリングを、効率的かつ安全に実施するためには、海中での通信技術が重要な役割を果たす。現在は、海上又は陸上基地との間の通信は有線ケーブルを介して行うことが多いが、海底に設置された機器や水中ロボットの行動範囲等に制約が大きい。そこで海底機器の設置ポイントや水中ロボットとの間の通信には、無線通信が可能な水中音響通信技術の研究開発が盛んにおこなわれている。
水中音響通信は、数km以上の広い通信領域と、制御コマンドの送信や画像伝送に十分な伝送速度(>数kbps)とを両立することができるため、広く一般的に使用されている。
例えば特許文献1に水中音響通信技術が開示されている。特許文献1に開示される水中通信方式は、受波器が水中を伝搬してきた音響信号を電気信号に変換し、受信回路が受波器からの微弱な音響電気信号を増幅する。スタートパルス、データパルス、エンドパルスで構成された受信信号のFSK(Frequency Shift Keying)変調波を周波数分析し、この変調波の周波数帯域内に、スタートパルスが存在しているか否かを検出する。スタートパルスの存在が確認されると、検出した信号の時間的に分離した周波数分析結果を用いて、コード判定を行う。
特開2004−015762号公報
しかしながら水中音響通信では、沈底物体あるいは浮遊物体が多数散乱し、かつ透明度が低く、風浪階級の高い環境の深度の浅い海域等においては、残響等の影響で音響通信が困難になるか、または通信速度が著しく低下する現象がしばしば発生する。さらに、音響通信では発生する通信不可能な空間的領域(ブラインドゾーン)が発生する。また、このような透明度が低い環境においては、光を用いた通信も期待できない。
そこで海中における自由な通信技術確立のために電磁波を用いた通信が期待されている。しかしながら、この電磁波を利用するためには、海水による伝搬損失が大きいため、100m以上の通信を行うためには、極低周波帯(数100Hz〜10kHz程度。超長波とも言われる)を用いる必要がある。10kHzの電磁波を用いた場合100m以上の距離を伝搬する間に、信号の強さが100dB以上減衰する。そのため、携帯電話基地局などの送信電力である数百W〜数kWを仮定した場合、周波数としては、10kHz以下が現実的である。
一方で、一般的に、周波数が低くなればなるほど、通信に使用できる帯域幅は狭くなり、通信路容量(通信路を介して確実に伝送できる情報の量の上限)が低下する。例えば、1kHzで動作する送信機を用いた場合を考え、0.1kHzの通信帯域が得られ、受信機に到達した受信電力が100mWであったと仮定すると、通信路容量は0.67kb/secしか得られない。すなわち、海底設置型センサ、水中ロボット、観測用ブイ等の各種計測手段が分散した観測網を形成している場合に必要となる100m以上程度の距離を通信したい場合において、海水による減衰の少ない極低周波を使用すると、音響通信で得られたような数kbps以上の伝送速度を得ることは難しい。
本発明の目的は、海中において電磁波を用いた高速・長距離伝送が可能な海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法を提供することにある。
本発明の海中無線通信システムは、海中で電磁波により送信部と受信部の間で通信を行う海中無線通信システムであって、前記電磁波の周波数に応じて海中での伝搬に起因する歪を補償する歪補償部を有する。
本発明の送信部は、海中で電磁波により受信部の間で通信を行う海中無線通信システムの送信部であって、送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す第1の歪補償部を有する。
本発明の受信部は、海中で電磁波により送信部との間で通信を行う海中無線通信システムの受信部であって、受信した信号における海水の導電率に起因した歪を補償する第2の歪補償部を有する。
本発明の海中無線通信方法は、海中で電磁波により通信を行う海中無線通信方法であって、送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す。
