JPWO2018047273A1 - 加工シミュレーション表示装置および加工シミュレーション表示方法 - Google Patents
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Abstract
加工シミュレーション表示装置(100)は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面に表示される工具の形状の該変化点の位置および姿勢での画像を第1または第2の表示更新タイミングにおけるワークの形状の画像に合成する指令を行う表示更新部(5)を備えたことを特徴とする。
Description
本発明は、工作機械によりワークの加工を模擬する加工シミュレーションを行う加工シミュレーション表示装置および加工シミュレーション表示方法に関する。
数値制御(Numerical Control:NC)装置により駆動される工作機械が加工対象のワークを加工する際、加工プログラムの検証作業を支援するため、ワークと工作機械に設けられた工具とを模擬した画像を表示画面に表示させる加工シミュレーションが用いられる。加工プログラムを準備するCAM(Computer Aided Manufacturing)システム、または加工プログラムを実行して工作機械を制御するNC装置には、当該加工シミュレーションの機能を備えているものが多い。
オペレータは、加工シミュレーションを実行することでワークが加工されていく過程と工具が移動する過程とをアニメーション表示により把握することで、削りすぎまたは削り残しといった加工間違いを検証し、さらに意図しない工具の動きがないかを検証する。ここで加工シミュレーション実行中の表示は、一定時間ごとに更新され、または一定回数の工具移動指令ごとに更新される。ところが近年では、工作機械の高機能化と高性能化に伴って複雑な形状を有する部品の加工が広く行われるようになった結果、そのための加工プログラムが大規模化すると共に複雑化する傾向にある。従ってオペレータは複雑な工具の動きが把握できず、検証作業が困難になるという問題が深刻化している。
このような問題を解決するため特許文献1の動作シミュレーション装置は、工具をはじめとする可動物の移動軌跡を特徴づける軌跡図形および矢印図形を表示部に重畳して表示することにより、可動物の移動軌跡を把握しやすくしている。
しかしながら特許文献1に開示されるように、可動物の移動軌跡の図形と関連情報とを表示部に重畳して表示する手法では、本来の表示対象物であるワークおよび工具の視認性が悪化し、工具の移動軌跡を直感的に把握することが困難であるという課題があった。また、表示更新周期を細かくするという方法も考えられ、その場合はアニメーション表示がスムーズになり工具の移動経路の把握が容易になるものの、表示更新処理のオーバーヘッドが過剰に発生するのを回避する適切な表示更新間隔を決定するのが困難であるという課題が一方で生じてしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シミュレーション実行時における工具の移動軌跡を容易に把握できる加工シミュレーション表示装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工シミュレーション表示装置は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面に表示される工具の形状の変化点での位置および姿勢での画像を更新させる表示更新部を備えたことを特徴とする。
本発明に係る加工シミュレーション表示装置は、シミュレーション実行時における工具の移動軌跡を容易に把握できるという効果を奏する。より具体的には、粗い表示更新間隔の下で工具の移動軌跡の変化点でのみ表示更新を追加することで、移動軌跡に沿って移動する途中経過を細かく表示した場合に表示更新処理が過剰に発生してしまう課題や視認性が悪化する従来技術の課題を解消し、工具の移動軌跡を把握しやすくすることができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る加工シミュレーション表示装置および加工シミュレーション表示方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置の機能構成を示す図である。図2は加工プログラムの検証作業の対象である工作機械と加工対象のワークとの一例を示す図である。以下では、図2を用いて加工プログラムの検証作業の対象である工作機械とワークの概要を説明した後に、図1を用いて本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置100の機能を詳細に説明する。以下では加工シミュレーション表示装置100を単に「加工シミュレータ100」と称する場合がある。
図1は本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置の機能構成を示す図である。図2は加工プログラムの検証作業の対象である工作機械と加工対象のワークとの一例を示す図である。以下では、図2を用いて加工プログラムの検証作業の対象である工作機械とワークの概要を説明した後に、図1を用いて本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置100の機能を詳細に説明する。以下では加工シミュレーション表示装置100を単に「加工シミュレータ100」と称する場合がある。
図2には工作機械200の外観が示され、工作機械200は直交3軸の立形工作機械の一例である。工作機械200は、架台21と、架台21上に設置されy軸方向に駆動されるサドル22と、サドル22上に設置されるワークテーブル23と、架台21に固定され架台21の上方へ延びるコラム24とを備える。コラム24にはラム25が取付けられ、ワークテーブル23上には加工対象のワーク300が設置される。
また図2に示す工作機械200は、サドル22に取付けられワークテーブル23をx軸方向に駆動するアクチュエータであるx軸駆動機構26xと、架台21に取付けられサドル22をy軸方向に駆動するアクチュエータであるy軸駆動機構26yと、コラム24に取付けられラム25をz軸方向に駆動するアクチュエータであるz軸駆動機構26zとを備える。
x軸駆動機構26xは、x軸モータ27xと、x軸モータ27xにより駆動される送り軸28xと、送り軸28xの回転角度を検出する回転角検出器29xとを備える。y軸駆動機構26yは、y軸モータ27yと、y軸モータ27yにより駆動される送り軸28yと、送り軸28yの回転角度を検出する回転角検出器29yとを備える。z軸駆動機構26zは、z軸モータ27zと、z軸モータ27zにより駆動される送り軸28zと、送り軸28zの回転角度を検出する回転角検出器29zとを備える。なお、図2に例示した直交3軸の立形工作機械の他、工具姿勢を変化させる回転軸をさらに備える4〜5軸の工作機械もあり、本発明はこれら工作機械の種類に依存するものではない。
x軸駆動機構26xによりワークテーブル23が駆動され、y軸駆動機構26yによりサドル22とその上部に設置されたx軸駆動機構26xとが駆動される。ラム25および主軸30は、コラム24に取付けられたz軸駆動機構26zにより駆動され、ワーク300は、主軸30の先端に取付けられた工具31により加工される。結果として、ワーク300のxy平面内の2自由度運動と、工具31のz軸方向における1自由度の運動とを組み合わせて、xyzの3次元空間内、すなわち3自由度において、工具31とワーク300とが交差した部分であるワーク300の表面の材料が除去される。これにより3次元形状が創成される。
図1に示す加工シミュレータ100は、図2に示す工作機械200によりワーク300の加工を模擬する加工シミュレーションを行うための装置である。加工シミュレータ100は、加工プログラムデータ10に記述された工具移動指令に基づき、ワーク形状データ11の更新処理を行うワーク形状処理部1と、ワーク形状データ11を入力とし、投影表示パラメータ12に従って投影処理を行い、ワーク表示画像データ13を生成して出力するワーク形状表示部2とを備える。
加工プログラムデータ10は、加工シミュレーションの対象である図2の工具31の移動指令である工具移動指令を複数記述したデータである。ワーク形状処理部1は、加工プログラムデータ10に記述された工具移動指令に基づき、工具形状データ14の3次元形状モデルを移動させ、ワーク形状データ11の3次元形状モデルを逐次変形することで加工を模擬する。具体的には、ワーク形状処理部1は、複数の工具移動指令の各々を解析し、移動の始点から終点までの移動モードに応じた曲線に沿って工具形状データ14の3次元形状モデルを連続移動させて得られる3次元のスイープ形状とワーク形状データ11の3次元形状モデルとが交差する領域を計算し、ワーク形状データ11の3次元形状モデルから交差領域を差し引いてワーク形状データ11を更新する処理を繰り返す。
ワーク形状データ11は、加工開始位置から加工終了位置までにおける時々刻々のワーク300の形状を3次元形状モデルで模擬したデータである。ワーク表示画像データ13は、ワーク形状データ11の3次元形状モデルを投影表示パラメータ12に従って投影したワークの画像データである。またワーク表示画像データ13は画素の輝度および色を表すカラーデータと投影の奥行情報を表すデプスデータとの組み合わせにより構成される。