本発明によれば、海中において電磁波を用いた高速・長距離伝送が可能な海中無線通信システム、送信部、受信部及び海中無線通信方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す平面図である。 図2は、通信方式ごとの帯域内特性を示す図である。 図3は、図1の歪補償部の振幅減衰動作を示す図である。 図4は、図1の歪補償部の位相遅延動作を示す図である。 図5は、図1の変形例の構成を示す図である。 図6は、図5の歪補償部の振幅増加動作を示す図である。 図7は、図5の歪補償部の位相遅延動作を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す図である。 図9は、本発明の第3の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す図である。 図10は、図9の変形例の構成を示す図である。 図11は、本発明の第4の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す図である。 図12は、本発明の第5の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す図である。 図13は、本発明の第5の実施形態の海中無線通信システムの概要を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の海中無線通信システムの構成を示す平面図である。
図1に示すように、海中無線通信システム1は、送信ベースバンド部11と、歪補償部12と、送信RF部13を備えた送信部10と、受信RF部21と、受信ベースバンド部22を備えた受信部20から構成されている。
送信部10の送信ベースバンド部11は、送信データに基づいて広帯域変調信号を生成する。送信ベースバンド部11は、通信システムの使用する周波数帯として、1MHz以下の周波数帯、特にULF帯(300Hzから3kHz)の周波数帯を用いる。海中では搬送周波数と伝送距離が大きく依存しており、その伝送距離が搬送周波数の−0.5乗に比例するため送信ベースバンド部11は、伝送距離を考慮して周波数を選択してよい。送信ベースバンド部11は、OFDM変調などのマルチキャリア変調信号を用い、そのサブキャリアの帯域幅を設定する。送信ベースバンド部11は、周波数帯と伝送距離に応じて設定するサブキャリアの帯域幅を変化させる。また、送信ベースバンド部11は、伝送レートを考慮して、周波数帯域と変調方式を選択してよい。
例えば、送信ベースバンド部11は、近距離で高速伝送を行う場合、周波数帯200kHz、帯域幅50kHz、32PSK方式を選択する。周波数帯200kHz、帯域幅50kHz、32PSK方式が用いられることで、海中であっても250kbps、5m以上の伝送が可能になり、潜水艦の誘導や、海中設備などとの高速伝送が可能になる。また、送信ベースバンド部11は、比較的遠距離の通信を行う場合、例えば、周波数帯2kHz、帯域幅250Hz、32PSK方式を選択する。周波数帯2kHz、帯域幅250Hz、32PSK方式が用いられることで、1kbps、100m以上の長距離伝送が可能になる。
海中では、空気中と異なり、信号減衰量と位相差の周波数依存性が大きい。これは、海中では、導電率が4S/m(空気中はゼロ)、比誘電率が81(空気中は1)と、空気中よりも高いためである。そのため、例えば、1.4kHzと1.9kHzの電磁波が100m伝送した場合、その信号減衰量差は約23dB、位相差は140度と非常に高い(空気中では、ほぼゼロ)。これらの差は、帯域幅及び伝送距離が同じである場合、周波数帯が低いほど拡がる。送信部10又は受信部20は、特定の伝送距離について周波数と信号減衰量及び位相遅延量を対応させて保持するルックアップテーブルを備えてもよい。また送信部10又は受信部20は、周波数のみではなく周波数、伝送距離、導電率に対応させて信号減衰量及び位相遅延量を保持するルックアップテーブルを備えてもよい。なおルックアップテーブルに限らず、送信部10又は受信部20は、信号減衰量及び位相遅延量を算出して出力する算出部を備えてもよい。
図2は、通信方式ごとの帯域内特性を示す図である。振幅の減衰及び位相の遅延は、水中では周波数によって大きく変化する。100m伝送時、4PSK通信方式で、周波数帯域を1375Hzから1875Hzとする場合、図2に示すように、振幅の減衰については、1375Hzにおける信号強度は47dBmであるのに対し、1875Hzにおける信号強度は24dBmまで減衰する。したがって帯域内で23dBmの信号強度差が生じる。また1375Hzにおける位相の遅延は124度であるのに対し、1875Hzにおける位相の遅延は566度にもなる。