また加工シミュレータ100は、加工シミュレーション実行中の指定の時点における工具の位置および姿勢に基づき、工具形状データ14の3次元形状モデルを投影表示パラメータ12に従って投影処理を行い、工具表示画像データ15を出力する工具形状表示部3を備える。工具形状データ14は、工具31の形状を3次元形状モデルで模擬したデータである。工具表示画像データ15は、工具形状データ14の3次元形状モデルを投影表示パラメータ12に従って投影した表示画像である。また工具表示画像データ15は、画素の輝度および色を表すカラーデータと投影の奥行情報を表すデプスデータとの組み合わせにより構成される。
また加工シミュレータ100は、ワーク表示画像データ13および工具表示画像データ15に基づき、ワーク形状画像および工具形状画像を合成し、合成されたワーク形状画像および工具形状画像を表示画面400に表示するための合成表示画像データ16を生成して出力する表示画像合成部4を備える。合成表示画像データ16は、ワーク表示画像データ13および工具表示画像データ15をZバッファ法により陰面処理して得られる画像データである。この合成表示画像データ16は、加工シミュレータ100に接続された表示画面400に出力される。表示画面400は合成表示画像データ16に基づき、図2に示すワーク300および工具31の形状を模擬した画像を表示する。
また加工シミュレータ100は、表示画面400に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面400に表示される工具の形状の画像を更新する表示更新部5を備える。表示更新部5は、ワーク形状表示部2、工具形状表示部3、および表示画像合成部4に画像データの更新を実行させる実行指令5aを、表示更新周期が経過したタイミングで出力する。表示更新周期が経過したタイミングとしては、一定時間が経過した時点と、複数の工具移動指令の内の一定数の工具移動指令が実行された時点とを例示できる。
表示更新部5は制御部51および記憶部52を備える。制御部51は、加工プログラムデータ10に記述された工具移動指令に基づきシミュレーションを実行中に、第1の表示更新タイミングから第2の表示更新タイミングまでの間に工具が移動した移動軌跡において、工作機械の並進軸または回転軸が反転した位置を検出する。以下では、並進軸または回転軸が反転した位置を、変化点または中間点と称する場合がある。第1の表示更新タイミングから第2の表示更新タイミングまでの間は、上記の表示更新周期に相当する。並進軸は図2に示す送り軸28x,28y,28zに相当する。また、回転軸は4〜5軸工作機械において工具軸の方向を変えるための回転軸を指す。そして制御部51は、並進軸または回転軸が反転した位置における工具の位置および姿勢を、工具中間点データ17として記憶部52に格納する。
制御部51は、第1の表示更新タイミングから第2の表示更新タイミングまでの中間点に工具中間点データ17が1または複数存在する場合、1または複数の中間点における工具の位置および姿勢に基づき、工具形状表示部3を制御する。これにより工具形状表示部3では、中間点における工具表示画像データ15が生成される。表示画像合成部4では、中間点における工具表示画像データ15とワーク表示画像データ13とに基づき、中間点におけるワーク形状画像および工具形状画像が合成され、合成表示画像データ16が生成される。
また制御部51は、全ての工具中間点における工具表示画像データ15の生成が終了した後、第2の表示更新タイミングに実行指令5aを出力する。これにより工具形状表示部3では、第2の表示更新タイミングにおける工具表示画像データ15が生成され、表示画像合成部4では、第2の表示更新タイミングにおける工具表示画像データ15およびワーク表示画像データ13に基づき、第2の表示更新タイミングにおけるワーク形状画像および工具形状画像が合成され、合成表示画像データ16が生成される。
図3は図1に示す制御部における第1の表示更新タイミング、第2の表示更新タイミングおよび表示更新周期を説明するための図である。前述したように制御部51には表示更新周期Tが予め設定されており、本実施の形態では、表示更新周期Tが経過したタイミングをそれぞれ第1の表示更新タイミングt1および第2の表示更新タイミングt2とする。第2の表示更新タイミングt2は、時系列的に最新の表示更新時点、すなわち今回の表示更新時点を表す。第1の表示更新タイミングt1は前回の表示更新時点であり、第2の表示更新タイミングt2よりも表示更新周期Tだけ遡った表示更新時点、すなわち前回の表示更新時点を表す。
次に加工シミュレータ100の動作を説明する。
図4は図1に示される表示画面に表示されるワークと工具と工具移動軌跡とを示す図である。図4には、図3に示す第1の表示更新タイミングt1で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aが示される。
ワーク形状画像300Aは、図1に示されるワーク形状表示部2で生成されるワーク表示画像データ13に基づき表示画面400に表示される画像であり、図2に示されるワーク300の形状を模擬した画像である。工具形状画像31Aは、図1に示される工具形状表示部3で生成される工具表示画像データ15に基づき表示画面400に表示される画像であり、図2に示される工具31の形状を模擬した画像である。
点線で示される工具移動軌跡40は、シミュレーション実行時における工具形状画像31Aの移動軌跡を表し、図3に示す第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までにおける工具形状画像31Aの仮想的な移動軌跡を表している。工具移動軌跡40上の第1の中間点41および第2の中間点42は、前述した並進軸または回転軸が反転した位置である。本発明の実施の形態1では、第1の中間点41および第2の中間点42は、単独では反転とは言えないが、第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までの工具移動軌跡40において大域的な意味での反転を形成している。
図5は本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置により更新される画像の一例を示す図である。図5(a)は、第1の表示更新タイミングt1で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図5(b)は、第1の中間点41で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図5(c)は、第2の中間点42で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図5(d)は、第2の表示更新タイミングt2で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図5(b),(c)の表示画像は並進軸または回転軸が反転したタイミングの表示画像に対応している。
実施の形態1に係る加工シミュレータ100では、第1の表示更新タイミングt1で更新された表示画像と第2の表示更新タイミングt2で更新される表示画像との間に、中間点で更新された表示画像が挿入されるため、加工シミュレータ100のオペレータは、第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までにおける工具移動軌跡を視覚的に把握できる。
図6は本発明の実施の形態1に係る加工シミュレーション表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。加工シミュレータ100は、第1の表示更新タイミングt1におけるワーク表示画像データ13および工具表示画像データ15を生成する。加工シミュレータ100は、第1の表示更新タイミングt1で生成されたワーク表示画像データ13および工具表示画像データ15に基づき、第1の表示更新タイミングt1における工具形状画像およびワーク形状画像を合成する(ステップS11)。合成された画像のデータは合成表示画像データ16として表示画面400に送信され、このとき表示画面400に表示される画像は図5(a)の画像に相当する。
次に加工シミュレータ100は、第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までの間の工具移動軌跡を解析し、並進軸または回転軸の反転する位置、すなわち中間点が存在する場合(ステップS12,Yes)、並進軸または回転軸が反転した位置における工具の位置および姿勢を、工具中間点データ17として記憶部52に格納する(ステップS13)。
ステップS12において、中間点が存在しない場合(ステップS12,No)、加工シミュレータ100はステップS17の処理を行う。
ステップS14において、加工シミュレータ100は記憶部52に格納された工具中間点データ17を参照し、全ての工具中間点データ17に対応する工具表示画像データ15の生成が完了したか否かを判断する。
全ての工具中間点データ17に対応する工具表示画像データ15の生成が完了していない場合(ステップS14,No)、加工シミュレータ100は、各中間点に対応する工具表示画像データ15を生成する(ステップS15)。
加工シミュレータ100は、各中間点に対応する工具表示画像データ15と、第2の表示更新タイミングt2におけるワーク表示画像データ13とに基づき、各中間点の工具形状画像と第2の表示更新タイミングt2のワーク形状画像とを合成する(ステップS16)。合成された画像のデータは合成表示画像データ16として表示画面400に送信され、このとき表示画面400に表示される画像は図5(b)および図5(c)の画像に相当する。