歪補償部12は、受信部20で受信した信号の帯域内での振幅差と位相差が、受信部20で復調可能な範囲に収まるように、周波数に応じて、その帯域内で振幅差と位相差によるプレ歪を施す。歪補償部12は、送信部10から送信された送信信号が受信部20で受信されるまで海中を伝搬したことに起因する歪を想定する。歪補償部12は、上記のルックアップテーブルを参照して海水の導電率に起因して受信部20が受信した受信信号における歪を想定してもよい。歪補償部12は、想定した歪を打ち消すよう送信信号に振幅減衰動作及び位相遅延動作を行い歪を加える。図3は、図1の歪補償部12の振幅減衰動作を示す図である。図4は、図1の歪補償部12の位相遅延動作を示す図である。図3に示すように、送信ベースバンド部11の出力に対し、歪補償部12は、図2の振幅差に従って送信する信号の周波数が低いほど振幅を小さくする。また図4に示すように、送信ベースバンド部11の出力に対し、歪補償部12は、図2の位相差に従って送信する信号の周波数が低いほど大きく位相を遅延させる。
送信RF部13は、歪補償部12によりプレ歪が施された送信信号を送信する。
受信部20の受信RF部21は、送信部10から送信された送信信号を受信し、受信ベースバンド部22がベースバンドに変換する。受信部20で受信された受信信号では、高周波領域の振幅が歪補償部12で施された低周波領域の振幅の減衰と同程度、減衰しており、高周波領域の位相は、歪補償部12で施された低周波領域の位相の遅延と同程度、遅延している。
本実施形態により、海中で広帯域信号を用いた時に生じる、海水の導電率に起因した帯域内の信号歪を補償することが可能になる。したがって長距離化のために搬送周波数帯を低くしても、伝送レートを高くすることができる。これにより海中において、電磁波を用いた高速・長距離伝送が可能になる。
本実施形態によれば、海中での伝搬に起因した歪を補償することが可能になるため、高速伝送が可能になる。
なお本実施形態の構成は、海中での伝搬に起因した歪を想定して送信信号にプレ歪を施すものに限られない。送信信号は歪を加えず、受信信号に生じた歪を補償するよう周波数に応じて振幅を増加し位相を遅延させる構成としてもよい。
図5は、図1の変形例の構成を示す図である。図5に示すように、本変形例の海中無線通信システム2は、受信部25に歪補償部26を備えている点で図1の構成とは異なる。本変形例の送信ベースバンド部11は、図1と同様であり、OFDM変調などのマルチキャリア変調信号を用い、そのサブキャリアの帯域幅を設定する。送信ベースバンド部11は、周波数帯と伝送距離に応じて設定するサブキャリアの帯域幅を変化させる。また、送信ベースバンド部11は、伝送レートを考慮して、周波数帯域と変調方式を選択してよい。
また、送信RF部13は送信ベースバンド部11から出力された、伝送路で発生すると予測される歪は付与されていない信号を送信する。受信部25の受信RF部21は、送信部15から送信された信号を受信して歪補償部26に出力する。歪補償部26は、海中での導電率により発生していると想定される歪を打ち消すように受信RF部21から出力された信号に振幅増加動作及び位相遅延動作を行い、歪補償を行う。
図6は、図5の歪補償部の振幅増加動作を示す図である。図6に示すように、受信RF部21の出力に対し、歪補償部26は、図2の振幅差に従って周波数が高いほど信号の振幅を大きく増加させる。
図7は、図5の歪補償部の位相遅延動作を示す図である。図7に示すように、受信RF部21の出力に対し、歪補償部26は、図2の位相差に従って周波数が低いほど位相を遅延させる。
歪補償部26はこのように周波数により異なる歪を加えた信号を受信ベースバンド部22に出力し、受信ベースバンド部22がベースバンドに変換する。
本変形例によっても第1の実施形態と同様に、海中で広帯域信号を用いた時に生じる、海水の導電率に起因した帯域内の信号歪を補償することが可能になる。したがって長距離化のために搬送周波数帯を低くしても、伝送レートを高くすることができる。これにより海中において、電磁波を用いた高速・長距離伝送が可能になる。
次に第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態の海中無線通信システム3の構成を示すブロック図である。本実施形態の海中無線通信システム3は、送信部30と受信部20の間の伝送距離を判定する距離判定部32と、周波数と伝送距離に応じてサブキャリアの帯域幅を決定する信号決定部33とを備えている点で第1の実施形態と異なる。