ステップS14において全ての工具中間点データ17に対応する工具表示画像データ15の生成が完了している場合(ステップS14,Yes)、加工シミュレータ100は、第2の表示更新タイミングt2のワーク表示画像データ13および工具表示画像データ15を生成する(ステップS17)。
加工シミュレータ100は、第2の表示更新タイミングt2の工具表示画像データ15およびワーク表示画像データ13に基づき、第2の表示更新タイミングt2の工具形状画像およびワーク形状画像を合成した合成表示画像データ16を生成して表示画面400に出力し(ステップS18)、表示更新処理を終了する。このとき表示画面400に表示される画像は図5(d)の画像に相当する。
以上のように実施の形態1に係る加工シミュレータ100によれば、第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までの間の工具移動軌跡をオペレータが容易に把握できる。そのため意図しない加工動作を容易に発見することができる。また実施の形態1に係る加工シミュレータ100によれば、第1の表示更新タイミングt1から第2の表示更新タイミングt2までの間における加工シミュレーション表示処理の追加的なオーバーヘッドを最小限に抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、中間点において生成された工具表示画像データ15を第2の表示更新タイミングt2で生成されたワーク表示画像データ13に合成する構成例を説明したが、中間点において生成された工具表示画像データ15は第1の表示更新タイミングt1で生成されたワーク表示画像データ13に合成して実施の形態1と同様の効果が得られる。実施の形態2では、第1の表示更新タイミングt1で生成されたワーク表示画像データ13を用いて中間点の工具表示画像データ15に基づく表示を更新する構成例を説明する。実施の形態2に係る加工シミュレータ100の機能構成は図1に示す加工シミュレータ100と同様であり、その動作が異なる。以下では図7,8を用いて実施の形態2に係る加工シミュレータ100の動作を説明する。
実施の形態1では、中間点において生成された工具表示画像データ15を第2の表示更新タイミングt2で生成されたワーク表示画像データ13に合成する構成例を説明したが、中間点において生成された工具表示画像データ15は第1の表示更新タイミングt1で生成されたワーク表示画像データ13に合成して実施の形態1と同様の効果が得られる。実施の形態2では、第1の表示更新タイミングt1で生成されたワーク表示画像データ13を用いて中間点の工具表示画像データ15に基づく表示を更新する構成例を説明する。実施の形態2に係る加工シミュレータ100の機能構成は図1に示す加工シミュレータ100と同様であり、その動作が異なる。以下では図7,8を用いて実施の形態2に係る加工シミュレータ100の動作を説明する。
図7は本発明の実施の形態2に係る加工シミュレーション表示装置により更新される画像の一例を示す図である。図7(a)は、第1の表示更新タイミングt1で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図7(b)は、第1の中間点41で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図7(c)は、第2の中間点42で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図7(b)および図7(c)に示すように中間点で工具形状画像31Aが更新されるとき、実施の形態2に係る加工シミュレータ100では、第1の表示更新タイミングt1で更新されたワーク形状画像300Aが用いられている。図7(d)は、第2の表示更新タイミングt2で更新された工具形状画像31Aおよびワーク形状画像300Aの表示画面400への表示例を表す。図7(b),(c)の表示画像は並進軸または回転軸が反転したタイミングの表示画像に対応している。
図8は本発明の実施の形態2に係る加工シミュレーション表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。図8に示すステップS21からステップS28はそれぞれ図6に示すステップS11からステップS18に対応する。図6に示すフローチャートとの相違点は、ステップS26における処理内容である。ステップS26以外の処理内容は、実施の形態1のステップS16以外の処理内容と同一であるため、実施の形態2ではその説明を割愛する。
図6に示すステップS16では、各中間点に対応する工具表示画像データ15と、第2の表示更新タイミングt2におけるワーク表示画像データ13とに基づき、各中間点の工具形状画像と第2の表示更新タイミングt2のワーク形状画像とが合成される。これに対して図8に示すステップS26では、各中間点に対応する工具表示画像データ15と、第1の表示更新タイミングt1におけるワーク表示画像データ13とに基づき、各中間点の工具形状画像と第1の表示更新タイミングt1のワーク形状画像とが合成される。合成された画像のデータは合成表示画像データ16として表示画面400に送信され、このとき表示画面400に表示される画像は図7(b),図7(c)の画像に相当する。