帯域幅が同じ場合、サブキャリアの帯域幅を狭く(サブキャリア数を増やす)することで、これらの帯域内歪を抑制することが可能になるが、サブキャリア数を増やすと、冗長な帯域が増えるため、伝送レートが低下する。
本実施形態によれば、送信ベースバンド部31は、周波数帯と伝送距離に応じたサブキャリアの帯域幅を用いる。このことで、伝送レートを必要以上に低下させずに高速・長距離伝送が可能になる。
なお各サブキャリアの帯域幅は、必ずしも同じ幅としなくても良い。海中では周波数が高いほど損失が大きくなるため、高い周波数になるほどサブキャリアの帯域幅を広くしてもよい。この場合、たとえば、送信ベースバンド部31は、サブキャリアの周波数と、帯域幅とを対応させて保持するテーブルを備え、周波数帯と伝送距離に応じてサブキャリアの帯域幅の基準値を設定した後、テーブルを参照して周波数が高いほど帯域幅が広くなるよう、順次各サブキャリアの帯域幅を決定する。サブキャリアが高い周波数になるほどサブキャリアの帯域幅を広くすることで、各サブキャリアにおける損失の影響を均一にすることが可能となる。
次に第3の実施形態について説明する。図9は、本発明の第3の実施形態の海中無線通信システム4の構成を示すブロック図である。
上述のように海中では、導電率が4S/m(空気中はゼロ)、比誘電率が81(空気中は1)と、空気中よりも高いため空気中と異なり、信号減衰量と位相差の周波数依存性が大きい。例えば、1.4kHzと1.9kHzの電磁波が100m伝送した場合、その信号減衰量差は約23dB、位相差は140度と非常に高い(空気中では、ほぼゼロ)。これらの差は、帯域幅が同じである場合、周波数帯が低いほど、伝送距離が長いほど拡がる。
本実施形態の送信部35は、送信部35と受信部20の間の伝送距離を判定する距離判定部32を備え、歪補償部36は、送信する送信信号の周波数と距離判定部32が判定した伝送距離に応じて振幅差と位相差によるプレ歪を施す。
本実施形態によれば、送信部35は、周波数帯と伝送距離に応じたプレ歪を施すので、第1の実施形態と比較して、海中での伝搬に起因した歪を正確に補償することができる。したがって第1の実施形態と比較して、高速・長距離伝送が可能になる。
なお、受信部20が、周波数帯と伝送距離に応じた歪補償をかけるように構成されてもよい。図10は、図9の変形例の構成を示す図である。図10に示すように、本変形例の海中無線通信システム5では、受信部40に距離判定部42を備え、歪補償部41は、受信した信号の周波数と距離判定部42が判定した伝送距離に応じて帯域内で振幅差と位相差による歪を補償する構成としてもよい。送信RF部13は送信ベースバンド部11から出力された、伝送路で発生すると予測される歪が付与されていない信号を送信する。受信部40の受信RF部21は、送信部15から送信された信号を受信して歪補償部41に出力する。歪補償部41は、受信された信号の周波数と距離判定部42が判定した伝送距離に応じて海水の導電率により発生していると想定される振幅差と位相差による歪を補償する。
本変形例によれば、上記第3の実施形態と同様に、受信部40が周波数帯と距離判定部42が判定した伝送距離に応じて、受信した信号に歪補償を施すので、第1の実施形態と比較して、海中での伝搬に起因した歪を正確に補償することができる。したがって第1の実施形態と比較して、高速・長距離伝送が可能になる。
次に第4の実施形態について説明する。図11は、本発明の第4の実施形態の海中無線通信システム6の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、送信部45及び受信部50が、送信時刻と周波数の情報を含むパイロット信号を送信及び受信するパイロット信号部46、51を備えている点で第1、第2、第3の実施形態と異なる。受信部50のパイロット信号部51がパイロット信号を送信し、送信部45のパイロット信号部46が受信する。そのパイロット信号の受信部50における送信時刻、送信部45における受信時刻、パイロット信号の周波数から、送信部45の距離判定部47が、伝送距離を想定する。
導電率の高い海中では、波長短縮効果の影響により、伝搬速度が空気中に比して大きく低下する。例えば、1.9kHzは69km/s、見通し内伝送可能距離が約100m、0.9kHzは47km/s、見通し内伝送可能距離が約150mである。そのため、送信時刻、受信時刻、パイロット信号周波数から、その伝送距離を推定することが可能になる。