ワークの形状は工具の形状に比べて複雑なため、ワークの表示画像を生成する処理は、工具の表示画像の作成に比べて時間を要する。実施の形態2に係る加工シミュレータ100は、ワークの表示画像の生成に伴う処理時間を短縮するため、各中間点の工具形状画像と第1の表示更新タイミングt1のワーク形状画像とを合成した画像を表示画面400に表示するように構成されている。この構成により、ワークの表示画像の生成に伴う処理時間を短縮でき、さらにオペレータは工具移動軌跡を容易に把握することができるため加工プログラムの検証作業が容易になる。
なお図1に示す表示画面400は、加工シミュレータ100の外部に設けられた不図示の表示装置に設けられた画像表示部でもよいし、加工シミュレータ100に設けられている画像表示部でもよい。
図9は本発明の実施の形態1,2に係る加工シミュレーション表示装置を実現するハードウェアの構成例を示す図である。加工シミュレーション表示装置100は、表示部60、メモリ61、プロセッサ62および入出力部63を備える。プロセッサ62は受信したデータを用いてソフトウェアによる演算および制御を行う。メモリ61は受信したデータの記憶を行い、プロセッサ62が演算および制御を行うに際して必要なデータおよびソフトウェアの記憶を行う。入出力部63には加工プログラムデータ10および工具形状データ14が入力される。また入出力部63は表示画面400に対する合成表示画像データ16の出力を行う。表示部60は、加工シミュレータ100に設けられる表示画面400に相当する。図1に示すワーク形状処理部1、ワーク形状表示部2、工具形状表示部3、表示画像合成部4、および表示更新部5を実現する場合、これらの機能用のプログラムをメモリ61に格納しておき、このプログラムをプロセッサ62が実行することにより、ワーク形状処理部1、ワーク形状表示部2、工具形状表示部3、表示画像合成部4、および表示更新部5が実現される。
本実施の形態に係る加工シミュレーション表示方法は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置による加工シミュレーション表示方法であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡における工具の移動軌跡の変化点を決定する変化点決定ステップを含む。また本実施の形態に係る加工シミュレーション表示方法は、第1の表示更新タイミングで更新されたワークの形状の画像に、工具の移動軌跡の変化点で更新される工具の形状の画像を合成させて表示画面に表示させる第1の表示ステップと、第2の表示更新タイミングで更新されたワークの形状の画像に、第2の表示更新タイミングで更新された工具の形状の画像を合成させて表示画面に表示させる第2の表示ステップとを含む。本実施の形態に係る加工シミュレーション表示方法によれば、ワークの表示画像の生成に伴う処理時間を短縮でき、さらにオペレータは工具移動軌跡を容易に把握することができるため加工プログラムの検証作業が容易になる。
図10は本発明の実施の形態1,2における工具移動軌跡の変化点の別例を示す図である。本発明の実施の形態1,2における変化点は、工具の移動軌跡を構成している個々の工具移動指令の始点及び終点だけでなく、図10に示すように、円弧移動指令の中間点で象限をまたがり並進軸が反転する地点43としてもよいし、工具移動軌跡の形状が直線から円弧に変化する地点44としてもよいし、工具移動軌跡の形状が円弧から直線に変化する地点45としてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 ワーク形状処理部、2 ワーク形状表示部、3 工具形状表示部、4 表示画像合成部、5 表示更新部、5a 実行指令、10 加工プログラムデータ、11 ワーク形状データ、12 投影表示パラメータ、13 ワーク表示画像データ、14 工具形状データ、15 工具表示画像データ、16 合成表示画像データ、17 工具中間点データ、21 架台、22 サドル、23 ワークテーブル、24 コラム、25 ラム、26x x軸駆動機構、26y y軸駆動機構、26z z軸駆動機構、27x x軸モータ、27y y軸モータ、27z z軸モータ、28x,28y,28z 送り軸、29x,29y,29z 回転角検出器、30 主軸、31 工具、31A 工具形状画像、40 工具移動軌跡、41 第1の中間点、42 第2の中間点、43 円弧移動指令の中間点で象限をまたがり並進軸が反転する地点、44 工具移動軌跡の形状が直線から円弧に変化する地点、45 工具移動軌跡が円弧から直線に変化する地点、51 制御部、52 記憶部、60 表示部、61 メモリ、62 プロセッサ、63 入出力部、100 加工シミュレーション表示装置、200 工作機械、300 ワーク、300A ワーク形状画像、400 表示画面。