本実施形態によれば、パイロット信号部46、51を備えることで、送信部45と受信部50との間の伝送距離が正確に測定できるので、海中での伝搬に起因した歪を正確に補償することができる。したがって海中の通信においても高速伝送が可能になる。
次に第5の実施形態について説明する。図12は、本発明の第5の実施形態の海中無線通信システム7の構成を示すブロック図である。本実施形態の送信部55は、伝送距離の推定に、送信部55の周辺の海水の導電率を取得する導電率取得部56を備えている点で第1から第4の実施形態と異なる。
伝搬速度は、導電率の影響を受けるため、導電率情報も加味することで、より精度の高い伝送距離の推定が可能になる。例えば、周波数が0.9kHzの場合、導電率が4から3S/mに低下することで、伝搬速度が、54km/sと向上する。送信部55の導電率取得部56が例えば送信部55の周辺の海水の導電率を測定して取得し、距離判定部52が、パイロット信号部46、51により得られるパイロット信号の送信時刻、受信時刻、周波数距離とともに導電率取得部56からの導電率も考慮し、伝送距離を想定する。
本実施形態によれば、パイロット信号部46、51とともに導電率取得部56を備えることで、伝搬距離が正確に把握できるので、海中での伝搬に起因した歪を正確に補償することができる。したがって海中の通信において高速・長距離伝送が可能になる。
次に第6の実施形態について説明する。図13は、本発明の第6の実施形態の海中無線通信システムの概要を示す図である。本実施形態においては、送信部から射出した信号が、海底下、海表面、海底下と海表面の両方から反射し、受信部が受信する。本実施形態の海中無線システムの送信部及び受信部は、アンテナ60を、海底側の面、海表面側の面、又は海底側の面と海表面側の両方に備える。
海中と海表面や海底面や、導電率や比誘電率の差が大きいため、その界面での反射率が高い。そのため、この反射を利用することで、受電力を向上することが可能になり、高速伝送が可能になる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また上記の実施形態はどのように組合せてもかまわず、例えば、送信部のパイロット信号部がパイロット信号を送信し、受信部のパイロット信号部が受信し、そのパイロット信号の送信部における送信時刻、受信部における受信時刻、パイロット信号の周波数から、受信部の距離判定部が、伝送距離を想定してもかまわない。また導電率取得部が受信部側にあり、受信部の導電率取得部で取得した導電率も考慮し伝送距離を想定してもかまわない。
例えば、送信部及び受信部が備えるアンテナは1つに限られず、それぞれ複数のアンテナを備えてもよく、さらに複数のアンテナを用いてMIMO(multiple-input and multiple-output)により通信を行う機能を備えた構成としてもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)海中で電磁波により送信手段と受信手段の間で通信を行う海中無線通信システムであって、前記電磁波の周波数に応じて海中での伝搬に起因する歪を補償する歪補償手段を有する海中無線通信システム。
(付記2)海中で電磁波により受信部の間で通信を行う海中無線通信システムの送信手段であって、
送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す第1の歪補償手段を有する送信手段。
(付記3)前記送信手段と前記受信手段との間の伝送距離を判定する距離判定手段を有し、
前記第1の歪補償手段は、前記送信する信号の周波数と前記伝送距離に応じて前記プレ歪の振幅と位相を判定する、付記2に記載の送信手段。
(付記4)マルチキャリア変調信号を発生し、前記マルチキャリア変調信号のサブキャリアの帯域幅を前記サブキャリアの周波数と前記伝送距離に応じて変化させる送信ベースバンド手段を有する、付記3に記載の送信手段。
(付記5)前記送信ベースバンド手段は、前記サブキャリアの周波数が高いほど前記サブキャリアの帯域幅を広くする、付記4に記載の送信手段。
(付記6)前記受信手段から、送信時刻と周波数の情報を含むパイロット信号を受信するパイロット信号手段を有し、