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工シミュレーション表示装置は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面に表示される工具の形状の画像を更新させる表示更新部を備え、表示画面に表示される画像は、変化点における工具の形状の位置および姿勢の画像であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工シミュレーション表示装置は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面に表示される工具の形状の画像をワークの形状の画像に合成する指令を行う表示更新部を備え、表示画面に表示される画像は、ワークの形状の画像と、変化点における工具の形状の画像であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工シミュレーション表示装置は、ワークの形状とワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させ、ワークが加工されていく過程と工具が移動する過程とをアニメーション表示する加工シミュレーション表示装置であって、表示画面に表示される画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける工具の移動軌跡の変化点において、表示画面に表示される工具の形状の画像をワークの形状の画像に合成する指令を行う表示更新部を備え、表示画面に表示される画像は、ワークの形状の画像と、変化点における工具の形状の画像であることを特徴とする。
Claims (6)
- ワークの形状と前記ワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置であって、
前記表示画面に表示される前記画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける前記工具の移動軌跡の変化点において、前記表示画面に表示される前記工具の形状の該変化点の位置および姿勢での画像を前記ワークの形状の画像に合成する指令を行う表示更新部を備えたことを特徴とする加工シミュレーション表示装置。 - 前記変化点は、工作機械の並進軸または回転軸が反転する位置であることを特徴とする請求項1に記載の加工シミュレーション表示装置。
- 前記変化点は、工具の移動軌跡の形状が変更される位置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工シミュレーション表示装置。
- 前記表示更新部は、前記第2の表示更新タイミングで更新された前記ワークの形状の画像に、前記工具の移動軌跡の変化点の位置および姿勢で更新された前記工具の形状の画像を合成させることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の加工シミュレーション表示装置。
- 前記表示更新部は、前記第1の表示更新タイミングで更新された前記ワークの形状の画像に、前記工具の移動軌跡の変化点の位置および姿勢で更新された前記工具の形状の画像を合成させることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の加工シミュレーション表示装置。
- ワークの形状と前記ワークを加工する工具の形状との画像を表示画面に表示させる加工シミュレーション表示装置による加工シミュレーション表示方法であって、
前記表示画面に表示される前記画像を更新する第1の表示更新タイミングから一定の表示更新周期が経過した後の第2の表示更新タイミングまでにおける前記工具の移動軌跡における前記工具の移動軌跡の変化点を決定する変化点決定ステップと、
前記第1の表示更新タイミングで更新された前記ワークの形状の画像に、前記工具の移動軌跡の変化点の位置および姿勢で更新された前記工具の形状の画像を合成させて前記表示画面に表示させる第1の表示ステップと、
前記第2の表示更新タイミングで更新された前記ワークの形状の画像に、前記工具の移動軌跡の変化点の位置および姿勢で更新された前記工具の形状の画像を合成させて前記表示画面に表示させる第2の表示ステップと
を含むことを特徴とする加工シミュレーション表示方法。
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