前記距離判定手段は、前記パイロット信号の送信時刻、受信時刻及び周波数から前記伝送距離を推定する、付記3から5のいずれかに記載の送信手段。
(付記7)前記海水の導電率を取得する導電率取得手段を有し、
前記距離判定手段は、前記海水の導電率を考慮して前記伝送距離を判定する、付記3から6のいずれかに記載の送信手段。
(付記8)海中で電磁波により送信手段との間で通信を行う海中無線通信システムの受信手段であって、
受信した信号における海水の導電率に起因した歪を補償する第2の歪補償手段を有する受信手段。
(付記9)前記送信手段との間の伝送距離を判定する距離判定手段を有し、
前記第2の歪補償手段は、前記受信した信号の周波数と前記伝送距離に応じて前記歪を補償する、付記8に記載の受信手段。
(付記10)前記送信手段から射出され、海底下、海表面、又は、海底下と海表面の両方によって反射された信号を受信する、付記8又は9に記載の受信手段。
(付記11)海中で電磁波により通信を行う海中無線通信方法であって、
送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す、海中無線通信方法。
この出願は、2016年9月13日に出願された日本出願特願2016−178731を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、2、3、4、5、6、7 海中無線通信システム
10、15、30、35、45、55 送信部
20、25、40、50 受信部
11、31 送信ベースバンド部
12、26、36、41 歪補償部
13 送信RF部
21 受信RF部
22 受信ベースバンド部
32、42、47、52 距離判定部
33 信号決定部
46、51 パイロット信号部
56 導電率取得部
60 アンテナ

Claims (11)

  1. 海中で電磁波により送信手段と受信手段の間で通信を行う海中無線通信システムであって、前記電磁波の周波数に応じて海中での伝搬に起因する歪を補償する歪補償手段を有する海中無線通信システム。
  2. 海中で電磁波により受信部の間で通信を行う海中無線通信システムの送信手段であって、
    送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す第1の歪補償手段を有する送信手段。
  3. 前記送信手段と前記受信手段との間の伝送距離を判定する距離判定手段を有し、
    前記第1の歪補償手段は、前記送信する信号の周波数と前記伝送距離に応じて前記プレ歪の振幅と位相を判定する、請求項2に記載の送信手段。
  4. マルチキャリア変調信号を発生し、前記マルチキャリア変調信号のサブキャリアの帯域幅を前記サブキャリアの周波数と前記伝送距離に応じて変化させる送信ベースバンド手段を有する、請求項3に記載の送信手段。
  5. 前記送信ベースバンド手段は、前記サブキャリアの周波数が高いほど前記サブキャリアの帯域幅を広くする、請求項4に記載の送信手段。
  6. 前記受信手段から、送信時刻と周波数の情報を含むパイロット信号を受信するパイロット信号手段を有し、
    前記距離判定手段は、前記パイロット信号の送信時刻、受信時刻及び周波数から前記伝送距離を推定する、請求項3から5のいずれかに記載の送信手段。
  7. 前記海水の導電率を取得する導電率取得手段を有し、
    前記距離判定手段は、前記海水の導電率を考慮して前記伝送距離を判定する、請求項3から6のいずれかに記載の送信手段。
  8. 海中で電磁波により送信手段との間で通信を行う海中無線通信システムの受信手段であって、
    受信した信号における海水の導電率に起因した歪を補償する第2の歪補償手段を有する受信手段。
  9. 前記送信手段との間の伝送距離を判定する距離判定手段を有し、
    前記第2の歪補償手段は、前記受信した信号の周波数と前記伝送距離に応じて前記歪を補償する、請求項8に記載の受信手段。
  10. 前記送信手段から射出され、海底下、海表面、又は、海底下と海表面の両方によって反射された信号を受信する、請求項8又は9に記載の受信手段。
  11. 海中で電磁波により通信を行う海中無線通信方法であって、
    送信する信号に海水の導電率に起因した歪を補償するプレ歪を施す、海中無線通信方法。
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